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一方通行「フラグ・・・ねェ」【1】
一方通行「フラグ・・・ねェ」【2】
一方通行「フラグ・・・ねェ」【3】
垣根「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・来た、やっぱり来やがった!!!」ガバッ
打ち止め「おめでとうカザキリ! ってミサカはミサカは複雑だけど祝福してみたり!」
黄泉川「これはマジで普通のデートになっちゃうじゃん・・・・・・、むふ」ニヤニヤ
ガブリエル「aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa」ジタバタジタバタ
エイワス「落ち着きたまえミーシャ=クロイツェフ。 マンションが嫌な揺れ方をしている」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ホッ
風斬「あ、あうぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///////」カァァ
番外個体「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うー」ムスッ
垣根「ほらほら、早く行って来いよ、お二人さん♪ 何なら朝まで帰って来なくていいからよ」ニヤニヤ
風斬「あ、朝までって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//////」
一方通行「ブタの戯言には耳を貸すな」
番外個体「・・・・・・氷華」
風斬「ひゃ、ひゃいっ!?」ビクッ
番外個体「これ、ミサカのケータイ番号、もしあの白い野獣になにかされそうになったら、すぐ連絡してね。
ミサカがすっ飛んでいってこいつ血祭りにしてやるから」ピピッ
一方通行「誰が白い野獣だコラ」
風斬「あ、はい・・・・・・、ありがとう、番外個体」ピピッ
エイワス「くく、若気の至りという事もあるだろう、そこまで警戒しなくてもいいと思うのだがね」
番外個体「あなたは黙っててくれないかな?」
エイワス「おっと、失礼」
風斬「て、天使さん、その・・・・・・ゴメンなさい」
ガブリエル「―――――――」
ガブリエル「mbjbtnmn氷華hfihgin私rhk安心fjwjgigjij」
エイワス「君なら安心して見送れると言っているよ」
風斬「ありがとう、天使さん (今、気のせいかな。 私のこと、名前で呼んでくれた・・・・・・)」
一方通行「・・・・・・おら、さっさと行くぞ」
風斬「は、はい! あの、それじゃあ行ってきますね」
黄泉川「一方通行、青春を謳歌するじゃん!」
一方通行「青春時代を逃しちまったてめェの分までなァ」
黄泉川「ぐ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
垣根「風斬」
風斬「?」
垣根「結果報告、期待してるぜえ」ニヤニヤ
一方通行「あン?」
風斬「な、何でもないです! さ、行きましょうか!」アセアセ
打ち止め「行ってらっしゃーい! ってミサカはミサカは二度目のお見送り!」
一方通行「出てく前に騒ぐンじゃねェよオマエら・・・・・・やりにくい」
―――昨日の夜
垣根「おう、風斬」
風斬「あれ? 垣根さん、寝たのかと思ってました」
垣根「まぁこのあと寝るんだけどよ、それより・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬「?」
垣根「明日のクジ引きなんだけどな」
風斬「! あ、え、はい・・・・・・、なんでしょう?」
垣根「俺の予想だと、明日は風斬。 お前の番だぜ」
風斬「え、えぇっ!?」アセアセ
垣根「まぁ、確証も何も無い、ただの当てずっぽうだがな。 なんとなく、だよ」
風斬「そんないい加減な・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
垣根「でも、俺はお前が来ると思ってる。 心の準備はしといたほうがいいぜ?
第二位からの忠告だ」
風斬「は、はい・・・・・・」
垣根「それで、だ」
風斬「なんですか?」
垣根「お前実際、一方通行の事どう思ってんの?」
風斬「!?」
風斬「え、あ、えと、その・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」モジモジ
垣根「聞いたぜ? 『オマエの帰る場所は、ここだ』だっけ? あいつ、そういうキャラじゃねえクセによ」ケラケラ
風斬「はぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////// 一方通行さん、何もそんなことまで言わなくても・・・・・・」
垣根「でもよ・・・・・・、言いたかねえが、嬉しいよな。 そう言われんの。
居場所がない俺やお前とかは、特にな」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい。 とても嬉しかったです」
垣根「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんだけ?」
風斬「え?」
垣根「嬉しかったです、はい終わり。 だけじゃねえだろ? あ?」ニヤニヤ
風斬「そ、そんなこと・・・・・・/////」
垣根「いやいや、隠さなくてもいいって」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅん、なんて言えばいいんだろう」
垣根「?」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私、夏に入る前の頃に、虚数学区からここに来て、
一人で学園都市をうろついてたんです」
垣根「うん。 (虚数学区・・・・・・だと? 五行機関ってマジの話だったのかよ)」
風斬「そこで初めてお友達が出来て、それも二人。 それで、
魔術師に襲われたんですけど、その内の男の子が私のこと助けてくれて・・・・・・」
垣根「ふんふん。 ・・・・・・え?」
風斬「私は化物なのに、なんで助けてくれるのか聞いたら、『友達だからに決まってる』って
言ってくれたんです。 ・・・・・・あの時は本当に嬉しくて」
垣根「・・・・・・あれれー? じゃあ風斬ちゃんはもしかして、その野郎が好きなのかな?」
風斬「あ、いや、そういうのじゃないんです彼は! でも、あの二人は私の大事な『友達』なんです」
垣根「なるほど・・・・・・。 それで?」
風斬「それで・・・・・・、一方通行さんが私に、私たちに帰る場所をくれました。
一方通行さんは、いつでも私たちを待ってるって、言ってくれたんです」
垣根「(あの野郎、そのセリフがテンプレになってんじゃねえのか?)」
風斬「その時も嬉しくて、泣いちゃったんですけど・・・・・・、何か、その、
彼が友達だって言ってくれた時の嬉さとは、何か違うんです」
垣根「感謝したあとの自分の心境が、ってことか?」
風斬「はい・・・・・・。 なんだろう、彼は大事な友達なんですけど、
一方通行さんは何か、そういうのとは違うんですよ。 上手く言えないけど・・・・・・」
垣根「もう少し詳しく」
風斬「なんていうか・・・・・・無意識に、一方通行さんが視界に入ってるって言うか・・・・・・」
垣根「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いや、それってさぁ」
風斬「距離感が掴めないというか・・・・・・、どう接したらいいのかわからなくて。
こんなこと思うの、初めてなんですよ・・・・・・」
垣根「(おいおいおい、半分冗談のつもりで問いただしてみたが・・・・・・、
これ、もしかしなくてもビンゴじゃね?)」
風斬「うー・・・・・・」シュン
垣根「とりあえず落ち着こうぜ」
風斬「す、すいません・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
垣根「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こりゃもうアレだな、完璧にアレだわ」
風斬「?」
垣根「いや、なんでもねえ。 ・・・・・・とにかくだ、風斬」
風斬「はい」
垣根「お前、自分の番になったら押して押して押しまくってみろ」
風斬「押す?」
垣根「そう、もっとあいつに対して積極的になってみろって言ってんだよ」
風斬「せ、積極的・・・・・・/// ぐ、具体的には?」
垣根「ん? 例えばー・・・・・・、歩くときは手を繋ぐとか」
風斬「えぇっ!!? そんなの無理ですよ・・・・・・」
垣根「大丈夫だってそんくらい。 あいつはお前に対しては寛容的だから」
風斬「そ、そうですか?」
垣根「ああ、俺が保証してやるぜ」
垣根「いつもオドオドしてるばっかじゃ進展しねえぞ? ここは一つ、
積極的になってみてお前のイメージを変えてみるんだよ」
風斬「で、でも私、一方通行さんにそんなことする理由が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
垣根「おいおい、自分の気持に正直になってみろよ。 スッキリするぜ?」
風斬「自分の気持ちに、正直になる・・・・・・」
垣根「お前はもう心の奥底じゃ、自分の本当の気持ちに気付いてるんじゃねえか?」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 一方通行さん、嫌がったりしないでしょうか?」
垣根「しねえって。 仮にしてきたら俺に言え、ボコってやっから」ケラケラ
風斬「・・・・・・わかりました! 頑張ってみます!」キッ
垣根「その調子だぜ。 何なら練習相手として、俺と付き合ってみるって選択肢もあるけど?」
風斬「あ、結構です。 それじゃあ私、そろそろ寝ますね。
垣根さん、ありがとうございます! 何だか私、勇気が湧いてきました!」
垣根「そうか。 何かガラにも無く説教臭くなっちまったぜ。 ま、せいぜい頑張れよ」
風斬「はい! それじゃ、おやすみなさい」
垣根「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で俺、フラれてんの?」
―――――――
――――――
―――――
――――
―――
――
―
――第七学区・大通り
風斬「(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とか言って強気になってたけど、まさか本当に
今日が私の番になっちゃうなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」スタスタ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カツッ カツッ
風斬「(うぅー・・・・・・、どうすればいいんだろう)」アセアセ
一方通行「おい」
風斬「は、はいっ!!?」ビクッ
一方通行「? な、なンだよ、急にでけェ声出すンじゃねェ」
風斬「す、すみません!」ドキドキ
一方通行「オマエ、どっか行きてェとことかあるか?」
風斬「え、えーと・・・・・・一方通行さんに任せます、じゃダメですかね?」アハハ・・・
一方通行「俺? そォだな・・・・・・、つっても、俺もこういう経験は皆無だかンなァ。
どこ行きゃいいとか、そォいうのよくわかンねェンだよな」
風斬「デートとか、したことないんですか? 天使さんは?」
一方通行「ガブリエルのは違うだろどォ考えても・・・・・・。 俺ァ実験漬けだったしな、
デートなんて洒落たモンはしたことねェよ」
風斬「そうでした・・・・・・、すみません」
一方通行「何でオマエが謝るンだよアホ」
風斬「(デート・・・・・・したことないんだ。 ・・・・・・何で私、ホッとしてるんだろ)」
一方通行「ところで、何なンだよそのバッグ。 女物にしてはでけェ気がするが」
風斬「あ、こ、これは・・・・・・まだ内緒です!///」アタフタ
一方通行「?」
一方通行「とりあえず適当にメシ食おうぜ、黄泉川のヤツ、
例によって朝飯出さなかったからなァ」
風斬「そうですね、どこかのお店に入りましょうか」
一方通行「いや、店はやめとく」
風斬「どうしてですか?」
一方通行「これ以上何かやらかしたら、俺もォ本当に出禁になっちまいそォだからな・・・・・・」
風斬「(・・・・・・きっと垣根さんの時に何かしちゃったんですね)」
一方通行「ン・・・・・・、そこでホットドッグ売ってンな。 あれにするぞ」
風斬「はい。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あの」
一方通行「何か昨日以上に周りの視線が痛ェ気がすンだよなァ」
風斬「あの・・・・・・、て、手を・・・・・・繋・・・・・・///」ゴニョゴニョ
一方通行「あン? 何か言ったか?」
風斬「い、いえ・・・・・・すみません・・・・・・///」シュン
一方通行「? まァいいが・・・・・・。 ホットドッグ、売ってもらえなかったらどォしよ」
店員「いらっしゃいませー♪」
一方通行「適当に二つ寄越せ。 俺とこいつな」
店員「かしこまりました。 あ、お二人さんカップルですか? 今キャンペーンやってまして、
カップルの方には二つの注文でも一つ分のお値段でお買い求めいただけるんですけど」
一方通行「いや、違―――」
風斬「そ、そうです!/////」
一方通行「えっ」
店員「はーい、ではこちらプレーンドッグお二つになります! ありがとうございましたー」
一方通行「・・・・・・あのなァ、いくらデートっつったって、あンな嘘ついてまで
徹底する必要無ェぞ? 所詮、黄泉川主催のクソ企画だしよォ」モグモグ
風斬「あ、ああ言ったほうが安くなってお得じゃないですか!////」ガツガツ
一方通行「まァそォだけどよ・・・・・・ (何でこンながっついて食ってンだこいつ・・・・・・)」
風斬「・・・・・・。 むむ、私のホットドッグ、すごい美味しいですよ!
一方通行さん、良ければ一口どうですか!」ササッ
一方通行「いや・・・・・・同じの頼ンだンだから意味無ェだろ」
風斬「そ、そうでした・・・・・・・・・・・・・・・・・・・失敗した」ボソボソ
一方通行「(何なンだ今日のこいつは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)」
一方通行「で、どっか行きてェとこ無ェのかホントに」
風斬「お任せしますよ、一方通行さんが行くとこならどこへだって行きます」
一方通行「そォかいそォかい、それじゃァ朝からホテルでもいいンだなァ?」
風斬「!!? ・・・・・・か、構いません!!」
一方通行「おい冗談だ冗談。 オマエさっきからどっかおかしいぞ」
風斬「うぅ、ごめんなさい・・・・・・。 その、こんな風にこうして二人でお出掛けするのって、
初めてじゃないですか。 それで少し緊張しちゃって・・・・・・」
一方通行「あンだけ裸見せつけといて今更何が緊張だ」
風斬「あ、あれは忘れてくださいって言ったじゃないですかぁ~~!!/////」ポカポカポカ
一方通行「痛ェ痛ェ! わかってる、すぐに消去するから叩くンじゃねェ!」
一方通行「それにしても、オマエみてェなやつがこのクソ企画に乗ってくるなンてな。
オマエだけでも真っ先に逃げればよかったじゃねェか」
風斬「え・・・・・・、いや、それは、その・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「俺なンかと出掛けたってつまンねェだろ」
風斬「そ、そんなことありませんよ!!」クワッ
一方通行「ッ!!? そ、そォか?」ビクゥ
風斬「はい! あの、むしろ一方通行さんは・・・・・・私と居て楽しいですか?」
一方通行「楽しいもなにも・・・・・・、あのメンツじゃオマエが一番まともじゃねェか」
風斬「そんなことは・・・・・・」
一方通行「垣根は男だから論外として、ガブリエルは一緒に居ると何が起こるかわかンねェし。
エイワスはさらに終わってやがるな、あいつと一緒に居るくらいなら死ンだほうがマシだ」
風斬「ひどい言われよう・・・・・・、でもエイワスさんなら今のも
『なるほど、興味深い見解だ』とか言いそうですね」クスッ
一方通行「確かにな・・・・・・。 で、そォ考えるとオマエと一緒に居るのが一番いいってこった」
風斬「あ、ありがとうございます・・・・・・///////」カァァ
一方通行「いやお礼言うとこじゃねェだろ今のは」
風斬「ううん、嬉しいです」ニコッ
一方通行「そォかよ。 ったく、てめェもやっぱ変なやつだ」
一方通行「(ま、酒が入るとダントツで風斬が一番うざってェンだがな)」
一方通行「おォ、そォいやこないだ禁書目録に会ってきたわ。
イギリスから帰った直後のとき」
風斬「え! じゃああの時、彼のいる学生寮に?」
一方通行「あァ、一応ロシアの時の礼を言いにな」
風斬「・・・・・・元気にしてました?」
一方通行「ウチのクソガキと同じくれェな。 ありゃもォ問題無ェだろ」
風斬「そっか、よかったぁ・・・・・・」ホッ
一方通行「オマエにも会いたいって言ってたぞ。 今度会いに行ってやれよ」
風斬「はい! 必ず」
一方通行「三下とも見事にバカップルっぷりを披露してやがったぜ」クカカッ
風斬「! 彼と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「さて、どォすっかな・・・・・・。 イギリスとか行ってきた俺らが、
いまさら学園都市で時間潰せっつってもなァ・・・・・・」
風斬「垣根さんとはどこへ行ってたんですか?」
一方通行「あァー、あ。 あれだ、第六学区だっけ」
風斬「第六学区って、アミューズメント施設が多いところですよね」
一方通行「あァ、垣根とは話し込ンでただけだったから遊ンでねェンだけど、
とりあえず行ってみるか?」
風斬「わかりました、なんか面白そうですね!」
一方通行「ゲーセンとかそォいう娯楽施設があるだけだった気がすンだよなァ。
あンま期待しないほうがいいと思うぞ?」
風斬「(・・・・・・そっか、あの子、彼と上手くやってるんだ・・・・・・)」
風斬「(・・・・・・私も、頑張らないと・・・・・・って、頑張るって、何を・・・・・・///)」
風斬「な、何を頑張るっていうんだろ」
一方通行「は?」
風斬「はっ、いえ・・・・・・すみません///」アセアセ
一方通行「ボケてンのかこいつ・・・・・・」
風斬「(・・・・・・ちょっとくらいは大胆になっちゃってもいいのかな・・・・・・。
垣根さんも積極的になれって言ってたし。 アテにならないけど)」サッ
ギュッ
一方通行「あン? どォした、手なンか握ってきて」
風斬「だ、だだ、だってあのその! 一方通行さん、歩くの早い、から、その/////」ドキドキドキ
風斬「(大丈夫、あの子だって頑張ってるんだもん。 私も・・・・・・!)」
一方通行「ン、そォか? 悪かったな」
風斬「い、いえ、でもこれで大丈夫ですね!」ギュゥゥゥ
一方通行「痛ェンですけど・・・・・・」
風斬「あ、ご、ごめんなさい!」
風斬「(こんな感じでいいのかなぁ・・・・・・)」
――第六学区・とあるアミューズメント施設
風斬「なるほど・・・・・・、ゲームセンターがすっごく大きくなったって感じですね」
一方通行「ま、その認識で間違ってねェな」
風斬「あ、でもあそこ、ビリヤードとかダーツがあるって書いてありますよ!」
一方通行「地下施設もあンのか・・・・・・、ボーリングとかもあるみてェだな。 どォする」
風斬「予想以上にたくさん遊べるところがあって、悩んじゃうなぁ・・・・・・。 あ、」
一方通行「?」
風斬「カラオケボックスもあるんだ・・・・・・」ジーッ
一方通行「え、何オマエ、カラオケとか興味あンの?」
風斬「一度言ってみたかったなぁーって思ってたんです。
カラオケってそもそも、何の略なんですかね?」
一方通行「伴奏無しって意味の同義語で空演奏って言葉があって、空演奏だから空オーケストラ、で、略してカラオケ。
だったよォな気がする、元々は業界用語じゃなかったか? よくわかンねェけど」
風斬「へぇー、知らなかったな・・・・・・。 い、行ってみませんか?」
一方通行「まァ別にいいけど。 俺カラオケなンて行ったことねェ」
風斬「私も初めてです」
一方通行「オマエ、歌のレパートリーとかあンの?」
風斬「あ、はい、少しくらいなら今時の曲も歌えると思います、えへへ・・・・・・///」テレテレ
一方通行「俺、テレビで流れてるよォなのしか知らねェや」
カラオケボックス・『シェオールフィア』 666号室
風斬「こ、個室・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「そりゃカラオケボックスだからァ」
風斬「この電話はなんですか? これで誰かと話せるんですかね?」
一方通行「あれだろ、メシとか注文するときに店員に連絡するための電話だろ」
風斬「ほぇー・・・・・・。 ここのテレビ、音楽番組ばっかりやってる」
一方通行「カラオケボックス専門のチャンネルでもあるンじゃねェの」
風斬「このタンバリンは?」シャラシャラ
一方通行「採点で評価が低かったヤツのケツをぶっ叩くためのモンじゃねェか?」パチッ
風斬「えぇっ、なんでわざわざタンバリンで・・・・・・」ゾッ
一方通行『あー、テステス、テステス』キーン
風斬「わぁー、何かこうやってマイク持ってると、アイドルになった気分ですね♪」フリフリ
一方通行「ハシャいでンなァ・・・・・・。 ほら、ここから歌いてェ曲探せよ」ドサッ
風斬「うわ、分厚いなぁ。 私が知ってる曲あるかな・・・・・・」パラパラ
一方通行「とりあえず、一発目は俺からいかせてもらおォか」
風斬「おぉー! 意外ですね、トップバッターを申し出るなんて」
一方通行「こォいうのは誰かがさっさと歌わなきゃ始まらねェンだよ」
風斬「何歌うんですか?」
一方通行「『ドラゴン☆まじっく!』 超機動少女カナミンのオープニングだァ」パチッ
風斬「」
風斬「か、カナミンですか・・・・・・。 そういうのも好きなんですね」
一方通行『あン? あ、言っておくが俺が好きなンじゃねェぞ!!?
