これはハーフエルフの少年と彼に育てられた人間の娘の話
元スレ
少年エルフ「ゾンビカフェ!?」
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2 : ◆VEKixXsFvlSQ - 2015/08/01 23:39:36.15 vFdJeupB0 2/75前スレッド
1:娘「エルフは私のパパ」
http://ayamevip.com/archives/41786108.html
2:少年エルフ「マンドラゴラ栽培キット?」
http://ayamevip.com/archives/41983788.html
3:オババ「あんたがパパになりなさい」 少年エルフ「えぇ!?」
http://ayamevip.com/archives/42072874.html
4:少年エルフ「娘は林間学校に行ってるよ」
http://ayamevip.com/archives/42600248.html
5A:少年エルフ「誘拐されちゃった」 前編
http://ayamevip.com/archives/42923154.html
5B:少年エルフ「誘拐されちゃった」 後編
http://ayamevip.com/archives/42923199.html
6:少年エルフ「僕をパパにしてくれてありがとう」
http://ayamevip.com/archives/43144195.html
7:娘「エルフと一秒でも長く居たい」
http://ayamevip.com/archives/43392975.html
8:少年エルフ「異種族交流会?」
http://ayamevip.com/archives/43873044.html
9:少年エルフ「下水道にドラゴン?」
http://ayamevip.com/archives/44438598.html
○少年エルフの喫茶店
少年エルフ「ゾンビカフェ!?」
娘友「学園祭の出し物なの ハロウィンも近いからね それもかねて」
少年エルフ「へ へぇー」
娘「私は別の企画をおしたんだけどね ……パパ来れる?」
少年エルフ「あ! 当たり前だよ 娘の文化祭なのに行かないわけないよ」
娘「でもパパお化けとか苦手でしょ? この間だって……」
娘友「それに仮装は学校全体でやってるわよ 今年のテーマだから」
少年エルフ「大丈夫だよ ただの学生の仮装でしょ へいきへいき」
娘「本当! ならよかったわ」
◯その日の夜・酒場
少年エルフ「……とは言ったけどどうしよう」ぐすぐす
男「学園祭の催し物だろ そんなビビるなよ…… でもそういう事してるとホンモノも出てくるっていうよな」ニヤニヤ
少年エルフ「やめてよ そういうこと言うの」ビクビク
男「スマンスマン まぁそんなに嫌なら行くのをやめればいいじゃないか」
少年エルフ「それはダメ 僕はパパなんだよ 娘の学園祭に行かないなんて」
男「そうかそうか じゃあ当日はガンバレ」
少年エルフ「まって一緒に来てよ 休みでしょ? 男子君もいるんだし?」
男「悪いがその日は用事だ」
少年エルフ「そんな!? なんとかならないの」
男「しかたないな ちょうど空いてるのがいるから そいつと一緒に行くか?」
少年エルフ「ホント!? 誰?」
男「お前も知ってる奴だ ……よく食うからな覚悟しろよ」
◯学園祭当日・校門
少年エルフが校門に立っている
実行委員「君もしかして迷子? ご家族の方は」
学園祭の実行委員に声をかけられた
少年エルフ「え? ……あの違います ここで待ち合わせなんです」
実行委員「そうなの? でもあっち(本部)だったら放送もできるよ? ね いこうよ?」
少年エルフ「えっと その」アタフタ
○
女兵士「あーエルフさんここに居た」モグモグ
女兵士がドーナツを食べながら歩いてきた
少年エルフ「ちょっと女兵士~ 遅いよ」
実行委員「あらお姉さんが来たの? よかった もうはぐれたらダメよ」
少年エルフ「えっと その ありがとうございます」ぺこり
実行委員は本部に戻った
女兵士「えーと お邪魔だった?」
少年エルフ「ちーがーうー! 早くこないから迷子と思われたじゃない!」
女兵士「あ そっか ごめんごめん 夏季限定のドーナツが売ってたからつい……」
少年エルフ「もーー!!」
女兵士「ほら早く行きましょ 学園祭なんて久しぶり 何食べよっか?」
少年エルフ「……まだ食べるの」
◯学校の校庭
仮装した学生たちがあちこちで屋台を開いている
ガヤガヤガヤ
女兵士「懐かしいなーこの感覚 エルフさんも懐かしい?」
少年エルフ「な なに? 僕の頃は学校はいけなかったから」キョロキョロ
女兵士「あ そうなんだ 年上だったんだよね つい」
看板をもったゾンビが現れた
看板ゾンビ「すいませーん」
少年エルフ「ひゃっ」サッ
少年エルフは女兵士の影に隠れた
看板ゾンビ「映画部の自主制作です 1時から上映しますー」
女兵士「ありがと 映画だって~ エルフさん?」
