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――109日目
賢者「おー、おかしらたちのいえがみえたぞ!!」
商人「あ、ホントだ!!…って事は…」
魔法使い「スーからここまでは結局何もなかったわね…まあいいわ、目的はルザミだもの」
商人「そだね、じゃあ改めて、ルザミ目指して…」
賢者「けんじゃはおかしらにあいたいぞ!!」
商人「え?ま、また海賊の住みかに行くの!?」
魔法使い「寄っても良いけど…お頭は夜にならないといないって言ってたような…」
賢者「うー、でも行ってみたいぞ…」
魔法使い「そこまで言うなら行ってみましょうか。商人もいい?」
商人「いいよ!!…みんないないなら怖くないし…」
魔法使い「結局、海賊達はいなかったわね…」
賢者「うー…ざんねんだぞ…」
商人「仕方ないよ、もう会えないって訳でもないんだし。でもあの牢屋に入ってた偉そうな人、何した人なんだろうね?」
魔法使い「さあ、でもあの海賊達は義賊のようだから、多分良からぬ事をした人なんでしょうね。それより、海賊の住みかから出てしばらく来たけど、なかなかルザミは見えないわね…」
賢者「お、なんかみえたぞ!!しまだ!!しろだ!!」
商人「おお、ルザミってお城だったんだ!!」
魔法使い「待って、あれ見たことあるわ…あれ、エジンベアじゃない?」
商人「え?あ、ホントだ!!なんで!?」
魔法使い「………今気づいたんだけど…私達、海賊の住みかから東に行って南へ進んだわよね?」
商人「え…ああ!!ルザミって…!」
魔法使い「東じゃなくて西、だったわよね…いけないわ、なんでこんな間違いを…」
商人「ひゃ~、これは本格的に迷っちゃったよ…」
魔法使い「さて、ここはどの辺りなのか…」
商人「暗くなっちゃったし、回りも全然見えなくなったね…」
魔法使い「まあ、いざとなったらルーラで戻れるけど、また1からやり直しっていうのもね…」
商人「そうだね…っていうかさ、あたし達、前回ルザミにいけなかった時も、もしかして東に…」
魔法使い「言わないでよ…」
賢者「おーい、なにかみえたぞ!!」
商人「え?…あ、あ、陸だ!!あれ、でもあれも見たことあるような…」
魔法使い「あれ、グリンラッドよね?変化の杖を欲しがってたご老人のいた…」
商人「あー!!じゃあまた違うところに…」
賢者「そっちじゃないぞ、あっちだ!!」
商人「え?あ、小さな島に…建物もあるよ!あそこって…」
魔法使い「ええ、まだ見たことないわね。あそこがルザミかしら?とにかく行ってみましょう。あそこだと良いけど…」
女性「ここはルザミ。忘れられた島よ」
商人「やった!!ルザミだルザミにた着いたよ魔法使いちゃん!!」
魔法使い「ええ、やっと着いたわね」
賢者「おー、とおかったぞ!!」
女性「その様子だと大分迷ったようね。無理もないわ。貴方達の前に旅人が来たのは何年前だったかしら…」
商人「そんなに…じゃあ迷っても恥ずかしくなかったね!!」
魔法使い「それはまた別の問題だと思うけど…」
賢者「なあなあ、しまのなかみてまわらないのか?」
商人「もちろん見て回るよ!!さ、魔法使いちゃんも行こ、あたしお店とか見て回りたいし!!」
魔法使い「そうね、行きましょう。こんな孤島に、品揃え豊富なお店があるとも思えないけど…」
賢者「おー、みせだぞみせ!!」
商人「あ、ホントだ!!…って、この品揃えは…」
魔法使い「私達冒険者向けのものはないわね。生活雑貨ばかり。それもかなり…」
賢者「ほとんどなにもないな!!」
商人「け、賢者ちゃん…」
店主「いえ、いいんです。せっかく来ていただいたのに何もなくて…代わりに、私が昔聞いた噂話をお売りしましょう」
魔法使い「噂話…?」
店主「ええ、なんでも、ガイアのつるぎはサイモンという男が持っていたそうです」
商人「ガイアのつるぎ…?それにサイモンってどこかで…」
店主「あちらに住むご老人に話を聞けば、もう少しいいお話がありますよ」
魔法使い「ありがとう。それでその噂話のお代は?」
店主「いりませんよ…それより、道中ご無事で…」
商人「ありがとうございます!!じゃあ!!」
魔法使い「ここがそのご老人の家ね…」
賢者「おーい、じいちゃんいるか?」バタン!
商人「け、賢者ちゃん、ちゃんとノックして…」
老人「そなたらは…そうか。わしは予言者。そなたらが来るのを待っておった」
賢者「いきなりなにいってんだ?じーちゃん?」
魔法使い「こらっ!予言者ですもの、私達と見えてるものが違うんでしょう」
老人「よいか、魔王バラモスはネクロゴンドの山奥!!」
商人「魔王…!」
老人「やがてそなたらはガイアのつるぎを火山の火口に投げ入れ…その道を切り開くであろう!!」
商人「ガイアのつるぎって、さっきのおじさんが言ってた…?」
魔法使い「だんだん話が繋がってきたわね。魔王の所へ行くには、ガイアのつるぎが必要で、そのつるぎはサイモンという男が持っていた。そして…確かサイモンの名前は、サマンオサに行く途中の教会で、神父様から聞いた気がするわ」
商人「あ!!確かにそんなきがする!!」
魔法使い「決まりね。私達はまた、サマンオサに行かなければいけない。あそこもまた、一筋縄では行かなそうだけども…」
商人「じゃあ次はサマンオサだね?早く行こうよ!!」
魔法使い「あえ、行くのは良いけど…さっきの話の神父様、サイモンの事をなんて言ってたか覚えてる?」
商人「え?なんか言ってたっけ?」
魔法使い「勇者サイモンはサマンオサ王によって旅の扉から追放された…確か神父様はそう言ってたわ」
商人「え!?じゃあサマンオサに行ってもサイモンさんっていないの!?」
魔法使い「おそらく…でも、他に情報がない以上、結局私達はサマンオサに行くしかないわ。もしかしたら、誰か行き先を知ってるかも…」
賢者「おーさまがついほーしたなら、おーさまがしってるんじゃないのか?」
魔法使い「おそらくね。でも、その王様が…」
商人「確かご乱心気味だったよね…じゃああたし達、結局サマンオサの国も助けなきゃならないかもね」
魔法使い「そうね、ジパングでも出来たし、今度も出来るとは思うけど…前途多難ね…」
――111日目、サマンオサ
賢者「ついたぞごはんだごはん!!」
商人「賢者ちゃん、ごはんはちょっと待って。それより、みんなから話を聞かないと…」
賢者「ええ~?」ブーブー
魔法使い「ごめんね、ちょっとだけ我慢して。でも話を聞くといっても、最初に来たときに町の人には話聞いて回ったわよね」
商人「うん、だから話を聞くとしたら、お城の中に入るしかないと思うんだ」
魔法使い「相手の中枢に乗り込むのね。確かにそれが一番良いけど、問題はどうやってお城の中に入るかね。前回は門前払いだったけど…」
賢者「なあなあ、どっかのおしろみたいに、とーめいになって入れないのか?」
魔法使い「駄目ね、このお城は二人の門衛が隙間なく立ちはだかってるもの…」
商人「へっへ~、それなんだけどさ魔法使いちゃん、あたし閃いたの!!すっごくいい方法を!!」
魔法使い「いい方法?本当に?」
商人「ホントだって!!とりあえずお城にいってみよ、ね、ね?」
魔法使い「本当かしら…でも他に思いつかないし、貴方に任せるしかないわね…」
商人「まーかせといてよ!!」
――サマンオサ城入口
魔法使い「やっぱり入口は固められてるわね…」
賢者「あいつらみんな食べればいいんじゃないか?」
魔法使い「なんでもかんでもすぐ食べようとしないの。そもそも、そんな事したらここの王様が暴君でなくても私達死刑よ」
賢者「ならおーさまも食べて…」
商人「まあまあ賢者ちゃん、ここは商人おねーさんに任せなさい!!」
賢者「ホントか?べつにまるやきでも…」
魔法使い「あくまで食べるつもりなのね…商人、頼むわよ」
商人「大体二人ともさ、正面から入ろうとするからいけないの。ほら、あっちに勝手口があるでしょ?」
魔法使い「…なるほど」
商人「ね?で、あそこから御用聞きの商人として入ればいいの。どう?」
魔法使い「確かにそれが一番良さそうね。本当の商人なら、相手の警戒も薄くなるだろうし…」
商人「ね、ね?さあ、勝手口から進入作戦、スタートだよ!!」
賢者「おー!!」
兵士「ここは勝手口だ。御用聞きの商人か?」
商人「へい、あたしらはお城相手に商売をさせていただいてる者でして、へへ」
魔法使い「…そのキャラなに?」ボソッ
兵士「そうか、なら入るといい」
商人「ありがとうございやす。へへ…やったね、成功だよ!!」
賢者「おー、やったな!!すごいぞしょーにん!!」
魔法使い「…正門の警戒と比べてユルすぎない?まあ、中に入れたから良いわ。ありがとうね、商人」
商人「へっへ~、あたしの商人スキルとせくしーさをもってすればお安いご用だよ!!」ドヤッ
魔法使い「さりげなくセクシーさをねじ込んできたわね…まあ、今日の所はそれでもいいわ」
商人「ありがたき幸せ、へへ」
賢者「しやわせ、へへ」キャッキャッ
魔法使い「…でもそのキャラは止めなさいよ?」
商人「で、ここは台所だね。まずはここにいる人達に…すみませーん…」
侍女「邪魔しないで下さい。食事が遅れたら、私達死刑にされてしまいます」
商人「あ、す、すみません…」
魔法使い「食事が遅れただけで死刑…これは想像以上ね。ここまでひどいなんて…賢者?」
賢者「おー…おーさまのりょーりってすごくおいしそうだぞ…ちょっとだけ、ちょっとだけなら…」ジュルリ
魔法使い「!!駄目よ賢者!商人、ここから出るわよ!」
商人「う、うん!し、失礼しました~!!」
賢者「あ~、まだ食べてないぞ!!」ジタバタ
魔法使い「いいから早く!…ふう、いきなり問題起こす所だったわね」
賢者「おなかへった~…」グウウウ…
商人「ごはん食べてからの方が良かったね。でも今引き返す訳には行かないし…もうちょっとだけ我慢して。ね?」
賢者「うー、もうちょっとなら…」グウウウ…
商人「…いろんな人に話を聞いて回ったけど、ひどいね…」
魔法使い「そうね…悪魔に魂を売ったんじゃないかって言ってた人もいたけど、あながち間違っていないかもね」
商人「実の娘のお姫様まで王様は人が変わったようだって言ってたよね…そんなにいきなり人が変わったりするのかな?」
魔法使い「…やっぱり魔物が絡んでると見るのが自然でしょうね。それに、ただの人間がこれほどの敵意と悪意を撒き散らせるなんて、信じたくないわ…」
商人「そうだよね…あれ?賢者ちゃん、何持ってるの?」
賢者「これか?おーさまのしんしつってとこで見つけたんだぞ!!」
なんと こんぼうを手に入れた!!
商人「王様の寝室にこんぼう?護身用かな?」
魔法使い「王族の護身用武器にしては粗野も良いとこだけど…なんでこんぼうなのかしらね…?」
商人「うーん、でも一番聞きたかっサイモンさんとガイアのつるぎの話は聞けなかったね…」
魔法使い「そうね、これだけ聞いても話が出てこないとなると、もう王様本人に聞くしかないけど…」
商人「それはちょっと難しいよね。何されるか分からないもん」
魔法使い「そうね…でも困ったわ。このお城にいる人のほとんどに話を聞いても駄目となると…」
商人「ねえ、そういえばこのお城、牢屋とかないのかな?もしかしてそこなら…」
魔法使い「牢屋…確かに、サイモン殿は罪人として扱われたらしいし、牢屋なら何か話が聞けるかも…ねえ、この騒ぎは何?賢者はどこ?」
商人「え?あれ?な、なんだかイヤな予感が…」
賢者「なんでだー!!ちょっとくらい食べても…!!」ギャーギャー
兵士「あ、お前はさっきの商人と一緒に入ってきたガキだな!!奴ら共々牢屋にぶち込め!!」
魔法使い「………」フゥ…
商人「ろ、牢屋に行けるね…」
兵士「大人しくしているんだぞ!!」ガシャーン
賢者「なんでだ?なんでろーやにはいったんだ!?」ガシャガシャ
魔法使い「なんでって…貴方ねえ…」
商人「うーん、人生初投獄だね…」
魔法使い「普通は1度もないと思うけど…まあいいわ、早く抜け出しましょう」
商人「そだね…さいごのかぎがなかったらと思うとゾッとするね…」ガチャ
賢者「おお!?あいたぞ…ムググ」フガフガ…
魔法使い「もう、大きな声出さないの。出るわよ」
商人「はーい…誰も見てない、よね?」
兵士「待て」
魔法使い「いけない、見つかった!?」
兵士「…私は眠っている。だからこれは私の寝言だ」
商人「!?え?え!?」
兵士「確かに、最近の王様はおかしい。しかし、王様に逆らう訳にもいかぬ」
魔法使い「兵士の立場ではそうでしょうね…」
兵士「私はここから動けないが、この牢獄には秘密の抜け道があるらしい」
商人「それって…!」
魔法使い「…眠っているから聞こえないでしょうけど、例を言うわね。ありがとう」
兵士「眠っているから聞こえん。これも寝言だが、気を付けてな」
魔法使い「ええ、貴方も」
商人「あ、ありがとうございます…」
賢者「へんなやつー。ねごとだって」
魔法使い「でも、見張りがああ出るなら心配ないわね。牢屋にいる人達に話を聞いてみましょう」
商人「そだね。ここならきっと、きっと情報が…」
魔法使い「じゃあまずはそこにいる詩人から話を聞きましょう。もしもし…」
詩人「ああ…なぜこんなことに…ロマリアの遥か北東、湖の真ん中のほこらの牢獄で朽ち果てたサイモンのように、私もここで…」
商人「え!?今なんて!?サイモンさんが死んだ…!?」
詩人「だ、誰ですか貴方達は!?」
魔法使い「すみません、今の話を詳しく…」
詩人「詳しくと言われても…私も聞いた話ですが、勇者サイモンは王の怒りを買いほこらの牢獄へと追放され、そこで朽ち果てたと…」
魔法使い「…なんて事」
詩人「貴方達、勇者サイモンの知り合いですか?」
魔法使い「いえ、そうではないけど…ありがとう、助かったわ」
商人「ど、どうしよう魔法使いちゃん、サイモンさんが亡くなってたって…」
魔法使い「ええ…でも、私達が探さなければならないのは、サイモン殿ではなく彼が持っていたガイアのつるぎよ。いつか彼が投獄されたほこらの牢獄にもいくようかもね…」
商人「そ、そうだね。まだ、まだ終わりになった訳じゃないんだ…」
魔法使い「ええ…でも、困難は予想してたけど…難しいかもしれないわ…」
商人「…これで、牢屋にいる人達みんなから話が聞けたね」
魔法使い「ええ。気になったのは、ラーのかがみの情報ね」
商人「あたし、商人ネットワークで聞いたことあるよ。ラーのかがみは、真実を映すって。変身してたりとか、そういうのを見破れるんだって」
魔法使い「それが本当で、そしてその話をしたせいで牢屋に入れられた…という事は…」
商人「うん。王様はきっと、何か別の人か――考えたくないけど、モンスターが化けてて、それで王様は正体がばれるのが怖い…?」
魔法使い「その可能性は高いわね。となると、ジパングのやまたのおろちに続いて、ここも魔物に支配されてる国って事ね…」
賢者「なあなあ、もしここもおろちみたいなのがおーさまなら、ここのおーさまも食べていいのか?おろちみたいにおいしいかな?」グウウウ…
商人「あはは、賢者ちゃんすっかりお腹ぺこぺこだね」
魔法使い「こんなことになって、ずいぶん時間が掛かってしまったわ。早く抜け道を探して、ご飯を食べないとね」
賢者「おー!!はやくいくぞ、はやく!!」グイグイ
商人「ま、待って、引っ張らないで…」
魔法使い「…どうやら、ここから出られるわ。二人とも、急いで…」
賢者「ごっはんー、ごっはんー♪…お?誰だ?」
魔法使い「!誰かいるの!?」
王様「…そこに誰かいるのか…?わしはこの国の王じゃ…」
商人「お、王様!?もしかして、本物の…!」
王様「何者か知らぬが、わしからへんげのつえを奪い取って、わしに化けよった…口惜しや…」
商人「そ、そんな…ど、どうしよう魔法使いちゃん?王様、助けないと…」
王様「いや…今わしが居なくなっては、奴が…偽物が感付く。もしそうなったら、わが国の民は…」
魔法使い「…そうね。今動くのは得策じゃないわ。それに、見たところ王様はかなり弱っているし、無闇に動かしても…」
賢者「なあなあ、このおーさまがほんもので、おーさまやってるやつがにせものなんだな?ならにせものやっつけて食べればいいんじゃないか?」
魔法使い「…まあ、食べるかはともかく、偽者をどうにかしなければならないのは間違いではないわね…」
商人「じゃ、じゃああたし達の次の目標は…」
魔法使い「まずはラーのかがみを手に入れて、偽の王様の正体を暴く。そして必要なら、偽者を倒す…王様、今しばらくの辛抱をお願いします」
王様「構わぬ…すまんな、見ず知らずのお主らに、そのような…」
商人「大丈夫です!あたし達、今までもこうしてきましたから!!ね?…少し怖いけど…」
魔法使い「ああ、ここが出口ね…やっと出られたわね…」
賢者「おー、明るいぞ!!」
商人「んー、シャバの空気はうまいねえ!!」
魔法使い「ちょっと牢屋に入ってただけじゃない…それより、次はラーのかがみ探しよ。どこに行けば分かってる?」
商人「えっと…どこだっけ?」
賢者「ごはん食べるところ!!」
魔法使い「ええ、それも大事だけど…ラーのかがみがあるのは、この町から南の洞窟よ。牢屋にいた人から聞いたでしょう?」
商人「も、もちろん覚えてるよ!!」
魔法使い「本当かしら…まあいいわ、私としては早速向かいたい所だけど…」
賢者「ごはんー!!ごはんー!!ごはんー!!」ギャーギャー
魔法使い「…まあそうでしょうね。いいわ、食事をしてからにしましょう」
賢者「おー!!はやくはやく!!」グイグイ
商人「ま、待ってよ!…でも正直、あたしもお腹減ったよ…」
魔法使い「私もよ。いろいろあったし、少し休憩ね…」
――サマンオサ郊外
商人「…う~ん、さっきは王様の手前、強気なこと言っちゃったけど、またおろちみたいなモンスターと戦わなきゃいけないかもしれないと思うと…」
魔法使い「弱気ねえ。あたし達、今までもこうしてきましたから!!って言ってたのは誰かしら?」
商人「だ、だから勢いで…」
魔法使い「はいはい。でも、まだ強い魔物と戦うと決まった訳じゃないし、今から気を張っても仕方ないわよ」
賢者「そーだそ、きらくにいけよ!!」ポンポン
商人「賢者ちゃんは強いなあ…でもそうだよね。まずは今から行く洞窟だよね」
魔法使い「そうそう。まずはラーのかがみを見つけないと」
商人「真実を映す鏡かあ…ねえ魔法使いちゃん、どうする?もしあたしを映したら、イシスの女王様もびっくりの絶世の美女が映ってたら…いた、痛いよ!なんでほっぺたつねるの!?」
魔法使い「え?貴方変装してるんじゃないの?化けの皮を剥がしてやろうかと思って」
商人「ひどい!!しかも化けの皮だなんて…!」
賢者「しんぱいするな、もししょーにんがモンスターでも、けんじゃがおいしく食べてやるから」
商人「それ、慰めになってる!?嬉しくないよ!?」
――サマンオサ南東の洞窟
魔法使い「洞窟か…おろちのいた洞窟以来ね」
商人「地球のへそにも行ったし、あたし達洞窟に潜ってばっかりだね…」
賢者「ここにはおいしいのいるかなー?」
魔法使い「どうかしら…?さっきの青っぽい影の魔物は食べられないでしょうけど…」
商人「初めて見たよねあれ。この洞窟は見た事ないモンスターが多かったりするのかな?」
魔法使い「かもしれないわね…今までの経験からすると、見た事ない魔物は今までより強い魔物の事が多いわ。気をつけないと…」
賢者「いままで食べたことないまものか!!」キラキラ
魔法使い「目を輝かせてる所悪いけど…美味しいとは限らないわよ」
商人「あ、二人とも見て!階段だよ!!」
魔法使い「結構歩いたけど、ようやく下の階に行けるわね…」
賢者「こんどこそ食べれる魔物いるかな?」
商人「それは行ってみないとね。じゃあ下りよう!!」
――地下2階
魔法使い「暗いわね…足下に気をつけて…」
商人「うん…やっぱり下の階に来ると空気変わるね…」
賢者「おー!!たからばこがあるぞ!!」
魔法使い「待って、調べてみるから…大丈夫、開けていいわよ」
賢者「おー!!」パカッ
128ゴールドを手に入れた!!
魔法使い「お金か…あって困る物ではないけど、少ないわね…」
商人「そだねー。もう5桁くらい入ってないと、有り難みないよね」
魔法使い「そんなに!?…でも貴方ならあなほりで4桁堀当てるものね…」
賢者「おーい、こっちにもたからばこあったぞ!!」
商人「あ、賢者ちゃんが呼んでるよ!!行って…あれ!?宝箱、あっちにも、こっちにもあるよ!?」
魔法使い「本当、たくさんあるわね。王家の財宝か何かかしら…?」
賢者「おー!!まだまだあるぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「待って、調べてから…」
商人「ね、ねえ魔法使いちゃん、あたし達いくつ宝箱開けたかな?」
魔法使い「覚えてないわ…宝があるのはいいけど、調べるだけで魔力を使ってしまうわね…」
賢者「こっちにもあるぞ!!はやくはやく!!」
商人「な、なんかずいぶん奥まで来ちゃったけど…」
魔法使い「…もしかしたら、罠かしら?宝箱で侵入者を誘導して…」
賢者「おー、いきどまりだ!!たからばこがよっつ!!」
魔法使い「…怪しすぎるわ。まるでここに連れてこられた見たいじゃない。インパスで…」パアア…
商人「あ、赤い!!」
魔法使い「4つともね。この部屋の宝箱はみんな開けられないわ」
賢者「えー、つまんない…」ブーブー
魔法使い「わがまま言わないの。それにしても、こんな稚拙な誘導で罠に嵌めようなんて、なめられたものね…」
商人「ま、魔法使いちゃん、怒らない怒らない…」
魔法使い「さて、と。次は…」
ガメゴンがあらわれた!!
商人「あ、見た事ないモンスター!!」
賢者「おおー、おいしそう!!とりゃー!!…うー、かたいぞ…」
商人「あの甲羅がいかにも固そうだよね…えいっ!!」ガキンッ
魔法使い「武器攻撃は通りづらいみたいね…イオラ!!」キャボーン
賢者「まほうもいまいちだな…くさなぎのけんをつかってみるぞ!!」ミュニーン
商人「よーし、じゃあ攻撃…」
ガメゴンはあまいいきをはいた!!商人はねむってしまった!!
商人「むにゃ…商人ちゃんブロマイド、大好評発売中…」zzz…
魔法使い「その寝言何!?」
――ガメゴンをやっつけた!!
賢者「おおー、たおしたぞ!!にくだにく!!」
魔法使い「呪文も武器攻撃も効きづらい、厄介な敵だったわね…ほら、商人、起きなさい」ユサユサ
商人「むにゃ…ブロマイドの売上、商人ちゃんは魔法使いちゃんの17倍…」zzz…
魔法使い「………」ムニー
商人「ひゃっ!?痛い痛い、ほっぺたつねらないでよ!!」
魔法使い「ごめんなさいね、発言が不愉快だったから」
商人「敵意を隠す気なしなの!?」
魔法使い「それより、ここからどこに行くべきかしらね?宝箱につられてだいぶ奥まで来てしまったわ」
商人「うーん、こういう時は賢者ちゃんがとうぞくのはなを効かせて…あれ、賢者ちゃんは?」
魔法使い「あら、あの子なら魔物の解体作業をしてたはずだけど…」
商人「あ!!ね、ねえ魔法使いちゃん、ほら、あそこ、隅っこに穴が空いてるよ。もしかしたら…」
魔法使い「…落ちたのかしらね。もう、本当に落ち着いてられないんだから…」
商人「じゃあ下りて、ううん、落ちてみよっか…うう、塔だけじゃなくて洞窟でも飛び下りる事になるなんて…」
賢者「おおー、ふたりともきたな!!ほらほら、たからばこだぞ!!」
魔法使い「もう、黙ってどこか行かないのよ」
商人「でもなんだか、こんな所にある宝箱なんて、すごく怪しいね。特別な感じっていうか…」
魔法使い「確かにね。洞窟内の小さな湖の真ん中にある宝箱…ちょっとだけゆめみるルビーを思い出すわね…」
賢者「よーし、開けるぞ!!」ガチャ
魔法使い「ああもう、調べもしないで…」
なんと ラーのかがみを手に入れた!!
賢者「おおー、かがみだかがみだ!!」
魔法使い「これが、ラーのかがみ…?ずいぶんあっさり見つかったわね。商人、鑑定してみてくれる?」
商人「おおー、すごい、さすが伝説の鏡!!すごいよ、あたしを見てみたら、きゅーとでせくしーだいなまいつな絶世の美女が…」
魔法使い「偽物ね。叩き割ろうかしら?」
商人「なんでそうなるの!?本物、本物だからね!?」
賢者「なんだ、ばけものをうつすかがみじゃないのか?」
商人「化け物じゃなくて、真実を映すの!!」
魔法使い「さて、若干疑わしいけど一応本物らしき鏡は見つけたわね」
商人「なんでそんなに疑うの!?本物だってば!!」
魔法使い「まあそういう事にしておいてあげようかしら」
賢者「しかたないな!!」
商人「二人ともひどいよ!いくらあたしのせくしーだいなまいつっぷりが妬ましいからって…」
魔法使い「はいはい。それより、あまりあっさり見つかったから、洞窟の探索が進んでないわ。まだ帰らずにこのまま洞窟を進みたいんだけど…」
商人「また納得いかない話の進め方だけど…いいよ、まだまだお宝があるかもしれないしね」
賢者「けんじゃもいいぞ!!あのカメまた食べるんだ!!」
魔法使い「それじゃあこのまま続けるわよ。宝もだけど、もしサマンオサの王様が魔物なら、少しでもレベル上げたいし…」
商人「もう、いつも魔法使いちゃんは心配性過ぎ!!…でも、確かにモンスターだったら怖いかも…」
魔法使い「ええ、私達は術師と術師上がりだけで体力的に不安があるし、やれることはやらないと…」
商人「ね、ねえ魔法使いちゃん…ここのモンスター、強くない?」
魔法使い「そうね、強いのもそうだけど、打撃と魔法のごり押しが通用しづらくなっているわね。戦闘に一工夫が必要になってくるかもね…」
ゾンビマスターがあらわれた!!
魔法使い「ああもう!この魔物は苦手よ!」
商人「魔力を吸われちゃうもんね…」
賢者「にゅ~ってなって、気持ち悪いぞ…」
魔法使い「先手必勝ね!ベギラゴン!!」ゴオオオオオオ…!
ゾンビマスターをたおした!!ゾンビマスターをたおした!!ゾンビマスターをたおした!!
ゾンビマスターはマホトラをとなえた!!
魔法使い「もう!また吸われたわ!」
賢者「やなやつだな!!それっ!!」ザクッ
ゾンビマスターをやっつけた!!
