関連
【艦これ】提督「磯波、事件です!」磯波「はいっ!」【前編】
【艦これ】提督「磯波、事件です!」磯波「はいっ!」【中編】
【ライ・スルー・ワンス・ビーク】
深海アジト
ヲ級「ふ、ふふふ……恐ろしいものを作ってしまったぞ……!」
カチッ
ヲ級「ボクは空を飛べる」
フワッ
ヲ級「おぉー!大成功だ!」
スタッ
ヲ級「ふふふ、これであの三人を倒す!」
事務所
ミ゙ャァ~~!!
バタッ
提督「」
磯波「」
浜風「」
ピンポーン
ガチャ
雪風「こんにちは!!アイスください!!」
シーン
雪風「あれ?」
提督「」
磯波「」
浜風「」
雪風「えぇーっ!?」
提督「イシャヨンデイシャ……」
雪風「は、はい!」
ヲ級「よし、不用意なこと言う前に外すか」カチャ
レ級「おーい、なんか作ったのか?」
ヲ級「ん、そうだね……いや」
ヲ級(これをこいつに渡して、変なこと言われちゃ困るなぁ)
ヲ級「いや、何にも」
レ級「そうか。そろそろ偵察に行こう」
ヲ級「ああ、そんな時間かぁ」
…
ヲ級「いやぁ、今日も何事もなく平和だった」
レ級「そうだな」
ヲ級「……あれ?」
レ級「どうした?」
ヲ級「い、いや別に……」
ヲ級(あーあ、『ソノウソホント』を落としちゃったよ。ま、こんな広い海で誰かが拾うわけないし)
卯月「ぴょ~んぴょこぴょ~ん♪……ぴょん?何このくちばしみたいなの……拾っちゃうっぴょん!」
そんでもって事務所
コンコン
卯月「磯波ちゃ~~ん!」
「3人ならいないぞ」
卯月「ぴょん?」
磯風「私だ」
卯月「そーなのかぴょん。でも3人って?2人じゃないぴょん?」
磯風「知らんのか。浜風が新たに加わって3人になったのだ」
卯月「へー」
磯風「何の用だ?」
卯月「しれーかんに手紙を預かって来たぴょん!」
磯風「そんなもの郵送すればいいのにな」
卯月「そうぴょん!ぷっぷくぷー!」
磯風「ところでその変なのは一体何だ」
卯月「これ?知らないぴょん。くちばし?」カチャリ
磯風「くちばしだな」
卯月「可愛いぴょん!」
磯風「ああ……すごく、可愛い……///」ゴクリ
卯月「え?」
磯風「なんだろう、胸がドキドキしてきた……卯月……///」ドキドキ
卯月「ウソぴょん!?」
磯風「ああ、嘘だ」キッパリ
卯月「ほっ、よかった」カチャッ
磯風「3人はどこに行ってしまったんだろうな」
卯月「う~ん、ここのお隣の鎮守府に行ってみるぴょん」
隣鎮守府
榛名「ああ、3人なら病院です」
磯風「何かあったのか?」
榛名「なんでも倒れたとかで、雪風ちゃんが見つけたんです」
卯月「ぷっぷくぷ~~、これじゃあ手紙渡せないっぴょん!」
榛名「手紙って?」
卯月「これぴょん!中はまだ読んでないけど」スッ
榛名「へぇ……渡しておきましょうか?」
卯月「でも直接渡せってしれいかんが言ってたぴょん」
榛名「そうですか。それじゃあ、戻るまでここにいたらどうですか?」
卯月「そうっぴょん!暇ぴょん!」
磯風「それなら遠慮なく」
…
榛名「ところでうーちゃん、そのくちばしは?」
卯月「これぴょん?」カチャ
磯風「ああ、どこで拾ったんだ?」
卯月「来る時に拾ったぴょん」
榛名「へぇ、カワイイですね!」
磯風「ああ」
卯月「ぴょん!しっかし、どーして3人は倒れたぴょん?」
榛名「それが、原因不明らしくて……」
磯風「そりゃまずいんじゃないのか」
卯月「早く帰ってくるといいぴょん」
ガチャ
提督「どうも、面倒をかけましたね」
磯波「はい、この通りすっかり良くなりました」
浜風「雪風のおかげです」
雪風「えへへー///」
榛名「まあ!よかったですね!」
磯風「浜風!」
浜風「あれ、磯風?どうしてここに」
卯月「……ぴょん」
卯月(さっきからなーんか変だっぴょん……)
榛名「ところで、うーちゃんが手紙を持ってきているそうですよ」
卯月「あ、これぴょん!」スッ
提督「どれどれ……えぇ?」
磯波「何が書いてあるんですか?」
提督「いやぁ、そのう……」
卯月「え?何が書いてあるぴょん?」
提督「あー、それはちょっと、そちらの司令官に連絡を取ってからに。事務所くる?」
卯月「行くぴょん!」
磯風「私も行くぞ」
ドタドタ
榛名「皆様またね~」フリフリ
またまた事務所
提督「ほんだらばちょいと失礼して私は電話を。ゆっくりしていきなさい」
卯月「はぁ~いっぴょん」
磯風「邪魔させていただく」
浜風「久しぶりね磯風」
磯風「ああ、以前締め出されて以来だな」
浜風「……あれはちょっとね」
磯風「わかってる、うちの司令だろ……」
磯波「だって、意味不明だよ」
磯風「意味不明だよなぁ……うちの司令」
卯月「こっちの司令官も意味不明っぴょん!人前じゃ絶対喋らないっぴょん!」
磯波「あ、そういえば単冠湾だったね」
卯月「ぴょん!」
磯波「さっきから気になってたんだけど、その可愛いくちばしは?」
卯月「もう!3回目っぴょん!道中拾ったんだっぴょん!」
浜風「カワイイですね」
磯波「うん!」
卯月「うーちゃんは元々可愛いっぴょん!」
浜風「ええ……その通りです……」
磯波「可愛い、よね……」
磯風「うん……」
卯月「な、なーんちゃってぴょん!」
磯波「なんちゃってだなんて、そんなことないと思うな、可愛いと思うよ」
浜風「ええ」
磯風「まあかわいい系だな。ちょっと羨ましいが」
卯月(さっきと反応がぜーんぜん違うっぴょん……)
浜風「磯風はどちらかといえばカッコイイ系かな」
磯風「……私も女の子だから、可愛い方がいいし」ムスー
卯月「カッコイイといえば、ここの司令官もとってもカッコイイぴょん!」
磯波「そう!そうなんです!カッコイイんですぅ~~♪」
浜風「……」ハァ
磯風「まぁ、なかなかだよな」
提督「私の噂話でも?」キラキラーン
卯月「!?」
磯波「ひゅぃっ!?にゃ、にゃんでもないでしゅ……///」
浜風「え、ええ……?こんなんだったっけ……?」
磯風「訂正しておく、超イカすな」
卯月(やっぱりさっきから言ってる事が本当になってるような気がするぴょん!ひょっとしてこのくちばし!?)
卯月「なーんて、うっそぴょ~ん!」アセアセ
提督「ええ?」
浜風「あ、戻った」
磯波「あれ……」ジー
提督「なんですか、なんか顔についてる?」
磯波「……///」
提督「?」
浜風(さっきのは磯波視点?)
磯風「まぁ、それなりだな」
提督「人の顔の噂話はあんまり褒められたものじゃないですよ」
卯月「ふぃ~……」カチャッ
卯月(でも、これって、ひょっとして、とんでもなくものすごい物っぴょん!?)
卯月(……これはもしかして、すんごい物っぴょん!)カチャ
卯月「次の瞬間、深海棲艦はみーんな消えちゃうぴょん!」
磯波「ええ?」
どっかの司令部
「閣下!深海棲艦の反応が突如として消えました!」
「にゃ、にゃにぃ~~~!?」
「なんかわからんけど勝った!バンザーーイ!!」
「我々の勝利だー!!」
卯月「なんて、流石にそんなうまくはいかないぴょん」
「閣下、深海棲艦が復活しました!」
「チクショーーー!!」
浜風「そうですよ。そんな簡単に深海棲艦がお陀仏してくれるならみんな言ってます」
磯風「ああ、だな」
卯月「ぴょん」
卯月(やっぱり小さなものから試していくっぴょん)
卯月「アイスクリーム、カモン!」
提督「おや、私がアイスを出そうとしたってどうしてわかったんですか?はい、どうぞ」スッ
卯月「あ、ありがとぴょん……」
磯波「わあ、アイス♪」
提督「皆さんの分ありますよ」
浜風「最近アイスを常備してますけど、どうしてですか?」
提督「別に、気まぐれですよ。ええ」ニヘラ
浜風(やましいこと考えてるって顔だ……)
提督(アイスを頬張る雪風ちゃんもさることながら、たまについてくる初霜ちゃん……見るだけなら浮気じゃないよね☆)
提督(いやもちろん磯波がアイス舐めてるのとか浜風の胸に滴るクリームとか、ええ、言うまでもありません)ニヤニヤ
なんかロリコンが悪化してる提督であった。なんでだ。
磯波「……」ジトー
浜風「……」ジー
提督「なんですか、その目は」
卯月(今のは……偶然?それともこれの効果?わからないぴょん……)
磯風「うーちゃん、さっきから様子がなんか変だぞ」
卯月「え?そうかな……」
磯風「ああ、いきなり深海棲艦がどーたらとか……」
卯月「ふと思っただけぴょん」
磯波「さっきから、ジロジロ目線が変だと思ってたんですよ」
提督「なにをおっしゃる、変なとことか見てません!」
浜風「誰も、『変なとこ』とは言ってませんが?」
提督「え、ちょ、え」
プルルルル
提督「あ、待って、電話がプルルルって鳴ったから、うん」ガチャ
磯波「……」ジトー
浜風(まさか、二人で強く迫ったことによって提督のロリコン本能が目覚めさせられてしまったというの?)
提督「えー……巨大ロボですか、港で暴れてる?そりゃどうしようもないでしょ」
磯波「まさか、あの巨大ロボットですか!?」
提督「ええ、またみたいですよ」
浜風「……はぁ?」
磯風「巨大ロボ……私の紛い物もいたということだ、ありえなくはない」
卯月(何言ってんだこいつらぴょん)
港
ヲ級「くっくっく……ついに復活の時が来たぞ!58号改!」
ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!
ヲ級「はーっはっはっはー!特に作戦はないけど暴れてやるぞ!」
(「゚皿゚)「 ガオー!!
ワーワーキャーキャー
大和「嫌です!また潰されるもん!」
七光提督「困ったなぁ……困ったなぁ……」オロオロ
隣提督「もうダメじゃあ!おしまいなんじゃあ!」
霞「諦めるな!だらしないったら!!」
隊長「そうだ、あんたたちが諦めてどうする!」
あきつ丸「ロケット砲も通らないであります!」
翔鶴「航空隊の攻撃も歯が立たないわ」
瑞鶴「んもぉ~~~!どうすりゃいいのよぉ~~~~!!」
榛名「榛名、出ます!」
如月「待って!一人で立ち向かっても……」
榛名「いいえ!艦娘は負けるとわかっていても、市民を守る防壁とならなくてはならないんです!」
霧島「榛名、流石ね」ジーン
如月「ジーンじゃないでしょ」
榛名「榛名!いざ、出撃します!!」ザッ
ズザァァァァァ
あきつ丸「よーっし!久々の出番、榛名殿に続くであります!カロ艇部隊!」
「おーーーーーっ!!」
ザァァァァァァ
ヲ級「ふっふっふ、何人来ようと同じだ!よーし!58号改の実力を見せてやるぞ!」
ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!
ヲ級「ロケットパンチだ!」
( ゚皿゚) ==== ∑つ シュゴッ
榛名「危ない!」サッ
あきつ丸「全員回避!」サッ
「はっ!」サササッ
ヲ級「あ、避けられた」
シュゴゴゴゴ
大和「あれ?なんか飛んでぶへっ」バビュン
如月「あ、やm……飛んでっちゃった」
瑞鶴「大和のことなんかいいよ。それよりあいつをどうするか考えなきゃ!」
霞「でも、どうすれば……!」
翔鶴「うぅ……わからないわ……」
提督「またしてもヲ級のようですね」
七光提督「遅いよ広川くん!」
隣提督「怪獣退治専門家だろ!」
提督「そいつはM78星雲の連中に頼んで欲しいですな」
磯波「で、状況は?」
霞「榛名と憲兵隊の連中が突撃を仕掛けているところね」
浜風「ホントに巨大ロボだ……」
磯風「驚きだな」
卯月「う、うそぉ……」
ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!
榛名「たぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!勝手はぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
あきつ丸「行っけぇぇぇぇぇでありますぅぅぅぅぅぅ!!!」
榛名「榛名がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ヲ級「来るかぁぁぁぁ!!!」
榛名「許しませぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」ブンッ
ゴキャッ
ヲ級「うわっ」
(;゚皿゚)
あきつ丸「あら」
「うわーいたそー……」
榛名「」ブクブク
あきつ丸「は、榛名殿の腕が……反対に曲がってるであります……」
「ひえっ」
ヲ級「あ、あの、大丈夫?」
あきつ丸「命に別状はないかと……でも泡吹いて気絶してるであります。榛名殿を港まで」
「は、はい!」ダキッ
(;゚皿゚) ガオー……
あきつ丸「気を取り直して……さあ!榛名殿の仇!よじ登って引きずり下ろし、袋叩きであります!」
「おおおおお!!!」
ヲ級「そうはいくか!薙ぎ払え!58号改!」
ヽ(゚皿゚)ノシ ガオー!!
ボコスカドタバタ
提督「んー、ダメそうですね」
隣提督「そんなこと言わんとさぁ、なんとかならないものかね」
提督「前回と違って不意打ちもできない以上、手詰まりとしか言い様がありません」
磯波「何も、手立てはないのでしょうか……」
卯月「あるっぴょん!」
提督「え?」
霞「何か手があるのうーちゃん!」
霧島「教えてうーちゃん!」
卯月「これっぴょん!」スッ
磯風「これは、さっきから持ってたくちばしじゃないかうーちゃん」
隊長「こんなものに何か秘密が隠されているのかうーちゃん」
磯波「どういうことなのうーちゃん!」
七光提督「教えてうーちゃん!」
提督「お願いします、うーちゃん」
浜風(うーちゃんがゲシュタルト崩壊してきましたようーちゃん)ガビーン
卯月「これはきっと、言ったことが本当になるくちばしぴょん!」
如月「それは本当なの、うーちゃん」
卯月「本当ぴょん!こいつをつけて、うーちゃん出撃するぴょん!」カチャ
霧島「それなら、みんなでうーちゃんを援護よ!」
「おー!!」
提督「みなの武運を祈ります!」
あきつ丸「ダメだったぁ……であります……」バタンキュー
「退却~~~!」
ヲ級「ふはははは!ちょっと顔面に2、3発もらったけど、なんとかなった!」
ヽ(゚皿゚)ヽ ガオー!!
霧島「そこまでよ!」
霞「これを見なさい!」
ヲ級「ふっ、何人かかって来ようが同じ!……ってそれは!?」
卯月「知ってるのかぴょん!?」
ヲ級「ああ、知ってるとも」
卯月「どーいうものか説明するぴょん!」
ヲ級「そいつの名は『ソノウソホント』。それを着けてついた嘘、つまり言ったこと全てが現実になる道具。しかも無制限!」
卯月「そいつはどーもっぴょん。それじゃあ嘘つかせてもらうっぴょん!」
ヲ級「やめて」
卯月「巨大ロボは宇宙の彼方にブッ飛ぶ」
(;゚皿゚) ガッ!
バシューン
ヲ級「うわぁ!」
ボチャン
ヲ級「そうか、ボクはブッ飛ばないんだな……チクショウ、せっかくコツコツと作り上げたのに……!」
卯月「さぁ、どうするぴょん?」
ヲ級「こうする!」ズガン
卯月「うっ!?」バキン
ヲ級「ふふ、壊してやったぜ。こんな危ないもん作るんじゃなかったよ全く」
磯風「大丈夫かうーちゃん!」
卯月「いたたた……顔が……くちばしに当たったから平気ぴょん」
霧島「でも、あなたが絶体絶命なことには変わりはありません」
ヲ級「それはどうかな!」ポチ
バシュッ
ヲ級「この脱出ロケットで逃げる手はずはしていたのだー!」
霞「こら!!逃げるなーー!!」
ヲ級「いーや、限界だ!逃げるねッ!」
シュゴゴゴゴゴゴゴ
キラーン☆
如月「はぁ、なんだかドッと疲れたわ……」
磯風「そうだな。とんだ騒ぎだった」
磯波「まぁ、一件落着でよかったです」
卯月「顔がヒリヒリするぴょん!痛いっぴょん!早く治したいぴょん!」ヒリヒリ
ところで、大和はというと。
ワーキャー!
