ブサ男「スレ立てっと…」
ブサ男「へへ、何人釣れるかな?」
ブサ男「なになに、『ブサイク乙』」
ブサ男「『自撮りしてうp、できないならブサイク』」
ブサ男「くっそが!コイツらすぐうp求めやがって!!!」バンッ
兄「おいブサ男ー!飯できたぞ!」
ブサ男「ちっしゃーねえスレ放置してやろ」
元スレ
ブサ男「イケメンだけど質問ある?」ポチポチ
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1443358372/
兄「さあ、食おう」
ブサ男「は?サバの味噌煮かよ、俺これ嫌いっつったよね?」
兄「健康にいいんだから好き嫌いせずに食べろよ」
ブサ男「そういう問題じゃねーって!」
ブサ男「まずいし、骨刺さるし、こんなもんオカズにすんなよな!」
兄「ワガママ言うな。誰が飯作ってると思ってる?」
ブサ男「ほら二言目はそれだ!もう知らね、カップ麺でも食うわ」
兄「…ったく、お前のことを思って言ってるのに…」
ブサ男「俺はブサイクで何してもダメダメな高校二年生。おまけに性格も悪い」
ブサ男「両親は他界していて、現在は25歳の兄と二人暮らし」
ブサ男「兄は何かの仕事で働いている。収入はいいらしい」
ブサ男「でも俺は兄が大嫌いだ。何でもソツなくこなし、その上イケメン」
ブサ男「俺はブサイクなのに…」
ブサ男「なんでなんだよ!クソが…」
ブサ男「まあ、金稼いでもらって家事もしてくれるから許してやってるが」
学校
ガヤガヤ
ブサ男( はあ…学校だりぃ )
ブサ男( フン、馬鹿みたいに騒ぎやがってこの糞クラスメートが )
ブサ男「ぐっ!??」ドガッ
ブサ男「ゲホゲホッ…いて…」
取巻き「おはようブサ男くん?」
取巻き2「ナイス腹パン!w」
ブサ男( コイツら毎日毎日… )ギロリ
取巻き「ああん?なんだその目。ブサ男のくせに!」 ドカッドカッ
ブサ男「ぐっ…」
イケメン「おい、もうやめろよお前ら」
ブサ男「!!」
取巻き「あ、イケメン!」
取巻き2「だってさあ、ブサ男ナマイキだし」
イケメン「だからってこんなことするなよ。下らないよ」
取巻き「うーんイケメンが言うなら」
取巻き2「そういやイケメン!明日どっか遊びに行こうぜ」
イケメン「明日は予定があるんだよな」
取巻き「ええーまたかよ。イケメンバイトとかしてんの?」
ワイワイ
ブサ男「…」ポツン
ブサ男「やっと解放されたはいいものの」
ブサ男「イケメンの奴、なにいい子ぶってんだよ…」
ブサ男「アイツがいじめの主犯格に決まってる」
ブサ男「え?なんでかって?」
ブサ男「そりゃイケメンな奴は絶対チャラいし偉そうじゃん?」
ブサ男「なのにアイツ、皆にいい顔見せようとしやがって」
ブサ男「ヘコヘコしてる取巻きの奴らに俺をいじめさせてるんだ」
ブサ男「きっとそうに決まってる。イケメンまじでムカつくぜ…」
昼
ブサ男( 飯か…今日もボッチ飯… )
ブサ男「って、弁当忘れた!クソ、兄貴の野郎ちゃんと渡せよ!」
ブサ男「…パン買いに行こう」
ー 購買 ー
ザワザワ
女子「きゃあ!イケメンさんだ!」
女子2「今日もかっこいい~」
女子3「お近付きになりたいわぁ」
ブサ男( けっ糞女共。アイツのどこがいいんだよ )ギロ
女子「うわ、ブサイクな奴に睨まれたんですけど」ヒソヒソ
女子「キモ、早くいこっ」ヒソヒソ
ブサ男( クソが!みんなイケメンばっかチヤホヤしやがって… )イライラ
ドンッ
ブサ男「!」
イケメン「あ…ブサ男くん…」
ブサ男( ゲッ!最悪だ。イケメンにぶつかっちまった… )
イケメン「ごめんね、気付かなくって」ニコリ
ブサ男「…い、いえ」
ブサ男( くそコイツ、俺が低身長って言いたいのかよ… 腹立つ… )
ブサ男( それにしてもアイツの笑った顔… )
ブサ男( なんか気味悪いんだよなぁ、目が笑ってないっていうか )
ブサ男( まあどーでもいいが )
キーンコーンカーンコーン
ブサ男「ふう、やっと学校終わったぞ」
ブサ男「帰って2chでもするか」
いじめっ子「おーいブサ男くん?」
ブサ男「な、なななに?」ビクッ
いじめっ子2「掃除当番変わってくれなーい?」
ブサ男「え…でも俺、帰りたいし…ボソボソ」
いじめっ子「なんてー?聞こえなーい」
いじめっ子2「変わってくれるよな?(威圧」
ブサ男「えっ…う、うん」
いじめっ子「やりー!!頼んだぞ!」
いじめっ子2「ブサ男ってほんま便利w」
