1 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:06:52 6p2HTXEo 1/109


ある所にそれはそれは見事にはたをおる女の子がおりました

多い日には10ものはたをおる事もあったそうな

これはそんな女の子のある日の出来事


2 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:08:06 6p2HTXEo 2/109


幼友「はー、やっと授業終わったー」

幼馴染「お疲れ様」

幼友「あんたは全然疲れて無いみたいね」

「授業、楽しいからね」

幼友「はぁ、楽しいと疲れませんか」

「そうだね。授業を疲れると思った事は無いね」

幼友「完璧超人か!」

「そんな事は無いよ」


3 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:08:59 6p2HTXEo 3/109


幼友「生徒会の仕事は?疲れるよね?」

「全然」

「生徒会の仕事も好きでやっている事だしね」

幼友「ふーん。ま、私はあんたの傍でお手伝い出来ればそれで良いんだけど」

「いつも手伝ってくれてありがとう、幼友」
ニコッ

幼友「お礼とかやめてよ。私だって一応生徒会執行部の一員なんだから」

「ふふっ…それじゃそろそろ行こうか、幼友」

幼友「はいはーい」


4 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:09:46 6p2HTXEo 4/109




生徒会長「やあ、幼さん」

「生徒会長、お疲れ様です」

生徒会長「はは、疲れるのは今からだけどね」

「今日もよろしくお願いします」

生徒会長「それはこちらの台詞だよ」

「皆、集まった様なので…」

生徒会長「うん、それではこれより体育祭に向けての会議を始めます」

生徒会長「副会長、進行宜しく」

「はい、それではまず最初の議題から…」


5 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:10:55 6p2HTXEo 5/109




生徒会長「それでは今日の会議はこれで終わります」

生徒達「お疲れ様でした!」
ザワザワ

「…」
ガサガサ
トントン

「幼友、この書類を教頭先生まで届けて貰えるかな?」

幼友「任された!ダッシュで行ってくる!」

「廊下を走っては駄目だよ、幼友」

幼友「走らず急ぐ…ナゾナゾ?」

「違うよ。急がなくて良いから普通に歩いて行って」

幼友「了解!じゃ、ちょっと行ってくるね」
スタスタ


6 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:11:46 6p2HTXEo 6/109


生徒会長「幼さん、お疲れ様」

「会長、お疲れ様でした」

生徒会長「今回の会議進行もお見事でした」

「いえ、そんな事は」

生徒会長「楽しい体育祭になりそうだよね」

「そうですね。皆で話し合って、少しずつ形になって」

「当日は全校生徒、皆で楽しむ」

「絶対、良い思い出にしたいです」

生徒会長「うん、そうだね、良い思い出にしたいね」


7 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:12:45 6p2HTXEo 7/109


女子バスケ部部長「ねぇねぇ、あの2人、何の話ししてるのかな?」

女子バレー部部長「超お似合いだよねー」

女子卓球部部長「会長と副会長って、付き合ってるのかな?」

女子水泳部部長「美男美女でお似合いだよねー」

女子茶道部部長「どちらも高嶺の花という感じですものね」

女子漫研部部長「隠れて付き合ってるんじゃないかな?」

女子柔道部部長「あぁ…会長、私と付き合ってくれないかなぁ」

女子部長達「アンタじゃ無理でしょ」

女子柔道部部長「アンタら…全員投げ飛ばすわよ?」


8 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:13:28 6p2HTXEo 8/109


放送部部長♀「あ!ちょっと新聞部の!あんた何か知らないの?」

新聞部部長♂「あ?まだウラ取れてないから記事には出来んけど…」

新聞部部長♂「実は会長の方から一度告ったけど、断られたらしい」

女子部長達「マジで!?」

新聞部部長♂「でも諦めてないらしいって噂ならある」

女子部長達「マジで!?」

女子バスケ部部長「でも何か解るわー」


9 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:14:22 6p2HTXEo 9/109


女子バレー部部長「幼さんって、孤高の存在って感じするもんね」

女子卓球部部長「クールだよね?」

女子水泳部部長「恐れ多くて近寄りがたい感じするよね」

新聞部部長♂「でもたまに素敵な笑顔を見せるよね」

女子茶道部部長「あ!幼友さんと話してる時は、微笑んでる事が多い様な気が…」

女子漫研部部長「も、もしや、幼友さんと付き合ってるんじゃ…」

女子漫研部部長「そんな薄い本みたいなゆりゆりな展開なら…ハァハァ」

女子柔道部部長「そ、そしたら!会長は私と付き合うって事に!」

新聞部部長♂「絶対ならないでしょ」

女子柔道部部長「…」


10 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:15:20 6p2HTXEo 10/109


放送部部長♀「ま、会長が誰かと付き合う事になったら」

放送部部長♀「私達、生徒会長親衛隊が黙ってないですけどねっ」

女子部長達 + 新聞部部長♂「そんなのあるんだ!?」

女子部長達 + 新聞部部長♂「でも解るわー!」

新聞部部長♂「…まぁ、幼さんが誰かと付き合う事になったら」

新聞部部長♂「俺達、幼さんファンクラブ会員一同が黙ってねーけど」

女子部長達「そんなのもあるんだ!?」

女子部長達「でも解るわー!」


生徒会長「…あのね、君達」

部長達「!?」


11 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:16:31 6p2HTXEo 11/109


生徒会長「そういった話しはさ」

生徒会長「当人達には聞こえない様にするものじゃないかな?」

生徒会長「さすがの僕も傷つくよ…はぁ…」

部長達「すみませんでしたっ!」

生徒会長「さ、会議は終わったんだから、全員会議室から出てくれないかな?」

部長達「は、はいっ!」
バタバタバタ


「…」

生徒会長「まぁ、大体事実なんだけどね」


12 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:17:44 6p2HTXEo 12/109


「会長、すみません」

生徒会長「はは、良いんだよ。幼さんが謝る事じゃないさ」

生徒会長「…でも良い機会かもしれないな」ボソッ

「?」

生徒会長「僕が幼さんに一目惚れしたのは、今から468日前、君の入学式の時」

生徒会長「新入生代表挨拶をする君の姿に見惚れてしまった」

生徒会長「告白をしたのは丁度263日前だったよね」

「…」


