ワイワイガヤガヤ
岡部「メールがあった。フェイリスは少し遅れるそうだ。先に飲み始めておいてくれと」
まゆり「うん、わかった。じゃあ、まゆしぃは何飲もうかなあ」
岡部「ダルはビールでいいのか?」
ダル「いいお」
岡部「まゆりはどうするんだ?」
まゆり「えっとねえ、まゆしぃは……、カシスオレンジにしようかな」
岡部「よし、ダル、そこのボタンで店員を呼んでくれ」
ダル「ほいほい」ピンポーン 「あ、鳳凰院氏」
岡部「(鳳凰院氏、か……)何だ?」
元スレ
ダル「あ、鳳凰院氏」 岡部(鳳凰院氏、か……)
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1343713153/
ダル「食べ物はどうするん?」
岡部「何でもいい。好きなものを頼め」
ダル「おお、今日は鳳凰院氏のおごり? あざーす!」
まゆり「じゃあじゃあ、まゆしぃは若鶏のからあげとポテトフライとプリンと……」
岡部「誰がおごりと言った!」
ダル「いいだろ別に。秋葉グループ会長のお気に入りだもんなあ。給料もいいっしょ?」
岡部「そんなことはない。まだ3年目の平社員だぞ。ダルこそ、大手電気機器メーカーの研究開発員なんだ。おれより給料はいいんじゃないか」
ダル「こっちは院卒1年目。入社して2か月の新人だお……。期待されても困るぞなもし」
まゆり「ダルくんもオカリンも太っ腹だねえ」
岡部「そんな話はしていないぞ、まゆり。おごる金はないと言っている。腹が太いのはダルだけだ」
岡部(そういえば、まゆりがおれのことを“オカリン”と呼ぶようになったのはいつだったか……)
まゆり「ねえ、オカリン、フェリスちゃんはどれくらい遅れてくるのかな?」
岡部「ああ、30分くらいと言っていた」
ダル「鳳凰院氏、これだけは忘れるなよ。ぼくは鳳凰院氏をフェイリスたんのパートナーとして認めているけど、それは雷ネットでの話。彼氏として認めたつもりはないお」
岡部「その話なら、忘れたくても忘れられないほどに聞き飽きている。別にダルに認められなくても構わん」
まゆり「あ、まゆしぃは認めてるよ。フェリスちゃんとオカリンはお似合いだよねえ」
ダル「ダメだ! 娘はやらん!」
岡部「誰が誰の娘だ!」
岡部(
あの夏から6年か。
このふたりともすっかり仲良くなったが、こうしていても未だ妙な違和感を覚える。
以前の、いや、あの世界線での関係とは違っているのだから当然だろう。
幼なじみではないまゆり。高校時代を知らないダル。
もちろん、あの世界線での記憶をすべて持っているのはおれだけだ。
おれだって過去の記憶にいつまでも囚われているつもりはない。
もう、この世界線から移動することはない、いや、できないのだから。
それでも、あの頃を、未来ガジェット研究所を不意に思い起こしてしまうことがある……。
)
イラッシャイマセー
ダル「お?」
岡部「どうした、ダル」
ダル「今入ってきた女の人、結構美人だったお。でも、こんなチェーンの安い居酒屋に来てひとりでカウンター席か」
まゆり「かっこいいねえ」
岡部「そうか? あまりかっこいいものではないと思うが……」
ダル「んー、どこかで見たことがあるような……」
岡部「どの女だ?」チラッ
ダル「カウンターの一番端にいる……」
岡部「……紅莉栖!!」ガタッ
まゆり「オカリン?」
ダル「ちょ、どうしたん?」
岡部(あの後ろ姿。間違いない!)
