1 : 立て直しました本当にごめんなさい ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:14:21.95 aCNw2ZoB0 1/38





「ぷはぁ」カァー…



「からだが温まりゅ」フフフ

「やはひウォートカはぁ、私たひの血液ら……」

「……ん?」フラッ

「ありぇ、おかひい……な?」

「ちんしゅふなのに……赤の広場が見ひぇ……」フラッ

「……きゅう」クテン



グラ「!?」


……
…………
………………






元スレ
【艦これ】響「うぉーとかうぉーとかっ」グラーフ「む……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460452461/

2 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:17:29.27 aCNw2ZoB0 2/38





「コホッコホッ……」

グラ「……大丈夫か?」サスサス

「……うぅ」



「ねぇグラーフ……ここは?」

グラ「私の部屋だ」

グラ「貴女はさっき、近くの廊下で倒れた……」

「……そうだったのか」



「……おえっ」

グラ「おぉ……み、水っ」





4 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:18:18.96 aCNw2ZoB0 3/38





フキフキ…


「……恥ずかしいな……」シュン

グラ「気にするな、誰にも言わない」クスッ

「……」

グラ「……」



グラ「……ウォッカを飲んだのか」

「……うん」





5 : >>3多分グロ画像なので注意してください ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:19:57.87 aCNw2ZoB0 4/38





グラ「貴女が成人しているかどうかは、この際問わないでおこう」

グラ「だが、倒れる程飲むのは感心しない……」

「……何も言い返せないな」



グラ「しかし、どうしてそんなものを?」

グラ「貴女が倒れてしまうくらいだ、結構な量を飲んだようだが……」

「……」

「もうすぐ、第二次改装で国籍が変わってしまうからね」

「向こうのお国柄に、少しでも慣れておこうと思ったのさ」

グラ「……それだけなのか?」

「……そうさ」フイッ

グラ「……そうか」クスッ





6 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:21:10.60 aCNw2ZoB0 5/38





グラ「別に、ロシアに永住するわけでもないだろう」

グラ「今後は……控える事だな」

「……」コク

「……約束するよ」

グラ「ん、約束だ」ニコッ



グラ「体調は芳しくないか?」

「うん、まだ頭がクラクラするよ」

グラ「そうか、では……ゆっくりしてゆくといい」

「……スパスィーバ」





7 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:22:27.59 aCNw2ZoB0 6/38





「……ねぇグラーフ」

グラ「なんだ?」

「今回の……礼をなにかしたいな」

グラ「ははは、その必要はない」クスッ

「そういうわけにもいかないさ」

「そうだな……」


「君と司令官の事とか」ホワー

グラ「!?」ビクッ





8 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:23:23.21 aCNw2ZoB0 7/38





「君は最近、よく司令官と一緒にいるね」

グラ「……な、なんのことだ」フイッ

「昨日も秘書艦でもないのに、焼いたお菓子を届けに行っていたじゃない」

グラ「!?」

グラ「……ど、どこで嗅ぎつけた?」

「なに、風に流されただけさ」ホワン

グラ「……」カァー…





9 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:24:56.44 aCNw2ZoB0 8/38





「可愛いな、君は」ホワホワ

グラ「ヒビキ、本当はまだ酔っているだろう?」

「ふふふっ」

「名前は伏せるけど、君が司令官に気があるとビスマルクも言っていたよ」

グラ(ビスマルク……!)ゴゴゴ



「私にできることなら、なんでもするよ」

グラ「……」カァー…

グラ「勝手に……するがいい」プイッ





10 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:46:38.52 aCNw2ZoB0 9/38





「ふふふ……」ホヘー

グラ「…………」

グラ(まぁいい……そのうち、酔いもさめるだろう)クスッ



「それで、さっそく本題だけど」

グラ「あ、あぁ」

「グラーフ、君はこの国に来てそれほど長くない」

「だから司令官について、知らないこともたくさんあると思うんだ」

グラ「それは……確かにそうだが……」ムゥ

「私達は普段よく遊んでもらってるから、知り得ることも多いんだ」

「手札は多い方が良い……提督の好きなことを教えてあげるよ」

グラ「なるほど……」





11 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 18:56:24.36 aCNw2ZoB0 10/38