魔法使い「ふう、消耗が激しいわ…レベルを上げたかったけど、長居は出来ないわね…」
商人「はあ~、やっと地上に戻れたわね…」
魔法使い「もう魔力が空に近いわ。しばらくはあの魔物の顔は見たくないわね…」
賢者「あいつ、おいしそうだったな。食べたかったな…」
魔法使い「流石にあれは勘弁して…人間みたいだし…」
商人「仮面してるから分からなかったけど、人間かもしれないもんね…でも賢者ちゃん、カメはたくさん食べたでしょ?」
賢者「おお!!おいしかったぞ!!」
魔法使い レベル36「良かったわね。それに、少しの間とはいえ、魔物退治もしたから二人はレベルも上がったわね」
商人「そうそう、モンスターが強い分、いい経験が積めた気がするよ!!」
賢者 レベル19「まほーもおぼえたぞ!!」
魔法使い「私もレベルを上げたかったけど、仕方ないわね…さあ、早く町に戻って休みましょう。魔力が空だと不安になるわ…」
――サマンオサの宿屋、夜
賢者「しょーにん、なにやってるんだ?」
商人「え?ああ、今ね、今日行った洞窟で見つけたお宝をチェックしてたの」
魔法使い「マメねえ…でも確かにすごい数の宝箱があったわ」
商人「今までこんなダンジョンなかったよね!まあ、ラーのかがみ以外はそこそこって感じだったけど…」
魔法使い「鏡も偽物疑惑が晴れないしね」
商人「だから本物だよ!?」
魔法使い「分かってるわよ。そもそも明日使うんだから、偽物だったら困るわ」
商人「そっかあ、いよいよ明日だね。どうなるんだろうね?やっぱり戦いになるのかなあ…?」
魔法使い「そうねえ、いつも同じこと言うようだけど…」
賢者「いけばわかる、だな!!」
商人「そっか、そだね…ああ、ドキドキしてきたよ…」
魔法使い「大丈夫よ。おろちにも勝てた私達だもの、どんな魔物が相手だって、きっと…」
賢者「きっとおろちみたいにおいしいぞ!!」
商人「あはは、そうだといいね!!そうだよね、おろちにも勝てたもん、きっと大丈夫だよね…」
――112日目
魔法使い「ん…少し寝すぎたかしら?やっぱりダンジョンに行った翌日は朝が辛いわね…賢者はもう食堂かしら?商人は…」
商人「ん…あたし…眠り人形…眠り始めた…あれはいつから…?」
魔法使い「夕べからだけど…って、これはまた寝言タイム?お城の看守に対抗でもしてるのかしら?」
商人 レベル22「あたし…もうレベル22…書き忘れや…うっかりは…いつもの事…ご容赦を…」
魔法使い「誰に謝ってるのかしら…」
商人「あと…まだサーだから!!フォーじゃないから!!断じてないから!!!!」
魔法使い「ど、どうしたの!?ずいぶん必死だけど…!?」
商人「ついでに…言うと…あたし…Cくらいは………あ、あるかな…?」
魔法使い「唐突な上にやけに自信なさげに言ってるけど…今までの寝言の信憑性まで大きく落ちたわよ?」
商人「魔法使いちゃんは…正真正銘のB…下手するとA…」
魔法使い「………」ドスドスドス
商人「い、痛い痛い!?ってあれ?魔法使いちゃん、なんでそんなに叩くの!?どこからそんな力が!?」
魔法使い「――炎天の主よその身を分けよ!!汝、落ちたる太陽の双子よ、地上で再び――」
商人「だ、ダメだよ魔法使いちゃん!!部屋のなかでメラゾーマはダメ!!」
商人「ふう…危なくサマンオサの城下町が火の海に…」
魔法使い「流石にそんな威力はないわよ。私がそこまでするにはドラゴラムしかないわね」
商人「出来るんだ…」
魔法使い「やらないけどね。さて、それより今日の予定だけど…」
賢者「んー、おなかいっぱいだぞ!!」
商人「あ、賢者ちゃんちょうど良いところに」
魔法使い「そうね。で、今日の予定だけど、まず夜まで待たなきゃいけないわ」
商人「あれ?今から乗り込むんじゃないの?」
魔法使い「乗り込めないわよ…またこの前みたいに捕まるわよ」
賢者「ならこんどこそみんな食べて…」
魔法使い「貴方でも流石にお城の兵士みんなたべられないでしょ?だから、夜になるのを待つの。夜になれば、王様は一人で寝てるという話だから…」
商人「あ、寝室に忍び込んで…!」
魔法使い「ええ、そこで鏡に映してみましょう。幸い、前にお城に入ったとき、寝室の場所は確認出来たし…」
賢者「こんぼうがあった場所だな?」
魔法使い「ええ。あそこがもしかしたら決戦の場になるかもしれないわ。気を引き締めて行きましょう」
商人「と、いうわけで、あたし達はやみのランプで夜にした後、サマンオサ城に乗り込んだのでした!!」
魔法使い「いつも誰に説明してるやら…それにしても、ずいぶんあっさり浸入出来たわね。昼間は監視がきつかったのに…」
商人「正門は相変わらずたけど、勝手口は誰もいないんだもんね…」
賢者「おお、だいどころだ!!食べるもの…お?だれだ?」
商人「まさか…盗み食い!?」
兵士「!た、頼む、この事は王様には…」
魔法使い「なんでまた盗み食いなんて…」
兵士「最近、満足に食べてないものだから、つい…」
賢者「そうか、つらいな。けんじゃはそのつらさ、よくわかるぞ」
魔法使い「そうでしょうね…これも、王様のせいなのかしら?」
兵士「それは…」
商人「まあ、兵士さんは王様悪く言えないよね…」
賢者「ごはんをちゃんと食べさせてくれないなんてひどいな!!けんじゃはおーさまをゆるさないぞ!!」
魔法使い「ご飯が絡むと頼もしいわね…」
商人「でも、賢者ちゃんでなくてもこれは許せないよ!!やってやろうじゃん!!」
賢者「それで、おーさまはどんなものを食べてるんだ?」
魔法使い「そこのチェックは忘れないのね…」
商人「きっと王様だからすっごい高級食材を…ってギャー!!こ、こうもり!?!?」
魔法使い「こっちは…とかげね。それにムカデまで…古臭い黒魔術でもするつもりかしら?」
賢者「なんだ、けんじゃと食べてるものあんまりかわらないな!」
兵士「か、変わらない!?」
商人「あ、え、えーと…そ、それより魔法使いちゃん、これはちょっとおかしいというか…」
魔法使い「そうね…ああ、兵士さん、貴方の事は黙ってるわ。だから私達がお城をうろついているのも見逃してくれるかしら?」
兵士「あ、ああ…だが、あんた達は…?」
魔法使い「そのうち分かるわよ、きっと。じゃあ行きましょう、商人、賢者」
商人「はーい!賢者ちゃん、ほら!」
賢者「むぐむぐ…けっこうあじつけこいな…」
魔法使い「お願いだから、こうもりは持ってこないでよ…」
魔法使い「さて、寝室はこっちだったわね」
商人「ねえ魔法使いちゃん、やっぱり、ここの王様ってさ…」
魔法使い「まともじゃないわね。というか、人間ではなさそうね…」
賢者「ニンゲンでも、とかげくらい食べるぞ!!」
魔法使い「食べ物もだけど、酷く人々を締め付けているようだし…」
商人「いろいろ考えると、やっぱり怪しいよね。人間じゃないとすると、モンスター…ああ、またおろちみたいなモンスターと戦わなきゃいけないのかあ…」フウ…
賢者「みんなからごはんをうばうごくあくにんだぞ!!けんじゃはゆるさないぞ!!」
魔法使い「まあ、相手が何者であれ、ここで退く訳にもいかないわ…さあ、寝室に着いたわよ」
賢者「あのかがみのでばんだな!!」
商人「そうだね…いよいよかあ、ドキドキするよ…」
魔法使い「何が起きても良いように、準備はしっかりね。じゃあ商人、頼むわよ」
商人「う、うん。じゃあ鏡に映してみるよ…」
商人はラーのかがみをつかった!!
商人「え!?うそ!?こ、これって…!!」
商人「え!?うそ!?こ、これって…!!」
魔法使い「なんでまた繰り返すの?」
商人「え、一旦時間をおいた後親切に繰り返すのは基本かなーって」
魔法使い「親切…?まあいいわ、何が写ってたの?………なるほど、驚いたけど、予想通りといえば予想通りねここまで知性を感じさせない顔だとは思わなかったけど…」
賢者「なにがうつってたんだ?みせてみせて!!」
商人「け、賢者ちゃん、声が大きい…」
王様?「みーたーなあ?」
商人「!!」
魔法使い「貴方は一体…」
魔物「ケケケ!!生きては帰さんぞえ!!」
ボストロールがあらわれた!!
商人「うわー、すごくでっかい…」
魔法使い「本当、品性のかけらもないわね。よく王様として振る舞っていられたわね…」
賢者「おおー!!食べるとこいっぱいあるぞ!!かたにももにむねに…ほっぺたのにくも、ヤギとかニンゲンみたいにおいしいかな?」
魔法使い「もう!どこをどうやったら人間とヤギとあれをイコールで結べるのよ!」
商人「ま、まあまあ、落ち着いて魔法使いちゃ…あ、攻撃が来るよ!!」
ボストロールのこうげき!!
賢者「ふぎゃっ!?い、いたい…」
魔法使い「大丈夫!?思った以上に強烈だわ、賢者、私と同じ呪文を唱えて!スクルト!!」ミュイーン
賢者「う~、す、スクルト…」ミュイーン
商人「賢者ちゃん、ちゃんと魔法使えるんだね、ホッとしたよ…」
ボストロールはルカナンをとなえた!!
魔法使い「呪文!?顔に似合わずやってくれるじゃない!!」
商人「か、顔関係あるかな…?じゃああたしは…暗き意志、邪な言葉、悪しき魔力を封じ込めよ!!マホトーン!!」モニョーン
ボストロールのじゅもんをふうじこめた!!
魔法使い「やるじゃない!さあ反撃よ!!」
賢者「このやろー!!なぐりかえしてやるぞ!!」
魔法使い「まだ待って!貴方はさっきと同じ呪文を唱えて!私は…バイキルト!!」ミュイーン
商人「おお、力が湧いてきた!!」
賢者「けんじゃがなぐりたかったのに…スクルト!!」ミュイーン
魔法使い「すぐ殴れるわよ、我慢して…来るわよ!!」
ボストロールのこうげき!!ボストロールのこうげき!!
商人「ひえー、痛い痛い!!」
魔法使い「っく…強烈ね…でも負けないわ!さあ賢者、暴れてきなさい!バイキルト!!」ミュイーン
賢者「おおー!!きたきた!!このやろー!!」ザクッ
商人「あたしも続くよー!!それっ!!」ザシュッ
ボストロールのこうげき!!ボストロールのこうげき!!
魔法使い「っつう…!まだ守備力足りないの!?商人、貴方は回復に回って!私はもう一回…スクルト!!」ミュイーン
商人「オッケー!!悪しき者達に抗う我らに、神の恩寵と祝福を!!ベホマラー!!」キュピピピーン
魔法使い「素晴らしい回復力だわ、僧侶の修行をしたかいがあったわね」
賢者「すごいな、まるでそーりょみたいだ!!」
商人「そりゃっ!!このっ!!…う~、そろそろ倒れてよ…」
魔法使い「この体ですもの、体力はあるんでしょうね…マヒャド!!」ピキーン
ボストロールのこうげき!!ボストロールのこうげき!!
賢者「いたい!!このっ!!このっ!!このっ!!」ドカバキザクッ
商人「賢者ちゃん、待ってて…ベホマ!!」キラリーン
賢者「おお!?ぜんぶなおったぞ!!すごいすごい!!」
魔法使い「さあ、ラストスパートよ!!マヒャド!!」ピキーン
商人「いっくよー!!それっ!!」ザクザク
賢者「う~、そりゃあー!!」ザンッ
――ボストロールをやっつけた!!
商人「やった、やったね二人とも!!」
魔法使い「ええ、貴方の回復呪文のおかげね。賢者もよく頑張ったわ、お疲れ様」
賢者「はやく、はやくちをぬかないと…くびをきって…」
商人「て、手早い…」
兵士「な、なんだ今の音は…ってあんたらは!?いや、それよりそのモンスターは!?まさか…」
賢者「まさかもなにも、いまから食べるんだぞ!!」
魔法使い「そういう意味のまさかじゃないでしょ。お察しの通り、この国の王様はこの化け物が化けていたの」
商人「でももう安心ですよ!!あたし達が退治しましたから!!」
兵士「いや、まあ、今からそれを食べる事にも驚いたが…」
魔法使い「ええ、まあ、そうでしょうね…」
商人「そ、そんなことよりさ、地下牢の奥の方に、本物の王様が捕まってましたよ!!助けに行ってあげて下さい!!」
兵士「な、それは本当か!?た、大変だ…誰か、誰かー!!」タタタ…
魔法使い「…上手くごまかせたかしら?流石に、こんな大きな魔物の死体が逆さ釣りにされてたら驚くわよね…」
賢者「なんでだ?さかさにしないと、ちゃんとちがぬけないぞ?」
商人「うん、そういう事じゃなくてね…」
――113日目、サマンオサ城
王様「再びここに座れるとは思っていなかった…例を言うぞ、商人よ!!」
商人「は、はい!!…お、王様があたしの名前を…」ヒソヒソ
魔法使い「貴方が一番頑張ったもの、当然よ」ヒソヒソ
賢者「えー、けんじゃもがんばったぞ!!」
魔法使い「もう、静かに…」
王様「はは、そうであったな。賢者もよくやってくれた。魔法使いもな」
賢者「おー!!ほめられたぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「有り難きお言葉…ほら、静かにしなさい…」
王様「しかし、大変な戦いであったのだな。我が寝室も、魔物の血で酷い有り様であったよ。当分は別の場所で寝なければならぬが…なに、地下牢に居たときに比べれば大したことではない」
商人「そ、そうですか、すみません…ね、ねえ、王様の寝室が血だらけなのって…」ヒソヒソ
魔法使い「ええ、賢者があそこで魔物の血抜きをしたからね…」ヒソヒソ
王様「女ながらにあのようなすさまじい戦いを潜り抜けるとは…私も驚きを隠せないぞ!!」
商人「あ、ありがたき…な、なんか後ろめたさが…」
――114日目
商人「魔法使いちゃんおはよ、朝だよ!!」
魔法使い「おはよう…相変わらず早いわね…賢者は…?」
商人「食べ疲れて寝てるよ」
賢者「んにゃ…まだはいる…」ムニャムニャ
魔法使い「食べ疲れた、って聞き慣れないわね…」
商人「まあ、昨日1日お城の宴で食べっぱなしだったもん、仕方ないよ」
魔法使い「まあ、出されたもの全部たべたらこうなるでしょうね…トロル肉も大体一人で食べたみたいだし…」
商人「ていうか、あの肉は誰も手を出さなかっただけだけどさ…それより魔法使いちゃん、今日はちょっと行ってほしい所があるんだけど」
魔法使い「いいわよ、どこへ?」
商人「うん、それはね…」
――115日目、アリアハン
商人「うん、というわけで、あたし達はアリアハンにやって来たよ!!」
魔法使い「…まあ、ここに来る前にサマンオサ南の洞窟に行ったけど…」
商人「え?そんなとこ行ったっけ??」
賢者 レベル20「いったぞ、けんじゃはレベルもあがったし。しょーにんだって…」
商人 レベル23「そうだっけ?うーん、覚えてないや」
魔法使い「貴方ねえ…確かに意気揚々とあなほりしに洞窟に行って、600回以上穴掘って特に掘り出し物がなかったからって…」
商人「そんなの知らないよ!!第5回あなほり大会は中止になりました!!」
賢者「そうか?てつかぶととかはがねのつるぎとか、いろいろでてきてたぞ?」
商人「だって、欲しかったのはそれじゃないんだもん…」
魔法使い「でも、600回なんて今までで一番よね?今回はずいぶん張り切ったじゃない」
商人「うん…だってあたし、もうすぐパーティーから抜けるし…」
賢者「え?なにいってるんだ?」
商人「ほら、スーの村の東にさ、町を作りたいっておじいさんがいたでしょ?あたし、あのおじいさんのお手伝いしたいなって…」
魔法使い「…決めたのね」
商人「うん、いろいろ考えたけど…今回のサマンオサの事件もだけどさ、やっぱりあたし、困ってる人助けるのっていいなってさ…で、次はあのおじいさんを助けてあげたいなって…」
賢者「え?しょーにんいなくなるのか!?やだやだ、いっしょがいい!!」
商人「あはは、大丈夫だよ賢者ちゃん、あたしにかかれば町なんてちょちょいのちょいだから!!で、町が出来たら、また一緒だから!ね?」
賢者「うー、ほんとにすぐか…?」
商人「すぐすぐ、10日もあれば出来ちゃうよ!!」
魔法使い「流石に10日は無茶でしょ…」
商人「そ、そうかな?でも、出来るだけ早く戻って来るからさ!だから、ちょっとだけ我慢して?ね?」
賢者「うー………わかったぞ…」
商人「うん、いいこいいこ!!…魔法使いちゃんも、ごめんね?」
魔法使い「貴方が決めた事だもの、私がとやかく言うことじゃないわ。まあ、寂しくなるけど、またいつか、よろしくね?」
商人「うん、必ず!!」
商人「で、今日ここに来たのはこれらを手に入れるためだったの。ほら、どう?」
魔法使い「ほのおのブーメランと、これは…?」
賢者「じゃらじゃらしてるな、へんなの!」
商人「これはね、せいぎのそろばんって言ってね、あたしみたいな商人専用の武器なの!!戦士用の武器だって、これより良いのなんてそんなにないんだから!!」
賢者「ヘー、すごいな!!」
魔法使い「じゃあこれは、貴方がまた戻ってきた時用ね?」
商人「そういう事!!大事にしててね!!」
賢者「なあ、ほんとにいなくなるのか…?」
商人「だから、ホントに少しの間だって!!それに、お別れはもう少しだけ後でね。でさ、魔法使いちゃん、あたしエルフの隠れ里に行きたいんだけど…」
魔法使い「エルフの隠れ里?いいけど…あそこに近いのはノアニールね、じゃあノアニールまでルーラで…」
商人「あ、待って魔法使いちゃん!あたしさ、船であそこまで行きたいんだ。ダメかな?」
魔法使い「船で…?ええ、いいわよ、しばらく会えなくなるし、その前にゆっくり船旅しましょうか」
賢者「お、じゃあまだいっしょだな!!」
商人「うん、もうちょっとよろしくね!!」
商人「…とは言ったものの、エルフの隠れ里は遠いね…」
魔法使い「それはそうよ。それに、西に来るんじゃなくて、東にいった方が良かったんじゃないかしら?」
商人「ん~、でも東から行くと何もないし…」
賢者「お、あれはランシールだぞ!!」
魔法使い「ランシールか…皆で一人ずつ地球のへそに行ったりしたわね」
商人「そうそう、あれは怖かったよ!もう用はないのに、あたしまで…」
魔法使い「まだ根に持ってるの?でも、賢者のおかげでオーブが手にはいったのよね」
賢者「けっこうカンタンだったぞ!!」
商人「そうかなあ…?あたしは大変だったな、やっぱり一人は辛かったし…」
魔法使い「そうね、パーティーの有り難みをつくづく感じたわね…」
魔法使い「さて、夜になって見えてきたのは…」
賢者「あ、あのへんもオーブがあったとこだぞ!!」
魔法使い「そうだったわね。どう?思い出の地に行ってみる?」
商人「そうだね~、ってテドンじゃない!!いいよ行かなくて!!」
魔法使い「そう?結構重要な場所よ?」
商人「例え重要な場所でもいいの!!…ああ、怖かったなあ…」
賢者「なにがこわかったんだ?」
魔法使い「ああ、賢者は朝のこの村に来たことないのね。じゃあやっぱり寄って…」
商人「イヤよ!!賢者ちゃん、ここの宿屋はごはん美味しくないよ?しかも朝ごはんはでないし」
魔法使い「確かに朝ごはんはなかったわね」
賢者「ええー…そんな村行きたくないぞ…」
商人「そうだよね?ね?というわけだから魔法使いちゃん?」
魔法使い「分かってるわよ。私だって特別行きたい訳じゃないし…」
商人「じゃあなんでそんなイジワル言うの!?あ、あれでしょ、好きな子にはついイジワルするってヤツ!!魔法使いちゃん、もしかして…」
魔法使い「変な想像しないでよ…」
――116日目夜、エルフの隠れ里
商人「遠いと思ったけど、なんとか2日で着いたね」
魔法使い「もう夜だけどね。それで、ここには何の用?」
商人「それはもちろん…」
賢者「エルフを食べるんだな?柔らかそうだもんな!!」
魔法使い「そうなの?」
商人「食べないよ!!ほら、前にさ、この村にホビットが来てて、ホビットに変身出来ればこの村でもお買い物出来るかも?って言ってたでしょ?」
魔法使い「変身…?ああ、へんげのつえね!」
商人「そうそう、あのサマンオサの事件の後、王様からへんげのつえもらったでしょ?」
賢者「おお、そうだったな!!」
魔法使い「これがあったから魔物にお城を乗っ取られかけたって王様は言ってたわね。確かに、これさえなければあんなことにはならなかったでしょうけど…」
商人「まあ、いろいろ思うところはあるけど、もらったものは有効に使わないとね!じゃあ変身してみようよ!!それっ!!」ボフンッ
賢者「おおー、じいちゃんになったぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「…これもしかして、なりたいものになれるわけじゃない?」
商人「あ、あれ?ま、まあまたやってみればいいし…」
魔法使い「ふう、5、6回使ったかしら?やっとホビットになれたわね」
商人「思った程便利なものじゃなかったね…あ、本物のホビットだ。こんにちはー」
ホビット「おう、兄弟。この村は落ち着くよな」
賢者「おう、兄弟!!」キャッキャッ
魔法使い「さて、早いとこ買い物を済ませましょう。さっきから使ってる感じだと、あまり長くは変わっていられないみたいだし」
商人「そだね、お店は…あった、こんにちはー!」
エルフ商人「こんにちは、道具屋へようこそ」
魔法使い「買い物出来るみたいね…賢者、少し大人しくしててね?」
賢者「はーい!!ホビットだぞー!!」キャッキャッ
魔法使い「…まあいいわ。商人、品揃えはどう?」
商人「うん…やっぱりすごいよ、人間のお店とは一味違うね。とりあえず、珍しいモノは片っ端から買っておきたいかなあ…」
魔法使い「まずは、この本ね…」
商人「やさしくなれるほん、かあ…とりあえず3冊くらい買っておこうかな。あとは…」
魔法使い「このローブがいいわ。やっと私、ぬいぐるみから解放されるわ…」
商人「てんしのローブね。じゃあこれを1着買って…」
賢者「なあなあ、このゆびわはなんだ?」
商人「あ、これっていのりのゆびわ!!イシスの女王様からもらったやつだ!!」
魔法使い「魔力が回復出来る指輪ね。これもいくつか欲しいけど…3つくらい買っとく?」
商人「ううん、15個!!」ドンッ
魔法使い「じゅ、15個!?これ、結構高いわよ?お金大丈夫なの?」
商人「大丈夫!!中止になったあなほり大会でたくさん掘り当てたし!!」
賢者「ちゅーしになったのにあなほりしたのか?」
魔法使い「そこは突っ込まないであげましょう…確かに、お金はたくさん掘り当ててたわね」
商人「30000ゴールド以上掘り当てたからね!!…これからは、術師二人旅だもの、魔力がなくなったら困るでしょ?」
魔法使い「…そうね」
商人「ね?だから、これはたくさん買っておくの!!あって困る事はないだろうしね!!」
魔法使い「さて、大体こんな所かしらね?」
商人「待って、まだもうちょっと見たいから…あ、この杖いいんじゃない?」
魔法使い「杖?ねむりのつえ、か…」
賢者「ねむくなるつえなのか?」
商人「そうそう、でも眠くなるのはあたし達じゃなくて、これを使われた方だよ」
魔法使い「呪文が込められてる杖なのね?ラリホーかしら?」
商人「そう!これがあれば、ラリホー使えない魔法使いちゃんでもオッケーだよ!!」
賢者「でも、まほーつかいはまほーでどかーん!!ってやったほーがはやくないか?」
魔法使い「確かに今まではそうだったけど…サマンオサの洞窟みたいに、攻撃呪文でも武器攻撃でも辛い相手と戦う事になった場合を考えれば、選択肢が増えるのは悪くないわね」
商人「でしょ?これからは戦い方も工夫しなきゃって言ってたもんね!!」
賢者「じゃあこれは3つだな!!さんにんぶん!!」
商人「うん、みんなの分買おうね!!じゃあこれで全部だね?お姉さん、これ全部下さい!!」
エルフ商人「分かりました、ありがとうございます…こんなに買うなんて、まるで人間みたいな買い方ですね」
商人「え?ええええーと、あ、あたしも商人だから、いろいろと…ね?」
魔法使い「なにが『ね?』なのよ…」
商人「さて、お買い物も終わったし、そろそろ…」
魔法使い「そうね…」
賢者「もうおわかれなのか!?やだやだ!!」
魔法使い「そうはいっても…ああ、そういえば、このへんげのつえを欲しがってたご老人がどこかに居たわよね。あれは確か…」
商人「あの旅の扉のほこらの更に北じゃなかったかな?サマンオサの王様がへんげのつえを持ってるって教えてくれた人」
賢者「グリンラッドだな?」
魔法使い「よく名前知ってるじゃない」
賢者「へへー、かいぞくたちのいえできいたんだぞ!!」
魔法使い「なるほどね…そういえばあそこ、ここからそう遠くないわよね。行ってみる?へんげのつえを手放しても良ければ、だけど…」
商人「うーん、確かに貴重なものでもったいないけど…あたし達が持ってても仕方ないしね…」
魔法使い「じゃあ行きましょうか。これも人助けの一環としてね」
商人「そだね、じゃあ行こう!!」
――117日目、グリンラッド
老人「おお、お主達は…またきてくれたのか、嬉しいのう」
賢者「おーじーちゃん、これこれ!!」ブンブン
魔法使い「ちょっと、また変身しちゃうわよ!」
老人「変身…?おお、それはへんげのつえ!!わしもそれが欲しかったんじゃよ」
商人「そう言ってたから来たんですよ、はい!」
老人「おお、なんと…ありがたいのう!礼と言ってはなんだが、このふなのりのほねをやろう」
ふなのりのほねをてにいれた!!
