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[プレイ日記?]アリアハンの魔法使い【1】
――35日目
魔法使い「今度こそ…ベギラマ!!」ゴオオォ
アニマルゾンビをたおした!!アニマルゾンビをたおした!!
商人「あたしも、新しい武器で…とりゃあ!!」グチャッ
アニマルゾンビをたおした!!
アニマルゾンビをやっつけた!!
魔法使い「うん、これで私は火力不足がなくなったわ。あと、本当にこの着ぐるみ…じゃなくてぬいぐるみすごいのね。今の魔物の攻撃がほとんど効かなかったわ」
商人「でしょ?すごいんだよぬいぐるみって!!でも、あたしの新しい武器もすごいよ、ただ1体にしか攻撃出来ないから、使い分けが必要だけどね」
魔法使い「相手の数で攻撃を使い分けるなんて、魔法使いみたいね。でもこれでハッキリ分かったわ。東行きは大正解、私達は強くなれた」
商人「えへへ、明日からの冒険が楽しみだね!!」
――36日目
武器防具屋「てつのよろいだね?毎度あり!」
商人「よし、これであたしも魔法使いちゃんと守備力同じくらいになったよ!」
魔法使い「貴方が先頭に立つんだもの、守備力は上げとかないとね」
商人「これで準備万端!!…で、今日はどこに行くの?」
魔法使い「言わなかったかしら?今日は、エルフの隠れ里の近くにあった洞窟まで行ってみようと思ってたの」
商人「あ~あったね!あからさまに怪しげな洞窟が!!」
魔法使い「ええ、誰もあの洞窟には触れてなかったけど、あそこまで近くにあるんだから、きっと何かあるはずよ。もしかしたら、駆け落ちした2人が潜んでたり…」
商人「洞窟の中で?でも、入ってみたら意外と悪くない住み心地だったりするのかなあ、あの洞窟?」
魔法使い「それは行ってみなければ分からないわ、ただの推測だし…」
商人「行ってみれば分かる、か。結局いつも通りだね」
魔法使い「そういうことね。さて、以前より強くなったとはいえ、今回も未知の洞窟。気を抜かないで行きましょう」
――
商人「ふう~。パワーアップしたとはいえ、ノアニール辺りのモンスターは強いね」
魔法使い「そうね…意気揚々と出発したはいいけど、この辺より強い魔物が出てくるとなると、あまり長くはいられないかも…」
商人「うーん、せっかく来たからには何か手掛かりとか欲しいよね…あ、魔法使いちゃん、あの洞窟だよね?」
魔法使い「そうみたいね。じゃあ行って…」
商人「待って魔法使いちゃん、あたしあなほりしなきゃ!」
魔法使い「ああ…本当に熱心ね…」
商人「それはもう…あ、いいの見つけた、魔法使いちゃん、はいこれ、使って良いよ、すばやさのたね!」
魔法使い「これは…素早さが上がるの?」
商人「そうだよ、さあさあ、ダンジョン前のパワーアップ!!」
魔法使い「ええ、じゃあいただくわね」
――ノアニール西の洞窟
商人「ちょっと寒いね…魔法使いちゃん、やっぱりここに人は住みづらいんじゃないかな?」
魔法使い「そうね…でも、そんなに寒いかしら?」
商人「…魔法使いちゃんは、全身すっぽりぬいぐるみだもんね…」
魔法使い「これ、防御力だけじゃなくて防寒もすごいわね…」
商人「うう、もう1着出るまであなほりすれば良かったかなぁ?でも、さすがにあれ以上は…」
魔法使い「待って、あれ…何かない?」
商人「え?あ、宝箱!!やった!!」
魔法使い「開けてみて…どう?」
288ゴールドをてにいれた!!
商人「お金かあ…お金は、あたしががっぽり稼げるから、別のが良かったけど…」
魔法使い「まあいいじゃない。洞窟から出たら、使い道を考えましょう」
商人「でも、お金がほったらかしかあ…やっぱりここには人が居ないのかなあ?」
魔法使い「まだ決めつけるには早いわ。奥に進んでみましょう」
商人「うん、そうだね。見たこともないようなお宝があるかもしれないし!」
魔法使い「あるいは、道半ばで果てた旅人の亡骸が…」
商人「もう、脅かさないでよ!!…って、きゃー!!」
魔法使い「な、何よいまさら驚いて…あ、魔物ね!?」
マタンゴがあらわれた!!バリイドドッグがあらわれた!!