ブサ男( コイツら殺す殺す殺す殺す )
ブサ男「くそっなんで俺が掃除なんか…」
ガラッ
委員長「あれ?ブサ男くんまだいたの?」
ブサ男 ( い、委員長さん! ) ドキッ
ブサ男「え、えっと、そそ掃除してて…」
委員長「あっそうなんだ!」
委員長「じゃあはいこれ、教室の鍵。終わったら閉めてね!」
委員長「本当は手伝いたいんだけど…部活があるから。ごめんね?」
ブサ男「あ、いいいえ!そんな、あっあの鍵…閉めときます」
委員長「うん!ありがとー!」ニコリ
ブサ男( 天使だ…… )ドキドキ
ブサ男 ( 委員長さん、学校1美人でスタイルのいい学校のアイドル )
ブサ男( しかも俺みたいな奴にも優しく話しかけてくれる )
ブサ男( はあ、付き合いたい )
ブサ男( つか、あんなに優しくしてくれるってもしや俺のこと…?) ニヤニヤ
女子「なにあいつ一人でニヤニヤしてる」
ヒソヒソ
女子2「キモ…」ヒソヒソ
ーーーーーーーーーー
ブサ男「兄貴、小遣いちょうだい」
兄「ダメだ。昨日あげたばかりだろ?」
ブサ男「ちっなんだよ。いっぱい稼いでんだからくれよ」
兄「おまえは金づかいが荒すぎる。ちょっとは我慢しろ」
ブサ男「くそっゲーム買えねーじゃん」
イライラ
兄「バイトとかしてみたらどうだ?」
ブサ男「は?しんどいじゃんなんで俺が働かないといけねーんだよ!」
兄「ったく、おまえって奴は…」
兄「そういやブサ男、明日俺仕事で家あけるからちゃんと飯くっとけよ」
ブサ男「またかよ」
ブサ男「つか兄貴なんの仕事してんの?」
ブサ男「しょっちゅう家あけてさ」
兄「え?…うーんまあ忙しい仕事なんだよ」
ブサ男「ふーん…まあどうでもいいけど」
兄「どうでもいいのかよ」ハハハ
ブサ男( 兄貴の笑った顔 )
ブサ男 ( イケメンといっしょでなんか不気味なんだよな )
ブサ男( いや、でもどこか違うな)
ブサ男( イケメンのは悲しそうだけど、兄貴のはなんか冷酷な感じ?)
ブサ男「ってどうでもいいんだよ。野郎の笑顔なんて」
ブサ男「それにしても可愛かったなあ、委員長さん…」
ーーーーーーーーーーー
ザワザワ ガヤガヤ ペチャクチャ
ブサ男「チッ…今日はいつも以上にうるさいぜ。クラスメートの奴ら…」
ブサ男「あーもう、屋上で食べよう…」
ー 屋上 ー
ブサ男「お、人いない。ラッキー」
ボソボソ
ブサ男「!」
ブサ男「話し声…誰かいる?」
ブサ男「!!!」
ブサ男「あそこにいるのは…委員長さんとイケメン!?」
ブサ男「二人でなにして…」
ブサ男「とにかく隠れないと!」ゴソゴソ
ブサ男「ここなら二人の会話が聞こえる…」
イケメン「どうしたの?委員長さん」
委員長「あ、あの」
委員長「好きです!付き合ってください!」
ブサ男「 」
イケメン「えっ、俺と?」
委員長「う、うん。あのダメかな…?」
カアァ…
イケメン「ごめんね。俺、今彼女とか考えてなくて…」
委員長「そうなの…?」シュン…
イケメン「うん、本当にごめん」
委員長「ううん…確かにショックだけど」
委員長「わたし諦めないよ?だから、まだ好きでいていいよね?」
イケメン「うん、もちろん。ありがと」
ニコリ
委員長「えへへ…」
ブサ男 ( …… )
ブサ男 ( おい、嘘だろ……?)
ブサ男( 委員長さんが…イケメンのこと…)
ブサ男( あああああああ!!!イケメンのヤロおおおおおお )
ブサ男( 糞が、しかもいっちょろまえに振りやがって!!! )
ブサ男( 今すぐぶっ殺してやりたい…) ハアハア
ブサ男( いやいや落ち着け俺 )
ブサ男 ( たかが女取られただけじゃないか )
ブサ男( しかも委員長も結局は顔目当ての尻軽女じゃねえか…)
ブサ男( 落ち着け…落ち着け…)
ーーーーーーーーーーー
翌日
兄「ブサ男おはよう。昨日ちゃんと飯くったか?」
ブサ男「…食ったよ、うっせえな」
兄「なんだやけに機嫌悪いな」
兄「まあいいや、そういえばブサ男」
兄「おまえのクラスにたしか、イケメンって奴いただろ?」
ブサ男「イケメンがどうしたんだよ」
(クソ、今一番聞きたくねえ名前だ…)
兄「これ、イケメン君の筆箱。今日学校で渡してあげて」
ブサ男「え?」
ーーーーーーーー
ブサ男「はあはあ…間に合った…」
ブサ男「ったく、兄貴がいらない話しするから…」
ブサ男「イケメンの筆箱とかどうだっていいじゃねーか…」
ブサ男( ……ん?ちょっとまって…?)
