2 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/17 22:43:36.65 mljUZtvc0 1/67

「ふ~ん」

「えっと……」

「そうかな、優秀な人だと思うけど」

「確かに能力は高いわ。能力は。ただ、イタズラが多すぎるのよ!」

「イタズラ(意味深)ですね。分かります」

「」パシーン

「……ぼうりょくはんたーい」

「イタズラなんてされたことないけど……」

「私もないね。」

「え、そうなの?」

「どんなことをされるの?」

「うーん………例えば―――――」

元スレ
曙「クソ提督がクソ過ぎる」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1426599766/

3 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/17 22:44:37.30 mljUZtvc0 2/67

――――コンコン

「クソ提督、入るわよ」

提督「いいぞ」

――――ガチャ、ボトッ

「ん?何か……………きゃあっ!」バックステッポ

提督「よくできてるだろ、そのカエルの人形。それにしても……ぷぷっ………『きゃあっ!』って可愛い叫び声だな」ニヤニヤ

「っ!こ、このクソ提督っ!!」ブン

提督「うおっ!?」パシッ

「なんでキャッチすんのよ!」

提督「いや、物が顔面目掛けて飛んできたらキャッチするだろ!!」

4 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/17 22:45:11.60 mljUZtvc0 3/67

「今日の仕事は?」

提督「曙の分はこれだな。資材の確認がメインだ」

「分かったわ。さっさと終わらせて間宮さんのところに――――」ストン

―――――ブッ(ブーブークッション)

提督「」プルプル←笑いを堪えている

「」プルプル←怒りと羞恥で震えている

17 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 00:01:17.93 Hl2BX8Zk0 4/67

「ふわぁ……………」

提督「眠そうだな、昼寝してもいいぞ?」

「書類終わらせてからにするわ」

提督「そうか。なら、眠気覚ましにガムでもどうだ?」スッ

「クソ提督にしては気が利くじゃない」ヒョイ

―――――――バチンッ

「ぅあっ!」

提督「ごめん間違えた。本物はこっちだった」スッ

「絶対わざとでしょ!このクソ提督!!」

18 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 00:02:09.09 Hl2BX8Zk0 5/67

「……んっ………んんっ…………」

提督「お、やっと起きたか」

「あー、昼寝したんだっけ………今何時?」

提督「17時」

「嘘っ!?」ガバッ

提督「嘘だ」

「~~~~~~っ!!」ゲシゲシ

提督「いたっ!蹴るな蹴るな!」

19 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 00:02:58.25 Hl2BX8Zk0 6/67

「クソ提督、何食べてるの?」

提督「急にバーアイスが食べたくなってな。食うか?」スッ

「ふぇ!?」ボッ

(こ、これって間接キス……!?ど、どうしよう!?恥ずかしいけど……うぅ……)

「しょ、しょうがな――――」

提督「なんてな」パクッ

「」

提督「……いや、そんな落ち込まなくても曙の分もあるぞ?ほら」

「…………ありがと」ドンヨリ

提督「?」

21 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 00:47:49.06 Hl2BX8Zk0 7/67

「—――――って感じよ」

「………………」

「………何よ、その目は?」

「いや、急に惚気られたから戸惑ってる」

「というか、最後のはイタズラじゃないでしょ」

「はぁ!?あなた達どんなどんな頭してんの!?」

「私も仲が良いんだなぁ……って思ったけど」

「潮まで………」

「というか、これ小学生が好きな子の気を惹こうとするレベルの物じゃん」

「あの提督がこんなことするんだ……意外だね」

「うん。なんか可愛いね」

「え………あいつ私に気が…………?え?え?」ブツブツ

「本人は気づいてなかったっぽいね」

27 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 22:00:58.52 Hl2BX8Zk0 8/67

「曙、私達に話したのは何か理由があるんでしょ?考え込んでないで話してみてよ」

「…………そうね。今考えても埒が明かないし……」

「あなた達には、あいつへの仕返しを手伝ってほしいの」

「まだ仕返ししたことないの?」

「う…………いや、あるにはあるんだけど…………」

28 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 22:02:09.20 Hl2BX8Zk0 9/67

(今日は私がク―――こいつに激辛大福を食べさせて………ふふっ、反応が楽しみだわ)

