※関連
最初: 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
前回: 上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」【後編】





元スレ
上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312969940/

1 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 18:52:20.60 VKLAi5gd0 1/809

1スレ目 美琴「す・・・好きです!!付き合ってください!!」上条「何やってんだ、御坂」
http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1304/13045/1304506297.html

2スレ目 美琴「当麻♪」上条「なんだ、美琴」垣根「俺も仲間に入れて」心理「はいはい」

http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1305/13053/1305377166.html

3スレ目 上条「美琴、愛してる」美琴「私も♪」垣根「俺も♪」心理「ジャマしないの」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306063255/

4スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「えへへ//」垣根「速さが足りない」心理「はいはい」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1306724889/

5スレ目 上条「放さないからな」美琴「うん♪」垣根「話さないからな」心理「しゃべりなさいよ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307282872/

6スレ目 上条「抱きしめようか?」美琴「うん//」垣根「抱こうか?」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307709819/


7スレ目 上条「守り続けるからな」美琴「うん//」垣根「これがリア充です」心理「あなたもよ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308139244/


8スレ目(番外編) 美琴「私の好きな人のことを、それ以上悪く言わないで!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308667506/

9スレ目 上条「結婚に必要な物は?」美琴「愛!」心理「お金」垣根「念のため三行半」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1308992651/

10スレ目 上条「まずは!」美琴「そのふざけた!」心理「幻想を!」垣根「守るのこそ愛だ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309355502/

11スレ目 上条「マイホームか・・・」美琴「い、いいわね//」心理「そうね」垣根「欠陥住宅か」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309860801/

12スレ目 テクパトル「あの月はもう、空には出ない」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310283821/

13スレ目 上条「美琴は可愛いな」美琴「//」垣根「心理定規可愛いハァハァ」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1310641032/

14スレ目 上条「恋といえば!」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311066610/

15スレ目 上条「旅行かぁ・・・」美琴「どこ行く?」垣根「ヤっちゃうのか?」心理「黙って」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311506386/

16スレ目 上条「愛って何かな」美琴「守ること?」心理「信じること」垣根「疑い続けることさ」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1311939697/

上条「始まった・・・」美琴「大覇星祭・・・」垣根「アナウンスは俺」心理「やめて」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312451177/

超番外編 さだのり「桜は散る、陽は沈む・・・そして、思い出はいつかは消える」

http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1309780773/


2 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 18:52:40.82 VKLAi5gd0 2/809

スレ内容

上琴、未元定規がメインのギャグほのぼの

一方通行×番外個体
テクパトル×19090号
削板×黒子
エツァリ×ショチトル

サトリナさんは俺の嫁

さだのりはジャガイモ

>>1は速さを極めようとしています、ヒマジンというツッコミはなしですw
ただし、ミサカ口調でいじめるように言うツッコミは大歓迎

Mではありません


あと、背中って素敵

それだけ



えー、ちなみに




背中は正義だから

異論は認めないから


グダグダ苦手な方は気分を害しちゃいます

高確率で、うん

今スレはリクエストは受けられませんw


3 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 18:53:09.61 VKLAi5gd0 3/809

キャラ紹介

上条・・・言わずとしれたそげぶマン
美琴の彼氏、第一の主人公であり、正義感溢れます
美琴をかなり愛しています

美琴・・・ヒロイン
可愛いです、可愛いです、可愛いです
ツンデレがデレデレになってますが、それもまた(ry
上条さんにメロメロ

垣根・・・本シリーズでおそらくもっとも愛されてるキャラクター
イケメルヘンからギャグまでなんでもござれ
心理定規と付き合ってます、フリーダム
たまにツッコミ

心理定規・・・垣根の嫁
ていとくんに踊らされながらも彼を支えます
おそらく、心理定規タンハァハァって方もいるかと、俺もそうだ
ホント、マスコットキャラ

エツァリ・・・本シリーズで地味なキャラの一人
ショチトルと付き合ってる変態ツッコミ

ショチトル・・・地味キャラだった一人
エツァリと付き合ってます、自称ドMの実際ドM
もはや、ボケキャラ

削板・・・熱い男
黒子の彼氏、地味なはずがわりとキャラが濃い

黒子・・・ですの
削板の彼女、でもお姉さまも相変わらず好きなのでご安心を

一方・・・歪みないセロリ
番外個体の彼氏、そしてロリコン

番外個体・・・一方の嫁
やっとセロリと付き合うことに
わりと奥手

テクパトル・・・ダークホース
途中でレギュラーになったにも関わらずていとくんとならび本シリーズの目玉に
こんなはずではなかった
美月こと19090号と恋人に、さまざまな苦難も乗り越えイチャイチャリア充

19090号・・・テっくんの嫁
勝手に美月と名づけました
後悔はしてません
テクパトルと結ばれましたが未だに照れ屋さん

20000号・・・変態
しかも、テっくんでヤったこともある変態
たまに男前

14510号・・・セロリのことが好きな乙女
でも報われませんね

10033号・・・セロリのことが好きな乙女
やや口調がキツイ

御坂妹・・・可愛いです
案外しっかりしたキャラ

17600号・・・やや遅れて合流した妹達
彼女は強いですね、いろんな意味で

アレイ蔵庫・・・完全な被害者
元の体に戻る方法を探して弟と旅をしていたが
テっくんたちのところへ住むことに

扇風機さんをきにかけています
どうしてこうなったのかは分からない


さだのり・・・ジャガイモはイモの仲間
本シリーズ唯一のオリジナルキャラ
ていとくんの魂の兄弟


4 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 18:55:09.64 VKLAi5gd0 4/809

そして、時間稼ぎにはこんなコーナー



「教えてみなさん!!質問コーナー!!」・・・質問受け付けます

「好きなキャラに告白しよう!!」・・・好きなキャラに思いをぶつけ、その告白にていとくんが点数をつけてくれます、できるかぎりメルヘンに!!

「助けてください、俺の悩み!!」・・・ちっぽけな悩みから真面目な悩みまで答えます!

「普通のお便り、待ってます!!」・・・普通のご意見など

「アレイ蔵庫のひんやり空間」・・・好きなカップルに、指令をしてください、全力でやってみせます!


たまーに安価もありますが、基本はないですのでご了承を

相変わらずの駄作ですが、お楽しみいただけたら幸いです


あと、説明文使いまわしでゴメンなさいw




ちなみに

もはや上琴ではなくなってきています

全員が主人公になっていますが、日常では誰もが主人公なんだぜ、という>>1のメッセージです

いや、ウソです

サトリナさんは俺の嫁です

サトリナさんは俺の嫁です

>>1が喜ぶコメは


>>1よ、速さが足りない!!



ミサカ口調でけなすようなコメ




サトリナさんっぽい優しいコメのあとに、(と、サトリナが>>1の耳元で囁いていました)

です

お願いします、>>1に元気を・・・


すいません、冗談です




質問コーナー

13 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:16:52.37 VKLAi5gd0 6/809

上条「こ!!これは!!」


早速、皆さんにこれをあげましょう、とミサカ17600号は置いてすぐにスネークのごとく走り去ります。

エンゼルフォールにて美琴のスク水姿&そのときの積極的な行動に戸惑う上条写真集(最後に美琴の寝顔写真あり)

寝ている垣根にキスする心理定規&それに気づきながら赤くなって寝た振りする垣根写真集

19090号を抱き枕にするテクパトル&テっくんおかずに[ぴーー]なことをする19090号写真集

エツァリ&ショチトル写真集(秘密の夜ver)

番外個体が密かに間接キッスした品々&携帯の待ち受けに笑顔全開の番外個体にしてにやにやする一方通行写真集

黒子が夜に軍覇ぬいぐるみを抱いている姿&夜にトレーニングしている軍覇写真集


上条「ふぉぉぉぉぉぉ!!!す、スク水の美琴・・・」ゴクリ

美琴「み、見るな!!」

14 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:18:25.05 VKLAi5gd0 7/809

上条「だって、寝顔が!!」

美琴「と、当麻だってあたふたしてるじゃない!!」

上条「し、しかたないだろ!?」


垣根「この夜のことは今でも覚えています、たしか・・・」

心理「・・・起きてたのね・・・」

垣根「」


エツァリ「こ、これはあのときの・・・」

ショチトル「青姦のときか」

一同「変態じゃねぇか」

15 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:19:45.10 VKLAi5gd0 8/809

番外「ち、違う!!」

一方「・・・お、俺も違うってことで示談・・・」

番外「そ、それはダメ!!」

一方「はァ!?」


削板「へぇ、俺のぬいぐるみか・・・」

黒子「えぇ、モフモフしてますの・・・軍覇さんは相変わらずがんばられてますの」

削板「まぁな!!」

16 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:21:19.96 VKLAi5gd0 9/809

テクパトル「・・・おぉ・・・へぇ・・・」

19090「み、見ないでください!!」カアッ

テクパトル「なぁ、これいつの?」

19090「し、知りません・・・」カァッ

テクパトル「・・・な、なんか顔赤い・・・」

19090「言わないでください!!!」ウワァァン!

テクパトル「す、すまなかったよ!!」




本編

17 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:22:49.39 VKLAi5gd0 11/809


では本編


黒子「くっ・・・まさか、ここまで強敵とは・・・」

婚后「どうしましょうか・・・」

黒子「はっ!?あ、あれは・・・トーテムポール!?」

佐天や初春はトーテムポールをしていた


初春「これはなかなかすごいですよ!!」

19 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:24:10.53 VKLAi5gd0 12/809

佐天「うん、これなら勝てるかも!」

ソーラン節はもう終盤だった

なぜ、こんな音楽でさえ踊れるのだろうか

黒子「な、なぜ・・・」

婚后「信じられませんわ・・・」

応用力や判断力なら能力が高いほど上

そんなのは、ただの自惚れであった

20 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:25:53.99 VKLAi5gd0 13/809

佐天(そう、たしかにしっかりとした曲だったら私達には勝ち目はなかった)

初春(完全な地盤があれば、能力者はかなり上手・・・)

佐天(でも、あまりに能力に頼りすぎたわね)

佐天が笑う

佐天(私は無能力者・・・無なんだ)

佐天(だからこそ)


佐天(何かを生み出す余地があるんだもん!!)

21 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:27:25.22 VKLAi5gd0 14/809

初春(・・・無能力者や低能力者だって・・・)

佐天(努力すれば、きっと・・・)

ソーラン節はもう最後のフレーズだ

初春「や、やりましたよ佐天さん!!」

佐天「これなら・・・!」

そう、二人は思っていた


黒子「・・・仕方ありませんの、みなさん!!」

23 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:30:36.70 VKLAi5gd0 15/809

黒子が呼びかける

それに応じて、常盤台の選手が一箇所に集まる


佐天「え、な、なに?」

初春「さぁ・・・?」


黒子「ピラミッドを、6段でやりますの」

婚后「ろ、6段!?」

25 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:32:58.01 VKLAi5gd0 16/809

6段のピラミッドなんて、非常に危険だ

黒子「・・・見てくださいな、相手は数で勝っていますの」

たしかに、柵川中学はちまちまとした組体操をたくさんやることで得点を稼いでいた

黒子「なら、大きな一発をかますしかないんですの」

残りはもうほとんどない

婚后「・・・私がみなさんを風で上まで飛ばしますわ」

黒子「よろしくお願いしますの」

26 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:34:28.14 VKLAi5gd0 17/809

黒子「・・・」

黒子は目を閉じて集中していた

体の軽い彼女は、一番上だ

高さは5M近くはなるだろうか

その頂点は、中々に恐怖を感じるだろう

27 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:35:32.27 VKLAi5gd0 18/809

黒子(ですが・・・)

黒子が観客席を見る

美琴が

削板が

彼女を応援している

婚后「白井さん、あなたの番ですわ」

黒子「・・・えぇ、わかりました」

28 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:36:42.58 VKLAi5gd0 19/809

婚后が黒子を放り投げる

強力な風が彼女を押し上げた


しかし、少し外れた軌道で黒子は飛んでいく


上条「あっ!!外れた!」

美琴「うそ!!角度は完璧だったはずじゃ・・・」

一方「・・・風のベクトルが変わったな」

一方通行がつぶやく

29 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:38:00.79 VKLAi5gd0 20/809

一方「・・・風が吹いたンだよ」

テクパトル「最悪のタイミングだな・・・」

エツァリ「えぇ、これでは常盤台中学は・・・」

心理「!!待って、あれ!」

心理定規が黒子がいた場所を差す


そこには、彼女の姿はなかった


ショチトル「あ、ピラミッドの上!!」

30 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:38:59.69 VKLAi5gd0 21/809

ショチトルがそう叫ぶ

観客席からどよめきが聞こえた


ピラミッドの上には、しっかりと黒子が立っていた


初春「そ、そんな!?」

佐天「なんで・・・!?」


上条「そうか、空間移動!」

31 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:40:26.11 VKLAi5gd0 22/809

美琴「まさか・・・外れたときに空間移動で元の目的地に・・・」

心理「えぇ・・・あんな状況で冷静に演算なんて・・・」

番外「さすが風紀委員だね」

削板「いいぞ、黒子!!!!!!!!!!!」

観客席からも拍手が巻き起こる


垣根「そこまで!!」

吹寄「判定は・・・」

32 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:41:46.87 VKLAi5gd0 23/809


垣根吹寄「常盤台中学、勝利!!」


わぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!と歓声が上がった

ピラミッドを崩した常盤台の生徒達が嬉しそうに抱き合う


婚后「・・・申しわけありませんでしたわ」

黒子「いえ、むしろいい余興でしたの」

クスクスと黒子が笑う

33 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:43:31.04 VKLAi5gd0 24/809

婚后「・・・どうにか勝てましたわね」

黒子「えぇ」

黒子が安堵したように笑う


その後ろでは、柵川中学の生徒が悔しがっていた

初春「まさか・・・あれから逆転されるなんて・・・」

佐天「・・・やっぱ、白井さんはすごいや・・・」

佐天が空を見上げる

空には、届きそうもなかった

35 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:46:18.20 VKLAi5gd0 25/809


黒子「・・・二人とも、素晴らしかったですの」

そんな二人に黒子が近づく

佐天「あ・・・やっぱ、白井さんはすごいなぁ・・・」

黒子「・・・わたくしからすれば、二人のほうがすごいですの」

黒子が笑う

黒子「・・・決して諦めず、正面から堂々と戦ってくださいましたの」

初春「当然じゃないですか!」

36 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:47:42.55 VKLAi5gd0 26/809

黒子「・・・それが、素晴らしいんですの」

黒子が真剣な顔をする

彼女は、能力がないからとすぐに諦める人間が嫌いだった

そして、努力を怠る人間を見下している

彼女だって、努力でなりあがった人間だ

だからこそ、努力ができる相手を尊敬する

37 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:49:44.84 VKLAi5gd0 27/809

黒子「・・・わたくしは、二人と戦えて楽しかったですの」

黒子が手を差し出す

初春「私も、楽しかったです!」

佐天「私も!」

二人がその手を握り返す

美しい友情がそこにあった


垣根「みなさん!!正々堂々と戦った両校に、拍手を!!」

割れんばかりの拍手が鳴る

38 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:51:46.63 VKLAi5gd0 28/809

初春(・・・私達も、なかなかいいところにいきましたよね)

佐天(来年は、絶対に勝ってやる!!)

