1 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:44:52.34 smYdR.Ao 1/457

このSSは、とある魔術の禁書目録に出てくるキャラクター、一方通行(アクセラレータ)を中心としたほのぼの二次創作物です。
このスレを開いてくれた時点でありがとうございます。


一方通行「フラグ・・・ねェ」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1285654962/

一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」  風斬「そうですよ!」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1289310136/

上記のスレからの続きとなっています。もしお暇でしたら、ご一読を。


以下、留意点など。


・投下は超スローペースです、多分
・第三次世界大戦は終結。その後のお話です。
・キャラ崩壊しまくりな上に、設定も弄りまくっています ←これ一番重要、ご注意ください。
・地の文もありますが、苦手なので台本形式多め・・・・・・のはず
・書き溜めはありますが恐らく速攻で尽きます・・・・・・
・そして私の悪いクセ、ろくに書けもしないシリアス(まがいな)展開がたまに入ります←New!

元スレ
一方通行「フラグ・・・・・・じゃねェだろ」  エイワス「まだそんな事を言っているのか」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294928027/
一方通行「フラグ・・・・・・だろォな」  垣根「ち・・・・・・くしょ・・・・・・う」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295564748/

2 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:46:23.43 smYdR.Ao 3/457


Q1. 地の文が下手過ぎて萎えるンだが、日本語ちゃンとわかってンのかァ?

A. すみません、精進していくつもりでございます。



Q2. あのー・・・・・・、誤字脱字がよく目立つんですが、注意してもいいですか?
   それと、このSSに関して気になることがあったりしたら質問してもいいですか?

A. もし見つけたら厳しく叱ってやってください。とくに神裂火織が出てきた時は要注意。
  質問は全然構いません。 疑問点があれば聞いてやってください。 すみません。



Q3. 『天使同盟(アライアンス)』(笑)、>>1のネーミングセンスどうにかなんねえのか?

A. 基本的に適当ですので・・・・・・、ご容赦ください。 笑ってやってください。



Q4. ふむ・・・・・・正直に言うが、ギャグがスベっているぞ。 これでは価値など到底見受けられない。

A. ギャグセンスなぞ持ちあわせておりません。 頑張ります。



Q5. 第一の質問ですが、>>1は各キャラクターの口調をきちんと把握しているのでしょうか?

A. これも注意していただけるとありがたいですが、たまにわざと口調を崩している時もあります。
  キャラ崩壊など当たり前のSSですのでその時は見逃してください。
  そしてあなたの出番はまだ先でしょうが。



Q6. とっころでさぁ、二回も同じ内容の投下をするってミスはなんとかならないのかしら? ん?

A. わざとじゃないですごめんなさい、あれは本当に申し訳ないです。 直すようにします。
  あぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。


Q7. gkergkerohjkoherl私gjiergj彼vcfjrgo恋愛pwtdfn描写wadmlfg不足uygje

A. ロシア語でおk。

5 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:50:23.51 smYdR.Ao 4/457



~前回までのあらすじ~


一方通行はオルソラ=アクィナス、アンジェレネと共に買い物へ行くことになった。
しかしどうやら、一方通行さんの心はもう限界のようです。

6 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:52:49.86 smYdR.Ao 5/457

――ロンドン・ランベスのとある商店街


一方通行「・・・・・・さすがにさっきのはやりすぎだなァ」

オルソラ「うふふ、私はとても楽しかったのでございますよ?
     さすがに恥ずかしったのもございますが・・・・・・///」

一方通行「ったく、あとで風斬の機嫌取っとかねェと・・・・・・」ブツブツ

アンジェレネ「か、風斬さん、なんかむくれてましたけど・・・・・・」

オルソラ「えぇ、それは一方通行さんが――」

一方通行「こンなガキにまで言わなくていいンだよ!!」



オルソラ「ふふ、やはり『優しい』のでございますね、あなたは」


      ピキキッ


一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

アンジェレネ「?」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、それなンだけどよ」


    ――――――やめろ。

7 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:53:52.46 smYdR.Ao 6/457


アンジェレネ「・・・・・・あ、あの・・・・・・」オドオド

オルソラ「どうかしたのでございますか?」

一方通行「オマエら・・・・・・、俺の事何にも知らねェからそンな事が言えンだよ」

アンジェレネ「え・・・・・・、が、学園都市の超能力者で、えと・・・・・・
       第一位だって事は・・・・・・」

一方通行「それが俺の全てだとでも思ってンのか?」


   ―――――――ダメだ、やめろ。


アンジェレネ「じ、実際に見たわけじゃないですから分からないですけど・・・・・・
       魔術を使って人を救ったって話は本当なんですよね?」

一方通行「・・・・・・まァな。 そこだけは間違いねェよ」

アンジェレネ「じゃ、じゃあ特におかしなところはないのでは・・・・・・」

一方通行「・・・・・・俺が昔、どンなヤツだったとか、知らねェだろ」

8 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:56:02.53 smYdR.Ao 7/457


オルソラ「昔、というと・・・・・・?」

一方通行「俺がこの"力"を使って、やンちゃしてた頃だよ」

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方通行「まァ、そりゃ知らなくて当然なンだけどよ」

オルソラ「・・・・・・あなたが話したいというのでしたら、
     私はどんなお話でも耳を傾けるのでございますよ?」


    ―――――――話したくねェに決まってンだろ。


アンジェレネ「・・・・・・私も、です」

一方通行「お子様にゃァちょいと刺激が強すぎるかも知れねェなァ」

アンジェレネ「だ、大丈夫です」グッ

一方通行「・・・・・・はァ。 ま、この際だ。 俺ってヤツがどンだけくだらねェ野郎か
     知ってもらってた方が、今後過ごしやすいかもな」


    
    ――――――余計なこと言うンじゃねェよ、俺。

9 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:57:29.48 smYdR.Ao 8/457


オルソラ「拝聴するのでございます」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昔よォ、とある実験が学園都市で行われる事になったンだ」

アンジェレネ「実験・・・・・・?」

一方通行「『絶対能力進化(レベル6シフト)』、ってンだけどな」

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方通行「"二万通りの戦闘環境で、とある人間を二万回ブチ殺す"っていう、
     愉快で素敵なクソッたれの実験だ」

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!?」ゾクッ

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方通行「オルソラ、オマエの昔話を聞かせてくれた礼だ、
     恩を仇で返す形になるが、俺の昔話も聞かせてやるよ」

アンジェレネ「お、"俺の"って・・・・・・、その実験、まさか・・・・・・」

一方通行「絵本で出版したら即回収騒ぎになるよォな、どォしよォもねェクソ昔話だ」

10 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:59:02.73 smYdR.Ao 9/457


久々に振り返る。あの血生臭く、忌々しい実験の事を。

当時の自分は、本当に頭が悪かったなと思う。
二万人の体細胞クローン体を殺害することで絶対的な力を手に入れられるという、
今時ゴシップ誌の裏表紙にも載ってなさそうな、笑えてくる内容の実験。

そんなくだらない内容の実験を、自分は当時、積極的に取り組んでいた。


オルソラやアンジェレネには、そのクローン体の詳細は伏せておいた。
何も"彼女"のプライバシーまで侵害しなくとも、この話は出来る。


一万人以上を殺した辺りで、この実験は終わった。
馬鹿で無謀で、無能力者(レベル0)の救世主(ヒーロー)によって、この殺戮劇は幕を閉じた。


「オマエらも知ってンだろ? あのツンツン頭のムカつき野郎だ」


自嘲気味に笑いながらそう言って、一方通行はなおも杖をつきながら歩く。


「とても優しい心の持ち主、だと? そンな心の持ち主が、科学の都で殺戮ショーやってましたなンて、
 C級映画のシナリオにも劣る筋書きだわなァ」


オルソラからは一方通行の表情を伺えない。気付いていないのだろうか、彼はさっきから
前を向いて歩いていない。


「だが、事実だ。 俺の手は一万人以上もの血で染められまくってンだ。
 血で血を洗うを、地でやってたンだよ俺は」


それだけじゃない。暗部に堕ちてからも、自分の手は汚れる一方だった。
垣根帝督は暗部での戦いを面白おかしくアニェーゼ達に話していたようだが、
現実はそんなもんじゃない。

11 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 13:59:57.72 smYdR.Ao 10/457



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オルソラとアンジェレネは、最後まで一方通行の話を聞いていた。
聞いてくれて、いた。

一方通行がアンジェレネの方へ顔を向けると、案の定、彼女の顔はひどく青ざめていた。
隠す余裕も無いのだろう、単純な恐怖から、体がぶるぶると震えている。


「・・・・・・すまねェな。 こンなくだらねェ話しちまって」


何に対して謝っているのか、自分でも定かじゃないが一方通行はアンジェレネに声をかける。
無論、返事などありはしない。

当然だ、ある日やってきた愉快で可笑しなお客さんが、
実は昔、大量に人を殺してきた殺人鬼でしたでは、ギャグにしてもひどすぎる。

12 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 14:00:32.35 smYdR.Ao 11/457


彼女は二度と、一方通行に関わってきたりはしないだろう。
むしろよくここまで話を聞いていてくれたものだ、と一方通行は心のなかで小さく感謝する。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


オルソラも、何も言ってはこない。
先程まで"馴れ合ってた"人間が、実は殺戮に手を染めていた経歴がある人間だと知ったのだ。
これまた、当然の反応。悲鳴を上げて逃げ出さないのが不思議なくらいだ。

だが、さっきのオルソラの話を聞く限りでは、このシスターはとても心が強い。
一緒に歩いている殺戮者をどうするべきかと算段をつけているのかもしれない。


(・・・・・・ここらが頃合いだな)


エイワスは今の一方通行の状況を把握しているだろうか?
把握してくれていればありがたい、今すぐにでもイギリスから出た方がいいだろう。

13 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 14:07:36.63 smYdR.Ao 12/457

記念すべき新スレなのに初っ端からなぁにこれぇ?な展開で申し訳ありません。
予定外ですが、少し投下させていただきました。

つまり次回の更新は、ここからまた三日以内になります。卑怯ですね、ごめんなさい。

それでは皆さま、三スレ目でもどうかよろしくお願い申し上げます。

初めての方もそうでない方も、読んでいただいてありがとうございます。

それでは。

14 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 14:08:21.64 smYdR.Ao 13/457




                          【次回予告】



『・・・・・・わ、私、どうすれば・・・・・・。 あ、一方通行さんが・・・・・・なんで』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・アンジェレネ




『ただ、彼がどういう気持ちだったのか、
 それを軽々しく口にしてもいいようなお話ではない、という事だけはわかるのでございますよ』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・オルソラ=アクィナス

15 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/08 14:08:56.72 smYdR.Ao 14/457






『―――――――――――誰だオマエら。 魔術師か?』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




31 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:19:42.13 BG0bsdEo 15/457


きっかけがあったとはいえ急にこんな話をしたのは、やはりさっきの
オルソラから聞いた『法の書』の話。
相手だけ経緯を話し、自分だけが話さないのが単純に気に入らなかったのだ。

でも、今までも何人もの自分を知らない人間と関わってきたが、自分の昔話を
するのはオルソラ達が初めてだと気がつく。

まぁ、そんなものは些細なことなのだろうが。

それと、もう一つ。





"さっきから自分たちを尾行している者がいるから"、だ。





一方通行の胸の辺りに、魔術師が近くにいる時に生まれる特有の"圧迫感"があった。
オルソラやアンジェレネの物とはまた違う、圧迫感。
その圧迫感が、一方通行をじわじわとイラつかせていた。

どの辺にいるのかまでは分からないが、距離は大体把握できる。
この圧迫感が無ければ気付かなかったかもしれない。それくらい相手は優れた魔術師のようだ。

32 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:20:38.39 BG0bsdEo 16/457



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そしてどうやらそれは、一人ではない。


そして、さっきから来るこの圧迫感にイライラし始めた時のオルソラの『あなたは優しい』発言だ。
だから憂さ晴らしにぶちまけた、自分の汚らしい過去を。
オルソラとアンジェレネに半ば八つ当たり的な事をしてしまった。

優しいのはどっちなんだか、と一方通行は苦笑する。


「・・・・・・。 先、行けよ」


一方通行は彼女たちにそう告げ、杖をつくのを止める。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あなた、は?」

「いい。 気分じゃなくなった。 自分からゲロッといて何言ってンだって話だがなァ。
 それに、こンな俺がいたンじゃコイツも楽しい買い物は満喫出来ねェだろ」


言われて、ビクっと体を強ばらせるアンジェレネ。

33 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:22:38.68 BG0bsdEo 17/457


とりあえず、さっさと自分たちを尾行している者を片付けようと考えた結果だった。
彼女たちにわざわざ『尾けられている』と言って、余計な心配をさせる必要はない。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 二つ目の十字路を右に曲がった角にあるお店に居ます。
 お待ちしているのでございますよ」

「あァ、わかった。 二つ目の十字路の、右の角だな」


行くわけがない。ここで彼女らとはお別れだ。
オルソラは顔を伏せっぱなしのアンジェレネの手を引き、先へ進んでいく。

途中、アンジェレネが一方通行の方をチラッと見るが、彼は応じなかった。


(・・・・・・さて、"お片づけ"をした後、エイワスにでも事情を話して、おさらばしますかねェ)


垣根帝督やミーシャ=クロイツェフ辺りは駄々をこねるかもしれないが、知ったことか。
自分のようなバケモノは、あの平和な女子寮には必要無い。

34 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:23:45.80 BG0bsdEo 18/457


・・・・・・ここまで自虐的な気持ちになったのは、いつ以来だろうか。
ずいぶん懐かしいなと、一方通行は思った。

『天使同盟(アライアンス)』を結成してから、毎日(ある意味)夢のようだったのだが、
急に現実に引き戻されたような感覚だ。
ということは、今まで自分は現実から目を背けていたということになる。


(情けねェ・・・・・)


事は天使に関わる。いつまでも楽しいだけの旅は続けてられない。
やがて一方通行は杖をついて歩き始めた。


尾行者を片付けるため、そしてオルソラ達と二度と出会わないように、
彼女が教えてくれた道とは、全く逆の方向へと。

35 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:24:55.77 BG0bsdEo 19/457



(・・・・・・だが、)


なんで、あんな話をした?


ここまで全てが順調だったのに。
ここまで、皆が優しく、楽しく、自分に接してきてくれたのに。
いきなり。急に。突然。唐突に。


なんで、あんな話をした?


自分が一万人以上の"人間"を殺した男だと言えば、怖がられるに決まってる。
当たり前だ、ドン引きなどというレベルではない。

36 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:25:29.56 BG0bsdEo 20/457


優しく接して来られると、胸の中に妙な感覚が広がるのは、かなり前からそうだった。
それが原因なのか?
本当に自分を知って欲しかったから?本当の自分なんて、自分にも分からないのに。
さっきまでのテンションはどこへやら。バスルームでのオルソラとの談笑は何だったのか。

あまりにも、あまりにも急すぎる。

二回目のイギリスで、ついに耐えられなくなったのか?今更?なんで今なんだ。
『妹達(シスターズ)』の事が、さっきから頭にチラつく。

忘れていたわけじゃない。それは誓える。忘れるわけがない。
今だって、『妹達』に何かがあったと知ったら、すぐにでも飛んでいく。

やはり、どれだけ人と接しても、最終的には自分はこうなってしまうのか?
垣根帝督も、『天使同盟逢引計画』の時までは、こんな気持ちだったのだろうか。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


まだ自分は、好意を向けるのを、好意を向けられるのを、怖がっているのだろうか。
杖をつきながら歩くその足取りは、ひどく重い。

37 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:26:43.01 BG0bsdEo 21/457


ロンドンのランベスには初めて来たが、オルソラ達と歩いている間に
今いる商店街とその付近の地形はだいたい把握出来ている。


(・・・・・・確かこっちの道へ進むと、人気が全く無さそォな路地に出るはずだな)


オルソラ達と別れてから、割と遠くの方へやてきた一方通行。
この辺もまだ商店街辺りのようだが、さっきまで自分とオルソラ達がいた所とは、
まるで賑わいが違う。

本当に、誰もいない。閉店して随分経つような店が、寂しげに並んでいるだけだった。
廃れた商店街の一本道、とでも言えば想像しやすいだろうか。


(・・・・・・道幅も十分、仮に戦闘になっても動き回れるスペースはあるな)


辺り一帯の環境を把握した一方通行は、商店街に響く程度の声で言った。

38 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:27:43.98 BG0bsdEo 22/457



「おい、もォいいぜ。 出てこいよクソネズミが」


・・・・・・十秒ほどの沈黙。気付かれたことに焦っているような雰囲気は感じられない。
一方通行も相手がどんな人間なのかはわかってないが、まず間違いなく魔術師だろうと確信している。

これがエイワスや垣根のイタズラなら殺してやる、と割と本気でそう考えていた時、


ザザザザッ!!と、ほぼ同時に一方通行達を尾けていた者達が降りてきた。
どうやら店の屋根を伝って移動していたようだ。

相手は、一人ではなかった。


「―――――――――――誰だオマエら。 魔術師か?」


そう言うと、相手の一人が口を開く。

39 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:28:56.23 BG0bsdEo 23/457



「バレちゃあしょうがないですね、その通り。 私達"も"魔術師ですよ」


不敵な笑みを浮かべながらそう言ったのは、見た目十歳前後の少女だった。
青のような水色のようなミニスカートに、ジャケットを来ており、赤と白の縞模様のニーソックスを履いている。
髪は黒くて長い、そしてその先端だけを三つ編みにして束ねていた。

右手には槍のような物を持っている。見た感じだと随分扱い慣れているような雰囲気だ。
そしてミニスカートの下から、何か小悪魔風の『尻尾』のようなものがクネクネと動いている。


「それで、あなたはどこの魔術結社に所属しているんです?
 あぁ、機密事項と言うのでしたら言わなくても構いませんけど」


どうやらこの少女、一方通行の事を魔術師だと勘違いしているようだ。
大きく腰を折り、下から覗き込むように一方通行をじっと見つめている。


(・・・・・・誰だこいつら、見たこともねェやつらだ)


一方通行がそう思ったと同時、黒髪の少女も何かを思い出しそうな表情に変わった。

40 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:29:50.25 BG0bsdEo 24/457



(おや? この人・・・・・・、どこかで見かけたような・・・・・・?)


