魔王「遊園地のチケットに釣られて契約したはいいがまさかペアチケットだったとはな…」
魔王「まぁ、1人で遊園地に行く勇気もないのだが」
魔王「しかし私には一緒に行ってくれる友達もいない…困った…」
勇者「見つけたぞ魔王!俺と戦え!」
魔王「むっ?」
元スレ
魔王「遊園地のペアチケットを貰った…」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1331561710/
魔王「勇者か…悪い今考え事をしているんだ。また今度来てくれ」
勇者「ふざけるな!俺がどんな思いでここまで来たと思ってるんだ!」
魔王『はぁ…うるさいなぁ。こっちはそれどころじゃないってのに…』
魔王『遊園地には行きたい。しかし1人で行くのも恥ずかしい。だけど私には一緒に行く友達がいない』
魔王『どうしたものか…』
勇者「おい!聞いてるのか!」
魔王「えっ?あぁ、聞いてる聞いてるって。全くうるさいんだか…!!」
魔王「そうだ!」
勇者「な、なんだ」ビクッ
魔王『こいつと一緒に遊園地に行けばいいんだ!そうすれば友達いない寂しい奴と周りから蔑んだ目で見られることもない!』
魔王『問題はどうやってこいつを遊園地に連れていくかだな…』
魔王『素直に「私と一緒に遊園地に行こう!」と誘ったところで断られるに決まっている』
魔王『という事はこいつが遊園地に行かなくてはならない状況を作らなければならないという事だ』
勇者「お、おい大丈夫か?お腹でも痛いのか?」
魔王『うーん…よい案が浮かばないよー!』
勇者「大丈夫か?正露丸いるか?」
魔王『どうすればこいつは一緒に来てくれるんだろう…』
勇者「バファリン飲むか?」
魔王『あー!全然浮かばないー!』
勇者「あっ!キャベジンもあるぞ!」
魔王「うるさい!ちょっと黙ってて!」
勇者「はいぃ!」ビクッ
魔王『そうだ!これならいける!』
魔王「ふふふ、待たせたな勇者よ」
勇者「魔王!もうお腹はいいのか?」
魔王「元より我は腹など壊しておらぬ!」
勇者「ならば勝負だ!」
魔王「よかろう!と言いたいところだがまぁ、待て」
勇者「何を待つ事がある!行くぞ!」
魔王「まぁ、そう急くな。時に勇者、これで我らの戦いは終わりだな」
勇者「そうだ!それがどうした」
魔王「最後の戦いをこんなチンケなところでしていいものだろうか?」
勇者「何がいいたい…」
魔王「我らの戦いに相応しい最高のステージを用意した!明後日そこの地図に書いてある場所までこい!」
魔王「それでは勇者!明後日にまた会おう!」
勇者「な、おい、ちょっと待て!」
魔王『やった!これで遊園地に行ける!蔑んだ目で見られなくてすむ!』
魔王「にゅふふ~明後日楽しみだな~」
魔王「遊園地なんて子供の頃に行ったきりだもんなぁ~」
魔王「そうだ!明日服買いに行こう!遊園地に行くんだからオシャレしないと!」
勇者「ったく、魔王の奴なにを考えてんだ…」
勇者「だいたいこの地図の場所って遊園地じゃないか」
勇者「それを最高のステージだなんて…」
勇者「まさかあいつ大量虐殺でもするつもりじゃ!」
勇者「くっ!それだなけは何としても阻止しなければ!」
当日
魔王「………」
勇者「………」
魔王「なにその格好」
勇者「お前こそ何だその変な格好!」
魔王「えっ?何かおかしい?ファッション雑誌とか見て勉強したんだけど」
勇者「そうじゃなくて俺達は戦いにきたんだろ?」
魔王『はっ!そうだった…』
魔王「ふはははは!よくぞここまで参ったな!」
勇者「本性を表したな魔王!」
魔王「今日が貴様の命日となるのだ!」
勇者「それはこっちのセリフだ!」
魔王「よかろう。ならばついて参れ!」
27 : 以下、名... - 2012/03/13(火) 00:21:11.47 qEa63rngO 11/44これ以上は何も考えてないんだけど誰か書いてはくれまいか
