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――74日目
僧侶「魔法使いちゃん、朝だよ、起きて!!」ユサユサ
魔法使い「ん…もう少し…」
盗賊「あさだぞー!!起きろ起きろ起きろ!!」バンバンバンバンバン
魔法使い「わ、分かったわよ…もう、朝の騒がしさが5倍になったわ…」
僧侶「起きた起きた!さ、出発の準備しよ!!盗賊ちゃんは準備出来た?」
盗賊「できた!!弁当もつくってもらったぞ!!」
僧侶「良かったね!!あとは魔法使いちゃんだけだよ!」
魔法使い「はいはい、今準備するから…じゃあご主人、お世話になったわね」
宿屋「ええ、お気をつけて」ホッ
僧侶「…やっぱり盗賊ちゃんの食欲にビックリしてたみたいだね」
魔法使い「もう1泊しなくて心底安心したようね」
盗賊「はやく行くぞ、ほら、ほら、はやくー!!」グイグイ
僧侶「わ、分かったよ、分かったから…」
僧侶「で、今日も昨日と同じく例の黄金の国を目指すんだよね?」
魔法使い「そういうことになるわね。昨日はハプニングもあったけど、何よりアリアハン大陸が思ったより大きくて、時間がかかってしまったわ」
僧侶「レーベに着いたらもう夜だったもんね。もしかして西回りの方が近かったのかなあ?」
魔法使い「そうかもしれないわね。いずれにせよ、この大陸を出るのに1日経ってしまったのは誤算だったわ」
僧侶「別に急いでから良かったけど…ジパングも、やっぱり遠いのかなあ?」
魔法使い「そうね、今までからすると…」
盗賊「おーい、島がみえるぞ!!ほら、ほら!!」
僧侶「え、ええ!?もう!?ホントだ…」
魔法使い「驚きね。まさかアリアハンからこんな近い所に別の国があったなんて…」
僧侶「ビックリだね。ね、魔法使いちゃん、もちろんおりてみるんでしょ?」
魔法使い「当然よ。その為に来たんだから。盗賊、あそこにおりるわよ。準備をしてね」
盗賊「おー!!たのしみだぞ、うまいものあるかな?」
僧侶「きっとあるよ!!あたしも楽しみ!!」
――ジパング
僧侶「こ、ここが黄金の国!?な、なんだか想像してたのと大分…」
魔法使い「そう…ね。それに…今までいろんな国、いろんな町や村に行ったけど、ここまで特徴的な所はなかったわね…」
盗賊「なあ、なあ、ここにはやまたのなんとかってバケモノがいて、そいつがニンゲン食べるんだって!!いいなあ、とーぞくも食べたいぞ!!」
僧侶「と、盗賊ちゃん、おっきな声でそういう事言わないの…」
盗賊「おなかへったー!!くーふくだー!!」ギャーギャー
魔法使い「もうお弁当食べちゃったの!?困ったわね、この国は宿屋も見当たらないし…」
僧侶「あー、船の中にまだ食べ物残ってるかも…あたしが盗賊ちゃん連れてくよ、魔法使いちゃんは一人で大丈夫?」
魔法使い「ええ、町の中は危険でもないみたいだし。じゃあ、頼んだわよ」
僧侶「うん、気を付けて…ほら、盗賊ちゃん、行くよ」
盗賊「お?なんか食べれるのか?行く行く!!」
魔法使い「ふう…さてと、私は…」
見張り「ここは、ヒミコ様の住まうお屋敷じゃ」
魔法使い「ここが、私達の国でいうところのお城になるのかしら…?」
近習「ここはヒミコ様のお部屋じゃ。粗相のないようにな」
魔法使い「そしてここが、執務室…?それとも謁見の間かしら?で、あの人がヒミコ…この国はイシスと同じで女王なのね」
ヒミコ「なんじゃ?そなたは」
魔法使い「私は…」
ヒミコ「答えずとも良いわ!おおかた、この国の噂を聞き付けてやって来たのじゃろう。愚かな事じゃ。妾は外人を好まぬ。直ぐに立ち去るが良い!良いか?余計な事をせん方が身のためじゃぞ!!」
魔法使い「…」
魔法使い「…と、いうわけで、ここの女王様とは全く会話が出来なかったわ」
僧侶「ふうん、困ったね。っていうか、その女王様怪しくない?」
魔法使い「どうかしらね…いずれにせよ、今のままではこの国は若い娘をオロチへの生け贄に捧げ続けなければならないのに、それをどうにかしようとする意志は見えなかったわね…」
僧侶「うーん、やっぱり怪しい気が…それはそうと、なんで生け贄は若い女の人なんだろうね?男の人の方が大きくてお腹いっぱいになるんじゃない?」
魔法使い「私に聞かれても…」
盗賊「なんだ、二人ともそんなことも分からないのか?ダメだな~!」
僧侶「え、盗賊ちゃんは分かるの?」
盗賊「そんなの、女の方が柔らかくておいしいからに決まってるぞ!!」
僧侶「え、ええ~!?」
魔法使い「説得力があるのが嫌ね…」
盗賊「でも、そーりょみたいなのはちょっと固そうだな。まほーつかいなら、やわらかそうだぞ!!ちょっとかじっていいか?」
魔法使い「あら、貴方が私を食べるのと、私が貴方を丸焼きにするの、どちらが早いかしらね?」ニッコリ
盗賊「う、うう~…やめとくぞ…」
魔法使い「そう、いい子ね」
僧侶「そ、それでいいの!?」
魔法使い「で、話を戻すけど、あの国、どうやら次の生け贄が近いらしいのよ。今までや様子だと、あと一月あるかないか…」
僧侶「大変だね…何とかならないかな…?」
魔法使い「本当はあの国が自分達で何とかするべきなんでしょうけど、トップの女王が全く動く気がないどころか、生け贄を提案したのが女王自身だというし、期待は出来ないでしょうね…」
盗賊「なんでじょおうさまがイケニエを出せって言うんだ?じょおうさまがイケニエを食べるのか?じょおうさまっていいな、とーぞくもじょおうさまになりたいぞ!!」
僧侶「じ、女王様が人間を食べるわけないじゃない!そんな事、そんな…ま、魔法使いちゃん!?」
魔法使い「まさか、とは思うけど…辻褄が合ってしまうのが怖いわね…いずれにしても、女王が動かない以上、やっぱり何とか出来るのは私達。でも、一人は新入りで、もう一人は転職してから日が浅い。難しいわね…」
僧侶「でもさ、今までだって敵わないと思った敵にも何とか勝って来たよ?また前みたいにモンスター退治で腕を磨けば、そのうち何とかオロチにもきっと勝てるよ!!そしたら…」
盗賊「そいつからイケニエ横取りして食べるんだな!!」
僧侶「ち、違うよ、助けるの!!」
魔法使い「そうね、私達は二月半でここまで来たわ。あと一月あれば、オロチを倒せるようになるかもしれない。やってみる価値はあるかもね」
僧侶「だよね?じゃあ、また一月後くらいにここに来ようよ!!今よりずっと強くなってさ!!」
魔法使い「ええ、一月…私達が旅立ってからちょうど100日目くらいまでには戻ってきましょう。盗賊もいいわね?」
僧侶「この国の人達を助けてあげたら、きっとお礼にたくさん食べさせてくれるよ!!」
盗賊「たくさん!?やるやる、とーぞくがんばるぞ!!」
魔法使い「決まりね。とはいえ、今現在どこで魔物退治をすれば効率がいいのか分からないわね。もう何日か船で旅を続けて、良さそうな所があったらそこを拠点にしましょう」
僧侶「りょーかい!!いいとこ見つかるといいね!!」
魔法使い「さて、今日はまだ明るいわ。もう少し進んでみましょ?僧侶、貴方の勘で行き先決めていいわよ」
僧侶「久しぶりだね、あたしのカン!!じゃあ…もっと北に進もう!!」
魔法使い「じゃあ北に行きましょう。盗賊もいいわね?」
盗賊「とーぞくはどこでもいいぞ!!さっきたおしたクマもあるから、お腹へってないし!!」
僧侶「さっそく食べてるのね、ごうけつぐま…」
魔法使い「でも、見事に捌くのね。食べる事に関しては超一流ね」
盗賊「なあ、二人にも少しわけてやるぞ!!クマの目玉とのうみそ、どっちがいい?」
僧侶「え、ええっと…ま、魔法使いちゃんは、どっち!?」
魔法使い「わ、私!?そ、そうね…あ、ほら、あそこ!!町が見えてきたわ!!」
僧侶「あ、ほ、ホントだ!!じゃあおりる準備しなくちゃ!!盗賊ちゃん、ごちそうはまた後でね!!」
盗賊「なーんだ、じゃあ食べちゃうぞ」
僧侶「う、うん、それでいいよ」ホッ
魔法使い「助かったわ…料理だけじゃなく、薄暗くなってきた所に町があって」
僧侶「今度の町はきっと宿屋もあるよね?ゆっくり休みたいなあ…」
――夜、ムオルの村
魔法使い「ここは、町というより村ね」
僧侶「夜だからっていうのもあるんだろうけど、静かだね…盗賊ちゃんがお腹空かしてたら、騒ぎ声が響き渡るところだったよ…」
盗賊「ん…ねむい…」ムニャムニャ
魔法使い「おとなしくて助かったわ。でも、この様子だと、この村を見て回るのは朝になってからね」
僧侶「お店とか見て回りたかったけど…お楽しみは明日、かあ。盗賊ちゃんも眠そうだしね」
盗賊「ん…」コックリコックリ
魔法使い「ええ、騒ぐ前に宿屋に入りましょう。このまま眠ってもらえたら楽でいいわ」
僧侶「お腹減ってたらこうはいかないもんね…クマ肉は偉大だね…」
――75日目
魔法使い「さてと、今日はまずこの村を見て回るわよ」
僧侶「ね、ね、魔法使いちゃん、宿屋の人がね、あっちの方で市場が開かれてるって言ってたよ!!行ってみない?」
魔法使い「市場か…行ってみましょうか。盗賊、市場ならきっとおいしいものもたくさんあるわよ」
盗賊「おいしいもの!?たくさん!?行く行く!!早く早く!!」
僧侶「うん、行こう行こう!!じゃあかけっこ、よーい、ドン!!」ダダダ…
魔法使い「二人揃って元気ね…」
盗賊「おお!?あれも食べたい、これも食べたい!!」ジュルル
僧侶「もう、勝手に食べちゃダメだよ?ちゃんとお金払って…」
魔法使い「ああ、この子は私が見てるから、貴方はお店見て回っていいわよ。いろいろ見たいでしょ?」
僧侶「え、いいの?じゃあ、お言葉に甘えて…」
魔法使い「ええ、気を付けてね…ほら、盗賊!今買ってあげるから、ちょっと待ってなさい。そもそもそれ、なんの肉なの?」
盗賊「これか?えっとな、これはデッドペッカーの手羽先だって!!まほーつかいも食べるか?」
魔法使い「うーん…私は遠慮しておくわ。貴方はこれを食べるのね?」
盗賊「あ、待って!!なあなあ、このマーマンの刺身ってうまそうだな!!今日みずあげしたばっかりだって!!」
魔法使い「…なんでこんな食べ物しかないのかしら?」
僧侶「ねえねえ盗賊ちゃん、ちょっとこっち来て!」
盗賊「よんだかー?」モグモグ
僧侶「そこのお店でね、いい防具が売ってたから盗賊ちゃん用のを買ってみたんだ。どう?」
盗賊「おお、しんぴんだ!!」ピョンピョン
僧侶「えへへ、良かった、喜んでもらえて!!」
魔法使い「何を買ったの?」
僧侶「服はくろしょうぞく、盾はまほうのたてだよ!盗賊ちゃんに装備出来るのが2つもあって助かったよ!!」
魔法使い「へえ、これで結構あの子の守備力は上がったのね?」
僧侶「うん、これで防御ばっかりしてなくても良くなったはず!あとはいい武器があれば…」
盗賊「なあ、とーぞくはこんどあれ食べたいぞ!!」モグモグ
僧侶「ああっ!!買ったばかりの防具に食べかすこぼさないで!!」
盗賊「ふう~!お腹いっぱいになったぞ!!」
僧侶「盗賊ちゃんも満足したし、また船で出発だね」
魔法使い「そうね…しかし驚いたわ。あのオルテガ殿がこんな所まで来ていたなんて…」
僧侶「ホントだね。ねえ、魔法使いちゃん、オルテガさんがここまで来たって事は、ここってあのロマリアとかダーマとかがあった大陸と繋がってるのかな?だとしたら、ここからダーマって意外と近かったり?」
魔法使い「そうかもしれないけど…何せオルテガ殿は、アリアハンから泳いで別大陸までたどり着いたっていう噂もある方だし…」
僧侶「そうなの!?」
魔法使い「あくまで噂だけど…でも、ここからダーマが意外と近いかも、っていうのには同意だわ。以前ダーマでジパングの話を聞いたことがあったけど、ある程度近くなければそういう情報も出てこないと思うの。だから…」
僧侶「確かダーマの情報は、東にジパングがあるって話だったよね?なら、ここから西に向かえば…」
魔法使い「ええ、ダーマに行けるかもね」
盗賊「おーい、何してるんだ?早く次のまちにいくぞ!!」
魔法使い「はいはい…あの子のお腹の虫が騒がないうちに出発しましょう」
僧侶「さらば、ムオル!!またいつか…で、どうするの魔法使いちゃん、やっぱり西を目指すの?」
魔法使い「そうね、やっぱり…」
盗賊「なあ、なあ、ここからあっちになにかあるみたいだぞ、行ってみないか?」
僧侶「あっち?南西に、何かあるの?」
魔法使い「南西なら、多分ジパングじゃないかしら?でもよく分かるわね、まだ全然見えないのに」
盗賊「へへ~、とーぞくはタカのめをつかえるんだぞ!!」
僧侶「タカのめ?ずっと遠くを見れるんだ、すごいね!」
魔法使い「タカのめ…なら、船をもう少し沖に出してみましょう…ええ、この辺で。盗賊、もう1度タカのめで見てもらえる?」
盗賊「おう!!…あ、あっち!!あっちに、別のなにかがみえるぞ!!」
僧侶「あっち…?北東かな?何があるんだろう…?」
魔法使い「何かは分からないけど、まだ私達が行ったことのない場所の可能性が高いわ。行ってみましょう。盗賊、お手柄ね」ナデナデ
盗賊「へへ~、おやすいごようだぞ!!」
――アープの塔
魔法使い「ここは…塔ね。やっぱりまだ来た事のない場所だったわね…僧侶?」
僧侶「第二回!!ドキドキ☆あなほり大会!!inアープの塔~!」
魔法使い「!?またあなほりをえんえとやるの?」
盗賊「お、なんだなんだ?」
僧侶「魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、この辺にはきっと良いものがあるよ!!きっとあるよ!!だからあたし、あなほりするね!!ちょっと時間ちょうだい?」
魔法使い「いいけど…あまり無理しないのよ。あとムキにもならないでね」
僧侶「分かってるって!盗賊ちゃん、ちょっと待っててね!」
盗賊「おう、さっきたくさん食べ物買ったから大丈夫だぞ!!」
――夕方
僧侶「うう…100回ずつ塔の中と外で掘って、中はアイテムどくけしそう1つ、外はせいすい1つ…」
魔法使い「ま、まあこういう日もあるわよ…」
僧侶「…ううん、まだまだ、あとちょっと掘れば…」ザッザツ
魔法使い「ほら、ムキにならないでって…」
なんと しあわせのくつをみつけた!!
僧侶「ま、魔法使いちゃん、すごいよ、これすごい!!」
魔法使い「ちょっ、落ち着いて…この靴、そんなにすごいの?」
僧侶「すごいのすごいの!!どんなにかって…うーん…今あたし商人じゃないから上手く説明出来ないけど、すごいの!!」
魔法使い「そ、そう…確かに、ただの靴ではなさそうだけど…」
盗賊「なんだこれ?へんなくつ~。なあ、これとーぞくがはいてもいいか?」
僧侶「うん、いいよ!!盗賊ちゃん今装飾品装備してないからちょうどいいよね!!」
盗賊「いいのか?へへ~、またあたらしいそうびだな!!」ニコニコ
魔法使い「確かに、盗賊の装飾品はどうにかしたいと思っていたわ。あなほりの甲斐があったというわけね」
僧侶「うん!!さてと、この調子で全員ぶんの靴を…」
魔法使い「ちょっと、私達の装飾品は間に合ってるでしょう?それとも貴方、セクシーギャル辞めるの?」
僧侶「あ、辞めない辞めない!!じゃあ靴はもう要らないね、あなほりおしまい!!」
魔法使い「全く、すぐ調子に乗って…」
僧侶「で、どうするの魔法使いちゃん?これからこの塔を上ってみる?」
魔法使い「うーん、もう夕方だし、それに結構手強いわよね、ここの魔物…あと、塔で思い出したんだけど、私達まだほとんど手をつけてない塔が他にあったわよね?」
僧侶「え…あ、あのダーマの北にある…何ていう塔だっけ?」
魔法使い「ガルナの塔ね。どうせ近いうちにダーマに行ってみる予定だったし、ついでに行ってみましょう。この塔は、その後でも良いでしょう?」
僧侶「そだね。そういえばあの塔にはさとりのしょがあるんだよね?使わないにしても、持ってはおきたいよね!」
魔法使い「使わない、か…」チラッ
盗賊「ん?なんだ?」
僧侶「え、魔法使いちゃん、まさか…」
魔法使い「さあ、ね。さあ、今日はもう帰りましょう。この時間だと、今晩はまたムオルの宿かしらね…」
――76日目、ムオル
僧侶「さらば、ムオル!!またいつか…ってこれ、昨日も言ったっけ?」
魔法使い「そうね。でも今日こそはきっと戻らないと思うわ」
盗賊「なあなあ、どこ行くんだ?」
魔法使い「これからね、ダーマ神殿っていう所に行くのよ。そこでは職業を変えられたりするの。貴方は盗賊から他の職業に変わりたいとは思わない?魔法使いとか、僧侶とか…」
盗賊「ん~、よくわかんないや」
魔法使い「例えば、魔法使いになったら、簡単にお肉を丸焼きに出来るわよ。僧侶なら、風の呪文でお肉を切り刻んだり…」
僧侶「ま、魔法使いちゃん、その説明の仕方…」
盗賊「おお、いいな!!とーぞくまほーつかいにもそーりょにもなりたいぞ!!」
魔法使い「そうでしょうそうでしょう」ニッコリ
僧侶「ま、魔法使いちゃん…」
盗賊「うー、お肉のはなししてたらおなかすいてきたぞ!!ダーマってところにはおいしいものあるのか?」
魔法使い「ええ、キラーエイプやマッドオックスを丸焼きにしてあげるわ」
盗賊「おお、なんだか分からないけどうまそうだぞ!!」
僧侶「魔法使いちゃん、盗賊ちゃんの扱い慣れてきたね…」
魔法使い「すっかり暗くなってしまったけど…僧侶、この風景、見覚えがない?」
僧侶「うん、この山がちな土地は多分、ダーマの近くじゃないかな?」
盗賊「お、何かおっきなたてものが見えてきたぞ!!あれがしんでんか?」
魔法使い「そのようね。予想通り、ジパングの西にダーマがあったわね」
僧侶「良かったね。なかったら大変だったよ、特に盗賊ちゃんのお腹が…」
盗賊「なあなあ、あそこがダーマなら、なんとかの丸焼きももうすぐ食べれるんだな?早く行こう!!早く!!」グイグイ
魔法使い「はいはい、引っ張らなくても、もう少しで食べさせてあげるわ。僧侶、おりる準備をしましょう」
僧侶「うん!!ダーマかあ、すごい久しぶり
僧侶「うん!!ダーマかあ、すごい久しぶりのような気がするけど、あたし達がダーマを旅立ってからまだ10日くらいしか経ってないんだね…」
魔法使い「濃い10日間だったわね。船を手に入れて、いろいろな町を巡って…」
僧侶「あたしは転職したのが一番印象的かな。あ、あと盗賊ちゃんの仲間入りもね!!」
盗賊「おう、なかまだなかま!!」
魔法使い「ふふ、本当にいろいろあったわね…さあ、感傷に浸るのもいいけど、過去ばかり見てはいられないわ。船も着岸したし、おりるわよ。二人とも、準備いいわね?」
僧侶「うん!!」
盗賊「おー!!食べるぞー!!」
――77日目、ガルナの塔
魔法使い「この塔は17日ぶりにもなるのね…僧侶、貴方はこの塔の構造、覚えてる?」
僧侶「ん~、あんまり…」
魔法使い「でしょうね。そもそもこの塔にはそんなに長い時間いなかったし…」
僧侶「あの時は結構モンスタもた強く感じたし、人さらいをやっつけるのが先だったし…」
魔法使い「それで、いつか来よう、と言っていたのよね。さあ、行きましょう。さとりのしょも探さなければいけないし」
盗賊「おう、行こう行こう!!とーぞくはくーふくだ、早くモンスターたおして食べよう!!」
僧侶「食べるのが目的じゃないけど、モンスターをたくさん倒して強くなるのも目的だよね!さあ行こう!!」
魔法使い「とはいっても、もうこの塔の魔物くらいだとさほど苦戦しないわね」
盗賊「とりはたべるところ少ないし、サルは肉がかたかったぞ。あのひつじみたいなのはおいしかったけど!!」
僧侶「味の話をしてるわけじゃないんだけど…」
魔法使い レベル24「ところで、貴方たちレベルはどれくらいだったかしら?」
僧侶「あたしは15!ベホイミも覚えたよ!!」
盗賊「とーぞくは13だ!!」
魔法使い「短い間に二人とも結構上がったわね。さとりのしょがみつかる前に、私はもう1つ、二人は2つ3つ上げたいわね」
僧侶「きっと上がるよ!!…さとりのしょは激レアっぽいから、すぐには見つからないと思うし…」
魔法使い「まあ、早く見つかればそれに越したことはないけれど。さあ、行きましょう。さとりのしょ探索に!!」
僧侶「…と、意気込んだのはいいけど…大体見て回ったのに3階より上に進めないよ…」
魔法使い「この塔の中からはこれ以上進めないとなると、外からね」
盗賊「なあなあ、あっちの方にちっちゃな塔があるぞ!!行かないのか?」
魔法使い「あっち…ここね、階段があるわ」
僧侶「ホントだ!!ここを上れば、先に進めるのかな?」
魔法使い「おそらくね。さあ、上ってみましょう…これは、ロープ?」
僧侶「こ、この上を綱渡りしなきゃいけないの!?ちょ、ちょっと怖いかも…」
盗賊「おー、おもしろそうだな!!はやくわたろう、な?」グイグイ
僧侶「ちょ、盗賊ちゃん、押さないで…ああっ!!」ピューン
魔法使い「そ僧侶!?」
盗賊「あはは、落ちた落ちた!!おもしろいなー!!」
魔法使い「…恐ろしい子ね…」
僧侶「うう…ひどい目に合ったよ…」
魔法使い「災難ね…」
盗賊「おー、ケガないんだな、そーりょすごいな!!」
僧侶「ははは…気をとりなおして、今度こそこのロープを渡るよ!!」
魔法使い「盗賊、今度は押しちゃ駄目よ?揺らすのも駄目。いい?」
盗賊「はーい、つまんないぞ…」
僧侶「ほっ…じゃ、じゃあ…うう、揺れる…怖いよ…」
魔法使い「これは大変ね…盗賊は…流石盗賊だけに上手いわね…」
盗賊「おおー、これおもしろいな!!きゃはは!!」
僧侶「すごいなあ…も、もうちょっと…よし、渡り切った!!」ホッ
魔法使い「ふう…なんとかクリアね…」
盗賊「あはは、おもしろかったな、またやるぞ!!」
僧侶「ちょ、お願いだから戻るのだけはやめて…」
魔法使い「で、ロープを渡った先には旅の扉か…」
僧侶「そういえばこの塔、旅の扉があったよね?この前来たときも、旅の扉の先でおじいさんが瞑想してたりしてさ」
魔法使い「瞑想の邪魔をするでない!!って怒られちゃったわよね。まあ、この旅の扉は別の場所に行くんでしょうけど…」
僧侶「ど、どこかすごい遠くに飛ばされたりしないよね…?」
盗賊「なあなあ、これにとびこむのか?すごいな、この塔はおもしろいのばっかりだ!!」
魔法使い「言われて見れば、凝った作りの塔よね…離れの塔から綱渡りして旅の扉…」
僧侶「なんだか一筋縄では行かない感じだね…さとりのしょ、見つかるかなあ?」
盗賊「なあなあ、早くこれに入ろう!!早く早く!!」グイグイ
僧侶「あ、また押して…!!」ニュイーン
盗賊「おお!?いなくなったぞ!!すごいな!!」キャッキャッ
魔法使い「…まあ、どうせ飛び込まなければならなかったし、いいか…」
盗賊「すっごいなー!!にゅいーんってなって気づいたらここまで来てて…すっごいなー!!」
僧侶「うう…最近あたし扱い悪い気がするよ…」
魔法使い「子供の面倒を見てるんだもの、そういう事もあるわよ。でも、やっと4階以上まで来られたわね」
盗賊「おー、たっかいなー!!シャンパーニの塔を思い出すぞ!!おやぶん、元気かなあ…」
僧侶「…そっか、シャンパーニの塔を思い出してたんだ。それで、張り切ってたんだ…」
魔法使い「そうね…そういえば盗賊、私達あの後一回だけ貴方の親分に会ったのよ」
盗賊「ええ!?どこでどこで!?」
魔法使い「ここからそう遠くない洞窟だけど…今はもう居ないわよ」
盗賊「そっか…いないのか…」
僧侶「大丈夫よ盗賊ちゃん、あの親分ならきっと元気にしてるから!!」
魔法使い「そうね、あの人なら大丈夫でしょ。並みの強さじゃないし…」
盗賊「そうかな?…そうだな!」
魔法使い「まあ、時間があったらあの人達が住んでた洞窟にも行ってみましょう。それより、今はこの塔を上る事よ」
盗賊「うん!!とーぞく頑張るぞ!!」
魔法使い「さて、5階まで来たけれど…また綱渡りね」
盗賊「おおー、向こうがわがみえないぞ!!」キャッキャッ
僧侶「すごい長いよ…やっぱり、ここ渡らなきゃダメなんだよね?」
魔法使い「そうでしょうね。大丈夫よ、さっきだって渡れたし、ゆっくり進めば…」
盗賊「早く行こう!!早く早く!!」グイグイ
僧侶「ま、待って、押さないで…急がなくてもいいんだから…あれ?」
盗賊「なんだ?あ、モンスターだ!!ビカピカだなー!」
僧侶「ま、魔法使いちゃん、あいつ…!!」
魔法使い「ええ、今度は逃がさないわ…!!」
盗賊「ど、どうしたんだ二人とも、かおこわいぞ!?」
魔法使い「盗賊、どくばりは持ってたわよね?」
盗賊「うん、これだろ?」
僧侶「準備はオッケーだね!さあやるよ!!」
しびれあげはがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!