「思い出せるものは書き出してみる」

「少し待ってほしい」カキカキ

グラ「……」ワクワク

グラ(……はっ!なに胸を躍らせているのだ、私は……)ガクッ



「おまたせ」

「ちょっと手が震えるから、読みにくい字になったかも」



・甘いもの
・どうぶつ
・納豆
・キルト細工
・旅行
・テリーマン
・自転車
・お酒
・重量二脚
・コーヒー
・少女漫画
・バスケットボール



「多分まだあるけど、ひとまずこんなものかな」

グラ「ふむ……アトミラールは存外、少女趣味なのだな……」





16 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:04:48.98 aCNw2ZoB0 11/38





「この中で、自信のある分野を共通の話題にすればいいんだよ」

グラ「そうは言ってもな……」


グラ「甘いものに関しては、既にコミュニケーションは取れているつもりだ」

「うん、知ってるよ」

グラ「しかし……他の項目に関しては、何とも……」

「そうか……難しいな」

グラ「小動物なら私も好きだが……」

グラ「アトミラールがどのような動物を好むのか、そこまでは分からない」

「動物……」





20 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:15:13.31 aCNw2ZoB0 12/38





「そういえば、司令官はご実家で犬を飼っていたよ」

グラ「あぁ、それは聞いたことが……ん、“いた”?」

「最近、亡くなったそうなんだ」

グラ「そ、そうだったのか……」

「あの時の司令官、とても悲しんでた」

グラ「そういえば近頃、元気がなかったが……そういうことだったのか」

グラ(…私もそれを聞かされていれば、お悔み申し上げたのだが……)シュン



「だから、君が代わりになってあげなよ」

グラ「何を言っているのかよく分からないな」





21 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:22:50.38 aCNw2ZoB0 13/38





「!」

「そういえばさっき、ウォートカを飲む前に……」ゴソゴソ

「先に始めていた足柄からもらった、良いものがあるんだ」

グラ「?」



「じゃーん」スッ

グラ「……それは、なんだ?」

「白い犬耳だよ」

グラ「イヌ……ミミ……?」

「そう、犬耳」

「一部の日本人男性に、とても需要のあるものなんだ」

グラ「ニホン人というのは、つくづく奇怪なものだな……」ガクッ





22 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:30:22.06 aCNw2ZoB0 14/38





グラ「しかし、どうしてアシガラがこんなものを……」

「分からない」

「でも、足柄は私に向かって……」


……
…………
………………


足柄『わたひが飢えた狼らってんなら!』ヒック

足柄『響ちゃんはふしちょうのシベリアンはすきー!』フフン

足柄『色違いお揃のこれをつけへ、桃園の誓いをむすぶのよ!』プハァ

「そう……」


………………
…………
……


「って言ってたよ」

グラ「もう意味が分からないな」





23 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:37:38.66 aCNw2ZoB0 15/38





グラ(アシガラがこれをつけている場面……か)ジーッ

グラ(……ありかもしれないな)フフッ



グラ「だが……馬鹿馬鹿しい」フイッ

グラ「こんなものでは、アトミラールの慰めにならない……」

「つけないの?」

「君も白いし、良く似合うと思う」

グラ「…………」



グラ「……」クルッ

グラ「一度だけだ、一度……だけ」

「うん」





24 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:49:01.26 aCNw2ZoB0 16/38





グラ「」スチャッ

グラ「ど……どうだ、ヒビキ?」カァー…

「おぉ……」

「とても似合ってるさ、グラーフ」ニコッ

グラ「そ、そうか……ふふっ」

グラ「これをアトミラールに見せるのはあれだが……」

グラ「なんだか楽しいな」ニコ



「ん、じゃあ一度返してほしいな」

グラ「……もう少し……」





25 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:50:13.35 aCNw2ZoB0 17/38