二人は固い決心をした

夏の日差しは、暑かった


上条「いい勝負だったな・・・」

テクパトル「あ、俺ちょっとトイレに行ってくるな」

ステイル(雰囲気をぶち壊すな・・・)

39 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:53:35.11 VKLAi5gd0 29/809


テクパトル「いやぁ、こういうときのトイレは混むな・・・」

テクパトルがトイレから出てきながら溜め息をつく


10039「おや?」

13577「もしかして、テっくんですか?とミサカは訊ねます」

テクパトル「あれ?お前たちたしか・・・」

41 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:55:06.68 VKLAi5gd0 30/809

テクパトルが二人のことを思い出す

あれは、一年と半年ほど前

テクパトルがミサカたちのお世話係になった次の日


20000号が、10039号と13577号に公開オ○ニーをさせたのだ

最低だ

その二人は、それがトラウマになってしまったらしい

オ、という文字を聞くだけで当時は震えていた

42 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:56:57.99 VKLAi5gd0 31/809

10039「あれから、17600号の隠れ家にお世話になってます・・・とミサカは溜め息をつきます」

13577「今日は、なんとなく外に出てきたんです、とミサカは伝えます」

テクパトル「へぇ・・・大変だな」

10039「いえいえ、17600号が週に一回は見に来てくれるので」

大丈夫、と10039号が笑う

ちょっと健気だな、とテクパトルは胸が痛んだ

43 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 20:58:31.29 VKLAi5gd0 32/809

10039「あ、そういえば・・・」

10039号がポケットから何かを取り出す

10039「この前、17600号がこんな写真を持ってきていました、とミサカは伝えます」

13577「いっやぁ、なんの写真なのかはまったくわかりませんが・・・とミサカは補足します」

テクパトル「中身は見てないのか?」

10039「はい」

10039号がうなずく

なぜだか、少しイヤな予感がした

45 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:00:12.41 VKLAi5gd0 33/809

テクパトル「ふーん・・・なんの写真・・・」


御坂妹「テテテテテテテテテテっくん!!」

10033「待った待った!とミサカは静止させようと声を張り上げます!」

20000「そ、それはダメだって!!」

14510「ほ、ほら!!競技が始まりますよ!!」

テクパトル「あれ、お前らなんで?」

19090「な、なぜか急に走り出して・・・」


17600(ふふふ、面白いことになりそうだ)

46 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:01:25.56 VKLAi5gd0 34/809

テクパトル「?この写真・・・」

ミサカ一同「だめぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」


御坂妹が寝ているテっくんにこっそりキスをしようとしている写真

10033号がテっくんそっくりの人形にスリスリしている写真

14510号がテっくんの隠し撮り写真を見てニヤニヤしている写真

20000号がテっくんでヤってる時の写真


テクパトル「」

47 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:03:56.40 VKLAi5gd0 35/809

御坂妹「あぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」

テクパトル「こ、これは・・・あれだよな、意識があるのかを確認してるんだよな!?」

10039「いえ、キスをしようとしています、とミサカは訂正します」

13577「しかも寝ている間に、とミサカも補足します」

テクパトル「」

御坂妹「ち、違うんです!!つい、つい魔が差して!!」

テクパトル「あ、あぁ・・・」

49 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:05:19.04 VKLAi5gd0 36/809

19090「・・・ほう、キスですか・・・とミサカはヤキモチを・・・」

テクパトル「ほ、ほら!でき心だってさ!!」

19090「・・・」ムスッ


10033「こ、これは!!肌触りのいい人形で!!たまたまテっくんのデザインが・・・」

13577「これ、オーダーメイドですよね?とミサカは確認します」

10033「」

50 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:07:33.41 VKLAi5gd0 37/809

テクパトル「いやいや!!あれだよな、とっさに浮かんだのが身近な俺で・・・」

13577「この商品名、あなたの意中の人をデザインしちゃおう、ドキッ☆抱き枕は危険な香り!ですよ」

テクパトル「」

10033「」

19090「・・・」ムスッ

17600(こりゃ、面白いな・・・)パシャッ

テクパトル「撮るな・・・」

51 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:09:43.36 VKLAi5gd0 38/809

14510「あ、これは!!」

テクパトル「あれだよな!俺にバレなかったから嬉しかったんだよな!?」

10039「では、そもそもなぜ隠し撮りを?」

14510「」

13577「・・・なぜ、ニヤニヤしているのですか?とミサカは追い討ちをかけます」

14510「あ、いや・・・」

52 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:11:20.96 VKLAi5gd0 39/809

テクパトル「ほ、ほら!きっと、その・・・」

19090「・・・14510号、あとで体育館の裏まで来てください」

14510「」

17600(おぉ、荒ぶる19090号もよきかな)

13577「ですが、ここまでは前菜です」

10039「えぇ、メインは次ですね」

20000「そうだねぇ」

テクパトル「お前だよおい」

53 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:13:49.02 VKLAi5gd0 40/809

20000「あれは・・・オカズに困ってたときだった」

テクパトル「あ、回想入るのか」


20000「はーぁ・・・最近はセロリたんが寝取られるまではやったけどなぁ・・・」

20000「でも青姦とかセロリたんのアナル処女を奪うじゃもうやれないし・・・」

20000「そうだな、ここらへんで一回リフレッシュ!!」キュピーン

20000「テっくんでやってみよっかな♪」

54 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:16:20.15 VKLAi5gd0 41/809

20000「えっと・・・シチュエーションは・・・」

20000号は必死にシチュエーションを考えた

その間、わずか0.1秒

次元の早撃ちよりも速かった

20000(よし、時間は夜ご飯のとき)

20000(みんなでテーブルを囲ってたら、いきなりテっくんが足でミサカのアソコをいじってきた、って設定でしてみよう!)

55 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:19:07.19 VKLAi5gd0 42/809

20000「・・・はぁっ、ダメ・・・テっくん、音が鳴っちゃうよ・・・」

クチュクチュ、と20000号の足の間が鳴る

ハァハァ、と甘い吐息が響く

20000「んっ・・・あっ、やっべ・・・」

20000号がつい声を上げてしまう

背徳感と快感

その二つが、彼女を加速させた

56 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:23:28.21 VKLAi5gd0 43/809

20000(うわぁ・・・やっべ、やっべ!!)

かなり20000号は興奮していた

20000「はぁっ!!いや、テっくん・・・!!」

クチュクチュ、とさらに音が響く

20000「イ・・・くっ!!」

ドピュ、と20000号の股間から愛液が垂れる

20000「はぁ・・・こりゃたまんねぇ・・・」

58 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:25:28.79 VKLAi5gd0 44/809

20000号が荒い息を整える

20000(・・・今度は・・・み、みんなの前で犯されるところでも・・・)

もちろん、一回では終わらなかった

その日、20000号は新たな快感を覚えてしまったのだ



20000「って感じ」

テクパトル「減点一億な」

20000「」

61 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:27:10.46 VKLAi5gd0 45/809

19090「・・・20000号、あとで土下座ですね」

20000「え、そこまで!?」

10039「・・・テっくん、その・・・20000号にだけは気をつけて下さいね?」

13577「無理矢理させられることも・・・その・・・」

テクパトル「あぁ・・・気をつけるよ、ありがとう」

63 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:30:23.73 VKLAi5gd0 46/809

テクパトル「あ、それじゃそろそろ観戦に戻るか」

20000「・・・ねぇ、別に襲わなければいいでしょ?」

テクパトル「・・・まぁ、一人で楽しむ分にはいいけどな」

ミサカ一同「ホントですか!?」

テクパトル「ただし、俺が愛してるのは19090号だけだからな?」

19090「//」

ミサカ一同「ちっ、はーい」

テクパトル「おい」

65 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:31:59.68 VKLAi5gd0 47/809

テクパトル「あ、お前たちも一緒に見るか?」

10039「・・・え?」

13577「い、いいんですか!?」

テクパトル「?家族なんだから当たり前じゃないか」

1003913577「//」

テクパトル「垣根がいい席を用意してくれてるんだよ」

67 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:33:32.13 VKLAi5gd0 48/809

10039「は、はい!!」

13577「ありがとうございます!!」

17600「ほう、テっくんの毒牙にまた二人かかったな」

テクパトル「なんだよそりゃ・・・」

19090「テっくん、見境なくなるのはダメですよ?」

テクパトル「わかってるさ」

69 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:36:23.62 VKLAi5gd0 49/809

テクパトル(にぎやかだな・・・)

テクパトルは笑っていた

こうやって、たくさんの家族と触れ合えるなんて


17600「おい、喉が渇いた」

13577「は、はい!今すぐ持ってきます、姉御!!」

テクパトル「いや、ちょっと待て」

70 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:40:01.16 VKLAi5gd0 50/809

17600「姉御ミサカは違う個体だって?気にするな」

テクパトル「い、いや・・・パシるなよ・・・」

10039「お世話になってるので当たり前です!とミサカは姉御にジュースを差し出します!」

17600「お、サンキュー」

テクパトル「お前な・・・」

17600「坊や、とりあえずそこに跪きなさいな」

テクパトル「?」

17600「跪けっ!」

71 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:42:03.59 VKLAi5gd0 51/809

テクパトル「と、とにかく・・・」

19090「競技は今は・・・あ、次は義兄様のムカデ競争です!」

御坂妹「それは急がなければ、とミサカはやや駆け足になりながらつぶやきます」

テクパトル「おいおい、あんまり急ぐと転ぶ・・・」

その台詞がネタ振りだったのか

ビターン、と御坂妹が転んだ

なんか、セクシーな下着が見えたような気がしないでもないが、テクパトルは気にしなかった

ミサカたちの下着姿なんてもはや日常茶飯事なのだ

73 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:43:40.00 VKLAi5gd0 52/809

テクパトル「ったく・・・大丈夫か?」

テクパトルが10032号の元に駆け寄る

御坂妹「う・・・少しすりむいただけです、とミサカは・・・」

テクパトル「ダメだ、ちゃんと水道で流そうな」

テクパトルがそう言って


10032号をお姫様抱っこした

ミサカ一同「!?」

74 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:45:16.41 VKLAi5gd0 53/809

御坂妹「あ、あわわ!!」

テクパトル「ほら、足動かしたら血が・・・って」

19090「・・・テっくん、それは治療のためですね?とミサカは確認を取ります」

テクパトル「?それ以外になんかあるのか?」

わからん、とテクパトルは首を捻る

19090「な、ならいいんです!!」

テクパトル「?あ、あぁ」

76 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:47:01.74 VKLAi5gd0 54/809

テクパトルが近くの水道まで10032号を運ぶ

本当は綺麗な水が好ましいのだろうが、今は仕方ない

テクパトル「はい、ちゃんと流そうな」

テクパトルが10032号の膝を優しく擦る

御坂妹「・・・セ、セクハラで訴えます・・・」

テクパトル「はぁ!?なんでそうなる・・・いや、19090号、怒らないで・・・」

19090「・・・」ムスッ

79 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:49:12.35 VKLAi5gd0 55/809

テクパトル「はい、絆創膏」

テクパトルが10032号に絆創膏を渡す

御坂妹「あ、ありがとうございます・・・」

顔を赤くしながら、10032号が絆創膏を貼る


17600「見たか、あれがミサカ誑しだ」

10039「な、なるほど・・・」

13577「なかなかに手ごわいです、とミサカは冷や汗をかきます・・・」

80 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:51:02.22 VKLAi5gd0 56/809

19090「・・・で、ですが・・・わざわざお姫様抱っこなんて・・・」

テクパトル「いや、足すりむいたなら普通そうしないか?」

ミサカ一同「!?」

テクパトル「?あれ、みんないきなり助走つけてどうしたんだ?」

17600(うっわ、こりゃひでぇことに・・・)

ミサカたちが走り出す

そして


ミサカ一同「うわーーー転んだーーーー」

81 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:52:12.02 VKLAi5gd0 57/809

わざと

明らかにわざと、転んだ

上手く受身を取って

しかも、なぜかテクパトルにだけ下着が見えるように

テクパトル(な、なんだこりゃ・・・嫌がらせか!?)

10033「テっくんーすりむきましたー」

14510「お姫様抱っこー」

83 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:53:24.59 VKLAi5gd0 58/809

20000「テっくんー、ミサカの膝もすりすりしてー」

10039「テっくんー」

13577「今まで愛を受けられなかったミサカたちにもー」

19090「テ、テっくん・・・」ウルウル

テクパトル「よし、19090号、ちょっと待っててな」

19090「//」

ミサカ一同「」

84 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:55:49.99 VKLAi5gd0 59/809

10033「謀ったなシャア!!」

テクパトル「ちげぇよ!!いきなりこけても怪しいんだよ!!」

14510「ちっ・・・」

テクパトル「なんで舌打ち!?」

10039「はぁ・・・これが差別ですか、とミサカは世の中の闇の部分に触れてしまったことで心に傷を負います」

テクパトル「この一瞬で!?」

13577「これは公開事件よりもトラウマです、とミサカも肩を落とします」

テクパトル「いやいやなんで!?」

85 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:57:48.03 VKLAi5gd0 60/809

19090「テっくんの胸板、厚いです・・・//」

ミサカ一同「」


10039「厚いの!?具体的にどれくらい!?」

14510「胸が厚くなるなってバカヤロウ!!」

10033「イチャイチャしやがってぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!」

13577「うらやましいんだよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!」

20000「決めた!!今日のオカズはテっくんだ!」

テクパトル「おい」

87 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 21:59:08.92 VKLAi5gd0 61/809

テクパトル「はぁ・・・これは、きつい」

結局

無理矢理ミサカたち全員を介抱してしまった

ミサカ一同「えへへ//」

テクパトル「・・・はぁ」

19090「テっくん、お疲れ様です」

テクパトル「あぁ・・・」

17600「いやぁ、なかなかに面白かったぞ?」

88 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:00:57.46 VKLAi5gd0 62/809

テクパトル「・・・」

テクパトルが無言で17600号を眺める

17600「おいおい、もしかしてミサカを恨んでるのか?」

テクパトル「いや、お前はいいのかなって」

17600「?なにが?」

テクパトル「お姫様抱っこ」

90 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:03:27.20 VKLAi5gd0 63/809

17600「あぁ、いいよ別に」

テクパトル「?みんな、俺を父親みたいに慕ってくれてるからああいうことやるんだろ?」

17600「あれか、テっくんの思う父親はお姫様抱っこをするのか」

テクパトル「え、しないのか?」

17600「普通はしない」

17600号が冷静にツッコむ

テクパトル「へぇ・・・」

91 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:05:23.59 VKLAi5gd0 64/809

17600「それに、他のミサカはテっくんのこと、父親以上に思ってるんじゃないか?」

テクパトル「まさか」

テクパトルが苦笑する

テクパトル「ただ、一番近しい男性が俺だってだけさ」

テクパトル「小さな女の子が将来は父親と結婚する、なんて言うだろ?」

テクパトル「あれは、恋愛感情があるんじゃなくて、男性像を父親でしか知らないからなんだ」

17600「なるほど、ミサカたちもテっくん以外の男性とはあまり話さないからな」

92 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:06:47.26 VKLAi5gd0 65/809

テクパトル「だから、あいつらは俺を好きってのとはちょっと違うさ」

17600「どうだろうな・・・」

17600号が言葉を濁す

20000号なんかは明らかに性的対象として見ていそうだ

テクパトル「・・・だからさ、お前がお姫様抱っこしてほしいなら、してもいいんだよ」

17600「ミサカも娘だからか?」

テクパトル「あぁ」

93 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:08:10.77 VKLAi5gd0 66/809

