土御門「今日お前たち三人に集まってもらったのは他でもない」
浜面「集まったっつーか、捕まったんだけど」
上条「おい、土御門。お前一体どういうつもりだ?」
一方通行「……もぞもぞ」
土御門「お前たちに、ある実験に付き合ってもらうためだ」
浜面「付き合うっつーか、無理やり付き合わされてるんだけど」
上条「……俺たち友達だよな?」
一方通行「……もぞもぞ」
上条「なあ、土御門」
土御門「何だ? かみやん」
上条「何で俺たちは両手両足縛られてるんだよ!!」
土御門「……テヘ☆」
元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-22冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295367884/
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-23冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297083486/
上条「テヘじゃねえよ! さっさとこの縄を解け! 早く帰って飯作らないと、うちの腹ペコシスターが……」
土御門「うんうん、それなんだぜよ、かみやん」
上条「?」
土御門「今回の企画は、題して『愛されヒーロー決定戦』なんだぜい!」
上条「あ、愛され……?」
浜面「今『企画』っつったぞ……」
一方通行「……もぞもぞ」
土御門「ご覧の通り、今三人の主人公たちは身動きの取れない状態にある」
上条「ご覧も何も」
土御門「何者かに監禁され、仲間と連絡を取ることもできない。つまり大ピンチってわけだにゃー」
浜面「何者かって」
土御門「そこで、お前たちの麗しのヒロインに、ヒーローが悪者に捕まって動けなくなっていることを手紙で伝えてある」
浜面「何!? ま、まさか滝壺に……!?」
上条(俺の麗しのヒロイン……? 誰だろう。インデックス……とかかな?)
上条(でもあいつは寝て食ってアニメ見て猫で遊ぶだけのぐうたらシスターだし、ヒロインっていうのとはちょっと違うよな……)
上条(だとすると、ビリビリ、とか?)
上条(いや、確かにあいつとはただの知り合いじゃないし何度か死線を越えたけど(主にあいつの攻撃で俺が)、そんな殺伐とした関係でヒロインはないだろ)
上条(あとは知り合いの女の子っていったらええっと、神裂、姫神、吹寄、御坂妹、(ry……いやいや、みんな俺なんかをヒーローだなんて思ってないよな)
土御門「……かみやん? お前今、物凄くむかつくことを考えてないかにゃー?」
一方通行「……もぞもぞ」
土御門「とにかく続けるぜい。ヒーローの身を案じていち早く立ち上がり、危険を顧みず闇の中を突き進み、彼のもとへ辿り着くのはどのヒロインなのか!?」
土御門「つまり一番ヒロインから愛されてるヒーローを判定する実験っていうわけなんだぜい」
浜面「ふざけたことに滝壺を巻き込みやがって……! 大体何だよ三人のヒーローって。俺はただのチンピラだっつうの」
上条「ああ。俺も、誰だか知らないけど、何も分からず変なことに巻き込まれる女の子がいるってんなら、黙ってられねえ」
上条「一体誰だ、こんな企画考えだした奴は! 教えろ土御門! こんなふざけた企画は、俺がこの手で丸ごとぶっ潰してやる!」
浜面(こきぶ……?)
土御門「企画だなんて、遊びみたいなことを言わないでもらいたい。これは正式に依頼を受けた実験だ」キリ
浜面「へいへい……実験ね、実験……」
上条「で、結局どこのどいつの差し金なんだよ」
土御門「学園都市統括理事長アレイスター=クロウリー、及びイギリス清教の最大主教ローラ=スチュアート」
上浜「「」」
一方通行「……もぞもぞ」
土御門「じゃあ、事前説明も承諾も済んだことだし、早速始めるぜよ」
浜面「また学園都市かッ……! どうして俺と滝壺をそっとしておいてくれないんだ……」
上条「待てよ。俺は承諾なんかした覚えはないぞ。誰なんだよ俺のヒロインって。関係ない子を巻き込んだら絶対にただじゃ済ませないからな」
土御門「失礼なことを言ったらだめだぜかみやん。この実験では被験者の身の安全はきっちり保証されてる」
土御門「本人たちはそんなことは知らないけど、悪役は彼女たちを傷つけないように完璧に演技をこなすし、その他の危険はスタッフが事前にヒロインから遠ざけておいてるんだぜよ」
土御門「だから安心して騙すんだにゃー!」
上条「安全だから騙していいなんて……」
土御門「ちなみに、どういうわけか分かってないみたいだから教えてやるけど、かみやんのヒロインは禁書目録だぜい」
上条「え? い、インデックス……?」
土御門「浜面のヒロインは滝壺理后。一方通行は打ち止めな」
土御門「どっちも自分のヒーローを想う気持ちは強い」
土御門「そんな強力なライバルたちより先に、禁書目録がここにかみやんを助けに駆けつけてくれるかどうか、かみやん、興味はないかにゃー?」
上条「べ……別にそんなの興味はねえけど、まあ、インデックスが勝つんじゃないか?」
上条「何せあいつは、上条さんがいないとご飯にありつけないわけですし? まあ、俺が大切だからっていうわけじゃないだろうけど?」
上条「浜面の彼女だとか打ち止めだとかよりは、ずっと必死になってくれるんじゃないかなーなんて」
浜面「……何だって……?」
浜面「おいおい、ヒーローさんよ」
浜面「インデックスとかいうのが何モンなんだか知らねえけどな……(人名?)」
浜面「滝壺は、俺の癒し系隠れスーパーボディな滝壺は、俺のことをものっすごく大事に思ってくれてるんだ」
