2 : VIPに... - 2011/04/29 18:24:10.96 33qFWivT0 1/105

タッタッタッタッ…


(ふぅ、掃除つかれた~)

(当番が3人も休んじゃうなんて、みんな弛みすぎだよ)

(あ~もう、こんなに遅れちゃった)

「はぁはぁ…」

3 : VIPに... - 2011/04/29 18:24:56.28 33qFWivT0 2/105

ガチャ!!

「遅くなり…!!」


しーん。。。


「はぁはぁ…あれ?」

「せんぱい?」キョロキョロ

しーん。。。

4 : VIPに... - 2011/04/29 18:26:19.00 33qFWivT0 3/105

誰もいない部室
あたりを見渡せばそこには唯達全員のカバンが置かれていた


「せんぱーい? いらっしゃらないんですかー?」トコトコ

「……」

「隠れているわけでもなし……どこかに行ってるのかな?」

「はぁ……それより、とりあえずちょっと座ろっと」スワリ

・・・・・・・・・

5 : VIPに... - 2011/04/29 18:28:37.94 33qFWivT0 4/105

「…」

しーん。。。

(誰も来ない……)

(今日って、別のところで集合だっけかな?)ソワソワ

(そんな話はなかったはずなんだけど……)

(なんだか不安になってきちゃった………………ん?)チラッ


梓がふとテーブルに目をやると、
そこには律がいつも使っているカチューシャが置かれていた 


「こ、これは……律先輩のカチューシャ?」

6 : VIPに... - 2011/04/29 18:31:59.59 33qFWivT0 5/105

「どうしてカチューシャだけ……?」

「……」

(律『カチューシャなんていらねえよ、夏』ファサッ)

「……」

「そ、それはさすがにちょっと古いかな……?」タラリ

「でも、なんで外してるんだろう……?」

「……」

「わからない……」

「時間通りに来れてたらわかったのかな……」

「なんだか置いてかれた気分……」シュン

・・・・・・・・・・

7 : VIPに... - 2011/04/29 18:34:35.19 33qFWivT0 6/105

「……」

(なかなか帰ってこないな……)ソワソワ

梓 チラッ

カチューシャ「……」

(律先輩のカチューシャか……)ジー


(カチューシャ……)ジロリ


(ていっ!!)カポッ

8 : VIPに... - 2011/04/29 18:42:00.82 33qFWivT0 7/105

(ふっふっふ……無断装着!!)

(律先輩の前でこんなことをしたら、どういう目に合わされるのやら……)ドキドキ

(でも、今日は置いてけぼりにされたんです)

(だから……くやしいから、たっぷりと遊ばせてもらいますよ)サスサス

(そう、いまのうちにたーっぷり……と…!)グイーッ

9 : VIPに... - 2011/04/29 18:42:46.21 33qFWivT0 8/105



パキィッ!!






「ふにゃっ?」

10 : VIPに... - 2011/04/29 18:43:45.77 33qFWivT0 9/105


カチュ「……」 ーシャ「……」


「」




「えっ…?」タラー


「えっ、えっ?」カチャッカチャッ (←合わせてくっつけてます)



「えええええええええええええっ!!?」

11 : VIPに... - 2011/04/29 18:49:51.62 33qFWivT0 10/105

「どどどどうしよう……真っ二つにしちゃった……」

「くっつかない……くっつかない……」アタフタアタフタ

「ももももも木工――」タタタタッ


ガチャ


「」

12 : VIPに... - 2011/04/29 18:50:50.06 33qFWivT0 11/105

「和ちゃん、とってもうれしそうだったね!!」

「そうねえ」キラキラ

「たまの書類不備も悪くないかもな」

「うっうぅっ…あの逆さメガネ、いつか仕返ししてやる」シクシク

「あら、梓ちゃん」

「おっ、梓、待たせたな」

「あっ、あっ、せっ、せ、せ、せんぱい、こここんにちは」

「こんにちは」

「えへへ……」タラー

13 : VIPに... - 2011/04/29 18:51:53.93 33qFWivT0 12/105

(はぁ…はぁ……と、とりあえず隠したです)

(制服の胸ポケット……しかも内ポケットのほう)

(ここなら裾と違って見つかりにk…

「ああっ!!あ~ずにゃん!!」ダキッ

「ふにゃっ!?」

「会いたかったよ~、あずにゃん~!!」スリスリ

(あわわわわわわわわ!!)

14 : VIPに... - 2011/04/29 18:53:45.83 33qFWivT0 13/105

「んふふー。すりすりー」スリスリ

「せ、先輩!? い、いきなり前から抱きつかないで下さい!!」

「ん~? あずにゃんよいではないか、よいではないか」ギューッ

「ゆ、唯先輩!! そんなに密着しないでください!! ………(バレちゃいます)」

「えへへ、あずにゃん♪あずにゃん♪」ギュウギュウ

(うわあああっ、唯先輩気づかないでー!!)

15 : VIPに... - 2011/04/29 18:55:46.99 33qFWivT0 14/105

3分後。。。


「よーし、今日のあずにゃん分補給完了!!」フンス!

「あ、梓、大丈夫か?」

「……だ、だ、大丈夫です、澪先輩」フラフラ

「そ、そうか?」

「は、はい」

(……いきなり動揺しちゃったよ)

(たぶん唯先輩にはリアクション的にバレてないよね?)