ブサ男 ( なんで兄貴の奴この筆箱がイケメンのものだって分かったんだ?)
ブサ男( 名前も書いてないし… )
ブサ男 ( 絶対おかしいぞ。俺でも筆箱が誰のものか分からなかったのに!)
ブサ男( よく考えれば筆箱が道端に落ちてんのもおかしいし… )
ブサ男( もしかして、兄貴とイケメンは知り合いとか?)
ブサ男( …うーん接点が見当たらん )
ブサ男( 兄貴の奴、なにか俺に隠し事してるな…?)
体育
ブサ男「はあ…はあ…」タッタッタッ
ブサ男「くそ、持久走キツイ…」
ブサ男「あああもうダメだ」バタ-
教師「こらブサ男!!!これ位でへばってどうすんだ!!!」
ブサ男「もももう、しんどいです…」
教師「しんどいからって休むな!走れ!」
ブサ男 ( 糞教師が、お前も走れや… )
イケメン「あの……先生……」ゼエゼエ
教師「ん?どうしたイケメン」
イケメン「あの……体調悪くて、もう走れません……」ゼエゼエ
教師「大丈夫か?イケメン。顔が真っ青じゃないか!」
教師「保健室で休んでこい。一人でいけるか?」
イケメン「はい…行けます……」フラ
教師「しっかり休めよ」
ブサ男( なんだこの糞教師。俺と態度がかなり違うじゃねーか )
女子「イケメンくん大丈夫かなぁ?」
女子2「めっちゃ辛そうだっよね」
女子3「よく体調悪くなるよね、イケメンくん…最近は特に」
女子「ねー、なんか心配…」
ブサ男 ( ただの風邪だろ。おおげさだっつーの )
ブサ男 ( つかサボリじゃねーの?)
ーーーーーーーーーー
キーンコーンカーンコーン
担任「おいブサ男」
ブサ男「ななんですか?」
担任「イケメンが早退するらしい。荷物届けてやってくれないか?」
ブサ男「ええっお、俺がですか?」
担任「おまえ今日日直だろ?」
ブサ男「はい…」
担任「じゃあ頼んだぞ」
ブサ男 (さ…最悪だ… )
ブサ男「ちっアイツのせいで俺の貴重な時間が…」
ブサ男「まあいいやついでに筆箱も渡そう」
ー 保健室 ー
ガラ
ブサ男「失礼します…」
ブサ男( ちっ保健室の先生いねぇ。俺が渡さないといけないのか )
ブサ男「…あ、あのイケメンくーん」
イケメン「……」ボ-
ブサ男( ちっ、無視かよ。聞こえてんだろ)
ブサ男「お~い…イケメンくん…」
イケメン「!!」ハッ
イケメン「あ、ごめん!ぼーっとしてて」
ブサ男「え?…いやいいんだけど」
ブサ男「これ、イケメンくんの荷物。先生に言われて」
イケメン「あっわざわざごめん」
ブサ男( 全くだよ…自分で取りに来いよ)
ブサ男「あ、そうそう」
ブサ男「この筆箱、道に落としてたみたいだよ。兄が拾ったってよ」
イケメン「!?」
イケメン「え…その筆箱…」
ブサ男「?」
ブサ男「この筆箱がどうかした?」
イケメン「なんでそれをブサ男くんが持ってるの…?」
ブサ男「いやだから、兄が拾って俺に渡してくれって」
イケメン「今、兄って言った!?」
ガッ
ブサ男「えええっなになに」
イケメン「あっごめん、いきなり取り乱して…」
ブサ男( び、ビビったあ…)
ブサ男「俺そろそろ行くね。休み時間終わるし…」ソソクサ-
イケメン「ちょっと待って…あ、行っちゃった…」
ブサ男 ( なんだアレ超怖い急に肩掴んできてさ… )
ブサ男( 相変わらず目死んでるしなんなんだよアイツ )
ブサ男( 筆箱が一体なんなんだよ )
ブサ男( あーもう意味分からねえ ) モ ヤ モ ヤ
ーーーーーー
ブサ男「ただいま…」
兄「おかえりブサ男」
兄「今日は遅かったな」
ブサ男「コンビニで漫画立ち読みしてただけだよ」
兄「そうか、早く風呂入れ。湯冷めるぞ」
ブサ男「うん…」( イケメンのこと聞きたかったけど、どうしよっかなぁ)
兄「なんだ今日はやけに素直だなあ」
ピロ-ン
ブサ男( ん?ラインだ )
ブサ男( 俺にラインが来るなんて珍しい)
ブサ男( って、イケメンからじゃん!!)