浜面「お前は今の今までヒロインが誰だか分かってなかったんだろ? そんな半端な絆で、俺と滝壺の愛の力に勝てるわけねえよ!!」
上条「うぐ……だったら正々堂々と勝負だ!!」
土御門(ちょろいぜよ)
浜面「……ところで、もう一人承諾してない奴がいるよな?」
土御門「んー?」
上条「そうそう。何かつっこむのが怖くて黙ってたんだけど、何で一方通行はさっきから床で無言で蠢いてるんだ?」
一方通行「……もぞもぞ」
土御門「ああ、そいつはすぐ暴れるからシャットダウン中だ。気にするな」
一方通行「……もぞもぞ」
土御門(実際こうでもしてもらわないと、こいつを拘束なんてできないしにゃー)
土御門「それじゃ早速、禁書目録のモニタリングから始めるぜよ」
上条「げ! つ、土御門! お前、いつの間に俺の部屋にカメラを……」
浜面「『俺の部屋』!? くそ、同棲までしてやがるのか! それで何で自分のヒロインが分からないんだよ!?」
上条「うるせえな! そういうんじゃねえんだってば!」
浜面「じゃどういう関係だ!?」
土御門「お、禁書目録が手紙に気づいたぜよ」
上条「!」
『むむ。切手も宛名も差出人の名前も無い手紙なんて怪しすぎるんだよ。直接投函しに来るくらいなら口で言えばいいのに』
『とうまはいつまで経っても帰ってこないし。おなかすいてるのに……』
『急ぎの用事だったら大変だから、わたしが開けて見ちゃおうかな?』
『……もしラブレターとかだったら……うぐぐ……』
上条「な、なぜそこで歯をカチカチ鳴らせていらっしゃるのでせう……?」
浜面「ははっ、信用されてねえな」
『と、とにかく見てみるんだよ。なになに……』
『上条当麻は預かった。彼の命が惜しければ、三日以内に自力で探し出すことだ。謎の怪人MTより』
『……微妙に猶予があるんだよ』
『三日間、かあ……』
『こもえ……あいさ……いつわ……うん、大丈夫そうかも』
『とうまは何があっても絶対帰ってきてくれるから。三日間は他の人にごはん食べさせてもらうからわたしは平気』
『とうま。待ってるんだよ。さあ、スフィンクス。行こう。まずはこもえの家だね』
上条「…………………………………………」
浜面「…………………………………………」
土御門「…………………………………………」
一方通行「……もぞもぞ」
上条「チクショウ……チクショウ…………」
浜面「ご飯のためですら必死になってもらえないとは……」
土御門「っていうか、始終飯のことしか考えてなかったぜよ」
一方通行「……もぞもぞ」
上条「うるせえよ! お前今笑っただろ!?」
土御門「動けない上に考えられない一方通行に八つ当たりはよすんだ、かみやん」
浜面「これは余裕で滝壺優勝かなあ?」フフン
上条「うわーーん! 不幸だーーーーー!!」
土御門「じゃ、次はその滝壺でも覗き見するんだぜよ!」
浜面「!? お、おい! もしかして滝壺の部屋にもカメラを!? やめろ! もし滝壺が着替え中だったりしたら……」
上条「おい、鼻血」
『……手紙』
土御門「早速郵便受けに気づいたみたいだ」
上条「残念だったな。ジャージ着てるぞ」
浜面「あ、あー! よかった! 本当によかったー!!」
『……はまづら』
浜面「えッ!! た、滝壺!? 見てるのか!?」
土御門「落ち着け浜面。手紙を読んだら思わずお前の名前を呼んでもおかしくないだろう」
上条「さ、どうするのか見てみようぜ」
土御門「かみやん、吹っ切れるのがはやいな」
『大丈夫。はまづら。私ははまづらを信じてる』
『はまづらは弱くなんかない。こんなダサい手紙のやつにやすやすと捕まったりなんかしない』
『こんなのは嘘だって、私は信じてる』
『……』
土御門「……昼寝をはじめたにゃー」
浜面「うう……滝壺、すまねえ……」
上条「全然信頼に応えられてないな」
土御門「やすやすと捕まってたにゃー……ダサい手紙のやつに」
浜面「ちくしょう……」
一方通行「……もぞもぞ」
上条「両手両足縛られてご覧の有様だもんな」
土御門「女の子に助けに来てもらわないと逃げられない身の上になっちまってるもんにゃー……ダサい手紙のやつから」
上条「あれ書いたのお前か、土御門」
土御門「……とっとと次に行くんだぜよ」
土御門「他二人のヒロインが試合放棄した以上、この子に賭けるしかないぜよ! さあ! 打ち止めモニタリングスタート!」
一方通行「……もぞもぞ」
上条「打ち止めかー。どうなんだろうな。ロシアで一方通行にものすごく大事にされてるのは見たけど」
浜面「果たしてあの思いは空回りなのか両想いなのか……」
一方通行「……もぞもぞ」
浜面「心なしかそわそわしてないか?」
一方通行「……もぞもぞ」
『はぁ……あの人に会いたいなってミサカはミサカは甘いため息をついてみたり』
『今頃どこにいるんだろうってミサカはミサカは憂いを帯びた瞳で窓の外を眺めて見る……はあ』
<打ち止めー。何かお前宛に手紙が来てるじゃんよー
『えー? なになに? 誰から? ミサカに手紙をくれるなんて、思い当たる人は一人しかいないんだけどってミサカはミサカは、ん? でもあの人手紙なんか書くかなあ?』
『……宛名書きが明らかにあの人の字じゃないんだけどってミサカはミサカはあからさまに落胆してみたり』
『えーっと、なになに? 一方通行を預かった……えーっ!? 大変大変! すぐに助けに行かないとってミサカはミサカはあわてて滑ってしりもち! いたーい!!』
土御門「……お?」
上条「こ、これは」
浜面「まさか……」
一方通行「……もぞもぞもぞ」
<どうした打ち止め? 炊飯器ビーフストロガノフ出来たじゃんけど?
