魔王「今日は勇者選出の日か…」
側近「テレビ中継されるみたいですよ」
親衛隊隊長「顔を見たらすぐにでも潰しにいきましょう」
魔王「うん、危険分子はすぐに取り除かないとな」
側近「あ、発表されるみたいですよ」
王様『えー、勇者の選出が終わったので発表する』
王様『勇者は…』
魔王「どんな奴なんだろうな」
側近「きっとゴツいおっさんですよ」
親衛隊隊長「いやいや、こういうのは爽やかイケメンと相場が…」
王様『魔王母じゃ!』
魔王「えっ・・・カーチャンなにしてんの」
側近「せ、先代魔王陛下!」
元スレ
魔王「母ちゃんが勇者だった・・・死にたい」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1306149080/
魔王「えぇ…朝飯作ってから姿見えんと思ってたけど…嘘やん」
親衛隊隊長「私はもう言葉がないですよ」
魔王母『皆様、ありがとう!ありがとう!』
魔王母『この栄誉ある職の名を汚さぬよう、精一杯努力し――』
側近「なにやってはるんですか…」
魔王「引くわぁ…もう恥ずかしくて執務室から出れんし」
親衛隊隊長「どうします?私は先代に刃向けるのなんか嫌ですよ」
Prrrrrrrrrr
側近「はい、側近でございます。え、魔王陛下ですか?」
魔王「無理、おらんって言って…」
側近「申し訳ございませんが、魔王陛下は外出中でございまして…」
王様『この美しき勇者は我ら人間の新しき光としてかならずやかの魔王を――』
親衛隊隊長「先代は魔族ですよね」
魔王「うん、おもいっきり角生えてるし」
側近「はい…あ、伝言ですか?ええ、承ります。はい
側近「はい…ええ、必ず伝えますので。はい。御機嫌よう。」
ガチャ
魔王「誰やった?」
側近「竜王様ですね。今回のことについて迅速に会議を行いたいと」
魔王「あー、もう堅物やもんなぁ…最悪や…死にたい」
親衛隊隊長「いけませんよ魔王陛下。第一貴方は死ねない身でしょう」
魔王「死にたい(体)のに死ねないなんつって…はぁ、カーチャン勘弁してくれよ」
側近「どうします?」
魔王「逃げよ」
親衛隊隊長「えっ」
魔王「どう考えても袋叩きにされるもん」
側近「まぁ、そうですね」
魔王「大丈夫、竜王に魔王を任せるって一筆認めるし」
親衛隊隊長「しかしどこに逃げるのですか?」
魔王「あー考えてないけど、海とか行ってみたいな」
側近「いいですね、お供しますよ」
親衛隊隊長「じゃ私も一緒に…」
魔王「ええっと、『魔王は竜王に譲ります、探さないでください、魔王』っと」
側近「名前が魔王ですと役職の魔王とややこしいですね」
魔王「しょうがないやん」
親衛隊隊長「まぁそのへんはおいおい」
側近「私も書いときます『一緒に海に行ってきます 側近』っと」
魔王「いや、これ海に行くって分かるやん」
側近「海も広うございますから」
魔王「隊長は?」
親衛隊隊長「そうですね、私も…ええと『先立つ不幸をお赦しください 親衛隊隊長』」
魔王「うわぁ」
側近「どう見ても遺書ですね」
親衛隊隊長「どちらにせよ戻ってこれんのですから」
魔王「それもそうか」
側近「じゃ、お尋ね者になる前に水着買いにいこ。魔王陛下にも選んで差し上げます」
魔王「胸あるように見えるのを頼む」
親衛隊隊長「胸の大きさなど大した問題ではないでしょう」
側近「あんたがいうと嫌味よねぇ」
店員「いらっしゃいませ、魔王陛下」
魔王「あー、やっぱり高貴なオーラで変装しててもバレるんかな」
店員「変装のつもりだったんですか?」
側近「サングラスと帽子だけじゃねぇ」
親衛隊隊長「ふーむ、これで完璧だと思ったのですが。」