クソガキがいつもいつも狂ったように見てやがるから覚えちまったンだ!!』キーン
風斬「(それでも一方通行さんがカナミンを選曲してることに驚きだなぁ・・・・・・)」クスッ
一方通行『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
風斬「私も歌おうかな、カナミン。 インテグラルのオープニング」
一方通行『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
風斬「こう見えても私、案外古い曲とかも知ってるんですよ」
一方通行『そォいうのどこで覚えてくンの?』
風斬「ロシアに行く前は学園都市をうろうろしてばっかりでしたから、
その時にCDショップとかも何回も立ち寄ってるんです」
一方通行『へェ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
風斬「あ、本によっても載ってる曲に違いがあるんだ・・・・・・。
この薄い本は最新曲ばっかり載ってる」パラッ
一方通行『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
風斬「うーん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」パラッ
一方通行『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの、歌わないんですか?」
一方通行『・・・・・・いや、つゥか。 なンで曲が流れてこねェンだ?』
風斬「えっ」
一方通行『イントロが流れてこねェと歌いよォがねェだろォが』
風斬「あの・・・・・・、さっき店員さんがこれで操作するって言ってましたけど」スッ
一方通行『なンだこりゃ・・・・・・リモコン? あ、これで曲が流れるのかよ』ピッ ピッ
風斬「ふふっ」クスッ
一方通行『ちっ・・・・・・、何笑ってンだよてめェ』
風斬「あ、すみません・・・・・・。 でも、一方通行さんもそういうとこあるんだなぁって思って・・・・・・」クスッ
一方通行『ちくしょう・・・・・・、とンだ恥かいちまったぜ』ピピッ
風斬 (可愛らしい一面もあるんだ・・・・・・、知らなかったな)
ちゃっちゃらららら~♪ ちゃーちゃっちゃっちゃ ちゃっちゃちゃちゃんっ♪
一方通行『いーっつも 夢見ーてる あの人のー 笑顔 想うとー♪』
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プルプル
一方通行『火照って火照って 悶えーるのー♪』
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぷぷっ」プルプル
一方通行『あーくの そーしきーを 蹴散らーして 颯爽登・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』ピタッ
風斬「ぷくく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」プルプル
一方通行『笑いたきゃ笑えよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
風斬「はっ! す、すみません!」ギクッ
一方通行『クソ・・・・・・、歌のレパートリー増やしとかなきゃなンねェな』
――第七学区・ファミリーサイド 黄泉川宅
エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
打ち止め「あ、あの人また目ぇ閉じて黙ってるってミサカはミサカは不思議がってみたり」
番外個体「多分ああやって二人を監視してるんでしょ、悪趣味だなぁ」
芳川「あら、そんなこと出来るの?」
エイワス「これくらいなら造作も無いよ。 それに私が見ているのは必要最低限の範囲内だ。
極力プライベートな場面は避けるようにしているから安心したまえ」
番外個体「プライベートな場面ってなんだよ・・・・・・」
エイワス (しかしまさかヒューズ=カザキリがな・・・・・・、AIM拡散力場の集合体であっても、
そういった感情を持てるのか。 非常に興味深いな)
垣根「なあ、あいつら今どんな感じだ?」
エイワス「すまないな垣根帝督、逢引内容は極秘事項として取り扱わせてもらっている」
垣根「んだよケチぃな。 お前だけ監視できるとか卑怯じゃねえか」
エイワス「監視しているだけだ。 私が何らかの介入をすることはないよ」
垣根「ちっ、覗き野郎が。 俺の時もそうしてたのかよ」
エイワス「口外はしていない、心配はいらんよ」
ガブリエル「――――――――――」ソワソワ
エイワス「ふふ、お互い出番が楽しみだな、ミーシャ=クロイツェフ」
始まりは、第三次世界大戦。
大事な『友達』を助けに行くためにロシアへ向かい、大天使と闘った。
そして戦いを終えた彼らは、二人だけの幸せを築くことが出来た。
自分は、どうだろうか。
大戦時に出会った、ミーシャ=クロイツェフ。
そして、一方通行という少年。
彼らと学園都市に帰ってからの日々は、物凄く充実していた。
一人で学園都市を歩きまわることもなくなり、側にはいつも彼がいてくれた。
一体、誰が想像できただろう。こんなバケモノの集まりでも、楽しく日々を過ごせることが出来るなんて。
彼は、バケモノの私に居場所をくれた。
自分を拒絶することもせず、全て受け入れてくれた。
ミーシャ=クロイツェフとも、今では心を許しあえる友達になれている。
ロシアでは、あんなに激しく戦っていたというのに。
エイワスは・・・・・・、どうだろうか。もうだいぶ慣れてきたが、それでもまだ心のどこかでは信用出来ていない。
でも、『天使同盟』のことを一番よく考えてくれているのもエイワスだと思う。
自己満足のためだと一方通行は言っているが・・・・・・。 自分がここにいる理由も自己満足なのかもしれない。
垣根帝督は、人間として一方通行の支えになってくれる気がする。
バケモノだらけの『天使同盟』で、人間という存在は貴重だ。
一方通行との仲は険悪なようにも見えるが、エイワスの言っていたとおり『喧嘩するほど仲が良い』という見解は当て嵌ると思う。
ここは楽しい。ずっとここに居たいと、今なら胸を張って言うことが出来る。
自分は、学園都市に顕現した頃と比べたら、だいぶ変われたと思う。
でも、もっと変わらなきゃダメなんだ。
彼らが幸せを築き、変わったように。
自分も、自分の気持ちに正直に―――――。
一方通行『狙え! 凛と煌く視線は 狂い無く闇をー切ーり裂ーく
迷いなーんて 吹ーき飛ばせばいい
この心がー、叫ぶ限ーりー 誰ひーとりー邪ー魔などーさーせないー』
一方通行「(なンとなくだが、これ俺が歌っちゃマズいだろォ・・・・・・)」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふふ」
一方通行『なンだよ、俺そンなに歌ヘタかァ?』
風斬「ううん、そうじゃなくて―――」
風斬「楽しいなって、思っただけです」ニコッ
一方通行『? あ、そォ』
風斬「あ、間奏終わりますよ」
―――――――♪
一方通行「はァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬「わー」パチパチ
一方通行「やめてくれそォいうの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬「得点が出ますよ、今のところは私の九十七点が最高記録です!」フンスッ
一方通行「ちィ・・・・・・、こいつがこンなに歌上手かったとは・・・・・・」
ドゥルルルルルルルルルルルルル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ デデン!!
機械音声『二十七点!! ぎゃはははははははは!!! ダッセーなぁ一方通行!!!
そんなんじゃいつまで経っても女にモテねぇぞぉ!!!?』
一方通行「二十七点だとォ!!? 採点基準おかしいンじゃねェかこのポンコツ!!!
つゥか何で採点機が俺の名前知ってンだよ!? しかもどっかで聞いたよォな口調―――」
風斬「えいっ!」バチーン
一方通行「!? 痛ってェな!! 何しやが―――」
風斬「えいっ! えいっ!」バチーン バチーン
一方通行「ちょ、どォしちゃったンですかァ風斬さン!!? 何で俺のケツ叩くンだよ!?」ヒリヒリ
風斬「え、だってこのタンバリン、得点が低い人のお尻を叩くための物なんですよね?」シャラシャラ
一方通行「本気で信じてンじゃねェよバカ野郎!! そりゃ合いの手のための楽器で―――ぐおっ!!」バチーン
風斬「音痴な一方通行さんには、お仕置きが必要です! とどめはゴールドフォルテバーストですよ!」
一方通行「ほわわわわ~~~~・・・・・・、って誰がやるかァ!!!」ガシャーン
風斬「私の勝ちは、もう揺るぎありませんね」
一方通行「ちくしょォ・・・・・・、タンバリンでひたすらケツ叩かれるとかどォいうプレイだよ・・・・・・」ヒリヒリ
風斬「あ・・・・・・。 ご、ごめんなさい・・・・・・、ちょっと調子に乗りすぎちゃいましたね・・・・・・」シュン
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あァー、別にそこまで落ち込むこともねェだろォが」
風斬「え・・・・・・?」
一方通行「やっと俺に対して遠慮が無くなってきたと思ったが、それじゃまた逆戻りだぞ」
風斬「・・・・・・それってどういうことですか?」
一方通行「なンかよくわかンねェけど、オマエが俺に対する今までの態度は改めよォ、
みてェなことを考えてるのはわかってンだよ」
風斬「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギクッ
一方通行「ま、俺から言わせりゃそっちの方がいいンだけどなァ」
風斬「え?」
一方通行「オマエ、俺に対して遠慮しすぎなンだよ。 他のやつらを見てみろ。
ガブリエルなンかスキがありゃ抱きついてきやがるし、エイワスは遠慮無く自分のためだけに
俺達を振り回しやがる。 垣根の野郎も常に俺に喧嘩売ってきてる態度だしなァ」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「・・・・・・いや、今例として挙げたやつらはちょっと異常すぎるか。
まァでも、打ち止めや番外個体なンかも似たよォなモンだろ?」
風斬「はい・・・・・・、じゃあ私も」
一方通行「あァ、もォちょい素直なくらいの方が可愛げがあるぞ。 オマエの場合な」
風斬「か、可愛げ・・・・・・////」
一方通行「まァ、さっきハートキャッチされた時はどォしてやろォかと思ったが・・・・・・」ヒリヒリ
風斬「・・・・・・、ありがとうございます」
一方通行「あァ?」
風斬「やっぱり一方通行さんは優しいですね」
一方通行「くだらねェこと言ってンじゃねェよメスガキ。 襲っちまうぞ」
風斬「・・・・・・でも、優しいですよ」
だから私は、あなたのそういうところが―――――。
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////」
一方通行「どォかしたか?」
風斬「い、いえ、何でも無いです。 それより、そろそろ時間じゃないですか?」
一方通行「そォだな、それじゃ出るか」
風斬「はい。 あの、また一緒に行きましょうね」
一方通行「気が向いたらなァ」
風斬「ふふ・・・・・・。 次、どこ行きます? お昼までまだ時間ありますけど」
一方通行「どこかリクエストはあるかァ?」
風斬「うーん・・・・・・。 あ、映画とか観てみたいなーなんて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「映画か・・・・・・まァ無難なとこだなァ」
風斬「どういう映画がやってるかとかは知らないんですけど・・・・・・」
一方通行「俺も詳しくは知らねェ。 だから適当な作品観ときゃいいだろ。
ただな、」
風斬「?」
一方通行「B級、C級の映画はやめとくぞ。 観るなら誰もが知ってるよォなモンにする」
風斬「面白くなさそうだからですか?」
一方通行「それもあるが、B級、C級ともなるとGPSでもわからねェよォな場所に
映画館があったりするンだよ。 で、なンかそういう映画館に行くと
クソ面倒なことになりそォな気がすンだよな。 だからパス」
風斬「よくわかりませんが、あなたがそういうなら私は構いませんよ」
一方通行「そォかよ。 ま、だが第六学区の映画館ならそンなマイナークソ映画なンざやってねェだろォ」
風斬「そうですね、じゃあ行きましょう!」
――第六学区・とある映画館
風斬「色んな種類の映画がやってますねー・・・・・・」ホェー
一方通行「目がチカチカしやがる。 オマエ、選べよ」
風斬「んーと・・・・・・、じゃあこれなんてどうですか?」
一方通行「・・・・・・二本立てって正気かオマエ。 しかもこの時期にホラーかよ。
ンでもう一本は恋愛モノ。 オマエこォいうのが好きなわけ?」
風斬「ホラーは見たことないからよくわからないんですけど、純愛モノが気になるなーと思って
・・・・・・ダメですか?」
一方通行「・・・・・・まァ選べっつったのは俺だしなァ。 仕方ねェ、それにすンぞ」
風斬「はい」
――――――――――
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・席ガラガラじゃねェか」
風斬「そうですね・・・・・・、チケット売り場はあんなに人がいたのに」
一方通行「もしかしてこれ、とンでもねェクソ映画なンじゃねェの?」
風斬「み、観てみないことにはわかりませんよ!」
一方通行「まァそりゃそォだが・・・・・・。 まァいい、適当に座っとけ。
なンか買ってくる」
風斬「ありがとうございます、じゃあポップコーンを」
一方通行「・・・・・・オマエほンっと、ベタだなァ」
風斬「あ、憧れてたんです/// ポップコーンを食べながら映画観るの・・・・・・」
一方通行「あっそォ。 じゃ、買ってくるわ」
スタッフ「いらっしゃいませー」
一方通行「ポップコーンの塩、Mで二つ」
スタッフ「ありがとうございます、少々お待ちください」
女性客A「ねぇねぇ、聞いた? 今ここでやってる二本立てのやつ!」ヒソヒソ
女性客B「聞いた聞いた! 第六学区で珍しくC級映画やってるって、それのことでしょ?」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
女性客A「あっぶないよねぇ~! ここだから安心、なんて思って観てみたらつまんないなんて、
笑い話にもなってないよ~」
女性客B「あっはは、それ言えてる~~~~!!!」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
スタッフ「お待たせしました、どうぞ」トンッ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさかな」ボソッ
やがて一方通行がポップコーンと炭酸飲料を二つずつ購入し、ホールに戻ってきた。
観客の数は一方通行と風斬氷華を入れても五、六人いるかいないかだった。
百三十席以上の広さがあるこのホールだと、殺風景なものである。
スクリーンではすでに本編上映前の予告映像集が流れていた。
余談だが、私はこの予告映像集が割と好きである。
一方通行は風斬を見つけ、ポップコーンと炭酸飲料を渡すと、風斬の席から三席離れた場所へ座った。
「な、なんでそんなに離れるんですか・・・・・・?」
声を潜めながら一方通行に尋ねる風斬。心なしか、少し寂しそうな表情を浮かべている。
「こんだけ空いてンだからどこだっていいだろォが」
素っ気ない答えを返す一方通行。というのも彼は、もし映画がつまらないものだったら
ここで惰眠をむさぼってやろうという魂胆なのだ。
すると風斬は一瞬ムスッとした表情をした後、彼女の荷物であるランチバッグを持ってそそくさと移動し、
一方通行の隣へドカッと座り込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なンなンですかァ?」
「せ、せっかく一緒に観に来たんですから、隣同士でもいいじゃないですか」
若干風斬の頬が膨れているのだが、一方通行は気付かない。
はァ、と小さくため息をついた一方通行は、仕方がないといった素振りでポップコーンを食べ始めた。
二、三分ほど予告映像は流れ、盗撮禁止運動の映像が始まった。頭がビデオカメラで出来た男が
トリッキーな動きをして盗撮禁止を訴えている。
「クスクス・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
まだ本編も始まっていないのに既に笑い始めている風斬。
もっとも、これから始まるのはホラーと恋愛モノというミスマッチな二本立てなので、本編では笑う要素はないだろうが。
「あ、いよいよ始まるみたいですよ」
「最初はホラーか・・・・・・、いかにもチンケそォな雰囲気だな」
「寝ないでくださいよ」
すかさず釘を刺す風斬に軽く舌打ちをする一方通行。
辺りをキョロキョロと見回すと、既に爆睡している客もいた。
まさか、C級映画だからと分かっていて、寝ているのだろうか。
しかしそれならまず観に来てすらいないはずだ。
何しにきてンだあいつは・・・・・・。 と、思いつつもさっきまで自分がやろうとしてたことだ。
強くは言えないし、どうでもいい。
――――――――
今やっているのは二本立ての内のトップバッター。ホラー映画である。
流し見程度で見ている一方通行でも、内容が理解できるほどの単純な作品だった。
タイトルに『4』とナンバリングされてるところからすると、どうやら続編映画のようだ。
とある三人家族は毎日を幸せに暮らしていた。だがある日、父親の妻に対する些細な嫉妬から不幸は始まる。
妻と一人息子を虐待し続ける日々が続き、やがて父親は二人を殺害してしまう。
強い怨念を残し死んでいった妻と息子は例として出現し、父親を呪い殺してしまう。
そして空き家となったどの家に次々と入居者が現れるが、例外なくその入居者は謎の変死を遂げてしまう・・・・・・。
と、いった内容のようだ。
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くっだらねェ。 娯楽とはいえ科学の街、学園都市でこンなオカルトやるかよ普通)
しかもこの映画、従来のホラー映画とは違い幽霊である妻と息子が頻繁に登場してくる。
これだけバンバン出てこられると、終いには飽きるぞ。 と、一方通行はお気に召さない様子だ。
しかし、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぅぅ」
隣の風斬はというと、まるで小動物のようにプルプルと震え怯えていた。
幽霊の子どもがスッと通りすぎるシーンが流れただけでも、ひゃうっ!? と声を上げる始末である。
(こンなンで怯えてンじゃねェよ・・・・・・、こンなのがクソに思えるくらい
怖ェ思いしてきてンだろォが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
と、呆れながら風斬の様子を見る。
怨念を持った幽霊が住む家より、人外が集まっている今の黄泉川家のほうが数倍恐ろしいと思うのは一方通行だけだろうか。
「・・・・・・ちょっとコーヒー買ってくるわ」
カフェインが欲しくなってきた一方通行は風斬にそう告げ、席を立とうとする。
すると、
「い、イヤです・・・・・・、一人にしないで・・・・・・」
と、一方通行の腕をギュッと掴んで離さない。涙目で一方通行を見つめてきている。
あまりに必死に掴んできたため、腕に激痛が走る。
「ぐ、お・・・・・・、痛ェっつゥの! わ、わかったからそンな目で見てくンな・・・・・・」
盛大なため息をつき、しぶしぶ席に戻る。
そんなに怖いなら観なければいいのにと思うが、口には出さない。
風斬はなおも一方通行の手を握りしめている。完全に拘束されてしまった。
そして気が付けば、どうやらついにクライマックスシーンに突入したようだ。
幽霊の呪いについて調べていた記者が、ついに妻の幽霊とご対面している。
階段を四つん這いで降りてくる妻の幽霊。ここがこの映画の一番の恐怖シーンなのだろう。
