1 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:30:09.56 Qh8HeWSr0 1/125

「ふへへ、何をしてやろうかな」

OL風の女「~♪」

「よし、あの買い物中の女のスカートをめくってやれ」


 ぺろーん


OL風の女「!?」

「丸見えだぜ」

OL風の女「風も起きてないのに何で!? やだ、元に戻らない!」

周りの買い物客「なんだあれ」

周りの買い物客「おー、すげえ。真っ赤なパンツじゃねーか」

OL風の女「いやああああん(*><*)」

「そろそろ戻してやるか」

OL風の女「???」


「くく、無機物なら自由に操れるんだぜ……」


元スレ
男「スカートぺろーん」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1281760209/

2 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:30:39.79 Qh8HeWSr0 2/125


「次はあの白ギャルたちだ」

金髪ギャル「だよねー」

黒髪ギャル「きゃはは」

「そらっ」


 ぺろーん


金髪「あれ、お前パンツめくれてね?」

黒髪「え、金髪こそパンツめくれてない?」

金髪「つーかパンツじゃなくてスカートじゃね?」

黒髪「きゃははは。確かに確かにー」

「くそ、最近の女には恥じらいが足りん……。日本は腐ってるな。クソビッチが」



4 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:32:50.68 Qh8HeWSr0 3/125

金髪「おい」

「なんだよ」

金髪「お前何見てんだよ」

「な、なな、何をだよ。見てねーよ」

金髪「見てただろ、あたしらのパンツをさー」

黒髪「そーだそーだ」

「出てから見たんだよ。何か文句あんのか。それとも、俺がめくったっつーのかよ」

金髪「うるせー。いいから金よこせよ。見物料だよ」

黒髪「そーだ。よこせー」

「無茶苦茶なこと言ってんじゃねーよ」

金髪「じゃあなんだよ。この三本目の足はよー(げしっ)」

「うぐっ」

黒髪「足はよー(げしっ)」

「あんっ」

金髪「なんだ感じてんのかよ」

「ハァハァ」

金髪「続きをして欲しかったら金よこせよ」

黒髪「よこせよー」

「は、はい」

金髪「ちっ、こんだけかよ。じゃあな」

「ま、待って。続きはっ」

金髪「この空っぽの財布にでも突っ込んどけよ」

「しくしく」


5 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:35:17.52 Qh8HeWSr0 4/125


「俺のなけなしの漱石三枚が……」

眼鏡女「てくてく」

「まぁいい。次は大人しそうな女にするか……せいあーっ!」


 ぺろーん


眼鏡女「!!」

「!!」


眼鏡女「(///)」

「縄……だと……?」

眼鏡女「(///)」

「日本はビッチばっかりか……! 日本の未来は暗いな」


「暑いし、図書館に涼みにいくか……」



7 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:44:49.96 Qh8HeWSr0 5/125


「おお、階段を女子高生があがってる……」

女子高生(てくてく)

「あ、あとちょっと。あとちょっとで見える……! てあー!」

女子高生「!!」(ばっ)

「かばんで隠しやがった……! くそ! カバンも飛んでけー!」


ばびゅーん


もろーん


(*^^*)



8 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:45:51.27 Qh8HeWSr0 6/125

「ふー。涼しいな。しかし、ジジババオッサンオバサンばかりだな」

読書中の少女「…………」

「あの子、すごい無表情でなんだか人形みたいだな。くく、恥ずかしがらせてやるぜ」

読書中の少女「…………」

「いっけえええ」


 ぺろーん


読書中の少女「…………」

「む、無反応だと……?」

読書中の少女「…………」

「なんかむかつくな」

読書中の少女「…………」

「くそ、なんとか反応させてやる……!」


9 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:47:06.04 Qh8HeWSr0 7/125

(少女の前をうろうろ)

少女「…………」

(変な顔を見せてみる)

少女「…………」

(もっと変な顔)

少女「…………」

「あれ、なんだか気持ちいいかも……?」

少女「…………」

「そうだ。名案がある」


10 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:47:37.74 Qh8HeWSr0 8/125

「俺が脱いで見ればいいんじゃないか……?」

少女「…………」

「カチャカチャ」

少女「…………」

「脱ぎっ」


 ぽろーん


少女「…………」


「ああんっ」


11 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:52:01.67 Qh8HeWSr0 9/125


「くそ……。ダメだっ。俺は、俺はこの程度の男だったのか……」

少女「…………」

「あれ……揺れてる、地震か?」

少女「…………」


 ぐらぐら


「かなりでかいぞ、これは……。本が揺れて、棚から落ちそうだ。少女の位置、危なそうだな」


 ぐらり。ぽろっ。


少女「…………」


「!!!」


12 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:53:04.43 Qh8HeWSr0 10/125


「せいあー!」


 ばさ、ばさささ。


「ふう、なんとか本は少女に当らなかったぞ……」


少女「…………」


「無反応だと……?」


13 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:54:21.35 Qh8HeWSr0 11/125


「力の使いすぎで頭が痛くなってきた……」

少女「…………」

「それにしても、本当に人形みたいだな……。もしかしたら、少女も動かせるんじゃないか?」

少女「…………」

「いやいや、動物には使えなかったし、無機物しかダメなんだよな……。でも、もしかしたら……」

少女「…………」

「せいあー!」

少女「…………!!」

「あ、腕が動いた!?」

少女(てくてく)

「こ、こっちにきた」


14 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:54:55.21 Qh8HeWSr0 12/125


少女「……今の、あなた?」

「え、いや」

少女「……もし、そうなら、お願いがあるの」

「……警察に行く以外なら考える」

少女「……私を、動かして欲しい」

「そ、それはつまり、好きなように動かしていいと……」

少女「……私の心を動かして欲しい」

「心?」

少女「……そう、私の腕を動かしたように、私の心も動かして欲しい」


15 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:55:29.11 Qh8HeWSr0 13/125


「つまり、どういうことだってばよ」

少女「……やっぱりいい」

「え」

少女(すたすた)


「なんなんだ、一体……。今日はもう疲れたし、帰って寝るかな」


  ~夜~

「それにしても変な少女だったな」

「あれかな。厨二病っつーのかな。ああいうの。キャラ作りとかかね」

「あんなんじゃ、いじめられそーだよな。……それは、つらいよな」

「変な力なんか、ないほうがいいのに。何で憧れちゃうんだろうかね」

「例えば力があったとして、得意げに見せびらかしたって、ロクな結果になんねーよ。馬鹿が」

「寝よ寝よ。あー、嫌な事思い出しちった。こんなときは大体、あの夢を見るんだよな……」


16 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:56:01.50 Qh8HeWSr0 14/125

幼馴染「うわーん、やめてー。髪引っ張らないでー。痛いよー」

ツインテ少女「はぁ? 遊んでるだけでしょー」

ポニテ少女「そうそう。楽しいよねー」

イガグリ少年「また泣いてる。泣き虫ー」

さわやか少年「あはは。お前らまたやってんのか。そいつ触った手で俺を触るなよー」

幼馴染「うわーん」


少年「やめろよ。幼馴染に何やってんだ」


幼馴染「少年くんっ……」


少年「おら、さっさと行けよ。先生もうすぐ来るからな」


イガグリ「い、行こうぜ」

さわやか「大丈夫だよ。どうせ、呼んでねーから。同じ手に何度も引っかかるなよ」


少年「よ、呼んだって言ってんだろ」

さわやか「じゃあ、何で焦ってるんだよ」


17 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:56:34.50 Qh8HeWSr0 15/125

ツインテ「じゃあ続けよー」

ポニテ「泣き声がうざいんだよ」

幼馴染「えーん、えーん」

イガグリ「おらっ」

さわやか「腹蹴るなんて鬼だなぁ」


少年「いい加減にしろよ!」

少年「母さんにはダメだって言われたけど……、使うしかないよな」

少年「行くぞっ」


 ふわふわぁ


さわやか「石が、浮いた……?」

イガグリ「な、なんだよこれ」


少年「いっけえええ!」


 ひゅひゅん


さわやか「痛い、痛いっ」

イガグリ「な、なんだよこれ」

ツインテポニテ「うわーん」


幼馴染「……」

少年「いこうぜ」

幼馴染「……」


18 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:57:24.67 Qh8HeWSr0 16/125

 ~~翌日~~

少年「これで、俺の力を知られちゃったな。母さんはダメだって言ってたけど、いいよね」

少年「すごい力を持ってるんだ。見せない手はないさ。これで俺はきっとヒーローになれるんじゃないか?」


少年「おはよーっす」

クラスメイトたち「…………」

少年「な、なんだよ。この空気」


少年「なんだよこれ。おい、おかしいよな、友」

「あ、ああ。おはよう……。ごめん、勉強中なんだ」

少年「なんだよ、お前いつも勉強なんかしてねーじゃねーか」

「これからするんだよ!!!」


少年「……なんなんだよ」


19 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:57:56.96 Qh8HeWSr0 17/125