(いけない…すぐに仕切りなおしです。平常心、平常心)

16 : VIPに... - 2011/04/29 18:56:13.00 33qFWivT0 15/105

「そういえばみなさん、いままでどちらにいらしたんですか?」

「んっ、ああ、生徒会室だ」

「生徒会室?」

「そうだ。じつは律がな……」

----------
--------------
------------------

17 : VIPに... - 2011/04/29 18:56:52.51 33qFWivT0 16/105

「梓のやつ、おせ~な~」グテー

「まあ、いつもの掃除当番ってとこじゃないのか?」

「う…うう……あずにゃん……は、はやく……
  あ、あずにゃん分が足りなくて…死んじゃう…よ……」ピクピク

「あらあら」


ガチャ

18 : VIPに... - 2011/04/29 18:57:48.42 33qFWivT0 17/105

「ちょっと、律居る?」

「あっ、和ちゃん?」ムクッ

「どうした和」

「あなた、前に渡した部費の申請書ちゃんと出した?」

「生徒会室探しても軽音部の申請書だけ見つからないんだけど」

「へっ?どういうこと?」

「あれ、今日が期限なんだけど」

「えっ…期限は……来週なんじゃ……」

「今日!!」

「ええーっ!?」

19 : VIPに... - 2011/04/29 18:58:40.58 33qFWivT0 18/105

「わわわ、どうしよ!!書類ってたぶん家だぞ!!」

「りつ~、おまえなぁ!!」ゴゴゴゴゴゴ

「いまから走ればぎりぎり間に合うんじゃない?」

「あらあら、まあまあ」

「…ったく」

「そういうことかと思って、
  新しい申請書を一緒に持ってきてあげたわよ」

「これに書いて今日中に提出しなさい」


「ほえ…?」

「あっ…」

20 : VIPに... - 2011/04/29 18:59:12.19 33qFWivT0 19/105

「……おおおおおおっ!!サンキュー和!!」

「の、和。本当にありがとうな」

「わーい和ちゃん!!大好き!!」

「ありがとう、和ちゃん」

21 : VIPに... - 2011/04/29 19:00:01.48 33qFWivT0 20/105

「……それにしても世話が焼ける部長ね」

「へへっ、すまんすまん」

「さすがにこうやって甘やかしてると、
  いつまでもこの調子で続いてしまいそうね」

「まあ、和。あいつには私から…」

「いいえ、ダメよ!!今回は私が律にお仕置きをするわ!!」

「えっ?」

「いっ!?」

22 : VIPに... - 2011/04/29 19:01:36.24 33qFWivT0 21/105

「だって、澪じゃゲンコツを当てるくらいでしょ?」

「やっぱそれくらいじゃ、律にはぬるいのよ」

「…あ、あの~。それはどういうことでして?」

「律!!」

「は、はい!!」


「……あなた、これの提出に来るときはカチューシャなんて外して、
  自然なまま前髪下ろして来なさいよ」キラーン


「」ピクッ

23 : VIPに... - 2011/04/29 19:02:58.90 33qFWivT0 22/105

「そして上目遣いで初々しく『遅れてすみません、生徒会長///』
  と言って私に提出してもらおうかしら」

「まあ!!」パァア

「わあ、初々しいりっちゃん!」

「……ひ、ひえぇぇ!!」

「り、律……さすがにこれは……」

「それじゃ律、わたし生徒会室で待ってるね」

「ま、待ってくれ!! 和!!」


バタン!!

24 : VIPに... - 2011/04/29 19:04:02.34 33qFWivT0 23/105

------------------
--------------
----------

「……ということなんだ」

「そ、そうなんですか」

「でね、あずにゃん。生徒会室でりっちゃん、とーってもかわいかったんだよ!!
  和ちゃんの前でね、涙目でね、ほっぺた紅くしちゃってね――」

「『お、遅れてすみませんでした……せいとk///

「だぁーーーっ!! 唯、それ以上いうなぁ!!」ガシィッ

「もごぉーっ!!」フガフガジタバタ

25 : VIPに... - 2011/04/29 19:05:17.53 33qFWivT0 24/105

「そ、それはぜひ御一緒したかったですね……」

「もったいなかったな梓、そういえばなんで今日は遅れたんだ?」

「掃除当番です。班の欠席者が多くて、すごく長引きまして……」

「そういえば……クラスによってはカゼが流行ってるらしいしな」

「はい、おかげで倍は掃除するハメになりました」

「梓ちゃん、お疲れ様」

「ありがとうございます。それにしても……唯先輩、大丈夫ですかね?」

「ん?そろそろ止めようか」

「///」グググ…

「」ピク…ピク…

26 : VIPに... - 2011/04/29 19:06:09.79 33qFWivT0 25/105

「律、落ち着けよ」

「ふふふ。わたしお茶でもいれて来ようかしら」

「ぷはっ!! そうだよ、やることやったんだし、ティータイムにしようよ!!」

「でも、結構時間も遅くなってきてるぞ? 練習できるのか?」

「へーきだよ!! 澪ちゃん!!」

「……そういって出来た試しがない」

27 : VIPに... - 2011/04/29 19:07:00.53 33qFWivT0 26/105


「ぐすっ……」


「おい律。大丈夫か?」

「あ、ああ……」

「ふふふっ、律、あまり引っ張るなよ?」ポン

「わ、わかってるって………ぐすっ……まあ……あ…あれで……
  軽音部が助かったかと思えば……ああいうのも……安いもんだぜ澪?」グスッ

(泣きながら言われてもなあ……)

28 : VIPに... - 2011/04/29 19:07:48.40 33qFWivT0 27/105

「くすん……そろそろ前髪をもどそうかな……」

「りっちゃん、もう戻しちゃうの?」

「うん、やっぱおかしーしな」キョロキョロ

「ふーん」

「ど こ に あ る の か な……カチューシャっと……?」ガサゴソ


「……??」


「あれ?」

29 : VIPに... - 2011/04/29 19:08:59.31 33qFWivT0 28/105

「おーい!! みお~!! カチューシャってテーブルの上に置いてたよな? 見当たらないんだけど」

「ん? お前、ちゃんと探したか?」

「疑うなよ~、かばんの下とかも調べたんだぞ」

「ほんとにないのか?」キョロキョロ

「どうしたの?澪ちゃん」

「律のカチューシャがないんだって」

「えっ、ないの?」

「ああ」

30 : VIPに... - 2011/04/29 19:09:28.97 33qFWivT0 29/105

「一緒に持って行ってたっけ?」

「いや、たしかテーブルに置いてたはず」

「たしかにそのはずだ、私も見た」

「なあ、梓」

「は、はい!」

「あたしのカチューシャ見なかった?」

「にゃっ!?」ビクッ

31 : VIPに... - 2011/04/29 19:11:00.98 33qFWivT0 30/105


「い……いえ」タラー


「そうか……おかしいなー」ガサゴソ


(ああ、どうしよう……いまさら内ポケットから出すなんて出来ないし……)

(でも、言わないと……)


「うーむ、見当たらない……」キョロキョロ

「カバンの中か?」ガサゴソ


(……ええーい!! 言っちゃえ!!)