ブサ男( なになに…?『話しがしたいから○○公園来れる?』)
ブサ男( 今日の兄貴の話しの続きか…?)
ブサ男( うーん正直今日のこともあって怖いけど気になるし…)
ブサ男( 行ってやるか)
兄「あれ?ブサ男出掛けるのか?」
ブサ男「うん」
兄「どこに?」
ブサ男「近くの公園。イケメンが話しあるみたいだから」
兄「イケメン君が…?」
ブサ男「そんな遅くならないから、行ってくる」
兄「ちょっと待て」
兄「もう時間遅いから、家でるな」
ブサ男「は?なんでだよ」
兄「夜だと不審者とか危ないだろ」
ブサ男「意味分かんねえ今までこんくらいの時間普通に出歩いてたし」
ブサ男「とにかく行くから」
バンッ ッ!!
ブサ男「!?」ビクッ
兄「家でるなって言ってるのが分からないか…?」
ブサ男「…」ゴクリ
ブサ男「な、なんだよ急にキレてさ。そこまで言うなら行かねーけど」
兄「それでいい。風呂入れ」
兄「あと今週の土日も家あけるからちゃんと風呂入って飯くっとけよ」
ブサ男「う、うん」
ブサ男( なんだよ兄貴の奴怖え)
ブサ男( イケメンの名前聞いた瞬間急にキレ始めてさ… )
ブサ男( とりあえずイケメンには行けないって送っとこ ) ポチポチ
ブサ男( 兄貴といい、イケメンといい、なんなんだよ)
ブサ男( やっぱし、兄貴とイケメンの間に何かあるのか…?)
ーーーーーーーー
翌日
ブサ男「はあ、昨日はいろいろ考えてて寝られなかったぜ…」
ブサ男「学校だりいなあ」
ブサ男「…?」
ブサ男「今日はやけに静かだな。クラスの奴ら」
ブサ男「なんか異様な雰囲気だし…」
ガラッ
ブサ男( あ、イケメンだ…昨日のこともあってなんか気まずい…)
イケメン「取巻き、おはよう」
取巻き「…」
イケメン「ん?」
イケメン「取巻きどうした?おはようって言ってるのに」
取巻き2「…」
イケメン「なんだよ。無視なんかして…」
取巻き「これどういうことなんですか~?イケメンくん?」ニヤニヤ
取巻き2「説明してくれよ」
イケメン「!!?」
ブサ男( んん?よく見えない…けど、なんかの写メみせてんのか?)
取巻き「いやあ、これ見たときは驚いたよ」
取巻き「まさかイケメンくんが整形だったなんてね」ニヤリ
ブサ男「!!?」
ブサ男「整形?イケメンが…?」
イケメン「…」
イケメン「なんでその写メを取巻きが持ってるんだ…?」
取巻き「俺の友達がイケメンくんの中学の同級生でさ」
取巻き2「この中学の卒アルの写真、クラスのツイッターに拡散しときましたw」
取巻き「惨めだなぁ」ゲラゲラ
クラスメート「ヒソヒソヒソ…」
イケメン「…」
ブサ男( そりゃ整形は引くしさー)
ブサ男( 超ざまあみろって感じだけど)
ブサ男( クラスの奴ら手のひら返しすぎじゃね…?)
ブサ男「…」チラッ
ブサ男( イケメンは何の反論もなしに机に突っ伏してやがる)
ブサ男( んだよ、マジでチヤホヤされたいために整形したのかよ…)
ブサ男( あーあ、アイツ人生逆転って感じだな。悪い意味での)
ブサ男( フン、ざまあみろってんだ…)
ブサ男(……)
回想
~~~~~~~~~~
取巻き「ああん?なんだその目。ブサ男のくせに!」 ドカッドカッ
ブサ男「ぐっ…」
イケメン「おい、もうやめろよお前ら」
ブサ男「!!」
取巻き「あ、イケメン!」
取巻き2「だってさあ、ブサ男ナマイキだし」
イケメン「だからってこんなことするなよ。
下らないよ」
~~~~~~~~~~~
○
ブサ男( ……)
ブサ男( 今思えば、俺へのいじめを止めてくれてたのはイケメンだけだった )
ブサ男( 本当にイケメンはいじめの主犯格なのか?)