眉間にシワを寄せ、更にじっと見つめてきている。
はっきり言って、ウザい。


「何で私達があなたを尾行していたか、わかる?」


そう言ってきたのは、黒髪の少女の隣に立つ、銀髪の女だった。
見た目は十七~十八くらいだろうか、長袖のスポーツ用シャツを着ている。
隣の少女と全く同じミニスカート。その下に履いている青いレギンスは足首まで覆っていた。

目をひくのは彼女の耳辺りにあるヘッドホンのような装置。そこから左右それぞれに
真空管のようなものが飛び出ている。やはり魔術的な要素を含んだアイテムなのだろうか。


「知るかよ」


至極つまらなそうに言う一方通行。
頭の中がごちゃごちゃになっていたところに、このワケの分からない魔術師の襲来だ。
さっきからイライラが収まらない。

41 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:31:08.09 BG0bsdEo 25/457



「本当に心当たりが無いのかしら」

「"ありすぎる"くらいだクソボケ。 どの件の事か検索してるところだっつうの」


まさかアレイスター辺りが自分たちを捕らえるために送り込んだ魔術師、という事もあるまい。
風斬や垣根が狙いなら自分を尾行したりはしないだろうし、
エイワスが狙いなら、この二人はとっくにこの世から消え去っているだろう。

となると、


「"天使"について、ご存知ありませんかね?」


やっぱな、と一方通行は浅くため息をつく。
それだけで十分な返事になったようだ。黒髪の少女がニヤリと笑った。

42 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:31:59.33 BG0bsdEo 26/457



「ご存知なんですね?」

「ご存知だったらどォだってンだ? まず誰なンだよオマエらは」


どこから情報が漏れたのだろうか?エイワスは一体何をやっている?
と、何かあればすぐにエイワスに当たる自分に嫌気がさす一方通行。

黒髪の少女は、『おっと、挨拶が遅れました』と言いながら、
自己紹介を始めだした。


「私たちは『新たなる光』。 そして私はレッサーと申します。
 以後、お見知りおきを」

「以後なンてあると思ってンのか?」


『新たなる光』。やはり聞いたことのない組織名だった。
魔術に関しては詳しくないが、それでも今までの旅の経験から、いくつかの魔術結社の名は
知っているのだが。

そして黒髪の少女の名は、レッサーというらしい。
偽名かとも思ったが、そんなことはどうでもいい。

自分たちの邪魔をするというのなら、今すぐ消してやる。

43 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:33:12.60 BG0bsdEo 27/457



(消す? ・・・・・・殺すのか?)


突如浮かび上がった疑問に自問自答をする一方通行。
昔の自分なら、とっくにこの女たちを殺していたかも知れない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昔の自分とは、どの自分の事なのだろうか。


「で、私はベイロープよ。 よろしく」


ベイロープと名乗る銀髪の女も、レッサーと同じ形状の槍を持っていた。
一方通行はとりあえず落ち着くことにし、彼女たちにこう言い放つ。


「・・・・・・ご丁寧に自己紹介をどォも」

「あなたの名前も聞かせてくださいよ」

「俺の自己紹介の前にだなァ・・・・・・。 オマエら、」

44 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:34:08.94 BG0bsdEo 28/457


何を言い出すのかと、レッサーとベイロープは眉をひそめる。
すると、


「初対面でいきなりウソはよくねェよ。 "あと二人"、いるだろ?」


レッサーとベイロープの目が、明らかに見開く。
『新たなる光』はこの二人だけではないようだ。


「・・・・・・驚きましたね。 人数まで正確に言い当てるなんて」


レッサーがそう言うと同時、一方通行の背後で誰かが商店街の屋根から飛び降りて来る音がした。


「はー、あっさりバレちゃったな。 気配は完全に断ってたつもりなんだけど」


垣根帝督と同じくらいの長さの金髪に、碧眼の十五歳くらいの少女がそこにいた。
レッサーと同じジャケットにミニスカート、その下には赤っぽい色のスパッツを履いている。

やはり例に漏れず、その手には二人と同じ槍が握られていた。
彼女の両肩には、今にも羽根が生えてきそうな機械が取り付けられている。

45 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:35:22.50 BG0bsdEo 29/457



「ひひ、くひひ・・・・・・うぅぅぅ・・・・・・。 わ、私のせいじゃ・・・・・・あひ、
 ないよねぇ・・・・・・? あははは・・・・・・」


何がそんなに可笑しいのか、金髪の少女の隣に立っている茶髪の少女は、
体を小刻みに震わせながら涙目でクスクス笑っていた。

ベイロープが着ているスポーツ用のシャツを半袖にしたような服を着ており、
三人と同じミニスカートの下には、青のスパッツを履いている。その手には、槍。

『新たなる光』という組織は必ず何か変わった装備をしなければならない方針があるのか、
茶髪の少女の両手の指先からは、鋭く長い『爪』が伸びていた。


「オマエらもその『新たなる光』とかいう魔術組織か」

「私はフロリス。 それと私たちは魔術組織じゃないよ」

「わ、ひぃ・・・・・・、わわ、私はランシス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷくくっ。
 あひぇ・・・・・・、わたひたちは、け、結社予備軍だよ・・・・・・うひゅぅ」


よし、ランシスから潰そう、と一方通行は心の中で速攻で決断した。

46 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:36:03.98 BG0bsdEo 30/457



フロリスと名乗った金髪碧眼の少女と、ランシスと名乗った茶髪の少女は
じっとこちらを見たまま一方通行に近づこうとしない。

状況を言うと、一方通行の前方にはレッサーとベイロープ。
後方にはフロリスとランシスがいる。挟み撃ちの形だ。


「それで、あなたの名前も聞かせてもらえますかね?」


再度、自己紹介を促してくるレッサー。


「・・・・・・。 一方通行(アクセラレータ)だ」

「ふむ、変わったお名前なんですね」


もうこのやり取りも飽きてきた。

48 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:37:44.18 BG0bsdEo 31/457



「オマエら、あの天使に何か用か?」

「もちろんっ」


レッサーは事も無げに返答する。


「情報を手に入れた時は本当に驚きましたよ。 実際にこの目で見るまでは、
 眉唾ものだったんですけどね」


・・・・・・見られていたのか。
そんなことにも気付かない自分が情けなくなる。

49 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:38:41.52 BG0bsdEo 32/457



「いつ、天使の存在に気付いた?」

「存在を知ったのはあなたと天使が"最初に"イギリスへ来たとき。
 実際に見たのは今日が初めてよ」


ベイロープが質問に答える。やはり最初のイギリス訪問で存在が気付かれていたのか。
ガブリエルにロンドン観光なんてさせるんじゃなかったと、一方通行は小さく後悔する。


「・・・・・・それで、どォしてェンだオマエらは」

「いやぁ、ちょっとね。 天使の力を借りて、協力して欲しい事があるんだよ。
 私は乗り気じゃないんだけど」


今度はフロリスが答える。


「協力だと? はっ、なら直接天使に交渉すればいいじゃねェか」

「とんでもない! 所詮人間である私達が、天使と直接交渉するだなんて、
 無茶を通り越して無謀というものですよ」


レッサーが大袈裟に否定する。今のガブリエルならどんな願いだろォが喜んで引き受けてくれるだろ。
一方通行はそう考えながらポリポリと頭を掻く。

50 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:40:25.51 BG0bsdEo 33/457



「それで、俺を尾行したってわけだ。 俺なら簡単に篭絡出来ると思ったか?」

「篭絡なんて言い方は無いわ。 あくまで協力よ」


耳についているヘッドホンのような機械を弄りながら、ベイロープは言う。

普段のテンションなら『好きにしやがれ』とでも言って、エイワス辺りに
任せる、的な流れになっていただろう。

だが今の一方通行にそんな考えはない。このまま行けばシスター達もこいつらの協力とやらに
巻き込まれる事になるだろうし、何よりさっきのオルソラ達との件もある。
あれは完全に自分に落ち度があるが、それでも今の一方通行の気分は最悪だ。


「お引き取り願おうか。 協力だか何だか知らねェが、
 オマエらのお遊びに付き合ってやれるよォな気分じゃねェンだ」


彼女たちと戦うなんて考えも、話を聞いているうちに消し飛んでしまった。
どうせガブリエルの力を利用してどこかの魔術結社を潰したりとか、傘下に入れたりとか、
バカバカしくてヘドが出そうな事に使うつもりだろう。『協力』などと都合のいい言い方をして。


「"遊び"・・・・・・?」


レッサーの眉がピクッと動く。

51 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:41:57.54 BG0bsdEo 34/457





「今の言葉、取り消してはいただけませんかね?」


さっきまでのお調子者な様子から一変、キッと一方通行を睨むレッサー。
どうやら押してはいけないスイッチを押してしまったらしい。

少し前の自分ならもう少し言葉を選んでいたかも知れない。
だが今の一方通行は、本当に最低な気分だった。


――――どうして、オルソラ達にあんな事を言ってしまったのだろう。


「英国の未来を思い、英国の事を考え、英国の為に戦ってくれる力を欲する事が、
 遊び・・・・・・か。 言ってくれるわね」


ベイロープが金属製のシャフトの槍を一方通行に向ける。
彼女の表情に笑みはない。レッサーと同じように凄んだ表情だ。


「・・・・・・はァー、めんどくせェ事この上無ェな」


口を開けば開くほどボロが出る。
誰か自分を止めてくれ、と一方通行は本気で願う。

52 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:43:24.29 BG0bsdEo 35/457



左を向くと、フロリスとランシスも戦闘態勢に入っていた。
ランシスも、ぷるぷると体を震わせながらもその表情は真剣そのものだ。

今から一方通行は、重ねて最低なことをする。
この気持ち悪いモヤモヤを吹き飛ばすには、思い切り暴れる事が一番良い。

そしてちょうどいい具合の相手が、一方通行の周りに四人もいる。
彼は首にある電極チョーカーに手をかけ、スイッチを入れた。


"スイッチ"が入ったのは、電極チョーカーだけか?


「分かりやすいやり方のがいいだろ」

「交渉決裂、ですか?」


彼女たちの目的はわかった。詳細までは分からないが、『新たなる光』は、
英国のためならどんな事でもしてくれる、どんな逆境も乗り越えてくれる力が欲しいらしい。

こんな気持ちでさえなければ、素直に首を縦に振っていたかもしれない。
何かの為に戦うために、力を欲する気持ちは死ぬほどよくわかる。


「いいや、」


殺すのは駄目だ、絶対に。適当にあしらって諦めてもらうか、
いざとなったらこっちから逃げればそれでいい。『天使同盟(アライアンス)』の面子も一緒に、この国から。


「天使が欲しいなら、俺から力尽くで奪ってみろ。 "英国のヒーロー共"」


寂れた商店街に、轟音が鳴り響いた。

53 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:44:19.05 BG0bsdEo 36/457



一方通行と別れた後、オルソラ=アクィナスとアンジェレネは、市民で賑わう商店街を歩いていた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


いつもなら鼻歌交じりでルンルンと買い物に出掛けるオルソラなのだが、
一方通行と別れてからは一切言葉を発していない。

こんなオルソラは初めてだと、アンジェレネは心配そうに彼女の様子を窺う。
いつものオルソラと比べたら、明らかに元気が無いことが分かる。


『絶対能力進化(レベル6シフト)』、『量産型能力者計画(レディオノイズけいかく)』。


一方通行の口から出てきたその内容は、アンジェレネにはほとんど理解出来なかった。

わかったことは、かつて一方通行が一万人以上もの人間を殺してきた事。

54 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:45:51.03 BG0bsdEo 37/457

誰に対しても乱暴ながら、優しく接していた彼が。自分の為にサラダを作ってくれた彼が。
文句を言いつつも皿洗いを手伝ってきれた彼が。魔術に関する話を真剣に聞いてくれた彼が。
あんなに仲の良さそうな仲間たちを引き連れてきた彼が。あの大天使ですら懐いていた彼が。


『俺の手は一万人以上もの血で染められまくってンだ』


質の悪い冗談であってほしかった。見事に騙された自分を、思い切りからかって欲しかった。
未だにぶるぶると震えている体をどうにかしたかった。これではまるで、いや、今更ごまかしも効かない。

明らかに、彼に恐怖している自分がいる。


『悪い人が、あんな風にエプロン着てお皿洗いなんてすると思う?』


風斬の言葉を思い出すアンジェレネ。確かに、女子寮に来た一方通行が極悪人だとは思わなかった。
顔は少し怖いが、言葉は乱暴ながらも優しく話しかけてきてくれた。

どっちが本当の一方通行なのか?

会ったばかりの人間の事についてここまで深く考え込んでしまうのは初めてだった。

55 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:47:11.64 BG0bsdEo 38/457



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・し、シスター・オルソラ・・・・・・」


震えた声でオルソラに話しかけるアンジェレネ。
自分は一体どうすればいいのか?一方通行はあの話を自分たちに聞かせて、どうして欲しかったのか?
受け入れて欲しかったのか、突き放して欲しかったのか。意図が分からない自分に歯噛みさえしてしまう。


「なんでございましょう? アンジェレネさん」


意外にも返事をしてきたオルソラ。あの様子だと期待は出来なかったのだが。


「・・・・・・わ、私、どうすれば・・・・・・。 あ、一方通行さんが・・・・・・なんで」


頭の中がグチャグチャになっていく感覚に襲われるアンジェレネ。言葉が上手く繋がらない。
それでもオルソラに答えを求める。


「・・・・・・一方通行さんは、なんであんな話をしたんでしょうか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・わからないのでございます。 ただ、彼がどういう気持ちだったのか、
 それを軽々しく口にしてもいいようなお話ではない、という事だけはわかるのでございますよ」

56 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:48:03.82 BG0bsdEo 39/457



「さ、さっきの話、本当のことなんでしょうか?」

「それは・・・・・・」


本当だろう。冗談や、即興で作った嘘の話とは到底思えない内容だった。

しかしそれなら、さっき一方通行が話をした時点で、オルソラがしてあげる事は明確だった。
シスターとして、一人の女として。彼にしてあげられる事は一つしかない。

例えそれが間違いでも、自分はそれをしてあげられる自信も、覚悟もあるつもりだ。

ならばなぜ、一方通行が話を終えた時点で、それをしてあげられなかったのか?


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


まだ自分の心のどこかで、迷いがあるからなのか。
オルソラはそれでも道を引き返すためにアンジェレネに声を掛けようとした。


その時だった。

58 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/09 08:54:22.93 BG0bsdEo 40/457




                          【次回予告】



『えぇとですね、私はオルソラ=アクィナスというものでございます』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・オルソラ=アクィナス




『は、初めまして! 私はアンジェレネと申しますっ!』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・アンジェレネ




『初めまして! オルソラ、アンジェレネ! ミサカは打ち止め(ラストオーダー)だよって
 ミサカはミサカは元気に自己紹介してみたりっ!』
―――――――――――ミサカシリーズの司令塔・打ち止め(ラストオーダー)

82 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 20:59:27.23 ZMJGgkYo 41/457



「! きゃっ!」

「わわっ、な、何ですかこの音は?」


突如、オルソラの体の辺りから、『歌』のような音が鳴り響いた。
壮大なオペラのような、英語の歌詞で歌われている音楽だ。


「な、なんでございましょう・・・・・・!?」

「し、シスター・オルソラの方から聞こえてきますよ!」


オルソラが慌ててゴソゴソと体をまさぐる。
周りの目が何だかおかしくなった人を見る目になってきたのに気付いたアンジェレネは、
オルソラの背中を押してそそくさと狭い路地へと走った。


「シスター・オルソラ! そ、それは・・・・・・?」

「まぁ、すっかり忘れていたのでございますよ」

83 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:00:44.87 ZMJGgkYo 42/457


オルソラが服の中から取り出したのは、携帯電話だった。
ただし、オルソラは携帯電話などというハイテクな機械は持ち合わせていない。

あの時、自分の部屋で一方通行と喋っていた時に、彼が落とした携帯電話だ。

いたずら気分で携帯電話を取り上げ、そのまま返すのを忘れていたのだ。
鳴り響いている『歌』は、彼が設定した着信音だった。


「で、電話・・・・・・ですよね? それ」

「えぇ、あの時に返すのを忘れていたのでございますよ・・・・・・」

「ど、どうするんですか? 出るんです?」


画面を開くと、そこには見知らぬ番号と相手先の登録名が表示してあった。
いつだったか、インデックスの携帯を弄った気がするのだが、
いまいち操作方法がわからないオルソラは、どうしようかとあたふたしている。

84 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:01:24.92 ZMJGgkYo 43/457




「・・・・・・勝手に出るのはまずいでございますよね」


そう判断したオルソラは、適当にボタンをポチポチと押す。
やがて、たまたま親指が電源ボタンを押し、着信音が鳴り止んだ。


「よ、よかったんでしょうか・・・・・・?」

「見知らぬ人が電話に出ては、あちらも困るのでございますよ」


思わぬ事態にまだ心臓の鼓動が速いリズムで脈打つオルソラとアンジェレネ。


すると、着信音の『歌』が再び鳴り響く。
アンジェレネは心臓が止まるかと思った。


「ひゃあっ! ま、また鳴ってますよ、シスター・オルソラ!」

「こ、困ったのでございますよー・・・・・・」


画面を開くと、さっきと同じ番号と登録名が表示されていた。
先ほど電源を切ってから、まだ五秒も経っていない。緊急の用事なのだろうか?
だとしたら、また一方的に切ってしまうのも躊躇われる。


「で、出るのでございますよ。 もしあちらが何らかの緊急事態で連絡してきたのだとしたら、
 私が電話に出て、一方通行さんは今不在だとお知らせしなければならないのでございます」

「そ、そうですね・・・・・・」


アンジェレネは、一応大通りへ顔を出し、左右をキョロキョロ見渡すが、一方通行の姿は見当たらない。
こうなってはオルソラの言うとおり、電話に出て事情を伝える他ないだろう。

85 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:02:26.22 ZMJGgkYo 44/457



「えーと・・・・・・、先程はこちらのボタンを押すと切れましたから・・・・・・
 左端の電話マークのボタンで出られるのでございましょうか?」


またこちらから切ってしまっては申し訳ないと思い、慎重にボタンを選ぶオルソラ。
やがて当たりをつけると、意を決して左端のボタンを押す。

すると、ピッという電子音が聞こえ、着信音は鳴り止んだ。


「あ、あれ・・・・・・。 シスター・オルソラ、また切っちゃったんじゃ・・・・・・?」

「おかしいのでございますよー・・・・・・、間違いなくこれだと思ったのでございますが」


側面についているボタンも一度押してみるが、やはり反応はない。
もう一度かかってくるのを待つしかないかと思っていたとき、


突然、携帯電話から見知らぬ声が聞こえてきた。

86 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:03:40.18 ZMJGgkYo 45/457





『もしもーし! 何でさっきは電話を切っちゃったのってミサカはミサカは頬を膨らませてみる!』




オルソラが予想していたのより、随分と幼い声だった。
九、十歳くらいの少女だろうか?