「また怪獣が出たらしいぞー!」
「またかよ!」
メイレイン「物騒な町だなぁ……ん?」
シュゴゴゴゴゴ
ドゴォ
メイレイン「うわ!でっかい手が降ってきた!」
大和「」
メイレイン「あれ、なんか下敷きになってる……」
大和「」
メイレイン「……ペランペラン。あ!ひょっとして風呂敷とかかなぁ!」
大和「」
メイレイン「しめしめ、お洒落なの欲しかったんだ!もらってもいいよね、天からの授かりものだってことで!」
【ライ・スルー・ワンス・ビーク】終わり
小ネタ61
卯月「ところで、手紙はなんだったぴょん?」
提督「うーちゃん預からないかって手紙」
卯月「嘘ぴょん!?捨てられたっぴょん!?」
提督「うっそ~~!」
卯月「騙したなぴょ~~ん!!」
提督「はっはっはっは。実はこの券がついてましてね。ネズミ園にずっと行きたかったんでしょう?」
卯月「え!?どうしてそれを!」
提督「あなたの司令官から忙しいから代わりに連れて行ってやってくれってね。我々のチケットまでわざわざ用意して」
卯月「うぅぅ~~~しれいかぁ~~ん!」ウルウル
提督「それじゃあ、今日のところは泊まって明日、一日中満喫しようか!」
卯月「ぴょんっ!」ニコッ
浜風(この間の放送事故のイメージしかなかったけど、案外いい人なんだなぁ、無口の人)ホッコリ
磯波「浜風ちゃん!ネズミ園ですって!!」キャッキャッ
翌日めちゃくちゃ楽しんだ。
小ネタ62
ところで、舞鶴鎮守府
潮「むぅ~~~……!!」イライラ
漣「うわー、今日も荒れとるやん」
朧「最近はもうずっとこう」
曙「相当不満が溜まってるのね、クソ提督に」
漣「そんなら、どっか家出しましょうか」
潮「!」ピクッ
朧「そうだね、それがいいかもしれない」
曙「は、はあ?」
漣「ぼのっちゃんお留守番頼みますよ」
朧「そーいうわけなので」
潮「行きます!」
シュタタタ
曙「え、ええ!?それじゃあ私クソ提督と二人っきりに……」
翌日...
クソ提督「おろろろろろろ~~~~!!みんな家出しちゃったよぉぉぉ~~~~!!!」ビエー
曙「うん……」
曙(こ、こいつはほっとけないし……秘書艦の仕事投げるわけにもいかないし……)
コンコン
クソ提督「うん?まさかみんな!」
ガチャ
漣「た、ただいま……」
朧「……」
曙「どーしたのよその顔」
漣「ガチだった……」
曙「何が?」
朧「潮、本当に出て行ったよ」
クソ提督「えっ」
ガタンゴトン
メイレイン「へー、大変だねぇ」
潮「そうなんです、もう家出してやるーっ!て感じで」
メイレイン「まあまあ、人生色々経験しとかないと!」
クソ提督「えっ、なんで」
漣「それは、えーっと……朧!」
朧「……『生理的に無理』だって」
クソ提督「」
曙「無理矢理耳かきとかするからでしょーが……」
潮ちゃん、一体どこに行っちゃうの~~!?
小ネタ63
浜風「……」
磯波「……」
如月「あらぁ~」
初霜「えっと……」
磯風「なんで私まで……」
浜風「どうしてここに集められたか、わかりますか?」
初霜「全然わかりません」
磯風「説明してくれ」
磯波「提督のロリコンが悪化しているんです……」
初霜「それって元からじゃ……」
浜風「いえ、かつてないほどロリコンです」
磯風「語感いいな……じゃなくて!それが私たちに何の関係がある」
浜風「提督のロリコンとしての本能が私たちによって目覚めさせられ、洗脳の壁を乗り越え始めています」
磯波「つまり、このままじゃ浮気性になっちゃう!」
磯風「……え?だから私たちに何の関係があるんだ!浜風!お前ここに来ておかしくなったんじゃないか!?」
浜風「わからない人ですね」
磯波「こんなこともわからないなんて」
磯風「えぇー!?は、浜風!目を覚ませーっ!!」
初霜「つまりもう開き直ってハーレムを建設すればいい、そういうことですね?」
浜風「全然違います」
初霜「えっ」
浜風「全然違います」
初霜「二回も言わなくても……」
磯波「それじゃあ、結局提督がフラフラしてるだけだもん!」
磯風(ああ、私の知ってる浜風はもういなくなってしまったんだ……)シクシク
如月「発想を逆転させればいいのよぉ」
浜風「というと?」
如月「司令官をね、逆に私たちの共有物にすればいいの。うちじゃそうやってるわぁ」
磯波「……なるほどぉ」
磯風(お前が納得してどうする!)
如月「私の司令官って、周りのガードが堅いでしょ?もう一人は女の人、もう一人はおじいさん。となると?」
初霜「なるほど、そうなると広川中佐はうってつけですね」
磯風(何がうってつけだ!?)
浜風「やっぱりそちらの皆さんも、溜まって……?」
初霜「まぁ、ね……ふふっ」
如月「最近相手してくれないのよぉ~」
磯波「あ!でも最初は私だよ!?」
浜風「それはまあ。とにかくこれで解決ですね。考え方を変えればよかったのか」
磯風(なんか、とんでもない協定が目の前で結ばれた!司令、早く迎えに来て!横須賀怖いよう!)ガクブル
この後偶然通りかかった女提督にしこたま怒られた。
【読後焼却せよ】
とある海域、情報収集船
「今日のところはどうですか?」
「まずまずってところだな。交代しようか」
「はい。しかし、最近は見かけませんね、深海棲艦」
「そうだな。アメリカやヨーロッパが大変らしいが、こっちじゃそんな実感もわかないよ」
「ええ」
ビー!ビー!
「なんだ?」
「わかりません!爆発物の反応が突然!」
「深海棲艦か!?」
「いや……これは!?船内から!?」
ドォーーーン
…
司令長官「情報収集船が沈没。それも膨大なデータを持ったまま」
提督「深海棲艦の仕業ということでしょうか」
司令長官「いや、それは不明です。だが経験豊富な彼らがそんなヘマをやらかすとも思えません」
提督「……我々の中に、裏切り者がいるとでも言いたそうだ」
司令長官「まさにその通り。そこで君たちには伊号潜水艦を率いて沈没船の調査をしてもらいます」
提督「まだ調査には向かってないのですか?」
司令長官「そうです、実は送り込んだのですが、深海側も同じことを考えていたようでしてね」
提督「戦闘が始まったのですね」
司令長官「その通り、そしてようやく落ち着いたところです」
提督「わかりました、向かいましょう」
沈没地点
提督「さて、私も下の様子を見てきます」
磯波「お気を付けて」
提督「ええ。扶桑さん、その間指揮をあなたに一任しますのでよろしく頼みますよ」
扶桑「任せてください。総員警戒態勢!」
浜風「了解!」
望月「しっかし、大変だなぁ」
敷波「そうだね、事故だなんて。ついてないよなぁ」
ザァァァァ
提督「さて、大鯨さん。海上からの応援よろしくお願いします」
大鯨「……?わ、わかりました。がんばれー!」
提督「……海上からの援護をよろしくね」
大鯨「ああ、ああ!す、すみません///」
ザブン
伊19「あ!中佐なの!」
提督『やあ、どうも。調査はいかほど進んでる?』
伊19「タコを見つけたの!」
提督『そじゃないんだよな』
伊19「指示されていた箱は発見できたの!」
提督『結構。それじゃあ沈没の原因を探ります』
伊19「でもこの箱ってなんなの?」
提督『それは内緒』
…
伊168「やっぱり考えてもおかしいわ」
伊58「どう見ても中から爆発してるよ」
提督『ふむ……確かにね』
伊8「こっち!来て!」
提督『ええ?』
伊8「船首の方!」
…
提督『爆弾、ですね』
伊8「深海棲艦の物じゃない、これは人類の物」
提督『持ち帰るわけにもいかないので、写真を撮りましょう』
パシャッ
提督『……作業が終わり次第、爆破処分しときなさい』
伊8「え?わ、わかりました」
司令部
明石「写真だけではなんとも。でも心当たりはあります」
提督「なんですか?」
明石「中共です」
提督「まあありえなくはないですが」
明石「いえ、そういう意味ではなくて、ほらここ」
[MADE_IN_CHINE]
提督「あ、ほんとだ、MADE IN CHINEって書いてる……んなアホな……」
明石「つまりは大陸から密輸した。そして情報収集船は一部のお偉いさんしか知らない。eyes onlyな情報です」
提督「アイズオンリーねぇ……『読後焼却せよ』とでも言いますか」
明石「そうです。本来なら中佐なんかが知る情報じゃない、それだけ認められてるってことですよ」
提督「へぇ」
明石「……まあとにかく。調べたんです。高級将校をね。でも全員シロです」
提督「ふーむ……」
明石「しかし、この間の暗殺未遂事件、一人だけ取り逃がした人物がいます」
提督「ああ、確か会長とか」
明石「その人物は所属時の階級は大将。つまりこの事を知ろうと思えば知れる立場にありました」
提督「ニオイますなぁ」
明石「峯少将にも問いただしましたが、その辺りのことは本当に知らないようですね」
提督「それじゃ、彼について調べてください」
明石「もちろんです」
事務所
提督「……ただいまです。って寝てるか」
磯波「ぐー……」zzz
浜風「……」zzz
提督「ベッドで、寝ていればいいのに」ナデナデ
磯波「うぅん……提督?」
提督「おや、起こしてしまいましたね」
磯波「提督……何か隠していますよね?この間の任務だって、何にも知らされなかったし」
提督「重要機密ってヤツです」
磯波「それって、私たちにだって話すことができないんですか?」
提督「……」
磯波「提督、私はあなたの助手なんです」
提督「……そう、ですね。考えておきます」
磯波「……」
提督(でもね、磯波。なんとなーく、嫌な感じがするんですよ、今回ばかりは)
後日...
明石「ここで落ち合うはずでしたが……」
提督「……」
「やあ、どうも」
明石「あなたが、神風ですか」
神風「その通り。二代目だけどね」
提督「あなたが例の会長の情報を知っているんですね」
神風「ああ、こんなことしそうなのはヤツだけだ」
提督「教えてください、情報を」
神風「いいとも。だがその前に紛れ込んだねずみにご挨拶しなくてはな」
「!」
提督「磯波……どうしてここに」
磯波「……」
提督「なぜ来たんです」
磯波「……」
提督「はぁ、わかりました。神風さん、構いませんか?」
神風「いいとも。別に困りはしない」
提督「彼は何者なんですか」
神風「性根の腐った男さ。私のかつての上司で、とてつもないクズだ」
明石「ふむ……」
神風「私はずっと監視していた、確かにヤツの仕業だ。船に何かを仕掛けたのは間違いない」
明石「そこまでわかっていて、止めることはできなかったのですか?」
神風「その段階で止めることができなかったのは申し訳ない。後でなんなりと罰を受けよう。だがまだその時じゃない」
提督「そうですね、事件が終わってからでも遅くはない」
神風「おそらく船は本命じゃない」
提督「船は目的ではないのですか」
神風「ああ。きっと情報を深海棲艦に渡したかった、が、失敗した。艦娘が思わぬ反攻を見せたからな」
明石「恐るべき裏切り行為ですね」
神風「ヤツはどんなこともする男だ」
提督「じゃあ次の手を打ってきていると見ていいでしょう」
神風「ああ。間違いなくあんたたちが標的になる」
提督「ところで、とてつもないクズっていうのはどういう」
神風「ああ、別に艦娘たちが直接何かされたわけじゃない。ヤツは見るのが専門だからな」
提督「見るのが?」
神風「ああ。性的趣向っていうか、なんというか。他人の不幸に愉悦を感じる、気色悪いヤツだった」
提督「あまり感心できませんね」
神風「そうだな。そして私たち艦娘にその事を告発された。現にヤツは多くの助けられた命を見殺しにしている」
提督「……」
明石「そういった人が提督だったというのは、信じたくない話ですね……」
神風「私もそう思う。ヤツにきちんと処罰が為されなかったのが悔しい。助けられた命を見殺しにしたのは私たちも同じだ」
提督「しかし彼の策略です」
神風「……それでも、私の戦友たちは退役してすぐ自殺した。耐えられなかったんだろう、守るべき市民を見殺しにしたってことが」
提督「……」
神風「私はヤツに復讐をする。その為の情報だ」
提督「待ちなさい。人を呪わば穴二つです、私たちが必ず然るべき罰を与えます」
神風「邪魔をしないでいただきたいな。私たち艦娘は愛する者を殺した相手を許さない」
提督「……」
神風「退役して軍籍を離れたが、これは私の最後の任務だ。これが終われば黙って静かに暮らすよ」
提督「後継?親子?なーに言っとるんです。それよりも磯波、どうして来たんですか」
磯波「だって……私は提督の……」
明石「提督、彼女だって艦娘です。何をそんなに心配しているんですか?」
提督「いや、ちょっと嫌な感じがしてね。今回の事件は」
明石「……確かに、今までの事件とはちょっと毛色が違いますが」
磯波「たった、それだけですか?私は……」
提督「ん………………はぁ、わかりましたよ。このままほっとくとあの世にまで黙ってついてきそうだ」
磯波「え、し、死ぬんですか……?」ジワ
提督「言葉の綾よ、可愛いですね全く」ナデナデ
明石「……」ホッ
会長のアジト
会長「……」
「失敗したな」
会長「申し訳ありません……」
「これでは報酬は無し、だと言いたいのだがな」
会長「と言いますと……」
「今回ばかりは仕方あるまい。我々側の戦力が足りなかったのだ」
会長「私の見通しが甘いばかりに」
「顔を上げろ。貴様が謝る必要はあるまい」
会長「はい……」
「しかし、それだと肩透かしだな」
ピリリリリリ
会長「失礼、はい」ピッ
『私だ。司令官』
会長「!」
『ブラックボックスなら私が取ってこよう』
会長「……」
『海岸沿いの例の小屋だ』プチッ
会長「……どうやら、ブラックボックスは手に入りそうです」
「それは嬉しいお知らせだ」
司令部
司令長官「ブラックボックスには何が入っていた?」
隊長「両軍の行動の詳細、暗号文、交戦記録及び戦闘詳報など。いや、奪われなくてよかったですね」
あきつ丸「これを奪われたなら、向こう半年は情報が筒抜けでありましたね」
司令長官「うむ、危機一髪と言ったところであろう。準備が整うまで厳重に保管しておいてください」
あきつ丸「了解、自分たちに任せるであります!」
…
あきつ丸「ぐえっ……」ドサッ
神風(弱っ)
「うぅ……」
「やられたぁ……」
隊長「待て、貴様、どうして……!」
神風「私にはこのブラックボックスが必要なんだ」
隊長「お前……まさか……!」
神風「……これは私の務め。誰にも邪魔はさせん」
隊長「待て……!」
神風「すまないな」
タッタッタッタ……
翌日...
司令長官「すまん、ブラックボックスが盗まれてしまった」
提督「……多方、予想通りでしたよ」
明石「どういうことですか?」
提督「犯人は神風、違いますか?」
司令長官「そうだとも」
提督「彼女が盗む理由は二つ。復讐の囮か、はたまた我々に対する裏切りか。いずれにせよ一旦は向こうさんの手に渡るでしょうな」
司令長官「それはまずい!そこから深海棲艦へと流れたら……」
提督「ええ、危機的状況です」
明石「すぐに追いましょう」
提督「……ですが、場所がわからない」
明石「ああ、そうか……」
提督「ところで、私の助手の二人に昨夜から彼女をつけさせています」
明石「そういうことなら先に言ってくださいよ」
提督「まぁ、ヘマしてなければいいんですがね」
司令長官「二人を信じるしかない」
とある海岸沿いの小屋
神風「……」
会長「……まさかあなただったとはね」
神風「ブラックボックスはここにある」
会長「気が変わったのかね?」
神風「ああ、そうだ」
会長「ではそいつを渡してもらいます」
神風「ああ」スッ
会長「で、あなたの欲しいものは?」
神風「貴様の命だ」カチャ
ズガン!!
神風「が……な、なに……?」
会長「どうやら、私の方が一枚上手だったようだ」スタスタ
神風「ぐ……これは……深海棲艦の……」バタッ
会長「さらばだ、私の初期艦よ。く、ふっふふふふ……」クスクス
神風「……」
…
……
………
「待つんだ、早まるな!償いは出来る、きっと!」
「私たちのやったことは取り返しのつかないことですよ」
「もはや生きる甲斐は無い……」
「この追風、生きて恥を晒したくはありません……」
「待ってくれ、私を……置いていくな……私を……一人にしないでくれ……!!」
「彼女たちの絶望した表情、実に堪能させていただきましたよ」
「何を……」
「そして、あなたの表情もね」
「お前が、始めから仕組んで……司令官!」
「おやおや、そんな怖い顔で見つめないでください、たまたまですよた・ま・た・ま!」
「ぐっ……」
「それとも何か証拠でもあると言うのですか?」
「絶対に許さない……絶対に絶対に絶対に!お前が妹たちを殺した!!」
「く、ふっふふふふ……」
………
……
…
磯波「……起きてください、神風さん」
神風「はっ!あ、アイツは!?」
浜風「まんまとしてやられたようですね」
神風「そうか……私は……」
磯波「傷口は携帯修復剤で治しました。もう大丈夫だとは思います」
神風「……すまない、私の身勝手で、ブラックボックスを」
磯波「悔やむのは後です、今はあいつを」
神風「しかしどうやって……」
浜風「むぅ……」
磯波「原始的な手法で行きましょうか」
神風「原始的な……?」
磯波「走って追いかける!」ダッ
浜風「まだ遠くには行っていないはずですっ!」ダッ
神風「な!?ちょっと待ってくれ!」ダッ
ピリリリリリ
会長「はい」
『私だ。ところで、お前のもう一つの要求だったが……』
会長「はい、ある都市を爆撃してもらいたいのです」
『奇妙な男だ……なぜ自らの国の攻撃を望む』
会長「ひとえに愉悦のためでございます」
『……ふんっ。だがまあいいだろう』
会長「必ずや成功させるために、少しお膳立てをさせていただきます」
『必要はないが、一応任せよう。このヲ級ドーリットル、成功させて見せようじゃないか』
小ネタ64
会長とヲ級空母ドーリットルが悪巧みをしているが、それはちょっと一旦置いといて……
会長「なにっ!?」
ドーリットル「おいちょっと待てよ!」
夏だ!市民プールだ!駆逐艦だ!