「あ…あのっ……!!」

32 : VIPに... - 2011/04/29 19:12:26.77 33qFWivT0 31/105


ガタン!!


「これは大変だよみんな!!カチューシャ誘拐事件だよ!!」

「ははっ、誘拐ってのもな……」


(えっ、えっ?)


「なんでだろう、見つからない……」

「お茶が入ったわよー」


(あああ……言いそびれた……)

33 : VIPに... - 2011/04/29 19:13:35.66 33qFWivT0 32/105

「しかし……もし盗難だとしたら厄介だな、
  一応みんなの持ち物が揃ってるかを調べておかないか?」

「そ、そうだな」ガサゴソ

「これは事件だよ、事件の香りがするよ!!」ゴソゴソ

「あらあら?」

「え……あっ……」


・・・・・・・・・

34 : VIPに... - 2011/04/29 19:18:18.07 33qFWivT0 33/105

3分後


「とりあえず盗難はなし……か」

「そうね」

「……ということは、カチューシャだけが……?」

「なくなってる……ってこと?」

35 : VIPに... - 2011/04/29 19:32:01.09 33qFWivT0 34/105

「でも、そんなことなんて……」

「……あるわ」

「えっ?」

「神隠しよ」

「かみかくし?」

36 : VIPに... - 2011/04/29 19:38:54.39 33qFWivT0 35/105

「そうよ、神隠し……大事にしてたものが、あるとき急になくなってしまう……神様のいたずら」

「でも、そんなことなんて……おとぎ話の……」ゾッ

「そうかしら?」

「えっ?」

「神隠しなんてどこでもにもあるわ……」

「そ……そんなことなんてあるわけないっ!!」

「澪ちゃん……りっちゃんのカチューシャだからって信じられないのだけれど……」


「そんなこと言ってたら、次はもしかしたら エ リ ザ ベ ス ……」

37 : VIPに... - 2011/04/29 19:54:09.11 33qFWivT0 36/105


「え……あ、あ……あっ……うわあぁぁぁぁぁぁーーーーっ!!」




「だ…だめだっ、い、行かないでくれぇ!! エリザベス!!!」フルフル

38 : VIPに... - 2011/04/29 19:55:24.50 33qFWivT0 37/105

「あ……あの、ムギさん?」

「てへ、ちょっとやってみたかったの///」

「ったく、とりあえず澪をなんとかしてくれ」


「うわぁぁ、エリザベス……」

39 : VIPに... - 2011/04/29 19:56:24.23 33qFWivT0 38/105

「だ、大丈夫よ、澪ちゃん。
  名前のついてるものは神隠しに遭わないみたいよ?」

「ほ、ほんとか、ムギ?」

「え、ええ、そうよ!!」タラー

「よかった……お前の名前はエリザベス……いつまでも一緒だよ……」

「ふぅ……」


「一件落着か……ったく、澪も神隠しに何を想像してんだか……」

「色が白くて……首が長くて…… べ ろ べ ろ ば ー ! ! 」

「う、うわああああああああああああ!!」ゾクゾク

「かーっ、お前らぁーーーーーーーー!!」

「わーい!!」

(どうしよう、騒ぎが大きくなってる……)

・・・・・・・・

40 : VIPに... - 2011/04/29 19:57:01.73 33qFWivT0 39/105

「まあまあ、みなしゃん。お茶も入ってることですし、
  冷めないうちにティータイムにしましょう!!」

「ふう……そ、そうだな、少し休憩を入れようか」

「あ、ああ……」

「あまり浮かないな、律?」

「カチューシャ……」

「りっちゃん、帰る前に部室を片付けるからそのときにまた見つけようよ!!」

「うん……」

(律先輩……)

41 : VIPに... - 2011/04/29 19:57:41.00 33qFWivT0 40/105

「ほら、元気だしなよ。前髪出してる律なんかより、元気のない律のほうがおかしーぞ」ツンツン

「わ、わかったよ///」

「ムギちゃん、今日のお菓子はなあに?」

「今日はビスケットよ」

「わあ、おいしそう」

「みおしゃん、あんまり食べたらまた太りますよ」

「いちいちうるさいっ!」ポカッ

「いってー」

「ふふふ、いつもどおりね」

「う~ん、おいしー!!」サクサク


(いつもどおりのティータイムか……)

42 : VIPに... - 2011/04/29 19:58:17.43 33qFWivT0 41/105

(い、いまなら切り出せそう……だよね)

(ちょうど空気も良さそうだし)

(よーし……がんばれっ!!あずさ!!)

(やってやるです!!)フンス



「あ、あの……!!」

43 : VIPに... - 2011/04/29 19:59:25.66 33qFWivT0 42/105


「しかしカチューシャ、どこいったんだろうな」

「やっぱり気になるか?」

「まあ、昔から愛用してきただけあって、思い入れもあるもんでね」

「はやく……見つけ出したいな」

「りつ……」


「」

44 : VIPに... - 2011/04/29 20:00:19.53 33qFWivT0 43/105

(……だ……だめぇっ!!ぜぜぜ絶対に切り出せないよ!!)フルフル

(あああ……どうしようどうしよう)


「そういえばさー、こんな歌があったよね」モグモグ


「なんだ?」

「ポーケットのなかにはビスケットがひとつ♪」

「ああ、聴いたことがあるわ」

「また懐かしい歌だな」

「小学生以来かな」

「あずにゃんも聴いたことあるよね?」

「えっ?」ピクッ

45 : VIPに... - 2011/04/29 20:00:47.50 33qFWivT0 44/105

「ポーケットのなかにはビスケットがひとつ♪」

「……ポーケットを叩くとビスケットがふたつ♪……ですか?」

「それだよあずにゃん!! ノリがいいね!! 一緒にやろっか♪」ニコッ

「一緒って……何をするんですか?」

「せーのっ!!」

(イヤな予感…)

46 : VIPに... - 2011/04/29 20:01:29.76 33qFWivT0 45/105


「ポーケットの中にはビスケットがひとつ♪」ポケットぽんぽん


「うっ!?うわあああぁぁぁあああああぁぁぁぁあああああ!!??」

「どうしたのあずにゃん♪」

「せせせせせせせせせ先輩!!なななななななんで私のポケットを叩くんですか!?」ガタガタ

「えへへ、スキンシップだよ!!」

「あずにゃんだって私のポケット叩いていいんだよ」

(ええええっ!? 何言ってるんですか、この天然バカ!!)