口からダラダラと血を流し、首は不自然な捻り方をしており、この世の全ての恨みを代弁しているかのような声を上げている。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ひ・・・・・・ひぃ・・・・・・、に、にに、逃げてください・・・・・・早く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
スクリーンの中にいる役者に向かって逃げるよう促す風斬。
現地にいるわけでもないのにそんなことを言ったって逃げるわけがないのだが、今の風斬は恐怖で頭がテンパッているようだ。
その様子を見て一方通行は、ほんのわずかに苦笑した。
そして玄関のドアまで追い詰められた記者。もはや絶体絶命である。
(どォせここで偶然ドアが開いて、間一髪で脱出するンだろ)
身も蓋もない推理を頭の中で呟く一方通行。
風斬は手で顔を覆い、指と指の間でスクリーンを見ていた。
女性の着替えを見てしまった少年のようだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ッ!!! ひゃあああッ!!!?」
風斬が間抜けな悲鳴をあげる。追い詰められた記者が玄関のドアを弄ると、偶然にもドアは開いた。
だが次の瞬間、なぜかさっきまで目の前にいた妻の幽霊が、突然そのドアの隙間から記者の頭上に顔を覗かせたのだ。
そして、エンディングロールが流れた。どうやら上映は終了したようだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はァ?」
思わず声を出す一方通行。記者が助かったのかどうかもわからない。怨念の解決方法も、後日談も何も語られぬまま終わってしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・意味わかンねェ終わり方しやがって。 こォいうのって大体ハッピーエンドで終いだろォが。
なンだよ、まさか続編に続くってかァ? ハッ、こけおどしも程々にしろってンだ」
やはり、先程の客が噂していたC級映画とはこの二本立て上映の作品のことだったのだ。
納得のいかない結末に、容赦なく文句をつきつける一方通行。
こんなことを言われては、楽しんでみていた側としては萎えてしまうというものだが・・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っく、ぐすっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
隣に座っているAIM拡散力場の集合体は、ついに泣き出していた。
あまりにも内容がお粗末すぎて悲しんでいるのか、恐怖の許容範囲を超えてしまったのか、恐らくは後者だろう。
「おいおい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、泣くほどじゃねェだろ。 オマエやエイワスだって幽霊みてェなもンだろォが」
さらりと酷いことを言う一方通行だが、今の風斬はそんなこと気にも留めない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐすっ、ひっく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だってぇ・・・・・・」
嗚咽が止まらない風斬。どうやら精神的に相当のダメージを負ったようだ。効果はバツグンである。
きっと風斬はゴーストタイプ、もしくはあくタイプだろォな、と一方通行が意味不明なことを考えていると、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うぅ、すみません、見苦しいところを見せてしまって」
少しは落ち着きを取り戻したのか。
そう言いながら、彼女は一方通行の肩に顔を寄せ、若干ズレている眼鏡を取り、涙を拭いていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ったくよォ」
見るに見兼ねた一方通行は風斬の顔に手を添え、ポケットから取り出したハンカチで彼女の涙を拭った。
「あ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
突然の彼の行動に、風斬は思わず顔を赤らめてしまった。
というのも、一方通行と風斬の顔の距離が二、三センチほどしかなくなっているのだ。
「・・・・・・ほらよ。 もォ欝陶しいから泣くンじゃねェ。 あンなモン現実にはいねェンだから、
そンなに怯える事ァ無ェだろォが。 つゥか、あンなのよりよっぽど恐ろしい奴らが『天使同盟』にはいるンだぞ」
まるで子どもが幽霊に怯えてるのを親があやすそれのようだ。
呆れ顔でハンカチを仕舞う一方通行。学園都市最強の第一位も天然なところがあるのだろうか、
風斬の顔が紅潮しているのに気付いていないようだった。
「あ、ありがとうございます・・・・・・。 もう大丈夫です・・・・・・」
思わず顔を伏せてしまう風斬。胸の鼓動が高まっていくのを感じた。心臓など彼女にはないのだが。
「どォする? もォ出るか?」
「い、いえ、まだもう一本残っています。 それも観たいです。 ぐすっ」
精神的に参ってしまったのなら出ていったほうがいいと思い、退出を促してみたが、
もう冷静になったのか、風斬は鼻をすすりながらそう答えた。
「あ、そォ・・・・・・。 次は恋愛モノだったか。 ギャップありすぎンだろォ」
ぶっ続けでもう一本を見たら昼過ぎになってしまうのだが、風斬が観たいと言っているのだから仕方がない。
しかも次のジャンルは恋愛ファンタジー。一方通行にとってそんなものを二時間以上も観させられるのは拷問でしかなかった。
「・・・・・・一人にしちゃイヤですよ? せっかく二人できたんですから・・・・・・」
上目遣いでそう言われてしまっては、さすがの一方通行も引き下がれなくなってしまう。
もっとも、風斬の表情にドキッとさせられたのではない。彼にそんな感情は現時点では存在しないのだ。
断ったらまた泣かれそうで仕方なく付き合う、というのが今の一方通行の正しい心境だった。
次に始まったのは恋愛ファンタジーの作品。
ヒロインが天界から追放された天使という設定。
天使というと聞こえはいいが、映画を観てみると村の住人からはバケモノ扱いを受けており、心にひどく傷を負っているようだ。
そしてヒロイン本人も、自分が周りの人間とは違うバケモノだということにコンプレックスを持っていた。
しかし、そこでヒロインは数奇な出会いを果たす。それは一人の少年だった。この作品の主人公のようだ。
その少年は人間なのだが、類まれなる超能力を持っており、過去に多くの人間を傷つけていた。少年の持つ能力を悪用する人間の命令で。
そしてその少年も、周りからバケモノ扱いを受け、ヒロインのいる村まで逃げてきたという。
似たような境遇を持つ二人。だが二人は人間と天使。種族の壁を越え、結ばれる事は出来るのか・・・・・・というもの。
(なんか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・これ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)
風斬はデジャヴのようなものを感じていた。なんとなくだが、ヒロインが自分と似ている気がする。
そして主人公の少年もどことなく、隣でつまらなそうに映画を観賞している一方通行に似ている気がした。
特に主人公の少年は、周囲の人間から迫害を受け、頭髪が白く染まり、能力の弊害で虹彩が紅くなっているという設定らしい。
「ハッ、ンだこりゃ。 この主人公、まるで俺じゃねェかよ」
と、苦笑する一方通行。彼もやはり同じことを思っているようだ。
ただ本当にそう思っただけであって、それ以上は関心をよせていないらしい。
一方通行は退屈そうに大きなあくびをかましていた。
同じ列の端の席にいるニットのワンピースを着た茶髪の少女の客も、選択した映画を間違えたとでも言わんばかりに
ホラー映画が始まる前の盗撮禁止運動の映像の時点で爆睡してるのを風斬は確認している。
『あ、あの・・・・・・、クッキー焼いてきたんですけど、よかったら・・・・・・』
『ンな甘ったるい食い物、食えるかってンだ。 それと、オマエいちいち馴々しいンだよ』
周囲の人間に迫害を受け続け、悪人に利用されまくったのが原因なのか、
少年の心はひどく荒み、言葉遣いも荒かった。
『あ、今日はコーヒーを淹れてきたんですよ。 よかったら飲みませんか? 温まりますよ』
『うェっ、これブラックコーヒーじゃねェか! こンな苦いモン飲ませンじゃねェよクソボケ!!!』
なかなか想いが伝わらないヒロイン。そう、ヒロインが一方的に主人公に恋をしているのだ。
(な、なんか応援したくなっちゃうな・・・・・・)
そう思った風斬は、音量を最小限にした声で、「・・・・・・が、頑張ってー」とスクリーンの中にいるヒロインを応援し始めた。
(・・・・・・また何かブツブツ言ってやがる、こいつ何かに熱中したら暴走するタイプだな)
風斬を見ながら冷静に分析する一方通行。そろそろ本格的に眠くなってきた。
コーヒーを買いに行こうにも風斬がそれをさせてくれないから困ったものである。
映画の内容など序盤から全く頭に入ってきていない。
映画はバトルシーンに入ったようだ。
文句を言いながらもヒロインと協力して戦闘に参加している主人公。
後に分かったことだが、恋愛ファンタジーだというのにCGを駆使した戦闘描写が本編の八十%を占めているのはいかがなものだろうか。
だが風斬はさして気にしていないようだった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いちいち音がでけェンだよ・・・・・・」
これでは寝るに寝られない、と文句をつける一方通行。
隣の風斬は目を輝かせ、食い入るように映画の世界を堪能している。
そしてついにクライマックス、なんとヒロインの恋は見事に叶ったのだ。
主人公はヒロインの顔に手を添え、ヒロインの告白に答えた。
『あァ、俺も好きだ。 ずっと、ずっとオマエの側にいてやる。
オマエがイヤっつっても離れねェからな、覚悟しとけよ』
『は、はい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
思わず赤面してしまう風斬。
『こっから先はスクランブル交差点だ。 愛の衝突にご注意くださいってなァ』
と、全くもって意味不明の決めゼリフを主人公が吐き、ヒロインにキスをする。
そしてエンディングロールが流れ始めた。
一方通行は完全に爆睡していた。
「も、もう・・・・・・。 一方通行さんってば・・・・・・」
不満そうに頬を膨らませる風斬。一体いつから寝ていたのかわからないほど熱中していた彼女も彼女だが。
他の客は帰っていった。同じ列の端の席に座っていた少女も、
「・・・・・・パンフに超騙されました・・・・・・、やっぱ中途半端な超C級映画は超眠くなりますね」
と、ブツブツ文句を言いながら帰っていった。上映前から寝ていたくせに、と一瞬思うが口にはしない。
ホールに残っているのは一方通行と風斬だけだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・寝顔、可愛いな」
つんつん、と一方通行の頬をつついてみる。これだけで起きる様子はなさそうだ。
「あ、一方通行さん・・・・・・、もう出ますよー・・・・・・」
そんな小声では起きるはずもないのに、なぜか音量を小さくして声をかける風斬。
彼女の頭の中は今も最後のキスシーンが焼きついて離れない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わ、私、何考えてるんだろ・・・・・・」
気が付けば風斬と一方通行の顔の距離は数センチと迫っていた。
一方通行の安らかな寝息が聞こえてくる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、起こしても起きないあなたが悪いんですからね」
先程のクライマックスシーンに影響されているのか、今の彼女は冷静ではないようだ。
無防備な一方通行の寝顔が、さらに暴走を加速させる。
「ほ、ほっぺたなら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
最後の言い訳を残し、風斬は目を閉じて一方通行の頬に――――。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なァにやってンですかァ? てめェは」
「あ、え、・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「? どォしたンだよ、そンなに顔近付けやがって。 うぜェからどけ」
寸前で目を覚ました一方通行。風斬は顔からボンッ!と音を立てヘナヘナとその場に崩れ落ちた。
「なンだってンだ一体・・・・・・。 って、映画終わってるじゃねェか」
スクリーンにはまだエンディングロールが流れている。
こンなクソ映画でもこれだけのスタッフが関わってンだなァと、まともに見てもいないくせにそう関心していた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ばか」
「あァ? 何か言ったか?」
赤面している風斬は一方通行の顔を見ようとしない。
と、そこで彼のお腹が昼食を要求しだした。
「腹減ったな、どっかその辺でメシ食おうぜ」
近くの店で昼食を済ませようと提案する一方通行。
しかし彼女の返答は意外なものだった。
「あ、あの・・・・・・お店じゃなくて、どこかの公園に行きませんか?」
「公園? どンぐりでも拾って腹の足しにするかァ?」
「いえ、そうじゃなくて・・・・・・」
言うかどうか迷っている様子だったが、やがて彼女はこう告げた。
風斬「わ、私、お昼ごはん作って来てるんですけど・・・・・・その、良かったら・・・・・・////」
一方通行「作っただと? オマエが? あァ、そのバッグ昼飯が入ってたのか」
風斬「は、はい・・・・・・」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃァ、それでいいかァ」
風斬「! あ、ありがとうございます! えへへ・・・・・・」パァァ
一方通行 (まァこいつが作ったってンなら怪しいモンは無ェだろ)
――第七学区・とある公園
風斬「ここのベンチに座りましょうか」
一方通行「あァ」
風斬「な、何かこうしてると、本当にデートしてるみたいですね・・・・・・」
一方通行「まァな、実際は違うンだが」
風斬「あはは・・・・・・、そうですよね・・・・・・」シュン
一方通行「で、何作ってきてンだよ?」
風斬「あ、えと、サンドイッチを・・・・・・」パカッ
一方通行「ありきたりだなァおい (そしてこれ量が多すぎるだろォ・・・・・・)」
風斬「す、すいません・・・・・・。 サンドイッチ、嫌いでした?」
一方通行「俺がこの世で嫌いなモンは、学園都市のクソ上層部と、エイワスと、垣根だけだ。
食い物に関しては好き嫌いは無ェよ」
風斬「そうですか! よかった」ニコ
心地の良い風がそよそよと公園に吹いてくる。
今はもう十一月だというのに、この公園に降りる暖かい陽射しは心までポカポカ気分にしてくれる気がした。
実際はやはり肌寒いのだが。
向こうのでは何人かの子どもが元気に走り回っている。
一方通行と風斬はそこから少し離れた、人気の少ない場所のベンチに座っていた。
「ど、どうぞ召し上がれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言う風斬は、どこか緊張した面持ちだ。味の良し悪しを心配しているのだろうか。
一方通行はとりあえず適当に一つを選択肢、手に取る。
典型的なタマゴサンドのようだ。他の具は何も無い、シンプルなサンドイッチだ。
「すみません、あまり凝ったものは作れなくて・・・・・・」
表情が少し暗くなっていく風斬。まだ一口も食べていないのにそんな顔をされると、
こっちにまで妙なプレッシャーがかかる。
そう思いつつも一方通行は風斬お手製のタマゴサンドを一口かじり、咀嚼する。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 ン、まァ悪くねェ」
本当は絶賛してもおかしくないくらい美味だったのだが、そこは一方通行。
素直に感想を言うことが出来ない厄介な性格が出てしまう。
だが、
「ほ、本当ですか! あぁ、よかったぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬は一瞬驚きの表情を見せた後、ホッと胸を撫で下ろし、無邪気な子供のような笑顔で喜んでいた。
天使のような笑顔とはこのような表情を言うのだろう。
そして風斬も同じくタマゴサンドを手に取り、小さな口でモグモグと頬張っていく。
しかしこの時、一方通行には一つの疑問が浮かんでいた。
「おい、オマエこれいつ作ったンだよ?」
『天使同盟逢引計画(エンジェルズ・スポット)』のパートナー抽選会は朝に行われるものだ。
しかも、クジを引くその瞬間まで誰が当選するのかわからないシステムになっている。
風斬がこの日のためにサンドイッチを用意したとしたら、少しおかしな話になる。
彼女は今日、自分が一方通行のパートナーになると知っていたということになるのだ。
そんな一方通行の疑問に、風斬が照れくさそうに答える。
「あ、えと・・・・・・、これ、朝早く起きて作ったんです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・昨日も。
練習も兼ねて、毎日作ってみようかなって思って・・・・・・。
ただ、本当に今日の抽選で私が当たるとは思ってませんでしたけど・・・・・・」
そういうことか、と一方通行は簡単に納得する。
確かにそうやって毎日作っているのなら、今この場にあるサンドイッチの存在もおかしくはない。
「しかし毎日とはな、手料理を誰かに振舞う予定でもあンのかよ?」
朝早くから起きて作るほどだ。よっぽど誰かに食べてほしかったのだろうと思い、
一方通行が質問する。
すると、みるみる風斬の頬が赤くなっていく。何か言いたげだがなかなか言葉に出せないようだ。
一方通行はあえて何も言わず、返事を待っていた
やがて風斬は意を決したのか、口を開く。
「あ、あなたに食べて欲しくて、作ったんです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言うと風斬は顔を真っ赤に染め上げ、目を閉じ俯いてしまった。
このサンドイッチは、一方通行に食べて欲しくて朝早くから作ってくれたものらしい。
もしも一方通行と同じ年頃の男性が同じようなことを言われたら、歓喜の声をあげるところだろう。
だが一方通行の返事は、
「へェ、そりゃどォも。 ありがとよ」
淡白なものだった。そして続きを食べ始めている。
(俺に食べて欲しくて作った、ねェ。 なるほど、他の奴らだと色々うるさく言ってきそォだからな、
あの中じゃ俺が妥当ってわけだ。 まァ、間違っちゃいねェわな)
アックアと垣根が推測した、『学園都市第一位鈍感説』は的を得ているのかも知れない。
交わされる会話は少ないながらも、和やかな雰囲気が続いている。
まだ二回目の逢引計画だが、周りの人間が二人の状況を見ていたら、あれは普通のデートだと疑わないだろう。
一方通行はあくまでも黄泉川やエイワスの悪ふざけに付き合っている形なのだが、風斬はそうでもない。
やはりまだ気恥ずかしいが、今まで一歩距離を置いていた一方通行に、もっと接近できるチャンスと認識している。
なぜそんなことをするのかというと、それは一方通行に対する感謝の気持ちを送りたいというものなのだが、
風斬本人は感謝以外の気持ちも入り交じっていることに気が付いているだろうか。
そういう経験がない彼女だが、それでも一方通行についてあれこれ考えていると顔が赤くなってしまうのだ。
今日観た恋愛モノの映画もそれを手伝っている。
もう半ば、気付いているのかも知れない。
とりあえず一旦その考えを振りきり、風斬はバッグの中から魔法瓶を取り出す。
「これ、イギリスで買った紅茶です。 温まりますよ」
コポコポと注がれる紅茶は、美しく透き通った琥珀色をしていた。
コップからホコホコと湯気が沸き、たちまち周囲に紅茶の甘い香りが広がっていく。