提督「……なんで市民プール?」
磯波「はっきり言って、海も砂浜もうんざりです」
浜風「でも泳ぎたい!って時にはうってつけなんですよね。市民プールが!」
七光提督「あー、それがね。貸し切っちゃったから『市民』プールかっていうと微妙なんだよなぁ」
瑞鶴「じゃあ艦娘プールね」
赤城「プールといえば、遊び疲れた身体で食べるたこ焼きや焼きそばは美味しさもひとしおです!」ジュルリ
加賀「流石に気分が向上します」
無口提督「……」( ゚ー゚)( 。_。)
提督「さて、そうと決まれば。ですな」
明石「提督!これをつけてください!」
提督「?なんですかこれ」
女提督「私が頼んだ装置さ。これをつけなきゃお前には今すぐ出て行ってもらう」
提督「はあ、わかりました」カチッ
磯波「提督、水着どうですか……?」
提督「え?その、似合っビリビリ!?あらっ!?ビリッビリッ!?」ビリビリ
磯波「!?」
明石「そう、提督がちょっとでも駆逐艦に欲情すると!電流が走るんですよ!」
女提督「他の駆逐艦に被害が広がらないようにな」
球磨「えげつねークマ……」
提督「酷い!あんまりですよ!そんなのってありませんよ!」
浜風「だ、大丈夫ですか……?」
提督「え、ええ、大jまたビリまたビリまたビリ!どうしてビリ!」ビリビリ
女提督「まあ、大人しく過ごすことだ……くくく……」クスクス
七光提督「いやー、残念だねー広川くん。同情だけはするよ」
女提督「お前も付けるんだよ」
七光提督「」
提督「こんなの……酷すぎます……」ポロポロ
瑞鶴「うわぁ……」
球磨「ガチ泣きしたクマ……」
翔鶴「でもまあ、いつものことでしょう、ロリコンは」
瑞鶴「そっか。早速遊ぼう!」
熊野「たまには、こういったところもいいですわね」
女提督「恨むんなら自分のロリコンを恨むんだな、一郎くん」
提督「パワハラだ……」
磯波「提督ぅ、どうか気を強く持って……」
提督「ええ、大丈夫です……今度こそ……」
雪風「ちゅうさー!アイス買ってくーださい!」ギュッ
提督「また来た!また来た!ビリビリビリビリ!!ビリッ!!」ビリビリ
雪風「!?」
提督「……ぐすん」ショボーン
磯波「あーあ、すっかり落ち込んじゃった……」
浜風「可哀想な提督……」
浜風(…………でもよく考えたらそんなに可哀想でもないな。ロリコンだし)
卯月「行くぴょ~~ん!それぇっ!」ポン
初霜「えいっ!」ポン
朧「よーっし、それ!」バシッ
野分「あー!飛ばしすぎー!」ザブザブ
ワイワイキャッキャッ
隣提督「いや、微笑ましくていいものだ」
無口提督「……」(・∀・)
女提督「お前たち二人、いや三人もあの健全な大人二人を見習うんだな」
クソ提督「ぼのたんの水着……」ビリビリ
曙「なんで効いてないの!?」ガビーン
七光提督「あーあ、嫉妬は見苦しいよおばさん」
提督「そんなだから彼氏いないんですよ」
女提督「おば……私はまだ29だ!!」
七光提督「にじゅうく……ご、ごめん……本当ごめん!」アセアセ
提督「そ、そういうことは言うべきではありませんでしたね、すみません」アセアセ
女提督「やめてくれ……マジで……」
球磨「提督には球磨がいるクマ」ヨシヨシ
女提督「やめろ!」
最上「提督、ボクの水着姿どうかな?」イチャイチャ
ノンケ提督「すっごく素敵だともさ」ラブラブ
時雨「……」
漣「イチャラブだねーイチャラブだねー!」キャッキャッ
時雨「はっきり言って迷惑してるんだ」
漣「そう?素敵じゃない?」
時雨「あれを間近で毎日見せ付けられるんだよ。頭がおかしくなる」
漣「あー……それはちょっとなぁ。気持ち、わからないでもない」
時雨「曙、だね」
漣「素直になれないぼーのちゃんと変態ご主人様……そう考えると鬱陶しいかなぁ」
時雨「ねえ、入れ替わってみない?どっちが大変か比べてみようよ」
漣「……じゃ、入れ替わってみる?今度」
時雨「やってみようか、面白そうだし」
夕張「この魚雷型浮き輪、なかなか素敵でしょ」
如月「魚雷って太いわよねぇ~♪」
夕張「あ、ビニールのバリ?みたいなのがあるしおすすめはできないけど。切るよ、中」
如月「冗談よ!本気にしないで!」
喪女提督「うぅ……」
望月「早く来いよ」
喪女提督「だって、変じゃない?水着……」
扶桑「変なんかじゃありませんよ」
伊19「イクたちなんていつものスク水なの!」
伊168「そうよ。だから気にしないでもいいわよ」
羽黒「わ、私も行きますからっ」
名取「うん!提督もがんばろっ!」
喪女提督「よ、よーし……男ども、群がれっ!」
シーン……
望月「いや、それはねーよ、それは……あ、野郎ども。こいつどうよ」
七光提督「お、似合ってるじゃない!」
提督「なかなか素敵だと思いますよ」
無口提督「……」( ´∀`)bグッ!
隣提督「いいと思うよ。うん」
喪女提督「~~~~!!!///」
望月(まぁ、ビリビリはならないか、やっぱ)
ブラック司令「……なんで私まで」
天龍「いーじゃねーかいーじゃねーか堅い事は!」
若葉「マイクロビキニ……悪くない!///」ハァハァ
菊月「さ、流石に悪いだろ!早く着替えろ!」
若葉「ちぇっ」
ブラック司令「ふん、こんなくだらないことに巻き込みおって……ん?」
タ級「よっしゃー!遊ぶよー!」
ヨ級「流れるプールなんてあるんですね」
ブラック司令「ま、まさか……!?生きて!?」
球磨「ベアエルボー!!」ボガァ
ブラック司令「べっ!?」バタッ
天龍「く、球磨……何を……」
球磨「そんじゃ、クマ」ズリズリ
ブラック司令「」
天龍「……まあ、いいか!遊ぼっと!」
子日「今日は何の日?プールの日!」
多摩「プールサイドでひなたぼっこにゃぁ~」
潮「あ、子日ちゃん!」
子日「あっ!しおちゃん!と、そっちは?」
メイレイン「どうも、メイレインです」
子日「子日だよー!」
潮「ここに来てたんだね」
子日「うん!せっかくだし満喫しなきゃって!」
潮「よかったら一緒に行動しない?」
子日「やっほい!もっちろん!メイレインちゃんもよろしくねー!」
メイレイン「子日ちゃんって、楽しい子だね!」
潮「今日お弁当持ってきたの、見る?」
子日「お!いい……ね……」
大和「あ、どうも」
子日「しおちゃん、これって……」
潮「?風呂敷だけど?」
メイレイン「私の風呂敷だよ」
子日「……そっか!」
独提督「へぇー、これが日本のプールかぁ」
ビスマルク「さぁ、泳ぎましょうか!」
Z3「……水着、変じゃない?」
Z1「いいと思うよ、可愛いし」
Z3「そう……」
プリンツオイゲン「ビスマルク姉さま!一緒に泳ぎましょう!」
U-511「あう……」オドオド
探偵提督「あ!ゆーちゃん!」
U-511「少佐さん……」
磯風「こないだのか。久しぶりだな」
U-511「久しぶり……」
探偵提督「どうしたの?早く遊びに行きましょうよ!」グイッ
U-511「あうっ」
磯風「そう急かすなよ司令」
赤城「加賀!食べていいんですか!?」
加賀「ごめんなさい、赤城さん。財布は全部朝潮さんが預かってるんです」
龍驤「せやろそら。自分らじゃ財布すっからかーんになるで」
赤城「うぅ……残念です……お昼時まで待ちます……」
川内「そんなことより!誰が一番泳ぐのが速いか競争しない!?」
加賀「珍しい。あなたが夜戦以外に積極的になるなんて」
川内「いいじゃんどーだって!楽しまなきゃ損だし!」
龍驤「よっしゃ!この龍驤は手ごわいでぇ~~、抵抗が少ないから水の中もスイスイやで!」
川内「赤城さんと加賀さんに比べたら私も変わらないけどね!」
赤城「な!太ってるって意味ですか!それは加賀ですよ!」
加賀「えぇ!?どうしてすぐそういうこと言うんですか!
榛名「ぼんやり眺めているだけでも、楽しいです」
霧島「みんな素敵な表情ね」
朝潮「あの……お二人は遊ばないんですか?」
榛名「ああ、私たちは……」
霧島「一応、水着は来てきたんですけどねー」
榛名「見ているだけでも癒されますから、榛名たちは大丈夫です」
朝潮「それでは朝潮、みんなを眺めているお二人を眺めさせていただきます!」
榛名「え?ど、どうぞ……」
朝潮「……」ジー
榛名「……」
朝潮「……」ジー
霧島「……」
榛名(だ、大丈夫じゃないですこの状況!)ガビーン
那珂「あーー!焼ける!ダメ!やっぱり塗って!」
初春「なんでじゃ!なんでわらわなんじゃ!」
那珂「いいから!早く!早くしないと那珂ちゃんの玉の肌が!」
初春「それはわらわとて同じじゃ!そちこそわらわに日焼けどめを塗るべきじゃぞ!」
那珂「じゃあ、那珂ちゃんに先に塗ってくれたら塗ってあげる!」
初春「わらわが先じゃ!」
那珂「いやそこは譲れないよ!」
初春「よかろう、ならば勝負あるのみじゃ……!」
那珂「むむむ……!」
霞「どうでもいいけど、早く塗ったがいいんじゃない?あ、霰、手あげて」ヌリヌリ
霰「ん……くすぐったい……」
深雪「おいっちにーさんしっと!準備運動はバッチリしなきゃな!」
初雪「やだ……あつい……引きこもりたい……」
白雪「せっかく来たんですから」
叢雲「そうよ。あんたそればっかりね」
吹雪「そうだよ!ほらあそこ!」
提督「勝っても負けても恨みっこなしですよ」
七光提督「上等じゃない。僕だってスポーツは得意さ。負ける気はしないね」
吹雪「初雪ちゃんの好きそうな二人!」
初雪「……むふー」フンフン
深雪「お前、全くぅ……男はハートだぜ?」
叢雲「今回は深雪に同意だわ」
初雪「見た目が悪かったら、ハートとか関係ないし」
白雪「そういうこと言っちゃダメですよ、例え本当のことでも!」
深雪「お、男はハートだ!中身だ!絶対に譲らないからな!」
叢雲「白雪もさらっと酷い事言わないでよ!」
初雪「見た目がいいことに越したことはないし」
「「ぐぬぬぅ……!」」
あきつ丸「自分、監視員であります!」
敷波「大変そーだね」
あきつ丸「しかしまあ、海軍なのに溺れられちゃあ始末に負えないでありますがな!」
敷波「言われてみればそーかな」
あきつ丸「なので自分は悠々とゲームをさせてもらうであります~♪」
敷波「ふーん……あっ」
あきつ丸「むむ、なかなかの強敵!」カチカチ
「あきつ丸」
あきつ丸「今忙しいであります、なんであります……か……」
隊長「仕事、しようか」
あきつ丸「は、はひぃ!!」
ジュ~~
ソ級「もう焼きそば屋になった方がいっすかねぇ~♪」
ネ級「お料理も案外楽しいですねぇ!」
ヲ級「ボクは下手くそだから苦痛でしかないよ……」
レ級「金を稼ぎつつ、敵状を探れる……実に素晴らしい作戦だ!」
ソ級「そんなこと言ってないで、自分の店は大丈夫なんすか?」
ヲ級「心配ないさ、全自動たこ焼き器だからね」
ウィーン ジュー
ネ級「わぁ、ロボットアームがたこ焼きを」
ヲ級「ただし欠点があってね」
ソ級「なんすか?あむ」パク
ヲ級「所詮ボクが作った発明品。料理の腕もボク並みさ……」
ソ級「ぶえー!まずいっす!」
レ級「やっぱり、我が輩が焼こう……」
まあなんかそんな感じで、プールを満喫したそうな。
ていうか小ネタなのに長い!本編より長いんじゃないかこれ!
深海棲艦中部太平洋司令部
空母棲姫「……確かに、彼女の行動は行き過ぎたものだ」
駆逐棲姫「私たちの領域で勝手なことやられては困るんだよな」
空母棲姫「むぅ……しかし目的は何であろうか」
駆逐棲姫「知るかよ。どうにもチョロチョロとして鬱陶しくてね」
空母棲姫「他にも、部下の一部が不穏な動きを見せている」
駆逐棲姫「お前たちは自分たちの制御もできないのか?」
空母棲姫「全くもって、言い訳のしようがない。血の気が多くてな」
駆逐棲姫「場合によっては始末させてもらう」
空母棲姫「よかろう、それなりの補償もさせてもらう」
海岸沿いの駐車場
浜風「……あの車と見て間違いなさそうですね」
磯波「うん……それじゃあ、準備はいい?」
神風「待て、慎重に行こう」
浜風「いや、急いだほうがいいかも」
明石『みなさん、聞こえますか?』
磯波「あ、明石さん」
明石『見つけたみたいですね。車に発信機を付けましょう』
浜風「発信機?」
明石『スマホの裏側の旭日マークを剥がしてください』
磯波「……あ、剥がれた」ペラ
明石『これはを車に貼り付けるんです』
磯波「わかりました」ダッ
タッタッタッタ……
ブルタタタン!!
浜風「しまった、車が出る!」
神風「間に合うか!?」
磯波「とぉっ!!」バッ
ビタッ
ブゥゥゥン!
磯波「や、やった……」
浜風「上出来です磯波!」
神風(パンツが見え……え!?くまさんパンツ!?その年で!?)
会長「危なかった……もう少し気づくのが遅れていたら……」
司令部
明石「あ、成功したみたいです」
提督「流石は私の部下たちです」
明石「それじゃあ、憲兵隊の皆さん。モニターに表示されると思うので慎重に尾行を」
『了解』
提督「三人は今から私が迎えに行きます」
明石「はい、お気を付けて」
…
ブゥゥゥゥン
提督「……マズイな、追われてる」
小一時間後
明石「ええ!?提督が迎えに行ったはずなんですけど!」
磯波「そうなんですか?来なかったので、もう自分で帰ってきましたよ」
明石「っかし~なぁ。何の連絡もないんですか?」
浜風「ええ」
神風「……おそらく、途中で攫われたか、あるいは殺されたか」
磯波「えっ……?」
明石「考えられますね……」
浜風「滅多なことは言うものじゃありません」
磯波「そ、そうですよ、まさか、そんなはずありません」
明石「しかし、最悪の場合も想定しておかなくてはなりません」
神風「……おそらくまだ殺されてはいないだろう、だが時間の問題だ。急がなくては」
磯波「…………」
廃工場
提督「ん……ここは……?」
会長「お目覚めかね」
ドーリットル「……」
提督「あなたは……いつぞやの。お久しぶりですね」
会長「ああ、顔も見たくなかったがね」
提督「それに見慣れない顔もいらっしゃいますね」
ドーリットル「……」
提督「人類を裏切ったというわけですか」
会長「裏切ってはいない。ただ自分の欲望のために利用しているだけだ」
提督「そちらは?」
ドーリットル「こっちにとっても利になる物だったから手伝っているだけだ。こいつと一緒にするな」
提督「おやおや」
会長「お前に聞くべきことがある、といってもお前は何も話さないんだろうな」
提督「その通り、よくご存知で」
会長「だからお前はもう殺す、できるだけ痛めつけてな」
提督「なるほどね」
会長「冥土の土産に教えておこうか。私の計画を」
提督「是非とも聞かせていただきましょう」
ドーリットル「……」
会長「私は、いわゆる愉悦というものを嗜んでいる」
提督「愉悦ですか」
会長「そうだ。他人の不幸、絶望を嗜む高貴なる趣味さ」
提督「へぇ、高貴ねぇ……」
会長「神風はどうやら私のこの趣味が気に入らないらしい、私の命を狙っている」
提督「でしょうなぁ」
会長「愉悦によって、妹たちが自ら命を絶ったとね。まあそう仕向けたのは私だが」
提督「……」
会長「救難信号の情報をわざと遅らせるのは苦労したものだ」
提督「漂流者の死ぬ間際に到着するように仕組んだわけですか」
会長「その通りだ。日に日に希望を無くしていく彼女たちの顔は、それはもう美しかった」
提督「あなたが罷免された理由がよくわかりますな」
会長「罷免されたあとは、愉悦結社の会長となった。もっとも、もう私と数人の同志しか残ってないがね」
提督「お山の大将ってわけだ」
会長「……話を続ける。特に美しかったのは疾風だ。彼女は今度こそ活躍できると息巻いていたからね」
提督「ほう」
会長「結果的に何も出来ずに死んだ。自殺に立会いたかったものだ」
提督「訂正させてもらう箇所があります」
会長「なんだね?」
提督「疾風は死んではいませんよ。彼女は救い出され、今は引退艦娘として暗躍しています」
会長「……それは本当か」
提督「ええ。他の皆様方もサルベージされています。自殺は失敗に終わりましたね」
会長「クソッ!!クソッ!!舐めやがって!!!」グワッ
提督「おや」
会長「ま、まあいい……今度の計画で……」
提督「今度のって?」
会長「街をドーリットルに空爆させるのさ」
提督「そりゃ外患誘致ってやつですよ」
会長「私がやったなどと、一体誰がわかる?」
提督「私の仲間は優秀です、すぐにあなたを突き止めますよ」
会長「ふっ……」
提督「ところで街を空爆させて、一体何の得になるんです」
会長「教えよう。私の計画はだな、戦災孤児だ」
提督「戦災孤児?」
会長「その通り、戦災孤児の売春宿を作りたいのだ……」
提督「へぇ……それも愉悦とやらか?」
会長「最高に滾るよ……親を亡くした子供たちが自らの体を売って生計を立てる……愉悦とはそういうものだ」
提督「くだらない趣味だ」
会長「その為には金がいる、深海棲艦へのツテがいる。ブラックボックスは報酬として最適だ」
提督「だから情報収集船を」
会長「金を集めて施設を作らねば、ちょっとしたスパイスのための麻薬も手に入れたい」
提督「自分の性的趣向のためだけに大勢の人間を殺すのか。もっと大層な理念があると思っていたが」
会長「大層でなくて結構、私は私の思うがままに」
提督「ふっ、くくくく……所詮はチンケな小悪党だったか」クスクス
会長「……なんだと?」
提督「しょーもない、こんな事件は憲兵隊だけにやらせときゃよかった」
会長「私を、小悪党だって?」
提督「だってそうでしょう?私が携わったこれまで事件は、皆さん何かしら道理がありましたからね。でも……くふふ」クスクス
会長「何がいけないというのだ!」
提督「だって私たちがやってることは、あなたがセンズリこいてるのを邪魔してるようなものですよ?」クスクス
会長「ば、馬鹿にしやがって……!ドーリットル!」
ドーリットル「ぶふ、な、なんだ……?」
会長「もういい、やれ!!こいつの体をズタズタにしてやれ!!」
ドーリットル「あ、ああ……」
会長「お前がズタボロの体で発見されたとき、お前のお仲間はどう思うかな?楽しみだよ」
提督「あなたの思うような結果にはなりませんよ、絶対にね」
会長「クソ!!」
スタスタ
ドーリットル「さて、お楽しみはおしまいだな。ゆっくりといたぶってやろう」
提督「お手やわらかにお願いしますよ」
…
ブロロロロ...
