――――その日、少年は全てを失ってしまいました。
元スレ
蛇足 とあるフラグの天使同盟
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307804166/
少年には仲間がいました。四人。少年はその仲間達を守るために、がむしゃらに戦うのでした。
しかし、少年は仲間を守ることが出来ませんでした。
一人は死に至り、三人は世界から永遠に消失してしまいました。
少年は、それでも抗い続けました。仲間の内の一人に、『天使』と呼ばれる存在がいました。
少年は天使を救う手段を求め、とある魔術師に会いに行きました。
少年は魔術師から天使をこの世に召喚する方法を聞き出すと、早速実行に移しました。
しかし、その少年の力では天使を呼ぶことは出来ませんでした。
少年は必死で訓練を続けました。来る日も来る日も、ただひたすら力をつけていくのでした。
―――数十年が経過した頃、少年はついに天使をこの世に召喚することに成功したのでした。
しかし、少年の体は元々、天使の召喚を行うには不向きな体でした。
天使が空から、ゆっくりと舞い降りました。奇跡的に、天使は少年のことを覚えていました。
少年は、既に息絶えていました。全身を、己の血で染めて。
天使はひどく悲しみ、ひたすら泣き叫びました。少年の亡骸を抱え、目を覚まして欲しいと必死に願いました。
でも神は微笑んでくれません。少年が目を覚ます事はありませんでした。
天使の流す涙はやがて世界を覆い、その星を悲しみで埋め尽くしてしまいました。
自分の涙で溺れるその最後まで、天使は少年の事を想っていたのでした。
――――――――――――――――――――――
「………、それが本来この物語が辿る結末だったのだが。 いやはや、運命と偶然は紙一重だな」
テラーはその手に持つ、淡く輝く本をゆっくりと閉じた。
その表情は読み取れない。悲しんでいるようにも、愉しんでいるようにも見えるフラットな顔つきは、
それが一体何を考えているのか全く推測させないものだった。
ふっ、と軽く息を吹きかける。それだけで、光を放っていた本が虚空に消えた。
「何の因果か、天使を巡るこの物語はまだ続いていくようだ。 バッドエンドへの確率論など
無視して、本来はここで幕を閉じるべき物語が、滑稽に紡がれていく」
その物言いは至極鬱陶しそうな、しかし心の底では愉しんでいそうな、そんな雰囲気だった。
テラーは視線を前方に向ける。
そこには先ほど消えた物と同じような本が、どういう仕組みなのかふわふわと宙に浮いていた。
一冊だけではない、二冊、三冊。両手の指で数えきれるかきれないかという数の本が
読み手を待ち望むようにただ音もなく浮いていた。
テラーがその内の一冊に手を伸ばす。
瞬間、漏電したような音と共にテラーの手が鋭く弾かれた。まるで触れられるのを拒むように、
まるで"まだその物語は読む時ではない"と暗に示しているように。
テラーの手は陶器のように砕けていたが、見る見るうちに修復されていった。
「まだ"私程度"の存在が踏み入れていい領域ではない、ということか。
量子力学の観測問題……、『エヴァレットの多世界解釈』辺りを詳しく研究すれば
この書物達を開き、物語を読んでいく事が出来るのかな?」
テラーは自分自身と目の前に並ぶ数冊の本以外、『何も無い』無の空間でそんな事を言った。
強いて言うなら、闇があった。闇と、本の存在を強調するように、天からスポットライトのような
光が数冊の本を照らしている。
テラーは再び一冊の本に手を伸ばす。今度は拒絶されることはなかった。
すんなりと、吸いつくようにテラーの手に本が収まる。
「やはり今、読み取れる物語はこれだけか……。 いかんな、これだけ価値がある物が
並んでいると、どうしても欲が出てしまう。 そういう意味では、私は世界の誰よりも
子供なのかもしれないな」
手にとった本をゆっくりと開く。そのページから、目を潰しかねない程の光が溢れ出てきた。
「さて、それでは観測してみようか。 この物語は読む価値も無い『蛇足』だが……、
我侭は言うまい。 ひとまずはこれで手を打とう」
テラーが開いたその物語は、テラー自身も訪れるとは思っていなかった、偶然と運命から織り成される物語。
とある少年が仲間達と共に、とある天使を救うことが出来た物語である―――――。
蛇足 とあるフラグの天使同盟
――――――――――――――――――――――
快晴の青空が広がる学園都市の一角に、その叫び声は轟いた。
「きゃあああああああああああああああああッ!!?」
東京西部を大幅に開発して作られたここ、学園都市は総人口二三〇万人の内約八割が学生で占められている。
だからこそ、いやしかしと言うべきか、学園都市は決して治安が良いというわけではない。
なのでたった今上げられた悲鳴も、学園都市に住む少女が良からぬ輩に襲われたからだとしても
決して不思議ではないだろう。
だが今回はそうではないようだ。その悲鳴は実に平和的で、そして日常茶飯事な出来事が原因で発生したものだった。
「だから……往来でスカート捲らないでっていつも言ってるじゃないですかー!!」
「ぬっふっふ~、甘い、甘いよ初春クン~。 常日頃から周囲に対して警戒信号を発していないから
こういう目に遭うのだ。 この涙子お姉さん如きにそのザマとは、それでも『風紀委員(ジャッジメント)』かね?
にしても今日はパイナップル柄か……、なかなかマニアックだねえ」
柵川中学という学校の制服を来た二人がいた。
スカートを某ガソリンスタンドのCMに出演している女優のように捲られた涙目少女の初春飾利は、
スカートを背後から気配を殺して捲ってきたクラスメイト、佐天涙子の頭をグーでぽかぽかと叩いていた。
「ううう……ひどいですよ」
「まーまー気にしなさんなって。 せっかく今日も午前授業で早めに学校終わったんだしさ、
テンション上げていかなきゃ損だよ~?」
なんか上手いこと丸められた気がしないでもない初春だったが、本日の学校が
午前で終わったという事実を再確認させられ、表情をゆっくりと明るくしていく。
心なしか、彼女の頭にふんだんに盛られている花飾りも一層咲き誇ってる感が増していた。
「…………………………………………、」
が、その明るい表情もすぐに複雑なものへと変化していく。
今日が午前授業だった学校は彼女たちが通う柵川中学だけではない、学園都市のほぼ全校が
『とある事情』により午後になる前に全ての日程を終了させていた。
「確かにこうしてお昼前から遊べるのは嬉しいですよ、私も今日は風紀委員の仕事はありませんし。
でもやっぱりちょっと……複雑というか、不安です。 学園都市内は早くも元通りの日常が
戻りつつありますけど、未だに噂の波は収まりません」
「あー……『第一九学区事件』ねえ」
一一月の寒気を含んだそよ風に靡く黒のロングヘアを手で撫でながら、佐天は物思いにふけるような顔をした。
『第一九学区事件』。四日ほど前に発生したそれは、学園都市創設以来最大規模の大事件だった。
世間やいわゆる表向きは『事故』として処理されているが、学園都市に住む住人の大半が
あれは『事件』以外の何者でもないと睨んでいた。
一〇月三〇日に終結した第三次世界大戦から約一ヶ月後の事だった。
午後の日差しが街に蔓延る寒気を和らげる中、突如として第一九学区に『謎の飛来物』が墜落。
どんな質量の物体が降ってきたのかと身震いするくらいにその飛来物は学園都市全体を揺るがせた。
その後も断続的に爆撃音や破壊音が炸裂し、第一九学区という狭い空間内で歴史上の観点から見ても
比較できないほどの戦争が起きているのだと住人たちは不安に押し潰されそうになっていた。
結果、現在も第一九学区は懸命の復興作業が行われているが、その惨状はもはや地図上から
第一九学区を消した方が早いという意見まで出てくるほどのものだった。
「春上さんも心配してましたし……未だに詳しい原因は不明ですし、不気味ですよね。
古い研究機関が誤作動を起こして連鎖爆発を引き起こした説が有力……というか
世間的にはそれで片付いてますけど、そんなので起きるような規模じゃないですよあれ」
「そだねー、噂の中には『突然来訪してきた夜』とか『冥界へ誘う次元の裂け目』とか
『悪魔襲来の証である黒い霧』とか色々飛び交ってるけど、それも信憑性ないし。
……まあそういうオカルトチックな要素が含まれていれば含まれているほど、こう
血沸き肉踊るというか? えへへへ……」
「もう……その噂好きな性格、早いところ直した方がいいですよ?」
「いやいやこれだけは止められないんだよねー。 ほら、今日もとっておきの
ゴシップ引っ提げてきたからさ、とりあえずどっかゲーセンでも寄っていこうよ」
はひー、とため息をつく初春に構わず佐天は足取りも軽く先へ先へと進んでいった。
第七学区のゲームセンターに設けてある椅子に座り、初春と佐天は談笑していた。
いや、談笑という表現は適切ではないかもしれない。というのも、佐天は何やら
水晶のドクロがカバーを飾っていそうな胡散臭いゴシップ雑誌を片手にその内容を熱弁しているが、
その隣では自販機で購入したアイスクリームを食べながら呆れた表情で適当に頷く初春がいるだけなのだ。
「どーよこれ! じゃん! 『第一九学区事件の首謀者は何と天界から舞い降りた天使だった!!』。
ここまでそれっぽい"ニオイ"がぷんぷん香る記事も今時無いよ~?」
「ついに天界にまで話が及んじゃいましたか………。 何というか、もう何でもありですよね」
佐天も初春と同じように自販機で購入したアイスクリームを食べながら
自分のことのように嬉しそうな顔をしながら雑誌のページを初春に近付ける。
「『第一九学区事件発生直前、学園都市では多くの住人が"謎の飛翔物体"を目撃している。
聞くところによればそれは鳥のようでもあったし、複雑怪奇な形状の隕石との声もあったし、
航空機ではないかと囁かれてもいる。 だが今回、我々取材班が着目したのは「天使」。
謎の飛来物は天界から舞い降りし天使だったのではないか、という証言である』……だって」
「胡散臭い通り越して逆に信憑性がある、と思わせて冷静に考えてみると
馬鹿馬鹿しいにも程がある記事って印象ですね。 そもそも天使って……、
人間の想像から生み出された偶像みたいなもんじゃないですか?」
「はぁ~……夢がないなぁ初春クンは。 天使だよ? 素敵だと思わない?
高級羽毛布団なんか目じゃないほどの清楚で美しい翼が背から生えてて、
人々をそれだけで幸福感に満ち溢れさせるような笑顔を見せてくれる素晴らしい存在なんだよ?」
「それってアイドルも似たようなものですよね。 それこそ"一一一"とか」
「そーだけどさー、でも天使が学園都市に来ただなんて何だかそれだけでワクワクしてこない?」
うーん……、とどう答えたらいいか悩むような表情で首を傾げる初春とは対照的に、
佐天涙子は『エンゼルさま』を心から崇拝する痛い信者のような笑顔を浮かべながら雑誌を読んでいる。
これだけ聞くと、とても女子中学生が話すような会話内容とは思えないかもしれないが、
現在の学園都市の内情を考慮すると彼女たちの話題は至極当然のものだった。
初春と佐天だけではない。今、学生達の間ではもっぱら『天使』というキーワードが流行っている。
佐天が手にしている雑誌が原因というわけではないが、一旦は担っていた。『第一九学区事件』発生前に
第一九学区に墜落した謎の飛行物体。それが天使なのではという端から聞けば鼻で笑うような噂が、
科学技術の最高峰である学園都市で蔓延っているのだ。
溶けかけたアイスがコーンから漏れそうになるところを舌で舐めとりながら初春は言う。
「学園都市のセキュリティ技術なら監視カメラや衛星からの映像で
その真偽を一発で判明出来るんですけど、例のハッキングのせいで
全衛星と監視カメラが乗っ取られちゃってましたからね。 怪しいことに
この『第一九学区事件』が発生する少し前から―――――、」
と、流暢に言葉を紡いでいた初春が突然口を止めた。なんだか嫌な過去を思い出しているような
顔を浮かべている。
だがそれを無視して、佐天は容赦なく初春の心を抉りにかかった。
「ああ、ハッキングね。 『天使同盟(アライアンス)』でしょ? 組織なのか個人なのかも
わからない謎の勢力。 『天使同盟』なんて名前が拍車をかけてこの天使説を色濃くさせてるんだよねー。
ていうかアレじゃん、初春って確かこの『天使同盟』とハッキングで勝負を挑んで―――――」
「その話はもうやめてえええええええええええ!!!!」
今にも泣き出しそうな悲鳴を上げて佐天の言葉を遮る初春。
周りにいた学生達が何事かとこちらに視線を向けてくるが、佐天が苦笑いで
頭を下げることで事なきを得た。
「ううううううううう……………、我が人生最大の屈辱、汚点、黒歴史…………。
ロシア連邦軍の情報機関と手を組んでまで挑んだ戦いだったのに………」
「あ、あはは……ごめんごめん! 嫌なこと思い出させちゃったかな。
でも未だに信じらんないな、パソコンの事は詳しく知らないけどさ、
ネットワークセキュリティに滅法強い初春が逆にパソコンを乗っ取られちゃうなんて」
「何をされたのかも分からなかった……、気がついたら風紀委員の全データベースを
掌握されてて……こちらからは何のアクションもとれなくなってて……うううう~」
『第一九学区事件』発生より少し前、全世界の情報機関のデータベース、各国が
宇宙空間に打ち上げている人工衛星、そして学園都市の全セキュリティ、風紀委員と
『警備員(アンチスキル)』のデータベースが掌握される歴史上最大規模のハッキング事件が発生していた。
一般には知られていないが初春飾利は学園都市の中でも随一を誇る凄腕のハッカーであり、
その凄腕からいつしか『守護神(ゴールキーパー)』という異名で呼ばれるほどの天才である。
が、そのハッキング事件で初春に真っ向から戦いを挑んできた謎の勢力『天使同盟』は
初春の対ハッキング技術の腕前を以てしても全く歯が立たなかった。結果、丸一日以上に及んで
学園都市のセキュリティレベルがガタ落ちする事態へと発展していったのだ。
がっくりと肩を落としてメソメソする初春を佐天は適当な調子で慰める。
その間も彼女の視線は初春ではなくゴシップ雑誌の特集に向けられていたが。
「にしても結局、『天使同盟』って何だったのかな。 あたしらはさ、事件の時は
地下シェルターに避難してたからわかんないけど、あの日世界各地で
この記事に書いてある通り本当に『空から降る天使の羽根』が目撃されてるらしいんだよね」
「数人の目撃証言なら雪の結晶を羽根と見間違えた、で済むかもしれませんけど
全世界ですからね………。 確かにその点を考慮すると天使説も馬鹿には出来ないんですが……。
少なくとも学園都市側は『第一九学区事件』に関して一切の黙秘を貫き通す方針みたいです。
今飛び交ってる様々な噂も、第一九学区から出たっていう多くの死体の件とかも」
「死体……。 穏やかじゃないなー、そんなリアリティよりあたしはメルヘンチックを
追求したいな~。 ………そうだ!」
佐天が急に閃いたように叫びだし、思わず手に持ったアイスを落としそうになる初春。
頭の花飾りの位置を調節しながら彼女は尋ねた。
「な、なんですか急に?」
「学園都市に天使が落っこちてきたっていうんなら、その天使ってのを探してみない?