17600「・・・だとしても遠慮しておくよ」

テクパトル「そっか」

テクパトルが苦笑する

17600「親だとは思ってるよ、テっくんは父親だ」

17600「血は繋がってなくても、家族だからな」

テクパトル「わかってるさ」

そんなこと、とっくの昔からわかっていた

94 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:09:57.15 VKLAi5gd0 67/809

17600「・・・お姉様の母親が来たんだって?」

テクパトル「・・・19090号がしゃべったのか?」

17600「まぁ、そんなとこだ」

感覚共有だよ、と17600号が頭を叩く

おそらく、他のミサカも知っているのだろう

17600「しっかし、まさか母親がミサカたちのことを知ってしまったとはな」

テクパトル「・・・あぁ」

95 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:11:25.49 VKLAi5gd0 68/809

他のミサカたちは、少し先でまだ浮かれていた

ただ、17600号とテクパトルだけが真剣な顔で話している

17600「・・・ミサカたちがいなくなるかもしれないって思ってるのか?」

テクパトル「・・・どっちが幸せなんだ?」

テクパトルが小声で訊ねる

少し不安なのだろうか

17600「・・・テっくんの幸せとミサカたちの幸せは同じさ」

96 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:13:43.15 VKLAi5gd0 69/809

テクパトル「・・・そっか」

17600「ミサカたちと過ごしたいんだろ?」

テクパトル「あぁ、ずっとな」

17600「だったらミサカたちだってそれがいいさ」

17600号が笑う

17600「いまさら離れるほど弱い絆でもあるまい」

テクパトル「・・・そうだよな」

97 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:15:47.34 VKLAi5gd0 70/809

17600「・・・なぁ、テっくん」

テクパトル「なんだよ?」


17600「本当に、ありがとうな」

テクパトル「・・・なにが?」

17600「あいつらはいつもテっくんに甘えてる、それで好意を表してるんだ」

17600号が前を歩くほかのミサカたちを指差す

たしかに、彼女達はみなテクパトルに懐いている

98 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:17:22.04 VKLAi5gd0 71/809

17600「・・・あいにくと、ミサカはそういう表現は慣れてなくてな」

テクパトル「あぁ、そうかもな」

テクパトルが苦笑する

ずっと甘えてくるなんて、17600号のキャラではないだろう

17600「・・・でも、ミサカもテっくんが大好きだ」

17600「ミサカたちの顔を見分けてくれるテっくんが」

17600「お前は、最高の父親だよ」

99 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:19:13.77 VKLAi5gd0 72/809

テクパトル「・・・そうか」

テクパトルにはわからない

いったい、普段彼はどう思われているのかが

だから、こうして言葉にしてもらえると安心するのだ

テクパトル「・・・俺も、お前たちが大好きなんだ」

17600「だからって、誑すなよ?」

テクパトル「誑してねぇよ・・・」

100 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:21:06.41 VKLAi5gd0 73/809

17600「あ、19090号が呼んでるぞ」

テクパトル「あぁ、行って来る」

テクパトルが彼女の元へ駆ける

ミサカたちは、みんな笑っていた

それが、17600号はうらやましかった

彼女はたしかにしっかりとはしている

だが、それゆえに少し冷たい印象を与えてしまうだろう

101 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:22:49.51 VKLAi5gd0 74/809

17600(・・・あの中に混じれない辺りは、まだまだ未熟だな)

ふふ、と17600号が苦笑する

いつかは、もっと感情が豊かになって

他のミサカのように、テクパトルに甘えられるだろうか

そんなことはわからない


テクパトル「おーい!!17600号、行くぞ!!」

17600「あいよーーー」

102 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:24:48.90 VKLAi5gd0 75/809

でも、17600号はこんな毎日が好きだった

そして、自分を家族として見てくれるテクパトルが

恋愛感情なんかではない、もしかしたら親愛でもないかもしれない

それでも、たしかにテクパトルが好きなのだ

17600(いいよなぁ、父親は)

17600が笑う

彼女は、本当にこの家族が好きだった

103 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:26:13.63 VKLAi5gd0 76/809

いつか、テクパトルに訊ねたことがあった

なぜ、ミサカたちの顔を見分けられるのかと

テクパトルは言っていた

「大切な家族の顔を間違えるわけはないだろう」と

17600(そうだよな、家族だもんな)

17600(・・・間違えるわけないさ)

彼女だって

104 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:28:44.60 VKLAi5gd0 77/809

17600(もしも、10032号と同じ顔が何人いたって)

17600(19090号や20000号や14510号や)

17600(10033号や13577号や10039号と同じ顔が何人いても)

そして

17600(テっくんと同じ顔がもしも何人いても)

17600(見分けられるに決まってるだろ)


17600(大事な、家族なんだから)

105 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:30:15.42 VKLAi5gd0 78/809

テクパトル「始まるな、そろそろ」

19090「はい!楽しみです!」

テクパトルとミサカたちは垣根が用意してくれた席に座っていた

御坂妹「あ、入場してきました!!」

10033「お義兄様!!がんばれー!」

13577「おぉ、あれがお義兄様・・・」

10039「初めて生で見ますね・・・」

106 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:31:34.54 VKLAi5gd0 79/809

垣根「さぁ!!次はムカデ競争です!!」


ミサカ一同「いぇーー!!!」

テクパトル「・・・なぁ、17600号」

17600「なんだ?」

テクパトル「楽しいか?」

17600「あぁ、最高だ」

家族と、こんなふうに楽しい時間を過ごせるなんて

とても幸せだった

107 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:33:07.43 VKLAi5gd0 80/809

テクパトル「お、足も繋いだな・・・」

テクパトルが競技場をじっと見つめる

17600「・・・なぁ、テっくん」

テクパトル「ん、どうした?」


17600「                      」

その声は、垣根のアナウンスや歓声に掻き消された

一人の声では、とても敵わなかった

108 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/10 22:34:12.57 VKLAi5gd0 81/809

でも

テクパトル「あぁ、俺だって大好きだよ」

17600「ずっと続くといいな」

テクパトル「あぁ」

二人は笑っていた

そこには、クローンとか魔術師とか、そんな肩書きはなく


ただの、親子の姿があった

118 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:13:17.74 somuUCjJ0 82/809

上条「はぁ・・・緊張する」

競技場の真ん中で上条はつぶやいている

土御門「にゃー・・・ムカデ競争なんて流行んないぜよ」

青ピ「でも意外と毎年組まれてるんやねぇ・・・」

上条「しかも何回もやるよな、一年の間に」

■■「それほど。人気なんだと思う」


119 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:14:05.48 somuUCjJ0 83/809

上条「あ、吹寄」

吹寄が放送席から一旦外れて上条達のところへ来た

この種目には彼女も参加するのだ

吹寄「はぁ・・・なんとか間に合ったわね」

土御門「お疲れだにゃー」

青ピ「大変やねぇ」

吹寄「なに、好きでやってるのよ」


120 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:14:32.29 somuUCjJ0 84/809

■■「とても。感心する」

上条「無理はすんなよ?」

吹寄「上条・・・今まで、そうやってさりげない好意で何人の女性を騙してきたの?」

上条「えぇ!?」

せっかく気を遣ってあげたのに

まさかそんな返され方をするとは思わなかった



121 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:15:12.44 somuUCjJ0 85/809

垣根「さぁみなさん!」

アナウンスが始まる

今は垣根だけがマイクを握っている

垣根「仲間と繋いだ心と足で!ゴールを目指せ、ムカデ競争!」

垣根「ルールは簡単!ゴールテープを一番最初に切ったチームの優勝!」

垣根「もちろん能力を使いたいなら使ってよし!」


122 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:15:44.65 somuUCjJ0 86/809

おー!と観客席から歓声が上がる

学園都市の外から来た親御さんやメディアはむしろそういうのを楽しみにしているのだ

垣根「ただし!怪我をして担架で運ばれる羽目にはならないように!」

垣根「ち!な!み!に!このコースには急遽、トラップを仕掛けました」


上条「・・・はい?」

土御門「き、聞いてないにゃー!」


123 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:16:10.85 somuUCjJ0 87/809

吹寄「あのバカ・・・また勝手に・・・」

■■「無事に済めばいいと思う」


垣根「もちろん命には関わりませんのでご安心を!」

垣根がそう言うが、ほとんどの学生は信じていない

垣根のはっちゃけっぷりはアナウンスだけでも伝わってくるからだ


上条「・・・トラップには目印とかあんのかな?」


124 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:16:38.92 somuUCjJ0 88/809

垣根「ちなみにちなみに、またまたちなみに、トラップの前には少し不自然な窪みをつけています!」


上条「あ、いいタイミングで説明が」

青ピ「不自然なって・・・つまり、一番前の選手が見つけないとあかんなぁ」

吹寄「・・・うちの一番前って誰?」

五人が顔を見合わせる

もちろん、全員の並び方は決まっている


125 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:17:06.14 somuUCjJ0 89/809

一番前は

上条「俺・・・だったよな」

上条だった

■■「上条君。あなたに。私たちの命を預ける」

上条「そんなに大層なトラップなのかな!?」

土御門「あぁ、あの垣根のことだ・・・ろくでもないトラップに決まってるにゃー」

青ピ「最悪、本当に死人が出るかもしれへんで?」


126 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:17:32.88 somuUCjJ0 90/809

吹寄「上条、頼んだわよ」

まるで他人事のように四人は足の結び目をチェックする

上条「な、なんでそんなにドライになってんの!?」

土御門「いやぁ、だってここは学園都市だぜぃ?」

青ピ「よほどじゃないかぎり死なへんからなぁ」

■■「死んだら。化けて出るから」


127 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:18:09.71 somuUCjJ0 91/809

上条「出ないでほしいな!」

吹寄「はぁ・・・死ぬ前に一度くらいは恋というものをしてみたかったわ」

上条「死ぬの前提!?吹寄さんも恋に興味はあったんだ!?」

土御門「そんだけ元気があれば大丈夫だにゃー」

上条「なんだよその超絶理論は!?」

上条が頭を抱える


129 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:18:31.25 somuUCjJ0 92/809

正直、少しの不自然な窪みなんて見つける自信はなかった

だってただでさえ、上条は細かいことには気配りできないのに

その上、足並み揃えて歩きながらそんな作業、無理に等しかった

上条「・・・でもやるしかないよな・・・」


美琴「当麻!がんばって!」

観客席では美琴が必死に声援を送っていた


130 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:18:58.97 somuUCjJ0 93/809

ショチトル「いやぁ、しかし中々ハードなムカデ競争だな」

エツァリ「えぇ・・・トラップを探しながらなんてかなりの難易度ではないですか?」

一方「つゥかよォ・・・上条死ぬンじゃねェか?」

番外「ワーオ、死人が出ちゃうの?」

番外個体がケラケラと笑う

もちろんみんな冗談で言っているのだが



131 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:19:25.03 somuUCjJ0 94/809

美鈴「あ、いたいた!」

美琴「あれ、お母さん?」

旅掛「いやぁ、昼飯のあとに分かれてから中々合流できなかったな!」

詩菜「携帯電話という手段を忘れていたのよ」

ニコニコ、と詩菜が笑う

イン「あれ、とうまのお父さんは?」

詩菜「・・・刀夜さんは今・・・女性に道を尋ねられてるわよ」


132 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:19:51.80 somuUCjJ0 95/809

詩菜が少し離れた場所を睨む

そこでは鼻の下を伸ばしながら、丁寧に道を教えている刀夜がいた

ステイル「へぇ、あれがいわゆる色男か」

イン「というかとうまそっくりなんだよ!」

心理「・・・奥さんは苦労するわね」

心理定規が詩菜を哀れみの目で見つめる


133 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:20:19.63 somuUCjJ0 96/809

詩菜「あらあら、苦労なんてしてないわよ?」

エツァリ「い、いえ・・・青筋が・・・」

詩菜「あら、何かしら?」

エツァリ「な、何も!」

美琴「と、当麻が先頭みたいね!」

詩菜のあまりの恐ろしさに耐え切れず、美琴が話を逸らす


134 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:20:45.74 somuUCjJ0 97/809

ショチトル「・・・て、一番前なんだよな?」

一方「かなり責任あるンじゃねェか?」

美琴「あ」

旅掛「だよなぁ、ミスしたら仲間にまでトラップが・・・」

詩菜「まぁまぁ、それは大変ね」

全く慌てていないようなテンションで詩菜が言う


135 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:21:18.01 somuUCjJ0 98/809

一方「いや、もォ少し慌てろよ・・・」

ショチトル「・・・死ぬかもな、ホントに」

美琴「・・・何事もないといいけどなぁ」

心理「大丈夫よ、信じなさい」

心理定規が笑う

放送席では、垣根がにやけながら踏ん反り返っていた



136 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:21:50.04 somuUCjJ0 99/809



テクパトル「・・・いや、トラップって」

垣根が用意した特別席

そこでテクパトルとミサカ達は観戦していた

19090「か、かなり危険そうですね・・・」

14510「垣根のことですから・・・能力とかを織り交ぜたトラップを使いそうです」

御坂妹「それは・・・厄介でしょうね、とミサカはため息をつきます」


137 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:22:22.67 somuUCjJ0 100/809

13577「しかし、能力ならお義兄様は関係ないのでは?とミサカは尋ねます」

20000「あ、たしかお義兄様って能力なら打ち消せるんだっけ?」

テクパトル「あぁ、そういえばそうだったな」

あの垣根のことだ

おそらくは能力を使ったトラップだろう

なら、上条は一番有利ではないか


138 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:22:52.74 somuUCjJ0 101/809

他の学生は垣根の能力に対抗する手段なんて持っていない

学園都市の第二位への対抗策なんて、あるほうがおかしいのだ

ただ上条は例外である

彼の右手は、異能の力ならばなんだって打ち消すことが出来るのだから

17600「・・・どうかな」

他のミサカ達が安堵の表情を浮かべる中、17600号だけは表情を濁らせていた

テクパトル「?どういうことだ?」


139 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:23:18.25 somuUCjJ0 102/809

17600「そんなベタなことをするか?あの垣根が」

テクパトル「・・・まぁ、たしかにベタといえばそうだけど・・・」

垣根だって、この種目に上条が出場するのは知っていただろう

なのに、全く無意味なトラップを仕掛けるだろうか

19090「・・・もしかしたら、普通のトラップかもしれませんね」

テクパトル「どちらにしろ、上条だって注意して進むはずさ」

テクパトルが競技場を注視する


140 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:23:47.93 somuUCjJ0 103/809

とうとう、ムカデ競争が始まった


垣根「では!用意!」

選手達がスタートラインに立つ

垣根「スタート!」

一斉に選手達が駆けていく

正直、トラップなんて気にしていないようだ


141 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:24:13.13 somuUCjJ0 104/809

落とし穴だの、ちょっとぬかるんでるだの

そんな甘いトラップを想像していたようだ

上条「よし!俺達も走るぞ!」

土御門「了解ですたい!」

吹寄「右足からよ!」

テンポよく、五人が走っていく


142 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:24:40.11 somuUCjJ0 105/809

コースの全長は200M

それを三周するのだから、なかなかの距離になる

青ピ「なんや、まだ誰もトラップに当たってへんみたいやなぁ」

■■「もしかしたら。トラップなんて。出まかせなのかも」

上条「なんだ、そうとわかれば」

もっとペースをあげようぜ

そう言おうとしたとき


143 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:25:06.71 somuUCjJ0 106/809