先生「では、隣の人と組んでアルコールランプを使っての実験をしましょう」

ツインテ「あ、さわやか君、一緒に組もうー」

さわやか「ああ、いいよ。君の隣は……だもんね」

ポニテ「三人でやろー」


先生「そこ、ちゃんと二人組を作ってください」


ツインテ「嫌です。少年くんとは組みたくないです」

先生「ワガママを言わないで、ちゃんとやりなさい」

ツインテ「絶対嫌です」

先生「……判りました。じゃあ、他に少年くんと組んでくれる人はいませんか?」

クラスメイトたち「…………」

少年「……」


先生「はぁ、じゃあ少年くん、先生と一緒に実験しましょうか」


少年(だっ)


先生「少年くん! 何処に行くんですか! 授業中ですよ!」


放課後

少年「くそ、誰も返事してくれねえ……。なんで、こうなったんだよ」

少年「幼馴染は今日休みだったな……。怪我でもしてないと、いいけど」

少年「お見舞いでもいくか」


20 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:59:09.98 Qh8HeWSr0 18/125

 ぴんぽーん

少年「あ、少年ですけど、幼馴染います?」

幼馴染母「それが、あの子ちょっと具合悪くて、悪いんだけど……」

少年「すぐ帰りますから、大丈夫ですよ」

幼馴染母「あ、ちょっと」


少年「幼馴染ー。大丈夫か? 怪我とかしたのか?」

幼馴染「……うん」

少年「だいたいお前なー、いつもオドオドしてるからダメなんだぞ。また何かあったら言えよな」

幼馴染「……大丈夫だから」

少年「大丈夫じゃねーだろ」

幼馴染「少年くんがいなくても、大丈夫だから!」

少年「え……」

幼馴染「だから、もう家に来ないで」

少年「な、なんでだよ。俺は、お前を助けて……!」

幼馴染「やめて! 少年くん、怖い。怖いの」

少年「俺は、俺はっ!」

幼馴染「やめて、やめてよ。……うわーん」

少年「なんで、なんでだよ!!」


21 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 13:59:50.90 Qh8HeWSr0 19/125


 バタンっ!


幼馴染母「少年くん! 何をしてるの!」

少年「なんで、なんでっ!」

幼馴染母「離れなさい!」

少年「ちくしょう、ちくしょう……!」


この後、近所から嫌がらせを受けて少年一家は追い出されてしまう。


~~~~


「はっ! はぁ、はぁ……。また見ちまった。さて、今日も高校サボってスカート捲りに行くか」


23 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:05:10.95 L1FT/FdnO 20/125

スカートって無機物か…?

24 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:08:25.01 Qh8HeWSr0 21/125

>>23
やべえ、無機物の定義おかしかったwww
命を持っていないものくらいの認識でお願いしたいw

~~~~

「ヒャッハー! 捲れろぉ! いっけえええ!」

女ども「きゃー! いやーん!」


「んー、くっそ。つまんねえ。なんでかな」

「そういや、昨日の変な少女。俺の力見てもビビんなかったな。あいつ何歳くらいなんだろ。中学生とかかな」

「……図書館に行けば、会えるかな」


「いないな」


きゃははは。


「図書館では静かにしろよ。うるせーな。スカートめくってやる」


26 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:12:17.94 Qh8HeWSr0 22/125

ショート少女「きゃはははぁ。放課後はいつもこんな所にいたんだ」

ロング少女「貴方がいないとつまらないのよね」

人形のような少女「……そう」


「あ、あれは、昨日の少女だ」


ショート「聞いてんのかよ。(どがっ)」

少女「…………痛い」

ロング「殴ったり蹴ったりも飽きてきたわね」

ショート「コンパスで刺してみるとかどう?」

ロング「いいわね。それ」

少女「…………」


「くそ、何やってんだ……。やりすぎだろ」

「止めなきゃ。……でも、また前みたいなことになったら……」


27 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:13:29.30 Qh8HeWSr0 23/125

ショート「こんな感じ?」(ぶすっ)


「に、二の腕に刺しやがった」


少女「…………」

ロング「うわー、また無表情。つまんないわねー。もっとぐちゅぐちゅやってみてよ」

ショート(クチ……クチ……)

少女「…………痛い」


「マジで、あいつ、何も感じないのか……?」

「でも、見てらんねーよ……! そうだ。力を使わなきゃいいんだろ」


28 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:14:05.22 Qh8HeWSr0 24/125

ショート「傷口ぐろーい」

ロング「一応赤い血が流れてるのね」


「何やってんだお前ら!」


ショートロング(びくぅっ!)


ショート「な、何もしてませんよー」

ロング「ちょっと、この子が怪我しちゃったみたいなのよね。じゃあ私たち行くから」


 だだっ


「逃げるのはえー……」

少女「…………」


「大丈夫だったか」

少女「……余計なことしないで」

「は……? またこのパターンか」

少女「……私は大丈夫だった」

(そうだ。世の中にロクな奴なんかいねーんだ。クズばっかりだよ。

  助けられたって礼のひとつも言わない。だから俺は……)


29 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:16:35.48 Qh8HeWSr0 25/125

少女「……でも、助けてくれたのは貴方の善意。だから、ありがとう」


「へ? 今なんて?」


少女「ありがとう」


30 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:18:21.06 Qh8HeWSr0 26/125

「いや、あのさ、お礼を言うなら何で余計なことだなんて言ったんだよ」

少女「……あの行為を続けられる事に意味があるから」

「あの行為って、イジメか?」

少女「そう。普通の人にとってイジメは痛くて辛いって聞いた」

「じゃあ、止めた方がいいんじゃないのか」

少女「でも、私は何も感じない」

「…………」

少女「アレは、私が感情を得るためのプロセス」

「……なるほど。つまり君はアレか。辛い経験を辛いって思いたくてやってると?」

少女「そう」

「馬鹿か。ああいうことをする奴らに、人の痛みは判らない。

  歯止めが利かなくなって、取り返しがつかなくなることもある。

  やるなら、せいぜい笑って済ませられるレベルにするべきだ」

少女「……スカート捲りとか?」

「そうだ」

少女「それも、どうかと思う」

「でも、あいつらは放っておけばエスカレートするだろ。そういうのは、ダメだ」

少女「だから、私には刺激が――」

「だったら! 俺が君の感情を取り戻す手伝いをしよう。昨日言いかけてたのは、そういうことだろ」

少女「…………うん」

「今度、一緒に出かけるぞ」

少女「……うん」


~~一章完~~


31 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:21:49.06 Qh8HeWSr0 27/125

~~自室~~

「さて、どうしたら少女の心を揺り動かせるかな……」

「わっけわからん。自慢じゃないが一度もデートしたことねーしな」

「そしてこれは自慢だが、今まで見たパンツの数は誰にも負けない」

「とにかく、何が言いたいかと言うと、少女をどうやって楽しませたらいいか判らん」

「姉ちゃんに相談してみっかな……。気まじぃなぁ……」


~~リビング~~

「姉さん、ちょっといいですか?」

「……男くんが話しかけてくるなんて珍しいですね。どうしました?」

「はい。それがですね。女の子と会うことになったんですけど、

  どうしたら、えーと、強い思い? まぁいいや。喜ばせられるでしょうか」

「……そうですね。遊園地とかどうでしょう。

  色々アトラクションがあって、いいんじゃねーか。……良いのではないでしょうか」

「遊園地ですか、わかりました」

「だけど、遊園地だと待ち時間がなげーから、

  ……長いので、会話が弾まないと難しいかもしれません」

「相手は無口な子なんですよ」

「無口なんですか。じゃあ、動物園とかはどうでしょう」

「判った……、判りました」

「頑張ってくださいね」


 俺と姉は、未だにまともに話す事ができない。



32 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:26:01.64 Qh8HeWSr0 28/125


~~~~


少年「ごめん、姉ちゃん、母さん。俺のせいで……」

「そーだよ。お前、変な力を人前で使うなっつっただろ」

「姉も責めないであげて。少年も悪気があった訳じゃないんだからね。

  たった三人の家族だから、仲良くしないとダメよ」

「……母さんがそういうなら……」


~~~~


「母さん、あんまり体調良くないんだから、無理すんなよ……。

  あたしが働くから、母さんは休んでなよ」

「不良だったアンタが、そこまで言ってくれるなんてね。

  でも、子供が要らない気を回すんじゃないの」

少年「母さん、俺が歳を誤魔化してバイトを……」

「はい、同じ事は二度言わせない。いいわね?(ニコッ)」


~~~~


「げほ、げほ」

「母さん、マジで無理だって。あたしに任せて……」

「げはっ……」

少年「母さん!?」

「おい、救急車!」

少年「うん!」


ぴーぽーぴーぽー。



33 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:27:11.55 Qh8HeWSr0 29/125


~~~~


医者「……どうしてここまで放っておいたんですか」

「母さんは、母さんは助かるんだよなっ?」

医者「……残念ですが」

少年「…………」


~~~~


「てめえ、てめえのせいでっ!(ガス、ガスッ」

少年「ごめん、ごめん……」

「さっきから謝ってばっかで、本当に反省してんのかよ!(ガッ)」

少年「い、いだい……」

「痛いじゃねーよ。母さん、お前のせいで死んだんだよ。

  母さんのほうが痛てーんだよ!」

少年「ぼ、木刀はやめて……」

「うるせえ!(ゴッ)」

少年「痛い、痛いよ……」

「うるせーっつってんだよ!(ガッガッ)」

少年「…………」

「何黙ってんだよ(ドゴッ」

少年「…………」

「お、おい……? 冗談はやめろよ」

少年「………………」


