1 : 以下、名... - 2015/10/13 23:20:02 ROvaIjZE 1/14

「あ、おはよー」

「今朝は寒いね。ついこの間までの暑さが嘘みたい」

「秋の香りがするよね。その辺歩いていると金木犀の香りが不意にフワッと……」

「するよねするよね! 甘くていい香りだよね~」

「でも、この季節大学は銀杏臭いね……」

「一限どこ? あ、六号館か」

「私? 私はあっち。もう通り過ぎちゃった」

「……いいじゃん! もうちょっと喋っていたかったの!」

「うん! また昼休みにね」

2 : 以下、名... - 2015/10/13 23:20:50 ROvaIjZE 2/14

「うへ~、学食はやっぱり混むねぇ」

「夏休み明けは皆張り切っているからなぁ。もうしばらくすれば皆来なくなって空くんだけどなぁ」

「あ、君はちゃんと大学に来るんだよ? い~い?」

「うむ、よろしい。学生はキチンと勉強せねばならんのです!」

「あ、でもでも」

「……たまには君んちで一日ダラダラしてるのもいいかもね? ん?」

「あっ、照れてる! かわいー! あはははは!」

3 : 以下、名... - 2015/10/13 23:21:46 ROvaIjZE 3/14

「そういえば、この間ミキが動物園行ったんだって」

「そこのカバがなんともやる気がないらしくって、ずっとプールの中にいるんだってさ」

「後、レッサーパンダも居たりするらしくって……」

「って、もう! 聞いてる? さっきからふんふん頷いてばっかりじゃん!」

「へ? 今週末?」

「え、やた! 行く行く! うわー楽しみレッサーパンダ!」

「お弁当とか作っちゃおうかな、それから、それから」

「……はっ!? 今、私めちゃくちゃチョロい感じじゃなかった?」

「うわっ! むかつくなー! 何か上手く扱われている感じ!」

「えっ、いや、えと……」

「……うん、行く」

「……ちくしょー」

4 : 以下、名... - 2015/10/13 23:22:45 ROvaIjZE 4/14

『おーい』

『スマホばっか弄ってないでちゃんと講義聞きなさ~い』

『今日バイト何時まで?』

『じゃあ七時位に行くね』

『鍋しようよ鍋!』

『はーい』

5 : 以下、名... - 2015/10/13 23:23:44 ROvaIjZE 5/14

「やほ、来たよ~」

「ほい、白菜ときのこと人参と……」

「お肉と油揚げはあるんだよね?」

「よし、一発やりますか! エプロン借りるよ~」

「んふふ、どーお?」

「いや、この前アキモーから聞いたんだけど」

「『エプロン姿はイイ』んだって~? このヘンタイめ」

「ほら、どうよどうよ?」

「え!? あ、う、うん。そう、ありがと……」

「何かそう素直に言われるとなんか恥ずかしいな……」

「ちょ、そんなにジロジロ見ないで。あっちで待ってて」

「……」

「うー……も~、だからぁ」

6 : 以下、名... - 2015/10/13 23:24:46 ROvaIjZE 6/14

「では、頂きます!」

「ポン酢取ってー。ん、ありがと」

「あっ! お肉ばかり取るのはルール違反だよ!」

「あ、あ、あぁ~! 言ったそばから!」

「ん!」

「ん~! おひふ! あえはへへ!」

「んっ! あふい!」

「いやぁ~、やっぱお肉は美味しいな~! 最高!」

「もう一枚ちょーだい!」

「んふふ~、おいしー。幸せの味だぁ~」

「……君、こうやって甘えるとすぐ甘えさせてくれるよねぇ。チョロいチョロい」

「あっ、ごめん、ごめんって! だから鍋のお肉取るのやめてよう!」

「……あ! もしかして、そうやってまた食べさせてくれるのかな~?」

「わぁ! そんな一気に食べちゃ勿体無い! 味わって食べるの!」

「くぅ~……いじわる!」

7 : 以下、名... - 2015/10/13 23:25:45 ROvaIjZE 7/14

「は~満腹満腹。ごちそーさまー」

「あぁ~、ダメだ~体横にしたら起きられない」

「お、洗い物やってくれるの? ありがとー」

「んふふ、なんだかんだで優しいなぁ君は」

8 : 以下、名... - 2015/10/13 23:26:45 ROvaIjZE 8/14

「終ったの? ありがとう」

「いやぁ、ところで枕カバーとか、洗濯してる? クッションとかさぁ」

「すごい君の匂いがするよコレ。」

「……いや、変な匂いではないけど」

「いや、離さない」

「……ふふっ、離さないもーん」

9 : 以下、名... - 2015/10/13 23:27:44 ROvaIjZE 9/14

「ん、もうちょっとそっち寄って」

「そそ。よいしょっと。ふぅ~、あったか~い」

「君んちのお風呂は相変わらず狭いな~」

「でも、こうやって君に包まれるみたいにお風呂入るの、好きだよ?」

「いいじゃん、別にこの程度で恥ずかしがる仲でもないでしょ?」

「んっ……」

「ふふ、爽やかポン酢風味」

「うん……そうやってお腹に手回してもらうの、好き」

「……好き」

10 : 以下、名... - 2015/10/13 23:28:46 ROvaIjZE 10/14

「ねーねー! 髪梳いて!」

「ほら、そこ座って。で、その上に私が座る」

「とっくとうせき~! ほ~ら~、早く梳いて」

「ん~、これこれ。安心する~」

「今日は優しいねぇ~。機嫌がいいのかなぁ~?」

「……」

「……うん、気持ちいいよ」

11 : 以下、名... - 2015/10/13 23:29:21 ROvaIjZE 11/14

「じゃ、そろそろ寝ようか」

「ん、おやすみ~」

「……と、見せかけて布団を全部奪う!」

「フッフッフッ! 寒さに凍えるがいいぞー」

「って、あれ? どこ行くの? おーい」

「……なんだ、トイレか」

12 : 以下、名... - 2015/10/13 23:30:05 ROvaIjZE 12/14

「おかえり。はい、布団返してあげる」

「ふふっ、ぎゅ~」

「……暖かいね」

「まだこの季節だと少し暑いかな」

「ん、そうそう。しっかりと私を離さないでね」

「……もっと強く」

「もっと」

「もっと」

「ん……」

「ぷはっ」

「ふふっ、寝れなくなっちゃうね?」

「好きだよ。大好き」

13 : 以下、名... - 2015/10/13 23:30:47 ROvaIjZE 13/14

「ん、そうやって頭撫でられるの好き……」

「……」

「ふふっ、好きだね、おっぱい」

「いいよ、たくさん触って」

「君に触られると、何か嬉しくて、気持ちいいの」

「ん……」

「その、えと……する?」

「え、ゴム切らしてるの?」

「バカ。気が利かないオトコはダメだぞっ」

「ふふっ、でもそういう風にちょっと抜けてるところも好きよ」

「ん、わかった。おやすみなさい」

「うん、私も」

「……」

「あーあ、明日大学行きたくないなぁ……」

14 : 以下、名... - 2015/10/13 23:31:29 ROvaIjZE 14/14

おわり

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