明石『……発信機が動いた、移動しています』
隊長「なに?一体どういう……」
明石『わかりません。ともかく、さっきまでいた廃工場に向かってください』
隊長「了解。廃工場の調査が終われば、また追跡する」
神風「奴は何を企んでいるんだ……?」
隊長「さあな、どうせロクでもないことさ」
浜風「……」
磯波(提督……どうか無事でいて……)
ドーリットル「殺さないように痛めつけるというのはなかなか加減が難しいものだ。特に我々が人間を相手にするのならな」
提督「さぁ、早くやってくださいよ」
ドーリットル「そう慌てるな。急かすのは怯えている証拠だな」
提督「……」
ドーリットル「だが単純な方法でいい。まずは」スッ
ゴキッ
提督「がぁっ!」
ドーリットル「腕を反対に曲げるだけでな。左腕も」
提督「ぐっ……」
ゴキッ
提督「うげぁぁぁぁぁぁぁ……」
ドーリットル「この通りだ」
提督「う、うぅ……ふー……ふー……」ポロポロ
ドーリットル「泣くなよ、男の子だろう?」
提督「く……」
ドーリットル「右手を握って仲直りの握手だ」グシャ
提督「がっ……か、必ず……磯波たちが……」
ドーリットル「イソナミ?貴様の愛する艦娘か?よし、それならこれだ」
提督「の……のこぎり?何を」ビクビク
ドーリットル「結婚指輪だ。左手の薬指だったな確か」スッ
提督「あ……あぁ……」ブルブル
ドーリットル「さあ、何度目に落ちるかな」スッ
ギリッ
提督「いがあああああああああああああああ!!」ジタバタ
ドーリットル「ふむ、意外と頑丈だな」
ギリッギリッ
提督「あがああああああああああああああああああ!!!!」
ドーリットル「骨が邪魔だなぁ」
提督「や、やめろぉ……もうやめて……」ポロポロ
ドーリットル「もうちょっと頑張れよ、男なら……」
「いや、彼の言う通りだ」
提督「……?」
ドーリットル「な、貴様は……!」
「貴様を始末しにやってきたぞ、ドーリットル」
ドーリットル「レ級、タイドか!くそっ!航空隊!」
「貴様風情が私に敵うはずなかろう。それにこの距離」ガシッ
ドーリットル「ぐあっ……ぐ……」
「貴様の身勝手な行動は到底許すべきことではない」ググ
ドーリットル「おゆ……るしを……」
「貴様は彼がやめろと言った時、何と言った?たった今の出来事だ」
ゴギャッ
ドサッ
「君が噂の広川であるな。我が盟友たる妹のアルマトイから話は聞いておる」
提督「彼女からですか……?」
「大層ご執心のようだ。君を宿敵とでも思っているのかもしれない。本心は知らないがね」
提督「……」
「もうじき君の友人たちがここに来る。それまでの辛抱だ」
提督「なぜ、わかるのですか」
「我が名はタイド。潮を意味し、かつては時を意味した。潮の流れと時の流れを読むのは容易い。とでも言っておこう」
提督「深海流のジョークですか、呆れた」
「ふふ、もう会うこともなかろう。この出会いが互いにとって良い潮目になってくれることを祈る」
スゥ……
提督「き、消えた……」
隊長「誰かいるのか!……お前!」
神風「あんたは!」
磯波「提督!ここにいたんですね!ていと……!」
浜風「その腕は……」
提督「なかなか、コミカルだと思いません?」ブランブラン
磯波「ぐすっ、ふえぇ……提督ぅ……!」ポロポロ
ガバッ
提督「おっと来たもの。しかし抱きしめてあげられないのがツライ」
浜風「……こんなこと、一体誰が……!!!」
提督「その犯人は既に死にましたよ。どうも深海でもいざこざが起こってるようでね」
浜風「じゃあ残るは……」
提督「ええ、例の会長だけです。私は足でまといになるでしょうから、隊長、あとは頼みます」
隊長「わかった。神風はついてくるよな」
神風「当たり前だ。ますます奴を生かしておくわけにはいかない」
浜風「私も行きます。磯波、あなたは提督を」
磯波「……うん」グスグス
タッタッタッタ……
提督「泣き止みなさいって、ねぇ……磯波……」
磯波「提督こそ、涙の跡がついてますよ……」グスグス
ブゥゥゥゥゥ
明石『提督の方には今車を出しましたから。それと発信機の動きが止まりました』
隊長「どこだ?」
明石『それが、海の上に……港の方です』
隊長「……よし、この位置なら港から出よう。陸を車でぶっ飛ばした方が早く着く」
明石『了解、交通規制を行います』
浜風「……必ず……必ず」ブツブツ
神風「そういきり立つな、もっと落ち着いたらどうだ」
浜風「落ち着いていられますか?」ジロッ
神風「わかってる。だが私も焦って失敗したんだ。先輩の言うことは聞くもんだよ」
浜風「……すー、ふー」
神風「その意気さ」
浜風「やっぱり、ダメです」
神風「そうか、そうだよなぁ……」
船上
会長「……おかしい、ドーリットルのやつ何をぼさっとしているんだ」
ザザーン……ザザーン……
会長「それに、ブラックボックスを渡す相手も見当たらない……ん?あれか?」
ザザァー
会長「間違いない、深海棲艦がこっちに向かっている」
「会長、侵入者です!」
会長「何!?」
「どわぁ!」
ドタバタ
会長「く、くそっ!連中が来るまで時間を稼ぐしか!」ダッ
隊長「待て!逃がさんぞ!」ガバッ
会長「うおっ!!」
神風「3人に、勝てると思ったか!」ゲシッ
会長「おらっ!」ガシッ
浜風「ひっ!」ドテッ
隊長「彼女に手を出すな!」ボガッ
会長「うぐっ!」
神風「これでおしまいだ……司令官」ジャキッ
会長「ぐぅ……」
隊長「殺すのは待て。まずは憲兵隊に引き渡してくれ」
神風「そこをどけ」
会長「……」チャキ
ズドン!!
隊長「!?」
神風「!!」
会長「がっ……!」
浜風「はぁ……はぁ……あ、あなたがいけないんですよ……人を散々苦しめて……」
会長「ぐあ、ぐ、ぐるじぃ……」
浜風「これが……人の痛みだ……わかったかこの野郎……!!」
「何事だ?」
神風「な!?何だお前は……」
ル級「ブラックボックスを取りに来たのだが、これは一体……?」
隊長「……ど、どうする」
ル級「まあそれはともかく、ブラックボックスを渡してもらおうか」
神風「……」
明石『ブラックボックスの解析はまだ途中段階で奪われたんです、どうにかなりませんか!?』
隊長「ど、どうにもこうにも……」
ル級「ふむ?どうしたんだ?」
神風「こうする!」ブンッ
ル級「!?」
隊長「海に捨てても、どうしようも……」
ズガンッ!
神風「私の腕は衰えていないようだ」
ル級「ブラックボックスが粉々に……」
明石『な、なんてことを……!』
神風「これはデタントだ。ブラックボックスは消えた。こっちにももう無いし、そちらの手にも渡らない」
ル級「……ふっ、ハッハッハッハッハッハッハッ!そうか!ふふ、それならば黙って引き返そうじゃないか!」
スタスタ
隊長「デタントってのは……?」
浜風「緊張緩和を意味する外交用語です。なんとか乗り切ったみたいですね」
神風「……ふぅ、どうなることかと思った」
会長「うぅ……」
隊長「貴様を連行する。言っておくが憲兵隊は警察と違って黙秘権とかいう甘ったれた制度は無いからな」
会長「ひぃ」
神風「終わったか。復讐は達成できなかったし、妹たちも……」
浜風「あの、それについてなんですけど……」
神風「なんだ?」
明石『えーっとですね、あなたの妹さん達は実は生きているんです』
神風「はぁ?」
明石『あなたが復讐のために行方をくらました直後、サルベージが完了したと記録にあります。アハハハ……』
神風「……なんだよぉ、そりゃぁ」ズコー
病院
磯波「報告書が届いていますね」
提督「見せてください」
磯波「はい」ペラッ
提督「……ふむふむ。無事に丸く収まったみたいですね。会長は外患の罪で極刑です」
磯波「仕方ない事なんですよね……」
提督「上の決定にどうこう言ったってしようがありませんし、それから……」
磯波「それから?」
提督「重要機密を含む書類であるため読後焼却せよ、と」
【読後焼却せよ】終わり
808 : 以下、名... - 2015/06/30 13:16:08.46 b4PZrOJi0 479/577磯波、浜風の他にも鎮守府留守にするわけにもいかないので前に出たてた初霜、如月、磯風も応援で介護にきてほしい、頼まれなくても来るかも?
介護という大義名分、生理的欲求じゃイロイロ仕方ないし、初霜は溜まってそうだし、如月は煽ってくれそうだし
浜風はふつうーにすごい事やってくれそうだし、磯風は名誉の負傷ならと口でしてくれそうだし
磯波はいつも通り暴走してくれそうだし?
小ネタ65
医者「うーむ。両腕は然ることながら、右手は文字通り粉砕骨折、左手の薬指は断裂寸前です」
提督「はぁ……」
医者「それに加えて左足の骨も折れている。内臓もダメージを受けていて、肺には肋骨が刺さってましたよ」
提督「へぇ……」
医者「……一体何をやったんですか?」
提督「ちょっと深海棲艦と喧嘩しましてね……」
医者「いや、流石は軍人さんだ」
提督「車ごとぶっ飛ばされて、気がついたら廃工場。そこで拷問でしたよ」
医者「……えーっと、必ずや!無事に!完治させてみせますから!」バッ
提督「敬礼だなんて、やめてください」
医者「とにかく、当分は安静にお願いしますよ!」
提督「はぁい」
そんな感じで、提督の入院ライフは始まった。
小ネタ66
磯波「はい、あ~ん♪」
提督「あむ。いや、割と快適だなぁ案外に」モグモグ
浜風「はい提督、あーん」
提督「はむ。いやいいもんだたまには怪我も。極楽ですよ」ムシャムシャ
磯波「あ、お口汚れてますよ?」フキフキ
提督「……なんか心配になってきた、明日死ぬんじゃなかろうか」
磯波「ええ!?そんなぁ!提督ぅ!!」
浜風「大丈夫です、提督。私たちが守りますから!」
…
雪風「えー!怪我したんですかー!?」
磯波「そうなの、もう付きっきりで世話してあげなくちゃいけなくて……」ニマニマ
霞「その割には嬉しそうね!?」
雪風「雪風もやりたい!やりたいです!」
霞「中佐はおもちゃじゃないのよ!?」
磯波「いいよ!」
霞「いいの!?」
雪風「霞うるさい!」
霞「なんでよ!」
…
提督「私はおもちゃじゃないんだけどなー」
雪風「まあまあ!何事も経験です!アイス食べてください!」グイグイ
提督「冷たい冷たいやめてやめて」
雪風「さあ!さあ!」
提督「本当にやめて!」
霞「ちょっと雪風、もっと優しくしてあげなさい」
雪風「えー、どうすればいいんですか」
霞「そうね、例えば皿をこう持ってきて、その上で食べれるように添えてあげるとか」
提督「……君ってば、案外に優しいのね」
霞「は、はぁ!!?しゃ、社交辞令的な、そういうのよ!!///」カァー
提督「またまたぁ、顔赤くしちゃって」
霞「うるさい!黙って食べろ!!」グイグイ
提督「冷たい冷たいやめてやめて」
雪風「ほらぁ、やっぱりそれなんじゃん」ヤレヤレ
磯波「……」ジー
浜風「……」ボー
提督「なんで二人はボケっと突っ立ってるんですか!?助けて!」
磯波(これってなんか……)
浜風(エロい……)
小ネタ67
事務所
探偵提督「それで、穴埋めとして一時的にやってきたよ!」
磯風「またここか、横須賀やだなぁ私」
磯波「よろしくお願いします」
浜風「よろしく、磯風」
磯風「うん……」
探偵提督「それで!事務所の案内してよ!」
磯波「まあここが仕事場で、向こうがキッチン。寝室は二階です」
探偵提督「行ってくるね!」ピュー
磯波「あ、ちょっと!……磯風ちゃんも上がって、案内してあげる」
磯風「ここまで来たら腹をくくるか。頼むぞ磯波」
浜風「案内ってほどでもないけどね」
…
探偵提督「わーいふかふか!」ポフポフ
磯波「えーっと、そこって提督(と私)の……」
探偵提督「えっ?きゃっ」ピョンッ
磯風「……?見たことのない反応だな、司令」
探偵提督「だって、男の人の……///」カァー
磯風「…………」
探偵提督「ここも男の人の部屋だ///」ピュー
磯波「えーっと、ウブって言いますか……」
浜風「可愛らしい司令官ですね、磯風」
磯風「まさか、あんな一面があったなんて……」
磯波「色々とお世話してあげないといけないんです」
探偵提督「へー!」
浜風「磯風は口でしてあげるんでしょ?」
磯風「な、なんでそうなる!」
浜風「だって>>808が……」
磯風「いいか!よく聞け!いやよく読め!私がいつ中佐に好意を見せた!?名誉の負傷ならと口でするだなんて聞いたことないぞ!?」
磯波「ご、ごもっともです……」
探偵提督「そうだよ、口でーだなんてもののけ姫じゃないんだから」
浜風「えぇ!?」
磯波「もののけ姫?なんで?」
探偵提督「だって、食べ物を口移しってことでしょ……違うの?」
磯風「…………」
探偵提督「え?でも他に口ですることなんてある?」
浜風「……失礼ですけど、お歳は?」
探偵提督「22歳!実は中佐と海軍兵学校じゃ同期だったんだよ!まぁ向こうは気がついてないみたいだけど」
浜風「22歳か……」
磯波「22歳ですかぁ……」
磯風「うん、22歳……」
探偵提督「……どうしたの?なんか変なこと言った?」
磯風「いや、変なことを言ってるのは私たちの方だ……」
海軍兵学校は深海棲艦と艦娘の出現につき制度が大きく変わっているとかなんとか。
小ネタ68
磯波「提督、本当にトイレで済ますつもりなんですか?」
提督「せめてものプライドってやつです、尿瓶なんてゴメンだ」ヨロヨロ
ガラッ
磯波「じゃあ、私外で……」
提督「……しまった、ズボンが下げれない」
磯波「やっぱり、手伝いがいるんじゃないですか」
提督「いや、ここで手伝ってもらったら一人で行けないじゃないですか」
磯波「でも一人でトイレに来れました?」
提督「それは……」
バタン カチャ
磯波「はい、下げますよ」
スルッ
提督「いや、情けない……」ショボーン
磯波「提督は怪我人なんですよ?こういうのは仕方ない事なんです。プライドとかじゃ……あれ」フニフニ
提督「あ、ちょ、触られたらそらそーなりますわな」ムクムク
磯波「……ふふ、提督?」シコシコ
提督「あぅ、ちょっと、磯波、あ」ビクッ
磯波「いけませんねぇ、本当はこっちがしたかったんですか?」
提督「ダメです、ダメですよっ、病院ですよ」
磯波「ぺっ。ほら、私のよだれです」ヌチュヌチュ
提督「ま、待ってください」ピクピク
磯波「ふふ、気持ちいいですか?」ヌチャヌチャ
提督「い、いそな、うっ……」ビュルッ
磯波「わっ、出たっ……♥」
提督「はぁ……磯波、なんてことを……」
磯波「だって、提督ってずっとずっと頑張ってばかりじゃないですか」
提督「いえ、そんなことは……」
磯波「酷い目に遭うのはいつも提督ばかり……」
提督「……」
磯波「提督、たまには欲求を解消したっていいんですよ」
提督「いや、私は……」
磯波「怪我が治ったら、その時は……」
提督「……そうですね。今度こそ邪魔が入らなければいいんですけど」
しかし、これだけでは終わらなかった!