少年エルフ「もういった?」ひょこ
女兵士「いったけどどうしたの?」
売歩きゾンビ「ぞんびの目玉焼きでーすいかがですかー?」
少年エルフ「ひゃっ」サッ
女兵士「あ、たこ焼きだー、エルフさん食べる?」
少年エルフ「いらないいらない」ブンブン
女兵士「じゃあ二箱下さいな」
少年エルフ「二箱たべるの!?」
売歩きゾンビ「まいどー」
女兵士「すごいね みんなゾンビの仮装してて 結構こってるし」むしゃむしゃ
少年エルフ「そ そうだね」
女兵士「エルフさん……もしかしてゾンビ怖い?」
少年エルフ「な なにいってるの 怖くないってただの仮装なのに ただ……ちょっとびっくりするだけで」アセアセ
女兵士「そっかびっくりするよねー」ナデナデ
少年エルフ「ちょっと! 撫でないで! 子供扱いしないでよ もー!!」
女兵士「だったらちょっと離れてくれない? 歩きにくいから」
少年エルフ「あ ごめん」カアア
女兵士「くすくす……(弟ができたみたいでかわいいなー) それで娘ちゃんはどこ?」
少年エルフ「えっと教室のはずだけど 娘の教室はどこかな?」
女兵士「うーんとりあえず順番にみていく?」
少年エルフ「うーん ん? なにか飛んでくる」
バサバサ
\ざわざわ/ \何アレ/ \とり!?/ \UFOか?/
バッサバッサバッサバッサ
女兵士「あれってもしかして……」
○娘の教室
娘友「ほら もう時間がないから早く着替てよ」
娘「ホントにコレ着るの?」
娘友「そーよ ちゃんとアンケートの結果から決まったんだから 娘がコレ着たら大繁盛間違いなしだわ」
娘「……でもあのメイクでこれ着るのおかしくない?」
娘友「そんなことないわよ保障するわ ほらメイクにも時間がかかるんだから早く来て」
\わーわー/
娘友「なに? 外が騒がしいわね」
バッサバッサ
娘「この気配 まさか学校に!?」
ドドォーン
\グワー/ \ッザッケンナコラー/
???「娘ーどこー?」
娘「まったく信じられない!!」ダダダ
シャーッ ガラガラ
娘「なに考えてるの ここ学校よ!!」
白竜「あ ここだったの娘ー」にゅーん
窓を開けるとホワイトドラゴンが覗き込んできた
\竜だー/ \マジでー/ \アイエエドラゴンナンデアイエエエ/
娘友「あ おひさー 今日はひとり?」
白竜「そうよ ほらこれ 王女からお手紙」ペラ
娘友「これって例の調査隊の……」
白竜「ね そろそろ一緒に魔王を探しに行かない? アナタが居ないと始まらないから」
娘「いかないって言ってるでしょ! なんで私なのよ それに校庭がボコボコじゃない もっとTPOを考えてッ……!!」ガミガミ
白竜「わかったわ とりあえず今日は帰るから怒らないでよ」
娘「まったくもう」
白竜「あと一つ……この日焼け止め塗ってくれない? ほらここ自分じゃうまく塗れないのよ」
娘「(怒)!! さっさとかえれーーーーッ!」
白竜「ひどいっ この純白の肌にシミができたらどうするのよ!?」
娘「シミどころか黒焦げになるまで焼くわよ」ゴゴゴゴ
娘の魔力があふれる
バチバチバチ
白竜「あつっ 本気!? もうっ 娘のいじわるっ」バッサバッサ
娘「まったく 王女も白竜もしつこいんだから……」
白竜「またくるからねー」バサバサ
娘「来なくていいって!!」
娘友「あーあ帰っちゃった」
○校庭
女兵士「うわーあれが噂の第七王女のドラゴン? おっきかったねー」
少年エルフ「……娘と話してたみたいだね(また来たんだ)」
女兵士「ねー 校庭に降り立ったドラゴンと対峙する娘ちゃん カッコよかったわね 映画のワンシーンみたい」
少年エルフ「そう? とにかくあそこが娘の教室だね 行こう」
○学園の上空
白竜「はー またダメだったか……(あの子の力が無ければ魔王を見つけたとしても……)」
白竜「王女にはなんて言おう……ん? (邪気……)」
白竜「……気のせいね」
バッサバッサ
○???
???「やれやれ行きましたか ホワイトドラゴンまで出てくるなんてね」
死霊使い「一刻もはやく主の体を戻さねばの」
???「そうですね では手筈どおりにお願いしますね 今回は貴方が適役ですから」
死霊使い「心得た 我が術の真髄にて主に極上の恐怖をささげようぞ」フハハハ
???「うーん もっと今風のしゃべりにしません? それでは今でいう『イタイ』話し方ですよ」
死霊使い「痛いのならば好都合ではないのか?」
???「そうではなくてですね……はぁ とにかく始めてください なぜか『ガッコウ』にいつも以上に人が集まってますからチャンスです」
死霊使い「フフフ 任せるがよい」
○廊下・ゾンビカフェ待ちの列
女兵士「並んでるねー」
少年エルフ「開店したばかりみたいだしね」
\キャーー/
少年エルフ「……なんだか 悲鳴が聞こえるね 」ブルブル
女兵士「でもなんだか楽しそうだよ」
廊下を長髪で顔の隠れた女性が四つん這いで歩いていく
ペタペタペタ
少年エルフ「……」プルプル
女兵士「うわー すごいね」
少年エルフ「そ そうだね」
女兵士「あ また凄いのが来たね なんの仮装かな」