「もおっ!! ゆいせんぱい!!」プンプン

「えへへ~♪」

47 : VIPに... - 2011/04/29 20:02:07.83 33qFWivT0 46/105


(くっ、私がカチューシャを隠しているのは胸の内ポケット……)

「怒ったあずにゃん、かわいい」

48 : VIPに... - 2011/04/29 20:02:36.70 33qFWivT0 47/105


(ここを叩くことは胸タッチと同義……)

「それじゃ、2番行こっか♪」

49 : VIPに... - 2011/04/29 20:03:17.75 33qFWivT0 48/105


(だから……さすがの唯先輩でも胸タッチはないはず……)

「せーのっ!!」

50 : VIPに... - 2011/04/29 20:03:52.11 33qFWivT0 49/105


(だから……きっと、大丈夫……)

「胸ポケットを叩けばビスケットが♪」

51 : VIPに... - 2011/04/29 20:04:19.96 33qFWivT0 50/105






(……そう思っていた時期が、私にもありました)







52 : VIPに... - 2011/04/29 20:04:46.59 33qFWivT0 51/105


「みっつ♪」ポケットぽんぽん


(しかも本当に胸タッチしてきましたよこの人。一体どうなっているのでしょうか?)

(もうこの急場を凌ぐには、取り乱してうやむやにするしかありません、やってやるです!)


バァッ!!


「だ、だ め ぇ ー ー ー っ ! ! 」

53 : VIPに... - 2011/04/29 20:05:19.53 33qFWivT0 52/105

「えっ」


し~ん。。。。。。。。。


「……」

「……」

「……」

「……」

「はぁ……はぁ……」

54 : VIPに... - 2011/04/29 20:05:56.77 33qFWivT0 53/105

「あずにゃん?」

「はぁ……はぁ………………えっ?」

「……」

「……えっ、あ……あっ…と…その………え…えへへっ……」

55 : VIPに... - 2011/04/29 20:06:36.07 33qFWivT0 54/105

「ゆ、唯先輩!!」プンプン

「は、はいっ!!!!」

「つ、つぎ……私のココ……た、タッチしたら……」

「は、は、はい」

「せ…責任とって……くださいね?///」チラッ

「///」

「///」ジワッ

「あ……う……///」

56 : VIPに... - 2011/04/29 20:09:03.28 33qFWivT0 55/105


ガタッ!!

「あわわわわわ!!なんてことをしたんだ唯!!///」アワアワ

「あ、あ、やややっぱえっちぃよね? ごめんね、あずにゃん///」

(まあまあまあまあまあまあまあまあっ!!)

「……あの、ムギさん、よく聞こえてますよ?」

57 : VIPに... - 2011/04/29 20:09:48.07 33qFWivT0 56/105


5分後……

「ふぅ……先輩、取り乱してすみませんでした」

「ごめんよー、あずにゃーん」スリスリ

「もう、あまりくっつかないでください!」

「澪ちゃん、カップ持つ手が震えてるわよ」

「う……うるさい」カタカタ

(色目で振り切ったけど代償が……)

(唯先輩の天然にここまでやられるとは)

「なあ、梓」

「あ、はい」

58 : VIPに... - 2011/04/29 20:10:30.85 33qFWivT0 57/105

「なんか、こういうタイミングでこんなことを聞くのもなんだけど……」

「なんですか?」

「お前、胸おおきくなった?」ニヤッ

「えっ!?」

唯澪紬 ジー

「じっと見ないでください///」

59 : VIPに... - 2011/04/29 20:12:10.44 33qFWivT0 58/105

「あっ、いや、なんか今日はちょっと大きく見えてな。
  同じ貧乳としては見過ごせないものがあってね」

「きゅ、急にどうしたんですか。そんなことは…」

「でも、今日は心持ちふくらんでるようにも見えるな」

「えっ、あずにゃんついにAカップ!?」

「うっせーです!!///」

「今日はお赤飯ね」

「それ、とてもひどいです」グスッ

「で、どうなのあずにゃん?」

「あ…いえ、そんなことは……」

「コラ、唯。あまりそういうことはしつこく聞くもんじゃないぞ」

「えへへ~、いいじゃんいいじゃん」

(唯ちゃんに迫られて、モジモジする梓ちゃん。最高だわぁ)

「……」モジモジ

60 : VIPに... - 2011/04/29 20:13:02.22 33qFWivT0 59/105

「まっ、梓ちゃんの胸が大きくなったところで、
  まだまだリっちゃん様の胸にはかなわないだろうけどね~」ボソッ

「!!」

「あれ?どうしたんでちゅか~?中野ちゃん、聞こえまちたか~?」

「ムムッ…なにいってるんですか!! 律先輩なんてすぐに追い抜いてやるです!!」

「でも、梓の胸を見る限り、もう追い抜いてるんじゃないか?」

「あっ、澪ちゃんずる~い!!人には聞くなって言っといて!!」

「でも梓ちゃん、本当に大きくなった気がするわ」

「えっ?」

「ぐぬっ…たしかによく見ればそんな気もする……」

「そんなことは…………あっ!?」

(しまった、カチューシャを入れてる分だけ大きく見えちゃってるかも!?)