凶悪な飢えた狼たちが次々と提督を襲う!
雪風「アイスどうぞ!」グイグイ
提督「もがもが!ぶへぇ!」
時津風「こちょこちょこちょ~~♪」コチョコチョ
提督「がはっ!!本当に死ぬ!!やめて!」
霰「……」ジー
提督(何しに来たんだろう彼女……)
霞「ほら!食べなさいよ!」
提督「ちょっと、グラタンはあつっ、ちょっと待ってください!」
初春「それにつけてもわらわの活躍といえば…」ベラベラ
提督「はい、へえ、そう、はい、へえ、そう…」
メイレイン「あなた!何人も何人も女性と付き合って、だらしないです!」
提督「な、なんのことでしょう?ていうかあなた誰!?」
潮「お花の水換えますね」
提督「ああ、ありがとうございます。久々に心から休めますよ……でも何の義理で?」
初霜「……」サワリサワリ
提督「あのー、人の体撫で回すのやめてもらえません?」モゾモゾ
如月「さぁ、大丈夫ですからぁ、おち○ちん出しますよぉ♪」スルッ
提督「ま、まだもよおしてないんです!やめて!磯波に頼みますから!」
浜風「提督、おっぱい気持ちいいですかっ♥」バチュンバチュン
提督「あうう、もう、勘弁して、はうっ……」ビュッ
磯風「……げっそりしてるな」
提督「そうですか……はは、はははは……」ゲッソリ
探偵提督「かなりやばいね、お医者さん呼ぼうか?」
提督「いや、そーいうんじゃないんですよ……」
探偵提督「じゃあどういうの?何があったの?」
磯風「ま、まあまあ。色々と事情があるんだろう」
探偵提督「ふーん。困ったことがあったらいつでも言ってね」
提督「あー、仕事のほうが心配です」
探偵提督「大丈夫!まだ何の依頼も来てないから!」
提督「……まぁ、任せましたよ」
探偵提督「それじゃあね!磯風!」
磯風「ちょっと、私は残る。先に行っててくれ」
探偵提督「うん!」ピュー
磯風「……やっぱあれか、弄ばれてるんだな」
提督「私は強く言えないタチでしてね……それにこの体じゃ」ショボーン
磯風「横須賀って怖すぎ。なんなんもう」
提督「もういいです、私はただの肉奴隷として生きていきますから……」フフフ
磯風「かなり気が滅入っちゃってるな……まあとにかく、気を強く持ってな。お大事に」
この後、烈火の如く怒った磯波から出入り規制を命じられた駆逐艦たちであった。
小ネタ69
ところで、プール回で忘れられてた人たち。
時津風「雪風ー。しれーーー!誰かーーー!!ねーー!!おーい誰もいないのーーー!?おーーーーーい!!」
阿武隈「……お留守番、だね」
三隈「くまりんこぉ……」
阿武隈「みんな、プールで楽しんでるんだろうね……」
三隈「くまりんこぉ……」
大鯨「……」
伊58「い、いっつも潜ってるし……」
伊8「うん……」
大鯨「水着、買ったのに……」
摩耶「まああたしらは忘れられても仕方ない、かな」
愛宕「そうね」
摩耶「……ちょっと、寂しいけどな。うん」
愛宕「そうねぇ……」
I「私たちは別に行かなくてもいいでしょう」
神風「まあ、そうだな」
I「オリ艦ですし」
神風「オリ艦だしな」
うん、オリ艦だし。
【暴君エミリー】
事務所
チュンチュン
探偵提督「おっはよー!」
浜風「おはようございます」
磯風「おはよう……結局磯波は帰ってこなかったな」
浜風「一緒じゃないと眠れないんですよ、あの子」
探偵提督「意外とこの事務所も快適!もうここに住んじゃおっかなー」
磯風「私は絶対に嫌だ!」
ピンポーン
探偵提督「お!依頼かなー!」
ガチャ
「……」
探偵提督「あら、あなたたち誰?」
「手荒な真似はしたくない。黙ってついて来てもらおう」
探偵提督「だって!みんなー!支度してー!」
磯風「こういう怪しい奴らは疑おうな、司令……」
嚮導艦
探偵提督「へぇー、海上司令部ってやつ?」
浜風「これは嚮導艦です。本土では馴染みが薄いですが、海外泊地のほとんどが利用しているんですよ」
磯風「司令部機能はもちろん、補給、簡易修理、水上機の発艦など様々な機能が備わった海の移動拠点だ」
探偵提督「で、なんであたしたちはそんなところに連れてこられたの?」
磯風「さあな」
「……秘書艦、事件を説明したまえ」
長門「はい」
探偵提督「ちょっと!あなたは誰なの!どうしてここに連れてこられたの!」
「広川中佐、君の活躍は聞いてる」
探偵提督「あたしは広川中佐じゃなくて三森少佐だよ!中佐は入院中!」
「なんじゃて!?」
長門「そういえば、広川中佐は男だと聞いています」
磯風「今は私たちが代わりを務めています」
浜風「それより、訳をきちんと説明してください」
「訳はこれから話す!重大な秘密を守るためにやむを得んのだ!」
磯風「一言断るぐらいの時間ぐらいあったはずだ。ちょっと失礼なんじゃないか?」
ジジイ提督「失礼じゃとぉ!?貴様!少佐風情の部下の分際で!この永井大将に口答えとは!」
磯風「有礼無礼に階級は関係ない!お前が一から説明すれば済む話だ!!」
長門「ふ、二人共、落ち着け!今はこんなことで言い争っている場合じゃないんだ!」
磯風「ふっ、どうせ説明できないほどくだらん話なんだろうよ」
ジジイ提督「くだらんだと!?ワシはねぇ、二式大艇を盗まれたんじゃ!!」
探偵提督「え!?二式大艇!?」
浜風「二式大艇って、あの……?」
ジジイ提督「そうじゃ!二式大艇!ぐぅ……まことに、海軍の恥……!」
磯風「そういうことか……それは焦るはずだ……」
ジジイ提督「秘書艦、説明せい」
長門「説明しよう。我が南洋艦隊はパラオ本島を根拠地として二式大艇と秋津洲を試験的に運用していた。
だがある日!夕食のカレーの肉が古かったのか艦隊全員が食中毒になった!辛かった……。
そして回復した一週間後、資材と装備を確認したら……」
探偵提督「盗まれていたんだね」
長門「その通りだ。民間の料理人を雇ったばかりだったんだが、事件と共に姿を消したんだ」
浜風「きっとアルマトイ一味ですね……」
ジジイ提督「なんと、心当たりがあるのか!」
磯風「しかし、まだ試験段階だろ?そんなものを盗んでも……」
ジジイ提督「そんなものとはなんだ!!新兵器だぞ!!それに武装以外はほとんど完成していたんだ!!」
探偵提督「事件があったのは?」
長門「もうつい昨日の出来事だ。私たちだけではどうすることもできん。提督も心労でコレだし……」
探偵提督「それじゃあパラオまで連れて行ってよ!」
パラオ泊地
秋津洲「」チーン
探偵提督「あのー、大丈夫?」
長門「見ての通りだ……」
浜風「可哀想に」
磯風「死んだ魚のようだな……」
鬼怒「お帰り!長門さん!」
朝霜「連れてきたのか!広川中佐!」
長門「彼は今入院中だそうで、代わりの人を連れてきた」
探偵提督「あたしは三森少佐!大丈夫、二式大艇はきっとあたしたちが見つけ出すよ!」
浜風「任せておいてください」
磯風「ああ。大艇に乗った気持ちでな」
秋津洲「本当!?」パァ
磯風「うおっ」
秋津洲「絶対、絶対、ぜぇーーーったい!!大艇ちゃんを見つけて欲しいかも!!」
磯風「あ、ああ、任せておけ」
パラオ付近の小島
レ級「ふふふ……これが二式大艇!」
ヲ級「うわー!すっげー!すっげー!これに比べたらブリテンの水上機なんかカスじゃん!」
ソ級「ぶっちゃけコイツに敵う飛行艇はほぼ存在しないっすよ」
ネ級「よく盗み出せたものですねぇ」
レ級「南洋艦隊が脳筋のアホ揃いで助かったよ。ハハハハハ!」
ソ級「さて、コイツを司令部に運べば任務完了っすね」
レ級「たまにはスパイっぽいこともやらなきゃな」
ネ級「でも時間もありますし、ちょっとゆっくりしていきましょうよぅ」
レ級「うむ、せっかくの南国だしな!気分もいいし!」
ヲ級「ちょっとこの子いじってもいいかな!?」
レ級「いじるところがあるならな」
ヲ級「ヒューッ!!早速いじろっと!エミリーちゃん!」
ソ級「え、えみりー?」
ヲ級「この子の名前!」
市内
「うーん……どうだろう。知らないねぇ」
探偵提督「そうですか……」
「俺知ってるぜ!」
磯風「本当か?」
「こんなご時世に白人だなんて変だなぁって思ったんだよ」
浜風「白人じゃなくて深海棲艦ですけどね」
「あの小島だよ。白人の四人組が入ってったんだ」
探偵提督「ありがとうございます!」
磯風「思いのほかすぐ見つかったな。永井大将に報告しておこう」カコカコ
プルルルル
嚮導艦
ガチャ
ジジイ提督「もしもーし!」
磯風『西の方の沖合にある無人島が怪しいそうだ。今から潜入して確かめる』
ジジイ提督「おお!そうか!よろしい!」
磯風『これかr』
ガチャン!!
ジジイ提督「よーし!!艦隊出動準備!!」
長門「はっ!!」
ジジイ提督「嚮導艦、全速前進じゃーーー!!!」
ドタバタ
小島
レ級「ふぅ~。水着買っといてよかったな」
ネ級「そーれ!」ポン
ソ級「あ、よいしょっす!」バシッ
レ級「二人でビーチバレーって、面白いか?」
ソ級「そうは言うっすけど、泳ぐのなんていつもやってるっすもん」
ネ級「そうそう」
レ級「それもそうかぁ……ん?」
ザザァァァァ
ソ級「あれは、嚮導艦っすね」
レ級「またでっかい軍艦だなぁ」
ネ級「こんなところで何してるんでしょうねぇ……」
探偵提督「ふぅ、何とかして小島にたどり着いたけど……あ!」
磯風「見つけた、あんなところでバケイションを楽しんでいるぞ」
浜風「連絡を送る」バッ
長門「あ!手旗信号です!」
ジジイ提督「む!解読せよ!」
長門「……『敵艦隊ヲ発見セリ、目下砂浜ニテ巡洋艦、戦艦、潜水艦ヲ発見』」
ジジイ提督「砲撃準備!!」
長門「はっ!」
鬼怒「よし!行くよ!」
朝霜「ぶっ飛ばしてやるぜ!」
武蔵「この武蔵の砲で打ち砕いてくれる」
ガチャコン
ジジイ提督「よーく狙え!!」
レ級「いかん!海軍に見つかった!」
ネ級「ええ!?」
ソ級「森の中に隠れるっす!!」
ジジイ提督「撃ちぃ方始めぇ!!!」
長門「撃てぇーー!!」
ドォン!!
ヒュー
磯風「え」
浜風「ひえっ」
探偵提督「ふわぁーー!?」
ドゴォォォ
探偵提督「し、死ぬ!本当に死んじゃう!!」
磯風「非常識ーー!!」
浜風「……」
ジジイ提督「まだまだぁ!」
ドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォンドォン
磯風「こりゃ滅茶苦茶になってきたな」
ヒュルルルルルルル
浜風「こんなに撃ったら小島が無くな」
ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴ
探偵提督「小島の前にあたしたちの命がなくなっちゃうよぉ!!」
レ級「くっそー!ペガサス!エミリーの調子はどうだ!?」
ヲ級『騒がしいけどどうしたの?調子は万全、武装の取り付けも終わったよ』
レ級「さっさと出せぇ!頼む早くして!」
ヲ級『うん、いいけど』
ブゥゥゥゥン
ジジイ提督「むむ!二式大艇じゃ!!この際じゃ、撃ち落とせーー!!」
長門「は!対空戦闘始め!!」
バラララララ
ヲ級『ははは、馬鹿め、日本海軍の貧弱な対空兵装じゃ、最強の飛行艇を落とすことはできない!まあ二式大艇も日本製だけど』
ジジイ提督「全然効いとらんではないか!!」
長門「レーダーも高射装置も対空砲さえもポンコツだからなぁ」
鬼怒「でもアメリカ製なんて買うお金ある?」
「なーい……」
ジジイ提督「ぐぬぬぅ……まことに無念じゃ!!」
ヲ級『エミリー!トールボーイをお見舞いやれ!』
ガコッ
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ
ジジイ提督「なんじゃあのでっかいの」
ズゴォォォォォォォォォォォン
ヲ級『やったね!』
ザバァァァァ
長門「嚮導艦が沈みます!」
ジジイ提督「あんなでかい爆弾を搭載できるとは、流石我が軍の新兵器!!」ウンウン
朝霜「感心してるバヤイかよ!」
磯風「ハハハー!ざまあみろだ!やたらめったら撃つから!」
探偵提督「とにかく今のうちに深海棲艦の基地に潜入だよ!」
浜風「ええ、行きましょう!」
「二式大艇ちゃん……!」
小島の拠点
レ級「ふぅ、よくもまあトールボーイなんか積めたものだ」
ヲ級「そこは深海超科学の成せる技さ」
ソ級「でもせっかくの休暇が台無しっすよ」
ネ級「うん……南国……」
レ級「仕方がないだろう、アジトに戻ろう」
ションボリ
四人はガチで凹んでいた。
この南の島で、バカンスを楽しみにしていたのだ。
それもそのはず、彼女たちがこの日のためにたくさんの下準備を進めてきた……。
…
……
………
ミユキ「南方の島、うーん、パラオか、ペレリューだったかで新型兵器の実験が行われてるとか」
レ級「はあ、しかしそこは我々の管轄外では」
ミユキ「深海のスパイがいたんだがなぁ……なんか4ヶ月ぐらいサボっててさ、ついに行方不明になった」
レ級「はあ。そうですか。対処は出来なかったのでしょうか」
ミユキ「それが2ヶ月目と3ヶ月目ぐらいに生存報告があって、でも結局4ヶ月目はなかったから」
レ級「行方不明扱いになったんですね……」
ミユキ「それと今回、自腹で行ってもらう」
レ級「……は?」
ミユキ「ちょっと事情があってね……」
レ級「いえいえ、そんな、ちょっとそれは」
ミユキ「人類の客船とか使えばいいじゃない」
レ級「そんな、無茶を言わないでください!今時高価で本数も少ないんですよ、誰かのせいで」
ミユキ「そんじゃあ、その少ない本数を待ってる時間で遊んでてもいいけど」
レ級「は、はあ……」
…
レ級「というわけだ」
ヲ級「それは、仕事をさっさと終わらせればバカンスってことだよな」
ネ級「うわー!楽しみです!」
ソ級「水着買わなきゃいけないっすね」
その為にバイト続きの日々も辛抱してきたのであった……。
………
……
…
レ級「とにかく敵が迫っている。荷物をまとめよう。市内に行けば流石に襲われんだろう」
ネ級「はぁーあ……」
ソ級「せっかくお休みがもらえると思ったんすけどねぇ」
ヲ級「なーんで見つかっちゃったんだろうなぁ」
「し、深海棲艦……!!」
レ級「ん?」
秋津洲「大艇ちゃんをどうした!!た、大艇ちゃんを殺したな!!」
ヲ級「いや、殺しては、ていうかいつの間に!」
ソ級「やばいっすよ!」
ネ級「あの目を見て目を!」
秋津洲「お前たちなんか……お前たちなんか殺してやる……!!」ギロォ
ヲ級「ひぃ」
レ級「だ、大丈夫!ちょっと借りただけだから!」アセアセ
ネ級「その目つきはなんとかなりませんかぁ!?」
秋津洲「大艇ちゃんを返せーー!!!」クワッ
ヲ級「わ、わかった!わかりました!あっちにあります!」
秋津洲「大艇ちゃーん!」トテテー
ヲ級「……ふっ」ニヤリ
秋津洲「大艇ちゃん!無事かも!?」
ギギギ……
秋津洲「ああ、こんなダサい塗装されて……可哀想かも……」
ヲ級「ヤツは暴走回路が埋め込んである!そう、暴君となるのだ!エミリーよ!」
レ級「おお!悪役っぽいぞ!」
探偵提督「ちょっと待った!」
レ級「なに!?……誰?」
ヲ級「さあ……」
浜風「でも私は知っているでしょう?」
ソ級「あ!おっぱいのでっかい方!」
浜風「そんな識別だったんですかー!?」ガーン
探偵提督「私は三森少佐!あなたたちをとっちめに来たの!」
磯風「そしてその部下一号、磯風だ。いつぞやは世話になったな!」
ヲ級「あ、ロボじゃない方」
磯風「ロボな方が本物みたいな言い方するんじゃない!」
レ級「ふん!お前たち駆逐艦なんざ、我々に勝てるわけがない!」
ヲ級「その通り、ボクたちは空母に戦艦、重巡に潜水艦さ」
探偵提督「でも水着だよね?」
レ級「……あ」
浜風「磯風!」
磯風「おう!」
ズドーン
「「「「久々に吹っ飛んだああああああああぁぁぁぁぁぁぁ…………」」」」
キラーン☆
秋津洲「大艇ちゃん!どうして!」
ブゥゥゥゥゥン!!