「クソ提督!そろそろ休憩にしない?」

提督「ん?もうそんな時間か」

「今日のおやつは大福よ!」

提督「大福か、久しぶりだな」

「お茶淹れてくるから待ってなさい」

提督「おう」

29 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 22:03:07.86 Hl2BX8Zk0 10/67

「はい」スッ
提督「どうも。それじゃ、いただきまーす」モグ

「……………」ゴクリ

提督「うん、美味いな。曙の淹れてくれたお茶ともよく合うよ」

「えっ!?」

提督「どうかしたか?」

「い、いや……なんでもないわ………」

(おかしいわね。からしを結構入れたはずだけど……)パクッ

30 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/18 22:03:56.15 Hl2BX8Zk0 11/67





「んんっーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」ジタバタ




提督「ふははは、俺を嵌めようなんざ100年早いわぁ!!こんなこともあろうかと、大福を机の中に忍ばせておいて正解だったぜ!!」

「んんっ!んんっ!(水っ!水っ!)」

提督「ほら。ゆっくり飲めよ?」サシダシ

「」ゴクゴク

「」プハァ

「うぅ………口の中がヒリヒリする……………」ナミダメ

提督「どんだけからし入れたんだよ……ほら、食べかけで悪いがこれ食べて口直ししな」

「うん………」

34 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:22:08.15 V7urO/kr0 12/67

「ということに………」

「それで、ちゃんとした仕返しがしたいと?」

「そうよ」

(「どうする?手伝う?」)

(「でも、あんまり酷いのだと提督が可哀想だよ……」)

(「………これはチャンスだね」)

(「何をするの?」)

(「イタズラにかこつけて曙の気持ちをご主人様にアピールしよう」)

(「なるほど。確かにいいかもね」)

(「でもそれ曙ちゃんが納得するかなぁ………」)

(「ぼのぼのは単純だから、一回成功すれば平気だと思う」)

(「決まりだね」)

35 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:22:59.71 V7urO/kr0 13/67

「分かった。協力するよ」

「ご主人様の慌てる姿とか見てみたいしね!」

「あまり酷くない物なら……」

「ありがとう。それじゃ、早速作戦会議ね」

「あのぼのぼのが感謝を言えるようになって……」ヨヨヨ

「あんたは私の母親か!」バシッ

「はにゃ~っ!」

「でも、あの提督にイタズラって難しくない?」

「曙ちゃんがやられた蛙の人形や、クッションならどうかな?」

「気づかれたわ」

「やったんだ………」

36 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:24:20.13 V7urO/kr0 14/67

「そこで逆転の発想だよ!」

「逆転の発想?」

「こっちが仕掛けるんじゃなくて、ご主人様のイタズラでオーバーリアクションすればいいんだよ!」

「オーバーリアクション?」

「過剰に痛がるとかどうよ!?」

「なるほど。それなら気づかれる心配もないね」

「へぇ……面白そうじゃない。流石漣、こういうことでは頼りになるわね」

「褒められてる気がしないんですが」

37 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:27:03.37 V7urO/kr0 15/67

「でも、いつあいつが仕掛けてくるかが問題ね……」

「ふっふっふ………漣に抜かりはないよ!ご主人様はビリビリペンを明日やるって言ってたからね!」

「ふーん………なんで漣がそれを知ってるのかしら?」

「そりゃあもちろん、ご主人様とイタズラを考えてるからで―――――ハッ!」

「その話詳しく聞かせてもらいましょうか…………」ゴゴゴゴ

<ボノボノオチツイテッ!ヤメッ、アッーーーーーーーーーーーーー

「漣も一枚噛んでたから最初驚いてなかったんだね」

「というか、曙ちゃん止めなくていいのかな……」



38 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:28:09.20 V7urO/kr0 16/67

(「ご主人様はどんな反応するでしょうかね~?」)ムフフ

(「すぐに演技だとばれるんじゃないかな?」)

(「いや、面白い反応が見られるかもよ?」)

(「根拠は?」)

(「ご主人様は、イタズラに使う道具の危険性を念入りに確かめるからね。今回のもガムの時も説得に苦労したよ」)