今はもうセキュリティ強度も元に戻ってるし、いくら天使さんでもそう簡単には
学園都市から出られないんじゃないかな~。 だからさ、ね?」
「ね? って言われても……存在すら疑わしいものを探すとなると骨が折れるっていうか……
無駄な労力というか、虚しくないですか?」
「なんで初春はそんな現実主義者みたいな発言ばかりするかなぁ~! あたしら女の子だよ?
年頃の女の子なら天使を追って走り回ってたら『不思議の国』に辿り着いてましたくらいの
経験はしてなきゃダメじゃん!」
「それ、天使じゃなくて『うさぎ』だと思うんですけど……」
「『うさぎ』を追ってたら天使に辿り着くかも知れないよ~?」
だんだん話が逸れてきたことに気付いた初春はうんざりとした調子でため息をつく。
今時、不思議の国とかコウノトリとか本気で信じている女子中学生など稀だろう。稀過ぎるだろう。
ただ佐天も今の発言を本気でしているわけではないので、初春も大した心配はしていないのだが。
そんな初春がふと、天井を仰いでボーッと考え事をし始めた。
「どったの?」
「いや、何か……前にもこんな話しませんでした? 何か得体のしれないものを
探しにいこうって佐天さんが言い出して……白井さんや御坂さんも誘って。
あの時は宇宙人だったかな? あれ? というかそんな事ありませんでしたっけ?」
「デジャヴってやつ? うーん……言われてみればそんな事を言った気がしないでもないなー。
ていうか何だろ、それこそ言われてみればなんだけど、あたしらどっかの記憶がすっぽり
抜けてたなんて事なかったっけ?」
「?」
「むむ……なんか妙な感覚」
まぁ思い出せないのなら所詮その程度の事だったのだろう、と佐天は思考を放棄し、
鞄を持って初春の手を取った。
「とりあえず白井さんや御坂さんも後で天使探索に誘うとして………。
久しぶりにプリクラ撮らない? しばらくやってなかったっしょ」
「あ、いいですねー。 というか本気で天使探索をやるんでしたら
春上さんも誘いましょうよ。 彼女、『第一九学区事件』で若干元気無くしてますし」
「もちよもち。 まぁそれなら天使探索はついでで、春上さんを元気づけるために
学園都市を遊びまわるって方向でいいかもしんないね!」
「はい。 ……元気づけるといえば、御坂さんもそうですよね」
「ん?」
何台か並んでいる多種多様のプリクラ筐体を見渡し吟味していた佐天が
不思議そうな表情をした。
「御坂さん、なんかあったっけ?」
「いや……気のせいかもしれないですけど、白井さんも言ってたから間違いないですよ。
第三次世界大戦が終わった後の御坂さん、何だか元気が無い感じじゃなかったです?」
「そうかなー、別に普通の雰囲気だったと思うけど。 この前だって
四人で買い物行った時もゲコ太柄のパジャマ見て飛びついてたじゃん」
「そりゃそうですけど……、考えすぎなのかなぁ。 でも白井さんも気にしてるし……」
しばし悩んだ結果、コスプレグッズが並ぶ凝った筐体ではなく、
至って普通のプリクラを選択した二人はカーテンをくぐって中に入っていった。
その背後、数メートル先の場所に不穏な影が忍び寄っている事にも気付かずに。
『フレームを選択してね! ていうかその前にまず金を入れてね! コイン投入口からさっさと入れてね!』
プリクラの筐体から音声ガイドが流れる。佐天は指示に従って一〇〇円玉を数枚
小銭投入口に入れる。
撮影スペース内には身だしなみを確認するための鏡が設けられているが、その前で
初春が花飾りの花を指で弄っていた。余念が無いにも程がある。
「どのフレームにする?」
「この『バッキンガム宮殿の客室にありそうな窓枠風』はこの前春上さんと遊んだ時に
撮りましたよね。 じゃあこの……、『世紀の大魔術師がプカプカ浮いてそうな
弱アルカリ性培養液入りのビーカー風』にしませんか?」
「何それ……、初春ってば絶妙なチョイスをするなぁ」
タッチパネルに指を押し当て、フレームを選択する。
その後、照明の位置やプリントする写真のサイズ等を選択し、二人はとりあえず
無難なポーズを撮って撮影に望んだ。
『タッチパネルの横にあるペンを使って写真に絵や文字を書いていってね!
人の悪口を書いたりするのはやめてあげてね!』
「うりゃ~。 英国紳士『ヒゲ春』の誕生じゃ~」
「ちょ、ちょっと! 私の顔に落書きしないでくださいよ~」
満面の笑みを浮かべている初春の写真データにくるんと巻かれたヒゲを書く佐天。
こうして見ると学園都市にもすっかり平穏な日常が戻ってきたと実感出来るものだ。
未だ『第一九学区事件』の凄惨さが後を引く中、少なくともこの二人はきちんと青春をエンジョイしている。
だから、気付かない。
「もう一回残ってるよ。 初春、フレーム選んでよ~」
「うーむ……、じゃあこの天使の羽根がふんだんに装飾されたフレームはどうです?」
「お、初春にしてはメジャーなところを選んできたね。 ていうか天使の羽根って
今のあたしらにとっては超タイムリーじゃん! なんだかんだ言って初春も
天使の探索が楽しみだったりするんじゃないの~?」
「タイムリーなのは佐天さんだけだと思います………」
苦笑いをしながら初春は天使の羽根が散りばめられたフレームを選択する。
すると画面が二人の顔を移した。撮影モードだ。二人は自分の顔が映る画面とにらめっこしながら
髪や服装を整えていく。
が、
「あれ?」
声を出したのは初春だが、ほぼ同時に佐天もそれに気付いていた。
今現在画面に映っているのは初春飾利と佐天涙子。その二人だけのはずだ。
しかし二人の背後。二人の顔と顔の間からひょっこりと現れたように、
そこにはいつの間にか"奇妙なマネキンのような顔"が浮かび上がっている。
そのマネキンのような顔はフードのようなものを頭に被せているため若干確認しにくかった。
「なんでしょうこれ? フレーム選んだ時にこんな装飾ありましたっけ?」
「さあ? マネキン……だよねこれ。 デパートの洋服店売り場とかに
置いてあるようなやつの。 うん? ていうかこれ…………」
まさか、の可能性に気付いた佐天はツツー……と冷や汗を頬に伝わらせながら一言。
「これ、今あたし達の後ろにいるんじゃないの?」
二人の中の時間が一瞬止まった。それとは逆に心臓の鼓動は一層激しくなっていた。
『まさかそんなはずが……』と『まっさか~、そんなはずないよ~』の二種類の"まさか"が
頭の中でせめぎ合う。
ごくり、と生唾を飲んで二人は背後を確認するために恐る恐る首を後ろへ動かした。
そこには、
「kbvkorgherubvhzx撮影oaquqevmj開始cnalifhefsn」
「「ぎぃやああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!?!?」」
初春と佐天は食べかけのアイスを放り投げ、特撮映画の怪獣顔負けの雄叫びを上げながら
脱兎の如くプリクラの筐体から逃げ出してしまった。
筐体に中には、一人の『異形』が取り残されていた。
その異形のマネキンのような顔には二人が放り投げたアイスが見事にくっついている。
異形はそれを両手で取ると一口、"凹凸で表現されているだけの口でかじってみた"。
「cvlg美味xbfo」
パシャ、という音と共にプリクラの撮影が完了する。
異形は足元のプリントシール取り出し口からそれを拾い上げると、
"腰から伸びる布のようなものの隙間"に収めて満足気に筐体から出て行った。
プリントされた写真には、天使の羽根が散りばめられた綺麗なフレームと、
正真正銘、本物の大天使がしっかりと撮影されていた。
――――これは、一人の少年と一人の天使を中心とする物語の後日談である。
445 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/22 20:42:44.02 Ug5ay8hpo 28/278お久しぶりです、覚えていてくれましたでしょうか。>>1です。
膨大な量の乙コメントをありがとうございました、嬉しすぎる……。
とりあえず続編の序章を放り込んでみました。続編から三点リーダを使用しています。ご了承ください。
あれから一週間が経ちましたが、早いか遅いかは皆様の判断にお任せします。
実質、このスレは続編の1スレ目とカウントしてくださって結構です。
いつ終わるかはわかりませんが……よろしければお付き合い下さい。
序章は初春飾利と佐天涙子に主役を張ってもらいました。お疲れ様です。
次回更新はとりあえず未定。
それでは、ありがとうございました!