はい、どうぞ。 と、柔和な笑顔で一方通行にコップを手渡す風斬。その仕草にさすがの一方通行も少しドキッとしてしまった。
ような気がする。
この女をモノに出来た男は幸せになれるだろうなと一瞬思ったが、らしくないとその考えを払拭し、紅茶を受け取る。
「これ、買ったとき茶葉だったよな? オマエが淹れたのかよ?」
このストレートティーは、『天使同盟』でイギリスに行った際、風斬とミーシャ、ヴィリアンが選んで買ってきた
ロンドンの本格的な品物である。
「はい、黄泉川さんに淹れ方を教えてもらって、夕食の後に振舞っていたんです。
あなたと垣根さんはすぐ寝ちゃうから飲んでもらえなかったんですけど・・・・・・」
そりゃ申し訳ないことをしたな、と一方通行は心のなかでほんの少し反省した。
ズズ、と紅茶を口に運ぶ。
水とブラックコーヒーばかり飲んでいたためか、やたら新鮮な味に思える。
まぁ一言でいうと、
「悪くねェな」
それしか言えないのかこの男は、と言いたくなるが、これが一方通行なのだ。
そして、そんな素っ気ない一言でも風斬は笑顔で喜んでいた。
「あ、サンドイッチ、まだまだありますよ! 色んな種類のサンドイッチを作ってきたんです」
そう言ってバッグを二人の間に置き、勧めてくる風斬。
そこには色とりどりのサンドイッチが並べられていた。軽く四人分はあるだろうか。
「いくら何でも作りすぎだろォが・・・・・・。 俺も食うけどオマエも食えよ」
と、文句を言いつつもレタスとチーズが挟み込まれたサンドイッチを頬張る一方通行。
それを見た風斬が「あ、ウサギさんみたいだな」と思ったが、口に出すのはやめておいた。
そして自分用のコップに紅茶を注ぎ、ふーふーと冷ましながら飲み始めた。
「ううー・・・・・・。 温まりますねー・・・・・・」
そう言ってコップを頬にちょこんとくっつける風斬。
天気は快晴といっても、やはり十一月。いくら太陽が頑張っても肌寒さはごまかしきれなかった。
そのため、一方通行もファー付きの白いダウンを着込んでいる。ロシアで着ていた時とは少し違うものだった。
風斬はというと、暖色系の茶色いコートに、クリーム色のマフラーで上半身と首を肌寒さから守っている。
だが、腰から下はチェック柄のミニスカートだった。そのため、太ももが大胆に露出している。
彼女にしては珍しい衣服だった。普段、風斬は膝よりもう少し長いロングスカートを愛用してるのだが、
今回に限ってはミニスカートなのだ。そこに黒のニーソックスを履いているため、いわゆる『絶対領域』というものが生まれている。
「あ、あの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///」
と、風斬が何かモジモジと脚を動かしている。気が付かないうちに一方通行は彼女の脚を凝視していたのだ。
これじゃただの変態じゃねェか、と一方通行はサッと視線を変え、サンドイッチをガツガツと食らっていく。
「悪ィ、珍しく短ェスカート履いてンなァと思ってよ」
一言謝罪し、正直に凝視していた理由を述べる一方通行。
「せっかくですし、今日は少し気分を変えてみようかなと思ったんです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あの、どうですか?」
両手を太ももに挟み、恥ずかしそうに感想を聞いてくる風斬。
恥ずかしいのなら聞かなきゃいいのにと思ったが、とりあえず風斬を一瞥して答える。
「どォって言われてもなァ。 まァ可愛いンじゃねェの? 女ってのはファッションのために
寒い思いをしなくちゃなンねェからツラいよなァ」
適当に感想を口にする一方通行。だが「可愛い」と言われた風斬は赤くなった顔を元に戻すことで精一杯だった。
公園の遊び場へ目を向けると、子供たちが"戦争ごっこ"なるもので遊んでいた。
おそらく第三次世界大戦の影響を受けたのだろう。不謹慎だがそれを子供に言うつもりもない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれからけっこう経ちましたよね。 私たちが出会ってから、二週間くらいかな?」
「そンぐらいになるなァ」
学園都市行きの直行便で、一方通行と風斬氷華、そしてミーシャ=クロイツェフは出会った。
あの日からもう二週間以上が経過している。
天使に振り回されていたこともあって、一方通行には時の流れが異常に早く感じられた。
「すき焼き屋で結成したんですよね、『天使同盟(アライアンス)』。 今思うと、すき焼き屋で誕生した、なんて。
ちょっとおかしいですね、ふふっ」
くす、と可愛らしい仕草で微笑む風斬。
そう、全てはあの飲み会から始まったのだ。風斬の悩みを聞いているうちにトントン拍子で話が進んでいき、
気がつけば、一方通行が『天使同盟』の結成なる宣言をしていた。
宣言などというと大袈裟に聞こえるが、今の『天使同盟』の勢力から考えると、妥当な表現だろう。
「言ったのは俺だが、よく考えりゃ『天使同盟』が出来た原因は、ガブリエルじゃなくてオマエじゃねェか。
どォしてくれンだよ、クソったれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
毒突く一方通行だったが、その言葉とは裏腹に、表情は綻んでいるようにも見えた。
「そうですね、私が原因だとしたら、私はすごく良いことをしたと胸を張って言えます」
確かに、良いことをしてくれたのかも知れない。
一方通行にとっても、『天使同盟』は悪いものじゃなかった。皆の前でこそ言わないが、正直心地良さすら感じている。
「開き直ってンじゃねェよ、バケモノ」
「バケモノで良かったです、あなたと同じ位置に居られるから、
あなたがくれた場所に居られるから・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
彼女らしくない、はっきりとした口調で一方通行に告げる風斬。
これが彼女の求めていた変化なのだろうか。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そォかよ。 なら、いいンじゃねェか」
若干居心地が悪そうにする一方通行。どう言葉をかけていいのかわからないように見える。
だが風斬は構わず、一方通行に言葉を投げかけていく。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私たち、ずっと一緒に居られますよね?」
一方通行もそれは考えたことがあるが、風斬はそれとは比べられないほど心配しているのだろう。
『天使同盟』の面々が、これからもずっと一緒でいられるのか。
「天使さんも、エイワスさんも、垣根さんも、・・・・・・ううん、『天使同盟』だけじゃない。
黄泉川さんや芳川さん、番外個体さんや打ち止めちゃんも」
「そしてあなたも」
「みんな一緒に、過ごせますよね?」
じっと、一方通行の目を真っ直ぐ見据えて問いかけてくる風斬。
表情は真剣そのものだが、よく見ると手が若干震えている。
するとそれを隠すためか、風斬が一方通行の手をそっと握ってきた。
やはり不安なのだろうか。あれだけの面子だ、あまりにも個が強すぎて、どこかでバラバラになってしまうのではないかと
彼女に錯覚させてしまっているのだろう。
だが、風斬の抱くその不安も、一方通行の言葉で吹き飛ばされる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・心配いらねェよ。 俺を誰だと思ってやがンだァ? 学園都市最強の超能力者、
レベル5第一位の一方通行(アクセラレータ)だ。 人間には到底不可能な天使との戦いもやってのけた。
能力者が使用できない『魔術』だって使ってみせた。 俺に出来ねェことなンざこの世には無ェンだよ」
不可能なことはない、と大口を叩く一方通行だが、彼が今言ったことは事実であり、
その事が風斬の不安を取り除いていってくれる。
「何があったって『天使同盟』は終わったりしねェ。 俺にも原因はある、
途中で投げ出すよォな真似なンざしねェから、てめェが余計な心配する必要は無ェんだ」
言った後、チッと舌打ちをしてそっぽを向く一方通行。少し気恥ずかしくなったのだろうか。
彼の言葉を聞いて涙が流れそうになる風斬だったが、それを堪え、喋りかける。
「・・・・・・ありがとう、一方通行さん。 やっぱりあなたに着いてきてよかったです」
そう言うと、風斬は一方通行の右腕に自分の腕を絡ませ、彼の肩に頭を置いて身を預ける形になった。
その豊満な胸が、容赦なく一方通行の腕に密着する。
風斬はどうしても、恋愛映画のクライマックスシーンが頭から離せないでいた。このままではまた暴走してしまう。
風斬氷華がこれほどの行為をするのに、一体どれだけの勇気がいるのか。
事実、風斬の頭の中にに存在する三角柱の核のキーボードのようなものが、絶え間なくガシャガシャと動いている。
それはまるで極度の緊張時に高鳴る、心臓の鼓動のようだった。
普通の男子学生などが風斬にこれをやられたら、一瞬でオチてしまうだろう。
そして、それは一方通行も例外では―――――――。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行は風斬を不思議そうに眺めながらタマゴサンドを頬張っていた。
「あ・・・・・・す、すみません、寒かったからつい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・///」
と、風斬もそう言って誤魔化さざるをえなくなり、そっと一方通行の腕から離れる。
「別に構わねェけどよ。 AIM拡散力場の集合体でもやっぱ暑い寒いは感じるンだな」
今の雰囲気からかけ離れた、場違いな発言をする一方通行。
風斬はバレないようにしょんぼりしていると、一方通行の顔を見て変化に気付く。
口の辺りに、少しサンドイッチのパンくずが付着しているのだ。
よくドラマやなんかでご飯粒がついているのを取って食べる、といったシーンがあるが、
風斬の頭にもそれがよぎる。
だが、パンくずを取って食べるという行為だけでは一方通行は動じないだろう。
素直に自分の気持ちを口頭で伝えられればいいのだが、風斬にそんな勇気があるならとっくに実行している。
そしてあの恋愛映画のラストシーンがフラッシュバックして――――。
気が付くと、風斬氷華の意思を無視して、身体が勝手に行動を起こしていた。
「あ、もう。 一方通行さん、口にパンくずが付いてますよ」
「ン? あァ悪い、どの辺――――――――」
一瞬、電極チョーカーのスイッチを入れるかどうか迷ったが、敵意のある行為ではないと判断したため、スイッチは入れなかった。
風斬は一方通行の頬に手を添え、目を閉じ、顔を近付け、唇を頬に密着させてきた。
正確には、唇の少し横にあるパンくずを舐めとるように唇を押し当て、舌を動かしてきた。
信じられないほど柔らかな感触の唇。そして彼女の髪から漂う、甘美なシャンプーの香りが一方通行の鼻腔をくすぐる。
時間にしてほんの二、三秒だったが、それでも一方通行は理解できた。
これがいわゆる、口づけという行為だということに。
「・・・・・・!? ・・・・・・!!? な、何しやがる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
これにはさすがの一方通行も焦ったようだ。彼の白い顔が、少し紅潮しているのが伺える。
ここまでやって、やっと照れるレベル。もはや病気と言っても過言ではないのではないか。
しかし風斬はそんなことを気にしているほど心に余裕がなかった。
―――――今、自分は何をした?
自覚はある。しようと思ってした。それは分かってる。
だがしかし、まさか実際に自分が本当にそれを実行してしまうとは思わなかった。
やってしまった。調子乗りすぎた。
あんな映画、観るんじゃなかったと今更後悔し始める風斬。
取り返しの付かないことをした。嫌われたらどうしよう。さっきまで一緒に居られるがどうのこうのいう話を
したばかりだというのに。嫌われたらどうしよう。拒絶されたらどうしよう。嫌われたらどうしよう。
ネガティブな考えばかりが頭を巡っていく。気が付けば、もう今にも泣きそうになっていた。
「あ・・・・・・うぅ・・・・・・、あの・・・・・・ご、ごめんなさ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
震える声で謝罪する風斬。顔はもはやリンゴのように紅潮していた。
黙って帰っていってしまうかもしれない、もしかしたら殺されるのでは、と最悪の展開ばかりが頭をよぎる。
「別に謝るこたァ無ェけどよ・・・・・・、さすがにビビったぞ。 普通に取ってくれりゃいいだろォが」
だが、一方通行の言葉は、意外にも優しい声色に包まれていた。
ホッとする反面、これでもダメなのかと少し落胆する風斬。
「ちょ、ちょっと舞い上がっちゃって・・・・・・あ、あははは・・・・・・////」
笑ってごまかすので精一杯だった。 頭の中の三角柱は今も悲鳴をあげ続けている。
「さ、さぁ、早く昼食を済ませて、どこかへ遊びに行きましょう! ね!」
そう言って急かしてくる風斬。あまりの勢いに、一方通行は従うしかなかった。
エイワス「もうゴールしてもいいんじゃないかな」
垣根「あ?」
番外個体「?」
結局その後は、適当にぶらついて夜まで時間を潰していた。
あの昼食以来、風斬はあまり喋らず、終始俯いたままだった。
たまに一方通行の顔をチラリと見据え、一方通行が気付くとササッとそっぽを向いてしまう始末だ。
そして現在、午後九時過ぎ。もう帰ってもいい時間になっていたので二人は帰路についていた。
一方通行 (何でこいつ、よそよそしくなってンだ・・・・・・? やりにくい・・・・・・)
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////」
一方通行「あー・・・・・・、昼飯の時のサンドイッチ、ごちそォさン。
大変美味しゅゥございましたァ」
風斬「へ? あ、はい、お粗末さまでした・・・・・・」オドオド
一方通行「・・・・・・まァだあの事気にしてンのかよ?」
風斬「え、あの時と言いますと・・・・・・」
一方通行「公園でてめェがやってきた事だよ」
風斬「うぅぅ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・//////」カァァ
一方通行「言っておくが、俺は別に怒っちゃいねェからな?」
風斬「は、はい・・・・・・。 ・・・・・・あの」
一方通行「あン?」
風斬「ほ、他に何か思わないんですか? 何であんなことしてきたんだろう、とか」
一方通行「・・・・・・オマエなりのジョーク? サプライズ、とか?
俺を驚かせよォとしてたとか、そンなとこだろ?」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ」ガクッ
一方通行「何あからさまにため息ついてンだよてめェ」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あーあ! 全く、一方通行さんって・・・・・・
ホント、お馬鹿さんですね」
一方通行「あンだとコラ」
風斬「ふふ、今回はこのくらいで勘弁してあげますよーだ」ベー
一方通行「オマエも精神不安定なンじゃねェだろォな・・・・・・、何だよ急に」
風斬「・・・・・・今日のこと、誰にも話しちゃだめですよ?///」
一方通行「わかっておりますゥ、風斬皇女殿下殿ォ」
風斬「あと、これだけは確認させてください」
一方通行「はいはいなンでしょォかァ」
風斬「これからもずっと・・・・・・、一緒に居てくれますよね?」
一方通行「しつけェな、だから言ってンだろォが。 『天使同盟』は何があっても―――」
風斬「『天使同盟』もですけど、わ、私と一緒に居てくれるかどうか聞いてるんですよ・・・・・・///」
一方通行「あァ? あァーはいはいわかったわかった。 居てやるよ。
俺に向かってそこまで言いやがったンだ、てめェがイヤっつっても
離れねェからな。 覚悟しとけよ」
風斬「は、はい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・////」カァァ
一方通行「喜怒哀楽が激しすぎンだろオマエ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
風斬「・・・・・・いつか振り向かせてみせますからね」ボソッ
一方通行「あ? なンつった?」
風斬「ふふ、何でも無いです。さ、帰りましょう!」ギュッ
一方通行「オマエ、なンかガブリエルに似てきたよなァ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
っておい、腕絡ませてくンな! こっちは杖ついてンだぞ!」フラッ
こうして、『天使同盟逢引計画(エンジェルズ・スポット)』第二回、風斬氷華とのデートは終わった。
一方通行にとっては単なる平和なお出掛けだったかもしれないが、風斬氷華は今日一日で大きく進歩することが出来た。
自分が一方通行にやらかしたことを思い出すと、今でも顔から火が出そうになるが、
それでも彼女に取っては無駄ではない行為だっただろう。
そしてその思い出は、いつかキチンと自分の思いを伝えるためのステップにしてみせる。
自分は変わったと、一方通行にわかってもらえた。それだけでも十分だと風斬は思った。
明日からはもういつもの風斬に戻っているだろう。だが少しずつでもいい、ゆっくりと変わっていければいい。
そして、これから先もずっと彼と、皆と一緒に過ごせれば、それで。
固い決意を決めたAIM拡散力場の集合体である少女は、足取り軽く黄泉川宅へ戻っていく。
今日の行動を全てエイワスに監視されていることも忘れて。
【次回予告】
『きょ、今日は一緒に寝ませんか?』
―――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・風斬氷華
『・・・・・・よし分かった、俺がいいホテル紹介してやっから、お前らそこで寝ろ』
―――――『天使同盟』の構成員・垣根帝督
『くくく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、我が世の春が来た』
―――――『天使同盟』の構成員・エイワス
『はァ・・・・・・、もォ今回で終わらせてェンだけど。 二人まとめてかかってこいよ』
―――――『天使同盟』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
『――――――問題。 無。 彼bngbn。 hhk皆。 一緒』
―――――『天使同盟』の構成員・ミーシャ=クロイツェフ
――第七学区・ファミリーサイド 黄泉川宅
一方通行「帰ったぞォ」
風斬「ただいま、遅くなりました」
垣根「おいおい、結局半日以上も出掛けてやがったぜこいつら」
エイワス「お帰り二人共、有意義な時間は過ごせたかね?」
一方通行「分かってるくせに聞いてくンじゃねェよ悪趣味野郎」
エイワス「ふふ、相変わらず手厳しいな」
風斬「わかってるって・・・・・・、え?」
垣根「あれ、知らなかったのか? こいつ、俺の時も風斬の時もどうやってんのか
知らねえが、監視してたんだぞ」
風斬「」
エイワス「監視という言い方はないだろう垣根帝督。 二人に何かあってはいけないからな。
"見守っていた"という言い方が正しいのではないだろうか」
一方通行「都合よく解釈してンじゃねェ」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょ、ちょっとこっちに!」グイ
エイワス「おっと、強引なエスコートだな。 まあ悪い気はしないが」
垣根「?」
一方通行「?」
一方通行「おい、そォいやクソガキ共の姿が見えねェが? あとガブリエルも」
垣根「あいつらどっかにメシ食いに行ったらしいぞ。 俺その時寝てたからな。
エイワスは断ったらしいから、お前らが帰ってくるまであいつと二人きりだったんだぞ俺」
一方通行「ハッ、そりゃ辛かったろォなァ。 よしよし」ナデナデ
垣根「撫でんなボケ!! それより、何でこんな遅くなったんだ? ん?」ニヤニヤ
一方通行「安心しろ、てめェが期待してた通りにはなってねェから」
垣根「おいおい、隠す事無えだろ。 行くとこまで行っちゃったって俺は驚かないぜ?」
一方通行「マジでなンも無ェっつゥの。 やっぱりてめェの取越し苦労だったみてェだな。
まァ、やたら積極的だったのはあるが、単なる気まぐれだろありゃ」