秋津洲「大艇ちゃん!……行っちゃった」
探偵提督「秋津洲ちゃん!?どうしてここに!」
秋津洲「だって、秋津洲も何かしないといけないかもって……」
磯風「むぅ、だが二式大艇が見えないが」
秋津洲「飛んで行っちゃった……」
浜風「ひょっとすると、永井大将たちが危ないかもしれません」
バララララ
ジジイ提督「ぎゃーーー!!なんなんじゃーー!!」
長門「危なーい!」
鬼怒「た、対空戦闘!!」
ドンドン!
チュイーン
武蔵「くそ、まるで効いてないぞ!」
秋津洲「そう、どんな攻撃にも耐えうる鋼の鎧に身を固め……」
ヒュゥゥゥゥゥ
武蔵「ま、まずい!」
ドォォォォン
武蔵「ぐわっ!……まだだ……まだこの程度で、この武蔵は……沈まんぞ!」中破!
秋津洲「測り知れぬ火力で居並ぶ敵を叩いて、砕く!」
ブゥゥゥゥン
長門「お、おのれ、たかが飛行艇一機!」バラララ
ヒュゥゥゥ
長門「くそっ!攻撃する暇がない!」
秋津洲「決して墜ちることもなく、死ぬこともなく、操縦者の意のままに戦い続ける不死身の戦士ッ!!」
鬼怒「も、もうダメだよ!逃げよう!」
朝霜「仕方ないけどそれしかねえ!」
ワー!ニゲロー!
ジジイ提督「こらー!敵前逃亡すなー!!」
秋津洲「それが、それが……勝利することのみを目的とした完全なる兵器……」
ヒュゥゥゥゥ
ジジイ提督「……こ、この音は」
長門「提督も逃げるんだ!!」ガシッ
ドォーン
秋津洲「二式飛行艇ッ!!」
磯風「こいつヤバイぞ!」
結局燃料切れまで待った。
【暴君エミリー】終わり
小ネタ70
深海アジト
ヲ級「なんか、あいつ怪我したらしいね。重傷とか」
レ級「それじゃあしばらくは休みってことになるなぁ」
ソ級「え?今がチャンスじゃないんすか?」
レ級「えっ?」
ソ級「えっ?」
ネ級「えっ」
ヲ級「えぇ……」
ソ級「いやいや!最大の敵は戦闘不能、今がチャンスっすよ!」
レ級「いやでも……」
ソ級「でもって、何が不満なんすか」
レ級「いや、ライバルってところあるだろ?」
ソ級「……え、戦争してるんすけど」
レ級「騎士道精神とか、大事だと思うし」
ソ級「うちらは卑怯が信条じゃないすか!」
ヲ級「そうだっけ?」
ネ級「まあ、卑劣なこともしてきましたねぇ」
ソ級「とにかく乗り込むべきっす!」
レ級「そうかなぁ……」
アーダコーダ
病院
レ級「まあともかく、磯波と浜風は士気が下がっているはず。そこを付け狙うのだ」
ヲ級「やる気が出たらすぐ思いつくよな」
ネ級「大抵は失敗しますけどねぇ」
ソ級「シーっす」
レ級「あ、すみません。広川一郎さんの病室は……」
「また!こんなに連れてきて……あのねえ?病院はラブホテルじゃないんですよ?」
レ級「いえ、違いまして、あの、仕事の同僚?でして……」
「ああ、なんだ。それなら573号室です」
ヲ級「……どゆこと?」
ソ級「さぁ……」
病室
ガラ
レ級「失礼しまーす」
提督「おや、あなたは」
磯波「あ~ん」
提督「あむ」
レ級「ふっふっふ……ここで会ったが百年目!弱っている貴様を成敗してくれるわぁーーっ!」
「シッ!院内では静かに!」
レ級「あ、はい。すみません」
ヲ級「怒られちゃったね」
提督「とりあえず戸を閉めて」
ピシャッ
レ級「ここで会ったが百年目。弱り目の貴様を倒してくれる」
提督「そうはいきませんよ。あむ」
磯波「あ、ほら、食べながら喋るから」フキフキ
提督「おっと失礼。とにかく、あなた方深海棲艦の好きにはさせません」
ヲ級「……」
ソ級「……」
レ級「あー、怪我ってどんぐらいの?」
提督「まぁこの通り。自分で食事も取れませんね」
レ級「……どうする?」
ソ級「どうするもなにも、この隙に倒すべきっす!」
ヲ級「いや、それはマズイでしょ……物語的に」
ソ級「いやそんなん、読者とか関係ないっすから、戦争の勝利には」
ネ級(それこそ作者のさじ加減ですよぉ……)
提督「もう何の用事もないんなら、帰ってくださいよ」
レ級「……そうだな、帰ろう」
ヲ級「死に体の敵を倒しても目覚めが悪いしねー」
ソ級「えー!ちょっと、待ってくださいっすよぉ」
ゾロゾロ
提督「……なんだっつんだ一体」
何しに来たんだろうね……。
小ネタ71
漫画家、岸辺露伴は言った。
“『リアリティ』こそが作品に生命を吹き込むエネルギーであり『リアリティ』こそがエンターテインメント”と。
ちなみに“経験がないから描けない。というのは才能の無い者の奢りだ”と言う漫画家もいる。高橋留美子である。
まぁ、それはひとまず置いておこう。
秋雲「……」ドゴゴゴゴゴゴ
とにかくこの秋雲は、これより貴重な体験をするつもりなのだッ!!
病院
秋雲「えーっと、広川は~っと……」
浜風「お?」
秋雲「ん?」
浜風「ここに落ちてる百円玉、あなたの?」
秋雲「いや……」
浜風「そう。儲けたね……ハハハ……」
スタスタ
秋雲「……」
秋雲(え、そのまま行っちゃったよ……ん?何か手に……)
秋雲「……な!?」
チャリン
秋雲(何だ……これは!?ひ……『百円玉』は彼女が拾ったはずなのに……!!)
ベロンッ
秋雲「うひぃっ!?」
浜風「この味は!……泥棒猫の『味』ですよ……秋雲!」ドドドドドド
秋雲は、進水する以前より絵を描くのが趣味だった。
これは他の姉妹や艦娘たちにも好評で、彼女はどんどん絵を描いた。
そしてついには漫画を書き始める。
始めこそ戦場を描いた作品もあったが、次第に戦場に存在しない物を描き始める。
市民生活や、何気ない日常、平和な世界。しかし!これに秋雲は物足りなさを感じていた!
そんな日々が続く中、金gエフンエフン!!からの依頼が飛び込む。
内容はどこぞの提督とのえっちい本であったが、驚くことに創作意欲が桁外れに湧いてくるのだ!
普通の絵描きなら芸術やエンターテインメント性の溢れた漫画などを志すものだが……
砲弾が吹き荒れ、いつ死ぬのかわからない秋雲の暮らすような環境では秋雲の気持ちを止めることはできない……。
彼女の中に生きるための目的が見えたのだ……。
こうして秋雲は少年少女のための漫画よりも……
『えっちい本』を描くようになったのだ!
秋雲「……」ドドドドドド
浜風「……」ゴゴゴゴゴゴ
秋雲「どうしても、通さないってわけ?」
浜風「そうなりますね」
秋雲「例えば、あんたの好みなえっちい本を書くとしたら?」
浜風「病室はこっちです」
秋雲「ちょろいな!」ガビーン
ガラ
秋雲「こんにちは~」
提督「おや、はじめまして」
磯波「あ、秋雲ちゃん?」
秋雲「いつもお世話になっております磯波さん!」
磯波「し、シーッ!」アセアセ
秋雲「どーもどーも秋雲です!」
提督「どうも、広川中佐ですけど……」
秋雲「漫画の取材にちょっとやってきたんですよ」
提督「ええ?ええ、いいですけど……」
しかし、人の目もあるし本心から納得の行く取材は出来なかった。
別に怪我とかそーいうことを聞きに来たわけではないのだ。
その夜...
コソコソ
秋雲(へっ!ここまで来て黙って帰ることなんか出来るわけない!いや怪我の話も大変参考になる話だったけども!)
ガラ
提督「……」zzz
秋雲(必ずアレを拝んでみせる!その為に来たんだから!他の提督は厳しいのが多いからね!仕方ないね!)
提督「すー……」zzz
秋雲「……」ドキドキ
秋雲(……怪我人だからって何を躊躇する必要がある!漫画でいっつも描いてるじゃないか夜這い展開!)
秋雲「すー、はー。まずは布団を」
ガバッ
磯波「……」バァーーーン
秋雲「なっ!?」
秋雲(布団の中にいたのは『磯波』だったァーーーーッ!!)
磯波「……」ブンッ
ボギャァ
秋雲「ぐげぇーッ!!なんだこのパワーはッ!」
ドシャ
秋雲「」チーン
磯波「むにゃむにゃ……」zzz
秋雲、寝ぼけた磯波にぶっ飛ばされ、再起不能。
小ネタ73
提督(……退屈だ)ボー
ガラ
メイレイン「……」コソコソ
提督(はぁ、早く治って自由に動き回りたいよ)
メイレイン「……」スッ
提督「ん?」
メイレイン「ひゃ!バレた!」
提督「あ、どうも」
メイレイン「あ、そうか、バレたって関係ないか」
提督「何の用事ですか、そんな物騒な注射器を持って」
メイレイン「(ΦωΦ)フフフ……これは不能薬!深海アジトからこっそり頂いてきました!」
提督「な、なんですって」
メイレイン「これを射ったなら、もうあなたの……とにかく使用不能になっちゃうよ!」
提督「それだけはご勘弁を」ガクブル
メイレイン「あなたがたくさんの女性を泣かせる前に使わせてもらいます」
提督「やめてください!」
メイレイン「あなたが悪いんです!観念しなさい!」
プシュ
提督「あああああ……」
メイレイン「次第にえっちな気持ちがかき消されていくはずです!」
提督「……ん?んんん?」ムクムク
メイレイン「あ、あれ?ひゃっ///」
提督「なんか、身体中が燃えるように熱い……」
メイレイン「ん!?間違えたかな……」
提督「これはああああ!!この感覚はあああああ!!」ドドドドドド
メイレイン「ひえっ」
提督「うおおおおおおおおおお!!!!」ガバッ
バァーーーン!!
提督はなんと立ち上がった!
メイレイン「な、なんで!?もしかして、隣にあった超滋養強壮エナジードリンクと間違えたのかも!」
提督「この病んだ体に力を漲らせるとはああああああああああ!!!なんという薬いいいいいいいいいいい!!!」
メイレイン「もしかして、深海の薬だから人間には効きすぎてるとか……」
提督「見ろぉーー!!この躍動感ッ!!!」バッ
メイレイン「跳んだぁーーーーっ!!」
ガシャーン!!
メイレイン「窓を破ったぁーーーーっ!!」
提督「うぉぉぉぉぉ!!磯波ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」
磯波「へっ?提と」
ガシッ
提督「ほらああああああ磯波にも聞こえるだろおおおおお!?この心臓の元気な脈動がああああああああああ!!!」ドックンドックン
磯波「えっ!?えっ!?」
提督「うおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ…………」バタッ
提督「」チーン
磯波「えぇーーーー!?」ガビーン
メイレイン「あ、あの!実はカクカクシカジカで……」
磯波「えぇ!?そんなぁ、提督どうなっちゃうの!?」
明石『あー、磯波ちゃん。提督に艦娘の血を輸血してください』
磯波「明石さん!そんなことで解決するんですか?」
明石『深海棲艦の薬品や毒物であれば、艦娘の血が無毒化してくれます』
磯波「へー、初めて知った」フムフム
なんとかなった。(怪我も治った)
小ネタ74
7月7日は七夕ですってよ奥さん!
提督「磯波は何を短冊に?」
磯波「それは……言えません!///」
浜風「私は『家内安全』です」
提督「主婦じゃあるまいし」
浜風「『交通安全』とか」
提督「交通って……しっかし、織姫と彦星ってのは難儀なものだ。年に一回しか会えないんでしょう?」
磯波「会えない時間が二人の愛をさらに燃え上がらせる!とか」
提督「だったら、私たちもちょっと離れてみますか?」
磯波「えぇ……」シュン
提督「はは、冗談です」
磯波「て、提督は何書いたんですか?」
提督「私?私はねぇ……『世界平和』とか」
磯波「うわ、絶対嘘です」
提督「ホントだって」
磯波「見せてくださいよ!」
提督「やだ。磯波が先に見せるならいいよ」
磯波「見せてくださ~い!」バッ
提督「やーです」ヒョイ
ドタバタ
浜風「……」イラッ
【春波ちゃんの搾精病棟24時】 作:秋雲
提督は色々あって二階から落下し、入院を余儀なくされた。
提督「はぁ……全く困ったよ……」
春波「退屈でしょう?ほら、ご本を持ってきました!」スッ
提督「そうは言っても、ほら、手が動かないから」
春波「ああ……そっか……また失敗しちゃったな……」ショボーン
提督「まあまあ、そう落ち込まないで。そうだ、君が読んでくれないかな」
春波「あ……はい!」パァ
提督「それじゃあどうぞ」
春波「『あん!あん!』娘は耐え切れずについに喘ぎ声を」
提督「ちょっとストップ。いい加減にしたらどうだい、いつもながらちょっと強引すぎやしないか?」
春波「提督、春波ちゃんシリーズも早13作目。いい加減展開もわかってきたでしょ?」
提督「もう……」
その夜
提督(それ見ろ、変な本なんか読むから)ギンギン
春波「あ……提督……♥」
提督「やっぱりこうなるのね……」
春波「もう、いい加減に認めてくださいよ提督♥」スルッ
提督「あぅっ」ブルン
春波「わぁ♥もうこんなになってる♥」ジー
提督「恥ずかしいから、あんまり見ないでくれよ……///」カァー
春波「はむぅ」パクッ
提督「あっ」ピクッ
春波「ん~~~~」レロレロ
提督「はぁ……気持ちいぃ……」ビクビク
春波「んっ、んっ、ぅんっ」チュポッチュポッ
提督「でるぅ、でるよ、春波っ」
ビュルルッ
春波「んんん!……んぐ」ゴクン
提督「はぁ……はぁ……」
春波「いつもの味ですねぇ……♥」
提督「さぁ、もういいだろ?」
春波「提督は自分の立場をわきまえてください?あなたの手足は動かないんですよ?」
提督「ええ?ま、まさか……」
ガララ
宵月「あらぁ~、誘ってくれてありがとうねぇ~♥」
海霜「こ、これが……おち○ちん……」
潮風「ずるいですよ春波、一人だけで独占しようったってそうはいきません」
春波「ふっふっふ……提督?今夜は楽しみましょうね……♥」
提督「か、勘弁してくれぇ!」
…
春波「ほら、ゆっくりとね……」
海霜「う、うん……」ソロー
提督「そんなの、やめたほうが……」
海霜「いや、行きます……」プニ
メリ
海霜「うっ……こんなの、戦闘の怪我に比べたら……!」
ズブン!
