える「折木さん?今日の午後はどこ行ってたんですか?紙にかいて説明してください。もちろん、詳細は分単位ですよ?」
元スレ
千反田える「私、メンヘラです!」エッヘン
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1339922956/
折木「…と、いうわけなんだが…」
える「そうですか…」
折木「…」ホッ
える「…!折木さん!ここの11時30分から11時40分、抜けてますよ!どうされたんですか?」チラッ
折木「い、いや…その…ちょっとトイレ」
える「10分もトイレ行ってたんですか?「」
折木「…あ、ああ」
える「…そうですか…。私、気になります!」
折木「…!」ビクッ
える「それに、折木さん!折木さんが今日駅に向かうために家をでたのは」
折木「ああ」
える「11時10分ですよね?それに、家を出る前に折木さんはトイレをすましていましたし…」
折木「お、おう」
える「そんな20分足らずで、トイレに行きたくなるものなのでしょうか?」
折木「きょ、今日はお腹の調子が悪かったんだ」
える「本当にそうでしょうか?今日の朝ご飯は折木さんが明日の朝外出することも考えて」
える「お腹を冷やさないものをだしていたはずなのですが…」
折木「い、いや…そ、そういうときもあるんだ」
える「…?」ジロッ
折木「あ、いや…そ、その…!昨日の晩、ちょ、ちょっと夜食食ったんだ!それでお腹の調子が―」
える「…折木さん?」ジロッ
折木「」
える「…夜食…ですか?折木さん、夜食に何を食べたのですか?」ニコッ
折木「あ、あー…か、カップ麺!カップ麺を食べたんだ!」
える「カップ麺…ですか?…折木さん、ちょっと待っててくださいね」スタスタ…
折木「あ、ああ…」
える「あら…」
折木「どうした?千反田」
える「折木さん…昨日は夜食に、カップ麺を食べたと言いましたよね?」
折木「あ、ああ」
える「…おかしいですね…昨日と比べて、カップ麺のストックがひとつも減っていないのですが…」
折木「」
える「…折木さん、嘘、ついてませんか?」
折木「…ご、ごめん!千反田…!」
える「…ふふ。観念してくれればいいんですよ?折木さん。私、怒るつもりはありませんから」ニコッ
折木「お、おう…(笑顔が怖いな…)」
える「それで…折木さんはどのような嘘を私についたのですか?」ジロッ
折木「11時30分から11時40分の空白のことなんだが…」
える「ふむふむ。続けてください」メモメモ
折木「あの時間、ちょうど里志がお腹を下してしまって…その、里志がトイレに行ったんだ」
える「その間折木さんはどうなさっていたのですか?」ジロッ
折木「…そ、その…、と、トイレの近くで里志が戻るのを待っていたんだ…」
える「…ふむふむ」メモメモ
える「…一人で、待っていたのですか?」
折木「あ、いや…その…」キョロキョロ
える「…そういえば確か、今日の外出は、折木さん、摩耶花さんとも一緒でしたよね?」
折木「お、おう…」
える「その時、摩耶花さんもトイレに行っていたのですか?」
折木「い、いや…伊原はトイレにいってなかった…うん…」
える「…では、その間、折木さんは摩耶花さんと一緒にいた、ということで間違いないでしょうか?」
折木「そそそうなるのな…」
える「はい…わかりました…はい…」フーン
折木「」ヒヤァ…
える「それで、折木さんは摩耶花さんと何をやっていたのですか?」
折木「そ、その…世間話を少々…」
える「…ふむふむ。どんな世間話ですか?」ジロッ
折木「て、天気のこと…とか…。良い天気だからテンキーでもかっちゃおうかなー…な、なんて…」
える「…面白くありませんね。今のは。うすら寒いです…」ゾワァ
折木「す、すまん…」
える「…それで、折木さんは摩耶花さんとどんな世間話をされたんでしょうか?」
折木「…だ、だから…その…天気…のこととか、その…」
える「…その…なんですか?」ジロッ
折木「…こ、古典部の展望、も…ちょっと話してたんだ」
える「…そうですか。どのような展望でしょうか」
折木「…ぶ、部員数のこととか…だな」
える「…そうですか…はい、わかりました」
える「…折木さん?」
折木「な、何だ千反田」
える「また摩耶花さんと、世間話以外のことしましたよね?」
折木「す、すまん…。で、でもほんとにそれだけなんだ!わかってくれ!」
える「いやです」
折木「」
える「…どうしてなんでしょう…折木さん…私は…私はこれだけ折木さんのことを愛しているのに…」グスン