ブサ男( いや、俺が決めつけてただけだ)
ブサ男( …… )
ブサ男( いやいや、同情なんて俺らしくねえ)
ブサ男( いいじゃねえか。嫌われの対象が俺からイケメンに変わるんだし)
ブサ男( 整形でチヤホヤされようなんて結局アイツは卑怯もんじゃねえか)
ブサ男( 気にしないでおこう)
ーーーーーーーー
翌日
ブサ男「待ちに待った土曜日だ」
ブサ男「今日は何しようかな」
ブサ男「そうだ、兄貴にドライブに連れてってもらおうかな」
ブサ男「って、兄貴は仕事か…」
ブサ男「兄貴といえば、筆箱の件すっかり忘れてた…」
ブサ男「イケメンの整形事件が衝撃すぎたな」
ブサ男「結局あの二人はどういう関係だったんだろ」
ブサ男「まあただの知り合いだろ。あんま深く考えないでおこう」
ブサ男「そうだ今日は一日中ゲームしよう」
ピロ-ン
ブサ男「ん?またラインだ」
ブサ男「って…またイケメンからだし!」
ブサ男「用件は……と」
ブサ男「え……?」
ーーーーーーーーーーー
イケメン「……」ガクガクガク
兄「今日呼ばれた理由はわかってるよね?」
イケメン「……あ、あの…」ガクガク
兄「チクろうとしたんだよね?ブサ男に。俺達の秘密を」
イケメン「……ゆ、許してください」ガクガク
兄「ダメだ」
兄「後でたっぷりお仕置きしてあげるから」
兄「大人しく待っててね?」
ーーーーーーーーーー
ブサ男「『たすけて』…だと?」
ブサ男「いきなりなんなんだコイツは」
ブサ男「助けてってなにが?…と」ポチポチ
ピロ-ン
ブサ男「うわ、返信はやっ」
『おまえのにいさんに』
『ころされる』
ブサ男「は…?」
ブサ男「殺される?俺の兄貴に?イケメンが?」
ブサ男「クソッ胸騒ぎしかしねえ…」
ブサ男『兄貴といるのか?』ポチポチ
『かんきんされてる』
『いまはどっかいってる』
ブサ男『警察呼んだ方がいいか?』ポチポチ
『けいさつはだめ』
『けいさつがきたってばれたら
なにされるかわからない』
ブサ男「クソ…ダメか…」
ブサ男『今からそっちいく。今どこ?』ポチ
ブサ男「……」
ブサ男「クソが!!!なんで既読がつかないんだよ!!」
ブサ男( まて、冷静になれ俺)
ブサ男( イケメンが監禁されてるってことは、兄貴の所有の建物…?)
ブサ男( てことは、あそこしかない)
ブサ男( 夏休みに一回遊びにいった、兄貴の別荘だ!)
ブサ男( あそこならそう遠くないし、チャリとばせばいける)
ブサ男( よし…待ってろイケメン…)
続き書きます
ーーーーーーーーーー
兄「なにしてんの?」
イケメン「あ…」ビクッ
兄「ふうん、ラインでブサ男を呼ぼうとしたわけ?」
イケメン「ごめんなさい…」ガクガク
兄「あーあ、ブサ男の奴は変に勘いいし、本当にきちゃうだろうな」
兄「余計なことしやがって」
バキッ
イケメン「携帯がっ…」
兄「まだ逆らおうとしてんだ?おまえは俺の奴隷のクセに」
ーーーーーーーーーー
キコキコキコキコ
ブサ男「……なんで俺がイケメンなんかのためにこんな…」ハアハア
ブサ男「あの二人に何があったか何も知らないのに…」ゼエゼエ
ブサ男「でも俺はイケメンが本気で危ないような気がするんだ」ハアハア
ブサ男「前から薄々感じてた」ゼエゼエ
ブサ男「俺の兄貴は、ヤバイ人なのかもしれない」
ーーーーーーーーー
ブサ男「ここか…」ハアハア
ブサ男「山の中で相変わらず気味悪いところだな…」
ブサ男「やっぱりドアはダメか、鍵がかかってる…」
ブサ男「となると…」
ブサ男「あの大きい窓ガラスをぶっ壊すしかないな」
ーーーーーーーー
ビシッ バシッ バシッ
イケメン「うっ……ぐっ…」
イケメン「痛いよっ…」
兄「うん?もう嘆いてるのか?」
兄「鞭打ちくらいで?」
イケメン「許してくださいっ…」
兄「許さないよ?こんなの序の口だし」
イケメン「お願いします、殺さないでっ」
兄「殺す…?」
兄「ははは、そんなことするわけないだろ?
すぐ見つかって捕まえられるだけだし」
兄「まあでも、おまえはもう売り物にするつもりもないしなぁ」
イケメン「え…」
兄「周りに俺のことチクろうとした奴をこれ以上飼っておけないしな」
兄「せいぜいおまえは俺のストレス発散道具として生きていてもらおうかな?」
イケメン「ヒッ…そんな…」ガタガタ
兄「さあ、次はこの拳で殴ってやろうかな」
コキコキ
イケメン( だ、誰かっ…… ) ギュッ
ガシャーーーーーーー ン!!!!