魔王『最初はどれに乗ろうかな~』
魔王『あっ!あれにしよう!』
魔王「勇者よまずはここで勝負だ!」
勇者「いいだろう!…ってメリーゴーランド?」
勇者「何なんだここは!」
魔王「おや?もしかして怖いのか?勇者ともあろう者が馬に乗るのが怖いのか?」
魔王「しかも本物じゃないオモチャの馬に」
勇者「バカな事を言うな!いいだろう受けてたつ!」
勇者「くそっ!くそっ!」
魔王「ふはははは!どうした勇者よ!全然当たらぬではないか!」
勇者「何故だ!どうして俺の攻撃が当たらないんだ!」
魔王『何でも何も馬同士一定の距離があいてるから』
勇者「このっ!このっ!」
魔王『いくら剣を振り回しても当たる訳がないんだけどね』
勇者「くそっ!」ハァハァ
魔王「情けないな勇者よ。あれしきの事でバテルとは」
魔王「故郷に帰ってまた一から修行した方が良いのではないか?」
勇者「ふざけるな!俺はまだやれる!」
魔王「よかろう。ならば次のステージに参ろうではないか」
勇者「いいだろう!」
魔王『こいつ扱いやすいなぁ~』
魔王「次はここだ!」
勇者「コーヒーカップ?」
魔王「そうだ」
勇者「ちょっと待て」
魔王「どうした?」
勇者「どうして普通のところで戦わないんだ?」
魔王「ぐっ!」
勇者「おい!どうして普通のところで戦わないんだよ!」
魔王「ふふ…」
勇者「あぁ?」
魔王「ふふふ…ハーッハッハッハッ!」
勇者「な、なんだ!」
魔王「貴様はマヌケか?」
勇者「なんだと!」
魔王「私はお前にチャンスを与えてやっているのだ」
勇者「チャンス?どういう事だ!」
魔王「先の戦いを思い出してみろ。貴様は私に触れることすら出来なかったのだぞ?」
勇者「ぐっ!そ、それがどうした!」
魔王「お前は本当に頭が悪いな。このコーヒーカップという狭い空間の中でならお前の攻撃ももしかしたら当たるかもしれないと言っているのだ」
勇者「敵に情けをかけられるほど落ちぶれておらん!」
魔王「よし。ならばこうしよう。もしお前が一回でも私に攻撃できたらちゃんとした場所で戦ってやろう」
勇者「その言葉忘れるなよ!」
魔王『ホッ。バカで助かった』
魔王「それじゃあこのアトラクションの始まりをゴングとしようではないか」
勇者「いいだろう!」
係員「それではスタート」
勇者「いくぞ!」
魔王「ふんっ!甘い」グルグル
勇者「なっ!貴様なにをしている!」
魔王「コーヒーカップを回しているのだが?」
勇者「くそっ!正々堂々と戦え」
魔王「ふんっ!勇者ならこれくらいの逆境はね除けてみせよ!」グルグル
勇者「ダメェ…止めて!吐いちゃうぅぅぅ!」
魔王「キャーキャー!」グルグル
勇者「くっ、くそっ…」
魔王「ふはははは!だらしないなぁ勇者よ!私と戦う前に三半規管を鍛えておくべきだったな」
勇者「気持ち悪い…」ハァハァ
魔王「ふむ。この調子じゃ遊べそうにもないし休憩がてらお昼にしよう」
魔王「ほら、飲め」
勇者「……なんで水筒なんて持ってきてんだよ」
魔王「!!そ、それは…それは今回の戦いが長丁場になると思ったからだ!」
勇者「じゃあ、この弁当もか?」
魔王「無論だ」
勇者「それにしては量が多すぎないか?」
魔王「!!」
勇者「お前1人でこんなに食べるのか?」
魔王「こ、これは今日の作戦を考えながら作っていたら作りすぎてしまったのだ!」
魔王「何ならお前にも分けてやらんこともないぞ!」
勇者「いらん!魔王の作った飯など食えるか!」
魔王「あっ……」
魔王「そうか。いらないか…そうだよな。私の作ったお弁当なんて…食べたく…ないよな…」ポロポロ
勇者「えっ?ちょっ、ちょっと何泣いてんだお前!」
魔王「朝早起きして作ったのに…」ポロポロ
勇者「分かった!食うよ!食べたいです!俺にも分けて下さい!」
魔王「食べたいのか?」