折木「す、す千反田。で、でもほんとにそれだけなんだ。すまん!」
える「折木さんは…」
折木「…」
える「ヤレれば、誰でもいいんでしょう?」
折木「そんなことないだろ!俺は、千反田が―」
える「もういやです!折木さんなんて大嫌いです!!もう知りません!!」プンスカ
折木「(ど、どうしてそうなるんだ…)」
える「もう嫌ですもう嫌ですもう嫌です…」ブツブツ
折木「す、すまん千反田ぁ…」
える「…折木さんは…私より摩耶花さんのことがすきなんでしょう?だからそんなこと…」
折木「だから!違うって!わかれ!千反田!」
える「…もういいです折木さん私は誰からも必要とされていないのですだからここで死にますごめんなさい」
折木「おい、千反田?!千反田?!どこへ行くんだ?!だいどk…おい、やめろ、やめろって!」
える「…折木さんも…こんなめんどくさい女と付き合うなんて…もう…嫌…です…よね?」グスン
折木「あ、え、いや…」
える「今、めんどくさいって お も い ま し た よ ね ?」ジロッ
折木「思ってない!思ってないから!包丁!包丁早く捨てろ!」
える「…ここで死にますごめんなさい折木さん摩耶花さんと里志さんにもよろしく伝えておいてくださ…」ブツブツ
折木「…やめろ…やめるんだ千反田。こういうのはよくない」バッ
える「ちょ、ちょっと折木さん?!手、離してください!離して!離して!」
折木「…」バッ
える「あっ…包丁…離してください!折木さん!離して!離して!」キーッ
折木「ふ、ふう…べ、別に刺すわけじゃないから、安心しろって」ヒヤァ…
える「…もういいです!折木さん、私を刺してください!はやく!こんな私必要ありません!」ハヨハヨ
折木「お、おい千反田おまえ今何いったかわかって―」
える「刺してください!私、死にたいです!」グスン…
折木「」
折木「…千反田…おまえ…」
える「もうこんな生活嫌です!はやく刺してください!はやく!はやく!」ジタバタジタバタ
折木「わ、わかったから暴れるな!暴れるなって!!」
える「もう嫌です嫌です嫌です嫌です嫌です嫌です嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌…~~!!」キーッ
折木「…(こりゃ完全に頭に血がのぼってるな…今日は…)」
える「~~~!!!!!!!!」キイイイイイイイイイッ
折木「…千反田!」ギューッ
える「…!」
折木「…ごめん…千反田…もう、伊原と世間話以外はしないから…もう…」ギューッ
える「離してください折木さん!私、死にたいです!こんな人間生きててもしょうがないです!!」
折木「しょうがなくなんかないぞ!だから、やめよう!千反田!こういうのは…こういうのは…」
える「~~~!!~~~!!」
折木「…(しょうがないな…薬…薬…)」ガサゴソ
える「私私私^^~^~~」
折木「千反田!落ち着け!」ガポッ
える「!」ンンッ
える「…、…」
折木「ど、どうだ千反田?落ち着いたか?」
える「す、すみません折木さん…私、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまって…つい…」
折木「…お、俺はその…だ、大丈夫だから、う、うん…」
える「折木さんごめんなさい…私…いつも迷惑かけてばかりで…」グスン
折木「…泣くなって!だ、誰だってそんな失敗はあるさ…多分」
える「折木さんも…あるんですか?」
折木「ま、まあな」
える「~!」ギューッ
折木「よしよし。いつもかわいいぞ?千反田?」ナデナデ
える「折木さん///」
える「折木さん…」
折木「どうした?千反田」
える「何だか眠くなってきました…お布団まで連れて行ってもらってもいいですか?」
折木「ああ」
える「…では、おやすみなさい…」ウトウト
折木「ああ」
える「…、…」スヤスヤ
折木「(はぁ…。寝てる千反田はかわいいのになぁ…)」
折木「(どうしてこうなった)」
折木「(…!うわっ…また手首の傷…えげつないことなってる…)」ビクッ
折木「(…みているだけで痛々しい…)」
折木「(…どうにかできないものなんだろうか…。千反田が精神科に通い始めて早数か月…)」
える「…ほうたろ…」zzz…
折木「(…治るどころか、悪化してるように感じるのだが…)」
折木「(…、…)」
える「…、…」スヤスヤ…
おわり
56 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 19:28:15.30 33IsnLoW0 16/55は?