前を行く選手達の足元が突然光った

上条「はい?」

土御門「え?」


一瞬

本当に一瞬だった

選手達の姿が消えていた

最初は落とし穴にでも落ちたのかと思った

それくらい、突然に消えたのだ


144 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:25:32.97 somuUCjJ0 107/809

垣根「あー、今のトラップは超大型爆弾です」

アナウンスでさらりと垣根がネタバレをする

上条「いやいや!爆弾とか危ないだろ!」

垣根「吹っ飛んでいった選手はあちらのテントの上にいます」

垣根があるテントの屋根を指差す

そこには、全身が黒くくすんだ選手達が落ちていた


145 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:25:59.08 somuUCjJ0 108/809

垣根「角度、威力、距離、全てが計算されていました」

上条「そういう問題じゃねぇよ!もしテントから外れてたら・・・」

垣根「そんときは俺が羽でも伸ばして助けてたんじゃねーの?」

上条「なんでそんなに他人事!?」

垣根「とにかく」

垣根がマイクを握り締める

真剣な声で、もう一度確認する


146 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:26:32.66 somuUCjJ0 109/809

垣根「トラップの前には不自然な窪みがあります」

垣根「それを見つけながら慎重に進むか」

垣根「くだらないとバカにして、無視してひたすら走るのか」

垣根「それは自由ですよ」

観客席もあまりの展開に静まり返っていた

垣根「ただ、もし怪我をしないで確実にゴールしたいなら」



147 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:29:39.58 somuUCjJ0 110/809

垣根「悪いことは言わない、慎重に行きなさい」


■■「みんな。慎重に行こう」

吹寄「あ、あんなトラップなんて・・・」

青ピ「完全にこっちの安全無視してるわ」

土御門「でもありがたいと言えばありがたいにゃー」

土御門だけが冷酷に笑う


148 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:30:06.60 somuUCjJ0 111/809

上条「あ、ありがたいってお前なぁ!」

土御門「勝手に突き進むほど、一番前を進むほど」

土御門「トラップを踏む可能性は高くなる」

吹寄「・・・かといっていつまでも後ろを走っていても意味がない・・・」

■■「なかなかに計算された。画期的なシステム」

青ピ「・・・ボクたちはどうするん?いつまでもビクビクしながらスローペースで進むんか?」


149 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:30:34.37 somuUCjJ0 112/809

上条「・・・んなわけねぇよ」

上条が観客席を見る


美琴「当麻!がんばって!」

旅掛「上条くん!目指せトップだ!」

美鈴「怪我には気をつけてよね!」

刀夜「当麻、がんばれ!母さん、誤解なんだよ・・・」

詩菜「当麻さん、無理はしないで・・・何が誤解なのかしら?」


150 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:31:00.66 somuUCjJ0 113/809

上条「みんな、なんだかんだ応援してくれてるんだ」

土御門「にゃー、それに小萌先生だって期待してるはずだぜぃ?」

青ピ「だったら、応えるしかないなぁ」

■■「私は。風になる」

吹寄「・・・みんな、走るわよ」

吹寄の言葉が号令になった

一同がペースを上げる


151 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:31:26.21 somuUCjJ0 114/809

土御門「おらおらぁ!どけどけぇ!」

青ピ「ボク達が通るんやでぇ!」

■■「風を止めるには。壁を作れ」

上条「!みんな、前にトラップがある!」

吹寄「右に避けるわよ!」

上条がトラップを発見し

吹寄が指示を出す


152 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:31:53.85 somuUCjJ0 115/809

完璧なコンビネーション

どんどん、周りとの差を広げていく

上条「よし、このまま行けば・・・」

土御門「あぁ!!!!」

一位でゴール出来そうだった

しかし、隣からもう一つのチームが迫っていた



153 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:32:19.56 somuUCjJ0 116/809

初春「えっほ!えっほ!」

佐天「初春!トラップはない!?」

初春「大丈夫です!」

佐天「よーし!さっきは組体操で負けたから、今度こそは一位をとるよ!」

柵川中学

正直に言って、全くの無名校だ


154 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:32:49.72 somuUCjJ0 117/809

強い能力者がいるわけでもなければ、有名な進学校であるわけでもない

だが、今年の大覇星祭ではなかなか活躍していた

常盤台中学との組体操などは、あと一歩というところまで常盤台を追い詰めたのだ


上条「!み、みんな!」

土御門「あぁ!ペースを上げるぞ!」

吹寄「上条!前にトラップは!?」


155 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:33:17.25 somuUCjJ0 118/809

上条「今のところはないぞ!」

青ピ「よし、このまま走るでぇ!」

このムカデ競争はなかなか簡単な仕組みだ

一周目はたしかにトラップに怯えながら進まなければいけない

だがそれ以降は簡単なのだ

一周目に通った場所を進めば必ず安全なのだから

上条(少しでも早く二周目に入ったチームが得だな・・・)


156 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:33:54.09 somuUCjJ0 119/809

後ろで大きな爆弾音が鳴った

どこかのチームがトラップにでも引っ掛かったのだろう

観客席から少し悲鳴が上がる


佐天「よし!初春、ハイペースで行くよ!」

初春「はい!」

柵川中学チームも、かなりペースを上げる


157 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:34:20.17 somuUCjJ0 120/809

一周目がそろそろ終わる

これから二周目に、少しでも早く入りたかったのだ

佐天「!■■さん達の学校!?」

佐天が■■の姿を捉えた

■■「佐天。あなたの学校は、私達には敵わない」

佐天「・・・そんなこと、やってみなきゃわかりません!」


158 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 10:34:47.64 somuUCjJ0 121/809

佐天が初春の肩を叩く

それが合図だったのだろうか

今まで以上のペースで初春が走り出す

先頭が走れば後ろも走らざるを得ない

そうやって、上条達に迫ってきた

もう、二組の差はほとんどなかった

171 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:15:18.35 somuUCjJ0 122/809

上条「くそっ!みんな、急げ!」

吹寄「分かってるわよ!」

土御門「よし、そろそろ二周目だ!」

上条たちがちょうど二周目に入った

これからは全くトラップを気にしなくていい

青ピ「よし、走るで!」


172 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:15:52.61 somuUCjJ0 123/809

観客席から歓声が上がる

どうやら柵川中学も迫ってきているようだ

■■「急がないと。追いつかれてしまう」

吹寄「上条!!」

上条「分かってる!」

一応トラップのことを頭に入れながらも、上条たちはハイペースで進んでいく



173 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:16:25.63 somuUCjJ0 124/809

美琴「よし!当麻達が一位ね!」

美鈴「でもすぐ後ろから迫ってきてる学校があるね・・・」

旅掛「まだ油断はできないな・・・」

エツァリ「・・・えぇ、二組とも譲りませんね」

なかなか二組には決定的な差がつかなかった

ショチトル「このまま行けば、ギリギリ上条たちが勝つかな」


174 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:17:02.50 somuUCjJ0 125/809

詩菜「まぁまぁ、優勝出来るのかしら」

刀夜「だが、このまますんなり行くだろうか・・・」

刀夜が不安そうにつぶやく

上条は非常に不幸な少年だ

何が起きたっておかしくない

心理「・・・とにかく、今は信じるしかないわよ」

美琴「そうね・・・」


175 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:17:34.51 somuUCjJ0 126/809

テクパトル「・・・全く勝敗の行方が分からないな・・・」

19090「えぇ・・・」

テクパトルたちも、勝負の行方を見守っていた

20000「・・・あ、お義兄様たちが追いつかれたんじゃない!?」

10033「まだギリギリリードしています、とミサカは正確な情報を伝えます!」

13577「しかし、一瞬でも気を抜けば絶対に越されますね・・・とミサカは手に汗握ります」


176 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:18:17.98 somuUCjJ0 127/809

御坂妹「・・・これは本当にドキドキしますね、とミサカは感想を述べます」

14510「・・・あの二組の一騎打ちですね・・・とミサカは必死に試合の行方を見つめます!」

10039「もはや言葉はいりません・・・とミサカは試合観戦に集中することを誓います」

テクパトル「そうだな・・・」

観客席も、歓声とどよめきだけだった

他の無駄な声など一つもなく

全てが、勝負の暑さに染まっていた

177 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:20:00.57 somuUCjJ0 128/809



垣根「さぁ!!勝者はどちらだ!?かなりの接戦です!!」


土御門「!!カミやん、ゴールが見えた!!!」

上条「よし、突っ込むぞ!!」

吹寄「早く!!」

青ピ「勝てるで!!」

柵川チームはなぜか後ろで止まっていた

何かトラブルでもあったのだろうか

178 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:21:10.40 somuUCjJ0 129/809

上条「勝った!」

上条は確信した

観客席の誰もが、上条たちの勝利を祝おうとしていた

しかし


カチッ


そんな音がして


上条「・・・あれぇ?」


五人は吹っ飛んだ

179 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:22:26.11 somuUCjJ0 130/809


美琴「当麻ーー!!!!」

美鈴「そんなーーーー!!!!」

旅掛「最後の最後でそのオチぃ!?」

刀夜「あ、テントの上に落ちたぞ!!」

詩菜「まぁまぁ、最後の最後でダメなんて・・・」

一方「いや、注意不足だろ」

ショチトル「・・・そうかな?」

180 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:23:52.73 somuUCjJ0 131/809

エツァリ「?どういうことですか?」

ショチトル「いや、あの後ろのチーム・・・急に直前で止まっただろ?」

番外「そういえばそうだね」

心理「・・・おかしいわよね、何もトラブルが起きた様子はないわよ?」

柵川チームは紐が外れたわけでも、誰かが転んだわけでもなかった

ならなぜ止まったのか

ショチトル「・・・新しくトラップを張ったな」

181 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:25:35.51 somuUCjJ0 132/809

美琴「あ、新しくっていつの間に?」

美鈴「いや、一周目のあとってこと?」

旅掛「でも垣根くんはずっと放送席にいたぞ?」

ショチトル「あいつには常識は通用しない・・・」


垣根「えー、誰もトラップの位置が変わらないとか追加されないとかは言ってませんでしたー」

垣根「もちろん、トラップが動けば目印も一緒に動いてたよん☆」

垣根「気づかなかったのが悪いね」

182 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:27:17.99 somuUCjJ0 133/809

美琴「きーーっ!!あの野郎ぶち殺す!!!」

美鈴「お、落ちついて美琴ちゃん!!!」

旅掛「ははは!!元気だなぁ美琴は!!!」

詩菜「まぁまぁ、にぎやかねぇ」

刀夜(当麻、美琴ちゃんと夫婦喧嘩はしないほうがいいぞ)

ステイル「・・・しかし、あの一瞬でトラップを変えるなんて・・・」

イン「でも目印の位置は確かに変わってるんだよ」

183 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:28:27.78 somuUCjJ0 134/809


上条「・・・すまない」

土御門「・・・これは責められないにゃー」

青ピ「まさかトラップが動くなんて・・・」

■■「私も。予想外」

吹寄「・・・あ、柵川が優勝したわね・・・」

テントの上で

五人は肩を落としていた

184 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:29:56.68 somuUCjJ0 135/809


垣根「気を取り直して!!次の種目はこちら!!」

吹寄「・・・え、仮装行列?」

吹寄の間抜けな声がマイクを通して響いた

観客席からも疑問の声が上がっている

垣根「あぁ、昨日急遽決まったのでパンフレットにも書かれていません」

吹寄「・・・貴様、勝手にやったわね」

垣根「えー、みなさんも用意はしていないでしょう」

185 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:31:12.98 somuUCjJ0 136/809



美琴「へぇ、自由参加なんだ・・・」

上条「いてて・・・ただいま」

美琴「と、当麻!!大丈夫!?」

上条「なんとかな・・・」

帰ってきた上条の元に美琴が駆け寄る

ところどころ、体がくすんでいる

美琴(あとで垣根コロス)

上条(なんか怖い)

186 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:32:48.64 somuUCjJ0 137/809

心理「それで、これは自由参加ね」

ショチトル「あぁ、そうそう」

イン「いったいどんなルールなのかな?」

一方「・・・さァな」


垣根「えー、ルールは簡単」

垣根が競技場の中心を指差す

そこには大きなボックスがあった

垣根「そこの中に仮装用のコスプレやらなんやらが入ってます」

187 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:34:51.34 somuUCjJ0 138/809

吹寄「えっと・・・その中から、どれでも好きな物を選んでください」

垣根「それを着て予選に出てもらいます」

垣根が淡々とルールを説明していく

垣根「面白いもの、可愛いもの、インパクトのあるもの」

吹寄「予選ではみなさんが列になり、その中から我々が素晴らしい選手を審査します」

垣根「見事予選突破された選手は、決勝に進みます」

188 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:37:55.02 somuUCjJ0 139/809

垣根「そして、会場を最も盛り上げた選手が優勝です」

吹寄「優勝された選手には副賞として、この大覇星祭期間中、全ての飲食店が無料になるクーポンを差し上げます!!」

おぉぉぉぉぉ!!!とざわめきが起こる

かなりのお得な副賞だ


イン「私出るんだよ!!」

ショチトル「お前はそのままでも仮装っぽいけどな」

ステイル「まぁ、そうかもしれないね」

189 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:39:14.99 somuUCjJ0 140/809

一方「・・・俺は行って来る」

番外「え、どうして?」

一方「お前に美味いもン食わしてやるよ」

番外「」ズキューン

美琴(お金あるのに)

上条「俺も行って来る!!」

美琴「!!じゃ、じゃあ私も!!」

心理「私も行こうかしら」

190 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:40:43.39 somuUCjJ0 141/809

ショチトル「私は見とくよ・・・エツァリは?」

エツァリ「自分もあまり参加はしなくないですね」

エツァリが苦笑する

彼は変装は得意だが仮装はあまり好みではない

美鈴「・・・私も行こうかな」

旅掛「ダメだ!!もしもメイド服とかだったらどうする!?」

美鈴「なになに?ヤキモチ?」ニヤニヤ

旅掛「あぁそうだ!!」

詩菜「まぁまぁ、仲がよろしくてうらやましいわ」ニコニコ

192 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:42:53.85 somuUCjJ0 142/809


テクパトル「・・・俺も行って来るよ」

17600「なんだ、ああいうの好きなのか?」

テクパトル「そうじゃないけど・・・お前たちもいろいろ食いたいだろ?」

御坂妹「あ、副賞狙いですか、とミサカは納得します」

13577「ありがとうございます、とミサカはお礼を述べます」

20000「あちがとうー」

テクパトル「あちぃとありがとうが混ざってるなおい」

194 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:45:33.96 somuUCjJ0 143/809


垣根「さぁ、みなさん用意はいいですか!?」

吹寄「ボックスの中にはさまざまなコスプレが入っています!」

垣根「人と同じものを選んで無難にいくもよし、わが道を突き進むもよし!」

吹寄「更衣室はそちらに用意してあります!」

いつの間にかしっかりと更衣室まで用意されていた

垣根「あ、ちなみに覗いたヤツは俺がぶち殺すので」

えー、と観客席からブーイングが上がる

195 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:48:13.42 somuUCjJ0 144/809

垣根「黙れおいこら、変態共」

垣根の声にしぶしぶ観客席が静かになった


美琴(・・・うーん、ネコ耳はベタ、メイドも・・・ねぇ)

美琴は悩んでいた

隣ではもう心理定規が決めたようだ

美琴「・・・そ、それで行くの?」

心理「あら、普段のドレスより案外露出は少ないわよ?」

196 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:50:21.62 somuUCjJ0 145/809


上条「・・・お前は選べたか?」

一方「あァ」

テクパトル「あれ、お前たちも参加するのか」

上条「お、テクパトル・・・お前も副賞狙いか?」

テクパトル「まぁそうだな」

削板「お!!上条たちじゃないか!!」

上条「あれ、削板?」

197 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:51:38.19 somuUCjJ0 146/809

削板「いやぁ、黒子がぜひとも出てくれってさ!」

上条「へぇ・・・インデックスは選んだか?」

イン「うん!!選んだんだよ!」

上条「じゃあ、着替えますか」

それぞれが更衣室へ向かう


とうとう、仮装行列が始まった

198 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:53:27.70 somuUCjJ0 147/809


垣根「さぁ!!みなさん、並んでください!!」

吹寄「では、予選開始!」


更衣室から選手達が出てくる

観客席のボルテージは最高潮だ


垣根「では、みなさん!!思い切りアピールしてください!!」


上条「み、美琴!?」

美琴「あ、当麻」

200 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:55:15.49 somuUCjJ0 148/809

上条は驚いていた

美琴の選んだコスプレは


巫女さんだった


上条(こ、この破壊力!)