13 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:18:27 6p2HTXEo 13/109


生徒会長「……あの時は断られてしまったけど」

生徒会長「君は生徒会に来てくれた」

生徒会長「それってやっぱり、僕の事が好きになってしまったって事だよね」

「あの…会長?」

生徒会長「そうだよね?」

「…」

生徒会長「だからもう一度、告白しても良いかな?」


14 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:19:20 6p2HTXEo 14/109


生徒会長「幼さん、僕と真剣に交際して貰えないだろうか?」

「すみません、それは出来ません」

生徒会長「…何故だい?」

「前にもお話ししましたが、それだけは誰にも言えないんです」

「本当にごめんなさい」

生徒会長「僕の事が好きになったから、生徒会に入ったんじゃないのかい?」

「…違います」


15 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:20:32 6p2HTXEo 15/109


生徒会長「嘘だっ!」

「!?」

生徒会長「…何故君は嘘を吐くんだい?」

「嘘じゃありません、本当に会長とは…」

生徒会長「あんまり強情な様なら…」

生徒会長「君が正直になるように、その身体に教えてあげようかな」

「…どうするおつもりですか?」

生徒会長「ふふふ…きっと君は僕の事が大好きになるよ…」


16 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:21:43 6p2HTXEo 16/109


「例え…」

生徒会長「んん?抵抗しても無駄だと思うよ?」

「例え会長がどんな事をしても、私は会長とはお付き合い出来ません」

生徒会長「やってみないと解らないさ…」

「無駄です」

生徒会長「……こんなに格好良くて、皆の人望も厚い生徒会長で、実家は金持ちの」

生徒会長「この僕の一体どこが気に入らないんだい?」


17 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:22:39 6p2HTXEo 17/109


「私は、自分の事を『格好良い』と言い切る様な人間を…」

「好きになる事は絶対にありませんよ、会長」

生徒会長「…そこまで僕は駄目かい?」

「生徒会長として、日々学園を良くしようと努力している会長の事は尊敬しています」

「ですが、今の様な脅し文句を言い放つ会長の事は軽蔑に値すると思います」

「そんな会長の事を異性として好きにはなれません、絶対に」

生徒会長「幼さん…君は…」


18 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:24:15 6p2HTXEo 18/109


ガラッ
幼友「お待たせーっ!幼、帰ろー…って」

幼友「あれ?何か立て込んでましたか?」

生徒会長「い、いや、何でも無いよ」

「会長、今のお話しは聞かなかった事にしますので」

生徒会長「う、うん。それじゃ2人とも気をつけて帰ってね」

幼友「はい」


生徒会長「はぁ…2回もフラレた…」ブツブツ

生徒会長「何故この気持ちが伝わらないんだ…」ブツブツ



見た目そこそこ、中身残念な生徒会長とのはたを1折り


19 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:25:03 6p2HTXEo 19/109




幼友「本当に良かったの?」

「あぁ、問題ないよ」

幼友「生徒会長、ちょっと怖い顔してたけど?」

「本当に何も問題はないよ、幼友」

幼友「…ま、幼がそう言うなら良いけどさー」

気の弱そうな男子生徒「あ、あの…副会長!」

「ん?何かな?」


20 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:25:54 6p2HTXEo 20/109


弱夫「ちょっとお話しがあるんですけど…いいですか?」

「うん、構わないけども?」

弱夫「あの…ここではちょっと…」

幼友「あー、そう言う事ね。幼、話し聞いてあげなよ」

弱夫「…ちょっとついて来てもらえますか?」

「解った。幼友、すまないが先に帰っていてくれ」

幼友「はいはーい」


21 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:27:38 6p2HTXEo 21/109




「…どこまで行くのかな?」

弱夫「あの…もうすぐです」

「…」

弱夫「ご、ご面倒をおかけします」

「もしかして体育館裏に向かっているのかな?」

弱夫「そ、そうです…」

「君は、誰かに頼まれて私を呼びに来たのかな?」

弱夫「…あの!幼先輩っ!」


22 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:28:30 6p2HTXEo 22/109


「何だろう」

弱夫「す、すぐに逃げて下さい!」

「…」

弱夫「あの…体育館の裏には不良達が居るんです!」

弱夫「僕、あいつらに脅されて…すみません!」

弱夫「今、あそこに行ったら、きっと酷い事されると思います…」

「でも私が行かなければ、貴方が酷い目に合うかもしれないよ?」


23 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:29:18 6p2HTXEo 23/109


弱夫「いいんです!幼先輩が…酷い目にあわされる位なら…」

弱夫「ぼ、僕が代わりに!」

「気持ちはとてもありがたいのだが」

「私はちゃんと体育館裏に行くよ」

弱夫「でもっ!」

「大丈夫、弱夫君の思っている様な事にはならないよ」

弱夫「せ、先輩、何故僕の名前を?」

「一応、全学年全生徒の名前と顔は覚えているからね」


24 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:30:07 6p2HTXEo 24/109


「貴方は1年B組、出席番号35番の弱夫君だよね?」

弱夫「は、はい…先輩ってやっぱり凄いですね」

「私は別に凄くないよ」

弱夫「凄いですよ…」

「ここからは私一人で行くから、弱夫君はもう下校してくれ」

弱夫「出来ませんよ、そんな事っ!」

「何故?」


25 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:31:15 6p2HTXEo 25/109


弱夫「好きな人が酷い目にあうのを、黙って見てるなんて出来ないです!」

「ん?好き?」

弱夫「ぼ、僕、実は幼先輩の事、前からす、好きで!」

弱夫「あの…入学式に見た時から、ずっと好きで!」

弱夫「だ、だから…だからっ!」

「…その好意はとても嬉しいのだけれども」

「私はその気持ちに応える事は出来ない」


26 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:32:27 6p2HTXEo 26/109


弱夫「だ、誰か好きな人…付き合ってる人が、い、居るんですか?」

弱夫「せ、生徒会長先輩とか?」

「違う」

弱夫「それじゃ…僕が弱い人間だからですか?」