61 : VIPに... - 2011/04/29 20:14:06.18 33qFWivT0 60/105

「梓、まさかパットとか使ってないよな?」

「」ギクッ

「本当に純正の乳なんだよな?」

「あ……いや……その……」タラー

「これは貧乳にとって重要な死活問題なんだ!! 正直に答えるんだ、梓!!」

(こ、これで見つかったら……)

「おい律、梓が困ってるだろ!!」

(どう思われちゃうんだろう……)

「どうなんだ、梓?」

62 : VIPに... - 2011/04/29 20:14:34.96 33qFWivT0 61/105

「ううう……わ…わたし…パットなんて使ってません!!」

「本当に?」ジリジリ

「ほ、本当です、律先輩!!」

「ホントの本当に?」ジリジリジリ

「ほ、ほ、ホントの本当にです!!」

「ホントのホントの本当に…?」ワキワキ

63 : VIPに... - 2011/04/29 20:17:13.14 33qFWivT0 62/105

「うううう……そ、そんなに言うなら律先輩!!……私の胸がどれだけ大きくなったか
  合宿のとき、お風呂でたっぷりと見せてやるです!!」

「あずさ!?」

「制服の上からじゃ本当の大きさなんてわかりません!!」

「だからお風呂場でどっちが大きいのか、みんなの前でシロクロつけましょう!!」

(まあ!!)

(み…みんなの前で……しかも一糸まとわず……だと!?///)

「もちろん自信があるならOK!! ですよね、律先輩?」

「ぐ…ぐ…ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぅぅぅぅぅぅっ!?///」

「澪先輩とまではいきませんが、わたしの次の目標はもう唯先輩です、
  律先輩なんて目じゃないです!!」

「ぐ…く…く…うぐっ……?」

「どうなんですか? 律せんぱい?」

64 : VIPに... - 2011/04/29 20:17:44.52 33qFWivT0 63/105

がくっ

「……うぅっ、そんな……梓まで……あっちの世界に行っただなんて……」

「うわあ、楽しそう~!!よ~し、次の合宿はみんなで見せ合いっこだね!!」

「わ、私はやらないぞ!!」

(本当は一番自慢したいくせに♪)シュッポシュッポ

「……」

・・・・・・・・・・

65 : VIPに... - 2011/04/29 20:18:13.13 33qFWivT0 64/105

「梓…おまえだけは信じてたのに…」シュン

「律、元気出せよ」モグモグ

「巨乳のおまえに…私の悲しみが分かるもんか!!」グスッ

「なに言ってるんだ、幼馴染だろ?分かるに決まってるじゃないか」ゴクゴク

「ムギちゃん、おかわりー!!」

「はいはい」コポコポ

「……」

66 : VIPに... - 2011/04/29 20:18:42.99 33qFWivT0 65/105

(わたし、なにやってるんだろ)

(唯先輩には大声出して…律先輩にはあんなことまで言っちゃって…)

(あああ、だめだめだめっ!!このままじゃ、とりかえしのつかないことになっちゃう!!)

(もう、打ち明けないと!!)

(……でも、いまさらどうやって?)フルフル


「おい、あずさ?」



67 : VIPに... - 2011/04/29 20:19:38.29 33qFWivT0 66/105


「……」


「あずさ?」


「……はい?」


「どうしたんだ、さっきからうつむいて」

「そうだよ、どうしたの?」

「ふーむ、なんか顔色悪くないか?」

「気分でも悪いの?」

「いえ、そんなことはありません」

「あずにゃん……何か悩みごとでもあるの?」

「あ……その、それは」

68 : VIPに... - 2011/04/29 20:20:33.41 33qFWivT0 67/105

「梓ちゃん、悩んでることがあったら打ち明けてくれていいのよ」

「そうだぞ、梓のためならいくらでも力になるぞ」

「そういうことだよ、あずにゃん、何かあったの?」ナデナデ

「なんなら部長直々に相談に乗ってやるぞ?」

「律じゃ何の参考にもならないよ。梓、私が相談に乗ろうか?」

「なにお~!!」

「あらあら」

「あずにゃん、どうなの?」

「うっ……く」ジワ

69 : VIPに... - 2011/04/29 20:21:01.70 33qFWivT0 68/105

「!?…梓!」

「うぅ」ガタッ

「梓!!」ガタッ

「うぅぅ……追わないで…ください!!」タタタッ

バタン

「あ、あずさ?」



70 : VIPに... - 2011/04/29 20:21:58.77 33qFWivT0 69/105


タッタッタッタッ


「はぁ…はぁ…」

(いまどういう状況なんだろう?)

(いきなり飛び出しちゃって……)


タッタッタ…


(どうしよう)


タッタッ……スタッ...


「どうしよう……」


ぽつーん。。。


「……」クスン


「律先輩、ごめんなさい……」


「もう、戻れないのかな……」ポロポロ


「……梓ちゃん?」

71 : VIPに... - 2011/04/29 20:22:46.90 33qFWivT0 70/105

「うっ、うぅっ……」


「梓ちゃん?」


「……?」

「梓ちゃん?…どうしたの廊下でうずくまって」

「!?……うぅぅ」

「泣いてるの?」

「ぐすっ」

「梓ちゃん……」

「もし…よかったら、何があったか聞かせてくれない?」

「……」

「ごめんね、言いにくいかな」

「……うぅぅ、真鍋先輩」

72 : VIPに... - 2011/04/29 20:25:21.47 33qFWivT0 71/105

 :
 :
 :

「そうなんだ」

「……私が嘘でごまかしてるのに、先輩達が優しくしてくれて」

「それが心苦しくて飛び出してしまいました……」


「うーん……梓ちゃん、とりあえず場所を変えようか?
  唯達のことだから、いまごろあなたを追いかけてると思うの
  ここだと整理のつかないうちに追いつかれちゃうわよ?」