大ナタを引きずった赤四角錐頭が現れた
赤四角錐頭「……」ガリガリガリ
少年エルフ「ひいぃ……」ガクガク
女兵士「うわー 凄い筋肉 むきむきだぁ」
赤四角錐頭「……!」くるり
女兵士「あ こっちきた」
少年エルフ「ッ~~!?」<声にならない叫び
ガリガリガリ
○
赤四角錐頭「……エルフさん 女兵士さん来てたんですか」
女兵士「え 誰?」
少年エルフ「……ッ!? よかった男子君かぁ」
赤四角錐頭「ええ 俺です すいません驚かせてしまいましたか」
赤四角錐頭は男子だった
少年エルフ「だ 大丈夫大丈夫 ちょっとびっくりしただけだから」
女兵士「凄いね格好だね なにしてるの?」
男子「なんだか鬼ごっこらしいです 俺が参加者を捕まえる役です
少年エルフ「そうなんだ……(こわい)」
女兵士「ねぇねぇ たいちょーは今日は来ないの?」
男子「父上はまだ来てません 遅れると思います」
少年エルフ「なにしてるんだろ?」
男子「おそらく母上の命日なので教会のほうかと」
女兵士「!」
少年エルフ「あ そうか! そうだったね ゴメン」
男子「いえ 気にしないでください」
女兵士「ねぇ 男子君……おか」
\なにしてるのー/ \男子君こっちよー/
男子「すいません 呼ばれてるのでもういきます」
女兵士「あ……」
ガリガリガリガリガリガリ
\きたー にげろー/
○
少年エルフ「ふー 男子君でなかったらどうしようかと」
女兵士「……男子君のお母さんってどんな人だったんでしょう?」
少年エルフ「……気になるの?」
女兵士「ちょっと ちょっとだけ気になります」アセアセ
少年エルフ「うん 僕と男の幼馴染で体は弱かったけどとても明るい人だったよ」
◯教会、墓地
――女『男はねー 独り身だとまわりの子がメーワクするから私と一緒に居なさい』
男が女の墓の前に佇んでいる
男「……」
――男子『女兵士さんや女薬師さんとか女騎士さんとか……ハッキリしろっ! エロ親父!』
男「はぁー 男子にも言われちまったよ」がっくり
女の墓「」
男「……お前の言ってた通りなのかな やっぱり」
女の墓「」
男「……俺は学校を卒業するまでと思っていたんだがな あんな風に思われていたとは」
女の墓「」
男「どうしたものか……」
女の墓「……」
男「お前は…… いいのか?」
女の墓「……ゥ」
男「え……?」
女の墓「ガァ!」ボコッ
墓の下から骨の手が飛び出してきた!
男「なぁ!? いやいやいや 待て待て待てマジか!? スマン俺がわるかったぁ!!」
ボコボコドカッ
辺りの墓の下からも骨の手が飛び出してきた!
男「いぃ!? なんだこれは!?」
◯教室・『ゾンビカフェ』 客席
女兵士「わーずいぶん暗いねー」
\キャー/
少年エルフ「そ そうだね とりあえず何か頼もうか」ビクビク
女兵士「そうねー何か冷たいもの…… えーと この字読めます?」
\ギヮアアア/
少年エルフ「ぇえ!? あぁ うん 『脳漿炸裂ソーダ』 ……ぅぷ(イメージするだけで気持ち悪い)」
女兵士「エルフさん難しい字読めますね どこで習ったんですか?」
少年エルフ「オババだよ 僕は魔法も薬学も全部オババに教わったの」
女兵士「オババさんってあのオババさんですよね 引っ越した時には亡くなってたから会ったことないんですよね」
少年エルフ「そうなんだ」
女兵士「スゴイ人だったって聞いてますよ あ……これマカロンとセットなんだこれにしよう」
少年エルフ「うーん僕は……」
泡頭看護婦「ご注文はおきまりですかぁ?」ぬぅ
泡頭看護婦があらわれた!
少年エルフ「うわあああ!?」ギュウ
少年エルフは女兵士にしがみつく
女兵士「おおー? ミイラ女?」
泡頭看護婦「あ ちょっとくっつきすぎよ女兵士! 離れて」グイグイ
少年エルフ「え? 娘!?」
泡頭看護婦「そうよ」
泡頭看護婦は娘だった
○
娘「パパちゃんと来てくれたのね よかった」
少年エルフ「もちろん 娘の文化祭だもの」ぷいー
女兵士「それにしても何それ? それもゾンビ? 看護婦さん?」
娘「さぁー? よくしらないけど人気のあるお化けなんだって」
少年エルフ「そうなんだー」ぷいー
娘「パパ?」
少年エルフは娘から目を背けている
少年エルフ「な なに?」アセアセ
娘「コレ怖いの?」クスッ
少年エルフ「……ッ」カァア
少年エルフ「ち 違うよ そんなことないって」くる
泡頭看護婦(娘)「……」ニコニコ
少年エルフ「ッ……(ヒィイイイイ そだ顔を見なければ)」
少年エルフは視線を少し落とした
娘の胸元は大きく開かれている
少年エルフ「……ぇ!?」カァアアア
女兵士「エルフさんどしたの? 耳まで真っ赤」
少年エルフ「いや ちがうの その その衣装はなに!?」
娘「あぁこれ? ナース服よ」
少年エルフ「そ そうなの!? (僕の知ってるナース服と違う)」
娘「ちょっと窮屈なのよね~」
女兵士「よく見るとエロイねーそれ スカートも短いしー」
娘「そうかな? パパどう思う? 可愛いでしょ? それともエロイの?」