『わーい!!! ってミサカはミサカは最優先事項をいきなり変更!! いっただっきまーす!!』
土御門「えっ」
上条「えっ」
浜面「えっ」
一方通行「もぞっ」
上条「……いやあ……」
浜面「これはまた……」
土御門「きっちり落としてくれたぜよ……」
一方通行「………………」
浜面「あれ? 動かなくなっちまった? 一方通行? おい、一方通行ァァァ!?」
土御門「電池切れだぜい」
上条「他にも色々と尽きたみたいだな」
土御門「……さて犬ども」
上条「…………」シーン
浜面「…………」シーン
一方通行「…………」シーン
土御門「お前たちはふがいないことに、誰一人としてヒロインには愛されていなかったことが判明したんだにゃー」
上条「別にヒロインなんかじゃねえって言ってるだろ……」ブツブツ
浜面「滝壺は俺を信頼してくれてんだ……俺が応えられなかっただけで……」ブツブツ
一方通行「…………」シーン
土御門「言い訳は見苦しいぜッ!!」ドンッ
土御門「アレイスターには、最初のヒロインが来るまで誰も帰すなと言われてる」
土御門「だがこのままじゃ誰も助けに来る気配がないんだにゃー」
上条「じゃあどうするんだよ?」
浜面「信じて待ってくれてる滝壺のもとに、俺は早く帰ってやりたいんだけど」
一方通行「…………」シーン
土御門「うむ。メインヒロインは全滅。となれば……」
土御門「スペアプランで行くしかないぜよ」
上条「え?」
浜面「ん?」
一方通行「…………」シーン
土御門「ま、次で誰か来てくれれば帰れるんだ。気軽に待つぜよ」
浜面「……なんか物凄く嫌な予感がする」
おわじ
731 : VIPに... - 2011/02/03 01:32:18.37 ExR3bwJ60 14/44
おわりですー
長々と付き合ってくれたひとはありがとう
734 : VIPに... - 2011/02/03 01:52:23.81 Jg1zAVeBo 15/44乙
スペアプランでパっと浮かんだ3人が揃いも揃って高火力ツンデレ
735 : VIPに... - 2011/02/03 01:54:19.02 dp9NTWjqo 16/44スペアプランでヒーローがやべぇ
825 : VIPに... - 2011/02/04 22:41:51.85 SrMm4Stj0 18/44>>718です。
続編書いたのでまた13レスほど投下させてください。
三人のヒーローと三人のサブヒロインのはなし
※よく考えたら一方通行さんが前回一言も喋ってないので、充電してあげることにしました。
土御門「スイッチにさえ触れさせなければ一方通行は抵抗できないことに今更気づいたんだぜよ」
上条「でもあんまり怒らせると背中から怖いもの生やすからほどほどにしてくれよ」
浜面(……? まだ何か怖いことできんのかこいつ)
一方通行「ふざけンじゃねェよ……何なんですかァ? この状況はァ?」
上条「あれ? やっぱり分かってなかったか」
浜面「お前炊飯器ビーフストロガノフに負けたんだぞ」
一方通行「ハァ?」
土御門「一方通行。世の中には理解しない方がいいこともある」
上条「そうそう」
浜面「忘れちゃえ忘れちゃえ」
一方通行「……なンで俺がなぐさめられてンだよ」
一方通行(炊飯器……多分黄泉川の野郎だな。ロシア料理まで炊飯器でカバーしやがるとは)
一方通行(だがなンで俺が炊飯器製ビーフストロガノフに負けたことになってンだ……意味が分からねェ)
上条「で、スペアプランって何なんだよ?」
一方通行(スペアプラン!? え、垣根……?)
土御門「ん。まさか実行する事になるとは思ってなかったから準備がおざなりなんだけどにゃー」
土御門「メインヒロインが誰も立ち上がってくれなかった時のために、全員第二候補のサブヒロインを設定してあるんだぜい」
一方通行(いや、違ェな。ヒロインってのは何だ?)
浜面「第二候補? ……なんつーか、俺は浮気なんかできないぞ?」
土御門「まあ、この際だから細かいことは抜きにして、彼女たちに助けてもらえることを祈るんだぜよ」
一方通行(ヒロインが立ちあがる……助けてもらう……で、この手足縛られた状況か。何となく見えて来た)
上条「彼女たちっていうと、サブヒロインだよな。俺にはもう、俺のために立ち上がってくれそうな女の子なんか一人も思いつかないんだけど」
浜面「……チッ」
土御門「チッ」
一方通行「チッ!」
上条「お前ら、俺をハブにして舌打ちで会話すんな」
土御門「スペアプランも、メインヒロインの時と大体同じだにゃー」
上条「俺たちが捕まってるってのをサブヒロインに伝えて、どの子が一番最初に助けに来てくれるかってことか」
浜面「俺が今一番会いたいのは滝壺なんだけどなあ」
上条「仕方ないだろ、来てくれなかったんだから」
一方通行(ヒロイン、か……不本意だが恐らく俺のメインヒロインはあのクソガキに設定されていたはず)
一方通行(横の二人は……片方はそれらしいガキを連れてンのを見た覚えがあるな。もう片方は殺す)
一方通行(だがメインヒロインは全滅だったとか言ってやがったな……つゥことは、あのガキは俺を助けには来なかったわけか)
土御門「今、スタッフがサブヒロインたちに伝言に行っているところだ」
浜面「『グループ』の奴らも色々と大変だよな……」
上条「?」
一方通行(あのクソガキが妙なことに巻き込まれンのはご免だからな。それは別にいいとして……待てよ)
一方通行(確かそこの三下は、俺が炊飯器ビーフストロガノフに負けたとか言ってやがったンじゃなかったか?)