魔法使い「よし、じゃあとくばりで刺すわよ!!盗賊、貴方もあの銀色の方を狙って!!それっ!!」ドスッ
盗賊「よーし、とーぞくも!!そりゃあっ!!」ドスッ
僧侶「あたしは…あのちょうちょを混乱させてみる!!それっ、どくがのこな!!」バサバサ
しびれあげははこんらんした。
しびれあげはのこうげき!!メタルスライムを倒した!!
魔法使い「…!!ついに…!!」
僧侶「やったやった!!よーし、残りも…!!」
盗賊「のこってるぎんいろのやつか?たあっ!!」ドスッ
魔法使い「ええ、どうせならもう一匹…やあっ!!」ドスッ
僧侶「あたしも…とりゃあ!!」ガンッ
メタルスライムをたおした!!
――まもののむれをやっつけた!!
魔法使い「ついにあの銀色の魔物を倒せたわね!すごい充実感だわ…どうしたの、二人とも?」
僧侶 レベル16「おおお~、すごいすごい、レベル上がった!!」
盗賊 レベル15「とーぞくは2つもレベル上がったぞ!!」
魔法使い「二人ともすごいわね…どうやらあの魔物を倒すと、レベルが上がりやすいみたいね。素晴らしいわ」
僧侶「ホントだね!!ねえ魔法使いちゃん、もしここで今のモンスターがたくさん出るなら、ここを中心にモンスター退治をすれば…」
魔法使い「ええ、ジパングの魔物にも勝てる強さを身に付けられるかもしれないわ。まだ分からないけれど、もしかしたらこれ以上ない場所かも…」
僧侶「ホントだね!!ね、盗賊ちゃん?」
盗賊「うう~、こいつかたいな…食べれなそうだぞ…」
僧侶「それも食べる気だったの!?」
魔法使い「長い長いロープを渡ったら、上り階段か…」
僧侶「次は6階?そろそろ頂上かな?ねえ魔法使いちゃん、今までの塔は頂上に目的のものがあったよね?今回も…」
魔法使い「そうだといいけど…」
盗賊「よーし、とーぞく先にのぼるぞ!!それっ!!」タタタ…
僧侶「あ、もう、待ってよ!!」タタタ…
魔法使い「二人とも落ち着きがないわね。さて、私も…どうやら本当に頂上のようね。そして宝箱…おそらくこれが…」
僧侶「きっとこれがさとりのしょだよね?開けてもいいでしょ?ね、ね?」
魔法使い「…インパス!!…うん、大丈夫よ。でも、今回は盗賊に譲ってあげなさい」
盗賊「お、あけていーのか?それっ!!」パカッ
僧侶「ああ、もうちょっとありがたそうに…ってあれ?」
なんとぎんのかみかざりをてにいれた!!
僧侶「あれ?さとりのしょって本だよね?」
魔法使い「そうでしょうね」
僧侶「じゃあこれ、どうやって読むの?まず、ページの開き方が…」
盗賊「おー、これ本なのか?変わってるなー!」
魔法使い「そんなわけないでしょ。この宝箱は外れよ。早く戻るわよ」
僧侶「え~、戻るって…またあの綱渡り…?」
盗賊「おー、またあれやるんだな?早く早く!!」グイグイ
僧侶「ちょっと待って…ああ、また向こうの見えない長いロープ…」
魔法使い「仕方ないでしょう。ほら、私だって怖いんだから、ね?」
僧侶「は~い…うう、やっぱり怖い…ねえ、魔法使いちゃん、今どのくらい?真ん中くらいまで来たかな?」
魔法使い「そうね、多分…」
盗賊「うんうん、やっぱりまんなかがいちばんだな!」ユサユサ
僧侶「え?ま、待って、なんで揺らすの…ってきゃあああああぁぁぁアアア…!!」ピューン
盗賊「あはは、まんなかがいちばんゆれるぞ!!お、そーりょ落ちたな、とーぞくも!!それっ!!」ピューン
魔法使い「……………本当、仕方ないわね…」ピューン
僧侶「うう…ここどこ?」フルフル
魔法使い「どのくらい落ちたかしらね?仮に1つ落ちて4階だとして…」
盗賊「お、今度は穴があるぞ!!また飛び下りるのか?」
僧侶「ええ~!?また飛ぶの!?」
魔法使い「…とはいえ、他に道もないようだわ。仕方ないわ、飛び下りましょう。もし行き止まりでも、最終的にはリレミトがあるから…」
盗賊「おおー!?なあなあ、あれなんだ?すごくおいしそうだぞ!!」
僧侶「あれ…?ってえええ!?ド、ドラゴン!?」
スカイドラゴンがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!
魔法使い「しかもメタルが…7匹!?大当たり、かしらね?」
盗賊「なあなあ、あいつ食べていいんだろ?」ジュルル
魔法使い「…ええ、先に食べられなければ、だけど」
僧侶「あたしたちの方が美味しいご飯かもね…でも、やるしかないよね!!」
魔法使い「じゃあ、例によって私と盗賊はどくばり、僧侶はどくがのこなね、それっ」ドスッ
僧侶「ドラゴン、これでも食らっちゃえ!!ってあれ?効かなかった…」
盗賊「それぇっ!!あ、しんだ」
メタルスライムをたおした!!
魔法使い「急所を突いたのね、流石盗賊は器用ね…いけない、二人とも気を付けて!!」
スカイドラゴンはもえさかるかえんをはいた!!
僧侶「ひえ~、熱い熱い!!」
盗賊「おお!?とーぞくたちを丸焼きにして食べるのか!?」
魔法使い「凄まじい炎ね…僧侶、盗賊の治療を!!」
僧侶「うん!!大いなる神々よ、この僕に祝福を!!ベホイミ!!」パアア
盗賊「おお!?いたくなくなったぞ!!」
魔法使い「まだ危機は脱してないわね…まず竜を片付けるわ、ヒャダルコ!!」ピキキーン
僧侶「倒れてくれないの!?タフだね…魔法使いちゃんにも、ベホイミ!!」
魔法使い「ありがとう。あとは貴方が竜を倒して。私達は、あのメタル達を…」
僧侶「うん、あと一発叩けば…それぇっ!!」ガンッ
スカイドラゴンをたおした!!
盗賊「おお、おいしそうなのたおしたな!!どんな味がするのかな~?」ワクワク
魔法使い「こら、まずは目の前の敵に集中する!それっ!!」ドスッ
盗賊「おう!!こいつらたおして焼き肉タイムだ!!」
僧侶「よーし、あたしも…この銀色のヤツを倒して、レベルアップだあ!!」
――まもののむれをやっつけた!!
僧侶 レベル17「やった、またレベルアップ!!」
魔法使い「メタルを3匹たおせたのが大きかったわね」
盗賊 レベル16「んー、こいつなかなか火が通らないぞ…なまじゃダメかなあ?」ガブリ
魔法使い「ちょっと、お腹壊すわよ!!」
盗賊「おお!?おいしい、すごくおいしいぞ!!」ガツガツ
僧侶「ああ、そんな生で…そ、そんなに美味しいの?」ゴクリ
魔法使い「止めときなさい、あの子のお腹は鋼鉄製よ。貴方はお腹壊すわよ」
僧侶「だよね…でも、ゆっくりじっくり火を通せば…」
魔法使い「まあ、火を通せば大丈夫でしょうけど…」
盗賊「おおー!!とくにしっぽがおいしいぞ!!」ガツガツ
魔法使い「焼いてる間にあの子に食べられない自信、ある?」
僧侶「…ううん、ない…」
盗賊「おー、お腹いっぱいだぞ!!」
魔法使い「良かったわね。でも、これからここ飛び下りるんだけど、平気なの?」
僧侶「ああ、忘れてた、また飛び下りるんだっけ…」
盗賊「とーぞくは大丈夫だぞ!!そーれっ!!」ピューン
魔法使い「食べたばっかりなのに、すごいわね…私も行くわ、貴方も早くね」ヒピューン
僧侶「…仕方ないよね…ええいっ!!」ピューン
盗賊「おお、ほらほら、階段だぞ!!ほらほら!!」
魔法使い「本当ね…これはもしかして、ロープから落とされたかいがあったかもよ、僧侶」
僧侶「いたた…だといいけど…」
盗賊「この先になんとかのしょがあるのか?じゃあとーぞくが先にとっとくな!!とくにタタタ…
魔法使い「あら、これじゃあ先を越されちゃうわね、僧侶?」
僧侶「むっ…負けないよ、先にさとりのしょに目をつけてたのはあたしだ!!」タタタ…
魔法使い「…さて、今度こそ当たりだといいけど…」
盗賊「おお、宝箱があったぞ!!」
僧侶「ほ、ホントだ…これは、あたしが開ける…!!」
魔法使い「ちょっと、呪文で調べてから…」
なんと さとりのしょをてにいれた!!
僧侶「おおおおお、これ、これ!!やっと見つけたよ!!」
盗賊「おー、本だ本だ!!」
魔法使い「…ふう、魔物じゃないから良かったけど、危なっかしいわね…」
僧侶「ごめんごめん魔法使いちゃん、でもほら、目的達成だよ!!」
盗賊「おおー!!じゃああとは帰ってご飯だな!!」
魔法使い「待ちなさい。まだこの塔全てを見て回った訳ではないわ。それに、あの銀色のスライムがたくさん出るようだし、魔物退治もしていきたいわね」
盗賊「ええ~、お腹へったぞ!!」
魔法使い「またあの美味しい竜のお肉が食べられるわよ」
盗賊「あ!!そうだな!!とーぞくまだこの塔にいるぞ!!」
魔法使い「と、言うわけだからね、僧侶」
僧侶「分かったよ。あの綱渡りさえなければ、いくらでもいていいんだけどね…はあ…」
――夜、ダーマ神殿宿屋
僧侶 レベル19「今日はさとりのしょが手に入った上にレベルもたくさん上がったね!!」
魔法使い レベル25「そうね、目標以上に上げる事が出来たわ。盗賊は6つもレベル上がったし…」
盗賊 レベル19「ん…むにゃ…」ウトウト
僧侶「あたし盗賊ちゃんにレベル並ばれちゃった…でも、あの塔すごいね!!あの銀色のヤツがたくさん出てくるから、レベルどんどん上がっちゃうよ!!」
魔法使い「そうね、しばらくあそこで魔物退治も悪くないかもね」
僧侶「絶対それがいいよ!!でさ、魔法使いちゃん、あそこでモンスター退治するなら1つお願いがあるんだけど…」
魔法使い「何?」
僧侶「あのさ、最初に銀色のヤツ倒したとき、一緒に出てきたモンスターを混乱させて同士討ちさせたよね?あれ、すごくいい方法だと思うんだけど、もうどくがのこながなくなって…」
魔法使い「なるほどね、またあの塔に行く前に買い物したいって訳ね。良いわよ」
僧侶「やった、ありがとー!!明日はお買い物だよ、盗賊ちゃん!!」
盗賊「ん…」ウトウト
僧侶「もう寝ちゃったかな?盗賊ちゃんにとっては初めてのダンジョンだったし、しかも盗賊ちゃんモンスターからアイテム盗んだりしてたよね?あたしのあなほりと合わせて、いのちのきのみとすばやさのたねが2つずつ手に入ったもんね」
魔法使い「その意味でもいいダンジョンだったわね。でも手強いダンジョンだったわ。私も疲れたし…」
僧侶「あたしもだよ。それじゃ、今日はもう寝よっか?二人とも、お休みなさい…」
――78日目
魔法使い「じゃあ今日は1度ムオルに戻る?」
僧侶「それなんだけどさ魔法使いちゃん、ゆうべよく考えたらあたし、おおごえで道具屋さん呼べたんだったよ!!」
魔法使い「ああ、あの…前神父さんを呼び損ねた…」
僧侶「あ、ああいう事もあるけどさ、今度は大丈夫、きっと大丈夫だから!!すみませーん、誰かーー!!」ダレカー…
武器防具屋「旅の武器と防具の店だ。何のようだね?」
僧侶「あ、えーと、武器屋さんじゃなくて…すみませーん、誰かーー!!」ダレカー…
神父「お待たせしました、旅の神父です」
僧侶「うう、前に来てほしかったです…だーれーかーー!!!!」ダレカーダレカー…
「武器と防具の店だ」「教会です」「教会です」「宿屋です」「武器と防具の店だ」「武器と防具の店だ」「教会です」
僧侶「……………」ゼーハー
盗賊「どうぐや、こないなー」
魔法使い「…ムオルまで行きましょうか」
僧侶「なんで…なんで来てほしい人が来てくれないんだろう…」
――ムオルの村
魔法使い「正直、往復で2日はかかると思ってたけど、日が高いうちに着いたわね」
僧侶「ホント、良かった…あたしが道具屋さんさえ呼べたら、今日もモンスター退治出来たのに…」
魔法使い「まあ、こういう事もあるわよ。さあ、貴方は買い物するんでしょ?私は盗賊の食べ歩きに付き合うから。ね、盗賊?」
盗賊「おお、また市場だな!!マーマンの刺身食うぞー!!」
僧侶「じゃあ盗賊ちゃんは魔法使いちゃんにおまかせして…道具屋さん道具屋さん…こんにちは!!どくがのこな下さい!!」
道具屋「お買い上げありがとうございます。幾つほど要りますか?」
僧侶「んーと、50個!!」
道具屋「そうですか、それはそれはありがとうございます。それでは金額はこのくらいで…」
僧侶「あ、待って下さい、足りないから、これとこれを売って…はい、お確かめ下さい!!」
道具屋「ひい、ふう、………確かにお預かりしました。では、商品はこちらに…」
僧侶「48、49…確かに。じゃあ、ありがとうございましたー!!ええと、二人は…」
魔法使い「あ、僧侶、良いところに来たわ。お財布、貴方に預けてたから、私達お代払えなくて…」
盗賊「これとこれとこれとこれのお金、たのむぞ!!あ、あとこれとこれと…」
僧侶「ちょ、ちょっと待って、また要らないアイテム売って来なきゃ…」
僧侶「――でさ、どくがのこな買ったときさ、道具屋さんに変な目で見られたの!!」
魔法使い「まあ、どくがのこなをたくさん買ったら、何に使うんだろうなとは思うでしょうね…」
僧侶「やっぱり悪用する人とかいるのかな?」
魔法使い「どうなんでしょうね…ちなみにいくつ買ったの?」
僧侶「50個」
魔法使い「そんなに!?それは怪しまれるわよ…よくお金足りたわね?」
僧侶「ううん、たりなかったから、少し物を売ったよ。おかげで少し荷物が軽くなったよ!!」
魔法使い「それはいいけど…これからの路銀は間に合うの?」
僧侶「大丈夫だよ、しばらくあの塔で修行パートでしょ?その間にお金貯まるって!!」
魔法使い「だといいけど…」
盗賊「おーい、たてものが見えたぞ!!ダーマについたみたいだぞ!!」
魔法使い「ふう、何とか1日で帰って来られたわね」
僧侶「陸路で行ったのが良かったのかな?でも歩きっぱなしで疲れたよ。帰ったらすぐ寝よう…」
――79日目
僧侶「そして、今日1日あたし達はモンスター退治に勤しんだのでした!!」
盗賊「つかれたー!!くーふくだー!!」
魔法使い「確かに疲れたわ…でも、みんなレベルがかなり上がったわね」
盗賊「26まで上がったぞ!!」
僧侶「あたしも26!!蘇生魔法も覚えちゃった!!そしてそして…念願のザキ!!!!」
魔法使い「呪文、たくさん覚えたわね。でも、回復が本分なんだから、あまりザキを使いすぎて魔力が足りないなんてことにならないようにね?」
僧侶「分かってるって!!魔法使いちゃんは、レベル30でしょ?すごいよね、30!!大魔法使いって感じじゃない?」
盗賊「おおー、だいまほーつかい!!」
魔法使い「そんなに大したことはないけど…かなり強くなれたのは確かね。勿論、パーティー全体がね」
僧侶「うんうん、絶対強くなった!!あたし達に敵はなし!!」
魔法使い「流石にそんなことはないけど…」
僧侶「じゃあさ、明日からはどうするの?今日1日で、予定よりレベル上がったよね?」
魔法使い「そうね…明日1日くらいは、続けて魔物退治をしましょう。強くなりすぎるって事はないでしょうから。ただ、最初の予定では3日間だったけど、明日だけで一旦切り上げてもいいかもね。盗賊も、同じ場所ばかりじゃ飽きるでしょ?」
盗賊「とーぞくはあそこでもいいぞ、肉おいしいし!!でも、他のところにも行ってみたいぞ!!」
僧侶「他の所って…もうジパングのモンスター退治!?」
魔法使い「流石にまだ早いと思うし、あくまで一旦よ。でも、ある程度強くなったら、今度は装備を調えるべきだと思うの。でも、今まで行った町では限界があるわ。だから…」
僧侶「船で新しい町を探すんだね!!」
魔法使い「そうなるわね。私達まだまだこの世界の大半を知らないと思うし…」
僧侶「うんうん、同じ場所に籠ってても面白くないもんね。盗賊ちゃんも、まだ食べたことないもの食べたいよね?」
盗賊「おう、食べたいぞ!!」
魔法使い「決まりね。明日1日は魔物退治を頑張って、次の日からまた世界を巡る。そして――」
僧侶「お買い物と!!」
盗賊「おいしいもの!!」
魔法使い「ええ、今から楽しみね」
――80日目
僧侶「そういえばさ魔法使いちゃん、この前は盗賊ちゃんを賢者にするような話じゃなかったっけ?」
盗賊「お?よんだか?」
魔法使い「ええ、そのつもりだったし、そうするつもりよ。ただ、今転職するよりは、一仕事終えてからの方がいいと思ったの」
僧侶「なるほど、ジパングのモンスター退治してからだね」
魔法使い「ええ、そして賢者になったら、それからはこの子がこのパーティーの主力になるのよ」ナデナデ
盗賊「しゅりょくだぞー!!」キャッキャッ
僧侶「意味分かってるのかなあ…?」
魔法使い「さあ…それより、貴方こそいつかまた商人に戻るって言ってたけど、いつ戻るの?」
僧侶「え?それがね…あたしも、ジパングのモンスターを倒したら商人に戻ろうかな~って…やっぱり1度に二人転職したらまずいよね?」
魔法使い「そうね…でも心配いらないかもよ。転職したら、また今のように魔物退治すれば…」
盗賊「おーい、塔についたぞ!!」
僧侶「はーい!!そっか、そうかもしれないね。じゃああたしも盗賊ちゃんと一緒に転職しようかな」
魔法使い「それでもいいと思うわ。さあ、ガルナの塔に着いたわ。今日も魔物退治頑張るわよ!」
――魔法使いはレベルが上がった!!