ダル「クリス……? ああ、そうだ。牧瀬紅莉栖だ。そうかそうか。どこかで見たことがあると思った」
まゆり「まきせくりす? ダルくん知り合いなの? オカリンも?」
ダル「違う違う。脳科学の研究者。結構有名人だお。3年くらい前に“美人すぎる脳科学者”ってテレビに出たこともあったかと。最近じゃ専門誌でたまに見かける程度だけど」
まゆり「へえ。学者さんなんだあ。偉い人なんだねえ」
岡部(そう。この世界線での紅莉栖の消息は、テレビや雑誌で知っていた。しかし、直接、こんなに近くで見るのははじめてだ……)
ダル「鳳凰院氏、いつまでそうしてるつもり? ほら、座れって」
岡部(声をかけるべきではない。わかっている。この世界線では紅莉栖とおれに面識はない)
岡部(それでも、それでも胸が高鳴る。今すぐ駆け寄って…………。駆け寄って? それでどうする?)
ダル「おい、ホントにどうしたん? まさか一目惚れとか? これは早速フェイリスたんに報告せねば。そして今後フェイリスたんはぼくが……」
まゆり「ダメだよ。ダルくんには由季ちゃんがいるでしょ」
岡部(どうしようもない。どうにかする必要もない。他人、なんだよな……)スッ
岡部「……ふっ。ダルよ、おまえではあの猫娘は手に負えないだろう。あいつを手懐けられるのはおれくらいのものだ」
ダル「牧瀬紅莉栖に見とれてたかと思えば、突然のノロケかよ」
岡部「ノ、ノロケなどではない! それに、あの女、牧瀬紅莉栖に見とれていたわけでもない! 断じて違う! おれの助手にちょうどいいかと思っていただけだ!」
ダル「はあ? 助手? それだったら、助手にするんじゃなくて、助手にしてもらうほうだろ常考。だいたい専門分野が違うだろうに」
紅莉栖(さっきから声がほとんど聞こえているわけだが。まったく、人の名前を呼び捨てにして……。見ず知らずの男の助手になど誰がなるか)
まゆり「それでねえ、今度の夏のコミマで由季ちゃんに着てもらいたいコスがあるんだあ」
ダル「まゆ氏の作ったものなら何でも喜んで着ると思われ」
まゆり「そうかなあ? そうだといいなあ。実はね、もう作り始めてるんだあ」
ダル「早くね?」
まゆり「もう6月だよ。まゆしぃも仕事があるし、遅すぎるくらいなのです」
ダル「そっかあ。パタンナーって言ったっけ? よく知らないけど服を作る仕事っしょ? まゆ氏には天職かもなあ」
まゆり「えぇ? 転職はしないよー」
岡部(紅莉栖はアメリカにいるのだと思っていたが、どうしてここに……?)
ダル「いや、そうではなく……」
岡部(まあ、今のおれには関係ないか)
イラッシャイマセー
フェイリス「ニャニャー!おまたせだニャー!」
まゆり「フェリスちゃん、トゥットゥルー」
ダル「フェイリスたんキターーーー!」
岡部(そう、関係ないことなんだ……)
フェイリス「凶真? どうしたんだニャ?」
ダル「そういえば鳳凰院氏、さっきから何もしゃべってないし、酒も飲んでないお」
紅莉栖(ん? きょーま? ほーおーいん? 鳳凰院……、凶真? それって@ちゃんの……? ぐ、偶然よね)
フェイリス「凶真、考えごとかニャ?」
岡部「ん? ああ、すまない……。フェイリス、遅かったな」
フェイリス「ごめんニャ。“ヤツら”を撒くのに時間がかかったニャ。でも、しっかり片付けてきたニャ」
岡部「そ、そうか。ご苦労だったな」
ダル「フェイリスたんはメイクイーンのメイドをやりながら、秋葉グループの都市開発部門の責任者もやってるんだから、忙しいのは当然だお」
まゆり「フェリスちゃんはすごいねえ」
紅莉栖(何なのよ“ヤツら”って……。誰か突っ込め)
フェイリス「ニャニャ? ダルニャン、由季ニャンはどうしたんだニャ?」
ダル「今日は来れないお」
フェイリス「それは残念だニャン。今日の話は由季ニャンにも聞いてほしかったニャン」
まゆり「みんな恋人がいてうらやましいねえ。まゆしぃだけ置いてけぼりなのです」