魔王「隊長はバインバインだし、ビキニがいいかな」
側近「いやいや、こういう娘が可愛いワンピースタイプを着るとですね」
隊長「私は別に浜辺で待ってても構いませんが」
魔王「いや、そういうのは無しだって。これからは3人で暮らすんだし」
側近「そうそう、お金はいっぱいあるけど、いいの選んで長く使ったほうが上だよ」
隊長「そういうものですか」
魔王「で、結局全員ビキニか」
隊長「露出多めで恥ずかしいです」
側近「私はパレオ付きですけどね、優雅な私をアピール(悦)」
魔王「はいはい、おっちゃん。全部でいくら?」
店員「2000ゼニーになります。」
魔王「側近、払っといて」
側近「はいはい」
魔王「あっつー、これやばいな。一日で丸焼けなるわ」
側近「サンオイルを塗りましょう、陛下の陶磁器のようなお肌が荒れてしまいます」
隊長「よろしければ私が塗ります」
魔王「どっちでもええよ、はー、魔王やめてよかった」
側近「あそこでパーを出していれば…」 シクシク
隊長「では失礼します、陛下」 ヌリヌリ
魔王「もう陛下もいらんけど、んっ・・・いい感じ」
隊長「陛下は塗る面積が少なくて楽です」 ヌリヌリ
魔王「小さいしなぁ…まだ300歳、もう2・300年したらお前みたいなボインボインに」
側近「先代の血筋ですし、その点有望ですよね」
魔王「あーもうカーチャンの話はやめよーや」
側近「あ、すいません禁区でしたか」
魔王「お陰で魔王職やめれたけど…はー、竜王怒ってんだろうなぁ」
隊長「竜王様がお怒りになったらこのへんの海も危ないかもしれないですね」
魔王「あー、その点まだ津波きてへんから怒ってないのかな」
側近「どうなんでしょうねぇ」
竜王「ハァーハッハッハ、アホな魔王で良かった」
人魚「まったくですね、竜王陛下。ホォーッホッホッホ!」
竜王「儂が適当にでっちあげて流したテレビ電波とも知らずにでていきおったわい!」
人魚「ほんと、アホで良かったですねぇ」
竜王「しかしなんだな、よく地デジ対応の番組なんて作れたな」
人魚「えっ、もうアナログ放送終わったんで?」
竜王「おぉ、ちょっと早めに終わらせるってCMでてたやん」
人魚「あの…私、作ってないですけど。デジタルの番組」
竜王「えっ…」
人魚「…」
バーン!
魔王母「ホォーッホッホッホ!魔王覚悟しなさぁい♪」
竜王「…」
人魚「あちゃー」
魔王「おっちゃん、イカ焼き」
側近「かき氷」
隊長「焼きそばを」
おっちゃん「はいよ」
魔王「焼きそば一口ちょうだい」
隊長「はい、どうぞ」
魔王「あーん」
隊長「子供ですか、まったく。あーん」
魔王「もっちゃもっちゃ、美味いっ」
側近「シャリシャリ…クゥー頭がキンキンするわ!」
ラジオ
『緊急速報です!』
魔王「あれ・・・なんやろ」
側近「とうとう竜王様が怒って津波が起きだしたんでしょうかねー」
隊長「…私達も逃げますか?」
ラジオ
『なんと今日就任したばかりの勇者様がかの魔王を討ち滅ぼしたとのことです!』
魔王「ブフォ!!」
側近「へっ?」
隊長「なんだと…!」
ラジオ
『ええ、早速勇者様から一言皆さんにメッセージがあるそうです』
魔王母『みなさーん!恐ろしい魔王はこの私魔王母が討伐いたしましたわ!』
魔王「うわ、カーチャンの声や…せっかく遊びにきてんのにテンション下がるわ…」
隊長「しかし、魔王陛下はここにおられますよね」
魔王母『つきましてはこの城は私がいただくことにしましたの!よろしいですわね!』
魔王「うわ…家とられたで」
側近「どうせ戻る気なかったじゃないですか」
魔王母『最後に私信を…!』
側近「わりと今までのも私信でしたよね」
魔王「うん」
魔王母『遊んだら早く帰ってきなさい!