【関連】
◆本編
1スレ目
一方通行「フラグ・・・ねェ」【1】
一方通行「フラグ・・・ねェ」【2】
一方通行「フラグ・・・ねェ」【3】
一方通行「フラグ・・・ねェ」【4】
2スレ目
一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」 風斬「そうですよ!」【1】
一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」 風斬「そうですよ!」【2】
一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」 風斬「そうですよ!」【3】
一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」 風斬「そうですよ!」【4】
3スレ目
一方通行「フラグ・・・・・・じゃねェだろ」 エイワス「まだそんな事を言っているのか」【1】
一方通行「フラグ・・・・・・じゃねェだろ」 エイワス「まだそんな事を言っているのか」【2】
一方通行「フラグ・・・・・・じゃねェだろ」 エイワス「まだそんな事を言っているのか」【3】
4スレ目
一方通行「フラグ・・・・・・だろォな」 垣根「ち・・・・・・くしょ・・・・・・う」【1】
一方通行「フラグ・・・・・・だろォな」 垣根「ち・・・・・・くしょ・・・・・・う」【2】
一方通行「フラグ・・・・・・だろォな」 垣根「ち・・・・・・くしょ・・・・・・う」【3】
5スレ目
一方通行「フラグだと? って事ァ」 レッサー「私はあなたが好きって事です♪」【1】
一方通行「フラグだと? って事ァ」 レッサー「私はあなたが好きって事です♪」【2】
一方通行「フラグだと? って事ァ」 レッサー「私はあなたが好きって事です♪」【3】
6スレ目
一方通行「そンなフラグはヘシ折ってやる」 ヴェント「・・・・・・あ?」【1】
一方通行「そンなフラグはヘシ折ってやる」 ヴェント「・・・・・・あ?」【2】
一方通行「そンなフラグはヘシ折ってやる」 ヴェント「・・・・・・あ?」【3】
7スレ目
一方通行「いいか、フラグってのはなァ」 ガブリエル「vbhti素敵apfrgt」【1】
一方通行「いいか、フラグってのはなァ」 ガブリエル「vbhti素敵apfrgt」【2】
一方通行「いいか、フラグってのはなァ」 ガブリエル「vbhti素敵apfrgt」【3】
8スレ目
とあるフラグの天使同盟【1】
とあるフラグの天使同盟【2】
とあるフラグの天使同盟【3】
9スレ目
蛇足 とあるフラグの天使同盟
【注意】
この蛇足(後日談)は【未完結】です。
あらかじめご了承ください。
【次回予告】
『あのー………、朝ごはん出来ましたよ。 もうお昼になっちゃうんで
そろそろ起きてくださいよー……………』
『天使同盟(アライアンス)』の構成員・AIM拡散力場の集合体――――――風斬氷華
『…………ンァ』
『天使同盟』のリーダー・学園都市最強の超能力者(レベル5)――――――一方通行(アクセラレータ)
488 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/25 00:45:08.80 RkkBUILao 32/278ちょっと遅めのこんばんわ。投下したいと思うのですが……
まだ魔の時間帯なのかなー
前回は序章と、テラー(笑)による導入から始まりました。
導入部のお話は当初予定していたバッドエンドですね、こうならなくて良かった。
今回は主人公である一方通行が登場します。風斬も。
では、のんびりとやっていきます。
――――――――――――――――――――――
一一月も間もなく終わりを迎えようとしていた。日本に本格的な冬が到来する時期だ。
初春飾利と佐天涙子が絶叫しながらゲームセンターを出て行く少し前に遡る。
第七学区のとある一角、四階建ての控えめなマンションの一室では、非常に清々しい朝の日常が展開されていた。
「ふっふふん、ふっふふん、ふっふっふ~ん♪」
小気味良い、何かを叩く音がリズミカルに響いていた。包丁とまな板が接触する音だ。
その音の前に、包丁によって瑞々しい野菜が切断される心地のよい音も聞こえる。
時間帯から考慮するに、それは朝食の準備をしている生活音だった。
少女はその長い髪を可愛らしいリボンで留め、ポニーテールに纏めていた。
服装はどこにでもあるような学生服。スカートの裾は弄られておらず、膝より少し下まで伸びていた。
学生服の上からこれまた可愛らしいエプロンが装着されている。しかしそのエプロン越しからでも
余裕で窺えるほど、"彼女"の胸は豊満で健康的だった。
彼女は野菜を切り終え軽く味付けし、慣れない手つきで小皿に盛り合わせる。
まな板のすぐ傍にはノートが開いた状態で置かれていた。何やら細かい文字と
わかりやすい絵が書き込まれている。これを参照にして彼女は料理を作っているのだろう。
「…………よし。 あとはお味噌汁~お味噌汁………」
彼女はガスコンロの前に移動し、そこで温められていた鍋の蓋を開ける。
瞬間、日本人にはとても馴染み深い味噌の芳醇な香りが鍋の中から一気に解放された。
この香りを嗅いだだけで食欲がそそられるというものだ。
おたまを手に取り、味噌汁を少量掬って小皿に入れる。そしてそれを味見。
どこのご家庭でも見られる実に日常的な風景だった。
「………こんなもんかな。 彼はもう少し濃い目でもいいって言うかもしれないけど、
その前に味だよね。 私みたいな下手っぴは変に手を加えようとしたら大変な事になるし……」
満足気な、一〇〇点満点の笑みを浮かべて出来立ての味噌汁をお椀に入れていく。
次に用意されたのは炊きたてツヤツヤの白米。それも同様にしゃもじでお椀に盛っていった。
他にも先程のサラダ、焼き魚が既に人数分用意されている。少なくとも見た目は合格ラインを突破している出来だった。
というか、完璧だった。味とかそんなんどうでもいいくらい、彼女は完璧だった。
こうして朝から(と言っても早朝というわけではなく、正確には一一時前と言う遅めの朝食だが)健気に
朝食を作る彼女は、端から見れば物怖じするほど完璧な『奥さん』だった。
『奥様は天使』という短編漫画が連載出来そうだった。天使。そう。
彼女の名前は風斬氷華。今は朝食作りのため髪をポニテにまとめているが、普段は腰まで
届く黒に近い茶色の長髪であり、一房だけピンで留めている。
知的な眼鏡を多少ずり落ちたところでかけている辺りが何ともあざといが、本人が意図してそうしているわけではない。
彼女はそんな腹黒い性格の人間ではない。
そして、彼女は本当に"人間ではない"。
その正体は学園都市に存在する虚数学区の一部、AIM拡散力場が集合して人の形を成した存在である。
見た目は普通の女の子だが、中身は空っぽ。もちろん、彼女の体に夢が詰め込まれてるわけでもない。
つまるところ、彼女は化物だった。最初、風斬は自分が化物であることに絶望していたが、
様々な体験を経て現在、こうして普通の人間のように日常を送っている。
「ふふ……、でーきた♪」
人数分―――――二人分の朝食をおぼんに乗せてスリッパをぱたぱたと鳴らしながら部屋へ持っていく
彼女の姿はまさに良妻だった。化物だとかAIM拡散力場の集合体だとかそれらの要素など全部無視して、
風斬氷華の立ち振る舞いは涙が出るほど完全究極奥様だった。
朝食は二人分。ということは風斬以外にこのマンションの一室には誰かが住んでいる事になる。
そして風斬は先ほど『彼はもう少し濃い目の方が~』的な事を言っていた。つまり同居人は男だ。
さて、ここまで聞くとそろそろ殺意が湧き始め、その殺意は問題の『彼』に向けられる頃だろう。
一体こんなパーフェクト奥様にメシを作ってもらってやがる憎いあンちくしょうはどこのどいつだと
憎悪がふつふつと沸騰してくるのも無理はない。
だがここで訂正を加えておくと、別に風斬氷華は奥様でも団地妻でも何でもない。
ただの普通の女の子だ。結婚はおろか付き合っている殿方だっていやしない。
色々ワケあってその『彼』と同居しているだけだ。
………もっとも、同居を懇願したのは風斬であって、その『彼』は乗り気ではなかったのだが。
「あのー………、朝ごはん出来ましたよ。 もうお昼になっちゃうんで
そろそろ起きてくださいよー……………」
恐る恐る風斬は部屋の中を覗く。そこには簡素なベッドとソファが置いてあり、
『彼』はそのソファの上で寝転がっていた。
男は心底気怠げに首を動かし、呻くように声を出した。
「………あァ?」
「えっと、朝ごはんが出来たので……よかったら一緒に食べませんか?」
ある程度この雰囲気にも慣れているのか、風斬は笑顔で言った。
男の方もそれを聞くと大きなあくびをかましながら面倒くさそうに、しかし
せっかく作ってくれた朝食を無下に扱うのも抵抗があるのか、ゆっくりと起き上がる。
男の髪は、白かった。白髪の手本というものを見せてやると言わんばかりに白かった。
首元にはオシャレなチョーカー。しかしそれはオシャレではなく、彼の演算能力の補助を努める
重要な機材だった。
眼は赤色、というよりは紅に近い。睨まれればそれだけで心臓麻痺を起こしかねないような鋭すぎる眼光が潜んでいる。
『一方通行(アクセラレータ)』。彼はそう呼ばれていた。
学園都市に存在する全能力者の頂点。超能力者(レベル5)、学園都市最強の超能力者がそこにはいた。
彼はかつて『第一九学区事件』の中心に位置し、とある一人の天使を救った少年でもあった。
――学園都市・第七学区 『グループ』の隠れ家
風斬「おはようございます、一方通行さん」ニコッ
一方通行「…………ンァ」ボケー
風斬「朝ごはん出来ましたよ」
一方通行「さっき聞いた………」
風斬「一緒に食べましょう」
一方通行「………あァ」ボッケー
風斬「あ、お茶持ってきますね!」パタパタ
一方通行「…………………」クァァ
一方通行「…………………」
一方通行「………あァ? つか今何時だよ?」キョロキョロ
一方通行「一一時………ちと寝過ぎたかァ?」
一方通行「………腹減ったな」
一方通行「起きたらメシが出来てるたァ、イイご身分だな俺もよォ」
風斬「お待たせしました~」パタパタ
一方通行「ちょっと顔洗ってくるわ」
風斬「あ、はい」
風斬「………………………」
風斬「テレビつけよっと」ピッ
『…………以上、ニューヨークから中継でお伝えしました。 えー、引き続き
学園都市で起きた「第一九学区事件」についての続報をお送りします』
風斬「ニュース……まだあの事件のことやってる」
風斬「怖いなぁ……私達、悪い意味で有名になっちゃったなぁ」
風斬「これからどうなるんだろう。 ずっとこんな生活が続けられたらいいけど………」
一方通行「なンの心配をしてンだよオマエは」
風斬「! あ、いえ、何でもないです………」
一方通行「もォ何も心配いらねェっつったろォが。 今の平穏が崩れるよォな
事件やらなンやらがあっても、俺達なら防げる」
一方通行「あの天使を曲がりなりにも救ったンだぞ俺達は。 今更何が怖いってンだ」
風斬「そうですね、そうですよね。 ………でも、」
一方通行「あン?」
風斬「何だか平和すぎてちょっと……逆に怖いというか」
一方通行「ンだオマエ。 まさかこの平穏が退屈すぎてちょっとその辺の
『魔術結社』でもぶっ潰してェなァとか考えてやがンのか?」
風斬「そ、そんな物騒な事考えてませんよ……!」アタフタ
一方通行「俺はちょっと考えてた」
風斬「え、………」
一方通行「…………ンなわけねェだろクソボケ、マジに受け取ってンじゃねェよ」ポカッ
風斬「あ痛っ。 ……もうっ」プンスカ
一方通行「さて、と」
風斬「あ、今日はですね。 日本のご家庭定番の朝ごはんに挑戦してみました。
白米にお味噌汁、焼き魚に……ほうれん草の胡麻和え。 ど、どうですかね……?」テレテレ
一方通行「どォですかねって……まだ口にしてねェのに評価しよォがねェよ。
…………つかオマエよォ」
風斬「?」
一方通行「別にわざわざこンなメシとか用意してくンなくてもいいンだぞ?
事件収束以来オマエ、黄泉川ンとこにいかねェでこォして暗部の隠れ家なンかに
居座ってよォ、俺や"あのアホ"にメシ作ってくれたりして………通い妻かオマエは」
風斬「か、通い妻って…………/////」ポフッ
一方通行「面倒だろこンなの」
風斬「わ……、私が好きでやってるんですから一方通行さんは気にしなくていいの!」
一方通行「そ、そォかよ」ビクッ
風斬「そうです」
一方通行「変わったヤツだなオマエ………。 つってもまァ、あの"アホ"が心配なだけだろ?」
風斬「そ、それもありますけど………」
一方通行「?」
風斬(あれだけ大きな事件を起こした後でも変わらないな………この人は)
一方通行「まァそンじゃ、お言葉に甘えていただくとするかね」
風斬「あ、はい。 いただきます」
一方通行「………ただきます」ボソッ
風斬「……………………」ドキドキ
一方通行「ニュース、まだ俺らの事やってンなァ。 『謎の組織、「天使同盟」について迫る!!』、
だとよ。 ハッ、こォいうのって本人の俺らからすりゃくだらねェ事この上ねェよな」モグモグ
風斬「………………」ドキドキ
一方通行「っと、いけねェ。 こォいう不穏な会話は『盗聴術式』の可能性を考慮して
避けろって病院で神裂のヤツに言われてたっけなァ」パクパク
風斬「………………」ドキドキ
一方通行「正直な話、盗聴されてよォが俺達に正面から立ち向かってくる
勢力なンざそォそォいねェと思うンだがな。 まァ増長してるわけじゃねェが、
あの露出狂はちょっと心配性の傾向があるっぽいよな」ズズー
風斬「………………」ドキドキ
一方通行「……俺はテレビに向かって話しかける中年のオッサンか?」
風斬「あ、え?」
一方通行「何やってンだ、食えよ。 冷めちまうだろォが」
風斬「す、すみません。 ………あ、あのー……」
一方通行「ンだよ」
風斬「お、お味の方はどうですか………? 一応腕に縒りを掛けて作ってみたんですけど……。
と言っても、黄泉川さんのメモのおかげで体を成してるって感じですけどね」タハハ
一方通行「あァ、メシか?」
風斬「は、はい………」オドオド
一方通行「まァ、悪くねェ」モグモグ
風斬「本当ですか? 良かったぁ………」パァァ
一方通行(美味いに決まってンだろォが……。 わざわざこォしてメシ作ってもらっといて
マズいですなンて言えるワケもねェしよ。 いや実際美味いンだが)ズズズ
風斬「………うん、本当だ。 ここ数日の中じゃ一番良く出来たかも」モグモグ
一方通行「………にしても、確かにオマエの言うことも一理あるかもなァ」
風斬「?」
一方通行「俺達の今後だよ。 第一九学区ン時はただがむしゃらに戦って得たあのアホを
この世界に留まらせたはいいが、今後はどォなる事やらって話だ」
風斬「そう、ですね………。 何たって"本物の大天使"ですもんね」
風斬「そう、ですね………。 何たって"本物の大天使"ですもんね」
一方通行「ニュースでも連日『天使同盟(アライアンス)』について騒ぎまくってやがる。
ほとンどがあの"金髪クソ野郎"のせいだが、俺達にも原因はある」
風斬「はい……」
一方通行「正直、どれだけの『勢力』に『天使同盟』の素性が割れてるかも
わかってねェ状況だ。 楽観視は出来ねェってオマエの懸念も理解は出来る」
風斬「で、でも」
一方通行「あァそォだ。 俺達は救った、救っちまった。 あのアホが望ンだから、
俺達が望ンだから、俺達は天使を救った。 突き詰めればそれだけの話だ」
風斬「何か大きな問題にこれから先ぶつかったとしても、解決していくしかないですよね」
一方通行「そォいうこった。 だからオマエも余計な心配はしてねェで、
大手を振って生きていきゃいいンだよ」
風斬「はい……!」
一方通行「…………ところでよ」
風斬「?」
一方通行「その俺達が死に物狂いで救った我らが大天使様が見当たらねェのはどォいう了見だ?」
風斬「あ、天使さんならさっき出掛けていきましたよ。
多分『散歩しに行く』って言ってたんだと思いますけど……」
一方通行「あいつは大手を振って生きていきすぎだろ……」
風斬「一応携帯電話は持たせてますけど」
一方通行「完全にあいつをガキ扱いしてるよなオマエ」
風斬「かけてみますか?」
一方通行「あいつが電話に出ると思うか?」
風斬「う、うーん………正直可能性としては厳しいかも……」
一方通行「ドラム缶の中にパーツ単位で分解したテレビを入れて、ドラム缶を思い切り振ってたら
いつの間にかテレビが完成してたって確率より低いだろォな。
つかあいつ携帯の使い方知らねェンじゃねェのか……」
風斬「あ、でもGPS機能はついてますし、いざとなったら居場所は把握出来ますよ」
一方通行「………クソ面倒くせェ。 放っとけ」
風斬「いいんですか………? 何か危険な目に遭っちゃうかもしれないですよ?」
一方通行「危険な目に遭うのはむしろ相手側だろ。 それにあいつも馬鹿じゃねェ、
確かにアホだが馬鹿ではねェ。 何かあったらどォにかして報せてくるだろォよ」
と、その時だった。
一方通行「!」
風斬「?」
何の前触れもなく突然、一方通行と風斬がいる部屋に虚空から少女が出現した。
「……………は?」
一方通行「………………オマエか」
風斬「え? え?」アタフタ
「一方通行? 貴方こんなところで何を……、………誰その女。 ていうかこの状況は何?」
一方通行「チッ、久しぶりじゃねェか結標。 面倒な時に現れやがるな」
風斬「?????」ポカン
結標「久しぶり……なんて挨拶を貴方がすること自体、私にとっては驚天動地の出来事なんだけど。
オマケに、近くの隠れ家に寄ってみたら貴方と妙な女が仲睦まじく朝食を取ってるなんて、
今日は星でも降るのかしらね?」
一方通行「星が降るなンざ俺達にとってはもはや日常茶飯事の現象でしかねェよ」
風斬「え、あの……一方通行さん、この方は……?」
一方通行「怪人ショタコン女」
結標「コルク抜きをぶち込まれたいらしいわね? 今ならリクエストに応じて
好きな場所に挿入してあげるけど?」スチャッ
一方通行「事実だろォが。 ……こいつは結標淡希、暗部の仕事仲間だ」
風斬「あ、どうも初めまして……風斬氷華です。 よろしくお願いします」ペコペコ
結標「あ、いえいえこちらこそ……ってちょっと待ちなさいよ! 一方通行、
貴方なに勝手に私達が暗部だって公表してるのよ!?」
一方通行「こいつは問題ねェよ。 暗部だの何だの以上に厄介な女だからな。
この隠れ家にいる時点で察しろよボンクラ」
風斬「?」
結標「…………ふうん。 ま、私には関係ないけど。 何かあっても責任は貴方が取ってよね」
結標(……どういう関係なのかしら、気になるわね。 ていうかこの女、立体映像……か?