勇者「お、おう!」
魔王「そうだろう!そうだろう!やっぱご飯はみんなで食べた方が美味しいもんな!」
勇者『はぁ、いったい何なんだこいつは…』
魔王「どうだ!美味かっただろう!」
勇者「あぁ。美味かったよ」
魔王「そうだろう!そうだろう!」
勇者『何なんだこいつは…最初の頃と性格変わりすぎだろ。』
魔王「ふんふふ~ん」
勇者『やけに上機嫌だし…』
勇者「おい」
魔王「どうした?」
勇者「何が目的だ?」
魔王「目的?」
勇者「とぼけるな。敵に弁当を作ってきたり決闘に変な服できたり何か裏があるとしか思えん!」
魔王「ちょっと変な服とは何よ!これはね今流行りの服なの!魔界non・noに書いてあったんだから!」
勇者「流行りか何かしらんが決闘に着てくる服じゃないだろ!それに弁当の件はどうだ!」
魔王「うっ…」
魔王『言えない…遊園地で遊びたかったからなんて言えるわけない…』
勇者「答えろ!」
魔王「ふふふ。答えなら教えてやる。ただし、私に勝てたらなぁ!」
魔王「いくぞ勇者!次なるステージはあそこだ!」
勇者「ジェットコースターか…望むところだ!」
勇者「いくぞ魔王!」
魔王「こい勇者よ!」
係員「ちょっとちょっと困りますよお客さん!」
勇者「どうした?」
係員「どうしたも何もシートベルトして安全バーを下げてくれなきゃ発車できないじゃないですか」
勇者「なっ!これじゃあ身動きがとれぬではないか!」
係員「そりゃ身動きが取れないようにしてるんだから当たり前でしょ。あとその剣も預からせていただきますからね」
勇者「おい、バカ!返せ!」
係員「それじゃあ行ってらっしゃい」ポチ
勇者「イヤーー!!」
魔王「キャー!」
勇者「イヤー!止めてー!」
魔王「キャー!」
勇者「体痛い!体痛い!」
魔王「たっのしー!」
勇者「」ピクピク
勇者「オエッ」ハァハァ
魔王「またグロッキーか。情けないな勇者は」
勇者「そういうお前こそキャーキャー女みたいな声出してただろうが!」
魔王「女みたいなって!私は女です!」
勇者「あぁ?あぁ、それもそうだな。」
魔王「全く失礼しちゃう!」
勇者『こうつ完全にしゃべり方がおかしくなってる』
魔王「ねぇねぇ、次はお化け屋敷に行こう」
勇者「……」
魔王『はっ!』
魔王「次のステージはあのお化け屋敷としょうじゃないか」
勇者「……」
魔王『やっばーい。完全に素に戻ってたよ…疑われてたりしないよね?』
勇者「いいだろう」
魔王『良かった鈍くて…』
勇者「何だここは!暗くて何も見えないぞ!」
魔王「ふふふ、だから貴様はアマちゃんなのだ!目で見るのではない気配を感じとるのだ!」
勇者「とか言いながら人の腕に引っ付くな!」
魔王「だって怖いんだもん!」
魔王「キャー!」
勇者「どうした!?」
魔王「いま何が私の脚に触ったの!」
勇者「なにぃ?」
魔王「キャー!また触ったぁ!もうイヤー!」
勇者「落ち着け!大丈夫だからいったん落ち着け!」
勇者「やっと出られた!」
勇者「もう二度と入らないからな!」
魔王「ふふ」
勇者「なんだ気持ち悪い」
魔王「いやー、怖かったなって思ってさ」
勇者『なんだこいつはさっきから泣いたり笑ったりこれが本当にあの魔王なのか?』
勇者『というより隙だらけじゃないか。今この場で斬ってしまえば…』
魔王「うん?どうかした?」
勇者「…いや、何でもない」
勇者「おい、そろそろ決着をつけよう」
魔王「う、うむ。そうだな。」
勇者「どこがいい?死に場所くらい選ばせてやる」
魔王「よかろう。ならあの観覧車で決着をつけるとしよう」
勇者「……行くぞ」
魔王「うむ」
魔王「オー高ーい!うちの城も見えるかな?」
勇者『やっぱりだ。こいつ遊園地に来てからというものだんだん警戒心が薄れている。正直言って隙だらけだ』
魔王「ねぇ!うちの城も見えるかな?」