少年エルフ「え ぇええ!? 僕に訊くの!? (なんて答えたらいいの??)えっとえっとぉ」
娘「エルフ?」ズイ
少年エルフ「~~っ」ドキッ
メニュー「」
少年エルフ「そ そんなことよりほら注文! 僕はコレで女兵士さんコレだって ハイお願い!」ドキドキ
娘「うぅん これとこれ? ……わかったわ待ってて」
パタパタパタ
少年エルフ「ふぅう」
女兵士「いやー 今の子の仮装ってクオリティ高いねぇ」
少年エルフ「……の ノーコメントで」
○学校 校門
男子生徒「あれ ずいぶん本格的だな」
ゾンビ「うぅ」のそのそ
実行委員会「......ちょっとやり過ぎね 注意してくるわ」
実行委員会「すいません 父兄の方ですか?」
ゾンビ「うがぁ!!」
実行委員会「きゃああ」
男「おりゃあああ」ドカッ
ゾンビを倒した
男「くそ もうこんなところまで」
実行委員会「ありがとうございます 何なんでしょうこれは」
男「ゾンビだ 本物のな まだまだくるぞ 門を閉めるぞ」
○教室 ゾンビカフェ
\わー/ \きゃーー/
女兵士「外ももりあがってますね~ たいちょーも来てたらいいのに」
少年エルフ「女兵士さんって隊長…… 男が好きなんだね」
女兵士「好きっていうか......入隊の面接もたいちょーだったし 訓練もたいちょーだし なんだかんだご飯おごってくれるのもたいちょーです わたしの理想のオトーサンです」
少年エルフ「そうなんだ そっかお父さんかぁ うぅん(僕もちゃんとお父さん出来てるのかな)」
娘「お待たせ 脳漿炸裂セットとスペシャルコーヒーよ」カチャカチャ
女兵士「わーいマカロン」もぐもぐ
少年エルフ「ありがとう これがスペシャルコーヒー? 豆が違うの?」
娘「そんなことないはわ ただのコーヒーよ」
少年エルフ「じゃあなにがスペシャルなの?」
娘「それわねー こうよ」ガバッ
娘は少年エルフに抱きついた
少年エルフ「なななな何!?」
娘「スペシャルサービスのゾンビハグよ 女性限定だけどエルフは特別よ」うふふふふ
少年エルフ「そ そうなの」あたふたあたふた
娘「さらにーゾンビバイツもあるわよ どこに噛みつこうかしら」ニヤニヤ
少年エルフ「まってまってキャンセルキャンセル 女兵士も止めてよ」
女兵士「そう? 親子だしいいんじゃない?(そんなことよりマカロンおいしい)」もぐもぐ
娘「じゃあ耳をいただくわよー」
少年エルフ「なんでまた耳……うぅ」カアア
娘「あーん」
○校門
ゾンビが校門を乗り越えようとしている
男「まずいな 各自戦闘準備! 緊急放送はまだか?」
兵士A「もうそろそろかと やっべきた きっも!!」
バリバリ
ゾンビ「うが」ドサッ
兵士A「お? 助かった」
男「へぇ まだ結界が残っていたのか」
バリバリバリ
\グワー/ \アシクビヲクジキマシター/ \ゴールシテモイイヨネ/
死霊使い「まだ残っておるとはの しかしもう壊れかけじゃな……”爆裂”」
ドォオン!!
校門が吹き飛んだ
○教室・ゾンビカフェ
\ヌワー/ \キャー/
娘「なに!? 爆発!」
ピンポンパンポーン!!
放送「緊急放送です 全校生徒ただちに校舎へ入ってください 緊急放送です……」
少年エルフ「あ!? なんだろなにかあったみたいだよ」
娘「なによ 別に大したことじゃ……(もう少しだったのに)」
女子生徒「すいませーん回復魔法が使えるかたは中庭に来てくださーい!」
少年エルフ「僕できますー! いかなきゃ」スタタタタ
娘「ちょっと! 私も行くわ」
女兵士「今のたいちょー? かな?」もぐもぐ
○校舎・一階
男子生徒「ゾンビだー 外にいっぱいいるぞ」
女子生徒「なにあれ本物なの!?」
娘「ゾンビ? あーぁ 校庭に入って来てるじゃない」
少年エルフ「あ 男が居るよ」
女兵士「やっぱり来てたんだ わたし行ってきます」
娘「緊急事態ね 私もいくわ」
少年エルフ「気をつけるんだよ」
娘「わかったわ」
○校庭
兵士A「いまの爆発は魔法?」
男「校門が破られたぞ 生徒たちの避難を誘導! 他のものはここから通すな」
赤四角錐頭(男子)「父上 なにか手伝えますか」
男「うわあああっ!! て男子か驚かすな」
男子「すいません」
男「まぁいいゾンビどもを止めてくれ」
男子「了解です」
女兵士「たいちょ~~」
男子「あ 女兵士さん」
男「……おう 女兵士だな」
○
娘「男 どうなってるのこれ 本物のなの?」
男「娘もか そうだ墓場から出てきたんだ くそこのヤロ」
娘「あんたがボスね 速攻!」シュッ
ガキン
男子「ぐおっ まてまて俺だ」
娘「なによあんた 紛らわしい格好しないでよ」
女兵士「たいちょーも来たんですね よかった~ 何かおごって下さいよ~」
男「この状況でか!? まったく……終わったらな」
女兵士「わーい」
○中庭
\イタタタ/ \ザワザワ/ \メディーック/
少年エルフ「ひどい……(怪我人がこんなに)」
保険医「すいません回復魔法できる方来てください」
少年エルフ「僕できます」
○
保険医「ありがとうございます 助かりました」