~~~~


34 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:29:07.49 Qh8HeWSr0 30/125

~~自室~~

「あん時はひどかったよなぁ……。

  同じ家から二人目の病人が来て、医者もびっくりしてたぜ」

「俺のせいで姉ちゃんにも迷惑かけてんだよな……はぁ」


「男くん。いますか?」

「なんでしょうか。姉さん」

「朝ごはん、食べてませんよな。……よね」

「食べてないけど」

「おにぎり作ってきましたから、食べてください。……感謝しろよな」

「ありがとうございます。……最後何か言いました?」

「言ってねーよ。……ないですよ。それじゃあ、あたしは部屋に戻ります」


(もぐもぐ)

「……しょっぺえ」


35 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:30:09.41 Qh8HeWSr0 31/125

~~街中~~

「と言うわけで、動物園に行こうと思う」

少女「……動物園?」

「そうだ。愛らしい動物たちにたくさん触れて、感情を取り戻すんだ」

少女「わかった」

「ところで、さっきから気になっていたんだが、バッグから覗いてる首はなんだ」

少女「これは、瑞樹」

「みずき?」

少女「おじいちゃんが作ってくれた人形」

「それにしては、随分すごいな。まるでプロが作ったみたいだ。ちょっと不気味だけど」

少女「私の家、代々人形造りとかしてる」

「なるほど」


36 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:30:44.37 Qh8HeWSr0 32/125

「ほーら、キリンさんだぞー」

少女「キリン」

「首伸ばしてるぞー。黄色の斑模様だぞー」

少女「キリン」


キリン「きりーん」


「ほら、可愛いだろ? どう思う?」

少女「……キリン」


「くっそ、だめか……」


37 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:32:24.17 Qh8HeWSr0 33/125

「ほらほら。ライオンさんだぞー」

少女「ライオン」

「格好良いタテガミだろー。あのライオンさんはイケメンだなー」

少女「そうかも」

「もっと近くで見てみようぜ」

少女(こくん)


ライオン「がおーん!!!」


「ひぃっっ!」

少女「…………」


「こ、怖かったぁ。怖かったよな?」

少女「……別に」

「いや、あれは怖かった。少女も怖かっただろ?」

少女「だから、別に……」

「怖かったはずだ」

少女「……じゃあ、そういうことでもいい」


40 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:52:31.64 Qh8HeWSr0 34/125

「ほらほらー。ゴリラさんだぞーう」

少女「……男」

「もっと近づいてみよう」

少女「だめ」

「どうしたー? ゴリラは怖いのか? くっく。よし、行くぞ」

少女「だめ。……腕を引っ張らないで」

「ほら、目の前にゴリラが」


ゴリラ「……」


少女「いいから、戻ろう」

「あっ、一人で戻りやがった……」


ゴリラ(ひゅっ)

(べちゃ)


「なんだこれ、くっせええええ」

少女「……あの看板、フンを投げるから近づいちゃダメだって書いてある」

「……ちくしょう」


41 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:58:15.78 Qh8HeWSr0 35/125

「はー。満喫した。楽しかったー」

少女「…………」

「ダメでしたか」

少女(こくん)

「それじゃあ、次こそ笑わせて見せるからな!」

少女「笑うんじゃない。感情が動けば、それでいい」

「どうせなら、楽しい方がいいだろ。次こそ、見てろよ?」

少女「……変な人だ」



42 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:58:46.27 Qh8HeWSr0 36/125


~~街中~~

「今日は映画館に行くぞ」

少女「……映画館」

「怖い奴にしたからな」

少女「うん」

「どうだ。怖くなってきたか」

少女「別に」

「見てるときに、もう出たいって言っても、手を離してやらないからな」

少女「……いいよ」



43 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 14:59:17.72 Qh8HeWSr0 37/125

~~映画館~~

「映画といえばポップコーンだ。よし、お兄さんの奢りだぞ」

少女「ありがとう」


 ざぷ~ん(東映のアレ)


「……ごくり」

少女「……ぽりぽり」


 どろどろどろ~


「……ドキドキ」

少女「……ぽりぽり」


 ででーん!


「……ひぃっ」(ぎゅ)

少女「……ぽりぽり。あ、ポップコーンなくなった」


「…………どきどき」

少女「……買いにいけない」


46 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:08:40.91 Qh8HeWSr0 38/125

~~街中~~

「よし、今日はカラオケだ!」

少女(こくん)

「少女はカラオケとか来たことある?」

少女「ない」

「カラオケっていうのはだな、音楽に合わせて歌を歌う所だ」

少女「それくらいは知ってる」

「いや、色々とルールがあるんだ。それを守らないと怒られる」

少女「それは知らなかった」

「それはだな……ごにょごにょごにょーり」

少女「……わかった」


47 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:09:40.03 Qh8HeWSr0 39/125

~~カラオケ店内~~

少女「イエーイ、皆乗ってるかーい。今日は私のために集まってくれて

   セーン、キュー」

「なんて棒読みなんだ。しかも無表情とか」

少女「ららら~」

「踊りを本能ままに踊るだなんて妄言をよく信じるよな……」

少女「ららら~」(くいっくいっ)

「こいつ、意外と面白い奴なんじゃぁ……」

少女「みんなー。もっとー。盛り上がってー」

「いやっほおおおぅ!」

少女「YEAH」

「YEAH!」


 がちゃり


店員「お飲み物お待たせしましたー」


少女「YEAH」

「や、やめて。少女。やめてー」


48 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:14:50.17 Qh8HeWSr0 40/125

「どうだった?」

少女「……男が私を騙していたということは理解した」

「ムカツク?」

少女「別に」

「……そうか」

少女「うん」

「今日もダメか」

少女「うん」

「次こそ、笑わせてみせる! ……そういや、今日もあの人形持ってるの?」

少女「瑞樹? うん。ある。ほら」


人形「……」


「気に入ってるの?」

少女「……わかんない」

「でも、いつも持ってるんだよね」

少女「……うん」

「おっけーおっけー。次の場所決めた」

少女「どこ?」

「楽しみにしておけよ?」

少女「うん」


49 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:16:08.39 Qh8HeWSr0 41/125

~~自宅~~

「ただいまー」

「おかえりなさい。男くん、最近、楽しそうですね」

「……そうでしょうか」

「はい。……良かったです。あの時以来、笑った顔は見てねー、……見てませんから」

「……はい」

「本当に、良かった」

「姉さんも、そろそろ忘れたらどうでしょうか。いえ、俺がこんなこと言うの、おかしいですよね」

「……ええ。ですけど、元通りにするには時間が経ちすぎましたし、色々ありました」

「そうですか……」


50 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:16:46.56 Qh8HeWSr0 42/125

~~街中~~

「今日は人形館だ」

少女「……人形館?」

「そう、人形がいっぱいいる所だぞ」

少女「うん」

「その人形にも、友達できるといいな」

少女「……うん」



51 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:19:50.17 Qh8HeWSr0 43/125

~~人形館~~

「うへえ、すごいなこれは。これだけ並んでると、呪ってきそうだ」

少女「……そんなことしない」

「わかるのかよ」

少女「……少し」

「ふうん。変な奴だな」

少女「男も、相当変な人」

「そうだな。あはは」

少女「……ふふ」

「いま、笑った?」

少女「笑ってない」

「そうか」


52 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:20:24.46 Qh8HeWSr0 44/125

少女「男、肩にごみついてる」

「お? どこ? ここ?」

少女「そこじゃない」

「とれた?」

少女「とれてない」

「とってくれないか」

少女「うん」

「お、おお……袖がまくれて……、って、痣……?」

少女「とれた」

「少女、腕に怪我とかしてる?」

少女「これ?(ぺろり) もう消えかけだから大丈夫」

「ほんとだ。うっすら青いくらいだ。イジメの時のやつ?」

少女「かもしれない」


54 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:27:44.29 Qh8HeWSr0 45/125

「静かだな」

少女「うん」

「今から少女をドキドキさせる」

少女「うん」

「おっぱいたぁーっち!」

少女「…………」

「…………」

少女「……触らないの?」

「いや、なんか、ごめん。……変だ。何で触れないんだろう」

少女「別に、どっちでもいい」

「……変だな」


きゃははー


55 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:28:19.63 Qh8HeWSr0 46/125

「なんだ、うるさいな」

少女「そう?」


金髪ギャル「ちょーうけるー。なんでこんなトコくるんだし」

黒髪ギャル「たまにはアリだよー。普段来ない場所とか楽しくない?」

金髪「まー、アリっつーことでー」

黒髪「うんうん」

金髪「ここすごい暗い雰囲気だしー、うちらが盛り上げるってことでー」

黒髪「ことでー」


「げっ、あいつらは……」

少女「どうかした?」



57 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:53:29.38 Qh8HeWSr0 47/125

金髪「あ、お前は、あの時の」

黒髪「おー。あの時のー」


「何の事だか判らないな」

少女「?」


金髪「デートとは一丁前に色気づいちゃって」

黒髪「ねー」

金髪「いいから金よこせよ」

黒髪「よこせー」


「なんのことだか」


金髪「てめー、あんまなめてんぢゃねぇよ?」(ゴッ)


「お、おい。展示ケースを殴るなよ」



58 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:54:03.09 Qh8HeWSr0 48/125

金髪「あーん? お前に言われるまでもねーっつーの」(ゴッ!)


