朝
小鳩「クックック、我が眷属よ」
小鷹「………」
小鳩「よく我らが苦手とする日が昇るときに、我が供物を作る気になるなぁ、中々見所があるなぁ、我が半身」
小鷹「………」
小鳩「……フ、フンっ」
元スレ
小鷹「小鳩を無視し続けたらどうなるか」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1322314212/
小鳩「仕方が無い、我が半身の好意に甘えるとしよう……さて、早く供物を出せ」ストン
小鳩「………」ワクワク
小鷹「よし、出来たか」カチャカチャ
小鳩「!あ、あんちゃん!今日はご飯?パン?」
小鷹「さて、とっとと食って学校行くか」
小鳩「………」
小鷹「よいしょっと……アレ?牛乳あったか?」
小鳩「………あ、あんちゃん…?」
小鷹「………」パクパク
小鳩「あ、あんちゃん」
小鷹「………」パクパク
小鳩「ねぇ!あ、あんちゃん!」ガタッ
小鷹「………」パクパク
小鳩「ウ、ウチのご飯はないと!?ねぇ!?あんちゃ…」
小鷹「ご馳走様でした、今日は我ながら中々の出来だったな」
小鳩「………あ、あんちゃん」
小鷹「さて、マリアの分の弁当盛り付けしないとな」
小鳩「……あんちゃん!」
小鷹「よっこらしょっと…」ガタ・・・
小鳩「ウ、ウチの分もあるんけぇ?……お弁当…ねぇ?答えてよ、あんちゃぁん!!!」ギュッ
小鷹「………」
小鷹「よし、とっとと終わらせるか」
小鳩「!」
小鷹「うーん、一人分にしては多くおかず作っちまったなぁ………何故だ」
小鳩「!…あ、あんちゃん!それ!ウ、ウチの分!あんちゃん!」
小鷹「うーん…」
小鳩「ねぇ!あんちゃんってばぁ!」
小鷹「ま、夕飯のために置いとくか」
小鳩「!………ひぐっ…」
数分後、玄関
小鷹「よし、マリアの弁当も持ったし学校行くかな」
小鳩「んぐっ……あ、あんちゃん!待って!ウチも行くけん!待ってけぇ!」ドタバタ
小鷹「にしても、幸村のせいでマリアの舌が肥えちまったからなぁ………俺の弁当にうんことか言いそうだな」
小鳩「あ、後少しで着替え終わるけぇ!もう少しまってて!あんちゃん!……んっ」ギュウギュウ
小鷹「じゃ、行ってきまーす」ギィ・・・
小鳩「!あ、あんちゃん!ウチも!ウチも行くけん!待って!あんちゃ
バタン…
小鳩「………あ、あんちゃん……まって……」ポロポロ
道中
小鷹「………」
小鳩「あ、あんちゃぁぁん!!!」タッタッタ
小鷹「………」
小鳩「ま、待ってっ…!あんちゃん!……歩くの早いんじゃけぇ…!」タッタタ
小鷹「………」
小鳩「や、やっと追いついたけぇ……あ、あんちゃん!」
小鷹「………」
小鳩「………ね、ねぇ!あんちゃん!何か言ってくれんけぇ!ねぇ!あんちゃん!」
小鷹「………」
小鳩「!……んぐっ………な、泣かんと……ぜ、絶対に泣かんと…」グッ・・・
小鷹「………」
小鳩「く、クックック……わ、我が眷属よ…」
小鷹「………」
小鳩「その様を見る限り、どうやら敵が近づいているようだな……我には分かるぞ、半身…」
小鷹「………」
小鳩「主人の我に敵の手が及ばぬよう、我とのリンクを切ったようにみせるとはな………クックック、考えたな…だがな」
小鷹「………」
小鳩「貴様はどう足掻いても我の眷属でしかない、その貴様が敵の手から我を逃すには幾分か力不足である……分かるか?」
小鷹「………」
小鳩「……だ、だからな……我も一緒に闘おう、我が一緒にいれば無敵だ…それに…」
小鷹「………」
小鳩「貴様と我は二対一体………ふ、二人で一つじゃけぇ…」
小鷹「………」
小鳩「い、今までも一緒に頑張ってきたとぉ……わ、我には…あんちゃんしか居ないんじゃけぇ…」
小鷹「………」
小鳩「だ、だからあんちゃん……ウ、ウチを…」
小鷹「うーん…昼飯はどうしようか、夏休みは購買開いてないしな」
小鳩「あ、あんちゃ…」
小鷹「ま、着いてから考えればいいか」スタスタ
小鳩「………」
部室
小鳩「………」
小鷹「星奈……お前また朝からエロゲーか」
星奈「なっ!何よ文句でもあるわけぇ!?」
小鳩(あんちゃん……ウチ以外とはちゃんと話とる)
理科「?小鳩さん、今日は口数が少ないですね?どうかしたのですか?」
小鳩「………何もないと」
理科(あれ?厨二は?)