垣根「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こりゃ苦労するな、風斬のヤツ」
一方通行「なンか言ったかクソメルヘン」
垣根「お前は鈍感なブタだなっつっただけだよ」
風斬「み、見てたって本当ですか!? ど、どこまで!?」
エイワス「『ふふ、何でも無いです。さ、帰りましょう!』 辺りまで、だな」
風斬「それほぼ全部じゃないですかぁ~~!! あぁぁ~もう・・・・・・///」
エイワス「何を恥じることがある? 君が勇気を出す瞬間を垣間見れて、私は満足だぞ」
風斬「あ、あなたを満足させるためにあんなことをしたんじゃないですっ!」
エイワス「ふむ、もっともな意見だ」
エイワス「しかし、随分と大胆なパンくずの取り除き方だったな。 実に興味深い、
私の番が回ってきた時のための参考にさせてもらうよ」
風斬「お願いですから誰にも言わないでください・・・・・・/////」
エイワス「口外するなというのなら従おう。 プライベートな部分だからな」
風斬「あ、天使さんにも言っちゃダメですよ」
エイワス「ふむ、承知したが、なぜかね?」
風斬「だって、天使さんも一方通行さんが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
エイワス「風斬氷華、君は少し勘違いをしているよ。 ミーシャ=クロイツェフについて」
風斬「?」
エイワス「確かにミーシャ=クロイツェフは一方通行に好意を抱いているが、
君が一方通行に向ける好意とはまたベクトルが違うのだよ」
風斬「え、そうなんですか?」
エイワス「彼女はもちろん一方通行と添い遂げたいという気持ちもあるようだが、
それ以上に、我々に、一方通行に伝えたいことがあるらしいのだ」
風斬「そ、それは一体・・・・・・?」
エイワス「さぁな、それが分かっていれば彼女はとっくに元の『座』へと帰しているだろう」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、本当に、天使さんの真意はわからないんですか?」
エイワス「おや、信用がないな私は」
風斬「人のプライベートを覗いておいて、信用も何もありませんっ!」
エイワス「なるほど、以後気をつけるよ。 そして、私は本当に彼女の真意など知らんよ。
興味深いが・・・・・・、こればかりはミーシャ本人から聞くしかないだろうな」
風斬「・・・・・・そう、ですか」
エイワス「さぁ、今日はもう寝たほうがいい。 君もだいぶ消耗しているはずだ。
明日からはまた、いつもの調子で一方通行に接するのかね?」
風斬「そ、それを決めるのは私です。 私は、彼と一緒に居ることで変わるんです」
エイワス「素晴らしい決意だ。 だが道は険しいぞ、ああ見えて一方通行は
色々とフラグを立てているからな」
風斬「・・・・・・ま、負けないもん」
エイワス「ふふ、頑張りたまえ。 僭越ながら、私も陰で応援しているよ」
風斬「・・・・・・ありがとうございます。 それではおやすみなさい」
エイワス「あぁ、おやすみ、風斬氷華」
エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふふ。 真意、か。 今それを言ってしまうと、
ミーシャが悲しむだろうからな」
その後、黄泉川愛穂、芳川桔梗、番外個体、打ち止めが帰ってきた。
彼女たちは帰るやいなや、疲れてしまったのか速攻で寝床についてしまった。
――――――――――――
垣根「手作り・・・・・・サンドイッチ・・・・・・だと」
一方通行「もォいいだろ、いい加減寝させてくれェ」
垣根「いやいやもうちょい聞かせてくれよ! 寝っ転がりながらでも話せるだろ?」
一方通行「なンでてめェなンかとピロートークしなきゃなンねェんだよクソボケ」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ、あの、」ヒョコ
一方通行「あン、どォした風斬。 さっさと寝ろよ」
風斬「きょ、今日は一緒に寝ませんか?」
垣根「」
一方通行「はァ? なンで――――」
垣根「・・・・・・そうか、そうかよテメェら・・・・・・。 もうそこまで進んでんのかよ」
一方通行「どォした垣根、また悪い病気か」
垣根「・・・・・・よし分かった、俺がいいホテル紹介してやっから、お前らそこで寝ろ」
風斬「あ、いえ、そういうんじゃなくてっ!!////」
一方通行「なンだってンだよ?」
風斬「ど、どうしても今日観たホラー映画を思い出しちゃって、一人で寝られないんですよ・・・・・・。
打ち止めちゃんと番外個体さんと黄泉川さんは一緒の部屋で寝ちゃっててスペース無いですし、
芳川さんと天使さんはそこのソファーで寝てるし・・・・・・」
芳川「Zzzzzzz・・・・・・」
一方通行「あァ、あのとンでもねェクソ映画か」
垣根「どんなやつだ?」
一方通行「何か階段から妻の幽霊が四つん這いで降りてくるやつ」
風斬「ひいぃ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ガタガタ
垣根「あぁー、『JU-ON!』だっけ? あれもう4やってんのかな」
一方通行「それだ、4を観た」
垣根「なるほど、そういうことか。 しっかしまぁこんな怯えちゃって。
可愛いとこあるじゃねえかよ」
風斬「あ、垣根さんも一緒でいいですから、ね?」
垣根「何その『仕方ねえからお前もいていいぞ』みたいな言い方」
一方通行「ったく、しゃァねェなァ・・・・・・」
結局、深夜になるまで三人で話し込んでいた。
そして皆が就寝したのを見届けたエイワスは、口を開く。
「ふふ・・・・・・、残り二回。 ミーシャ、まだ時間はあるのかね?」
と、独り言を呟くエイワス。だがそれは独り言にはならなかった。
「――――――問題。 無。 彼bngbn。 hhk皆。 一緒」
ガブリエルは就寝しておらず、エイワスに対して返事を返す。
「そうか、だがあまり無理をするなよ。 ノイズが減っているぞ」
二人にしかわからない会話が交わされる中、夜は明けていく―――――。
―――――翌朝。
黄泉川「おはよー。 一方通行、風斬、昨日はご苦労さん」
風斬「おはようございます」
一方通行「オマエらはオマエらで勝手にメシ食いに行ってたらしいじゃねェか」
黄泉川「固いことは言いっこなしじゃん。 さ、今日も頑張りたまえよ」
一方通行「くそォ・・・・・・」
芳川「今日は私がクジを引こうかしら」
一方通行「オマエ起きてたのかよ、珍しいな」
芳川「ま、たまにはね」
エイワス「了解した、ではよろしく頼む」
垣根「残り二回はロクなの残ってねえな」
一方通行「オマエの時もロクなモンじゃなかったけどなァ」
ガブリエル「tothjotv今日vfmvrgj私jgjhvdm」
番外個体「氷華、昨日はどうだった?」
風斬「え、えと、普通でしたよ。 特に・・・・・・何も起こらず・・・・・・」
打ち止め「何か怪しいな~ってミサカはミサカはジト目でカザキリを見てみたり」ジトー
風斬「ほ、本当ですよ!」アセアセ
一方通行「もォ残りはどっちになろォが変わらねェよ、早くしやがれ」
エイワス「そう言うなよ一方通行。 我々は我々でとても楽しみにしているのだから。
そうだろうミーシャ=クロイツェフ?」
ガブリエル「gobtbm勿論udgfug」
芳川「じゃ、いくわよ」ゴソゴソ
一方通行「はァ・・・・・・、もォ今回で終わらせてェンだけど。
二人まとめてかかってこいよ」
エイワス「そういうわけにはいかんよ。 我々は二人きりで楽しみたいのだからな」
ガブリエル「lothohnm同意hgorgkohm」
黄泉川「ところで、今更だけどエイワスは男と女、どっちなんじゃん?」
エイワス「どう捉えてもらっても構わんよ。 望むなら男にも女にもなろうじゃないか、ふふ」
番外個体「どういう生き物なのこいつ・・・・・・」
一方通行「早くも吐き気がしてきたぜ・・・・・・、こォなるとガブリエルの方がいいな」
ガブリエル「rtoyjodn貴方jerghnbk」ガバッ
一方通行「はいはい抱きつくな抱きつくな」ヒョイ
芳川「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 じゃ、これで」スポッ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
垣根「さーて、ご拝見」
風斬「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ドキドキ
打ち止め「誰かな誰かな? ってミサカはミサカはワクワクしてみたり」
ガブリエル「erojojhm私mbmotjh私jvibjntk」
エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くく」
『エイワス』
エイワス「くくく・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、我が世の春が来た」
打ち止め「よかったね御大将! ってミサカはミサカは祝福してみたり!」
一方通行「うっわァ・・・・・・、もォやだこの企画」
垣根「ははは、まあ頑張れよ一方通行」
風斬「て、天使さん・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ガブリエル「一掃。 一掃。 一掃。 一掃。 一掃。 一掃。」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
番外個体「うわっ、何、地震?」グラグラ
芳川「あら? 急に空が暗く・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「バカおいやめろ!! 地球を滅ぼす気かてめェ!!!」
黄泉川「こう考えるじゃんミーシャ。 残り物には福があるってな。
最後のトリなんて、ヒロインの役目じゃんよ」
ガブリエル「jgjbkmd成程hgeirogib名案nfgvnsknb」
一方通行「ふゥ・・・・・・。 これ絶対順番逆のほうがよかったな、
いやそれだと垣根の野郎がトリになっちまうか」
エイワス「さあ、では行こうか一方通行。 我々の果てし無きランデヴーへ」
一方通行「何でこンなにテンション上がってンだよこのクズは・・・・・・」
黄泉川「いってらっしゃーいじゃん。 さて、仕事仕事」
芳川「じゃ、私は二度寝しよ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」zzz
打ち止め「カザキリ、番外個体、スマブラしよ? ってミサカはミサカは誘ってみる!」
風斬「う、うん。 いいよ」
番外個体「いいけど、能力使ってコントローラ操作妨害するのはもう無しだよ」
垣根「おうミーシャ。 ストⅣしようぜ」
ガブリエル「jgrigdn拒否nighw明日ngrigi備weghig待機nnvbrhi」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・こいつらァ」
エイワス「そうだ一方通行。 これを持っていくといい」スッ
一方通行「あ? これ、イギリス土産の紅茶じゃねェか、何でだよ?」
エイワス「街で知人に会ったらプレゼントしてあげるといいだろう。
少々買いすぎているからね」
一方通行「・・・・・・あァ、わかった」
【次回予告】
『う、あ、ああああァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!! おおあああァァァァァァァァァァァァァ!!!!
がああああああああァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
『はわわ~☆ お、怒っちゃった?』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・エイワス
『まさかとは思うけど、死んだりしてねぇよな・・・・・・』
―――――――――――『アイテム』の下っ端構成員・浜面仕上
『あくせられーたはモテモテだね』
―――――――――――『アイテム』の構成員・滝壺理后
――第七学区・大通り
エイワス「ふむ・・・・・・、やたら周囲の視線が集まっているな」
一方通行「まずオマエが目立ってンのと、俺がちょいとやりすぎたのが原因だな」
エイワス「発光は抑えているつもりだが、成程。 この容姿が問題か」
一方通行「まァ気にすること無ェけどな。 学園都市なンだ、何らかの能力だと思ってくれンだろ」
エイワス「おや、心配してくれているのかね」
一方通行「俺自身の心配だよ」
エイワス「ふふ、君らしいよ一方通行」
一方通行「で、どォすンだよ。 どォせオマエの事だ、何か色々考えてンだろ」
エイワス「その前に、君に少しでもデート気分を味わってもらうために、
私も尽力せねばなるまい」
一方通行「はァ?」
エイワス「一方通行、君の好きな女性のタイプを聞こうか」
一方通行「またワケのわかンねェこと言い出したぞォ・・・・・・、ワケのわかンねェ生き物が」
エイワス「参考にしようと思ってな」
一方通行「意味がわかンねェよ、そもそもオマエ、俺と垣根ン時の会話も聞いてたンだろ?
垣根にも確か同じよォな質問されてっから、それを思い出せばいいじゃねェか」
エイワス「同い年で、あまり口うるさくない女性・・・・・・だったか。
・・・・・・ふむ、ベタ過ぎやしないだろうか?」
一方通行「放っとけ!」
エイワス「もう少し具体的に教えてはくれないだろうか? こう、
髪型とか身長とか、ファッションとか、外見を中心的に」
一方通行「そンなの聞いてどォするンだ」
エイワス「だから言っているだろう、"参考"にさせてもらうと」
一方通行「はァ・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ン?」
浜面「ん? おぉ、一方通行じゃねぇか」
一方通行「あァー、どちらさンでしたっけ?」
浜面「もういいっつーのそのネタは!!」
滝壺「おはよう、あくせられーた」
一方通行「滝壷も一緒か。 相変わらずだなオマエら」
浜面「確かイギリス行ってたんだよな? もう戻ったのか」
一方通行「まァな、つまンねェとこだったけど」
浜面「ははっ、そうかよ。 パスポート、大丈夫だったか?」
一方通行「問題無ェよ。 ・・・・・・あァそォだ、ついでにこれやるよ」スッ
浜面「なんだこれ? お、まさか本場の紅茶ってやつか?」
滝壺「ありがとう、あくせられーた。 私たちにまでお土産買ってくれたんだね」
一方通行「いや別に・・・・・・、!・・・・・・」
一方通行(エイワスの野郎、まさかこれすら予見してたってか?
よくわかンねェとこだけ気配りしやがって・・・・・・)
浜面「しっかしなんだ? お前またデートしてんのかよ?」
一方通行「またって何だよ、それにこれがデートに見えンのかオマエは」
浜面「?」
滝壺「あくせられーたはモテモテだね」
一方通行「世辞のつもりかストーカー。 オマエらにゃ敵わねェよ」
浜面「そうだ、お前のせいで麦野からヒデー目に合わされたんだからな・・・・・・ったく」
一方通行「ありゃ自業自得だクソボケ」
滝壺「はまづらは、もう浮気なんてしないよね?」
浜面「あ、あぁ。 ていうか、まだ告白とかはしてないじゃん俺・・・・・・・・・・・・・」ボソボソ
滝壺「だから、今あくせられーたの隣にいる美人さんにも、
鼻の下伸ばしたりしないよね?」
浜面「あ、当たり前だっつーの。 そりゃすげぇ可愛いけどよ」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はァ?」
一体どこにそんな女性がいるのか。
不思議に思った一方通行が、ふとエイワスの方に目をやる。
そこには、
エイワス「やだ、もう・・・・・・/// 可愛いだなんて! ところで"あーくん"、この人はお友達なの?☆」
エイワスの面影をわずかに残した、凄まじく可愛らしい美少女が立っていた。
一方通行「」
一方通行の横に立っている"美少女"は、どちらかと言えば"可愛らしい"部類に入るだろう。
目はパッチリと大きく、髪はまるで輝いているかのように美しい金髪(実際、微妙に発光しているのだが)。
前髪は眉の上あたりできっちり均等に切り揃えられており、後ろ髪は腰辺りまで流れている。
女性のそれにように胸が発達しており、大きさはパッと見、風斬より少し控えめくらいか。
強いて例を挙げるなら、天草式十字凄教を率いる女教皇くらいの胸がある。背丈は一方通行より低めになっていた。
服装は先程までの簡素なものではなく(正確にはエイワスのあれは衣服では無いが)、ファー付きの白いコートに変化していた。
手首の裾にもファーが付いている。そして下には同色のミニスカートを履いていた。
靴はクリーム色の革靴、そして紺のニーソックスを装備している。
下半身に関しては、昨日の風斬氷華と同じような服装だった。
しかしスカートの裾にもファーのようのが付いている。
ファー付きの女性用サンタコスチュームで、色は明るいクリーム色、と想像すれば簡単だ。
エイワス(?)は上目遣いで一方通行の返事を待っている。
だが先に口を開いたのは浜面仕上だった。
「あぁ、まぁそうだな。 友達っつったらコイツ嫌がるかもしんねーけど」
そう言って苦笑する浜面。
続いて滝壺理后が自己紹介を始めた。
「初めまして。 私は滝壺理后。 こっちははまづら。 よろしくね、えっと・・・・・・」
言葉を止め、"美少女"から名前を聞こうとする滝壷。
一方通行は開いた口が塞がらないとでも言わんばかりに間抜けな顔をしている。
「あ、私のことはドラコって呼んでねっ☆ よろしく! 浜面仕上、滝壺理后」
と、ウィンク混じりに自分の名前を告げる。ウィンクしたその目尻から、本当に星のような何かが飛び出していた。
「ははっ、可愛らしいなぁ。 お前、こんな彼女がいたなら一言いってくれりゃいいのに」
のんきなテンションで浜面がそう言うが、一方通行はゴーゴンの眼にでも睨まれたか、石のように動かない。
「? どうしたの?」
滝壷が少々不安気に一方通行の顔を覗き込む。
やがて、一方通行はエイワスの方に目をやると、開口一番で素っ頓狂な質問をした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰だ、オマエ」
浜面と滝壷は互いに顔を見合わせ、不思議そうに首を傾げる。
誰だも何も、さっきまで普通に話をしていた相手に向かって誰だとは、どういうことだろうか。
「んもぅっ! あーくんったら、照れなくてもいいのにぃ! 彼女の私と一緒にいるから、
恥ずかしがってるんでしょっ? あ、でもでもぉ☆ 照れてるあーくんも可愛いよねっ! ふふっ☆」
エイワスが喋るたびに、"彼女"の身体や目から星やハートマークのエフェクトが飛び出してくるような雰囲気だ。
というか、雰囲気などではなく実際に星やハートマークの綺羅びやかなエフェクトが飛び出しているから困る。
魔法少女モノのアニメの変身シーンを思い描いていただきたい。あれがリアルタイムで起こっているのだ。
「ははっ、すげー。 それ、能力か何かか?」
「あー! 乙女のプライベートにズカズカと踏み込んでくる男の子は嫌われるんだぞぉ~☆
えへへ、これはナ・イ・シ・ョ☆ あとで教えてあげる!」
あはは、こいつは一本取られたなぁ、と頭をポリポリと掻きながら苦笑する浜面。
滝壷も物珍しい物を見たせいか、"彼女"の全身を食い入るように見つめている。
依然として一方通行は固まったままだ。まるでノー○ンのバックグラウンドタスクにやられて
完全にフリーズしてしまっているパソコンのようである。
滝壷が一方通行の眼前で手を振るが、一向に反応がない。
「あーくんったら、緊張してるのかなっ? ふふっ、それじゃあ・・・・・・オマジナイ、かけてあげる!☆」
そういってエイワスは固まったままの一方通行の腕を絡めとり、顔を近づけて、
一方通行の頬に、口づけをぶちかました。
Chu☆という擬音がピッタリなくらいの可愛らしいキスだった。もちろんキスをした際、星のエフェクトが出現している。
浜面がうおぉ・・・・・・、と驚嘆の声をあげ赤面している。滝壷はボーっとその様子を眺めていた。
そして滝壺の一言が、一方通行にトドメを刺す。
「あくせられーたとどらこは、らぶらぶなんだね」
「う、あ、ああああァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!! おおあああァァァァァァァァァァァァァ!!!!
がああああああああァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!」
突如、一方通行の喉から魔王のような叫び声があがる。
浜面は心臓が本当に口から飛び出しそうになった。さすがの滝壺も驚いたのか、普段より目が見開いていた。
エイワスはというと、きゃわわ~☆ などと言いながら両手を口元に近付け、目をパチクリさせていた。
「htjfmhihnvs;lmwierpgjheimvkbnerhopm殺jgibjnbnk\nbhguyitgjeo@mwmbbnevivbw」
一方通行が理解不能な言語を発したと思った瞬間、
彼の背中から、黒翼が噴出した。
「おおおおわあああぁぁぁぁぁ!!!? ど、どど、どうしたんだよオイ!!? 一方通行ッ!!?」
得体のしれない圧迫感が浜面を襲い、彼をパニックに陥れた。
滝壺はなんとか一方通行を止めようとするが、黒翼の勢いが凄まじく、近づくことさえ出来ない。
周囲の人間も驚嘆一色に染められている。周りのビルが不気味に揺れ、何人かの悲鳴も聞こえてきた。
だが、エイワスはそんな状態の一方通行を見ても全く物怖じしていない。
それどころか、
「はわわ~☆ お、怒っちゃった? 怒っちゃったのあーくん? ご、ごめんなさぁ~いっ!><」
と、全く反省の素振りを見せていないのにそんなセリフを吐いていた。
血のように紅い一方通行の眼光が、ゆらりと揺らめく。
彼はエイワスに照準を合わせると、百を超える鋭い黒翼を一斉にエイワスに襲い掛からせた。
こんなものを華奢なエイワスが喰らってしまえば、一瞬で肉塊を化してしまう。
それではマズいと浜面が止めにかかろうとしたが、本当の無能力者がこんなものを止められるはずもなく、
思わず目を背けた。
だが、
「あーくん、遊んでくれるのっ!? わーい!☆ あーくんってやっぱり素敵っ☆」
黒翼が"彼女"を捉えることはなかった。
エイワスはその小柄な身体からはとても考えられないほどのアクロバティックな動きで、華麗に黒翼を避けていた。
バク転宙返り、とでも言えば伝わるだろうか。だがエイワスは踏み込み一つで数十メートル上空まで跳躍していた。
彼女がくるくると回転しながら上昇するとともに、オーロラ色の軌跡が尾を引き、大量の星のエフェクトが飛び散る。
黒翼は地面に激突した。信じられないほどの地響きが第七学区に響き渡る。
黒翼が激突した地面には、馬鹿みたいに巨大なクレーターが出来上がっていた。
第七学区に隕石が衝突しましたと言われても、余裕で信じてしまえるほどの代物だった。
「ふふふふふふふっ!☆ あーくんっ! こっちだよぉ!☆」
暴走状態の一方通行を挑発するようにエイワスが声をかける。純粋無垢な笑顔だった。
一方通行はギョロリと上空に目をやると、腕をかざし、掌を大きく広げる。
「mbiriwdg死iyoeajvjv」
次の瞬間、説明不可能の不可視の力がエイワスに襲いかかった。
その不可視の攻撃は音速など軽く越え、即プラズマ化し、オレンジ色の破壊光線となってエイワスの元へ向かう。
第七学区の大気がビリビリと震え、目を焼き尽くすような輝きが辺りを照らす。
浜面や滝壺、その他の一般人は視認すら出来なかっただろう。音速を越えているのだ、無理もない。
しかし、浜面仕上はその時、確かに見た。
――――空中にいる"彼女"が、無邪気な笑顔で下界を見ている姿を。
「それなら私はぁ~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、えいっ!☆」
エイワスは何を思ったか、手を口に添え、手首を返し、破壊光線に向かって『投げキッス』をしたのだ。
"彼女"の掌からハートマークのエフェクトが飛び出す。
もしこれを見ることが出来る者がいたとしたら、彼女の行為が理解出来なかっただろう。
が、その時、
ズギャッッ!!! と爆音が第七学区に響き渡った。
どういう力が働いたのか、オレンジ色の尾を引く破壊光線は急激に角度を変え、斜め上空に吹き飛んでしまったのだ。
その際、何棟かのビルのガラスが割れる音がした。光線の余波の影響だろうか。
もはや特撮映画の世界である。浜面と滝壷、そして周りの学生達は怯えることも忘れ、呆然とする他なかった。
「それじゃあそれじゃあ、私もあーくんの真似するぅ~~~!☆」
ふと、そんな声が聞こえた気がした。
浜面が上空を見上げると、エイワスは両腕と両足を身体で包みこみ、ダンゴムシのように丸まった体勢になっていた。
ビキ、バキャキャキャキャキャキャッ!!!! と不気味な音がエイワスの方から鳴り響く。
浜面は目を見開いた。
"彼女"の背中から、輝きすぎるほどの輝きを放つ翼が生えていたのだ。
そのあまりに美しさに見惚れてしまいそうになる浜面だったが、そんなヒマなど無かった。
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああああああああああッッッ!!!!!!」
一方通行が雄叫びをあげ、地面を踏み込み跳躍したのだ。
その衝撃で大地が激しく揺れる。滝壺が尻餅をつきそうになったところを、浜面はなんとか手を取り支えた。
「ふふ、落ち着きたまえよ一方通行。 少々、派手に暴れすぎだ」
誰にも聞こえないような声量で、しかし一方通行にはハッキリと聞こえるように、
普段の声色でエイワスが諭す。姿までは戻っていないが。
だが、いきなり頬にキスをされた一方通行の怒りはそんなことで収まるわけがなかった。
「てめェがこォさせてンだろォがああああああああああああああああああああああああああッッ!!!!!!」
つい昨日も風斬に似たようなことをされているのだが、一方通行はもはやそんなことを覚えていなかった。
一方通行はエイワスの頭上まで跳躍すると、すかさず黒翼を収束し、叩きつける。
その余波だけで大気は震え、周囲の窓ガラスがヒビ割れまくっていた。
「もぉっ! あーくんってば、オイタが過ぎるぞっ☆ とりゃっ!☆」
そう言って、エイワスも背中の翼を挟み撃ちにするように振りかぶった。
空中で核爆発が起きたかと浜面は思った。
学園都市に鼓膜がはじけ飛ぶような爆音が響き渡る。
相討ちになった二人は、凄まじいスピードでそれぞれ逆の方向に真っ直ぐ吹き飛んでいく。
どうやら世界最強最大規模の『痴話喧嘩(トロイア)』は終戦を迎えたようだ。
「た、滝壺は一方通行のところへ向かってくれ! 俺はあの子を!!」
浜面が顔を青くしながら滝壷に指示を出す。滝壺は一瞬間を空けて頷き、一方通行が飛んでいった方向へ走っていった。
そして浜面も、エイワスが吹き飛んでいった方向を目指して走りだす。
その時、浜面の目の前と後方から、凄まじい爆発音が聞こえてきた。
どうやら今頃になって二人は着地、いや着弾したらしい。
不謹慎なことに、浜面は第三次世界大戦の時の事を思い出していた。
歩道と道路は完全に粉々になっており、地面がえぐれて崖のようになっている所も何箇所かあった。
おかげで上手く走ることが出来ない。
(まさかとは思うけど、死んだりしてねぇよな・・・・・・。 一方通行のやつ、どういうつもりだよ!?)
学園都市第一位の恐ろしさくらい、元スキルアウトの浜面仕上は理解している。
そんなバケモノが、容赦なく、全力で(パッと見)か弱そうな女の子を攻撃したのだ。
普通に考えて、生きているとは思えない。
焦燥の色を浮かべながら、浜面はひたすら不安定な道路を走るが、なかなか"彼女"の爆心地に辿り着けない。
どうやら数百メートル以上吹き飛ばされてしまったようだ。
と、その時、浜面は妙なものを見た。
遥か向こうに、上空七、八メートルの辺りだろうか、直径六メートルほどの天使の輪のようなものが浮いている。
何だありゃ?と、疑問に思いながらそれを見つめていると、
ブワッッ!!と、輪が広がり、辺りの瓦礫を一瞬で吹き飛ばしてしまった。
「な、なんだぁっ!!?」
間抜けな声をあげ、思わず腕で顔を庇う浜面。
だが不思議なことに飛び散った瓦礫は周囲の人々に激突することはなかった。
中には不自然な軌道を描いて人を避ける瓦礫まであった。
なんとか大怪我はまぬがれた浜面は、さきほどの現象は考えても解答は見つからないと払拭し、再び走る。
そしてようやく、遠くの方にエイワスの姿を見つけた。立っている、つまりは生きているということだ。
「よ、よかった・・・・・・。 おぉーい!!」
浜面が手を振りながら"彼女"の元に駆け寄る。
早く病院へ連れていかなければ。そう思いエイワスの様子を見てみると、
「ふぇぇぇぇ~・・・・・・☆☆ めめ、おめめがまわりゅりゅりゅ~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
お星様、ひよこさん、い~っぱぁい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・☆」
まるで漫画のように目をくるくると回しながら、フラフラとおぼつかない足取りで歩いていた。
頭の周りには比喩でも何でも無く、本当に虹色の星のエフェクトと本物のひよこがピヨピヨと飛んでいた。
一体どういう原理なのだろうか。
「お、おい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まさか、無事なのか?」
信じられないといった表情でエイワスを見る浜面。あれだけ攻撃されておいて生きているとは思いもしなかった。
だがよく見ると、左足首は二、三回転ほど捻り曲がっており、皮膚が裂けまくっていた。
さらに、右腕は二の腕から先が無くなっており、右目と右側頭部が綺麗に吹き飛んでいる。
その頭の中に、三角柱の何かが動いているのが見えた気がした。
「う、うわぁっ!!? お、おい!!? お前、その怪我・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
あれだけ可愛らしい容姿だった"彼女"の身体は、もはや見る影もなくボロボロになっていた。
こんな状態でなんで生きているのか不思議でしょうがなかったが、それ以上に、
「一方通行の野郎、いくら何でもやりすぎだっ!!!」
浜面が激昂し、叫ぶ。
周囲の人々は手で顔を覆っている。エイワスの悲惨な姿を直視出来ないでいるようだ。
だが、エイワスは浜面の肩をトントンと軽く叩くと、
「怒らないであげてくれたまえ。 我々の間ではこの程度、挨拶のようなものなのだよ」
そう言って、心配ないよと言わんばかりにニコッと笑顔を見せてきた。
なんか今の喋り方、おかしくなかった?と、浜面が疑問に思いかけたが、それもすぐに払拭される。
「むむむ・・・・・・、えいっ!☆」
漫画なら『POM!』という擬音が描写されてそうな、キュートな音が響いた。
アニメのような、妙な質感の煙と、鮮やかに輝く星のエフェクトが飛び出し、チャリンチャリンと地面にばらまかれる。
そして煙幕から現れた"彼女"の姿は、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!? な、え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!?」
完全に、"元"の可愛らしい美少女の姿に修復されていた。
――第七学区・一方通行サイドの爆心地
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」キョロキョロ
ドッゴォォォォォォォォォン!!!!!
ザワザワ 「きゃあああああっ!!!」
「うわぁっ、出てきた!!?」
「い、生きてるのかよあれで!!?」 ガヤガヤ
「あ・・・・・・、やっぱり第一位だ、あいつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「お、おい、逃げたほうが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ザワザワ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふゥー、ふゥー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ビキビキ
滝壺「あ、いた」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あのクソ野郎はどこだ」
滝壺「クソ野郎? はまづらの事?」
一方通行「違ェ!! あのクソッたれのメルヘン野郎だ!!! どこ行きやがった!!?」
滝壺「・・・・・・? あくせられーた、とりあえずここから離れよう?」
一方通行「うるせェンだよ!!! あいつ、殺してやる・・・・・・!! 調子に乗りやがって・・・・・・」ガルルルルルル
滝壺「あくせられーた、大丈夫だよ」
一方通行「ああァッ!?」ギロッ
滝壺「ゆっくりでいいから、落ち着こう?」ナデナデ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!」
滝壺「ね? 大丈夫だから。 私がいるから」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・クソッたれがァ」チッ
――第七学区・大通り 戦場跡地
浜面「おーい! 滝壷! 一方通行!」タタタ
エイワス「おーい☆」タタタ
滝壺「あ、はまづら。 どらこ、ケガはない?」
エイワス「うんっ! もぉ平気だよっ☆ ありがとっ、滝壺理后!」キャピ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいィ?」
エイワス「あーくん、ごめんね。 少し暴れすぎちゃったねっ! えへへ」
一方通行「・・・・・・こンのクソ天使モドキィ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!」プルプル
ファンファンファンファンファンファン
「お、おい、警備員が来たんじゃねぇ?」
「ど、どうする? 俺達で突き出すか?」 ガヤガヤ
ザワザワ 「そんな事できるかよ!!! まだ死にたくねぇ・・・・・」
一方通行「! くっそ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
エイワス「とりあえず、一旦ここから離れようか」
浜面「お、おう! 行くぞお前ら! (また喋り方が・・・・・・変な子だなぁ)」
滝壺「うん、行こ? あくせられーた」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・仕方ねェ、話はあとだ」
エイワス「ふふふ! 逃っげろぉ~~~☆」ペカー
一方通行「ッッ!!?」
浜面「うおっ!?」グイッ
滝壺「???」グイッ
エイワスが掌をかざすと、一瞬にして世界が白一色の染まった。
どうやら目くらましに閃光のようなものを放ったらしい。
もはやワケがわからなくなる一方通行だが、とりあえず電極チョーカーのスイッチをオンにしたまま、
浜面と滝壷を両腕に抱え、脚力のベクトルを操りその場を後にした。
――第一九学区・路地裏
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・とりあえずは巻いたか」
滝壺「うん、もう大丈夫そうだね」
浜面「はぁ、はぁ、ったく、急展開にも、ほどが、あるっつーの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ゼェゼェ
エイワス「ふぇぇぇ~~☆ 怖かったぁ・・・・・・」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」イラッ
滝壺「あくせられーた、もう落ち着いた?」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まァ、なンとかな」
浜面「・・・・・・で? どういうわけか説明してくれよ。 ワケわかんねぇっての」
エイワス「なになにー? 浜面仕上は何がわからないのかなっ?☆」
浜面「あんたのことが一番ワケわかんねぇよ・・・・・・」
一方通行「・・・・・・とりあえず、だ。 少し時間をくれねェか?
このメスモドキと話がしてェ」
滝壺「仲直りするの?」
一方通行「まァそンなとこだ。 俺達が戻ってくるまで絶対こっち来ンなよ」ギロッ
浜面「わ、わかったよ・・・・・・」ビクッ
エイワス「え、なに、どぉしたのあーくん? も、もしかして私、
人気が無い場所でいけないことされちゃうのかなっ?☆
いやんっ! あーくんったら大胆~~~~><」チャリンチャリン
一方通行「頭吹き飛ばされたくなかったら黙ってついてこい」
エイワス「ふふ、穏やかじゃないな一方通行」
―――――――――――
一方通行「で、てめェは誰なンだ?」
エイワス「もぉ、あーくんてば急にどぉしたの? 記憶がピューン☆ って飛んでっちゃった?」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチッ
エイワス「わかったわかった、答えるからそう殺意を剥き出しにしないでくれ」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何なンだてめェは」カチッ
エイワス「見ての通り、学園都市最重要機密コード『ドラゴン』で匿われている存在、エイワスだが?」
一方通行「見ての通り、じゃねェだろブタ野郎。 いつからてめェは魔法少女になったンだよ」
エイワス「ふむ? この容姿は気に食わんかね? なかなか可愛らしい仕上がりになったと自負しているが」
一方通行「そォいう問題じゃねェ!! いやそォいう問題だが、そォじゃねェだろォ!!!」
エイワス「怒鳴るなよ、らしくないな一方通行」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッ。 とりあえず質問していく」
エイワス「伺おうか」
一方通行「まず、なンでそンな姿になってる?」
エイワス「普段の私の姿では、雰囲気が出ないだろう。 君の好みの容姿を想像し、
象ってみたのだがいかがだろうか?」
一方通行「もォこのセリフ通算で何度目かわかンねェが、吐きそォなンですけど」
エイワス「やはり気に食わんかね? ならばリクエストを聞こうじゃないか」
一方通行「今すぐ死ンでくれ。 可及的速やかに」
エイワス「ふふふ、面白い冗談だな一方通行。 だがそれは聞けんよ。
私には死の概念が存在しないのだから」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もォ姿はこの際どォでもいい。
少なくとも普段のよりはマシかもしんねェ」
エイワス「お誉めにあずかり恐悦至極に存じます、くくく」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ッッ、次」
エイワス「何でも聞きたまえ」
一方通行「あのヘドが出そォなほどに気色悪い喋り方はなンだ?」
エイワス「うんっ、あれはねっ! 明るくてちょっと幼い雰囲気を出すための口調なの!☆
あーくんが気に入らないっていうなら変えちゃうけどね!☆」ニコッ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・次。 『☆』と『あーくン』は」
エイワス「『☆』はちょっと不思議ちゃん? をイメージしてつけてるんだよっ!