弱夫「不良達に脅されて、好きな人を危ない場所に案内する様な…」

「それは全然違う、的外れだよ、弱夫君。君は弱くない」

「私が危機に陥るかも知れないと言う事を、ちゃんと教えてくれたじゃないか」


27 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:33:17 6p2HTXEo 27/109


弱夫「じゃあなんで…」

「私が貴方の好意に応えられないのは、全然違う理由なんだ」

「その理由を貴方に話さない事は、不誠実な事なのだけれども」

「これは私だけの秘密なのでね」

「だから、ごめんなさい」
ペコッ

弱夫「い、いえ…突然すみませんでした」


28 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:34:34 6p2HTXEo 28/109


「それじゃ、私は体育館裏に行ってくる」

「弱夫君、気をつけて下校してね」

弱夫「ほ、本当に一人で行くんですか?」

「うん。本当に大丈夫だから」

弱夫「解りました…気をつけて…下さいね」

「ありがとう。それじゃまたね、弱夫君」
ニコッ
スタスタ


29 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:35:13 6p2HTXEo 29/109


弱夫「はぁ…やっぱ駄目だったかぁ…初恋だったのになぁ…」

弱夫「普段凛々しい先輩がたまに見せる笑顔が好きでした…」

弱夫「どうか、何事もおきませんように…」





弱夫君とのはたを1折り

かわりに不穏なはたが1本立ちました


30 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:35:57 6p2HTXEo 30/109




体育館の裏

不良A「おっ…来たぜ」

不良B「よう、副会長様よぉ、遅かったじゃねえか」

不良C「あいつどうした?モヤシみてーな一年坊」

「私に用があるのなら、君達が直接来れば良いと思う」

不良A「俺達こう見えても忙しくてよぉ」

不良B「そうそう、そうだぜ」

不良C「手が離せなかったんだぜ」


31 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:37:04 6p2HTXEo 31/109


「弱夫君が怯えていた。金輪際こんな事はしないで欲しい」

不良A「おーおー、いつもながら強気だねぇ」

不良B「けど、その強気がいつまで持つかなぁ?」

不良C「まったくだぜぇ…ケッケッケ」

「…それで、私に用と言うのは何かな?」

「そろそろ下校時刻だけれども、それまでに済む用なのかな?」


32 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:38:14 6p2HTXEo 32/109


不良A「それはアンタ次第だろうぜぇ」

不良B「まずはアッチの花壇を見てみろよ」

「花壇?」

不良C「アンタが昼休み、一人で手入れしてる花壇の事さ」

「……」

「…君達は、この花壇を荒らしたのが誰なのかを知っているのかな?」

不良A「へっへっへ…実は俺ら犯人を捕まえてよぉ」

不良B「そうそう。それで俺ら忙しかったんだぜ」


33 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:39:00 6p2HTXEo 33/109


不良C「古い方の体育倉庫に閉じ込めてあるんだけどよぉ」

不良A「見るか?犯人のツラ」

「…是非見てみたいね」

「でも、体育倉庫には鍵がかかっているはずだけれども」

「君達はどうやって開けたのかな?」

不良A「へっ!あの鍵、随分前から壊れてたんだぜ?」

不良B「勘違いすんなよ?俺たちが壊した訳じゃないぜ?」

不良C「そうそう。もう半年位前から壊れてっから」


34 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:40:11 6p2HTXEo 34/109


「そう言う事は先生か、生徒会まで報告をして貰いたい」

「後、鍵が壊れているなら、犯人は容易く逃げ出せるのでは?」

不良A「そりゃあ大丈夫だ。アイツにあの重い扉を開けるなんて、無理だからな!」

不良B「さぁ、犯人の奴をメチャクチャにしちまえよ、副会長様よー」

不良C「犯人の顔を見た時のアンタがどんな顔するのか…見ものだぜぇ」

不良A「さぁ、その扉を開きなよ、ゆっくりとなぁ」

「…」
ギギギギ


35 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:41:19 6p2HTXEo 35/109


「…暗くて良く見えないな」

不良A「へっへっへ…」
ギギギギ…ガタン

「…扉を閉めてしまったら、余計見えにくいのだけど?」

不良B「逃げられたら困るからよぉ…ケッケッケ」

ガサゴソ

「そこに…居るのかな?」


36 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:42:08 6p2HTXEo 36/109


不良C「そう、その跳び箱の後ろに居るはずさ」

不良A「さぁ、奥に行って、ツラ拝んできなよ」
パチッ

「おや、電気はちゃんとつくのだね」

不良B「言っちまえばここは、俺らのオアシスだからよぅ」

不良C「その蛍光灯、自腹で替えたんだぜ?」

不良A「そんな事より、これで犯人のツラ見えるだろ?」

不良C「早く奥に行きなよ、副会長さんよぉ」


37 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:43:14 6p2HTXEo 37/109


「あぁ、そうしよう」

「…私が手入れをしていた花壇を荒らしたのは誰だ?」
サッ

「…なっ!?こ、これは…!」

不良A「驚いたか?驚いたよなぁ!」

不良B「そのツラが見たかったんだよ!」

不良C「良いねぇ…最っ高の顔だぜ、副会長さんよぉ!」



「あぁ、これは…もう…もうっ!」
ナデナデナデ


38 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:44:59 6p2HTXEo 38/109


ナデナデ
「にゃーお」ゴロゴロ

不良A「…おい、副会長さんよぉ」

不良A「下校の鐘が鳴ってるぜ?」

不良B「猫好きなの知ってて、こんな事した俺らが悪かったからよ…」

不良C「もう帰ろうぜ!なぁ!」

「はっ!?だ、だがしかし…このままここに放置して帰る訳にも…」
ナデナデサワサワ


39 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:45:58 6p2HTXEo 39/109


不良A「じゃあ連れて帰れば良いじゃねぇか」

「私の家はマンションなので…連れて帰る訳には…」

不良A「だーっ!じゃあ俺が連れて帰る!」

不良B「あぁ、おめーんち、猫屋敷だもんな。10匹くらい居たよな?」

不良A「14匹だ!そんでこいつが15匹目の家族って訳だぜ」
ヒョイッ

「にゃ~お?」


40 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:46:50 6p2HTXEo 40/109