上条(チラリと覗く胸元!)

上条(きゅっと引き締められた腰!!)

美琴「?当麻?」

上条「美琴、可愛いよ」

美琴「//」

201 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:56:41.39 somuUCjJ0 149/809

心理「あら、美琴似合ってるわね」

上条「あ、心理さ・・・」

上条が声のした方向を振り向いて

固まった


上条「な、なぜバニー?」

美琴(な、なんていう色気・・・)

心理「あら、可愛くない?」

203 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:58:28.73 somuUCjJ0 150/809

上条「か、観客席がかなり湧いてるのはなぜ?」

観客席から声援が飛んでくる

中には「バニー最高!!」とかいう、どこかで聞いたような声もあった


上条「で、でも・・・垣根が怒るんじゃないか?」

心理「あら、どうかしら?」


垣根「心理定規、すごくいいですよ、すごく」


心理「ほらね」

美琴「喜んでるわね・・・」

205 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 15:59:52.44 somuUCjJ0 151/809

上条「あ、インデックス・・・ってそれなんだよ?」

イン「えっへん!!」

インデックスが着ていたのは


なぜか、パンダの着ぐるみだった

上条「パンダパンダ・・・」

イン「でも、当麻もおかしいんだよ」

206 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:01:43.81 somuUCjJ0 152/809

美琴「うん、どうして・・・」


美琴「アカレンジャーなの?」

美琴は首を捻っていた

昔だとかそういう問題ではなく

ただ、疑問だった

上条「なんかヒーローってよくないか?」

209 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:03:01.98 somuUCjJ0 153/809

心理「・・・でも少しベタかしら」

イン「予選通らないんじゃないかな?」

美琴「うーん・・・あ、削板」

少し肩を落とす上条の後ろから削板がやってきた



カボチャパンツを着て


上条「な、なんでそんな・・・」プルプル

210 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:05:01.38 somuUCjJ0 154/809

削板「俺のシンデレラにならないか!?」


上条「やめろ・・・」プルプル

イン「イ、インパクトがヤバイんだよ・・・」プルプル

心理「あら、似合ってるわよ?」プルプル

美琴「い、いいんじゃない?」クスクス

削板「だろ!?」

211 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:07:04.93 somuUCjJ0 155/809

上条「はぁ・・・あ、テクパトル」

テクパトルが更衣室から出てきた

美琴「・・・な、なんで・・・」


美琴「お坊さん?」

テクパトル「・・・お告げがあったんだよ・・・」

テクパトルが溜め息をつく

わざわざスキンヘッドのカツラまで被って

213 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:08:59.77 somuUCjJ0 156/809

上条「も、木魚持ってる・・・」プルプル

心理「あ、あら・・・すて・・・き」クスクス

テクパトル「笑うなよ・・・行列そろそろ始まるぞ」

一同が並ぶ


上条「あれ、そういえば一方通行は?」

美琴「一人だけ遅れてるのかしら?」

心理「あとで見れるんだしいいんじゃない?」

215 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:11:03.31 somuUCjJ0 157/809

垣根「さぁ、それでは始まります!!」

吹寄「みなさん、しっかりと放送席の前ではキメポーズをしてください!」


上条「よし、がんばるか・・・」

上条が気合を入れる

前にはどっかで見たような人たちがいた


絹旗「はぁ・・・なんでリスの着ぐるみなんですか・・・」

麦野「私なんかフランケンシュタインよ・・・」

216 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:12:31.20 somuUCjJ0 158/809

美琴「あ、麦野さん」

麦野「あぁ・・・?あ、御坂・・・って」

麦野が美琴を睨む


麦野「てめぇ観衆に媚を売りやがって!!」

美琴「は、はぁ!?」

麦野「私なんかフランケンシュタインなんだよぉ!!!」

美琴「に、似合ってるわよ?」

麦野「あぁ!?」

219 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:15:28.15 somuUCjJ0 159/809

絹旗「・・・みんな超可愛い格好を・・・」

心理「あら、あなたも可愛いじゃない」

絹旗「・・・そういうあなたは色気を前面に・・・」

心理「あ、私達のアピールの番よ」


上条たちがアピールをする

垣根や吹寄が真剣に採点している

途中、テクパトルと削板、麦野を見て垣根は吹き出していたが

220 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:17:35.39 somuUCjJ0 160/809

上条「はぁ・・・俺たちの番は終わったか」

美琴「・・・そうね」

みんなはほっと溜め息をついていた

その時


垣根「ぎゃははははは!!!!!や、やべぇよ一方通行お前優勝だろwwwww」


垣根のありえないほどの愉快な笑い声が聞こえてきた

221 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:19:17.96 somuUCjJ0 161/809

美琴「?どんな仮装してるのかな?」

イン「ここからじゃ見えないんだよ・・・」

インデックスが背伸びをするが、今の位置からは見えなかった

削板「あの様子だと決勝には行くだろうな」

心理「えぇ・・・何をしてるのかしら」

テクパトル「はぁ、優勝したいな・・・」

上条「俺も・・・」



223 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:22:45.09 somuUCjJ0 162/809


少しして予選が終わったらしい

予選を通過した選手の名前が呼ばれるが



上条「俺の名前・・・呼ばれなかった・・・」

美琴「ド、ドンマイ・・・私は呼ばれたから大丈夫!」

イン「私も通ったんだよ!」

心理「私も」

テクパトル「ていうか、俺たちの中で落ちたの上条だけだな」

削板「言ってやるな」

224 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:24:50.76 somuUCjJ0 163/809


絹旗「くーっ!超落ちました!!」

麦野「・・・通ったのがなんかムカつく・・・」

美琴「あ、麦野さんも通ったんだ」

麦野「・・・てめぇはいいよな御坂・・・」

美琴「?」

心理「巫女なんてまともじゃない」

麦野「てめぇもだよドレス野郎」

心理「何よターミネーター」

麦野「」

225 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:27:53.41 somuUCjJ0 164/809


上条「ただいまー・・・」

美鈴「あ、残念だったね」

上条「仕方ないですよ・・・」

旅掛「見た!?美琴の巫女姿やばくない!?」

上条「あぁ親バカですねわかりますよ!」

ステイル「インデックス・・・可愛いな」

上条「変態じゃねぇか」

226 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:29:15.83 somuUCjJ0 165/809

エツァリ「いえ、それより一方通行さんが恐ろしいですよ」

上条「え、そうなの?」

番外「ひーっ!!や、やばいよ気持ち悪いよ」ケラケラ

ショチトル「あぁ、ひどいぞ」

詩菜「盛り上がってるわねぇ」ニコニコ

刀夜「みんな素敵だなぁ」

詩菜「あらあら・・・」

刀夜「」

227 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:32:50.17 somuUCjJ0 166/809


垣根「さぁ!では決勝です!!」

吹寄「みなさん、観客席の前にある特設ステージへ上がってください!」

選手達がゾロゾロとステージへ上がる

観客席からはよく見える場所だ


上条「あ、一方通行!?」

上条は吹き出しそうになっていた


一方通行が着ていたもの

228 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:34:06.35 somuUCjJ0 167/809

美琴「な、なにあれ・・・」プルプル

削板「ひどいな・・・」ブフッ

心理「ごめん、勝てる気がしないわ」

麦野「・・・一位・・・お前・・・」

イン「もう終わったんだよ」

テクパトル「あいつと友達なのがいやになってきた」


彼のコスプレは


肉襦袢だった

230 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:35:42.80 somuUCjJ0 168/809


上条「く、くそ・・・」

上条が笑いをこらえる

エツァリ「危ないでしょう?」

番外「あれは卑怯だよね」ケラケラ


一方「さァて、ポージングでもするか」


美琴「ダ、ダメ・・・!」プルプル

心理「はぁ・・・観客席の盛り上がりはなに?」

234 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:39:36.18 somuUCjJ0 169/809

垣根「さぁ!!みなさん、どの選手が優勝ですか!?」

垣根がアナウンスする

観客席のあちこちから一方通行の名前を呼ぶ声がする

もう、勝ち目なんてなかった



垣根「決まりました!!」

吹寄「優勝は、一方通行選手!」

235 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:42:16.05 somuUCjJ0 170/809



テクパトル「・・・なぁ、あれは、勝てない」

御坂妹「そんなに落ち込まないでください、とミサカは励まします」

19090「テっくんのも面白かったですよ!!」

20000「いやぁ、マッチョなセロリたんは萌えたな」

13577「え?」

10039「は?」

10033「そうですね・・・こう、意外と似合っていました・・・」

14510「ゾクゾクしました、とミサカも感想を述べます」

17600(終わってんなこいつらの美的センス)

236 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:44:24.80 somuUCjJ0 171/809


上条「はぁ・・・次はなんだっけ?」

美琴「次は・・・綱引きね」

ショチトル「綱引きか・・・」

ステイル「どこの学校なんだい?」

美琴「あ、これは紅白それぞれの中からの選抜よ」

イン「へぇ・・・楽しみなんだよ!」

237 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:48:51.83 somuUCjJ0 172/809


綱引きもかなりの盛り上がりだった

とはいえ、あの仮装行列の後だったからか、やや中弛みしてしまった感じでもあった


垣根「さて・・・二日目の最後の種目がやってまいりました!!」

吹寄「本日最後は・・・」


垣根吹寄「遠投です!!」


上条「・・・はい?」

238 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:50:34.12 somuUCjJ0 173/809

美琴「遠投ってあれよね?」

心理「えぇ、ボールを投げるのよ」

ショチトル「それが最後?」

エツァリ「な、なんだか微妙なチョイスですね・・・」

美鈴「うん、なんか最後が締まらないね・・・」

旅掛「そうだなぁ・・・」


垣根「えー、ちなみに」

垣根のアナウンスが会話を遮った

239 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:53:35.58 somuUCjJ0 174/809

垣根「能力、使いたい放題です」


しん、と会場が静まり返る

垣根「干渉値のこと、今回は考えなくていいです」


おぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!と観客席から拍手が巻き起こる

垣根「えー、出たい選手は前へどうぞ」


美琴「・・・ふふふ・・・」

削板「なかなか・・・いいんじゃないか?」

一方「燃えるじゃねェか」

上条(みなさん怖い)

240 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:54:57.72 somuUCjJ0 175/809

垣根「じゃ、行って来る」

吹寄「え、貴様も参加するの?」

垣根「あぁ」

マイクを切り、垣根が競技場へ向かう


麦野「さーて、私も行くかなん☆」

絹旗「超がんばってください!!」

滝壺「がんばってね、むぎの」

浜面「・・・ほどほどにな」

241 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:57:23.07 somuUCjJ0 176/809


競技場の中心には

5人の超能力者しかいなかった

他の選手は諦めたのだろう

もはや、勝ち目などない


吹寄「・・・投げるのはこちら、重さは15kgの砲丸です」

吹寄「ちなみに、投げる方向の安全性は確保していますのでご安心を」


吹寄が淡々とアナウンスを進める

242 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 16:59:30.43 somuUCjJ0 177/809


垣根「・・・とりあえず、これは金属製みたいだな」

美琴「・・・超電磁砲もいけるわね」

ニヤリと美琴が笑う

一方「めンどくせェが・・・」

一方通行はチョーカーのスイッチを入れる

その瞬間、彼は学園都市最強に戻るのだ

一方「悪くはねェ」

243 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:00:57.15 somuUCjJ0 178/809

削板「よーし!!調子はいいかな!!」

腕をグルグルと回す削板

麦野「さて・・・原子崩しで砲丸が溶けないといいけど」

そんなことをつぶやく麦野

垣根「勝つのは俺だ」

勝利を確信している垣根


吹寄「では、みなさん、並んでください」

244 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:02:54.27 somuUCjJ0 179/809

観客席からはかなりの歓声が上がっている

それもそうだろう

遠投、と聞いたら地味でいやなはずだった

しかし、超能力者の手加減無しの全力を見れるのだ

外のメディアなんか、カメラを必死に回している


美鈴「そういえば、美琴ちゃんの全力なんて初めて見るな・・・」

上条「・・・すっごいですよ、あれ」

245 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:04:38.56 somuUCjJ0 180/809

旅掛「・・・他のみんなもすごいんだろ?」

刀夜「・・・これは見物だな・・・」

心理「はぁ、垣根の全力なんてなかなか見れないわよ」

エツァリ「一方通行さんも恐ろしいですからね」

番外「そうだよ、あの人が一番!」

ショチトル「・・・始まるな・・・」

246 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:06:46.82 somuUCjJ0 181/809


テクパトル「・・・これは、恐ろしいな・・・」

19090「お姉様の超電磁砲・・・」

13577「生で見るのは初めてです、とミサカは息を呑みます・・・」

御坂妹「あ、みんなが並びました・・・」

観客席は、静まることはなかった

テクパトル「・・・来る!!」

247 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:08:10.83 somuUCjJ0 182/809


美琴「行くわよ!!」

垣根「おうよ!!」

麦野「おらおらぁ!!」

一方「あひゃひゃ!!」

削板「すごいパーンチ!!!!!!!!!!!!!」

五人が能力を発動する

それぞれの砲丸は、恐ろしい速度で



空へと消えた

248 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:09:36.72 somuUCjJ0 183/809

垣根「見たか!?俺のが綺麗に燃えたぜ!?」

一方「あァ!?俺のほうが・・・」

美琴「そんなことないわよ!!」

削板「俺の砲丸が一番飛んだ!!」

麦野「いーや!!私だね!!」

睨み合いが続く

それを止めたのは吹寄のアナウンスだった

249 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:12:42.64 somuUCjJ0 184/809

吹寄「えっと・・・消えてしまったので、測定不可能です」

五人「」

吹寄「よって、この勝負は・・・」


引き分け

そう吹寄が言おうとしたとき


食蜂「はーい、待った待ったー」


もう一人の超能力者が現れた

250 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:14:17.92 somuUCjJ0 185/809

食蜂「えっと、これが砲丸ね」

食蜂が吹寄に有無を言わさず砲丸を持ち

適当に投げた


垣根「・・・な、なんのつもりだ・・・」

食蜂「あなたたちの記録はないわよね?」

麦野「!!まさか!!」

食蜂「そういうこと☆」

251 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:15:43.84 somuUCjJ0 186/809

吹寄「50cm!!食蜂選手の優勝です!!」

観客席が湧いた

まさか、こんな非力そうな少女が勝つなんて

心理系の能力者が勝つなんて

誰も思っていなかった


一方「・・・せこいだろ・・・」

美琴「ひ、卑怯よ!!あとからノコノコ・・・」

252 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:17:04.03 somuUCjJ0 187/809