 ぐらぐら


黒髪「あ、中の人形が……ゆれてる」

金髪「あ……」


 ごろり


金髪「あ、あたし知らなーい」

黒髪「あたしもー」


「逃げやがった……」


60 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:54:42.27 Qh8HeWSr0 49/125

「とりあえず、元に戻すか……」

少女「戻す?」

「ふんっ!」


 ふよふよ。ぽとん。


少女「……元の場所に戻った」

「まあな」

少女「人形が男に、ありがとうって言ってる」

「へ?」

少女「造られてから長い時間が経った人形は、意志を持つ」

「う、うん」

少女「それで、ありがとう、って言ってる」


「……変な奴」

少女「ふふ」

「やっぱり、笑った」


62 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:56:19.07 Qh8HeWSr0 50/125

優しそうな男「おや、少女さんではありませんか」

少女「…………」

優しそうな男「こんな所で奇遇ですね」

少女「なんで」

優男「なんで僕がここにいるか、ですか? 僕の造った人形が展示されているからですよ」

少女「そう」

「あ、えーと、知り合い?」

少女「うん」

優男「私、少女の婚約者で、婚約者と言います。私の少女がお世話になってるみたいですね」

「え、婚約者?」



63 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:57:51.75 Qh8HeWSr0 51/125

婚約者「はい」

「結構年齢が離れてるみたいですが……」

婚約者「ええ、僕は元々彼女の家で人形造りを学んでいたんですよ」

「なるほど」

婚約者「自分で言うのも恥ずかしいのですが、弟子の中で一番才能がありましてね」

「ふんふん」

婚約者「彼女が産まれる前から結婚が決まっていたんですよ」

「そう……、なのか。でもそうすると、少女の意志はどうなる」

婚約者「勿論心配ですよね。少女が十五のときにもう一度少女の意志を確認する約束でした。

    そして少女がOKしてくれたので、僕たちは晴れて婚約者なんです」

「そう、だったのか。本当なのか? 少女」

少女「うん。全部本当」

婚約者「では、少女。行きますよ」

少女「……うん」

「ちょっと待ってくれ。今少女は俺と――」

婚約者「一応、僕のフィアンセですから。

    そろそろ暗くなりますし、他の男と一緒というのは少々ね」

少女「……男、ごめんね」

「あ、ああ……」



「……なんなんだよ。……少女、顔色悪かったな」


64 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:58:26.18 Qh8HeWSr0 52/125

~~自室~~

「くっそ、むかつくな」

「でも、少女は俺の彼女とかじゃないしな……」

「婚約者いたらそっち優先で当たり前だし」

「あー、むかつく!」

「つか、どしたらいいのよ。少女に笑顔を取り戻す約束、果たしたかったな」


「男くん。晩御飯のおにぎり、ここに置いておきますね」

「ありがとうございます。姉さん」


65 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 15:59:11.00 Qh8HeWSr0 53/125

~~~~

「……メール返ってこねーし、どうすっかな。電話してみるか」


 Prr Prrrr

 ただいま、電波の通じないところにいるか、

 ――プチ。


「図書館にもいねー」


「つーか、俺軽くストーカー状態じゃねーの」


「よーし、いっちょ景気づけにパーッとスカートでも捲るか」


66 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:00:43.48 Qh8HeWSr0 54/125

~~~~

「最近、男くん元気ないですね」

「はい、色々ありまして」

「この前デートした女の子と何かあったのか? ……ありましたか?」

「……少しだけ」

「そうですか。……今は辛いかも知れませんけど、時間が解決してくれますよ」

「はは、そうですね」

「大体のことは、時間が解決してくれます」

「あれから数年経ってもぎこちない姉さんが言ってもね」

「……っ!」

「いえ、すみません。何でもないです。気にしないでください」

「ええ。そちらも早く忘れるように」


67 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:01:58.38 Qh8HeWSr0 55/125

~~街中~~

「マジ暇……。あー……」

「やることねえな……」

 ゆがっためーる! ゆがっためーる!

「お、メールだ。……なんだ、姉さんか」

「友達の家に行ってて、今日は帰ってこないのか」

「今日は遊ぶぞー!」

「それにしても、ガキが多いな。……そうか、もう夏休みなのか。にしては、今日は冷えるな」

「台風が近づいてきてるからかな」


「スカートめくり、飽きたな……」


69 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:07:11.18 Qh8HeWSr0 56/125

~~部屋の前~~

「もう深夜一時か。プラプラしてたら、こんな時間になっちまった」

「鍵鍵ィ~っと。あれ、玄関の前に誰か座ってる」

少女「…………」

「え……?」

少女「…………」

「おまえ、なんで部屋の前で座ってるの……?」

少女「前聞いたマンションの名前から、調べた。表札一個一個見て、ここだって思った」

「いやいやいや、そういう理由を聞いてるんじゃないよ」

少女「へくちゅっ」

「あー……、お前どんだけここにいたんだよ」

少女「……」

「指を折って数えてる……。五本? 五分だよな?」

少女「……」

「五十分とか?」

少女「……五時間」

「はぁ……。メールしろよ」

少女「携帯なくなった。……へくちゅっ」

「とりあえず、家ん中入れ」

少女(こくん)


70 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:08:15.11 Qh8HeWSr0 57/125

「とりあえず、風呂入れ」

少女「……」

「べ、別に手を出したりしねーよ」

少女(こくん)

「とりあえず着替えは……、姉ちゃんのを、いや、でもなぁ……」

少女「……」

「とりあえず、俺のTシャツと短パン貸す、でいい?

  嫌だったら姉ちゃんの持ってくるけど……」

少女「男のでいい」

「もうすぐ風呂の湯がたまるから、先にシャワーだけでも浴びとけ」

少女(こくん。すたすた)


「……なんか変だな。いつも以上に無口というか」

「携帯なくしたっつってたし、また学校でイジメられたのかな」


71 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:10:22.58 Qh8HeWSr0 58/125

少女(ほかほか)

「お、出たか。じゃあ俺も入ろうかな……って、おい!」

少女「?」

「どうしたんだよ、その腕と足……」

少女「……」

「赤くはれたり、青くなってたり、なんだよ……。痛く、ないのか?」

少女「痛い」

「じゃあ、病院へ行こう」

少女「だけど、平気」

「なんで」

少女「痛いことは知覚できるけど、なんとも思わない」

「…………」

少女「痛覚はある。だけど、心が何も感じない。

   それは、何もないのと同じ。あと、病院はだめ

   ……そう、言われてるから」


73 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:12:04.33 Qh8HeWSr0 59/125

「確かにいじめが公になったら、余計ひどくなるかもしれないし。

  状況がわからないうちは、何もしないほうがいいよな……」



「さて、寝るか……。客間に布団敷いて置いたからな」

少女(ぎゅ)

「……俺のパジャマを掴むな。客間は嫌なのか?」

少女(こくん)

「げへへ、じゃあお兄ちゃんと一緒に寝るかー?」

少女「……うん」

「マジかよ」


75 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:14:45.87 Qh8HeWSr0 60/125

「あんまりくっつくな」

少女「うん」

「お前は、…………婚約者がいるんだろう」

少女「その話はダメ」

「そうか(手を出しちゃダメだ手を出しちゃダメだ手を出しちゃダメだ手を出しちゃダメだ手を出しちゃダメだ)」

少女「うん……」


少女「Zzzz」

「寝れねえ……」


76 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:17:01.83 Qh8HeWSr0 61/125

(やべえええ。目の前にいる少女かわいいいいいいい)

少女「Zzz」

(抱きしめたい。それがだめなら、おっぱい……は、ないな。がっかり)

少女「Zzz」

(ちょ、ちょっとくらいなら……)

少女「ダメ……」(ごろん)

「うわっ」

少女「Zzz」


「寝言か……」


77 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:18:51.14 Qh8HeWSr0 62/125

 ズオー。

「朝か……。あれ、少女は……?」

 ズオー。

「掃除機の音……?」

「うおお、家の中がめがっさ綺麗になっとる……」

少女「……おはよう」

「……頬を染めないでくれ。勘違いしそうになる」

少女「ダメなら、気をつける」

「おう」


78 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:19:33.59 Qh8HeWSr0 63/125

「少女の作ってくれたメシうめー……」

少女「良かった」

「あまりモノで、よくこんだけ出来たな」

少女「……うん」

「家事が万能ってすごいよな。昔から得意だったのか?」

少女「…………」

「言いたくないなら、別にいい」

少女「小さい頃から、仕込まれたから」

「そうか」


80 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:23:42.94 Qh8HeWSr0 64/125

「そろそろ家に帰った方がよくないか?」

少女「やだ」

「……むぅ、未成年者略取誘拐か」

少女「がんばって」

「なんていうか、お前やっぱり感情あるだろ」

少女「ない」

「そうか?」

少女「うん。全部どうでもいい」

「そうか」

少女「男もどうでもいい」

「……そうか」

少女「最後のは、嘘かもしれない」

「え」

少女「えへ」

「か、かわいい……」


83 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:40:22.64 Qh8HeWSr0 65/125