しかも、携帯電話を耳に当てるまでもなく、少女の声は二人にバッチリ聞こえている。
少女の声が馬鹿でかいのではなく、さっきオルソラが押した側面のボタンが、スピーカー機能になるボタンだった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


揃って沈黙するオルソラとアンジェレネ。
次に起こすべきアクションが分からない。


『・・・・・・? おーい、あなたー? ってミサカはミサカは通話が切れてないか
 確認してみる・・・・・・。 もしもし~』

87 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:05:36.52 ZMJGgkYo 46/457



「あ、も、もしもし~なのでございますよ~」

「し、シスター・オルソラ!?」


とりあえず通話先の少女を真似て返事をしてみるオルソラ。
アンジェレネがものすごい勢いで慌てている。


『むむ、英語? それにあの人の声じゃないな~ってミサカはミサカは不思議がってみたり。
 あなたはだ~れ? ってミサカはミサカは訪ねてみる』

「えぇとですね、私はオルソラ=アクィナスというものでございます。
 そしてこちらが・・・・・・」


流されるがままに日本語で自己紹介をしたオルソラは、携帯電話をアンジェレネの顔に近づけた。
どうやらアンジェレネにも自己紹介をするよう促しているらしい。

88 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:06:08.59 ZMJGgkYo 47/457


もうなるようになれと言わんばかりの勢いでアンジェレネも自己紹介をする。


「は、初めまして! 私はアンジェレネと申しますっ!」

『初めまして! オルソラ、アンジェレネ! ミサカは打ち止め(ラストオーダー)だよって
 ミサカはミサカは元気に自己紹介してみたりっ!』


らすとおーだぁ・・・・・・?二人は顔を見合わせて首を傾げた。
随分変わった名前だなと思ったが、なんとなく一方通行(アクセラレータ)という名前と雰囲気が似ている。
なので、どう考えても偽名、あるいは彼と同じく能力名なのかと、アンジェレネは考えた。


『それにしても、どうしてあの人の携帯に女の人が出るのかな? って
 ミサカはミサカはあらぬことを疑ってみたり、むす~』


声の雰囲気でわかる、この少女はどうやら頬を膨らませてご立腹のようだ。
自分たちのような者が電話に出るのは、やはり間違いだっただろうか?

89 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:09:25.18 ZMJGgkYo 48/457



「あ、あの、すみません、ご迷惑でしたでしょうか・・・・・・?」


丁寧な日本語でとりあえず謝ってみるアンジェレネ。


『あ、ううん。 ごめんなさい、ミサカは気にしてないよって
 ミサカはミサカも気を遣わせてごめんなさいって頭を下げてみる』


電話越しで頭を下げられても分からないのだが、それは言わないことにしておく。
それにしても妙な言葉遣いだなと、アンジェレネは『ミサカはミサカは~』と言ってる少女を不思議に思った。


『それで、あの人は今どこで何をしているのってミサカはミサカは訪ねてみる』

「あの人・・・・・・と言いますと、一方通行さんのことでございましょうか?」

『そうだよ! 良かった、あの人の知り合いだったんだねってミサカはミサカは安堵してみたり』


案の定、この打ち止めという少女は一方通行の知り合いのようだ。
・・・・・・まさか、彼の娘だろうか?とも考えたが、彼の年齢を考えるとあり得ない事だと分かる。
もっとも、一方通行の年齢も打ち止めの年齢も知るところではないのだが。


「あのでございますね、一方通行さんはここ、ロンドンのランベスにいらっしゃってまして、」

『ほぇ? あの人またロンドンに行ってるの? ってミサカはミサカは驚いてみる』

「えぇ、お友達を引き連れて、私達が住む寮に来たのでございます」

『カザキリ達のことだね! みんな一緒なんだ~ってミサカはミサカは羨ましがってみたり』


風斬氷華の事も知っているとなると、恐らくは全て、つまり大天使のことも知っているのだろう。
どうやら打ち止めと一方通行は相当親睦が深い間柄なのだとオルソラ達は予想する。

90 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:10:02.18 ZMJGgkYo 49/457



『悪いんだけど、あの人に電話を変わってもらえないかなってミサカはミサカはお願いしてみる。
 全く、他の人を電話に出させるなんて勝手だなぁってミサカはミサカは―――』

「そ、それなんですけど・・・・・・」


アンジェレネが打ち止めの言葉に割って入る。
一体どう説明したらいいものか、わからないままなのだが。


『なーに? ってミサカはミサカは聞いてみたり』

「今、一方通行さんは私達の近くにはおられないのでございますよ」


オルソラがフォローに入ってくれた。
電話を変わるとなると、一方通行を探さなければならないが、オルソラにとっては都合が良かった。

電話がかかってくる直前まで、自身も彼を探そうと思っていたからだ。

91 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:10:44.51 ZMJGgkYo 50/457



『なにー、どこにいるか分からないかなってミサカはミサカは再度訪ねてみる』

「え、えぇ、さっきちょっと、別れてしまいまして・・・・・・」


そう言いながらアンジェレネが視線を上に向けると、オルソラと目が合った。
どうやら二人とも、同じことを考えているようだ。

打ち止めに、一方通行から聞いた話を知っているかどうか、訪ねてみようかと。


『・・・・・・うーん、そっかぁ。 それならしょうがないかなってミサカはミサカは
 しょんぼりしてみたり・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』


打ち止めの声のトーンがあからさまに下がっていく。
このままでは電話を切られてしまうかもしれない。

92 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:11:55.22 ZMJGgkYo 51/457



「あの、打ち止めさん」

『うん? 何かなってミサカはミサカは聞いてみたり』

「・・・・・・少し、訪ねたいことがあるのでございますけど」

『・・・・・・? うん、何でも聞いてってミサカはミサカはバッチコイ!』


しかし、オルソラは迷っていた。

顔すら見たこともないこんな少女に、いきなりこんな話をしてしまっていいのだろうか?

もし、打ち止めも一方通行が関わっていた実験について何も知らなかったら、
オルソラ達は意味もなく打ち止めの心に一生ものの傷を負わせることになる。

それはシスターとして、いやそれ以前に、人としてやってはいけないことだ。

こんな短い会話でも、一方通行と打ち止めがどんなに仲が良いかくらいは分かる。
そんな二人の絆を壊してしまう権利など、オルソラ達にあるわけがない。
世界中のどこの誰も、そんな権利は持っていない。

93 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:12:38.32 ZMJGgkYo 52/457



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

『どうしたの? ってミサカはミサカは心配してみる』


オルソラもアンジェレネも、なかなか言い出すことが出来ない。
一方通行から聞いた話を思い出すと、今でも身の毛が弥立つ。
だがその一方で、一方通行とこのままの調子で過ごしたいとも思えなかった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・打ち止めさん」

『うん、聞こえてるよってミサカはミサカは答えてみる』


それでもオルソラは決心し、一度深呼吸をすると、ゆっくりと口を開いた。


「一方通行さんの事について、お聞きしたいのでございます」

94 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:13:40.01 ZMJGgkYo 53/457





「はぁー・・・・・・! はぁー・・・・・・! ・・・・・・ふー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!」




ベイロープはすっかり寂れてしまった商店街の路地裏に一人でいた。
乱れた呼吸を無理やり整え、息を潜める。
『新たなる光』の構成員である彼女は、他に三人の仲間がいた。


三人の仲間が――――――――、いた。いたはずなのに。


話が違う、とベイロープは心の中でレッサーに激昂する。
今、実際に発声してレッサーを怒鳴ってしまえば、"アレ"に隠れている場所がバレてしまう。

そう、"アレ"――――。ベイロープは最初、アレを人間だと思っていた。
とある組織に所属している、一人の魔術師という程度の認識で相対していた。
天使を引き連れている時点で、相当の手練だということは分かっていた。

どこかの魔術組織に"アレ"が所属しているとして、天使の保護を任されているという時点で
それは分かりきっていたことだった。

95 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:15:29.32 ZMJGgkYo 54/457



だから、相手をナメていたり、油断をしていたりというような事はベイロープにはあり得なかった。
ベイロープだけじゃない、今、"アレ"と戦っているレッサーだってそれは重々承知していたはずだ。


店の看板にめり込んで、そのまま動かなくなってしまったフロリスも、
ゴルフボールのような勢いで遥か彼方へ飛ばされてしまったランシスも、


誰も―――――。


「ベイロープッッ!!!」


レッサーの声にハッとするベイロープ。
すぐさま周囲を確認するが、"アレ"が近くにいる様子はない。

だが彼女はすぐに気付いた。自分の真下に出来ている影が、不自然な形をしている。


(上ッッ!!?)


見上げる余裕などない。ベイロープはその手に持つ槍、『鋼の手袋』を地面に突き立て、
咄嗟に横へと跳ねる。

96 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:16:16.39 ZMJGgkYo 55/457



先程までベイロープが居た場所に、クレーターが出来た。


商店街が不気味に揺れる。この商店街は清掃が行き届いていないのか、
今の衝撃で埃が巻き上がっていた。

念のため『人払いのルーン』を貼ってあるため、何か騒ぎが起きていると気付かれても、
ここに一般人が来るような事はないだろう。


「はっ・・・・・・! はっ・・・・・・! クソッ・・・・・・!!」


だが、やはり油断は出来ない。油断はしないが不安はある。
人払いのルーンなど、少し腕の立つ魔術師には何の効果もありはしない。
今、自分たちが戦っている"アレ"の仲間の魔術師でも来てしまえば、一発で看破されるだろう。

この状況で増援が来るのはマズい。ただでさえ自分たちは圧倒的に追い詰められている。
そしてそもそも、"アレ"に増援が必要あるとは思えない。


そう、"アレ"。目の前にいる『一方通行(アクセラレータ)』という怪物には。

98 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:17:13.11 ZMJGgkYo 56/457



(くっ・・・・・・! ・・・・・・レッサーは!?)


路地裏からゆらりと出てきた一方通行から素早く離れ、距離を取るベイロープ。
レッサーもまだ無事らしい、洋服店の屋根に登って様子を見ている。


(・・・・・・さすがね。 『新たなる光』の中でも、最強を誇る実力なだけの事はあるわ)


レッサーには特に目立った外傷が見当たらない。『鋼の手袋』を駆使し、上手く立ち回っているのだろう。
だがその表情に余裕は一切見受けられなかった。その呼吸はベイロープと同じく荒いし、
全身汗だく、そしてその目は、未だ信じられない物を見ているかのように見開かれている。

それも当然だ。ベイロープもレッサーも、あんな魔術師は見たことがないし、聞いたことがない。
まず奇妙なことに、一方通行と名乗る彼は、魔術らしい魔術を一切使用してこない。

肉体強化系の魔術を使わなければ、あんな聖人のような動きは出来ないはずなのに。
風の属性を持つ魔術を使用しなければ、背中に竜巻を四つも接続するなんて芸当が出来ないはずなのに。
大地に魔方陣でも描かなければ、局地的な地震を引き起こすことなんて出来ないはずなのに。

99 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:18:23.88 ZMJGgkYo 57/457



(フロリスとランシスは生きてるんでしょうね・・・・・・? クソ、何でこんな・・・・・・)


最初はただ本当に交渉がしたいだけだった。
本物の大天使(レッサー曰く、あれは間違いなく『神の力(ガブリエル)』らしい)を引き連れているほどの
"魔術師"が今、イギリスに来ている。

英国のために戦う『新たなる光』にとって、それはまさしく僥倖、光だった。
これを逃す手はない、と彼女たちは行動に出ることを決めたのだ。


『お引き取り願おうか。 協力だか何だか知らねェが、
 オマエらのお遊びに付き合ってやれるよォな気分じゃねェンだ』


ベイロープは少しだけ後悔していた。一方通行が言ったあんな安い挑発に乗ってしまうなんて、と。
もっとも、一方通行は挑発のつもりで言ったわけではないのだが。


(・・・・・・ホント、話が違うわよ、これじゃ・・・・・・)

100 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:19:13.29 ZMJGgkYo 58/457


それでも、今まで自分たちが英国のために行なってきた事を『遊び』と言われるのは耐え難かった。
だから戦うことで自分たちの実力を見せ、それを踏まえて交渉しようと考えたのだ。

だが、


「・・・・・・もォいいだろ。 さっさと懲りろよ三下共が」


ゆっくり、ゆっくりとベイロープの方へと歩いて来る一方通行。
その体は、まったくの無傷。血はおろか、埃などの汚れすら全く付着していない。
白い肌に白い髪、そして怪しく輝くその紅い眼は健在だった。

ここまで自分たちを追い詰めているのだ、その表情に、余裕の一つくらい見えてもおかしくない。
しかし一方通行の表情は、ベイロープとレッサーを困惑させるものだった。


「・・・・・・どうして、そんな顔をしているの?」


思わずベイロープが聞いてしまう。それほどに彼の表情は、
とても、辛そうなものだった。

101 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:20:06.27 ZMJGgkYo 59/457



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


一方通行は答えない。ただゆっくりと、ベイロープの方へと歩みを寄せてくるだけだ。

今のレッサーならベイロープの方を向いている一方通行の背後をとれるのだが、
なかなか動けないでいた。
一方通行の背後をとるのがどれだけ難しいか、この数分も経ってない戦闘で理解させられている。

後頭部に眼がついているのかと思ってしまうほどに、彼は感覚的に優れていた。
背後から攻撃しようとしたら、彼の背中から竜巻が爆発的に発生し、吹き飛ばされてしまうのだ。

その竜巻だけで、フロリスとランシスはやられてしまった。
生きているのかどうかは定かではない。

『鋼の手袋』を彼に突きつけても、どういう仕組みなのか、なぜか逸らされてしまう。
どんなに強い力を加えても、『防がれる』のではなく『逸らされる』のだからどうしようもない。

絶望的な状況に追い詰められた『新たなる光』だが、それでもレッサーは余裕の表情を作り、一方通行に声をかける。

102 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:21:34.87 ZMJGgkYo 60/457



「ふふん、これで勝ったつもりなんですか? まだとっておきが残ってるんですけどね」

「ねェよ、ンなモン」


即、否定する一方通行。レッサーは少しムッとした表情に変わる。


「ほ~? どうして私達のことを知らないあなたが、何でそんなことを言えるんです?」

「オマエのとっておきってのは、さっきから使ってたその『尻尾』だろ。
 ・・・・・・『霊装』、だったか。 オマエの場合はその『尻尾』が霊装なンだろ。
 で、前にいるあの女は、恐らくそのヘッドホンが霊装だな」


あっさりと、見抜かれてしまった。
レッサーが使用している『尻尾』が霊装だということも、それを駆使しても
一方通行には全く通用していないということも、全て。

しかしここで、ベイロープがさっきの会話に違和感を覚える。


「・・・・・・あなた今、『・・・・・・霊装、だったか』って言ったわよね?」

103 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:23:41.10 ZMJGgkYo 61/457



「あン? それがどォした、違うのか? ま、どォでもいいけどよ」

「あなた、霊装を知らないの?」

「知ってるよ、だから霊装だってわかったンだろ。 つっても、
 耳で聞いた程度にしか知らねェけどな」


そこですかさずレッサーが割って入った。


「魔術師のクセに、霊装を知らないんですか?」

「・・・・・・。 俺は魔術師じゃねェよクソボケ共」


絶句するレッサーとベイロープ。目の前にいるこの男は、魔術師ではないという。
もう何もかもレッサーの言っていた話と違う事に、ベイロープは頭を抱えるしかない。

104 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:24:41.15 ZMJGgkYo 62/457



「ま、魔術師でも何でもないのに、天使を引き連れてるんですか?」

「魔術師じゃなきゃ天使と一緒にいちゃいけねェのかよ?」


そうではない。魔術師でもないただの人間が、どうして天使と一緒に行動をしているのか。
そこが疑問なのだ。人間が御しきれる存在ではないというのに。


「魔術師でもないのに、あんな怪物みたいな力が振るえるワケがないわ」

「お勉強が足りてねェみてェだな。 魔術師じゃなくても、怪物はいる」


ベイロープは眉をひそめる。ではこの男は何者なのかと。
そして、彼の正体にいち速く気付いたのは、レッサーだった。


「・・・・・・学園都市の、能力者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」

「大正解だ。 ご褒美に俺に関わったことを後悔させてやる」


レッサーとベイロープが驚いている間に、一方通行はその場から消えた。

105 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:26:07.34 ZMJGgkYo 63/457



「ッ!! しまっ・・・・・・!!」


もう遅かった。レッサーが『鋼の手袋』を構え始めたときには、


「レッサー、後ろッ!!!」


一方通行はレッサーの腕を掴み、片手で一本背負いをする勢いで、
レッサーを洋服店の屋根から"たたき落とした"。

聞いたこともないような轟音が炸裂する。寂れた商店街に、また一つクレーターが出来た。


「レッサー!!!」


ベイロープは叫ぶが、返事はない。
レッサーは俯せになって地面にめり込んだまま、ピクリとも動かなかった。

106 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:26:58.92 ZMJGgkYo 64/457



「あとはオマエだ、ヘッドホン」

「クッソ・・・・・・!!!」


『鋼の手袋』を地面に突き立て、一方通行から距離を取るベイロープ。
そして彼女は自分の耳辺りにつけている霊装を弄り始めた。
一方通行が怪訝そうな表情を浮かべる。


「とっておきを残してるのは私の方よ!」


彼女の持っている『鋼の手袋』に、変化が起きた。


「『知の角杯(ギャッラルホルン)』。 私達が本気だということ、証明するわ」


彼女の持つ『鋼の手袋』に紫電が走った。
槍を纏うように青白く発光しており、バリッ、パヂッ、と音を発している。

107 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:28:45.83 ZMJGgkYo 65/457



「この『知の角杯』で『鋼の手袋』の知力を加えることによって、
 『新たなる光』の私だけが、雷の属性を部分的に追加出来るのよ」


バヂバヂッ、と音を立てる『鋼の手袋』を一方通行の方へ突きつけるベイロープ。
今更この男に雷属性の攻撃など通用しないだろうとは思ったが、
国のためにもここで自分が引き下がるわけにはいかないのだ。


「それじゃ、行くわ・・・・・・、ん?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐ、く・・・・・・」


一方通行の様子がおかしい。急に片手を頭に添え、呻き出している。
さっきから辛そうな表情を浮かべているなとは思っていたが、
ここにきてその表情が、更に険しいものへと変わっている。

飛びかかろうとしたベイロープだが、思わず動きが止まってしまった。


否、そうではない――。

108 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:30:35.16 ZMJGgkYo 66/457



(この女ァ・・・・・・、このタイミングで雷なンざ見せやがって・・・・・・!!)