不良C「おーおー。お優しいこって」

不良A「つー訳だ、副会長」

「あ、う…うむ。その…可愛がってやってくれ」

「あとくれぐれも躾はキチンとな?」

不良A「おうよ、どこに出しても恥ずかしくない美猫にしてやんよ!」

不良B「そんじゃ帰るべ!俺、腹減ったぜ」

不良C「副会長、あの花壇の手入れ、俺らも手伝うからよぉ」


41 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:47:39 6p2HTXEo 41/109


「ありがとう、3人とも」

不良達「へっ!俺らは校内一のワル集団だぜ?礼なんて言うな!」

「それでも、ありがとう」
ニコッ

不良達(副会長マジ天使だろ)

不良A「副会長!よ、良ければ、俺が家まで送って行こうか?」

不良B「オメー、家の方向が違うべ?ここは俺が…」

不良C「テメーも別方向だろが」


42 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:48:26 6p2HTXEo 42/109


「気遣いありがとう。でも私はこれから職員室に行かなければ」

不良A「う…まさか?」

「倉庫の鍵が壊れている事を先生に報告しなければ、ね」

不良達「ここ以外に授業サボる場所がねーんだ…」

不良達「俺達のオアシスを奪わないでくれぇ…」

「これを機に授業をサボるのを止めて、真面目に勉学に勤しんではどうだろうか?」


43 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:49:20 6p2HTXEo 43/109


不良A「んな事言っても…俺らバカだからなぁ」

不良B「そうそう、センコー共も汚物を見る様な目で見やがるしよぉ」

不良C「今さら勉強とか、マジ無意味だぜぇ」

「そんな事は無いよ」

「確かに今は周囲からの視線も冷たい物かも知れない」

「けれど私は知っている」

不良A「な、何をだよ」


44 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:49:57 6p2HTXEo 44/109


「貴方達が、落ちているゴミを見かけたら、必ず拾ってゴミ箱に捨てている事を」

不良B「う…見られてたのかよっ」

「貴方達が、他校の生徒に絡まれている生徒を助けている事を」

不良C「し、知ってたのかよ?」

「貴方達は本当は優しい人だと、私は知っている」

不良達「…」


45 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:50:49 6p2HTXEo 45/109


「勉強する気になってくれたなら、今までの分、私が教えよう」

不良A「でも…俺ら相当バカだぜ?」

「やる気さえあれば、大丈夫だよ」

「3人が理解するまで、いくらでも付き合うよ」

「だから考えてみてね?」
ニコッ

不良達「お、おぅ…」

「それでは、またね」
スタスタ

不良達(マジ天使過ぎるだろ…俺と付き合ってくれねーかな…)



不良達に乱暴されるかもという旗を1折り

代わりに、不良達に懐かれるという旗が立ちました


46 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 21:59:17 6p2HTXEo 46/109




太った化学教師「そうか、報告ありがとう」

「いえ、それでは私はこれで失礼します」
ペコッ

太った教師「あぁ…幼さん、ちょっと良いかな?」

「なんでしょう?」

太った教師「り、理科準備室まで付き合って貰えるかな?ドュフフ…」

「…またですか、先生」

太った教師「ドュフフ、すまんね、他の生徒には頼めなくてね」

太った教師「それに断ったら…解ってるだろう?」

「…解りました」


47 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:00:38 6p2HTXEo 47/109




理科準備室

太った教師「ドュフフ…いつもすまないねぇ」

「取り敢えず、鍵をかけて貰えますか?」

太った教師「あぁ」
カチッ

「他の生徒に見られると面倒なので」

太った教師「そうだなぁ」

「それでは、素早く済ませてしまいましょう」

太った教師「あぁ、それじゃ頼むよ…」
ジジーッ……
ゴソゴソ

「…はい」


48 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:01:40 6p2HTXEo 48/109




30分後

「先生、資料の整理、終わりました」

「ノートパソコン、カバンの中に戻しておきますから」
ゴソゴソ
ジジーッ……

太った教師「ドゥフフ…ありがとう。どうにもパソコンは苦手でねぇ」

「後でちゃんとチェックして下さい」


49 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:02:36 6p2HTXEo 49/109


太った教師「本当にありがとう、幼ちゃん」

「はぁ…叔父さん、校内ではちゃん付けで呼ぶのは止めて頂きたいです」

太った教師「ドゥフフ…そうは言ってもね」

「あと、そのドゥフフって笑い方も生徒に評判悪いですよ」

「直した方が良いと思います」

太った教師「幼ちゃんは厳しいなぁ」

「叔父さんがだらしないからですよ」

「母も心配しています」

太った教師「ね、姉さんが?うー…またお説教されるかなぁ」


50 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:03:42 6p2HTXEo 50/109


「もう少ししっかりして下さい、叔父さん」

太った教師「は、はっはっは、こりゃまいったなぁ」

太った教師「あ!そ、そうだ!帰り、車で送って行こうか?」

太った教師「もう下校時刻過ぎてるし…」

「帰りに買い物を頼まれているので、結構です」

「それに叔父さんにはまだ仕事が残っているのでは?」

太った教師「そ、それもそうか。そうだね、ドゥフフ」


51 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:04:35 6p2HTXEo 51/109


「それでは、タンシオちゃん(スコティッシュフォールド3歳♀)を…」

太った教師「解ってるって。今度ちゃんとタンシオ連れて、幼ちゃんの家に遊びに行くから」

「お願いします」

太った教師「そ、それじゃ、気をつけて帰ってね」

「はい、それでは失礼します」
ペコッ
ガラッ
ピシャッ


52 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:05:28 6p2HTXEo 52/109


太った教師「はぁ…綺麗になったよなぁ…」

太った教師「そりゃ僕らは血縁関係だし」

太った教師「僕はこんなに醜く太ってるけど」

太った教師「少しくらい夢見たっていいじゃんか…」

太った教師「はぁ…さっさと仕事片付けて、家帰って、タンシオと戯れるかな…」



脂ぎった中年教師にいかがわしい事をされるかもという旗を1折り

代わりにスコティッシュフォールドを
思う存分可愛がれる旗が立ちました(この旗は多分折れません)


