勇者「へ?」
竜王「お前のような猛者を待っていた。是非婿になれ」
勇者「あなたを討伐しにきたんですけど」
竜王「よいではないか、よいではないか」
勇者「よろしくない。平和を取り戻さないと」
竜王「私のような美人を前に、平和を優先すると申すか」
勇者「いや、だって………」
勇者「トカゲじゃん」
竜王「竜です」
元スレ
竜王「お前の嫁になってやらない事も無い」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1311951800/
竜王「ささ、勇者よちこうよ……デブいな」
勇者「おいやめろ」
竜王「すまぬ、取り乱した」
勇者「討伐するぞ」
竜王「だがお前がデブでも、私は一向に構わん。私は外見で判断しないからな」
勇者「出会っていきなりデブを連発される俺の身になって」
竜王「おお、すまなかった。ささ、こっちへ……磯くさっ!」
勇者「やめろ」
竜王「何故磯臭い」
勇者「泳いできたから」
竜王「泳いで?虹の橋は?」
勇者「雨雲の杖を貰いに行ったら舌打ちされた……」
竜王「………」
勇者「あと、神官が『もうお前泳いでいけよ』って……」
竜王「あのな、言いたくないんだけど……」
竜王「お前嫌われてるだろ」
勇者「えっ」
竜王「とにかく、私と共に来てくれたら、世界の半分をお前にやろう」
勇者「要りません」
竜王「でもお前、私を倒して帰っても、誰も待っててくれないと思う」
勇者「」
竜王「おいィ?」
勇者「ひ、卑劣な魔王め!こ……この王女の愛を見るがいい!」
竜王「おお」
勇者「これは王女がくれたブツ。王女は俺を待っててくれるはず!」
竜王「ふむふむ」
勇者「見てろ!」
―おかけになった復活の呪文は、愛の届かない場所にあるか、間違っているため復活できません。
勇者「」
竜王「おいィ?」
竜王「なぁ、なぁ?」
勇者「」
竜王「勇者よ、しんでしまうとはなさけない」
勇者「…なんとなく、その前兆はあった」
竜王「oh...」
勇者「ドラゴン倒して救出したのに、第一声は舌打ちだった」
竜王「…」
勇者「王様に返したら、王様がこっち見てくれない」
勇者「王女はなんか知らない男と再会を喜んでて」
竜王「もう休め」
勇者「勇者の証探してる時も結構おざなりで、結局俺が草の根分けて探してたし」
竜王「もういい…! もう… 休めっ…!」
勇者「最後に交わした言葉はやっぱり舌打ちだった」
竜王「もうやめてっ!勇者のHPはゼロよ!」
勇者「HA☆NA☆SE☆」
竜王「ちなみに」
勇者「うん?」
竜王「振られたのか?」
勇者「間違いない」
竜王「でもお前を振るなんて、ホントに王女は趣味悪いな」
勇者「そうですか」
竜王「私はお前が好きだ。私と釣り合う強さを持つのはお前しかいない」
勇者「そう?ちょっと嬉しいかも」
竜王「でも磯臭いな」
勇者「やめて」
竜王「磯臭い」
勇者「やめて」
竜王「ゲソ臭い」
勇者「おいやめろ」
竜王「イカ臭い」
勇者「おいやめろ、やめろ」
竜王「お前、イカ臭いな」
勇者「俺はお前を倒して平和を手に入れるわ」
竜王「ゼェ…ハハハこやつめ…ゼェ…ハハハ……」
勇者「死にかけなのに……余裕じゃないか……」
竜王「私の鱗を強引にはがしといて……///」
勇者「倒す」
竜王「分かった私が悪かった。だからその斧を………斧?」
勇者「斧です」
竜王「伝説の剣じゃないの?」
勇者「伝説の斧です」
竜王「いや、いやいやいやだってそれどう見ても」
勇者「綺麗な柄してるだろ…?でもこれ鉄の斧なんだぜ」
竜王「なぜそれにしたし」
勇者「ご先祖様がな」
竜王「うん」
勇者「これで魔王倒しちゃった」
竜王「えー」
勇者「この武器もそうだけど、実はこの鎧も」
竜王「普通の魔法の鎧にしか見えない」
勇者「じつは布の服を着込んでいる」
竜王「なぜ?」
勇者「伝説の鎧だから」
竜王「魔法の鎧が?」
勇者「布の服が」
竜王「…」
勇者「…」
竜王「…要約すると」
勇者「うむ」
竜王「鉄の斧を持ったご先祖様は、何も通さぬ最強の布の服をまとい、全てを防げる鍋の蓋を構え、魔王を討ち取ったのか」