苦悶の表情を浮かべる一方通行。
オルソラとアンジェレネに話した、あの実験の時の記憶が鮮明にフラッシュバックされる。

いくら話しかけても実験の遂行を迫る、あの無表情なクローンの顔が。
実験を見られ、激怒した超電磁砲の表情と、彼女から放たれる憎悪が詰まった電撃が。


「く、そ・・・・・・。 頼むから、もォ消えろ・・・・・・!!」


一方通行はベイロープに警告するように言った。
その時、彼女は気付いた。一方通行の後ろで倒れているレッサーが、顔を上げていることに。

あれだけの勢いで地面に叩きつけられておきながら、無事だった?

どうもおかしい。ベイロープは頭を押さえている一方通行に話しかけようとして、


「消えろっつってンだろォがァッ!!!!!」


ベイロープとレッサーはその日、二人目の天使を目撃する。

111 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/11 21:38:26.49 ZMJGgkYo 67/457




                          【次回予告】



『だからね、あの人のこと、受け入れてほしいなってミサカはミサカはお願いしてみたり』
―――――――――――ミサカシリーズの司令塔・打ち止め(ラストオーダー)




『早く向かいましょう。 彼はきっと今、自身と戦っているのでございます』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・オルソラ=アクィナス




『が、あァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『ひ・・・・・・、ひ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
―――――――――――魔術結社予備軍『新たなる光』の構成員・ベイロープ

131 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 17:59:20.38 FPBgUBso 68/457



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以上が、彼から聞いた話でございます」


賭けだった。
オルソラは話している間も、そして今も、終始目を閉じて願っていた。


『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』


返事はまだ聞こえてこない。アンジェレネはさっきから落ち着かない様子で
携帯電話とオルソラの顔を交互に見ている。

話してしまった、一方通行の過去を全て、この打ち止め(ラストオーダー)と名乗る少女に。
もし彼女がこの事を知らないのであれば、オルソラとアンジェレネは最低な行いを働いたことになる。

例えば、一方通行が自分の過去を隠してでも、この少女と過ごしているという身であったなら。
二人は、その環境をブチ壊しにしてしまったということになってしまう。
英国のシスターごときが、そんな事をしていいわけがない。

133 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:00:29.22 FPBgUBso 69/457


だが、オルソラはあえて、全てを話した。この少女との短い会話の中で、
わずかだが一つの確信とも言えるものを得たからだ。
もしかしたら、この少女は、


『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そっか』


やがて、打ち止めは口を開いた。オルソラとアンジェレネに緊張が走る。


『あの人、あなたたちに実験の事を話したんだねってミサカはミサカは理解してみる』

「! では、あなたも・・・・・・?」

『うん、その事は知ってるよってミサカはミサカは伝えてみる』


やはり、知っていた。
オルソラとアンジェレネはホッと安堵の息をつく。
とりあえず、一方通行と打ち止めの絆を引き裂くような真似はしなくて済んだようだ。

134 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:01:32.84 FPBgUBso 70/457



『オルソラとアンジェレネは、あの人と仲が良いの? ってミサカはミサカは聞いてみたり』

「まだ出会ったばかりの間柄ではございますが、私たちは仲良くさせてもらってると
 思っているのでございますよ。 アンジェレネさんもでしょう?」

「は、はい・・・・・・」


そう、そのはずだ。少なくとも、能力者と魔術師だからという理由でいがみ合ったり、
険悪な仲であるということはない。
だが彼は、自分の過去を話し、オルソラ達と距離を置いた。それも突然に。


『あの人が他の人にその話をするなんて、よっぽどの事だと思うよって
 ミサカはミサカは考えてみる』

「と、言いますと・・・・・・?」

『あの人がその話を、自慢したり怖がらせたりする理由で話すことなんて絶対にあり得ないもん
 ってミサカはミサカは断言してみる』

135 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:02:22.02 FPBgUBso 71/457


それはオルソラ達にも分かっていた。
あんな悍ましい話を、そう簡単にペラペラと話すわけがない、話せるわけがない。
彼がそんな人間には見えない事は、十分に理解している。


『オルソラ達は、あの人を暖かく迎え入れてくれたでしょ? って
 ミサカはミサカは予想してみたり』

「え、えぇ・・・・・・。 無下に追い払ったりなど、私たちはしないのでございますよ」


アンジェレネもうんうん、と頷いてみせた。


「もしかして、それがいけなかったのでございましょうか?」

『ううん、あの人も嬉しかったんだと思うよってミサカはミサカは言ってみる。
 あの人をそんな風に暖かく迎え入れてくれる人なんて、こっちにはなかなかいないもん』


こっち、とは恐らく学園都市だろう、とオルソラは考える。

136 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:03:14.26 FPBgUBso 72/457



「だ、だったらなんで・・・・・・」


アンジェレネが打ち止めに尋ねる。嬉しかったというなら、なおさらおかしい。
なぜあんな話をして、自分たちから遠ざかろうとするのか。

そしてそれは、オルソラにはなんとなく分かっていた。


「・・・・・・好意を向けられるのが、怖いのでございますね?」

『そうなんだと思うってミサカはミサカは確信してみる。
 そしてあの人も、自分から好意を向けるのが怖いんだよ』


やはりそうでございましたか・・・・・・、とオルソラは表情を暗くする。

アンジェレネにはとても信じられない話だった。
不器用ながらもあれだけ、優しく、時には面白おかしく振舞っていた一方通行が、
好意を向ける事が、そして向けられる事が怖いだなんて。

137 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:04:32.05 FPBgUBso 73/457



「と、とでもそんなふうには見えなかったんですけど・・・・・・」


思わず呟いてしまうアンジェレネ。打ち止めはそれに対してこう言った。


『多分、今回だけじゃないんじゃないかなってミサカはミサカは予想してみる』

「ど、どういう事でしょうか?」

『今あの人ね、色んな国に行ってるってミサカはミサカは聞いてるの。
 そこでも、あなた達みたいに暖かく迎え入れられてたんじゃないかなってミサカはミサカは思ってみたり』


ベツレヘムの星の欠片を探している、と彼らから聞いた。
イギリスに来るのは二回目で、それ以外の国に行ったというような話は聞いていない。
つまりは、バッキンガム宮殿に行ったときだろうか。


『それだけじゃなくってね、あの人、戦争が終わってから・・・・・・、ううん。
 ミーシャとカザキリに出会ってから、ずっと優しくして、されてきたんだと思う
 ってミサカはミサカは考えてみたり』


ミーシャとの出会い。そこから一方通行の周りの対応、環境が変わってきたと言う打ち止め。

138 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:05:50.04 FPBgUBso 74/457


実際、その通りだった。
一方通行の中で、一方通行も気付かない内に、ストレスが溜まっていたのだ。
それに気付かないほど、彼の環境は転々と変わっていっている。

あれほどの事をしてきた自分に、暖かく接してきてくれる周りの人達。
そんな事には全く慣れていない一方通行は、自分も気が付かない内に困惑していたのだ。

そんな『好意』というストレスがじわじわと溜まっていき、
二度目のイギリス訪問の時に、ついそれが漏れてしまったのだ。


『あの人はね、不器用なの。 オルソラとアンジェレネに実験の話をしたのも、
 それ知った上で、今まで通り接してきて欲しいって願ったんだけど、
 自分の中で諦めちゃったんだと思うってミサカはミサカは確信してみる』


オルソラは歯噛みする。自分も薄々そうなのではないかと気付いていたのに、
彼を追いかけなかった。

139 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:06:39.63 FPBgUBso 75/457



「・・・・・・なぜ、私は」

『・・・・・・今、あの人はそこにいないんでしょ? でもまだ間に合うと思う
 ってミサカはミサカは背中を押してみたり』

「ま、まだ、間に合う・・・・・・」


その時、ほんの少しだが地面が揺れた。
周りの買い物客達も何事かとざわざわ騒いでいる。


「・・・・・・! し、シスター・オルソラ・・・・・・!」

「彼、でございましょうか・・・・・・」

『ミサカもね、あの人が話したクローン体の一人なんだよってミサカはミサカはぶっちゃけてみる』

「え・・・・・・!!?」


二人は驚愕した。彼女が、一方通行に殺されていったクローン体の一人?
確かに彼の話では、クローンは二万体用意されており、半分以上を殺害したところで
上条当麻に阻止され、実験は凍結したと。

141 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:07:31.90 FPBgUBso 76/457



『それでミサカはね、いらなくなったクローンだから、最後の実験で使われて、
 それで廃棄される予定だったんだけど、あの人が助けてくれたのってミサカはミサカは
 顔を赤らめながらお話ししてみたりっ!』

「あ、一方通行さんが・・・・・・」

『うん、ミサカは何度もあの人に助けられたんだってミサカはミサカは改めて感謝してみたり。
 戦争の時も、あの人は助けてくれたんだよ』

「・・・・・・もしかして」


二人は同時に同じことを思ったようだ。
かつて一方通行が能力者の禁忌ともいえる魔術を用いて、一人の少女を救ったという話。
間違いなく、打ち止めの事だ。


『あの人はね、とっても優しい人だよってミサカはミサカは言ってみる』

「・・・・・・えぇ、それはもちろん」

『だからね、あの人のこと、受け入れてほしいなってミサカはミサカはお願いしてみたり』

『これからも仲良くしてあげてってミサカはミサカは頭を下げてみる。 ペコッ』

「は、はい」

142 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:08:17.03 FPBgUBso 77/457


アンジェレネの体を支配していた恐怖も、今はもう霧散していた。
オルソラとアンジェレネは顔を見合わせ、頷く。
彼の元へと急ごう。そして、彼を受け入れてあげよう。


『あ、そうだ。 ミサカともお友達になってくれるかなってミサカはミサカは聞いてみる!』

「えぇ、それはもう。 ぜひ今度、お会いしたいのでございます」

『ありがとう! ってミサカはミサカは感謝してみたり~! じゃあ、あの人によろしくね!』


そう言って、打ち止めは電話を切った。


「早く向かいましょう。 彼はきっと今、自身と戦っているのでございます」




今度はもう、迷わない。



143 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:09:55.06 FPBgUBso 78/457


ランベスのとある寂れた商店街に、カランカランッと、金属が落ちたような音が響いた。
ベイロープが『鋼の手袋』を落とした音だった。
目の前の光景に、彼女の手から握力が無くなってしまった。


「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、あ・・・・・・」


ペタン、と尻餅をつくベイロープ。その口は開きっぱなしで、全身が小刻みに震えている。

そして倒れ伏せていたレッサーも、ブルブルと体を震わせ、全身に嫌な汗をかいていた。
彼女の頭に、鮮明なワンシーンが映しだされる。


(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・思い、出した。 ロシアの時の・・・・・・)

144 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:10:47.09 FPBgUBso 79/457


ベイロープとレッサーの目の前には、黒。


恐ろしいほどに黒々しく、悲しい程に黒々しく、美しいほどに黒々しい。


一方通行の背中から噴出するその黒翼は、二人の戦意を喪失させるのには十分すぎた。


「jkojndが、あnklfjhrァァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!!」


黒翼はもう完全に使いこなしているはずの一方通行の声に、ノイズが混じる。
彼はベイロープとレッサーを虐殺するために黒翼を出現させたのではない。

つい先ほど、ベイロープが行使した『知の角杯(ギャッラルホルン)』による雷属性の付与。
その紫電が、不安定だった一方通行の精神をさらに揺らがせた。
『妹達(シスターズ)』に関する"黒い部分"の記憶が、どんどんフラッシュバックされていく。


「ひ・・・・・・、ひ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


ベイロープは目尻に涙を浮かばせながら、ジリジリと後ずさる。
消えろと言われても、こんなものを見せられたら恐怖で立ち上がれないとでも言いたげな表情だった。

145 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:12:01.19 FPBgUBso 80/457


一方通行の頭の中からはもう、『新たなる光』の事など完全に消え去っていた。
後悔という二文字が、彼の心を乱暴に切り刻んでいく。


(どォして・・・・・・、あンな話を・・・・・・)


自分が少し耐えればいいだけの話だったのに、相手の好意なんて、素直に受け入れればよかったのに。

悔やんでも悔やみきれない過去をいつまでも引きずる自分にも嫌気が差し、
ネガティブな思考はさらに加速していく。


もういっその事、このまま闇に包まれて消えてしまいたいとまで思い始めていた。

その時だった。







「見~つけた、のでございますよー」







146 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:13:50.76 FPBgUBso 81/457

――ロンドン・ランベス とある廃れた商店街


レッサー「!?」ビクッ

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

ベイロープ「あ、え・・・・・・?」


オルソラ「一方通行さん。 道に迷うにもほどがあるのでございますよ?」


一方通行「・・・・・・オ、ルソラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?」

オルソラ「はい、オルソラ=アクィナスでございます」ニコッ

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・く、黒い翼・・・・・!!?」ビクビク

一方通行「オマエら・・・・・・、なン、で、こンなとこに」

オルソラ「なんでって、一方通行さんがいつまでもお店にやってこないから、
     私達が捜しに行ったのでございますよ。 ね? アンジェレネさん」

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」オドオド

一方通行「・・・・・・アン、ジェレネ」

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ。 そ、そうですっ。 あ、あなたが遅いから
       いつまでたってもお買い物が出来ないんじゃないですか!」

レッサー(人払いのルーンを貼っておいたのに・・・・・・、魔術師?
     というか片方のシスターは確か・・・・・・)

一方通行「そォ、じゃねェだろ・・・・・・。 なンで、俺なンかを」

オルソラ「さ、早くお買い物を済ませないと、皆が腹ペコで死んじゃうのでございますよ」

一方通行「オマエら、俺の話を聞いただろォが・・・・・・! なのになンで、」

147 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:15:06.87 FPBgUBso 82/457



「!」


その場にいる誰もが驚愕した。
オルソラは一方通行が何かを言う前に彼に近づき、


優しく、それはまるで母のように優しく、抱擁したのだ。


「あなたの話は、全て聞きました。 それで、あなたは私達にどうしてほしいのでございますか?」


一方通行をギュッと抱きしめながら、オルソラはなおも黒翼を噴出し続けている彼をなだめるように尋ねる。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どォしてほしい、だと? あンな話を聞いたら、普通は引くだろォが・・・・・・!
 平和に暮らしてきたオマエらの元に、突然殺人鬼が襲来して来たンだぞ・・・・・・!?」


一方通行はオルソラを引き離そうと、彼女の肩を乱暴に掴む。
だが、オルソラは決して離れない。

148 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:16:39.72 FPBgUBso 83/457



「バカかオマエら・・・・・・!! まさか俺の話が全部デタラメだとでも言うンじゃねェだろォな!?」

「いいえ、嘘だとは思っていないのでございます。 あなたの大事な人からも聞いた話でございますので」


ピタっと、肩を掴む一方通行の動きが止まった。
今、この女、なんて――――。


「ら、打ち止め(ラストオーダー)さんからお話は全て聞きました。 
 "あなたが話していない部分"まで、全てです・・・・・・」


アンジェレネがそう言うと、オルソラは一方通行を抱きしめたまま、買い物用の手提げ袋に
手を入れ、何かを取り出した。


「あ・・・・・・」


それは一方通行が返してもらうのを忘れていた、彼の携帯電話だった。

149 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:18:01.07 FPBgUBso 84/457



「打ち止めさんから電話がかかってきたのでございます。 真に勝手でございますが、
 私が電話に出させてもらったのでございますよ」

「クソガキから、電話だと・・・・・・?」

「あなたが救った少女というのが、打ち止めさんなのでございますね?」


ギリリ、と歯軋りをする一方通行。打ち止めに旅行土産は無しだと心の中で決定した。
それに、打ち止めから全てを聞いたからと言って、どうなると言うのだ。


「一万人以上の人間を殺しておいて、一人のガキを救ったから許容出来るってか?
 ナメてンじゃねェぞクソシスターどもが・・・・・・!」


そう言いながらも、一方通行の体はほんの少し震えていた。
好意を受け止めるのが怖い、向けるのが怖い。
打ち止めがそう言っていたのだから、きっとそれも本当の事なのだろう。


それでもオルソラは、一方通行の体の震えを止めるように、更に強く抱擁する。

150 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:18:57.01 FPBgUBso 85/457