一方通行、まさか彼女が欲しいあまり『バーチャル彼女』的なものに手を出したんじゃないでしょうね……)
一方通行「で、オマエは何しにここに来た? ここにゃお目当てのショタガキなンざいねェぞ」
結標「この子がいなかったら貴方、今頃コルク抜きのオブジェになってるわよ。
……別に、少し喉が乾いたから近くの隠れ家に寄っただけよ」
一方通行「『仕事』とか言うンじゃねェだろォな?」
結標「だったら貴方にも連絡がいくはずでしょ」
一方通行(そォとは限らねェ。 エイワスのヤツが何らかの妨害を働いてる
可能性もあるからなァ…………)
風斬「あの……」
結標「?」
風斬「よかったらあなたも一緒にご飯食べませんか? まだ材料ありますし、
即興でよければ作りますけど………」
結標「いえいえお気遣いなく。 別に貴女と一方通行の邪魔をしにきたわけじゃないから」ニヤニヤ
一方通行「何だか素敵で愉快な勘違いをしてるみてェだなァ?」
結標「あら、どうかしら? 貴方達、そういうご関係なんでしょう?」ニタニタ
風斬「え、ちょっ………なな、な、何を………!!!///」アワアワ
一方通行「オマエにゃ関係ねェだろクソボケ」
結標「はいはい。 じゃ、冷蔵庫の飲料水は貰っていくわよ」ガチャ
風斬(……)
結標「最近『仕事』の連絡が来ないけど、貴方何か知ってる?」ゴクゴク
一方通行「………知ってるも何も、"学園都市統括理事長の突然の失脚"。
それによって上層部は火の車状態……。 これ以外に理由なンかねェだろ」
結標「ま、さすがに知ってるか。 じゃあこれは?」
一方通行「?」
結標「二日前くらいからその失脚した統括理事長……アレイスター=クロウリーに代わって
新たな統括理事長が極秘裏に就任した、という情報よ」
一方通行「何?」
結標「あくまで噂でしかないけどね。 突然の消失で上層部が即興で捏ち上げた
情報でしかない可能性もあるわ。 というかそっちの方が現実的ではあるわよね」
一方通行「………穏やかじゃねェな」
結標「近い内、『グループ』にもくだらない仕事が回ってくるかも知れないわね」
一方通行「チッ、天使以前に暗部っつゥ面倒極まりねェ問題が残ってやがったか、失念してたぜ」ボソッ
結標「?」
一方通行「なンでもねェよ、さっさと帰れショタコン」
結標「こ、のクソ白髪……!! 貴方にはいつか『借り』を返すから。
………それじゃあね風斬さん、末永くお幸せに~」ヒュンッ
風斬「あ、えっと……! …………消えちゃった」
一方通行「あいつは大能力者(レベル4)の『座標移動(ムーブポイント)』。
空間移動系能力者だ、テレポーターだよテレポーター」
風斬「ああ……そういうことですか……(綺麗な人だったな……)」
一方通行(………にしても、アレイスターのクソ野郎に代わって新たな統括理事長が就任しただと?
一体どォなってやがる。 この街にアレイスター以上のタマがいるとは思えねェが)
一方通行(結標のヤツは確か窓のないビルの『案内人』を努めてやがったな。
あのショタコン女、ビルの中で何かを見たのか……?)
一方通行「………チッ、嫌な予感しかしねェぞ」
風斬「何がです?」
一方通行「何がです? じゃねェだろ………いや、オマエはそれでいいか」
風斬「?」キョトン
514 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/25 01:15:11.41 RkkBUILao 56/278ここまでです。
天使同盟SS初登場のキャラ、結標淡希が現れました。
彼女だけでなく、『グループ』は今後も登場予定ですのでファンの方はお楽しみに!
このSSの設定では暗部は解散していないので。
いかがでしょうか、あのアホみたいな戦いから一転、彼らはこんな感じで生活しています。
いつまでもこんな日常をお送りしたいですが……はてさて。
次回更新は未定。
それでは、今回もありがとうございました!
【次回予告】
「clgswjg貴方pfsidrnk」
『天使同盟(アライアンス)』の構成員・大天使『神の力(ガブリエル)』――――――ミーシャ=クロイツェフ
「抱きつくなァ!!」
『天使同盟』のリーダー・学園都市最強の超能力者(レベル5)――――――一方通行(アクセラレータ)
「なんですかこれ? ………あ、プリクラだ」
『天使同盟』の構成員・AIM拡散力場の集合体――――――風斬氷華
539 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/25 13:17:02.06 gKsbtEwIO 58/278関係ないけど、ていとくんの3人フラグって
ルチア、ワシリーサとあと誰だ?
523 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/25 02:09:26.53 s8pz24BLo 59/278あわきんって霧ヶ丘行ってたんだし
風斬のことは知ってるんじゃないの?姫神ですら知ってたんだし
555 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/26 17:51:58.59 MbqrH2V3o 60/278いつも沢山のレスをありがとうございます。
読む必要が全く無い蛇足でもこうして読んでくださる方々がいて……嬉しいです。
>>539
最初はワシリーサも含めていましたが、何だか違う気がすると最近思い始めました。
ルチアも微妙ですが、明確に立っているのは垣根が助けた常盤台中学の女子生徒くらいかなぁ……
三騎士とかバーバ・ヤーガは勘弁してくださいww
>>523
結標ってちゃんと学校行ってんのかなーって思うと知らなくても不思議ではないと思い、
ここでは初対面ということにしました。間違っていたら申し訳ないです。
そんなわけで更新します。
相変わらずの何の面白みもない日常が続いていきますがご容赦を。
今回はヒロインである天使も交えてのお話です。それでは。
――――――――――――――――――――――
一方通行「まァいい、さっさとメシ食っちまうぞ。 今日は
あのクソガキとの約束もあったしな」ガツガツ
風斬「あ、そうですね。 今日は黄泉川さんのお家に遊びにいくんでした。
打ち止めちゃんが一方通行さんに会いたがってるって」
一方通行「ったく面倒くせェ………」
風斬「そういう事言わないの、本当なら一方通行さんは黄泉川さんの家に
戻ってないと駄目なんですから……」
一方通行「へいへい、うるせェな………」
ガチャ
一方通行「! げェ、戻ってきやがったか」
風斬「あ、おかえりなさい天使さん!」
ガブリエル「ohjds只今mcvwytk」
一方通行「おいオマエ、どこで何してやがっ――――」
ガブリエル「clgswjg貴方pfsidrnk」ガバッ
一方通行「抱きつくなァ!!」ゲシッ
ガブリエル「―――――――、」ドシャァ
風斬「ああっ、もう………。 大丈夫ですか?」ナデナデ
ガブリエル「jjkhtox氷華oyswsin」ムギュー
風斬「よしよし………」ナデナデ
一方通行「なァ、ガブリエルのヤツ幼児退行現象が起きてねェか………?」
ガブリエル「……………………」ジー
一方通行「凝視してくンな気持ち悪い。 オマエはもォメシ食ったのか?」
ガブリエル「―――――――」コクン
一方通行「そォかよ」モグモグ
風斬「……………………」
一方通行「しっかし黄泉川ン家か……、あそこ今かなりカオスな状況になってるだろ。
正直あンま行きたくねェンだけどなァ」
風斬「………あ、一方通行、さん」スッ
一方通行「なンだ」
風斬「あ、あー…………///」プルプル
一方通行「あァ?」
風斬「う、う。 …………あ、あーん///」プルプル
一方通行「なンだよ?」
パクッ
風斬「あ」
ガブリエル「mtira美味pxjagi」モグモグ
風斬「も、もうっ! 天使さんってば………」シュン
一方通行「なンなンだ……」
風斬「……こほん。 そ、そういえば天使さんはどこに出掛けてたんですか?」
ガブリエル「kvourcw娯楽場lpasufh」
風斬「?」
一方通行「オマエよくガブリエルと会話してみよォと試みれるな……俺も人のこと言えねェけど」
ガブリエル「……………………」スッ
風斬「なんですかこれ? ………あ、プリクラだ」
一方通行「金もねェのにどォやって撮ったンだこンなモン」チラッ
ガブリエル「kvnpft女子中学生mcpwi逃走pkswgux理由不明mxloyx」
風斬「ふふ、なんでこの写真、天使さんの顔にアイスクリームがついてるんですか?」クスッ
ガブリエル「cwfrkj投擲攻撃apckjry」
一方通行「オマエ、街中でそのフード取ったりしてねェだろォな?」
ガブリエル「ofytcm勿論pafjuv」タブン
一方通行「一般市民にオマエの顔見られたら面倒だからな……気を付けろよ一応」
――――――――――――――――――――――
一方通行「………ごちそォさン」カチャ
風斬「お粗末さまでした。 お皿洗ってきますね」
一方通行「手伝う」
風斬「あ、いいですよ。 一方通行さんは天使さんとくつろいでてください」ニコッ
一方通行「…………」
ガブリエル「lsnury暇awrhnl」
一方通行「あとで黄泉川ン家行くからな」
ガブリエル「itsvcm御意auwyvh」ワクワク
一方通行「はァ…………」ゴロン
ガブリエル「……………」ボー
風斬「~♪」カチャカチャ
一方通行「平和………だなァ」ボケー
ガチャ
一方通行「………と思ったら今度は誰だよ」
「うるさいわね白いの。 ニートみたいにだらけやがって」
風斬「! あ」
ガブリエル「smfuvxjkヴェントaqpgdm」オッス
ヴェント「…………ふん」プイッ
一方通行「なンだオマエか………帰れ」
ヴェント「あぁ?」
一方通行「つかノックくらいしろ」
ヴェント「私に指図すんじゃないわよ。 鍵くらいかけとけ、この無用心」
風斬「おはようございます、ヴェントさん」ジャー
ヴェント「風斬………アンタそれナニやってんの? 皿洗い?」
風斬「はい」カチャカチャ
ヴェント「……………ふーん」
風斬「?」
一方通行「何しに来たンだよ」
ヴェント「テメェが風斬にセクハラしたりしてねえか監視しに来たのよ」
風斬「せ、セクハラ……!?」
一方通行「ンなくだらねェ冗談言いに来たのか、ご苦労さン。 帰れ」
ヴェント「私に指図すんなっつってんだろ」ポフッ
一方通行「勝手にソファ座ンなよ……まァいいかどォでも」ボー
ヴェント「ふん、暇だったからちょっと学園都市を散歩してたのよ」
一方通行「………"科学の街"を、か」
ヴェント「ナニよ、悪い?」
一方通行「いいや、イインじゃねェの」ニヤ
ヴェント「うぜえ…………」イラッ
『…………尚、学園都市はこの事件について未だに一切の黙秘を貫いており、
情報の開示はしない方針で議題を進めていく模様です。 この件に深く関わっていると
予想される「天使同盟」は第三次世界大戦の終戦が腑に落ちない学園都市側の一部勢力が
結成した組織ではないかという推測が専門家の間で…………』
ヴェント「まだやってんのこれ」
一方通行「俺達としちゃ世間がこォしてマスコミに振り回されてくれてる現状が
一番ありがてェンだがな。 もっとも、俺達を引っ張り出す事なンざ出来ねェだろォが」
ヴェント「例えば私がマスコミにアンタらの事をリークすれば一発なんじゃないの?」
一方通行「俺達が『天使同盟』だという理由や証拠、根拠をどォ提示すンだ?