一方通行(つまり、あのクソガキは……)
浜面「で、結局そのサブヒロインって誰のことなんだよ」
土御門「おお。じゃ、そろそろ発表するかにゃー。浜面、お前のサブヒロインは……」
一方通行「……uAhge炊srgsliw飯gkJaeGp」
浜面「え!? おい!? どうした一方通行!?」
土御門「多分、色々と多感な時期なんだにゃー」
上条「言ってる場合か! やめてやめて! 上条さんの隣で物騒なもの広げないで!!」
浜面「うわ! 痛! 何だこの羽根!?」
一方通行「ksaROan牛GdgjaoePgw」
上条「おい土御門! 何一人で逃げてるんだよ!!」
浜面「縄解いてけって……ぎゃーーー!!!」
一方通行「…………ぎゃは」
・・・・・
土御門「いい加減話を先へ進めるぜよ」
上条「一方通行、お前今度やったら本当に俺が相手になるぞ」
一方通行「……チッ」
浜面(重傷)「……もぞもぞ」
土御門「それじゃスペアプランのヒロインを発表するにゃー」
土御門「まずはかみやん。次のヒロインは、ずばり! 御坂美琴!」
上条「へ? 御坂?」
土御門「奴なら間違いなくかみやんを救うために立ち上がってくれるはずだにゃー」
上条「うーん……それはどうだろう。あいつ、俺のこと嫌ってるし……」
一方通行「……チッ」
浜面「ッチッ!」
土御門「チィッ!!」
上条「……お前ら今俺の悪口言っただろ」
土御門「それから一方通行。お前のサブヒロインは、番外個体だ」
一方通行「あァ? なンであのガキが出てくンだよ? 俺を殺そォとしてた女だぞ?」
浜面「ロシアで一緒だったあの目つきの鋭いお姉さんだろ? いい胸してたよな」
一方通行「……」ギロ
浜面「すいませんでしたすいませんでした」
土御門「その最低野郎の浜面くんだがな、サブヒロインはなんと、麗しの学園都市第四位」
土御門「麦野沈利その人だにゃー!」
浜面「」
上条「?」
一方通行「?」
浜面「」
上条「……なあ第一位。第四位って、どんな奴?」
一方通行「知るか」
土御門「学園都市第四位の原子崩し、麦野沈利はお姉さん系の美人だにゃー」
土御門「それはそれはいい胸してるんだにゃー? はーまづらぁー?」
浜面「うわああああああ!!! おまっ、お前ぇえええええ!! 何てモノ呼んでくれてんのォォォオオオオ!!?」
土御門「これは理事会の決定だからな。流石の俺も逆らうわけにはいかなかった」
浜面「何でサブヒロインがラスボスなんだよ!! たた助けて滝壺ぉぉー!!」
上条「……どうなってんだ?」
一方通行「知るか」
土御門「さて、ヒーロー諸君。スペアプランは既に開始しているが、自信の程はどうかにゃー?」
上条「自信? ……」
上条(ビリビリの奴はあれで優しい所があるし、誰であれ捕まってて困ってるなんて知ったら、駆けつけてやるんじゃないか?)
上条(でも、俺が相手だと妙にそっけないっていうか、冷たいからなあ……いきなり見捨てられたりして)
上条(でもなあ、うーん……)
上条「来る……かもしれない」
一方通行「来ねェだろ」
浜面「来ないで下さい」
土御門「三段活用だにゃー」
土御門「それじゃ早速、御坂美琴が手紙に気が付いたみたいだから覗いてみるんだぜい」
上条「常盤台の女子寮にまでカメラ仕掛けてんのかよ!?」
浜面「スペアプランの割に用意周到じゃねえか」
一方通行(……まさかあのアステカ野郎、一枚噛ンでンじゃねェだろォな)
『何なのコレ? いつの間に鞄に入ってたのかしら』
『手紙……? たまにいんのよね、顔も見せずに付き合ってくれだのなんだのって』
『でもそういうのとも違うかな。いくらなんでも茶封筒でラブレターはないでしょ』
『だったら……第三位の座を賭けて勝負しろとかいうやつかしら。たまにいんのよね』
浜面「……ラブレターと果たし状を同じくらいの頻度で受け取ってんのかよ」
一方通行「こりゃ読まずに捨てられるパターンかもなァ」
上条「それで負けたら流石にちょっと納得いかないけどな」
『ま、どっちにしろ無視しちゃうんだけどね。一応読むだけ読むか』
『…………』
『上条当麻は預かりました。返して欲しければ第一〇学区の特力研廃墟へ一人で来て下さい。あと結婚して下さい。エレガントな怪人MUより』
一方通行(あァ、なンか見たことあると思ったら、ここはあのクソ施設だったか)
浜面「ラブレター及び果たし状及び脅迫状!?」
上条「こんな手紙受け取ってどうすればいいんだよ!?」
土御門「い、いや、こっちを睨まれても困るぜよ。今回の執筆者は俺じゃないんだぜい」
一方通行「あの野郎に書かせた責任はオマエにあンじゃねェの……」
土御門「まさかここまで文才が無いとは思ってなかったんだよ!」
上条「御坂の奴黙ってるな」
浜面「そりゃ絶句するわ」
『………………』
『………………』
『………………』ポト
上条「、落とした」
浜面「落としたな」
一方通行「思わず指の力が抜けたみてェな動きだったぞ」
上条「あ、慌てて拾ってる」
浜面「必死に何度も読み返してるな」
『ウソ、でしょ?』
『え? 何? どういう事? あいつが……誘拐された?』
『だって……そんな、あいつを攫って何の得があるっての?』
『しかも私に言うなっつーのよ。な、何で……?』
『え、じゃあ、狙いは私なの? あいつを人質にすれば私に効果があるとか思われてるってこと?』