57 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 19:28:41.64 jHZHW9pAP 17/55嘘だろ
60 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 19:30:11.31 +ARX1a+v0 18/55>>57
じゃあおまえはどういう風なオチにしてほしいと思ってたんだ
参考にするわ
61 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 19:30:23.69 mv56yCua0 19/55ちゃんと治してあげてよ
70 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 19:50:13.22 jHZHW9pAP 20/55犯るか殺るかしろよ
73 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 19:53:44.26 +ARX1a+v0 21/55じゃあ今飯食ってるけど食い終わったらかくかもしれないしニャル子みる
74 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 19:56:18.19 LcnN+NUH0 22/55>>73
ニャル子みたあとでいい
77 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 20:04:16.50 LcnN+NUH0 23/55ハイパーニャル子タイム
える「ん…折木さん、おはようございます」ネムネム…
折木「おう」
える「…お、折木さん…昨日はその…ごめんなさい…」
折木「わかったわかったから。ちょっと待ってろ」
える「あっ。折木さん、これって…」
折木「ああ。朝ご飯だ。俺なりに作ってはみたものの、どうにも形がうまくいかんらしい」
える「ふふ♪ありがとうございます!折木さんっ」
折木「お、おう」デレデレ
折木「…よし。ご飯は食べたな?千反田」
える「はい!折木さんのご飯、おいしかったです!」
折木「そうか。ならよかった。よし、じゃあ支度したら精神科行くぞ」
える「えっ」
折木「あっ」
える「…、…行きたくないです」
折木「千反田…」
折木「だがな、千反田、最近のおまえは俺からみても明らかに悪化している」
える「そうかもしれませんが…その…」
折木「診てもらったほうがいいと俺は思うんだが」
える「…いやです!行きたくないです!」
折木「…じゃあ薬はどうするんだ?」
える「薬くらい、折木さんがもらいに行ってきてください!!!」
折木「千反田…」
折木「…千反田がそれほどいうなら…」
える「折木さん!」ギロッ
折木「…きょ、今日行くのはやめておこう。ま、また調子の良い日でも…」
える「はい!そうしてください!」プンスカ
折木「(ふぅ…危ない危ない。また包丁なんて出されたらこっちまで気が病んでしまう)」
折木「…、…」
折木「じゃあ俺は学校に―」
える「駄目です」バッ
折木「ん?どうした?千反田」
える「折木さん、学校行っちゃ駄目です。今日はずっと私と一緒にいてください」
折木「あのなぁ千反田、俺はまだ学生であって、学業が―」
える「…へぇ。そうなんですか。折木さんって、そういう人だったんですね」
折木「…どういう意味だ」
える「…やっぱり、私の事が嫌いなんでしょう?折木さん。だから学校に行こうとしてる」
える「やっぱり折木さんは私から離れたい…そうじゃないんでしょうか」
折木「あのなぁ千反田、今のはそういうつもりで言ったんじゃ―」
える「…そうですか…折木さん…そうだったんですね…」
折木「」
える「…そうですよね。折木さんみたいに面倒見が良くて優しい人なら別に私と何か付き合わなくても摩耶花さんとでも」ブツブツブツブツブツ
折木「おい!千反田!?千反田?!」
える「…結局私なんてただのめんどうくさい女だったんですよねそりゃそうですよね…」ブツブツ
折木「…、…わかった!1限目だけ、家に居ることにする」
える「…、……、…」ブツブツブツブツブツ…
折木「…じゃあ2限目までだけ!」
える「………・・、…」ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ…ヤンヤンヤンヤンヤン…
折木「…わかった。千反田、昼までは家にいることにする!そうするから!しっかりしろって!」ユッサユッサ
える「…、…」
折木「」
