男「しまった」
女「そんなのバレバレなんですよ」
元スレ
男「好きだ!」 女「エイプリルフールですね」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1427888366/
男「いやそうではなく」
女「冗談でそういうことを言わないでください」
男「エイプリルフールだってことを忘れてたんだよ」
女「嘘ですね」
男「いやいや本当なんだって」
女「嘘をつくなんて最低です」
男「どうすれば信じてもらえるんだ……」
女「本当に私のことが好きならどこが好きなのか言ってください」
男「お安い御用だぜ」
女「100個」
男「えっ」
女「100個」
男「えーっと、誰にでも優しいところ、それと物知りなところ。えーと、笑顔が可愛いところ。それと……」
女「いや、もう結構です」
男「ま、まだ言えるぞ」
女「嘘だとわかっていても恥ずかしいので」
男「あと恥ずかしがると顔が赤くなるところでしょ、それと」
女「だからやめてください!」
男「信じてもらえた?」
女「まったく」
男「酷いなあ」
女「エイプリルフールに告白するなんて許せません」
男「いや、気づかなかったんだって」
女「そんなに本当だって言うなら明日また告白すればいいじゃないですか」
男「仕切りなおすのはかっこ悪いじゃん」
女「確かにかっこ悪いですね」
男「そういうこというから。ほらー」
女「……今日告白すれば失敗しても嘘にできますもんね」
男「そんなつもりないのに」
女「そういうふうに予防線をはるのが最低です」
男「その最低っていうのが嘘だったりしない?」
女「しませんよ!」
男「じゃあ逆に帰ってきたドラえもんののび太風に告白するというのはどうだろう」
女「どういうことですか」
男「あれ? 知らない?」
女「ドラえもんは知ってますが」
男「嘘を利用して告白するの。君が好きじゃない、一緒にいたくない! って」
女「どうやって返せばいいんですか、そんなの」
男「嬉しくない! って」
女「むぅー」
女「とにかくですね、告白なんかじゃなくてつくならもっとマシな嘘をついていてください」
男「マシな嘘ってなんだ」
女「怪獣が出たぞ! とか」
男「基準がわからない……」
女「あああ、やっぱ今の忘れてください……急に恥ずかしい」
女「知ってましたか? エイプリルフールは人名なんです」
男「えっ、そうなの?」
女「嘘ばかりついていたエイプリルフールの命日である4月1日が、いつしか世界的イベントに広がっていったそうです」
男「初めて知った」
女「そんなわけないじゃないですか。嘘です」
男「うわ、普通に騙されたよ」
女「えへへ」
男「じゃあエイプリルフールの起源ってなんなんだろう」
女「私も気になりだしました。調べてみてください」
男「やだよ」
女「えぇ、気になるのに」
男「うそうそ、ググるわ」
女「なんでそんな意地悪な嘘言うんですか」
男「怒った顔も可愛いな」
女「だ、だから嘘はやめてください」
男「えーと、エイプリルフールの起源は全く不明である。すなわち、いつ、どこでエイプリルフールの習慣が始まったかはわかっていない……」
女「謎ですね……怖いですね」
男「いろんな説があるけど、どれも根拠がないらしい」
女「誰が何を思って作ったんでしょうね」
男「エイプリルフールさんの命日でいいよ、もう」
女「掘り返すと恥ずかしいのでやめてください」
男「エイプリルフールはいろんな企業が盛り上がったりするよな」
女「毎年やってますね」
男「俺もSNSでなんかしようかな」
女「彼女ができましたっていうのはどうですか」
男「誰も信じてくれないよ」
女「ツーショットでも載せましょう」
男「誰も協力してくれないよ」
女「私が彼女役になってあげますよ」
男「やめとく。本当の彼女になってくれた時にするよ」
女「……ばーか」
女「エイプリルフールについた嘘は1年間叶わないらしいですね」
男「えっ、そうなの!?」
女「どこかで聞きました」
男「彼女できたとか言わなくてよかったー」
女「そうですね」
男「それに彼女ができたって言ったら君が嫉妬するしなー」
女「むー、なんでそうなるんですか」
男「嘘だよ冗談だよ」
女「嫉妬なんてしませんからね」
男「わかったって」
男「じゃあ俺は死んだって言えば1年死なないわけだ」
女「子供ですか」
男「大人だよ」
女「そんな嘘をつくのに」
男「大人は嘘をつくのさ」
女「嘘つきは泥棒の始まりですよ」
男「泥棒さ」
女「なにを盗むんですかね」
男「君のハートかな」
女「盗めてないですよ」
男「しくじったか」
女「逮捕します」
男「逮捕してもいいよ。監禁してくれ」
女「えぇ……」
男「一緒に住めるなら終身刑でいいよ」
女「島流しにします」
男「いつの時代だよ」
男「とにかく信じてくれよ」