勇者「ご先祖が憎い」
竜王「こんな時……どんな顔すればいいかわからないの」
勇者「笑えよ、ベジータ」
竜王「お前のご先祖ポカハマズwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
竜王「ちょっ…落ち着け斧を構えるなこっちくるな磯臭いやめ」
竜王「彼は私に迫ってきて、強引に……///」
勇者「しっぽを切ったな」
竜王「私も本気で相手したのに、ホントにお前は強いな」
勇者「そっちこそ強いよ。しっぽを切るのが精一杯」
竜王「まぁ、しっぽは直ぐ戻るから別にいいが」
勇者「トカゲか」
竜王「竜ですってば」
勇者「しかし疲れた。磯と汗で体がひどい事に……」
竜王「風呂を貸そう。さぁ入って来い我が夫よ」
勇者「夫じゃないです」
竜王「旦那よ」
勇者「旦那じゃないです」
竜王「……だ…ダーリン///」
勇者「なにそれキュンとした」
竜王「結婚しよう」
勇者「トカゲじゃなかったらな」
竜王「竜です」
竜王「サッパリしたか?」
勇者「お風呂貸してもらえるとは……」
竜王「未来の旦那に風呂を貸すのは当然。では行ってくる」
勇者「どこに?」
竜王「そりゃ夜伽のために身を……」
勇者「獣姦の しゅみは ない です」
竜王「区切って言うな」
勇者「獣姦の趣味はないです」
竜王「二回言わなくていい」
勇者「大事なことなので」
竜王「…ほぅ?」
竜王「例えば私が人型になれるとしても、お前は獣姦というわけだ」
勇者「う…ぐぬぬ」
竜王「絶世の美女だっとしてもお前は私を抱けないわけだ」
勇者「それはありえない」
竜王「ありえる!」
勇者「証拠は?」
竜王「最近法規制が激しいので」
勇者「え?」
竜王「未成年だっていうことだよ言わせんな恥ずかしい」
勇者「今何歳?」
竜王「16000歳くらい」
勇者「え?」
竜王「え?」
勇者「成人にはあと何年?」
竜王「4000年くらい」
勇者「想像を絶した」
竜王「お前の想像力はスライムより無いということは分かった」
竜王「サッパリした」
勇者「トカゲから湯気出てる」
竜王「竜なんですって」
勇者「はいドン」
竜王「何このパネル?」
勇者「片方がドラゴンキッズ、片方がメラリザードです」
竜王「フムフム」
勇者「シルエットだけで当ててください」
竜王「何その無理ゲー」
勇者「俺のイマジネーションをバカにするとこうなる」
竜王「寛大な心で許せ夫よ」
勇者「夫ではない。当てたら許そう」
竜王「こっち」
勇者「メラリザードでした」
竜王「どっちもドラゴン系って……ことで………」
勇者「トカゲざまぁwwwwwwwwwww」
勇者「本当にすいませんでした息を吸い込まないでください足を固定しないで火をちらつかせ」
竜王「本当にすまないという気持ちで…胸がいっぱいなら…!どこであれ土下座ができる…!」
勇者「!?」
竜王「たとえそれが…肉焦がし…骨焼く…」
竜王「我 が 炎 の 中 で も っ ………!」
勇者「猛省……!誠意を持って謝ります」
竜王「我が夫でも、あまり愚弄するとこうなる」
勇者「夫じゃないけど申し訳ありません」
竜王「許した。さぁ寝室へ行こう」
勇者「それだけは勘弁して下さい」
竜王「何故だ?愛し合っているというのに」
勇者「童貞な上に、まだ王女に未練があるんです」
竜王「あー……」
勇者「あとせめて人型じゃないと無理」
竜王「意気地なし」
勇者「そういう問題なのか?」
竜王「なぁ、日も暮れたし夜風に当たらないか」
勇者「いいねそれ……って、俺は敵の本陣で何してんだろう」
竜王「私は夫を労っているだけだから問題ない」
勇者「夫じゃない。それにしてもラスボスに労わられる俺って一体」
竜王「固いことは言いっこなし。ささ、ここから外が見えるぞ」
勇者「海……とラダトームの城だ」
竜王「ここからよく空をとぶんだ」
勇者「空……か。海を泳ぐのとどっちが楽しいんだろう」
竜王「海でひどい事あったのに、海が好きなのか?」
勇者「漁師なので」
竜王「えっ?」