僧侶 レベル32「魔法使いちゃん、これでレベルいくつ?」
魔法使い「34まで上がったわ。かなり強力な呪文も覚ることができたわね」
盗賊「おおー、きょうりょくなまほー、見たいぞ!!」
魔法使い「私も試してみたいけど…」
スカイドラゴンがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!
僧侶「あ、ドラゴンとメタルが7匹も!!魔法使いちゃん、新魔法で何とかならない?」
魔法使い「試してみましょうか――我が爪は大地を裂き、我が牙は天使を喰らい、我が吐息は世界を焦がす。見よ!!我が真の姿を!!聞け!!我が真の咆哮を!!そして刻め!!その脳裏に、恐怖と共に、我が真の名を!!――ドラゴラム!!」グググググメキメキメキ…
僧侶「え?え?え?ま、魔法使いちゃん!?」
盗賊「おおおー!!でかいでかい!!」キャッキャッ
魔法使いはもえさかるかえんをはいた!!
僧侶「ひ、ひえー!!」
スカイドラゴンをたおした!!メタルスライムをたおした!!メタルスライムをたおした!!メタルスライムをたおした!!
――まもののむれをやっつけた!!
魔法使い「…ふう、上手く唱えられたわね」シュウウウ…
盗賊「おおー、元に戻ったぞ!!」キャッキャッ
僧侶「す、すごい魔法だね…モンスターが黒こげに…」
盗賊「おおおー!!ドラゴンの焼き肉だ!!すげー!!」ムシャムシャ
魔法使い「確かに凄い魔法だけど…変身してから炎を吐くまでに時間がかかるのがネックね。メタルを4匹も逃がしたわ。あとはやっぱり燃費が悪いわね…」
僧侶「これだけの大魔法だもん、しょうがないんじゃない?」
魔法使い「確かに、こんな呪文が軽々と使えたら、それはもう人じゃなくて、本物の竜かもね」
僧侶「そうそう、魔法使いちゃんは一応れっきとした人間なんだから!!」
魔法使い「一応って何よ…まあ、どんな呪文も使いどころだし、この呪文も…」
盗賊「おおおー!!ドラゴンの焼き肉すごくおいしいぞ!!二人とも食べるんだぞ!!まほーつかい、またこれつくってほしいんだぞ!!」
僧侶「…使いどころ?」
魔法使い「うーん…」
――ダーマ、宿屋
僧侶 レベル32「よし、じゃあこれでモンスター退治は一時中断だね!」
魔法使い レベル34「そうなるわね。これでそこら辺の魔物に負けることはそうないはずよ」
盗賊 レベル32「どんなモンスターも食べほうだいだな!!」
魔法使い「食べ放題かはともかく、以前の戦力じゃ海の冒険も不安があったけど、今ならどんな所でも行けそうな気はするわね」
僧侶「それじゃ、明日からはまた冒険に戻るんだね?」
魔法使い「そうね。盗賊、またいろんな土地のいろんな食べ物が食べられるわよ」
盗賊「おおー、今日食べたドラゴンの焼き肉よりもおいしいのあるかな?」
僧侶「どうだろう、今日のドラゴン肉、まさかあんなに美味しいとは思わなかったし…」
魔法使い「本当ね。食べてみるものよね…でも、世界は広いわ。きっと、もっと美味しいものがあるはずよ」
盗賊「おおおー!!たのしみだぞ!!」ジュルリ…
僧侶「食べ物もだけど、あたしはお買い物が楽しみだなー、みんなの装備を買って、それから…」
魔法使い「私は、名前だけ情報があったエジンベアを探したいわね。さあ、明日からは船旅よ。今日はもう休みましょう…」
――81日目
盗賊「おおー、船、久しぶりだな!!」
魔法使い「大袈裟ね、せいぜい四日ぶりくらいよ」
僧侶「でも盗賊ちゃんの気持ちも分かるな。塔の中にばっかりいたもん。で、今日はどこに行くの?」
魔法使い「そうね、まずはムオルに行きましょうか。そこで1泊してから、次にどこへ行くか考えましょう」
僧侶「まずはムオルかあ。あたしは、ムオルからは東に行きたいな」
盗賊「とーぞくは北!!北に行きたいぞ!!」
魔法使い「あら、意見が別れたわね。どうしようかしら」
僧侶「うーん、じゃあ北に行く?最近、盗賊ちゃんのカンが冴えてるし…」
魔法使い「さとりのしょを見つけたのも、盗賊にロープから落とされたのがきっかけだったわね。僧侶がいいなら、そうしましょう。じゃあ盗賊、北に行くわよ?」
盗賊「おう!!北はぎょかいるいがおいしいんだぞ!!」
魔法使い「そういう知識は大したものね…」
僧侶「あ、見えてきたよ、ムオル!」
魔法使い「やっぱり夕方になってしまったわね。予定通り、ここで1泊ね」
僧侶「そだね、あんまり疲れてないけど、ここで1泊しとかないと後で大変かもしれないし。ね、盗賊ちゃん?」
盗賊「くらげは、ここをとればしべれなくなって…で、ないぞうを…」
魔法使い「…食材の研究に夢中ね」
僧侶「何でも食べようとする努力はすごいよね。あたし達に味見させる事さえなければ…」
魔法使い「まあ、ドラゴンは美味しかったし…でもやっぱりくらげは遠慮したいわね…」
盗賊「…ん?なんだじろじろ見て。食べたいのか?まってろ、今解体して…」
僧侶「い、いいよ、いいってば!!」
――82日目
僧侶「うーん、船旅だとあっという間に時間が過ぎてく気がするね」
魔法使い「そうね。塔にとじ込もっていると、ずいぶん時間が遅く感じられたものだけど…」
盗賊「みんなのったか?じゃあ北だ、北に行くぞ!!」
魔法使い「ふふ、すっかりキャプテンね」
僧侶「ホントだね…海峡を抜けて…外海にでたっぽいね」
盗賊「お?なあなあ、あれなんだ?」
魔法使い「あれは…浅瀬ね。こんな、何も無いところに浅瀬…」
僧侶「ねえねえ、あれさ、昔は陸だったりしたのかな?」
魔法使い「どうかしらね…自然物にしては、形が整い過ぎてる気もするし…一応、覚えておきましょう。それより盗賊、このまま北上するのかしら?」
盗賊「えーと、あっちは…西!!西に行くぞ!!」
魔法使い「大陸沿いに進むのね。確かに、その方が何か見つかりそうね」
僧侶「カンがいいのか、意外と考えてるのか…でも確かに、あたしのカンでも何かありそうな予感がするよ!!」
魔法使い「二人の勘が導いた進路だけど…なかなか何も見えてこないわね…」
僧侶「も、もうすぐだよ、きっと…」
盗賊「あ、見てみろ、あそこ、何かたってるぞ!!」
魔法使い「何かしら…?夕日が眩しくて、よく見えないけど…」
僧侶「あ、確かに何かあるよ!ほこらじゃない?」
盗賊「なあなあ、とーぞくはあろこに行ってみたいぞ!!」
魔法使い「ええ、やっと見つけた建物だもの、行ってみましょう。僧侶、下船の準備をして」
僧侶「うん!!何があって、どんな人がすんでるのかな?楽しみだね!!」
魔法使い「…しかしここは、物凄く深い森ね…」
僧侶「ホントだね…こんな所に、どんな人が住んでるんだろう…お邪魔しまーす」
ホビット「ほう、若い旅人だな」
盗賊「なんだ、小さいおじさんだな!!」
魔法使い「こらっ!!この人は、ホビットっていう種族なのよ!!」
ホビット「ははは。こうしてお前たちを見てると思い出す。私も、若い頃オルテガ殿という勇者のお供をして旅をしていたものだ」
魔法使い「オルテガ殿と…!!」
ホビット「お若いの、オルテガ殿をご存じか?」
僧侶「あたし達、アリアハンから来たんです!!オルテガさんの出身の…」
ホビット「なんと!そうであったか…ちと聞きたいのだが、噂によればオルテガ殿は亡くなったと…本当なのか?」
魔法使い「はい。私達も、そのように聞いております」
ホビット「しかし、実際に見たものは居ないのではないか?」
魔法使い「どうでしょう…確かな事は言えませんが…」
ホビット「私にはどうしてもオルテガ殿が亡くなったとは信じられんのだ。あれほどのお方が…まだ生きていて、どこかで旅を続けている…そう思えてならんのだ…」
魔法使い「………」
僧侶「ビックリしたね。こんな所でオルテガさんの話を聞くなんて…」
魔法使い「そうね。流石に世界中を旅したオルテガ殿ね…あら、盗賊は?」
盗賊「おー、ねこだ!!おいしそうなねこだ!!まてー!!」ドタバタ
猫「フギャー!!」ドタバタ
僧侶「もう、猫ちゃんが可哀想でしょ!!ごめんね猫ちゃん、怖かったでしょ?」
猫「にゃーん?」
僧侶「ん?なあに、猫ちゃん?」
猫「では、ここから南。4つの岩山の真ん中を調べて下さい」
僧侶「しゃしゃしゃしゃべった!?!?!?」
魔法使い「驚いたわね…魔物でもないみたいだし…」
僧侶「ど、どうしよう魔法使いちゃん、猫ちゃんの言うこと、聞いてみる…?」
魔法使い「そうね、特に急いでる訳でもないし、その猫の言う通りに…」
盗賊「きゃはは、まてまてー!!」ドタバタ
猫「フギャー!!」ドタバタ
僧侶「だから、可哀想でしょ!!もー!!」
魔法使い「…夜になってしまったわね。闇の中、この深い森を歩くのはなかなか大変そうね…」
僧侶「まっからもーりーのー♪」
盗賊「やみのなかーでーはー♪」
魔法使い「…楽しそうね。怖がって泣かれるよりはいいけど…」
僧侶「だって、歌ってないと怖いし…」
魔法使い「ならなんでそんな怖い歌歌うのよ…しかも盗賊にまで歌わせて…盗賊?」
盗賊「なあなあ、たぶんこのへんが4つのいわやまのまんなかへんだぞ!!」
僧侶「盗賊ちゃん、分かるの?」
盗賊「おう!!ほら、あっちとあっちとあっちとあっちにいわやまがみえるぞ!!」
魔法使い「全く見えないけど…ねえ、僧侶。この木、見てみて…」
僧侶「この木?あ、なんだか他の木と少し違うような…わ、おっきい!!魔法使いちゃん、この木すごいおっきいよ!!」
魔法使い「あの猫が言ってたのは、この木の事かしら…?僧侶、あの猫最初は何て言ってたのか分かる?」
僧侶「……にゃーん?」
魔法使い「やっぱりそう言ってたわよね…どういう意味なのか…」
僧侶「でも…きっとこの木を調べてみろって事だよね?これ、登ってみないといけないのかな…?」
魔法使い「ちょっと大きすぎるわね。ここは1つ、盗賊に登ってもらおうかしら?ねえ、盗賊?」
盗賊「お、なんだ、盗賊?」ヒラヒラ
魔法使い「貴方、ちょっとこの木に…ってそのおっきな葉っぱ、どこから取ってきたの?」
盗賊「そこに落ちてたぞ!!」
僧侶「根本に?でもこの葉っぱ、とっても瑞々しいね。落ちてる他の葉っぱと形と違うし…」
魔法使い「ここは針葉樹林なのに、落葉樹のような葉っぱね。それにしても、落ちてたのに物凄い生命力を感じるわ」
僧侶「ただの葉っぱじゃないよね。僧侶のカンでは、すごく神聖なものだと思うし、商人のカンでは、すごく貴重なものに見えるよ」
魔法使い「とりあえず、これを持って帰りましょう。盗賊、お手柄ね」
盗賊「えー、この葉っぱ苦そう。もっとおいしそうなのがいいぞ」
僧侶「うん、それはまたいつかね?」
魔法使い「ふう、魔物も強かったけど、なんとか船まで戻って来られたわね。それにしても、二人ともどこに行ったのかしら?」
盗賊「おなかへった!!ごはんどこー?」ドタバタ
魔法使い「あんなに走り回ったらかえってお腹減りそうだけど…あら、僧侶もいたわね」
僧侶「ま、魔法使いちゃん!!さっきの葉っぱ調べて見たんだけどさ、多分これ、せかいじゅのはだと思うの!!」
魔法使い「世界樹の…って、もしかして…!!」
僧侶「うん、死者さえも蘇らせるっていう、あのせかいじゅのは!!」
魔法使い「驚いたわね…じゃああの猫は、これの在処を教えてくれたって訳ね?」
僧侶「そうだと思う…すごいよこれ、ホントにすごいよ!!あ、ねえ盗賊ちゃん、盗賊ちゃんの持ってきた葉っぱ、すごい葉っぱだったよ!!せかいじゅのはだよ!!」
盗賊「世界中の…歯?」
僧侶「歯じゃなくてさ…」
魔法使い「盗賊に言っても分からないわよ。それより盗賊、ご飯にしましょうか?」
盗賊「おう!!おなかペコペコだぞ!!」
僧侶「でも結局、泊まれるような所は見つからなかったね…」
魔法使い「仕方ないわね。未知の領域を進む以上、こういう事もあるわよ」
僧侶「うん…あ、魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、見て見て、お日様が昇るよ!!」
盗賊「おー、おひさまだ!!」
魔法使い「眩しい…でも美しいわね」
――83日目
僧侶「朝日、キレイだね!!船の上で朝になるのもたまにはいいかもね!!」
魔法使い「たまにはね…毎日こうだと体が持たないわ。それにしても、明るくなったしそろそろ町でも見えてきて欲しいものだけど…」
盗賊「あ、なあなあ、あそこ、何かあるぞ!!」
僧侶「あそこ…?あ、魔法使いちゃん、町があるよ!!…ってあの町、どこかで見たことあるような…」
魔法使い「…あれ、ノアニールじゃないかしら?」
僧侶「え…?あ、ホントだ、あれノアニールの町だ!!」
盗賊「ノアニール…?聞いたことあるようなきがするぞ?」
魔法使い「ええ、昔貴方が住んでた所の近くよ。じゃあ、せっかく町も見えてきたし、あそこで一休みしましょうか。流石に、こんなに明るいのに宿に泊まる訳にはいかないけど…」
僧侶「そうだね、あの後町がどうなったのか見てみたいし。じゃあノアニールの町にレッツゴー!!」
――ノアニールの町
僧侶「うーん、あんまり変わってないね…」
魔法使い「まだ50日くらいしかたってないわよ。町が変わるには、少し短いんじゃないの?」
僧侶「50日かあ…町はともかく、あたしにはすごく昔のような気がするよ…」
魔法使い「それは私もよ。あれからそんなに経つのね…」
僧侶「あ、でも情報はちょっと新しいのがあったよ。世界のどこかには海賊の家があって、近くを通ると襲われちゃうんだって!!」
魔法使い「海賊か…気を付けないといけないわね。新しい情報と言えば、遊び人も、長く修行をすればただの遊び人じゃなくなるそうよ。貴方、遊び人はどう?」
僧侶「どうって…あたしは商人になるの!!遊び人なんてイヤだよ!!」
魔法使い「ふふ、冗談よ。さて、他に何もなさそうだし、船に戻りましょう。盗賊も、お留守番で飽きてるかもしれないわ」
僧侶「大丈夫だよ、町に着いたとたんに寝ちゃったし」
魔法使い「昨日夜更かししたから仕方ないわね。私だって、少し眠いしね」
僧侶「交代で仮眠取りながら来たけど、やっぱり大変だね…」
魔法使い「さて、ノアニールの近くと言ったら…」
僧侶「エルフの隠れ里?あそこに行っても…あ、でももしかしたら、エルフと人間の関係が変わって、お店で買い物出来たりするかも…!」
――エルフの隠れ里
エルフ商人「人間に物は売れませんわ。お引き取りあそばせ」
魔法使い「やっぱり駄目ね。じゃあ諦めて次に行きましょう…僧侶?」
僧侶「今なら…今ならザキを使える…ザラキだって…!」ブツブツ
魔法使い「もう、バカなこと言わないの!全く…僧侶、盗賊は?」
僧侶「あ、盗賊ちゃんならあっちで…」
盗賊「おおー、エルフもおいしそうだな、まてー!!」ドタバタ
エルフ「ひー!!さらわれてしまうわ!!」
魔法使い「…全く、二人揃って…」
魔法使い「…もう、二人揃って問題起こさないでよね!」
僧侶「あ、あたしはまだ問題起こしてないよ!それに、分かったこともあったし…」
魔法使い「分かったこと?」
僧侶「あのね、お店の近くにホビットが居たんだけど、もしかしたらホビットなら買い物できるんじゃないかなーって…」
魔法使い「へえ、じゃあ貴方がホビットに変装でもするの?」
僧侶「え?魔法使いちゃんの魔法でなんとかならないの?」
魔法使い「何ともならないわよ…そんな事より、今日ももう暗くなってしまったわ。どうする?ノアニールに戻る?」
盗賊「なあなあ、あっち、あっちの方に島が見えるぞ!!行ってみないのか?」
魔法使い「島…?本当、暗いのに良く見えるわね…」
僧侶「うーん、私にも分からない…」
盗賊「見えないのか?すぐ近くだぞ、行こう行こう!!」グイグイ
魔法使い「そうね、戻るよりは、新しい土地に行った方がいいかしらね?危険があるかもしれないけど…」
僧侶「でも、危ないと思ったらその時に戻ればいいんじゃないの?まずは盗賊ちゃんあ言う通りに行ってみない?」
魔法使い「それもそうね、じゃあ盗賊、案内してくれるかしら?」
盗賊「おー!!任せろー!!」
魔法使い「確かに、島があったわね。小さな島だけど…」
僧侶「そうだね…あ、魔法使いちゃん、お城が見える!!」
魔法使い「お城か…宿に泊まれればいいけど…」
盗賊「やど?ごはんおいしいかな?」
僧侶「どうだろうね…あ、モンスターだよ!!」
まじょがあらわれた!!じごくのよろいがあらわれた!!
盗賊「あんまりおいしくなさそうだぞ…」
魔法使い「テドンの周りにいたのと同じ種類の魔物ね。でも、私達はあの頃よりずっと強いわよ――白き力よ吹雪と来たれ!!冷たき刃を振りかざし、全てを凍てつく世界へ誘え!!ヒャダイン!!」ゴオオォ
まじょをたおした!!じごくのよろいをたおした!!