食蜂「あら、別にルールは破ってないわよ?」

食蜂がウィンクする

食蜂「まぁ、残念だったわね、美琴」

美琴「名前で呼ぶなぁ!!!」


そうして

二日目は、ふがいない形で幕を閉じた



質問コーナー

258 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:53:28.12 somuUCjJ0 189/809

上条「お、こりゃいいな」

テクパトル「うん、ちょっと待とうか」
二日目が終わったところで疲れた皆さんに癒しを差し上げます、と11111号は報酬(テっくんのオ[わお]のときの写真)をもらいながら置いていきます。

それぞれの人たちの超カッコいい(可愛い)ポーズの写真(写真立てつき)


上条「おぉ・・・美琴の上目遣い・・・」

美琴「と、当麻のそげぶ・・・」ポーッ


259 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:55:29.80 somuUCjJ0 190/809

心理「あら、垣根のイナバウアー」

垣根「心理定規の前傾・・・って俺の写真おかしいよな?」

テクパトル「・・・俺の写真を返せ・・・19090号は可愛いけど」

19090「テっくんのオ(アウチ!!)の写真・・・」ゴゴゴ

番外「あ、さっきの肉襦袢の・・・」クスクス

一方「もォ許せ」

ショチトル「これは・・・いつのだっけ?」

エツァリ「この前のSMプレイの・・・」

一同「消えろ」

260 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 17:57:03.72 somuUCjJ0 191/809

削板「お、黒子のは腕章見せてるときのか」

黒子「軍覇さんのはすごパのときですの」

イン「ステイルがイノケンティウスを出してるときのだよ!!」

ステイル「あぁ・・・インデックスは可愛いな・・・」

さだのり「はぁ・・・リポビタンDの乳寄せ・・・」

エツァリ(誰ですか、そしてリポビタンに乳はありません)

266 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:35:34.29 somuUCjJ0 192/809

テクパトル「ん、なんだ?」

どうも、17600号こと、スネークです、とミサカは挨拶します


ところで、こんな物を見つけたのですが、と、ミサカは20000号の部屋にあった黒歴史ノート+エツァリ、ショチトルのSMグッズを置いていきますを置いていきます


20000「あ、なっつかしいなーこれ」

テクパトル「どれどれ?」


「私の父親は、カノッサ機関のエージェントだ」


テクパトル「」

267 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:37:27.59 somuUCjJ0 193/809

「幼いころから私はさまざまな訓練を受けてきた」

「射撃、武道、尾行術」

「それらのどれもを、私は完璧にこなしてきた」

「もはや、タルタロスの囚人共では私を殺すことは出来ないはずだ、いや、はずだった」

「だが、始まってしまったのだ」


「全ての夜明け、ジ・ハードが」

268 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:39:49.49 somuUCjJ0 194/809

「ゴルゴタの人々は恐れをなしていた」

「タルタロスには、アスタロトと呼ばれる悪魔がいた」

「冷酷無慈悲で知られたあのアスタロトだ」

「私は背中に抱えたユダの十字架を守らなければならなかった」

「しかし、どうして立ち向かえただろうか」

「すでに11のオリンポスは揃っていたのだ」

「残りは一つ、まだ見つかってはいないアザートスの書」


テクパトル「なぁ、アザートスはオリンポスとはまったく関係ないぞ?」

20000「ふーん」

269 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:41:33.27 somuUCjJ0 195/809

「そして、私は知ってしまった」

「ユダの十字架が背負いし物は、決して裏切りではなかったと」

「いったいなぜ今までそう思われていたのか」

「ロンギヌスの槍によってイエスが貫かれたあのとき」

「なぜイエスは処刑人の耳を癒されたのか」

「私には、わからない」


テクパトル「あれか、途中でめんどくなっただろ」

20000「うん、5分で飽きた」

271 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:42:43.83 somuUCjJ0 196/809

エツァリ「おや、SMグッズが見つかってしまいましたか・・・」

上条「変態じゃねぇか!!」

美琴「?これなに?」

ショチトル「あぁ、それはディルドといって」

上条「教えるなぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!」


イノケンティウス「ハァハァ・・・」

ステイル「興奮するな」

272 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:44:16.28 somuUCjJ0 197/809

テクパトル「ほう・・・」

19090「み、見ないでください!!」

ち、しょうがないからこれで許してくれ、とミサカは一枚の写真をテっくんに投げつけます。

美つ・・・・もとい19090号の借りたテっくん100cmサイズ抱き枕をうれしそうに抱いて寝ている写真

テクパトル「これ抱きしめてると落ち着くのか?」

19090「うぅ・・・//」

テクパトル「でも、いっつもおんなじ布団なんだから俺に抱きついてきても・・・」

ミサカ一同「なにぃ!?」

テクパトル「?」



本編

273 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:45:37.59 somuUCjJ0 199/809

さて、本編ですのでお便りとかは受け付けられなくなりますw


上条「はぁ・・・明日は三日目・・・」

美琴「・・・まだ二日しか経ってないのね・・・」

上条「楽しいけど疲れるよな・・・」

ほかのみんなと分かれた二人は、適当に街を歩いていた

今寮に帰ってもやることはない

274 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:46:47.23 somuUCjJ0 200/809

上条「・・・なにしましょうか?」

美琴「うーん・・・あ」

美琴が一つの建物の前で立ち止まる

美琴「・・・」

上条「アクセサリーショップ?どうしたんだ?」

美琴「ね、ねぇ!!ちょっと寄っていかない!?」

すごい勢いで美琴が訊ねる

275 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:48:20.37 somuUCjJ0 201/809

上条「いいけど・・・どして?」

美琴「買いたいののがあるの!!」

上条の手を引っ張り、美琴が店内へと入る

なかなか人気な店らしく、学生が大勢いた

上条「へぇ・・・シルバーアクセサリの専門店か」

美琴「えっと・・・どこかな・・・」

上条「なんだ、買いたいものって?」

276 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:49:23.01 somuUCjJ0 202/809

美琴「な、内緒よ!!」

上条「えー・・・」

上条がつまんない、といった感じの顔をする

美琴「だ、だって言ったら面白くないもん!!」

上条「知られたらまずいもの?」

美琴「んなわけないでしょ!」

美琴の前髪から青い火花が散る

278 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:50:19.74 somuUCjJ0 203/809

上条「はいはーい」

右手を伸ばし、当たり前のように上条がそれを打ち消す

美琴「だ、だから!!」

上条「ほうほう」


美琴「と、当麻に・・・指輪買ってほしいなって」

上条「」


上条「え、なぜ急に?」

279 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:51:27.55 somuUCjJ0 204/809

美琴「な、わかんないの!?」

上条「いやいや!!上条さんだってさすがに指輪の意味くらいは知ってますよ!?」

上条が慌てて答える

それはそうだろう

上条だって、本気で美琴との結婚を考えていたりもする

上条「で、でも今まではあんまり言わなかったからさ」

280 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:52:19.11 somuUCjJ0 205/809

美琴「だ、だって・・・」

美琴がうつむく

顔が真っ赤になっていた

美琴「ほ、ほら・・・お父さんとかお母さんはつけてるでしょ?」

上条「そりゃ、まぁ」

美琴「それ見て・・・いいな、って」

上条「へぇ・・・」

281 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:53:23.01 somuUCjJ0 206/809

美琴「だ、だから!!」

上条「・・・?うらやましかっただけ?」

上条が首を捻る

てっきり、もっと重大なことを言われるかと思っていたのだ

美琴「も、もちろん!!」

上条「・・・なんだ」

はぁ、と上条が溜め息をつく

282 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:54:19.88 somuUCjJ0 207/809

美琴「な、なによ!?」

上条「いやぁ、上条さんはてっきり、予約をするのかと」

美琴「?予約じゃなくても買えるでしょ?」

上条「?いやいや、買えませんよ?」

美琴「?ここってそういう店じゃないわよね?」

上条「は?」

美琴「え?」

283 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:55:24.59 somuUCjJ0 208/809

上条「いやいや・・・上条さんが言いたいのはですね・・・」

美琴「うんうん」

上条「美琴の予約ってことだよ」

美琴「・・・はい?」

上条「だから、指輪買って今のうちから結婚するって決めるのかな、と」

上条が笑う

彼はそこまで真剣に考えていたのだ

284 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:56:49.89 somuUCjJ0 209/809

美琴「あ、その・・・」

気まずい雰囲気が流れてしまう

もちろん、美琴だってそのつもりもあったが

今慌てて言っても気を遣ったようになるだろうか

美琴「そ、そのね・・・」

美琴が少ししてから口を開く

美琴「ず、ずっと一緒にいられるわけじゃないでしょ?」

285 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 18:58:14.38 somuUCjJ0 210/809

上条「まぁ、学校とか始まったしな」

美琴「・・・だから、少しでもそばに感じていたいなってさ・・・」

上条「・・・美琴さん、可愛いですね」

美琴「!!な、なによいきなり!!」

上条「いやぁ、まさか美琴がそんな少女的なことを・・・ってうわぁ!!」

顔を真っ赤にしながら、美琴が電撃を放った

上条「あっぶねぇ!」

美琴「わ、わわわわわわわわわわわ悪いの!?」

286 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:00:11.92 somuUCjJ0 211/809

上条「悪くないですよ!?むしろめちゃくちゃいいですよ!?」

美琴「え・・・?」

上条「だって、俺だっておんなじ気持ちだからさ」

上条が微笑む

それはつまり、いつも美琴をそばに感じていたいということで

つまり、これからもずっとそばにいてね、的なことで

つまりつまり、結婚しよう、ということで


美琴「ふにゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

上条「結局電撃ぃ!?」

287 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:01:39.88 somuUCjJ0 212/809


19090「!!店内から異常な電磁波の発生を確認しました!!」

同じく店内で

19090号とテクパトルもアクセサリを見ていた

テクパトル「・・・なんか、上条の声が聞こえたようだったけど」

19090「あ、なら安心ですね」

テクパトル「そうだな」

全くもって安心ではないのだが

二人はあのノロケンカに付き合うつもりはなかった

289 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:02:56.15 somuUCjJ0 213/809

テクパトル「これとかどうかな?」

テクパトルが手に取ったのはネックレスだった

19090「そ、それもいいですけど・・・指輪が・・・」ボソ

テクパトル「?何か言ったか?」

19090「い、いえ!!」

19090号が手を振る

テクパトル「ほら、試しにつけてみな」

19090「あ・・・」

290 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:04:05.33 somuUCjJ0 214/809

ネックレスをつけてあげる動作

それは、かなり体が近づくのだ

下手をすれば顔と顔も近づく

でもそれを気にしない辺り、テクパトルはなんというか


19090「・・・誑しですね・・・」

テクパトル「?何か言ったか?」

19090「い、いえ」

291 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:05:28.01 somuUCjJ0 215/809

19090号が少し顔を赤くする

テクパトル「お、似合ってるぞ」

19090「・・・そ、それよりも指輪を・・・」

テクパトル「?何か・・・」

どうせまた、聞こえていないのだろう

いつもの19090号ならひいていたはずだ

だが今は違った

ここまで鈍感なテクパトルに焦燥感を覚えていた

292 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:06:42.48 somuUCjJ0 216/809

同じ店内では、上条と美琴が指輪を探していることだろう

実際、そうなのだが

19090(・・・美月だって・・・美月だって!!)

テクパトル「なぁ、どうした・・・」


19090「美月に!!指輪を買ってください!」

テクパトル「」

広い店内の中

一箇所だけ、時間が止まった

298 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:56:01.70 somuUCjJ0 217/809


19090「・・・あ」

テクパトル「・・・ちょ、ちょっと待ってくれ!!」

テクパトルが慌てたように手を振る

気のせいか、顔が赤いようだった

テクパトル「あれか、つまりさっきから指輪がほしいって言ってたのか!?」

19090「は、はい・・・」

299 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:57:41.41 somuUCjJ0 218/809

周りの学生が二人を見つめながらヒソヒソと話している

それもそうだろう

特殊メイクをしているとはいえ、19090号はどう見ても中学生の見た目だった

それが、指輪をほしいと言っているのだ

テクパトル「そ、その・・・すまん」

テクパトルが気まずそうに頭をかく

テクパトル「あ、あれだ・・・そういうことには鈍感でさ」

300 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 19:59:03.03 somuUCjJ0 219/809

19090「・・・そ、それで・・・買ってくれますか?」

テクパトル「・・・あ、あぁもちろん・・・どれがいいんだ?」

内心、二人ともかなり緊張していた

指輪がそういう意味を持っているのは常識的に知っている

それを買うということは

テクパトル「な、なんか・・・結婚前のカップルみたいだな」

19090「!!!」

301 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:00:48.90 somuUCjJ0 220/809


テクパトル「19090号、渡したいものがあるんだ」

19090「な、なんですか?」

テクパトル「これだよ」

19090「こ、これは・・・指輪!?」

テクパトル「あぁ、そうだ」


テクパトル「まぁ、この宝石の輝きも・・・お前の前ではくすんでいるけどな」

19090「そ、そんな//」

302 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:03:16.05 somuUCjJ0 221/809

テクパトル「・・・あんまり高くはないけどさ」

テクパトル「金はたくさんはないけどさ」

テクパトル「いつか、もっと綺麗な宝石を買ってみせるよ」

テクパトル「お前の瞳に負けないくらい、輝いている宝石を」

19090「テっくん・・・」

テクパトル「わかるか?」


テクパトル「お前の瞳は、2000カラットだ」

303 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:04:26.19 somuUCjJ0 222/809



19090「な、なんてことに!?」

テクパトル「悪い、いったいなんのことか分からない」

19090「あ、じゃ、じゃあこの指輪を!!」

テクパトル「ん、いいぞ」

テクパトルがうなずく

19090「こ、これは・・・婚約指輪ですよね?」

テクパトル「」

304 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:05:51.42 somuUCjJ0 223/809

テクパトル「ちょっと待ってくれ!」

19090「ち、違うんですか?」

少し不安そうに19090号が訊ねる

テクパトル「い、いや・・・その」

19090「・・・違うんですか?」

上目遣いで

19090号はテクパトルを見つめる

305 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:07:20.95 somuUCjJ0 224/809

テクパトル「違いません」

テクパトルがガチガチに固まりながら答える

19090「ありがとうございます!」

ニコニコ、と19090号が笑う

テクパトル(・・・上条、さっきお前が大声を出してたが・・・)

テクパトル(分かるよ、その気持ち)

こういう幸せも、たまに辛いときさえあった


テクパトル「不幸・・・か?」

306 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:09:45.33 somuUCjJ0 225/809


上条「・・・ま、満足ですか?」

美琴「・・・ゆ、指輪・・・」

美琴が指輪を見つめる

なぜか左手薬指につけているのが気になるが

上条「あ、あの・・・俺たちまだ学生・・・」

美琴「だ、だって!!」

上条「あ、いや!!悪くはないんですよ!?」

307 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:11:41.31 somuUCjJ0 226/809

美琴「・・・と、当麻も!!」

上条「あぁ・・・」

上条も指輪を左手薬指につける

もちろん、タイミングを見て外すつもりだったが

美琴「ず、ずっとつけててね?」

上条「」


上条「え、ずっと?」

308 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:13:34.57 somuUCjJ0 227/809