魔法使い「これは…?」
老人「これはな、なかなかのものでな、あ~、なんじゃったかな…?」
賢者「ゆうれいせんがみつかるんだぞ!!」
老人「おお、そうじゃそうじゃ、幽霊船を探すための船なんじゃよ、お嬢ちゃんは賢いのう」
魔法使い「海賊達から聞いたのね?でも、幽霊船か…」
商人「お、おももしろそうだだよねね?でもあたし、ぱパーティーからぬ抜けるし、ざざざざ残念だなあ!!」
魔法使い「うん、まあ、行かないなら無理して見栄張らなくていいのよ?」
魔法使い「でも実際、幽霊船なんかに何か私達が求めるものがあるのかしらね…?」
商人「それはいつもと同じでしょ?行けば分かるよ!!あー、なんて残念なんだろう、あたしも行きたかった!!」ニコニコ
魔法使い「残念なわりには嬉しそうね…?」
商人「そ、そんなことないよ!!さ、さあ、ここにも用はないし、もう行こ?おじいさん、さよなら、お元気で!!」
賢者「じゃーな!!」ブンブン
老人「おお、おお、ありがとうな。お主達も達者でな」
魔法使い「ええ、失礼します――さあ、いよいよスーの東に行くわよ。商人、心の準備はいい?」
商人「うん、大丈夫…二人とも、ごめんね?」
魔法使い「謝る必要はないわよ。頑張ってね」
賢者「ぜったいだぞ!!ぜったいまたいっしょだぞ!!」
商人「うん、もちろんだよ!!じゃあ…行こ?二人とも」
魔法使い「ええ…行きましょうか」
――スー東の草原
商人「おじいさん、こんにちは!!」
老人「お前達…またきたのか?まさか…」
商人「うん、今日からあたし、ここで町作りするよ!!」
老人「おお、本当か!?ここで町作る、ここに骨埋めるかも。それでもいいのか?」
商人「それはイヤ!!でも大丈夫、あたしがぱぱっと大都市作るから!!」
魔法使い「大きく出たわね…」
老人「そうか、町作つてくれるか、嬉しい、よろしく」
商人「はい、よろしくお願いします!!」
賢者「ほんとだな?ほんとにすぐまた戻ってくるんだな?」
商人「ほんとだってば!!もう、賢者ちゃんってば船の中からそればっかり!!」
賢者「だって…だって…」
魔法使い「…ご老人、少しいいかしら?」
老人「何か?」
魔法使い「あの子は私達にとってとても大事な仲間よ。もし彼女に何かあったら…私は貴方を許さないわよ」
老人「…分かってる」
魔法使い「その言葉、信用させてもらうわよ」
商人「ねえ魔法使いちゃん、何?あたしにナイショの話?」
魔法使い「何でもないわ…それにしても商人、貴方本当に町作りなんて出来るの?私は不安だわ…」
商人「だいじょーぶ!!あたしの腕前を見ててよね!!」
魔法使い「腕前はいいけど…町が大きくなれば、良からぬ人も寄ってくるわ。気を付けるのよ。それから…」
商人「もう、魔法使いちゃんはホントに心配性なんだから!!大丈夫だって!!」
魔法使い「だといいけど…ご老人、本当に頼むわよ」
老人「心配なのは分かる。全力を尽くす」
商人「そうそう、おじいさんもいるし、大丈夫大丈夫!!」
魔法使い「…そうね。じゃあ、そろそろ私達は…」
賢者「もういくのか?」
商人「賢者ちゃん、寂しくなったらまたいつでもおいでよ!!あたしここにいるからさ!!」
魔法使い「そうよ、それにまたすぐ来るわよ。幽霊船の土産話を沢山しにね」
商人「え!?えーと…忙しいようなら、そんなしょっちゅう来なくて良いからね!?」
魔法使い「さて…そろそろ行くわよ、賢者」
賢者「うん…またくるからな、ぜったいくるからな!!」
商人「うん!!…これからやっぱり、あそこ行くの?」
魔法使い「そうね、幽霊船に行きたいけど…まずはポルトガで1泊ね。ふなのりのほねがあっちの方向を指してるから…」
商人「そっか…じゃあ気を付けてね、無理しないでね!!」
魔法使い「ええら貴方もね。それじゃあ…」
賢者「またなー!!またなー!!」ブンブン
商人「うん、また!!…行っちゃったかあ…自分のパーティーを見送るって、少し変な感じ…」
老人「いい仲間だな」
商人「うん、とっても!!さあおじいさん、早く町を作りましょ?またすぐに戻らなくっちゃ!!」
賢者「うー、もう見えなくなったぞ…」
魔法使い「またすぐに来られるわ。それより、今日から私達は二人旅。今までより危険が増すわ、気を付けないと…」
賢者「へーきだぞ!!けんじゃがみんた食べてやる!!」
魔法使い「ふふ、そうね、頼りにしてるわ」
賢者「けんじゃもまほーつかいをたよりにしてるぞ!!」
魔法使い「そうね、私も頑張るわ。頑張って、強くなって、帰ってきた商人をびっくりさせましょう」
賢者「そーだな!!しょーにんよりつよくなって、ごはんがかりにしてこきつかってやるぞ!!」
魔法使い「うん、一応先輩は敬ってね?――さあ、見えてきたわよ、ポルトガが。今日はあそこで1泊して…」
賢者「ゆーれーせんだな?おいしいものあるかな?」
魔法使い「幽霊船にはないでしょうね…ポルトガでたくさん食べましょうか。さ、もうすぐ着くわ、賢者、下船の準備を…」
――118日目、ポルトガ
魔法使い「ん…よく寝たわ」
賢者「お?いつもねぼすけなのにきょうははやいな!!」
魔法使い「まあ、たまにはね…今日はこれから少し用事もあるし…」
賢者「ようじ?どこかいくのか?」
魔法使い「ええ、ちょっとね…貴方はここで待ってて。朝御飯まだでしょ?」
賢者「おお、じゃあごはんたべてまってればいいんだな?」
魔法使い「幽霊船には食べ物ないでしょうから、たくさん食べて置いてね。じゃあちょっと出掛けてくるわ」
賢者「おー、きをつけてな!!ええと、あれとこれと、これも食べたいし、これも…」
魔法使い「…宿屋の食料を食べ尽くさないといいけど。さて、私は…」
――ポルトガ城
魔法使い「久しぶりね、このお城も。謁見の間は…こっちね」
大臣「おお、そなたは…王様、胡椒の魔法使いが来ましたぞ」
魔法使い「胡椒の魔法使い…」
王様「おお、魔法使いよ、黒胡椒の件では世話になったな。あれからお主が開拓したルートで胡椒を取り寄せる事が出来るようになった。感謝しておるぞ」
魔法使い「もったいないお言葉。それで王様、今日は王様に折り入ってお願いが…」
王様「なんじゃ?他ならぬお主の頼みだ、出来るだけ聞き届けたいが…」
魔法使い「私の仲間の商人が、新大陸で町作りを始めました。ここからそう遠くない所です。王様、並びにこの国にご贔屓にしていただければと…」
王様「ふむ、お主の仲間のあの商人だな?そういう事なら協力したいが…あそこはエジンベアも近いのではないか?」
魔法使い「あの国は…新大陸など野蛮な辺境と考えているでしょう。心の広いポルトガ王にお頼みする方が賢いと思いまして…」
王様「ほう、アリアハンの魔法使いは魔法だけでなくお世辞も達者なのかな?まあいい、他ならぬお主とあの商人の為じゃ、便宜をはかってやろう」
魔法使い「はっ、ありがとうございます」
王様「そうそう、お主はあのアッサラームの東で通せんぼしてたホビットを覚えているか?」
魔法使い「ええ、覚えていますけど…」
王様「お主達の事を心配しておったぞ。ああ見えても、悪い奴ではないのだ」
魔法使い「そうですか…いつか商人と一緒に訪ねてみます」
王様「そうするとよい。では達者でな」
魔法使い「はっ、では失礼します…ふう、すんなり話がついて良かったわ。やはりここの王様は出来た方ね…さて、宿屋に戻らないと――」
――宿屋
賢者「おお、はやかったな!!まだ食べたりないぞ!!」
魔法使い「ああ、そう…と言ってるけど、まだ食べるものあります?」
宿屋「…」フルフル
魔法使い「でしょうね…私も朝御飯食べ損ねたわね…」
賢者「だいじょーぶ!!ふねにのったら、けんじゃがイカとかマーマンのさしみをつくってやるぞ!!」
魔法使い「ええ、ありがとう…宿屋に泊まった時くらい、普通の食事がしたかったけど…」
――スー東の草原
商人「さーて、まずはお店を作らなきゃ!…こんな形で自分のお店を持つことになるなんて思わなかったけど…やあ、やるよ!!」グイッ
老人「おお、その腕…」
商人「え?せくしーな二の腕?」
老人「いや、その腕の傷は…」
商人「き、傷!?な、なんだ…まあ、あたしも冒険者だったから、傷の1つや2つ…や3つや4つや5つや…」
老人「大変な旅をしてきたのだな」
商人「ええ、まあ、そうかな?でも楽しかったですよ!」
老人「そうか…それにしてもすごい傷。ここなんか、咬み痕のようだが…」
商人「こ、これ!?これは、えっと…」
老人「小さいが、とても深い傷。狂暴な魔物とも戦ったのだな」
商人「え、ええまあ…さ、さあ、お店を建てる準備をしないと!!」
老人「ああ、そうだな」
商人「ふう…まさか仲間に噛まれたなんて言えないよね…賢者ちゃん、いつもお腹空かしてたから…」
賢者「ヘッブシ!!」
魔法使い「どうしたの?海風に当たって風邪引いた?」
賢者「かぜはひいてないぞ!!これはむしゃぶるいだぞ!!」
魔法使い「武者震いってくしゃみ出たかしら…?それより賢者、もう1度ふなのりのほねを使ってみて。ここからどのくらいの所に幽霊船があるか調べてみましょう」
賢者「おー!!くるくるだー!!」キャッキャッ
魔法使い「南に14に東に…44か…まだ少し遠いかしら」
賢者「くるくるまわっておもしろいな!!」
魔法使い「確かに不思議なアイテムね…さて、かなり東に来たけれど…まだ見えないかしら…?」
賢者「お?なあなあ、あそこにふねがあるぞ!!ぼろっちいなー!!」
魔法使い「あれは…いかにもな船ね…マストがないのに波に逆らって動いてるわ…」
賢者「おもしろそー!!あれにのるんだな?」
魔法使い「ええ、面白いかは分からないけど…さあ、行ってみましょう」
賢者「おー!!」
――幽霊船
魔法使い「これは…想像以上ね…商人がいたら泣き出しそうだわ…」
賢者「なかもボロボロだなー。あ、がいこつがうごいてるぞ!!」
魔法使い「あの人…が船長かしら?」
船長「例えどんな嵐が来ようとも、わしの船は決して沈まんのだ!!わはははは!!」
賢者「なんだ?こっちがみえないのか?」
魔法使い「見えてないし、聞こえてないわね。初めからこの調子か…」
賢者「なあなあ、このゴロゴロころがってるたまはなんだ?」
魔法使い「これは…きっと大砲の玉ね。この船は戦い用の船だったのかしら?」
賢者「お、あっちに誰かいるぞ!!」
魔法使い「あれは…!」
悪魔「ひひひ…幽霊船には屍がふさわしかろう。お前達も死ぬがよい!!」
賢者のこうげき!!魔法使いのこうげき!!ミニデーモンをやっつけた!!
賢者「なあなあ、これ食べれるかなあ?」
魔法使い「止めときなさい…」
魔法使い「ふう…あの悪魔以外はアンデッドと海の魔物だらけね」
賢者「イカとマーマンのさしみが食べれるぞ!!」
魔法使い「ここでの食事は気が進まないわね…あら」
賢者「あれはいきてるヒトだな!!おーい!!」
剣士「やあ、あなた方は亡霊ではないようですね」
魔法使い「そういう貴方もね」
剣士「やはりあなた方も財宝が目当てですか?」
賢者「ざいほー?おいしいのか?」
剣士「はは、食べ物はないでしょうね。しかし…ここは亡霊ばかりで参ってしまいますよ」
魔法使い「全くね。よく一人で来れたものだわ」
剣士「はは、あなた方も若い女性だけでよく来たものですね。では、私はこれで…」
魔法使い「ええ、気を付けて…まあ、こんな所にまともな人は来ないわよね…」
賢者「けんじゃたちもまともじゃないのか?」
魔法使い「もちろんよ、あの人の言う通りね。さあ、急ぎましょう。何があるのかは分からないけど、先を越される訳にもいかないわ」
賢者「ホントはおいしいものがあるかもしれないからな!!」
――幽霊船、地下
魔法使い「…とは言ったものの、さて、何を探せばいいのやら…」
賢者「ぜんぶとってけばいいぞ!!」
魔法使い「盗賊の理屈ね…でもそれしかないかしら…」
賢者「おお、したはヒトがたくさんいるな!!」
魔法使い「人…まあ人かしらね。骨だけの人も多いけど…」
骸骨1「俺たちゃドレイよ!!」
骸骨2「船を漕ぐのはドレイか罪人の仕事なのさ」
魔法使い「奴隷…そんな制度がある国なんて今もあるのかしら…?それとも相当昔の船なのか…」
賢者「ドレイってあんまり食べさせてもらえないんだよな?つらいな、かわいそうだな」
魔法使い「そうね…っと、あれは…?」
賢者「ひのたまみたいだな」
魂「溺れて死ぬのは苦しい…死にたくねえよお!!」
魔法使い「…流石に、ちょっと耐えられないわ。早いとこ探索を進めましょう」
賢者「お?あいつちょっとふんいきちがうぞ」
魔法使い「若い男性ね…少し、奴隷や罪人とは違う感じもするわね…」
青年「ああ…オリビア…もう船が沈んでしまう…君とは永遠に会えなくなるんだね…」
魔法使い「オリビア…恋人の名前かしら?でも、オリビア…どこかで聞いたような…」
賢者「このにいちゃんもドレイなのか?」
囚人「いや、そのあんちゃんは無実の罪だそうだよ、可哀想になあ」
魔法使い「!貴方は、私達が分かるの?」
囚人「ああ、そのあんちゃんはオラみたいな人殺しと同じ船に乗せられて、あげく船は沈没だ。あんまりだよなあ…」
青年「オリビア…ああ…オリビア…」
賢者「なあ、まほーつかい、なんか、つらいな」
魔法使い「そうね…私達に、何か出来るかしら…」
魔法使い「さて…あとはこの船で調べてないのはこの奥ね…」
賢者「おお、なんかたくさんはこがあるぞ!!」
魔法使い「ここは倉庫かしら?ちょっと待っててね賢者…インパス!!これは安全ね、次は…」
賢者「いっこだけあかかったな!!」
魔法使い「ええ、他は開けて良いわよ」
賢者「おー!!それっ!!…これ、どくばりだな?次は…たねだ!!もひとつ…おかねだぞ!!」
魔法使い「それなりの金額だけど…アイテムも含めて、それほど価値のある物はないみたいね。少し期待外れね…」
賢者「あ、まほーつかい、あっちにもまだへやがあるぞ!!」
魔法使い「一番奥ね。何かあるかしら…宝箱が、1つ?」
賢者「あけてみるぞ!!それっ!!」パカッ
なんと あいのおもいでをてにいれた!!
賢者「おー、これなんだ?」
魔法使い「何かしらね、さほど貴重な物にも見えないけど…あら、名前が書いてあるわ」
賢者「おー、だれのだ?」
魔法使い「オリビア…あと、エリックと書いてあるわね。これは、あの青年の持ち物かしら?」
賢者「あのあんちゃんか?」
魔法使い「ええ、多分あの人と恋人の思い出の品か何かね。これ…持っていっても良いものかしら…?」
賢者「あんちゃんにきいてみるぞ!!おーい!!」タタタ…
魔法使い「聞いて分かるものでもないと思うけど…」
賢者「おーい、あんちゃん、これあんちゃんのか?もらっていいか?」
青年「オリビア…もう会えないよ…オリビア…」
賢者「あんちゃん…きいてくれないぞ…」
魔法使い「でしょうね。でも…これはもらっていきましょう。ここに置いておいても、海の藻屑になるだけだわ」
賢者「そーだな。あんちゃん、これ、もらってくぞ!!」
魔法使い「出来れば、恋人に渡してあげたいけど、この船はどれだけ昔のものなのか…あまり期待は出来ないかもね…」
――夜、洋上
魔法使い「夜になってしまったわね。でもあの船の中で夜になるよりはよかったわ」
賢者「おなかもすいたしな!!」
魔法使い「結構幽霊船の中でもイカとか食べてたようだけど…」
賢者「あれはおひる!!ばんごはんがまだだぞ!!」
魔法使い「ああ、そう…」
賢者「ポルトガのごはんはおいしいな!!いろんな食べものがあったし!!」
魔法使い「海運国みたいだし、いろんな土地の食べ物が集まっていたわね。私もあの国の御飯は美味しいと思うわ」
賢者「へへー、今からばんごはんがたのしみだな!!」
魔法使い「そうね…ほら、ポルトガの町が見えてきたわ…あら、なんだか騒がしいみたいだけど…」
町人A「あの子だ!!あの子が帰ってきたぞ!!」
町人B「食料を、食料を宿屋に集めるんだ!!早く!!」
賢者「おおー、かんげいしてくれてるぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「歓迎…してるのかしら…?」
――119日目
賢者「へへー、食べた食べた!!ばんごはんもおいしかったけど、あさごはんもおいしいな!!」
魔法使い「そうね…と言ってるけど、他のお客さんの分はあります?」
宿屋「…」フルフル
魔法使い「でしょうね…私達だけいただいて、少し申し訳ないわね…」
賢者「みんなこしょうのおれいだっていってたぞ!!」
魔法使い「貴方は黒胡椒持ってきてなかったわよね…?」
賢者「なあなあ、きょうはこれからしょーにんのところにいくんだな?」
魔法使い「ええ、幽霊船で手に入れたアイテムの事も聞きたいしね。確か、どこかでオリビアの名前を聞いたような…」
賢者「しょーにんはおぼえてるかな?」
魔法使い「どうかしらね…?でも、あの子は鑑定が得意だから、これを見て私達が分からない事も分かるかもしれないわ」
賢者「へへー、ひさしぶりにしょーにんとあうのたのしみだな!!」キャッキャッ
魔法使い「そうね、と言ってもまだ2日しか経ってないけど」
賢者「じゃあはやくいこー!!あ、これおかわり!!」
魔法使い「もうないわよ…」
――スー東の草原
商人「うん、お店を建てる資材も揃ったし、次は…」
老人「見ろ。船、来た」
商人「へ?船?…あ、あの船!!」
賢者「おーい、おーい!!」ブンブン
魔法使い「ほら、海に落ちてしまうわ」
商人「あー、二人とも!!来てくれたんだ!!」
賢者「うん!!はやく、はやくおりるぞ!!」グイグイ
魔法使い「慌てないで…ふう、元気だった?作業は進んでる?」
商人「うん!!見てみて、ここにお店を建てるの!!で、これがお店の資材だよ!!」
賢者「おおー、すすんでるな!!」
魔法使い「2日でここまでやったのね、すごいじゃない」
商人「へっへー、あたしの商人力をなめて貰っちゃ困るよ!!」ドヤッ
賢者「おおー、すごいな!!」
魔法使い「 …商人力?まあいいわ、それより商人、貴方に見てもらいたい物が…」
商人「イヤ!!」
魔法使い「え!?なんで?」
商人「だって、魔法使いちゃん達幽霊船に行ってきたんでしょ?そこのアイテムなんて…」
魔法使い「ああ、そういう事…大丈夫よ、別に怖いものじゃないわ」
賢者「そーだぞ、あんしんしろ!!」
商人「そ、そう?ホントに?なら…」
魔法使い「あ、そこにちょっと血が付いてるわ」
商人「ぎゃー!!や、やっぱりイヤ!!」
魔法使い「冗談よ、冗談」
商人「うう、ひどい…」
賢者「ゆーれーせんはすごかったぞ!!ぼーれーがいて、アクマがいて…」
魔法使い「苦しい…死にたくない…ってね」
商人「そそそのはなしはああとでいいいいかな?かかんていのさまさまたげにななるし」
魔法使い「そうね、じゃあ鑑定が終わってから改めてたっぷりと…」
商人「え、えーっとね!!ここ見て、名前が書いてあるよ!!」
魔法使い「強引に話題を変えに来たわね」
賢者「そのなまえはきがついたぞ!!」
魔法使い「そう、それでこのオリビアっていう名前なんだけど、心当たりない?どこかで聞いたような気がするんだけど」
商人「うーんとね…あ、あそこだよ魔法使いちゃん、あたし達最初にバハラタに行こうとした時、間違えて北に行ったでしょ?その時見つけた宿屋で、確か詩人さんから聞いた名前が…」
魔法使い「ああ、確かに聞いたわ、オリビアの名前を!」
商人「オリビアさんの名前を聞いたのがその時か後でかは忘れたけど…」
魔法使い「後で…そういえばあそこにはもう1度行ったわね、確か…そう、旅の扉がたくさんあるほこらからね」
賢者「あのうにゅーんってなるやつか?」
魔法使い「そうよ、入ると遠くへ行けるあの不思議な所よ」
商人「あのほこらなら、ここからそんなに遠くないよ。とりあえず行ってみたら?」
魔法使い「そうね、行ってみる事にするわ。でも、その前にやることがあるわね…」
商人「え?なに?」
賢者「ゆーれーせんのみやげばなしだぞ!!あのふねな、かってにかじがうごいてて…」
商人「だ、たからそれはいいってば!!」
賢者「――で、さいごにみつけたのがいまみてもらったヤツだぞ!!」
商人「ううう…結局フルで土産話を聞かされたよ…」
魔法使い「貴方だけ仲間外れは悪いじゃない、ね?」
賢者「そーだそーだ!!」
商人「あ、ありがと…でも、そのエリックさん?とオリビアさんは、何とかしてあげたいね…」
魔法使い「ええ、でも貴方のおかげでどうにかなるかもしれないわ」
商人「お役に立てて光栄です!!えへへ…」
魔法使い「さて、じゃあ行ってみようかしら」
賢者「もういくのか?」
魔法使い「大丈夫よ、あの宿屋でオリビアの話を聞いたらまた戻って来ましょう。商人も気になるでしょうし」
商人「うん、結果を聞かせてもらえれば嬉しいな!…今度は怖い話は無さそうだし…」
賢者「そっか、じゃあはやくいってはやくかえってこよー!!」
魔法使い「そうね、じゃあ商人、私達は行くわ。貴方も頑張ってね」
商人「うん!気を付けて!!」
――バハラタ北の宿屋
賢者「おおー、うにゅーんってなってちがうところにきたぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「さて、じゃあ聞き込みね。確か、オリビアの話をしてくれる詩人がいたはずだけど…」
賢者「へーしならいるぞ!!おーい!!」
兵士「ん?なんだあんたら?」
魔法使い「こんにちは。私達、少し聞きたい事があって、以前会った詩人を探してるんだけど…」
兵士「詩人?このオリビアの岬で詩人と行ったら…」
賢者「おおー、オリビアだって!!」
魔法使い「ま、待って。ここ、オリビアの岬って言うの?」
兵士「あ、そそうだ。で、岬を通り過ぎた所にあるのがほこらの牢獄だ」
魔法使い「ほこらの牢獄…!」
賢者「お?どこかできいたな」
魔法使い「サマンオサね。確か勇者サイモンが投獄されたという…」
兵士「ま、聞いた話じゃもう生きてる人間はいないみたいだけどな。ただ、あそこは未だに死者の亡霊が彷徨ってるって話だ」
魔法使い「そう…」
兵士「で、詩人を探してるんだったか?詩人なら、向こうの部屋にいるぜ、行ってみな」
魔法使い「ありがとう、行ってみるわ…この部屋ね」
賢者「おーい、しじんいるかー?」バタン!
魔法使い「こらっ!ノックくらいしなさい!」
詩人「おや…?貴女方は、いつかお会いしたような…」
魔法使い「ごめんなさい、私達、オリビアという人の事を調べていて、それで以前ここで貴方にオリビアの話を聞いた事を思い出して…」
詩人「ああ、そうですか。オリビア…悲しい女性の話です」
賢者「どんなヤツだったんだ?」
詩人「オリビア…彼女の恋人エリックが乗っていた船は、嵐で沈んでしまい、それを悲しんだオリビアはこの岬で海に身を投げました」
賢者「みをなげた?しんじゃったのか?」
詩人「ええ…しかし死にきれぬのか、岬を通る船を呼び戻すと聞きます」
魔法使い「…悲しいわね。そう、もうこの世にいないのね…」
詩人「噂では、恋人エリックの乗っていた船も、幽霊船として海を彷徨っているそうです」
賢者「そのふねのったぞ!!これみつけてきた!!」
詩人「それは…?エリック…オリビア…!これは、あの二人にまつわる品…!?」
魔法使い「ええ、でもオリビアはもうこの世にいないのね…」
詩人「いえ、まだ遅くはないかもしれません。先程言ったように、この岬はオリビアの呪いが船を呼び戻してしまいます。でも、その品をオリビアに捧げれば、彼女の呪いが解けて、岬を通れるようになるかもしれません」
魔法使い「岬を通れるようになれば、ほこらの牢獄にも行ける…そこにはサイモン殿が…」
賢者「なんとかのつるぎがみつかるかもしれないな!!」
詩人「もし貴女方が本当にオリビアへその品を渡したいなら、ここからでは無理でしょう。船に乗って岬にくれば、彼女を感じられるでしょう。その時に、その品を渡せるかもしれません」
魔法使い「なるほど…詳しくありがとう」
詩人「いえ、私も彼女の悲しみを少しでも癒したい…それだけです。どうかお気を付けて…」
賢者「ありがとな!!じゃーな!!」
魔法使い「さて…やることは決まったわ。後は、この岬に船で来ればいいのだけど…」
賢者「じゃあはやくふねでこよう!!な?はやく!!」
魔法使い「待って。まだ、ここに船で来るにはどこから来ればいいか分からないわ」
賢者「ルーラじゃダメなのか?」
魔法使い「ここにはルーラでは来られないわ。でも、何処からかは来られるはず。ここは内陸だから、どこかの川を遡ればいいはずよ」
賢者「かわかー。どこのかわだろーな?」
魔法使い「少なくとも南ではないわね。私達は以前、ここからバハラタまで歩いたけど、それらしい川はなかったわ」
賢者「うーん…じゃあまたしょーにんにそーだんだな!!」
魔法使い「そうね、三人よれば、って言うし。さあ、また戻るわよ」
賢者「はーい!!またしょーにんにあえるな!!」
――120日目、スー東の草原
魔法使い「夜が明けてしまったわね…」
賢者「やっとついたな!!…あれ?あそこになにかたってるぞ!!」
魔法使い「あそこ…昨日商人がお店を建てるって言ってた場所よね?まさか昨日1日でお店を建てたの?」
商人「あ、二人ともお帰り!!見てみて、ほら、あたしのお店!!」
賢者「おー、すごいすごい!!」
魔法使い「貴方には驚かされっぱなしだわ…たったの1日でこんな…」
商人「へっへー、だから言ったでしょ?あたしの商人力はすごいんだって!!」ドヤッ
魔法使い「商人力で建物が建つの…?」
賢者「すごいなしょーにん、ただおいしそうなだけじゃなかったんだな!!」
商人「おいしくはないよ!?きゅーとでせくしーではあるけど!!」
魔法使い「まあ、商人力以上に建築には関係ないでしょうけど、ここまでやられたらそれでもいいわ。ところで、品揃えはどうなってるの?」
商人「えっと、それが…まだやくそうとかわのぼうしだけで…」
魔法使い「そう…でも、店を建てただけですごいじゃない。でものさ商品はどこから仕入れたの?まさかあなほりで…」
商人「え?や、やだなあ、商人力とせくしーさの賜物だよ?」
魔法使い「…あなほりね?まあいいわ、それが商売の基本、だったわよね?」
商人「そうそう、ただで仕入れれば丸儲け!!…それで、そっちはどうだったの?オリビアさんの事、何か分かった?」
賢者「オリビアはもうしんでたぞ!!」
商人「え?そうなの?」
魔法使い「ええ、恋人が亡くなったショックで、海に身を投げたという話よ」
商人「そっかあ、可哀想だね…」
魔法使い「それで、彼女が身を投げた岬はオリビアの岬と呼ばれてるんだけど、そこを通ればほこらの牢獄に行けるらしいの。覚えてる?」
商人「覚えてるよ、サイモンさんが入れられた牢屋だよね?見つけたんだ!!…でも、もうサイモンさんは亡くなったって話じゃ…」
賢者「だいじょーぶ!!ゆーれーせんみたいに、ぼーれーからはなしをきけばいいぞ!!」
商人「え、ええ!?」
魔法使い「まあ、そう上手く行くかは分からないけど、行かなければならない事には違いないわ。ただ、少し問題があって…」
賢者「オリビアののろいがじゃまするんだぞ!!」
商人「呪い!?亡霊に呪い…また話が怖い方に…」
魔法使い「まあ、呪いはなんとかなりそうよ、詩人の考えが正しければ、だけれども。それより問題は、そのオリビアの岬まで船で行かなければならないって事なの」
商人「船で?ああ、あそこ確か湖みたいになってたっけ…」
賢者「ふねでいかないとのろいがとけないぞ!!」
魔法使い「そういうわけ。それにどちらにしろ、船じゃないとほこらの牢獄にも行けないようだし…」
商人「なるほど、船でかあ…あそこに船で…きっとどこかの川を遡って行くようなんだよね?」
魔法使い「おそらくね。そして、少なくともそれは南ではないはずよね?」
商人「うん、バハラタに行くとき川とか見なかったし。あ、ちょっと待ってて、あたしいいもの持ってるから…」
賢者「いいもの?おいしいものか?」
商人「おいしくはないなあ…はいこれ、世界地図!」
魔法使い「地図?そっか、町作りの為には世界と交易する必要があるものね。で、あそこに通じる川は…」
商人「あ、ここじゃない。あの宿屋から見て、北側!」
賢者「おー、まえにちかくをとおったな?」
魔法使い「そうね、貴方を仲間にして間もなくだったかしら?確かこの辺は、オルテガ殿の仲間だったというホビットが住んでいるほこらがあったわね」
商人「あったねー!で、この川を南に遡れば、きっと…」
賢者「オリビアのみさきにいけるな!!」
魔法使い「うん、やっぱり貴方に相談して良かったわ。ありがとう」
商人「どういたしまして!!って、今回は地図のおかげだけどね」
賢者「じゃあはやくいってくるぞ!!」
魔法使い「待って、行き先は決まったけど、どこから行けば近いかしら?」
商人「うーん、ノアニールかムオルが近そうだけど…」
魔法使い「ムオルはルーラで行けないから、そうなるとノアニールかしらね」
賢者「なあなあ、これうえとしたつながるのか?ランシールからしたにガーッていったらダメなのか?」
魔法使い「ランシールから南下…なるほど」
商人「それいいかもね!今回は賢者ちゃん案にしてみたら?」
魔法使い「そうね、そうしてみるわ。賢者、やるわね」
賢者「けんじゃはかしこきものなんだぞ!!あたまいーんだぞ!!」ドヤッ
商人「あ、うん、そうだね…」
――121日目、ランシール沖
魔法使い「さて、ここから南下ね」
賢者「ここからならきっとちかいぞ!!」
魔法使い「だといいわね…さて、だいぶ南下したけど…」
賢者「お?りくがみえるぞ!!」
魔法使い「本当ね、暗くなる前に見えたわね。さて、川だけど…これ…浅瀬が邪魔してる…?」
賢者「ふねでいけないのか?」
魔法使い「そんなはずは…待って、ここ以外にも川があるかも…少し東に移動してみましょう」
賢者「かわ、もひとつあるといいなー」
魔法使い「そうね…あ、見て、川よ!」
賢者「おおー、こんどはとおれるかわか?」
魔法使い「ええ、大丈夫よ。夜になってしまったのが痛いけど…行ってみましょう」
賢者「おおー、けっこうひろいかわだな!!おいしいサカナいるかな?」
魔法使い「どうかしら、暗くなってしまったから分からないわね。でも、確かに広い川だわ」
賢者「このかわすすめばあのみさきにつくんだな?」
魔法使い「多分ね。そうでないと困るわ…」
賢者「んー、でもなかなかみえないな…あ、おひさまがでてきたぞ!!」
――122日目
魔法使い「朝になってしまったわね…あ、賢者、あれを見て!」
賢者「おお?みたことあるたてものがあるぞ!!」
魔法使い「あれはオリビアの岬にある宿屋だわ。どうやら目的地に着けたようね」
賢者「ここがのろいのみさきなんだな?ホントにふねとおれないのか?」
魔法使い「さあね…試してみましょうか」
メーーメメーメーメーメーメーーメレレレレ
賢者「おお?ふねがおしかえされたぞ!?」
魔法使い「ビックリしたわね…今、悲しげな歌声が聞こえたけど…もしかしてあの歌は…」
賢者「オリビアがうたってたのか?」
魔法使い「かもね…じゃあ、あいのおもいでを使ってみましょう…」スッ…
…リ…ビア…オリビア…
エリック…?ああ、私のエリック…!