~学校~
折木「…そういうわけで、昼までは大変だったんだ…」グッタリ
里志「へぇ。今日は省エネに対応できなかったのか?」
折木「ああ…。昨日千反田が暴れたからな…包丁もって…」
里志「へぇ。それは怖いじゃないか。でも、スリリングだね。こんな体験なかなかできるもんじゃない」
折木「あのなぁ里志…、笑いごとじゃあ…」
里志「わかってるわかってる。で、千反田さんの状態はどうなんだい?」
折木「…治る気配がまったくない」
里志「そうかい。精神病は治るのに時間がかかると聞くからね。もう1、2年の辛抱じゃないのかい?」
折木「…あと1、2年もこんなのが続くのか…」ゲンナリ
折木「…何とかてっとり早く治せないものなのか。その精神病ってやつは」
里志「うーん。ないことはないね」
折木「どうすればいいんだ?もったいぶらずにいってみろ」
里志「精神病院にいれるのさ」
折木「…! 馬鹿なことを言うな。精神病院なんてこの前読んだ小説に入ったら廃人になるって―」
里志「…それは小説だからかもしれないよ?小説家がみんな精神病院に行った経験があるわけでもない」
折木「確かにそうだが、絶対精神病院は絶対に行かせん」
里志「ふふ。じゃあこのまま千反田さんとずっと付き合うかい?」
折木「…治る見込みがあるのなら…だが、このままではこっちの身がもたん」グッタリ
里志「そうだね。早く何とかしなきゃいけないね」
折木「あっ…」ブーン ブーン
里志「…千反田さんからかい?」
折木「ああ。…3分30秒以内に返信しないと面倒なことになってしまう…」
里志「どんなメールがきたんだい?」
折木「今何してますか?って」
里志「へぇ。千反田さんって、そんなに四六時中奉太郎のことが気になるのかい?」
折木「ああ」
里志「へぇ。でも良かったじゃないか奉太郎。千反田さんは奉太郎にゾッコンってことじゃないか」
折木「…愛が重い」
里志「はははっ」
ガチャン
タッタッタッ…
折木「…はぁ」
える「折木さん!おかえりなさい!」
折木「ただいま」
える「折木さん!聞いてください!今日近くのスーパーで、ティッシュが大安売りしていたんです!」
折木「ああ」
える「それで、いっぱいティッシュ買ってきました!」
折木「おお。助かるな」
える「はい」ニッコリ
える「…それで、今日スーパーで鯖缶も大安売りしていたんです」
折木「…ああ」
える「それで、鯖缶もいっぱい買ってきました!」
折木「おう」
える「それで、その帰り道に子猫が私をみていたんです!!」
折木「…喉が渇いた。千反田、お茶もってきてくれるか?」
える「はい!わかりました!」タッタッ…
折木「…ふぅ」ゴクリ
える「…それでその子猫を、撫でようとしたんです!」
折木「…ああ」
える「そしたら、逃げられちゃったんです!」
折木「お、おう」
える「ですので、今度は物で釣ろうと思って」
折木「おう」
える「鯖缶を!その子猫にあげようとしたんです!」
折木「おう」
える「そしたら、鯖缶が固くて開かなくって…」
折木「ああ」
える「それで…子猫には結局逃げられてしまいました…」シュン
折木「…ん、ああ」
える「…ちょっと折木さん?話きいてます?」
折木「…ん、ああ。聞いてる聞いてる」
折木「(…正直めんどくさい)」
える「…さ、折木さん。今日の学校でのスケジュールかいてください」
折木「…ああ」ゲンナリ…
える「当然分刻みですよ?!1分の空白も、私、許せません!」
折木「お、おう…」カキカキ…
える「…折木さん、これがかけたら夕食にしましょうか?」
折木「おう。そうだな」カキカキ…
える「何が食べたいですか?折木さん」チラッ
折木「んー…なんでもいいや」
える「…それが一番困るんです!」ガタン!
折木「お、おい千反田どうした」
える「はっきりしてください!折木さん!」
折木「じゃ、じゃあカレー…
える「はい!わかりました♪」
折木「…千反田の作るカレーはうまいな。今日の隠し味はなんだ?チョコか?」
える「はい!よくわかりましたね!折木さん!」
折木「…チョコいれてるのみえたからな~」パクパク
える「ふふっ!」
折木「(こうしていれば千反田も普通にかわいいんだが…なぁ…)」モグモグ
~深夜~
折木「…、…」
える「折木さん折木さん…、…」zzz…
折木「(…こうしていれば千反田もかわいいだがなぁ…流石に毎日腕枕は疲れるが…)」
折木「…千反田」ナデナデ
える「…♪、…」スヤスヤ…
折木「(さて。トイレに行きたくなった。どうする。千反田に気付かれないように気付かれないように…)」スッ
える「…、…んああああうあうあ!」キイッ
折木「!!?」ガタン!