部屋片付けもしないで遊びに行くんじゃないよ!』
魔王「ひいいいいい」
側近「陛下…あれほど部屋は綺麗にと申しましたのに」
隊長「お手伝いいたしますので」
魔王「はー、最悪やもう、なんで全国放送で小言いわれんといかんの」
ラジオ
『えー、以上で勇者様の言葉は終わりです。
勇者様は世界のバランスを考え、魔物は自分が統治すると息巻いておられます。』
魔王「えっ…なにそれ」
側近「先代、魔王職を退いてからは退屈そうにされてましたもんね」
隊長「また魔王をしたくて勇者になったってことでしょうか」
魔王「はー…めっちゃテンション下がった…帰ろ」
側近「はーい、あ、隊長。私ゴミ捨ててくるんでパラソルお願いします」
隊長「承知した。魔王陛下はどうぞシャワーでも」
魔王「ん…」
魔王「ただいま…」
魔王母「あんた、どこ行ってたん」
魔王「どこでもええやん…別に」
魔王母「あんたカーチャンに向かってなんて口の聞き方だろうね!」
魔王「やめてよ…友達もおるやん…」
側近「そ、それじゃ私は執務が残ってますので…ホホホ」
隊長「部下の者に戻ったと報告して参ります。」
魔王「えっ…」
魔王母「部屋の掃除終わるまでご飯抜きだからね!」
魔王「はぁ~最悪……あーもう勇者なんて大嫌いだ!」
おわり
即興で書いたから適当すぎワロチ
30 : 以下、名... - 2011/05/23(月) 21:23:42.10 H7aeGMrv0 19/34こういうほのぼのしたのいいよね
俺も投下するか!とか思ったけど忍法帳低すぎて遅くなりそうだ
32 : 以下、名... - 2011/05/23(月) 21:30:09.96 9P37BKQr0 20/34魔王物好きだから期待
お言葉に甘えるか
部下「大変です魔王様!」
魔王「どうした! もしや人間共が攻めてきよったか!?」
部下「は、はい! それも勇者と思わしき輩なのですが・・・」
魔王「勇者だと? フン、いつも通り蹴散らしてくれるわ!」
魔王「そうだな、ここはトロール部隊、動く石像を二十体動かす許可をする」
部下「し、しかし・・・!」
魔王「よいか、まずは相手の力量を測るのだ」
部下「は、ハッ、魔王様がそう仰るのであれば」
魔王「よし行けィ! 勇者一行など蹴散らすのだ!」
……
…
魔王「ふぅ、部下の前で気取るのもだるいよぅ」
側近「貴方様はいつもそうですね、控えめな性格が兵の動きにも表れていますわ」
魔王「わ、わかってるよ! ボクだって母ちゃんみたいに豪快にやってみたいけどさぁ・・・」
側近「まぁ仕方ないですわ、それでも私は貴方に従うまで。命散るまで付き添いますわ」
魔王「だけど今回の勇者って誰なんだろうねー」
側近「私には創造もつきませんわ。ですが、最近は骨の無い者ばかり、少しは楽しませてほしいですね」
魔王「ま、ボクは君たちを信じてるからね」ニコッ
側近「・・・ありがたきしあわせにございます。フフフ」(あぁああぁこのショタかわいいわ! もう食べてしまいたいくらいに! たまりませんわ!!)
側近「ウフフフ」ニヤニヤ
魔王「ど、どうしたの? 急にニヤニヤしたりなんて」
側近「いえ、なんでも・・・ウフ、ウフフ」
魔王(なんだか勇者より怖い気がするよぅ)
そのころ・・・
トロール「グゥ・・・こいつは一体何者なのだッ!」
彼らは苦戦していた。すでに半数もの犠牲を出し、一人の勇者によって一瞬にして無に帰されている。
女性らしい細身の体に見合わぬ体術と剣捌き、そして魔法による連携は確実にその実力差を表していた。
勇者「甘いわ、甘いわ! 甘すぎるのよッ!」ヒュンッ
「「ぐあぁああ」」
誰が予想しただろうか、この強さを。十年に一度現れるかそうでないかという強さの勇者を誰が見抜いただろうか。
城の城外で発生した戦は三十分と経たぬうちに終わったのである。
一人の勇者によって、だ。
……
…
魔王「城内は大分静まり返ってるね、もう勇者は死んだのかもしれないね」