「私達は、そんなお話をしにあなたを捜しに来たわけではないのでございますよ?」

「な、に・・・・・・?」

「あなたにも色々な過去があったのはわかったのでございます。 それはもう理解しました。
 では逆にお聞きしますが、」


オルソラは一旦間を空けて、そして一方通行に質問した。


「今現在、ここにいるあなたは、私が抱きしめているあなたは、
 "過去に沢山の人間を殺めた時のままの"あなたなのでございますか?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


一方通行は、答えない。

151 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:20:36.88 FPBgUBso 86/457



すると、一方通行の右手に、ほんのりと温かさが伝わってきた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


見ると、アンジェレネがその小さな手で、一方通行の手を握っていた。
その手は震えてはいるものの、彼女の目は何かを決心したような、そんな強い目をしていた。


「私達は、『天使同盟(アライアンス)』としてとても愉快なお友達を引き連れて来た"あなた"と
 居るのが、とても楽しいと思っているのでございます」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「昔のあなたなら、今ここで私達を殺しているはずでございますか?
 でも、私達は今この瞬間も、ちゃんと生きているのでございますよ」


一方通行はもう、何も考えられなかった。
ここまで直接的に好意を向けてくる人間など、今までいなかったからだ。

もっとも、実際は彼に積極的なアプローチを仕掛けている人間は結構いるのだが、
一方通行はそれに気付いていないだけである。

152 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:21:17.50 FPBgUBso 87/457



「今の俺がそォだからって・・・・・・、過去の俺もまとめて受け入れるって言うのかよ」

「はい」


なおも一方通行を抱きしめたまま、オルソラは即答する。
アンジェレネの方に視線を向けると、震えながらも彼女は頷いた。


簡単な話だった。
一方通行がミーシャ=クロイツェフや風斬氷華、垣根帝督を受け入れたように、
オルソラやアンジェレネもまた、彼の全てを知った上で受け入れたのだ。

受け入れはしても、ここまでストレートに受け入れられた経験が無い一方通行は、
それが原因でここまで暴走してしまったのだが、


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


一方通行の背から噴出していた黒翼は、いつの間にか影も形も無くなっていた。

153 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:22:20.64 FPBgUBso 88/457



「さぁ、お買い物へ行きましょう? 一方通行さん」


吐息がかかる距離で、それこそ本当の天使のような笑顔を浮かべながら言うオルソラ。
アンジェレネも頬を赤らめながら、無垢な笑みを一方通行に向けている。


「か、・・・・・・」

「・・・・・・なンだよ」

「か、"帰りましょう"、一方通行さん・・・・・・」


自分のセリフに照れてしまったのか、顔を俯かせたまま動かないアンジェレネ。
その様子を見た一方通行は、思わず苦笑しながらもこう言った。

155 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:23:11.43 FPBgUBso 89/457



「・・・・・・、あァ。 行くか」

「今日は大盤振る舞いなのでございます、無礼講ということでここは一つ、
 宴会でも開くのでございますよ~♪」

「え、宴会って・・・・・・特に理由もないのに」

「『天使同盟』の皆さんをもてなすための宴だと言えば、皆さん納得するのでございますよ」


シスターのくせに無茶苦茶を言い出すオルソラ。
アンジェレネがあたふたしながらオルソラの暴走を止めようと頑張っている。


「・・・・・・、ていうかよォ」

「はい?」

「いい加減離れろよ」


一方通行の顔は、オルソラの豊満な胸に埋まりっぱなしだった。

159 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:33:14.40 FPBgUBso 90/457




                          【次回予告】



『お手頃な値段でワインが売っていたので、今夜はこれで・・・・・・』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・オルソラ=アクィナス




『な、何を言っているのですかあなたは!! シスターである身の私達が、
 酒の席など前代未聞です!!』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・ルチア




『なーんか怪しいですね、何があったのか教えてくれたっていいじゃねぇですか』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・アニェーゼ=サンクティス




『な、何もないですよ。 ね、シスター・オルソラ』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・アンジェレネ




『多分、お前が素直に『ただいま』なんて言うとは思わなかったんじゃないかしら?』
―――――――――――イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』の魔術師・シェリー=クロムウェル




『そういうところもあるんですね、あなたにも』
―――――――――――イギリス清教『必要悪の教会』の魔術師・神裂火織

160 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/12 18:33:46.69 FPBgUBso 91/457








『一人で全部抱え込んでんじゃねえっつってんだよクソボケ』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・垣根帝督




『あァ、・・・・・・すまねェな。 俺はもォ、大丈夫だ』
―――――――――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)






192 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:10:49.46 rlOBCoEo 92/457

――『必要悪の教会(ネセサリウス)』の女子寮


オルソラ「ただいまー、なのでございますよー」ガチャ

アニェーゼ「遅っせぇんですよ全く!! またどっかで道草でも食ってやがったんですか!?」ウガー

アンジェレネ「し、シスター・アニェーゼ。 どうか落ち着いて・・・・・・」ビクビク

風斬「お帰りなさい、皆さん」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あァ。 ただいま」

風斬「え・・・・・・?」

ルチア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

神裂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

シェリー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


        シーン


一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ンだよ」

ルチア「あ、いえ、申し訳ありません」

風斬「ご、ごめんなさい」

シェリー「多分、お前が素直に『ただいま』なんて言うとは思わなかったんじゃないかしら?」ククク

神裂「そういうところもあるんですね、あなたにも」

一方通行「チッ、素直な一方通行ちゃンはお呼びじゃないってか」

193 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:11:51.55 rlOBCoEo 93/457


アニェーゼ「それにしたって今日は遅かったですねぇ。 何かやってたんですか?」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

オルソラ「えぇ。 今ここにはお客さんもいらっしゃることでございますし、
     ここは一つ、パーッと騒いでしまうというのはいかがでございましょう?」

アニェーゼ「いや、そういうことを聞いてるんじゃなくて・・・・・・」

アンジェレネ「ま、まぁいいじゃないですかシスター・アニェーゼ。
       それより早く食事の用意をしましょう」

ルチア「おや、感心ですねシスター・アンジェレネ。 その通りです、
    本来の食事の時間から大幅に遅れています」

オルソラ「今日はいつもより、腕によりをかけるのでございますよー」フンスッ

一方通行「ンじゃ、俺は部屋で待ってるか―――」

アンジェレネ「あ、だめですよ一方通行さん。 あなたも手伝ってくださいね」

一方通行「あァ? 客にモノ手伝わさせるつもりかよてめェは?」ギロリ

アンジェレネ「そうです、手伝わせます」ジトー

ルチア「シスター・アンジェレネ・・・・・・?」

アニェーゼ「何なんですかシスター・アンジェレネまで。 エラい強気じゃねぇですか」

一方通行「・・・・・・」

アンジェレネ「・・・・・・」ジー

一方通行「・・・・・・クソッ、仕方がねェな」チッ

アンジェレネ「ふふ」ニコ

神裂(ど、どうしたんでしょう一体・・・・・・。 オルソラはいつも通りですが・・・・・・)

194 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:12:39.05 rlOBCoEo 94/457


一方通行「ちょっと着替えてくるから待ってろ」カツッ

アニェーゼ「なーんか怪しいですね、何があったのか教えてくれたっていいじゃねぇですか」

アンジェレネ「な、何もないですよ。 ね、シスター・オルソラ」

オルソラ「皆さん、いつも通りなのでございますよ?」ニコー

ルチア「むむ・・・・・・」



風斬「(・・・・・・エイワスさん、あなた何か知ってるんじゃないですか?)」ヒソヒソ

エイワス「(いいや? 私とて森羅万象を把握しているわけではないのでね、ふふふ)」ニヤニヤ

エイワス「それより、宴か。 楽しみだなミーシャ=クロイツェフ?」

ガブリエル「―――――――――――」

エイワス「・・・・・・。 ミーシャ=クロイツェフ」

ガブリエル「――――、gjero何bhpth」ハッ

エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ルチア「なっ!? し、シスター・オルソラ!! これは一体何なのですか!?」ガサッ

オルソラ「お手頃な値段でワインが売っていたので、今夜はこれで・・・・・・」

ルチア「な、何を言っているのですかあなたは!! シスターである身の私達が、
    酒の席など前代未聞です!!」ガルルル

195 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:13:56.40 rlOBCoEo 95/457



――――――――――――――――――――――


一方通行「はァ・・・・・・。 ったく」カツッ カツッ


       ガチャ


一方通行「あン?」



垣根「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ボケー



一方通行「よォ、オマエ生きてたのかよ」ケラケラ

垣根「あぁ? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お前か」

一方通行「オマエ、ずっと部屋にこもってたのか? 何やってたンだよ」

垣根「ん・・・・・・別に。 惰眠だよ、だーみーん」

196 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:15:21.90 rlOBCoEo 96/457


一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やたら疲弊してる様子だが?」

垣根「別に」

一方通行「あっそォ。 まァ何でもいいけどよ」

垣根「あれ、メシまだ出来てねえの?」

一方通行「あァ、今から作るンだとよ。 何故か俺も手伝わさせられるハメになったけどなァ」

垣根「いいザマだな、すっかりシスター共の使いっパシリにさせられてやがる」ケラケラ

一方通行「言ってろ三下」

垣根「ふん」

一方通行「あァー、めンどくせ・・・・・・」カツッ カツッ

垣根「おい一方通行」

一方通行「あ?」クルッ


垣根「格好つけてんじゃねえぞ」


一方通行「はァ・・・・・・? 何を言い出すンだよ急に」

197 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:15:51.83 rlOBCoEo 97/457










垣根「一人で全部抱え込んでんじゃねえっつってんだよクソボケ」









198 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:16:50.21 rlOBCoEo 98/457


一方通行「な、に?」

垣根「俺が気付いてねえとでも思ってんのか?」

一方通行「・・・・・・何の話かさっぱり分かんねェンですけどねェ」

垣根「何度も言わせんな。 俺が気付いてねえとでも思ってんのか」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

垣根「テメェ自身は気付いてねえかもしれねえけどな。 俺は気付いてる」

一方通行「何が言いてェ」

垣根「あの時テメェは言ったよな? 俺とお前は同じだって」

一方通行「あのくだらねェデートの時か」

垣根「そうだ、だから分かるんだよ」

一方通行「・・・・・・」

垣根「大方、周りからの好意に耐えられなくなって、あの『実験』の
   嫌な記憶が今頃になってぶり返してきた、ってとこだろ?」

一方通行「! ・・・・・・エイワスにでも聞いたか?」

垣根「本気で言ってんのか」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

垣根「ふん、・・・・・・一人で抱え込んでりゃ格好いいとでも思ってんのか」

一方通行「そンなンじゃねェよ。 ただオマエらには関係ねェ話だろォが」

垣根「ふざけてんじゃねえぞ、今更関係ないもねえだろうが。
   今の俺達は不本意でも、一蓮托生なんだぞ」

199 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:17:40.90 rlOBCoEo 99/457


一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・不本意ってところは同意だ」

垣根「チッ・・・・・・ガラでもねえこと言わせんじゃねえよ」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





垣根「二度と一人で突っ走るな、クソッたれが」スタスタ





一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あァ」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方通行「・・・・・・すまねェな。 俺はもォ、大丈夫だ」

垣根「わかったんならさっさとメシ作れよパシリ野郎」

一方通行「はいはい・・・・・・」カツッ カツッ

200 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:19:00.10 rlOBCoEo 100/457



――――――――――――――――――――――


垣根「さーて? 今日のメシはなんだよ? ん?」ニヤニヤ

風斬「あ、垣根さん! 今まで何してたんですかもう!」プンプン

垣根「部屋にこもってお絵かきしてたんだ」ケラケラ

風斬「また適当にごまかして。 ずっと寝てたんでしょ」

垣根「あら、バレてた? ははっ」

エイワス「今日は何やら豪勢な食事になるようだぞ?」

垣根「へぇ。 シスターでもそんなことしていいんだな。
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あぁ、エイワス」

エイワス「何かな?」

201 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:19:46.49 rlOBCoEo 101/457


垣根「知ってて隠してたんなら、俺はテメェを殺すからな」

エイワス「おや、怖い怖い。 だが何のことだか分かりかねるな」

垣根「・・・・・・あっそ。 おうミーシャ、今夜は浴びるように酒飲もうぜ」

ガブリエル「kps御binvf意dhg」

垣根「?」

風斬「(・・・・・・天使さん、何だか元気ないと思いませんか? 今日の朝から口数も極端に少ないし・・・・・・)」

垣根「(あぁ、何か変だと思ったらやっぱそうなのか)」

風斬「(どうしたんでしょうか? 何だか私、心配で・・・・・・)」

垣根「(風邪でもひいたんじゃねえの? 天使が風邪ひくなんて笑えるけどな)」ケラケラ

風斬「(笑えません!)」

エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

202 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:21:56.30 rlOBCoEo 102/457

――ロンドン・ランベス とある廃れた商店街


レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ベイロープ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

レッサー「・・・・・・よっこいしょ、っと」ムクッ

ベイロープ「ババくさいわね」

レッサー「放っといてください!」

ベイロープ「はぁ・・・・・・。 さて、フロリスとランシスを回収して、
      さっさと帰りましょうか」

レッサー「何言ってんですか? まだ何も成し遂げてないじゃないですか!」

ベイロープ「は?」

レッサー「まだ私達は天使と交渉すら出来てません! このまま引き下がれるかってんです」

ベイロープ「・・・・・・。 いい? レッサー、よく聞きなさい」

レッサー「・・・・・・何ですか」

ベイロープ「悪いことは言わないからさ、やめときなって。 
      はっきり言ってアイツはね、私達と住んでる世界が違うのよ」

レッサー「次元の違いの話をしてるんですか」

ベイロープ「そうよ。 アイツは私達の手に負えるような連中じゃないわ」

レッサー「そんな馬鹿げた力を持っているからこそ、英国の為に貢献出来るんじゃないですか」

ベイロープ「そんな馬鹿げた力を持っているヤツらが、わざわざ英国のためだけに
      力を貸してくれると思ってんの?」

レッサー「むぐぐ・・・・・・」ムスー

203 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:23:40.87 rlOBCoEo 103/457


ベイロープ「あの『アクセラレータ』って呼ばれてた学園都市の人間。
      いえ、あれを人間と呼んでいいのかすらわからないけど」

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ベイロープ「ホント、アイツは掛け値なしにヤバいわ。 関わるべきじゃない。
      『新たなる光』の存在も危ぶまれるくらい、アイツは危険だわ」

レッサー(ロシアで見たときにそれは十分理解してますよ・・・・・・)

ベイロープ「そしてそんな力を持つやつらが、ほら、」クイッ

レッサー「? ・・・・・・あ」クルッ



フロリス「うぅ・・・・・・、あ、あれ・・・・・・」フラリ

ランシス「あぅぅ~~~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フラフラ

204 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:24:12.63 rlOBCoEo 104/457


レッサー「フロリス、ランシス! 無事だったんですね!」

ベイロープ「あんだけ派手にぶっ飛ばされたのに、ね」

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・! まさか」ドキッ

ベイロープ「そ。 アイツ、何故かは知らないけど、戦闘中もずっと錯乱してたでしょ。
      にも関わらず、"私達全員を無傷で眠らせる"程度の手加減をしてるのよ」

レッサー「・・・・・・私とベイロープは気絶なんてしてませんが」

ベイロープ「その前に邪魔が入ったじゃない。 そうじゃなければ
      私達も今頃はオネンネ中だったでしょうね」

レッサー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

ベイロープ「所詮、アイツらにとって私達なんて障害にすらならないってことよ。
      そんな私達の頼みを、アイツらが聞いてくれるはずがないでしょ」

205 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:26:00.86 rlOBCoEo 105/457


レッサー(・・・・・・でも、あの『アクセラレータ』って人・・・・・・、)

ベイロープ「大丈夫? 二人とも」

フロリス「・・・・・・何でまた看板にめり込まなきゃなんないんだっつーの」グスン

ランシス「はぁぁ~、本当に死んじゃうかと思ったよ」ガクン

レッサー(ずっと私達に"消えろ"って言ってた・・・・・・)

ベイロープ「ま。 また新しく誰かを見つけよう、人間なんて腐るほどいるんだし、
      いざとなったら私達だけでもこの国は守れるんだし」

フロリス「私は最初からそのつもりなんだけどね」

ランシス「もうあんな目に遭うのだけはごめんだなぁ~・・・・・・」ハァ

レッサー(それに、ロシアの時もあの人・・・・・・)

フロリス「? どうしたのレッサー」

レッサー「皆さんは先に戻っててください」

ベイロープ「・・・・・・ちょっとレッサー、あなたまさか、」

レッサー「私はちょっと出掛けてきます! 大丈夫、私達の努力は無駄にはさせません」タッ

ランシス「?」

フロリス「あーあ、行っちゃったよ。 何あれ、どうしたの?」

ベイロープ「はぁ・・・・・・。 知らないわよ、もう放っといて帰りましょう」

206 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:26:40.04 rlOBCoEo 106/457






レッサー(確か彼らは、海岸にやたらデカい船を停めてましたね・・・・・・!)