少年エルフ「うん 大したケガじゃなくてよかった」
保険医「小さいのにたくさん魔法が出来てすごいですね」
少年エルフ「う うん(小さい)…… それのこの石碑から魔力が出てるし大丈夫です」
保険医「へぇー? ただの古い石碑だとばかり」
少年エルフ「そうなんですか? (ずいぶん不思議な力を感じるのに……)」
\ウワー― ネズミダ――/ \ワー キャー/
保険医「ネズミ? いやねぇ ちょっと行ってきます」
少年エルフ「はい」
保険医「こら ケガしてる子もいるから騒がないの 不安になるでしょ」
\ダッテ―/
○
タタタタ……
少年エルフ「?……(なんだろイヤな感じがする……近い)」
タタタタ……
少年エルフ「!?……(何処? 石碑の方)」
ネズミ「フフフ……ここか見つけたぞ」
ネズミがあらわれた
少年エルフ「……シャベッタアアアアアア」
○校庭
娘達がゾンビを倒している
娘「ハァハァ おかしい……いないわ」
男「娘もそう思うか」
女兵士「なにがですか? きゃああ」
ゾンビが女兵士に襲い掛かる
男子「フンッ!」バコーン
女兵士「ひゃああ」
男「すまん部下が助かった」
男子「それより何がおかしいのですか?」
男「さっきの爆発魔法だよ 使った奴が見当たらない」
女兵士「もう倒しちゃってるんじゃ」
男「だといいが」
娘「まさか……陽動?」
男子「しかし何に対して?」
ドッカアアァアアン
男「な!? 校内で!」
娘「パパッ!!」ダダダ
○中庭
ゴオオオオ
\ウワーー―/ \バケモノダ―/
炎に包まれた中庭で生徒たちが逃げまどっている
少年エルフ「あ……うあ あ」ガクガク
少年エルフは恐れおののいている
死霊使い「なんという甘美! 混乱 戦慄 恐怖 絶望 すべてがあふれている!!」
ネズミは死霊使いだった
死霊使い「されど 今少し足りぬな ならばもう少し」バサッ
ガシャガシャガシャ
スケルトン「」カタカタカタ
死霊使いはスケルトンの群れを召喚した
少年エルフ「うわ く 来るな! いやあーーー」
○墓場から喫茶店跡
???「ヒドイ……目覚めだね」
ズルズル
???「家もボロボロじゃないか 何があったんだい ”千里眼”」キュイン
ガチャガチャ
???「あぁ もう これっぽちの魔力しかないのかい」
ゴソゴソ
???「まったく 仕方がないねエルフは……オチオチ死んでもいられないよ」
バサァ
○
○学校 中庭
スケルトン「」カタカタカタ
少年エルフ「来ないで! "風弾"」ゴゥ
突風がスケルトンを吹きとばしバラバラにする
スケルトン「」カラカラカラ
しかしもとに戻ってしまった
少年エルフ「ヒイイ "浄光"」ピカァ
しかし効果はない
スケルトンの攻撃
少年エルフ「いやー!」
ビュン!!
飛んできたモップがスケルトンの腕を弾き飛ばす
スケルトン「」カラカラ
娘「パパ 大丈夫!?」
少年エルフ「娘ぇ~」ぐすぐす
娘「このぉ! パパを鳴かせたわね 骸骨ヤロー!!」ズガガガガ
スケルトン「」ガラガラ
スケルトンを倒した
少年エルフ「な 泣いてない泣いてないからっ」
娘「本当に? ケガしてるじゃない ”治癒”」パァア
少年エルフ「大丈夫だって 自分でやるよ」カアァ
男子「大丈夫か娘 エルフさん」
男子がかけつけてきた
娘「ちょうどよかったわ パパを頼むわ 私は親玉をはったおす!!」
○
娘「よくもパパを! ”電撃”」バリバリバリ
死霊使い「ほう その魔法…… しかし我には効かぬ」
死霊使いは平然としている
娘「だったら”大火球”」ゴオォン
ボオォン
死霊使い「カカカカ ぬるいぬるい」
娘「魔法がダメなら 直接攻撃よ」
娘は死霊使いに斬りかかる
死霊使い「ならばこちらも下僕よ」ガシャガシャガシャ
死霊使いは大量のスケルトンを召喚する
娘「こんなの!」ザシュッ
死霊使い「まだまだ」ガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
娘「くっ ”炸裂”」バァン
ガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャガシャ
スケルトン達は合体して巨大な人型を形作る
少年エルフ「そんな」
男子「娘!」
娘「なんてデタラメな……」
スケルトンゴーレムがあらわれた
骨ゴーレム「」ブォン
ズドォン
娘「くぅ! ”雷撃”」
ドドーン
骨ゴーレム「」ガラガラ
スケルトンゴーレムの頭部が吹き飛ぶが瞬く間に元に戻る
娘「なんなのよ こいつ」
○
死霊使い「ふむ 『焦燥』 『不安』 『恐怖』 ほどよいがもう一息だな」
少年エルフ「”風弾”」ブォン
しかし死霊使いには効果がない
少年エルフ「やっぱりダメぇ~」
男子「くそ 俺が直接」
死霊使い「ふむ 数を減らすか ”連爆裂”」
少年エルフ「え!?」
男子「危ない!」
ドドドォン
○
娘「エルフっ!? パパっ!!」
ガラガラ
男子「うぅ??????」
娘「あぁもう ジャマ」ポイ
男子「ぐふ……(かばったのに)」
少年エルフ「……」