「にしても、女子中学生と一緒に泊まったとか、知り合いにバレたら危険だな」

少女「そうなの?」

「そりゃそうだろ。ロリコン扱いされることは必死だ」

少女「……ロリコン」

「……何か忘れてるような気がする」


「ただいまー」


「Σ」

少女「?」


「……男くん。こんな小さな子を家に連れ込むなんていい度胸ですね」

「あの、そのですね、これには深い訳がございまして」

「深い訳? とりあえず、あたしは不快だわ」

(ああ、昔の姉さんが戻ってきてる気がする……)


少女「……誰? 男の恋人?」


84 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 16:41:08.43 Qh8HeWSr0 66/125

「俺の姉さんだよ」

「はっ……。すみません。取り乱しました」

「こっちこそ、すみませんでした……」

「ええ、男くんが楽しそうで良かったです」

「ありがとうございます」

「それでは、私は部屋に戻りますね」

「わかりました」



少女「……本当に姉弟?」

「いちおう」

少女「普通はもっと、遠慮しないって本に書いてあった」

「……そうなんだけどね。色々あったんだ」

少女「……そっか」


「ちょっと俺、買い物行ってくるわ。……また料理頼んでもいいか?」

少女「うん」


89 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 18:49:29.22 Qh8HeWSr0 67/125

(キョロキョロ)

「男は行ったみたいだな……」


「ちょっと。少女。ちょっと」

少女「……なに?」

「いきなりタメ口とは、いい度胸だ……。

  ずっぱり聞くけど、男とどういう関係?」

少女「……なんだろう?」

「付き合ってる?」

少女(ふるふる)

「じゃあ、身体だけの関係?」

少女(ふるふる)

「昨日男となんかした?」

少女「……一緒に寝た」

「……あいつロリコンだったか」

少女「そういえば、自分でもロリコンかもって言ってた」

「救いようがないな」


90 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 18:50:00.03 Qh8HeWSr0 68/125

「少女、その服、男の趣味?」

少女「……借りた」

「Tシャツに短パンってどうなんだ……。

  あたしの服貸してやるから、おいで」

少女「うん」


「おおー。似合うじゃねーか」

少女「……」

「これも、これも、これも着てみて」

少女「……」

「いいねいいねー」

少女「……胸があまってる」

「……昔のあたしより小さいとは、可哀想に」


91 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 18:50:59.85 Qh8HeWSr0 69/125

「ただいまー」

「おかえりなさい」

少女「……おかえり」


「すみません、姉さん。なんで少女が特攻服なんか着てるんですか」

「あたしのおさがりですよ」

少女「……似合う?」(ぴらぴら)

(スカートのすそが余ってて可愛い……)

 「はっ、いかんいかん」

「あの格好じゃ可哀想だと思ったんですよ。もしかして、迷惑でしたか?」

「あ、いえ、そういう訳ではないんですけど……」

「では、普通の服を持ってきますね」

「お願いします」


少女「やっぱり変……。とりあえず、晩御飯つくろう」


「それにしても、少女の顔が明るくなってきたな」



92 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 18:53:42.12 Qh8HeWSr0 70/125

「あー! うまかったぁ! 失礼しました……おいしかったですね」

「ええ。少女の料理は絶品ですから」

「……そうですね。私はお風呂に行ってきます」


「さて、もう夜だけど、どうする?」

少女「……今日も泊まりたい」

「家には連絡を入れたのか?」

少女「……入れないと、ダメ?」

「昨日は連絡を入れてるかと思ったけど、

  どうも入れてる様子がない。

  ちゃんと連絡しないと家族が心配するぞ」

少女「家族……いない」

「え」


93 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 18:58:18.73 Qh8HeWSr0 71/125

「どういうことだ?」

少女「…………」

「しっかり言ってくれないと、この家には置いておけないよ」

少女「…………お父さんとお母さんは、

   昔、才能がないからって、おじいちゃんに追い出された」

「ああ」

少女「私は、残された」

(…………重くて返事がしづらいな。スカートでもまくって明るくしたほうがいいのかな)

少女「でも、私にも人形造りの才能はなかった。だから、今は、人形のモデルになった」

「……爺さんのか?」

少女「ううん。おじいちゃんはもう、一人で起き上がれない」

「じゃあ」

少女「……そう。婚約者。あの人しか、家にいない」

(やっぱり、どう見ても嫌がってるよなぁ……)


ぴん、ぽーん。


「……誰か来たみたいだ」


94 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:03:49.34 Qh8HeWSr0 72/125

婚約者「夜分遅くに失礼します。こちらに、僕の少女がお邪魔してると思うのですが」

「……こんばんは。……勘違いじゃないですか? うちに少女はいませんよ」

婚約者「そうですか。では、失礼しました」

「ほっ」

婚約者「おや。そこにあるのは少女の靴ですよね……?」

「!」

婚約者「あっはっは。男くんはご冗談が好きみたいですね」

「……どうしてここが判った?」

婚約者「愛の力ですよ」

「…………」

婚約者「いえいえ、引かないでください。今のは嘘ですよ。

    彼女のカバンに入ってる人形が、教えてくれたんですよ。くふ」

(ぞくっ)


95 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:05:55.88 Qh8HeWSr0 73/125

(こいつ、目がイってる……)

婚約者「少女はどこです? 隠すとためになりませんよ?」

「それにしても、でっかいカバンですね」

婚約者「下手な話の逸らし方ですね。…………中身、見ます?」


 がばっ。


「な……。でっかい人形と、小さいのがいっぱい……?」


婚約者「少女を隠すと、君をこの人形で殺しちゃおうかなあ」

「……はぁ?」

婚約者「いえね。日本っていうのはいいですよね」

「……?」

婚約者「人を呪い殺したとするじゃないですか」

「いきなり、意味がわからん」

婚約者「警察には逮捕できないらしいんですよ。物証がないとダメだとか」


97 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:09:26.88 Qh8HeWSr0 74/125

「その人形を使って、俺に丑の刻参りでもするのか? 丑の刻にはまだ早いぜ」

婚約者「ああ、それもいいですね。ありです。ありですよ。でも、そうじゃない」

「?」

婚約者「こういうの、どうです?」


 ふわふわぁっ。


「人形が動いた……!? 俺と、同じ力……?」

婚約者「人形でね、首を絞めるんです。面白いでしょう? 誰も立証できない殺し方だ」


 ひゅぅん!


「ぐっ……、苦しい……」

婚約者「そろそろ、少女を出してくれません?」


「俺にもね、同じ力があるんですよ……! いっけええ!」


 ひゅひゅん。


婚約者「靴が飛んできた……。僕を守れ人形!」

「人形が動いて防いだ……?」


婚約者「ああ、PKですか。こんな所で会うなんて珍しい」


98 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:11:40.03 Qh8HeWSr0 75/125

「PK・・・?」

婚約者「PyschoKinesis。念力ですね。ただそれには弱点があったはずです」

「……」

婚約者「連続活動可能時間が、極端に短いんですよね」

「お前のも、同じじゃないのか」

婚約者「僕のはね、人形に協力してもらってるんですよ

    ほら、こんな風に」


  ぎりぎり


「ぐぅ……っ。こっちも反撃だ。いけえええ!」


 ひゅひゅん!


婚約者「だから、無駄なのに」

「ぐう……頭が痛い……。いけっ! いっけええー! くそ、なんで行かないんだ」

婚約者「限界みたいですね」

「うるせえっ!」

婚約者「あんまり口が悪いと、殺しちゃいますよー?」


少女「やめて」


99 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:12:48.47 Qh8HeWSr0 76/125

婚約者「やっと出てきましたね。愛しい少女さん」

「少女は引っ込んでろ!」


少女「引っ込まない」

婚約者「さ、帰りましょう」



少女「うん」



「な、なんでだよ。もっとここにいろよ。家、辛いんだろうがっ」


少女「別に、そんなことない」


「俺の家に来てから、楽しそうにしてたじゃねーか!」


少女「別に楽しくなんてなかった」


「え」


少女「あれは実験」


100 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:13:28.99 Qh8HeWSr0 77/125

「どういうことだよ」


少女「笑っていれば、楽しくなってくる。そういう研究結果がある。

   だから私は、楽しいフリをしていた」


「……楽しい、フリ」


少女「うん。そう。男が浮かれて、面白かった」


「俺を、騙していたのか」


少女「うん」


「……なんなんだよ」


少女「……じゃあね」


101 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:14:57.49 Qh8HeWSr0 78/125

「少女……!」


少女「あんまり、名前を呼ばないで。…………さ、帰りましょう」

婚約者「おや、少女が腕を絡めてくるなんて、初めてですね。これは嬉しい」

少女「行こう」

婚約者「ええ、それでは。男くん。さようなら。トドメです」


 ひゅんっ。


「ぐ……」

「男くん。玄関で騒がしくしたらダメですよー」

「……」

「お、おい。どうしたんだ……!?」



102 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:17:08.41 Qh8HeWSr0 79/125