53 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:06:09 6p2HTXEo 53/109




幼友「あ!やっと来た。おーい、幼ー!」

「ん?幼友?先に帰ってくれと言ったのに」

幼友「私が待ちたかったんだよー」

幼友「一緒に帰ろっ!」

「待っていてくれて、ありがとう」
ニコッ

幼友「えへへ、私たち親友でしょ!」

「それじゃ、帰ろうか」


54 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:07:03 6p2HTXEo 54/109


幼友「帰りに何か食べて行く?」

「今日は帰りに買い物を頼まれていてね」

「それに、母の帰りが遅いので、私が食事を作らなければいけないんだ」

幼友「そっかー。じゃ、買い物付き合うよ!」

「いや、只食材を買って帰るだけだし…」

幼友「もー!そんなつれない事言うなよぅ」
ギュッ

「!?ちょっと、幼友…」


55 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:07:50 6p2HTXEo 55/109


幼友「あ!そんじゃ、私、幼の家にお泊りしたい!」

「む…それはまた急な話だな…」

幼友「明日休みなんだし!いいじゃん!」

「むぅ…それでは幼友のご両親の了解が得られれば…」

幼友「ソッコーで!」
ピッピッ

幼友「あ、もしもしお母さん?今日、私、幼の家に泊まるから!」

幼友「心配ご無用!じゃーね!」
ピッ


56 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:08:46 6p2HTXEo 56/109


幼友「オッケーだって!」

「…それでは、大したもてなしも出来ないが」

幼友「やったー!ひょっとして幼の手料理が食べられるかも?」

「あぁ、うん。口に合うかは解らないが、食べてみて欲しい」

幼友「テンション上がるー!」

「ではスーパーに寄って帰ろう」


57 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:09:25 6p2HTXEo 57/109


「何かリクエストはあるかな?」

幼友「私は幼が作ったものなら何でも!」

「む…何でも良いのか…どうしたものか…」

幼友「私的には出来れば幼を……」

「ん?何か言ったかな?」

幼友「何でもなーい!幼が作りたい料理で良いよ!」

「そうか…なら…」


58 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:10:07 6p2HTXEo 58/109




「どうぞ」
コトッ

幼友「うわぁ…あんた本当に凄いね」

「私は凄くないよ」

幼友「いやいやいやー」

幼友「容姿端麗、文武両道、その上、料理まで…」

幼友「完璧超人か!」

「そんな事は無いよ、幼友」


59 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:11:26 6p2HTXEo 59/109


幼友「こんな時、普通は肉じゃがとかじゃない?」

「そういう物だろうか?」

幼友「なんで前菜から始まるイタリア料理のフルコースなん?」

幼友「ねぇ、なんでなん?」

幼友「私の親友はイタリア人なん?」

「今、練習中なんだ。味見はしたが、幼友の口にあえば良いのだけど」

幼友「それでは頂戴いたします」

「召し上がれ」


60 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:12:45 6p2HTXEo 60/109




幼友「同じクラスになって、生徒会で一緒になって」

幼友「幼と友達になって、まだ3ヶ月しかたってないんだけどさー」

「うん?」

幼友「幼と友達になれて良かったよ」

「急にどうしたんだい?」

幼友「もっともっと幼の事知りたいよ」

「あぁ、これからも仲良くしてくれると嬉しい」

幼友「するする!超仲良くするね!」


61 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:13:31 6p2HTXEo 61/109


幼友「しっかし何だろうね、この差は」

「ん?差?」

幼友「同い年なのに…」

幼友「料理人でも無いのに、この美味さ」

幼友「あんた、本当に凄いねぇ」

「何度も言うが、私は凄く無いよ、幼友」

「勉強も、生徒会も、料理も」

「全て好きでやっている事だよ」


62 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:14:57 6p2HTXEo 62/109


幼友「…この料理を誰かに振舞う予定があるとか?」

「ふふっ、そんな予定があったら良いのだけどね」

「今の所、その予定は無いよ」

幼友「幼の手料理を食べたのって、家族以外では私が初?」

「そうだね。今日の料理に関しては、幼友だけだね」

幼友「幼っ!愛してるぜ!結婚してください!」

「ふふっ、幼友でもそう言う冗談を言うのだね」

幼友(軽く流された…まぁ、当然か…)


63 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:15:36 6p2HTXEo 63/109




幼友「いやー、満足満腹!」

幼友「幼、超美味しかったよ!ご馳走様でした!」

「お粗末様でした。お口にあって良かったよ」
ニコッ

幼友「是非また食べさせて下さい」
ペコッ

「お安いご用だよ。いつでも言ってくれ」


64 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:19:45 6p2HTXEo 64/109


幼友「ホント?じゃあ明日の朝もお願いします!?」

「泊まるのだから、もちろん朝食は出すよ」

「朝は和食にするつもりなのだけど、構わないかな?」

幼友「幼の手料理なら、なんでも!」

「ふふっ、作りがいがあるよ」

幼友「あー、そろそろいい時間だし、お風呂入りたいかも!」

「そうだね、今お湯を張って来よう」


65 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:20:30 6p2HTXEo 65/109


幼友(ウェヒヒ…一緒にお風呂…一緒にお風呂…)

幼友(背中の流しっこ…もちろん前の方も…)

幼友(うはー!興奮する!)

