ひたぎ「BB戦士フリーダムガンダムよ」
元スレ
暦「戦場ヶ原、何作ってんの?」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1322988894/
ひたぎハウス
暦「お前もプラモデルなんて作ることあるんだな」
ひたぎ「組んでる最中に話しかけないでくれる?」パチパチ
暦「…………(じゃあ何で呼んだんだよ……)」
30分後
ひたぎ「…………」フゥ
ひたぎ「ふふ……」クイクイ ギューン
暦「終わったみたいだな」
ひたぎ「あら、何で阿良々木君が私の家にいるのかしら。住居不法侵入じゃない。ぶっ殺すわよ」
暦「殺すな!お前が呼びつけたんだろうが!『阿良々木君、今すぐ私の家に来なさい。来ると良いことがあるわよ』って電話で言ってただろ!」
ひたぎ「そうだったかしら。それじゃあ殺すのは止めてあげる。良かったわね阿良々木君、死なないで済んで」
暦「ここに来なければそもそも殺されることも無いんだよ!」
ひたぎ「消しカス以下の存在価値しかない阿良々木君に怒鳴られるなんて心外だわ。あなた自分の彼女を何だと思ってるの」
暦「自分の彼氏を消しカス以下だと思ってるお前に言われたくねえよ!」
ひたぎ「そんなことはどうでもいいのよ。これを見なさい」ジャーン
暦「…ったく。これってSEEDのフリーダムガンダムだよな。格好いいじゃん」
ひたぎ「そうね。それから?」
暦「え?」
ひたぎ「他にも言えることがあるでしょう。まさか感想それだけなの?はあ…、阿良々木君に1mgでも期待した私が馬鹿だったわ」
暦「僕の信用1mg!?ていうかそれ以下!?人の語彙力馬鹿にし過ぎだろ!………………かわいい?」
ひたぎ「…………」
暦「…………………………」
ひたぎ「……3歳児並みの語彙力しか持たない阿良々木君に1μでも期待した私が馬鹿だったわ」
暦「さらに下がった……あとそこは1ミクロンって表記しとけよ…。じゃあ、お前ならこいつを見て他にどんなことが言えるんだよ」
ひたぎ「しょうがないわね。今回は私がお手本を見せてあげるから、大いに反省して今後の人生に活かしなさい」
暦「はいはい」
ひたぎ「はいは3回よ、阿良々木君」
暦「はいはいはい!」
ひたぎ「感想は具体的に述べるのよ」
ひたぎ「まずは造形ね。顔もイケメンだけど、全体のバランスがとてもいいわ。最近のBB戦士は酷いもの。この時期のBB戦士は良作が多いけど、その中でもこのフリーダムのプロポーションは完璧よ。」
ひたぎ「稼働個所の多さも評価できるポイントね。手首の回転と肘の2重ポリキャップ構造によってビームライフルとシールドを自由に構えることが出来るわ。肩に引き出し関節は無いけれど、腰が回るフリーダムにはそんなの不要よ。」
ひたぎ「腰のクスフィアスも僅か3パーツで可動による展開を再現してるわ。泣けるじゃない。プラ同士の直受けだからヘタリが心配だけど、これは仕方がないことだわ」
ひたぎ「背部ウイング起部はPCだからヘタリの心配が無くていいわね。勿論バラエーナの展開も完璧よ。ハイマットフルバーストなんて邪道だわ。ハイマットとフルバーストで大きくシルエットが変わるのがいいんじゃない」
ひたぎ「足首の可動範囲が狭いのは残念だわ。でも、その分見栄えはバッチリなので良しとしましょう。いつも飛んでる機体だからダメージは少ないわ」
ひたぎ「ビームサーベルは取り外せない上に単体でも付属しないけど問題ないわ。余剰パーツはゴミと同義だもの。もし付いてたとしてもごみ箱へポイよ」
ひたぎ「肉抜きが目立たないのもいいわね。武装は勿論だけど何といっても脚が嬉しいわね。殆ど肉抜きが気にならないわ。レッドフレームやストライクの犠牲は無駄じゃなかったのよ」