える「…」スヤスヤ
折木「(なんだ寝言か…)」
折木「…、…ふぅ。戻るか」
スタスタスッ ミシミシィ!
折木「…ん、地震か」
折木「…お、止まった」スタスタ
折木「ちょっときつかったな。震度3くらいだろ」スタスタ
える「折木さん?!どこ行ってたんですか?!」ウルウル
折木「! 千反田どうした」
える「地震、怖かったです!」ギューッ
折木「お、おう」
える「どこ行ってたんですか?!折木さん!」
折木「ちょっとトイレ…」
える「トイレくらい私も一緒にいったのに…」
折木「あ、ああ…(トイレくらい一人で行きたい…)」
える「~~!~!~」モフモフ
折木「…(落ち着くまでしばらくこうしとくか)」
折木「…、…」
える「折木さん!起きてください!朝ですよ?」ユッサユッサ
折木「…ん、もうこんな時間か」
える「折木さん、はやく学校行かないと遅刻してしまいますよ?」
折木「…そうだな。はやく支度しないとな」
える「♪」
折木「(妙に機嫌が良い…のは良いが、少し怖いな)」
ガチャン
折木「…」スタスタ
える「…、…」グッタリ
折木「どうした?千反田。具合でも悪いのか?」
える「いえ…その…」
折木「あの薬、また飲んじゃったのか?」
える「はい…。折木さんに迷惑ばかりかけたくなかったので…その…」グスン
折木「…わかった。泣くな、千反田。な?」
える「はい…」グッタリ
折木「…やっぱりあの薬はちょっと効きすぎるな。医者にいってもっと軽いのにかえてもらうか?」
える「…いやです!精神科は…その…」
折木「でも、だ。おまえの病状は日に日に悪化している。もう一回医者に行ったほうがよくないか」
える「…いやです!行きたくない…です…」
折木「…なあ千反田」
える「…はい」
折木「おまえ病気を治す気があるのか?」
える「あります…あります!でも…どうにもならないんです…」
折木「医者行ったらなんとか手は打ってくれないのか?俺にはおまえが」
折木「どうにも病気を治す気がないようにしかおもえん」
える「…! お…れきさん…?」ウルウル
える「…、…」グスン
折木「…すまん。言い過ぎた」
える「…、…やっぱり私なんて…私なんて…」グスン
折木「…すまん。悪かったな」ギューッ…
える「…、…」グスン
折木「(…流石にぐったりして、怒る気力もない…か…)」
折木「…、…」ナデナデ
える「…、…」
~学校~
折木「…」ハァ…
里志「どうしたんだい?溜息なんて奉太郎らしくないじゃないか」
折木「…昨日千反田に言い過ぎてな…ちょっとな」
里志「へぇ。何を言い過ぎたんだい?」
折木「千反田があまりに精神科に行かないもんだから…、おまえは病気治す気あるのか?って…」
里志「あはは。それは精神を患ってる人に一番言っちゃいけない言葉だよ」
折木「ん?そうなのか?」
里志「そうともさ。彼らは病気を必死に治そうとしている。でも治らないんだ」
折木「どういう意味だ?精神病自体そんなに難病だとは思ったことはないが」
里志「確かに。精神病は目にはみえないし、これといって外的な変化もない」
里志「傍からみれば、ただ精神が弱いようにしかみえない」
折木「確かにそうだな」
里志「千反田さんが患ってる精神病自体、病気と認められたのは最近の話だからね」
里志「だから奉太郎、精神病も病気なんだよ。病気が根性論で治らないことくらいわかるだろう?」
折木「…確かにな」
里志「だから、千反田さんが精神科に行きたがらないのも、そういう病気なんだよ」
折木「…それはどういう病気なんだい?」
里志「…さぁね。でも、何か精神科で嫌なことでもあったんじゃないのかい。それで行きたがらない、と」
折木「…そう、なのか…?」
里志「そうとも。だから、あんまり病院に行かない千反田さんを攻めてはいけないよ?」
折木「…そうだな」
折木「…と、言うことは俺はこのまま治るのを待つしかないということか?」
里志「…そうなるね。精神病は治るのに時間がかかるらしいね」
折木「…はぁ…」
里志「…大丈夫さ奉太郎!奉太郎ならきっと待てるよ」
折木「…気が滅入るやらなんやら…」グッタリ
里志「…そうだね。治すのには途方もない時間がかかるからね。でも奉太郎は」
折木「…ん?」チラッ