魔法使い「これは…!」
賢者「あ!!まほーつかい、みてみて、あのあんちゃんだぞ!!」
オリビア、もう放さない…!
エリック…エリック…!
――
魔法使い「二人とも消えた、わね…良かったわ、二人とも…」
賢者「すっごいイチャイチャしてたな!!」
魔法使い「ええ、まあ、そうとも言うわね…」
――オリビアの岬の宿屋
詩人「海が、静かになった…オリビアの悲しみが癒された…?まさか…」
賢者「おーい、のろいがとけたぞ!!」バタン!
詩人「あ、貴女は…!」
魔法使い「こら、またノックもしないで…ごめんなさいね。ただ、あのあいのおもいでを二人に返せた事を報告したくて…」
詩人「ま、まさか貴女方が!?いや、確かに海は静かになりました。全く、すごい方たちですね…」
魔法使い「貴方の助言のおかげよ。感謝してるわ」
賢者「そーだぞ、なかなかやるな!!」
詩人「いえ、私はただ知ってる事、思った事を教えただけです。貴女方の行動がなければ、彼女を癒すことは出来なかったでしょう…」
魔法使い「とにかく、ここの呪いは解けたわ。あとはほこらの牢獄ね」
詩人「あの島の牢獄にも行くつもりですか?あそこにはしばらく人が寄り付いていません。行っても…」
魔法使い「いえ、行かなければならないのよ。じゃあ私達は行くわ。本当にありがとうね」
賢者「じゃーな!!げんきでな!!」
詩人「貴女方も気を付けて。旅のご無事を祈っています…」
――ほこらの牢獄
賢者「むー、クモのすだらけだぞ…」
魔法使い「これは…もう生きてる人がいないというのは本当のようね…」
賢者「これじゃ食べるものもなさそうだぞ…あ、ゆーれーせんでもみたひのたまだ!!」
魂「ここは寂しい ほこらの牢獄…」
魔法使い「ここに、サイモン殿が囚われていたのね…こんな所に…」
賢者「さみしいし、ごはんもないなんて、つらいぞ…」
魔法使い「実際、食べるものもなかったでしょうね。あのオリビアの呪いがいつからかは分からないけど、投獄されて、呪いで岬を塞がれたとなったら…」
賢者「あ、まほーつかい、ガイコツだぞ!!」
魔法使い「屍ね。ここの骨は幽霊船みたいに動かないのね…」
賢者「なあなあ、だれもいないな。ここになんとかのつるぎがあるのか?」
魔法使い「まだ全部の部屋を調べてないから分からないけど、どうかしらね…さて、こっちの部屋は…」
賢者「あ、またひのたまだぞ!!」
魂2「私はサイモンの魂。私の屍の周りを調べよ…」
魔法使い「屍の周りを…でも、この部屋には…まさか、もう誰かが持ち去った…?」
賢者「ほかのへやにいってみるぞ!!」
魔法使い「そうね、まだ諦めるには早いわね…さて、この部屋には…また屍があるわね」
賢者「ん?なあなあ、なにかおちてるぞ?」
魔法使い「これは…剣!?まさか、これが?いえ、この寂れたほこらにあってなお輝きを失わない、これは間違いなく…」
賢者「なんとかのつるぎか?みつかったな!!」
魔法使い「ええ、これが、この剣があれば…ついに魔王への道が切り開けるのね。ついに…」
なんと ガイアのつるぎをてにいれた!!
――123日目、商人の町
商人「えっと、武器屋はこの辺で、ここには劇場を作って…ん~、忙しいなあ…もっと頑張らなきゃ…あれ?あ、魔法使いちゃん、賢者ちゃん!!また来てくれたんだ!!」
賢者「おおー、すごいぞ!!もうまちになってるぞ!!」
魔法使い「私は何度驚いたと言わなければならないのかしら…?前来たときから3日しか経ってないのに、もう町の形になってるじゃない」
商人「ね?ね?すごいでしょ?あたし、頑張ったんだから!!」
魔法使い「いくら頑張ったからって、これはすごいわ。でも忙しそうね。あまり邪魔しても…」
商人「ううん、ちょっとくらいなら平気だよ!!それで、オリビアさんの呪いは解けたの?」
賢者「じゃーん!!これなーんだ?」ブンブン
商人「け、賢者ちゃん、剣を振り回さないで…って、これ、この剣…!」
賢者「なんとかのつるぎだぞ!!」
魔法使い「ガイアのつるぎ、よ」
商人「すごい、見つけたんだ!!ということは、ついに…」
賢者「まおうを食べにいくぞ!!」
商人「や、やっぱり食べるんだ…でも、いよいよなんだね…」
魔法使い「この剣はね、オリビアの呪いを解いたあと、ほこらの牢獄で手に入れたの」
商人「へえ、呪い解けたんだ!!しかも問題が一気に解決したんだね!!」
魔法使い「まあ、本当の問題があるんだけどね」
商人「そっか、いよいよ魔王と対決だもんね…」
魔法使い「まあ、まだすぐそこに魔王がいるとは限らないけどね」
賢者「いかなきゃわからないんだぞ!!」
商人「そっか、いつも通りだね」
魔法使い「そうよ、それに…」
町人「商人さん、ちょっといいですか?」
商人「あ、はい。ごめん、あたし行かなきゃ…」
魔法使い「…ええ、忙しい中ごめんなさいね。あと、また地図だけ見せてもらいたいんだけど…」
商人「ああ、それならおじいさんとこにあるよ。じゃあね、ホントごめんね!!」
魔法使い「ううん、頑張ってね…」
賢者「いそがしそうだなー…」
魔法使い「そうね。それに…貴方が、商人がいないと魔王には…」
賢者「おーい、じーちゃんいるかー?」バタン!
魔法使い「だからノックを…ごめんなさい、騒がしくて…」
老人「おお、貴方達…町を見てくれたか?」
賢者「すっごいりっぱになってたぞ!!」
魔法使い「ええ、驚いたわ」
老人「これも貴方達のおかげ。ありがとう」
魔法使い「お礼を言うのはまだ早いんじゃないかしら?」
老人「そうだな、ここから大事。ところで何用?」
賢者「ちずみせて!!」
老人「ああ、なら待ってろ…これ、見るといい」
魔法使い「ありがとうございます…火山の火口は…ここね。なら、一番近いのは…」
賢者「アッサラームだな!!」
魔法使い「そうね。じゃあ行きましょうか…ご老人、これからもあの子を…」
賢者「じーちゃん、しょーにんをたのむぞ!!ホントだぞ!!」
老人「分かってる。よく分かってる」
魔法使い「さて…じゃあ行きましょう。私達は私達で大変よ。気を引き締めないとね」
賢者「おー!!まおー食べてやるぞ!!まほーつかいも食べるか?」
魔法使い「遠慮しておくわね…あら、商人、どうしたの?」
商人「ご、ごめん魔法使いちゃん、魔法使いちゃんさ、ポルトガの王様にこの町よろしくって言ってくれたんでしょ?ポルトガからたくさん船が来たよ、ありがとう!!」
魔法使い「ああ、その事…大したことしてないわよ、ちょっと話しただけだから」
賢者「そーだぞ、きにするな!!」
魔法使い「貴方は宿屋で食べてただけよね…?」
商人「ホントにありがとう!!気を付けて!!」
魔法使い「貴方も気を付けるのよ、町が大きくなれば、いろんな人が来るからね」
商人「だいじょーぶ!!大丈夫だよ!!」
魔法使い「身の危険を感じたら、遠慮なくザキ使うのよ!ザキよ、ザ キ!!」
商人「そ、そんな大きな声でザキザキ言わないでよ…分かってる、分かってるから!!」
賢者「じゃーな!!またくるからな!!…なあなあ、しょーにんはニンゲンにザキつかえるか?つかえないとおもうぞ」
魔法使い「あの子の性格じゃ無理でしょうね。でも、だからこそあんな大声で言ったのよ。周りに分からせておかないとね…」
――124日目、アッサラーム
賢者「おおー、あれもおいしそう、これもおいしそうだぞ!!」
魔法使い「もう、がっつかないのよ。確かに、いろんな食べ物が売ってて楽しいのは分かるけど、今日はここで1泊するから、その時ね?」
賢者「ここでとまってくのか?」
魔法使い「ええ、思えば幽霊船から帰って来て、ポルトガで泊まった後宿で休んでなかったから、今日はゆっくりと、ね?」
賢者「そっか、じゃあいろんなもの食べほーだいだな!!」
魔法使い「食べ放題ではないのよ?お金かかるんだから…」
賢者「あれ食べたい!!これ食べたい!!それ食べたい!!」ギャーギャー
魔法使い「もう、宿屋で食べるって言ってるでしょ!食べたいなら、早く宿屋に…」
賢者「お?なあなあ、あそこなんだ?」
魔法使い「あ、あそこはパ…いかがわしいお店よ、行っちゃダメよ!」
賢者「いかがわしい…?」
魔法使い「とにかく、貴方にはまだ早いの!さ、宿屋に行くわよ、たくさん食べさせてあげるから」
賢者「たくさん!?おー、いくいく!!」キャッキャッ
――125日目
賢者「ふー、ここも食べものおいしいな!!いろんなのあるし!!」
魔法使い「満足してもらえて何よりだわ…」フウ…
賢者「で、おひるはなに食べるんだ?」
魔法使い「貴方ねえ、ここに何しに来たか分かってるの?」
賢者「もちろん!!まおーを食べにきたんだぞ!!」
魔法使い「まだ食べる話!?まあいいわ、目的を忘れてないのなら…」
賢者「これからかざんのかこーにいって、これつかうんだよな?」ブンブン
魔法使い「もう、剣を振り回さないの!でも、この剣を火口に投げ入れると道が拓けるって言うけど、どういう事なのかしらね…?」
賢者「いけばわかるぞ!!」
魔法使い「…そうね、いつも通りね。じゃあ行きましょうか、準備はいい?」
賢者「あ、まってまって!!」
魔法使い「そう、慌てなくていいわ、こからさ先は困難も多いでしょうから、準備は念入りに…」
賢者「これとこれとこれおかわり!!あと、これをおべんとーにして…」
魔法使い「………まあ、準備には違いないか…」
――火山の火口
賢者「おー、ここがかざんのかこーか!!」
魔法使い「ほら、あんまり近づかないの。危ないから…」
賢者「なあなあ、ここにこれポイッてすればいいんだよな?」
魔法使い「そういう話だったわね。でも本当に…」
賢者「そりゃー!!」ポーン
魔法使い「ちょっ、もう投げ入れたの!?」
賢者「おおー、みえなくなったぞ、ふかいなー!!…お?」ゴゴゴ…
魔法使い「…?地震かしら…って、わ、ゆ、揺れる…!」ゴゴゴゴゴゴ…
ゴゴゴゴゴゴドドドドドド…!!
賢者「おお!?あなからひがでてきたぞ!?」
魔法使い「ふ、噴火したの!?これが、ガイアのつるぎの効果なの!?」
ドドドドドドドドド…ザアアアア…
魔法使い「火山が…噴火して…溶岩が、川を埋めていく…」
賢者「おおー、かわがうまって、かこーのあっちがわにいけるようになったぞ!!」
魔法使い「こんな事が……商人にも見せたかったわね。でも、いよいよという感じがするわ」
賢者「このさきにまおーがいるんだな?」
魔法使い「多分ね…それも、行けば分かるわ。さあ…賢者!魔物よ!!」
フロストギズモがあらわれた!!ミニデーモンがあらわれた!!トロルがあらわれた!!
賢者「あのアクマはゆーれーせんでみたな!!」
魔法使い「ええ、他の2体は見たことないけど…」
賢者「おにくとわたがしだな!!」
魔法使い「お肉はともかく、綿菓子ではないと思うわよ?さて、綿菓子もどきは冷気の魔物のようだし、ここは…イオラ!!」ドゴーン!!
賢者「おにく、いくぞー!!」ザクッ
魔法使い「…!これだけやって、1体も倒せなかったわ!賢者、気を付けて…」
トロルのこうげき!!
賢者「ふぎゃっ!?つ、つよいな~…」
魔法使い「ボストロールほどじゃないけど、力はありそうね。でも他の魔物はとは一息のはず…ここはほのおのブーメランで…!」ヒュンヒュン
フロストギズモはすばやくみをかわした!!ミニデーモンはすばやくみをかわした!!
魔法使い「あ、当たらなかった!?いけない…!」
トロルのこうげき!!ミニデーモンはつめたいいきをはいた!!フロストギズモはつめたいいきをはいた!!
魔法使い「長引かせたら危険ね。でも、今度こそブーメランで…!」ヒュンヒュン
フロストギズモをたおした!!
賢者「よーし、アクマをたおすぞ!!」ザクッ
ミニデーモンをたおした!!
魔法使い「よし、いいわよ!あとは…」
トロルのこうげき!!
魔法使い「っつう…!」
賢者「まほーつかい、だいじょーぶか!?」
魔法使い「平気よ…さあ片付けるわよ、メラミ!!」ボオオッ
賢者「このやろー!!」ザシュッ
――まもののむれをやっつけた!!
魔法使い「ふう…今までの魔物よりずっと強いわね…前途は多難ね…」
賢者「おお!?このわたがし、すごいくちどけだぞ!!あまくはないけど…」
魔法使い「本当に食べるの!?」
賢者「う?、ちべたい…」
魔法使い「冷気の魔物よ、当たり前じゃない…そんなの食べてお腹壊さないの?」
賢者「けんじゃはおなかこわれたことないぞ!!」エッヘン
魔法使い「鋼鉄の胃袋ね…」
賢者「あーあ、あのおにくもカイタイしたかったのに…」ブーブー
魔法使い「仕方ないでしょ。ボストロールだって、解体には一晩掛かったでしょ、日が暮れてしまうわ。ごはんなら宿に戻ってからたくさん食べさせてあげるから」
賢者「たくさん!?なら、ガマンするぞ…」
魔法使い「たくさん食べない日があったかしら…?」
賢者「あ、まほーつかい、どうくつがあるぞ!!」
魔法使い「洞窟…外でこの魔物の強さだもの、中はもっと強力な魔物がいるでしょうね…」
賢者 レベル22「だいじょーぶだぞ!!けんじゃれレベルもあがったし!!」
魔法使い「そうね…どちらにしろ入るしかないし、行きましょうか」
――ネクロゴンドの洞窟、地下1階
賢者「おお!?ひとがいっぱいだぞ!!」
魔法使い「これは像よ、人じゃないわ。それにしても、こんなに並んでると不気味ね…」
賢者「ぞう?食べれないのか…」
魔法使い「食欲の権化ね…それより気を付けて。きっとこの洞窟には、強力な魔物が…」
はぐれメタルがあらわれた!!
魔法使い「まさかこれは…!賢者、絶対に逃がさないわよ!!」
賢者「ど、どうしたんだまほーつかい!?こわいぞ…」
魔法使い「いいから!どくばりで…それっ!」トスッ
賢者「よーし、えいっ!!えいっ!!」ドカドカ
魔法使い「いいわ、まだ逃げないで…それっもう一息…」
はぐれメタルはにげだした!!
賢者「あ?、にげちゃったぞ…」
魔法使い「くっ、なんて事…仕留められたら、きっと…」
賢者「ま、まほーつかい、こわいぞ…」
――1F
魔法使い「階段を上ったはいいけど…この階は広そうね…」
賢者「ん?、おたからのニオイがするぞ!!」クンクン
魔法使い「さすが元盗賊ね。ところで賢者、貴方まだ魔力は余裕ある?」
賢者「ん?、おなかはへったぞ!!」
魔法使い「もう!?じゃあ今日はかの階のお宝を見つけたら撤収ね」
賢者「かえるのか?」
魔法使い「ここに来るまでに魔力を使いすぎたわ。特に、貴方は回復呪文をたくさん使ったでしょう?」
賢者「なんかいもベホイミしたな!!」
魔法使い「本当は、何回かのベホイミで魔力に不安が出るようではいけないんだけど…もう少しレベルを上げるべきかしら?」
賢者「お、まほーつかい、たからばこだぞ!!」
魔法使い「早速見つけたわね。待ってて…インパス!…うん、開けていいわよ」
賢者「じゃああけるぞ!!…おお?けんだな!!」
なんと いなずまのけんをてにいれた!!
魔法使い「これは…とても良いものに見えるけど、私達には装備出来そうにないわね…」
賢者「まだたからのニオイはするぞ!!」
魔法使い「そう、ここは結構貴重な物がありそうだけど、広くて迷いそう…」
ミニデーモンがあらわれた!!ホロゴーストがあらわれた!!じごくのきしがあらわれた!!
魔法使い「また新手…!」
賢者「うー、どれもおいしくなさそうだぞ…」
魔法使い「食べられなくても戦うわよ!!ヒャダイン!!…あの影の魔物には効かないわね…」
賢者「ほねならダシになるかな?それっ!!」ザシュッ
じごくのきしをたおした!!
魔法使い「よし、その調子で…」
ホロゴーストはザキをとなえた!!
魔法使い「!!」ビクッ
賢者「ま、まほーつかい、へーきか!?」
魔法使い「だ、大丈夫、驚いたけど…」
ホロゴーストはザキをとなえた!!
魔法使い「また…!なんとか無事だったけど、心臓が凍りつきそうになったわ…」
――まもののむれをやっつけた!!
賢者「ぶじでよかったな!!」
魔法使い「生きた心地がしなかったけどね…でも、このローブのおかげもあってか助かったわ」
賢者「エルフたちのむらでかったやつだな?」
魔法使い「ええ、守備力はぬいぐるみと変わらないからどうかと思ったんだけど、買っておいて良かったわ。さあ、探索を続けましょう」
賢者「おー!!…お、まほーつかい、またたからばこだぞ!!」
魔法使い「…うん、これも大丈夫、開けてみて」
賢者「はーい!!…おー、なんだかいたそうなものがでてきたぞ!!」
なんと やいばのよろいをてにいれた!!
魔法使い「これも私達には装備出来なさそうね。勇者や戦士がいたら違うのでしょうけど…さて、今日はもう戻りましょうか」
賢者「おー!!かえってごはんだな!!」
魔法使い「思ったより早く宝が見つかったから、まだ少し余裕があるわね。じゃあ歩いて外まで…」
はぐれメタルがあらわれた!!
賢者「ま、まほーつかい、あいつだ!!」
魔法使い「出たわね!今度こそ逃がさない…!賢者!ピオリムは使えたわね?」
賢者「うん、つかえるぞ!!」
魔法使い「じゃあ私が呪文を唱えたら、次にピオリムを唱えて!――ドラゴラム!!」メキメキメキ…!
賢者「おお!?あのかっこいーまほーか!!じゃあ、えっと…かけっこはやいとうれしいな!!ピオリム!!」シュピーン
はぐれメタルのこうげき!!
賢者「こうげきしてきたな!!このやろー!!…むー、きかない…まほーつかい、まだか?」
魔法使いはほのおをはいた!!はぐれメタルをやっつけた!!
賢者「おおー!!たおしたたおした!!」キャッキャッ
魔法使い「…ふう。それにしても、なんか変な呪文の唱え方してたわね。あれでも呪文って唱えられるものなのね…」
賢者はレベルがあがった!!賢者はレベルがあがった!!
賢者「おおー、レベルが2つもあがったぞ!!」
魔法使い「やっぱりあの魔物はガルナの塔にいたあの魔物と同類だったのね。しかもより大きな経験が積める…」
賢者「やった!!けんじゃもザキがつかえるようになったぞ!!」
魔法使い「やったわね。他には何か覚えなかった?」
賢者「んっと、ザオラル?もおぼえたぞ!!」
魔法使い「貴方はそっちの方が重要ね。これで、私が死んでも生き返らせる事が出来るわ」
賢者「しんだら?しんじゃダメだぞ!!」
魔法使い「もちろん、好きで死ぬわけではないわ。でも、万が一もあるから…だから、あんまりザキで魔力を使ったりしないのよ?」
賢者「だいじょーぶ!!ザキでたおしたモンスターはおいしくないからな!!」
魔法使い「ああ…なら安心かしら…?」
――126日目
賢者「ふー、きょうもあさごはんおいしかったぞ!!」
魔法使い「いっぱい食べたわね?じゃあそろそろ出掛けるわよ」
賢者「きょうはどこいくんだ?」
魔法使い「今日はレベル上げをするわ。貴方は魔力、私は体力が足りないから…ほら、これ食べて」
賢者「おお、まだたべるものあるのか?これなんだ?」
魔法使い「かしこさのたねよ。これを食べてレベルを上げれば魔力が上がるのよ」
賢者「おおー、いいアイテムだな!!食べれるし!!」ボリボリ
魔法使い「さて、私はスタミナのたねを…」ポリポリ
賢者「あー!!まほーつかいのもおいしそうだ!!」
魔法使い「そんなに美味しくないわよ…?でも、スタミナのたねは少ししかないわね。本当は商人があなほりでたくさん見つけてくれるって言ってたんだけど…」
賢者「ちゅーしになったあなほりたいかいか?」
魔法使い「ええ、1つも見つからなかったのは誤算だったみたいね。まあ見つからなかったものは仕方ないわ、ある分だけで何とかしないと…」
――商人の町
商人「へっくち!!」
老人「おお、風邪か?」
商人「ううん、きっと魔法使いちゃん達があたしの話でもしてたんだと思います。さて、次の仕事は…」
老人「少し休んだらどうか?町の皆も疲れてる」
商人「え?なら、皆さんは休ませて下さい、あたしは平気ですから!」
老人「いや、上が働いてる、皆が休め…」
町民「町長、あっちは大体片付きました」
商人「町長は恥ずかしいな…分かりました、今行きます。それから、劇場は…」
町民「あ、げ、劇場の方はこっちでやってますので、町長はあちらを…」
商人「そう?あたし、劇場全然見てないから、たまには…」
町民「いえ、大丈夫です。さ、町長、こちらに…」
商人「んー、分かりました。じゃあ、こっちは――」
老人「…商人も皆も、働きすぎ。不安になる…」
――火山の火口南部
賢者はレベルがあがった!!
賢者「おおー、まほーたくさんおぼえたぞ!!イオラにマホカンタにラナルータ!!」
魔法使い レベル38「私も呪文を1つ覚えたわ。体力もいくらか上がったし…貴方は魔力上がった?」
賢者 レベル25「たくさんあがったぞ!!でもおなかすいたぞ!!」
魔法使い「そうね、夜になるまで魔物退治したからね。そろそろ帰りましょう」
賢者「おお、ごはんだな!!」
魔法使い「ええ、私もお腹空いたし。じゃあ帰りましょうか」
賢者「なあなあ、あしたはしょーにんのところにいかないか?」
魔法使い「ええ、そのつもりよ。と言っても、明後日になってしまうけど」
賢者「おおー、かざんがバクハツしたはなしとかしなくちゃな!!」
魔法使い「そうね、商人もきっと喜ぶわ」
賢者「しょーにんがんばっておなかすいてるかもな。あ、じゃあおみやげもっていくぞ!!したのうえできえるようなくちどけのわたがし!!」
魔法使い「それはおみやげとしてどうかしら…?」
――128日目、商人の町
町民「ここは商人バークの町です」
賢者「おお!?しょーにんのなまえがみちのなまえになったのか?」
魔法使い「そうね、それにも驚いたけど、この町の変わりよう…すごいわね…」
賢者「しょーにん、がんばったんだな!!すごいな!!」
魔法使い「そうね…じゃあ、少し町を見て回る?」
賢者「おおー!!あ、あっちにでっかいたてものがあるぞ!!」
魔法使い「あれは…確か劇場を建てるって言ってた所ね」
賢者「おおー、ここがげきじょうか、すごいな!!ひろいな!!」
魔法使い「ほら、歌を歌ってるんだから、静かにしなさい…すみません、うるさくて…」
受付嬢「いいえ、ごゆっくり」ニッコリ
魔法使い「すみません…それにしても、この歌…そんなに…」
客「お、あんたもそう思うか?たいしていい歌じゃないよな、まあ顔がいいのは認めるがね」
女性客「キャー!!」
女性客2「すてき…」ウットリ
魔法使い「女性客には受けてるようだけど…これ、あの子の趣味なのかしら?」
賢者「賢者「なあなあ、まほーつかい、けんじゃはあれのみたいぞ!!」
魔法使い「あれ…?ダメよ、ここにあるのはお酒だけだもの。貴方には飲めないわ」
賢者「えー、のみたいぞ!!」ブーブー
バーテン「はは、なら少しだけ…」
賢者「お?いいのか!?」
魔法使い「ダメよ!!ほら、もう行くわよ!」
賢者「うー、のみたかったのに…」
受付嬢「お帰りですか?では50000ゴールドになります。払っていただけますね?」ニッコリ
魔法使い「なっ…!あの子、どういう商売してるの!?」
受付嬢「え?あ、商人様のお知り合いでしたか、それはそれは…ホホホ…」
賢者「なあなあ、どうなってるんだ…?」
魔法使い「…あの子に直接聞いてみましょう…」
商人「あ、二人とも来てくれたんだ!!どう?この町、きくななったでしょ?」
賢者「おお、すごいぞ!!」
魔法使い「確かに、見違えるほど大きくなったわね…」
商人「でも、まだまだこれから。これからこの町はもっと大きくなるよ!見ててね、あたしがもっと大きくしてみせるから!!」
魔法使い「…大きくするのは結構だけど、あの劇場みたいなのをどんどん増やすつもりなの?」
商人「あ、劇場見に行ってくれたんだ!!どうだった?あたし、ほとんど劇場には関われなかったんだけど…」
魔法使い「どうもなにも、あれは…」
大男「こら!!これ以上町長の時間をとらせるな!!さあ、行った行った!!シッシッ
賢者「むー、なんでおっぱらうんだ!?けんじゃたちとしょーにんは…」
大男「うるさい!!さっさと出てけ!!」
商人「ま、待って、この人達は…」
大男「ダメです、さあ!!」シッシッ
賢者「このやろー!!食べて…」
魔法使い「…止めなさい、賢者。もう行きましょう。商人、また来るからね…」
商人「あ…うん、ごめんね…」
賢者「うー、なんであいつけんじゃたちがしょーにんとしゃべるのジャマするんだ?あいつを食べれば…」
魔法使い「ダメよ食べちゃ。でも、確かにあれはちょっとね…あのご老人にも話を聞いてみないと…」
賢者「じーちゃんちは…あっちだな、おーい!!」ダダダ…
魔法使い「さて…着いたわ。ご老人、いるかしら?」
老人「おお、貴方達…町、見たか?」
魔法使い「ええ、あの子は頑張ってるみたいだけど…」
老人「…ああ。少し頑張りすぎだ。周りのもの、ついていけてない」
魔法使い「私達のパーティーにいるのと同じ感覚で町作りしてたのね…」
老人「それに、怪しい連中が取り巻いてる。とても良くない」
魔法使い「取り巻き…あの劇場も、その取り巻きがやっているのかしら?」
賢者「すごいおかねとられそうだったぞ!!」
老人「そうだ、とてもずるいやつら」
魔法使い「…それで?こうならないように、貴方にはお願いしてたはずだけど?」
老人「面目ない。私、非力な老人。大男達に抵抗できない」
魔法使い「あの商人のそばにいた男ね。確かに厄介ね、夜を待って行けば商人に会えるかしら…?」
――夜
大男「だから商人様はもうお休みだ、帰った帰った!!」シッシッ
老人「どうか通して欲しい、商人に言いたい事ある」
賢者「とおせー!!でないと食べるぞー!!」
大男「商人様はお前らと違って毎日大変なんだ、帰れ帰れ!!」
賢者「この…!!」
魔法使い「…ダメね。帰りましょう」
賢者「あきらめるのか!?こいつを食べれば…」
魔法使い「ダメよ、魔物でもないのにそんな事しては…ご老人も…」
老人「ああ…本当に面目ない…」
魔法使い「そうね、こうなる前に何とかして欲しかったけど、仕方ないわ。まあ、もう少し時間が経って、あの子に余裕が出来たら、その時にでも…ご老人、できる限りあの子を…」
老人「…分かっている」
魔法使い「お願いします…さ、賢者、行くわよ…賢者?」
賢者「いま、あのたてもののかげで、だれか…」
魔法使い「…あそこの影?誰もいないようだけど…さあ、行きましょう。私達は明日、あの洞窟を攻略するわよ」
――129日目、ネクロゴンドの洞窟入口
魔法使い「じゃあ今日はいよいよこの洞窟を攻略よ」
賢者「なあなあ、しょーにん、あのままでいいのか?」
魔法使い「…心配?そうね、私もよ。だから、ここは必ず今日中に突破してすぐあの子の所に戻るわよ」
賢者「すぐに?ここにはまおーがいるんじゃないのか?」
魔法使い「商人の町で聞いた話だけど、どうもこの先にあるのは魔王じゃなくてオーブらしいわ。貴方、オーブ覚えてる?」
賢者「んっと…やきとり?」
魔法使い「不死鳥を食べないでよおオーブを集めると不死鳥ラーミアが復活して、多分だけど船が要らなくなるということだから…」
賢者「とりにのれるのか?」
魔法使い「多分ね。で、きっとそれで魔王の所まで行けるようになるはずよ」
賢者「おー、じゃあここおわったらとりでしょーにんむかえにいくんだな!!」
魔法使い「ところが、まだオーブが揃わないのよね…残りはどこにあるのか…」
賢者「わからないのか?」
魔法使い「もしかしたら、というのはあるけど…とにかく、今私達が考えるのはここの突破よ。必ず今日中に終わらせて、またあの子の様子を見に行かないと…」
――1階
魔法使い「…この階までは、前にも来たわよね。道も確認してあるし…あとは、どのくらい魔力を節約して進めるかだけど…」
賢者「けんじゃはかしこさのたねたくさん食べたからだいじょーぶだぞ!!」
魔法使い「確かに以前よりはいいでしょうけど、節約するに越したことは…あら」
はぐれメタルがあらわれた!!