女「まだまだ怪しいですね」
男「困ったな」
女「それに」
男「それに?」
女「信じたところで告白にイエスと答えるとは限らないんですからね」
男「……ですよねー」
男「呼び出しに応じてくれた時点で脈ありかと思ったんだけどな」
女「呼び出しを無視するほど冷酷じゃありませんから」
男「春休みはタイミング的に良いと思ったんだが」
女「出会いと別れの季節ですね」
男「そうそう」
女「そろそろ帰っていいですか」
男「別れるにははやい」
女「だって今日クラス発表なんですよ」
男「ああ、そうだったな」
女「それではこれで」
男「一緒に行こうよ」
女「勝手についてくればいいじゃないですか」
男「ストーカーかよ。犯罪じゃねえか」
女「泥棒も犯罪者です」
男「ハート泥棒は証拠を残さないからいいんだよ」
女「雨が降ってきましたね」
男「ほんとだ。予報だと晴れだったのにな」
女「天気予報もエイプリルフールだから嘘をついたんですね」
男「いや、そんなことないと思うが」
女「冗談ですよ。私だってそれくらいわかります。バカにしないでください!」
女「服が透ける……」
男「結構雨が強くなってきたな」
女「いやらしい目で見ないでください」
男「ごめん」
女「見てたんですか。ほんと最低ですね……」
男「嘘だってば」
女「はいはい、わかってますよー」
男「実は折り畳み傘がある」
女「なんで今まで出さなかったんですか!」
男「いや、1本しかなくてな」
女「2人でさすことはできませんね」
男「俺は紳士だから君に譲るよ」
女「なんだか癪ですね」
男「じゃあ相合傘でもする?」
女「それはもっと癪ですね」
男「だろ」
女「私のことはいいですから使ってください」
男「俺は紳士だからそんなことはしない」
女「どちらか1人が傘をさすのはお互いに譲らなそうですね」
男「相合傘もできないんじゃ2人とも濡れないのは無理だな」
女「じゃあ2人で濡れながら行きましょう」
男「そう思ってた」
男「着いたな」
女「ビショビショですね」
男「遅かったからほとんど人いないな」
女「私たちの学年はあそこに張りだされてますね」
男「もう高3かー」
女「はやいですね」
男「やだなー、勉強したくねー」
女「やっぱり卒業後は進学するんですか?」
男「うん。A大学かB大学かで迷ってる感じかな」
女「うわ、私とまったく同じです」
男「マジか……うわってなんだよ」
女「あなたが行かないほうに進学することにします」
男「ひでぇー!」
女「えへへ、嘘ですよ」
女「えーと、どれどれ」
男「同じクラスだといいな」
女「うわ、同じクラスですよ!」
男「え!? ホントに? どこどこどこ」
女「嘘です。隣のクラスですね」
男「えっ、うわ……最悪だわ……」
女「そ、そんなに落ち込まないでくださいよ」
男「同じクラスかと思って喜んだのに…………」
女「ご、ごめんなさい。ちょっと、ほら、他の人も見てますから!」
女「クラス発表も見たことですし帰ります」
男「そんな連れないこと言うなって」
女「雨がまだ降ってるので風邪ひきますよ?」
男「じゃあせめて送ってくよ……」
女「いや、大丈夫です」
男「送らせてください、お願いします」
女「えぇ……」
男「俺の家もこっちなの」
女「嘘ですね。逆方向じゃないですか」
男「俺の家知ってたのか。脈あり?」
女「調子に乗らないでください」
男「ごめん」
女「……じゃあ少しありってことで」
男「ん? 今なんて言った?」
女「な、なんでもないですー!」
男「雨で聞こえなかったんだよ」
女「嘘だー! 嘘ですねー!」
男「いや、ほんとに」
女「騙されませんよ!」
男「告白した相手なんだから送らせてくれよ」
女「嘘のくせに」
男「じゃあ嘘をついたお詫びってことにしてくれ。理由はなんでもいいや」
女「風邪ひきますよ」
男「君もね」
女「わかりました。ただ送ってもらうのは癪なので特別に相合傘を許可します」
男「よしきた」
女「もっとよらないとはみ出ますよ」
男「なんかリア充みたいだな」
女「違いますからね」
男「はいはい」
女「雨の気分なので昔話をします」
男「雨の気分?」
女「はい。少し元気が吸いとられるようなちょっとブルーな気分」
男「なるほど。実際雨が降ってるしな」
女「私には小学生の頃好きな子がいました」
男「それって俺?」
女「図々しいですね、小学校違うじゃないですか」
男「だよな」
女「でも内気な私は告白なんか考えられませんでした」
女「告白する人ってみんな凄いと思うんですよ」
男「なんで?」
女「だって告白なんてとても緊張するじゃないですか。死ぬじゃないですか」
男「まあ確かに」
女「好きな人に想いを伝えられる人は本当に凄いし偉いと思います」
男「なるほど。じゃあ俺も褒めてくれ」
女「偉い偉い」
男「やったぜ」
女「ほんとならね」