盗賊「おおー、すごいすごい!!」キャッキャッ
僧侶「魔法使いちゃんって、氷の魔法好きだよね。冷たい大魔導師、とかそんな感じの目指してるの?」
魔法使い「別に目指してないわよ…」
――夜、エジンベア
僧侶「やっとお城に着いたね!!疲れたなあ、早く宿に泊まって…」
門番「なんだ、お前らは?ここは由緒正しきエジンベアのお城。田舎者は帰れ!!帰れ!!」シッシッ
僧侶「むっ、何よその言いぐさ、通してよ!!」
門番「田舎者は通さん。帰れ帰れ!!」
魔法使い「通してくれそうもないわね」
僧侶「通れないのもだけど、何よ田舎者田舎者って!!自分たちだってこんなへんぴな離れ島の田舎者じゃない!!」
盗賊「なあ、通れないのか?あのもんばんをたべれば入れるんじゃないか?」
魔法使い「すぐに食べようとしないの。それにしても、ここがエジンベアなのね。あのランシールのスライムが名前だけ教えてくれた…」
僧侶「あ、そんな事あったね。あれ?確か、あのスライム、他に何か言ってなかったっけ?」
魔法使い「きえさりそうがあるならランシールに行け、って言ってたわ。つまり、きえさりそうで姿を消して…」
僧侶「あ、そうか!!そうすればあのイヤな門番に見つからずに中に入れるね!!」
盗賊「お?なかに入れるのか?」
魔法使い「ええ、でもきえさりそうは使わないわよ」
僧侶「え?な、なんで?」
魔法使い「あれ、高かったんでしょ?それより、呪文を使えばただで済むわ」
僧侶「え?でも姿を消す呪文は高度な呪文だって…覚えたの?」
魔法使い「さあ、ここでは門番に見えてしまうわ。物陰に隠れて…ヴェールの向こうに住まいし者よ、我々を隔たれた世界へと誘え!!レムオル!!」プァーン…
盗賊「お?お?お?」
僧侶「わ、見えなくなった!?ま、魔法使いちゃん、盗賊ちゃん、どこ!?」
魔法使い「ここよ。私には二人が見えるわ。でもはぐれるといけないから、手を繋ぎましょう。ほら、盗賊も…」
盗賊「おーてーてー♪」
僧侶「つーないでー♪」
魔法使い「もう!静かにしないとばれちゃうわよ!」
僧侶「…中に入れたのはいいけど…夜だから静かだね。みんな寝ちゃってるのかもよ?」
盗賊「なあ、やどやないみたいだぞ。ごはんないのか?」
魔法使い「そうみたいね。不便なお城ね…」
僧侶「やっぱりこのお城の方が田舎じゃない!!」
盗賊「おなかへったー!!」
魔法使い「二人とも騒がないで!!響いちゃうでしょ!」
僧侶「ご、ごめん…」
魔法使い「まあ、いいわ。中に入ってしまえば追い出されないみたいだし…」
盗賊「なあなあ、あそこ、階段だぞ!上らないのか?」
魔法使い「階段か…見たところ謁見の間に通じてるようにも見えるけど…」
僧侶「上ってみようよ!何かお宝があるかも…」
魔法使い「謁見の間ってそういう所かしら…?」
僧侶「ふーん、やっぱり王様達に挨拶する所だね」
魔法使い「ええ…待って、誰か玉座に…」
盗賊「おー、あれがおうさまか?えらそうだな!!」
???「!!」ソソクサ
魔法使い「もう、声が大きいわよ!」
僧侶「でも、何か様子がおかしいよ、あの人。王様じゃないんじゃない?」
魔法使い「格好からすると大臣かしら…」
大臣「あー、こほん。まずい所を見られてしまったな。この事は内緒にしておいてくれよ?」
僧侶「えー、どうしようかなあ?」
盗賊「かなあー?」キャッキャッ
大臣「内緒にしてくれるなら、良いことを教えよう。ここからはるか西の大陸、森に囲まれた小さな草原がある。行ってみるといい」
魔法使い「西…?西に大陸が?」
僧侶「へえ、行ったことない大陸かな?良いこと聞いたね、じゃあ大臣さん、黙っててあげる!!」
大臣「うむ。助かったぞ…」
僧侶「いい情報が聞けたね!」
魔法使い「そうね、次の行き先が決まっただけでも良かったわ。ただ、問題は今日これからどうするかね…」
僧侶「宿もないしね…ホント、田舎町なんだから!!ね、盗賊ちゃん…盗賊ちゃん?」
魔法使い「もうとっくに階段を下りてどこかに行ったわよ。私達も行きましょう、盗賊を見失ってしまうわ」
僧侶「もう、じっとしてられないんだから…盗賊ちゃーん!!」
魔法使い「だから大きな声を出すと響くわよ…ほら、あっちよ、扉が開いてる」
僧侶「あ、ホント…ここ、中庭?」
盗賊「おーい、このおっちゃんがいいこと教えてくれたぞ!!」
魔法使い「あら、情報収集してたのね、偉いじゃない。それで、良いことって?」
大男「ああ、この城には地下室があってな、そこにある3つの岩を青い床に並べると何かが起きるらしいぜ」
僧侶「何か…?何かってなんだろう…?」
魔法使い「きっと行ってみれば分かるわよ。情報ありがとう。じゃあ二人とも、行きましょう」
僧侶「ここが地下室…池と岩が不自然に散らばってるね…」
盗賊「おお?いわ、おせないぞ…」
魔法使い「一人で押しても駄目よ。それにやみくもに押してもいけないわ。ちょっと待って、考えさせて…」
僧侶「頼りにしてるよ!よっ!!きれもの!!」
盗賊「よっ!!」キャッキャッ
魔法使い「静かにしててよ…分かったわ。まず、これをこっちに動かして…」
僧侶「う、うん…これ、か弱い乙女3人にはキツくない?」
魔法使い「仕方ない…わ…で、これをこっちに…」
盗賊「こっちか?そーれ!!」
僧侶「盗賊ちゃん、頼もしい…」
魔法使い「普段あれだけ食べてるからね…で、これをこっちで…こうして…こうして…こうで…」
僧侶「おおー、いったん右にやって…なるほどー!」
盗賊「すごいな、どんどんあおいゆかにならんでるぞ!!」
魔法使い「で、これで…こう!!」ゴーン!!
僧侶「!?今、でっかい音がしなかった!?行ってみようよ!!」
魔法使い「こんな所に通路が…さっきはなかったけど、これがさっきの音の正体…?」
盗賊「とーぞくがさきにいくぞ!!…お、たからばこだ!!あけるぞ!!」パカッ
僧侶「ああっ、またそうやってすぐ…」
なんと かわきのつぼをてにいれた!!
盗賊「なんだ?なにも入ってないぞ…」
僧侶「つぼ?つぼって…どこかで話を聞いたような…」
魔法使い「ランシールね。さいごのかきを手に入れるのには壺が必要だっていう話だったわ
僧侶「ああー!!聞いた聞いた、じゃあ、もしかしてこれが…!」
魔法使い「そうかもしれないわね。でも、はっきりとは分からないし…明るくなったら、このお城の人達から話を聞きましょう」
僧侶「お城の人達なら分かるかな?って、ここで朝まで待つの?」
魔法使い「待つ必要はないわ。今からひっくり返すから」
盗賊「ひっくり返す?つぼをか?」
魔法使い「違うわよ…朝日よ来たれ!!眩しき力で暗き世界を裏返せ!!ラナルータ!!」ピカーッ
盗賊「お?お?お?」
僧侶「わ、どんどん眩しくなって…!?」
――84日目
魔法使い「さあ、朝になったわよ」
僧侶「えええ!?魔法使いちゃんの魔法で、朝にしたの!?」
魔法使い「そうよ、驚いた?」
盗賊「すごいな、あさだあさだ!!」
魔法使い「凄いは凄いけど…魔力を使いすぎるわね。これなら、このお城にルーラすれば良かったわ…」
僧侶「ああ、そっちの方が魔力使わないんだ?まあいいじゃん、それより情報集めしようよ!!」
盗賊「しよーよ!!」
魔法使い「そうね、じゃあ手当たり次第…」
僧侶「あー!!しまった…」
魔法使い「どうしたの!?」
僧侶「魔法使いちゃん、あたし達最近宿屋に泊まってなかったよね?あたしがおおごえで宿屋さんを呼べば、朝になった上にみんな休めたのに…」
魔法使い「ああ、でもまた呼びたい人呼べないんでしょ?」
僧侶「さらっと酷い事言ってない!?確かに、今までは駄目だったけど…」
魔法使い「で、情報を集めた結果だけど…この壺は、海を干上がらせる事の出来る壺らしいわね…とんでもない代物だわ…」
僧侶「でさ、どこかの浅瀬には、何かが沈んでるんだって!これってさ…」
魔法使い「ええ、きっとかわきのつぼで浅瀬を干上がらせれば、その何かが手に入る、あるいは何かに行けるって事だと思うわ」
盗賊「なあなあ、あっちのがきんちょが、さいごのかきはほこらにあるっていってたぞ!!」
魔法使い「貴方もガキんちょじゃない…でも、これで全てが繋がったわ。さいごのかぎを手に入るには、壺が必要で、壺は海を干上がらせる」
僧侶「で、どこかの浅瀬には何かが…きっとほこらがあって、そこにさいごのかぎが…!」
魔法使い「きっとそういう事ね。そして、私達は怪しい浅瀬も知ってる」
盗賊「ムオルの北にあったあさせだな!!」
僧侶「そっか!!じゃあそこに行けば…!」
魔法使い「ええ、さいごのかぎが手に入るはずよ。宿屋もないようなお城だったけど、私達の旅には大いに助けになってくれたわね」
――85日目
魔法使い「全く…どこの国も、王様に報告するのは時間がかかるわね…」
僧侶「まあ、それは仕方ないと思うけど…お店も何もないから1日待ってるのは退屈だったよ。しかも、どこに行っても田舎者、田舎者って…」
盗賊「いなかものだぞー!!」キャッキャッ
魔法使い「私だって、王様に何回言われたか分からないわ。でもまあ、もうこのお城にも来ることはないと思うし…」
僧侶「せいせいするね!!でも魔法使いちゃんは大変だね、もう来ない場所でも一応挨拶と報告に行かなきゃいけないなんて…」
魔法使い「勇者の露払いが私の使命だからね。そっちこっちで無礼を働く訳にもいかないのよ」
盗賊「たいへんだなあ、ほめてつかわす!!」キャッキャッ
魔法使い「うん、ありがとうね…」
僧侶「さあ、こんなお城とも今日でお別れよ!!…で、どこ行こうか魔法使いちゃん、やっぱり西の大陸を目指すの?それとも例の浅瀬?」
魔法使い「そうね、まずは西の大陸に行ってみましょう。ここからあの浅瀬までの距離は良く分からないし…」
僧侶「確か西の大陸は新大陸って呼ばれてたよね? まだあんまり人が行ったことない大陸なのかな?」
魔法使い「かもしれないわね。未知には危険が付き物よ。気を引き締めて行きましょう」
僧侶「分かってるって!さあ、盗賊ちゃん、出港よ!!ヨーソロー!!」
盗賊「しんろはひがしへー♪」
僧侶「って盗賊ちゃん、西よ、西に行くの!!」
魔法使い「大丈夫かしら…」
僧侶「結構進んで来たけど…あ、あれ!!陸じゃない!?ね、盗賊ちゃん?」
盗賊「………」スピー
僧侶「あれれ、寝ちゃったかあ…」
魔法使い「ここしばらくちゃんと宿屋で寝てないもの、無理もないわ…とはいえ、この子のタカのめがないと不便ね…」
僧侶「まあ、起きるまで直進でいいんじゃない?」
魔法使い「そうね、そうなると…おそらく大陸の北端を過ぎて…あ、盗賊、目が覚めた?」
盗賊「ん…ここどこ…?」
僧侶「今ね、それを盗賊ちゃんに調べて欲しいの。タカのめ、出来る?」
盗賊「ん…ちょっとまって…えっと、あっち、あっちに何かある…」
魔法使い「あっち?北東ね…ってあら、もう私にも何か見えてきたわ」
僧侶「あれ、ほこらだよね?こんな所にぽつんとあるなんて…」
魔法使い「何かあるかもね。僧侶、上陸の準備をして。盗賊も平気?」
盗賊「おう、大丈夫だぞー…」
僧侶「…ちょっと不安だね…」
――旅の扉のほこら
盗賊「おおー、あのうにゅーってなってとおくに行けるやつがいっぱいあるぞ!!」
魔法使い「旅の扉が3つも…どれがどこに繋がっているのかしら?」
僧侶「悩んででもしょうがないよ、片っ端から行ってみよ?ね?」
魔法使い「それもそうね。じゃあ、盗賊…」
盗賊「きゃはは、それー!!」プァーン
僧侶「ああ、行っちゃったよ、仕方ないなあ…それっ!」プァーン
魔法使い「私も…ここは、どこかしら…?」
僧侶「うーん、見覚えあるようなないような…」
盗賊「お?カギがかかっててとおれないぞ!!」ギシギシ
僧侶「ホントだ。ねえ、魔法使いちゃん、これって…」
魔法使い「ええ、恐らくさいごのかぎが必要なんでしょうね。今はまだ早かった、という事かしら…」
僧侶「さいごのかぎを手に入れたらまた来ようね!それはそうと、まだあと2つも旅の扉があるわけだし、そっちに行ってみようよ!」
魔法使い「そうね、どちらかからどこかに行けるかもしれないし…」
盗賊「うー、どこもカギがかかってたぞ!!」
魔法使い「そうね、まさか3つともだなんて…」
僧侶「でも、逆を言えばさいごのかぎさえあれば、いろんな所に行けるって事だよね?」
魔法使い「そういう事にもなるわね。やっぱり、さいごのかぎ入手が今やるべき事か…」
僧侶「でもさ、さいごのかぎが手に入ったら、行くとこたくさんあって大変だね!ランシールの神殿だって、確かさいごのかぎが必要っぽかったよね?」
魔法使い「ええ、正直どこから手を付けたらいいか…」
盗賊「ぜんぶ、ぜんぶ!!あっちからこっちまで、ぜーんぶ!!」キャッキャッ
魔法使い「…盗賊の言う通りね。結局、行ける所全てに行かなければ…」
僧侶「そうそう、今悩む必要ないよ!!まだ鍵を見つけた訳じゃないし、見つかるまでにまた何かヒントがあるかもしれないし!!」
魔法使い「そうね、あのエジンベアみたいな辺境の島国でさえ、あんなに情報があったし、これからどこかで何かを掴めるかも…」
僧侶「でしょ?だからもう出発しようよ、今はもうここに用はないし。ね?」
盗賊「おおー、しゅっぱつだー!!いくぞいくぞー!!」
魔法使い「さて、次はどっちにいこうかしら…」
盗賊「きた!!北!!おっきなしまに、ひろーいそーげん!!」
僧侶「島って…この辺島ばっかりだよね。どの島?」
盗賊「ほら、あそこあそこ!!」グイグイ
魔法使い「あそこって…この島?じゃあ上陸してみましょうか」
僧侶「はーい…確かに、エジンベアよりは大きな島…って寒い!!」ブルブル
魔法使い「そうね…私は未だにぬいぐるみ着てるから平気だけど」
僧侶「うう、人数分掘っておけば良かったかなあ…って、魔法使いちゃん、あれ!!」
ひょうがまじんがあらわれた!!
魔法使い「見たことない魔物ね。二人とも、気を付けて!」
盗賊「うう、おいしくなさそうだぞ…」
僧侶「歯もお腹も壊しそうだね…でも、食べられなくても倒さなきゃ!!」
魔法使い「見るからに氷の魔物ね。ここは――汝は知る、我の力を!!灼熱の炎、全てを喰らい、全てを飲みを干し、全てを白き灰へと還せ!!ベギラゴン!!」ゴオオオオオォ!!
僧侶「ひゃー!!凄い火力!!これならモンスターもひとたまりも…」
魔法使い「まだよ!!気を抜かないで!!」
僧侶「ええ!?1体も倒してないなんて…!?」
盗賊「食べれないけど、とうっ!!」ピシャーン
ひょうがまじんをたおした!!ひょうがまじんをたおした!!
僧侶「やった、じゃあ残りは…えいっ!!」ドゴッ
ひょうがまじんをやっつけた!!
魔法使い「よし、みんな無傷ね?」
僧侶「あんなにすごい魔法で倒せないからびっくりしたよ…すごいね…」
盗賊「ほらほら、あっちあっち!!あっちに何かあるぞ!!」
魔法使い「うーん、まだ私には見えないけど…行ってみるしかないわね」
僧侶「あ、魔法使いちゃん、悪いけどさ、二人で先行っててくれる?あたし、ちょっとここであなほりしていたいんだ」
魔法使い「あなほり…?何か良いのがありそうなのね。いいわ、じゃあ盗賊と先に行ってるわよ」
僧侶「うん、よろしくー!!」
魔法使い「広い草原ね…」
盗賊「きゃはははは!!」タタタ…
魔法使い「これだけ広いと思いっきり走れて良いわね…あら、こんな所に家?」
盗賊「おーい、誰かいるかー?」ガチャッ
魔法使い「もう、ノックもしないで…」
老人「ほう、こんな所に訪ねてくる人がいるとは…いつぞやの海賊達以来かのう…?」
魔法使い「海賊…?」
老人「ときにお前さん達、へんげのつえを知ってるかね?」
盗賊「なにそれ?知らないぞ!!」
老人「何にでも変身出来るという杖じゃ。噂ではサマンオサの王様が持っているらしい」
魔法使い「サマンオサ…?聞いたことがないわね…」
老人「さいごのかぎさえあれば、ここの南にあるほこらからサマンオサに行けるそうじゃ。しかし、何にでも変身出来る杖とは面白そうじゃ。このふなのりのほねと交換してでも手に入れたいのう…」
盗賊「なんだそのほね?へんなのー!」
魔法使い「サマンオサ…さいごのかぎ…覚えておくべきでしょうね…」
僧侶「お帰りー!!どうだった?」
魔法使い「ええ、新しい国の情報があったけど、やっぱりさいごのかぎがないと…」
僧侶「そっかあ、じゃあやっぱりまずはさいごのかぎかあ…」
盗賊「なあなあ、そのぼうしなんだ?」グイグイ
僧侶「あ、これ?これはね、ふしぎなぼうしって言うの。これは、魔法使いちゃんにあげる!!」
魔法使い「私に…?」
盗賊「あー!!まほーつかい、ずるーい!!」
僧侶「盗賊ちゃん、これはね、魔力の消費を少なくする…魔法をいっぱい使えるようになる帽子なの。だから、魔法使いちゃんのものなんだよ」
盗賊「むー…」
魔法使い「ほら、盗賊にはあとで何か美味しいものあげるから、ね?」
盗賊「ホントか!?じゃあぼうしはまほーつかいにやるぞ!!」
魔法使い「でもこれ、本当に良いものね。守備力はほんのちょっと落ちるけど、かなりの魔力を感じるわ」
僧侶「へっへー、あなほり名人ここにあり、だからね!!じゃあ今度はさいごのかぎ探しだね!!」
魔法使い「ええ、場所に目星は付いてるし、必ず見つけて見せるわ」
僧侶「うーん、でもすっかり暗くなっちゃったね。これからどうしよう?」
魔法使い「そうね…今まで盗賊の言う通りに来ていろいろ見つけられたし、またこの子に決めてもらいましょう。どうするの、キャプテン?」
盗賊「また西!!ずっと西!!」
魔法使い「だ、そうよ。じゃあまだまだ西へ向かいましょう」
僧侶「はーい!!えへへ、何があるだろうね…ってわああ!!」
だいおうイカがあらわれた!!
盗賊「おおー!!イカがたくさん食えるぞ!!」
魔法使い「もう食べる話…?まあいいわ、私が…」
僧侶「ううん、今こそあたしの切り札の出番よ!!――闇より暗き冥界の主よ、我らの災いに暗き永遠を!!ザラキ!!」
だいおうイカをたおした!!だいおうイカをたおした!!だいおうイカをたおした!!
僧侶「へっへー、どう?あたしのザラキ!!」ドヤッ
盗賊「ああー!!これじゃ食べれないぞ…」
魔法使い「どす黒くなってしまったものね…」
僧侶「あー!?ご、ごめん…」
盗賊「カニってすごくうまいな!!まほーつかい、またたのむぞ!!」ガツガツ
僧侶「良かった…あのあとカニが出てきてくれて…」
魔法使い「全く、闇雲に即死呪文なんて使うからよ。そもそも貴方は回復係なんだから、魔力の使い方は慎重に…」
僧侶「ご、ごめんごめん!これから気をつけるから、ね?」
魔法使い「頼むわよ、本当に…それより僧侶、周りの景色、何か気付かない?」
僧侶「え?何か変かな?」キョロキョロ
魔法使い「変ではないわ。ただ、何となく見覚えがあるような…」
僧侶「そうかな?盗賊ちゃんはどう思う?」
盗賊「んー!!カニうまいぞ!!」モグモグ
僧侶「食事に夢中かあ…でも魔法使いちゃん、もし本当に見覚えがあるとしたら…ああ、あれ!!あれって!?」
魔法使い「ええ、間違いないわ、ムオルから船出してすぐに見つけた、あの怪しい浅瀬よ」
僧侶「て事は、やっぱりあたし達、世界一周したの?」
魔法使い「そうみたいね。でも、重要なのはそこじゃないわ。あの浅瀬をまた見つけたら、何をやるべきだったか分かってるわよね?」
僧侶「うん、かわきのつぼを使ってみて、もし本当に浅瀬が干上がったら…」
魔法使い「そこに何があるのか…いえ、そこに必ずあるはずよ、さいごのかぎがね。さあ僧侶、かわきのつぼを海に浮かべてみて。何が起こるか、見届けてみましょう…!」」
僧侶「じゃあ、ツボを海に浮かべてみるよ…」
ゴオオオオォオオオオオ…!!
盗賊「おおー!?なんだなんだ!?」
魔法使い「海が、海水が…壺に吸い込まれて…!」
僧侶「わ、わ、わあああ…!!な、何がどうなって…?」キョロキョロ
魔法使い「見て、二人とも。浅瀬が浮かび上がって…いえ、海水が下がって、浅瀬が…」
盗賊「おおー!!なにかたってるぞ!!ほこらか?」
僧侶「ほこら、だね…魔法使いちゃん、確かエジンベアでさ…」
魔法使い「ええ、さいごのかぎはほこらにある、と聞いたわ。きっとここが…行きましょう」
僧侶「うん!!これであたし達、また先へ進めるね!!」
盗賊「おおー、なかひろいな!!」キャッキャッ
僧侶「ホントだね…あ、魔法使いちゃん、宝箱があるよ!!」
魔法使い「ええ、これがきっと…開けてみましょう」
僧侶「うん…あ、ま、魔法使いちゃん、かぎだよ!!鍵!!」
なんと さいごのかぎを手に入れた!!