少年エルフは気絶している
娘「パパ 目を覚まして ”治癒”」
しかし魔力が足りない
娘「そんな!? パパ!」
○
死霊使い「満ちた」
ガコン
中庭の石碑が割れ 異形な腕が現れた
死霊使い「おぉ これが主の ……もう用はない 全員片付けろ」
骨ゴーレム「」カカカ
ズンズン
骨ゴーレムが迫ってくる
○
娘「エルフ……」
骨ゴーレム「」カカカカ
娘「よくもっ!」ズギャン
娘は骨ゴーレムに斬りかかる
ザシュ ズバン
死霊使い「ふふふ 『怒り』もまた美味なり」
しかし効果がない
娘「くぅ! ……(この状況あの時と同じ)」
死霊使い「まぁ もう充分だな」スッ
娘「あの時の力が出れば…… 光れぇえ!!」
骨ゴーレムは大きく振りかぶった
ドドン
娘「あぁっ!」
娘は吹き飛ばされた
娘「ぐっ…… つぅ なんでよ なんで出せないのよ」
骨ゴーレム「」カカカカ
ズンズンズン……
○
コン
骨ゴーレム「?」ピタ
少年エルフ「娘をいじめるな……」ヨロヨロ
娘「パパ……だめっ」
骨ゴーレム「」すぅ
骨ゴーレム「ゴハァ!」ガラガラガラ
骨ゴーレムは無数の骨を吐き出した
少年エルフ「ひぃ」
???「風防波」ビュルン
バシバシバシン
???「娘のためによく立ったねエルフ」
古びたローブの人物が立ちはだかっている
少年エルフ「え? その服 この声……え!?」
???「話は後だ ”双刃竜巻”」ギュオオオオオオ
骨ゴーレム「」カガガガ
???「”高閃熱”」コォオオ
骨ゴーレム「」カカ……
ヒュボボボ
スケルトンゴーレムを倒した
娘「すごい…… でも」
○
死霊使い「やりおるの ”大火球”」ブオォン
???「”ハンm”」キュイン
魔法を跳ね返した
ブオォン
死霊使い「ぬお! 反魔が後手で!?」
少年エルフ「高速詠唱……」
???「これが最後の魔法水だね ……ふぅ ”大治癒陣”」シュワアアア
全員の傷が癒されていく
男子「う…… う?」
娘「助かったわ」
少年エルフ「すごい 他の子たちも治っていく」
???「しっかりしな アンタもこれぐらいさっさと出来るようになりな」クル
ローブの人物が振り返る
少年エルフ「オバ……ッ!!??」
\キャーーーーーーーーーーー オバケ――――――――――/
骨オババ「えぇい!! いまさら骸骨なんかでギャーギャーいうな!」
ゴン
少年エルフ「ギャッ」
娘「ちょっと! パパに何してるのよ」
骨オババ「おや 娘 大きくなったじゃないか 男子も」
男子「なっスケルトンがしゃべった!?」
骨オババ「あんな骨どもと一緒にするんじゃないよ」喝!
男子「っ!? ゴメンナサイ」
娘「この気迫……オババ?」
少年エルフ「つぅ~ やっぱりオババだよね? スケルトンになっちゃったの?」
骨オババ「……そうだね あんたらが心配で『あのバカ』の魔力を利用して墓から出てきたんだよ」
○
死霊使い「人間風情が我の魔力を利用するだと」
娘「まぁ オババなら」
少年エルフ「なんたって あの『南の魔女』だし」
骨オババ「誰が魔女だって!」
ゴン
男子「ぐおう」
骨オババ「まったく 勝手な通り名で呼ぶんじゃないよ」
娘「なにやってるの バカねぇ」
少年エルフ「オババはその通り名 嫌いなんだよ」ボソボソ
男子「……そうだったのか」
骨オババ「まったく無駄口を叩くんじゃないよ ……さてアンタもオトシマエをつけるとするかね」
死霊使い「フン 大口をたたきおって その不遜 後悔することになるぞ」
骨オババ「そんなこといって さっきから制御をとろうとしてるが出来なくて焦っとるじゃろ」
死霊使い「ぬぅ ならば」バサァ
ガラガラガラガラ
死霊使いは無数のスケルトンを召喚した
骨オババ「わかってないね "制御奪取"」キュピン
死霊使い「なに!?」
骨オババ「ちゃんと寝な ”崩呪”」ポン
カラカラ カラララ
スケルトン達は土に還った
少年エルフ「すごい……」
死霊使い「バカな」
骨オババ「あんたセキュリティが旧いんだよ 勉強しな」
死霊使い「ぬかせっ ”連爆裂”」
骨オババ「”風防波”」
ドドドォン
骨オババ「エルフ! 耳かしな」
少年エルフ「え!」
骨オババは少年エルフの耳を掴んだ
骨オババ「魔力がもう足りないんだよ ”吸魔”」キュウウ
少年エルフ「ひぅううう」
○
死霊使い「燃え尽きよ ”豪火球”」ヒュボボボボ
骨オババ「エルフよく見てな ”二の口”」ヒュイン
少年エルフ「え?」
死霊使い「食らえ」
ボオオオオオン
骨オババ「魔力を利用した発声は舌を用いない ”ジュウジh”」ギャギャン
ギュボボボボ
火球を風の刃が相殺する
死霊使い「ぬうっ」
骨オババ「だから魔力があればこれぐらい ”ダイカky” ”ダイカky” ”ダイカky”」
ボボボボボボン
死霊使い「なに!? デタラメな!!」
ドドォン
死霊使いは火球をよけきれずに直撃した
死霊使い「うおぉ」ガラガラ
骨オババ「わかったねエルフ覚えときな ”連爆裂””双高閃熱”」
少年エルフ「ぅん……(二重詠唱まで)」
ズドドドドドォ……ドドドドン!!