兄・イケメン「!!!?」
ブサ男「助けにきたぞおおおおおお!」
イケメン「ブ……ブサ男くんっ」
兄「チッ…」
ブサ男「おい兄貴…これがどういう状況か説明してくれよ!」
ブサ男「なんでイケメン拘束してんのか」
ブサ男「なんでイケメンは傷だらけなのか」
ブサ男「二人は一体どういう関係なのか!」
兄「……」
兄「フッ、分かったよ」
兄「すべて教えてやるさ」
兄「まずイケメン。コイツは身寄りのない捨て子だったんだ」
兄「一人では生きていけない奴だった」
兄「イケメンだけじゃない。俺は身寄りのない捨て子を各地から引きとった」
兄「なんのためにかって?」
兄「その子たちを商品にするんだ」
兄「つまり、身体を売るってことだな…」
ブサ男「!!?」
ブサ男「そんなの犯罪じゃねーか!!兄貴サイテーじゃねーの!?」
兄「おまえどの口が言ってる?」
兄「両親が死んでから、何不自由なく暮らしてきたのは誰のおかげだ?」
兄「俺はおまえに充分な奉仕をしてきたはずだが?」
ブサ男「っ…」(クソ、言い返せねえ)
兄「まあいい」
兄「当然、売り物は質が良いものでないと売れないだろ?」
兄「そこでだ」
兄「俺は中学生を卒業した子たちに整形手術を受けさせた」
ブサ男「!?…整形…」
ブサ男「まさかイケメンの整形って…」
イケメン「……」グッ
兄「ははは、そうだな」
兄「イケメン君は一番整形を嫌がってたねえ。懐かしいなあ」ハハハハ
イケメン「……」ブルブル
ブサ男( ヤバイ)
ブサ男( 俺の兄貴にイカれてる…)
ブサ男「やっぱ最低だよ兄貴は…」
兄「あん?」
ブサ男「そりゃ俺は兄貴のおかげで生活してこれた」
ブサ男「でもこんなやり方ってないだろ、いくら金が入るからって…」
ブサ男「第一、人間を商品とか売り物呼ばわりするとか最低だ」
ブサ男「兄貴はそんな人間だったのか…?」
兄「…なあ」ボソ
ブサ男「…え?」
兄「うるせえええええええなああああああ」
ブサ男・イケメン「!!?」
バキッ!!
ブサ男「グハァッ」
ブサ男「うぅ…」ゲホゲホ
イケメン「ブサ男くん!!!」
ブサ男「くそっ…離せ兄貴!!!!」
ジタバタ
兄「おまえみたいな厄介な奴は拘束しとくのが一番なんだよ」
ブサ男( …くそ、イケメンと同じように身動きできなくなってしまった…)
兄「ふう…なんだか今日は疲れたなあ…」
兄「おいおまえら」
ブサ男・イケメン「…」
兄「今日は俺はひとまず寝る」
兄「だが明日は覚悟しておけよ」
兄「半殺しにしてやるから」
ーーーーーーーー
ブサ男「……」
イケメン「……」
イケメン「ごめんなさい」
イケメン「巻き込んでしまって…」
ブサ男「巻き込んだもなにも」
ブサ男「俺の兄貴が悪いんじゃねえか」
イケメン「だけど…」
ブサ男「あー、それにしても信じられないな」
ブサ男「イケメンがそんな商売してたなんて…」
イケメン「……やっぱ引く?」
ブサ男「そりゃあね」
イケメン「……」
イケメン「どうしようもなかったんだ。生きるためなら」
イケメン「あの人の奴隷になるしかなかった」
ブサ男「……そうか」
ブサ男「女?男?」
イケメン「え?なにが?」
ブサ男「客の性別だよ」
イケメン「え?……どっちもだけど」
ブサ男「マジかよえげつねえ」
ブサ男「どういう技使ったりした?」
イケメン「……」
イケメン「普通そんなこと聞く?」
ブサ男「じ、冗談だよ。真剣に怒んなって」
イケメン「冗談キツイよ」
イケメン「こっちはどんだけ苦しんで…」
ブサ男「……ごめんごめん」
ブサ男「もう言わないから」
イケメン「じゃあこっちも言わせてもらうけど」
イケメン「ブサ男くんそんなキャラだったんだ。学校と全然違うよね?」
ブサ男「まあね。これが俺の本性だよ」
イケメン「学校でもそれをだせばいじめられなんかしないのに」
ブサ男「それができたらそうしてるっつーの」
ブサ男「まあ本性出したところで調子乗ってる奴ってウザかられるだけだし」
ブサ男「ブサイクだから」
ブサ男「イケメンはいいよな。イケメンで」
イケメン「ハハ…イケメンだなんて…」
イケメン「俺は綺麗な仮面かぶってるだけだし…」
イケメン「でもみんなはこの仮面が好きだったんだなぁ」
イケメン「まいっちゃったよ。俺の仮面の下を知ったらみんな離れちゃったし…」
イケメン「俺の中身を好きになってくれてた人はいなかったんだよな」
ブサ男( あ、だからなんだな)
ブサ男( イケメンが笑ったとき悲しそうだったのは )
イケメン「…で、これからどうしよう」
ブサ男「…だな」
ブサ男「とにかくこの縄を解いて身動きできるようにならないと」
イケメン「俺のはビクともしない。ガッチリ縛られてる」
ブサ男「俺のは頑張ったらなんとか解けそうだ」