美琴「い、いや・・・かな?」

ウルウル、と美琴が涙目になる

上条「いやじゃないですよ!?でも・・・学校とかではつけられないだろ?」

美琴「・・・校則は、破るためにあるのよ!!」

上条「いやいや間違ってるから!!」

美琴「愛の前に拘束など無意味!!」

上条「校則とかけたんだね!?」

309 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:17:54.15 somuUCjJ0 228/809

美琴「とにかく!!外したらダメよ!?」

上条「・・・はい」

しぶしぶと上条がうなずく

上条「さて・・・帰りますか」

美琴「うん、帰ろう」

二人は手を繋いで歩き出す


その後ろですれ違いに、垣根と心理定規が店に入っていったのには気づかなかった

310 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:20:36.83 somuUCjJ0 229/809


垣根「ったく・・・なんで俺が・・・」

心理「あら、いいでしょ別に」

学生でごった返す店内

その中を、美男美女が歩く

こういう店でさえ様になってしまうのはさすがだった

周りからもヒソヒソと話し声が聞こえる

もちろん、カッコイイとか綺麗とかそういう類の話もあった

311 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:22:09.49 somuUCjJ0 230/809

だが大抵は、垣根のことだ

「あ、アナウンスの人だ!!」

とか

「あの人彼女いたんだ!」

みたいな好奇の視線だ


垣根「いやぁ、俺って人気者」

心理「ちょっと違うと思うわよ」

312 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:26:20.36 somuUCjJ0 231/809

垣根「・・・で、今日はお一人様一つ限りで安いから買ってよ、ってことか」

心理「えぇ、本当はもっと高いのでもいいんだけど」

垣根「遠慮を覚えろ」

垣根が溜め息をつく

よくもまぁ、こんなに次から次へとほしいものが湧いてくるものだ

女って難しいよな、と垣根が考える

心理「あら、これ素敵じゃない?」

313 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:28:12.44 somuUCjJ0 232/809

心理定規が手に取ったのはネックレスだった

垣根「そうだな・・・お前はなんだって似合うだろ」

心理「あら、嬉しいわね」

そのネックレスはかなり高価なものだった

周りの学生は手に取るのももったいない、といった感じで避けていた

それを、あらこの商品ちょっといいんじゃない?みたいな感じで手に取る辺り、この二人の金銭感覚は狂っていた

垣根「つけてやるよ」

314 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:31:08.26 somuUCjJ0 233/809

垣根がネックレスを手に取る

後ろから抱きしめるような形で心理定規にネックレスをつける

周りの学生がやや顔を赤らめてそれを見ていた

美男美女がやると当たり前の動作でも映画のワンシーンのようになるのだ


心理「どうかしら?」

垣根「お似合いだ」

垣根が微笑む

315 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:32:54.46 somuUCjJ0 234/809

心理「じゃあ、これにしようかしらね」

垣根「俺も探すかね」

垣根が適当に商品を見ていく

どれも値段の単位が万であった

とても普通の学生には買えない

垣根(お、これとかいいかもな)

垣根がいい商品を見つけた

316 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:34:36.30 somuUCjJ0 235/809

垣根「おーい、心理定規」

垣根が心理定規を呼ぶ

心理「・・・な、なに?」

少ししてから心理定規が答えた

その声はなぜか少し戸惑っているようだった

垣根「あ?どうしたんだよ?」

心理「・・・もう一つ、いいの見つけたのよ」

317 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:36:03.69 somuUCjJ0 236/809

垣根「はぁ?」

垣根が心理定規の元へ行く

見ていたのは、小さなピアスだった

垣根「・・・一個、だからな」

心理「わ、分かってるわよ・・・」

心理定規が名残惜しそうにピアスを見ていた

垣根「ほれ、先にレジ並んどけ、俺も買いたいの取って来るから」

318 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:37:46.83 somuUCjJ0 237/809

垣根がしっし、と心理定規を追い払う

そそくさ、と心理定規がレジへ向かった


垣根「・・・ピアス、ねぇ」

はぁ、と垣根が溜め息をつく

それほどオシャレなデザインでもない

シンプルなピアスだ

垣根「あいついっくつもピアス持ってるよな・・・」

319 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:39:05.14 somuUCjJ0 238/809

心理定規はアクセサリをたくさん持っている

オシャレがわりと好きな垣根でさえ驚くほどに

それでもまだほしいというのだ

女というのは本当に分からない

垣根「・・・っと、俺も行かないと」

垣根がレジへと向かう


心理「あら、ちょうど清算よ」

垣根「あっぶねー」

320 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:40:38.20 somuUCjJ0 239/809

二人が商品を清算し、店から出る

垣根「レストランでも行くか?」

心理「えぇ、行きましょう」

そのままレストランへと向かう

もちろん、ファミレスではない

普段上条たちと行くときは彼らに合わせているのだ

二人きりのときは高級なレストランへ行く

321 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:43:02.33 somuUCjJ0 240/809


垣根「はぁ、食った食った」

レストランの席で、垣根が満足そうにつぶやく

心理「こら、はしたないわよ」

垣根「あぁ悪い悪い」

ははは、と垣根が苦笑する

周りにはいかにもお金を持っていそうな客ばかりだった

垣根たちもそうなのではあるが

322 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:44:27.62 somuUCjJ0 241/809

垣根「・・・すっかり夜になったな」

垣根が外を見ながら言う

もう夜の8時を回っていた

いくら日が暮れるのが遅い季節とはいえ、さすがに太陽は沈んでいた


垣根「な、もうちょいブラブラするか?」

心理「いいわよ」


レストランから出て、二人は街をふらつく

323 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:46:28.62 somuUCjJ0 242/809

垣根「・・・親子が多いな」

垣根がふと周りの人々を見つめる

大覇星祭中は、わが子と会える数少ない季節だ

そのため、この機会にできるかぎり団欒するのだろう

夜になっていても保護者同伴ですから、という大義名分もある

心理「そうね・・・」

心理定規もうなずく

324 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:48:10.84 somuUCjJ0 243/809

垣根「お前の親は?」

心理「そんなもの、暗部に堕ちた時点で関係なくなったわ」

垣根「・・・その前から、だろ」

心理「・・・そうかもね」

二人には家族なんていなかった

いや、いたはずなのだが知らぬ間に失っていたのだ

元から持っていないのと、途中で失ったのではまた違った辛さがある

325 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:49:43.39 somuUCjJ0 244/809

垣根「・・・だからさ、俺は子供が出来たらまともに育ててやりたいんだ」

心理「私も、溺愛するかもしれないわ」

クスクス、と心理定規が笑う

垣根「・・・公園、寄るか?」

心理「あら、どうして?」

垣根「ちょっと疲れたんだよ」

心理「珍しいわね・・・」

326 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:51:01.00 somuUCjJ0 245/809


垣根「・・・なぁ、さっきのネックレスは?」

心理「もしかして、つけてほしいの?」

垣根「あぁ、せっかく買ってやったんだから」

垣根が苦笑する

心理「・・・仕方ないわね」

心理定規がネックレスを取り出す

本当に、彼女の好みなデザインだ

327 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:52:27.04 somuUCjJ0 246/809

心理「・・・あなたは何を買ったの?」

垣根「あー?んー」

垣根が袋から買ったものを取り出した

垣根「これ」

心理「・・・それって」

垣根が手に持っていたのは、心理定規が見ていたピアスだった

垣根「いやぁ、ピアスほしくて買ったら女物だったんだよ」

328 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:53:50.62 somuUCjJ0 247/809

心理「・・・あなた、ピアスしてないじゃない」

垣根「・・・こ、これから開けようかなって思ってたんだよ・・・」

少し苦しい言い訳だった

心理定規がそれを見て苦笑する

心理「あなたが買いたいものを買えばよかったのに・・・」

垣根「うっせぇな、これが買いたかったんだよ」

垣根が心理定規にピアスを渡す

329 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:55:10.45 somuUCjJ0 248/809

垣根「・・・つけろよ」

心理「分かってる」

心理定規が、今つけているピアスを外す

そして、手渡されたピアスをつけた

心理「・・・どう?」

垣根「思ったとおり、似合ってるよ」

心理「そう、よかったわ」

330 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:56:41.68 somuUCjJ0 249/809


垣根「なぁ、久しぶりに空でも飛んでみるか?」

心理「えぇ、お願い」

心理定規を抱きしめ、垣根が翼を広げる

垣根「・・・気のせいかもしんないけどさ」

心理「あら、なに?」

垣根「重くなった?」

心理「・・・失礼ね・・・」

331 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 20:58:05.29 somuUCjJ0 250/809


垣根「・・・やっぱ、重くなったよ」

心理「そうかしら?」

太ったのかしらね、と心理定規がつぶやく

垣根「いや、ちげぇよ」

心理「そう?」

垣根「・・・重くなったんだよ」

心理「?」

332 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:00:09.36 somuUCjJ0 251/809

垣根「綺麗だよな、この街」

大覇星祭中は夜でも特に明るかった

あちこちでネオンが光っている

この電力のほとんどが風力発電なのだから驚きだ

心理「えぇ、とっても綺麗」

垣根「上を見ても下を見ても輝きばっかだ」

心理「私を見ても?」

垣根「・・・そうかもな」

333 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:01:47.66 somuUCjJ0 252/809

垣根「・・・綺麗だな、本当に」

垣根が大好きな街

心理定規が住んでいる街

二人が毎日を過ごす町


心理「そういえば、あなた・・・本当は何を買うつもりだったの?」

垣根「あぁ?だからあれが買いたかったんだよ」

心理「ウソはいいわよ・・・」

334 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:02:44.00 somuUCjJ0 253/809

垣根「いいから、忘れろ」

垣根がそっけなく答える

心理「でも・・・」

垣根「んな過去のことをウダウダ言うくらいなら・・・」


垣根「美しい今を楽しもうぜ」

そっと、垣根がキスをする

心理「・・・そうね」

335 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:03:59.65 somuUCjJ0 254/809


二人は、ずっと空を飛んでいた


垣根(買いたかったもの・・・ね)

垣根があのとき、店で見ていたものは

垣根(言えるわけねぇよ)

はは、と垣根が苦笑する

心理定規が不思議そうに見つめていた


垣根(ペアリングだったなんてな)

336 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:05:32.76 somuUCjJ0 255/809


テクパトル「・・・おーい、10032号、いるか?」

家に帰ってきて

テクパトルはそれぞれのミサカの部屋に服を運んでいた

今10032号の部屋には、13577号もいる

さすがに増えた二人の分まで部屋は確保できなかった

御坂妹「はい、どうぞー」

部屋の中から返事が聞こえた

337 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:07:06.90 somuUCjJ0 256/809

テクパトル「は、13577号の服は適当に・・・」

部屋に入ったテクパトルは驚愕した


二人のミサカは下着姿だった

10032「あ、そこに置いておいてください・・・」

テクパトル「ちょっと待て」

テクパトルが額に汗を浮べる

13577「?どうしました?とミサカは訊ねます」

338 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:08:35.63 somuUCjJ0 257/809

テクパトル「あのなぁ!」


19090「・・・テっくん・・・」

テクパトル「うわぁ!?」

いきなり後ろから声を掛けられて、テクパトルは体をビクリと震わせた

テクパトル「あ、あぁ・・・どうした?」

19090「う、浮気はよくありません!!」

テクパトル「・・・よし、落ち着いて話を聞け・・・」

339 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:10:24.99 somuUCjJ0 258/809

御坂妹「?何がいけないんですか?とミサカは・・・」

テクパトル「なんで下着姿なんだよ!?っていうか、着替えてるなら入ったらダメだって言えよな!」

御坂妹「いえ、なぜ入ったらダメなのですか?」

テクパトル「」

13577「別に服を届けに来ただけですよね?とミサカは確認します」

テクパトル「あぁもう!!またこの説明かよ!?」

340 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:12:03.43 somuUCjJ0 259/809


どうにか事情を19090号に説明した

ついでに、羞恥心を持て、と二人にも説明した

テクパトル「はぁ・・・次は20000号と17600号か・・・」

19090「あの二人は仲がいいですね・・・」

テクパトル「あぁ、サバサバしてるの同士合うんじゃないか?」

そう言いながらテクパトルが二人の部屋のドアを開けた


ノックをするのを忘れて

341 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:13:26.14 somuUCjJ0 260/809


17600「なぁ、なんでミサカの後ろでオナってんだ?」

20000「別に17600号の後ろじゃなきゃいけないんじゃないさ」

17600「あー、したいときにいたってだけか」

20000「そういうこと」


テクパトル「」

19090「」


17600「お、テっくん?」

342 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:14:58.69 somuUCjJ0 261/809

テクパトル「おいこら20000号!!」

20000「いやん」

テクパトル「いやん、じゃねぇ!!」

17600「こらこら、ノックしなかったのはテっくんだろ」

テクパトル「そういうお前はなんで下着姿なんだよ!?今流行ってんのか!?」

17600「いやぁ、そろそろ風呂だからさ」

テクパトル「入る直前に脱げよ!!」

343 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:16:31.78 somuUCjJ0 262/809

19090「テっくん、そんなことが問題では・・・」

今の状況に19090号も慌てていた

20000「あ、服はそこに・・・んっ・・・」

テクパトル「続けてんじゃねぇ!!」

17600「はぁ、テっくん静かにしてくれ、テレビが聞こえない」

テクパトル「そういう問題じゃないんだよ!!」

ぎゃー!!とテクパトルがわめく

344 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:18:42.94 somuUCjJ0 263/809

20000「お、やっべ!!」

テクパトル「やめろこらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!」


20000「なぁ、いきなり入ってきたテっくんもどうかと思う」

テクパトル「それは謝ろう、17600号、悪かった」

17600「なに、気にするな」

20000「ねぇ、ミサカにはぁ?」

テクパトル「黙れ」

20000「」


345 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:20:26.90 somuUCjJ0 264/809


19090「・・・テっくん、お疲れ様です・・・」

19090号がテクパトルにお茶を差し出す

やっと、他のミサカたちは風呂に入ったようだ

テクパトル「あぁ、ありがとう・・・」

一口飲んだだけで、さきほどまでの疲れが吹き飛びそうだった

テクパトル「・・・美月がまともで本当にありがたいよ・・・」

19090「そ、そうですか・・・//」

346 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:22:55.03 somuUCjJ0 265/809

テクパトル「・・・指輪かぁ」

19090「・・・薬指につけましたか?」

テクパトル「ん、あぁ」

テクパトルが左手の薬指を見せる

そこには、19090号とおそろいの指輪があった

テクパトル「なんか、照れるよな」

19090「は、はい・・・」

347 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:24:11.32 somuUCjJ0 266/809

テクパトル「・・・でも、いいよな」

19090「テっくんと、おそろいです・・・」

テクパトル「美月・・・」

19090「テっくん・・・」

17600「お熱いな」


テクパトル「」

19090「」

348 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:26:09.92 somuUCjJ0 267/809

テクパトル「な、ななななななななんでいるんだよ!?」

19090「い、いいいいいいいいいいいいいいつからですか!?」

17600「いや、ミサカが増えたせいで風呂が狭くてな・・・ミサカだけあとで入ることにした」

ストロータイプの牛乳を飲みながら17600号が答える

17600「うーん、やっぱ武蔵野のはミサカには合わないな」

テクパトル「つ、つまりあれか!?ずっと俺たちを見てニヤニヤしてたと!?」

17600「あぁ、ついでにカメラ回してた」

テクパトル「最悪じゃねぇか!!」

349 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:28:31.38 somuUCjJ0 268/809