側近「かもしれませんわね、私達の出番はきっと無かったのでしょう。 ……ッ!」
不意に扉が開かれる。そこにいたのは既に片腕を失い重傷を負った部下だった。
部下「た、大変です! 大変です魔王様!」
魔王「なにがあった! おい貴様!」
部下「はぁ・・・勇者が・・・勇者がぁ・・・!」
魔王「勇者がどうしたというのだ! おいしっかりしろ!」
魔王は必死に呼びかけたが既に虫の息となっていた。
「死」
部下の命は既に絶たれていた。ここに来るだけのことに全てを捧げたのだろう。
部下「・・・・・・」
魔王「う、うわああああああああああああああああああああ」
魔王「よくも・・・よくもォ! 許さない! ボクは絶対に勇者を許さないィイイイ!!!」
側近「お、落ち着いてください魔王様! いまは怒りに身を任せてはなりません! よいですか!? 敵はすぐそこに来ているのですよッ!!?」
魔王は部下の体にすがりつき泣いた。彼はマントが血に汚れることも忘れて部下の死を泣いた。
側近は肩を揺さぶった。彼女は比較的落ち着いている、この状況下で、いつ勇者が現れてもおかしくないと思っての行動であろう。
魔王「あぁ、うあ・・・うああああああ!」
彼には誰の言葉も届いていなかった。
故に、彼の王としての威厳など無く、ただ一つの死を泣く子供に成り下がっていた。
そして彼女は手を挙げた。それは一つの命として、そして王の側近として。
側近「目を覚ましてください!」ピシッ
魔王「ああ・・・あああっ」
側近「貴方は・・・貴方は王なのです! 私達魔族を束ねる頂点にして世界を支配する魔王!」
側近「だというのに貴方はたった一人の死で泣くとは何事ですかッ!!!」
魔王「!!!」
側近「これが終わったら私を殺していただいて結構です! ですが! 貴方は魔王なのです!」
側近「忘れないでください、彼の意志を・・・生と死の境界の中ここまでたどり着いた彼の魂を・・・」
彼女もまた涙を流していた。部下が一人死んだ悔しさ。いままで人間達に迫害された悲しみ。
そして、彼の意志。
魔王「・・・ごめん、ボクが間違ってた」
魔王「そうだよね・・・! ボクがやらなきゃ誰がやるんだ! 側近!」
側近「ハッ!」
魔王「ボクをぶったことは無かったことにしてあげる。だから・・・」
側近「ええ・・・」
「「必ず勇者を倒す!!!」」
?「クスクス」
「「ッ!?」」
?「三文芝居だねェ! そんなものを見せ付けられちゃこっちがたまらないわ!」
魔王「来たか・・・お前が勇者だな?」
勇者「ほう・・・? 結構落ち着いているみたいね、ここにはお前達二人しかいないと言うのに」
側近「我々は貴方に負けるなどありまえませんわ、魔族として、頂点にしてッ!」
魔王「ボクはお前を許さないッ!!」
勇者「いいだろう! その勝負受けてやるわッ!」
瞬間、勇者の姿が消えた。否、消えたのではない、見えないのだ。
魔王「・・・ッ! どこだ・・・!」
側近「魔王様! 後ろですわッ!」
魔王「なっ・・・!」
一閃。剣による一撃。
部下の血に濡れたマントが引き裂かれた。体との差は紙一重である。
勇者「あらら、いい勘してるじゃない。魔王より側近の方が強いんじゃない?」
勇者は口元を吊り上げ彼らを見下していた。
魔王「なんだとォ!!」
魔王は飛び上がり、勇者に向かって雷の如く迫る。
指先から伸びる紅い爪は何人の勇者を引き裂いてきたかは彼にもわからない。
しかし勇者は焦る様子なく口端を吊り上げその不気味な笑顔を崩さない。
側近「いけません魔王さま! 危険ですわッ!」
時既に遅し。
勇者「ちょっとかっとなりすぎなんじゃないの?」
勇者の剣が魔王の小さな体を貫く。
それは心臓にめがけて放たれた一撃。死なずとも致命的な傷になり得る。
魔王「かはッ・・・!」
側近「魔王様ぁああああ!!」
勇者が剣を抜くと同時に血が滴り落ちる。そして魔王は地面に伏した。
側近の叫びも空しく、彼の意識は落ちていく。
勇者「・・・止めを刺させてもらうッ!