(「漣ちゃんの案だったんだ………って、あ!提督が曙ちゃんにペンを渡すよ!」)

39 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:29:02.07 V7urO/kr0 17/67

「あら?このボールペン、インクが切れてるわ」

提督「ん?ちょっと待て………あった。これはどうだ?」ポイ

「ん」パシ

(い、痛がる演技をすればいいのよね………)

「えっと」カチッ

――――――ビリッ

「痛っ!」ウズクマリ

(やばい。これ全然痛くないわ。これじゃあ、こいつも………)

40 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:29:57.51 V7urO/kr0 18/67

提督「曙!?大丈夫か!?」ガタッ

(………あ、あれ?)

提督「ケガはないか!?見せてみろ!!」グイッ

「きゃっ!」

提督「………見たところ傷はないが、万が一もある。すぐに明石のところへ行こう!」

「ちょ、ちょっと待って!大丈夫だから手、離して!」カオマッカ

提督「いや、大事になる前に――――」

「え、演技!演技だから!!痛くなかったから!!」

提督「………え?そうなのか?本当に?」

「う、うん」

提督「そうか、良かった………ったく、そういうイタズラは心臓に悪いからやめてくれよ……………」

「き、気を付けるわ」マッカ

41 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:30:36.97 V7urO/kr0 19/67

(「ね?」)

(「なるほど」)

(「曙ちゃん心配されて凄い嬉しそう………」)

(「これは見てる側としてはたまりませんなぁ」)ニヤニヤ

(「でも、これで提督は痛みを伴うイタズラをしなくなるんじゃない?」)

(「そこで、第2フェイズだよ!」)

(「第2フェイズ?」)

42 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 00:31:06.93 V7urO/kr0 20/67

(「名付けて、『顔真っ赤作戦』!」)

(「顔真っ赤作戦……?」)

(「曙に積極的に行動させて、二人の照れる姿を見るのです!」)

(「………そういうことか。それなら大丈夫そうだね」)

(「それくらいなら大丈夫……なのかな?」)

(「ご主人様への根回しは漣がやるから、曙への根回しは任せたよ!」)

(「任された」)

(「う、うん」)

50 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:50:24.42 V7urO/kr0 21/67

提督「ポテチ食べる?」スッ

「貰うわ」カパッ

―――――ビヨーーーン(ビックリ箱)

「きゃっ」ドンガラガッシャーン

提督「あ、曙!?」

「腰を打ったわ、どうしてくれんのこのクソ提督(棒)」

提督「すまん、そんなに驚くとは思わなくて……お詫びになんでも言うこと聞くから、それで許してくれ………」

(な、なんでも!?じゃあ、あんなことやそんなことも………!?)カオマッカ

提督「曙?」

「…………じゃあ、間宮さんのところで奢ってもらおうかしら」ソッポムキ

提督「分かった」

51 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:52:04.91 V7urO/kr0 22/67

間宮「はい。間宮スペシャルパフェです。ゆっくりしていってくださいね」

「いただきます」

提督「どうぞ」

「うん、流石間宮さんね。甘くて美味しいわ」

提督「そうか。良かったな」

「……………あんたは何も食べなくていいの?」

提督「ああ。気にしないで食べてくれ」

「……………ん」スッ

提督「………え?」

「しょうがないから!少し分けてあげるわ!!」

提督「いや、俺のことはいいから―――――」

「うるさいわね!あんたは黙って食べればいいのよっ!!」

52 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:52:51.01 V7urO/kr0 23/67

提督「……………いいのか?」

「……………」コクリ

提督「じゃ、じゃあ……いただきます」パクッ

「……………どう?」

提督「…………お、美味しいよ」

「………そう。はい」スッ

提督「い、いや一口だけで――――」

「アーン」

提督「……………あ、アーン」パクッ

「……………」

提督「……………///」

提督(あ、曙ってこんなことするキャラだっけ……?うぅ、やばい。顔が熱い………)

(こ、これ凄い恥ずかしい………あ、提督真っ赤になってる……ちょっとかわいいかも………って!何考えてるのよ、私!?)