「返してよ」ピョン

グラ「ふふ……取れるものなら取ってみるがいい」ニコッ

「む」ピョンピョン

グラ「ヒビキがもう少し成長すれば、届くかもしれないなぁ」ニヤニヤ

「イジワルだな」ピョ-ンッ

グラ「なんとでも言うがいい、この」

ガチャ

提督「しつれいしますぅ」

グラ「!」

「あ」





26 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 19:51:12.47 aCNw2ZoB0 18/38





グラ「あの、アトミ、これ、は」

提督「…………」

提督「しつれいしましたぁ」

ガチャ

グラ「……」

「……」



「あれはノックしなかった司令官が悪いよ」

グラ「慰めは……いい……」





32 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 21:38:28.31 aCNw2ZoB0 19/38





グラ「……」グスッ

「……」オロオロ…



「え、えと」

「グラーフ、司令官は甘いもの以外にも好きな食べ物があるよ」

グラ「……そうか……」ユラ…





33 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 21:45:00.88 aCNw2ZoB0 20/38





「司令官、納豆の食べ方にはこだわりがあるらしい」

「納豆には、なめ茸を入れるんだって」

「だからそれらを抱き合わせで、軍需部に2t発注しようとして皆に止められたエピソードが……」

グラ「ヒビキ……」

グラ「すまないが……私はナットーが苦手なんだ……」

「そうだった」シュン





34 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 21:52:40.08 aCNw2ZoB0 21/38





グラ「……」ズーン

「……」



「グラーフ」

グラ「あぁ……どうした……」

「すこし、贅沢言っていいかな」

「グラーフの……ホットコーヒーが飲みたいんだ」

グラ「コー……ヒー?」

グラ「ココアではなく、コーヒーでいいのか?」

「うん、コーヒーだよ」





35 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 21:57:30.29 aCNw2ZoB0 22/38





「なんだか少し寒いんだ」

グラ「?」

グラ(今日はまだ、暖かい方だと思うが……)

グラ「……まぁいいだろう、またウォッカに手を付けられては困るからな」クスッ

「む、もう飲まないさ」ムスッ

グラ「ふふっ、冗談だ」ニコ

グラ「少し待っていてくれ」


スタスタスタ


「……」





36 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 22:02:32.83 aCNw2ZoB0 23/38





ガチャ


「やぁ」

「ひぁっ!ア、アトミラール!?」

「あ……司令官の声だ」



「さっきは……悪かったな」

「……いや、こちらこそ」

「お見苦しいものをお見せした……」

「ん、そうかな?」

「けっこう似合ってたんだけどな」

「な……な、な!?」

(嬉しそうな驚き声だな)クスッ





37 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 22:05:07.97 aCNw2ZoB0 24/38





「……そ、それで」

「私に何か用だろうか」

「いや、用と言うほどのもんじゃないけどさー」

「なんか、急にグラーフのコーヒーが飲みたくなったんだ」

「!?」

「ほん……とう?」

「うん」

「執務室のコーヒーメーカー使っていいからさー頼むよー」

「あぁ……だが……」



「グラーフ……」

「行ってよ」ニコッ

「!」





38 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/12 22:07:49.18 aCNw2ZoB0 25/38





「私は大丈夫だよ」

「だから……ね?」

「……すまない」



「じ、じゃあアトミラール……」

「今から……そちらへ行く……」

「ごめんね」

「い、いや!私の方……こそ……」

「……ふふふっ」


ガチャッ


「……ふふ」





39 : 寝てしまいました…… ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 01:26:42.97 /czm5X240 26/38





「…………」





「…………」フルフル





40 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 01:38:19.64 /czm5X240 27/38






「……おかしいな……」フルフル





「……寒い……」ガクガク






41 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 01:39:28.89 /czm5X240 28/38






ガチャ


「え……」ブルッ

グラ「……やはりか」

「!?」






42 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 01:54:46.13 /czm5X240 29/38





「ど、どうして?」フルフル

「グラーフ、司令官はどうしたんだい?」ブルッ

グラ「……ヒビキの様子が、少しおかしいと思っていた」

グラ「だから、コーヒーを淹れてから戻らせてもらったのだ」

「……なんで……」

「司令官と、せっかく二人っきりになれたのに」

グラ「すまない……」スタスタ



ギュウ



「ふわっ……!」

グラ「…………」





43 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:07:08.64 /czm5X240 30/38