「男? おい、男。返事しろよ。またかよ。またなのかよ」

「…………」

「くそぉ……」


婚約者「やれやれ。目撃者がまた増えてしまいましたね」

「よくも人の弟をヤってくれたな。覚悟は出来てんだろーな。ああん?」

婚約者「消えてもらいましょうか」

「行くぞてめえ!」

婚約者「口の悪い……」


 ひゅひゅんっ。


「うるせえ!」

婚約者「人形を掴んで引き裂いた!?」

「ガタガタうるせーよ!」


103 : 以下、名... - 2010/08/14(土) 19:18:07.14 Qh8HeWSr0 80/125

「ガタガタうるせーよ!」

婚約者「では、数で勝負です」


 ひゅひゅひゅんっ。


「げふ」


婚約者「さて、二人ともトドメをさすとしましょうか……」

少女「……だめ」

婚約者「……少女、僕に逆らうんですか?」

少女「違う。この二人は、変な力を持ってる。だからきっと、言いふらさない」

婚約者「そうですね。僕の少女がそう言うならそうでしょう。

    ですが……、口答えしないでくださいよ。君は僕のお人形なんですから」


   ドカッ


少女「……けほ」

婚約者「さあ、帰りましょう」

少女(こくん)

婚約者「ところで、あの男に手はつけられてないですよね?」

少女「……手?」

婚約者「大丈夫そうですね。綺麗な人形には処女性が大事なんですから、

    気をつけてくださいね」

少女「…………」


~~二章完~~


126 : 1 - 2010/08/15(日) 02:41:14.51 jbmpe9qF0 81/125

「……どうするべきかな。何もわかんねえ」

「結局、少女は何だったんだ?」

「苦しんでたのか、悲しんでたのか、それとも俺を馬鹿にしていただけだったのか」

「何も判んねーよ……」


「男くん。もう起きてたんですね。……大きな怪我がなくてよかった」

「ええ……」

「昨日の奴は、なんだったんだ……んでしょうか?」

「少女の婚約者だってさ」

「……あの子か。婚約者の目、あれヤバいよ。すっげー壊れてます」

「……うん」

「あたしが今までバトった中にも、あんなのいませんでした。……少女ちゃんは彼についていったんですよね」

「少女は、どう思ってたんだろう」

「……付き合いの少ないあたしには判りません。男くんのほうが詳しいんじゃないでしょうか?」

「……わかんねえ」

「あの子の考えは判らねー……判りません。だけど、あたし個人としては、もう男くんは関わらない方がいいと思います」

「なんで」

「もう、家族に危ない目にはあってほしくないから」

「それは、俺もですけど……」

「違います。あたしは、あたしの家族以外はそんなに重要じゃないんです。

  少女は確かに嫌いじゃなかったですが、……男の方が大事だ、です」



127 : 以下、名... - 2010/08/15(日) 02:41:59.08 jbmpe9qF0 82/125

~~人形師の家~~

少女(……男、どうしてるかな)


婚約者「おはようございます。少女さん」

少女「……おはよう、ございます」

婚約者「今、何を考えていました?」

少女「いえ、何も」

婚約者「人形に感情は要らないって、前から言ってるでしょう」


 ドガッ


少女「けほ」

婚約者「その顔は何ですか? 僕はそんな顔は見たくないんですよ」

少女「……ごめんなさい」

婚約者「せっかく躾けたのに忘れてきて。お前はダメな人形ですね」

少女「……」


少女(前は平気だったはずなのに、どうして今はこんなにも痛いんだろう)


128 : 1 - 2010/08/15(日) 02:43:41.80 jbmpe9qF0 83/125

少女(でも、これが一番いい)

少女(今まで通りになるだけ。男に迷惑はかけたくない)

少女(私がわがままを言えば男が迷惑をする)


婚約者「僕の言葉が聞こえなかったんですか?」

  ガツッ


少女(元々あの人はただ通りすがった、ただそれだけの人)

少女(私との道は一瞬交差しただけ。すぐ離れて、見えなくなる)

少女(痛くない)


婚約者「聞いているんですか……おい」

  ゴッ


少女(痛くないのに、何で涙が止まらない?)

少女(理解できない)

少女(男、怪我してないといいな……)


130 : 1 - 2010/08/15(日) 02:46:37.64 jbmpe9qF0 84/125


~~男家~~

「姉さん……。いや、姉ちゃん」

「な、なんですか、急にそんな喋り方……」

「母さんのことは、本当に申し訳ないと思っている。ごめん」

「……」

「ごめん」

「あたしだって、アンタをボコって悪かったと思ってるよ」

「なかったことには出来ないけど、今だけは水に流したい」

「お、お、おう……」

「それで、もう一個頼みがある」

「……なんだよ」

「多分俺は今から危ない事をしようとしている。見逃して欲しい」

「少女を助けに行くのか」

「うん」


131 : 1 - 2010/08/15(日) 02:47:16.52 jbmpe9qF0 85/125

「……なんでだよ。少女がどう思ってるか判らないっつったじゃんか。

  それなのに行くのかよ」

「……少女が本当に俺を馬鹿にしてたのなら、それでいい。

  けど、もし、あれが本当じゃなかったら……」

「馬鹿かよ……」

「昔のヒーローごっこの続きがしたいんだ」

「……」

「今度こそ、感謝されて帰ってくる」

「……んな目ェすんなよ。反則だろうが」

「頼む」

「……あたしに内緒で行きゃいいのに、許可求めるあたり、

  お前かなりのシスコンだよな」

「勝手に行ったら、姉ちゃんが後で後悔するかもしれないじゃんか」


133 : 1 - 2010/08/15(日) 02:48:48.22 jbmpe9qF0 86/125

「ああ? おまえ、あたしが後悔するかもって何する気なの。

  どっちにしたってお前が危ない目に遭えば後悔すんだよ。馬鹿か」


 ぐりぐりぐり


「姉ちゃん、痛い、痛い、痛い」

「……でもま、今回だけ許す」

「それで、姉ちゃんにもう一個お願いが……」

「お前何個お願いあんだよオイ」


 ぐりぐりぐり


「痛い、痛い、痛いよ!」


134 : 1 - 2010/08/15(日) 02:51:05.49 jbmpe9qF0 87/125

「喧嘩の仕方を教えて欲しいんだ」

「喧嘩ァ?」

「うん、そう」

「相手の目ェしっかり見て、バビってやってバッだよ」

「ええ……?」

「相手から目ェ放さない事。したら見えてくることも多いからな」

「う、うん」(役に立ったような、立たないような……)



135 : 1 - 2010/08/15(日) 02:51:57.84 jbmpe9qF0 88/125

~~外~~

「あとは、能力の把握だな……」

「あの石を……ふんっ……」


 ふよふよ。


「俺が動かせるのは、十キロくらいの重さが限界か。

  重ければ重いほど速度は遅い。軽ければ軽いほど速いみたいだ。てあっ」


 しゅん。ぽてん。


「距離は十メートルくらいまでか。勢いつけりゃ、もっと飛ぶな」


136 : 1 - 2010/08/15(日) 02:52:28.31 jbmpe9qF0 89/125

~~人形屋~~

「あとは、あの男の人形は操れなかった。

  なんでだろう……。他の人形でも試してみるか」


「ていっ」


 ふよふよ。


「浮くのと、浮かないのがあるな……。

  大量生産品っぽいのが浮いてて、高そうなのは浮いてない。

  どういうことだろうか」


「よくわかんねーな……」


「お、でも、高そうな人形も服は動いてる」


「ううむ……。とりあえず、こんなもんか」


「だけど、子供のときより能力上がってるな……。

  なんでだろうか。身体が成長したから?

  それとも、スカート捲りで使いまくったからか?」


「スカートめくりで成長したとか、笑えるな」


137 : 1 - 2010/08/15(日) 02:54:42.34 jbmpe9qF0 90/125

~~人形師の家~~

少女(私は人形、何も見えない感じない。思わない考えない)


婚約者「うんうん、いいですよー。そういうのがベストです」


少女(私は人形、引き裂いても中身がこぼれるだけ)


婚約者「ちょっと腕を切ってみましょうか。人形は何も思いませんよね」


 ツツ……。たらたら。


少女(糸で縫ったら元通り。壊れてもパーツを替えればいいだけ)


婚約者「うん。その表情です。一ミリも変わらない。素晴らしいですね」


少女(……前にも、こんなことがあった気がする)


140 : 以下、名... - 2010/08/15(日) 03:01:24.43 jbmpe9qF0 91/125

「という訳で姉ちゃん。行ってきます」

「場所はわかってんのか?」

「愛の力で」

「ほう」

「……具体的には、前に会えなくなったときに、

  いじめっ子っぽいクラスメイトから聞き出した」

「ストーカーじゃねえか」

「ある意味アレも愛の力では」

「……うん、まぁ、ちょっと引いたわ」


141 : 1 - 2010/08/15(日) 03:02:43.87 jbmpe9qF0 92/125

「ま、行ってきますよ」

「おう。行ってこい。……あのな」

「え?」

「一応聞いておくんだけど、あたしの力いるか? 喧嘩はそこそこ得意だぞ」

「……いや、大丈夫」

「だよな。がんばれよ」

「うん」

(ここであたしが巻きこまれちまえば、男絶対気にするしなぁ……。

  手伝ってくれって言ってくれよ。その方が楽なんだ)