『あーくん』は、一方通行(アクセラレータ)だからあーくんなのっ! えへへ、いいでしょ?」
一方通行「・・・・・・次、一瞬で殺されるか苦しンで殺されるか。 選ばせてやる」
エイワス「まぁ待ちたまえ、話くらいきてくれてもバチは当たらんよ?」
一方通行「遺言か。 聞いといてやる」
エイワス「名目上とはいえ、これはデートなのだよ一方通行。 そして君は男だ。
私の性別がハッキリしてない以上、私もそのままというわけにはいくまい」
一方通行「で?」
エイワス「そこで、私が女性に扮することにより、デートとして成り立つという、
実に簡単な話じゃないかね? 」
一方通行「言いたいことはそれだけなンだな?」
エイワス「これだけは誓ってもいい。 私は君をからかったり、ふざけているつもりは一切ないよ。
これでも、君を楽しませようと尽力しているのだがね」
一方通行「その姿と口調が既にふざけてるンだが?」
エイワス「だからリクエストを受け付けると言っているのだよ。 君は私にどうなって欲しいのかね?」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
エイワス「先程の行為は少々行き過ぎた事は認めよう。 反省するよ。
だが君も昨日、ヒューズ=カザキリに似たようなことをされているじゃないか」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・変態野郎が」
エイワス「ひどいことを言う。 もちろん、一切口外はしないから安心したまえ。
だが、私がヒューズ=カザキリと同じ行為をしたら不満だというのかね?」
一方通行「当たり前だろォが、頭湧いてンのかてめェ」
エイワス「ヒューズ=カザキリの時は抵抗しなかったのに、か?」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
エイワス「それに、浜面仕上と滝壺理后にもある程度納得のいく説明をしなければならなくなった。
あれだけ派手に暴れてしまったが、それでも私の"正体"を明かすわけにはいかんよ」
一方通行「・・・・・・当然だ、あいつらまで巻き込むわけにはいかねェ」
エイワス「そういうことだ。 私としてもあまりあの二人を巻き込みたくないのだよ。
アレイスターにチャンスを与えてしまう要因になりかねないしな」
一方通行「・・・・・・クソッ。 一兆歩譲ってその口調と容姿は容認してやる」
エイワス「きゃはっ!☆ ありがと、あーくん☆ やっぱり君は優しいね!」
一方通行 (あああああああああ殺してェェェェェェェェェェ)
エイワス「まぁ、君と二人になった場合は極力普通の口調で喋るよう努めよう。
もっとも、この口調が気に入ったというなら常に実行しても―――」
一方通行「その時は、ブ・チ・コ・ロ・シ・カ・ク・テ・イ・だァ」
エイワス「ふふ、それは君のセリフじゃないだろう」
エイワス「さて、そろそろ二人の元へ戻ろうか」
一方通行「あァ? このままとんずらしちまってもいいンじゃねェかァ?」
エイワス「彼らにも迷惑をかけてしまったからね。 それでは申し訳が立たない」
一方通行「・・・・・・ちっ、しょォがねェな」
エイワス「そうそう、私と君は、一応彼女という設定にさせてもらうが、構わんだろう?」
一方通行「構うわクソボケ。 何が悲しくててめェみてェな人外を人生のパートナーに
しなくちゃなンねェんだ。 まだガブリエルの方がマシだ」
エイワス「くくく。 彼女が聞いたら泣いて喜びそうなセリフだな。
まぁ私たちの関係はあの二人の想像にお任せします、ということで」
一方通行「・・・・・・友達、じゃダメなのかよ」
エイワス「嬉しい事を言ってくれるじゃないか一方通行。 私と君は友達か」
一方通行「"設定上"だよクズ。 思い上がンじゃねェ」
エイワス「ふふ、まぁそういうことにしておいてあげよう」
一方通行「はァ・・・・・・、この企画で史上最悪の回だなこりゃ。 文句なく」
エイワス「そういうなよ、私はデートという貴重な体験が出来て嬉しいぞ?」
一方通行「だったら彼氏でも彼女でも何でも作って消えてくれよ。
オマエのそのデタラメな能力なら一発だろォ」
エイワス「それはあり得ない可能性だよ一方通行。 私は個人的には君にしか興味がないからね」
一方通行「その減らず口、縫いつけてやろォか」
エイワス「ナイスアイデアだ。 出来れば君の口づけで縫いつけてほしいな」
一方通行「おっえェェェェェェ」
――――――――――
浜面「お、戻ったか」
滝壺「お帰り、二人共」
一方通行「悪ィ、待たせちまったなァ」
エイワス「お待たせ!☆ あーくんったら大胆なんだから」
浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」
一方通行「誤解を招くよォな発言をしてンじゃねェよこのアバズレがァ!!! 何もしてねェだろォが!!」
滝壺「大丈夫。 私はそんな性欲の強いあくせられーたを応援してる」
エイワス「彼ったら毎日毎日激しくて、腰が抜けちゃいそうなの」
一方通行「やっぱ殺されなきゃわかンねェらしィなァ・・・・・・」
浜面「ま、まぁまぁ。 大変仲がよろしいようで、いいことじゃねぇか」
一方通行「おい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ギロッ
浜面「わ、わかってるよ、ドラコの冗談だろ?」
エイワス「照れなくてもいーんだよっ! ダーリン☆」
一方通行「目眩してきた・・・・・・、ン? ドラコ?」
エイワス「(今の私の名だ。 合わせたまえ)」ボソッ
一方通行「あ、あァ、ドラコ・・・・・・ (ドラゴンだからドラコ、か。 ネーミングセンス無ェなコイツ)」
滝壺「二人はこれからどうするの?」
エイワス「私とあーくんはね、今デート中なの! 君達もそうなの?」
浜面「え! いやぁ、ははは・・・・・・、えーと、そういうことになんのかな?」タハハ
滝壺「うん、そうだよ」
浜面「おおう・・・・・・」ドキッ
一方通行「ハッ、まともな女で羨ましいこった。 ンじゃ楽しンで―――」
浜面「な、なぁ! 良かったらこれから俺達と一緒に遊ばねぇか?」
一方通行「あァ? どォしてンなこと・・・・・・」
浜面「(頼む一方通行! ここは一つ、ノッてくれ!)」ボソッ
一方通行「(どォいうことだ? 俺達がいたって邪魔なだけだろォが)」ヒソヒソ
浜面「(正直言って、俺は女と二人でデートした経験なんて無いんだ。
だから二人っきりだとメチャクチャ緊張しちまうんだよ!)」
一方通行「(あー・・・・・・、そォいうことか。 だが悪いンが―――)」
エイワス「うん! いいんじゃないかなっ? ね? あーくん☆」
一方通行「(お、おい、だが禁則事項第五条で・・・・・・)」ボソッ
エイワス「(君が律儀に禁則事項を守ろうとするとは珍しいな。
だが私が居ればそれに触れることはない)」ボソッ
一方通行「(オマエさっきこの二人は巻き込みたくねェって)」
エイワス「(それは私の"正体"とアレイスターに関する件について、だ。
ただのWデートなら、問題あるまい?)」
エイワス「滝壺理后はどうかな? 了承してくれる?」
滝壺「うん、いいよ。 二人共、なんだか面白いし」
浜面「よ、よし! それじゃ決まりだな!」
一方通行「おいィ・・・・・・、俺の意見は」
浜面「(さっきお前らが暴れた件は黙っておくからさ! いいだろ?)」ボソボソ
一方通行「(この俺を脅すとは・・・・・・、ちっ、まァ仮も出来ちまったしな。 好きにしろ)」ボソボソ
滝壺「それじゃ、行こ?」
【次回予告】
『いやコッチ入ってるンですけどォォォォォォォォォ!!!!!!!??』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』のリーダー・一方通行(アクセラレータ)
『ペロペロ・・・・・・。 ・・・・・・ん、美味しいよあくせられーた』
―――――――――――『アイテム』の構成員・滝壺理后
『あ、一方通行ぁ・・・・・・ッッ!!』
―――――――――――『アイテム』の下っ端構成員・浜面仕上
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何の話をしているんだ?』
―――――――――――『天使同盟(アライアンス)』の構成員・エイワス
――第四学区・とある高級レストラン
浜面「おお・・・・・・、朝からこんな豪勢なメシが食えるとは・・・・・・」ゴクリ
エイワス「遠慮しないでドンドン注文するといい! あーくんは太っ腹なんだから☆」
一方通行「俺はてめェの財布じゃねェンだよ」
滝壺「ありがとう、いただきます」
一方通行「少しは遠慮し・・・・・・、まァオマエなら別にいいか」
エイワス「さすがあーくん! 私はあーくんのそういうところに惚れたんだよっ!」
一方通行「てめェは残飯でも食らってろ性悪女」
浜面「でさ、二人は付き合ってんのか?」
エイワス「あーくんはテレ屋さんだから、なかなか心を開いてくれないの・・・・・・><
でもそういうところが魅力的なのだy・・・・・・魅力的なんだっ!☆」
一方通行「オマエにオープンマイハートするくらいなら死ンだほうがマシだァ」
エイワス「でも初めはね? あーくんの方から私を求めてきたのだよ!☆
私に会うために、統括理事会の人と必死に戦ってくれたりしてね」
浜面「それやりすぎだろぉ!? どんだけ会いたかったんだよっ!!?」
一方通行 (クッソ・・・・・・、あながち間違いじゃねェから何も言い返せねェ)
滝壺「あくせられーたは熱血さんなんだね」
一方通行「馬鹿な事言ってンじゃねェ」
エイワス「それで私が彼に興味を持ってー・・・・・・、そこから知り合うようになったの!☆
人前にはなかなか出ない私なんだけど、あーくんは別なのだよ」
浜面「いいなぁそういうの、典型的だが悪くないよな」
滝壺「そうだね、いい話だなー」
一方通行「ぐ、く・・・・・・」ワナワナ
滝壺「どらこも能力者なんだよね?」
一方通行「え、あァ・・・・・・なんつゥか」
エイワス「さしずめ、レベル3の『二次元病(トゥーンドライブ)』といったところか☆」チャリンチャリン
滝壺「聞いたことない能力・・・・・・」
一方通行 (どこがレベル3何だよどこが・・・・・・)
浜面「レベル3で一方通行と張り合えるか普通? 怪我治してた時とか、
とんでもねぇ治癒能力だった気がするんだけど」
エイワス「もちろんあーくんは手加減してくれてたよ! 優しい人だからね、くく」チャリンチャリン
一方通行「いちいちウィンクすンな、星が辺りに散らばってうざってェンだよ」
浜面 (どういう能力だよこれ・・・・・・)
エイワス「でもでもっ、滝壺理后の能力追跡(AIMストーカー)も珍しい能力だよね!☆」
滝壺「!」
浜面「!!?」
一方通行「」
滝壺「どうして知ってるの?」
エイワス「これでも私、けっこう物知りなんだっ!☆
浜面仕上は無能力者だけど、くすっ☆」
浜面「笑うな! てか何で俺のことまで知ってんだよ?」
一方通行「(やっぱオマエは黙らせてやンなきゃいけねェか?)」ゴゴゴ
エイワス「(このくらいなら問題ないだろう)」ヒソ
一方通行「あ、あァ、俺がこいつにさっき話したンだよ。
レベル4の珍しい能力者がいるのと、見所のある無能力者がいるってなァ」
浜面「み、見所・・・・・・あるかぁ俺?」テレテレ
滝壺「そうだったんだ」
エイワス「二人共、元暗部・・・・・・とか何とか? って聞いたかも」
一方通行「おい」
浜面「おっと・・・・・・、まぁその辺は、な?」
滝壺「うん。 暗部についてはあまり深入りしないほうがいいよ? 危ないからね」
エイワス「りょーかいした☆」ビシッ
一方通行 (こいつはその暗部の最奥部に君臨してる存在だがな)
浜面「ところでさ、あの天使の様子はどうなんだ? って・・・・・・、この子の前じゃ
マズい話題かこれ?」
エイワス「私も知ってるから大丈夫だよ☆ みんなで一緒に住んでるからね」
浜面「え!? お前天使と同居してんの!?」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・誰かが見張ってなきゃなンねェだろォが」
滝壺「天使と一緒に住むなんて、ロマンチックだね」
一方通行「ところがどっこい。 現実はそォ甘くねェンだなこれが」
浜面「やっぱキツイの?」
一方通行「俺が見張ってなきゃ、今頃学園都市は無くなってるだろォな」クカカッ
エイワス「もうっ! そういうこと言っちゃ悪いではないか☆」
一方通行「オマエもだよオマエも!! オマエらのせいで学園都市の平和が危ぶまれてンだ!」
浜面「ははっ、早いとこ解放されてぇってか」
一方通行「もォうンざりだぜ、一刻も早く終わらせてェよこンな生活」
滝壺 (・・・・・・そういう割には、あくせられーた、なんだか楽しそうに喋るなあ)
浜面「そういやドラコは外国の子か? 目が青いし、つか光ってるんだけど」
エイワス「そうだね、外人という認識で構わないよ☆」
一方通行「ていうか人外だよ」
浜面「名前も変わってるよなぁ」
一方通行「オマエに名前が変わってるだのなンだの言えンのか」
滝壺「あくせられーたもね」
エイワス「君もだろう、滝壺理后」
浜面「で、どこから来たんだ?」
エイワス「vuwg天ig外nvi界bvojbv、というよりvbbi時defjir念・・・・・・。
うーん、ダメ、ヘッダが足りないみたい><;」
浜面「へ?」
一方通行「あー、ロシアだよロシア」
滝壺「ロシアから来たの? 大変だったね」
エイワス「どぉして?」
一方通行「(ついこないだまで三次大戦やってたろボケ)」
エイワス「vuwg天ig外nvi界bvojbv、というよりvbbi時defjir念・・・・・・。
うーん、ダメ、ヘッダが足りないようだな><;」
浜面「へ?」
一方通行「あー、ロシアだよロシア」
滝壺「ロシアから来たの? 大変だったね」
エイワス「どぉして?」
一方通行「(ついこないだまで三次大戦やってたろボケ)」
エイワス「あぁ、そうだっt・・・・・・、うん! お家、無事かなぁ」
浜面「辛かったもんなーあの戦争。 あれ? でも一方通行がこの子に
会いに行ったんだよな? それじゃこの子がロシアに―――」
一方通行「細けェこたァいいンだよ」
浜面「? そうか・・・・・・。 ん、待てよ? 一方通行、この前の眼鏡の女の子いるだろ?
まさかあの子とも一緒に・・・・・・?」
一方通行「風斬のことか? あァ、居るぞ。 それがどォした」
浜面「こ、この野郎・・・・・・っ!! それがどうしただと? ハーレムじゃねぇか!
実に羨ま・・・・・・けしからん!!」
一方通行「ハーレムじゃねェよアホ。 男も居る」
エイワス「ていとくんも一緒に住んでるのだよ☆」
滝壺「ていとくん?」
一方通行「垣根帝督」
浜面「!!!」
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
浜面「垣根帝督・・・・・・!? レベル5の第二位じゃねぇか・・・・・・」
一方通行「あン? 知ってたンかよ」
滝壺「あの人のせいで、アイテムはバラバラになりそうだったんだよ」
一方通行「! 抗争の時か・・・・・・、あれ、俺余計なこと言っちまったかァ?」
エイワス「ふふふ、やっちゃったね、あーくん!☆」クスクス
浜面「しっかし、何だってあんなやつと・・・・・・?」
一方通行「斯々然々ってやつだ、説明は省略ってなァ。 だが、まァそォいうことなら
安心しとけ。 あのクソメルヘンも俺が見張ってっから」
浜面「オマエ、すごい状況になってんだな・・・・・・。 ドラコも大変だろ?」
エイワス「非常に興味深くて楽しいよ!☆ もうちょっと刺激的でもいいかもだけど☆」
浜面(なんかこの女もヤバい感じがしてきた。 さっきの戦いも合わせて)
滝壺「でも、あくせられーたなら安心だね」
一方通行「ハッ、エラい信用されてンなァ俺。 何かやったかァ?」
滝壺「前に倒れてる私を介抱しようとしてくれたし、ロシアでも助けてくれたでしょ?」
浜面「あの時はすまなかったな、一方通行」
一方通行「あァー・・・・・・、何かあった気がする。 そォいうことも」
エイワス「あーくんったら、色んなところでフラグを立ててくるからな。
私も気が気でないよ>< 滝壺理后ともフラグが立ちかけてたんだな☆」
滝壺「フラグ?」
一方通行「オマエさ、余計なことしか言えねェの?」
浜面「なんだよ、興味あるな。 聞かせてくれよ」
一方通行「その前に誤解が無ェよォ言っとくが、滝壷とフラグなンざ立ってねェからな」
浜面「わかってるって、別にそこは疑ってねぇよ。 他の聞かせろよ他の!」
滝壺「あれ? あくせられーたとどらこはカップルじゃないの?」
一方通行「違いますゥー。 誰が好き好んでこンなバケモノと・・・・・・」
エイワス「ひどいことを言う、泣いてしまうぞ。 うぇぇぇぇぇぇん;;」ドバッシャァァァァァ
一方通行「ぎゃああああ!! 決壊したダムかてめェはァ!!!」バチャチャチャチャ
浜面「涙ってレベルの量じゃねぇぞ・・・・・・、あ、店員さん、すみません」
滝壺「誰とフラグを立てたの?」
一方通行「誰とも立ててねェっつゥの」
浜面「いやいや、女の子三人と同居しといてその言い草はねぇだろ」
一方通行「今は女七人だけどなァ」
浜面「自慢か!!? 自慢ですかっ!!?」
一方通行「どこをどォ解釈したら今のが自慢になるンだよ」
エイワス「七人・・・・・・?」ニヤリ
一方通行「あ、やべっ、こいつまで入れちまってた!!」
滝壺「? どらこは女の子でしょ?」
一方通行「クッソ・・・・・・、まァ・・・・・・そォだな・・・・・・。 今は、な」ボソッ
エイワス「くくく」
浜面「しかし七人だと・・・・・・、エロゲの主人公かお前は」
一方通行「え、オマエ、エロゲとかやってンの?」
エイワス「それだけじゃないよ! イギリスに行ったときにキャーリサと立ってるし、
行きつけのファミレスでウェイトレスとフラグ立ててるし、
雑貨稼業(デパート)に暴力受けてた女の子を助けてフラグ立ったし、
迎電部隊(スパークシグナル)から助けた人質の男の子とも立ってるし、
親船最中ともなんやかんやで立ってるだろうな。
そして、ていとくんから風紀委員の初春飾利を助けて立ったし、他にも色々☆」
一方通行「いや詳しすぎねェかいくらなンでもッ!!? 何か色々おかしいの混じってるしよォ!!
つか今言った大半が誰それって感じなンだが」ウガー
浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おまけに第一位だしな。 マジで"学園都市"最強だよお前」
滝壺「やっぱり、あくせられーたはモテモテだね」
一方通行「素直に信じてンじゃねェよオマエらもよォ!! 確かに今こいつが言ったことは事実だが、
そンな小せェことでフラグ立ってたらとっくに女の一人や二人出来てンだよ!」
浜面「言ってみてぇ、男として生まれたからにはそんなこと一度でいいから言ってみてぇ」
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・私じゃダメなの?」
浜面「い、いやぁそんなことは・・・・・・」
一方通行「それにもォ今みてェな話題は飽きてンだよこっちは」
エイワス「それじゃ、どっか遊びにいこうか☆」
浜面「ん、そろそろ移動するか。 なんか周りの視線が痛い」
滝壺「もう外に出ても大丈夫かな?」
一方通行「すまねェな。 こンなくだらねェことに巻き込ンじまってよ」
浜面「面倒ごとなら慣れっこだ」ニッ
滝壺「それに、私は二人と一緒に遊びたいし」
エイワス「ふふ、良い友人を持ったな。 一方通行」ボソッ
一方通行「ふン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
――第六学区・とある遊園地
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・結局ここかよ」
エイワス「文句言わないの☆ 私、一度遊園地って行ってみたかったのだよー」
浜面「ガキの頃、親に連れてってもらったっけなぁ」
滝壺「私も初めてなんだ、遊園地」
一方通行「バカ面以外は初か。 ま、丁度いいかもな」
エイワス「うーん! ワクワクするね☆ 胸が躍るよ!」ユッサユッサ
浜面 (ホントに踊ってますよドラコさーん!!!)チラチラ
滝壺「どしたの? はまづら」
浜面「い、いやいや別に! 何でもねぇよ!?」アセアセ
一方通行「おい無能力者」ボソッ
浜面「あ、え?」
一方通行「悪い事ァ言わねェ、こいつにだけは欲情しねェ方がいいぞ」ヒソヒソ
浜面「む、無茶をおっしゃる・・・・・・、目の前であんなことされたら・・・・・・」
一方通行「地獄より辛ェ後悔したくねェンなら、肝に銘じとけ」
浜面「ま、まぁ分かってるよ。 また麦野に風穴空けられるのはイヤだしな・・・・・・」
一方通行「いやそォいう事じゃねェンだが・・・・・・、まァいい」
滝壺「ねえ、早く行こ?」
エイワス「あーくんあーくん!! 私、全てのアトラクションを掌握したーい!」キャッキャッ
一方通行「分かったから大声であーくンあーくン叫ぶのやめていただけませンかねェ?」
エイワス「こういう所って、アトラクションの巡り方とかあるの?」
浜面「好きなようにすりゃいいだろ。 初っ端から絶叫系でもいいし、
まずはコーヒーカップとかのんびりしたとこから攻めてもいいし」
滝壺「コーヒーカップ?」
一方通行「あれか、バカップルがコーヒーカップの形した乗り物にのって騒ぐやつ」
浜面「それそれ」
エイワス「何それ? すっごく興味深い☆ それにしよっ?」
一方通行「どォせ断ったって強制連行だろ」
滝壺「私も乗ってみたいな、コーヒー飲みたい」
浜面「いや入ってないから、そこまでこだわってねぇから」
――とある遊園地・コーヒーカップゾーン
従業員『はい、次のお客様どうぞー。 足元にお気をつけくださーい』
エイワス「あーくん、一緒に乗ろっ?☆」
一方通行「うゥ・・・・・・、このキモい口調にまだ慣れねェ・・・・・・慣れたくねェ」
滝壺「このピンクのカップにしよ?」
浜面「あぁ。 つーか・・・・・・、この歳でこういうの乗るの、何か恥ずかしいな・・・・・・」
一方通行「この中央のハンドル回せば回転速度が上がってくのか」ガシッ
エイワス「ふふ、君のベクトル変換能力で限界を超えてみないか?」
一方通行「急に素の喋り方すンなよ・・・・・・。 あと、能力は使わねェ。
オマエも、余計なことしたらカップごと大気圏まで飛ばすからな」
エイワス「それはそれで楽しそうだな、くく」
従業員『それではコーヒーカップ、行っきまーす』
ゴゴゴ・・・・・・ クルクルクルクル
浜面「おお、けっこう早いな・・・・・・」
滝壺「あれ? あくせられーた達のところ・・・・・・」
一方通行「おいスタッフ!! コーヒー入ってるンですけどォォォォォォォォォ!!!!!!!??」
エイワス「ふふふふふふ、急遽淹れてみました☆ このほうが雰囲気出るでしょ?」キャハハハ
浜面「ええええええええええっ!!? どうなってんだよオイ!!」グルングルン
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・いいなぁ」グルングルン
一方通行「エイワスてめェェェェェ!!!! ふざけたマネしてンじゃねェぞォォォ!!!!