海霜「はうぅ~~~!」
提督「あぅっ」
海霜「はぁ……すごい……こんな感覚なんだ……♥」
宵月「それからぁ、ゆっくり腰を動かすのぉ♥」
海霜「うん……んっ……」グリグリ
提督「あ、ああ、締め付けられっ……」
海霜「んっ、んっ」ズプッズプッ
潮風「その調子です……♥」
海霜「ああ、えっちって、気持ちいのっ♥」ジュプッジュプッ
提督「あ、あああ、っ!」
春波「提督、どうですか?海霜ちゃんの処女おま○こは♥」
提督「だめ、もう、出るっ!」
海霜「いいですよっ♥出してっ♥私の中に♥」
提督「ああっ!」
ビュルーーッ
海霜「あっ♥ドクンドクンいってるっ♥提督のおち○ちんっ♥」ゾクゾク
宵月「あらぁ~、司令官?ダメじゃない、まだ海霜ちゃんはイってないのよ?」
提督「ご、ごめん……はうっ」
海霜「すきっ♥これすきっ♥ゴツゴツ当たって気持ちいのっ♥」ジュプッジュプッ
潮風「あらら、これじゃあしばらくは私たちはおあずけですね」
春波「好きな通りさせちゃおう、たまにはいいかも…」
………
……
…
提督「……なんですこれ」
磯波「」
提督「いや、勝手にあなたの私物を覗いたのは悪かったと思います」
磯波「」
提督「……この我々の知人とよく似た顔の人たちがいっぱいいるえっちい本はなんですか?」
磯波「」
磯波「」
【春波ちゃんの搾精病棟24時】終われ
【お祭りのファイアワークス】
北方棲姫「花火!」
レ級「花火……」
北方棲姫「でっかいの!でっかいのがいい!」
ネ級「えー、ちっちゃいやつじゃダメですかぁ?スーパーで売ってるやつ」
北方棲姫「やだ!でっかいの打ち上げてみんなを楽しませるの!」
ソ級「そうは言いましても……」
ヲ級「あー、ちょうど近日横須賀で花火が打ち上げられるそうだ」
北方棲姫「それ!とってこい!」
レ級「……はぁ、わかりました」
ソ級「北方棲姫様はワガママで敵わん」ボソッ
北方棲姫「何か言った!?」
ソ級「いえ、別に、何も」
事務所
磯波「どうですか?浴衣似合ってますか?」クルクルー
提督「ええ、すっごく素敵ですよ、磯波」
磯波「はうぅ……///」カァー
雪風「いいですねぇ、二人はー」ダラー
霞「あーあ、今回はうちが担当なのよねー、花火の打ち上げ」ダラー
提督「艦娘が打ち上げるんですか?」
霞「そ。海上でね。まあ地域との交流の一環かしら」
磯波「へぇ~」
霞「浜風は行かないの?」
浜風「ああ、私は、その……あーいう人混みは苦手でして……」
雪風「それじゃあ!手伝ってください!」
浜風「そうですね、それがよさそうです」
提督「すみません、浜風」
浜風「いえ、お二人は楽しんできてください」
雪風「終わったらアイス貰えるんですよ!アイス!」
霞「……」
提督「……まあ、ああはしゃがれちゃあ、ねえ」
磯波「うふふふ~♪楽しみだなぁ~~♪」キャッキャッ
提督「私も最初はどうしようかって思ったんですよ、でもこういうお祭りは初めてだって言ってましたし……」
霞「言い訳なんて言っていいわけ?……まぁ、楽しんで来なさいな」
浜風「そうですよ提督、私のことはお気になさらず。どーせ2号なんですから……」
提督「え、な、そ、そういう言い方はよくないなぁホント」アセアセ
浜風「ふふ、冗談ですよ」
提督「そ、そりゃよかった……」ホッ
浜風(……)クスッ
雪風「2号?じゃあ雪風は3号です!」
霞「……あんた意味わかって言ってんの?」
沖合
浜風「……はぁ」ショボーン
初霜「彼女ため息ばかりついて……」
時津風「よくない、よくないなぁ~」
榛名「やっぱり、中佐と……」
霧島「私の計算によると彼女は」
榛名「黙って」
霧島「あ、はい」
初春「こう暗いとこっちも気が滅入るぞ」
榛名「……彼女にはあの人しかいないんでしょうねきっと」
初春「そうじゃのう、話は聞いておる。苦しかろうに……」
時津風「どうやっても一番になれないなんて、辛すぎるよ」
初霜「でもこればかりは、あの人たちの問題、あの人たち自身が乗り越えなきゃいけないんです……」
霧島「どうにか円満に終わるといいのですが……」
浜風(……見たいテレビ録画設定するの忘れてた)ハァ
隣提督「た、大変じゃ!大変じゃー!」
霞「マズイ事になったわ!」
榛名「どうしたんですか?大丈夫ですか提督」
隣提督「大丈夫じゃないわい!なんと、花火がぜーんぶ盗まれたんじゃよ!」
浜風「な……」
「なんですってーーー!?」
深海アジト
レ級「ふっふっふ……連中の船からまんまと花火を盗み出したぞ!」
ネ級「でも結構な量ありますよぉ?どうやって北太平洋まで……」
レ級「それは……気合で何とかするしかない……」
ソ級「なんか発明思いつかないっすか?」
ヲ級「いやさっぱりだね」
ソ級「少しは考えるフリしたらどうっすか……」
レ級「しょうがない、この輸送ワ級に頑張ってもらおう」
ワ級「え!?花火盗むまでって言ったじゃないですかぁー!!」
レ級「報酬は弾むぞ」
ワ級「頑張ります!」
祭り会場
ワイワイ
提督「こんなにあるんですね、屋台って」
磯波「あ……いか焼き……提督?」
提督「美味しそうですね、食べましょうか」
磯波「は、はい」パァ
提督(はて、さっきから食べ物ばかりで案外に食い意地が張ってんだなぁ。艦娘はみんなこうなのかね?)
提督「二つください」
「あいよ」
提督「それにしても磯波、あなた今日はどうも大人しいですね。以前の磯波みたいだ」
磯波「いや、あの、その……」モジモジ
提督「どうしたの」
磯波「だって提督、私の手をずっと握ってるから……」
提督「おや、いけませんか?」
磯波「いえ……///」ギュウ
イチャコラ
「焼けたよ!ははっ、兄妹仲いいねぇ!」
提督「どうも」
磯波(なるほど、兄妹、そう見えるのか……)
沖合
浜風「こんなことが出来るのは深海棲艦しかいません」
雪風「おのれ深海棲艦!!」
榛名「と、とりあえず深海棲艦の仕業にするのはどうなのかなぁって」
浜風「考えてもみてください。すぐ近くに私たちがいたにも関わらず、音もなく盗み出す」
霞「それも大量の花火をね」
初春「理由はわからんがの」
霰「とりあえず深海棲艦のせいにしとけばいい……」
榛名「あ、あははは……」
霧島「信用ないですねぇ、深海棲艦」
時津風「そりゃ敵対してるし」
雪風(その割にはみんな警備とか意識とかてきとーですよね)
…
七光提督「おや、広川くんじゃないか」
磯波「あ、中将」
提督「これはこれは。お一人ですか?」
七光提督「ちょっとね、一緒に来るとさ、うるさいんだよ……」
提督「そりゃまたどうして」
七光提督「ふふふ、女の子がいっぱい来てるのに僕が黙って鎮守府にいるわけないじゃないか」
提督「はぁ……ほどほどにしときなさいって」
七光提督「なぁに、ソノ気がある子だけにしとくさ」
提督「今頃部下たちが血眼になって探してるんじゃないですか?」
七光提督「……え?」
「あーーー!!提督さんいたーーーーーー!!」
七光提督「ゲッ!!マジだっ!!」ダッ
提督「……忙しい人ですなぁ」
磯波「そうですねぇ……」
…
ピンポーン
レ級「あれ?お客さんかなぁ」
ソ級「ワ級の準備で忙しいって時に……」
ネ級「はーい、どなたー?」
ガチャ
浜風「こんばんは」
ネ級「えぇーー!?」
レ級「な、なんだ!?」
浜風「さあ、白状してください」
レ級「きょ、今日はなんにもしてないし!」チラッ
ソ級「……! そうっすよ!なんでんかんでんこっちのせいにして欲しくないなー!」
ネ級「う、うん!そう!」
浜風「……おや、そうでしたか」
レ級「全く、困るんだよな。そーやって何もかも深海棲艦のせいにしてさ」
浜風「…………ごめんなさい」シュン
ヲ級「何の騒ぎ?あ!浜風!くっそーー!!ボクたちが花火を盗んだことを早速嗅ぎつけたんだな!!」
浜風「…………」ジロッ
レ級「」
ソ級「惜しかったっすねぇ」
浜風「突入です!!」
ワァァーー
…
提督「……そろそろ花火が上がってもいい頃ですが」
磯波「あの……提督……」
提督「ん?なんですか?」
磯波「よく見えそうな場所を知ってるんです」
提督「へえ、じゃそこに行きましょうか」
…
提督「ここ、本当によく見えるんですか?」キョロキョロ
磯波「い、意外と見えるんですよ……」
提督「その割には人っ子一人いないんですが……」
磯波「穴場、ですから」
提督「あらそう……」
磯波「……提督、暑く、ありませんか?」シュル
提督「!」
磯波「暑い……ですよね……」
提督「ええ……ならこうすれば、涼しく……」
ガサガサッ!
磯波「!?」
明石「あー!やーっと見つけましたよー!」
提督「なんだ、明石ですか、どうしたんですか?」
明石「いえいえ、二人と合流しようかなーって思いましてね!スマホが発信機になってるじゃないですか?」
提督「え、ええ……」
明石「でもなんでこんなところに?」
提督「ちょっと涼みにね」
磯波「はい……」
明石「そうだったんですね!そういえば祭りの日ってこんな人気のないところでバカップルが色々ヤってるって話があるじゃないですか」
提督「そ、そんな話知りませんよ……」
磯波「……」
明石「そうですか?いやそーいうのはアホですよねー!祭りの日だってのに、そんなの家でやれよって!」
磯波「そうですね……」
明石「それにこーいう話もありまして…」ベラベラ
…
ボコスカ
浜風「待ちなさい!このアホがっ!!」
レ級「いでっ!!なんかいつもよりヒートアップしてない!?」
浜風「してません!!!」
ゲシッ
レ級「あうっ!」
榛名「すごいですね……」
霞「みんな突入したのにぜーんぶ一人で倒しちゃった……」
ネ級「」ピクピク
ソ級「やられたっす」ボロッ
ヲ級「Oh……」ヨロヨロ
雪風「それより花火は!?」
ワ級「……」コソーリ
雪風「あ!あいつ怪しい!」
ワ級「逃げろっ!」ダッ
ワー!マテー!
レ級「マズイぞ、我々も追うんだ!」
ソ級「うぅ……」ヨロヨロ
…
明石「つまりどーいう気持ちかわかんないんですよねー」
磯波「……明石さんには好きな人がいないからわからないんですよきっと」
提督「い、磯波?」
明石「す、好きな人ぐらいいます!」
磯波「……えっ!?誰!?」キラキラ
明石「うおっ」
提督「私も気になりますね」
明石「……いえ、その人はもう恋人がいるんです」
磯波「あらぁ……」
明石「その恋人がいないにしても、どうしようもありません。その人ってモテますから」
提督「そうなんですか……叶わぬ恋、と言いますか……」
明石「そう、まさしくその通り、悲恋なんです」
提督「あ、いや、失礼なことを言いました」
明石「別にいいんです、事実ですから。私の他にもその人を狙ってる人もいますし」
提督「へぇ……」
明石「でも私は、スタートラインにすら立てないんです」
磯波「どういうことですか?」
明石「つまり、私のことなんてタイプじゃないみたいなんです」
提督「随分と贅沢なヤツだ、君は美人じゃないか」
明石「ええっ?///で、でも、その人って私のことはぞんざいに扱うし、そもそもその人って……」
磯波「……その人って?」
明石「いえ、これを言ったらバレちゃいますから」
磯波「えー!」
提督「ま、誰しも秘密ってのはあるものだからそれくらいにしましょう、あなただって例の本のことは」
磯波「ちょ、ちょっと!///」
明石「そうだ、私まだ屋台回ってないんですよね!行きましょう!」
磯波「あ、うん!」
提督「……」
…
レ級「花火を守れー!」
ソ級「うおおおおおっす!」
榛名「勝手は!」
浜風「私たちが!」
雪風「許しません!」
ズドドドーン!!
「「だああああああああああああぁぁぁぁぁぁ……」」
霧島「あ、あれって」
時津風「ありゃ当たるんじゃないかなぁ」
「「……ぁぁぁぁぁぁぁあああああああああ」」
ワ級「えっ?」
ドゴォーン!
ドヒュー!ドヒュー!ドヒュー!ドヒュー!ドヒュー!ドヒュー!
ドドドドドーン
明石「あ!花火ですよ!」
磯波「すごい!大迫力ですね!」
明石「こんなド迫力の花火は初めて見ました!」
提督「ええ……そうですね……」
シーン……
明石「……あれ?終わり?」
磯波「どうしたんでしょうね……」
榛名「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」
霞「や、やらかした……」
初春「数万発が一回で……」
浜風「」
雪風「」
時津風「あ……あはははは……」
霧島「どうしましょうか……」
霰「とりあえず深海棲艦のせいにしとけばいい」
浜風「そ、そうです!元はと言えば花火を盗まれたからこんなことに!」
霰「ザル警備だったのは事実だし、考えなしに砲弾を撃ったのも事実だけどね」
榛名「」
浜風「」
雪風「」
翌日...
隣鎮守府
隣提督「とほほ……始末書なんて久しぶり……」カキカキ
榛名「ごめんなさい……提督……」
雪風「雪風が、雪風が悪いんですぅ~~~!!」ビエー
隣提督「全く、泣きたいのはこっちじゃわい……」
浜風「……すみません、中将」
隣提督「済んだことはもうしょうがない……」
【お祭りのファイアワークス】終わり
小ネタ75
提督「明石、一緒に暮らしませんか」
明石「はい…………はい?」
提督「嫌なら、別に……」
明石「いえ、その、えっ、それって、ぷ、ぷろぽ……」アワワワ
提督「やっぱり私と一緒に暮らすのは……」
明石「い、いえ!とんでもない!」
提督「それなら、提案を受けてくれますね?」
明石「は、はい!不束者ですが……///」
後日...
事務所
浜風「新しい住人は歓迎ですよ」
明石「あーあ、こんなことだろうとは思ってましたよ。まあいいですけど」ブツブツ
磯波「部屋余ってるなんて言ってましたっけ?」
提督「いいえ、でも余ってないとも言ってませんよ」
明石「部屋は好きにさせてもらいますよ!」
提督「ええ、どうぞ」
部屋は『4つ』あった!
小ネタ76
鎮守府カウンターバー 浜風と磯風
ゴクゴク
浜風「ぷはぁ……全く、やってられんもの!」ヒック
磯風「だいぶ酔ってるな」
浜風「酔いたくもなるよお、磯波ったら提督ばかり……違う逆だ」
磯風「……まぁ、そうだな。彼女の方が先に着任したんだから、仕方がない部分もあるだろう」
浜風「私は2号さんですかってんだ、男性不信がなければどっか行ってやるもん」
磯風「……本当にか?」
浜風「うそ。だって提督がいい」
磯風「そんなに良いヤツなのか?私は情けない野郎だと思っているが。まあ同情の余地もあるけど」
浜風「はぁ~~……わからないなあ」
磯風「何がだ」
浜風「そこもいいの♥」
磯風「はぁ?恋は盲目とは言うが……」
浜風「だって、私を救ってくれた王子様なのに、そういうところもあるってなんかイイものお」
磯風「ああ?ああ、『ギャップ萌え』ってやつか」
浜風「それかなあ」
磯風「……よくわからん」
浜風「そもそもお、提督しかいないしい、ていと……」
磯風「……ん?どうした?」
浜風「うぅ……ぐす……ていとく、わたしいいこにするからみす、みすてないで……ぐす……」グスグス
磯風「お、おい……」
浜風「いそなみばっかりじゃなくてわたしもみて……うぅぅ……ていとくぅ……」ポロポロ
磯風「なあ、浜風、お前の提督は」
浜風「だものお~~~~~!!」ドジャーン
磯風「……飲みすぎだぞ浜風」ハァ
浜風「ヒヒヒ、だものお~~~~~」
酔っ払ったっていいじゃないか、艦娘だもの。
小ネタ77
鎮守府カウンターバー 提督と七光提督
提督「神谷中将、私はどうすればいいんでしょうか」
七光提督「広川くん、君は難しく考えすぎなんじゃないの?役得だって思っとけばいいのに」
提督「……いえ、そんな風に考えることは」
七光提督「だよなあ、そうやって開き直れるんならそもそも相談なんてしてないだろうし」
提督「不誠実では、ないのでしょうか、何人とも関係を持つのは」
七光提督「そうだなぁ、全員が納得の上でなら問題はそうそう起こらないはず」
提督「はぁ…………ぱくっ、んぐっ」グイッ
七光提督「君、それってウォッカだよね?よく一気に飲めるなぁ」
提督「もごもご」モニュモニュ
七光提督「おや、何か咥えてるのかい」
提督「ぺっ。口に輪切りのレモンと砂糖を含んで、一気に口の中で混ぜるとあら不思議。ぐいっとイケっちまうんですね」
七光提督「へぇ……」
提督「『ニコラシカ』ってんで本当はブランデーでやるものなんですけど、ウォッカでもなかなかの物です。いかがですか?」
七光提督「いや、僕はウォッカはスクリュードライバーとかでいい……」
提督「そうですか」
七光提督(いつか死ぬんじゃなかろうか、彼)
提督「それはそうと、私はどうすれば……」
七光提督「気の持ちようさ。ポジティブに考えよう、滅多とないことだよ?そんなハーレムみたいなものなんて」
提督「そうですが……」
七光提督「そうだよ?僕んとこだってもうすんごいんだから」
提督「……そういえば、最近大和さんを見かけませんねぇ」
七光提督「……彼女は行方不明さ」
ガチャーン
七光提督「おや?」
潮「うへぇ……」ビチョビチョ
メイレイン「だ、大丈夫ですか?今拭きます!」スッ
ゴシゴシ
大和「痛い痛い」
七光提督「大和っ!?」
提督「……飲みすぎたかな」ゴシゴシ
大和は無事保護された。(メイレインちゃんには代わりのオシャレ手ぬぐいが送られた)
【実録!これが深海棲艦だ!】
君、深海棲艦に入らないかい?
深海棲艦はいいよ~、衣食住は丸々タダ。
おまけに給料までもらえるし、福利厚生だって充実している。
有給休暇だって、いつでも申請できる。
しかもハワイやギリシャ、韓国、インドネシア、カリブの島々にアフリカ、もちろん南米も、色んな所で休暇を楽しめる。
友達だってできる。それにね、兵器だって操縦し放題だ。
理不尽な世の中を変えることも意のままさ。
もっとお話を聞いてみたいかい?
………
……
…
居酒屋
ガヤガヤ
[深海棲艦過激派 様]
「我ら深海棲艦の理想の世のために!!」
ガチャンッ!
ゴクッゴクッ
ガタンッ!!