勇者「漁師なので」
竜王「意味が分からない」
漁師「勇者は職業じゃないです」
竜王「つまり、ご先祖は魔王討伐後に漁師やってたのか」
勇者「かいつまんで言うとそうなる」
竜王「なんなのその先祖バカなの死ぬの」
勇者「ご先祖はバカで死なないけど愚弄するんじゃない」
竜王「…すまなかった」
勇者「でも漁師でよかった。海は好き」
竜王「イカ臭いのに?」
勇者「やめろ。さっき風呂入っただろ」
竜王「お前は大王イカみたいなニオイするのに、なんで私の手下じゃないんだ?」
勇者「やはりお前とは雌雄を決せねばならないようだ」
竜王「悪かったって、斧しまえってば、なぁ」
竜王「私のお肉を削ぎとって、どうするつもりだ」
勇者「疲労困憊で……倒れてるのに…ほんと口だけは動くのな……」
竜王「そっちだって」
勇者「ああ、もう……」
竜王「…私と居て、もしかして不快か?」
勇者「……若干」
竜王「………そうか」
勇者「でも、こんなにすっきりした気持ちも初めて」
竜王「!!」
勇者「なぁ、お前はどうして世界を襲ったんだ?話してるとそんなことしそうにないんだけど」
竜王「そうだな……理由は」
勇者「うん」
竜王「婚活」
竜王「いや嘘いやある意味ホントだけどウソウソウソだから帰るなってば」
竜王「私はな、自分と対等な存在を見つけたかったんだ」
竜王「皆私とは違う。私が触れれば、壊れてしまう」
竜王「だから、世界に魔物を放った。私を…そうだ。私を見つけるために」
勇者「私……?」
竜王「そうだ、私と対等な……勇者、お前を見つけるために」
勇者「それでラダトームを攻めたのか」
竜王「ああ、あそこを攻めて正解だった」
勇者「なんで?」
竜王「そりゃあ、お前が居たからだよ。世界で唯一の、お前が」
竜王「勇者、お前が欲しい。世界で何よりおまえが欲しい」
竜王「望むなら世界をやろう。命をやろう。全てをやろう」
竜王「私と共に来ないか?お前さえ来てくれるのなら、私は何も要らない」
勇者「……」
骨「配達です」
竜王「お、きたか」
勇者「雰囲気壊れたぞ。いいのかよ」
竜王「まれによくある」
竜王「ふむふむ」
勇者「何書いてあるの?」
竜王「脅迫状の回答」
勇者「えっ」
竜王「『勇者は預かった。私との婚姻を認めねばラダトームを廃墟にするまで攻める』って書いた」
勇者「なにそれこわい」
竜王「で、この手紙が回答だが……」
勇者「王様、人身売買は犯罪ですよ……お願いです……」
竜王「王女からお前あての手紙しかなかった」
勇者「えっ?」
竜王「気にするな。いい嫁は嫉妬しないし、夫の手紙を読まない。あっちで読んでこい」
勇者「………」
『勇者様、お久しぶりでございます。
敵方に捕まったと聞きました。大丈夫でしょうか?
私たちも今、全ての兵を持ってあなた様の救出に向かっています。
それまで、死なないでください。けして死なないで。
…でも私は信じています。
あなたは死ぬことなく、ただ一人で竜王を倒し、生きてラダトームに帰ることを。』
勇者「王女……」
兵士1「全戦力集結しました」
王女「勇者は助けん。竜王ごと潰す」
王女「夜明けに攻めるぞ」
竜王「……お、戻ったか。どーだった?」
勇者「……」
竜王「なんて書いてあった?私たちを祝福するとか?……てへへ///」
勇者「……すまない」
竜王「なっ……なんだ?///」
勇者「俺と……戦え。竜王」
竜王「なんでだ!?私と一緒にいるのがそんなに嫌だったのか!?」
勇者「違う……そうじゃない」
竜王「わ、わかった!私が人型にならないからだな!?分かった今すぐお前に私の」
勇者「違う!そうじゃないんだ!!」
竜王「なら、ならどうして!?」
勇者「俺は、勇者だ」
竜王「それは知ってる」
勇者「王女の手紙で気づいた。俺はあの国の期待を全て背負っていることを」
勇者「そして、俺の役目があることを」
竜王「勇者……」
勇者「俺は勇者だ。そして、俺の役目はただひとつ」
勇者「……竜王を、討伐することだ」
竜王「…決心は、変わらないんだな?」
勇者「お前は敵だ」