男「まだ言うか」
男「そんなこと言ったら偉い人はたくさんいるさ」
女「まあそうですね」
男「イケメンや美人は何度も告白してるんだろうし」
女「どちらかというと告白されることのほうが多そうですが」
男「俺の知り合いに同じ女子から65回告白をされたやつがいるぞ」
女「なんですかそれは圧倒的に凄いですね……」
女「話を戻します」
男「おう」
女「そんなわけで私は告白なんかできなかったわけです」
男「うむ」
女「ですがその好きな人の方から告白をされたんです」
男「えっ」
女「私は狂喜乱舞しました」
男「……」
女「そしてもちろん喜んで返事をしました」
男「まさか……」
女「そして私たちは付き合い始めたというわけです」
男「え」
女「そして今までずっと……」
男「え」
女「私には彼氏がいます」
男「え」
女「だからあなたとは付き合えません」
男「え……」
女「ごめんなさい」
男「…………」
女「というのも嘘です」
男「うわああああああよかったあああああああ」
男「マジで焦ったあああ」
女「ご、ごめんなさい」
男「段々、嘘の攻撃力増してない!? やめてよ!」
女「気のせいです」
男「うわああ」
女「そういうわけで彼氏はいません」
男「だよね!!!!!」
女「今の言い方なんか失礼ですね……」
女「本当は嘘をつかれたのは私なんです」
男「というと?」
女「好きな人に告白されて返事をしたのは本当です」
男「……まさか…………」
女「その日は4月1日でした」
男「あちゃー……」
女「好きな人に好きだと嘘をつかれるほど悲しいことはありません」
男「……」
女「でも向こうも悪気があったわけじゃないんです。ただエイプリルフールに嘘をついただけなんですから」
男「うーむ」
女「こうして私は好きな人から告白をされて、フラれました」
女「ほんと、バカですよね。エイプリルフールを忘れちゃってたなんて」
男「大丈夫大丈夫、そんなのよくあることさ」
女「そうでしょうか」
男「エイプリルフールを忘れていて、よりによってその日に告白するやつもいるんだぜ」
女「ふふ……もしかしてその人は今、私と同じ傘に入っていたりするんでしょうか?」
女「そういうことがあったから、申し訳ないんですが信じられないんです」
男「……」
女「だって、好きな人からエイプリルフールに告白されるなんて経験、2回も起こるでしょうか」
男「え」
女「……えって」
男「え」
男「どういうことだ……そんな、告白みたいな」
女「告白ですよ」
男「ええっ」
女「高校1年の時から好きでした」
男「……」
女「……」
男「…………」
女「…………」
男「………………」
女「……………………いや、なんか言ってくださいよ」
男「……………………えっと、嘘?」
女「最低ですね……」
男「いや、だっていきなりで信じられなくて」
女「せっかく緊張して死ぬかと思いながら告白したのに、嘘? だなんて酷過ぎます」
男「ごめん! マジでびっくりして」
女「もういいです、告白取り消します」
男「え! ごめん許して」
女「……嘘です。信じなかったのはお互い様なので勘弁してあげます」
男「えっと、なんていうか」
女「こ、告白したんですよー。凄くて偉いんですよー、褒めてください」
男「……偉い偉い」
女「うわああ、頭をなでないでください!」
男「え、ごめん、あの」
女「うわああああ! 恥ずかしいいいい!」ダッシュ
男「ちょっと雨! 結局濡れるんかい」
男「はぁはぁ……足はや……」
女「はぁ、はぁ、恥ずかしい……」
男「まさか両想いだったとは」
女「両想いとかそういうこと言わないでくださいよ」
男「なんでだよ」
女「恥ずかしいからに決まってるじゃないですか、ばかー」
男「……俺も改めて言うぞ」
女「嘘じゃないでしょうね」
男「じゃあエイプリルフールなのを踏まえて嘘を言うから、そういうふうに聞いてくれ」
女「え、嘘!?」
男「君が好きじゃない! ずっと一緒にいたくない!」
女「……///」
男「……」
女「う、嬉しくない!」
おわり
114 : 以下、\... - 2015/04/01 22:43:19.43 4q1+q5Mo0.net 57/57読んでくれてありがとう!
過去作の紹介だ、よければ読んでみてくれ
男「あぁ、死にてえ……」 女「死にましょう!」
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男「金を出せ!」 女「そんなことより誘拐してください!」
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女「昨日どんな夢見た?」 男「美女が出てきた」
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