53 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:53:17.45 V7urO/kr0 24/67

(「提督があんなに赤くなってるところ初めて見たよ……」)

(「それに引き換え、曙ちゃんは平気みたいだね」)

(「あれは、妖精さん特性の化粧の効果なのですよ!」)

(「お化粧………?」)

(「そう!表情を完全に隠す化粧!」)

(「心の中では凄いてれてるんだろうね」)

提督((うぅ……恥ずかしい………………///))

54 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:54:04.13 V7urO/kr0 25/67

―数日後―

提督「最近イタズラが失敗してばかりなんだが……」

「でも、曙との距離は縮まったんじゃないですか~?」ニヤニヤ

提督「やはりお前の指示だったか………」

「漣はちょこーっとアドバイスしただけですよ」ニヤニヤ

提督「まあいい。やられっぱなしは嫌なんだ。何かいい案ないか?」

「漣に話していいんですか?」

提督「間宮のアイス」

「パフェがいいです」

提督「………分かった。で、いい案なんだろうな?」

「はい。とっておき中のとっておきです!」

55 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:54:56.60 V7urO/kr0 26/67

提督「………それは反応によっては俺の心がやられるな」

「ご主人様はガラスのハートですからねぇ~」

提督「うるせぇ」

「でも、いい結果になると思いますよ?」

提督「……………本当か?」

「……………初期艦の言葉は信用できませんか?」

提督「……………分かった。やってみよう」

「ご主人様、アレの準備。しといた方がいいですよ」

提督「……………」

56 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:55:42.12 V7urO/kr0 27/67

―――――コンコン

「クソ提督、来たわよ」

提督「待ってたぞ。入ってくれ」

―――――ガチャ

「どうしたのよ、こんな時間に呼び出して」

提督「大事な話があるんだ」

「大事な話?」

提督「ああ、秘書艦のお前には先に伝えておこうと思ってな」











提督「俺は来月から大本営で指揮をすることになった」



「え……………」

57 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:56:44.90 V7urO/kr0 28/67

提督「正式な発表は来週になるが、後任も決まっている。俺の後輩で信頼できる奴だ。サポートしてやってくれ」

「……………………」

提督「……急に離れることになってすまない」

「…………それって、昇進ってこと?」

提督「ああ。皆より階級を取るようで申し訳―――――」

「やったじゃない!あんたの実力が上に認められたってことでしょ!!」

提督「まあ、そうだが…………怒らないのか?」

「はぁ?なんで怒るのよ!自分の提督が認められたんだから、嬉しいに決まってるじゃない!」

「それに、クソ提督のイタズラを受けなくていいと思ったら清々するわ!」

提督「………そうか。すまなかったな」

58 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:57:43.04 V7urO/kr0 29/67













「だからここは私達に任せて、安心っ、してっ、本営でっ………」ポロポロ


提督「曙?」

59 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:58:32.84 V7urO/kr0 30/67

「こ、これは嬉し泣きよっ!大丈夫っ!あんたは何も心配せずにいればいいからっ……!」ポロポロ

提督「………曙」ギュッ

「やっ、駄目っ………今そんなことっ、されたらっ…………」ボロボロ

提督「………………」ギュッ











「やっと仲良くなれてきたのに、離れるなんて嫌よっ…………」ギュウウ




提督「曙………………」

「うぅ………ぐすっ……………」

提督「大丈夫だ。俺はお前の傍にいる」

60 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:59:16.95 V7urO/kr0 31/67












提督「—――――――だって、これはドッキリだから」









「……………………へ?」

提督「昇進はするが、ここを離れたりはしないよ」

「………………こ」

提督「こ?」

61 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 22:59:56.12 V7urO/kr0 32/67











「こんっのっ、クソ提督ぅーーーーーーーーーーーーーーー!!」









62 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 23:00:23.03 V7urO/kr0 33/67

提督「ぐおおおおおおおおおおおっ!?耳がっ、耳がぁっ!!」

「バッカじゃないのっ!?くだらないっ!部屋に戻るわっ!!」ダッ

提督「あっ、待ってくれ!もう一つ大事な話があるんだ!!」

「どうせ、またイタズラでしょ!?その手には乗らないわよっ!!!」

提督「待てって!」ガシッ

「ちょっ、離しなさいよ!」ゲシゲシ

63 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 23:00:54.49 V7urO/kr0 34/67