ガブリエルの姿をお茶の間にも出すか? そォなったらもォ世間は
『天使同盟』どころの騒ぎじゃなくなる。 学園都市に世界各地の
魔術結社が片っ端から踏み込ンで来てこの街はハイお終い、だ」
ヴェント「アレイスターは」
一方通行「消えたンだとよ。 一体今度はどこで何を企ンでるかは知らねェがな」
ヴェント「チッ………」
一方通行「………仮に『天使同盟』の素性が世間様に割れたとしても、
それは俺達の問題だ。 俺達で片付ける、オマエらにゃ関係ねェよ」
ヴェント「あっそ。 ま、私はアンタらがどうなろうがもう興味はないし」
一方通行「問題は、俺がそォはいかねェって点だな。 例えば、オマエとの『約束』が継続出来なくなっちまう」
ヴェント「……………………」
一方通行「そォだろォが」
ヴェント「はいはい………」
ガブリエル「…………………………」ボー
ヴェント「…………………おい」ボソッ
ガブリエル「……………………」
ヴェント「(おい、アンタ。 そこの、クソ天使)」ボソボソ
ガブリエル「?」クルッ
ヴェント「(ちょっとこっち来い。 自然に、私の隣に)」
ガブリエル「???」
ヴェント「(くっ………。 ほら、これあげるから。 飴玉、黄泉川から貰ったやつ)」スッ
ガブリエル「!」ワーイ
ヴェント「(自然な流れで来いっつっただろこのボケ!)」ヒソッ
一方通行「なンだよ?」
ヴェント「な、何でもない」アセアセ
ガブリエル「lofcvsb頂戴qtuamv」ポスッ
ヴェント「よし、ほら。 ……って犬かアンタは」
ガブリエル「yvbktu美味foewjc」コロコロ
ヴェント「……でさ、このヴェントに情報を提供しなさいよ」
ガブリエル「?」コロコロ…
ヴェント「こ……こいつらの同居生活の内情について、アンタが知ってる事全部話せって言ってんの」
ガブリエル「…………?」
ヴェント(クッソこいつ……やっぱ人間の言葉は通じねえのか?)
ガブリエル「情報」
ヴェント「! そ、そう、情報よ。 白いのと風斬の同居生活………っつっても、
アンタも一緒に住んでるんだったわね。 とにかく、私に教えろ」
ガブリエル「……………」ウーン
ヴェント「……教えてくれたらまた飴玉あげるから」
ガブリエル「frcmp了解apwcn」コクン
ヴェント(ちょろすぎるだろこのアホ天使……セキュリティレベルがゼロに等しいな。
何が『伝達の御使』よ、情報ダダ漏れじゃねえか………)
ガブリエル「―――――――――」コロコロ
ヴェント「そうね、アンタの言葉じゃ要領得ないから……。 アンタ、何か紙と書く物持ってないの?」
ガブリエル「jgaux所持latfb」ゴソゴソ
ヴェント「うわ汚ねえ……、あん時の戦いでボロボロになってたわねそういや。
まぁ背に腹は代えられないわ。 それでね、」
ガブリエル「――――――――、」
ヴェント「白いのと風斬と、……アンタがここで生活し始めてから今日までの経緯を
簡単でいいから絵で表しなさい。 出来るでしょ?」
ガブリエル「……………………」フム…
ガブリエル「ffersl御意eavckkl」カキカキ
ヴェント「くく……いい子ね」ニヤリ
一方通行「オマエら何さっきからコソコソ話してンだよ?」
ヴェント「アンタにゃ関係ないわよ白いの。 おとなしく引っ込んでろ」
一方通行「チッ………」ムスッ
ガブリエル「~♪」スラスラ
ヴェント「………出来た?」
ガブリエル「tudsvpk完成aqqwjvvn」コクン
ヴェント「よし、ちょっと見せてみろ」バッ
ヴェント「…………………」ジー
ヴェント(な、なんなのよこれは……。 あれか、素人目には染料ぶちまけたような
絵にしか見えないけど、見るヤツが見たら芸術的だと評価される類の絵か?)
ヴェント(いや、でも……………)
ガブリエル「pofm飴玉apoivn」ヨコセ
ヴェント(成程……何とか把握出来たわ。 今のところ大した事は起きてないようね。
出来れば就寝時の様子も書いてほしかったけど、こいつにそこまで細かい要求をしても
多分無駄でしょうし……。 ふん、これならまだ私が『介入』する必要は無い、か)
ガブリエル「urdcm飴玉klaref」グイグイ
ヴェント「鬱陶しいな、服引っ張らないでよ」
ガブリエル「……………………」コロコロ
ヴェント「……よし、ご苦労。 いい? 今後もこいつらの生活状況を
定期的に私に報せなさい。 無論、こいつらにはこの事は口外しないで」
ガブリエル「?」
ヴェント「そしたら私も報酬としてアンタに飴玉を渡すから、わかったわね?」
ガブリエル「? syrdm御意urtux」コクン
ヴェント「(本当にわかってんのかこいつ……表情が読み取れねえ)。
とりあえず、今回の報酬よ。 飴玉二個ね」ヒョイ
ガブリエル「lxnkur感謝paiyvm」ワーイ
ヴェント「ちょ、おい! 引っ付くな!」グググ
一方通行(いつの間にこいつら仲良くなったンだ……?)
風斬「ふう、お皿洗い終了っと……。 あ、洗濯物取り込まなきゃ」
一方通行「それ終わったらそろそろ出かけるか?」
風斬「そうですね、すぐ終わりますので皆さんは準備をしててください」パタパタ
ヴェント(洗濯物………)
ヴェント「おい天使」ボソッ
ガブリエル「yidccn何ppiacv」コロコロ
ヴェント「洗濯物って誰が洗ってんの。 その……下着とか」
ガブリエル「飴玉」
ヴェント「チッ、こいつ………。 あ、もう無い」ゴソゴソ
ガブリエル「……………」
ヴェント「今度まとめて渡すから。 しかも特別レアな飴玉を」
ガブリエル「svueil交渉成立oagbnc洗濯物psgaa風斬lawrxb」
ヴェント「ん? 何? ………風斬、って言ったのよね? そうかあいつか……。
どうやらあまり楽観視していられる状況でもなさそうだけど、今は様子見ね……」
ガブリエル「―――――――」コロコロ
――――――――――――――――――――――
そんな感じの、日常だった。
一方通行は一一月某日、後に『第一九学区事件』と呼ばれる事件の中心で
熾烈を極める戦いを繰り広げていた。
原因は救出。ミーシャ=クロイツェフと呼ばれる大天使『神の力(ガブリエル)』の救出のためだ。
一方通行は『天使同盟(アライアンス)』という名の組織を率いる立場にあった。
彼自身は未だに組織なんて物騒な集まりであることは否定しているが、現実問題
『天使同盟』の構成員は一国と戦えるほどの戦力を秘めている、組織と呼んでも遜色ない。
そんな『天使同盟』は現時点で五人の構成員によって成り立っている。少数組織だった。
構成員その一。一方通行。学園都市最強の超能力者(レベル5)にして『天使同盟』のリーダー。
元々は風斬氷華やミーシャに『居場所』を提供するために酒の勢いで立ち上げた同盟なのだが、
何の因果か世界中を巻き込む大組織にまで発展してしまっていた。『第一九学区事件』で見事に天使を救うという偉業を成し遂げた。
構成員その二。ミーシャ=クロイツェフ。水を司る大天使『神の力(ガブリエル)』。
『天使同盟』の顔と言ってもいい、構成員唯一の本物の大天使。
第三次世界大戦で一瞬ながらも心を通わせた一方通行と深く知りたいと決意したミーシャは
彼と共に過ごすことを決意。『星の欠片』と呼ばれるミーシャの存在を維持する儀式場が
太陽に飲み込まれそうになるところを一方通行達によって救われ、現在も人間界で暮らす。
構成員その三。風斬氷華。ヒューズ=カザキリという名もあるが彼女はそう呼ばれる事を嫌っている傾向にある。
学園都市の能力者が放つAIM拡散力場の集合体で構成された人工天使。『天使同盟』内でも常識を持ち合わせている貴重な存在。
大天使に引けを取らない実力を持っている。居場所を提供してくれた一方通行を慕い、現在も共に過ごしている。
『第一九学区事件』ではあの大魔術師アレイスター=クロウリーに真っ向から対立するなど強い勇気も秘めている。
構成員その四。エイワス。『聖守護天使(アウゴエイデス)』を司る『天使同盟』最強の存在。
その正体はホルスの一面、ホール=パール=クラアトの召使にしてホルスの先住民。
エイワスが『天使同盟』に加入してから彼らの物語はおかしくなってしまったと言っても過言ではない。
『第一九学区事件』でアレイスター=クロウリーを実質的に瞬殺。その後、一度だけ垣根帝督の病室に
訪れ現世に姿を現すが、その後は行方をくらましている。
構成員その五。垣根帝督。学園都市第二位の超能力者。『未元物質(ダークマター)』を有する。
一〇月九日に一方通行に『虐殺』された後、しばらくは学園都市に実験の材料として利用される。
エイワスの手により肉体を取り戻し、『天使同盟』に加入。天使を共に守る事を一方通行と固く誓う。
『第一九学区事件』で『禁書目録』の知識を引き出せる『自動書記(ヨハネのペン)』の遠隔制御霊装を
酷使。能力者の身で魔術を使い、『原典』の毒に侵食され一時は植物状態に近い深刻な状態になる。
しかしカエル顔の医者による神業の如き治療を受け見事に復活を果たした。現在も入院中。
『第一九学区事件』では『天使同盟』の他に『王室派』のキャーリサ第二王女、騎士団長、後方のアックア。
イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』のステイル=マグヌス、聖人の神裂火織。
オルソラ=アクィナスを初めとする女子寮のシスター。ロシアで出会った前方のヴェント。
そして第三位のクローン体である『妹達(シスターズ)』の協力もあって一方通行達は生き残れたと言ってもいい。
数々の仲間に助けられながら、地面を這い蹲りながら手に入れた日常は、これから先どう進んでいくのか。
――――――――――――――――――――――
「どォ進もォが受け入れていくしかねェよなァ」
「ん? 何か言いましたか……?」
「何でもねェよ」
風斬の言葉を適当に流し、一方通行はミーシャと風斬、ヴェントを引き連れて第七学区を闊歩していた。
当然の処置としてミーシャにはいつものクリーム色のポンチョを着せ、フードを被せてある。
怪しさ一〇〇パーセントの風貌だが天使の姿を丸出しで歩くよりは幾分かマシだろう。
彼らは同じ第七学区にあるファミリーサイドと呼ばれる高級マンションを目指していた。
そこに住むは家主の黄泉川愛穂他、芳川桔梗、打ち止め(ラストオーダー)、番外個体(ミサカワースト)という
一風変わった住人たちなのだが、その中の打ち止めという少女がいつまで経っても帰ってこない一方通行に
痺れを切らし、遊びに来いと半ば命令のようなお願いをしてきたのだ。
だがあの4LDKの部屋は今、とんでもない混沌の渦にあった。
「黄泉川ンとこってよォ、今キャーリサとフルンティングとウィリアムのヤツらも住ンでンだろォ?」
「そうですね、『第一九学区事件』の後に芳川さんに誘われて一時的に『潜伏』しているそうです。
イギリス軍の……えと、兵器? とかを無断で使用したとか何とかで、イギリスも結構大変な騒ぎに
なっているみたいですよ。 イギリスの内情が落ち着くまで学園都市にいるみたいですけど」
「チッ……クソ面倒な事になってンじゃねェか、英国さンも」
説明口調にも程がある風斬さんのありがたいあらすじに、一方通行は舌打ちをする。
キャーリサ、騎士団長、アックアに加え、今は特に帰る場所のないヴェントもそこで世話になっているのだが。
「四人暮らしとかなら広々としてんでしょうけど、今あの部屋クソ狭いったらないわよ。
打ち止めとかいうガキはうるせえし番外個体とかいう女はクソ生意気だし芳川は何もしやしねえし
黄泉川は"じゃんじゃん"やかましいし……アンタ、本当に前まであそこで暮らしてたの?」
「成り行きだ。 俺ァ住めりゃ地獄でも構わねェが、……まァ今となっちゃそォもいかねェか」
世話になっている身でありながら遠慮なく愚痴りまくるヴェントの言葉もさして気にせず
一方通行はただただうんざりとした顔を固定するだけなのであった。
「でも……久しぶりにお邪魔しちゃうから、楽しみですよねー天使さん♪」
「psjrgd同意lairnc」
ただ風斬氷華とミーシャ=クロイツェフだけは、純粋に皆に会える瞬間を楽しみにしていた。
そんなこんなで一同は目的のファミリーサイド二号棟に到着する。
585 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/26 18:23:59.55 MbqrH2V3o 85/278以上です。
ミーシャは最終回付近から「!」とか「?」とか「……」と、表現が少し豊かになっているのですが、
これ前にも言いましたっけ?
こんな感じの日常がしばらく続くのですが、大丈夫でしょうか?
楽しいのかこれ……。少し不安ですが、よろしくお願いします。
次回は黄泉川家の皆さんも加わり、より一層賑やかになります。
とある二人に何かがあったようですが、果たして……。
次回更新は三日以内。
それでは、今回もお付き合いいただきありがとうございました!