賢者「お、まほーつかい、あいつだ!!」
魔法使い「出たわね!賢者、この前と同じようにやるわよ!――ドラゴラム!!」ゴゴゴゴゴ…
はぐれメタルはにげだした!!
魔法使い「…」シュウウウウ…
賢者「あー、逃げられたぞ…」
魔法使い「逃げられたのは仕方ないけど…節約しなきゃって言ったあとすぐこれじゃあ…少し戦い方を変えた方がいいわね…」
――2階
ライオンヘッドがあらわれた!!じごくのきしがあらわれた!!
賢者「おお!?このどうくつにも、おいしそうなおにくが食べれるな!!」
魔法使い「本当に食べられるのかしら…?まあいいわ、初めて戦う魔物だから、油断しないのよ――イオラ!!」ドゴーン
賢者「とさつだー!!」ザクッ
ライオンヘッドをたおした!!
魔法使い「いい調子ね!…賢者、気を付けて!」
じごくのきしはやけつくいきをはいた!!
賢者「おお!?なんだ?」
魔法使い「それを吸っちゃダメよ!…長引かせない方がいいわね、メラミ!!」ボウッ
賢者「ほねはダシだー!!」ザンッ
――まもののむれをやっつけた!!
魔法使い「…この調子で魔力もつかしら?」
賢者「…まずはちをぬいて、それから…なあなあ、このほね、いいダシでるかな?」
魔法使い「やめてよ、お願いだから…」
――3階
魔法使い「…ここまでは、なんとか順調に来られたわね」
賢者「サクサクすすむな!!」
魔法使い「そうね、ただ…ここからさらに上る階段が見当たらないのだけれど…」
賢者「お?みろ、かいだんだぞまほーつかい!!」
魔法使い「あったわね。でも…ここは通れないわよ、床に大きな穴があいてるわ」
賢者「むー、またあなをとびおりるんじゃないのか?」
魔法使い「そうかもしれないけど…まずは他を当たってみましょう」
賢者「…うー、あなだらけだぞ…」
魔法使い「通れる所はないみたいね。やっぱり落ちるしかないみたいね。さて、どの穴から…」
賢者「かたっぱしからおちてみるぞ!!」ピューン…
魔法使い「ちょっと!!…もう、後先考えずに…仕方ないわ、それっ!」ピューン…
賢者「にかいもあなにおちたな!!ここいっかいか?」
魔法使い「…で、目の前の階段はさっき上った階段よね?結局もと来た道を戻ってきただけ…どこで間違ったかしら…?仕方ないわ、またこの階段を上って、それから…」
ホロゴーストがあらわれた!!
賢者「あ、ザキのモンスターだぞ!!」
魔法使い「嫌な奴にあったわね。しかも4体…一気に行くわよ、ベギラゴン!!」ゴオオオオ…!!
ホロゴーストにはきかなかった!!ホロゴーストにはきかなかった!!ホロゴーストには…
魔法使い「1体にも効かなかった!?いけない…」
ホロゴーストはザキをとなえた!!ホロゴーストはザキをとなえた!!
賢者「うー、こわいぞ…」
魔法使い「急がないと…マヒャド!!…これも効かないの!?」
ホロゴーストはザキをとなえた!!ホロゴーストはザラキをとなえた!!
魔法使い「くっ…!ブーメランで戦うしかないわね。それっ!」ヒュンヒュン
賢者「このやろー!!」ザンッ
――ホロゴーストたちをやっつけた!!
魔法使い「ふう、これじゃ命がいくつあってもたりないわ…戦い方を工夫しないと…」
賢者「このあとどこいくんだ?」
魔法使い「とりあえず、3階までは同じように上りましょう。それから…」
はぐれメタルがあらわれた!!
賢者「おお、あいつだぞまほーつかい!!」
魔法使い「逃がしたくはないけど、魔力も節約しないと…ここは…どくばりで!」トスッ
――はぐれメタルをやっつけた!!
賢者「おおー、すごいぞ、たおしたぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「……嬉しいけど、拍子抜けね…」
賢者 レベル27「またレベルがあがったぞ!!」
魔法使い「良かったわね。賢者はレベルが上がりにくいっていうから心配してたけど、過酷な二人旅で濃い経験が積めてるみたいね」
賢者「うーん、でもやっぱり3人がいいぞ!!」
魔法使い「…そうね、私もそう思うわ。さあ、その為にも急ぎましょう」
賢者「ここまではさっききたな!」
魔法使い「そうね、そしてここまでは他の道はなかったわ。やっぱりここの穴のどこかから落ちるようね…」
賢者「じゃあつぎはこっちのあな!!」
魔法使い「そっち…まあ、考えても仕方ないわね。商人なら、勘で上手く当てるんでしょうけど…」
賢者「じゃあいくぞ、そーれ!!」ピューン…
魔法使い「私も…それっ!」ピューン…
賢者「おお!?なあなあ、ここきたことないぞ!!」
魔法使い「そうね、ずいぶん広い所に出たわ。さて、二つある階段のうち、どちらに上ったらいいのか…」
賢者「じゃあこっちいってみるぞ!!」ダダダ…
魔法使い「もう、少し落ち着きなさい!つかれちゃうわよ…しょうがないわね…」
賢者「…あー、いきどまりだ…」
魔法使い「あら、残念ね。でも、今度は行き詰まった訳じゃないわ。もう1つの階段を…」
ホロゴーストがあらわれた!!
賢者「あ、またザキのモンスターだぞ!!」
魔法使い「もう、先を急ぎたい時に…!賢者、やるわよ!」
賢者「よーし、じゃあ…」
魔法使い「待って、この魔物は呪文が効きづらい相手よ、普通にやったら時間が掛かりすぎて危険よ」
賢者「じゃあどうするんだ?食べるのか?」
魔法使い「これをどうやって食べるのよ…まず、貴方はマホトーンを唱えて!」
賢者「マホ…えーとえーと、マホトーン!!」キュリーン
ホロゴーストのじゅもんをふうじこめた!!ホロゴーストにはきかなかった!!ホロゴーストのじゅもんをふうじこめた!!ホロゴーストのじゅもんをふうじこめた!!
魔法使い「やるわね、3体に効いたわよ!」
賢者「へへ、すごいだろー!!」エッヘン
魔法使い「えあ、これなら時間が掛かってもそんなに怖くないわ。私の攻撃力でも…それっ!」ヒュンヒュン
賢者「それっ!!とりゃあー!!」ドカバキッ
――ホロゴーストたちをやっつけた!!
賢者「おおー、らくにかてたな!!」
魔法使い「ええ、それに結果的に魔力も節約出来たわね。この調子でどんどん行くわよ!」
賢者「おー!!…やっぱりこれ、たべれないかなあ?」
魔法使い「無理だと思うわよ…」
賢者「じゃあ、もう1つのかいだんだな?」
魔法使い「ええ、行ってみましょう。おそらくここが正解の道だと思うけど…」
賢者「んー、ながいかいだんだな…あ、まほーつかい、すぐまたかいだんがあるぞ!!」
魔法使い「上り階段…やったわね、いよいよ4階に…」
フロストギズモがあらわれた!!
魔法使い「本当、魔物って嫌なタイミングで出てくるわね…」
賢者「おー!!わたがしだ!!5こもあるぞ!!いっぱい食べて…」
魔法使い「悪いけど…ベギラゴン!!」ゴオオオオ…!!
フロストギズモをたおした!!フロストギズモをたおした!!フロストギズモを…
賢者「ああー!!全部きえちゃったぞ…」
魔法使い「ごめんね、でもまたすぐに…」
賢者「ううー、わたがし、わたがしー…」
魔法使い「わ、悪かったわよ。この洞窟出たら、おいしいものたくさん食べさせてあげるから、ね?」
賢者「ホントか!?じゃああれとあれとあれとあれとあれと、それから…」
魔法使い「…お金、足りるかしら?危険を減らすために早く倒したのに、かえって心配事が増えたわね…」
――4階
賢者「うー、ここはめいろみたいだな。はやくかえっておいしいもの食べたいのに…」
魔法使い「本当ね。暗くて先が見えないから、余計迷ってしまうわね…ああ、ここも行き止まりだわ…」
賢者 レベル28「モンスターもたくさんいるな!!けんじゃはまたレベルあがったぞ!!ザラキもおぼえたぞ!!」
魔法使い レベル39「私もあがったわ。ここの魔物は手強い分、経験もたくさん積めるわね」
賢者「しょーにん、けんじゃたちのレベルきいたらびっくりするかな?」
魔法使い「ええ、きっとね。でも、商人はレベルが上がりやすいから、すぐに…」
賢者「へへー、じゃあいちばんレベルのひくいしょーにんはごはんがかりだな!!あと、せんたくと…」
魔法使い「もう、先輩は敬いなさいよ?」
賢者「なあなあ、またしょーにんといっしょにたびできるかな?たのしみだな!!」
魔法使い「…そうね、きっと…あ、賢者!見て、向こうに階段があるわよ!」
賢者「おお、ホントだ!!それに、うえがあかるいぞ!!でぐちか?」
魔法使い「ええ、きっとそうよ。ながかったけど、ついに…」
賢者「おおー、のぼってみよう!!はやくはやく!!」ダダダ…
魔法使い「ほら、慌てないのよ!…でも、気持ちは分かるわ。長い洞窟だったもの…」
賢者「おおー、そとだ、そとだぞ!!」
魔法使い「本当ね、眩しい…」
賢者「あ、まほーつかい、あっちになにかあるぞ!!」
魔法使い「あれは…ほこらかしら?もしかしてあそこに…」
賢者「さきいってるぞ!!おーい!!だれかいるかー?」
魔法使い「ああもう、本当に…!」
男性「おお、ここまでたどり着ける者がいるとは…!」
賢者「お?なんだおっちゃん、こんなとこにひとりでいるのか?」
魔法使い「貴方は…?」
男性「私の事はいい。さあ、このオーブを受けとるがよい!」
賢者「おー、オーブだぞ!!やったな!!」
魔法使い「いいんですか?見ず知らずの私達に…」
男性「そなたらなら、魔王の城にもたどり着けるであろう。頼んだぞ!!」
魔法使い「はあ…では、いただきます…本当にいいのかしら…?」
賢者「オーブをみつけたら、しょーにんのところにもどるんだろ?はやくはやく!!」
魔法使い「そうね、急ぎましょう…では、本当にありがとうございました」ペコリ
男性「ああ、そなたらはこの世界の希望だ。気を付けてな」
賢者「じゃーなー!!」
魔法使い「ありがとうございます。では…ルーラ!!」ギュイーンギュイーン…
――商人の町
大男「町長、晩餐のお時間です」
商人「あ、ありがとうございます!…わあ、今日はすごい豪華ですね、この町でこんな豪華なご飯初めてです!…あれ?なんだか騒がしい…誰か来たのかな?こんな時間に…」
民衆「見ろ!自分だけあんなに豪華な食事をしてるぞ!!」「噂は本当だったのか…」「人にはあれだけ過酷な労働をさせておいて…!」
商人「え?え?ど、どういう事…?」
――130日目、商人の町
賢者「お?またちょっとまちかわったか?」
魔法使い「町が変わったというよりは、町の雰囲気が変わったというか…前はこんなに兵士が多くなかったし、住人も殺気立って見えるわね」
大男「失礼、町長のお仲間ですね?」
魔法使い「町長?商人の事ね、そうだけど、確か貴方は…」
大男「町長の使いです。宿屋の方にお食事を用意しているので、案内するようにと…」
賢者「おしょくじ!?いこういこう!!はやくはやく!!」グイグイ
魔法使い「お、落ち着いて…商人も宿屋にいるの?」
大男「ええ、後からお越しになります」
賢者「しょーにんもくるのか!!じゃあさきにいってるぞ!!」ダダダ…
魔法使い「もう、慌てて…じゃあ私も行きます、ありがとう」
大男「いえいえ…ふふふ…」
魔法使い「さて、宿屋は…ここね。賢者はもう中に入ったのかしら?ずいぶん騒がしいけど…賢者、なんで暴れてるの!?」
賢者「なんでごはんにどくをいれるんだ!?食べもののことでけんじゃにわからないことはない!!食べものをそまつにするな!!」ギャーギャー、ガシャン…
魔法使い「お、落ち着いて賢者…!私達に毒…商人が心配よ、行きましょう!」
商人「あ…二人とも、来てくれたんだ…」
賢者「しょーにん!!なんでろーやにはいってるんだ?」
商人「…みんなね、あたしのやり方に着いていけないって…あたし、みんなのためにって思ってたのに、間違ってたのかな…?」
魔法使い「何言ってるのよ。貴方、私達と別れてからどのくらい経ったか覚えてる?」
商人「え…半月ちょっと?」
魔法使い「そう。貴方はたったの20日足らずでここまで町を大きくしたのよ。それは貴方だけの力?いろんな人が助けてくれたでしょう?みんながみんな、貴方が間違ってると思ってたら、とてもこんな短期間に町は出来ないわ。そうでしょう?」
商人「…魔法使いちゃん…でも…でも…」
魔法使い「…時間が経てば、分かってくれる人もきっといるわ。大丈夫よ」
賢者「しょーにん、はやくろーやからでろ!!いっしょにごはん食べるぞ!!」
商人「賢者ちゃん…」
魔法使い「ええ、今出してあげるわ。鍵を…」
大男「おっと、どうするつもりですかい?そいつはこの町の重罪人。勝手な真似されちゃあこまるぜ!」
民衆「そーだそーだ!!」「脱獄だ!!」「逃がさねーぞ!!」
賢者「あー!!お前ら、あのときたてもののかげにいたやつら!!」
魔法使い「あのとき?なるほど、私達が最後に来たときにはもう色々と動いてた訳ね…」
商人「みんな…」
大男「重罪人には相応の罰を受けてもらわにゃあな!…だが、そんなにこの女が大事なら、あんたが代わりに償ってくれてもいいんだぜ?」
民衆「そーだそーだ!!」「イエーイ!!」「ぱふぱふ!!ぱふぱふ!!」
賢者「なんだ、こいつら?食べてやるぞ!!」ガオー
魔法使い「…はあ。貴方、人を見る目ないのね…」
商人「ご、ごめん、魔法使いちゃん。私はいいから、逃げて…!」
魔法使い「…逃げる?ふふふ、ねえ、商人。彼らは私に乱暴をしようとしているわ。さて、乱暴とはどういう事かしら?分かる?」
商人「え?…暴力を、酷いことをすること…?」
魔法使い「そうね、付け加えれば、
強い者が弱い者に理不尽に振るわれる暴力、といった所かしら?それで商人、貴方今ここにいる人たちの中で、誰が一番力があるか分からない?」クスクス
商人「え…?ま、魔法使いちゃん…?」
魔法使い「ええ、よく出来ました――我が爪は大地を裂き、我が牙は天使を喰らい、我が吐息は大地を焦がす――見よ!!我が真の姿を!!聞け!!我が真の咆哮を!!そして魂に刻め!!恐怖と共に、我が真の名を!!」
民衆「な、なんだ…」ザワザワ…
魔法使い「私は怒ってるのよ。泣いても許さないわ――ドラゴラム!!」
グオオオオオオオオオ!!
商人「ま、魔法使いちゃん…」
民衆「わー!!」「おたすけー!!」「ぱ、ぱふぱふが…」ダダダ…
賢者「あ、みんな逃げたぞ!!まほーつかい、あいつだけでもやきにくにするぞ!!」
大男「あ、あ…」ガクブル
商人「ま、待って!その人を、みんなを殺さないで!!お願い、お願いだから…!」
賢者「なんでだ?あんなやつらやきにくに…」
商人「お願い、お願いだから…」
魔法使い「………ふう。分かったわよ。貴方のわがままは今に始まった事じゃないしね」シュウウウ…
商人「魔法使いちゃん、ありがとう…」
魔法使い「いいわよ別に――ただし」ギロッ
大男「ひ、ヒイッ!」ガクブル
魔法使い「…この子と違って、私は正義の味方でも何でもないわ。貴方達を何百人殺しても平気よ。この子にこれ以上酷いことをするようなら…」
大男「わ、分かってます!!分かってますから!!」
魔法使い「…本当ね?ならいいわ、行きなさい―さ、あ行くわよ商人。やっぱり私達には貴方が必要だわ」ニッコリ
商人「魔法使いちゃん…ごめんね。魔法使いちゃん、ホントは優しいのに、あんな…」
魔法使い「あら、本心よ?私は貴方みたいな正義感ないもの」
商人「…思い出してみたらさ、前に魔法使いちゃんが大声でザキザキ言ってたのも、この時の為だったんだね?みんな、あたしがザキ使えるって聞いてたから、怖がってあんまり酷いことしなかったよ…ありがとうね」
魔法使い「まあ、もしかしたらこうなるかもってね。そんな事より、いつまでそんなところに居るの?早く出なさい、そして行くわよ」
賢者「そーだぞ、いっしょにごはん食べるぞ!!」
商人「…ううん、私はやっぱり、まだここにいる」
賢者「なんでだ?いこういこう!!」ギャーギャー
商人「…あのね、やっぱりあたしにも悪いところあったんだと思う。だから、もうちょっとだけここに…」
魔法使い「…貴方…」
商人「あ、そうだ!!いい忘れてたけど、あたしオーブ見つけたんだ!あたしの屋敷に置いてあるからさ、持っていってよ、ね?」
賢者「おー、オーブか、すごいな!!」
魔法使い「…貴方、オーブを手に入れる為に無理したんじゃないの?」
商人「それは…うん、それも含めて、あたしはやっぱり少し反省しないと…」
魔法使い「…仕方ないわね、貴方の頑固とわがままは筋金入りだもの」
商人「…ごめんね」
魔法使い「いいのよ、ただ、また必ず連れ戻しに来るわよ。じゃあ賢者、行くわよ」
賢者「えー!?しょーにんつれてかないのか!?」
魔法使い「いいから、ほら――じゃあね商人、またすぐ来るわ」
商人「うん、二人とも気を付けて…」
賢者「なんでだ?なんでしょーにんおいていくんだ!?」
魔法使い「ああ言い出したらテコでも動かないわよ。だから、テコよりももっとすごいものを使うわ」
賢者「もっとすごいもの…?」
魔法使い「ほら、オーブが揃ったでしょう?なら、不死鳥を復活させられるはずよ。不死鳥を復活させて、ここに連れてくる。そうすれば…」
賢者「ふしちょうのやきとりでおびきだすんだな!!」
魔法使い「それで釣られるのは貴方だけよ…あの子は不死鳥なんてものを見せられて大人しくしてられる子じゃないわ。必ずまた旅に出たいと言い出すはずよ」
賢者「おー、さすがきれものだな!!」
魔法使い「だから急ぐわよ、まずは商人の見つけたオーブを取りに行って、すぐにレイアムランドのほこらに行きましょう」
賢者「うん、行こう行こう!!」
魔法使い「全く、世話が焼けるわね。まあ、可愛い妹分の為だしね…」
――132日目、レイアムランド
賢者「ううー、さむいぞ…」カタカタ
魔法使い「もう少しでほこらに着くわ、我慢しなさい。少し時間がかかってしまったわ、急がないと…」
賢者「うー…そうだな、はやくしょーにんといっしょになりまちもんな!!」
魔法使い「そうね…貴方も我慢強くなったわね…」
賢者「なあなあ、あのほこらにいるふたりって、ずっとほこらにいるのか?」
魔法使い「え?そうね、そうなんじゃないかしら」
賢者「ごはん、どーしてるんだ?」
魔法使い「…どうしてるのかしら?そもそも彼女達は人間じゃなさそうだから、ごはん要らないのかもね」
賢者「ニンゲンじゃないとごはんいらないのか?ごはんのないまいにちはうるおいがないぞ!!」
魔法使い「私に言われてもね…ほら、そろそろ着くわよ。ごはんもいいけど、ラーミアを復活させないとね」
賢者「そーだな!!ごはんもいいけどな!!」
――レイアムランドのほこら
魔法使い「やっと着いたわね。ほこらの中は暖かいわね…」
賢者「はしご…のぼって…よいしょっと。んーと、オーブをささげるんだよな?」
魔法使い「よいしょっ…ふう。そうね、まだ2つしか捧げてないから、残り4つ捧げないとね。じゃあ手分けして、貴方はこれとこれを、私は残りを…」
賢者「これを…えっと…さいだんにおけばいいんだな?」
魔法使い「そうそう、お願いね」
賢者「はーい!!」タタタ…
魔法使い「さてと、私も…まずはこのシルバーオーブね。一番苦労したオーブだわ…」ボッ
賢者「ちきゅーのへそでとってきたオーブと…これはおかしらのオーブ!!」ボッ
魔法使い「これで最後ね。あの子が…商人が見つけてくれた、イエローオーブ…」ボッ
カタカタ…カタカタ…カタカタ…カタカタ…
賢者「お?お?たまごがうごいてるぞ!!」
魔法使い「もしかして…いえ、ついに…?」
巫女A「私達」
巫女B「私達」
巫女A「この日をどんなに」
巫女B「この日をどんなに」
巫女A「待ち望んだ事でしょう」
賢者「ごはんも食べずにがんばったもんな。えらいな」
巫女A「さあ、祈りましょう」
巫女B「さあ、祈りましょう」
巫女A「時は来たれり」
巫女B「今こそ目醒める時」
巫女A「大空はお前のもの――」
巫女B「――舞い上がれ、空高く!!」
魔法使い「卵が…割れる…!」
ピキピキ…パカッ!バサ…バサ…
賢者「おおー!!とりだ!!しろくてでっかいとり!!」
魔法使い「ええ…美しいわね…」
賢者「あ、そとにでたぞ!!」
魔法使い「あの…あの鳥は…ラーミアは…」
巫女A「不死鳥ラーミアは復活しました」
巫女B「ラーミアは神の使い」
巫女A「清き心の持ち主だけがその背に乗れると言います」
魔法使い「清き…心…」
賢者「なあなあ、のってみよう、はやく!!」
魔法使い「ええ、そうね…では…」ペコリ
賢者「おおー!!やっぱりでかいな、やきとりなんにんぶんだ?」
魔法使い「焼き鳥計算止めなさい…さて、清き心の持ち主だけが乗れると言うことだけど…」
賢者「乗ってみるぞ!!…おお、フカフカだ!!」キャッキャッ
魔法使い「賢者が乗れた…!これで私が乗れなかったら、どうすれば……乗れた…!」
賢者「おおー!!まほーつかいものれたな!!じゃあとんでとんで!!おまえ、とべるんだろ?」
魔法使い「そうね、飛んでもらえる?って私達の言葉、分かるかし…!?」
バサ…バサ…バサ…バサ…
賢者「おおー!!まほーつかい、とんだ、とんだぞ!!ほらほら、とんだぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「こらっ!ちゃんと掴まってなさい、落ちるわよ!でも、本当に…本当に飛んだ…」
賢者「なあなあ、これでどこにでもいけるんだな?」
魔法使い「ええ、これならきっと…!」
賢者「よーし!!たっぴざきからばんだいさーん!!」
魔法使い「どこそこ!?まずは商人を迎えに行くわよ」
賢者「しょーにん、おどろくかなあ?」
魔法使い「きっとね。いえ、絶対驚くわ。さあ、行きましょう。ラーミア、よろしくね!」
――133日目
賢者「おー、あさだあさだ!!」
魔法使い「すごいわ、空から日の出が見られるなんて…!早く商人にも見せてあげたいわね」
賢者「なあなあ、もっとはやくとべないのか?はやくしょーにんにみせてやりたいぞ!!」
魔法使い「無茶言わないでよ、これでもかなり速いわよ?これ以上速くなったら…って!ほ、本当に速くなるの!?」
賢者「おおー、はやいはやい!!すごいぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「だから、ちゃんと掴まって…!」
賢者「お?まほーつかい、しょーにんのまちだぞ!!」
魔法使い「もう!?本当だわ、こんなに早く着くなんて…」
賢者「しょーにんもじーじゃんもおどろくだろうな!!」
魔法使い「そうね…町の連中も、きっと驚くわね。いい脅しになるわ、ふふふ…」
賢者「まほーつかい、こわいぞ…おどすよりやきにくがいいぞ!!」
魔法使い「そうねえ、商人が止めなければ、それでも良かったかもね…さあ、もう着くわ。あの子をびっくりさせてあげましょう!」
――商人の町、夜
賢者「夜になっちゃったなー。しょーにん、もうねたかな?」
魔法使い「さあ、どうかしらね…とりあえず牢屋に…あら?牢屋がなくなってる…?」
賢者「な、なんでだ?しょーにんはどこいったんだ!?」
魔法使い「分からないわ…とりあえず、あのご老人の所に行ってみましょう」
賢者「じーじゃんのいえは…おなじばしょだな、おーい、じーじゃん!!」ドンドンドンドン!!