提督「曙、ケッコンしよう」












64 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 23:01:20.36 V7urO/kr0 35/67

「…………………ふぇ?」

「あっ、ま、またドッキリなんでしょっ!?連続はさすがに――――」

提督「……………」

「……………………本気、なの?」

提督「こういう冗談は好かん」

65 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 23:02:08.86 V7urO/kr0 36/67




「……………私、口悪いわよ」
提督「照れ隠しだろ。可愛いぞ」



「……………私、まだ小さいわよ」
提督「いつまでも待つさ」



「……………本当に、私なんかでいいの?」
提督「お前じゃなきゃ駄目なんだ」



「……………ムードも何もないわね」

提督「こっちの方が俺らしいだろ?」

「そうね…………」

66 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 23:03:19.78 V7urO/kr0 37/67









提督「俺は、曙、お前が好きだ」








「…………私も、提督、あなたが好きよ」








67 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 23:04:37.58 V7urO/kr0 38/67











提督「…………ケッコン、してくれるか?」










「…………うんっ」











68 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/19 23:05:19.93 V7urO/kr0 39/67

(「…………………さて、漣達はこの辺で帰りましょう」)

(「…そうだね。ここから先は二人にしてあげよう」)

(「漣ちゃん……………」)

(「………今日は鳳翔さんのところにでも行こうか」)

(「…………二人が奢ってくれるなら、いいよ」)





「クソ提督がクソ過ぎる」



82 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/20 22:07:37.89 a0Zb5cod0 40/67

理想:全編通してほのぼの。本編はちょっともどかしく、おまけは甘々。
現実は非常である(実力不足)

おまけ投下します

83 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/20 22:08:42.48 a0Zb5cod0 41/67

【ぬくもり】


『わざわざあんたが出てくる必要なかったんじゃない?』

提督『大規模作戦は何が起きるかわからないからな。というか、俺は毎回これでもいいくらいなんだが……』

『あんたがやられたら誰が指揮するのよ。あんたは鎮守府で指揮してればいいの』

提督『自分だけ安全な場所にいるのは落ち着かないんだよ』

『ったく、何年提督やってるのよ!いい加減慣れなさいよ!』

提督『どうしても慣れない物はあるんだ………』

『本当、甘いんだから―――――』

84 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/20 22:09:37.58 a0Zb5cod0 42/67


ドォォォォォォン

『—――――え?』

『敵潜水艦発見!』

『曙さん、そこは危険です!退避してください!』

『あいつは!?提督はどうなったの!?』

『見ての通り、提督の乗っていた船は大破、炎上しています。恐らくはもう…………』

『そんな………今度こそっ!今度こそ護るって決めたのにっ!!』

『曙さん、撤退を!!』

『嫌っ!嫌だっ!!クソ提督――――――――――――っ!!!』

85 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/20 22:10:06.68 a0Zb5cod0 43/67












「っ!!」ガバッ

「はぁ……はぁ……夢………か…………」

「……………………」

86 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/20 22:11:02.20 a0Zb5cod0 44/67

――――ガチャ

ゴソゴソ モゾモゾ

提督「ん…………?」

「」ビクッ

提督「んー……って、曙!?どうしてここに!?」

「あっ……えっと………」

提督「…………狭いが、大丈夫か?」

「……………」コクリ

提督「……………」

「……………その、起こして悪かったわね」

提督「気にするな」ナデナデ

87 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/20 22:12:14.10 a0Zb5cod0 45/67

「んっ………」

提督「悪い。嫌だったか?」

「大丈夫。ちょっと驚いただけ……」

提督「そうか」ナデナデ

「……………」

提督「……………」ナデナデ

88 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/20 22:12:49.03 a0Zb5cod0 46/67









「……………もう少し、近づいていい……………?」








提督「ああ」ギュッ








「……………ありがと。しばらく……このままで……………………」ギュッ















翌日、二人が「ゆうべはお楽しみでしたね」とからかわれたのはまた別のお話。



95 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 10:52:29.54 /u24OquD0 47/67

いきなりで分かりにくいかなと思ったので、少し補足します
>>84 曙『そんな………今度こそっ!今度こそ護るって決めたのにっ!!』
これは、曙の艦だった頃のお話です。艦これwikiによると、曙は護衛対象を護れなかったことがあるようなので。

97 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 14:17:39.11 /u24OquD0 48/67

ふと思いついて、パパッと書いたものを投下します。随分気が早いですがエイプリルフールネタです。
不知火さんもいるよ!