盗賊「おおー、これでさっきのカギがかかってたところみーんなあくんだな?」
僧侶「きっとそうだよ!!じゃあ行こう、今すぐ行こう!!ね、ね?」
魔法使い「待って、まだ…」
僧侶「もう何もない!!何もないよ魔法使いちゃん!!」
盗賊「なあなあ、おくのほうにがいこつがさあ…」
僧侶「何もないよ!!何もいないよ!!」
魔法使い「もう、私だって骸骨とかは苦手なのよ?貴方も…」
僧侶「イヤ!!イヤ!!あたし先に船に帰る!!」ダダダ…
盗賊「おお!?そーりょ、いっちゃったぞ!?」
魔法使い「…これじゃだだっ子じゃない。仕方ないわね…」
僧侶「あ、お帰り!!じゃあ出発だね!!」
魔法使い「ちょっと待ちなさいよ、あの骸骨から伝言が…」
僧侶「そういうのいいから!!行こ!!ね、ね?」
魔法使い「そうはいかないわ。大事な伝言だもの。『私を見て引き返した者に災いあれ…』」
僧侶「ギャー!!あ、悪霊退散!!ニフリャミュ!!」
魔法使い「カミカミじゃない…冗談よ、安心して」
僧侶「へ?冗談!?お、脅かさないでよ魔法使いちゃん!!」
魔法使い「ふふ、貴方私達を置いて逃げるんですもの」
盗賊「そーりょはこわがりだな!!なさけないぞ!!」
僧侶「うう…ごめんなさい…」
魔法使い「まあいいわよ。あの骸骨も、今の私達に必要な情報をくれた訳じゃないし…」
盗賊「ギアガのおーあなからわざわいがでたんだぞ!!」
僧侶「??ど、どういう…?」
魔法使い「分からないわ。もしかしたら、この先に必要な情報かもしれないけど…とにかく、もうここに用はないわ。行きましょう」
――夜、ムオルの村
僧侶「うーん、このままの勢いであの旅の扉がたくさんあるほこらに行きたかったけど…」
魔法使い「私達、ムオルを出てから世界一周する間に1泊もしてないのよ。休息は必要だわ」
盗賊「…」スヤスヤ
僧侶「そっかあ、そうだね…じゃあさ、明日は、明日こそはあのほこらに行くの?」
魔法使い レベル35「ええ。さっきこの周りで魔物退治してレベルも上がったし、きっとどこに着いても大丈夫なはずよ」
僧侶 レベル33「この村の周りにもあのメタルなやつがいて良かったよね!盗賊ちゃんは、食べれないって不機嫌だったけど…」チラッ
盗賊 レベル33「ん…にゃ…」ムニャムニャ
魔法使い「さて、私達ももう寝ましょう。明日からは予測のつかない旅になるわ。少しでも疲れを取らないと…」
僧侶「そうだね…ねえ、魔法使いちゃん。あたし達、もうかなり強くなったよね?」
魔法使い「?ええ、そのつもりだけど…?」
僧侶「じゃあさ、次の旅で装備を調えれたらさ、もうジパングに行かない?」
魔法使い「ジパングの魔物を退治したいのね?そうね…あの島国の人達に少しでも早く安心してもらいたい、とは思うわね…」
僧侶「でしょ?もちろん、手に入る装備次第だけどさ…」
魔法使い「ええ、そうね。もういいかもしれない。でもそれは、次の旅が終わってから考えましょ。さあ、今度こそもう寝るわよ。おやすみ…」
盗賊「おきろー!!あさだー!!おきろー!!」バンバンバン
魔法使い「…分かったわ…今すぐ…」
盗賊「おきろおきろおきろー!!」バンバンバンバンバンバン
僧侶「盗賊ちゃん、魔法使いちゃんは放っといて出発の支度支度!!したくとーいっても、にーもーつーはいらーなーい♪」
盗賊「レベルのあーがーる、くつもいーらーなーい♪」
魔法使い「靴は…ちゃんと履きなさい…」
僧侶「あ、起きた。さあさあ魔法使いちゃん、今日はあの扉の向こう側だよ!!」
盗賊「ほらむこーがわのおーこくでー♪」
魔法使い「はいはい、二人とも元気ね…今準備するから、待ってて…ちゃんと
盗賊「はーやーくー!!」
僧侶「はーやーくー!!」
魔法使い「お願いだから、朝くらい静かに…」
僧侶「もうそろそろあの旅の扉のほこらに着くよね…」
盗賊「あと少しだぞ!!」
僧侶「ここまで順調に来れたね!!もう海のモンスターも怖くないっていうのもあるけど」
盗賊「ごはんにはなったぞ!!」
魔法使い「あまり油断しないのよ。特にここからは…あら、着いたわね」
僧侶「さ、早く中に入って!!…ねえねえ、三つのうちどの旅の扉に入る?」
魔法使い「どうする、盗賊?」
盗賊「ひだり!!ひだーり!!」
魔法使い「だ、そうよ。貴方も左でいい?」
僧侶「いいよ!さあ、どこに着いて、何が待ってるのか…」
魔法使い「楽しみね。さあ、行きましょう」
盗賊「おー!!」
僧侶「…また開かない扉の所まで来たね。さあ、さいごのかぎ初仕事だよ!」
魔法使い「初仕事じゃないわよ。貴方があの浅瀬のほこらから逃げたあと、骸骨と話すために使ったもの」
盗賊「そーりょ、おくれてるぞ!!」キャッキャッ
僧侶「ええー、がっかり…まあいいや、開けるよ、よっと…」カチッ
盗賊「おおー!!あいたあいた!!」
魔法使い「で、ここは…なんだか見覚えがあるような…」
僧侶「あたしも…あの階段を上ると…やっぱり!!」
兵士「ん?あんたらどっかで見た顔だな」
僧侶「ああー!!この人…」
魔法使い「この人は…じゃあここは、ロマリアの近くね?」
兵士「何だよその反応は…ああ、あんたら旅の扉で来たのか、すごいな、あの扉を開けたのか…」
僧侶「ほら盗賊ちゃん、あいつは食べていいよ!」
盗賊「ホントか!?ホルモンもいいのか!?」
魔法使い「もう、止めなさい!!」
兵士「なんだか身の危険を感じるが…」
――夜、ロマリアの宿屋
僧侶「と、いうわけで、せっかくなのでロマリアに寄ってみたよ!!」
盗賊「おおー、やっぱりここのごはんおいしいぞ!!」ガツガツ
魔法使い「そういえば最初に盗賊と泊まったのはこの宿屋だったわね」
僧侶「そうそう、あの時はまだパーティーの一員ではなかったけど…」
魔法使い「ええ、今はなくてはならないわね」ナデナデ
盗賊「お?ほめられたのか?」
僧侶「そうだよ!!ところで魔法使いちゃん、明日は王様に挨拶に行くの?」
魔法使い「そうね…挨拶くらいはしないとね。でも報告は止めておくわ、時間がかかるし…」
僧侶「やっぱりすぐ他の旅の扉も試したいもんね。じゃあ明日は早起きしなきゃね!!」
魔法使い「ええ、まあ…ほどほどにね…」
――88日目
魔法使い「ただいま…王様への挨拶、済ませてきたわよ」
僧侶「お帰り!!…ってあれ?なんかいろいろもらってきた?」
盗賊「おおー!!たてとナイフ!!」
魔法使い「ええ、ふうじんのたてとアサシンダガーって言うらしいわ…」
僧侶「へえー!!確か2つともすっごく良いものだったはずだよ!!…でも良いものもらったわりには、魔法使いちゃん元気ないね?」
魔法使い「ええ…ロマリアの王様がこれだけ物をくれたから、世界一ケチな王様はアリアハン王に決定だなあってね…」フゥ…
僧侶「あ、ああ…そうだね…」
魔法使い「まあ、いいわ。戦力アップには違いないし…このダガーは私が使っていいかしら?盾は…」
盗賊「とーぞくがそーびしたいぞ!!」
僧侶「いいと思うよ、あたし装備出来ないし…あーあ、2つも良いものもらったのに、あたしに装備出来るものはなしかあ~」
魔法使い「仕方ないわね、きっとまた良いものが見つかるわよ。さて、挨拶も済ませたし、もう行きましょう」
僧侶「そだね、レッツゴー!!」
盗賊「ゴー!!」
――旅人の教会
僧侶「また旅の扉のほこらから別の旅の扉に入って…それからまたいくつか旅の扉をくぐって…」
盗賊「きょーかいに出たな!!ここどこのきょーかいだ?」キョロキョロ
神父「ここは、サマンオサの東にある教会じゃ」
魔法使い「サマンオサ…!あの旅の扉のほこらより更に北にあったあの平原にいた老人から聞いたわね」
盗賊「あのへんなじーちゃんか?」
魔法使い「ええ、確か王様がへんげのつえを持ってるとか…」
神父「そのサマンオサの王様が、噂では人変りをしたらしい。勇者サイモンがその旅の扉から追放されたのも、そのためと聞く」
僧侶「王様が人変り…?何だかイヤな予感…」
魔法使い「そうね、もしかしたら危険があるかもしれないけど…神父様、そのサマンオサへ行くには…?」
神父「サマンオサへ行くなら、西の岩山に沿って歩けば、やがてサマンオサへとたどり着けるであろう。気を付けてな」
魔法使い「ありがとうございます。じゃあ二人とも、気を引きしめるわよ」
僧侶「う~、何もないといいけど…」
盗賊「おいしいものはあればいいな!!」
魔法使い「どうかしら、あまり期待出来ないみたいだけど…」
――サマンオサの城下町
僧侶「外のモンスターつよかったけど、何とかたどり着けたね」
魔法使い「そうね…それにしても、この町…」
盗賊「なんかみんなくらいな。どうしたんだ?」
魔法使い「…もしかしたら、王様の人変りと何か関係が…」
盗賊「あ、なあなあ、あっちにたくさん人がいるぞ!!」
僧侶「あ、ホントだ、どれどれ…あれ、葬列だね…」
盗賊「そーれつ?誰か死んだのか?」
魔法使い「でしょうね。葬列自体は、別に珍しくもないけど…」
僧侶「さっきの神父様に聞いた限りは、もしかしたら王様に関係してるのかもね…」
魔法使い「少し調べるようね。また厄介な事にならなければいいけど…」
僧侶「ねえ、さっきのお葬式で聞いたんだけどさ、あの亡くなった人、王様の悪口を言っただけで死刑になったんだって。これって、やっぱり…」
魔法使い「王様の人変りが原因でしょうね。ここと、もしかしたらジパングも、上に立つ人が下々を苦しめている…」
僧侶「町には魔王の噂も立ってるみたいだよ。もしかして、王様の人変りも魔王が…」
魔法使い「それはまだ分からないけど…可能性はあるわね」
盗賊「なあなあ、あっちにおしろがあるぞ。行ってみないのか?」
僧侶「どうしよう、魔法使いちゃん?」
魔法使い「一応、行くだけは行ってみましょう。話の通りの王様なら、私達に会ってくれるとも思えないけど…」
兵士「なんだ、お前達は?王様に呼ばれて来たのか?」
魔法使い「いえ、そういうわけでは無いけど…」
兵士「ならば帰れ!!関係のない者を城に入れる訳にはいかん!!」
僧侶「や、やだなあ魔法使いちゃん、あたし達王様に呼ばれてたよ、忘れたの?」
兵士「嘘をつくな!!お前達のような者が呼ばれているとは聞いておらん!!帰れ帰れ!!」
僧侶「このっ…あたしがザラキで…」
魔法使い「よしなさい。帰るわよ」
盗賊「お?おしろにはいらないのか?」
魔法使い「ここまで拒否されたらね…無理やり入っても、ろくな事にならないわ」
僧侶「そっかあ。さすがにお城の人全部を敵に回す訳にはいかないもんね」
盗賊「なんだ、とーぞくはぜんいん食べてもいいぞ!!」
魔法使い「そういうわけにはいかないわよ…とにかく、今日は諦めましょう。さあ、最初の目的を果たしに行くわよ」
僧侶「最初の目的…あっ!!」
盗賊「おおー、ぶきやか!!」キャッキャッ
魔法使い「もともとは、新しい町で装備を調えるのが目的だったからね。どう、僧侶?」
僧侶「うん、品揃えはすごいよ。今までの町で多分一番じゃないかな。ただ…あたし達が装備出来るものは少ないかな…」
魔法使い「そう、残念ね…」
僧侶「とりあえず、盗賊ちゃんにこのパワーナックルを買ってあげればいいんじゃないかな。ね、盗賊ちゃん?」
盗賊「おおー、あたらしいぶきか?」
僧侶「うん、新しい武器で、いっぱいモンスター倒して、いっぱい食べてね!」
盗賊「おー!!とーぞく、いっぱい食べるぞ!!」
魔法使い「まあ、少しでも装備を調えられたからよしとしましょうか。貴方達が転職したら、またお世話になるかもしれないし…」
――89日目、夜、ムオルの宿屋
僧侶「で、結局またムオルに逆戻りかあ…」
魔法使い「しかも1日かかってしまったわ。昨日はロマリアから出発したのだから、時間がかかるのは仕方ないけど…」
盗賊「とーぞくはムオルすきだぞ!!ごはんがおいしいしな!!」
僧侶「うん、ご飯はあたしもおいしいと思うな!!」
魔法使い「それで、明日の事だけど…貴方が前に言った通り、ジパングに行く?」
盗賊「お?なんとかオロチたいじか?」
僧侶「それなんだけどさ魔法使いちゃん、その前に1度アリアハンに戻らない?」
魔法使い「アリアハンに?何かあるの?」
僧侶「うん、あたし達今、30000ゴールド以上持ち歩いてるでしょ?それで、もし万が一の事があったら…」
魔法使い「ああ、お金を預けに行きたいのね?いいわよ、確かに現金を持ち歩き過ぎている気はしてたわ」
僧侶「ありがとう!!じゃあお金を預けて、それからジパングだね!!」
魔法使い「ええ、まだ時間に余裕もあるしね。でも、そんなにお金貯まってたのね。本当は、それで一気に装備を新調出来れば良かったけど…」
僧侶「うん…でも、無いものは仕方ないよ。あたし達は強くなったし、きっとどんな敵にも負けないよ!!ね?」
魔法使い「そうね…」
――90日目
僧侶「ねえ魔法使いちゃん、確かアリアハンから北に進んだらジパングに着いたよね?」
魔法使い「ええ、そしてそこから更に北に進んでこのムオルね」
僧侶「じゃあさ、ここから更に北に進めば一周してアリアハン?」
魔法使い「………ということになるかしらね」
僧侶「じゃさ、北からアリアハンに行ってみない?どうせアリアハンにいくなら、今までとは違う行き方で行こうよ!」
盗賊「おおー、ちがううみのさちか?」
僧侶「それは分からないけど…」
魔法使い「…まあ、いいんじゃないかしら。ただ…」
僧侶「え?ただ、なに?」
魔法使い「いいえ、何でもないわ。じゃあ北からアリアハンに向かってみる?」
僧侶「うん、行ってみる!…ちゃんと着くかなあ、大丈夫かなあ…」
盗賊「ひさしぶりのアリアハンだな!!ルイーダねえさんげんきかな?」
魔法使い「そうね、ずいぶん久しぶりの気がするわね。まあ、そんなに変わってないでしょうけど…」
僧侶「ねえ、魔法使いちゃん…」
魔法使い「なに?」
僧侶「ずーっと海ばっかりだね…」
魔法使い「まあそうでしょうね…」
盗賊「おおー!!だいおうイカのまるやきが3つもできたぞ!!」ガツガツ
魔法使い「ふふ、今度はちゃんとベギラゴンで焼いたからね」
僧侶「むー…でも盗賊ちゃんは楽しみがあっていいよね、あたしは退屈だよ…」
魔法使い「一緒にイカ食べれば良いじゃない」
盗賊「お?食べるか?」
僧侶「ううん、いい…あーあ、もう夜になったし…あ!!」
魔法使い「明かりが見えたわね。おそらくアリアハンでしょうね」
僧侶「やっと着いたあ…丸1日かかったね。南から来た方が近かったかな?」
魔法使い「どうかしらね…?まあ、今日中に着いたから良いじゃない。さあ、二人とも支度してね」
――91日目
魔法使い「さて、お金も預けたし、もうここには用は無いけど…」
盗賊「そーりょがいないぞ?どこ行ったんだ?」
僧侶「ふふん、待たせたねご両人」
盗賊「あ!なんだそーりょ、へんなめがね!!」
僧侶「「ふふん、君には変なメガメにしか見えないだろうね。全く、これだから…おおっと!!」
魔法使い「取れなかった…!素早いわね…」
僧侶「ふふん、このあたしがメガネだけだと?全く、考えが浅いね。あたしには更にこのはやてのリングとパワーベルトまである。素早さでも、力でもあたしからこれらを奪い取ろうなんて…」
魔法使い「仕方ないわね。盗賊、僧侶は置いていきましょう」
盗賊「んー、そうだな、なんかそーりょイヤなヤツになったもんな」
僧侶「ええっ!?ま、待ってよ、冗談だってば!!はい、3つとも渡すから!!」
魔法使い「もう、貴方はすぐ装飾品で図に乗るんだから…」
僧侶「えへへ、つい…」
――夜、旅人の宿屋
魔法使い「ジパングの近くにちょうどいい宿があって助かったわね」
僧侶「ムオルからだと、遠いって訳でもないけど、ちょっとかかるもんね」
盗賊「ここのやどのごはんもなかなかだな!!」モグモグ
魔法使い「さて、お金も預けたし、準備は出来たわ。明日はいよいよジパングの魔物退治よ。二人とも、覚悟はいいわね?」
僧侶「もっちろん!!…ちょっと恐いけど…」
盗賊「オロチってヘビなんだろ?おいしいかなあ、はやく食べたいぞ!!」
魔法使い「ふふ、盗賊は頼もしいわね。僧侶、見習わなきゃ駄目よ。」
僧侶「だ、大丈夫だよ、怖いは怖いけど、戦闘ではしっかりやるから!!」
魔法使い「ふふ、期待してるわよ。さあ、明日は決戦。今日はもう休むわよ」
僧侶「うん、おやすみ?
盗賊「また明日だぞ!!」
――92日目、おろちの洞窟
魔法使い「ふう、暑いわね…」
盗賊「よーがんグツグツだぞ!!」
僧侶「魔法使いちゃん、ぬいぐるみだもんね、暑そう…」
魔法使い「全く、いつになったら魔法使いらしい服を着られるのかしらね…それはそうと、ここはあまり魔物が多くないわね」
僧侶「そんなに強くもないしね…あ、見てみて、宝箱があるよ!!」
盗賊「ホントだ、開けるぞ!!」ガチャッ
魔法使い「もう、また確認もしないで…」
なんと はんにゃのめんを手に入れた!!
盗賊「なんだこれ?へんなおめん~」
僧侶「!!待って盗賊ちゃん、それ被っちゃダメ!!」
盗賊「えー、なんでだ?」
魔法使い「見るからに怪しいじゃない…さて、この階はもう何もないわね。下に下りてみましょう」
盗賊「ちか2かいに下りたら、なんかへんなにおいがするな」
魔法使い「ええ…この臭いの正体は…この祭壇ね」
僧侶「こ、これ…人の骨!?こんなにたくさんの人の骨が散らばって…」
魔法使い「ここが生け贄の祭壇…おろちに生け贄を捧げる場所みたいね」
僧侶「ま、魔法使いちゃん、あたし怖いよ…人をこんなに食べるおろちもだけど、ここに置き去りにされて、おろちが来るまで待ってる、そんな女の子達の気持ちを考えると…」
魔法使い「そうね…」
盗賊「おおー!!やっぱりおろちはニンゲン食べほうだいなんだな!!とーぞくも、うまれかわったらおろちになりたいぞ!!」
僧侶「え、ええ!?」
魔法使い「そうねえ、そうしたら生まれ変わって盗賊になった子におろちの焼き肉にされて食べられてしまうわね」
盗賊「う~、じゃあおろち食べてどっちがおいしいかかんがえてからどっちになるかきめるぞ…」
魔法使い「ええ、きっとおろちの方が美味しいわよ」ニッコリ
僧侶「盗賊ちゃんといると、あたしの感覚の方が変なのかとおもっちゃうよ…」
魔法使い「それはないから安心しなさい。それより、こんなものがあるって事は、ついにおろちが近くにいるって事よ。二人とも、気を引き締めてね!」
盗賊「お、なあなあ、おくにでかいのがいるぞ!!あれがおろちか?」
魔法使い「多分ね…大きいわね…」
僧侶「あ、あれと戦うんだ…てゆうかさ、あれってヘビじゃなくてもうドラゴンじゃない?」
盗賊「おお、ドラゴンならおいしそうだな!!あのスカイドラゴンとかいうのとどっちがおいしいかな?」
魔法使い「どうかしらね…?こっちの方が、肉厚で量は多そうだけど…」
僧侶「二人ともよくあんなのを目の前にして平気でいられるね…」
魔法使い「あら、やっぱり怖い?」
僧侶「実物を見ると、やっぱり…でも今、心の準備をしてるから、ゆっくり近づいて…」
盗賊「おいおろち、食べていいか?」
僧侶「え、ええ!?いきなり目の前に…!?」
魔法使い「どうせやることは一緒よ!さあ行くわよ!!」
やまたのおろちがあらわれた!!
僧侶「うわあ、近くで見ると、やっぱり大きい…」
盗賊「おおー!!ちかくでみるともっとおいしそうだぞ!!」
僧侶「ええ~…」
魔法使い「ほら、戦いに集中する!まずは…スクルト!!」ニュイーン
僧侶「えっと、あたしは…大いなる神よ、日照りの日も吹雪の日も我ら人の子を御守り下さい…フバーハ!!」ミニョーン
盗賊「おおー、バリアが2つ!!」キャッキャッ
魔法使い「これで少しは安心ね、思いっきり暴れて…」
やまたのおろちのこうげき!!
僧侶「!!ま、魔法使いちゃん、平気!?」
魔法使い「…ええ、大丈夫…よ…」
僧侶「ど、どうしたの!?やっぱり効いたの!?」
魔法使い「…いえ、逆よ。あまりに効かなかったから、ビックリして…」
盗賊「まほーつかい、じょーぶだな!!」
魔法使い「もちろん、呪文のおかげもあるけど…確信したわ、私達なら倒せる。さあ、やるわよ!!」
僧侶「よし、じゃああたしも攻撃するよ!!ていっ!!」ドゴッ
魔法使い「呪詛に潜みし力の主よ、我が友に溢れんばかりの祝福を!!バイキルト!!」ミュウウー
盗賊「おお!?すごいちからだぞ!!それー!!」バキッ
魔法使い「僧侶、貴方もよ!!バイキルト!!」ミュウウー
僧侶「すごいすごい!!もう目一杯殴っちゃうよー!!」ドガン
やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!
盗賊「あちち、あついぞ!!」
僧侶「ひゃー!!フバーハしてても、これは熱いよ…」
魔法使い「いくらバイキルトしたからって、攻撃に熱中しちゃ駄目よ!貴方は回復が一番の仕事なんだから!!」
僧侶「わ、分かってる!!魔法使いちゃん、ベホイミ!!」パアア…
魔法使い「ありがとう――空と海と大地を巡る水よ、冷たき姫君の手によって氷となれ!!汝、白き暴君よ、我が敵に凍てつく永遠を!!マヒャド!!」ドドドドド…!!
盗賊「おお!?れーとーにくになるぞ!!」
魔法使い「攻撃は私でも出来るわ!!僧侶、貴方は手が空いた時だけ攻撃すればいいからね!!」
僧侶「う、うん。相変わらずすごい魔法…」
盗賊「このー!!とりゃー!!」ドカバキッ
やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!
僧侶「あちち…まだ倒れないの!?」
魔法使い「そう簡単には行かないでしょうね。僧侶、盗賊を回復して!」
僧侶「オッケー!!大いなる神よ、傷つき疲れた貴方の戦士に今再び力を!!ベホマ!!」パアアアア…!
盗賊「おおー!!ケガなおったぞ!!」ピョンピョン
魔法使い「さあ、もう一息よ!マヒャド!!」ドドドドド…!!