幼友(しーかーもー!替えの下着なんて持ってないから)

幼友(幼の下着を借りざるを得ないっ!)

幼友(幸せ過ぎる!)


66 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:21:12 6p2HTXEo 66/109


「幼友、お先にどうぞ」

幼友「え?一緒に入ろうよ!」

「いや、家のお風呂は狭くてね」

「2人は入れないんだ」

「お客様なのだから、幼友からお先にどうぞ」

幼友(ちぃっ…マンションだから狭いのは仕方無い…か)

幼友「あ、あー、そう言えば、下着も着替えも無いやー」

幼友「幼、貸してくれる?」

「あぁ、準備しておくよ」

幼友(お風呂で洗いっこは無理だったが…まだまだぁ!)

幼友(幼の下着を!合法的にっ!入手出来るっ!)


67 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:22:33 6p2HTXEo 67/109




幼友(…と、ヌカ喜びさせておいて、こう落とす訳ですね)

幼友「ねー!幼ー!この下着ってさぁ」

「あぁ、まだ使っていない新品の下着だから、遠慮なく」

幼友(チクショー!)

「それでは私もお風呂に入って来る」

「居間に飲み物を用意してあるから、寛いでいてくれ」

幼友「ありがとー」

「では」
パタパタ


68 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:23:31 6p2HTXEo 68/109


幼友(これはチャンス?覗くか!?いや、でももしバレたら……)

幼友(いや、夜は同じ部屋で寝るんだし…)

幼友(夜は長いんだ…ここはじっくり…)

幼友(今夜、私は狼になる!)

幼友(一緒の布団で寝る!)

幼友(そしてあんな事やこんな事も…ウェヘヘ…楽しみっ!)


69 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:24:20 6p2HTXEo 69/109




「ふぅ…良い湯だった」

幼友「……」
スヤスヤ

「おや?幼友…寝てしまったのか…」

「幼友、肩を貸すから少し歩いてくれ」

「こんな所で寝てしまっては、風邪を引いてしまう」

幼友「…んゃぁ、幼ぁ…」

「ベッドまで何とか、頑張ってくれ」

幼友「…パラダイスがぁ…あるんだよねぇ」

「ふふっ…寝ぼけているのか」


70 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:25:29 6p2HTXEo 70/109




トサッ
幼友「幼ぁ…あいしてるぜぇ…」
スースー

「完全に寝てしまったな」

「ふむ…少し早いが私も寝るかな」
パチッ

「お休み、幼友」

幼友「むにゃむにゃ…そこはらめぇ…」


71 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:26:09 6p2HTXEo 71/109


ゆりゆりした女友達との怪しげな展開への旗を1折り

今日は5本の旗を折りました


72 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:27:41 6p2HTXEo 72/109




翌朝

幼友「ん…なんか、いーにおいがするー」
ボケー

幼友「そと、あかるいー」
ボケー

幼友「ていうか、ここどこー?」
ボケー

幼友「…」

幼友「はっ!?」


73 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:28:28 6p2HTXEo 73/109


幼友「あ、朝っ!?」
キョロキョロ

幼友「お、幼は?」

ガチャッ

「あ、起きていたんだね」

「お早う、幼友」
ニコッ


74 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:29:10 6p2HTXEo 74/109


幼友「お、お早う…てか、昨晩の記憶が無いんだけど…」

「あぁ、私がお風呂に入っている間に、幼友は寝てしまっていたので」

「私のベッドまで歩いてもらったんだが…覚えていないかな?」

「まぁ、随分と眠そうだったしね」

幼友「そ、そんな馬鹿な…あんなにテンション上がってたのに!」

幼友「寝ちゃうなんてありえない!」

「あぁ、私がちょっと長風呂でね」

「きっと待ち疲れて、寝てしまったんだと思う」


75 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:31:07 6p2HTXEo 75/109


幼友「長風呂って、どれくらい?」

「昨日は2時間位かな」

幼友「2時間!?長すぎるでしょ!」

「実は私は、ぬるま湯に浸かりながら、本を読むのが好きなんだ」

「幼友が待っているのに時を忘れて、つい読み耽ってしまって…」

「折角泊まってくれたのに、退屈させてしまって申し訳無い…」

幼友「いや、退屈とかは全然良いけど…」


76 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:32:44 6p2HTXEo 76/109


幼友「良いんだけど…」

幼友(うぁぁぁぁぁ!千載一遇のチャンスがっ!)

「あぁ、朝ごはんが出来ているよ、食べるかい?」

幼友「お!食べたい食べたい!」

幼友「あ!そう言えば私ってば、幼のご両親に挨拶もしてない!」

「あいにく、両親とも既に仕事に出掛けてしまってね」

幼友「それじゃ、この家には今、私たち2人だけ?」


77 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:33:58 6p2HTXEo 77/109


「そうだよ。だから遠慮なく、ね?」

幼友(まだだ!まだチャンスは…あるっ!)