娘「ちょっと やり過ぎ!」
男子「伏せろ」ガバッ
ゴウッ
爆風と爆煙が辺りに充満する
○
○
少年エルフ「やっつけたの?」
骨オババ「まだだね」
???「いやいや 何を遊んでるのかとおもったら」
死霊使い「ぐぅ……」
???「ほらほら 用がすんだら帰りますよ」
ローブの人物が死霊使いの頭蓋骨を掴んで浮いている
男子「新手の魔法使いか!?」
ズドン
\グハッ/
ドサッ
娘「重いって さっさどどきなさいよ まったく」
男子「……(なんだか体がカルイ)」フワー
娘「なにあいつ……人間じゃないわね」
???「お騒がせしましたね では帰りますので」
骨オババ「まちな! ケジメをちゃんとつけてきな ”十字風刃”」ギュギォン
???「おっとっと」ポイッ
死霊使い「貴様ぁあっ!?」
ローブの人物は死霊使いを投げつけた
ガッシャァアアン バキバキバキ
死霊使い「ぎゃっ がっ がががが!!」
死霊使いの体は砕け散った
???「おぉコワイコワイ それではごきげんよう」
骨オババ「逃がさないよ ”高……”」 ???「そんなに使うと時間が無くなるのでは」
骨オババ「ぬかせ ”高閃熱”」シュゴオオオ
???「”転移”」シュン
ゴオオオ
骨オババ「チッ……逃げ足の早いことで」
○
娘「……おわった?」
骨オババ「……ああ」
少年エルフ「オババ……あの」
骨オババ「エルフっ!」
少年エルフ「はいっ」ビク
骨オババ「あんたが攻撃魔法をちゃんと使えたらこんなことにはならなかったんじゃないかい?」
少年エルフ「え……でも」ビクビク
骨オババ「アタシが死んでから一体なにをしてたんだい! そんなことで」ガミガミ
娘「やめてパパを責めないで! パパが出来ない魔法は私がするっていったでしょ」
骨オババ「それであのザマかい」
娘「う……」
骨オババ「まったく いいかい アンタたちはこれからね……」
少年エルフ「ごめんなさいオババ でも……でも……なんで死んじゃったの」ウルウル
骨オババ「……エルフ」
少年エルフ「置いていかないでよ オババぁ~」ボロボロボロ
娘「パパ……」
骨オババ「そうは言ってもね……まったく(泣く子には勝てないね)……悪かったね エルフ」ナデナデ
○
骨オババ「落ち着いたかい」
少年エルフ「うん」ぐすぐす
男「おーい 無事かー?」
男たちがやってきた
骨オババ「ほらしっかりしな 怪我人がいるから仕事しな」
少年エルフ「うん いってくる」
タタタ
\大丈夫ー/ \女兵士が負傷した/
娘「……」ムスー
骨オババ「なんだいその顔は」
\タイチョ― 最後に川沿いの店限定パンプキンベイクドチーズケーキを……/
娘「……別に オババはズルいなって」ムスー
骨オババ「またかい……アタシは30年近くエルフの面倒を見たんだ 仕方ないだろう」
娘「わかってるけど……」ムスー
\やけに具体的だなオイ/ \”治癒”/
骨オババ「わかってないね アンタの方がスゴイんだよ」
娘「え?」
\大丈夫か/ \はい エルフさんありがとう/ \よかった/
骨オババ「あの子を引取って……アタシは何もできなかった ただ薬と魔法を教えただけ」
娘「……」
骨オババ「でも その出来なかったことを娘は簡単にやってくれた 今もね」
\じゃタイチョ―食べにいきましょ/ \バカ 事後処理が終わってからだ/
娘「そう……なのかな」
骨オババ「そうだよ あぁ そうとも あの時の判断は間違いじゃなかった」しみじみ
\約束ですよー絶対ですよー/ \わかったから早く行け/
テクテク
少年エルフ「そんなに酷くなくてよかった」
骨オババ「そうかい」
男「うおぉ まだ残ってたか骨野郎!」
娘「ちょっと男」
骨オババ「アタシだバカ」
ゴン
○
骨オババ「アタシに剣を向けるとかエラクなったもんだねぇ 男 えぇ?」
男「ハイ ゴメンナサイ」ドゲザ―
骨オババ「ところで今の子はなんだい? ずいぶん親しげだったじゃないか」
男「いや あれは新人の部下で……」ビクビク
骨オババ「新人の部下ならしょっちゅう一緒に食事にいくのかい? へぇえ」
男「なんで知って…… いやいやいやオババ様ゴカイしてなさいますよ」アセアセ
骨オババ「……まぁいい アタシが言うことじゃないしね」
男「ほっ」
骨オババ「嫁から言ってもらうから ”霊魂召喚”」シュワアア
男「え゛」
女の霊が召喚された
女「……」ニコニコ
男「お 女……」ダラダラダラダラダラ