勇者「……さぁな」
魔王「ねぇ…」
勇者「今度は何だ」
魔王「私のこと斬らないの?」
勇者「あぁ?」
魔王「ほら今なら私隙だらけだし斬ろうと思ったらいつでも斬れるよ」
勇者「無防備の相手を斬りつけるような真似はしねぇよ」
魔王「でも私はあなたにとって最も憎い相手なんでしょ?」
勇者「そうだな」
魔王「だったら!」
勇者「ごちゃごちゃうるせぇ!やらないって言ったらやらないんだよ!」
勇者「それに」
魔王「それに?」
勇者「剣はジェットコースターの係員に預けたまんまだ」
魔王「……ふふっ。マヌケだねー」
勇者「ほっとけ」
勇者『確かに奴の言う通りだ…何で俺はこいつを殺そうとしないんだ』
勇者『剣がないからか?いや、違う。剣などなくても奴を倒す方法などいくらでもある』
勇者『じゃあ何を俺は躊躇っているんだ』
勇者「一つ聞いてもいいか」
魔王「なに?」
勇者「お前の目的はなんだ?なぜ俺をここに連れてきた?」
勇者「城でお前と初めて会ったとき正直俺はビビったよ。あそこまで恐怖を覚えたことは今までなかったからな」
勇者「だが今は全くというほど怖くない」
勇者「それにお前は決闘と言いながら俺に一度も攻撃をしてこなかった」
勇者「はっきり言って魔王と言うよりただ純粋に遊園地を楽しむ1人の女の子にしか見えなかった」
魔王「……」
勇者「言え。何が目的だ」
魔王「……」
魔王「私ね、友達がいないの」
勇者「おい、何の話をしてんだ」
魔王「同じ年頃の子達と遊んでもやっぱりみんな私と距離をおくんだ」
魔王「当たり前だよね。魔王の娘だもん怒らせたら何されるかわからないもの。」
魔王「だから私ね、魔王の娘とか関係なく一緒に遊べる友達がほしかったんだ」
魔王「そして昔お父さんに連れてきてもらったこの遊園地で時間を忘れるくらい遊ぶのが夢だったの」
勇者『似てる…』
勇者『勇者だからといって毎日死にもの狂いで修行してた俺に』
勇者『お前は勇者なんだから、他の子達とは違うんだからといって遊ぶ事はおろか悩みを打ち明けられる友達を作る事すら許されなかった俺に』
魔王「でもやっぱりダメみたい。やっぱり私には友達なんてできないみたい」
魔王「聞きたい事は全部聞けたでしょ?ほら、早く斬りな。この首を人間界の王が欲しがってるんでしょ」
勇者「そうだな」
魔王「じゃあ、早く持っていきな」
勇者「……いくぞ」
魔王「……」
勇者「おい、何してる。早く行くぞ」
魔王「えっ?」
勇者「早くしないとナイトパレードが始まっちまうだろ」
魔王「えっ?ちょっ、ちょっと待ってよ!いったいどういう」
勇者「お前に友達がいないんなら俺が友達になってやる!お前の夢が時間を忘れるまで遊びたいっていうなら俺が叶えてやる!」
魔王「えっ?それって…」
勇者「それとも俺じゃ不服か?」
魔王「…うぅん、とっても嬉しい」
勇者『昔は魔王を倒し人々を救うのが勇者の務めだと思っていた』
勇者『しかし今は違う。魔王をも救ってこそ真の勇者だと俺は思う』
勇者『幼き頃からずっと願っていたこいつの夢をそして俺の夢を叶えていこうと思う』
勇者『この夢が叶ったとき永年なしえなかった人間と魔族の共存果たせるのかもしれない』
終わり
81 : 以下、名... - 2012/03/13(火) 03:46:23.37 C2TgGbb40 42/44割と好きな終わりだけど何だか物足りないッ…そうかイチャイチャ分が足りないのか
取り敢えず乙
80 : 以下、名... - 2012/03/13(火) 03:44:38.85 wVErcule0 43/44そういうのいいから
続きはよ
82 : 以下、名... - 2012/03/13(火) 03:49:18.51 qEa63rngO 44/44>>80
そういうのは書けないんですよ
すみません
もっとニヨニヨ成分を分けて下さい