幼友「お、幼!今日一緒にお出掛けを…」
ピリリリリ ピリリリリ

「電話が鳴っているよ、幼友」

幼友「う、うん、そんな事はどうでも良いからお出掛け…」
ピリリリリ ピリリリリ

「いやいや、ちゃんと出た方が良いよ」


78 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:34:57 6p2HTXEo 78/109


幼友「うん…」
ピリリリリ ピッ

幼友「もしもし?お母さん?何?」

幼友「え?いや、でも…今ちょっと…」

幼友「いや、それはあたしじゃないし…え?そうなの?」

幼友「……んぁー!解った!お昼までには帰るから!」
ピッ


79 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:35:58 6p2HTXEo 79/109


幼友「……」

「遊びに行くのはいつでも行けるから、ね?」

幼友「うん…」

「幼友さえ良ければ、また泊まりにも来て欲しい」

幼友「え?マジで?絶対だよ?」

「うん。是非来て欲しい」

幼友「じゃあ来週!来週末にでも!」

「解ったよ、幼友」

「取り敢えず、朝ごはんを食べよう?」

幼友「うん!」



来週末に変なイベントの旗が1本立ちました


80 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:36:54 6p2HTXEo 80/109


こんな感じで、無意識に旗を立てては折り、立てては折り……

そんな日々を過ごす女の子ですが

1本だけ大切にしている旗がありました


81 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:37:47 6p2HTXEo 81/109




ガパッ
「ふむ…冷蔵庫の中身を見るに…」

「今日の夕食は久しぶりに肉じゃがを作ってみようかな」
パタン

「あ…そう言えばみりんと醤油が切れそうだな」

「昨日買っておくべきだった」

「やはり今日も買い物に行かなければ…」


82 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:38:25 6p2HTXEo 82/109




近所のスーパー

「ふむふむ…今日は人参が安いな、買っておこう」

「後は…」

「お?幼ー!おーい!」
ブンブン

「!?」


83 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:39:19 6p2HTXEo 83/109


「お前もお遣いか?」

「お、おお、男っ…ひ、久しぶりっ」

「ん?久しぶり?一昨日も会ったろ?」

「そ、そうだったかな?そ、そうだったね、あはは」

「お前はいつもあわあわしてるなぁ」

「そ、そうかな?ぜ、全然っそんな事無いと思うけど?」


84 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:40:04 6p2HTXEo 84/109


「そんなあわあわして、生徒会ちゃんと務まってるのか?」

「も、もちろん!あ、いや、色んな人に助けられて、何とか務まってる」

「そっか。何かあったら手伝うから、言えよ?」

「う、うん…何かあったら、い、言うよ」

「で?幼の家の今日の晩御飯は何だ?」
ヒョイッ

「あ、あわわ…あの…」


85 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:40:57 6p2HTXEo 85/109


「ふーむ…みりんと人参、玉ねぎに牛乳か…」

「ズバリ、カレーと見た!」

「い、いやその…肉じゃがでも作ろうかと思っているのだけど…」

「へ?作ろうと思ってる?幼が作るの?おばさんじゃなくて?」

「う、うん。私、今、料理の、れ、練習中で」

「へぇ、そうなのか」

「ま、お前は昔から何でも出来る優等生だもんな」


86 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:41:44 6p2HTXEo 86/109


「幼馴染として、お隣りさんとして、俺も鼻が高いぜ!」

「そ、そんな事、全然無いよ、えへへ…」

「お、男は?晩御飯のお遣いなのかな?」

「おー、実は今、俺ん家誰も居なくてさー」

「え?」

「父ちゃんと母ちゃん、3泊4日の旅行でさ」

「そ、そうなんだ?そ、そうか、そうなのか」


87 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:42:27 6p2HTXEo 87/109


「ま、ピザでも取ろうと思ってたんだけどさ」

「母ちゃんが自炊しろってうるさくてなー」

「食費も自炊するギリのラインしか置いていかなかったんだよ」

「小遣いから飯代出すのも癪だしな」

「だからまぁ、安く済ませる為に、もやしでも買おうかと思ってなー」

「俺、もやし炒めだけは上手に作れるからな、ははっ」


88 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:43:22 6p2HTXEo 88/109


(こ、これはっ!)

(ありそうで無かった、千載一遇のチャンスなのでは!?)

(専業主婦のおばさんが家に居る時は不可能だった…)

(私の手料理を振舞うチャンス!)

「んじゃ、俺もやし取ってくるわ」

(今こそ修行を積んだ料理の腕を振るう時!)

(頑張れ、私っ!)


89 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:43:56 6p2HTXEo 89/109


「あ、あのっ!も、もし良ければっ!」

「んっ?何だよ急に。大きい声だして」

「私が、ば、晩御飯を作ろうか?」

「え?良いの?マジで?」

「お、男さえ良ければ…その…味は保証出来ないけども」

「ははっ、そこは保証してくれよ」

「てか、幼の事だから、すっげー美味い物食べさせてくれるんだろ?」

「誠心誠意、努力しましゅ……す」


90 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:44:32 6p2HTXEo 90/109


「じゃあ、材料費出すから、宜しく!」

「それじゃあ、私は別の買い物があるから、先に帰っていて」

「荷物持ちくらいするよ」

「だ、大丈夫だから!夕方、男の家に行くね」

「そうか?解った。んじゃ待ってるから」

「そ、それじゃ、また、後で、ね」


91 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:45:25 6p2HTXEo 91/109


(やったっ!やったっ!!)

(これで、美味しい手料理を食べて貰えれば…)

(男も私の事を女の子として見てくれるかも!)

(こ、恋人同士に、なれるかも…)

(……)

「!?」

(いかんいかん、気を引き締めねば!)

(ウチの晩御飯は肉じゃがを作っておいて……男には…)


92 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:46:15 6p2HTXEo 92/109




「さぁ、ど、どうぞ。お口に合うと、良いのだけど」
コトッ

「……」

「あのさ、幼」

「な、何かな?」

「食べる前に一つ聞きたい」

「う、うん。何でも聞いて」


93 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:47:05 6p2HTXEo 93/109


「これさ……」

「あ、あの…味見はしたが、男の口に合うかどうか…」

「いや、すげー美味しそうなのは、見ただけで解るんだけどさ」

「これ、材料費いくらかかってんの?」

「そ、そこは気にしなくて良いから」

「いやいやいや、て言うか、一般家庭の晩御飯に」

「フランス料理のフルコース?」

「なんで?」


94 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:48:18 6p2HTXEo 94/109


「あ、あぁ。たまたま練習中だったんだ」

「たまたま?フランス料理を?」

「俺の幼馴染は実はフランス人だった?」

「そ、その…和洋折衷、何でも作れる様になりたくて、ね」

「いやいやいや。さっきのスーパーでの会話の流れならさ」

「肉じゃが出てくると思うじゃん!」

「そ、そうか?…そうか…男は肉じゃがの方が良かったか?」
ショボン


95 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:48:57 6p2HTXEo 95/109


「そんな事は無いけど…ビックリしたって事だよ」

「う…申し訳ない」
ショボボン

「そんなにしょんぼりするなよ、責めてる訳じゃないし、な?」
ナデナデ

「!う、うん…」

(頭ナデナデされた…久しぶりだ…嬉しいっ!)