竜王「よかろう、ならば私も魔物の王の矜持を持って相手しよう!」
勇者「世界に平和をもたらす!」
竜王「来い勇者!お前の正義を我に刻んでみろ!」
――――
―――
――
―
竜王「激しかった……///」
勇者「誤解のある言い方はやめろ」
竜王「私の片翼をぶった切っといてよく言う」
勇者「むしろ片翼をぶった切るだけで精一杯でした」
竜王「……うん、やっぱり何回も戦ってみて分かった。私はお前が大好きだ」
勇者「なんで?」
竜王「私が全力を尽くしても倒れないのはお前だけだ。そしてお前の全力を受け止めれるのは私だけだ」
勇者「…」
竜王「私と対等なのはお前だけだ。力のことも、立場のことも考えないでぶつけられるのは、勇者のお前だけだ。」
竜王「私は幸せだ。今、とても幸せだ。」
勇者「竜王……」
竜王「勇者…望むなら私と戦ってもいい。ずっと戦っていよう。朝も、昼も、夜も……
お前となら、なんでも出来る。お前の望むようにしよう。
お前が望むなら、終わりのない戦いをしてもいい。殺したいというのであれば私を殺してもいい。
私はお前が好きだ。大好きだ。」
勇者「……はぁ、結局竜王討伐出来なかったな。王女様に好かれるチャンスだと思ったのに」
竜王「私じゃ、不満か?」
勇者「トカゲじゃなー」
竜王「竜です」
勇者「トカゲじゃなー」
竜王「分かった、分かった。お前の好みに姿を変えてやる」
勇者「トカゲ言ってすいませんでした」
竜王「あの、土下座やめて……」
勇者「っていうか、竜王男っぽいし、女っぽいし、なんなの?」
竜王「私はまだ未分化だ」
勇者「へ?」
竜王「♂でも♀でもないってこと。言わせんな恥ずかしい///」
勇者「美 女 じゃないじゃん」
竜王「これからなる」
勇者「へ?」
竜王「わからないのか?お前を待ってるために性別をつけなかったんだ」
勇者「え?え?」
竜王「お前が男でも女でも、勇者…お前と添い遂げるためにどっちになれるように待ってた」
勇者「キュン」
竜王「というわけで、未来の夫よ、私と添い遂げろ」
勇者「まだ夫じゃないです」
竜王「まだ…か♪」
勇者「あ……あう」
竜王「気長に待つよ。私は待てる女だ。」
勇者「まだ女じゃないけどな」
勇者「ところで俺に振られるか、誰も現れなかったら?」
竜王「DQ1参照」
勇者「……あー」
勇者「…さて、俺はもう行くよ。勇者も廃業だしな」
竜王「どこに行くんだ?」
勇者「どこか遠く。……そうだな、海が見える場所に行こうと思う」
竜王「…私を誘ってくれないのか?」
勇者「一緒に来てくれる?」
竜王「うん!私はお前とならどこだって!地獄だって未来だって過去だって異世界だって一緒に行く!」
勇者「…ありがとう」
竜王「私の背中に乗れ勇者」
勇者「えっ?」
竜王「海で泳ぐのと、空を飛ぶの……どっちがいいか知りたいだろう?」
勇者「知りたい!」
竜王「私は空だ!勇者も空を好きになれ!」
勇者「そりゃ、お前次第だな」
竜王「任せろ夫!お前を世界一の飛行体験者にしてやる!」
勇者「なぁ……竜王」
竜王「なんだ?勇者」
勇者「今更になって、もう勇者じゃないのにズルイんだけどさ……」
竜王「私は勇者じゃないお前が……」
勇者「……そこから先は俺が言うよ」
勇者「竜王、俺は君が好きになりました」
竜王「勇者、私は君がずっと好きでした」
_END
えっぴろーぐ
王女「……ふん、ものけのからか」
兵士「魔物もいませんね……」
王女「我が王国から危険がいなくなったということで引き上げましょう……あら?」
王女「これは竜王の片翼……ふむ」
王女「全員鬨の声をあげよ!我らは竜王を討ち取った!この片翼こそその証なり!」
―ラダトーム史
ラダトーム女王ローラは、その類まれなる知略と、竜王を破りし兵力を持ってアレフガルドを制圧した。
その上でラダトーム3カ国……ムーンブルグ、サマルトリア、ローレシアを建国し、ラダトームはさらなる勢力を手に入れた。
その治世は100年を越し、まばゆいばかりの黄金時代を築き上げたのだった。
一方で、竜王とその悪に挑みし勇者は戦闘にて死したと記録されている。