17600「しかし、もう結婚指輪か」

テクパトル「な、なんだよ!?」

19090「テっくんと美月の愛は本物です!!」

17600「いや、見てれば分かる」

チュー、とまた17600号が牛乳を飲む

17600「ぷはー・・・でもな、まだ早いぞ?」

テクパトル「わ、分かってるけどさ・・・」

350 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:30:32.25 somuUCjJ0 269/809

17600「だからな・・・」

19090「・・・もしかして、ヤキモチですか?」

17600「?なぜ?」

19090「いえ、他のミサカと同じかな、かと・・・」

17600「あぁ、違うから安心しな」

テクパトル「・・・じゃあなんなんだよ?」

17600「二人には幸せになってほしいからな、順序を踏んでほしいのさ」

351 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:32:07.79 somuUCjJ0 270/809

テクパトル「あぁ、分かってるさ」

17600「すまんな、テっくんと19090号なら大丈夫だと信じてるけどな」

ははは、と17600号が笑う

こいつ、男だったら相当色男だよな、なんてテクパトルは思う

17600「そろそろみんなあがるから、イチャイチャはそこらへんにしときな」

テクパトル「分かったよ・・・」

19090「イ、イチャイチャ・・・」カァッ

352 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:34:04.05 somuUCjJ0 271/809


御坂妹「あがりましたよ、とミサカは報告します」

テクパトル「じゃ、19090号と17600号が先に入ってくれ」

19090「はい!」

10039「はぁ、しかし20000号は本当に変態ですね・・・とミサカは肩を落とします」

テクパトル「何かされたのか?」

13577「また公開処刑をされそうになりました、とミサカは溜め息をつきながら・・・」

20000「てへっ☆」

353 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:36:24.54 somuUCjJ0 272/809

テクパトル「てへっ、じゃねぇよ」

20000「・・・ミサカはテっくんかセロリたんがオカズだよ?」

テクパトル「知らねぇよ!!てか俺を外してくれよ!!」

20000「へへっ!!一人で楽しむ分には自由だぜ!!」

テクパトル「あぁうぜぇ!!」

10039「テっくんがオカズ・・・」


ミサカ一同「・・・」ゴクリ

テクパトル「何かをひらめいたような顔はやめてくれないか」

354 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:38:55.65 somuUCjJ0 273/809


テクパトル(はぁ・・・腹減った)

夜中

ミサカたちが寝静まったあと、テクパトルは一人で夜食を食べようと食堂へ向かっていた

彼はトレーニングが好きな人間だ

ときどき、こうして空腹で目が覚めることがある

テクパトル「さって・・・何を食べるかな・・・」

そうつぶやいたとき

355 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:40:26.14 somuUCjJ0 274/809

19090号の部屋から、少し甘い声が聞こえてきた

今日は別々の部屋で寝ているため、起きているとは知らなかった

テクパトル(?どうかしたのかな?)

首を捻りながらもテクパトルは夜食の用意をする


19090「はぁ・・・テっくん」


テクパトル「ん?」

気のせいか、19090号が呼んでいるような気がした

356 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:42:09.49 somuUCjJ0 275/809

19090「はぁ・・・」

少し荒い息遣い

イヤな予感が、テクパトルの背中を駆け巡る

彼女は一度、原因不明のウィルスで倒れたことがあった

まさか

テクパトル(今回もか!?)

夜食なんてほっといて、テクパトルが19090号の部屋のドアを開ける

357 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:43:47.37 somuUCjJ0 276/809


テクパトル「美月・・・」

そこで目にしてしまった

なぜか、下着に手を突っ込んでいる19090号を

19090「あっ・・・」

暗くてよくは見えない

だが、これは・・・そう、これは


テクパトル「すいませんでした」

テクパトルは、土下座していた

358 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:45:19.10 somuUCjJ0 277/809

19090「そ、その・・・」カァッ

テクパトル「ほ、ほら!!なんも悪いことじゃないぞ!?」

19090「そ、そうですよね!?」

テクパトル「お、俺のこと考えてくれてたんだろ!?」

19090「っ!!//」

無言で、19090号がテクパトルに枕を投げつける

テクパトル「うぼぁっ!!」

359 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:46:40.08 somuUCjJ0 278/809

19090「そ、それは・・・そうですよ?テっくんが好きですし・・・//」

テクパトル「」

19090「?どうしました、テっくん?」

19090号が首を捻る

彼女は仮にも戦闘用にチューニングされたクローンだ

力だって、かなりのもの

それが全力で枕を投げたのだ

360 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:48:21.59 somuUCjJ0 279/809

しかも、鳩尾に入った

テクパトル「さ、酸素をください・・・」

19090「じ、人工呼吸ですか!?」

19090号が顔を赤くする

そんなことにツッコんでいる元気さえなかった

テクパトル「はぁ・・・ま、まぁ何もなくてよかったよ」

19090「・・・ところで、テっくんはなぜ起きていたんですか?」

361 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:49:44.11 somuUCjJ0 280/809

テクパトル「あぁ、夜食をな」

19090「?太りませんか?」

テクパトル「筋トレしてるからな・・・食べないとダメなんだよ」

はぁ、とテクパトルが溜め息をつく

19090「・・・では、美月が話相手になりましょうか?」

テクパトル「ん、そうだな・・・」

テクパトルが考える

363 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:51:24.00 somuUCjJ0 281/809

テクパトル(・・・で、でもこんなの見せられたら・・・)

テクパトルが19090号を見る

一応、布団で隠しているとはいえ、彼女は下着姿だ

こんな状況で、なにも感じない男はそういないだろう

テクパトル「・・・なぁ、美月」

19090「?はい」

テクパトル「ちょっと失礼」

364 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:53:28.68 somuUCjJ0 282/809

テクパトルが19090号の胸に触れる

19090「ふぁぁっ!!」

ビクン、と19090号の体が跳ねる

テクパトル「あ、やっぱり・・・かなり我慢してたんだろ?」

19090「はぁ・・・はぁ・・・」

テクパトル「可愛いぞ」

365 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:55:19.41 somuUCjJ0 283/809

19090「あ、で、でも・・・ゴムはありません・・・」

テクパトル「?いやいや、最後まではしないよ・・・夜食があるし」

19090「・・・美月は夜食以下ですか」

テクパトル「いやいや!!違うからな!?」

テクパトルが慌てて繕う

19090「はぁ、とにかく・・・いったん夜食ですね?」

テクパトル「い、いったんか」

367 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:57:14.83 somuUCjJ0 284/809


テクパトル「はぁ・・・食った食った」

19090「・・・や、夜食の量も多いですね・・・」

テクパトル「ん、そうだろ?」

19090「・・・健康には気を遣ってくださいね?」

テクパトル「ははは、ありがと」

テクパトルが19090号の頭を撫でる

19090「そ、それで・・・その・・・」

テクパトル「俺の部屋になら、ゴム・・・あるぞ?」

368 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 21:58:44.80 somuUCjJ0 285/809

19090「で、では行きましょう」

テクパトル「あぁ」

二人がテクパトルの部屋に向かう

熱い夜を過ごすのだろう



そして、他のミサカたちは悶々とした夜を過ごしていた

370 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:00:25.49 somuUCjJ0 286/809

20000「んぁぁっ!やっべ!!」

17600「なぁ、そのやっべ!!は口癖か?」

20000「はぁ・・・ん、そうかも」

17600「とりあえず、もう少し静かにしてくれ」

20000「えー、声出したほうがいいんだよ」

17600「ミサカの気持ちを考えろ・・・」

20000「あ、興奮してる?」

17600「しねーよ」

372 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:02:16.21 somuUCjJ0 287/809

20000「しかし・・・17600号はそういうことしないの?」

17600「ミサカの体験談をオカズにするつもりか」

20000「ちっ」

17600「おい、マジかよ」

17600号が冷や汗をかく

同じ部屋で寝ているのも危ないのではないか

20000「いやいや、どうなんよ?」

374 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:04:03.95 somuUCjJ0 288/809

17600「はぁ、したことはない」

20000「へぇ・・・」

ニヤリ、と20000号が笑う

20000「ならば!その初めてはミサカがもらって・・・」

17600「ほう、死にたいか」

17600号がベレッタを取り出す

20000「冗談だよ」

375 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:06:02.82 somuUCjJ0 289/809

17600「はぁ、お前といると身の危険を感じるな・・・」

20000「そう?・・・んぁっ・・・」

17600「ワーオ、絶倫かい」

はぁ、と17600号が溜め息をつく

見た目は美少女な20000号なので、それほどイヤではないが

17600「でも、姉妹のそういう情事を見せられるのは心が痛いなおい」

376 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:08:01.73 somuUCjJ0 290/809

20000「はぁっ・・・んっ・・・く・・・」

17600「・・・なぁ、そんなにいいものなのか?」

20000「あ、やってみたい?」

17600「・・・試しに経験するのも悪くないかもな」

エロいことに興味がある、というよりは

知らないことに挑戦したい、という好奇心が強かった

17600号は探求のミサカである

377 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:09:19.25 somuUCjJ0 291/809

20000「じゃ、こっち来て」

17600「おい、ミサカは自分で・・・」

20000「いいからいいから」

20000号が無理矢理17600号を引っ張る

下着に手をツッコみながら

20000「へへへ、ミサカはここが感じるんだ・・・」

20000号が17600号の胸に触れる

380 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:10:27.66 somuUCjJ0 292/809

17600「?いや、なんもないぞ?」

20000「・・・へ?」

20000号が素っ頓狂な声を上げる

ミサカDNAは胸が弱いはずなのに

17600「なぁ、これのどこがいいんだ?」

20000「え、あ、いや・・・」

17600「・・・股間はいいものなのか?」

381 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:11:52.38 somuUCjJ0 293/809

20000「そ、そうだよ!!」

20000号が17600号の下半身に触れる

しかし

17600「・・・なぁ、全然、なんともないんだが」

20000「・・・えっ?」

17600「はぁ、新しいことを知れると思ったが・・・これはつまらんな」

あーあ、と言いながら17600号が寝転がる

20000「じ、実は感じてたんでしょ!?」

382 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:13:04.69 somuUCjJ0 294/809

17600「すまん、まったく」

20000「嘘だッ!!!!!!!!!」

17600「いいから、寝るぞ」

17600号がすぐに寝息を立てる

20000(・・・ま、まさか・・・性感帯がないなんて・・・)

その日

20000号は、一度目の敗北を迎えた

383 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:15:00.24 somuUCjJ0 295/809


10032号は13577号に気づかれないように、情事にふけっていた

普段はそんなことはしない

ただ、今日は違った

御坂妹(・・・ひ、昼間にテっくんにされたお姫様抱っこ・・・)

カァッ、と10032号が頬を染める

別に、テクパトルに恋愛感情を抱いてはいなかった

384 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:16:16.01 somuUCjJ0 296/809

それでも

御坂妹(あ、あんなことをされたら・・・)

クチュクチュ、と下半身が音を立てる

少しずつ、指の動きが激しくなる

御坂妹(っ!!っ!!!)

声を漏らさないようにするだけで、精一杯だった

御坂妹「・・・はぁっ!!」

386 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:17:37.96 somuUCjJ0 297/809

絶頂を迎えた瞬間

一瞬だけ、声を出してしまう

御坂妹(・・・なんだか、19090号とテっくんに申し訳ないですね・・・)

罪悪感にも襲われる

御坂妹(今日だけです、明日からは・・・)


御坂妹(普通のミサカに戻りましょう)

388 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:19:12.03 somuUCjJ0 298/809

10033(・・・はぁ)

10033号は考えていた

テクパトルのことではない

一方通行のことだ

もう届かない思い出はあるが、未だに恋愛感情は抱かれていた

10033(・・・どうしましょうか)

389 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:21:32.12 somuUCjJ0 299/809

14510号も同じ部屋にいる

10033(・・・語りましょうか、また)

毎晩、彼女と一方通行について語るのが日課だった

14510「10033号、起きていますか?」

10033「はい、とミサカは返事をします」

14510「・・・一方通行の魅力は?」

390 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:23:23.36 somuUCjJ0 300/809

10033「ロリコン、アルビノ、非力で脆い」

14510「それらの全てが愛おしい」

10033「そしてそれを笑って認める」

14510「そんな彼がカッコイイ」

二人ががっちりと握手をする

恋する乙女達は


情事にふけったりはしない


391 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:24:45.08 somuUCjJ0 301/809


テクパトル「はぁ・・・愛してるぞ、美月」

19090「美月もです・・・」

二人は抱き合っていた

ことを終えて、少し静けさが戻る

荒い息を整え、体の汗を少し拭う

テクパトル「にしても・・・」

19090「はい、なんですか?」

392 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:26:04.12 somuUCjJ0 302/809

テクパトル「感じやすくなったよなぁ・・・」

19090「!テっくんのせいですよ!?」

テクパトル「あぁ、悪い悪い」

ははは、とテクパトルが笑う

背中などが性感帯の女性なんてなかなかいないだろう

テクパトル「さて・・・どうする?」

19090「も、もう終わりですか?」

393 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:27:08.67 somuUCjJ0 303/809

テクパトル「ん?まだやりたいか?」

19090「も、もう少し・・・」

19090号が顔を赤らめる

19090「独り占めできますし・・・」

テクパトル「ん、俺もそう思うよ」

テクパトルが19090号を抱きしめる

394 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:28:15.44 somuUCjJ0 304/809

テクパトル「じゃあ、しようか」

19090「・・・はい」

熱いカップル

その夜は、長くなってしまう

もちろん、彼らだけではない

上条と美琴

エツァリとショチトル

その二組も、そうだった

395 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:29:44.34 somuUCjJ0 305/809


垣根「おっはよー」

心理「あら、おはよう」

翌朝

すがすがしい目覚めをした垣根は、すぐさま外出の準備をしていた

垣根「・・・アナウンスは、俺じゃねぇとな」

心理「はぁ・・・少しは落ち着きなさいよ」

垣根「いいだろ?」

396 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:30:57.27 somuUCjJ0 306/809

心理「まぁいいけど・・・」

垣根「・・・お、ピアスつけたままか」

垣根が心理定規のピアスを見る

昨日、彼が買ってあげたものだ

心理「えぇ、お似合いでしょ?」

垣根「おう、最高だぜ」

嬉しそうに垣根が笑う

397 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:32:24.65 somuUCjJ0 307/809

垣根「はぁ・・・暑いな」

心理「昨日より二度も暑いそうよ」

垣根「へぇ」

パンを食べながら垣根が相槌を打つ

この暑さでは、倒れる選手も出てくるだろうか

垣根「いろいろ大変そうだな」

心理「えぇ・・・そうね」

398 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:33:35.59 somuUCjJ0 308/809

垣根「ま、知り合いが倒れないことを祈るか」

垣根が立ち上がる

心理「私も準備、できてるわよ」

垣根「お、さすがー」

心理「当たり前でしょ?」

心理定規が笑う

心理「あなたと一緒に行くんだから」

399 : ◆G2uuPnv9Q. - 2011/08/11 22:35:05.41 somuUCjJ0 309/809

二人が家から出る

暑い日差しは少し鬱陶しかった

しかし、歩いている学生達はそれに負けないくらい、熱い眼差しをしていた

垣根「よし、がんばりますか・・・」

心理「えぇ」

垣根が競技場へ向かう


垣根「三日目、始まるぜ!!」






続き: 上条「引き続き!」美琴「大覇星祭!」垣根「アナウンスも俺!」心理「もうイヤ・・・」【後編】


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