98 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 14:18:47.56 /u24OquD0 49/67

【四月一日】


陽炎『今日は嘘をついてもいい日なのよ!』

不知火(……と言われましたが、どのような嘘をつけばいいのでしょうか)

提督「不知火?」

不知火(………とりあえず、思っていることの逆を言えばいいでしょう)

不知火「司令」

提督「なんだ?」

不知火「不知火は司令の事が、き………」

提督「き?」

不知火「き………き…………」

提督「?」



不知火「……………ぐすっ」

提督「!?」

不知火「不知火はたとえ嘘でも司令の事を嫌いだなんて言えません………」

提督「」ズキューン

提督「きょ、今日はあくまで嘘をついてもいい日で、強制じゃないぞ!」

不知火「!そうですか。良かったです」パァア

提督(結婚した)




99 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 14:20:19.15 /u24OquD0 50/67

【四月一日】


提督「曙、俺はお前が大嫌いだ」

「……………そう」

提督「………エイプリルフールだからな?」

「……………分かってるわよ」

「私もあんたなんて大嫌いよ」

提督「……………おう」

「………エイプリルフールよ?」

提督「……………知ってる」



提督「「……………はぁ」」ショボーン

艦娘一同(((食堂でやるなよ………)))ギリィ




102 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 14:33:14.66 /u24OquD0 51/67

【>>98の前のお話】


陽炎「不知火!」

不知火「なんでしょう?」

陽炎「私はあなたが嫌いよ♪」ニコッ

不知火「」ガーン

不知火「しっ、しらっ……不知火に何か落ち度でも?」グスッ

陽炎「ごめん。本当にごめん」ダキッ




107 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:09:17.60 /u24OquD0 52/67

【秘密】


提督「……………」ペラペラ

「………随分静かね。何読んでるのよ」ズイッ

提督「資料だ」サッ

「………資料ならなんで隠す必要があるのよ」ズイッ

提督「極秘だからだ」サッ

「……………そう」

108 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:09:48.45 /u24OquD0 53/67

「あれ、食堂で何かあったの?」

提督「曙!?い、いや……何でもない!」ダッ

「ちょっ、なんで逃げるのよ!」

ポツーン…………

「何なのよ、もう………」

109 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:10:26.89 /u24OquD0 54/67

提督「曙、もう休んでいいぞ」

「え、でもまだ………」

提督「仕事終わってるだろ?偶にはゆっくり休んでくれ」

「……………分かったわ」

提督「おやすみ、曙」

「………おやすみ」

――――バタン



(………ここ数日あいつの様子がおかしい。何か隠し事でもしてるかのような………)

(仕事が早く終わっても、普段なら一緒に話したりするのに………)

(まさか………いや、でもあいつがそんなことするはずが……………)

110 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:11:11.03 /u24OquD0 55/67




(……結局気になって戻ってきてしまった。まあ、どうせ私の勘違――――)

間宮『提督、今日は本番ですね』

(—―――いで…………え?)

提督『ああ、少し緊張してきたよ……』

間宮『大丈夫ですよ。私にお任せください』

提督『…やはり、お前に頼んで正解だったな』

「っ!!」ダッ

111 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:11:49.36 /u24OquD0 56/67


……………………



提督「これなら曙も喜んでくれるかな?」

間宮「ふふっ、きっと大丈夫ですよ」

提督「よし。早速作るぞ!」

間宮「はい。お手伝いはお任せください」

112 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:12:37.66 /u24OquD0 57/67

提督(緊張してあまり眠れなかった……もうそろそろだな。上手く渡せるだろうか…………)

――――コンコン

提督(来たっ!!)

提督「ひゃっ、入ってくれ」

提督(盛大に噛んだ……もう駄目かもしれん………)

――――ガチャ

113 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:13:18.59 /u24OquD0 58/67

「し、失礼します……」

提督「って、潮?どうした?」

「えっと、曙ちゃんに代わりを頼まれて………」

提督「曙に……?何かあったのか!?」

「は、はい……昨日帰ってきてから元気がなさそうでした………」

提督「昨日……?」

提督(確かに少し元気がなさそう……だったか………?)