盗賊「いくぞいくぞ!!そーれっ!!」ドガッ
僧侶「もひとつ、そーれっ!!」ドガン
魔法使い「いい調子よ!!私も…」
僧侶「待って、魔法使いちゃん、おろちが!!」
グラッ ドシーン…!
やまたのおろちをやっつけた!!
魔法使い「倒した、わね…」
盗賊「よし!!食べるぞー!!」
僧侶「ま、待って!おろちが…」
魔法使い「…立ち上がった?この傷で…!」
盗賊「ああ、逃げちゃうぞ!!」ニュイーン
僧侶「に、逃げられた!?これ、旅の扉!?」
魔法使い「即席で旅の扉を作ったのかしら…?流石に並みの魔物ではないわね」
盗賊「まて、食べさせろー!!」ニュイーン
僧侶「と、盗賊ちゃん!?追っかけて旅の扉に入っちゃったよ!!」
魔法使い「もう、しょうがないわね!いいわ、どうせ私達も行くしかないもの。この旅の扉がいつまであるかも分からないし…僧侶、行くわよ!」ニュイーン
僧侶「う、うん!!…もうあれ以上のモンスターがいませんように…」ニュイーン
盗賊「おお?ここどこだ?」
魔法使い「ここ…ジパングの…」
僧侶「あ、ねえ魔法使いちゃん、あの人すごいケガ!!」
近習「なんだあんた達は!?今ヒミコ様が大ケガをして帰ってきて大変なんだ、出てってくれ!!」
魔法使い「このタイミングであの怪我、やっぱりこの人が…!」
(…この事は…)
僧侶「!?頭の中に、声が…!?」
(この事はそなた達しか知らない事じゃ。黙っておれば、悪いようにはせぬ。分かったな?)
魔法使い「そう、ね…あちらも手傷を負っているけど、こちらにも消耗があるわ。ここは…」
僧侶「何言ってるの?あんたみたいなの、見逃すわけないじゃない!!」
盗賊「そーだそーだ!!はやく食べさせろ!!」
魔法使い「え?ちょっと、二人とも…」
ヒミコ「ならば生きては帰さぬわ!!」ガオー
やまたのおろちがあらわれた!!
魔法使い「ああ、もうっ!!」
僧侶「あれ?魔法使いちゃん、何怒ってるの?」
魔法使い「…何でもないわ。さあ、やるわよ!!戦法はさっきと同じ、さっきも勝てたんだから、今回も倒せるはずよ!!」
僧侶「分かってる!!まずは…フバーハ!!」ミニョーン
魔法使い「そして私がスクルトを唱えて…バイキルト!!」ニュイーン
盗賊「よっしゃー!!やるぞー!!」ドガン
やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちのこうげき!!
僧侶「痛いっ!!あっちも死に物狂いだね!」
魔法使い「当然よ、負けた方が焼き肉なんだから!」
盗賊「おお!?やきにくやきにく!!」ドカバキッ
僧侶「盗賊ちゃんが元気になった!!あたしも…」
やまたのおろちのこうげき!!やまたのおろちはもえさかるかえんをはいた!!
僧侶「あちち、火はやっぱり熱いよ!!」
魔法使い「僧侶、さっき自分で相手は死に物狂いだって言ってたでしょ!?もう少し回復に気を配って!」
僧侶「ごめんごめん、盗賊ちゃん、ベホイミ!!」パアア…
盗賊「おう、げんきはつらーつ!!」ドガッ
魔法使い「それでいいわ。体力にさえ気を付けていれば、負ける相手じゃないはず。気を抜かないでね!」
やまたのおろちはひのいきをはいた!!
盗賊「お?あんまりあつくないぞ!!」
魔法使い「弱ってきてるのかも…もうひと踏ん張りよ!マヒャド」ドドドドド…
僧侶「もうちょっと、もうちょっと…それっ!!」ドガッ
盗賊「もうふらふらだな!!はやくおにくに…なれっ!!」ドガン
魔法使い「!!効いたみたいね…二人とも離れて!!倒れるわ!!」
ズウウウ…ン…!
やまたのおろちをやっつけた!!
僧侶「やった、やったね魔法使いちゃん、盗賊ちゃん!!」
盗賊「やきにくだー!!」キャッキャッ
近習「そんな、まさか…ヒミコ様がおろちだったなんて…み、皆の衆!!おろちが、おろちがー!!」ダダダ…
魔法使い「…きっとこれからが大変ね、この国は…」
――93日目
盗賊「おーい、あさだぞ、おきろー!!」バンバンバン
魔法使い「う…ん…」ムニャムニャ
盗賊「おきろ、おきろ、おーきーろー!!」バンバンバンバンバン
魔法使い「…分かったわよ…昨日遅くまで騒いだのに、元気ね…」
僧侶「はは、か昨日は結局国を挙げてのおろち焼き肉パーティーだったね」
魔法使い「船に乗せきれないくらい肉があったからね…火力係は大変だったわよ…」
僧侶「お疲れさま。でも、おろちの皮を剥いでた盗賊ちゃんも大変そうだったよ」
魔法使い「そうしないと火が通らなかったからね…でもまあ、美味しかったからいいわ」
盗賊「お、まほーつかい、おきたか?おろちは食べおわったし、つぎだつぎ、もっとたくさんのおにくを食べにいくぞ!!」
僧侶「あれ?盗賊ちゃん、その手に持ってるの、何?」
盗賊「これか?おろちからぬすんだんだ、いーだろ!!そーびできないけどな!!」
僧侶「見るからに凄そうな剣だね…ちゃっかり盗賊の仕事もしてたんだ…」
魔法使い「さて、盗賊が満足したならここに用はないわね、そろそろ…」
???「お待ちください!!」
僧侶「え?誰?」
少女「あの…私、次におろちの生け贄になるはずだった者です。皆さんのお陰で、こうして無事でいられました。ありがとうございました!!」ペコリ
魔法使い「ああ、貴方が…良かったわね」
僧侶「あたし達は当然の事をしただけだよ、ねっ?…盗賊ちゃん?」
盗賊「ふーん、ねーさんがつぎのおろちのごはんだったのか。たしかにおいしそうだな」ジュルリ
少女「え?え!?」
魔法使い「こら、おどかさないの!ごめんなさい、この子は冗談ばっかり…」
盗賊「じょーだんじゃないぞ!!ならいますぐねーさんを食べ…フガッ」モゴモゴ
僧侶「冗談です!!冗談ですから!!さ、魔法使いちゃん、そろそろ行こ?」
少女「ま、待って下さい!国のみんなから、これを渡すようにと…」
なんと パープルオーブを手に入れた!!
魔法使い「これは…」
少女「ヒミコ様が…いえ、おろちがもっていたものです。私達にはこれが何なのか全く分かりませんが、皆さんのお役に立つのではと…」
魔法使い「思わぬ物が手に入ったわね。オーブ、か…」
僧侶「わー、きれいな珠だねー…」ウットリ
盗賊「なーんだ、食べれないのかー」
魔法使い「何でも食べようとしないの。それより僧侶、前にポルトガの灯台で聞いたオーブの話、覚えてる?」
僧侶「え?えーと、確かオーブを6つ集めると、船が要らなくなるとか…あ、あ、もしかして、オーブってこのオーブ!?」
魔法使い「多分ね…もしかしたら、私達はこれを集めるべきなのかもしれないわね…」
僧侶「船が要らなくなるって、どういう事だろうね?船より凄い乗り物が手に入るのかな?」
魔法使い「どうかしら、船より優れた乗り物なんて、想像もつかないけど…でも、もしそうなら、その乗り物に乗って、船でさえ行けない場所に行けるようになる…?」
僧侶「す、凄い…そんな乗り物があったら…」
盗賊「このせかいのぜんぶのたべものが食べれるな!!」
僧侶「え~、ロマンがない…」
魔法使い「でも実際、盗賊の言う通りになるかもね。じゃあ、私達の次の目標は、オーブ探し。これでいいかしら?」
僧侶「うん!!すっごく楽しそう!!ね、盗賊ちゃん?」
盗賊「おー!!ぜんぶ食べるぞー!!」
魔法使い「ふふ、決まりね。オーブはあと5つ、早く集めたいわね…」
僧侶「そうだ、魔法使いちゃん、あのさ、あたし達、おろちを倒したら転職するって言ってたけどさ…」
魔法使い「何?やっぱり僧侶のままがいいの?」
僧侶「ううん、そうじゃなくて、あともうちょっとだけレベル上げてから転職したいんだ。良いかな?」
魔法使い「いいも悪いも、自分の事ですもの、好きにしたらいいわ。じゃあちょっとこの辺で魔物退治していく?」
僧侶「うん、お願い。盗賊ちゃんも、いい?」
盗賊「ここのくまにくはおいしいからな、いいぞ!!」
魔法使い「じゃあそうしましょうか。それにしても…ふふふ…」
僧侶「な、何?」
魔法使い「やっぱり貴方は僧侶より商人が似合うわ。ニフリャミュ!!とか言っちゃう僧侶はちょっとね…ふふふ…」
僧侶「あ、あれは…魔法使いちゃんがおどかすから…!」
魔法使い「はいはい、じゃあ残り少ない僧侶の修行、頑張ってね」
僧侶「あ~、なんかバカにしてる!!あたしだって、好きであんな…」
――僧侶はレベルがあがった!!
僧侶「うん!これでオッケー!!へっへー、魔法使いちゃん、あたしついに覚えたよ、ベホマラー!!」
魔法使い「全員を1度に回復出来る呪文ね?これでかなり楽になるわね」
盗賊「おー、なんだかすごいな!!」
僧侶「そうだよ!!あーあ、これ覚えてたら、おろちももっと楽に戦えたんだろうなー…」
魔法使い「それは仕方ないわ。私だって、もう少し早く鍵あけの呪文を覚えてたら、もっと早く色んな場所に行けてたし…」
僧侶「あー、魔法使いちゃんはさいごのかぎ見つけた次の日にアバカム覚えたんだっけ…」
魔法使い「そうよ。だからそういうのは気にするだけ無駄よ。それに、おろちには勝てたんだし、今までは必要なかったって事よ、きっと」
僧侶「そっかあ、そうかもね…じゃあ切り替えて!ついにあたし、商人に戻る時が来たよ!!」
盗賊「とーぞくは、とーぞくじゃなくてけんじゃになるぞ!!」
魔法使い「あら、ちゃんと覚えてたのね。二人ともレベル1に戻るし、またゆっくり船旅しながらオーブ探しでもしましょうか」
僧侶「あ、それいい!まだ知らない町もあるかもしれないし!」
盗賊「まだ食べたことない食べ物もあるかもしれないな!!」
魔法使い「そうね、まだ私達の知らない世界の顔があるかもしれない。楽しみね。さあ、まずはダーマへ行きましょう。準備はいいわね?」
僧侶「うん!!さらばジパング!!」
盗賊「さらばだー!!」
――94日目
商人「んー、1ヶ月ぶりに商人復帰!!あたしやっぱり商人がいい!!」
魔法使い「だから昨日私もそう言ったじゃない」
商人「だからあれはバカにしてただけじゃない!!」
魔法使い「はいはい、それより今は元通りの貴方よりも…」
賢者「おー、服もきがえるのか!!なんかスースーするな!!」キャッキャッ
商人「大丈夫なのかな、こんな子が賢者で…」
魔法使い「大丈夫よ、むしろ小さいうちから色々覚えた方がいいわ」
商人「そういう話も聞くけど…」
賢者「なあなあ、これでじぶんでやきにくがやけるんだな?」
魔法使い「ええ、これから貴方はたくさん呪文を覚えるわ。そうしたら焼き肉も冷凍も自由自在よ」
賢者「おおー!!たのしみだなー!!」キャッキャッ
商人「…せっかくの賢者が、さとりのしょが焼き肉のために使われるなんて…」
魔法使い「何言ってるの、他にも色々覚えるでしょ。それより、今日は神官に報告するようだから、貴方達はもう休みなさい。転職したばかりで、色々やることもあるでしょうから…」
――95日目
商人「さあさあ、今日から商人復帰冒険者生活の第一歩だよ!魔法使いちゃん、どこに行くの?」
魔法使い「前に言った通り、オーブ探しをしたい所だけど、これといった情報はないわね。ただ、いくつか気になる場所はあるわ」
商人「へー、どこどこ?」
賢者「どこどこ?」
魔法使い「そうねえ…とりあえず、一番近い所から行ってみる?ほら、入り口で引き返したアープの塔ってあったでしょう?」
商人「え?えーと…あ、あの近くでしあわせのくつを掘り当てた所!」
賢者「おおー、けんじゃもいったことあるぞ!!」
魔法使い「ああいうどこからも情報が出てこない、忘れられた場所には、きっと何かあると思うの。どうかしら?」
商人「うん、いいんじゃないかな。あそこ、いつか行ってみたいと思ってたし」
賢者「けんじゃはどこでもいいぞ!!」
魔法使い「決まりね。じゃあまずはアープの塔に行きましょう」
――アープの塔
商人「ねえ、魔法使いちゃん…ここのモンスター、ちょっと強くない?」
魔法使い「いえ、そこまででもないと思うけど…貴方達が転職直後だという事を少し軽く見ていたかもしれないわね…」
賢者「あのよろいのモンスターじゃ食べれないぞ!!おなかへったー!!くーふくだー!!」
魔法使い「…仕方ないわ、ここは後回しね。他を当たりましょう」
商人「他?そういえば他にも気になる場所があるって言ってたっけ。どこなの?」
賢者「ごはんがおいしいところか?」
魔法使い「そうねえ…まあ、行けば分かるわよ」
商人「?なんか歯切れ悪いよ魔法使いちゃん」
魔法使い「…ええ、まあ、とりあえず塔から出ましょう…準備いいわね?ルーラ!!」バヒューンバヒューン
――96日目、ポルトガ
商人「っと、ここは…ポルトガ?ここにオーブがあるの?」
魔法使い「いえ、ここではないわ。ここから船に乗るの。さあ、二人とも行くわよ」
商人「う、うん…」
賢者「けんじゃはここへんはじめてだぞ!!」
魔法使い「そう?私達とは初めてでしょうけど、貴方が前にいたシャンパーニの塔からそう離れてないのよ」
賢者「そうなのか?へ~」キョロキョロ
商人「あ、あのさ魔法使いちゃん、この船、南に向かってるよね?」
魔法使い「…ええ、そうよ」
商人「も、もしかして、今から行く場所って…!」
魔法使い「…ええ、テドンよ」
商人「やっぱり!!だから魔法使いちゃん、行き先ハッキリ言わなかったんだ!!」
魔法使い「…まあ、怖がるかなーと思ってね…」
商人「そ、そりゃあこ怖いけど、ああたしもぼ冒険者だから、そそそそんなに怯えびえててばっかりじじゃないよよ?」
魔法使い「…ええ、まあ、無理しないでね…」
――夜、テドンの村
商人「よ、夜かあ…良かった、そういえば最初にポルトガからテドンに来たときも夜だったっけ…」
賢者「なんかぼろいむらだな。ごはんもおいしくなさそうだぞ…」
魔法使い「さあ、私達の目的は村の奥よ。行きましょう」
商人「奥って…ここ、牢屋!?」
魔法使い「二人は看守の気を引いてて。私が中に入るわ」
商人「わ、分かった。ねえ~ん、看守さぁ~ん」クネクネ
賢者「さぁ~ん」クネクネ
看守「…なんだ、気色悪いな…」
商人「あー!!気色悪いってなによ!!あたしだって…!!」ギャーギャー
魔法使い「…まあ、上手くやってるのかしらね…じゃあ失礼して…」ガチャリ
囚人「ああ、やっと会えた!!貴方のような勇者にこれを渡したかったのです!」
なんと グリーンオーブを手に入れた!!
魔法使い「これは…ありがとう。でも…」
囚人「ここからはるか南、レイアムランドのほこらにある祭壇に、6つのオーブを捧げて下さい。貴方方ならきっと…お願いします!!」
商人「わー、オーブ手に入ったんだ!!今度は緑色なんだね!!これもキレイ…」
魔法使い「じゃあ、どうしようかしら?ここで一晩泊まってく」
商人「え?やだやだ、こんな、ほろ…えっと、も、もう少し先に行ってみようよ、ほら、新しい行き先聞いたんでしょ?」
魔法使い「ええ、ここから南、レイアムランドという所ね。そこの祭壇に…」
商人「じゃあじゃあ今すぐそこに行こ?良いでしょ?ね、ね?」グイグイ
魔法使い「賢者はどうしたい?やっぱりお腹すいたわよね?」
賢者「うーん、そうだな~…」
商人「減ってない減ってない!!賢者ちゃん、レイアムランドにはきっとおいしいお肉があるよ?早く行こ、ね、ね?」
賢者「おおー、ならはやくいきたいぞ!!」
商人「よし決まり!!さあレイアムランドにしゅっぱーつ!!」
魔法使い「…よっぽどここに泊まりたくないのね。まあ無理もないけど…」
――97日目
商人「うーん、船から見る朝日、まぶしー!!」
賢者「ん…ひつじ…おいしい…」コックリ
魔法使い「テドンの周りに羊がいて良かったわね。賢者も満足してくれたわ」
商人「おかげで静かだったもんね。良かった…」
魔法使い「全く、貴方がおいしいお肉があるなんて騙すから…」
商人「ま、まあいいじゃん、レイアムランドではないけど、お肉は手に入ったし…あ、魔法使いちゃん、ほらほら、陸が見える!!」
魔法使い「本当ね。あれがレイアムランドかしら…?」
商人「結構大きそうな島だね…賢者ちゃん、起きて!上陸するよ!!」
賢者「お?おいしい肉だな?」パッチリ
商人「え、ええっと、それは…」
魔法使い「ほら商人、ちゃんと責任取るのよ。さ、行きましょう」
賢者「おー!!」
商人「ま、待ってよ…!ど、どうしよう…」
賢者「おおー、寒いなー!!」
魔法使い「そうね、私はぬいぐるみ着てるから良いけど…」
商人「うう…お肉…お肉…」
賢者「お?しょーにんもはらぺこか?はやくやきにく食べたいな!!」
商人「そ、そうだね…あ、ああ!!」
スノードラゴンがあらわれた!!
魔法使い「良かったわね、お肉よ」
賢者「おおー!!すごくおいしそうだぞ!!」
商人「よ、良かった~…ってドラゴン!?」
魔法使い「大丈夫よ、メラミ!!」ゴオッ
賢者「おおー、やきにく!!それっ!!」ザシュッ
スノードラゴンをやっつけた!!
賢者「よーし、やきにくだー!!」
商人「はは、良かった…」ホッ
――レイアムランドのほこら
魔法使い「ここは少し暖かいわね…」
賢者「お?ながいはしごだー!!」
商人「これ上るんだ…大変だな…」
魔法使い「肉体労働は苦手だけど…仕方ないわね…」ギシッ
賢者「よいしょ、よいしょ…ついたー!!」
商人「ふう、疲れた…あれ?誰かいる…」
???「私達は」
???「私達は」
商人「わ!?双子!?」
賢者「けんじゃより小さいな!」
???「卵を守っています」
???「卵を守っています」
魔法使い「不思議な二人ね…この祭壇を守る…巫女?」
巫女A「世界中に散らばる6つのオーブを祭壇に捧げた時…」
巫女B「伝説の不死鳥ラーミアは蘇りましょう」
魔法使い「伝説の…不死鳥?」
賢者「ふしちょう?」
商人「死なない鳥の事よ。見たことないけど…」
賢者「しなない?いくら食べてもへらないのか?」
商人「た、食べれるのかなあ…?」
魔法使い「なんでも食べようとしないの。それより、せっかくここまで来たもの、オーブを捧げてみましょう。まずは、パープルオーブを…」ボッ
商人「あ、祭壇に火が点いた!」
魔法使い「次はグリーンオーブね…」ボッ
賢者「おおー、すごいすごい!!」
魔法使い「これで2つ…残り4つか…先は長そうね…」
魔法使い「さて、次に行きたい所だけど、流石にダーマを出てから宿に泊まってないから疲れたわね…テドンに戻る?」
商人「や、やだよ絶対!!こういう時こそあたしが大声で宿屋さん呼ぶから!!」
魔法使い「本当に呼べるの?頼むわよ」
商人「あー、信用してない!!見ててよ、絶対宿屋さん呼ぶから…すみませーん、誰かー!!」ダレカー…
武器屋「おまたせ、武器屋だ」
賢者「あー、はずれだー!」
魔法使い「待って、悪くないわ…ね、商人?」
商人「うん、あたし武器買いたい!!このゾンビキラー下さい!!…あ、お金足りない…」
魔法使い「貴方さっきあなほりで何か見つけてなかった?それを売れば…」
商人「あ、そうだ!このみかわしのふく売ります!!今掘ったばっかりで、ちょっと汚れて、あとちょっと凍ってるけど…」
武器屋「…あー、まあいいぜ、みかわしのふくには違いないからな」
商人「やったー!!おじさん、すてき!!」
魔法使い「武器が手に入ったのは良いけど、もちろん本当の目的は忘れてないわよね?」
商人「もちろん!!次は宿屋さん呼んで見せるから!!」
賢者「やどやよんだらごはんだな!!たのんだぞ!!」
商人「任せて!!すみませーん、誰かー!!」ダレカー…
宿屋「お待たせしました、宿屋です」
商人「やった!!来た!!あたしすごい!!優勝!!」
賢者「おおー、すごいすごい!!」キャッキャッ
魔法使い「良かったわね、おめでとう」
商人「ふ、二人ともありがとう!!やったよ!!あたしやったよ!!」
宿屋「…えーと、ご利用ですよね…?」
商人「あ!す、すみません、1泊お願いします…」
魔法使い「ついはしゃいでしまったわね。でもやっと休めるわね…」
賢者「ごはんだー!!」
――98日目
魔法使い「こんな氷の世界で宿屋に泊まれるなんて、すごいわね。ついつい寝過ぎたわ…」
賢者「もうつぎのひのよるだぞ!!」
商人「うわあ、ホントだ…あ、宿屋さん、ありがとうございました!!」
宿屋「それではお気をつけて」
商人「はい!宿屋さんも気を付けて!!」
宿屋「ありがとうございます。失礼します」シュタタタタ…
魔法使い「…行ったわね。すごい人ね…」
商人「この世界で旅をしてるのはあたし達だけじゃない。あたし達も頑張ろう!!」
賢者「なあなあ、つぎはどこにいくんだ?」
魔法使い「次?そうね、ここから近いし、ランシールに行きましょうか」
商人「あ、あのカギの掛かった神殿!!」
魔法使い「ええ、さいごのかぎも手に入ったし、きっとあの神殿にも入れるわ」
商人「そだね、あそこにはきっと何かあるよね。うん、行ってみよう!!」
――99日目、ランシール
賢者「へー、ちいさなまち!!」キョロキョロ
商人「神殿は大きいんだよ賢者ちゃん!」
魔法使い「さて、その神殿に行ってみましょうか…ここね」
商人「じゃあ開けてみるね…よっと」ガチャリ
賢者「お、あいたあいた!!」
商人「あ、神官さんがいるよ!こんにちはー!!」
神官「おお、よくぞ来た。ここに来たということは、たった一人で戦う覚悟がおありだな?」
商人「え?一人で?」
賢者「いっしょにいけないのか?」
魔法使い「困ったわね…いいわ、私が行ってみる」
商人「ええ!?危ないよ!!」
魔法使い「大丈夫よ、危険だと思ったら引き返すから。それでいいですよね?」
神官「では、わしについて参れ!」
商人「し、心配だよ魔法使いちゃん…無事に帰って来てね!」
魔法使い「大丈夫よ、本当に無理はしないから」
賢者「きをつけろよー!!」
魔法使い「ありがとう。行ってくるわ」
神官「では、行け、魔法使いよ!!」
魔法使い「ええ、お願いします」
商人「…行っちゃった。大丈夫かなあ、モンスター強くないかな…?」
賢者「だいじょーぶだぞまほーつかいならきっとだいじょーぶだぞ、かきっと…」
商人「そ、そうだよね…頑張れ、魔法使いちゃん!!」
――地球のへそ、地下1階
魔法使い「…いつも仲間といるから、いざ一人になると心細いものね…」
マミーがあらわれた!!