【次回予告】
「やっと来てくれたのねあなたってミサカはミサカは頬ずりしながら
再会の喜びを噛み締めてみるー!!!」
『妹達(シスターズ)』・検体番号二〇〇〇一号――――――打ち止め(ラストオーダー)
「愛穂から借りたんだよこれ。 にしても、数日ぶりだなウサギ。 元気にしてたの?」
英国三派閥の一つ『王室派』第二王女――――――キャーリサ
「………………………」
英国三派閥の一つ『騎士派』のトップ――――――騎士団長(ナイトリーダー)
「………………………」
ローマ正教、禁断の組織『神の右席』の元一員――――――後方のアックア
「ぷーくすくすwwwwwwww」
『妹達』第三次製造計画(サードシーズン)で作られた御坂美琴のクローン――――――番外個体(ミサカワースト)
「……どォいう状況だこりゃ? どォしたンだこの二人」
『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・学園都市最強の超能力者(レベル5)――――――一方通行(アクセラレータ)
581 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 18:14:46.10 8cGtDO5DO 87/278おい、サーシャとワシリーサがハブられてるぞ
588 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/26 18:26:40.58 MbqrH2V3o 88/278>>581
すみません、その二人は第一九学区では出ていないので書きませんでした。
もちろん忘れているわけではないのでご安心を。
592 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/26 18:41:49.03 jD6f9Sa0o 89/278乙ですの
風斬はインデックスに会おうとか思わんのか?
609 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/28 21:52:55.73 P7dXmgAgo 90/278>>592
もう平和になったので焦る必要がないというのと、
単純に私がインデックスの存在を忘れていたという信じ難い失態が理由です。吊ってきます。
でもあとちょっとで少しですが二人の絡みありますよ。
そんなわけで更新します。最近暑いですねホント……。
今回は黄泉川家の皆さんと何でもない日常を……と、言いたいところですが
イギリスのオッサン二人になんかあったそうです。
それでは、よろしくお願いします。
――――――――――――――――――――――
――学園都市・第七学区 ファミリーサイド二号棟一三階 黄泉川愛穂宅
一方通行「おら来てやったぞクソったれ共」ガチャ
風斬「お、お邪魔します……!」オズオズ
ガブリエル「psoijfm失礼aocet」
ヴェント「………………………」
「………………………ぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああ」ドドドドドドドド
一方通行「?」
「なぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!
ってミサカはミサカは誕生以来最大級のダイブであなたをお出迎えー!!!」ガバッ
風斬「きゃっ!」サッ
一方通行「おまっ、待てクソガキ――――――!!!」ドシャ
打ち止め「やっと来てくれたのねあなたってミサカはミサカは頬ずりしながら
再会の喜びを噛み締めてみるー!!!」スリスリ
一方通行「やめろクソガキがァ!!!」グググ
風斬「ふふ、久しぶり打ち止めちゃん」ニコッ
打ち止め「あ、カザキリ! 会いたかったかもってミサカはミサカは
この人を踏み台にして飛びついてみる!」グシャ
一方通行「ごはっ」
ガブリエル「sohinv打ち止めapfyfvbv」ナデナデ
打ち止め「ミーシャも久しぶり! 無事でよかったねーってミサカはミサカは
天使様に撫でてもらってご満悦の表情を浮かべてみたり~」フニャァァ
ヴェント「うるせえ………」スタスタ
打ち止め「ヴェントもおかえりってミサカはミサカは挨拶してみる。
というかどこに行ってたのかな?」
ヴェント「どこでもいいだろ、馴々しい……」
一方通行「げほっ……クソガキ、オマエあとでぶっ飛ばす……」ヨロヨロ
風斬「上がってもいいかな?」
打ち止め「どうぞどうぞーってミサカはミサカは英国紳士ばりにエスコートしてみたり!
ナイトリーダーに教えてもらったの!」
一方通行「………王室組の三バカはまだここに居やがンのか」
キャーリサ「誰が三バカなの。 一国の王女にその口の聞き方とは
マナーってのがなってない証拠だし」
一方通行「その一国の王女がマンションの一室でジャージ姿たァイイご身分なこった」
キャーリサ「愛穂から借りたんだよこれ。 にしても、数日ぶりだなウサギ。 元気にしてたの?」
一方通行「最後に元気だった日はいつだか忘れちまったよ」
風斬「お久しぶりです、キャーリサさん」ペコッ
キャーリサ「よー風斬。 なんか知らんが無事に復活できたよかったの。
お前も久しぶりだなミーシャ。 相変わらずの浮きっぷりだし」
ガブリエル「cgiihycd久々oacuygo」ウッス
ヴェント「黄泉川、メシ」
黄泉川「メシっつったらメシが出てくるのか? 食いたきゃお前も手伝うじゃんヴェント」
一方通行「他の連中は平常運転だな」
黄泉川「オッス風斬、ミーシャ。 また会えて嬉しいじゃん」ニコッ
風斬「わ、私もです……! こんにちわ黄泉川さん」
ガブリエル「dvoeyn昼食apgtvd予感qihm」クンクン
黄泉川「ん? ご飯が食べたいのか? ならもう少し待っててほしいじゃん。
『待て』だよ、こうして人間とのコミュニケーションを覚えていくといいじゃんよ」
ガブリエル「udeguhy待機xxsugts」コクン
一方通行「もォ完全にペットだよなオマエ………。 ……ン?」
騎士団長「………………………」ズーン…
アックア「………………………」ドンヨリ
番外個体「ぷーくすくすwwwwwwww」ケラケラ
一方通行「……どォいう状況だこりゃ? どォしたンだこの二人」
番外個体「ん? やっほう第一位、帰ってくんなよ」
一方通行「黙ってろクソ女。 で、このオッサン二匹はどォして
こンな職失ったリーマンみてェな雰囲気漏らしてやがンだ」
騎士団長「ッ」ビクッ
アックア「……」
一方通行「…………………あァ? まさか、"マジなのか"?」
番外個体「あっひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwwww 最ッッ高だねえこれはwww」ジタバタ
風斬「どうかしましたか………?」ヒョコ
ヴェント「ふん、聞いてやりなさいよ、そいつらのクソ哀れな末路をさ」クスクス
一方通行「まさか、芳川と同類になっちまったってのかオマエら」
芳川「誰が同類よ誰が。 私は自分に甘いだけなの」
一方通行「起きてたンかよ」
風斬「あの……、こんにちわお二人とも」
騎士団長「………ん、ああ……君たちか。 久しいな……」
アックア「無事で何よりなのである………」
風斬(魂が抜かれてるような顔してる……)
一方通行「一応聞いとくけどよォ、オマエらどォしちまったンだ」
番外個体「あー……腹痛い……ww ねえ、この英国王室御用達の二人ったらさぁ」
打ち止め「ナイトリーダーとウィリアムは『ニート』になっちゃったんだって!
ってミサカはミサカは少しだけ哀れんでみたり!」ニッコー
騎士団長「皆まで言うなぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!」
アックア「うぐ、ぅ…………」
番外個体「ぎゃーっはっはっはっはっは!!!!!wwwwwwwwwww
ぶっひゃひゃwwwwwwwwっうぇwwwwwwwwwwww」ゴロゴロ
ヴェント「『騎士派』(笑)の長の座から一時的に除名されて、……アックアは何だったかしらぁ?」ニヤニヤニヤニヤ
アックア「ヴェント、貴様………」
ヴェント「あん? クソニートが一丁前に私を睨むなよ」
一方通行「オマエも似たよォなモンだろ」
ヴェント「私は魔術師だもん。 アックアはもうそれですらないでしょ」
アックア「ぬうう………。 私は、その、傭兵を解雇されて……本格的な無職に……」
番外個体「wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」ヒーヒー
打ち止め「もう、笑っちゃ悪いでしょってミサカはミサカは意地悪な妹個体に注意してみる」
一方通行「……………あーあー、そりゃまたどォしてそォなった。 確かフルンティングは
その『騎士派』ってやつのトップで、ウィリアムはあのヴィリアンとかいう王女の
護衛を任されてた傭兵だろ。 ンな重要な立場がどォしたら崩れるってンだよ?」
キャーリサ「まー仕方ないっちゃ仕方ないの。 私らがちょいとやりすぎた」
騎士団長「『私ら』じゃなくて『私』だろうがこの不良王女がぁぁぁ!!!!
貴女のせいでこんな仕打ちを受けたと言っても過言ではない!!」
アックア「ヴィリアン様………私はこれからどう生きていけば………」
芳川「まぁそう気を落としなさんな。 あなたほどの良いガタイの男性なら
学園都市でも職は見つかるはずよ? ここは大半の住人が学生で占める街。
あなたのような男性を求めてる職場もきっとあるわよ」
アックア「ちっともフォローになっていないのである………」
ヴェント「大体、ここで職を見つけるったって履歴書とかどうすんのよ? 面接でどう受け答えすんの?」ププッ
番外個体「『はい、ここに来る前は魔術師として活動していました(キリッ』wwwwwww」ギャハハハ
ヴェント「あっははww 『ええ、私は「騎士派」の長を努めておりまして……』wwwww」ケケケケ
風斬「ああ………なんてことでしょう……」オロオロ
一方通行(番外個体とヴェントの二大悪女に侮蔑されるたァ、その手の業界のヤツからしたら褒美でしかねェな)
ガブリエル「tydvmgl事情irud説明psugn要求osaiy」
キャーリサ「んー? なんでこいつらが無職になったのかって? ふふ、何だ。
天使でもそーいうのが気になったりするもんなの?」
騎士団長「て、天使にまで同情されるなんて…………うおおお……」シクシク
黄泉川「お前らが来る少し前、姫様がイギリスに国際電話でバッキンガム宮殿にかけてみたんじゃん」
――一方通行達が黄泉川宅へ向かう少し前の事。
キャーリサ「さて、と。 そろそろ母上に電話でもかけてみよーかな」
黄泉川「ん? もしかしてエリザード英国女王? すごい大物じゃんよ」
キャーリサ「大物に見せてんのは民衆の前だけだし。 普段家の中だと
愛穂と同じジャージ姿で寝転がってるの」
黄泉川「えー……女王様の思わぬ秘密を知ってしまったじゃん」
騎士団長「キャーリサ様、あまりそういうエリザード様のイメージを
崩すような発言は控えていただきたいのですが」
キャーリサ「だって事実だし」
騎士団長「エリザード様は今のイギリスを支えてくれていらっしゃる高貴なお方です。
事実だろうが何だろうが、民間人の上に立つ上で必要な貫禄を持ち合わせている
エリザード様の理想像を叩き壊す発言は騎士団長として放置しておけません。
貴女ももっとその……そんなジャージなど着ていないで王女らしい振る舞いを
この学園都市の住人の方々に披露してみてはいかがかと」ペラペラ
キャーリサ「私は好きだぞ、ジャージ。 動きやすいし。 今度から
首脳会議の際はこれを着ていこーかなと思ってるくらいなの」
騎士団長「勘弁してください…………」ハァ
黄泉川「あ、騎士団長さん。 玉葱切り終えたらそこの炊飯器に放り込んどいてほしいじゃん」
騎士団長「了解しました。(なぜ炊飯器……? ハンバーグを作ると聞いたのだが……)」ポイッ
打ち止め「わーい! 身長の高い人の見る景色ってこんななのねってミサカはミサカは
ウィリアムに肩車をしてもらいながら新鮮な目線を堪能してみたり!」バタバタ
アックア「う、うむ……その、あまり髪の毛を引っ張らないでくれるとありがたいのである……」
番外個体「にしてもオッサン、いい身体つきしてるねえ。 傭兵ってだけでそんなマッチョになるもんなの?」
アックア「元は『聖人』だった事もあるが……。 基本、王女の身柄を護衛する立場である私は
やはりそれなりの体躯を維持していなければならん。 となると必然的に肉体を鍛える
必要が出てきて、結果このようになるわけである。 もっとも、その前提以前に私は
聖人としての力も魔術師としての力もほぼ失っている訳だからせめてこの肉体は維持せねばならない」
番外個体「ふーん。 でもお姫様をお守りする王子様みたいな立場のあなたならさぁ、
もう少しスマートでもいいんじゃないのかにゃん? 正直ムサいわ」
アックア「放っとけ……。 時に打ち止めと番外個体は顔つきがそっくりであるとお見受けするが、
姉妹か何かなのであるか?」
打ち止め「ミサカはお姉様のクローン体だよってミサカはミサカは暴露してみる!」
アックア「クローン……?」
番外個体「そう。 学園都市の実験に利用されるためだけに生み出されたクソったれのクローンだよ。
実験が凍結した現状では生きる意味を探し求めてる哀れなお人形さんってとこ?」
アックア「………………、いらぬ事情を尋ねてしまったようであるな」
番外個体「別に気にしてないけどねー、ミサカ達にとってはそれが当たり前だし」
アックア「そうか、そのクローン体を一方通行はこれまで守りぬいてきたというわけであるな」
打ち止め「あの人の事情も知ってるの? ってミサカはミサカは少し驚いてみる」
アックア「詳細は知らないし、聞くつもりもないがな」
番外個体「守りぬく前に、一万回くらい殺しちゃってるけどねー」
キャーリサ「ところで桔梗は?」
黄泉川「そろそろ起きる時間だと思うじゃんよ」
騎士団長「今何時だと思っているんだ……。 世話になっている身でありながら
こんな事を言うのも恐縮だが、あの芳川桔梗という女性はもうちょっとこう……」
キャーリサ「いつからお前は人様の生活習慣に文句つけられるよーな立場になったの」
騎士団長「う……、失礼を詫びます」
黄泉川「いやいや、もっと言ってやってほしいくらいじゃんよ」アハハ
キャーリサ「じゃ、電話借りるぞ。 これイギリスに繋がる?」
黄泉川「学園都市製の最新機種だから国際電話もボタン一つでかけられるじゃんよ。
地球のマークがあるボタン押してみそ」
キャーリサ「これか」ピッ
打ち止め「あれ、お電話するって事はもう帰っちゃうの? ってミサカはミサカは
もう少し一緒に遊んでほしいってしょんぼりしてみたり」シュン
アックア「すまないな、これでも我々は王族に仕える身。 こういう日常を謳歌するのも
良いが、やはり我々の使命を果たす地はイギリスなのである」
騎士団長「そういうことだな、何から何まで世話になってしまい申し訳ない」
黄泉川「気にしない気にしない。 魔術サイド? の人たちって何だか新鮮だし、
私らもいつもと違った日々を過ごせたじゃんよ」
キャーリサ「…………………………」プルルルルル…… プルルルルル…… プルル ガチャ
『はい、こちらバッキンガム宮殿護衛隊控え室』
キャーリサ「あーもしもし? 私私、第二王女」
騎士団長「詐欺かよ……」
兵士『そ、そのお声は……キャーリサ様!? い、いや、第二王女を騙る不届き者ではないだろうな……?』
キャーリサ「常に警戒心を怠らぬその姿勢、見事だぞ。 褒美をとらせよーか、
そーだな………母上の脱ぎたてホカホカパンティーなんかどーだ?」
騎士団長「うぇ……」
アックア「おぇ……」
兵士『ぐぇ……』
キャーリサ「女王に仕える身としてそのリアクションはどーかと思うけど」
兵士『はっ、し、失礼しましたっ!! こんな事を言う者などキャーリサ様以外あり得ませぬ……』
キャーリサ「私を何だと思ってるのお前は……」
兵士『も、申し訳ございません……』
キャーリサ「まーいいわ。 ちょいと母上に代わってくれ」
兵士『は、はあ……しかしですねキャーリサ様……』
キャーリサ「ん?」
兵士『それが、その………。 ……ってうわっ!? え、エリザード様!? ちょっ、』ガタガタガチャッ
キャーリサ「む!?」
エリザード『こんの……………アホ共がぁぁぁぁぁー!!!!!!!!』ドガーン
キャーリサ「……」
騎士団長「………!!」ゴクッ
アックア「……よくない方向に感情がお流れになっているのである、エリザード様……」
打ち止め「す、すっごい怒鳴り声ってミサカはミサカは呆然としてみる」ポカーン
エリザード『お前らがイギリス軍の霊装やらなんやらを無断で動かしたせいで連日マスコミが押し寄せてるぞ!!