提督「まあ、分かった。曙は部屋にいるのか?」

「多分……」

提督「分かった。様子を見てくるから、少しここを頼む」

「は、はい……」

114 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:14:16.57 /u24OquD0 59/67

――――コンコン

提督「曙、いるか?」

……………………

提督「………寝てるのか?入るぞー」

――――ガチャ

「……………何の用よ」

提督「なんだ、起きてるじゃないか。体調はどうだ?」

「体調?………最悪よ」

提督「何!?それじゃあ、明石のところに――――」

115 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:15:10.29 /u24OquD0 60/67










「触らないでっ!!」



提督「」ビクッ

「……………どっか行ってよ」

提督「あ、曙…………?」

「どっか行けって言ってるでしょっ!!」

提督「っ!!」ダッ

116 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:15:48.32 /u24OquD0 61/67

……………………

「………曙、ご主人様に何言ったの?」

「……………」

「………ご主人様、悲しそうな顔で走ってたよ」

「……………あんたには関係ないでしょ」

「関係あるよ。漣は二人が好きだから」

「……………」

117 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:17:06.46 /u24OquD0 62/67

「………プレゼントの中身は知らないけどさ、断るにしても言い方があるんじゃない?」

「………え?プレ……ゼント…………?」

「ご主人様が持ってた袋、ホワイトデーのお返しじゃないの?」

(本………食堂………間宮さん………ホワイトデー………)







「もしかして……私、勘違いを…………?」



「曙?」

「あいつはどっちへ行ったの!?」ガバッ

「あっちだけど……」

「ありがと!」ダッ

「…………大丈夫そうか」

118 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:17:59.96 /u24OquD0 63/67

「はぁ……はぁ……こんなところにいたのね。探したわよ」

提督「曙………」

「………さっきは――――」




提督「ごめん!!」

提督「俺、曙を怒らせるようなことしちゃったんだろ?考えてたんだが、原因が思い浮かばなくて………」

提督「言ってくれれば直すから!何が悪かったのか教えてくれないか?」

「…………………あんたに悪いところなんかないわよ」

提督「いや、怒らせたのは事実だろ?イタズラが嫌だったのか?からかい過ぎたか?それとも――――」



「ごめんなさい!あれは私の勘違いだったの!!」

119 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:19:18.36 /u24OquD0 64/67


提督「…………え?じゃ、じゃあ、俺のことを嫌いになったわけじゃ……ないのか………?」

「そうよ」

提督「よ、良かった…………」ヘナヘナ

「第一、イタズラとかが嫌ならとっくに言ってるわよ!」

120 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:20:00.29 /u24OquD0 65/67











「わ、私は、そういうところも含めて、あんたの全てが好きなんだから………」ゴニョゴニョ












121 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:20:51.42 /u24OquD0 66/67

提督「………………あ」

「な、なによ///」






提督「あけぼのぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」ダキッ







「きゃあっ!ちょ、ちょっと!!///」

提督「俺も曙の全部が好きだぞ!!愛してる!!!」ギュッ

「う、うぅ…………///」

提督「I love you! Je t’aime!  Ich liebe dich! Я тебя люблю!」

「~~~~~~~っ!」マッカ




艦娘(((食堂で何をやってるんだあのバカップルは)))

ご主人様の作ったお菓子は、この後二人で仲良く食べてました by漣




122 : ◆i9QjiD6PFk - 2015/03/21 19:22:09.89 /u24OquD0 67/67

――――――――――—―――――
――――――――――――
―――――――――

――――コンコン

「入るわよ」

提督「おう」

――――ガチャ、ボトッ

「っ!」トビノキー

提督「原点回帰してみたんだが……あの可愛い悲鳴聞きたかったなぁ………」

「かわっ!?」ボッ

提督「聞きたいなぁ~聞かせてくれないかな~」ニヤニヤ

「~~~~~~~っ!!」カオマッカ













「あんたは本っ当にクソ提督ねっ!」













「クソ提督がクソ過ぎる」


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