魔法使い「もう、夜なんだから静かに…!」
老人「おお、貴方達、よく来た。商人の事だな?」
魔法使い「話が早いわ。あの子、今どうなってるの?」
老人「あの後すぐ、商人牢屋から出た。でも商人、故郷に帰る言って帰ってしまった」
魔法使い「帰った!?」
賢者「こきょー?アリアハンか?」
魔法使い「でしょうね。全くさじっとしてられないのね。でも、無事に牢屋から出されたのね?」
老人「ああ、帰る前に、新しい町長も決めていった。貴方達にも、次この町来たら会って欲しい」
魔法使い「そうね、また来ると思うわ。あの子が来たいと言ったならね。じゃあ賢者、アリアハンに行きましょう。それにしても…本当、世話が焼けるんだから…!」
134日目、夜、ルイーダの酒場
商人「なによー、あたしだってさー、みんなのためにってさー、頑張ったんだよ?それなのにさー…」ヒック
ルイーダ「やれやれ、何があったか知らないけど、ずっとこの調子じゃあねえ…」
商人「それなのにさー、なんであたしが牢屋入りなの?おかしいでしょ?ね?…ルイーダさん、聞いてるの?」ヒック
ルイーダ「はいはい、聞いてるよ…ところであんた、もうお酒飲める歳だったかい?」
商人「なーに言ってるのルイーダさん、あたしもう旅立ちが許可される歳だよ?お酒だって…」ヒック
ルイーダ「知ってるよ、でもこの国では旅立ちは16才、お酒は20才からだよ、分かってるんだろうね?」
商人「………そうだっけ?」
ルイーダ「やれやれ、あきれたよ…ほら、あんたにはまだ酒は早いよ、出ていきな!!」
商人「なによー、いいじゃない、また冒険者登録したんだし、ここにいたって…」
ルイーダ「そうもいかないよ、身元引受人が来たからね」
商人「…みもとひきうけにん?」
魔法使い「全く、なにやってるのよ、貴方は…」
賢者「しょーにん、さけくさいぞ!!」
商人「あ、あ、魔法使いちゃん、賢者ちゃん!!」
ルイーダ「来たね、二人とも。この子、連れてくんだろ?」
魔法使い「ええ、迷惑でしょうから」
商人「め、迷惑!?」
賢者「ほらいくぞ、めしたきがかり!!」グイグイ
商人「め、飯炊き係!?いつからそんな…」
魔法使い「もちろん、レベルが一番低いからよ?文句があるならさっさと一緒に来ることね。一緒に冒険して、レベルがあがったら、待遇改善も考えてあげるわ。ね?」
賢者「そーだぞ、いっしょにいくぞ!!」
商人「そ、それって…?」
魔法使い「もう、ぐだぐだ言ってないでさっさと来る!ほら、私達ラーミアを復活させたのよ。不死鳥、覚えてる?」
商人「え?ほ、ホントに!?」
魔法使い「ええ、外に来てみなさい、立派な鳥がいるから。貴方も乗せてあげるわ」
賢者「なあなあ、あれってこころがきよくないとのれないんだよな?しょーにん、だいじょーぶか」
商人「なっ!?なに言ってるの賢者ちゃん、あたしより清い心の持ち主なんて…!あー、なんで魔法使いちゃんまで笑うの!?大体二人とも――」
――135日目
商人「わー、すごいおっきい!!すごいふかふか!!」
賢者「なっ?すごいだろー!!」ピョンピョン
魔法使い「ほら、不死鳥の上で跳ねないの。でも無事に乗れて良かったわ。心配したんだから」クスクス
商人「だからー、あたしぐらい心がキレイなら何のしんも要らないんだから!!」
賢者「ホントにだいじょーぶか?ころげおちたりしないか?」
商人「なんで本気で心配してるの!?」
魔法使い「まあまあ。ところであ貴方は初めてラーミアに乗るんだから、まずは好きな所に行ってあげるわよ。どこがいい?」
商人「好きな所に…あたし、あたしが作った町に行きたいな」
魔法使い「…あの町に?」
商人「うん、あたし、自分が作った町を空から見てみたいんだ」
魔法使い「…そう。でも…」
商人「だいじょーぶだよ、心配しなくて。それに、二人に新しい町長を会わせてみたいしね!」
魔法使い「そう…なら、行く?」
商人「うん!!じゃあラーミアちゃん、あの町まで宜しく!!」
商人「わー、はやい!!すごい!!」
賢者「やっぱりはやいなー!!」
魔法使い「二人ともはしゃがない!落ちちゃうわよ…全く、また二人分の子守りね…」
商人「あ、山が見えるよ!!ヤッホー!!」ヤッホーヤッホーッホーホー
賢者「おお!?ヤッホーがふえたぞ!?なら…おにくー!!」オニクーオニクーニクーニクー…
商人「あはは、お肉が増えた!!」
賢者「おおー、いくら食べてもなくならないな!!」
商人「食べほーだいだね!!」
魔法使い「もう、バカなことばっかり…」
商人「トットリって何処だっけー?」ドコダッケーダッケーダッケー…
魔法使い「本当に何処なの!?」
賢者「お、ほらあれ、しょーにんのまちだぞ!!」
商人「え?どこどこ?…あ、れかがそうなの?」
賢者「そーだぞ!!」
魔法使い「どう?自分の作った町を空から見る感想は?」
商人「…大きいね。こんな大きな町、あたし達が作ったんだ…」
魔法使い「そうよ、貴方は凄いわ…正直、少し羨ましいわね」
商人「羨ましい?魔法使いちゃんが、あたしを?」
魔法使い「貴方はもうこの町に、この世界に名前を残したんだもの。それは誰でも出来ることではないわ」
商人「世界に…名前を…?」
魔法使い「私はね、時々考えるの。いつか私が死んだとき、しばらくは私の事を覚えてる人もいるでしょう。でも、いつか必ず皆が私の事を忘れてしまう時は来るわ。でも貴方の名前は、この町が残っている限りは忘れられないのよ。人々からも、世界からも」
商人「皆が…あたしの名前を…そっか、あたしすごい事したんだね…」
賢者「そーだぞ、すごいぞ!!」
魔法使い「全く、自分のやったことの凄さが分からなかったなんてね。それで、どうする?この素敵な名前の町に降りてみる?」
商人「す、素敵だなんて…そうだね、降りて、自分の足でもあの町を歩きたいな、もう一度!」
魔法使い「分かったわ。ラーミア、降りてくれる?あの素敵な名前の、素敵な町に!」
――136日目、商人の町
商人「また来た…あたしの、あたし達の町…」
魔法使い「流石にもう前に来た時からは変わってないわね。それとも貴方が居なくなったからかしら?」
商人「そんな事ないよ。もう、この町にあたしが出来ることはないよ」
賢者「お?あ、あいつら、やきにくにできなかったやつら!!」
大男「あ…ど、どうも…お久しぶりです…その節はご無礼を…」
賢者「おーまえーをーきーずつーけたい♪」
魔法使い「さげすんーでーわらいたいー♪」
商人「ちょ、ちょっと二人とも…あたしはもう、気にしてないから!大丈夫だから!」
大男「商人さん…」
商人「私にも至らない所があって、もっとみんなの話を聞けば良かったなって、それで…」
魔法使い「全く、本当に甘いわね、貴方は。焼肉にしようとした私達が恥ずかしくなっちゃうわ。ねえ?」
賢者「ん?けんじゃはいまからやきにくでもいいぞ!!」
商人「け、賢者ちゃん…と、とにかくあたしはもうこの町から出ていったから、後は皆さんでやりたいようにやって下さい!あ、町長さんの事は、皆で助けてあげて欲しいかな…あ、町長といえば、あたし魔法使いちゃん達に町長さんと会わせるんだった!じゃあ皆さん、お元気で!!さ、二人とも、町長さんの所に行こ?」
賢者「なんだー、あいつらやきにくにしなかったのか」
商人「うん、あたし達と長々しゃべってもいい気しないだろうし…」
魔法使い「そもそも、いい気しないのはあっちのせいなんだけどね。貴方は優しいから…」
商人「そんな事ないよ…あ、ここだよ、町長さんの屋敷!」
魔法使い「ふーん、貴方が町長だった時と同じ場所なのね」
商人「そうだよ、じゃあ失礼します…」
老人「おお、商人、よく来た」
商人「あ、お爺さん元気でした?町長は…」
町長「おお、商人さんじゃないですか!よく来てくれました!!」
商人「あ、町長さん!お元気そうですね!」
町長「ええ!!…そちらのお二方は、お仲間の…?」
商人「はい、魔法使いちゃんと賢者ちゃんです!!」
町長「おお、お二方とも話に聞いてた通りの方だ!!ご存知だと思いますが、私は商人さんにとてもお世話になりまして、その商人さんから直々に町長に推薦されまして、まだまだ若輩者ではありますが、商人さんの方針と情熱を受け継いで、この町の更なる発展を…ああ、この町のこれからの方針ですが、あまり大きくなりすぎないようにしてですね、商業を中心として…あ、取引相手にはポルトガや、最近はロマリアやアッサラームからも商船がやってきまして、私達としては…」
魔法使い「え、ええ、そうですか…ずいぶんと熱い人ね。まあ町長には適任なのかしら…?」
町長「――しかし、やはり理想は商人さんのような町長ですよ!!自らが汗を流して皆を引っ張って行くような――そうそう、まだ町が小さい時の話ですが、私が商人さんと今の武器屋の辺りに建物を建てようとして、その時…」
賢者「うー、はなしがながくておなかへってきたぞ…」
町長「ああ、これはこれは、久々に商人さんのお顔を見てつい…皆さん冒険でお忙しいでしょうに…」
商人「ううん、大丈夫ですよ!でもそろそろ行きますね、町長さん、頑張って下さいね!」
賢者「がんばれよ!!」ポンポン
魔法使い「この子の作った町をよろしく」ペコリ
町長「ええ、必ずやより良い町にしてみせます!!それでは皆さんお元気で!!」
商人「町長もお元気で!!さようなら!!…町長、相変わらずだったなあ…」
魔法使い「まあ、悪い人ではなさそうね。貴方の人の見る目も捨てたもんじゃなかったわね」
商人「それはもう、きゅーとでせくしーだいなまいつなあたしの見る目をもってすれば!!」ドヤッ
魔法使い「それ、見る目に関係ある?まあいいわ、それよりこのあとどうする?もう行く?」
賢者「えー、おなかへったぞ!!」
商人「うーん、あたしもちょっとお店覗いていきたいな」
魔法使い「そう、じゃあ少し町をぶらついてから行きましょうか?」
商人「うん、それでいいよ!」
賢者「むぐむぐ…ここのごはんもおいしいな…」ムグムグ
魔法使い「流石に商人の町ね、色んな土地の色んな食べ物があるわ。商人は買い物、どうだった?」
商人「へへー、見てみて、新しい前掛け!!」クルクルー
魔法使い「あら、なかなかいいじゃない」
商人「これはね、まほうのまえかけっていってね、魔法にも強い防具なの!良いものあって良かった…」
魔法使い「商人が作った町だと商品が充実するのね…あら」
子供「なあなあ、商人さんっておちょうしものなんだって?それでこんな町を作るなんてすごいや!!」
商人「え、あ、うん…ほめられてるのかな…?」
女性「あら、商人さん。この町を作ってくれて本当にありがとう。私、この町で生きがいを見つけたの。そう、夫と子供!」
商人「へえー、良かったですね!」
「あ、商人さんだ!」「本当だ!」「商人さん、商人さん!」ガヤガヤ…
商人「わ、み、みんな…」
賢者「おー、しょーにんにんきだな!!」
魔法使い「本当ね…ほら、ちゃんと貴方を分かってくれてる人達もいるじゃない。やっぱり、貴方が羨ましいわね…」
商人「ごめんごめん、ついみんなと話しちゃって…」
魔法使い「いいわよ、別に。もういいの?」
商人「うん、ごめんね、賢者ちゃんも…」
賢者「たくさん食べたからいいぞ!!」
魔法使い「ならもう準備はいいかしら?じゃあ行きましょう」
商人「うん!…って、そういえばどこ行くの?」
魔法使い「どこって…私達、後は魔王の本拠地以外行くとこないわよ、たぶん」
商人「ええー!?復帰後第一戦が魔王!?」
魔法使い「流石にいきなり魔王と戦わないわよ、そもそもすぐに戦える所にいるわけでもないでしょうし」
賢者「まずはまおーのうちだな!!」
魔法使い「そうね、本拠地に乗り込んで、本拠地の構造とか、魔物の強さとかを調べて…」
商人「うう、結局大変なのには変わりないんだね…」
魔法使い「来るところまで来たからね。さあ、貴方達も覚悟を決めてね」
賢者「おー、まおー食べてやるぞ!!」
商人「お、おー…かなり不安…」
賢者「おー、うみもひとっとびだな!!」
商人「ホントだね!あ、賢者ちゃん、見てみて、ほらあれ、シャンパーニの塔だよ!!」
賢者「おー、なつかしいぞ!!…あ、あれ、ピラミッドだな?」
魔法使い「ええ、全滅したりおうごんのつめの呪いで魔物に襲われたり、ろくな思い出ないわね…」
商人「あ、オアシスが見えてきたよ!あそこがイシスだね!」
賢者「カニがおいしかったな!!」
魔法使い「そういえば貴方、女王とキュートさ勝負しようとしてたけど、結局…」
商人「わーわー!!うーん、砂漠もあっという間に遠ざかったね!!残念!!」
魔法使い「また強引に誤魔化して…暗くなってきたわね…」
賢者「あ!!ほらほら、やまのうえにしろだ!!」
商人「え?あ、ホントだ…あのお城、夜だからかな?少し不気味な気が…」
魔法使い「気のせいじゃないわ。あそこがきっと魔王の本拠地よ」
商人「魔王の…!いよいよ、いよいよだね…!」
賢者「よーし!!まってろよまおー!!食べてやるからな!!」
――魔王の城
商人「…いざお城の敷地に入ってみたら、意外と普通だね…構造は変だけど…」
魔法使い「そうね、魔物も人間も建物に関してはあまり変わらないのかしら?」
賢者「お、かいだんがあるぞ、どうするんだ?」
魔法使い「さて、久々に貴方の勘に頼ろうかしら。どう?」
商人「あたし?うーん、じゃあ下に行く階段で!!」
賢者「しただな!!…うー、カビくさいぞ…」
魔法使い「地下に来たらいかにもな雰囲気になったわね。流石商人、こういう雰囲気が好きだものね」ニコッ
商人「もももちろんですとも!!ねねらいどどーり!!」ヒクヒク
賢者「しょーにん、ふるえて…」
商人「さあ二人とも立ち止まらないでキリキリ歩く!!さあさあさあさあ!!」
魔法使い「分かったわよ。やっぱり怖いのね…」
賢者「あ、うえにのぼるかいだんだ!!」
商人「ラッキー!!…じゃなくてえっと、こ、ここで地下も終わりかあ、もうちょっと探検したかったのに残念!!」
魔法使い「妙に嬉しそうね…」
賢者「またそとにでたな!!」
魔法使い「そうね、というか…ほら、少し歩いたらまた入り口に戻ってきてしまったわ」
商人「じゃあ今度は上の階段に…あれ?ここ、入口の屋上部分?」
魔法使い「なかなか前に進めないわね。さて、どうしたら…」
賢者「なあなあ、さっきしたにとおってないみちあったぞ?そこはいかないのか?」
魔法使い「ああ、確かに左に曲がる通路があったかしらね。じゃあまた地下ね。良かったわね商人、まだ地下の探検し足りなかったでしょう?」
商人「ウン、ヤッタア!!」
賢者「ぼーよみだな…」
魔法使い「顔が強ばってるじゃない…待って、何か気配が…」
商人「え?え?お化け?く、来るなら来るな!!」
魔法使い「うん、落ち着いてね?お化けじゃなくて魔物よ」
じごくのきしがあらわれた!!ホロゴーストがあらわれた!!うごくせきぞうがあらわれた!!エビルマージがあらわれた!!
商人「うわあ…こんなに多彩な顔ぶれにしなくても…ってお化けいるじゃん!!」
賢者「食べれるのはひとりだけだな…」
魔法使い「貴方達ねえ…いいわ、行くわよ!!」
魔法使い「貴方達はまずあの骸骨を倒して!!私はまふうじのつえで…」ミュニーン
ホロゴーストの呪文をふうじこめた!!
賢者「やったなまほーつかい!!よーし、ほねもたおすぞ!!」ザクッ
商人「うう、よりによって骸骨…えいっ!!」ドカッ
じごくのきしをたおした!!
うごくせきぞうのこうげき!!エビルマージのこうげき!!
賢者「みぎゃっ!?あのでかいの、つよいぞ…」
商人「あの魔法使いっぽい人は大したことないね!」
魔法使い「魔法使いなのに殴りかかってきたわね。魔力足りないのかしら…?まあいいわ、まずあの大きな奴から処理しないと。ここは…ねむりのつえでどう!?」ポワーン
うごくせきぞうをねむらせた!!
商人「石像なのに寝るんだ…じゃあ今のうちにあの魔法使いを倒すよ賢者ちゃん!!…ていっ!!」ドカッ
賢者「おー!!おにく!!」ザクッ
――まもののむれをやっつけた!!
魔法使い「ふう、確かに強いけど、きちんと対処すればなんとかなりそうね」
商人「そうだね、でもあたしはまだブランクが…って賢者ちゃん!?何してるの!?」
賢者「これからかいたいさぎょーだぞ!!しょーにんもごはんがかりなんだからてつだえ!!」
商人「ええ!?そ、その魔法使いさんを解体するの!?そ、それは…」
魔法使い「もう、止めなさい賢者。それをバラしても私達食べられないわよ?」
賢者「けんじゃが食べるからいいぞ!!そろそろニンゲンのあじをわすれそうだぞ!!」
商人「い、いいよ忘れて!!」
魔法使い「そうよ、それに帰ったら人間よりもっと美味しいお肉たくさん食べさせてあげるから…」
賢者「たくさん?おいしいの!?じゃあやめる、はやくかえろー!!」
魔法使い「まだ帰らないわよ、商人も探検し足りないって言ってるし…ね?」
商人「あ、あたしは賢者ちゃんのために帰ってもいいかな?賢者ちゃんの為、賢者ちゃんのためにだけどね!!」
賢者「んー…でもここでもっとおいしいのがみつかるかもしれないから、もうちょっといるぞ!!」
魔法使い「だ、そうよ。良かったわね?」
商人「ヤ、ヤッタア!!」
魔法使い「さて、さっき賢者が言ってた通路に行ってみるわよ」
商人「う、うん…そういえば、思ったほどモンスターいないね」
賢者「まおーが食べたんじゃないか?」
魔法使い「自分を守る者を食べてどうするのよ…まあ、確かに思ったほどではないけど、油断は…と、扉があるわね」
商人「牢屋なのかな?開けてみるね…よしっと」カチャ
賢者「あいたな!!なかは…あ、がいこつがねてるぞ!!」
商人「ギャー!!へんじがないただのしかばね!!」
魔法使い「台詞長いわね…全く、動く骸骨とさっきまで戦ってたのに、こんな寝てるだけの骸骨に驚かないでよ…」
商人「だ、だってこれ…」
賢者「ニンゲンだな!!」
魔法使い「そうね、魔物に反抗して捕らえられた人間なのか、それとも…」
商人「そ、それとも…?」
魔法使い「魔物が人を扱うには、ベッド付きなんてずいぶんと気が利いてるような気がするわ。もしかしたら、ここは、この城はもともとは人間の城だった…?」
商人「ええっ!?こんなヘンピな所に!?」
魔法使い「まあ、分からないけどね。そして、分かるときは永遠に来ないのかも知れないけど…どちらにしろ、今の私達には関係ないわね。さあ、行きましょう」
商人「結局あの通路には骸骨がいただけだったね…」
魔法使い「そうねえ、となると…建物の中じゃなくて、もっと庭を進んでみるべきかもね」
賢者「いってみるのか?」
魔法使い「いえ、今日はこの辺で魔物退治をして帰りましょう。商人のブランク解消とレベル上げを兼ねてね」
商人「早く足を引っ張らないようにしなくちゃ…」
魔法使い「焦らなくてもいいわよ。それに、私も賢者も、魔王と戦うとなればもう少し鍛えるのも悪くないし…」
賢者「けんじゃはまりょく、まほーつかいはたいりょくがたりないぞ!!」
商人「賢者ちゃん、ちゃんと補強ポイント分かってるんだ…でも、それならあたし、あとで行きたい所が…」
エビルマージがあらわれた!!
賢者「あっ!!さっき食べそこねたまほーつかいだ!!」
魔法使い「なんだか私が食べられるみたいで嫌ね…」
商人「さっきはすぐ倒せたけど、今度は同じ人達が4人…まだ何してくるかよく分かってないし、怖いね…」
魔法使い「ええ、警戒を怠らないでね。さあ、戦うわよ!」
魔法使い「さっきは呪文を唱えなかったけど、その格好は魔法使いよね?なら、まふうじのつえで…ダメね、一人にしか効かなかったわ」
賢者「なぐったほうがはやいぞ!!たあっ!!」バシッ
商人「いっくよー!!それっ!!」ガシャッ
エビルマージをたおした!!
魔法使い「よし、一人倒せたわ…」
エビルマージはメラミをとなえた!!エビルマージはマヒャドをとなえた!!エビルマージはマヒャドをとなえた!!
商人「わわっ、熱い!冷たい!!す、すごい魔法!!」
魔法使い「最上級の呪文までつかうなんて…!流石に魔王の城の守衛ね!でも私だって負けないわ、ベキラゴン!!」ゴオオオ…!
賢者「ひとりだけやけたな!!それっ!!」バシッ
エビルマージをたおした!!
エビルマージはマヒャドをとなえた!!
商人「き、厳しい…でも負けない、それっ!!」ドカッ
エビルマージをたおした!!
魔法使い「よし、あと1体…」
エビルマージはほのおをはいた!!
魔法使い「ほ、炎!?いけない…」バタッ
魔法使いはしんでしまった!!
賢者「ま、まほーつかいが!!まほーつかいが!!」
商人「お、落ち着いて賢者ちゃん!!大丈夫、あたし、生き返られるから!ね?」
賢者「で、でも、けんじゃもいたいぞ…しょーにんだって…」
商人「うん、正直辛いけど…でも相手も辛そうだよ、ここは守るよりも攻めよう!!」
賢者「わ、わかったぞ!!そーれっ!!」ザクッ
――エビルマージをやっつけた!!
商人「やった!!あとは魔法使いちゃんを…」
賢者「だいじょーぶか?けんじゃもそせーまほーつかえるぞ?」
商人「ここはあたしに任せて…大いなる神よ、憐れみ、慈しむわが神よ、忠実なる貴方の僕に今一度、生命の息吹を!!ザオラル!!」パアアアア…
賢者「ど、どうだ…?う、うごかないぞ…」
商人「………待って、もう1回、もう1回やるから、ね?」
魔法使い「はあ…久々に死んだわね…」
賢者「でもいきかえってよかったぞ!!」
魔法使い「死んだままだと誰かさんに解体されて焼き肉にされかねないからね…でも、助かったわ。ありがとうね、商人」
商人「ううん、どういたしまして!!…本当は、1回で生き返らせたかったけど…」
魔法使い「いいわよ、どうせ死んだ身には失敗した回数なんて分からないし、結果的に助かりさえすれば」
商人「でもやっぱり、すぐに助けたいし…」
賢者「次はけんじゃがやるぞ!!」
商人「えー、あたしも次は1回で決めるから…」
魔法使い「…二人とも、私が死ぬ前提で会話しないでよ…」
商人「ご、ごめん…それはそうと、これからどうするの?もう戻る?」
魔法使い「いえ、もう少しだけ魔物退治していきましょう。それぞれの魔物との戦い方も掴めてきたし…」
賢者「うー、おなかへったぞ…」
魔法使い「もうちょっとだけ我慢よ。美味しいもの食べさせてあげるから…」
賢者「よーし、はやくたいじしてごはんだな!!」
商人「ゲンキンだなあ…うん、あたしもひと踏ん張り、頑張るぞ!!」
――138日目、イシス
魔法使い「イシスからなら近いかと思ってたけど、意外と移動に時間がかかるわね…」
賢者「ラーミアがうまくまおーのしろのちかくにおりれないんだぞ!!」
商人「腕がわるいんじゃないかな?」
魔法使い「誰の腕かしら…?それより商人、貴方魔王の城で行きたい所があるって言ってなかった?」
商人「え?ああ、あたしね、せっかくイシスに来たから、ついでにピラミッドにもどうかなーって…」
魔法使い「ピラミッドに?あそこにまだなにかあるの?」
商人「うーん、何かあるっていうか、ほら、魔王のでさ、賢者ちゃんが魔法使いちゃんは体力、賢者ちゃんは魔力が足りないって言ってたでしょ?」
魔法使い「ええ、それは言ってたし、その通りだけど…」
商人「でね、あそこはさ、あなほりするとスタミナのたねとかしこさのたねが出る事があるみたいなの。だから、ちょっとあなほりに行きたいなーって…」
賢者「おー、食べるものだな!!」
魔法使い「それはいいけど…私達ピラミッドの呪いで魔物に襲われるけど、大丈夫かしら…?」
商人「だいじょーぶ!!呪いの原因のおうごんのつめはさっき道具屋さんに売ってきたから!!」
魔法使い「呪いの品を押し付けたの!?」
商人「押し付けたんじゃなくて、売ったの!!それに、道具屋さんがピラミッドに行かなきゃ大丈夫だよ!!というわけだから、早速行ってみよ、ね?」
――ピラミッド
商人「あ、あれー?ピラミッドの呪い、まだ解けてない…?滅茶苦茶襲われる…あ!!」
魔法使い「どうしたの?何か気付いた?」
商人「これ、呪いじゃなかったんだ!!モンスターたちが、あたしのきゅーとでせくしーだいなまいつな魅力に…」
賢者「なあなあ、そろそろおなかへったぞ!!」
魔法使い「そうね、じゃあ行く?」
商人「人の話聞いてよ!!」
魔法使い「それより、中は呪いで入れなくても、入口であなほりはしたんでしょう?成果はどうだったの?」
商人「それよりって、大事な事だよ!?…成果は、一応スタミナのたねは1つ見つけたよ。あとはどくばりとかぬいぐるみとか…」
魔法使い「ここに来たばかりなら、結構なお宝だったわね…」
商人「ホント、もっと早く欲しかったよ…まあ、今日はこのくらいにしとくよ。でも、また来ていいかな?」
魔法使い「ええ、魔王と戦うんだもの、準備は出来るだけしたいわ。あまりいい思い出のある場所じゃないけどね…」
――139日目、魔王の城
商人「ここに来る前に、あのアッサラーム東の洞窟のホビットさんに会いに行ったけど…」
魔法使い「ポルトガ王が会ってこいって言ってたから会いに行ったけど、特に何もなかったわね…」
賢者「ごちそうが食べれるとおもったのに…」
魔法使い「それは期待しすぎね…さて、また魔王の城に来たわね」
商人「今日魔王と戦う訳じゃないよね?」
魔法使い「あら、もう戦いたい?なら別に…」
賢者「けんじゃははやくまおー食べたいぞ!!」
商人「あ、あたしはまだもうちょっと…」
魔法使い「まあそうでしょうね。貴方のブランク解消ももうちょっとかかるでしょうし、まだ魔王とは戦わないわ。ただ、先に進む道は見つけておきたいわね」
賢者「さいたんのみちのりかくほだな!!」
商人「そうそう、えらいえらい!!」ナデナデ
魔法使い「そういう事ね。あと、ここに出る魔物の特徴や弱点も探っていきたいし…」
商人「魔王と戦う前にたくさんモンスターと戦わなきゃいけないだろうからね。それにしても、相変わらず慎重だなあ」
魔法使い「何回も言ってるでしょう?私は臆病者なの。じゃあ今日も行ってみましょうか」
商人「あー!!ほら、魔法使いちゃん、あの銀色のやつ!!」
魔法使い「分かってるわ…ドラゴラム!!」ズズズ…
賢者「よーし、けんじゃはメダパニ!!」モヨヨーン…
じごくのきしにはきかなかった!!
賢者「ああー…」
商人「だいじょーぶ!!魔法使いちゃんが倒してくれるから!!あたしは、ピオリム!!」ニュウウウー
はぐれメタルはにげだした!!
商人「ああー、また逃げられた…」
賢者「むー、やつあたりだー!!」ドカッ
じごくのきしをやっつけた!!