○
\……/ \ハイ ゴメンナサイ/
少年エルフ「女さんだ変わってない」
骨オババ「そりゃ幽霊だからね」
少年エルフ「」ビク
娘「なんて言ってるの?」
骨オババ「さあね 男にしか聞こえないよ」
少年エルフ「そっか そうだよね」
娘「知り合いだったの?」
少年エルフ「うん 男と同じ 幼馴染だったよ」
娘「そっか……」
骨オババ「じゃ アタシもそろそろ行くから」
少年エルフ「え!? どこに」
骨オババ「そりゃあ 墓に」
娘「やっぱそうなんだ」
少年エルフ「ねぇ アンデットでもいいから一緒にいてよ」
骨オババ「無理だよ」
少年エルフ「僕の魔力ならいくらでも使っていいから」
娘「パパ……」
骨オババ「バカだね アタシはとっくに死んでるんだよ わかるだろう」
少年エルフ「でも」
骨オババ「あの骨バカの魔力ももう尽きるんだ あきらめな」
少年エルフ「いやだ いかないでよ」
骨オババ「娘」
娘「えぇ」ギュウ
少年エルフ「娘 離して」ジタバタ
骨オババは歩き出す
骨オババ「ありがとう娘 これで最後さ」
少年エルフ「オババ」
骨オババ「エルフ アンタはもっと覚悟を持ちな パパだろう」
少年エルフ「うぅ わかったよ」
骨オババ「娘 これからアンタにしか出来ない事が出てくるけど 自分の頭で考えるんだよ いいね」
娘「? ……覚えておくわ オババ」
テクテク
骨オババ「あーそうだ それと 二人とも形あるモノはいつかは壊れるんだ 気にするんじゃないよ」
少年エルフ「え?」 娘「えぇ わかったわ?」
テクテク
骨オババ「あ まーだあった ホントに最後 ……そこで男子が死にかけてるからちゃんとしな」
娘「あ」
少年エルフ「うわー 男子君 ゴメン気づいてなかった」
\”治癒” ”大治癒”/
テクテクテクテク
骨オババ「……ホントに世話がやけるね 墓まで持たないじゃないか」フフ
バサァ
カラカラン
骨オババは土に還った
○何処かの暗闇
ネズミ(死霊使い)「貴様 よくもわしの体を」
???「あーもう 貴方が余計な事するからでしょう 『腕』も手に入れたしさっさと帰りますよ」
ネズミ(死霊使い)「くそ 忌々しい」ぶつぶつ
???「しばらくは養生してください 他の面子が動いてますから」
ネズミ(死霊使い)「……これで主は目覚めるか?」
???「んー あと少しかな」
○夕刻・喫茶店への帰り道
少年エルフ「今日は大変だったね」
娘「そうねー」
少年エルフ「娘?」
娘「うん? ゴメン ちょっと考えてた」
少年エルフ「そお?」
○薬屋の跡
女薬師「……」
女薬師は呆然としている
少年エルフ「女薬師 大丈夫だった? よかった無事だったんだね」
女薬師「え えぇ そうなんだけど」
少年エルフ「どうしたの?」
娘「……そう こういうことオババ」
少年エルフ「え? うわ酷い ゾンビがやったのコレ!?」
薬屋は半壊している
少年エルフ「大丈夫? 今日はウチに泊まりなよ ね」
女薬師「いや でも……」
娘「パパ……」
少年エルフ「ほらお隣なんだし 遠慮しないでよ ……えっと」
半壊した薬屋の他はガレキが散らかっている
少年エルフ「えっと隣……えっと あれ」
娘「パパ」 女薬師「エルフ」
少年エルフ「あれウチが…… オババの店…… 喫茶店……」
ガレキの山
――『形あるモノはいつかは壊れるんだ 気にするんじゃないよ』
少年エルフ「オババ……」ガク―ン
娘「パパ 落ち着いてパパ」ぎゅうう
娘は少年エルフを抱きしめる
少年エルフ「うん 娘ぇ……」ぐすぐす
娘「大丈夫 私が居るわパパ」ぎゅうう
女薬師「はぁ……(どっちが親なんだか?) でも本当 どうしよう」
娘「ふふ そうね とりあえず友の宿屋に泊まらせてもらおっか ね? パパ」
○夜・王都 尖塔の上
とぅるるるる とぅるるる
ピッ
白竜「あ ノンちゃん 準備してもらってた『アレ』 キャンセルで ……うんゴメンね急に」
???「……」
白竜「えー!? アタシはしないわよ たまたまよ たまたま ゾンビが都合よくね」
???「……」
白竜「ちょっと ちがうってー ホント 知らなかったわよ」
???「……」
白竜「あ バレタ まぁいいじゃない これで王国も動くだろうし」
???「……」
白竜「あれ まだ信じてなかったの? 本当だって」
???「……」
白竜「魔王は復活してるっぽい」
○
―― 少年エルフ「ゾンビカフェ!?」 終わり ――