『な、ばっ!! ばっかじゃないの!? あんなヘナチョコ人質にしたって、私、のこのこ出て行ったりなんかっ……』
『出て行ったりなんか……』
『誰が、あいつのために必死になったりなんて……』
『い、行ってあげてもいいけど。そりゃ、知り合い見捨てるなんて後味悪いし?』
『でも、それで妙なか、勘違いとかされたりしたら……』カァァ
上条「怒りすぎだろ。顔真っ赤だぞ」
浜面「どう見ても怒って赤いんじゃねえだろ」
一方通行「スゲェ。プロポーズの部分とか怪しげな廃墟に一人で行かなきゃならねェところとか全部無視してるのがスゲェ」
土御門「ごにょごにょ何か言いながら外出の支度を始めたぜよ」
『あぁもー!! あれだけとんでもないこといくつもしておきながら、こんなダサい手紙書くような奴にやすやすと捕まってんじゃないっつーの!』
『別に心配なんてしてないけどね!! 行ってみたら死んでましたなんてことになったって私は別に……』
『…………』
『……この私の時間を無駄にさせるってんだから、責任とってもらうわよ、あのバカ!!』
『とにかく、助けたらまず一発ぶん殴る!!! 黒子! ちょっと第一〇学区までタクシーお願い!』
<お、お姉様? 黒子がシャワーを浴びてる間に一体何が……
上条「お、何だかんだ言いながら元気よく部屋を飛び出したぞ……あれ? 俺殴られるの?」
浜面「おおー!!」
土御門「ようやくここまでのステップに辿り着いたぜよ!!」
一方通行「やっとスタートラインじゃねェかよ。メインヒロインは誰もここまですら来なかったってのか」
上条「打ち止め含め全員な」
浜面「あれはちょっと寂しかった」
土御門「さてさて。一方その頃~っと。番外個体の様子でも見てみるぜよ」
一方通行「あンな手紙渡されたら、爆笑した後粉々に千切ってそのまま帰るだろォよ」
浜面「そうでもないかもしれないぜ。ま、見てみよう」
上条「お、第七学区だ」
『……知らない人から手紙貰っちゃった』
『いきなり近づいて来て無言で手紙押しつけて無言で去るとか、どんだけコミュ障なの? ぎゃはは』
『で、このラブレター、一体どんな物騒な殺し文句が書いてあるのかなーっと』
『一方通行は預かりました。返して欲しければ第一〇学区の特力研廃墟へ一人で来て下さい。あと第二夫人になって下さい。エレガントな怪人MUより』
『……はぁ?』
一方通行「……ハァ?」
土御門「だから、俺を見るな! 書いたのも妙な願望持ってるのも俺じゃない!」
上条「俺は分かってるよ、土御門。お前は義妹一筋だもんな……」
浜面「エェ……」
『…………………………』
『……………………………………っぶ」
『あひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! あっひゃひゃひゃひゃひゃひゃ! ばかじゃねえの!? ばっかじゃねええのおおおおおぉ?』
『何なのこいつ! ミ、ミサカがあの人のために、あはっ、のこのこ釣られるかっつーの!! ぎゃはははははは!!』
『大体、あの人がこんなダサい手紙の奴なんかにやすやすと捕まるワケないじゃん!』
『なんたって、このレベル4のミサカが腕折られて顔面ボッコボコにされたくらいだし』
上条「おい、一方通行……」
一方通行「…………」シーン
浜面「とりあえず予想通りの大爆笑だな」
『人間不信で警戒心の塊みたいな男だし。この間ミサカが肩に触っただけで舌打ちしながら振り払われたもんね』
『好き嫌いは激しいし。ミサカが作ったクッキー受け取ってくれなかったもんね。わざと真っ黒焦げにしたからかもだけど。わざと』
『筆不精だし。ミサカの不幸のメール全然返信してくれないもんね。一時間も掛けて文面考えたのに』
上条「おい、一方通行……」
一方通行「…………」シーン
浜面「予想どおり手紙を粉々に引きちぎってるぞ。無意識っぽいけど」
『一度寝たら起きないし。ぼーっと見てたらうっかり顔に落書きするの忘れちゃったよ。ぎゃは』
『体ほっそくてもやしみたいだし。せめてミサカより太ってくれないと見栄えがさ……』
『お節介だし。あれくらいの荷物、ミサカ一人で持てたっつーの……』
浜面「何か褒めてないか?」
一方通行「あァ? どこがだよ。明らかにバカにしてんじゃねェか。チッ、あのガキ……」
上条(何で浜面には褒めてるように見えるんだろう)
土御門(かみやん……)
『……まさかとは思うけど、もしかして本当に捕まってたりしたら……』
『……ちょー面白くね!? ぎゃっは! 両手両足縛られちゃったりして!?』
『あひゃひゃひゃひゃ! ミサカ、芋虫状態のあの人を目の前にして笑いを堪える自信がないんだけど!』
『こんな手紙嘘だとは思うけどぉ、もし本当だったら最高のコントを見逃す羽目になっちゃうねぇ……』
『ふふーむ……とりあえず、動けないあの人のおでこに……肉……かな……ふふふ』
『ま、ちょうど退屈してた所だし、ちょっと覗いてみようかなっと。第一〇学区かぁ。歩くと遠いなあ……』ブツブツ
上条「でこに落書きしに来るってさ」
一方通行「来ンじゃねェよ! あンのガキィィ……!」
浜面「あの子顔色悪かったぞ。お前を心配してんじゃねえのか?」
一方通行「ンなわきゃねェだろォが。奴の顔色が悪ィのはいつものことなンだよ」
土御門「お前に言われたかないだろうがな」