おかげでイギリスが学園都市の「第一九学区事件」に関わってるんじゃないかっていらん疑惑の目を
向けられる始末! バッキンガム宮殿には今もマスコミの連中に囲まれている現状!!
この後始末に追われて宮殿に勤めてるメイドとかまで付き合わせて処理してるんだぞどうすんのこれ!!』
キャーリサ(ちくしょー……ヴィリアンのやつ、言い訳に失敗しやがったな……)
エリザード『そこでこの英国女王エリザードの名において、お前たちに伝えておく』
番外個体「お前たちは全員クビだー! なーんて言われたりしてね、けけ」
アックア「エリザード様はそこまで軽率なお方ではないのである。 まぁ、多少の罰は
覚悟しているが、我々はイギリスにとっても貴重な勢力。 そう簡単に――」
エリザード『キャーリサ、騎士団長、ウィリアム。 お前らもう帰ってこなくていいから』
キャーリサ「」
騎士団長「………キャーリサ様?」
アックア「?」
黄泉川「どうかしたじゃん?」
打ち止め「?」
キャーリサ「………あー、愛穂。 これスピーカーフォンにするにはどれ押したらいーの」
黄泉川「メガホンみたいなマークのボタン押してみ」
ピッ
キャーリサ「………ごめん母上。 今の言葉もっかい言ってくれる?」
エリザード『ん? いやだからキャーリサも騎士団長もウィリアムも、帰ってこなくていいぞ。 クビだクビ』
騎士団長「」
アックア「」
番外個体「ちょwwwwwwwwwwww」
ヴェント「朝から騒がしいと思ったら……何だか面白そうなことになってるわね」ニヤリ
アックア「貴様……いつからそこに……」
エリザード『ウチから持ってきてほしいもんがあったら今の内に言っておけよー』
キャーリサ「ちょ、ちょっと待つの母上!! クビってどーいう事!?」
エリザード『いやまぁ、アレだ。 正確にはキャーリサ、お前はしばらく勘当、頭冷やせ。
騎士団長は「騎士派」から一時的に除名させてもらうから。 ウィリアムは解雇、以上』
ヴェント「あーあ……」プークスクス
番外個体「あひゃひゃひゃひゃwwwwwwww まさか本当にこんな結末を迎えるとはねww」
アックア「ちょ……」
騎士団長「ちょっと待ってくださいエリザード様!! 急にそんな事を言われても納得出来ません!!」
エリザード『ん? おお、いたのか騎士団長』
騎士団長「キャーリサ様はともかく、なぜ私やウィリアムまでそのような仕打ちを受けねばならないのですか!?
グリフォン=スカイや『グラストンベリ』を手配するよう指示したのはキャーリサ様であって……!!」
エリザード『それに従ったのも事実だろうよ』
騎士団長「ぬ、ぐ………!! ……はっ、そ、そうです! 我々はただ、キャーリサ様に脅迫まがいな事をされて
渋々従っただけで……決して自分自身の意志で動いていたわけではありません!!」
キャーリサ「おい、何を一人だけ抜け駆けしよーとしてるのお前は」
エリザード『無駄だ騎士団長、話は全てヴィリアンから聞かせてもらった』
騎士団長「う……」ギク
エリザード『まぁ悪く思うな。 各国のお偉いさん達を納得させるためには我々も手段を選んではいられないんだ。
学園都市に向けてグリフォン=スカイが進行していたことは発覚してしまってるし、「第一九学区事件」
とイギリスに関連性は無いとごかましきるのは大変だったんだぞ? だが霊装を勝手に動かした事も事実。
責任をとる形としてお前達にそういう処分を下したんだよ』
キャーリサ「私がいなくなったら軍の指揮もとれなくなるし、『騎士派』の長は代わりなどきかないの」
エリザード『私だって鬼じゃない、さっきも言ったがお前はしばらく勘当するだけだし、騎士団長の除名も
一時的なものだ。 ま、騎士団長に至ってはいつ復帰出来るかわかんないけどな』
騎士団長「ざっけんなババア!!! それじゃ結局私は無職も同然じゃねえか!!!」
番外個体「落ち着きなよ、オッサンが取り乱したって見苦しいだけだってwwwww」
ヴェント「ふん………愉快なことになってきたわね。 ……ちょっと出てくる」スタスタ
打ち止め「どこに行くのってミサカはミサカは確認してみる」
ヴェント「私の勝手だろ」
アックア「え、エリザード様、私が解雇というのは……?」
エリザード『傭兵はいくらでも代わりが利くからな』
アックア「」
番外個体「ひでえwwwwwwww」
キャーリサ「ちっ……まーいいし。 そっちがそー来るなら私は私で学園都市をしばらく満喫してるの」
エリザード『あぁそうかい。 言っておくけど私は何の相談もなしに霊装を動かした件については
本当に憤りを感じているんだからな。 そこは忘れるなよ』
キャーリサ「必要だから使ったまでだし~。 べー」
エリザード『本当に王位剥奪してやろうかお前……。 とにかく、しばらくそこで
反省してろ。 誰かの住宅にお世話になってるのだとしたら迷惑だけはかけるんじゃないぞ』
番外個体「はーい女王様、しっかり面倒みまーす♪」ケタケタ
エリザード『それではな』ガチャ ツーツーツー…
キャーリサ「はー……ある程度予想してたとはいえ、面倒だな……。 愛穂、申し訳ないけど、」
黄泉川「私はいいけど……王族ってのもなかなか大変じゃん?」
騎士団長「大変ってレベルじゃねえよ…………」
アックア「」
番外個体「おいオッサン、息してる?」
芳川「………。 あら、何これどうしたの?」ガチャ
打ち止め「あ、ヨシカワ。 それがねってミサカはミサカは………」
630 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/28 22:19:53.37 pyWu1mUG0 114/278ヴィリアン王女に丸投げしたのかよw
てか、キャーリサも王位継承権を剥奪されたってこと?
642 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/28 22:39:46.82 P7dXmgAgo 115/278>>630
そこまで大袈裟な事はしていないです、エリザード以外のイギリスの上層部(いるのかどうか知らないけど)の方々を
とりあえず納得させるために、キャーリサと騎士団長に一時的な処分を下しただけです。
この二人をマジに解雇したら大変な事になりますからね。
え?アックア?傭兵はいくらでも代わりが利くからな。
次回はあいつが登場するんですが……、何でバレたのかなぁ。
支援レスに混じって何個か"そういうレス"があったんですが……なーんでバレたんだろーなー(棒)
次回更新は三日以内。
それでは、今回もありがとうございました!
【次回予告】
「……………どうして今更そのようなものがあなたに必要なんだ? 今度は一体何を企んでいる」
立場を奪われた学園都市統括理事長――――――アレイスター=クロウリー
「"六人目"の『天使同盟(アライアンス)』を迎えるにはどうしても"あれ"が必要なのだよ」
『天使同盟(アライアンス)』の構成員・学園都市統括理事長代理――――――エイワス
676 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/29 20:44:43.35 vMKh64O2o 117/278舌ピアスってまだついてたっけ?
678 : VIPにかわりましてNIPPER... - 2011/06/29 20:58:28.80 dL9zLmyQo 118/278乙
なんかおかしいなーと思ってたら草大量がNGにひっかかってたw
さすが番外個体さんやでぇ
6人目予想通りなら嬉しいな
679 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/29 21:35:39.14 sQj95h92o 119/278こんばんわ、久しぶりの連日投下です。
いつも出来ればいいのですが……。
>>676
戦闘時ではないときは装着していませんね。ただ耳に申し訳程度に銀の装飾があります。
>>678
申し訳ないです、草表現はやめるようにします。
オッサン二人が思いの外好評で嬉しいです、ありがとうございます。
そんなオッサンの今後をどうするか、から今日は始まりです。
それでは、よろしくお願いします。
――――――――――――――――――――――
黄泉川「――――ってわけで、姫様達はしばらくここで暮らすことになったじゃん」
一方通行「……………………くっだらねェ」ハァ
風斬「あ、あの……それって私達にも原因があるんじゃ……。 元はといえば
私達の争いにキャーリサさん達を巻き込んでしまった訳でもありますし……」
キャーリサ「なーに言ってるの。 私らは勝手に首突っ込んだだけ。
お前らが気にするよーな事じゃないし」
一方通行「オマエはずいぶんと気楽だなァ?」
キャーリサ「一度『王室派』から解放されてのんびり羽伸ばしてみたかったし、ちょーどいーの」フフン
ガブリエル「―――――――」ジー…
芳川「…………ん? どうしたのかしら天使さん?」カタカタ
ガブリエル「…………………」ジロジロ
芳川「このノートパソコンが気になるの?」カタカタ
番外個体「さっきからパソコン弄って何やってんの?」
芳川「いや……ただ騎士団長さんと傭兵さんの再就職先でも捜してみようかと思って」
騎士団長「さ、再就職……!?」ギクッ
アックア「心遣いは感謝するが……我々は学園都市で働く気は毛頭ないのである」
芳川「何を言っているの。 いい歳した大人が家の中で堕落した日々を過ごすだなんてあり得ないわ」
ヴェント「アンタがそれを言うの……」
一方通行「自覚無しか、いよいよ終わってンなこの女」
芳川「……………ん、あったわ。 定番の『誰でも歓迎します』的な誘い文句」カタカタカタッ ターン
騎士団長「な、内容は……?」
アックア「貴様、本気でここで働く気であるか?」
騎士団長「仕方ないだろう……学園都市では元『騎士派』というステータスも意味を成さない……。
悔しいがこの街では我々は単なる中年だ。 涙を飲んで働くしかないだろう………」
番外個体「そうそう、現実を受け入れないと前に進めないよ、ひひ」
打ち止め「珍しく前向きな発言だねってミサカはミサカは関心してみる!」
アックア「どう考えても嫌味なのである………」ガクッ
番外個体「第三王女だっけ? その女の専属傭兵になったら?」
アックア「だからそのヴィリアン様がおられるバッキンガム宮殿から追い払われたわけで……」
芳川「第七学区の地下街にある老舗のすき焼き屋。 ここで日雇いのバイトを募集してるわ」
一方通行「すき焼き屋だァ? まさかあの店か」
ガブリエル「oasfloymc肉spor肉phsgfgj」ピコーン
風斬「え、もしかして………ずっと前に三人で食べに行ったあのすき焼き屋さんですか?」
一方通行「そこ以外ねェだろ」
芳川「勤務内容は……。 この店、増設するのだそうよ。 今も店内を大きく改築してるんですって。
誰でも歓迎という大前提もあるけど、力自慢の男性を強く希望しているわね。
何でも個室をいくつか作って客入りを増やそうという魂胆みたいだけれど」
ヴェント「力自慢か。 はいアックアけってーい」
アックア「ぬう……ようは大工仕事のようなものであるか」
キャーリサ「私パース。 そりゃ私向きの仕事じゃないし」
騎士団長「あぁ!?」ムカッ
キャーリサ「第一私は英国第二王女、科学の街だろーがど田舎だろーが顔は世間的に知られてるの。
そんなのが街うろついてたらあっという間に世間に広まってしまうだろ。
私はバイトとかそんなんはせずにここで大人しくしておいた方が懸命だし」
一方通行「まァ……そォだろォな。 オマエ一応『潜伏』してるって事になってるしな」
騎士団長「だ、だったら私達とて同じはずでは!?」
風斬「知名度が違いすぎるんじゃ……」
騎士団長「」ガーン
アックア「」ズーン
番外個体「あひゃひゃ、意外ときっつい毒吐くねえ人工天使様は」
風斬「あ、そ、その、ごめんなさい……! そんなつもりじゃ………」
キャーリサ「構わん構わん、事実だしな」ヘラヘラ
騎士団長「おのれぇぇぇぇ………!!!」
芳川「どうするの? 明日にはこの改築工事も終わってしまうみたいだから
間もなく締め切りみたいだけど」
アックア「………そこでいいのである」
騎士団長「わ、我が友よ!? 貴様、ヴィリアン様に生涯お仕えするという信念はどこへやった!?」
アックア「ここで腐るよりは、例え魂を売ってでも人間として働いていたほうがマシであろう……!!」
打ち止め「逞しいね! ってミサカはミサカはウィリアムを見直してみる!」
ヴェント「ニートだけどな」ボソッ
番外個体「ぷぷっ」
一方通行「人のこと笑えンのかよオマエ、オマエだってニートみてェなモンだろォが」
番外個体「んんー? それ言ったらあなただって学校も行ってないニートじゃないのかなぁ?」
打ち止め「ミサカも学校行ってないよってミサカはミサカは自慢にもならない事を高らかに宣言してみたり」
風斬「その理屈で言うと私もニートって事になりますよね………」
芳川「あら、あなたは専業主婦じゃないのかしら?」
風斬「え……、いや私はそんなんじゃ……///」
ヴェント「くだらねえ冗談言ってんじゃねえぞ元祖ニート」
芳川「わ、私はこの家でしっかり働いているもの………セーフよ」
黄泉川「何にもしてねえじゃんかよ」
ガブリエル「otsfjmg私larq無職aogfh」
一方通行「そォいや天使ってのはニートとして括ってもいいモンなのかァ?」
キャーリサ「天使だって人間界に来た以上、働かなきゃいけないんじゃないのか?」
ヴェント「んな法律聞いた事ねえよ……」
打ち止め「何だかここにいる人達ってニートばっかりなのねって
ミサカはミサカはちょっぴり複雑な心境で言ってみる」
騎士団長「ううう………芳川桔梗、私もそこで働かせてくれ……日雇いで構わん……」
芳川「わかったわ、じゃあここに電話してみなさい。 番号は………」
黄泉川「お昼ごはん出来たじゃんよー、ほら、運ぶの手伝え手伝え」
打ち止め「わーいってミサカはミサカは漂ってくるハンバーグの匂いにテンションを上げてみたり!」ワーイ
ガブリエル「tugdn同意olayef」ワーイ
番外個体「はー、やっとお昼ごはんか」
一方通行「俺さっきメシ食ったばっかなンだが……」
風斬「でもせっかくですからご相伴に預かりましょうよ」
キャーリサ「おい、ところでお前らのとこの金髪はどーしたの? そもそも私らはやつからの手紙で
『第一九学区事件』に巻き込まれたよーなもんだし。 最終的には自分の意志なんだけど」
一方通行「あァ? エイワ……あァー、なンだっけ」
キャーリサ「もー隠さないでいーぞ。 アレの正体くらい掴めてる。
……未だにちょっと信じられないけどな」
風斬「えと……エイワスさんはちょっと行方がわからなくて……。 あの人神出鬼没だから……」
一方通行「そォいうこった。 オマエらが気にするよォな事じゃねェ」
キャーリサ「ふーん……」
風斬「ヴェントさん、行きましょう」
ヴェント「はいはい………」
――――――――――――――――――――――
そんな一方通行達の様子を観察していた"それ"が、クスっと笑みを零していた。
一方通行達が黄泉川愛穂の家で昼食を取っている様子が空間に浮かぶ一枚のモニターに映し出されている。
「見たまえアレイスター。 能力者と魔術師と人工天使と大天使、クローン体に一般人が
食卓を囲んで食事をしている。 ふふ……地球誕生以来このような愉快な光景があったか?