207 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:28:08.02 rlOBCoEo 107/457

――『必要悪の教会(ネセサリウス)』の女子寮・キッチン


一方通行「あああああああああクッソがァァ!! あと何人前作りゃいいンだよ!?」ジャッ ジャッ

オルソラ「ファイトーいっぱーつなのでございますよー・・・・・・Zzzzzz」

一方通行「一発ぶち込まなきゃ起きねェかなァこの女は!!?」イライラ

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ニコニコ

一方通行「・・・・・・ンだよ、チビシスター」

アンジェレネ「あ、いえ、何でもないです。 早く作っちゃいましょう」

一方通行「何が炊飯器調理法で楽々なのですよー、だ!!
     ここにゃ炊飯器が一台しかねェンじゃねェかよ!!」ギャース

アンジェレネ「ど、ドラコさんは炊飯器の作り方もレクチャーしてましたが、
       さすがに皆、理解出来なかったみたいです・・・・・・」

一方通行「アホすぎンだろォどいつもこいつもよォ・・・・・・。 おいドラコォ!!
     聞こえてっかァ!? 学園都市に帰ったらこの女子寮に大量の炊飯器プレゼントしてやれ!!」

エイワス『了解した、そのように手配しておこう(アレイスターに)』

一方通行「『念話能力(テレパス)』で話しかけてくンな!!」

オルソラ「ふふ、楽しそうで何よりなのでございますよ」ニコッ

一方通行「あ? 何か言ったか? ていうか起きてンなら手伝えクソシスター」

オルソラ「いいえ、何も。 さて、私も全力で取り組むのでございます」

一方通行「チッ。 おいメガネェ!! とりあえずパスタ百人前出来たぞ、持ってけ!」ドカッ

アガター「は、はいっ!」アセアセ

208 : ×エイワス ○ドラコ すみません ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:29:40.97 rlOBCoEo 108/457

――『必要悪の教会(ネセサリウス)』の女子寮・食堂


アガター「ぱ、パスタ・・・・・・ここに置い、ときます、ね!」ドンッ

アニェーゼ「もぐもぐ、あんがとです」ムシャムシャ

ルチア「シスター・アニェーゼ。 口に物を入れたまま喋るのは端無いですよ」

垣根「さっすが『必要悪の教会』の鬼姑。 マナーが良く出来てらっしゃる」ケケケ

ルチア「垣根帝督! いい加減そのネタを引っ張るのはやめなさい!」ムキーッ

風斬「アンジェレネさんもこっちに来ないと食べられませんよね」

エイワス「呼ぶかね? 一方通行の負担が更に多くなるが」

シェリー「構わねぇだろ。 あいつの能力なら料理なんてチョロいものだし」

神裂「ミーシャ? あまり食が進んでいないようですが・・・・・・」

ガブリエル「――――――――――」ハッ

ガブリエル「kephkvsf美味jgwighihwrgh美味hduwdgyfv」ガツガツムシャムシャ

アニェーゼ「おおー、すげぇ食べっぷりですね」

ルチア「だ、大天使様・・・・・・」

垣根「ほら、大天使様があぁやって食ってるんだぜ? あれが本来の正しいマナーなんだよ」

ルチア「そ、そうですね。 では私も・・・・・・!」ガツガツムシャムシャ

アニェーゼ「うわぁ・・・・・・、はしたないってレベルじゃねぇですよ」

神裂「あ、私ちょっとキッチンの様子見に行って来ますね」ガタッ

209 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:31:16.82 rlOBCoEo 109/457



――――――――――――――――――――――


一方通行「クソッ、メシ作りながらメシ食うハメになるとは・・・・・・
     コントやってンじゃねェンだぞ」モグモグ

オルソラ「あら、でもこれはとても効率の良い食事方法でございますよ?」ムシャムシャ

アンジェレネ「あっち、盛り上がってますね」

一方通行「酒も入ってっからなァ。 ・・・・・・酒といえば、オルソラ」

オルソラ「なんでございましょう?」

一方通行「まさかここ、『AIM拡散力酒』なンてモンは置いてねェだろォな?」

オルソラ「えーあいえむ・・・・・・? いえ、そのようなお酒は購入していないのでございます」

一方通行「そォか、ならいい。 (あれを風斬に飲ませたら終わりだからな)」

神裂「大変そうですね、皆さん」ヒョコ

一方通行「おい露出狂、ヒマなら手伝えよ」

神裂「だからこの服装は術式を組むのに有効的だからしょうがないっつってんだろド素人が。
   ・・・・・・そんなことよりお願いがあるのですが」ヒソッ

一方通行「あァ? ンだよ」

神裂「(・・・・・・鯛茶漬け)」ボソボソ

一方通行「は?」

神裂「(た、鯛茶漬けを一つ・・・・・・作ってはいただけませんか)」

210 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:33:06.01 rlOBCoEo 110/457


一方通行「あァ? 鯛茶漬けだァ?」

神裂「シッ! 声が大きいんですよ!!」

一方通行「声が大きいのはオマエだドアホ」

アンジェレネ「鯛茶漬け?」

神裂「い、いえ、何でもないんですよ!」アセアセ

一方通行「何でそンなコソコソすンだよ? 別に鯛茶漬け程度なら作ってやるけど」

神裂「本当ですか!?  わーい、やったー♪」ニマー

一方通行「ガキみてェな顔すンだな、オマエみたいなやつでも」

アンジェレネ「鯛茶漬けってなんですか?」

一方通行「そのまンまだ、茶漬けに鯛の身をほぐしたモンを入れる食い物だ」

アンジェレネ「茶漬け?」

211 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:33:36.06 rlOBCoEo 111/457


一方通行「ったく、あとでオマエにも作ってやっから。 おいカテリナ、
     五右衛門風呂にダシ残ってたよなァ?」

カテリナ「(あ、名前覚えてくれてる・・・・・・) あ、あれは五右衛門風呂ではなく、
     ここで使われてる巨大なお鍋ですよ」

一方通行「風呂だろ、あの大きさは」

カテリナ「ダシは・・・・・・、えぇ。 かなり残ってます」

一方通行「よし、適当な量で作るか。 あ、おいモブシスターども!
     七面鳥が焼けてンぞ、持って行け!」


「「「はいっ!」」」ビシッ


オルソラ「料理長、白身魚の蒸し焼きも出来たのでございますよー」

一方通行「誰が料理長だコラァッ!!」

212 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:34:35.33 rlOBCoEo 112/457


垣根「酒が足りねえな、もっと無えのかよ」

エイワス「ふふ、ここに」ドンッ ズラーリ

ルチア「どこから出したんですか今・・・・・・」

風斬「あ、これ・・・・・・」

エイワス「ん? AIM拡散力酒が気になるかね?」ニヤリ

風斬「私これ、学園都市のすき焼き屋で飲んだことあるんですよ」

シェリー「結構不良なんだなお前・・・・・・」

風斬「な、成り行きですよ、成り行き!」アセアセ

アニェーゼ「ふーん、どれどれ・・・・・・。 ・・・・・・?」グビグビ

ルチア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、ただの水じゃないですかこれ」

垣根「そうだな、味も全く無えし・・・・・・。 美味しいも美味しくないもないだろこれ」

風斬「あれ・・・・・・? そんなことないはずなんですけど」グビッ

エイワス「くくく、さて、これからお楽しみだな」ニヤニヤ

垣根「あ?」

ガブリエル「gkrogjrgh一気jitjhirjh一気gjithtd」グビゴクゴクゴクグビ

アニェーゼ「おおー、大天使様はイケるクチなんですね」

風斬「・・・・・・ぷはっ。 ほらこれ、アルコール結構キツいですよ?」

213 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:36:25.32 rlOBCoEo 113/457


垣根「AIM拡散力場・・・・・・、AIM・・・・・・。 ・・・・・・おいエイワス」

エイワス「どうした、垣根帝督」

垣根「これよぉ・・・・・・、もしかして風斬みたいなヤツにしか分からねえ酒とかか?」

エイワス「さすが学園都市第二位の頭脳を誇る超能力者だな。 察しが良い」

垣根「やっぱそうか。 ワケのわからねえ酒もあるモンだな」

風斬「んー♪ やっぱこれ美味しいです」グビグビ

シェリー「おい風斬、顔が赤くなってるわよ。 水じゃなかったのかよ」

アニェーゼ「場酔い、とかいうやつじゃねぇですかね?」

ガブリエル「―――――――――」トントン

ルチア「はっ。 はい、何でしょうか大天使様」ドキッ

ガブリエル「kghotrhoh一気jgerigjier」ドンッ

ルチア「え、これは・・・・・・?」

エイワス「その生を一気に飲み、ミーシャへの誠意を見せてほしいと言っている」

ルチア「だ、大天使様が・・・・・・私をお試しになられている・・・・・・?」

垣根「生ビール一気飲みで天使への誠意を見せられんのかよ。
   なんか安っぽいな天使」

ルチア「し、シスター・ルチア! いかせていただきますっ!」

アニェーゼ「アホですね」

シェリー「アホだな」

215 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/14 09:43:08.60 rlOBCoEo 114/457




                          【次回予告】



『お待ちどォさンクソッたれども。 今すぐ死ね』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『天草式十字凄教を率いる女教皇ともあろう方が・・・・・・情けない、全くもって情けない・・・・・・』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・ルチア




『ハッ、生の一気飲みで完全に酔い潰れやがったな。 鬼姑の小言が更に加速するぞ』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・垣根帝督




『うん! すっごく美味しいですこの鯛茶漬け!』
―――――――――――イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』の魔術師・神裂火織




『オイ、あくせらぁ』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華

244 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:19:32.31 njp/tEEo 115/457


ルチア「~~~~~~~~~~~~~~~~ッッ!!」グビグビグビグビグビグビ

アニェーゼ「お、おぉ・・・・・・」

シェリー「おいおい、死ぬぞルチア。 やめときなさいって」

垣根「ハハッ、スゲー。 ピッチャージョッキをそのまま一気とは」ケラケラ

ガブリエル「jojypofn一気hverhihj一気jgjhhjhd」パチパチ

シェリー「煽ってやがるこの天使・・・・・・」

ルチア「~~~~~~ッ! ぶへぁ」ドンッ

風斬「す、すごーい・・・・・・」

ガブリエル「hkpthkorh流石kgtphkyjk修道女ikhpyjktn」ギュー

垣根「ひゅー♪ 天使のハグだ、一生モンの思い出になったなぁ」

ルチア「か、感無量です・・・・・・///」フラフラ

245 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:20:10.28 njp/tEEo 116/457


アニェーゼ「駄目だ、面白すぎますね。 アンジェレネを呼んできましょう」ガタッ

エイワス「さぁミーシャ=クロイツェフ、君も天使としての威厳を見せたまえ。 これで」ドカッ

垣根「樽・・・・・・だと・・・・・・」

シェリー「なんか見たことない樽があるなと思ったが、お前が持ってきてたのかよ」

ルチア「この樽・・・・・・、どのくらいの量があるのですか?」

エイワス「三十一米ガロン、まぁおよそ百十八リットルといったところか」

垣根「死ぬから、さすがに死ぬからそれ」

ガブリエル「nhrtohjetho余裕mbrkbmrtkmho」グイッ

シェリー「片手で持ち上げやがった」

246 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:21:23.02 njp/tEEo 117/457



アンジェレネ「な、何ですかシスター・アニェーゼ。 私、キッチンを手伝わないと・・・・・・」

アニェーゼ「そんなモンは世界最強の専業主夫、一方通行に任せときゃいいんですよ。
      それよりこっちで面白いモンが・・・・・・って、えぇっ!?」




ガブリエル「――――――――」ガバチョ ガバチョ




シェリー「これはすごいわね、ちょっとスケッチしとこ」カキカキ

垣根「腹wwww痛えwwwwwwww」ゲラゲラ

エイワス「素晴らしいな、俄然、興味と好奇心が湧いてくる」

アンジェレネ「た、樽を持ち上げて・・・・・・なんか飲んでますけど・・・・・・」

アニェーゼ「これが『神の力(ガブリエル)』・・・・・・」

神裂「いや、それは少し違うと思いますけど」

247 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:22:09.77 njp/tEEo 118/457


アンジェレネ「あ、神裂さん。 鯛茶漬けなるものは?」

神裂「少し待って欲しいということで、戻って来ました。
   しかし皆さん、ちょっとはしゃぎ過ぎじゃないですか?」

ルチア「樽」

エイワス「ん?」

ルチア「樽。 早く」

垣根「おいバカやめとけやめとけ。 あれは天使だから出来る事なんだよ」

シェリー「天使とか関係あんのかよあれは」

ガブリエル「hkgoehjoh完飲gogjejhdb」ゲェプ

神裂「・・・・・・? 風斬氷華?」

風斬「うゆ~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」グデー

248 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:23:18.39 njp/tEEo 119/457



――――――――――――――――――――――


一方通行「・・・・・・ン。 いい具合だ」

カテリナ「これが鯛茶漬け・・・・・・ですか」

一方通行「モブ共。 オマエらも暇があったら食っとけ。
     途中で倒られでもしたらかなわねェ」

アガター「あ、じゃあ少しいただきます・・・・・・」

オルソラ「上手に焼けましたー♪ のでございますよ」ジュー

一方通行「マンガ肉なンざ初めて見たな」

オルソラ「むぐむぐ・・・・・・。 ・・・・・・あれ、あまり美味しくないのでございます」ショボーン

一方通行「生焼けじゃねェのか。 どこが上手に焼けてンだよ」

「一方通行さーん、スープの追加お願いしまーす」

一方通行「ハイ喜ンでー・・・・・・、って、クソッ! ノッちまった」

249 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:23:56.96 njp/tEEo 120/457


オルソラ「そういえばアンジェレネさんが見当たらないのでございますよ」

一方通行「あのクソチビ・・・・・・鍋で煮込ンでやろォか。 おいチビシスター!!!」




「は、はい! すみませんすぐ行きます!」




一方通行「はァ・・・・・・。 ロンドンまで来て何やってンだ俺ァ」

オルソラ「うふふ」ニコー

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 はァ」

アガター「あの、鯛茶漬け持っていったほうが・・・・・・」

一方通行「あァーはいはい、俺が行くよ俺が」

250 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:25:34.87 njp/tEEo 121/457


神裂「あ」

一方通行「お待ちどォさンクソッたれども。 今すぐ死ね」

垣根「なんだそれ?」

エイワス「神裂火織がいつも夜にコソコソ食している鯛茶漬けだな」

神裂「ちょ、何を言っているのですか! ていうか何で知っているんですか!?」

アニェーゼ「それは聞き捨てならねぇですね・・・・・・。 いつも鍋の残り汁が減っていると思ったら・・・・・・」

神裂「あ、あははは・・・・・・。 まぁ細かいことはいいじゃないですか」

ルチア「天草式十字凄教を率いる女教皇ともあろう方が・・・・・・情けない、全くもって情けない・・・・・・」ブツブツ

一方通行「なンか様子がおかしくねェかコイツ?」

垣根「ハッ、生の一気飲みで完全に酔い潰れやがったな。 鬼姑の小言が更に加速するぞ」

ルチア「んん?」クルッ

垣根「っと、怖えな」

一方通行「まァどォでもいいから食えよ、ほら」

神裂「ありがとうございます、いただきます」

シェリー「おい風斬、大丈夫かよお前」

風斬「うみゅー・・・・・・//////」フラフラ

一方通行「ゲェーッ!!? 何でコイツまで酔ってンだ!? まさか、」

アニェーゼ「あぁ。 風斬さんならこの"水"を飲んで・・・・・・。 あれ、何で水でダウンしてんでしょ?」

251 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:27:28.13 njp/tEEo 122/457


一方通行「貸せッ!!」バッ

アニェーゼ「あ、もう」



『英愛受拡散力酒(AIM拡散力酒)』



一方通行「な、なンでこれがこンなとこに・・・・・・!!?」ワナワナ

アニェーゼ「どうしたってんですか一体」

風斬「オイ、あくせらぁ」

一方通行「ッ!!」ビクゥ

風斬「コッチ来てくらさい、コッチ」ヒョイヒョイ

一方通行「くっ・・・・・・! ・・・・・・誰だ、この酒を用意したのは」ギロッ

252 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:28:24.98 njp/tEEo 123/457


アニェーゼ「この人です」スッ

ルチア「コイツ」スッ

シェリー「コイツだ」スッ

垣根「決まってんだろ」

エイワス「そうです、私です」

一方通行「エェェイワスくゥゥゥゥン・・・・・・。 分かってて用意してたなオマエ?」

エイワス「いやいや誤解だよ一方通行。 懐を探ってみたらたまたまあっただけで、」

一方通行「たまたまこンなレアな酒が懐に入ってるワケねェだろォが!!
     風斬が酔ったらどォなるかオマエ知らねェから・・・・・・!!」

風斬「何を騒いでるんですか、あなた」

垣根「"あなた"ぁ?」ニヤニヤ

一方通行「ほォら始まった・・・・・・」ガクッ

253 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:29:43.29 njp/tEEo 124/457


神裂「うん! すっごく美味しいですこの鯛茶漬け!」パクパク

アニェーゼ「確かに。 口当たりさっぱりでどんどん食べれちゃいますね」ムグムグ

一方通行「さて、俺はキッチンに戻―――――、」

風斬「待ちたまえよあくせらクン」ガシッ

一方通行「すき焼き屋の時より悪化してやがる・・・・・・ッ!!」

垣根「こいつは面白え見世物だな。 ぶっ壊れた風斬なんてなかなか見れねえぞ」ケラケラ

シェリー「確かに面白い。 ここは一つ、背中を押してやるか」ニヤニヤ

一方通行「てめェら・・・・・・、ナメた事言ってンじゃねェぞ」

風斬「一方通行さん、覚えていますか・・・・・・?」

一方通行「あァ? ナニをだよ」

254 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:30:25.44 njp/tEEo 125/457




風斬「あの時、公園のベンチで私に言ってくれましたよね? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、
   『こっから先はスクランブル交差点だ。 愛の衝突にご注意くださいってなァ』って」



一方通行「言ってねェェェェェ!!!! どこの平行世界の一方通行ですかァ!!?」

アニェーゼ「す、スクランブル交差点・・・・・・?」

垣根「おい一方通行。 お前俺を笑い死にさせる気か?」

ルチア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ヒック

ガブリエル「khtehthoj説明vsedawkfug要求hrweughg」ジー

神裂「全然意味がわからない口説き文句ですね・・・・・・」

一方通行「だから言ってねェし口説いてもねェよ!!」

255 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:31:47.20 njp/tEEo 126/457



――――――――――――――――――――――


アンジェレネ「あ、お疲れ様です、一方通行さん」

一方通行「ひでェ目に遭った・・・・・・。 あの酒の製造元は学園都市だったな。
     製造工場見つけ出してぶち壊してやる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ボロボロ