暦「なあ…ちょっといいか?僕がBB戦士を最後に作ったのは小学生の頃だし、フリーダムも触らせて貰ってないんだから、今戦場ヶ原が言ったようなことは僕が言えなくて当然だろ?」
ひたぎ「うるさいわねえ。そのくらいわかりなさいよ」
暦「酷い…」
ひたぎ「色分けも良い感じね。シールド、ビームライフル、ウイングは大きく色が足りないけど、イメージは壊れないわ。問題はアンテナね。4か所の赤シールとは違って、ここの黄色シールは違和感が大きいわ。白いままで我慢するしかないわね」
暦「それぐらい塗ればいいんじゃないのか?ガンダムマーカーとか売ってるじゃん」
ひたぎ「そんなんだからいつまでたっても阿良々木君は暦なのよ」
暦「何で暦を悪口みたいに使ってんの!?僕はいつまでも暦だ!…で、塗装の何が駄目なんだよ」
ひたぎ「はみ出さずに塗るのは難しいのよ。ほんの少しでもラインが歪んだら、成型パーツの美しさが消えてしまうわ。そう…まるで一滴のカレーうどんのシミで台無しになる白いワンピースの様に…」
ひたぎ「直線で構成されたシールの方がまだマシね。そしてシールがきれいに貼れない個所はそのままにすべきなのよ」
ひたぎ「全塗装に至っては愚の骨頂ね。そんなことしたら塗装が剥げるのが怖くて遊べないじゃない。第一、プラスチックの美しさが隠れてしまうわ」
暦「ふうん。そんなもんかね。」
ひたぎ「BB戦士っていうチョイスも重要よ。見てよこのふっくらみっちり感。情報がうるさいのとはまったく違うわ。かわいらしさと充足感が同時に存在しているわ」
ひたぎ「RGとかゴミよね。BB戦士がサイコロキャラメルだとしたらRGはステンレスの定規ね。せめて竹製か巻き取り式に生まれ変わってから出直しなさい」
暦「お前はRGとやらに恨みでもあるのか…?」
ひたぎ「そして様々なポーズをとらせるの」シュパァ キュイーン ギャギィ
ひたぎ「どう?凄いでしょ」
暦「あ、ああ…そうだな。僕が悪かったよ」
暦(戦場ヶ原は自分が作ったプラモデルを自慢したくて僕を呼んだのか…)
ひたぎ「これでBB戦士フリーダムガンダムについては終わりよ」
暦「おう…お疲れ(やっと終わった…)」
ひたぎ「次は『私が作った』BB戦士フリーダムガンダムについてよ」
暦「まだ続くのかよ!!」
ひたぎ「当り前じゃない。一般的な消しカスについての感想を述べた所で、それがそっくりそのまま阿良々木君に当てはまりはしないでしょう?」
暦「僕に消しカスとの共通点なんてねえよ!…で、お前の作ったフリーダムは他のと何が違うんだよ。」
暦「塗装なしのパチ組なんて誰が作っても似たような出来になるんじゃねえの?個々人の感想もそう変わらないだろ」
ひたぎ「それは阿良々木君次第よ」
暦「え?」
ひたぎ「見てこことここ。パーツを切る時失敗してえぐれちゃったわ。股間のシールも上手く貼れないから結局剥がしちゃったし。ほら、ベタベタしてるでしょう?やだ卑猥」ペタペタ
ひたぎ「普通の人は組み立て済みのプラモデルなんか欲しがらないわ。ましてやこんな失敗作」
ひたぎ「はい、阿良々木君にあげる」
暦「あ、うん…」
ひたぎ「それは私が作った、私が阿良々木君の為に作った、私の想いがこめられた、私の阿良々木君への想いがこめられた、世界に一つしか存在しないフリーダムよ」
ひたぎ「阿良々木君はそのフリーダムにどんな価値を見出すのかしら?」
暦「……………………あー、やっぱり僕は語彙力ないや」
暦「嬉しいよ。一生大事にする」
ひたぎ「あらそう。嬉しいこと言ってくれるじゃない」
ひたぎフリーダム 終
蛇足
ひたぎ「決してお金が無いから塗装ケチったり、BB戦士を選んだわけじゃないのよ」
蛇足 終