ダル「でも、まゆ氏、職場で映画や食事に誘われたりしてるって前に話してたけど、その人はどうなったんだお?」
まゆり「うん、誘ってくれる人たちはいっぱいいるんだけどね、何か恋人っていう感じじゃなくて……」
フェイリス「まゆしぃがホントに好きじゃないなら、そんな人たちは放っておけばいいニャ。いつか必ず運命の人が現れるのニャ」
岡部「そうだな。すべてはシュタイ……、いや、運命が決めることだ」
まゆり「うん、そうだといいなあ」
紅莉栖(わたしだって恋人なんていないっつーの。ヴァージンで悪いか)
紅莉栖(
でも、ちょっとうらやましいな。
恋人が、じゃなくて、仲間がいるってことが。
わたしもずっと日本にいたら、飛び級なんてしないで学校に通っていたら、ああやってお酒を飲んで話したりする仲間がいたのかな……。
こっちの大学に招かれて講義に来たけど、そこでもみんな仲良さそうに話してた。
サークル活動なんていうのもちょっと楽しそうよね。
研究仲間はいるし、たまにショッピングに行くくらいの友達はいるけど……、何か違うのよね。
ってわたしは何を考えてるんだ。
…………そろそろ帰ろうかな。
)
店員「お会計が2,780円です。はい、クレジットカードで」
紅莉栖(背中側で見えなかったけど、どんな人たちなんだろ)チラッ
紅莉栖(年齢は、わたしと同じくらいかな。ていうか、ネコ耳メイド? さすが秋葉原ね)
ダル「あ、帰るみたいだお、牧瀬紅莉栖」
岡部「!?」ガタッ
ダル「おい、鳳凰院氏!」
岡部「あっ……、すまん」
フェイリス「凶真?」
岡部「な、なんでもない」
岡部(わかっている。フェイリスを不安にさせるようなことはできない。この世界線でおれをずっと助けてくれたのはフェイリスだ)
フェイリス「……凶真、早くあの人を追いかけるニャ」
岡部「な、何!?」
ダル「フェイリスたん?」
まゆり「ほえ?」
フェイリス「何してるニャ! もしかしたら、あの人が持っているのかもしれないのニャ。失われし聖宝<ロストメモリー>を」
岡部「何を言っている……?」
フェイリス「凶真!! 行って欲しいのニャ!」
岡部「し、しかし……」
フェイリス「凶真ならわかってるはずニャ……。フェイリスは何でもお見通しニャ」
岡部「(チェシャ猫の微笑<チェシャーブレイク>……) すまん」
フェイリス「でも、あとでちゃんと話して欲しいニャ」
岡部「当然だ」ダッ
ガラッ!! ダダダッ!!
岡部「ま、待て!」
紅莉栖「はい?」
岡部(しまった。呼び止めはしたが、何を話せばいいんだ。この世界線では赤の他人。会ったこともないっていうのに)
紅莉栖「あの……」
岡部(しかし、フェイリスやまゆりたちは、時折α世界線での記憶の欠片を思い起こすことがある。あるいは紅莉栖も……)
紅莉栖「ちょっと、何ですか?」
岡部「ま、前に会ったことがあるのだが、覚えているか?」
紅莉栖「……え?(何これ? ナンパ? やだ。どうしよ……、って何を浮かれてるんだわたしは)」
岡部「……」
紅莉栖「失礼します」カツカツカツ
岡部「待ってくれ!」
紅莉栖「何ですか? ナンパだったらお断りですけど」
岡部「(仏頂面。挑戦的に睨んでくる目。組んだ腕。実におまえらしいな) ……いや、そうではない」
紅莉栖「ふむん……。じゃあ、ご用件は?」
岡部「(そして、なんだかんだ言っても話を聞いてくれようとする。変わらないな) ああ、その…」
紅莉栖「ホントにわたしと会ったことがあるんですか?」
岡部「そ、それは……」
紅莉栖「嘘なんですね。じゃあ、わたしはこれで」クルリッ
岡部「ま、待て! …………くっ! ぬるぽっ!」
紅莉栖「ガッ!!」
紅莉栖「……あっ!?」
岡部「…………」ニヤリッ
紅莉栖(し、しまった。そういえばさっき鳳凰院とか言ってたっけ。やっぱり@ちゃんの? じゃあ、わたしが“栗悟飯とカメハメ波”だってことを……?)