「な、なに……」

グラ「私は貴女の姉妹ではないが……」

グラ「……これで少しは温まったか?」

「……!」



「……もう少し、暖めて」クテン

グラ「分かった……」ニコッ





44 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:16:23.74 /czm5X240 31/38





「……」ギュ

グラ「……大方、貴女が酒に呑まれたのも……この寒気が原因だな?」

「……バレた」クスッ



「そうさ、最近……」

「私の第二次改装が迫るにつれて、寒気が起こるんだ」

「多分……私の過去の記憶のせいだよ」

グラ「過去?」

「君は外の国にいたから、知る由もないよ」



「第六駆逐隊で、終戦まで生き残ったのは……私だけだったんだ」

グラ「……なるほどな」





45 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:20:40.51 /czm5X240 32/38





「昨日の戦闘で、大きな損傷を負ったんだ」

「それが原因で、私は入渠をしていた……」

「……そして、その間に誰もいなくなっていたんだ」

グラ「……」



「もちろん、今日も戦闘に出て行っただけだよ」

「それは知ってる……なのに……」ギュウ…

グラ「……そう、か」





46 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:23:56.72 /czm5X240 33/38





「……君は暖かいな」ギュ

グラ「……それはよかった、低体温は私の悩みだったからな」クスッ



グラ「……だが……」

「?」





ドタドタドタ

ガチャ


「あー!」

「響ちゃん、やっぱりここにいたのですっ」

「探したのよ!」





47 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:30:16.32 /czm5X240 34/38





「みんな……!」

「作戦が終わって戻ってみたら、とっくに修理が終わってるのに」

「どこにもいないから、おかしいと思ったの!」

「ふふ、けいさんどおりだわ!」

「響も、グラーフさんの下でレディーになるための修行をしていたのね」フフン

「それは違うと思うのですっ」

「響ちゃん、お怪我はもう……?」

「うん、大丈夫だよ」ニコ

「ごめんね、心配かけた」



グラ「ふふ……」





48 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:33:56.60 /czm5X240 35/38





「今日は第六駆逐隊がカレー当番の日なのです」

「そうか、忘れていたよ」

「もう!響、なんか抜けてるわよっ?」

「そんなことない、いつも通りさ」フフ

「さ、これで響とも合流できたことだし……」

「カレーを作りにもどるわよ!」

「「「おー!」」なのです」





49 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:36:26.78 /czm5X240 36/38





ドタドタ…


「……グラーフ」

「ありがとう」ニコッ

グラ「……私は何もしていないぞ」クスッ

グラ(今回も……な)



バタンッ



グラ「……姉妹、か」

グラ「私にも欲しかったな……」ボソッ





50 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:37:09.94 /czm5X240 37/38





ガチャ


ビス「浮かない顔ね、グラーフ」

グラ「……ビスマルク」

ビス「貴女の口から、そんな弱音が出るとは思わなかったわ」クスッ

ビス「いいのよ、私をお姉ちゃんと思っても?」フフン

グラ「…………」ニコッ



ビス「……満面の笑顔で、どうして艦載機を飛ばそうとしているのかしら?」

グラ「……ふふふ、ふふふ」ニコニコ

ビス「ねぇちょっと、貴女……や、怖……」フルフル

グラ「では思い出させてやろう、貴女の業を……」ゴゴゴ



「イヤアアァァァァァァ……」



この後もグラーフは犬耳をつけたままでしたが、本人には知る由もありませんでした……。



終わり





51 : ◆7qYMrkqqH. - 2016/04/13 02:37:36.93 /czm5X240 38/38



限定ボイスが増えるたび、GRFZPLN姉貴の声色が優しくなっていく……
ウレシイ…ウレシイ…(ニチニチ)


今回は、前作の続きのつもりでした↓

【艦これ】暁「こうなったらビールよビール!」グラーフ「では……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1460276040/
http://ayamevip.com/archives/47309708.html


ここまで読んでいただいた方、ありがとうございました。



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