アンジェレネ「?」

オルソラ「さて皆さん、どうやら落ち着いてきたようでございますし、
     そろそろ休憩をとるのでございますよー」


「「「はーい」」」


一方通行「ここでメシ食わせてくれ、食堂は今地獄、いや煉獄だな」

オルソラ「煉獄は地獄と違って、浄化が必要な者のためにある場所のことでございますよ」

一方通行「妙な揚げ足取るンじゃねェよ」

256 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:32:16.90 njp/tEEo 127/457


アンジェレネ「あ、あの、これどうぞ。 オニギリという食べ物です。
       神裂さんに教わったんですけど・・・・・・」

一方通行「ン、悪ィな」ヒョイ パク

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ドキドキ

一方通行「うめェ。 疲れきったときはこォいうシンプルなモンに限るな」モグモグ

アンジェレネ「良かった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パァァ

一方通行「あン?」

アンジェレネ「い、いえ。 私も食べよっと・・・・・・」パク

オルソラ「やはりアンジェレネさんは、和食を好むのでございますね」

一方通行「あ? なンで?」

オルソラ「はぁ、何でも胸を大きくするには和食を取ることがポイントだとか何とか・・・・・・」

アンジェレネ「」ポロッ

257 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:33:16.30 njp/tEEo 128/457


一方通行「胸ェ? ハッ、くっだらねェ・・・・・・」

アンジェレネ「く、くだらない・・・・・・」ズーン

オルソラ「あなたように博識な方なら、何か他に胸を大きくする方法をご存知なのでは?」

一方通行「男に聞くことかそれ?」

アンジェレネ「も、もう勘弁してくださいぃ・・・・・・///」

一方通行「エイワス辺りに頼めば一発で爆乳にしてくれるンじゃねェの」

アンジェレネ「ほ、本当ですかっ!?」ガタッ

一方通行「食いつくなよ・・・・・・」

オルソラ「では、聞きに行ってみるのでございますよ」

アンジェレネ「え、えぇ~!?」

オルソラ「悩みなのでございましょう?」

アンジェレネ「うぅ・・・・・・」

一方通行「行ってらっしゃい」

アンジェレネ「あ、あなたも行くんですっ!」ガシッ

一方通行「なンでだよ!? い、嫌だ、やめろ話せェ!」グググ

アンジェレネ「杖没収!」パシッ

一方通行「うおっ、オイ、腕持ち上げンな!」」ドサァ

オルソラ「では、行ってみましょう」ズルズル

一方通行「引きずるなよコラァッ!! これじゃ連行じゃねェか!」ズルルルー

258 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:34:27.31 njp/tEEo 129/457



――――――――――――――――――――――


オルソラ「―――――と、いうわけなのでございますが」

シェリー「お前まだそんなこと言ってたのかよ」

アンジェレネ「お客さんの前で言わなくてもいいじゃないですか・・・・・・///」

垣根「なんだ、そんなことかよ」

オルソラ「ご存知なのでございますか?」

一方通行「おい・・・・・・、風斬、重い・・・・・・」ズシッ

風斬「ふふふ・・・・・・」ギュー

エイワス「一方通行、レディに対して重いとは失礼だぞ」

垣根「胸大きくしたいんだろ? そういう時はな、男に揉んでもらえばいいんだよ」

アンジェレネ「ッッッ!!!?」

259 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:35:13.50 njp/tEEo 130/457


神裂「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」チャキ

垣根「待てよおい、刀を納めろ!! だって聞いたことねえかそういうの?」

ルチア「垣根帝督・・・・・・、あなたはまたシスター・アンジェレネに妙なことを吹きこんで・・・・・・」ギロリ

垣根「チッ、冗談だっつーの。 あとアレだ、牛乳飲むとか?」

アンジェレネ「とっくに実践してます・・・・・・現在進行形で」

ルチア「何度も申し上げますが、修道女に胸など必要ありません。
    修道女たる者が、異性を誘惑するような物を持っていてどうするのですか」

シェリー「もう酔いが醒めたの? ルチア」

ルチア「えぇ。 お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありませんでした。
    深く反省します、もう二度とあんな風にお酒を―――」

ガブリエル「vjv一気fbef」ニコッ

ルチア「―――飲ませていただきます」

垣根「もうダメだコイツ」

260 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:36:36.96 njp/tEEo 131/457



結局、こォなるのかよ。


と、一方通行は深くため息をついた。こんなバカ騒ぎの中だ、
彼がため息をついたことに気付く者など誰一人としていない。

気がつけば、この寮にいるほとんどの人間が騒ぎに参加していた。
風斬は完全にダウンし、シェリーの膝を枕にしてスースーと寝息をたてている。
そのシェリーはこの騒ぎの中でも淡々と酒を口に運んでいた。

アニェーゼ、ルチア、アンジェレネの三馬鹿シスターは長机の上で喧嘩をしている。
どうやら悪酔いしてしまったルチアが自分の胸の大きさを露骨にアンジェレネに自慢し(そんな言うほど無いのだが)、
アンジェレネが激怒、それに乗っかってアニェーゼが二人をからかっているようだ。

神裂と垣根、そしてエイワスは雑談していた。何やら神裂が洗濯機の素晴らしさについて説いている。
垣根とエイワスは口を揃えて『学園都市製の洗濯機はそんなモンじゃない』と更に神裂を興奮させるような
事を言って、三人の雑談は白熱していた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・平和すぎンだろォ」


途中、遠目でそれらの光景を見ていた一方通行の元にカテリナとアガターがやってきて
(一方通行が唯一名前を覚えたモブシスター)、


『もし良かったら、そこで一緒にお話しませんか?』


と、誘ってきたのだが、一方通行は丁寧に断った。そう、丁寧に。
前の自分なら面倒くさそうに断っただろうか。一方通行は自分自身の変化にハッキリと気付き始めている。


(・・・・・・丸くなっちまったなァ、ホント。 丸すぎて光り輝いてそォだぜ)


光など、自分には最も縁のない物だと思っていたが、案外そうでもないらしい。

261 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:37:50.87 njp/tEEo 132/457



「隣、よろしいでございますか?」


今度はオルソラがやってきた。一方通行は彼女の方を見て、


「よろしくねェな。 今俺ァ疲れてンだ、他ァ当たれ」


今度はちょっと刺々しく追い払ってみる。
この辺の素直じゃなさはまだ直っていないらしい。


「うふふ」


と、笑いながらオルソラは一方通行の隣に座ってきた。
相変わらず人の話を聞いていない彼女を見て一方通行は軽くうな垂れる。


やはり、二度目のイギリス訪問で一方通行が一番影響を受けたのは、オルソラという存在だろう。
彼女が居なければ、自分はまた勝手に突っ走り、深い闇へと身を沈めていたかもしれない。

262 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:38:43.43 njp/tEEo 133/457



もっとも、オルソラがいない状況でそうなったら、他の誰かが自分を止めてくれただろうか。
例えば、アンジェレネ。彼女は最初、一方通行を恐れていた。度が過ぎるほどに。

だが、一方通行の過去も彼女は受け入れてくれたのだ。あれほど一方通行を恐れていたのに、
打ち止めとの会話を経て、アンジェレネは笑顔で迎え入れてくれた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱ打ち止めのやつにも、何か土産買ってやっかな・・・・・・」


誰に言うでもなく、一方通行はボソリと呟く。


「それがいいのでございますよ。 私達からも何かをお送りしましょう」


ちゃっかり聞いていたオルソラも、笑顔で同意してきた。

263 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:39:56.44 njp/tEEo 134/457



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺と、」

「?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 俺と喋ってると楽しいって、オマエ言ったよなァ」


唐突に、一方通行はオルソラへ問いかけてきた。


「えぇ。 思わず会話が弾んでしまうのでございますよ」


迷わずそう答えるオルソラ。どうやら嘘ではないらしい。
そして、そこをまだほんの少し疑っていた一方通行もわずかに笑みを浮かべ、


「・・・・・・俺もだよ」


一方通行はオルソラの方から顔を逸らし、続けて言う。

264 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:40:41.14 njp/tEEo 135/457



「俺もオマエと喋ってると、オマエと一緒にいると楽しい」


小っ恥ずかしさをごまかすかのように、グビグビとワインを煽る一方通行。
元々肌が白いため、頬の紅潮がよりハッキリと見える。

あーあ、くっだらねェ、と吐き捨てるように言う一方通行。
様々な異性からのアプローチを無意識に躱してきたあの第一位でも(主に風斬の、だが)、
やはり照れるときは照れるのか。


だが、一方通行がオルソラの様子を窺うためにゆっくりと首を動かすと、


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///」


なぜかオルソラの頬も紅潮していた。

265 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:41:49.13 njp/tEEo 136/457



「なンでオマエが照れてンだっつうの」


それは今までの一方通行とのギャップが原因だ。
あれだけツンツンとしてきた一方通行が、急に素直な気持ちをオルソラに吐露してきたのだ。
オルソラだって、魔術師である前に、シスターである前に、一人の『女』なのだ。


「あ、いえ・・・・・・ふふふ」


頬に手を当て、クスクスと笑うオルソラ。
この仕草はとても可愛らしいものなのだが、やはりこういう事には全く関心を示さない一方通行なのであった。


「つっても、オマエだけじゃねェ」

「え?」

「ここにいるバカ全員だよ。 コイツらも一緒で、やっと楽しい、だ」


どう考えても後付けのごまかしなのだが、オルソラはそんな事でしょげたりしない。


「そうでございますね」


オルソラもゆっくりと頷き、


「私も、皆さんと一緒に過ごせて、とても幸せでございます」


天使のような笑顔で答えた。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ン?」

266 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:42:55.05 njp/tEEo 137/457






「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





シーン、という擬音が出てきそうなほど食堂はいつの間にか水を打ったような静けさに包まれていた。

皆が皆、一方通行とオルソラの方をジーッと見ている。何人かの顔はやたらニヤニヤしてやがった。


「・・・・・・なンだよ、俺の顔になンか書いてあンのか」

「あぁ、絶賛いちゃラブ中ですって思いっきり書かれてるぜリア充さんよ」


垣根が醜悪な笑みでそう答える。
その場にいるほとんどの人間がうんうんと頷いた。

267 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:43:41.87 njp/tEEo 138/457



「誰がいちゃラブしてるってンだよ、あァ!?」


勢い良く立ち上がり猛抗議をする一方通行。
そんな事をしたら余計に誤解が膨らむことを彼は理解していない。


「聞こえなかったか第一位様、テメェだよテメェ」


とても楽しそうにニヤニヤとした表情を浮かべながら一方通行を煽る垣根。
一方通行は垣根に掴みかかり、喧嘩が始まってしまった。
アンジェレネが割って入るが簡単に蹴飛ばされてしまう。神裂は呆れたように首を横に振っていた。

そしてルチアとアニェーゼもくだらない喧嘩を再開し、それを合図に再び食堂は宴ムードに戻っていった。


「んー・・・・・・、一方通行さぁん」

「前途多難だな、お前もせいぜい頑張れよ」


自分の膝の上でムニャムニャと寝言をたてる風斬を、シェリーは適当に励ましていた。

269 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/16 09:52:27.85 njp/tEEo 139/457




                          【次回予告】



『明日にでも俺達は、ここを発つ』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『わ、私は。 ・・・・・・私は、もっとあなたと一緒にいたいのでございますよ・・・・・・』
―――――――――――元・ローマ正教のシスター・オルソラ=アクィナス




『ミーシャ=クロイツェフの様子が少しおかしい。
 時が近いのかもしれない。 来たるべきその時が』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス




『jgjhh皆と。 gjrgj一緒に。 居たfjieいよ』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・ミーシャ=クロイツェフ

304 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:26:12.66 Hnghm86o 140/457


一方通行「ったく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ドカッ

オルソラ「あのー・・・・・・」

一方通行「あ?」

オルソラ「私と一緒にいたら、ご迷惑になるでしょうか?」

一方通行「あァいや、そンな事ねェから余計な心配すンな。
     垣根が頭おかしいだけだ」

オルソラ「そうでございますか、よかった」ニコッ

一方通行「何が」

オルソラ「いえ、何でもございません」

一方通行「ふン。 ・・・・・・、それでだな」

オルソラ「はい」

一方通行「明日にでも俺達は、ここを発つ」

305 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:26:53.19 Hnghm86o 141/457


オルソラ「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方通行「やっぱりよ、いつまでもこォしてるわけにはいかねェンだ」

オルソラ「で、でもしばらくここに居るとあなたは・・・・・・」

一方通行「そのつもりだったがな、俺の心もようやく落ち着いた。
     整理が出来たンだ。 もォここに居る必要も無い」

オルソラ「あ、あの、残念ですがロシア行きの航空機は飛んでいないのでございますよ」

一方通行「それはもォ聞いたっつうの。 そして俺達に空から行くって選択肢もねェって事もな。
     言ってなかったか? 俺達は船でここに来たンだ、だからロシアへもそのまま船で行く」

オルソラ「船でもロシア側の警戒が厳しく、入国出来るかどうかは・・・・・・」アセアセ

一方通行「そン時はもォ強行突破で行くしかねェだろ」

306 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:27:51.32 Hnghm86o 142/457


オルソラ「私はいつまでもあなた方がここに居てもいいのでございますよ?」

一方通行「気持ちだけ受け取っておくぜ。 ありがとよ」

オルソラ「い、いえ、そういう事ではなくてですね・・・・・・」

一方通行「エイワス」

エイワス「あぁ。 話は聞いていたよ」

一方通行「行けるよな?」

エイワス「おや、君らしくないな一方通行。 行けるよなではなく、行け、だろう?」

一方通行「ふン。 そォだな・・・・・・。 なンとしてでも行けるよォにしろ。
     ・・・・・・リーダー命令だ」

エイワス「了解しました、我らがリーダー。 ふふふ」

307 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:28:35.84 Hnghm86o 143/457


オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」シュン

一方通行「どォしたンだよ」

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いくらなんでも、急すぎるのでございます」プクー

一方通行「何頬膨らませんてンだよ・・・・・・? それに急なのはここに来たときもだろ。
     俺達は急に来て荒らしまくって颯爽と去っていく、質の悪い海賊みてェなモンなンだよ」

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プイッ

一方通行(・・・・・・どこかでミスったか、俺? なンか機嫌悪そォだなコイツ)

オルソラ「・・・・・・わ、私は」

一方通行「なンだ?」

オルソラ「私は、もっとあなたと一緒にいたいのでございますよ・・・・・・」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

308 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:29:58.61 Hnghm86o 144/457


エイワス「これはこれは、熱烈なアプローチじゃないか」

一方通行「うるせェぞ」

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ジー

一方通行「こンな俺にそォ言ってくれンのはありがてェンだがよォ」

エイワス「だがすまないな、シスター・オルソラ。 我々もそろそろ
     のんびりしている場合では無くなってきているようだ」

オルソラ「?」

一方通行「今までどれだけのンびりしてきたと思ってンだ? 何を今更な事言ってンだよ
     俺はそォいう意味で言ってンじゃなくてだな、」

エイワス「(ミーシャ=クロイツェフの様子が少しおかしい)」ヒソ

一方通行「(あァ? ・・・・・・確かにやけにおとなしいとは思ってたけどよ)」

エイワス「(時が近いのかもしれない。 来たるべきその時が)」

一方通行「(なンだと?)」

エイワス「(一刻を争うほどでは無さそうだが・・・・・・、私もその辺に関しては尽力している。
      信頼してくれて構わんよ)」

一方通行「(俺がオマエを信頼するよォな日が来ると思ってンのか?)」

エイワス「(ふふ、やはり君は私に対しては厳しいな。 だがそうでなければつまらない)」

一方通行「ふン」

オルソラ「あの・・・・・・」

一方通行「あァ、悪い」

309 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:31:35.07 Hnghm86o 145/457


神裂「オルソラ、そろそろお開きにしましょう。 さすがに夜遅くまで騒ぎすぎました」

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

神裂「・・・・・・オルソラ?」

オルソラ「あっ・・・・・・、ええと、なんでございましょう? 買い足しでございますか?」

神裂「いえ、皆さんもう寝ないと朝が辛いので」

オルソラ「あ、はい・・・・・・」

一方通行「ン、終いか」

神裂「えぇ、このまま行くと朝まで飲む勢いになってしまいます」

オルソラ「皆さーん、そろそろお片付けを始めるのでございますよー」

「「「「「はーい」」」」」

一方通行「オマエにも世話ンなったな。 俺達は明日、ここを出る」

神裂「! そうですか、少し寂しくなりますね」

一方通行「本気で言ってンのかそれ」

神裂「はい。 あなた達と一緒に居るときは、天草式十字凄教の皆と一緒に居るときのように
   楽しいものでしたから」

一方通行「つまり、その天草式十字凄教とやらは、俺達くらい狂ってるって事になるぞ?」

神裂「あ、確かに・・・・・・。 そこまででは無かったかもしれません」

一方通行「おい」

神裂「ふふ、失礼しました」

310 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:32:24.87 Hnghm86o 146/457


一方通行「垣根」

垣根「あぁ?」

一方通行「明日ここ出るから、てめェの荷物片しとけ」

垣根「は? 明日? んだよ、しばらくここにいるんじゃなかったのか?」

一方通行「結局船で行くことに決まった。 エイワスとも話してある」

垣根「ちっ、しょうがねえな」

アニェーゼ「ちょ、ちょっと!! もう帰っちゃうんですか!?」アセアセ

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方通行「あァ。 朝一番にな」

アニェーゼ「まだ貴方と全然ファッショントークしてねぇんですけど」

312 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:33:14.59 Hnghm86o 147/457


一方通行「ンなモンどォでもいいだろォが」

アニェーゼ「むむむ~、納得いかねぇですね」

ルチア「やはり天使様も連れて行かれるのですか?」

一方通行「置いとくわけにはいかねェだろ。 何? 欲しいかコイツ?」

ガブリエル「――――――――」

ルチア「・・・・・・いえ、名残惜しいですが、天使様がこのような場所に
    いつまでもいるわけには行きませんね」

一方通行「理解してくれて助かるぜ、というわけだガブリエル。 いいな?」

ガブリエル「――――――――」エー

一方通行「嫌がンなよ、いや表情変わらねェから分かンねェけど」

ガブリエル「pvd渋々vfbjt御意vn vnsgbb」コクン

313 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:34:15.89 Hnghm86o 148/457