岡部「今、何か?」
紅莉栖「べ、別に……/// (大丈夫。わたしが栗悟飯だなんて知ってる人はいないはず。落ち着け)」
岡部「(ふっ、そうやってそっぽを向く姿も変わらんな) わざわざ呼び止めてしまってすまない。栗ごh、いや、牧瀬紅莉栖さん」ニヤリッ
紅莉栖「(知ってる人いたー! 今栗悟飯って言おうとした! しかもわざと! どうしよどうしよ。何で知ってるの!?) ……いいえ。そそ、それで? ご用件は?」
岡部(ふふっ、慌てているな、助手よ。しかし、特に用件などないのだ……)
岡部「そう急くな、助手よ」
紅莉栖「だからわたしは助手でもクリスティーナでもないと……、え!?」
岡部「!!」
紅莉栖(い、今のは……? 勝手に言葉が口から出てきた。助手? クリスティーナ? どうしちゃったんだろ、わたし)
岡部「(やはりわずかな記憶の欠片はあるのか) フゥーハハハ! やはり持っているんだな。失われし聖宝<ロストメモリー>……!」
紅莉栖「は? ロストメモリー? 何ですか?」
岡部「……いや、忘れてくれ。ちなみに用件も特にない」
紅莉栖「え? ちょ……(ちょっと! それはないでしょ! 栗悟飯の件だって……)」
岡部「じゃあ、失礼する。突然すまなかった」クルリッ
岡部(好奇心旺盛な天才少女のことだ。いや、もう少女ではないか。とにかく、こう言っておけば……)
紅莉栖「ちょっと待ってください!」ガシッ
岡部「(そらきた。気になるんだろう、おれの言ったことが。どうして栗悟飯のことを知っているのか) だが断るッ!」
紅莉栖「ちょ……! どうしてわたしに声をかけたんですか?」
岡部「気まぐれだ」
紅莉栖「そんなはずないでしょ! 何でわたしを助手って呼んだんですか?」
岡部「助手だなんて言ったかな?」
紅莉栖「確かに言いました! それに……、く、栗悟飯……ゴニョゴニョ」
岡部「くりごはん?」
紅莉栖「……ほ、鳳凰院凶真さん、ですよね?」
岡部「岡部倫太郎だ」
紅莉栖「へ?」
岡部(
フゥーハハハ! 助手よ、実に愉快だ!
本当に変わらないな。あの頃の、6年前の、α世界線でのおまえのままだ。
真面目さも、やさしさも、強さも、きっとそのままなんだろう。
まゆりを助けようと必死だったおれをいつも助けてくれた。
話を聞いてくれた。励ましてくれた。頼りになる助手だった。
今にして思えば、あの頃のおれは、少しずつ紅莉栖に惹かれていたのかもしれない。
おれに涙を見せたこともあったな。泣いているおまえを偶然おれが見つけてしまったんだったか。
一緒に青森に行く約束、結局果たすことができなかったな……。
)
岡部「ひとつだけ聞きたい」
紅莉栖「何ですか?」
岡部「父親とは……、仲良くやっているのか?」
紅莉栖「え? 父の知り合いなんですか?」
岡部「いや……」
紅莉栖「じゃあ……(何者なのよ!) と、とにかく父とは別に仲良くも悪くもないですけど……」
岡部「そうか。青森には行かないのか?」
紅莉栖「青森? どうして?」
岡部「父親は青森に住んでいるんだろう?」
紅莉栖「い、いえ、アメリカです。母とわたしも……」
岡部(そうか。この世界線ではそういうことになっているのか……)
紅莉栖「それが何か?」
岡部「いや、それならいい。よかったな」
紅莉栖「はあ……」
岡部(じゃあ、おまえが泣くことはもうないのだろう。本当によかった。よかったな)
紅莉栖「それで、岡部さんって言いましたよね。あなたはいったい……?」
岡部「聞きたいことはそれだけだ。じゃあ」クルッ スタスタ
紅莉栖「ちょ、ちょっと! ねえ、待って!」
岡部「もうおれたちの世界線が交わることはないだろう。元気でな! ……エル・プサイ・コングルゥ」
紅莉栖「な、なんなのよ! だからちょっと待っ! ……行っちゃった」