「あ、でも」

「お、なんだ? 何でもいいぞ」

「木刀貸してくんない? あの漢字で『夜露死苦』みたいな恥ずかしい文字が入った奴」

「……お前は、最後まで締まんねーやつだな」


 ぐりぐりぐり


「姉ちゃん、痛い、痛い、痛い」


142 : 以下、名... - 2010/08/15(日) 03:05:18.36 jbmpe9qF0 93/125

「ちゃんと無事で帰ってくること。約束だ」

「うん」

「ほれ」

「え?」

「指きりだよ。指きり」

「……この歳んなって?」

「いいから手ぇ貸せ」

「痛い、待って、姉ちゃん、腕がねじれてる」

「ゆーびきーりげーんまん。嘘ついたら……承知しねーぞ、おい」

「いたい、いたい、いたい」

「ちゃんと無事で帰ってくること」

「いま、たった今、指が外れそうになってますよ姉ちゃん!」


143 : 1 - 2010/08/15(日) 03:07:37.24 jbmpe9qF0 94/125

~~人形師の家~~

「でっけえ……。二階建ての一軒屋で、離れに庭までついてやがる」

「ちょっと郊外とはいえ、これはなかなか……」

「正面から行くのもアレだね。忍び込むか」


(こそこそ)


(窓から覗いて……っと、この部屋にはいないな)

(この部屋にもいない……)


「……いた」


少女「…………」(ぼー)


「あいつ、ボロボロじゃねーか」


144 : 1 - 2010/08/15(日) 03:11:02.95 jbmpe9qF0 95/125

「せえいっ。っと。よし。鍵は外れたな」


 がらり。


「窓からお邪魔するよ」


少女「…………」


「少女?」


少女「…………」


「おい、どうしたんだよ。俺が判るか? 見えてるか?」


少女「…………」


「助けに来たんだ。逃げよう」


少女「……要らない」


「え」


146 : 1 - 2010/08/15(日) 03:19:59.47 jbmpe9qF0 96/125

少女「私、言ったはず。貴方の助けなんか要らないって。

   楽しかったのは嘘だったって」


「少女……」


少女「なんで、ここに来たの」


「……」


少女「来ないで、……来ないでよ」


「……」



147 : 1 - 2010/08/15(日) 03:21:50.86 jbmpe9qF0 97/125

少女「楽しさなんて思いださなければ良かった。辛さなんて思い出さなければ良かった」


少女「そうしたら、私は平和でいられたのに」


少女「男に出会ってから、私おかしい。おかしくなった。壊れちゃったの」


「おかしくなんてないだろ」


少女「おかしいよ。なんで私だけ、こんなに辛いの」



少女「なんで……」


148 : 1 - 2010/08/15(日) 03:25:02.17 jbmpe9qF0 98/125

「おかしくない。楽しかったら笑って、辛かったら泣いて、

  苦しかったら逃げ出して、痛かったら助けを求めればいい」


少女「……辛いのやだ」


「そこから抜け出そうとするために、痛みは、辛さは、苦しさはあるんだよ」


少女「痛いの」


「うん」


少女「すごく、すごく痛いの」


「そうか」


少女「心も、身体も、すごく痛いの」


「……うん」


少女「…………………………助けて」


「……任せろ」




婚約者「何を、しているんですか?」


149 : 1 - 2010/08/15(日) 03:29:24.11 jbmpe9qF0 99/125

婚約者「君はみっともない間男だ。主人のいない間に勝手な事をして。

    ハイエナより品性に欠け、溝鼠よりも汚い。

    蚊の様に煩わしく、盛った猫のようにうるさい」


「お前……!」


婚約者「男くん、君は感動のシーンごっこがしたかったんですか?」


「お前に言ってるんじゃない。少女に言ってるんだ」


婚約者「じゃあ、少女に聞いてみましょうか?」


「何をだ」


婚約者「ねえ、少女。僕と男くん、どっちと一緒にいたい?

    どう答えればいいか、わかってるよね。僕のお人形さん」


少女「…………婚約者」


150 : 1 - 2010/08/15(日) 03:33:40.70 jbmpe9qF0 100/125

「お前、少女はあんなに震えてるじゃねーか。脅してるだけだろうが」


婚約者「けど、少女が選んだのは僕です。僕はね、君のさっきの台詞に虫唾が走りました。

    辛かったら泣けばいい? 醜く泣いて、誰かが助けてくれると思うんですか?

    苦しかったら逃げ出せばいい?

    無様に逃げ出すような人間は背中から刺されるだけです。

    痛かったら助けを求めればいい?