魔法使い「…ふう、なかなか倒せないわね」
商人「残念…あたし、あいつはまだ1回も倒せてないよ…」
魔法使い「まあ、そのうちね?でも、悔しいわ…」
商人「よーし、じゃああなほりあなほり…」
魔法使い「熱心ねえ…」
商人「だって、前回来たときはビビっ…周りを警戒するのに気を使ってあんまりあんまり出来なかったし…」
賢者「ビビってたもんな!!」
商人「そんな事ないよ!!ないよ!!」
魔法使い「はいはい。それで、何か良いもの出たの?」
商人「んっとね…はい、これ」
賢者「なんだ、いしか?食べれないぞ」
商人「食べれはしないけど、このいのちのいしを持ってれば、ザキがかけられた時身代わりになってくれるんだよ!」
魔法使い「これ、そういう石だったのね。なかなか良いもの見つけたじゃない」
商人「うーん、でもここにはもっと良いものがありそうなんだけど…」
魔法使い「まあ、これからもあなほりは出来るんだし、焦らなくても良いでしょ?」
商人「そうだね。ーし、たたくさんあなほりして魔王のお城のなか穴だらけにしてやるんだから!!」
魔法使い「大胆なのか小さいのか微妙ね…」
賢者「おなかへった!!おなかへった!!」ギャーギャー
魔法使い「はいはい。じゃあそろそろ戻る?」
商人 レベル27「そだね。レベルも結構上がったし…」
賢者「けんじゃもあがったぞ!!」
魔法使い「この城の探索も少しだけ進んだしね」
商人「先に行ける道が見つかって良かったね!!」
魔法使い「そうね。この前来たとき以上の真新しい魔物もいなかったし…」
賢者「んーと、ほねと、かげと、ドラゴンと、いしのぞうと、まほーつかいと、ライオンと…ぎんいろのやつ!!」
魔法使い「良くできました。多彩で厄介な顔触れだけど、戦い方も掴めてきたわ」
商人「あの魔法使いはやりにくいけどね…」
魔法使い「そうね、でも体力にさえ気を付ければ、そうそう全滅まではいかないと思うし、それに私達も強くなってきてるから…」
賢者「けんじゃはベキラゴンをおぼえたぞ!!たくさんやきにくがつくれるぞ!!」
魔法使い「良かったわね。本当はベホマを覚えて欲しかったけど…」
商人「焼肉作りたいだろうから、仕方ないね…」
――141日目、ピラミッド
商人「よーし、じゃあ今日もピラミッドのあなほりから!!」ザッザッ
賢者「おいしいものでろー!!」
魔法使い「種くらいしかでないと思うけど…でも、悪いわね私達のために…」
商人「ううん、好きでやってるし!!」
魔法使い「そういえば、貴方は何か足りないものないの?他の種とか…」
商人「んー、あたしはちからのたねかすばやさのたねが欲しいんだけど…そのへんは今までのさすらいあなほり旅で結構みつけたから!!」
魔法使い「別にあなほりのために旅してた訳じゃないけど…」
賢者「なあなあ、おいしいものでたかー?」
商人「うーん、今日もスタミナのたねが1つだけだよ。これは魔法使いちゃんの分だから…ごめんね」
賢者「うー、おいしいもの…」
魔法使い「貴方朝ごはんでさんざんカニ食べてたじゃない…」
賢者「でも、食べないより食べるのほうがうれしいぞ!!」
商人「う、うん、そうだね…」
魔法使い「この子の胃袋、本当にどうなってるのかしら…?」
――夜、魔王の城
魔法使い「あなほりしてから来るとどうしても夜になってしまうわね…」
商人「そういえば明るいときに来たことないね…昼間に来れば、もう少し怖くないのかな…?」
魔法使い「まだ怖いの?」
商人「まっさか、全然!!け、賢者ちゃんが怖がるかなーって思ってさ!!ね、賢者ちゃん?」
賢者「うー、食べれるモンスターがすくなくておなかへるのが怖いぞ…」
魔法使い「ええ、まあ、そうね…」
商人「で、今日もモンスター退治?」
魔法使い「そうね、あと今日はもっと先まで進んでみましょう。出来れば、魔王の居る場所まで突き止めたいわ」
商人「…決戦近し、だね」
魔法使い「そういう事になるわね。もしかしたら、魔王の居場所に近づくほどに魔物が強くなるかもしれないわ。二人とも、気を引き締めてね?」
賢者「おいしいモンスターがいるかもな!!」
商人「あはは、賢者ちゃんはいつも腹ペコだね。よし、じゃあこの商人おねーさんが、おいしいものを掘り当てて…ああっ!?ほら、見て、せかいじゅのはが出てきたよ!!」
賢者「むー、あんまりおいしくなさそうだぞ…」
商人「あ、ごめん…でも、これ食べられても困るし、おいしくないと思われてた方がいいよね…?」
商人「…うーん、さっきから上がったり下がったり外に出たり入ったり…」
魔法使い「今どこにいるか分からなくなりそうね。注意していかないと…」
賢者「お、またわかれみちだぞ!!どうするんだ?」
魔法使い「どうするの?任せるわよ」
商人「んっと…じゃあこっち!」
魔法使い「こっちね。上がったり下がったりだけど、行き止まりにもぶつからずに来てるわね。順調なのかしら…?」
商人「だといいね…あ、また階段だよ!」
賢者「のぼるのか?」
魔法使い「ええ、今日の目的は魔王の居場所を突き止める事。どんどん進みましょう」
商人「あたし達、魔王にどんどん近づいてるんだよね…緊張してきたよ…」
賢者「お、ビリビリするゆかだ!!」
魔法使い「バリアね。待ってて…トラマナ!!はい、いいわよ」
商人「バリアかあ…徐々に魔王に近づいてる感じするね…」
魔法使い「そうね…」
賢者「いよいよまおー食べるんだな?」
魔法使い「今日は戦わないわよ?さて、また下って…上るのね…」
商人「階段ばっかりで疲れてきたよ。地下は少し不気味だし…少し、ほんの少しだけだけど」
魔法使い「はいはい…っと、またバリアね、また待ってて…」
賢者「お?なあなあ、あれ…」
商人「あれ…?ぎゃー!!また骸骨!!」
魔法使い「しかもこれ、玉座に座ってるみたいね。まさかこれが魔王…な訳ではないでしょうし…」
賢者「まおーに食べられたのか?」
商人「ど、どうだろう…?でもこれって、やっぱり…」
魔法使い「人間の城を魔王が奪ったのかもね。やっぱり恐ろしい相手ね…」
賢者「おー、ビリビリにかこまれたかいだん!!」
商人「ま、魔法使いちゃん、あれロコツに怪しくない?」
魔法使い「怪しいといえば怪しいけど、位置的には地下倉庫とかでもおかしくないわね…とにかく行ってみましょうか、トラマナ!!」ピキーン
賢者「よーし、おりるぞー!!」ダダダ…
商人「ま、待って賢者ちゃん!ゆっくり、ゆっくり歩いて、お願いだから!!」
魔法使い「ここは慎重に行きたいところ…この、この邪悪な気配は…!?」
商人「……ま、魔法使いちゃん、魔法使いちゃん、あ、あれ…!!」
賢者「お?なんかでかい…ムガッ」フガフガ
魔法使い「しっ!二人とも静かに…あれが…あれがきっと魔王よ…!」
商人「やっぱり…!!」
賢者「………あんまりおいしくなさそうだぞ…」
魔法使い「ついにここまで来たわ…このまま打って出たいのはやまやまだけど…」
商人「やっぱり今日は引き返す?」
魔法使い「そうね、今日の所はね。でも…いいわ、行きましょう、気付かれないうちに…」
商人「――ふう、怖かったねー。あれが魔王かあ…」
賢者「もっとおいしそうだとおもってたのに…」
魔法使い「ほら、まだ食べてみなきゃ分からないわよ」
商人「ええー、お腹壊しそうだよ…」
賢者「んー、だな!!まずは食べてみないとな!!」
魔法使い「そうよ、魔王と戦うんだもの、やる気を出してもらわなきゃ困るわ。さて…じゃあもう少し魔物退治ね」
商人「魔王、強そうだったもんね。もっとレベルあげなきゃ…」
魔法使い「そうね、それに私、少し試してみたい呪文もあるし…」
商人「へえ、まだ使ってない魔法あったんだ?」
魔法使い「ええ、だから手頃な魔物がいたら…あれは!」
ホロゴーストがあらわれた!!はぐれメタルがあらわれた!!
賢者「あ、ぎんいろのあいつだ!!」
魔法使い「出たわね!呪文の試し撃ちは後ね、まずはあいつを倒すわよ!!」
商人「で、今回はどうするの?またドラゴラム?それとも…」
魔法使い「相手が1匹ならどくばりに賭けてもいいけど、今回は2匹いるわ。だから…ドラゴラム!!」メキメキメキ…!
商人「ドラゴラム!なら…賢者ちゃんはあのお化けを押さえて!!あたしは、ピオリム!!」ピキーン
賢者「えっと、あいつには…マホトーン!!」ポヨーン
ホロゴーストのじゅもんをふうじこめた!!ホロゴーストのじゅもんをふうじこめた!!
はぐれメタルはにげだした!!
賢者「あー、にげた!!」
商人「まだだよ、まだあと1匹…魔法使いちゃん、早く!!」
魔法使いははげしいほのおをはいた!!ホロゴーストをたおした!!ホロゴーストをたおした!!はぐれメタルをたおした!!
賢者「おおー!!やったやった!!」
商人はレベルがあがった!!賢者はレベルがあがった!!魔法使いはレベルがあがった!!
商人 レベル29「やった、全員レベルアップ!!」
賢者 レベル30「けんじゃはベホマとシャナクをおぼえたぞ!!」
魔法使い レベル40「やったわね。私もかなり体力が上がったわ」
商人「魔王も強そうだったけど、あたし達だって強くなってるよね!あ、そういえばさ、まだ試してみたいって魔法使ってないよね?」
魔法使い「ええ、そうだけど…はあ」ジロジロ
商人「!?なんであたし達の顔を交互にみるの!?」
賢者「まさかけんじゃたちを食べるきか?やだやだ、食べるならしょーにんのほうがおいしいぞ!!」
商人「え!?あ、あたしだってやだよ、賢者ちゃんの方が…」
魔法使い「もう、そんなわけないでしょ!ほら、魔物よ!!」
スノードラゴンがあらわれた!!
商人「あ、じゃああいつに魔法試してみる?」
魔法使い「まあ、あいつにって訳じゃないんだけど…とにかく、あの魔物を足止めしてくれる?」
商人「…?分かった、じゃあねむりのつえで…よし、みんな眠ったよ!!」
魔法使い「ありがとう――力無き我に友の力を、魔力無き我に友の魔力を、意志無き我に友の意志を!!――モシャス!!」ボフンッ!
商人「え、魔法使いちゃ…ってあれ!?あたし!?」
商人?「へっへー!どう?魔法成功したよ、すごいでしょ?ね、ね?」ドヤッ
商人「え、ええええええ!?」
賢者「ど、どうなってるんだ!?しょーにんがふたりいるぞ!?」
商人?「もう、賢者ちゃんったら!!よーく見てよ、凹凸のないあっちと違ってあたしの方がきゅーとでせくしーだいなまいつでしょ?」
商人「な!?なに言ってるの!?あたしの方がきゅーとでせくしーだいなまいつだよ!!」
賢者「どっちもかわんないぞ…」
商人?「あー、元が元だもんね、多少変わったところでねー。ホント、変身してみたらさ、色気のいの字もないっていうかさ…」
商人「はあ!?むっかー、なにこのいけ好かない女!!」
商人?「それは自分自身ですよーた、へっへー!」
商人「何よ、元々の魔法使いちゃんだって大した色気なかったじゃん!!」
商人?「えー?流石にこんなに貧相じゃないかなー?」
商人「むっかー!何よ、魔法使いちゃんだって…!」
賢者「なあなあ、モンスターほっといていいのか?」
商人×2「あ、いけない!!」
――スノードラゴンをやっつけた!!
魔法使い「…はあ、サイテーの呪文だったわ…」
商人「それはこっちの台詞だよ!!なんで自分と罵り合いしなきゃならないの!?」
賢者「しょーにんがふたりいるとめんどくさかったぞ…」
商人「め、めんどくさい!?あたしだって、好きで二人になった訳じゃないよ!!」
魔法使い「はいはい、私が悪かったわよ。でもまあ、試したい事は試せたわ」
商人「あれで試せたの!?もしかして、あたしと魔法使いちゃんのサイズの違いを…」
魔法使い「そんなわけないでしょ。貴方に変身したら、武器攻撃でどのくらいダメージを与えられるか試したかったの。予想以上だったわ、貴方たくましいのね」
商人「たくましい…冒険者としては嬉しいけど、女の子としてはビミョー…」
魔法使い「もしかしたら魔王には呪文が効かないかもしれないしね、一応試したかったの。貴方なら、ベホマラーも使えるしね」
商人「え?そっか、そうだよね、あたししかベホマラー使えないもんね、へへー!」
賢者「たんじゅんだな…」
商人「よーし、じゃあまたモンスター退治だね!!どんどん倒して、レベル上げまくろー!!」
賢者「なあなあ、このしろのなか、おたからのにおいがするぞ」
商人「お宝!?魔王のお城のお宝!!すごいものがありそうだね、じゃあ探しに行こー!!」
魔法使い「…来た道なのに、また迷ってしまいそうね…」
商人「うん、ホント複雑…」
賢者「あ、さっきしょーにんがえらんだわかれみちだぞ!!」
商人「あ、ホントだ。じゃあ今度は反対に行ってみる?」
魔法使い「そうね、賢者の言ってたお宝があるかもしれないわ」
商人「そだね。お宝、どんなのかなー?」
賢者「きっとおいしいものだぞ!!」
魔法使い「人間にとっておいしいものを用意してくれてるとは思わないけど…」
商人「…上ったり、下りたり…相変わらず大変だあ…」
賢者「お?なあなあ、あそこ、あそこ!!」グイグイ
魔法使い「何?引っ張らないで…あ、宝箱ね!?」
商人「おー、見つけた!!しかも3つもあるね!!楽しみ!!」
魔法使い「待っててね、今インパスを…」
賢者「あ、ならけんじゃがしらべたいぞ!!」
商人「あ、そっか、賢者ちゃんもインパス使えるんだもんね」
魔法使い「じゃあ頼もうかしらね。ちゃんとやるのよ?」
賢者「まかせろー!!インパス!!お、あおだぞ!!」
商人「まずは安全だね!」
賢者「こっちも…こっちもあお!!みんなあおだぞ!!」
魔法使い「全部安全か、運が良いわね。じゃあ開けてみて」
商人「じゃあまずは…、あ、斧だ!これは確か…まじんのオノ!貴重品だよ!!誰も装備出来ないけど…」
賢者「けんじゃはこっちをあけるぞ!!…お?みたことあるゆびわだぞ!!」
魔法使い「それはいのりのゆびわね。さて、最後は私が…これは…兜ね。少し変わった兜だけど…」
商人「あー、それ確かふこうのかぶとだよ。多分、装備しない方がいいと思うよ」
魔法使い「それは、呪われてるって事?」
商人「多分ね。んー、全部貴重なものだったけど、あたし達が魔王を倒すために使えるものはないかあ…」
商人「と、いうわけで、宝箱はちょっと期待外れだった分、あなほりでフォローしてみようかと思ったんだけど…」
魔法使い「いのちのきのみといのちのいしが1つずつ見つかったのね?」
商人「うん、あとは小銭だけだよ…あーあ、あなほりも外れかあ…」
賢者「おいしそうなきのみがみつかったぞ!!あと、さいしょにみつけたはっぱ!!」
商人「せかいじゅのはか、まあねー。でもやっぱりもうちょっと…」
魔法使い「まあ、まだ帰らないから、また後で掘ってみたら?」
賢者 レベル31「まだレベルあげたいぞ!!」
商人 レベル30「そだね、まだモンスター退治したいもんね」
魔法使い「ええ、もう少し魔物退治した後、また貴方のあなほりの腕を見せてもらうわ」
商人「まっかせて!!すっごいお宝見つけてみせるから!!」
賢者「おおー、すっごいおいしいものきたいしてるぞ!!」
商人「そだね、お城の中だけじゃなくて、外でも良いもの見つかりそうだよ。案外、いろんなたねが見つかるかも…」
賢者「おおー、たねスープが食べれるな!!」
魔法使い「たねスープ…すごく強くなれそうね…私もそれなら食べてみたいわね、スタミナのたねスープとか…」
商人「えーと…そこまで期待されても困るからね!?」
――まもののむれをやっつけた!!
商人 レベル32「うんうん、みんなレベル上がったね!!あたしは賢者ちゃんに追い付いたし!!」
賢者 レベル32「むー、でもけんじゃはフバーハとマヒャドをおぼえたぞ!!」
魔法使い レベル41「フバーハは助かるわね、きっと魔王戦でも役に立つわよ」
商人「魔法使いちゃんも、最後に魔法覚えて良かったね!これで全部覚えたんでしょ?」
魔法使い「そうね、まあ…最後の呪文は滅多に使わないでしょうけど…」
商人「へえ、そんなすごい魔法なの?切り札的な感じ?」
魔法使い「まあ、そうとも言うかしら…?」
賢者「ためしうちしないのか?」
魔法使い「この呪文はちょっと…あんまり適当に使える呪文じゃないのよ、それにもう魔力も残り少ないしね」
商人「あー、そういえばあたしももう魔力ないや、賢者ちゃんは?」
賢者「からっぽだぞ!!」
商人「そっかあ、じゃあ帰る?帰るならあたし、アリアハンに行きたいんだけど。お金も預けたいし…」
魔法使い「
ら、あなほりはもういいの?」
商人「あ!!そうだ、もう少しだけ掘っていくね!!」ザッザッ
賢者「――で、おいしいものでてきたのか?」
商人「うーん、なんかね、もろはのつるぎが3本くらい出てきたよ…」
魔法使い「いかにも呪われてます!って感じの禍々しい剣ね…」
商人「うん、しかも3つも出てこられてもね…あとは、やくそうといのちのいしと…ラックのたねが1つずつ…」
賢者「おお、おいしそうなたねだぞ!!」
魔法使い「これは一番運の悪い人が食べるべきね。誰が運悪いかしらね…」
商人「誰だろう…?とにかく、あたしの用事は済んだよ。スープには程遠い収穫だったけど…」
賢者「むー、ざんねんだぞ…」
魔法使い「まあ、流石にスープは難しいでしょ。じゃあもう行くわよ、アリアハンで良いのね?」
商人「うん、お願い!」
賢者「ひさしぶりにルイーダねえさんのごはんだな!!」
魔法使い「よし、じゃあ行くわよ…ルーラ!!」ギュイーンギュイーン…
ルイーダ「お、あんたたち、帰って来てたのかい?」
魔法使い「ええ、銀行にお金を預けるついでに、いろいろ挨拶をね…」
ルイーダ「挨拶?なんだってまた…」
商人「魔法使いちゃん、お金預けてきたよ!!なんと預金額は142000ゴールドにもなりました!!すごいでしょ!!」
魔法使い「すごいけど、あまり大声で言わないのよ…」
商人「えへへ、嬉しくてつい…あ、ルイーダさんこんにちは!!」
ルイーダ「ああ、よく来たね」
魔法使い「で、さっきの話だけど…私達、いよいよ魔王に挑むのよ。その前に一応、我が主に挨拶をってね…」
ルイーダ「魔王に!?本当かい!?」
賢者「ホントだぞ!!まおー食べるぞー!!」
ルイーダ「驚いたよ、本当に…本当にね…」
魔法使い「ええ、私達もまだ半信半疑なくらいだけど…じゃあ私達は行くわ、今少し疲れてて…」
商人「という訳なので…ルイーダさん、さようなら!!」
賢者「ん?けんじゃはごはん食べてくぞ?」
ルイーダ「はは、なら任せときなよ。とびっきりのごちそうを振る舞ってやるよ!」
――夜、宿屋
賢者「かえったぞー!!お?しょーにんは?」
魔法使い「あの子なら出掛けてるわよ。疲れてないのかしら…」
商人「だだいまー!!」バタン
魔法使い「お帰り、どこ行ってたの…あら?確かさっきいたはず…」
商人「へへー、こっちこっち!!このしっぷうのバンダナのおかげで、あたしはでんこうせっかのスピードを手にいれたよ!!どう?このスピードがあれば…」シュシュッ
魔法使い「……そこよっ!!」ガッ
商人「あ、あれ?捕まった…」
魔法使い「残念だけど、ほしふるうでわの方が速いみたいね。全く、すぐに装備品で調子に乗って…」
商人「えへへ、つい…でも!装備品で性格が変わるのは冒険者のシュクメーだよ!!はい賢者ちゃん、おうごんのティアラ!!」
賢者「まあ、マーマンのおさしみなんてびんぼうくさいですわ!!せめてマーマンダインを用意していただけないと…」
魔法使い「マーマンとマーマンダインの刺身の違いが分からないけど…」
商人「あはは、じゃあこれ、インテリメガネ!!」
賢者「このアリアハンのしょくりょうじきゅうりつはほぼ100パーセント、これをおしあげることができれば、よじょうぶんのこくもつをかちくのしりょうようにまわせ、それによりながねんのかだいだったちくさんぎょうのしんこうが…」
魔法使い「…インテリになっても食べ物の事ばかりなのね…」
商人「まあ、冗談は置いといて…このバンダナと、ドラゴンテイルを手にいれてきたよ!!」
魔法使い「どっちもかなりいいものじゃないの?やるわね」
賢者「さすがしょーにん!!」
商人「へっへー!町ひとつ作れるスーパー商人おねーさんだもん、これくらいわけないよ!!」ドヤッ
魔法使い「お姉さんねえ…まあ、確かに商人としてはかなりのものなんでしょうね」
賢者「いろいろあったもんな!!」
商人「う…ま、まあね、でもその色々が今のあたしの糧だから!!」
魔法使い「そうね。でもやっぱり貴方、私達の中で一番運悪いみたいだから、後でラックのたね食べときなさいよ」
商人「え?やっぱりあたしが一番だった?」
魔法使い「ええ、思い当たる節あるでしょ?それはそうと、明日は王様に挨拶に行くわ。貴方達も一緒に行くから、粗相の無いようにね」
賢者「おー、おうさまか!!」
商人「え?いつも魔法使いちゃん一人で行ってたのに…」
魔法使い「いよいよ最終局面だからね、挨拶くらいしとかないと…」
商人「…賢者ちゃんは大丈夫かな?クイーンオブ粗相だけど…」
魔法使い「…まあ、なんとかなるわよ…」
商人「へー、お城ってこんななんだ…」キョロキョロ
魔法使い「貴方、このお城初めてだったかしら?」
商人「初めてではないよ、とうぞくのかぎを手にいれた後に地下から入ったりしたし。でも、こうやってゆっくり見物する事なかったから…」
魔法使い「まあ、わざわざ賢者するほどの物でもないけどね」
賢者「このけんちくようしきはアリアハンどくじのものであり、これはアリアハンがさこくにちかいたいせいをながねんとっていることをいみし、つまりはしょくりょうもゆにゅうにたよれないということであり、ひいては…」
魔法使い「…なんでまたインテリメガネかけてるのよ」
商人「え…この方が粗相がないかなーと思って…」
魔法使い「昨日は脅かしたけど、多少の粗相は平気よ、ほら」ヒョイ
賢者「おー、おしろだー!!」ドタバタ…
商人「だ、大丈夫かなあ…」
魔法使い「平気でしょ…あら、悲鳴が…?」
姫「きゃー!!な、何この子!?」
賢者「おー、ひめさまか、やわらかくておいしそうだ!!」
魔法使い「…まあ、多少の範囲内ね…」
商人「絶対何かマヒしてるよ魔法使いちゃん!?」
――謁見の間
王様「おお、魔法使いか。そなたの活躍ぶり、良く耳にするぞ、のう大臣?」
大臣「はっ、この前も、ジパングやサマンオサから使者が来ましたな。何でも、救国の英雄に感謝したいとか…」
商人「わあ、そんな大それた話になってたんだ…」
王様「…して、久々に顔を見せに来たからには、何か報告でもあるのか?珍しく仲間も連れて来たようだが…」
魔法使い「は、この度我々は、遂に魔王の本拠地に到達する事が出来ました。明日にでも魔王討伐に向かおうと思い、戦いの前にご挨拶をと…」
王様「おお、それはまことか!?なんと…正直、そなたに旅立ちの命を出したときは、ここまで出来るとは思っていなかったが…」
魔法使い「ええ、それは旅立ちの折、渡されました軍資金や装備品からも察しておりました」
賢者「いつもケチだケチだっていってたな!!」
王様「……」
大臣「これこれ、確かに我が王はケチではあるが、あまり面と向かってそう言うものでもないぞ」
王様「なっ…大臣まで…」
魔法使い「さて、期待されてない私共はこの辺で失礼致します――そうそう、王様、勇者は順調に育っているのですか?」
王様「ん?あ、ああ、勇者は礼儀正しく育っているようじゃ。女子ながら天晴れじゃよ」
魔法使い「それはそれは、私のように生意気を言わないようで大変よろしゅうございますね…では――」
商人「…ねえ魔法使いちゃん、あたしの勘違いでなければ、一番粗相を働いてたの魔法使いちゃんに見えたけど…」
賢者「いいたいほうだいだったな!!」
魔法使い「いいのよ、本当の事なんだから。ただでさえ王様だからって理由で周りがちやほやするんだから、誰かビシッと言ってやらないとね」
商人「…なんか魔法使いちゃんって出世出来なさそうだね…」
魔法使い「出世か…あまり興味ないわね…」
賢者「しゅっせよりおいしいごはんだぞ!!」
魔法使い「ふふ、そうね、私もそっちの方がいいわね」
商人「それでいいんだ…それはそうと、あたしビックリしたよ。勇者様って女の子だったんだね」
魔法使い「あら、言ってなかったかしら?」
商人「聞いてないよ…あーあ、あたしの玉の輿ケーカクが…」
魔法使い「そんな計画あったのね…」
賢者「おんなならやわらかおにくだぞ!!ひじょうしょくにはちょうどいいぞ!!」
商人「勇者を食べちゃダメだからね!?」
賢者「お?だれかきたぞ?」
魔法使い「あら、大臣。先程はお騒がせしました」
大臣「わざわざ挨拶に来てくれて悪かったな。いや、たまにはああやってズバッと物を言う者も必要だよ」
魔法使い「あら、なら大臣が直々に物申せば宜しいのでは?」
大臣「私の言うことなど、もう右から左だよ。まあいいがね、やがてあの玉座を奪う者としては、王にはあまり優秀であられても困るからな、はっはっは!!」
商人「ええー…」
魔法使い「…お言葉ですが大臣、その様な謀略を王宮中に響き渡る大声でお話になるような方には、王位を獲る事は難しいかと…」
大臣「おお、そうかそうか、それはいかんな、忠告、有り難く頂戴しよう」
商人「また大声で…」
魔法使い「…大臣、この国と勇者の事、宜しくお願いします」
大臣「なんだ改まって。流石のお前でも、魔王は恐ろしいのか?」
魔法使い「正直…でも、私には頼もしい仲間がいますので」
賢者「そーだそーだ!!まおーなんか食べてやるぞ!!」
商人「あたしも怖いけど…3人で力を合わせればきっと、魔王にも負けないはずです!!」
大臣「そうか、お前は良い仲間を持ったのだな。ならば、魔王を倒したらまた顔を見せに来るといい。その頃は私が王になってるかもしれんがな、はっはっは!!」
商人「なんか、変わった人だったね大臣さん…」
魔法使い「王様があんなだからね、あのぐらいでちょうどいいのよ。さて、挨拶も終わったし、いよいよ魔王との戦いよ。準備は良い?」
賢者「いつ食べてもいいぞ!!」
商人「魔王っておいしいのかなあ…?あ、あたしももういつでも出発出来るよ!!」
魔法使い「そう、なら行きましょうか。そして、魔王を倒したら、皆でおいしいものでも食べましょう」
賢者「おー!!おいしいもの!!」キラキラ
商人「魔王を倒したら、かあ…あたしは魔王を倒したら、自分のお店を持ちたいかなあ…」
賢者「けんじゃはまたとーぞくにもどりたいぞ!!」
魔法使い「私はどうしようかしら…?まあ、考えるのは後でいいわね。まずは魔王を倒さないと…」
商人「そだね、がんばろー!!」
賢者「けちょんけちょんだー!!」
――144日目
商人「ほら見てみて、あそこ、ランシールでしょ?」
賢者「おー!!ラーミアでおりたら、ちきゅうのへそにみんなではいれるのか?」
魔法使い「どうなのかしら…?試してみたい気もするけど、後でね…」
商人「あ…テドンが見えてきたよ」
魔法使い「どうするの?ってく?」
商人「や、やだよ!!でも…もうあんな目にあう町や村は無くさないと…」
魔法使い「…そうね、でも…それは私達次第ですぐに実現するわ」
商人「そっか、そだね…頑張らないとね!」
賢者「お!もうまおーのしろだぞ!!」
魔法使い「アリアハンから1日で着いたわね」
商人「また夜にあそこに着くんだ…でももう怖がってられないよね!よーし、行くぞー!!」
賢者「おー!!」
――魔王の城
商人「またここに戻ってきたね。さて、まずはあなほりを…」
魔法使い「熱心ね…確認するけど、今回はいよいよ魔王に挑む事になるわ。ただ、不測の事態があった場合には引き返す事もあるからね」
賢者「ふそくのじたい?食べもののふそくか?」
商人「うーん、違うとも言い切れないけど…とにかく、慎重に行こう!!って事だよね?」
魔法使い「そういう事ね…実は私ね、いつも貴方達に覚悟とか準備とか要求してたけど、私自身魔王を倒す事には迷いがあったのよ…」
商人「ええー!?なんで?」
賢者「けんじゃはわかるぞ、まおー、おいしくなさそうだもんな」ウンウン
魔法使い「違うわよ…私達は本来、勇者殿の露払いとして旅をしてる訳でしょう?その私達が魔王を倒したら、勇者はやることなくなってしまわないかってね…」
商人「あ…勇者様、無職になっちゃうのか…」
賢者「むしょくだとおかねがもらえないのか?ごはん食べれなくなるな、つらいぞ…」
魔法使い「そうなのよね。でも…私達が、この世界が求めているのは何より平和のはず。たから勇者殿には悪いけど、新しく仕事を探してもらいましょう」
商人「あはは、そだね、勇者様もまだ若いんだし、きっと他に良い仕事あるよ!!」
賢者「けんじゃのつくるとーぞくだんのてしたとひじょうしょくとしてこきつかってやるぞ!!」
魔法使い「それはあまりに可哀想ね…いずれにせよ、まずは魔王打倒。他は後で考えましょう。いえ、考えるのは暇な王様に任せても良いしね…さあ、行きましょうか!」
魔法使い「ここにも何回か来てるから、あまり魔物にも苦戦しなくなったわね」
賢者「らくしょーだぞ!!」
魔法使い「流石に油断は出来ないけどね…」
商人「よっせ、こらせっ!あっ!せかいじゅのは、はっけーん!!」
賢者「おおー、すごいな!!」
魔法使い「これから魔王と戦うのに余裕ね…」
商人「魔王は怖いよ!でも怖くても穴は掘るの、商人だから!!」
魔法使い「そういうものなの…?」
商人「そういうものなの!ほら、他にもだいちのよろいにいのちのいしが2つ、あと外で見つけたやくそうとふしぎなぼうし!!」
賢者「たくさんみつけたな!!」
商人「へっへー!!商人ちゃんは魔王を前に絶好調だよ!!さすがきゅーとでせくしーだいなまいつなあたし!!」ドヤッ
魔法使い「…あなほりのどこにセクシー要素があるのか分からないけど…でも確かにせかいじゅのはは助かるわね」
商人「これであたし達が持ってるせかいじゅのはは5枚!!かなりゼータクに使って良いんじゃないかな?」
魔法使い「贅沢に、というか、惜しまずに使えるようにはなったかもね。蘇生手段はたくさんあるに越したことはないからね…」
賢者「おっ、ここをおりたらまおーだな!!」
魔法使い「ええ、いよいよね…」
商人「流石にちょっと緊張してきたかな…」
魔法使い「仕方ないわね、相手は魔王だもの…そうだ、貴方達今のうちにたねとか食べておいてね」
賢者「おおー、食べる食べる!!」キャッキャッ
魔法使い「待って、食べる物は考えて…商人、貴方はちからとすばやさのたねを…」
商人「分かった…あれ?あたし、ラックのたねは食べなくて良いの?」
魔法使い「ラックのたねは2番目に運が悪い賢者が食べて。貴方はしあわせのくつで運の悪さをカバーしてもらうわ」
賢者「おー!!食べる食べる!!」ボリボリ
商人「…もしかしてあたしの運の悪さ、たねじゃカバーしきれない?」
魔法使い「………そういう事になるわね」
商人「うう、やっぱり…まあいいや、ところで魔法使いちゃんはたね、食べないの?」
魔法使い「私は大丈夫、前にたくさんスタミナのたね食べたから…今は即効性のあるたねだけにしましょう」
商人「そっか、じゃああたし食べるね…これでまたちょっと、魔王打倒に近づいたかな…?」ポリポリ
魔法使い「そうね、きっとね…」
商人「…来たね、また魔王の所に…」
魔法使い「ええ…」
賢者「うーん、なんかいみてもおいしそうにはみえないぞ…」
魔法使い「どうかしらね…でも、あんなみためのボストロールも美味しかったんでしょう?なら…」
賢者「あいつはさいしょからおいしそうだったぞ!!やわらかそうで!!」
魔法使い「そう…」フゥ…
商人「とりあえず…よいしょ、よいしょ…なーんだ、2ゴールドしかなかったよ、魔王の前なのにしけてる!!」
魔法使い「貴方達余裕ね…もしかして私が一番怖がってるのかしら…?」
商人「そんな事ないよ!!あたしの方が絶対怖がってるし!!」
魔法使い「それ、自信満々に言うこと…?」
賢者「けんじゃはなにもこわくないぞ!!あ、まおーがおいしくないかもしれないのはこわいぞ…」
魔法使い「貴方達本当に…いえ、貴方達と一緒で本当に良かったわ。さあ、やるわよ、覚悟は出来てるわね!!」
賢者「いますぐたべてもいいぞ!!」
商人「ホントのホントに怖くて足が震えてるけど、でもいつもこれでもやってこれたから大丈夫!!今日だって、魔王にだって負けない!!いっくよー!!」
魔王「ついにここまで来たか。商人よ」
商人「ま、魔王が、魔王があたしの名前を…」
魔王「この大魔王バラモス様に挑もうなどとは愚かな事じゃ」
魔法使い「愚か…そうかもしれないわ。でも…」
魔王「ここに来たことを悔やむがいい。2度と生き返れぬよう――」
賢者「おまえのはらわたまでたべつくしてやるぞ!!」
魔王「……………」
商人「ど、どうしたの…?なんか魔王怒ってない?」
魔王「お前の肉から皮膚を、骨から肉を引き剥がしてやる。骨についてる肉片も全部こそげ落としてやる。それでもまだ十分じゃないんだ」
魔法使い「…なんだかどこかで聞いた台詞になったわね…まさか、言いたいこと賢者に先に言われて…?」
商人「ええー…そんな魔王カッコ悪い…」
魔王「ええい!!とにかく掛かってこい!!皆殺しだ!!」
商人「うわ、開き直った!?」
賢者「よーし、食べるぞー!!」
バラモスがあらわれた!!