小鷹「………」
小鳩「………」
小鷹「………」
小鳩「あ、あんちゃん…」
小鷹「………」
小鳩「……クックック、我が半身よ」
小鷹「………」
小鳩「今、我の吸血鬼としての力が薄れている……半身ならこの状態がどれ程危険を孕んでいるか分かるな?」
小鷹「………」
小鳩「あの裏の世界を奴らから守る手立てが潰える………そういうことなのだぞ」
小鷹「………」
小鳩「だが半身、吸血鬼としての力を戻す方法はある……そう、それは貴様が我に供物を与えるということだ」
小鷹「………」
小鳩「所望するのはたったの二つだ、この世の処女の生き血、そして、人類が普段補給している獲物……たったそれだけなのだ」
小鷹「………」
小鳩「だから半身よ、今夜はその二つを我に捧げよ……さもなくば…」
小鷹「………」
小鳩「我とお前は吸血鬼としての力が無くなり………き、消えることに…」
小鷹「………」テクテク
小鳩「なる……のだぞ……あんちゃん」
自宅
小鷹「………」カチャカチャ
小鳩「………」クラキコノヨノドコニモワレヲモトメルモノハイナイ
小鷹「………」カチャカチャ
小鳩「………」ダレモワレノコトナドッ・・・!
小鷹「………」コト・・・
小鳩「!」オマエニハ・・・ワタシガイルッ!
小鷹「よし、中々上出来だな」
小鳩「………」・・・ホ、ホントニ
小鷹「にしても、一体誰の分を作ったんだ?俺は?」
小鳩「!」・・・ワレハオマエヲシンジテイイノカ?
小鷹「ま、いいか」
小鳩「………クックック、どうやら準備したようだな、流石我の眷属だ」---アタリマエダロウ?
小鳩「うむ、処女の生き血も確かにあるな」
小鷹「………」パクパク
小鳩「………」
小鷹「………」パクパク
小鳩「わ、我が半身よ」
小鷹「………」パクパク
小鳩「この供物は我へのためなのか?」
小鷹「………」パクパク
小鳩「しょ、食してもよいな?」
小鷹「………」パクパク
小鳩「………あ、あんちゃ」
小鷹「にしても」
小鳩「!」
小鷹「俺は朝のおかずがあったのに……なんでまた作ったんだろうか」
小鳩「………」
小鷹「まぁ、腐らすのももったいないし……誰か食ってくんねーかなぁ」
小鳩「!」
小鳩「フ、フンっ!我が半身がそこまで言うのならば……我が頂くとしよう!」ガタッ
小鷹「………」
小鳩「フ、フム…頂くとする………い、いただきます」
小鷹「………」
小鳩「はむっ……あむっ……」パクパク
小鷹「………」
小鳩「ぱくっ……んくっんくっ……」パクパク・・・ジワッ
小鷹「………」
小鳩「あむっ……んぐっ…はぐっ……ひっく」ポロポロ・・・
小鷹「………」
小鳩「さ、さしゅが我がけんじょくだ……中々…び、美味だじょ……ぐすっ」ポロポロ
小鳩「ぐすっ……いつもありがと………あんちゃん」ポロポロ
小鷹「………ご馳走様」
就寝時
小鳩「………」
小鳩「我が眷属が体を休めている時に敵の魔の手が迫る可能性がある……だから我が傍に居なければならないなぁ…クックック…」
小鳩「………」ゴクッ・・・
小鳩「………」ガチャ・・・
小鷹「すー…すー…」
小鳩「あ、あんちゃん……寝とる……」
小鷹「すー…すー…」
小鳩「………お、お邪魔するけぇ…」
小鳩「………」ゴソゴソ
小鷹「すーすー」
小鳩「………温かい」
小鷹「すーすー」
小鳩「あ、あんちゃん」
小鷹「すーすー」
小鳩「ウチなんか悪いことしたけぇ?それともあ、あんちゃん…」
小鷹「すーすー」
小鳩「ウ、ウチのこと嫌いになったの?あんちゃん?」
小鷹「すーすー」
小鳩「へへ…今日は一回もあんちゃんと話た気がせんとう…」
小鷹「すーすー」
小鳩「おやすみ………あんちゃん」ギュッ
小鳩「すぅー……すぅー……」
小鷹「おやすみ、小鳩」ナデナデ
早朝
小鷹「すーすー」
小鳩「んっ……もうあさけぇ?」
小鷹「すーすー」
小鳩「………」
小鷹「すーすー」
小鳩「……あんちゃん、今日もウチのこと無視するんけぇ?」
小鷹「すーすー」
小鳩「早く……いつものあんちゃんに戻ってくれんけぇ……あんちゃぁん」ギュッ
小鷹「すーすー」
小鳩「………あんちゃぁ……」スースー・・・
小鷹「………」
小鷹「はぁ、ごめんな小鳩」ナデナデ
小鳩「んっ……あんひゃん…」ムニャムニャ
小鳩「んっ……んん…」
小鳩「あれ……あんちゃんもういないんけぇ…」