魔法使い「…あまりいい思い出のない魔物ね。ヒャダルコ!!」ピキキキーン
マミーをたおした!!マミーをたおした!!マミーをたおした!!
魔法使い「…流石に今この魔物に苦戦はしないわね。さて…宝箱ね。インパス!!…青か、じゃあ開けて…」
248ゴールドを手に入れた!!
魔法使い「お金か…良い装備が欲しいけど、なかなか都合よくはいかないか…」
メタルスライムがあらわれた!!アントベアがあらわれた!!
魔法使い「出たわね!ドラゴラム!!」グググゴゴゴメキメキメキ…!
メタルスライムのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!
魔法使いはもえさかるかえんをはいた!!メタルスライムをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!
商人「…遅いなあ、魔法使いちゃん…大丈夫かなあ…」
賢者「うー、おなかへったー…」
商人「賢者ちゃん、先に宿に戻ってていいよ。あたしが魔法使いちゃんを待ってるから」
賢者「うー…いい、けんじゃもまってる…」
商人「そっかあ、じゃあ二人で待ってよっか…あ、魔法使いちゃん!!帰ってきてくれたのね!!」
賢者「おおー!!まほーつかい、おかえりだぞ!!」
魔法使い「ただいま。待ってなくても良かったのに…」
神官「よくぞ戻った!一人で寂しくはなかったか?」
魔法使い「…正直、心細かったわね。呪文を使う間、フォローしてくれる人もいないし…」
神官「では、お前は勇敢だったか?いや、それはお前が一番分かっているであろう。では、行くがよい」
商人「え、じゃあ洞窟最後まで行かなかったんだ?」
魔法使い「ええ、途中までよ。どうも、魔法使いというのは一人旅には向いてないみたい。魔物を倒す度に魔力を使うし、回復呪文もないし…仲間のありがたさが見に染みたわ」
商人「そうでしょうそうでしょう。で、ここはもう諦めるの?」
魔法使い「何言ってるの、貴方達がいるじゃない。回復呪文が使えて、魔力を使わずに魔物が倒せる…」
商人「え、ええ!?あたしは、ちょっと…」
賢者「おおー、じゃあけんじゃがやるぞ!!」
商人「ええ!?大丈夫なの、賢者ちゃん!?」
賢者「おおー、やってやるぞ!!」
魔法使い「分かったわ。じゃあ賢者、貴方から行ってもらうわね。まずはまっすぐ行って、それから…途中に残してある宝箱は危険で…」
賢者「うんうん、分かったぞ!!」
商人「…まずは?もしかして、あたしもやっぱり行かなきゃいけないのかなあ…」
賢者「よーし、じゃあ行ってくるぞ!!」
魔法使い「行ってらっしゃい、気を付けてね」
商人「無理しないでね?回復ちゃんとするんだよ?」
賢者「わかってるぞ、じゃあな!!」タタタ…
魔法使い「怖いもの知らずね。頼もしいけど、不安もあるわね…」
商人「やっぱり心配だよ…賢者ちゃん、大丈夫だよね?」
魔法使い「無理さえしなければね。あの子はもうリレミトも使えるし、そろそろベホイミだって…」
商人「そっか、じゃあ大丈夫かな…でも…」
魔法使い「心配なのは分かるけど、あの子は私よりずっと時間がかかるはずよ、心配しっぱなしじゃあ持たないわ」
商人「ええ!?なんでそんなに時間かかるの!?」
魔法使い「なんでって、それは…」
賢者「おー、ひつじだひつじだ、おいしそうだぞ!!」ドカバキッ
――まもののむれをやっつけた!!
賢者「よし、おにくだ!!んー、でもさっきのさるも食べおわってないし、こまったぞ…」
「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」
賢者「んー、やっぱりさいしょにたおしたやつからたべるぞ!!まずはかわをはいで…」
「引き返せ!!」「引き返せ!!」
賢者「んー、さっきからうるさいぞ…で、ないぞうをとって…」テキパキ
かえんムカデがあらわれた!!
賢者「おお!?またあたらしいにくだ、食べきれるかなー?」キャッキャッ
商人「ホントに遅いね…夜になっちゃったよ…」
魔法使い「そうね、あの子の事だから、無事だとは思うけど…」
賢者「おーい、かえったぞー!!」
商人「おかえり!!遅いから心配したよ!!」
賢者「んー、ずっとあるいたからつかれたぞ!!」
魔法使い「貴方、リレミト使わなかったの!?脱出用の呪文…」
賢者「お?ああ、忘れてたぞ、キャハハ!!」
魔法使い「…あきれた」
商人「そ、それにしても、たくさんお肉持ってきたね…ってぎゃー!!ムカデ!!」
賢者「へへへ、ムカデにさるにひつじに…ああ、ちっちゃいアクマにキノコもあるぞ!!」
魔法使い「うん、その辺は捨てましょうね?流石にマタンゴは危ないわ…」
賢者「えー…まあいいか、他にもにくはたくさんあるし…あ、あとこれ、おみやげだぞ!!」
なんと ブルーオーブを手に入れた!!
商人「こ、これ…!!賢者ちゃん、これすごいよ!!」
魔法使い「驚いたわね…でもお手柄だわ。これでオーブは半分集まったわね、この調子なら、いずれ…」
魔法使い「それで洞窟はどうだったの?」
賢者「えっとな、かいだん下りたらひろいへやがあって、それから…あ、これもおみやげだぞ!!」
なんと だいちのよろいを手に入れた!!
商人「こ、これもすごい鎧…!あたし達じゃ装備出来ないのが残念だけど…」
賢者「それで…もっと下までおりて…わかれみちをきたに…」
魔法使い「なるほど…頑張ったわね」
商人「でも、オーブとこの鎧を見つけたなら、もうこの洞窟は探索終了だね。良かった、あたし一人で洞窟に行くとか怖いもんね…」
魔法使い「はい、じゃあ最後、商人行ってきなさい」
商人「はいはーい…ええ!?なんで!?」
魔法使い「なんでって…話聞いてた?賢者は地下3階の別れ道の南側は探索しないで来たのよ。貴方、そこ行ってきてくれる?」
商人「えええ~!?も、もう良いんじゃないかな、これだけお宝見つけたら、もう…」
魔法使い「何言ってるの、このままじゃ貴方だけこの洞窟に入らずじまいですもの、仲間外れは悪いわ」
賢者「いってこーい!!」
商人「うう、行かないで済むと思ったのに…」
――地球のへそ、地下3階
商人「…ここまでは無事に来れたけど…早く帰りたいよ…えっと、ここを南に…」
「引き返せ!!」
商人「ひぎゃあっ!?!?な、何?…これ、仮面?石像?な、なんでおどかすの!?」
「引き返した方が良いぞ!!」
商人「ぎゃー!!目が光った!?!!」
「引き返せ!!」「引き返した方が良いぞ!!」「引き返せ!!」「引き返せ!!」
商人「もう、もうやだ…なんでこんなに怖がらせるの!?…あ、ああ!!お、終わりが見えた…あそこで終わりだ…って終わり!?何もないよ…?」
「ここまで来た勇気はほめてやろう。だが…」
商人「え?え?え?」
――ランシールの神殿
商人「でさ!!そいつさ、勇気はほめてやるけど、人の話はちゃんと聞け、だって!!あそこまでおどかして、ひどいと思わない?そもそも人じゃないじゃん!!大体…」
魔法使い「はいはい、分かったわよ」
商人「あー!!ちゃんと聞いてない!!第一、最初に魔法使いちゃんが行けって言うから…!!行っても何も無かったのに…!!」
魔法使い「もう、悪かったわよ!そんなに怖かったとは思わなかったわ。賢者も同じように脅されたの?」
賢者「うーん、なにかいわれたきがするけど、おぼえてないぞ!!」
商人「ええー…」
魔法使い レベル36「…まあ、どちらが良いかは良し悪しね。とにかく、オーブは手に入ったし、それぞれレベルも上がったし、成果は上々ね」
賢者 レベル15「あがったぞー!!」
商人 レベル17「確かに、レベルはあがったけど…」
魔法使い「でしょう?さあ、目的は果たしたし、次に向けて今日はもう休みましょう」
賢者「やどやだ!!ごはんだ!!」
商人「むー、強引にまとめられた…」
――100日目、夜、旅人の宿屋
商人「今日は、なんと100日目!!」
魔法使い「思えば長かったわね…」
商人「そうかなあ?あたし3年くらい旅してた気がするよ!」
魔法使い「それは流石に言い過ぎね…」
商人「でさ!今日はせっかくの100日記念日なのに、何もしないで終わっちゃうんだけど!!」
魔法使い「え?何かしたかったの?なら早く言ってくれれば良かったのに、移動して終わっちゃったじゃない」
商人「むー…まあいいや、これからもきっと記念日はあるよね!」
魔法使い「そうね。その時は何か美味しいものでも食べましょう」
賢者「おいしいもの!?」ガバッ
魔法使い「あら、起こしてしまったわね」
商人「そだね。じゃあ二人とも、あと皆さん、これからもよろしくお願いします!!」
賢者「おねがいするぞ!!おいしいものを!!」
魔法使い「…皆さんって誰?」
――101日目、アープの塔
商人「で、今日はアープの塔にリベンジだね!」
魔法使い「そうね、前に断念した時と比べてレベルも上がったし、大丈夫なはずよ」
賢者「きょうはとうか?けんじゃはとう、すきだぞ!!」
商人「そっかー、やっぱり塔に住んでた賢者ちゃんは塔が好きなんだね」
魔法使い「それはいいけど…張り切りすぎて無茶しないのよ。以前魔物が手強くて撤退したんだから、慎重に…」
賢者「おおー、かいだんだ!!4つもあるな、これに上るぞ!!」ダダダ…
商人「ああ、言ってるそばから!!」
魔法使い「…仕方ないわね。商人、お目付け役頼むわよ」
商人「う、うん!賢者ちゃん、待ってー!」タタタ…
魔法使い「ふう…さて、ここには何があるのかしら?オーブがあるといいけど…」
商人「ふう…上がったり下りたり大変だね…」
魔法使い「そうね、でも貴方が大変なのは、階段上り下りする度にあなほりしてるからじゃないの?」
商人「やっぱりそうかな…?でも…」
賢者「おおー、またロープがあるぞ!!」キャッキャッ
商人「ロ、ロープ!?あああ、ガルナの塔の苦い記憶が蘇る…」
魔法使い「今度はあまり揺らさないのよ、賢者?」
賢者「これ、あみだくじみたいだな!!どこいこっかなー?」
商人「話聞いてないよ…」
魔法使い「まあ、ついていくしかないわね。幸い、あの子の行き先に宝箱があるし…」
賢者「おおー、たからだ!!あけるぞ!!」
魔法使い「待って、インパスで…駄目ね、赤いわ」
賢者「えー、つまんないつまんない!!」ユサユサ
商人「あ、賢者ちゃん、ちょっ、待って、あ、あああぁぁぁアアア…!」ピューン
賢者「おおー、おちたおちた!!」キャッキャッ
魔法使い「結局こうなるのね…」
商人「ふう、えらいめに遭ったよ…」
賢者「たのしいなー、ぴゅーん!!だって!!」キャッキャッ
魔法使い「もう、あまり遊ばないのよ…さて、また上まで来たけど、残りの宝箱は1つ…大丈夫、インパス使ったけど青かったわ。賢者、開けて良いわよ」
賢者「おう、あけるぞー!!」パカッ
なんと はくあいリングを手に入れた!!
賢者「なあしょーにん、これなんだ?」
商人「魔法使いちゃん、賢者ちゃん」
魔法使い「何?」
商人「大好き」ギュッ
賢者「ど、どうしたんだしょーにん!?けんじゃを食べるのか!?やだやだ!!」ジタバタ
商人「食べるわけないじゃない、あたし、二人が大好きだもの。でも賢者ちゃん、すぐに人を食べようとしてはダメ。人は食べるものじゃない、愛するものよ」
賢者「しょーにん、なんかへんだぞ!?どうしたんだ!?」ビクビク
商人「変?違うの、変わったんじゃないの、目覚めたのよ。人は愛するために…ああ、魔法使いちゃん、それ取っちゃダメだよ!!」
魔法使い「もう、いつまでやるのかと思ってたら、ちっとも終わらないんだから…」
商人「えへへ、つい…」
魔法使い「それにしても、頂上上まで来て一番のお宝が、この商人を目覚めさせる指輪だけっていうのは期待外れね…」
商人「えーと、一応これ、装備品としても使えるけど…」
賢者「なあなあ、ふたつしたのかいでおたからのにおいがしたぞ」
商人「3階で?でも、確か階段は全部チェックしたし…」
魔法使い「となると…やっぱりあれしかないわね…」
商人「え?魔法使いちゃん、何か心当たりあるの?」
魔法使い「ええ…こういう時はやっぱり、以前と同じ方法を取るべきだと思うの」
商人「同じ?以前っていつ?」
魔法使い「ほら、ガルナの塔でさとりのしょを取った時…」
商人「ま、まさかまたロープから飛び下りるの!?やだよ、それにさっき落ちた時、何もなかったじゃない!!」
魔法使い「ええ、だからあの時と同じように、真ん中辺りから…」
商人「やだやだ!!もう落ちたくない!!ってあれ?いつの間にあたし達ロープの上に…!?あ、賢者ちゃん、押さないで!!あ、ああっ…!」ピューン
賢者「よーし、けんじゃもおちるぞー!!」ピューン
魔法使い「…まあ、結果オーライかしらね。さて、私も…それっ!」ピューン
商人「いたた…もう、賢者ちゃんは…あ、あれ?宝箱だ…」
賢者「ほらほら、あったあった!!」
魔法使い「思ったとおりね。さて、インパスで…うん、全部大丈夫よ」
賢者「よーし、じゃああけるぞ!!」ガチャ
なんと やまびこのふえを手に入れた!!
賢者「お?ふえか?」
商人「こ、これは結構すごいものじゃないかな!?こう、吹いてさ、何かあると山彦が帰ってくるの!!」
魔法使い「何かって何?」
商人「えっと…分からないや、えへへ…」
魔法使い「ある程度分かってるのがかえってもどかしいわね…まあ仕方ないわね、旅を続けているうちに分かる事も…」
賢者「んー、けんじゃどこかでやまびこのふえのこときいたきがするぞ?たしか、ちいさなむらで…」
商人「あ、そうだよ!!確かランシールで、イエローオーブはやまびこのふえを使っても探すのが難しいって…!」
魔法使い「確かに言ってたわね!となると、やまびこのふえはオーブを探すための物、と考えるべきでしょうね」
商人「これを町やダンジョンで拭いて、山彦が返ってきたらそこにオーブがあるって事だよね?これでオーブ探しが楽になるね!!」
魔法使い「ええ。これから行く町、行く洞窟で、これを吹いてみましょう。伝説の不死鳥の復活も、夢物語ではなくなってきたわね!」
――102日目、おろちの洞窟
商人「祝・1000日突破記念!!第3回ドキドキ☆あなほり大会inおろちの洞窟~!!」
賢者「おおー!!」パチパチパチパチ
魔法使い「…また唐突に始まったわね…」
商人「と、いうわけで、ここおろちの洞窟の地下1階と地下2階でそれぞれ150回ずつあなほりしてみたよ!!ではさっそく…結果はこちら!!」
賢者「じゃじゃーん!!」
地下1階:どくがのこな8個
商人「地下1階ではどくがのこなしか出てこなかったよ。数はすごいけど…」
魔法使い「これだけでしばらくはどくがのこな買わなくて済むわね」
商人「そして次は地下2階!!結果はこちら!!」
地下2階:どくがのこな5個、ちからのたね2個、ぬののふく2個、せかいじゅのは2個
商人「どう?このあなほり名人芸は!!」ドヤドヤッ
賢者「おおー!!すごいぞ!!」パチパチパチパチ
商人「結論!!あなほり最高!!商人最高!!商人をパーティーに!!以上、第3回あなほり大会でしたー!!」
魔法使い「最後の一言が言いたかっただけね?」
――103日目、アッサラーム
商人「祝・100日突破記念!!第4回ドキドキ☆あなほり大会inアッサラーム・夜~!!」
魔法使い「まだやるの!?」
商人「だってだって、あたし昨日1000日突破記念って言っちゃったんだもん!!突っ込まれる前にやり直したいの!!」
魔法使い「誰の突っ込みを恐れてるの…?」
商人「とにかく、今回は夜のアッサラーム周辺で200回あなほりしてみたよ!!では結果はこちら!!」
賢者「じゃじゃーん!!」
全財産の半額ゴールド(2236G)1回ラックのたね:1個 ちからのたね:1個 どくけしそう:1個
商人「………」
魔法使い「ま、まあ、調子悪い時もあるわよ…」
賢者「そーだぞ、きにするな!!」バンバン
商人「ありがとう…でもね、ちょっと分かった。たねとかきのみだけ集めようとしても、なかなか集まらないんだ。でもね、前回みたいに、ついでだったり、他にも欲しいものがあったりすると、あなほりってとっても効率がいいなって思ったの」
魔法使い「まあ、とってもかはともかく、使いどころを押さえて使いたいって事ね」
商人「そうそう、そういう事!!そんなわけで、皆さんも良いあなほりライフを!!あとパーティーに商人を!!」
魔法使い「だから皆さんって誰…?」
商人「あなほりの結果は冴えなかったけど…突っ込み回避出来たからよし!!」ドヤッ
魔法使い「うん、それはいいけど、その突っ込み回避のためにかなり予定変更になったんだけど…」
賢者「ここからどこにいくんだ?」
商人「その件につきましては大変申し訳なく…でも!あたしだって、何も考えないでここまで来たわけじゃないよ!!」
魔法使い「あら、なら何か他の目的があるの?」
商人「あのね、あたし前に商人仲間から聞いたんだけど、ここから西にあるピラミッドの地下にね、すっごいお宝があるんだって!!」
賢者「おたから?おいしいものか?」
商人「いや、多分食べられないと思うけど…」
魔法使い「お宝、か…もしかして、オーブが…?」
商人「そうそう、もしかしてそうかな?って!ほら、やまびこのふえも手に入ったし、行ってみる価値はあるんじゃないかな?」
魔法使い「そうね、確かにピラミッドの地下はほとんど調べてないし…じゃあ行ってみる?」
商人「うん、行ってみよー!!」
賢者「みよー!!」
――104日目、ピラミッド
魔法使い「ピラミッドか…苦い思い出があるわね」
商人「あたし達が全滅した所だよね…でも!あたし達、あの頃とは違うよ!!」
魔法使い「もちろんよ、あれから成長したし、それに賢者もいるし」
賢者「いるぞー!!」キャッキャッ
魔法使い「…とはいえ、地下に行くのよね?確かピラミッドの地下は呪文が使えなかったはず…多分、戦闘は二人に頼りっきりになるわよ」
商人「だいじょーぶ、魔法使いちゃんは弾除けになってさえくれれば!!」
魔法使い「それはそれで嫌ね…まあいいわ、とりあえず貴方にやいばのブーメラン渡しておくわね、力の強い方が使った方がいいでしょうし」
商人「ありがとう!じゃあ行こっか、賢者ちゃん、準備はいい?」
賢者「いつでもいいぞー!!」
商人「よーし、じゃあピラミッド地下探検にしゅぱーつ!!」
魔法使い「さて、地下へ来たわね…やっぱり呪文は使えないか…」
商人「うう…あたしのあなほりも使えない…」
賢者「とーぞくのはなもつかえないぞ…」
魔法使い「でも、笛は吹けるはずよ。商人、やまびこのふえを吹いてみて」
商人「うん、吹いてみるよ」ペッポッパッポー…
賢者「なにもおきないぞ」
魔法使い「外れかしらね…まあ仕方ないわ」
商人「ううん、ちょっと待って。ほら、あそこ、なんか怪しくない?」
賢者「あ!なにかありそうだな、いってみるぞ!!」タタタ…
魔法使い「ずいぶんあからさまに怪しいけど…」
賢者「おーい、かいだんがかくれてたぞ!!もっとしたに下りれるぞ!!」
商人「やった!!まだ可能性アリだね!!」
魔法使い「オーブなのか、それとも別の何かか…確かめてみるしかないわね」
商人「うん、行ってみよー!!ドキドキするね!!」
魔法使い「階段を下りたら、まるで祭壇みたいね…それともお墓…?」
商人「どうだろう?どっちにしても、何かありそうな雰囲気!ああ、ドキドキのワクワクだよ…!」
賢者「おお?なんかおっきなはこがあるぞ!!」
魔法使い「これは…柩かしら?ずいぶん古いもののようだけど…」
商人「じゃあやっぱりここはお墓なんだね…どうしようかな」
魔法使い「そうね、お墓となると、勝手に荒らすのもね…でも、もしオーブなら、見逃す訳にもいかないし…商人、またやまびこのふえを吹いてみてくれる?」
商人「オッケー!!ちょっと待ってて…」
賢者「んー、よいしょっと!!」パカッ
魔法使い「ちょっと、賢者!?開けちゃったの!?」
賢者「おおー!!ほら、ピカピカだぞ!!」
商人「こ、これはおうごんのつめ!?すごい、オーブではなかったけど、すごいお宝が…」
…おうごんのつめを奪う者に災いあれ…!