    馬鹿じゃないんですか。弱みを見せた人間は食い物にされるだけです」


「おまえ……!」


婚約者「僕は君の生い立ちは知りません。

    ですが、随分と生暖かい育て方をされてきたんですね

    優しく、母親の胎内のような場所でぬくぬくと」


「お前に俺の何が判る」


153 : 1 - 2010/08/15(日) 04:01:17.09 jbmpe9qF0 101/125

さるさん解除きたああ

……実は生理的に無理って言われたのかと思って焦ってたww



~~~~

婚約者「反吐が出そうなくらいに、甘ったれた考えの持ち主ってことくらいですかね。

    世の中は都合よく助けてくれる人なんて、いないんですよ」


「……俺が助ける。少女は、俺が」


婚約者「いい加減に黙ってください。行きなさい、人形」


 ぶわわっ。


「くそ、この中じゃ不利だ……! いったん外に逃げる!」


 ばっ。


婚約者「待ちなさい」


155 : 1 - 2010/08/15(日) 04:08:27.13 jbmpe9qF0 102/125

婚約者「どこへ行きました?」


「遮蔽物の陰から、石を飛ばせば……! いけっ」


 ひゅひゅんっ


婚約者「人形。盾になりなさい」


 どふっ。

人形「……」


「ダメか……!」


婚約者「そこですか」



157 : 1 - 2010/08/15(日) 04:12:14.36 jbmpe9qF0 103/125

「次は、木刀で殴りかかる……!」


「せええいっ!」


婚約者「人形。盾になりなさい」


 どふっ。

人形「……」


「と見せかけて、いっけえええ!」


婚約者「なっ……、木刀でひきつけておいて、後ろから岩を……!」


「ふ」


婚約者「……なんて、引っかかると思いましたか? 僕の人形は一つじゃないんですよ」


「くそ……」


158 : 1 - 2010/08/15(日) 04:15:24.53 jbmpe9qF0 104/125


婚約者「行きなさい、人形!」


包丁を持った人形「…………」


「マジか……。人形に包丁を持たせてやがる」


 ひゅんっ!


「あっぶねえ……!」


婚約者「はっは。怖いんですか? でしたら目を瞑ったら如何です?」


「くっ、いってえ……。頬が切れた」


婚約者「僕の勝ちですかね」


161 : 1 - 2010/08/15(日) 04:23:35.77 jbmpe9qF0 105/125

「そういえば、姉ちゃんが言ってたな。目をそらすなって」


婚約者「行きなさい、人形っ」


「目線が動いた。……なんとなく、来る場所が判る。避けられるぞっ」


婚約者「くう……腹立たしいですね」


「人形の衣服に力を使ってみれば……せいっ」


人形(ず、ずず……)


「よし、予想通り、人形の動きが遅くなった。これでお前の勝ちはないはずだ」


婚約者「ふふ、そうでしょうか」


162 : 1 - 2010/08/15(日) 04:26:16.01 jbmpe9qF0 106/125

婚約者「行きなさい、小人形たち」


小人形(ぶわわわわわ)


「数が多すぎて避けられないっ! く、押さえられた。動けない……」


小人形「…………」


「放せ、放せええええっ」


婚約者「さて、これでジエンドです。さようなら。男くん」


包丁を持った人形「…………」

 ずず


「くそ、やめろ。くるな……!」



163 : 1 - 2010/08/15(日) 04:33:06.59 jbmpe9qF0 107/125

婚約者「動けないでしょう。命乞いとか、してみます?」


「はっ、はっ……」


包丁を持った人形「…………」

 ずず


「どんどん近づいてきやがる……」


包丁を持った人形「…………」

 ずずず


「石をぶつけて弾き飛ばせば……! ていっ」


小人形「……」

  どふ。


「くっ、ほかの人形がカバーに入りやがる……!

  どうしようもないのかっ」


164 : 1 - 2010/08/15(日) 04:39:44.84 jbmpe9qF0 108/125

包丁を持った人形「…………」

 ずずず


「やめろ、やめろ――ッ!」


少女「だ、だめーーーっ!」


包丁を持った人形「…………」

 ずずず


少女「守って、瑞樹!」


瑞樹と呼ばれた人形(ひゅーん)


 ドスッ。


瑞樹と呼ばれた人形(ぽて)


少女「ごめんね、瑞樹……あとで、治してあげるから……」


182 : 1 - 2010/08/15(日) 12:01:55.26 uE1nKyo+0 109/125

婚約者「ど、どうして少女が……、何を、何をしているんですか」


少女「婚約者の人形たち、皆泣いてる。嫌だって言ってる。

   でも怖くて言うことを聞かされてる。

   私、ずっと知ってた。私と同じだって思ってた」


婚約者「ど、どういう」


少女「私は皆と喋れるのに、人形は、私たちにしか話しかけられない。

   だから、私が助けてあげたい。男がきてくれたみたいに」


「少女……」

 (小人形の力が弱まっていく……?)


少女「……あのね、男。お願いがあるの」


「ああ」


183 : 1 - 2010/08/15(日) 12:05:55.25 uE1nKyo+0 110/125

少女「男が困ったら、私が助けてあげる。

   だから、だからね……」





少女「今は、私を――助けて――!」







「任せとけ」


184 : 1 - 2010/08/15(日) 12:10:34.52 uE1nKyo+0 111/125

婚約者「はは、ははは。どうする気ですか。

    全く勝てる見込みがないのに、気持ちだけで勝てるとでも?」


「どーかね。でも、気持ちだけじゃないぜ?」


婚約者「はったりを! 行きなさい! 小人形たち!」


小人形「…………」

 ひゅぅっ


「俺の姉ちゃんと、あと、悔しいけどお前のお陰だ」


婚約者「……たわ言を」


「オラァッ!」

 パリパリパリーン。


186 : 1 - 2010/08/15(日) 13:10:42.07 uE1nKyo+0 112/125

婚約者「木刀で窓を割るのが、勝つ作戦だって? 笑わせないでくださいよ……!」


「ただね、これ、あんまヒーローらしくないんだよね。

  でもさ、今まで一度もヒーローになれなかった俺だから、丁度いいよな」



「いっっっけえええええええええ!」


 ぶわわわわわわわ。


婚約者「が、ガラス片が全部!? 戻って僕を守りなさい! 人形!」


「足らねーだろ。数がさ。そんなもんじゃ全然足らねーだろ」


人形たち「…………」

 どふどふっ。



187 : 1 - 2010/08/15(日) 13:12:58.53 uE1nKyo+0 113/125

婚約者「くそ、くそ、くそおおおおっ!」


「おっと、動くなよ? 無数の硝子が、お前の顔を、

  目玉を、腕を、手を、指を、腿を、足を、全身を狙ってる」


婚約者「ぐ、ぐぎぎ」


「いくらおかしくても、お人形造りが好きなんだろ?

  目が見えなくなりゃ、人形が作れなくなるかもしれない。

  指を切られりゃ、繊細な作業ができなくなるかもしれない。

  いいのか?」


婚約者「ぐううう」


「姉ちゃんが言ってたんだけどさ、他人より家族のが大事だってよ。

  俺もお前より少女のが大事だ。

  だから、少女のためになら、お前に何でも出来そうな気がしちまう」


189 : 1 - 2010/08/15(日) 13:17:21.43 uE1nKyo+0 114/125

婚約者「呪う、呪ってやる!」


「硝子を喉ん中突っ込んだらどうなるだろうな。

  血管の中にぶち込んだらどうなるだろうな?」


婚約者「くそ、くそおおお」


「でも、俺はできれば誰も不幸にしたくない。

  たとえ、立証されなかったとしても不幸な人間は作りたくない。

  俺のこの力は、他人を幸福にする力だ。


  だから、もう二度と少女に近づかないと誓え」


婚約者「…………」



190 : 1 - 2010/08/15(日) 13:21:34.14 uE1nKyo+0 115/125

婚約者「……わかっ……た……」


「次に少女に近づいたら、警告はしないぞ

  あの子を不幸にする奴は俺が許さない

  絶対に、絶対にだ」


婚約者「…………わかってますよ」


「だったら、さっさと消えろ」


婚約者「でしたら、この硝子を退けていただけますか」


「……確かに」


 ぽとぽとっ。


婚約者「…………」


「さっさと行けよ」


婚約者「くっ……! あなただけは、許しません……」


「言ったよな。次は警告しねーって」


婚約者「……消えますよ。逆らうなんて、言ってないでしょう……」




「行ったか」


191 : 1 - 2010/08/15(日) 13:23:24.15 uE1nKyo+0 116/125

「大丈夫だったか。少女」

少女「……うん、来てくれるとは思わなかった」

「まぁな」

少女「……それに、あんなに恥ずかしい台詞言ってくれるとも思わなかった」

「ちょ」

少女「あの子を不幸にする奴は俺が許さない」

「や、やめてー。少女やめてー!」

少女「絶対に、絶対にだ」

「や、やめてー。ホントやめてっ」


192 : 1 - 2010/08/15(日) 13:25:11.66 uE1nKyo+0 117/125



少女「すごく嬉しかった」


「お、おう……」




少女「…………大好き」



「え、今なんて?」

少女「……何も言ってない」

「あっ」

少女「え?」

「少女の顔、笑ってる」

少女「え、え、そう?」

「うん」

少女「……あ、あは」

「なんか、すごくぎこちなくなった」

少女「……むぅ」


「帰ろうか」


193 : 1 - 2010/08/15(日) 13:27:55.32 uE1nKyo+0 118/125

~~家の外~~

「ね、姉ちゃん、なんでマンションの外に突っ立ってんだよ」


「ん。帰ってくるまで待ってた」


「……風邪引くぞ」

「馬鹿。夏風邪は馬鹿しか引かないんだ」

「じゃあ姉ちゃんヤバイじゃん」

「あ? なんつったてめー」

「いたい、いたい、いたい」



「でも、無事で帰ってきてくれて、よかった」(ぎゅ)

「ね、姉ちゃん……」


195 : 1 - 2010/08/15(日) 13:40:03.99 uE1nKyo+0 119/125

少女「……私も居ますよ」


「おわっ。男の後ろに隠れてて見えなかった」

少女「……はい」

「少女も、無事でよかった」

少女「……はい」


「あたし、少女に謝らなくちゃなんないことある」

少女「謝る?」

「少女のこと見捨てようとした。男を危険な目に遭わせたくなかった」

少女「……それは、当然のことだと思う。誰だって、家族は大事」

「でも、ごめん……」

少女「はい」

「「はい」、じゃなくて、「うん」って言え」

少女「え」

「これからは、少女も大事にする。家族になるんだ。だから、他人行儀はダメだ」

少女「か、かぞく……」


196 : 1 - 2010/08/15(日) 13:44:28.53 uE1nKyo+0 120/125

「って、ことでいいんだよな? 男」


「か、家族って、そんな、気が早い」


「うるせ。浮気とかしたらぶっ殺すからな」


「前に一度殺されかけたけどね」


「……~~~っ! その話はすんな!」



「もし、少女さえ嫌じゃなければ、これからも俺と一緒にいてくれないか」




少女「…………はい」



197 : 1 - 2010/08/15(日) 13:51:16.11 uE1nKyo+0 121/125

~三章完~

以上でほぼすべてが終わりました。
あとはエピローグがいくつかですね。
もう少しで終わりますので、よろしければお付き合いください。

200 : 1 - 2010/08/15(日) 14:02:33.36 uE1nKyo+0 122/125

エピローグ


あの後、俺たちの元には平穏が訪れた。


っていうと、なんだかすごい戦いをしたみたいだけど、

あれがなんていうか、予定外の事で、

またあんな戦いをするような予定は一つもない。

すっげー怖かったし、ぶっちゃけちょっとチビったし、

厨二臭くて誰にも話せないけど、少女を救えてよかったと思う。


少女はまだまだ笑顔がぎこちないけど、俺の家に毎日きてる。

通い妻みたいな状態だ。

だけど毎日一緒に居るのは大変で、少し抜け出したくなるときもある。

でもそれはほんの少しで、それ以上に一緒にいたいっつーか、なんか、照れくさいなこれ。

判ってるのは、俺は少女が大好きで、姉ちゃんも大好き。

少女と姉ちゃんも多分同じ気持ち。普段は口に出さないけど、きっとそう。


だから俺は、家に俺がいて少女がいて姉ちゃんがいる、


そんな日が毎日続けばいいと思ってる。


201 : 1 - 2010/08/15(日) 14:05:16.88 uE1nKyo+0 123/125

~~後日~~

「へっへっへ。今日は姉ちゃんと少女で出かけに行ってる。いぇい、自由! 俺自由!」

「フリーダムばんざーい!」


「スカートめくれろー! そいやー!」


ツインテ少女「い、いやーん!」

ポニテ少女「な、なにこれー! なんでおさまらないの!?

      手で押さえても……いやああん」


「これは仕方のないことなのだ。

  いつ、前の人形使いや他の能力者が攻めてくるか判らない。

  だから、犠牲になってくれ。……そう、これは少女のためなのだ」


「おっ、あっちにも可愛い子はっけーん。なんだか、うちの少女に似てる気がするなあ

  隣にも綺麗なお姉さんがっ。うちの姉ちゃんに似てる気がするけど……まぁいいやー!」


「めくれろー!!」


202 : 1 - 2010/08/15(日) 14:06:21.89 uE1nKyo+0 124/125

姉?「な、なんだっ!?」

少女?「こ、これは……」


 くるり


「…………げぇっ」


「やべえ、本人じゃねーか……」


「男、てめー、これはどういうことだ!」

少女「男、言ってくれれば私はいつでも、でも、公衆の面前でこういうのはよくないと思う」

二人「だからオシオキ」


「いたい、いたい、いたいーっ!」


~~了~~


204 : 1 - 2010/08/15(日) 14:14:02.65 uE1nKyo+0 125/125

長い間お話に付き合ってくださってありがとうございました。

最初はバカエロで釣ろうかなーなんて、こすいこと考えてましたけどねwww

支援のおかげでがんばれたー!


また何処かでお会いしましょうっ!

あ、でも質問とかあったら答えたいっていうか。
馴れ合い? そうだよ。 リアルで馴れ合いする人いないからね!

ていうか、誰もいない?
……うん。知ってた。

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