土御門「番外個体は移動を開始したみたいだし、カメラを切り替えるとするぜよ」
上条「御坂、番外個体と来たからな」
一方通行「次は第四位か」
浜面「…………」ガタガタガタ
上条「? 浜面、さっきから様子が変だよな」
『…………』
土御門「丁度郵便受けの手紙に気付いたところみたいですたい」
浜面「気付かなくていいよ。封筒開けなくていいい。中身読まなくてい。そのまま捨てていいんだぞ、麦野……」
一方通行「開けてンぞ」
上条「読んでるぜ」
土御門「大事にたたんで懐にしまってるぜよ」
『…………』
上条「バッグを漁ってるな」
一方通行「なンか冷静な挙動だな」
土御門「落ち着きのある、オトナな女性なんだぜよ。な、浜面?」
浜面「……(あれは嵐のまえの静けさだ。絶対そうだ。俺はあの顔知ってる…………)」
上条「お、何か取りだした」
一方通行「携帯端末か」
土御門「誰かに電話掛けてるみたいだにゃー。となると……おっ!」ピリピリッピリピリッ
土御門「浜面、お前の携帯に麦野から電話が掛かってきてるぜい」
土御門「実験中は外部との連絡は禁止だから、応答はできないことになってるぜよ」
上条「やっぱ、俺たち全員携帯取り上げられてんのか」
浜面「ひぃぃ……」
『…………』
『……こちらは、お留守番サービスです。お掛けになった電話は、只今お出になることができません……』
『……何で出ないの』
『なァァァんで出ねェェェンだよぉぉぉぉぉ!! はぁぁまづらぁぁぁぁぁあああああ!!!!!』チュドーーーン
上浜一土「「「「う、うわあああああああああ!!!?!?」」」」
上条「す、すげえ……マンションのメールボックスが五列消えた」
一方通行「原子崩しか……確かにそれなりの威力だなァ」
浜面「…………」ガタガタガタガタガタガタ
『私か!? 掛けたのが私だから無視してるのかにゃーん? あっはっはっは! はぁーまづらぁー!!』
浜面「えええぇぇぇぇ~」
浜面「えぇぇ……」
浜面「だって……えぇぇぇえええええ……」
一方通行「うるせェな。他の言葉を喋れよ」
浜面「だってよぉ、今のは誘拐犯に拘束されて電話に出られない状態だと解釈する流れだろ?」
浜面「何で俺に向かって殺意剥き出しなの?」
土御門「さっすが、愛されてるにゃー」
浜面「お前さ、ちょっと死んでくんない?」
『あのクソ×××野郎、まさかこんなダッセェ手紙の奴に本当に捕まってるわけないわよねえ?』
『今もどっかで間抜け面晒して平和に過ごしてんのよねえ?』
『だったら連絡だってすぐつくはずよねえぇぇぇぇ?』
『じゃあどぉして出ねえんだよ!! 私を誰だと思ってやがんだ無能力者がッ!! ○○ぶっ潰すぞッ!!!』
上条「……」ヒャッ
一方通行「……」ヒュッ
浜面「何で、どうしてたまたま携帯を置き忘れてるとか、そういう可能性を考慮してくれないんだよ!」
土御門「そこまで考える余裕がないみたいだぜい」
一方通行「つまりアレで心配でいてもたってもいられねェってことなのか?」
上条「あれで? 潰す気満々で??」
『……もう一回だけ掛けてやるよ……』ピッピッ
『次で出なかったらぁー』ピッ
『…………』プルルルル...
『…………ブ、』プルル...
『…………チ、』プルル...
『…………こ、』プルル...
『…………ろ、』プルル...
『…………し、』プルル...
『……こちらは、お留守番サービスです。お掛けになった電話はグシャ』
『カァァァァクテェェェだよォォォォォはーまづらアアァァァァァァァァァ!!!!!』ドッカーン
浜面「い、いやあああああぁぁぁぁ!!」
上条「こえええぇぇぇぇぇ!!」
一方通行「なンでヒロインがラスボスなンだよォ!!」
土御門「……まさかここまでとは思ってなかったぜよ」
土御門「……さて、ヒーローのお三方」
上条「俺、ヒーロー降りたいんだけど」
一方通行「俺もヒーローなンて柄じゃねェから帰りてェんだけど」
浜面「一生三下でいいから一刻も早くここから逃がしてください」
土御門「だめ」
土御門「ちょっと裏話をするとだにゃー」
土御門「ここまででもう10レス以上消費してるんだぜよ」
上条「? レス?」
一方通行「返信?」
土御門「で、このままヒロインたちが助けに来るまで本気で書き続けると、」
土御門「どうやらあと10レスはぶっ潰しちまいそうな気配なんだにゃー」
浜面「一体何の話だよ」
土御門「前回だって13レスとか大量消費しちまったし、これでまたあんまり独占しすぎると、今度こそ袋叩きに合う予感なんだぜい」
一方通行「なァ……独り言なら小声でやれよ」
土御門「つーことで、ま、若干ブツ切り感はあるけど、この辺りで終わりにしといた方がいいと思うんだにゃー」
上条「え? ……実験終わり?」
浜面「もしかして俺助かったの!?」
一方通行「よかったなァ、一生三下クン」
土御門「というわけだから、怖い人が来る前に、とっとと帰宅するんだぜよー」
浜面「や、やった!! 早くこの縄をと」
「見つけたよぉ~ん、はぁーまづらぁー……」
「あっひゃ♪ あの人にお似合いの汚い廃墟だねぇ」
「ねえ……何で他の女の子が二人もいるのかしら……?」
ヒーロー「「「」」」
839 : VIPに... - 2011/02/04 22:55:40.72 SrMm4Stj0 32/44今度こそおわりです!