少なくとも私は見たことがないな。 これだから一方通行の観測はやめられない」
"それ"は、美しく靡く黄金の髪を揺らしながら言った。
フラットな表情の中に喜怒哀楽の全てが詰まっている印象。ゆるりとした白の衣服を身に纏っているようにも見えるが、
これも"それ"の体の一部に過ぎなかった。
頭上には天使以上に神々しい光の輪。その全身は眩く金色に輝いている。
誰が見てもとりあえずそれが人間ではないと判断するだろう。そしてその判断は正しい。
「なぁ、君もそう思うだろう?」
それは、エイワスと言った。『天使同盟(アライアンス)』のジェネラルマネージャーにして
『聖守護天使(アウゴエイデス)』を司るホルスの先住民。クラアトの召使にして銀河系宇宙の悪鬼。
………呼称の仕方は他にも色々とあるが、
「"楽しそう"だな、エイワス。 学園都市の全てを掌握した気分はどうかね?」
「"愉しいよ"アレイスター。 学園都市がどうこうは私は大して興味はないが……ふむ、
存外馬鹿にも出来んものだな統括理事長というのも。 『滞空回線(アンダーライン)』は
私にはあまり必要のないものだが、イベントの日程や都市内の法則の変更……それらを自由に
操作できる立場というのもなかなかに面白い。 手に入れた甲斐もあったかな?」
現在のエイワスは『天使同盟の構成員』兼『学園都市統括理事長代理』、というのが適切だろう。
本来の統括理事長、アレイスターは現在ほとんど機能しない状態にあった。
ビル内の生命維持装置や『虚数学区』に干渉する事が出来る他は、一切活動できない。
薄く薄く笑うエイワスに対し、弱アルカリ性培養液に満たされたビーカーの中で逆さまに浮かんでいる
アレイスター=クロウリーの表情はちっとも面白そうではなかった。
『第一九学区事件』でエイワスはアレイスターを下し、その後アレイスターの苦渋の決断によって
一時はこの世から消滅したものの、彼自らが作成していた虚数学区バックアッププログラムを遅延動作させる事で
再び現世に蘇っていた。
エイワスから受けた甚大なダメージのおかげで現在のアレイスターはそこらの一般人と何ら変わらないレベルにまで
肉体が衰弱していた。今はこうしてビーカーの中で肉体の修繕を進めている最中なのだが、
「君の方はどうなんだアレイスター。 怪我は治ってきているか?」
「怪我などという言葉では到底追いつかん重傷を負わせてくれたあなたが言うセリフか?
……修復率二一パーセント。 三世紀くらい掛かると思っていたものだが、やはり『彼』が
開発した生命維持装置は素晴らしい。 この分だと今年中には復帰できるかもしれないな」
エイワスは大して興味無さそうに笑うと、ビーカーの周りをゆっくりと歩きながら言った。
「……時にアレイスター。 私は今"あれ"を捜しているのだが、君はどこにあるか知っているか?」
「"あれ"、などという勿体ぶるような発言はあなたの悪い癖だな。 言ってくれないと答えようがないだろう」
それもそうだ、とエイワスは反省する素振りすら見せず"あれ"の詳細をアレイスターに話す。
しばし沈黙した後に出てきたのは、アレイスターの呆れたようなため息だった。
「……………どうして今更そのようなものがあなたに必要なんだ? 今度は一体何を企んでいる」
「"六人目"の『天使同盟』を迎えるにはどうしても"あれ"が必要なのだよ。
壊れた玩具は直さなければならないだろう? 欠損品に価値は無いからな」
「六人目……『天使同盟』最後の構成員、か。 見事六人目に選ばれた者には同情せざるを得ないな」
「差し支えなければ"あれ"の保管されている場所を教えて欲しいのだが」
「……結論から言えば、恐らくはロシア成教かイギリス清教辺りが保管しているのではないか?」
「おや、意外だな。 本当に教えてくれるのか」
「今の私にとってはどうでもいいことだし、そうではなくても今の私にあなたは止められん」
「そう言うなよ、別に地球を乗っ取ろうというわけではないのだから。 ……しかし、
そうだな………どちからといえばイギリスが怪しいが、まずはロシアだな。 余計な障害が割り込んでこなければいいが。
そろそろ私も行動せねばなるまい。 興味と価値は熟せばそれだけ愉しめるが、腐って風化するのもまた早い」
「ロシアへ向かうのか? 今現在の十字教は多くの勢力が錯綜している状況にある。
ロシア成教に『清教派』と『明け色の陽射し』の連中が関わっているようだが、どうするんだ」
「『黄金』系とイギリス清教の聖人、か。 ……話し合いで解決出来るならそれに越した事はないが、」
エイワスは宙に浮かぶ複数のモニタを消し、ビーカーの中に浮いている魔術師の顔を見て、
心底愉しそうな顔を浮かべながら言った。
「邪魔をするなら………『排除』するまでだ。 私も自分の身を守る必要があるしな」
アレイスターの返事を待たず、エイワスは音も立てずに姿を消した。
肉体のダメージにより動くことすら叶わないアレイスターはただ一言、
「………それにしても、暇だな」
――――――――――――――――――――――
黄泉川「悪いじゃん、皿洗いまで手伝ってもらっちゃって」カチャカチャ
風斬「いえいえ……これくらい全然」
黄泉川「うんうん、風斬は良いお嫁さんになれるじゃんよ」
風斬「あ、あははー……///」
ガブリエル「peics洗浄crutah」ジャバー
黄泉川「ミーシャもありがとじゃん」
一方通行「無職二人はどこへ行った?」
キャーリサ「さっき桔梗から教えてもらった職場に行ったんだろーよ」
番外個体「うおりゃ、ガードが甘いねえ魔術師さん♪ n択からフルコンいただきまーす♪」ガチャガチャ
ヴェント「くっ、くっ、この……!!」
打ち止め「また番外個体の勝ちー! ってミサカはミサカは高らかに宣言してみる。
番外個体ってなんでそんなに格ゲー上手いの?」
番外個体「ま、才能でしょ才能。 つかヴェントが弱すぎ」ププッ
ヴェント「ぐぬぬ………」ワナワナ
打ち止め「連敗して若干涙目のヴェントも可愛いよってミサカはミ(ry」
ヴェント「科学は嫌い!! 科学はニクイ!!!」ガンッ ガンッ グシャ!!
打ち止め「ってうわああああああああああミサカのミサカのゲーム機がぁぁぁぁぁ!!!?」
番外個体「気に入らないことがあればすぐ物に当たる性格の女はモテませんぞ? けけけ」
芳川「あの二人、雇ってもらえると良いのだけれど」
一方通行「つか他人のバイト先捜す暇があったらオマエの就職先を見つけろよ」
打ち止め「どうしてくれるのー!!! ってミサカはミサカはスクラップに成り果てた
ゲーム機を見下ろしながら憤慨してみたりー!!」プンスカ
ヴェント「うるさい!! 知るかこんなもん!!」プイッ
番外個体「これ、あのチャラ男に返さなきゃいけないゲーム入れてたんだけどなー」
ヴェント「チャラ男?」
番外個体「うん。 あぁ、チャラ男と言えば親御さんよ、」
一方通行「あァ?」
番外個体「あなたのとこの第二位さんはまだ入院中なのかい?」
一方通行「誰だっけ」
打ち止め「カキネの事でしょってミサカはミサカは彼に対するあんまりな扱いに哀れんでみる」
一方通行「あァ……いたなァそンなヤツも」
番外個体「なんでそこで空を眺めるの。 別にあいつの顔が大空に浮かび上がってるわけでもあるまいし」
ヴェント「つかあいつまだ生きてんの?」
一方通行「どォだろォな、死ンでンならあいつの墓前に犬の糞でも備えてやるンだが」
打ち止め「お見舞いに行ってあげないの? ってミサカはミサカは尋ねてみる」
一方通行「行かねェよクソ面倒くさい。 ただ退院する時にゃ迎えにいかなきゃならねェだろォがな」
風斬「垣根さんの退院予定日、確か今日だっと思いますけど………」
一方通行「…………………」
キャーリサ「迎えにいってあげろよ………あまりにも哀れすぎるし」
打ち止め「ミサカも行きたい! ってミサカはミサカは手を挙げて立候補してみる!」ビシッ
一方通行「オマエは鬱陶しいから来ンな。 ……風斬、出掛けるぞ。 ガブリエルはここで待機」
ガブリエル「doitc何故wqyrek」エー
風斬「わ、わかりました。 すぐに準備しますね」
ヴェント「帰りに飴玉買ってきてよ」
一方通行「指でもしゃぶってろクソ魔術師」
風斬「じゃあすみません……ちょっと出掛けてきます」
黄泉川「あいよ、気をつけて行ってくるじゃん」
一方通行「なァ、やっぱり行かなくてもイインじゃねェか? 面倒だろ」
風斬「だーめ」
一方通行「チィ……」
699 : ◆3dKAx7itpI - 2011/06/29 22:01:27.56 sQj95h92o 139/278今回はここまでです。
さて、出てきました六人目。皆さん、と っ く に わ か っ て い る で し ょ う が
まだまだ引っ張っていきますのでご容赦ください……すまんのう。
さて次回、皆さんお待ちかね(多分)のあの野郎が登場します。
もはや『天使同盟』には欠かせないあのチャラ男は続編ではどう扱われるのか、乞うご期待。
次回更新は三日以内。
それでは、ありがとうございました!
【次回予告】
「せっかくの退院だというのに、誰も迎えに来ないとはね?」
『冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)』を冠する第七学区の病院の医者――――――カエル顔の医者
「……………」
『天使同盟(アライアンス)』の構成員・学園都市第二位の超能力者(レベル5)『未元物質(ダークマター)』――――――垣根帝督
続き
蛇足 とあるフラグの天使同盟 壱匹目【後編】