熱っち!! コーヒー熱っちィよオイィィィィ!!!!」バッシャバッシャ
エイワス「ちなみにこれは、ジャマイカ産のブルーマウンテンを使用してみた。
もちろん、君の好みに合わせてブラックで淹れてみたぞ☆」
一方通行「いやそンな情報いらねェから!!!! これさっさと捨てろォォ!!
クッソ、何でハンドルから手が離れねェンだ!!? 熱ッ、熱っつゥゥゥ!!!」
浜面「うお、めっちゃいい匂いがする・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
滝壺「あっちのほうが面白そうだなぁ」
従業員(あれ・・・・・・何であのカップ、コーヒー入ってんだろ・・・・・・)
エイワス「よっし! 次はドライ・カプチーノ風にしてみようかな☆」スッ
一方通行「ちょ、やめ、ごぼっ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、ゴポゴポ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ドラコの仕業かな」グルングルン
滝壺「ふわふわクリーム、美味しそうだなぁ」グルングルン
一方通行「い、息が・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おま、助け・・・・・・、がはっ」グルングルン
エイワス「た、たいへ~~ん!☆ 人工呼吸しなくっちゃ!」ガバッ
一方通行「人工ってオマエ人じゃねェだろ!!! こっち来ン・・・・・・ブクブク・・・・・・」
浜面「・・・・・・。 熱ッ!? お、おい、こっちにまでコーヒー飛んできてんだけど!?」
滝壺 (ワッフル食べたくなってきたなあ)
――――――――――――
従業員『お疲れ様でしたー (あの人、大丈夫かな・・・・・・)』
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ボタボタ
浜面「お、おい、しっかりしろよ一方通行、ぷくくっ」プルプル
一方通行「・・・・・・何笑ってンだよてめェ」ギロリ
浜面「ひっ!? す、すみません!!」ビクッ
エイワス「アトラクションとしても楽しめるし、コーヒーも飲めるしで、
一石二鳥だったね、あーくん☆」
一方通行「踏ンだり蹴ったりだクソ野郎ォ!!」ウガー
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」ペロペロ
一方通行「ッ!!? 何しやがンだてめェ!?」
浜面「た、滝壺・・・・・・?」
滝壺「本当にコーヒーだ。 ・・・・・・ん、美味しいよあくせられーた」ペロペロ
一方通行「ちょ、おい、やめろバカ!! おい浜面、てめェも止めろよ!」
浜面「あ、一方通行ぁ・・・・・・ッッ!!」ポロポロ
一方通行「何で泣いてンですかァ!!? いいからこのバカ止め・・・・・・ひゃふっ」ビクッ
エイワス「滝壺理后だけズルイよ~>< 私も舐めちゃおっ☆」ペロペロ
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」カチッ ゲシッ ズギャッ
滝壺「あう」コテン
エイワス「ひゃああ!」ドッゴォォォォォン
一方通行「いい加減にしろアホ共。 ・・・・・・寒ィ、俺ちょっと着替えてくるわ」スタスタ
浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ちょっと俺、あのコーヒーの海に飛び込んでくる」
滝壺「なんで? コーヒー好きなの?」
エイワス「ふぇぇぇぇ~~~~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」フラフラ
―――――――――――
一方通行「待たせたな。 ったくよォ、従業員用のシャワーまで借りるハメになっちまっただろォが」
エイワス「えへへ、ごめんね☆ あーくん、喜んでくれるかなと思って」
一方通行「あの状況で喜べるほど俺はラリってねェよ」
浜面「ちくしょう、もうコーヒーが無かった・・・・・・。 つか何だったんだよさっきのは」
滝壺「どらこがやったんでしょ? ユニークだね」
エイワス「でしょでしょ? ふっふ~ん☆」
一方通行「オマエのドヤ顔程うぜェモンも無ェな」
浜面「よっしゃ、次、どこ行く?」
滝壺「あれ、あれがいい」スッ
エイワス「んー? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お化け屋敷、かな?☆」
一方通行「いや、やめとこォぜ。 嫌な予感しかしねェ」
エイワス「いいじゃんいいじゃん! 行こうよぉ☆」
浜面「うう・・・・・・、あんま得意じゃねぇんだけどな、ああいうの」
一方通行「第四位と幽霊だったらどっちが怖い?」
浜面「なるほど! さすがに冴えてるな第一位は。 よし、行くか」
一方通行「余計なこと言っちまった・・・・・・、クソ、覚悟決めるか」
滝壺(今のはまづらとあくせられーたのやり取り、むぎのに言ったらどうなるかな?)
――とある遊園地・お化け屋敷・・・・・・
浜面「なんかこのお化け屋敷、看板はあるけどただそれだけっつーか・・・・・・、
外見の装飾とかしてねぇのな」
一方通行「全員で行くか?」
エイワス「ここは二人ずつで行くのがセオリーでしょっ!☆」
滝壺「じゃあ先に行ってみてもいいかな?」
浜面「お、俺は構わないぞ」ゴクッ
一方通行「おゥ、ンじゃ楽しンで来いよ」
エイワス「行ってらっしゃーい!☆ くく」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・金、払わなくていいのかここ」
滝壺「行ってくるね」ガチャッ
バタン
――――――――――
浜面「おお・・・・・・、けっこう本格的だな。 適度に暗くて寒いし、草とか木も本物じゃね?」
滝壺「うん、地面の土も本物だね」ジャリ
浜面「羽虫も飛んでやがる、すごい作り込みだな・・・・・・。さすが学園都市」
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はまづら」
浜面「ん? どうした?」
滝壺「あの木のとこ、誰かいる」スッ
浜面「え・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」クルッ
首吊り死体「」ギシ・・・・・・ ギシ・・・・・・
浜面「ううおおおああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」ズドドドドドッ
滝壺「あ。 はまづら、置いてかないで」タッタッタッ
浜面「はぁ・・・・・・、はぁ・・・・・・、び、ビビったぁ・・・・・・」ゼェゼェ
滝壺「脅かしてきたりはしないんだね」
浜面「・・・・・・リアルな感じを追求したお化け屋敷なんじゃねぇの? 実際、
脅かしてくるよりああやって居られるだけのほうが怖いぜ」
滝壺「あ」
顔が前髪で隠れた女「」 ザッ ザッ
浜面「あああああああああああああああばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」
滝壺「大丈夫だよ浜面、こっちには来ないみたい」
―――十分経過。
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遅っせェなァ」
エイワス「ふふ、まさかとは思うが。 情事を重ねているかもしれんな。
もしそうならば、我々は邪魔でしかなくなるのだが」
一方通行「アホ、ンなわけねェだろ」
浜面「ふぅぅ・・・・・・、帰ったぜ」
滝壺「ただいま、二人とも」
一方通行「えっらい時間掛かったなァ。 どォだったよ?」
浜面「怖かった・・・・・・、とにかく怖かった。 首のない死体が走ってくるのとかやばかった」
滝壺「それと、かなり広いみたいだよ、このお化け屋敷。
私たち、帰り道が少しわからなくなっちゃって」
一方通行「迷ったってェのか? 見た目はそンなでけェ建物じゃねェけどな」
エイワス「ねぇねぇ、早く私たちも行こうよ!☆」
一方通行「はいはい・・・・・・、あァー・・・・・・嫌な予感しかしねェ。
もしお化け屋敷が吹き飛ンだらオマエら真っ先に逃げろよ」
滝壺「うん、わかった」コクン
浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お化け屋敷特有のドキドキイベントが発生しなかった」シュン
滝壺「?」
エイワス「それじゃ、行ってきまーす!☆ あーくん、置いていったらイヤだからな?」ニタリ
一方通行「幽霊よりオマエのほうが百万倍怖いわ」ガチャ
バタン
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・? ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
出入口のドアを閉めた途端、一方通行は妙な違和感を感じた。
具体的にと言われると答えられないような、そんな曖昧な違和感なのだが、確実に感じた。
一方通行はほんの少し思考してみるが、何せ一緒にいるのがこの"女"なのだ。
違和感の一つや二つ、この"女"が出しているのだろうと結論付け、一方通行は先に進む。
「ふぇぇ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・、置いてかないでってばぁ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
震えた声でそう呼びかけるのは、その"女"である、ドラコだ。
正確にはエイワスである。
彼女はとてとてと一方通行に着いて行き、キュッと彼の腕を掴む。
一方通行がその腕を鬱陶しそうに振り払おうとするが、エイワスは頑なに腕を絡みつけてくる。
十分に発達"させている"その胸が一方通行の腕にプニプニと当たっているのだが、彼はまるで気にしない。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・妙に空気が澄んでやがるな」
「草木がたくさんあるからね、それらがマイナスイオンを発し、空気を浄化しているのだろう」
などと言い出す始末だった。
美少女ドラコの姿でエイワスの口調になると、やたら違和感が増すンだが。と、一方通行は思ったが、
何を言ったところで壁に話し掛けるようなものだと決めつけ、口には出さなかった。
というか、エイワスが微妙に発光しているからか。彼女の周囲には蛾や羽虫が無数に飛び交っていた。
別の意味での恐怖を、頼んでもいないのに演出してくれている。
今も見た目は美少女ドラコのままなエイワス。
端から見ると、一方通行はとんでもない美貌を持つ女性とお化け屋敷を楽しんでいるという
他の男性が殺意を抱きそうなシチュエーションに見えるのだが、彼本人はそんなこと微塵も考えていない。
突然、カラスの大きな鳴き声が響き渡った。
その瞬間に、一方通行の左腕に激痛が走る。
「ひゃあああ!!!☆ びっくりしたよぉ・・・・・・」
驚いたエイワスが、一方通行の腕をへし折らんばかりに強く絞めつけてきたのだ。
一方通行がギロッ、とエイワスを睨むが、エイワスは動じない。
それどころか逆に一方通行を見上げ、
「これが、お化け屋敷の楽しみ方なのだろう? ふふ、遠慮無くドキドキしたまえ」
などと言い出す始末だった。
一方通行とエイワスはどんどん道を歩いてゆく。
たまに草や木の枝が道を阻害している所もあった。とことんリアルに設計されたお化け屋敷なのだろうか。
一方通行が感じる違和感が、ますます強固なものになっていく。
これが確信へと変わったとき、何かが分かるのか。それを知る方が幽霊などより数倍怖いと思った。
「はわわわわわ~~~~・・・・・・、あ、あそこ、幽霊がいるよ・・・・・・☆」
一方通行はエイワスの指差す方向に目を向けると、そこには首のない男の幽霊がボーっと立っていた。
さっきからこんな感じで幽霊は見かけている。
エイワスがそれを見るたびに、わざとらしく怖がって見せるものだから、一方通行はイライラしっぱなしだ。
そして今も彼の背後には、下半身がない女性が両腕を突き出して二人の後を追ってきている。
「・・・・・・ったく。 何か脅かしてきたりとか、そォいうンじゃねェのかよ。
ま、これが風斬辺りとかだったらとっくに失神してるだろォけど」
と、苦笑しながら歩みを運ぶ一方通行。
その時、一方通行は違和感の正体に気付いた。
このお化け屋敷、どう考えても外部から見た建物の大きさより内部の空間が広い。
そう錯覚させる空間トリックのようなものは存在するが、それらとは違うと一方通行は確信する。
携帯電話のディスプレイに表示されている時間を確認すると、もう二十分近くも歩き回っていた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どォなってンだこりゃ」
「うむ、出口が見当たらんな」
いつもの口調で喋りだすエイワス。
というかオマエの仕業なンじゃね?と一方通行は推理してみたが、
「ふふふ、なぜそう思うのかね?」
と、ごまかしてきた。
どうやらエイワスがこの空間を何らかの方法で拡大していることは間違いなさそうだ。
呆れたように一方通行はため息を吐き、さっさと出口を探して出ようと歩を進めると、
グニュ、とした感触が足の裏に伝わった。
一方通行が足を上げて確認してみると、地面に半分だけ埋まっている男の顔があった。
まるで腐敗しかけのように、皮膚がぐずぐずの状態になっている。
「ずいぶん手の込んだ作品だなァおい。 力の入れどころが違うンじゃねェのか」
結局、そのグチャグチャの男の顔が最後の恐怖ポイントだった。
一方通行とエイワスは出口を見つけ、ようやく外に出た。
外の光が差し込み、思わず目を瞑る。
そこは、最初に一方通行達が入った出入口のドアの前だった。
「おう、戻ったか」
「おかえり、あくせられーた。 どらこ」
待ちくたびれたと言わんばかりに、浜面と滝壺は地面へ座り込んでいた。
浜面「遅いっつーの。 俺らより時間掛かってんじゃん」
滝壺「ね? 迷っちゃったでしょ?」
エイワス「うんうん!☆ とっても怖かったぁ><」
一方通行「幽霊だけじゃなく、死体とかもあったなァ」
浜面「そうそう! 最後ら辺の地面に埋まってる男の顔のやつ、見たか!?
リアルに作りすぎだっつーの!!」
滝壺「はまづら、怖がりすぎだよ」
エイワス「それより虫とかがいっぱいいてイヤだったなぁ;;」
一方通行「発光してたからな。 オマエの周りに虫が集まってきて爆笑モノだったぜ」ケケケ
浜面「何で光ってるかはスルーなのか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
一方通行「それよりなァ。 俺らが迷った原因、わかったぜ」
滝壺「なに?」
一方通行「こいつが能力かなんか使って、中の空間を広げてやがったンだ」
エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
浜面「な、なにー!! おいおい本当かよ!? 頼むぜ・・・・・・、
あんな長い時間怖い思いしたんだぞ俺達・・・・・・」
滝壺「そんなことも出来るんだ、すごいんだねどらこは」
エイワス「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何の話をしているんだ?」
浜面「?」
滝壺「? (口調が・・・・・・)」
一方通行「しらばっくれてンじゃねェよ、あンな事できるのはオマエだけだろ」
エイワス「うむ、確かに私は君達に楽しんでもらうために少しばかり細工を施した」
一方通行「ほら見やがれ」
エイワス「だが、空間を広げるなどという事はしておらんよ?」
従業員「あの、すみませーん」
一方通行「あン?」
従業員「そこ、スタッフ以外立ち入り禁止の倉庫なんで、あまり近づかないでいただけますか?」
浜面「はぁ?」
滝壺「倉庫?」
スタッフがドアを開けると、中はダンボールや資材が乱雑に置かれた、狭い空間だった。
さっきまでその中は、草木が生い茂っただだっ広い空間だったはずなのに。
一方通行が中を覗き込んでキョロキョロと確認してみるが、
あの空間に繋がるような入り口は存在しなかった。
二十分も歩けるスペースなど存在しない、学校の教室の二分の一くらいの室内のみだったのだ。
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どォいうことだ?」
エイワス「私が施した仕掛けとは、いわゆるワープホールのようなものだよ。
先程の場合は、そこの倉庫のドアをくぐると別の空間へワープ出来るようにしていた」
浜面「別の空間・・・・・・? どこでもドアみてぇなもんか?」
一方通行「マジでドラえもンじゃねェかオマエ」
滝壺「だから草木や地面の土が本物だったんだね」
一方通行「とンでもねェ事しやがる。 違和感の正体はそれだったのか。
それで、どこに繋がってたンだよ」
エイワス「青木ヶ原、という原野をご存知かね?」
浜面「青木ヶ原・・・・・・?」
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・富士の樹海、かな?」
一方通行「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいィ? あそこは確か」
エイワス「うむ、自殺の名所と呼ばれている場所でもあるな」
浜面「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え」
エイワス「我々が訪れた場所は、遊歩道から大きく離れたところだ、
なかなかスリルがあっただろう?」
滝壺「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・じゃあ、私たちが見た幽霊や死体の作り物は?」
エイワス「幽霊などというものは知らんが、死体はどう見ても本物だったろう。
気付かなかったのかね?」
一方通行「」
浜面「」
滝壺「」
エイワス「ふふ、その反応。 どうやら楽しんでもらえたようで何よりだよ」
浜面仕上は、人生で初めて恐怖による失神を引き起こした。
エイワス「そうそう、もう一つ、ワープホールなるものを作っておいたのだが」
一方通行「あァ?」
エイワス「http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1289310136/」
一方通行「あ、そォ・・・・・・」
991 : ◆3dKAx7itpI - 2010/11/09 22:52:07.55 jWVVys2o 522/522
今回の、そしてこのスレでの投下はこれでお終いです。
皆様、本当にありがとうございました。
もしよかったら、エイワスの作ったワープホール先へと足を運んでみてください。
そこに次回予告も投下します。
それではまた三日以内に来ます。
大事なことなのでもう一度、本当にありがとうございました。
続き
一方通行「フラグ・・・・・・なのかァ?」 風斬「そうですよ!」【1】