レスいっぱい使ってすいませんでした!
他の人はどうやって短くまとめてるんだろう…
謎すぎる
841 : VIPに... - 2011/02/04 23:11:02.24 mrk10KIXo 33/44乙乙
到着クソはえぇwww
844 : VIPに... - 2011/02/04 23:23:43.64 nf3JWtkco 34/44是非後日談もお願いしたい
61 : VIPに... - 2011/02/08 02:02:57.92 hODMMxVt0 36/44
前スレの718とか826とか書いてた者です
決着付けたので6レス投下
スレ跨いで申し訳ない
※前回の最後のレスをバイツァダストでおながいしまつ
土御門「……さて、ヒーローのお三方」
上条「俺、ヒーロー降りたいんだけど」
一方通行「俺もヒーローなンて柄じゃねェから帰りてェんだけど」
浜面「一生三下でいいから一刻も早くここから逃がしてください」
土御門「だめ」
土御門「メインヒロインがズッタボロだったから不安だったんだが、どうやらお前たちはサブヒロインにはそれなりに愛されてるみたいだにゃー」
上条「御坂は親切なだけだろ」
一方通行「番外個体は俺の顔に落書きしに来るだけだろ」
浜面「麦野は俺をブチ殺したいだけだろ」
上条「浜面、『だけだろ』ってお前……」
土御門「確認しておくけど、この実験の目的は『三人のヒーローの内、誰が一番ヒロインから愛されているか』を決定する事なんだぜい」
土御門「判定の方法は、お前たちを捕まえて、いち早くヒロインに助け出して貰えた奴が一番愛されてるってとこなんだにゃー」
土御門「で、メインヒロインはめでたく誰も助けに来てくれないから、サブヒロインのスペアプランに以降したわけなんだが」
上条「もう聞いたっつーの」
浜面「今更どうしたんだよ?」
土御門「ここで一つ、問題が発生した」
一方通行「ンだよ」
土御門「三人いっぺんに助けに来てしまった場合の事を全く考えてなかったんだにゃー」
浜面「え」
麦野「見つけたよぉ~ん、はぁーまづらぁー……」
番外個体「あっひゃ♪ あの人にお似合いの汚い廃墟だねぇ」
美琴「ねえ……何で他の女の子が二人もいるのかしら……?」
ヒーロー「「「」」」
土御門「っていうか、どう考えても来るのが早すぎるぜよ」
土御門(愛か? 愛の力なのか?)
土御門(……愛なら仕方ないな)
土御門(さてさて、判定はどうしようかにゃー)
土御門(ま、いいや。とりあえず、いきなりひと悶着ありそうなかみやんペアでも観察するか)
上条「おい、ビリいや御坂……さん? なにゆえ前髪をバッチンバッチン言わせながら口元だけ笑顔なのでせう……?」
美琴「んー? 私は顔全体で笑ってるつもりだけどー?」バチ
上条「いやいやいや、その前髪と目はそんな和やかな雰囲気ではない、です、よ?」
美琴「いやあ、あはは。私はただ……」ビリッ
美琴「あんたが……攫われたって……またとんでもない事に巻き込まれたのかと思って……」ビリバチ
上条「おい! 俺今縛られてて右手使えないんだから、いつもの調子でやるなよ!」
美琴「必死になって……助けに来てみたら……!!」
美琴「既に巨乳のお姉さんが二人も参上済みって……あんたって奴は……!!!」バッチィィン
上条「やめろって! マジで危ね……ん? 必死に助けに来た? 俺を?」
美琴「へっ!?」ピタ
上条「御坂、お前……」
美琴「え、いや、違、違うわよ! 今のは言葉の綾っていうか、別にアンタだから特別心配したってわけじゃなくて」
上条「う、うん。分かってるけど……いやあ。それ、結構嬉しいぞ」
美琴「ええっ!? な、何言ってんのよ? ばっかじゃない!? まるで私があ、アンタのために一生懸命何かしてやったみたいな……」
上条「来てくれただろ」
美琴「う、うう……」カァ
土御門(天然でなだめた……だと!? これが主人公補正……)
土御門(かみやんペアは血を見なかったか。チッ)
土御門(お、一方通行ペアが絡み出した)
番外個体「あひゃひゃひゃひゃひゃ!! 本当に捕まってやんの!! ひー! だっせーーー! ぎゃはははは!!」
一方通行「ンのガキ……」
番外個体「あれ? そうだ、ミサカ途中でコンビニ寄って油性ペン買おうと思ってたのに忘れちゃった」
番外個体「ねえ一方通行。今から買いに行くからお金ちょうだい」
一方通行「誰がやるか! ……おい番外個体」
番外個体「何? 言っとくけどその格好で睨まれたってミサカ怖くも何とも……」
一方通行「オマエ……なンで来た」
番外個体「ん? だってそりゃ、あなたが両手足縛られて転がされてるかも知れないって聞いたら、そりゃ笑いに来るでしょ」
番外個体「あ、違ったか。聞いたんじゃなくて手紙で読んだんだ。ミサカを第二夫人にしたがってるのって、そこのグラサン?」
番外個体「悪いけどミサカ、二番目とか興味ないから」
土御門「ち、違……! あれを書いたのは別人で、俺には心に決めた人が」
一方通行「シスコンはどォでもイインだよ」
土御門(野郎……)
一方通行「今回はたまたま身内に油断したンだがよ……オマエ、俺が捕まるよォな相手がいる場所にのこのこ来てンじゃねェよ」
番外個体「あ? どゆこと?」
一方通行「どォもこォもねェよ。危ねェだろォが!」
番外個体「」
一方通行「わざわざオマエが来なくたって俺は自力で脱出くれェ出来ンだよ」
一方通行「笑いに来ただァ? くだらねェ事で命を危険に晒すンじゃねェよ。それで死ンだらどォすンだ」
番外個体「だ、だって……ミサカ……」
一方通行「……オマエ等は、別の事で笑ってりゃイインだよ」
番外個体「…………」
番外個体「……本当に頭悪いね、第一位……」
一方通行「あァ?」
土御門(卑怯すぎるだろ)
土御門(一方通行のほのぼのとか萎えるな)
土御門(今度こそ笑ってるんだか泣いてるんだか怒ってるんだか分からないアレイスターも明確に大爆笑な展開を望むぞ)
土御門(頑張れ浜面ペア。笑いの神よ舞い降りろ。そんな浜面を俺は応援してるぜい!)