「あー、勿体ないから、早く食べようぜ!」

「そ、そうだね」


96 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:50:09 6p2HTXEo 96/109


「それじゃ、取り敢えず一口、頂きます!」

「ど、どうぞ召し上がれっ」

パクッ
モグモグ

(…ドキドキする)

「んがっ!!超うめぇ!!!」

「ほ、本当に?」


97 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:50:51 6p2HTXEo 97/109


「おう!なんだこれ、めちゃくちゃ美味い!変な声出るくらい美味い!」

「よ、良かったよ」

「で、幼の分は?」

「え?」

「久しぶりに一緒に御飯食べようぜ?」

「あ、あわわ、そ、その…い、良いの?」

「当たり前だろ?一人分しか用意してないって言ったら怒るぞ?」


98 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:51:59 6p2HTXEo 98/109


「う、うん、一応二人分作ってあるんだけど…」

「じゃあ、一緒に食べようぜ」

「うんっ!」

(夢、叶ったり!)

(男に手料理を食べて貰えた)

(男に美味しいって言って貰えた)

(二人っきりで、一緒に御飯を食べられるっ!)


99 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:53:23 6p2HTXEo 99/109


(夢でも良いけど、まだしばらく覚めないで…」


「何が冷めないんだ?」

「はわわっ!?い、今の、声に出てた?」

「しばらく冷めないでって、口に出してたぞ?」

「う、うん。前菜の次は、ス、スープだからね」

「で、でも、冷静に考えれば、温め直せば良いもんね?」


100 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:54:11 6p2HTXEo 100/109


「ん、そうだな。取り敢えずさ、なんか落ち着けよ、幼」

「わ、私は落ち着いているよ、割と」

「そうか?何かまたあわあわしてるぞ?」

「だ、大丈夫だよ、男。それじゃ、自分の分を運んでくる」

「ん。待ってる」
ニコッ


101 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:54:50 6p2HTXEo 101/109


(あぁ、ここが天国なのか…)

(千葉県船橋市の築20年のマンションの502号室に、天国はあったんだ…)

「おーい…また何か考え事か?」

「な、何でも無い!」


102 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:55:31 6p2HTXEo 102/109




「ふぅ…満腹だー。ご馳走様でした!」

「お、お粗末様でした」

「こ、後学の為に、感想を聞いても、良いかな?」

「文句のつけ所が見つからねーよ」

「本場のフランス料理なんて、知らないけどさ」

「幼が作ってくれた、今日の晩飯は最っ高に美味かったぜ!」


103 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:56:36 6p2HTXEo 103/109


「そ、そんなに褒められると、照れてしまうな、あ、あはは…」

(男に食べて貰う為に、一所懸命練習したんだよ)

「そうだ!忘れる前に、材料費出すから、レシートくれよ」

「ん?い、いや…あの材料は元々ウチにあったんだ」

「だから気にしなくて良いよ」

「そう言う訳にはいかんだろ」

「最低でも半分、幼の手間も考えたら全額ウチ負担でも良いくらいだ」


104 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:57:26 6p2HTXEo 104/109


「あぅ、あの…レシート無い…もう捨てちゃってて…」

「じゃあ、大体で良いから、いくら位かかったんだ?」

「お、覚えて無い…申し訳ない…」

「むー、それじゃいくら払えば良いんだ?」

「そ、それじゃあ……一つお願いがあるのだけれど」

「ん?聞ける範囲なら何でも聞くぞ」

「な、何でも?そ、それなら…」


105 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:58:10 6p2HTXEo 105/109


「お、お金は要らないから…」

「またっ!私の手料理を食べて欲しいっ!」

(ついに言った……言ってしまったー…)

(流石の男でも気付く…だろうか……)

(私の気持ちに……)

「ん?あぁ!料理の練習台って事か?それなら大歓迎だぜ」

「……」


106 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:59:02 6p2HTXEo 106/109


「ん?違うのか?」

「…あ、あぁ、そうそう。料理の練習中だからね、私は」

「時には失敗してしまうかもしれないけれども」

「それでも、たまに、私の作った料理を…食べてみて欲しい」

「大歓迎だけど、その時はちゃんとレシート取っておいてくれよ?」

「こんな美味い物食べて、一円も払わないなんて、ありえねーからな?」


107 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 22:59:45 6p2HTXEo 107/109


「ふふっ、次からは料金を頂く事にするよ」

「ははっ、適正価格で頼むぜ」

(やっぱり気付いては貰えない…か)

(でも私は決して諦めない!)

(男が私の事を女の子として、見てくれるその日まで!)



この旗はしょっちゅう折れそうになりますが、
何とか踏みとどまっています

女の子は必死なのです


108 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 23:01:12 6p2HTXEo 108/109


あるところにそれはそれは見事に(主に恋愛関係の)フラグを折る女の子が居りました

多い日には10もの(主に恋愛関係の)フラグを折る事もあったそうな

そんな女の子が好意を寄せている

幼馴染の男の子もまた(主に恋愛関係の)フラグをへし折る名人だったのでした


お互いのフラグが折れずに
想いがかさなるのは、また別のお話し……


はたおりおさななじみ

おしまい


109 : ◆L0dG93FE2w - 2013/09/11(水) 23:02:25 6p2HTXEo 109/109


これで終わりです
読んでくれた人が居たら嬉しいです

次スレは
幼馴染「あの窓が開けば、また」
ってタイトルで立てると思います
地の文ありって言うか、全部地の文です

では。


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