小鳩「………」
小鳩「……あんちゃん、ウチがベッドに入ったこと怒ってるんかなぁ………」
小鳩「………もう…」
小鳩「あんちゃんに会いたくないとう……ウチ」
自室前
小鷹「………」
小鷹「………朝飯作るか」
小鷹「………」カチャカチャ
小鳩「あ、あんちゃん……おはよう」
小鷹「………」カチャカチャ
小鳩「………」
小鷹「………」カチャカチャ
小鳩「………クックック、我が言の葉を素直に受け取らないとはな…中々に反抗的だな眷族よ」
小鷹「………」カチャカチャ
小鳩「ま、まぁいいだろう……今回は貴様の愚行も見逃してやろう……」
小鷹「………」カチャ・・・コト
小鳩「そ、それで今朝の我への供物は……あるのだろうな?眷属よ?」
小鷹「………はぁ、また作っちまったよ…何なんだろうな」コト
小鳩「!」
小鷹「………」パクパク
小鳩「………」パクパク・・・
小鷹「………」パクパク
小鳩「………」グッ
小鳩「……我が半身よっ!」
小鷹「………」パクパク
小鳩「きょ、今日の貴様の行動を説明してもらおうか!わ、我は貴様の主だからな!知る権利はあるぞ!うむ!」
小鷹「………」パクパク
小鳩「っ……やはり今日もあの下等生物たちの集いに参加するのか?」
小鷹「………」パクパク
小鳩「それなら我も……同行させてもらおうか……」
小鷹「………」パクパク
小鳩「………」ショボーン
小鷹「………今日は」
小鷹「今日は部活が休みらしいし……買い物にでも行くかな」
小鳩「!」
小鳩「あ、あんちゃん!」
小鷹「………」パクパク
小鳩「ウチも一緒に行ってもいいん?あんちゃん!」
小鷹「………」パクパク
小鳩「………ダメけぇ…やっぱり」
小鷹「………」パクパク
小鷹「にしても、こんなリア充の季節に一人で行くのも空しいな…」
小鷹「誰か一緒に行ってくれないかな~」
小鳩「!……あ、あんちゃん…」ジワッ
玄関
小鳩「あ、あんちゃん!ウチ準備できたとう!」
小鷹「………」
小鳩「今日はあんちゃんが恥じかかんようにと、ちゃんとした服着たとよ!」
小鷹「………さて、準備できたし行こうかな」
小鳩「う、うん!」
小鷹「……ってるぞ」
小鳩「~♪」
小鷹「………」ガチャ・・・
バタンッ
ショッピングモール
小鷹「さて、秋に備えて服も買っとかないとな」
小鳩「クックック、我の装備も一新しなければならんな……今回は対黒魔術を重視しようか……クックック」
小鷹「じゃ、最初は服のコーナーに行こうかな」
小鳩「う、うんっ!」
小鷹「………」チラッ
小鳩「~♪」
小鷹「……はぁ」
小鳩「?……ど、どうかしたと?あんちゃん…」
小鷹「………」
小鳩「………」ズキッ
小鷹「う~ん……これは流石に派手かもなぁ…」
小鳩「クックック……この深淵の闇から洩れたような業火の色…我のローブにぴったりだ」キラキラ
小鷹「………」
小鳩「我が眷属よ!このローブを………ま、まぁ、今の装備でも黒魔術は防げるから必要ないな……うむ」カチャ
小鷹「………」
小鳩「………」
小鷹「さて、もうそろそろ消耗品の調達に行くかぁ」
小鳩「あっ…待って、あんちゃん」タッタッタ
帰路
小鷹「結構買っちまったなぁ」
小鳩「………」
小鷹「さて、今日の夕飯は何にしようか」
小鳩「………」
小鷹「ハンバーグでいいかな」
小鳩「………」
小鷹「………」
就寝時
小鷹「すーすー」
小鳩「お、お邪魔しまーす…」ガチャ・・・
小鷹「すーすー」
小鳩「んっ…」ゴソゴソ
小鷹「すーすー」
小鳩「………」
小鷹「すーすー」
小鳩「………あんちゃん、覚えとう?」
小鷹「すーすー」
小鳩「ウチがさ、アニメにはまりだした頃」
小鷹「すーすー」
小鳩「あんちゃんにアニメの主人公の衣装が欲しいって言ったとき、あんちゃんは鼻で笑ったとうよ、覚えと?フッって」
小鷹「すーすー」
小鳩「それにウチが怒って、あんちゃんすっごく困ってたとうよ……あの時はあんちゃんのこと嫌いになったんじゃけぇ」
小鷹「すーすー」
小鳩「それでそのままウチとあんちゃんが仲直りしないで眠ったんじゃけぇ」
小鷹「すーすー」
小鳩「そしたら次の日…」
小鳩『んっ……もう朝』
小鳩『………』ガサッ
小鳩『小鳩へ…』
小鳩『あんちゃん?……一体どういうつもりな……ん』ガサガサ・・・ガ・・・サ・・・
ドタタタタタタ!