浜面「……久しぶりだな、麦野」
麦野「はーまづらぁ……あんた何捕まってんの?」
浜面「知らねえよ。適当にぶらぶらしてたら後ろから誰かに蹴り入れられて、気が付いたらここにこの格好で転がされてたんだよ」
麦野「ふーん。相変わらず浜面は浜面だねえ」
麦野「どうでもいいか。じゃ、とりあえず死んでもらおっかな」キュイーン
浜面「ぬっふぇ!? 何でいきなり殺されなきゃいけねえんだよ!」
麦野「電話出なかったから」
浜面「」
浜面「……心配掛けたんだったら謝るけどよ」
麦野「あぁ!? 誰がテメェみてぇなクズ○○○○を」
浜面「麦野、お前体は大丈夫なのか?」
麦野「えっ……」
浜面「滝壺だって体晶使ってあんな状態になっちまったんだし、お前も相当つらいんじゃ……」
麦野「は、誰に向かって口聞いてるか分かってんのか? 私は超能力者で化け物の……」
浜面「超能力者も無能力者も関係ねえだろ! 頼むからそんな状態で俺のために無理なんかするな!」
麦野「な、何言って……」
浜面「確かに俺は無能力者で、こんなチャランポランなグラサンにすぐ捕まっちまうようなヘタレだけどよ……」
浜面「やるときゃ結構やるんだぜ? 何度も証明して見せただろ? だから……」
麦野「……浜面……」
土御門(何といういたわりという愛じゃ……王蟲が心を開いておる……!)
土御門(しかしチャランポランときたか。久しぶりに聞いたぜよ)
土御門「なんかヒロイン達も落ち着いちまったし、アレイスター(及び俺)の望む展開は訪れないみたいだにゃー」
美琴「……土御門のお兄さん。これ、一体どういう事?」
土御門「実を言うと、これはとある実験なんだぜい」
番外個体「実験?」
麦野「くだねえ事だったらその×××根元から吹き飛ばす」
土御門「く、くだらなくなんかないぜよ! ヒーローたちの愛されっぷりを試そうという、心がにやにやぽかぽかする企画なんだぜい!」
浜面「また『企画』っつっただろ」
美琴「愛されっぷりって……? 何のこと?」
土御門「お、食いついたな。その三人の中に気になる彼でもいるのかにゃーん?」
美琴「…………」バチ
土御門「いちいち説明するのが面倒だからかくかくしかじかで済ますけど、つまりそういうことなんだにゃー」
番外個体「あひゃひゃひゃひゃ! 炊飯器ビーフストロガノフ! 負けちゃったんだ一方通行!! かわいそー!!」
番外個体「で、第二候補がミサカだったわけ? ……悪いけどミサカ、二番目とか興味ないから」
美琴「私が、あの子の次……い、いや、私はこいつのヒロインになんかなりたくないし、二番目でも全然構わない……あれ」
麦野「へえー、愛しの滝壺ちゃんは来てくれなかったんだー? ふーん?」
浜面「へいへい……そうですよ……」
土御門「で、問題は、三人が同時にここに辿り着いてしまったことなんだにゃー」
麦野「到着する早さで判定っていうのもおかしな話だと思うけど。出発地点やら移動手段やら色々ハンデがあるんだし」
土御門「そうだな。というわけで、臨時の判定法が決定した」
上条「いつの間に」
土御門「ヒロイン一番愛されてるヒーローを決定する」
土御門「ならば、実際に『愛してる』と言われた奴が優勝なんだぜい!!」
上条「」
一方通行「」
浜面「」
美琴「」
番外個体「」
麦野「」
土御門「……さ、ヒロイン達よ。早い者勝ちなんだぜい」
土御門「思い切って、面と向かって、胸を張って、自分のヒーローに愛の告白を」
ビリビリバチバチチュドーン
ギャー
上条「……いつになったら帰れるんだ……不幸だ……」
一方通行「このメンバーじゃ誰も言わねェだろ……」
浜面「……滝壺なら……滝壺なら……」
おわじ
68 : VIPに... - 2011/02/08 02:11:23.34 hODMMxVt0 43/44
以上です
結局三分割になってしまった
結局ヒーローは帰宅できなかった
全部で30レス超えた
色々とすまんかった
70 : VIPに... - 2011/02/08 02:53:27.84 FMa5rjw/0 44/44>>68乙!
面白かったよ