「大丈夫だと思います。追いかけないでと伝えて飛び出しましたから……」

「追いかけないでって言ったの?」

「はい……先輩方に申し訳なくて……こんな最低な後輩、見捨てて欲しかったんです」

「最低だなんて、どうしちゃったのよ」

「大事なカチューシャを壊した上に、先輩方に嘘をついて騙したんです」

「どのみち、軽音部には居られないです……」グスッ

「……梓ちゃん」

「……」

73 : VIPに... - 2011/04/29 20:25:53.47 33qFWivT0 72/105

「梓ちゃんは……唯達がまだカチューシャのことに気づいてないと思ってるの?」

「えっ」

「おそらくだけどみんな、梓ちゃんとカチューシャのことに気づいてるんじゃないかと思うの」

「どうしてそんなことが言えるのですか……?」

74 : VIPに... - 2011/04/29 20:27:44.71 33qFWivT0 73/105

「話をまとめると、律が私のところへ書類提出してる間に
  カチューシャがなくなったってことなのよね?」

「はい」

「実際のところ、律が書類提出で部室を空けたのは、
  だいたい20分くらいだと思うのよ」

「はい…」

「時間としてもそんなに長くないし、
  その間にみんながカチューシャの在り処を忘れるなんて思えないの」

「まして盗難でもないとすると……
  どう考えてもその間に部室にいた梓ちゃんが何かしたと思うはずなのよね」

「……」

「唯達からなにかそれを思わせるような言動はなかった?」

(『なんか、こういうタイミングでこんなことを
   聞くのもなんだけど……お前、胸おおきくなった?』)

「おそらく、あの子達はもう気づいてると思うし、その上でやさしく接してるのよ」

75 : VIPに... - 2011/04/29 20:28:12.29 33qFWivT0 74/105

「そ、そんな……」

「きっと、唯達は梓ちゃんが本当のことを言うのを待ってるんじゃないのかな」

「そ、そんなこと……」

「きっと、いまでも……」

「うぅぅ……そんなこと……」ポロポロ

「……」

「そん…な……こと……」ガクッ

「梓ちゃん……」

・・・・・・・・・

76 : VIPに... - 2011/04/29 20:29:48.92 33qFWivT0 75/105


「……真鍋先輩すみません、制服……汚してしまいましたね」グス

「いいのよ、涙なんてキレイなものよ」

「……やっぱり、待ってくださってるんですかね……?」

「……おそらく、そうだと思うわ」




「あずにゃーん!!」


「あら?」

「…えっ?」

77 : VIPに... - 2011/04/29 20:30:17.53 33qFWivT0 76/105


「あずにゃん!!」


「唯…せんぱい」

「……はぁはぁ、ごめんね、あずにゃん。心配で追いかけてきちゃったよ」

「唯、みんなで追いかけてるの?」

「うん、居ても立ってもいられなくて」

「だってさ、梓ちゃん」

「……はい」

78 : VIPに... - 2011/04/29 20:32:25.91 33qFWivT0 77/105

「和ちゃんは?」

「私? わたしは放課後の見回りをしてたところよ」

「ちょうど廊下で梓ちゃんと出会って話をしてたの」

「そうだったんだ……和ちゃん、うちのあずにゃんをありがとうございます!」ペコリ

「いいのよ、たいしたことしてないんだから」

「それより梓ちゃんはもう落ち着いたの?」

「はい、落ち着きました」

「そう、それはよかったわ」

「真鍋先輩、わたし軽音部に戻ります」

「あら、そうなの」

「はい、戻ります………そして、私……」

「ふふっ、言わなくてもわかってるわ」

「梓ちゃん、いってらっしゃい」ニコッ

「は、はい、真鍋先輩!!」

「いい返事。それじゃ私、つづきに行くね」スタスタ

「うん、ありがと和ちゃん!!」

「先輩、ありがとうございました」

・・・・・・・・

79 : VIPに... - 2011/04/29 20:33:01.72 33qFWivT0 78/105


「……行こっか、あずにゃん」

「はい、唯先輩」


 :
 :
 :


「あずにゃん、落ち着いてよかったよ」トコトコ

「唯先輩、ほんとうにすみません」トコトコ

「いいのいいの、かわいい後輩だもの、そんな後輩の面倒を見るのは先輩のつとめだよ!!」フンス!