里志「奉太郎は千反田さんのことが好きなんだろう?」
折木「あ、ああ///」
里志「だったら治るまで待っていてあげないとね。今の千反田さんを奉太郎無しにするのはよくないね」
折木「…俺まで精神病になりそうだ…」
里志「大丈夫さ。奉太郎ならきっと待てるよ。愚痴くらいなら聞く余力は僕にもあるさ」
折木「そうか…ありがとう。それより里志、どうしてそんなに精神病に詳しいんだ?」
里志「…データベースだからねっ」
折木「おう…」
ガチャン
折木「…ん」
える「折木さん!おかえりなさい!」
折木「ただいま」
える「聞いてください!折木さん!今日スーパーでティッシュが大安売りしてたんです!」
折木「…なぁ千反田、そのスーパー、先週もティッシュ大安売りしてなかったか?」
える「…!そうですね!折木さん、よく気付きましたね…!」
折木「…そんなことは置いといて、だ。千反田」
える「なんでしょう?」
折木「ど、どうして精神科に行きたくないんだ?」
える「えっと…それは…言わなきゃいけないのでしょうか…?」
折木「…どうしても、というわけじゃない。でも言ってくれるとうれしい」
える「…お、怒ったりはしない…ですか?」
折木「ああ。どんな些細な理由でも怒りはしない」
える「…精神科の先生が、手首をジロジロみてくるんです…」グスン
折木「リストカットしたほうの手首か?」
える「…はい。それで…その…それが私の心がどれだけ弱いか…さぐられてる感じがして…その…」グスン
折木「…! …そうか、そうだったのか。…昨日はひどいこと言ってすまなかったな、千反田」
える「いえ、その…私がそれくらいの事でも病院に行っていればあのようなことを折木さんが―」
折木「…千反田は何も悪くないんだから謙遜するな」
える「折木さん…」
折木「…そうだな。先生かえてもらうか?」
える「はい…そうしてほしいです…あの先生は…ちょっと…」ウルウル
~数年後~
折木「久しぶりだな。里志」
里志「久しぶり、奉太郎。調子はどうだい?」
折木「…ふつうだな」
里志「ふつうか。ならよかったじゃないか。千反田さんの状態はどうだい?」
折木「…おかげさまで、すっかりよくなったよ。今では薬なしでスーパーのバイトもしてるほどだ」
里志「! よかったじゃないか。奉太郎、よくがんばったじゃないか」
折木「…俺一人じゃないけどな。ま、でも一番がんばったのは千反田自身か」
里志「そうだね。僕たちは単に千反田さんの手助けをしたに過ぎない」
千反田「…折木さん?どこへ行っ―、福部さん!お久しぶりです」
里志「久しぶりだね。千反田さん」ニコッ
折木「それで、だ。伊原はまだなのか?」
里志「うーん…もうすぐ来るはずじゃないのかな…って、噂をすれば何とやらだね」
摩耶花「ごめん遅れたーって、ちーちゃん?!」
える「摩耶花さん!お久しぶりです!」ニコッ
里志「…よし。これで古典部は全員そろったね」
摩耶花「それで福ちゃん、今日はどこ行くの?」
里志「うーんとね。奉太郎、どこへ行くんだっけ?」
折木「…言ってなかったか?今日はだな、えーっと…」
える「どこ行くんですか?私、気になります!」
おわり!
175 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 23:50:09.34 z3q/a/Qd0 52/55本人が一番辛いのは分かるけど、やっぱ周りの人間も辛いんだよなぁ
178 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 23:55:19.13 mv56yCua0 53/55精神科もピンキリらしいからな、病院変えて劇的によくなったって話もきくし
179 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 23:56:06.50 RZb/FgA6O 54/55まず身近な人が精神病に対する理解を深めないと大変なことになる
181 : 以下、名... - 2012/06/17(日) 23:58:41.99 7tvZd334O 55/55>>179
理解を深めすぎると今度は感染する
本当に難しい病気だと思う