紅莉栖(なんだったのよ、まったく……。でも、なんだか懐かしい感じで、少しあたたかいような……、不思議な人)
岡部「待たせたな」
まゆり「トゥットゥルー! おかえりン!」
フェイリス「凶真、おかえりニャ。どうだったニャ?」
岡部「ああ……。失われし聖宝<ロストメモリー>は確かにあった」
フェイリス「じゃあ、ついにアレを手に入れたニャ?」
岡部「いや、アレはこの世界に必要のないものだ。そっとしておこう」
フェイリス「……わかったニャ。フェイリスは凶真の選択を信じるニャ」
岡部「感謝する」
ダル「何の話なのかkwsk」
岡部「なんでもない」
まゆり「まゆしぃにはチンプンカンプンなのです」
フェイリス「それでいいニャ。もう終わったことなのニャ」
岡部「そう、すべては運命石の扉<シュタインズゲート>の選択のままに……」
ダル「わけがわからないよ」
フェイリス「じゃあ、凶真が戻ってきたところで、いよいよ発表するニャ!」
まゆり「発表? なにー?」
ダル「……嫌な予感しかしない」
フェイリス「凶真」ツンッ
岡部「ああ。では発表しよう。おれとフェイリス、いや、秋葉留未穂は、今度の秋に結婚することになった」
まゆり「ええー!? ホントにー!? おめでとー!!」
ダル「あーあーきこえなーい」
フェイリス「これは前世から定められていた運命ニャ。ふたりは出会うべくして出会ったのニャ。すでに血の盟約も済ませたのニャ」
ダル「血の盟約……。それって……。う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
まゆり「フェリスちゃん、オカリン、おめでとー! すごく……うれしいね」グズッ
岡部「泣くことではないだろう」
まゆり「だってうれしくて……」
ダル「鳳凰院氏いぃぃぃぃぃぃぃ!!!」ガシッ
岡部「ちょ、待て、ダル、落ち着け! 拳を握り締めるなっ!」
ダル「…………フェイリスたんを幸せにしなかったら、許さないお」
岡部「……ふっ、当然だ」
フェイリス「フェイリスはもう十分に幸せだニャ。これ以上幸せになったら神様に恨まれるかもしれないニャ」
岡部「ふっ、そんな神がいたら、おれがぶん殴ってやる。この右手の力で、な」
まゆり「神様を殴るだなんてオカリンはすごいねえ」
フェイリス「凶真、その力は危険ニャ。その時はフェイリスもいっしょに、ニャ。そうすれば暴走を抑えられるニャ」
岡部「……あ、ああ、頼む」
岡部「さあフェイリス、ふたりに例のことをお願いをしておこうか」
フェイリス「そうニャ。忘れてたニャ」
まゆり「お願い?」
フェイリス「まゆしぃとダルニャン、ふたりには披露宴での友人代表のスピーチ、それと二次会の幹事もお願いしたいのニャ。両方頼んでも大丈夫かニャ?」
まゆり「うん! もちろんだよ! ね、ダルくん?」
ダル「……」
まゆり「ダルくん?」
フェイリス「ダルニャン? ダメかニャ? 凶真が言ってたニャ。こんなことを頼めるのは、我が頼れる右腕<マイフェイバリットライトアーム>のダルニャンだけだって」
岡部「余計なことを言うな。ダルよ、無理にとは言わない。が、できればおまえに頼みたいんだ」
ダル「オムライス……」
岡部「何?」
ダル「今度メイクイーンでオムライスをおごれ。それが条件だお、オカリン」
岡部「フゥーハハハ! 安いものだ! その程度ならいくらでも……、ん? おい、おまえ今オカリンって……」
ダル「あらためて言うなよ。恥ずかしいだろ。空気嫁。おめでとう、オカリン」
おしまい
35 : VIPに... - 2012/07/31 18:31:32.62 7wg/n9Z5o 29/29レスくれた方、そうでなくても読んでくれた方、ありがとうございました