彼女が剣を振り上げたのが、最後に映る光景となったのだった・・・。
だが。
勇者「・・・貴様!!」
切り裂かれた胴体。鮮血が剣先から流れる。
斬ったのだ、そう確実に。
だが、それは魔王のモノではなかった。
側近「魔王さ、ま・・・・・・」
真っ二つに斬られたのは側近だった。
魔王にとってはいつも隣にいた存在。
魔王として過ごす時はいつも隣で助けてくれた存在。
それが、目の前で死に逝く。
それが現実か、それとも夢の中の事かなどと判断する前に彼は吼えていた。
魔王「ウオオオオオオオオオッ!!!!!!!!」
勇者「・・・な、なんだと・・・・・・!」
咆哮の衝撃によって吹き飛ばされる勇者。
魔王の追撃が彼女を許さない。
魔王「・・・殺す!!」
勇者「チィ!」
爪を振り上げ、必殺の一撃を叩き込む。
勇者はそれを受けようと剣を防御の体勢に変える。
・・・その一撃は頂点にふさわしい王の一撃であった。
その最強の一撃は剣を折り、勇者の体目掛けて貫かんと猛進する。
魔王「うわああああああああああッ!」
勇者「負け・・・か」
その爪は勇者の体を貫いた。
……
…
勇者が倒れる。
しかし彼女の顔はとても清々しいものだった。
勇者「強く・・・なったね」
魔王「! この声は・・・母さん・・・?」
勇者「私を倒せるまで強くなるなんて、貴方は本当に魔族の頂点にふさわしい魔王ね・・・」
魔王「なんで・・・! ねえなんで! 母さん!!」
魔王は泣いていた。それは王だとか、魔族だとか関係ない。
一人の子供として、泣いていたのだった。
勇者「嬉しいよ、母さん・・・だって、私に勝てる子に成長してくれたもの・・・」
魔王「どうして・・・教えてよ・・・母さん」
勇者「・・・私くらい倒せないようじゃ、魔王なんて名ばかりだと思ったのよ」
勇者「でも嬉しいわ・・・母さん、こんなに強い息子を持つ事ができて幸せだもの・・・」
勇者「あんたは昔から泣いてばっかりで、駄目な子だったから、心配していたの」
彼女の目からは涙が流れる。魔王の顔をそっと撫で微笑むその顔は、母親のものだ。
魔王「強くなれたよ! 母さん、ボク強くなれたんだよ!」
勇者「うふふ、私としても本当に嬉しいわ・・・本当に」
魔王「だからね? 見ていてほしいんだ! ボクの世界を・・・人間・・・たちを支配してっ・・・それで・・・っ」
勇者「うん、母さん見てるね・・・ずっと、見てるからね・・・? 私の最愛の息子・・・魔王・・・」
顔を撫でる手が止まる。地面に落ちて、二度と彼の顔を撫でる事は無かった。
そして彼女の言葉が頭の中で繰り返される。
「ずっと、見てるからね」
そう聞こえて、勇者の手を組もうとした。
魔王「これは・・・世界樹の葉・・・?」
魔王「ああ・・・母さんっ・・・! 母さんって人はっ!」
見越していたのだ。誰かのために、きっと使うだろうと。
彼が負けても、死んだとしても、必ずそのことを想定して。
魔王「ありがとう、母さん・・・」
二十年後・・・
魔王「勇者一行だと? ふん、懲りずに毎年毎年送ってくるとはな・・・」
魔王「いいだろう、受けてたってくれるわ! 部下! オーク騎士団を遣い蹴散らせィ!」
部下「ハッ!」
魔王「・・・ふう、相変わらずめんどくさいなぁ。ボクとしてはもうやめてほしいんだけど」
魔王「そう思わない? 側近」
側近「まこと確かにそう思いますわ」
魔王「そろそろ王様に苦情でも出そうかなぁ」
側近「うふふ、貴方らしくないことを仰るのですね」
魔王「・・・これでも少しは成長してるんだからね」
側近「わかってますわ、でも私も同伴させていただきますわ」
魔王「わかったわかった。ていうかお前がいないとボクも不安だからね」
側近「ありがたきお言葉、では準備して参りますわ」
魔王「あぁ、頼んだよ」
魔王(二十年・・・か)
あれから二十年が経った。
あの後、魔王は世界樹の葉を城の隅まで振りまいた。
母親の最後の魔力を使用した特別な葉だったらしく、効果はすぐに表れた。
当然側近も蘇って今ではいつでも隣にいる。
そろそろ第一子が生まれるとかなんとか・・・。
側近「貴方、準備ができましたわ」
魔王「あぁ、すぐ行こうか」
側近「私事ではないのが残念ですわ」
魔王「そう言うな、これが終わったらどこかへ行こうよ」
側近「フフ、貴方が仰るならそうさせていただきますわ」
魔王「たまには昔の話をするのも悪くないかもな」
それは誰にも知られることのない。
彼らだけの物語。
側近「二十年前とか思い出しますわね・・・」
魔王「ああ、あの頃から変わらないボクだったら」
魔王「母さんが勇者だった・・・死にたいだとか泣きじゃくっていたかもね」
~Fin
52 : 以下、名... - 2011/05/23(月) 23:02:39.30 H7aeGMrv0 33/34長くなったし、ずっとsageだったから誰も見てないかもしれないけど見てくれた方ありがとうございました。
なんだかスレタイとはそぐわぬ感じになっちゃいましたが楽しんだらそれでええねん!ってことで。
あえてギャグっぽくせずちょっと真面目に書いてみたのですが、戦闘とか想像して書くのが大変でした、ふう
誰かがこの話を見て、ああ、面白いなぁとか思ってくれたら幸いです。
ありがとうございました。
53 : 以下、名... - 2011/05/23(月) 23:05:42.73 9P37BKQr0 34/34見てたよ、乙です
じっくり書ける人は羨ましい