「……」

80 : VIPに... - 2011/04/29 20:36:14.29 33qFWivT0 79/105

「ところでさ、あずにゃん。やっぱ悩みごととかあるの?」

「えっ」

「あっ、ごめん、忘れて」

「えっ、あっ……その……実は……悩み……というわけではありませんが」

「?」

「実は…これ……」

「……これって、りっちゃんの?」

「はい、カチューシャです」

「先輩達が生徒会室に行ってる間に、私が…いたずらして折ってしまいました」

「え゛っ!?」

「あっ…その……部室に置いてあったのをアタマに着けたり、
  引っ張ったりしてたら、折れてしまったんです」

「ふむふむ」

「それで謝ろうと思っていたのですが、そのタイミングがつかめなくて」

「……謝れないまま話が進んじゃって……」

「……気がついたら部室の外でした」

「あずにゃん……」

81 : VIPに... - 2011/04/29 20:36:42.48 33qFWivT0 80/105

「でも……真鍋先輩と話して落ち着きましたし」

「やっぱり、早く謝らなきゃいけないと思いました」

「……部室にもどったらすぐに謝るってこと?」

「……はい」

「……」

82 : VIPに... - 2011/04/29 20:38:43.37 33qFWivT0 81/105

「……ねぇ、あずにゃん」トコトコ

「はい」トコトコ

「きっと……大丈夫だよ……りっちゃんは許してくれると思うよ」

「……そう…ですかね?」

「たしかにりっちゃんだって、あのカチューシャは大事にしてたから
  ひょっとしたらとっても怒るかもしれないよ?」

「……」

「でも、りっちゃんって、とっても前向きだから、
  そのことでずっとあずにゃんを責めたりなんかしないだろうし…」


「それにもし、あずにゃんと……りっちゃんが……
  ケンカにでもなっちゃったりしたら……そのときは……」


「そのときは……」


「私が……」


「先輩が……?」

83 : VIPに... - 2011/04/29 20:40:19.24 33qFWivT0 82/105


「私があずにゃんを守ってあげるよ!!」ガシッ


「えっ」

「あずにゃんのためなら、いつでも伝言だって手伝ってあげるし!!」

「仲直りだっていーっぱい協力してあげる!!」

「唯先輩……」

「だからあずにゃんは…」ダキッ

「……安心してりっちゃんに謝るといいよ」ナデナデ

「先輩……?」

「大丈夫だよ……あずにゃん」

「せんぱい…ありがとうございます」ジワ

84 : VIPに... - 2011/04/29 20:41:21.11 33qFWivT0 83/105

「よーし!!あとすこし勇気の出ないあずにゃんに、唯先輩分をわけてしんぜよう」ギュゥ

「にゃっ!」

「……」ギューッ

「……」ギュッ


・・・・・・・・・・・


「…よしっ!!あずにゃん、これで大丈夫!!さあ、行こっ!!」ポンポン

「はいっ、先輩!」


トコトコ...



紬 ●REC

85 : VIPに... - 2011/04/29 20:41:53.14 33qFWivT0 84/105


ぶしつ!


「あっ、みんな戻ってきてるよ」

ガチャ

「ただいま戻りました」

「おおっ、梓!!」

「梓ちゃん、もう大丈夫なの?(なんとか間に合ったわ)」ハァハァ

「はい、ご心配をおかけしました」

「そうか。よかった梓」ナデナデ

「ありがとうございます///」

「……梓、事情は…聞かないほうがいいか?」

86 : VIPに... - 2011/04/29 20:42:38.80 33qFWivT0 85/105


「いえ、先輩――」

「むしろ……聞いてください!!」


「なっ……そうか、じゃあ聞かせてくれ、梓!!」


「はい!!」


87 : VIPに... - 2011/04/29 20:43:59.38 33qFWivT0 86/105


(ふぅー………)


(唯先輩分も満タン、きっと大丈夫……)

(がんばれ、梓!!)フンス!


「り、律先輩!」

「なんだ、梓!!」

「今日、カチューシャを探しておいででしたよね?」

「ん?ああ」

「実は、そのカチューシャなんですけれど……」

「あ、ああ」

「これです」


カチュ  ーシャ


「……」

88 : VIPに... - 2011/04/29 20:44:45.00 33qFWivT0 87/105

「実は先輩が居ない間に着けてましたら……その……折って……しまいまして」

「……」




目を見開き、じっと梓を見つめる律……その視線を受けきれず、目を背ける梓
しばらくの無言のあと、律が重い口を開く



89 : VIPに... - 2011/04/29 20:45:15.29 33qFWivT0 88/105


「……あ……梓?」

「は、はい……律先輩」

「おまえ!!」シュッ!!

(律!?)

「りっちゃん!?」

(……くっ!!)

90 : VIPに... - 2011/04/29 20:47:06.57 33qFWivT0 89/105



愛着があったんだよね、あのカチューシャ――


それを壊したんだから、すんなり終わるわけないよね――


きっと、もうそこまで律先輩の手が伸びている――


堅く目を閉じたのは、その瞬間が怖かったから――


やっぱり痛いのかな――


覚悟はもう出来ています、あとはその瞬間を受け入れるだけ――


受け入れるだけ――


それはわかってる、でも……


やっぱり、こわいよ……助けて唯先輩……!!



91 : VIPに... - 2011/04/29 20:47:41.15 33qFWivT0 90/105


 :
 :
 :

ぽふっ!!








92 : VIPに... - 2011/04/29 20:48:16.88 33qFWivT0 91/105


「……」


「おまえって、カチューシャ割るほど頭デカかったっけ?」サスサス


「……」プシュー プスプス…


「ん?」サスサス




「ちーがーいーまーす///!!!!」 どっかーん!!




「あわわっ!!」


「はあっ…はあっ……すみません…その、グイッと引っぱっちゃったんです!!」ゼーハー

「はあっ…はあっ……あ、ああ……そ、そういうこと……ね」ゼーハー


・・・・・・・・・・・・

93 : VIPに... - 2011/04/29 20:49:30.09 33qFWivT0 92/105


「あ…あの、先輩」

「なんだ」

「私……先輩にとっての、大事なカチューシャを壊してしまいました……」

「……」

「本当はすぐに謝らなきゃいけないのに、
  怖くて嘘をついてまでごまかしてました……」

「……」

「そんな最低な後輩で、しかも遅れましたけれど、律先輩……
  カチューシャを壊して、本当に……すみませんでした」

「……」

94 : VIPに... - 2011/04/29 20:50:04.27 33qFWivT0 93/105

「……」

「あずさ」

「……はい」

「気にすんなよ」

「えっ」

「さすがに今日一日お前の様子がおかしかったんだ」

「お前が何かやらかしたことくらいある程度わかってたよ」

「……」

95 : VIPに... - 2011/04/29 20:51:09.82 33qFWivT0 94/105

「それに梓の胸があれだけ大きく膨らんでりゃ、
  そこに何か隠してるって気づいちゃうよ」

「……///」


「まあ、なんだ、謝るにしてもちょっとビビっちゃったか?」

「は、はい……」

「たしかにあのカチューシャも、もう少し使いたかったから残念なんだけど」

「でも、梓にも悪い思いさせちゃったし、
  カチューシャに関しては悪いことは言わないよ」

「す…すみません」


「しかしだ!!」


「にゃ!?」

「あずさ~」ジリジリ

「は……はい」

96 : VIPに... - 2011/04/29 20:51:54.51 33qFWivT0 95/105

「おまえティータイムのときにさ、『澪先輩とまではいきませんが、
  わたしの次の目標はもう唯先輩です、律先輩なんて目じゃないです!!』
  って言ってたけど、あれは実際どうなんだ?」

「ど、どうっていいますと……?」タラー

「お前の目標は、“私”なのか“唯”なのか?」




「さて、時間もまだ残ってますし、練習しましょうか」スタスタ




「あーずーさー」グイグイ

「えへへ……律先輩です」

「もういちど」

「律先輩です」

98 : VIPに... - 2011/04/29 20:53:19.47 33qFWivT0 96/105

「おっし!! それが聞きたかったんだ!!」

「えっ」

「お前に置いていかれたんじゃ悲しいからな」

「は…はぁ……」


(なんだろう、カチューシャよりも大事なことなのか……?)