商人「あ、あれ?魔法使いちゃん、何か言った?」
魔法使い「何も言ってないわよ。これはもしかしてまずい事に…」
あやしいかげがあらわれた!!マミーがあらわれた!!
商人「モ、モンスター!?いきなり…!?」
魔法使い「ほら、驚いてないで戦うわよ!!それっ!」ザクッ
賢者「そりゃあっ!!」ピシャッ
まもののむれをやっつけた!!
商人「ふう、びっくりしたよ…」
あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!
商人「え!?ま、またモンスター!?」
あやしいかげがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!
魔法使い「また出たわ!次から次へと…!」
ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!
賢者「うう、みんなおいしくなさそうだぞ…」
マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!
商人「こ、これもしかしてまずいかな!?ど、どうしよう!?」
あやしいかげがあらわれた!!
魔法使い「多分その爪を持ち出したのがいけなかったのよ。返してみたら?」
マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!
商人「や、やだよ、こんなすごいお宝…」
マミーがあらわれた!!
魔法使い「じゃあ仕方ないわ。このまま抜け出すしかないわ」
ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!
商人「そ、そんな~!」
マミーがあらわれた!!
魔法使い「あら、レベル上がったじゃない」
だいおうガマがあらわれた!!
商人 レベル19「ええ!?今!?喜んでる余裕ないよ…」
ミイラおとこがあらわれた!!
賢者 レベル17「けんじゃもレベルが上がったぞ!!」
ミイラおとこがあらわれた!!あやしいかげがあらわれた!!
魔法使い「やったわね。きたかいがあったわね」
商人「ふう…やっと外に出れた…もうへとへとだよ…二人はすごいね、あたしはレベルアップの感動も吹っ飛んじゃった…」
魔法使い「何言ってるの、貴方今持ち出したものを思い出してみなさい」
商人「え…?あ、そうだ、おうごんのつめ!!やった、おうごんのつめが手に入ったよ、やったやった!!」ピョンピヨン
魔法使い「全く、ゲンキンね…」
賢者「ううー、けんじゃはおなかすいたぞ…」
魔法使い「ああ、ごめんなさい。じゃあこれからイシスに行きましょう。イシスにもおいしいものがあるわよ、カニとか…」
賢者「おお!?行く行く!!」
魔法使い「せっかくここまで来たし、イシスでもやまびこのふえを試してみたいしね。商人、いつまではしゃいでるの?行くわよ」
商人「え?あ、はいはい、行きます!!」
魔法使い「全く…でも、ピラミッドの外まで魔物があの調子で出なくて良かったわ。さすがにあのままじゃ疲れてしまうものね…」
――イシス
商人「うーん、町でもお城でも、やまびこのふえに反応はなかったね…」
魔法使い「ここにはオーブはないみたいね…残念だけど仕方ないわ。今までが少し順調過ぎたのかもね」
商人「あっという間に半分の3つが手に入ったもんね。もう3つはそう簡単にはいかないかなあ…」
賢者「おーい、ふたりはカニ、食べないのか?おいしいぞ!!」ムシャムシャ
魔法使い「はいはい、今行くわよ」
商人「うん、とりあえずはじごくのハサミでも食べて気分一新しよっか!…でも、これからどうしよう?」
魔法使い「そうね、アッサラームに来る前に予定してた、アープの塔よりさらに南の探索に行きましょう。まだあの大陸、調べてない所が多いはずよ」
商人「ああ、そうだね!じゃあ明日からはまたあっちに行くようだね…それにしても、カニおいしいね、賢者ちゃん!!」
賢者「おお!!おいしいぞ!!」ムシャムシャ
魔法使い「二人とも、明日からはまた冒険だから、たくさん食べるのよ。今日も大変だったけど、やっぱり未知の世界を行くのはもっともっと大変だから…」
――105日目
商人「あれからルーラでジパングに移動して、そこから西、大陸が見えたら南に向かって来てるけど…」
賢者「なにもないなー」
魔法使い「そうね、山と岩山しか見えないわね…でも、確かこの岩山の向こうがサマンオサだったはずよ」
商人「ああ、この辺なんだ!旅の扉で来たからどの辺かよく分からなかったんだよね」
賢者「サマンオサ?あのお城に入れなかったとこか?」
商人「そうそう。そういえば、あの国も大変そうだったよね。そのうちまた行ってみないとね」
魔法使い「そうね、ほったらかしには出来ないわね…」
賢者「お?なあなあ、むこうになにか見えるぞ!たてものだ!!」
商人あ、ホントだ!おっきな家!」
魔法使い「ここから上陸すると少し歩くようね…東側の海岸から上陸して行きましょう」
――海賊のすみか、夜
男性「ここは海賊達のすみか。近寄らない方がいいですよ」
商人「ひえ~、海賊だってよ魔法使いちゃん!」
魔法使い「海賊…厄介事は避けたいけど…」
賢者「おおー!!かいぞくか!!すごいな、おやぶんとどっちがつよいのかな?」タタタ…
商人「あ、賢者ちゃん、待って!」
魔法使い「行ってしまったわね。一人にしてはおけないし、私達も行かないと…」
商人「うう、いきなり捕まえられて売られたりしないよね?特に、あたしくらいきゅーとになると…」
魔法使い「はいはい、行くわよ」
商人「もうちょっと真剣に聞いてよ!?」
海賊A「なんだお前ら?ああ、お前らか、魔王を倒す旅をしてるってのは」
商人「魔王を倒す旅!?」
魔法使い「驚いた…私達、そんなに有名なの?」
海賊A「俺たちは7つの海を股にかける海賊だ、お前らの話は聞いてる。お前らなら歓迎するぜ!」
商人「ど、どうも…」
魔法使い「それなら…私達、オーブを探しているんだけど、知らないかしら?色は違うかもしれないけど、こういう…宝玉なんだけれど」
海賊A「オーブ?さて…おい、知ってるか?」
海賊B「ああ、確か前に盗んで来た奴に、そんなのがあったな。どこにしまったか…」
商人「ホントに!?」
魔法使い「ここで見つかるなんて、運が良いわね」
海賊B「ああ、ただどこにしまったかは分からないぜ。大した価値も無さそうだし、魔王を倒そうってお前達にならくれてやってもいいが、自分達で探してくれよ?」
商人「分かった!おじさん達、ありがとう!!」
商人「ふふ、おじさん達ったら物の価値が分からないんだから!」
魔法使い「それはそうと…賢者はどこ?」
商人「あ!ど、どうしよう…すみません、あの、小さな女の子見ませんでした?」
海賊C「ああ、あのお嬢ちゃんならここだ」
商人「良かった、はぐれなくて…じゃあ失礼して…」
海賊C「ああ、ちなみにここは俺らのお頭の部屋だ。粗相のないようにな」
商人「お、お頭!?」
魔法使い「参ったわね、賢者は粗相の塊よ。何もしてなければいいけど…」ガチャ
お頭「はっはっは、なかなかハッキリ言うじゃないか、気に入ったよ」
賢者「おおー、けんじゃもおかしらがきにいったぞ!!」
商人「けけけけんじゃちゃん!?」
お頭「なんだいあんた達は?ああ、この子の連れだね?なかなか面白いじゃないか、あたしの小さい頃みたいだよ」
魔法使い「…ごめんなさい。色々と驚き過ぎて、何から聞いていいか…」
お頭「はは、そうだろうね。まずあたしがこの海賊達のお頭だ。女のお頭はおかしいかい?」
魔法使い「まあ、正直意外だったわね…」
お頭「はは、あんた達がそれを言うのかい?魔王を倒そうって連中が女だらけのパーティーだって聞いたときは、あたしの方が驚いたけどね」
魔法使い「まあそうでしょうね…」
賢者「でも、けんじゃたちはつよいぞ!!」
お頭「でも、本気なのかい?あの魔王を倒そうだなんてさ」
商人「え、えーと、それは、なんていうか…」
賢者「たおすぞ!!ぜんぶ、ぜーんぶ!!」キャッキャッ
お頭「はは、威勢がいいね。なら…もし魔王を倒せたら、またここに来な。あたしらはいつでもあんたらを歓迎するからさ。ああ、あたしらは夜しかいないからね、会いたいなら夜に来てくれ」
魔法使い「ありがとう。また来るわ」
お頭「あ、そうだ!あんた達、ルザミって知ってるかい?」
商人「ルザミ?えっと、確かまだ言ったことないけど…」
お頭「なら行ってみるといいよ。ここから南に行って、ちょっと西さ」
魔法使い「何から何まで…ありがとう」
お頭「なあに、お安いご用さ。気を付けてな」
賢者「おー!!おかしらもきをつけてな!!」
お頭「はは、ありがとう。それじゃな」
商人「あんなに若い女の子が海賊のお頭なんだ…でも、いい人で良かった…」
魔法使い「そうね、きっと賢者のおかげね」
賢者「そーか?おかしらはやさしいものだぞ!!おやぶんもやさしかったし!!」
商人「そっか…」
魔法使い「さて、後はオーブだけど…商人、一応笛を吹いてみてくれる?疑う訳じゃないけど、あの様子だと…」
商人「うん、どこにあるか分からないなんてね。じゃあ吹いてみるよ…」ペッポッパッポー
ペッポッパッポー ポッパッポー ポッパッポー…
賢者「やまびこだな!!」
魔法使い「ええ、ここにあるのは間違いないようね」
商人「でも、どこだろう?中は怪しい場所なかったよね?」
魔法使い「となると、外かしらね…ちょっとでてみましょうか」
商人「…外も、これといって怪しい場所は…」
魔法使い「待って。あの岩…少し不自然じゃない?こんな所にあんな大きな岩…」
商人「あ、怪しい!じゃあ押してみようよ、せーのっ!」
魔法使い「それっ!」グググ…ゴロッ!
商人「う、動いた!!」ゼーハー
賢者「お?このした、なにかあるぞ!!」
魔法使い「…階段!やったわね、じゃあ下りてみましょう」
商人「うん!!…あ、宝箱が並んでる!!」
賢者「あけるぞ!!それっ!」パカッ
なんと ヘビメタリングを手に入れた!!
魔法使い「またずいぶん個性的なリングね…商人、見てくれる?」
商人「見る?あたしに頼んでるの?」
魔法使い「?そうよ、お願い…」
商人「はん、お願いされてもね…あたし達は、しょせん最後は一人…馴れ合いなんてごめんだよ」
賢者「しょーにん、どうしたんだ?」
商人「心配したふりされてもね。結局、最後はみんな自分が可愛くなって…ああ!待って魔法使いちゃん、もう少し、もう少し!!」
魔法使い「待ってられないわよ、全く、オーブが目前にあるかもしれないって時に、だらだらしないの」
商人「えへへ、つい…」
賢者「じゃあつぎあけていいか?」
魔法使い「いいわよ、どうぞ。」
賢者「じゃああけるぞ!!」ガチャ
なんと レッドオーブを手に入れた!!
商人「お、オーブだ!!オーブだよ!!」
魔法使い「やったわね!でも一応、海賊達にことわっていかないと…」
商人「そうだね…大丈夫だよね?気がかわったりしてないよね?」
魔法使い「きっと大丈夫よ、きっと…ああ、いたわねさっきの人。ごめんなさい、オーブを見つけたんだけれど…」
海賊B「それは…!どこで見つけたんだ?まあいい、約束通りお前達にやるよ」
商人「やった!!おじさん、ありがとう!!」
海賊B「ああ、魔王退治、頑張れよ」
賢者「おー!!がんばるぞ!!」
商人「あはは、それじゃあ…はあ、成り行きとはいえ、魔王退治する事になっちゃったね…」
魔法使い「正直、まだまだ魔王には遠い気はするけど…どうなるかしらね?」
商人「で、これからどうするの?このまま東海岸を北上するの?それともお頭が教えてくれたルザミに行ってみる?」
魔法使い「そうね…最初は北上する予定だったけど、せっかく教えてもらったんだし、ルザミに行ってみる?」
賢者「けんじゃはおかしらのいうとおりにしたいぞ!!」
商人「そだね、ここから~って教えてもらったんだし、他から行こうとしても行き方分からなくなっちゃいそうだし」
魔法使い「じゃあ次の行き先はルザミね。さっそく出発しましょう。準備はいい?」
商人「もっちろん!!ね、賢者ちゃん?」
賢者「おー!!ルザミに行くぞ!!」
――106日目
魔法使い「朝になってしまったけど…ルザミ、見えないわね…」
商人「もしかして、行き方間違えちゃったかなあ?」
魔法使い「そうね…南に行ってちょっと西、って考えてみればアバウトな説明だったわね…」
商人「そして、頼みの綱の賢者ちゃんは…」
賢者「くー…くー…」zzz…
魔法使い「まあ仕方ないわね…」
商人「うん…でも、ルザミが見つからないのは良いとして、どこまで進んでみるの?このままだと、どこに行くか…」
魔法使い「…待って。商人、あれ、陸じゃないかしら?」
商人「あ、ホントだ!!…あれ、なんか見覚えが…」
魔法使い「ここは…確か、エジンベアを出てから西に向かった時、ここに来たわね」
商人「て事は…ぐるっと回って大陸の北端に来ちゃったんだ!?」
魔法使い「やっぱりルザミには行けなかったけど…でもちょうど良いわ、このまま南下して東海岸を進んでみましょう」
商人「うん…あ、魔法使いちゃん、あそこ、ちょっと拓けてる所があるよ!!」
魔法使い「本当ね、何かあるのかしら…行ってみましょう」
商人「拓けてはいるけど…何もないね…あ、家が一軒あるよ!」
賢者「おー、じーちゃんがいるぞ!!」
老人「おお、旅人か、よく来た」
魔法使い「こんにちは。こんな所で何を?」
老人「私、ここに町作ろう思てる。でも、商人いないと町作れない。貴方、ここ残って欲しい。一緒に町作って欲しい」
商人「え!?あ、あたし!?」
魔法使い「それは、流石に突然ね…」
老人「確かに突然。それは申し訳無い。ただ、考えて欲しい。私待ってる」
商人「そ、そんな事言われても…」
魔法使い「…まあ、どちらにしろ今すぐは無理でしょう?待ってると言ってるし、少し考えてみたら?」
商人「ええ!?魔法使いちゃん、あたしが抜けていいの!?」
賢者「けんじゃはいやだぞ!!ずっといっしょだ!!」
魔法使い「私だって困るわよ。ただ、貴方が頼まれた以上、決めるのは貴方よ。だから…少し落ち着きなさい、ね?」
商人「あ…うん、ごめん…」
魔法使い「いいのよ…ご老人、そういう訳なので、今すぐという訳にはいきません。またそのうち、彼女の意志を伝えに来ますから…」
魔法使い「さて、と…じゃあまた南へ向かうわよ」
商人「………」
魔法使い「商人?」
商人「え?あ、ううん、ちょっと考え事してただけだから…」
魔法使い「…さっきは悪かったわ。私も配慮が足りなかったわね」
商人「ううん、いいんだ。そうじゃなくて…あのおじいさん、誰か商人が来るまでずっとあそこでああしてるのかな?」
魔法使い「…そうね…諦めない限りは…」
商人「だよね…少し、かわいそうっていうか…」
魔法使い「まあ、貴方の事だからそう考えると思ってたわ。ただ、貴方の気持ちも分かるけど、まずは貴方がどうしたいかよ。分かるわね?」
商人「うん、分かってるよ…」
賢者「なあなあ、あのじーちゃん、ごはんどうしてるんだ?あそこじゃたべもの、あんまりなさそうだぞ」
魔法使い「さあ…どうなのかしらね…?」
商人「ふふ、賢者ちゃんはいつも変わらないね…うん!あたしも元気出して行こう!!」
賢者「お?げんきになったな!おなかすいたのか?」
商人「あはは、そうかも。だからさ魔法使いちゃん、早く町を見つけて、おいしいもの食べようよ!!ね、ね?」
魔法使い「さて、じゃあ南下を続けるわよ」
商人「町があるといいねー!」
魔法使い「そうね…川があるけど…」
賢者「このかわいきたい!!いきたい!!」
商人「そだね、川があるなら上流に町があったりするかも…」
魔法使い「このままやみくもに突き進んでも仕方ないし、この川を遡ってみましょうか」
商人「うん!…結構複雑にいりくんでるね…」
賢者「めいろみたいだぞ!!」キャッキャッ
魔法使い「橋があるわね。橋があるって事は、近くに…あ、ほら、何か見えない?」
賢者「おおー!!うちがあるぞ!!」
商人「ホントだ!!町っていうより村かな?とにかく行ってみよー!!」
――107日目
村人「よく来た。ここスーの村」
魔法使い「スー、か…のどかな村ね…商人?」
商人「ここの人達…あのおじいさんと同じしゃべり方だね…」
魔法使い「ああ、そういえば…」
村人「あのおじいさん?それはここから東の草原にいた男か?」
商人「そ、そうです!やっぱりこの村の人だったんだ…」
村人「そこはまだ草原のままか?町は出来てなかったか?」
賢者「うちがいっけんあっただけだぞ!!」
村人「そうか…やはり…」
商人「……」
魔法使い「…さ、村を見て回りましょ?」
賢者「むらみつかったし、おいしいもの食べるぞ!!」
商人「うん、そうだね…」
魔法使い「村を回ってみたけど、何か真新しい情報あった?」
商人「うーん…古い情報がちらほら…かわきのつぼの事とか、やまびこのふえの事とか…」
魔法使い「もっと早くこの村を見つけてたら、色々冒険が楽になってたのかもしれないわね…」
商人「そうかもね…ねえ、魔法使いちゃん、あたしなんだか疲れちゃった。まだ朝早いけど、今日はお休みじゃダメかな?」
魔法使い「そうね…実は六日前を最後に宿に泊まってないし、早く休むのもいいかもね」
商人「ありがと…さーて!!賢者ちゃんも言ってたけど、おいしいもの食べなきゃね!!この村は何があるかなー?」
賢者「おーい、ここにおいしいものあるぞ!!アカイライの手羽先!!」
商人「ホント?今行く、待ってて!」タタタ…
魔法使い「ふう…こっちまで悩ましくなってくるわ…私もおいしいものを食べようかな…」
――夜
賢者「くー…くー…」
商人「魔法使いちゃん、起きてる?魔法使いちゃん?」
魔法使い「…何?」
商人「ごめんね、いろいろと。気を使わせてるでしょ?」
魔法使い「…まあ、正直に言えばね…」
商人「あはは、ホントに正直だ。ごめんね、明日からはちゃんとやるから」
魔法使い「そうしてもらえると助かるけど…別に考えることは悪いことじゃないわよ」
商人「うん、考えないって訳じゃなくて、もっとこう、前向きにっていうかさ。あんまりウジウジしてると、あたしのきゅーとさが台無しだからね!!」
魔法使い「きゅーとさ、ねえ…素手でごうけつぐまにでも勝てそうな貴方がきゅーとねえ…」
商人「ええ!?あたし、そんなこと…」
魔法使い「出来ないの?」
商人「………多分、出来るけど…」
魔法使い「でしょうね」クスクス
商人「もう!!真面目な話してたのに!!」
魔法使い「真面目な話?きゅーとさがどうとか言ってたような…」
商人「だから、真面目な話じゃない。きゅーとでせくしーだいなまいつなあたし」
魔法使い「ああ、うん、そうね」
商人「あー!!本気にしてないんだ!!大体魔法使いちゃんはいつもいつも…!」
魔法使い「はいはい。じゃあまた明日から頼むわよ、熊殺しのあなほり名人さん?」
商人「違うよ!!きゅーとでせくしーだいなまいつなみんなのヒロイン商人ちゃん!!」
魔法使い「だんだん肩書きが増えてくわね…」
商人「あたしのきゅーとさは成長してるの!」
魔法使い「はいはい、そうね」
商人「むー、また人の話を適当に聞いて…」
――108日目
賢者「おーい、あさだぞ!!おきろー!!」バンバンバン
魔法使い「待って…今……」
商人「うう~、遅くまでおしゃべりさしてたからあたしも今朝はきついよ…」
賢者「きのうもはやくねてきょうはねぼうか?おきろー!!」バンバンバンバン
魔法使い「分かったわよ…やれやれ」
商人「ん~、おはよ…で、今日はどこ行くの…?」
魔法使い「そうね…もう一度、ルザミを目指してみない?もともとはそこを目指してたんだし…」
賢者「おかしらがいってたところだな!!いきたいぞ!!」
商人「うん、いいんじゃないかな。他に情報もないし…」
賢者「ほらいくぞ、したくだ!!ほらほらほら!!」グイグイ
魔法使い「分かったわよ、もう、朝から元気ね…」
商人「よっぽどおかしらが気に入ったんだね。じゃあ早く準備しよっか?」
魔法使い「たまに宿に泊まった時位朝もゆっくりしたいものだけど…やれやれね」
商人「で、北から行くの?それとも南?」
魔法使い「南から行きましょう。まだこの海岸沿いは最後まで行ってないしね」
商人「そいえばそっか。じゃあしゅっぱーつ!!」
賢者「おー!!」
魔法使い「…この川、中々の難所よね。船乗りさん達には頭が下がるわ」
商人「ホントだねー…おお、海が見えた!!」
賢者「またぎょかいるいだな!!」
魔法使い「すぐ食べ物の話になるわね…」
商人「南には何があるかなー?」
魔法使い「さあ、それもすぐにわかるわよ、きっとね…」
続き
[プレイ日記?]アリアハンの魔法使い【4】