シェリー「おい、お前らがどこ行こうが勝手だがよ、コイツもちゃんと連れていきなさいよ」

風斬「うにゃ~・・・・・・」Zzzz

一方通行「今回は割と早く潰れてくれてよかったぜ、おいガブリエル、運ンでやれ」

ガブリエル「hogjrii了解cnirgvheri」ヨッコラショ

風斬「ぷぇ・・・・・・」

一方通行「朝起きたら風斬に服着させてやってくれ、どォせ脱ぐから」

ガブリエル「hktphrjkth承知fjisehgiw」コクン

アンジェレネ「な、何でそんなことがわかるんですか?」

一方通行「あ? あ、・・・・・・」

シェリー「へぇ、進んでるのねあんた達」

一方通行「そンなンじゃねェよクソボケ!」

314 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:34:59.89 Hnghm86o 149/457


垣根「しょうがねえな、俺の部屋で寝かせてやるよ、風斬は」

一方通行「オマエはさっさと死ね」

エイワス「では各自、自室に戻り速やかに就寝したまえ。 朝は早いぞ」

アニェーゼ「ちぇー、じゃ、私達もそろそろ寝ちまいましょうかね」

アンジェレネ「は、はい・・・・・・」シュン

ルチア「シスター・アンジェレネ?」

アンジェレネ「あ、す、すみません・・・・・・」トボトボ

一方通行「オルソラ、片付け手伝おうか?」

オルソラ「いえ、大丈夫なのでございますよ」

315 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:35:51.29 Hnghm86o 150/457

――『必要悪の教会(ネセサリウス)』の女子寮・エイワスに割り当てられた部屋


    ~AM 03:22~


エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

エイワス(もし、ベツレヘムの星の欠片が私の予測通りの場所にあるのなら)

エイワス(私ではどうすることも出来ないな)

エイワス(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

エイワス(だがそれは、アレイスターにも同じことが言えるのだが・・・・・・)

エイワス(星の欠片がそこにあった場合、アレイスターは何もしなくても
     ミーシャ=クロイツェフを葬る事ができる)

エイワス(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふむ、)

エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くく」

エイワス「やはり物語のクライマックスは、そのぐらいでなければ面白くない」

エイワス「一方通行達がそれを知り、どう解決するのか」

エイワス「実に楽しみじゃないか、なぁアレイスター・・・・・・ふふふ」


      ガチャ


エイワス「・・・・・・、おや。 どうしたのかね、ミーシャ=クロイツェフ」

ガブリエル「――――――――――」

316 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:37:22.68 Hnghm86o 151/457


エイワス「どうした、入りたまえ」

ガブリエル「――――――――――」パタン

エイワス「君がこうして普通に私のもとへ来るということは、皆はもう就寝したか」

ガブリエル「――――――――――」コクン

エイワス「なるほど。 それで? どうしたんだ?」

ガブリエル「gjregj混迷」

エイワス「ほう? 伝令の天使ともあろう君が、何を迷っていると?」

ガブリエル「hhsdv人間界に残るか。 jgrig『座』へfjewi帰すか。
      gjrog現在の。 fje時点で。 jgrog迷いが。 発生fjigしている」

エイワス「・・・・・・ついにこの段階まで来たか。 ある程度言語能力を取り戻したか。
     もっとも、これでも一方通行達との意思疎通は不可能だろうが」

ガブリエル「jogjgo時間は」

エイワス「たっぷりの猶予がある・・・・・・、とは言い難いな。
     欠片が"そこ"にあるとしたら、もう我々では手の施しようがない」

ガブリエル「fnigng彼に。 fjrgj最後。 jgetiojho伝える」

エイワス「そうだな、そのために君は今もこの世へ顕現しているのだから。
     油断をすればすぐにエネルギー体へと歪んでしまうというのに」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「・・・・・・私からも二つ、質問しようか」

317 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:39:39.46 Hnghm86o 152/457


ガブリエル「――――――――――」

エイワス「まず一つ、なぜ今の状態で一方通行に言いたいことを言わない?
     君の最終目的だろう」

ガブリエル「kgroeh永久jfijg顕現gjiregh不可能fjigjbk」

ガブリエル「gkrogj離別jgijg伝言jgrgjers」

エイワス「泣かせるじゃないか、なぜ天使がこれほどまでに一人の人間に執着するのか
     興味があったが、君の場合は異例中の異例だな」


ガブリエル「jgjhh皆と。 gjrgj一緒に。 居たfjieいよ」


エイワス「・・・・・・。 残念だが、現時点ではそれは不可能だよ、ミーシャ=クロイツェフ」

エイワス「それは君が一番良く分かっているはずだ」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「『御使堕し(エンゼルフォール)』の時のような手段を用いて
     再びこの世へ顕現することも出来ないこともないが・・・・・・、
     そのために四属性を再び歪めてしまうのも酷だろう」

エイワス「下手をすれば、君の我儘で再び世界は混沌の渦に巻き込まれる可能性もある、
     というわけだ。 それはそれで実に面白そうなのだがね」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「・・・・・・。 君のことを『神の力(ガブリエル)』と呼んでいるのは一方通行だけだな」

エイワス「それが嬉しいのだろう? 自分自身の本来の名で呼んでくれることが」

ガブリエル「bf,wlfggr肯定jgowgjh」

エイワス「ふふ、いい話じゃないか。 涙が出るな」

318 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:41:13.32 Hnghm86o 153/457


エイワス「だが、どうだろう。 君を召喚し、行使した右方のフィアンマは、
     もう『神の如き者(ミカエル)』の力を失い、君は解放された」

エイワス「その時点で君は、元の『座』に帰していなければならないというのに、
     君は今もこの世に顕現し続けている」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「その時点で、この世に四属性のズレとは違った新たなる歪みが発生しているわけなのだが、
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・君はその事についてどう考えている?」

ガブリエル「ghkoh私は。 dwdfg皆と。 wschtjh居たい」

エイワス「その一辺倒か。 ふふ、困った存在だな天使というのも」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「その思いが、君が大事に思っている一方通行やヒューズ=カザキリ、
     垣根帝督を危険に晒しているのだと、考えが及ばないのか?」

ガブリエル「――――――――――」

319 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:41:58.14 Hnghm86o 154/457


エイワス「・・・・・・なるほど。 それで"混迷"している、というわけか」

ガブリエル「――――――――――」コクン

エイワス「君も不幸な天使だな。 ん、天使が不幸というのも可笑しな話だが・・・・・・。
     私としては彼らが危険に晒されるのも、この世に新たな歪みが発生しつつある事実も、
     愉快でしょうがないのだがね」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「この先も私は『天使同盟(アライアンス)』を"観察"し続けるつもりだが、
     どうする? ここで私を消せば、少しは未来が変わるかも知れないぞ?」

ガブリエル「gjkorgj無意味pngrigri」

エイワス「ふ、やはり君もアレイスターを警戒しているのか。 では明確に言っておこう」

エイワス「このままだと、我々はアレイスターとの衝突を避けられないよ」 

320 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:43:02.09 Hnghm86o 155/457


ガブリエル「ejgoj時が。 gjrt来れば。 sbogr私はjgj守hkhる」

エイワス「不可能だ。 その時が来たら、君は恐らく『悪魔』になっている」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「それでもなお、彼らに執着するのか? ふふ、本当に愉快だな君は。
     あり得んよ、神が書いたプログラム通りに動くだけのロボットである君が、
     ここまで自我を手にすることなどあってはならない」

エイワス「アレイスターが躍起になるのも納得だな、君という存在は危険だ。
     それだけに、私にとっては興味深いのだが」

ガブリエル「――――――――――」

エイワス「ありがとうミーシャ。 一つ目の質問については以上だ。
     最後に、もう一つ質問に答えて欲しい」

ガブリエル「――――――――――」







エイワス「ベツレヘムの星の欠片は、今どこにある?」







321 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:44:05.16 Hnghm86o 156/457

――『必要悪の教会(ネセサリウス)』の女子寮・食堂


    ~AM 5:47~


一方通行「くァ・・・・・・、眠」ボケー

垣根「こんな朝早くじゃなくてもいいじゃねえか」

風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ズーン

一方通行「どォした風斬」

風斬「私・・・・・・、またやらかしちゃいましたよね?」

一方通行「気にすンな、オマエすぐ寝たから大丈夫だったぞ」

風斬「でも天使さんにも迷惑かけちゃったし・・・・・・」

ガブリエル「gregergj平気hktophkot」フフン

風斬「朝はありがとうございます、天使さん。 服まで着せてもらっちゃって」

垣根「あ、脱いだのか」

風斬「ちょ、直球で言わないでください!///」カァァ

エイワス「お早う、諸君。 いい船出日和じゃないか」

一方通行「船ってまだあの海岸に停まってンのかね」

エイワス「問題ないだろう、"どこぞの鼠"が船番をしていてくれたようだしな」

垣根「は?」


神裂「皆さん、おはようございます」

322 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:45:12.13 Hnghm86o 157/457


アニェーゼ「おはよーございまーす・・・・・・ふぁぁ」

アンジェレネ「お、おはようございます・・・・・・」

ルチア「おはようございます、天使様」

ガブリエル「hghdhht同志jbginjn」オッス

ルチア「勿体無きお言葉・・・・・・」ヘコヘコ

一方通行「意思疎通してンじゃねェよ」

オルソラ「おはようございます皆さん。 あら、もう行かれるのでございますか?」

風斬「はい、昨晩はご迷惑をおかけしました」ペコッ

オルソラ「いえいえ、とっても楽しい宴だったのでございますよ」ニヘラ

アニェーゼ「よくもまぁあれだけの食器等を綺麗に片付けられましたね・・・・・・」

一方通行「なンにもしてねェオマエが言うのもアレだけどな」

ルチア「しかし、あなた方がいなくなるとまたここも静かになりますね」

垣根「途中ベロベロになってたお前が言うなっつーの」

ルチア「な、何のことでしょうか・・・・・・」

風斬「名残惜しいなぁ・・・・・・」シミジミ

神裂「是非また遊びに来て下さい」

一方通行「いや今回も別に遊びに来たわけじゃねェけどな」

323 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:46:11.38 Hnghm86o 158/457


オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はァ」

垣根「ん?」

一方通行「おい、オマエら」

オルソラ「?」

アンジェレネ「?」

アニェーゼ「ん? なんです?」

ルチア「?」

神裂「?」


一方通行「今度はオマエらが遊びに来い。 学園都市へよ」


オルソラ「!」

アニェーゼ「私達がですか? でも、」

アンジェレネ「ま、魔術師である私達が学園都市へは・・・・・・」

ルチア「そうですね、抵抗もありますし、何よりそのように気楽に行ける場所ではないかと」

一方通行「知ったことか、そンなモン」

垣根「確かにな、いざとなりゃ俺達に言えよ。 アレイスターぶっ殺してでも入れてやる」

神裂「本当にやりかねませんね、あなた達なら・・・・・・」

324 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:47:22.71 Hnghm86o 159/457


エイワス「ふむ、面白い提案だな。 学園都市へ来るなら、私達を通して来るといい。
     科学のなんたるかを紹介して回ろうではないか」

風斬「あ、いいですねそれ!」

ガブリエル「gjergj賛成nmbgnrihi」

アニェーゼ「頼もしいですね、それじゃ今度、本当に遊びに行っちまいましょうか」

ルチア「・・・・・・天使様がお許しいただけるのでしたら、是非」

アンジェレネ「か、必ず行きますっ! 必ず!」

神裂「気が向いたら、また来ますよ」

垣根「おー、来い来い。 科学に魔術を混ぜあわせてアレイスターに一泡吹かせてやれ」ケケケ

オルソラ「あ、・・・・・・」

一方通行「・・・・・・。 オルソラ」

オルソラ「は、はい」

一方通行「打ち止めも待ってる。 いつでもかかって来い」

オルソラ「・・・・・・!」パァァ

オルソラ「はい、必ずお伺いさせていただくのでございます・・・・・・!」ニコッ

エイワス「第七学区、ファミリーサイドの『黄泉川愛穂』、と覚えておきたまえ」

一方通行「魔術師の溜まり場になりつつあるな、あの部屋」

ルチア「例の"ヨミカワ神"がそこにいるのですか・・・・・・」

325 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:49:14.42 Hnghm86o 160/457


エイワス「では行こうか。 目的地は今度こそ、ロシア連邦だ」

一方通行「オマエが言うなっつうの・・・・・・」カツッ

垣根「じゃーなー。 ルチア、あんま起こると小皺が増えるから気を付けろよ」

ルチア「必ず学園都市へ伺います。 必ず、ね!!」ガルルル

風斬「あの、シェリーさんにもよろしくお伝えください」

神裂「ええ。 まったく、こんな時にもぐーたら寝てあの人は・・・・・・」

アニェーゼ「あでぃおーす。 また語らいましょう一方通行」

一方通行「おう」

アンジェレネ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」タタタッ ギュッ

一方通行「ン、どォしたチビシスター」

アンジェレネ「ぜ、絶対また会いに行きますから・・・・・・!」

一方通行「・・・・・・あァ。 いつでも来いよ"アンジェレネ"」ナデナデ

アンジェレネ「・・・・・・! うんっ///」コクッ

神裂「あ、上条当麻と、あと土御門元春という男によろしくお願い伝えておいてください」

一方通行「りょーかいだァ。 (土御門のヤツとも知り合いなのかコイツ)」

オルソラ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

オルソラ「・・・・・・あら。 一方通行さーん」

一方通行「あァ?」

オルソラ「忘れ物があるのでございますよー?」

326 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:50:19.87 Hnghm86o 161/457


一方通行「何?」

垣根「何やってんだよクズ。 せっかくのお別れムードが台無しだぜ」

一方通行「知るかクソボケ。 オマエらちょっと先行っててくれ」

風斬「あ、はい、わかりました」

ガブリエル「thkjotrtjrtf疑惑hkfojkonj」ムムム

エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふむ」ニヤ





――――――――――――――――――――――


――『必要悪の教会(ネセサリウス)』の女子寮・元、一方通行の部屋


一方通行「あれ、マジだ。 上着忘れてやンの、おかしいな・・・・・・」ゴソッ



オルソラ「一方通行さん」



一方通行「あ? なンだ――――、」クルッ

327 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:50:46.24 Hnghm86o 162/457










――――――――――――――――――――――。








328 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:51:35.70 Hnghm86o 163/457


一方通行「・・・・・・ッ!!? ンな・・・・・・ッ!!!」

オルソラ「ふふ///」

一方通行「なンだ・・・・・・よ!? 何しやがる・・・・・・ったくよォ・・・・・・!!」アセアセ

オルソラ「初めてだったのですが、やはり恥ずかしいのでございますよ・・・・・・///」カァァ

一方通行「知るかクソッたれ!!! あァークッソ、バカ野郎が・・・・・・!!!」

オルソラ「絶対、また会えますよね?」

一方通行「しつけェな、いつでも来やがれってンだ」

オルソラ「五人一緒で、ですよ?」

一方通行「当たり前だ。 『天使同盟(アライアンス)』を何だと思ってやがる。
     あいつらが一人でも欠けるワケねェだろォが」

オルソラ「はい、ではまた、お会いするのでございますよ」

一方通行「あァ。 じゃァな」カツッ




――――――――――――――――――――――




エイワス「これでオルソラ=アクィナスが三馬身程のリードをつけたな。
     しかし攻略ルートには他にも何人かが新規に加わっている・・・・・・、
     ふむ、この私が攻略ルートの考察に苦戦するとは・・・・・・」ブツブツブツ

垣根「何ブツブツ言ってんだコイツ」

風斬「?」

ガブリエル「bjg,hkpeh危機jhortjhot予感gjkotjhot」ウムム

329 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:52:40.35 Hnghm86o 164/457



――――――――――――――――――――――


アニェーゼ「いやーホント、騒ぐだけ騒いで帰りやがりましたね」

ルチア「シスターやってて良かった・・・・・・」

神裂「オルソラ? 何やってたんですか?」

オルソラ「ナ・イ・ショ、でございますよ」フフフ

アンジェレネ「な、何がかはわかりませんが、大きくリードされたような気がする・・・・・・」

ルチア「?」

神裂「上手く行きますかね、彼らは」

オルソラ「ええ、必ず」

シェリー「あ、もうあいつら帰った?」ガチャ

神裂「シェリー、見送りの日くらい早起きしたらどうなんです・・・・・・って、
   今の時間も十分早いですね」

330 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 03:53:32.92 Hnghm86o 165/457


シェリー「目がシパシパする」ボケー

オルソラ「今度、皆さんで学園都市に行きましょうか」

アニェーゼ「マジなんですかその話? あんま乗り気しませんねー
      あの白髪にはまた会いたいですが」

アンジェレネ「わ、私は行きますっ、必ず」

オルソラ「お友達も増えたことでございますしね」

ルチア「お友達?」

オルソラ「うふふ、行ってからのお楽しみ、でございます」




オルソラ(頑張ってください、一方通行さん。 私達はあなた達の成功を、
     心からお祈りさせていただくのでございます)

332 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 04:00:32.96 Hnghm86o 166/457




                          【次回予告】



『何人か轢いちまうかもしンねェ』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)




『いいじゃねえか、蹴散らしちまえよ』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・垣根帝督




『天使さんも沢山お友達が出来てよかったですね』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・風斬氷華




『vmrgrj満足gjegjhd』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・ミーシャ=クロイツェフ




『だが入国は難しいかもしれないな。 各々、戦闘準備も怠るなよ』
―――――――――――『天使同盟』の構成員・エイワス

333 : ◆3dKAx7itpI - 2010/12/18 04:01:01.95 Hnghm86o 167/457






『初めまして、レッサーです。 今日からお世話になりますので、よろしくお願いしまーす♪』
―――――――――――魔術結社予備軍『新たなる光』の構成員・レッサー





続き
一方通行「フラグ・・・・・・じゃねェだろ」  エイワス「まだそんな事を言っているのか」【2】


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