魔法使い「成り行きとはいえ、魔王を怒らせてしまったようだけど…」
賢者「うう、どうしよう…」
商人「け、賢者ちゃん!?流石の賢者ちゃんでも不安になるんだね…魔王だもんね…」
賢者「もしかしたらはらわたはにがいかもしれないぞ…食べれないかもしれないぞ…」
魔法使い「うん、その心配は後でしましょうね?」
商人「え、えーと…で、どうしよう?魔王相手の、最初の1手は…」
魔法使い「そうね、まずは…」
賢者「おいしくなさそうなおにくもねかせればおいしくなるぞ!!みんなでねむりのつえをつかうぞ!!」ブンブン
商人「ええ!?ねむりのつえ!?」
魔法使い「寝かせるってそういう意味かしら…?まあいいわ、試しに…」ポヨーン
商人「ええー、魔王は眠らないんじゃないかなあ…?」モヨーン
バラモスをねむらせた!!
賢者「お、ねたぞ」
商人「寝るの!?」
バラモスはめをさました!!
魔法使い「起きたわ!!もう1度…」ポヨーン
賢者「ねかせておいしいおにくだー!!」モハーン
バラモスをねむらせた!!
商人「うわ、また寝た。魔王もお疲れなのかな…?」
魔法使い「案外魔王業も大変なのかもね。さあ、この隙に…」
バラモスはめをさました!!
賢者「あー、まためをさましたぞ!!」
魔法使い「これじゃいたちごっこね。でもねむりのつえが効くのは分かったわ。私と賢者がねむらせるから、貴方は守りを固めてくれる?」
商人「分かった、じゃあ…フバーハ!!」モムーン
魔法使い「よし、じゃあ眠らせるわよ、賢者!」ミニョーン
賢者「おー!!」モヨーン
バラモスはねむらなかった!!
魔法使い「…っ!流石にいつも上手くはいかないわね…」
バラモスはイオナズンをとなえた!!バラモスのこうげき!!
商人「わー!!す、すごい魔法!!」
賢者「こうげきもけっこういたいぞ…」
魔法使い「魔王ですもの、このくらいはやるでしょうね。でも…眠りなさい!!」ポヨーン
バラモスをねむらせた!!
商人「また寝た…ホントにお疲れだね…」
魔法使い「よし、じゃあ賢者、貴方は守りを固めるのよ!」
賢者「よーし、スクルトー!!」ギュイーン
商人「あ、あたしは!?」
魔法使い「貴方は魔王の寝ぼけ面を叩いて来なさい、バイキルト!!」ギュイーン
商人「…!!分かったよ!よーし、魔王、覚悟ー!!」ドガバキッ
バラモスはねむっている!!
賢者「スヤスヤだな…」
魔法使い「今のうちに出来ることはしましょう。賢者、貴方も攻撃に回って、バイキルト!!」ギュイーン
賢者「よーし、ねむらせてやわらかく、たたいてやわらかくだな!!」ザクッ
バラモスはめをさました!!
商人「あ、また目を覚まし…」
バラモスはメダパニをとなえた!!
賢者「わっ、まほーつかい、へーきか!?」
魔法使い「…大丈夫よ。でも、厄介な呪文ね。とりあえず、またねむりのつえで…」ポヨーン
バラモスをねむらせた!!
商人「また寝た!!よーし、チャンスチャンス!!」ドガバキッ
魔法使い「攻撃呪文だけじゃなく、搦め手も厄介ね。呪文、封じられないかしら…まふうじのつえ!!」キュイーン
バラモスにはきかなかった!!
魔法使い「やっぱり効かない?でも、1度効かなかったからといって、通用しないとは限らないわね。何回も試してみようかしら…」
商人「魔法が封じられたら楽になるよね!!」
賢者「まほーがつかえないまおーはただのおにくだぞ!!」
魔法使い「貴方は大体のものがただのお肉よね…?」
バラモスはめをさました!!バラモスはバシルーラをとなえた!!
商人「わっ!?ま、魔法使いちゃん!?」
魔法使い「…今度も平気よ!私、この中で一番運が良いのよ?」
商人「むー、なんか悔しい…」
賢者「しょーにんはとーごくれき2かいだもんな!!」
商人「い、1回目は賢者ちゃんのつまみ食いのせいでしょ!?」
魔法使い「ほら、魔王の前でつまらない言い争いはしない!!」
バラモスははげしいほのおをはいた!!」
賢者「うわー、やきにくになっちゃうぞ!!」
商人「熱い熱い熱い!!ふ、フバーハしといて良かった…!」
魔法使い「威力を半減させてもこれなのね…やっぱり恐ろしい相手たまわ」
賢者「でもやきにくにするのはけんじゃたちだぞ!!ねむりのつえだー!!」ブンブン
バラモスをねむらせた!!
商人「…なんかさー、こんな事言ったらあれだけどさ、こんな簡単に寝るなんてちょっと拍子抜けっていうか…」
魔法使い「言いたいことは分かるわ。でも、まだ全く油断出来ないわよ、気を引きしめてね!!」
商人「わ、分かってるよ!」
魔法使い「ならいいわ、それ、まふうじのつえ!!」
バラモスのじゅもんをふうじこめた!!
賢者「おおー、やったな!!」
魔法使い「ええ、これで私の役目は大体終わりね、後は…モシャス!!」ドロンッ
商人「ええー!?ここでその魔法!?」
商人?「いえーい!!本物の2倍はきゅーとなコピー商人ちゃん、魔王を前に再登場だよ!!」
商人「うわあ、気が引き締まらない…」
賢者「まためんどくさくなったぞ…」
商人「め、面倒くさいのはあっちが悪いんだからね!?」
商人?「ごめんね賢者ちゃん…でも、コピーが面倒くさいのはオリジナルが原因だからね?悪いのはあっちだよ?」
商人「変身した方が悪いんでしょ!?」
バラモスはめをさました!!
商人×2「「あ、いけない!!」」
賢者「しょーにんがふたりだとダメダメだな…」
商人「ダメダメって何さ!!大体魔法使いちゃん、性格までコピーするの何とかならないの!?」
魔法使い「仕方ないわね、じゃあ性格は元に戻るわよ」
商人「出来るの!?」
魔法使い「たまに貴方になるといいストレス解消になるわ。王様をなじるのと同じくらいね」
商人「魔王を前にストレス解消!?しかも王様までストレス解消に使ってたの!?」
賢者「しょーにん、つっこみたいへんだな…」
魔法使い「さ、バカやってないで戦闘に集中するわよ!」
商人「集中力を奪ったのは魔法使いちゃんなんだけど…」
賢者「よーし、もっかいねむれー!!」ブンブン
バラモスをねむらせた!!
魔法使い「良い調子よ!そして、この体なら、私でも攻撃出来るわね…それっ!!」ザクッ
商人「まるであたしが怪力女みたいな言い方止めてよ…それっ!!」ドカッ
魔法使い「ふふ、確かに貴方は怪力女だけど、それだけが取り柄じゃないわよね…ベホマラー!!」パアアア…
賢者「おおー、キズがなおったぞ!!」
商人「ホント、さすが癒し系できゅーとかつせくしーだいなまいつなスーパー商人のあたし!!…に変身した魔法使いちゃんだね!!」
魔法使い「肩書き長いわね…」
バラモスはめをさました!!バラモスはバシルーラをとなえた!!しかしじゅもんはふうじこめられている!!
商人「あれ?寝ぼけてるのかな?」
魔法使い「隙が多い魔王ね…さあ、おねむの時間よ!!」ミニョーン
バラモスをねむらせた!!
賢者「まおー、ねてばっかりだな…うらやましいぞ」
魔法使い「寝る子は育つっていうし、魔王のお肉も育ってるかもね」
賢者「おおー、おいしくそだってるといいな!!」ザクッ
商人「ホントに食べるのかな…?それっ!!」ドカッ
バラモスはめをさました!!
魔法使い「はい、おねんねよ」ミュイーン
バラモスをねむらせた!!
商人「もう戦いかた掴んじゃったね!それっ!!」ガンッ
賢者「よーし、もっとたたいて…」
魔法使い「待って、もう…」
――バラモスをやっつけた!!
魔王「おのれ…商人…」
商人「なんでさっきからあたしの名前ばっかり呼ぶの!?3人で倒したんだよ!?」
魔王「このような…このような屈辱的な敗北をするとは…」
魔法使い「仕方ないわね、相手が相手だものね…」
商人「人をお笑いキャラみたいに言わないでよ!!少なくともあたしは正統派美少女だよ!?」
魔法使い「本気で言ってるのが凄いわね…」
賢者「けんじゃはせーとーはにくしょくキャラだぞ!!」
商人「それは誰も否定しないと思うよ…」
魔王「わしは…わしは諦めんぞ…!!ぐふっ…!」キャボーン
商人「わ、爆発した!?」
賢者「そんな…ひどいぞ…」
商人「賢者ちゃん…熱い拳で語り合った仲だもんね、消えて無くなるなんて…」
賢者「おにく、食べれなかったぞ…」
商人「あ、うん…」
魔法使い「…諦めない、か。不吉なこと言ってたけど、でも…勝ったのは私達よ、二人ともお疲れ様」
商人「でも、あたし達ホントにやったんだね、魔王討伐…」
魔法使い「そうね…」
賢者「うー、食べそこねたぞ…」
魔法使い「討伐がイコール食べる事なのね…」
商人「でもさ、正直ホントに倒せるなんて思ってなかったよ。これで旅、終わりなんだよね…ちょっとさびしいな…」
魔法使い「もう5ヶ月近くもずっと旅して来たからね、いきなり明日から旅しなくてもいいって言われてもね…」
賢者「うー、たびさきのおいしいものが食べれなくなるのか、つらいぞ…」
商人「…ねえ魔法使いちゃん賢者ちゃん、もし二人が良かったらだけど…このまま旅、続けない?」
魔法使い「貴方、魔王倒したら自分のお店を持ちたいって言ってたじゃない。良いの?」
商人「うーん、そのつもりだったけど…お店は後でも良いかなーってさ…ほら、あたしまだピチピチだし、急がなくでも、ね?」
魔法使い「ピチピチっていう表現がピチピチじゃない気もするけど…」
賢者「ピチピチならおいしそうだな!!」
商人「おいしくはないよ!!…まあ、食べてみないと分からないけど…でもおいしくないよ!!」
商人「で、どう?二人が良ければ、あたし…」
魔法使い「そう、ね……私はこの先何するか決めてなかったし…良いわよ、旅を続けても」
商人「ホント?良いの?」
魔法使い「どうせお城に戻っても楽しくなさそうだしね…それに、毎日私と顔を合わせたら、王様が可哀想でしょう?」
商人「あはは、言えてるー」
魔法使い「賢者はどうする?」
賢者「けんじゃはまだいろんなところでおいしいものが食べたいぞ!!だからまずはどこかいっておいしいもの食べるぞ!!」
魔法使い「ああ、そういえば魔王を倒したらおいしいものを食べる約束だったわね、じゃあ早速行く?どこにしましょうか?」
賢者「けんじゃはおなかへったからすぐ食べたいぞ!!そこの砂漠がいいぞ!!」
魔法使い「イシスね、じゃあカニでも食べる?賢者は天然物よね、私は養殖物でいいけど、商人はどうする?」
商人「やっぱり天然物の方がおいしいの?」
魔法使い「天然物はね、たまに哀れな砂漠の旅人がカニのお腹の中から…」
商人「ええー!?や、やだよそんなの!!」
賢者「なんでだ?あたりつきだぞ?」
商人「あ、当たりって…!そんな当たりイヤだよ!!魔法使いちゃんも笑ってないで何とか言ってよ!!いつも賢者ちゃんは――」
――数日後
商人「あーもう!!せっかくみんなでのんびりと旅しようと思ってたのに、またモンスターと戦う毎日だよ…」
魔法使い「しかも、朝の来ない闇の世界ですものね…」
賢者「ひがあたらないとやさいがそだたないぞ!!えーよーがかたよるぞ!!」
魔法使い「一応栄養バランスとか考えてたのね…」
商人「しかもここのモンスター強いよ!!魔王も倒したあたし達なのに…」
賢者「ひがあたらないからおにくもあんまりおいしくなさそうだな…」
魔法使い「あの魔王が手下の一人、ですものね。あの魔王のさらに上、となるとどれほど強いのか…」
商人「今度は寝てくれなさそうだしね…」
賢者「こんどのまおーこそちゃんと食べるぞ!!」
商人「うーん、今度の魔王こそおいしくなさそうだけど…見てみて、町があるよ!!」
賢者「おー、おいしいものあるかな?」
魔法使い「町なら人がたくさんいるはずですもの、食べ物もあるはずよ。出来れば、今日は私もボリュームのあるものが食べたいわね…」
商人「こっちに来てから、あんまりガッツリ食べてないもんね。じゃあ早く行こ?食べ物もだけど、あたし早く町、見て回りたい!!」
賢者「おー、行くぞー!!」タタタ…
魔法使い「ほら、慌てないのよ!」
商人「あはは、ほらほら魔法使いちゃん、早く早くー!!」タタタ…
賢者「はやくはやくー!!」キャッキャッ
魔法使い「もう、貴方達は本当に――今行くわよ、待ってなさい!」タタタ…
商人「あ、来た来た!さあ、新しい町、新しい冒険の始まりだね――こんにちは!!」
町人「いらっしゃい!ここは――」
アリアハンの魔法使い 第1部? 完
魔法使い「皆さん、ここまで読んでくれてありがとう。このssは…」
商人「これをみた人がみんなパーティーに商人を入れてくれるように書いたものです!!」
魔法使い「そうだったの?」
商人「知らなかったの!?」
賢者「そしてものがたりのなかでせーちょーしたしょーにんをおいしくたべるんだぞ!!」
商人「食べないよ!!食べられないよ!!」
魔法使い「今この場を借りまして、このSSにカニバリウム的な表現が多かった事をお詫びしつつ、商人の最期とさせていただき――」
商人「だから食べられないよ!?大体そんなキワドい描写特になかったでしょ!?」
魔法使い「それはまあ、書き手がそういうの苦手だからね」
商人「じゃあなんで賢者ちゃんこんなキャラに…」
魔法使い「それは…一応第2部があるかもしれないし、それが終わってからね…」
商人「そーそー、そういえばさ、なんで第1部?完になってるの?『?』いる?」
賢者「かくかかかないかわからないんだぞ!!」
魔法使い「そういうことね。書いた奴が基本ナマケモノだからね…」
商人「よくここまで続いたよね…あたし達の旅も5ヶ月近かったけど、書いてた期間も4ヶ月はあったよね?」
魔法使い「それはやっぱり、読んでくれてた人達のおかげね。やっぱり、誰かが読んでくれてる、という燃料がなければ、とてもここまでは続かなかったはずよ」
商人「あ、そうだ、そのお礼の挨拶だったんだ、これ!!」
賢者「おれーにおいしいじゅんに食べてやるぞ!!」
魔法使い「それは貴方しか嬉しくないわね…1度、読んでくれてた人を食べようとしてたし…」
商人「魔法使いちゃんも止めてはなかったけど…」
魔法使い「まあとにかく、『乙』の一言でどれだけやる気が出たことか…お陰で、私達も一応の区切りまで旅を続ける事が出来たし…」
商人「ホントにありがとうございます!!ございました!!」ペコリ
賢者「モノズキばっかりだったな!!」
商人「だーかーらー、そういうこと言わないの!!」
魔法使い「でも、ここまでたくさんの人に読んでもらえるとは、正直考えてなかったわ。本当に…何度ありがとうと言っても足りないわね。でも、なんでこれだけの人が読んでくれてたかと言えば…」
賢者「おれさまのジツリョクだぞぐはははは!!」
商人「…という事は残念ながらなくて、実際はやっぱり、元にしたゲームの知名度、完成度の高さだよね…」
魔法使い「まあそうでしょうね。そもそも、このSSを書き始めた本当の理由は、このゲームのスマホ版が出た時に、これをきっかけにきっと面白い創作を誰かが書いてくれるだろうと思ってたんだけど…」
賢者「とくにふえなかったぞ!!」
商人「で、自分で書くことにした、だっけ?でも、結果的にこんなに長く書くことになるなんて…」
魔法使い「実際のプレイに則して書いてる、というのもあったしね。ゲームを進めては書き、進めては書き…想定外の事も起きたし…」
商人「死んだり、全滅したり…」
魔法使い「まあその辺は想定内だけど、どちらかというとレベル上げすぎたのがね…」
賢者「まおーもラクショーだったな!!」
商人「プレイヤーが臆病者だから…あと失敗といえば、タイトルだっけ?」
魔法使い「アリアハンの魔法使い、よね。タイトルをこれにしちゃったから、魔法使いの私が転職するわけには行かなくなったのよね…」
商人「魔法使いちゃんが転職しない理由は、実はこんな所にあったのでした…」
魔法使い「さて、あまり長々語るのも良くないし、この辺で終わりにするはずだったけど…」
商人「あたし達と同じパーティーで冒険してる人がいるんだって!!スゴいよ、目的達成だよ!!理想は商商商だけど!!あたしの方がきゅーとだろうけど!!」
魔法使い「魔王に苦戦してるという話だったけど…正直私達もあんなに簡単に勝てるなんて思ってなかったのよね…」
賢者「バシルーラとメダパニがこわかったんだぞ!!」
魔法使い「特にスマホ版は混乱すると大変だから…その対策で、商人はしあわせのくつ履いたのよね」
商人「うんのよさがあがるとそういう魔法にかかりづらくなるらしいし!」
魔法使い「で、呪文を封じた、と。呪文を封じると、炎の回数が増えてかえって攻撃が激化する恐れがあったんだけど…」
賢者「バシルーラよりましだぞ!!」
魔法使い「バシルーラは生き返らせる事も出来ないからね。あとはレベル上げと…」
商人「あなほりでたねを探そう!!あなほりスゴい!!あたしスゴい!!」
魔法使い「…この子が言うとアホっぽく聞こえるけど、実際彼女があなほりした回数は多分2000回は超えてるはずよ。お陰で、効率が良いとは言えないものの、それなりの数のたねを手に入れられたし…」
商人「アホっぽいって何!?このあなほり名人に対して!!」
魔法使い「はいはい。あとはまあ、やっぱり運よね。私達はかなり都合よくいったと思うわ。とにかく、私達にも倒せたし、きっと大丈夫。頑張って!」
賢者「がんばれー!!」ブンブン
商人「頑張ってね!!あたしの方がせくしーだいなまいつだろうけど!!それじゃあ、また会う日まで!!それまで良いドラクエ3ライフを!!」
932 : 以下、名... - 2015/02/17 01:31:51 gnnuxrtI 783/788まさかと思ったが、あなほりでぬいぐるみや幸せの靴ってガチだったのか。すごい!
もしまた1がSSを書いたら、それがどんなものでもきっと、また楽しく読むだろうと思うよ
わくわくさせてくれてありがとう!
933 : 以下、名... - 2015/02/17 02:47:22 Y9uDH7PY 784/788>>魔法使い「それは貴方しか嬉しくないわね…1度、読んでくれてた人を食べようとしてたし…」
そう、食べられそうになったよwww
魔法使いもちゃんと焼くのよって煽ってたしw
第一部完結乙でした、食べられそうになった甲斐があったってもんだw
つづきが来るのを期待して待ってます
商人「………」ソー
賢者「しょーにん、なにやってるんだ?」
魔法使い「ああ、あなほりの話してるから、出ていきたいんでしょ」
賢者「なんででてかないんだ?」
魔法使い「もうシメみたいな事言っちゃったからね、出ていきづらいのよ」
賢者「べつによくないか?」
魔法使い「ええ、どうせ埋めなきゃいけないでしょうし。仕方ないわね…モシャス!!」ドロンッ
商人「あっ、魔法使いちゃん!?」
商人?「あなほりはホントにホントにたくさんやったんだから!!たねやきのみは数知れず、しあわせのくつ1つ、せかいじゅのは4枚、ふしぎなぼうし2つ…」
賢者「がんばったな!!」
商人?「たくさん手に入ったのはみかわしのふくかな。あなほりってその地域にいるいるモンスターが落とすアイテムを拾えるんだけど、ヘルコンドルってどこにでもいるから…」
商人「洗濯しないで売ったりしたね。懐かしい…」
商人?「ホントは魔王と戦う前にラックのたねとちからのたねを集めたくて、テドンであなほりしようとも思ってたんだけど…」
商人「怖いから止めたよ!!」
商人?「キャラが出来なそうな事はしなかったり…こういう、お話の都合の為にしたりしなかったりしたこともありました!」
賢者「でも、せんとーとかぼーけんぶぶんはほとんどノンフィクションだぞ!!」
商人?「つまりあなほりもね!!あたし、頑張ったんだから!!」
商人「頑張ったのはあたしだよ!?」
魔法使い「まあ、そういう事だから。ああ、また何かあったら話に来るかもね、スレが落ちない限り…」
商人「急に素に戻らないでよ!!」
魔法使い「今までほぼ毎日書いてたし、いきなり書かなくていいって言われてもね…」
商人「魔王倒した後のあたし達と同じようなこと言ってるね…」
魔法使い「とまあ、そんな感じよ。あと、このスレを埋めなきゃならないから、皆さんも適当に使ってくれて良いのだけれど…」
商人「あたしのきゅーとなところを一人1つづつ挙げてけばあっという間に埋まるよ!!あ、2つでも3つでも良いけど!!」
賢者「ええと、おいしそうなところ、いいだしがでそうなところ、はごたえとかしたざわりとか…」
商人「きゅーとっておいしそうって意味じゃないからね!?」
937 : 以下、名... - 2015/02/17 17:49:22 V93GGIBo 787/788乙
938 : 以下、名... - 2015/02/18 01:56:42 SkJeSlbY 788/788乙!
すげー楽しかったよ!
やりたくなったけどDQ3のソフト動かなかったから、アプリ版買ったわw