「ということだ、お風呂での見せ合いっこも中止ということでいいな、梓?」

「はい、もちろんです」

「ええーーーっ!?」

「えっ、ムギ?」

「やりたいんならお前らだけでやれよ」

「そんなのやだよ!!みんなでやろーよ!!」プンプン

「り、りっちゃん、胸は見られると大きくなるっていうわよ?」アタフタ

「別に生で見られることもないだろ?」

「い、いや、生のほうが効果的なのよ!!」

「でもなー」

「合宿っていう大チャンスを逃すつもり?」

「ざーんねん、諦めろって」

「くすん」シュン

 :
 :
 :

99 : VIPに... - 2011/04/29 20:54:33.32 33qFWivT0 97/105


 :
 :
 :

「それにしても、この前髪どうしようかね」

「あっ…そ、そうですね」

「しばらくそのままでいいんじゃないか?」

「そうだよりっちゃん、かっこい~よ~!!」

「お前はもう黙れ!!」

「あらあら」

「とはいっても……しばらくはこのままにしとこうかな」

「まあ、似合わないわけでもないからな、それもいいと思うぞ」

「すみません」

「そう謝るなって、梓 ……………ん?」

「?」

100 : VIPに... - 2011/04/29 20:55:08.91 33qFWivT0 98/105


「ふっふっふ……梓ちゃん」


梓 ゾワッ

「せっかくこういう機会なんだし……ちょっと遊ばせてもらおっかな~?」ニヤリ

「へっ?」


カポッ


101 : VIPに... - 2011/04/29 20:55:38.78 33qFWivT0 99/105


「にゃっ?」


「へっへーん、猫耳カチューシャ」

「梓!!次に私がカチューシャ着けて登校するまで、お前はそれを着けて登校しろよな!!」

「えっ…そ、それって」

「カチューシャ同士、交換条件だ」

「!?」

「そ、そんな……さっきもう悪いことは言わないって……」

「そう、悪いことは言わないよ……でも、悪いことはしちゃうけどね~」ニヤリ

102 : VIPに... - 2011/04/29 20:56:36.85 33qFWivT0 100/105

「えーっ!? 律先輩、そんなのひどいです!! それに……は、恥ずかしすぎます///」

「そうか? 私は似合ってると思うけど」

「あずにゃん!!ぜんぜん違和感ないよ!!」

「そうよ、むしろそっちのほうが自然だわ」

「な、なにいってるんですか!?」

「しかし、ほんとよく似合うな」

「むぅ~、律先輩!!いまから一緒にカチューシャ見に行きましょう!!いいの探してみせますので!!」

「ほう、これはたのしみですねぇ…でも猫耳はつけたままでな!!」

「ええーっ!?」

「面白そうだな。律、私もついて行っていいか?」

「おう、澪しゃんも来なよ」

「わーい、私も行くー!!」

「ふふふ、じゃあ私も」

「わわっ、そんな……」

ガチャ

103 : VIPに... - 2011/04/29 20:57:59.03 33qFWivT0 101/105


「みんなー、下校時間よ」


「あっ、和ちゃん!!」

「ふふ、いつもの軽音部ね」

「そうだよ、みんな仲良しティータイムだよ!!」

「あら、梓ちゃん。その猫耳は?」

「あの…その…これは…」

「交換条件だよ」

「交換条件?」

「梓のやつ、律のカチューシャ壊しちゃってさ、
  そこで律が次にカチューシャ着けて登校するまで、
  代わりに梓は猫耳つけて登校することになったんだ」

「ま、まだOKなんてだしてませんよ」ボソッ

「へえーそうなんだ。じゃあ仕方ないわね梓ちゃん」

「へっ?」

「律のトレードマークを壊したんだもの、文句はいえないわよ」

「ちょっと真鍋先輩も止めてくださいよ!!」

「ところで和、いまから新しいカチューシャ買いに行くんだけど、一緒に行くか?」

「うーん、どうしようかな」

「梓は猫耳つけて行くらしいぞ」

「いこうかな」ニコッ

「ちょっと!!」

104 : VIPに... - 2011/04/29 20:58:57.26 33qFWivT0 102/105

「じゃあちょっと遠いけど、オシャレなお店を知ってるの。行ってみない?」

「遠いのは勘弁です!」

「バスとかで行けばいいんじゃないか?」

「そんなの恥ずかしくて死んじゃいます!!」

「その前におなかすいちゃったよ、先にどこか食べに行かない?」

「蛇口の水で満たしてください!!!」

「なんか今日はじっくり吟味したい気分だな」

「私が一瞬で選んでみせます!!!!」

「あきらめなさい」

「あきらめたらそこでry

105 : VIPに... - 2011/04/29 21:01:29.74 33qFWivT0 103/105

「それじゃあ梓ちゃん、いきましょうか~!!」グイグイ

「えっ、えっ!?」ズルズル

「しゅっぱ~つ!!」

「ふぇ~ん!!とめてくださいよ唯先輩!!許してください律せんぱ~い!!」ジタバタ

「じゃあ、電気消すぞ」

「ほ、ほんとに、ほんとに許してくださーい!!」ズルズル


ガチャ


バタン☆!!




おしまい


108 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(北海道) - 2011/04/29 21:22:09.16 n3jtuC1mo 104/105

乙でした

それと……ムギちゃん必死すぎwww

109 : VIPに... - 2011/04/29 21:50:20.72 33qFWivT0 105/105

まあ、ムギはエンジン回し過ぎたかもな。
ただ書いてて思うのが、やっぱりムギの描写が一番難しい。
ヘタすると「あらあら、まあまあ」以外に台詞がない。

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