「ぶはぁ……くそっ!!ビスマルクめ……この戦艦水鬼アーサーを愚弄するとは……」
「アーサーくん、君も淑女なら愚痴はそれほどにし給えよ」
アーサー「なんだと!?ナポレオン、貴様に言われたくはないわ!!お前戦艦棲姫のクセしてリットリオにコテンパンに」
ナポレオン「な!あれは違うのです!不意を打たれたから仕方なく戦術的退却を」
アーサー「なーにが戦術的退却をだ!完敗して逃げ帰ってきただけじゃねーか!」
「スマートじゃないなぁ英仏の二人は」
アーサー「お前らだって黒海から追い出されてるじゃねーか、駆逐棲姫のチャーチュさんよお」
チャーチュ「いやいや、あそこは手放す他ないんだよ。代わりにギリシャが取れたじゃないか」
ナポレオン「でもセヴァストポリに帰りたーいって泣いてたのは誰ですかね?」
チャーチュ「うっ……それは……」
「ガッハッハッハ!!やはり連合のアホどもは情けないなぁ!!」
アーサー「はぁ……やかましいのが来たか、戦艦水鬼レーダー」
レーダー「やっぱり我々枢軸深海棲艦が圧倒的に強いのだよ!」
ナポレオン「引きこもりのデーニッツは一緒じゃないのですか?」
レーダー「そりゃ、引きこもりだからな……来なかったよ……」
「枢軸のが強いってのは賛同しかねます!」
チャーチュ「そう思うか!聡明だな!やっぱちっこいのは頭がいいんだよな!な!駆逐棲姫タンヨウ!」
タンヨウ「あらゆる点で負けている点が多いんです。だからこそそれを乗り越えるべきなんですよ!」
ナポレオン「いい事言うじゃないですか!」
タンヨウ「よし、原爆作りましょう!」
アーサー「二言目にはこれだもん」
タンヨウ「五億発落としましょう!アメリカに!全土を焦土に!」
レーダー「わかったわかった、殺していいよアメ公なんて」
アーサー「でも労働力が……」
タンヨウ「そんなもん中国からいくらでも仕入れればいいんです!」
ナポレオン「なーるほど、しかしうるさいのがいますね……あの辺には」
レーダー「ミユキか……」
タンヨウ「そういえばトルーマンさんは?」
アーサー「アメリカの連中は忙しいんだろうよ」
アーサー → ヴァンガード かの有名なアーサー王より
ナポレオン → リシュリュー リシュリューと来たらナポレオン!
チャーチュ → タシュケント タシュケント市の古い名前
レーダー → ビスマルク ドイツ海軍の将校、エーリヒ・レーダーより
デーニッツ → ティルピッツ ドイツ海軍の将校、カール・デーニッツより
タンヨウ → 雪風 丹陽
トルーマン → ミズーリ ミズーリはハリー・トルーマンの故郷から命名されたんだって!
なお、出番は今回限りである。もう出ない。
「えぇーーーッ!?」
いやひょっとしたら出るかも。
ところで隣のテーブル
磯波「えへへぇ、ていとくぅ~」ベタベタ
提督「いや困っちまうんだよなぁ、つらいねぇ~色男はぁ~」グビグビ
浜風「磯波も提督も飲みすぎですよ」
磯波「そんなことなあいも~ん、んぐっ」グイッ
明石「せっかくだから今夜は飲みまくりましょうよ、雨森中将の奢りだし!」
隣提督「え!?ワシの奢り!?知らんぞ!?」
女提督「気前がいいなぁ!じゃ、遠慮なく飲ませてもらうぞ~~!」ヒック
球磨「もう飲んでるクマ……」
隣提督「榛名もなんとか言ってくれ!」
榛名「えっ?あっ!ご馳走になります!」
隣提督「そうじゃないわい!」
磯波「はむっ、ていとくぅ……ちゅぅ……」チュッチュッ
提督「はぁ……磯波……」モゾモゾ
浜風「ちょちょちょちょっと!!」
女提督「なんだぁ!?おっぱじめるのかぁ!?私も混ぜろ!」ヌギッ
隣提督「もーうキライっ!!」
榛名「……榛名も早く酔っ払おう」グビグビ
球磨「それがいいクマ」グイッ
…
榛名「うぅ……酔えない、酔えないよぉ……」グビグビ
球磨「さ、酒強すぎクマぁ」
ミユキ「ほら頑張れ広川!タンヨウなどに負けるな!」
提督「んぐっんぐっ、ぶはぁ……」グビグビ
タンヨウ「ぶっはぁ~~。まだまだいけますよ!」
ミユキ「ほら頑張れ!提督の名が泣くぞ!!」
提督「うぐぐ、んぐっ!」グイッ
ミユキ「負けるな広川!」
アーサー「ミユキ!貴様深海棲艦のクセしてどっちの味方なんだ!」
ミユキ「あたしはタンヨウの敵だ!!」
提督「うぐぐ、うぐっ!」ウップ
ミユキ「もどすなっ!!」
タンヨウ「ぷはぁ!タンヨウの勝ちみた……おぼぼぼぼぼぼ」ゲボォー
アーサー「うわっ!」
レ級「なーにやってんだか……」
ネ級「お酒はゆっくり楽しみましょうね」
ソ級「がー……」zzz
磯波「ていとくぅ……ん~」
浜風「違う、提督はむkんんっ!?」ブチュー
磯風「浜風ェ……」
Dr.Ls「百合素晴らしい!」
…
ガサッ
球磨「ん?これは、『深海棲艦人員募集』クマ?」
榛名「えーっと、高給優遇、やる気さえあれば資格学歴不問で大歓迎……」
加賀「豪華料理、高級酒、食べ放題飲み放題……流石に気分が高揚します」
初雪「休暇はいつでも、デスクワークでもオッケー……いいな」
秋雲「絵描きも募集中?広報として活躍しませんか……だってさ」
榛名「しかも福利厚生充実、有休産休必ず支給……」
球磨「月月火水木金金ーとか言ってるどっかの海軍にも見習って欲しいクマー」
「はぁ~あ……」
………
……
…
どうだね、興味が湧いてきたかい?
……そうか、ひいおじいちゃんの仇か。君は優しい子だね。
そうだ、君にピッタリの役職がある。
航空母艦、というものさ。飛行機を飛ばすんだよ。
ヲ級nightmare、とでも言っておこうかな。
とにかく、君のひいおじいちゃんの仇を取るにはこれしかない。
引き受けてくれるかい?
……ありがとう、やっぱり思った通り、君に目をかけて正解だったよ。
おめでとう、君は深海棲艦の仲間入りだ。
今日から君の名前は……
【実録!これが深海棲艦だ!】終わり
小ネタ78 お試し会
磯風の場合
磯風「司令、浜風の事なんだが」
提督「彼女がどうかしましたか?」
磯風「ちゃんとあいつのことも考えてあげているのか?」
提督「……それはもちろん」
磯風「まあ童貞の司令には酷な話か。突然ハーレムに放り込まれたようなものだろうから」
提督「……磯風、私は一体どうすればいいと思う」
磯風「司令の思うようにやればいいんじゃないか。だがそれが3人を傷つけることになったとしても私は知らん」
提督「……酷い言い草だ。こないだは同情してくれるって言ってたのに」
磯風「同情はしてるさ。同情はな。それと言っておくが私はお前に惚れたりはしないぞ」
提督「ええ、構いませんよ。むしろこれ以上拗れて欲しくはありませんから」
磯風「……モヤッとする言い方だな」
提督「あなたには本音で話してもよさそうだったのでね」
磯風「……フッ、三人が聞いたら何て言うだろうな」
メイレインちゃんの場合
提督「あんまり内地をうろちょろされると困るんですよね。ほんだらば、ということです」
メイレイン「……」
提督「別に取って食ったりしませんよ」
メイレイン「他の三人どころか私まで……とんでもない浮気性です!」
提督「そんなんじゃないです……多分」
磯波「提督~、映画見に行きませんか?」
浜風「提督、公園に散歩でも行きましょう」
明石「提督!ドライブ行きませんか!」
提督「あー、その……」
メイレイン「ほら!浮気性じゃない男ならバシッと一人決めてくださいよ!」
提督「うぅぅ……じ、じゃあ、車で映画見に行った後に公園でみんなで散歩って……ダメ?」
「……」
『二人きりになりたい』って言ってんのがわかんないのかしらねぇ
潮の場合
潮「あ、あの、もう部屋に戻っても……」
提督「どうぞ」ペラッ
潮「……」
提督「……どうぞ」ペラッ
潮は衝撃を受けた!
なぜなら今までの彼女の上司というのは、いやったらしい目つきで見てきたりなんたりで、
まるで興味のない素振りを見せられたのは初めてだったのだ。
浜風「提督は私が育てました」ドヤァ
磯波「だーれかさんのを見飽きてるんですよね~」ボソッ
浜風「は?」
磯波「ん?」
潮はなぜか大変な感銘を受けた!
潮(な、なんて清い心を持った人なんでしょう……!)
提督「いや、ロリコンですよ?ふつーに……」
いやロリコンは普通ではない。
摩耶と愛宕の場合
提督「こう、でっかい人がここに居るのは随分と珍しいんですよ」
愛宕「あらあらぁ~でっかいだなんて、提督のえっち♥」
提督「身長の話です」
愛宕「……」
摩耶「まあ、あたしらはある意味安心できるっていうか、チビどもが心配っていうか……」
愛宕「とにかく、私たちの目が黒いうちは手を出させませんよ~♪」
提督「…………」ウワァ
摩耶「すげえ嫌そうだな。やっぱあぶねーぞコイツ」
愛宕「大人の魅力、思い知らせてあげるわ♪」
提督「不要です」キッパリ
摩耶「即答しやがったよ……」
愛宕(何とかして手に入れたいわ、こんな上玉滅多にあるものではないもの!)ギリリ
摩耶「……もうここやだ」
最上の場合
最上「どうして……ボクがこんなところに……ボクの提督……」
提督「ま、まあ、気を落とさないで……」
最上「提督が!!元のホモに戻ったらどうしてくれるんだよ!!?」
提督「ひっ!」
最上「提督はボクのなんだ誰にも渡しはしない、早く戻らなきゃ」ブツブツ
提督「し、司令長官に電話して異動取り消してもらって!早く!」
磯波「は、はひぃ」テチテチ
そういえばこのSSだとこんなんだった
球磨の場合
球磨「クマぁ~~」ダラー
提督「ちょっと、真面目にやって欲しいんだけど」
球磨「クマ?」
提督「クマ?じゃないですよ」
球磨「クマ!」
提督「いや……その……」
球磨「クマぁ」
提督「はぁ……」
磯波「く……クマっ!」
提督「!」
磯波「……///」カァー
提督「……球磨さん」
球磨「なにクマ」
提督「あんたってば最高ですよ」グッ
球磨「そうじゃろうクマそうじゃろうクマ」ウンウン
浜風「提督、お手紙が届いていますクマ。早く読んでくださいクマ。おーいクマ」
露骨っ!
多摩の場合
多摩「……」ワクワク
提督「何をそんなに期待しているんですか?」
多摩「今に女をはべらせて」
提督「だから!そんなんじゃないって言ってるじゃないですか!」
多摩「嘘はよくないにゃー」
提督「それに!私はまだ童貞なんですよ!」
多摩「……んにゃ?」
提督「童貞です童貞。昔付き合った女性はいますが、勃たなかったんでどうしようもない」
多摩「…………」
提督「……」
多摩「幻滅にゃ」
提督「あ、そう……」
多摩「タクマシくないにゃ」
提督「だからそう言ってるじゃないですか」
磯波「提督!……に、にゃあ」
提督「!」
磯波「に、にゃ……///」
待て、球磨と同じパターンじゃないか!?
島風の場合
提督「……」ペラッ
島風「おっはようございまーす!」ポスッ
提督「お、おはよう島風。悪いけどその格好で膝の上座られたら……」
島風「え?どーして?」
提督「いえ……その……」
磯波「」
浜風「」
磯波「や、やばいよ……あんな服装……」
浜風「いや、惑わされては……」
磯波「全裸……全裸しかない……」
浜風「全裸はマズイですよ……せめて水着ぐらいに……」
明石「おはようございます皆さん」
島風「うわっ!なにそのキワドイの!」
明石「負けてられないですからね!マイクロビキニですよ!」
島風「うわぁ……引くわぁ……」
提督「すぐに服を着てきなさい」
明石「はい」
小ネタ79
皆様(1名)の要望にお応えして、ついに深海の涼風が登場した!
ブリージー「あたいはチ級ブリージーってんだ!」
ところでここは憲兵隊詰所
ブリージー「おうおうおう!いたいけな少女をオリに入れるたあいい度胸だ!」
隊長「変装も何もしないでノコノコやってきたのは君だぞ?深海棲艦」
ブリージー「かァー!ああ言えばこう言う!理屈っぽいのは嫌われるぜ!?」
隊長「いやいや……」
ブリージー「なあ出してくれよ、姉を探しに来ただけなんだよ」
隊長「事情聴取と検査が終わったらな」
ブリージー「検査って?」
隊長「身体に武器や危険物を隠し持っていないか調べるんだ」
ブリージー「か、身体を!?おめー嫁入り前の娘っ子に!」
隊長「調べるのは俺じゃなくて女性だから安心しろ」
ブリージー「安心出来るかぁ!口ではなんとでも言える!」
隊長「まあな。だが本当の事d」
ブリージー「だあああ!好きにしやがれい!」ヌギヌギ
隊長「なっ!ちょっと!!やめろ!」
ブリージー「うるせえ!えっちい本みたくすればいいやい!」
ガチャン
隊長「ほら!服を着なさい!」
ブリージー「ふわぁ!いやらしく触りやがって!」
「隊長何の騒ぎ……隊長!!」
隊長「マルハセ!彼女を取り押さえて」
マルハセ「隊長!いけません!いくら彼女が出来ないからといってそれは……!!」
隊長「違う!」
ブリージー「チクショー!犯しやがれぇー!」
※言うまでもないがこれは艦これSSである
小ネタ80
憲兵隊詰所
隊長「……」カタカタ
ブリージー「……」ジー
隊長「……」カタカタ
ブリージー「……」ジー
隊長「……」カタカ…
ブリージー「……」ジー
隊長「すまん、気が散るんだが……」
ブリージー「ん?」
隊長「ん?じゃない。検査は終わったんだから姉でもなんでも探しに行けばいい」
ブリージー「……」
隊長「……」ムンズ
ブリージー「あらっとっとっと、何すんだい!」ジタバタ
ポイッチョ
ブリージー「あー!」
隊長「……」カタカタ
ブリージー「おうおうおう!人が助けて欲しそうにしてる時は何とかしてやるのが人情ってもんじゃあねーか!」
隊長「はぁ……じゃあ何、一体どうして欲しいの」
ブリージー「……ないんだよ」
隊長「何が?」
ブリージー「行く宛もお金もないんだよっ!!」
隊長「……近くにある海軍の事務所に何とかしてくれそうなのがいるからそいつ当たれば」
ブリージー「なんでいなんでい冷たいでやんの!あたいとあんたの仲じゃないか!」
隊長「知らん」
ブリージー「だ、だってお前、所持金見てみろよ!」ゴソゴソ
隊長「?」
ブリージー「ほら!300円しか持ってねえ!どうしろってんでい!裸一貫で追い出すってのかい!?」
隊長「そうだろうな、君の所持品は大量のお菓子とそのレシートだけだったものな」
ブリージー「ぐぅっ……」
隊長「わかったら深海に帰りなさい、攻撃しないように通達しとくから」
ブリージー「……頼む!」バッ
隊長「おいおい、土下座なんて」
ブリージー「この通りだ!あたいの大事な姉なんだ!あんたらっちの力を貸してくれよぉ!」
隊長「……」
ブリージー「あたい、何でもやるからさ、頼む!」
隊長「はぁ……敵対国の戦闘員に手を貸すわけにはいかない」
ブリージー「そ、そんな……そうだよなぁ……」
隊長「だが、市民なら別だ。助けを求められたなら救いの手を差し伸べるのが俺たち憲兵の責務というものだ」
ブリージー「じゃ、じゃあ……!」
隊長「君のその身につけた武装を全て破棄すれば、喜んで手を貸そう」
ブリージー「や、やったぜぇ!!ありがとなー!!」ギュッ
隊長「うおっ!ちょ、ちょっと君!」
マルハセ「うわぁ、隊長……」ヒキッ
隊長「違うわ!」
マルハセ「いくら中佐殿が羨ましいからといってそれは……」
隊長「だから違うって!」
※見ての通り艦これSSである
…
ジリジリ
提督「暑い……」
磯波「暑いですねぇ……冷房つけましょうよぅ……」
提督「ええ……」
浜風「アイスがもう残弾なしですね」
提督「買いに行きましょうか……ああ、そういえば車が廃車になったんだった」
明石「あ、じゃあ私の車で行きましょう!」
提督「えー……でもなー……ハ○ラーだし……」
明石「………………ハス○ー可愛いじゃないですか!!」クワッ
提督「ピンクだし……」
明石「な、失礼な人ですねぇ、人がどんな車に乗ろうと勝手でしょう!?」
提督「ATだし……」
明石「逆ならともかくいいじゃないですか!ATでも!」
ジリリリリリ
提督「はい。……はい、わかりました。磯波、事件です!」
磯波「はいっ!」
提督「浜風、艤装の準備は?」
浜風「もちろん整っています」
提督「明石、車の鍵を」
明石「ちぇっ、調子いいんですから」ポイッ
提督「さあ、行きましょうか。連中の首根っこを今度こそ引っ捕まえてやりましょう」
「「「はいっ!」」」
磯波「ところで、帰りにアイス買ってもいいですか?」
提督「物はついでだ、買っときましょうか」
980 : ◆TLyYpvBiuw - 2015/07/18 00:07:24.69 mIbLVtVLo 577/577というわけでこっちの投下はこれで最後です
新スレは準備が整い次第立てます