ブサ男「兄貴興奮してたし、適当に縛ったのかも」ググ…
ブサ男「……痛ええ」
イケメン「だ、大丈夫か?」
10分後
ブサ男「やっと緩くなってきたぞ…」ハアハア
ブサ男「ふんぬううう」
イケメン「が、頑張って!」
さらに10分後
ブサ男「や、やっと解けたあああ」
イケメン「い、痛そう。縄の部分が血滲んでる…」
ブサ男「こんなん痛くねえよ。おまえの傷の方が痛々しいっつーの」
イケメン「そ、そうかな?」
ブサ男「さて、イケメンの縄も解いたところで」
ブサ男「この部屋からどう脱出しよう」
イケメン「ドアは鍵閉められてる」
イケメン「窓もないし、換気扇からも抜け出せそうにない…」
ブサ男「絶望的ってことか…」
イケメン「……」
イケメン「ねえブサ男くん」
イケメン「俺たち殺されちゃうかな?」
ブサ男「半殺しって言ってたから大丈夫じゃね?」
イケメン「大丈夫じゃないでしょ…」
イケメン「半殺しですんだとしても、これからずっと監禁されて…」
イケメン「そんなの死んじゃう」
イケメン「俺死にたくない…」
ブサ男「……」
ブサ男「さっきからさあ」
ブサ男「泣き言ばっかぺちゃくちゃ言ってんじゃねえよ」
イケメン「なっ…」
イケメン「ブサ男くんが落ち着きすぎなんだよ!」
ブサ男「こっちだって怖いわ」
ブサ男「でもやられっぱなしは胸糞悪いだろ?」
ブサ男「殺されるのが嫌なら、やり返せばいいんだよ」
イケメン「え?」
ブサ男「覚悟決めようぜ」
ブサ男「兄貴を殺そう」
イケメン「……!!」
イケメン「殺そうって…仮にもあの人はブサ男くんのお兄さんだろ?」
ブサ男「そんなこと知ってるわ」
ブサ男「でもそんなこと言ってられる場合じゃねーだろ」
イケメン「そうだけど…」
ブサ男「そうと決まれば武器を探そう」
ブサ男「そうだな、花瓶が丁度いい」
ブサ男「イケメンはそのでかいトロフィーを武器にしろ」
イケメン「う、うん…」
ブサ男「おまえはドア横で待機しとけ。そして兄貴が入ってきたら襲いかかれ」
ブサ男「俺はベッド下で待機しておくからおまえが仕留め損ねたとしても俺が仕留めにいく」
ブサ男「分かったな?」
イケメン「う、うん」
ブサ男「早速さっき言った場所に待機しよう」
ブサ男「もう明け方だし、兄貴がいつ戻ってくるかわからないからな」
イケメン「なんか緊張する…」
イケメン「それにしてもブサ男くん」
イケメン「なんでブサ男くんはそんなに冷静でいられるの…?」
イケメン「平然とお兄さんを殺す準備始めめるし…」
ブサ男「おまえ馬鹿か?」
ブサ男「俺だって兄貴の秘密知った時点で頭パニック状態だよ」
ブサ男「でも今はとにかく生きるために努力しなきゃいけないだろ」
イケメン「……うん、そうだな。その通りだよ…」
ブサ男「……」
ブサ男「おい、イケメン寝るなよ」
イケメン「うん、大丈夫起きてる」
ーーーーーーーー
ブサ男「今何時くらいだ?」
イケメン「8時くらい」
ブサ男「そろそろだな…」
イケメン「……」
ブサ男「なあイケメン」
イケメン「ん?」
ブサ男「兄貴もな、昔はあんな奴じゃなかったんだ」
ブサ男「きっと両親が死んでから変わってしまったんだろう」
ブサ男「俺はその当時物心ついてなかったけど」
ブサ男「それでも兄貴は俺をここまで育ててくれた」
ブサ男「こんなクズな俺を見放さず」
ブサ男「いつも俺のことを考えてくれてて」
イケメン「……」
ブサ男「俺にとっては親であり兄であり、たった一人の家族なんだ」
イケメン「……」グスッ
イケメン「うっ……うえっ」
ブサ男「ちょっ…」
ブサ男「なに泣いてんだよおまえ!」
イケメン「だって…俺のせいで…」
イケメン「ブサ男くんは…大事な家族を殺すことに…」グスグス
ブサ男「だからって泣くなよ…男のクセに」
ブサ男「つか何も殺さなくても、動けなくすりゃいいだけでさ」
ブサ男「そんな真正面に言葉受け止めなくてもいいだろ…」
イケメン「だったら最初からそう言ってよ!!」
ブサ男「んだよ、怒んなよな…」
ドスドス…
ブサ男・イケメン「!!!」
イケメン「きっきた……?」
ブサ男「ああ、兄貴だ。しっかり構えとけ」
ドクン ドクン ドクン
バンッ
兄「おい、大人しくしてたか…」
兄「!!!」
イケメン「やああああああ」ブンッ
兄「フンッ!!」 ガシィッ
イケメン「ああ!?」
兄「へえ…いきなり襲ってくるとはね…」
グググ
兄「ほんとに鬱陶しいことをしてくれるな。
おまえらは」ギロリ
イケメン「うっ…やめっ…離せ!」
ブサ男( クソ!イケメンの奴あっさり捕まりやがって…)
ブサ男「うおおおおおおおお!!!」
バッッ
兄「!!!」
バキイイ
ブサ男「グハァッ」ズザッ
ブサ男( いってえ、あのクソ兄貴本気で殴りやがった…!)