小鳩『あんちゃん!あんちゃん!』
小鷹『おっ、どうした小鳩ぉ~』ポワポワー
小鳩『こ、この衣装!あんちゃんが買ってきてくれたとう!?ねぇ!あんちゃん!』
小鷹『ちゃんとした会社のじゃないけど……気に入ってくれたか?小鳩?』
小鳩『うん!すっっっごい気に入ったとう!ありがとう!あんちゃん!大好きじゃけぇ!』
小鷹『はは、そっか……どういたしまして、小鳩』ナデナデ
小鳩『えへへ』
小鳩「あんちゃん……ウチのためにわざわざ夜にタクシーで東京まで行って買ってきてくれたんよね…」
小鷹「………」
小鳩「ウチ、ホントに嬉しかったんよ……あんちゃん」
小鷹「………」
小鳩「ウチな……いつもいつもわがまま言ってもそれを受け入れてくれるあんちゃんが好きじゃけぇ」
小鷹「………」
小鳩「それに、いつも変な話しても構ってくるあんちゃんが好きじゃけぇ…」
小鷹「………」
小鳩「あ、後……いつも…いつも…ウチのことを一番に考えてくれる……大事にしてくれるあんちゃんが…」
小鷹「………」
小鳩「せ、世界で一番……大好きじゃけぇ……」ポロポロ
小鷹「………」
小鳩「あんちゃん…」ギュッ・・・
小鷹「………」
小鳩「あ、あんちゃんは……ウ、ウチのこと嫌いになったかもしれんけど…」
小鷹「………」
小鳩「……ううん、多分あんちゃんはもうウチのことなんて大っきらいじゃけぇ……でもあんちゃん…」
小鷹「………」
小鷹「一つだけでいいんじゃけ……お願いしてもいい?……嫌ってもいいから、一つだけ」
小鷹「………」
小鳩「い、いつまでも………」グッ
小鳩「いつまでも……ウチのあんちゃんでいてくれますか?」
小鳩「くぅ…くぅ…」
小鷹「………」スッ・・・プニッ
小鳩「んっ……あんひゃぁん」ニタァ
小鷹「目、腫れてるな」
小鳩「くぅ…くぅ…」
小鷹「………はぁ」
小鷹「にしても、まさか実の妹に恋してるなんてなぁ……普通じゃないよな、明らかに異常だよなぁ…あー、どこのエロゲの主人公だよ俺はぁ」
小鷹「まぁ……だからこの2日間、この気持ちをかき消すためにコイツのことを無視なんてしたけど………」ナデナデ
小鳩「んっ……ふふっ」ニコニコ
小鷹「………どうやら、逆効果だったな」
小鳩『いつまでも……ウチのあんちゃんでいてくれますか?』
小鷹「………」スッ・・・
小鷹「こんな俺でよかったらいつまでも傍に置いててくれ………俺の愛する主」チュッ
小鳩「んっ……朝?」
小鳩「………ん?」パチパチ
小鳩「………『小鳩へ』」
ガサガサ・・・
小鳩「!……こ、これって…昨日の…」
小鳩「………」ポロ・・・ポロ・・・
小鳩「あ……あ…」
小鳩「ありがとぉ……あんちゃんっ!」ギュッ
タッタッタ!
アンチャーン!
アサッパラカハシャイデドウシタンダ?
アンチャン!コレッテアンチャンガ・・・
終焉。
俺なら朝の挨拶で崩れるけど