ブサ男( 歯一本抜けたし…)
ブサ男( やべえ頭ぐわんぐわんする…)
兄「あーあ」
兄「マジでムカつくなおまえら」
兄「大人しく奴隷になってくれたら生かしてあげようと思ったのに」
兄「もう殺してしまおう」
イケメン「ヒッ……」
兄「さようなら、イケメンくん」
ググググ
イケメン「っ……」
兄「いいねえその顔」
兄「苦しみに歪んだその顔」
兄「一回首絞めで人を殺してみたかったんだよなぁ」
イケメン( ヤバイ息ができない )
イケメン( なにこれ、俺死ぬの?)
イケメン( あ……意識が……)
ガツンッ!!!
イケメン「げほげほっげほげほっ」
イケメン( お、俺助かった…?)ハアハア
兄「」バタンキュ-
イケメン「あ…倒れてる…」
ブサ男「ふう…なんとか間に合ったようだな…」
ブサ男「殴ったんだよ、兄貴を。トロフィーで」
ブサ男「おまえの首絞めるのに必死だったみたいだから、気付かれなくてよかった」
イケメン「……」プルプル
イケメン「ぶ…ブサ男くううううううん」
ブサ男「うわっまた泣くのかよ…」
ブサ男「つか、こんなことしてる場合じゃねえ!すぐここを離れるぞ!」
ブサ男「兄貴もいつ目覚めるか分かんねえし」
ブサ男「そんで後は警察におまかせだ!」
イケメン「きゅ、救急車も呼ぼう」
ーーーーーーーーー
ブサ男「ふう…ここまで来れば安心だろ…」
イケメン「…長かったね…」
ブサ男「ああ…ほんとだよ…」
ブサ男「あ…やべ」フラリ
バタ-ン
イケメン「ぶ、ブサ男くん!!?」
ーーーーーーーーーー
俺が病院で目覚めたのはその次の日だった
イケメンはめちゃくちゃ心配してくれてた
俺もイケメンも、特に体の心配はいらないらしい
兄貴はまだ入院中らしいが命に別状はないらしい。正直ホッとした
結局兄貴は児童売春罪・傷害罪・監禁罪で警察の御用となった。
イケメンの話しによると、精神病院の入院も考えられているらしい
兄貴のいう”商品”の子どもたちは、無事保護され施設に預けられた
ーーーーーーーーーーー
あの日から1カ月、俺たちの日常にも少しずつ平穏が訪れていた
そしてあの日以来、俺とイケメンは「友達」の関係になっていた
ブサ男「それにしても良かったなイケメン」
イケメン「なにが?」
ブサ男「整形のこと」
ブサ男「クラスの奴らに、おまえの意思で整形したんじゃないって疑い晴れただろ?」
イケメン「まあね…」
イケメン「でも結局、事件のことでさらにみんなと溝ができたけど」
ブサ男「別にいいじゃないか」
ブサ男「俺ら元々嫌われものなんだし」
イケメン( ほんと切り替え早いやこの人)
イケメン「まあでも平気だよ」
イケメン「ブサ男がいるし、1人じゃないから」
ブサ男「なんだよ気持ち悪いこと言うな」
イケメン「あはは」
ブサ男( あ、)
ブサ男( イケメンの奴、ちゃんと笑うようになったな)
ブサ男「そういや、精神病院から手紙が届いたんだよ」
ブサ男「兄貴から」
イケメン「えっ!?」
ブサ男「読む?読みたくないならいいけど」
イケメン「ううん、読むよ」
ガサガサ
イケメン「……」
ブサ男「笑えるだろ」
『おまえたちを』
『苦しめて』
『ごめんなさい』
ブサ男「たった三文だけとかw」
イケメン「うん…」
イケメン「それでも考えられないや。あの人が謝るだなんて」
ブサ男「今の兄貴にとってこれが精一杯なんだろうな…きっと」
ブサ男「俺はブサイクで何してもダメダメな高校二年生。おまけに性格も悪い」
ブサ男「これからバイトを始めようと思う」
ブサ男「勉強も頑張ろうと思う」
ブサ男「友達を大切にしようと思う」
ブサ男「兄貴とまた前のように暮らせるように、信じて頑張ります」
fin
151 : 名無しさ... - 2015/09/29 23:51:37 QT8 95/95これにて完結です
長引いてしまい反省してます
読んでくれた方、レスしてくれた方マジで感謝です