商人「3と3で6匹!?いきなり多すぎるよ~!」
魔法使い「最初っから試練ね…やるしかないわ!」
商人「えーと、えーと、じゃあ、キノコの方を、チェーンクロスで…えいっ!!」ピシャッ
マタンゴをたおした!!
魔法使い「私が犬ね…ベギラマ!!」ゴオオォ
バリイドドッグをたおした!!バリイドドッグをたおした!!
商人「何体かのこっちゃ…」
マタンゴはあまいいきをはいた!!商人は眠ってしまった!!
魔法使い「商人!?起きて…」
バリイドドッグはルカナンをとなえた!!マタンゴのこうげき!!
魔法使い「商人!大丈夫なの!?」
商人「んー、せんごーるど…」ムニャムニャ
魔法使い「大丈夫、なのよね…?」
商人「んにゃ!!寝てたあ!!…って身体中痛いよ!?」
魔法使い「貴方、寝てる間に攻撃…」
マタンゴのこうげき!!商人はねむってしまった!!
商人「それ…たかいよ…」ムニャムニャ
魔法使い「また寝たの!?仕方ないわ…イオ!!」ドカーン
マタンゴをたおした!!マタンゴをたおした!!バリイドドッグをたおした!!
魔法使い「ふう、なんとかなったわね…ほら、商人、起きなさい」
商人「あれ…?魔法使いちゃん、あたし儲かった…?」
魔法使い「…魔物退治分ね。ほら、やくそう使って。まだまだ先は長いわよ」
商人「でも、あのモンスター達、強かったね!攻撃力もだけど、守備力下げる魔法に、眠らせる攻撃…」
魔法使い「ええ、このレベルの魔物がたくさん出てくるようだと、引き返すタイミングを間違えたら大変ね」
商人「でも、魔法使いちゃんさえ生きてれば、いつでも魔法で地上まで戻れるんだよね?」
魔法使い「生きてれば、ね。貴方、私がいつも貴方より先に死んでるの覚えてるわよね?」
商人「うん、そうだけど…」
魔法使い「もちろん、死ぬ気はないわよ。そのためにいろいろ準備してきた訳だし…」
商人「そ、そうだよね。分かってる…ああっ!!」
バンパイアがあらわれた!!マタンゴがあらわれた!!
魔法使い「今度は5匹か…この洞窟、魔物の数が多いのかしら…?」
商人「あの黒い…吸血鬼?初めてみるね」
魔法使い「初めて会うのに吸血鬼だって分かる。それだけ有名だって事は、それだけ強いって事かもしれないわ。気を付けて!」
バンパイアはヒャドをとなえた!!
商人「痛っ!!冷たっ!!ちょ、ちょっと、すごい魔法使ってきたよ!?」
魔法使い「強いわね…!ここは…イオ!!」ドカーン
商人「え、イオ!?あ、そうか、あとはあたしが…それっ!!」ピシャッ
バンパイアをたおした!!バンパイアをたおした!!バンパイアをたおした!!
魔法使い「よし、良いわよ!」
マタンゴのこうげき!!マタンゴのこうげき!!
商人「いった…!でも今度は眠らないよ、魔法使いちゃんは!?」
魔法使い「私も…大丈夫よ。効いたけど…あのキノコもあと一息のはずよ!」
商人「分かってる!!それっ!!」ピシャッ
マタンゴをたおした!!マタンゴをたおした!!
まもののむれをやっつけた!!
魔法使い「…ここの魔物は、攻撃であれ呪文であれ、攻撃力が物凄いわね…」
商人「でも、体力は大したことないよ。短期決戦覚悟で戦えば、何とかなりそうじゃない?」
魔法使い「そうね、魔力もやくそうも出し惜しみせずに行きましょう」
商人「あ、あれ、魔法使いちゃん、あれ、人じゃない!?」
魔法使い「本当ね…まさか亡者の霊じゃ…」
商人「脅かさないでよ…すみませーん!」
神父「おお、このようなところに人が…聖なる泉に来たのですかな?」
魔法使い「聖なる泉?」
神父「この洞窟のどこかに、体力、気力を回復してくれる聖なる泉があるそうです」
商人「へー、すっごい!宿屋要らずだね!!」
神父「しかし、何故このようなところにそんな泉があるのか…私には悲しげな呼び声が聞こえる気がしますぞ」
商人「呼び声…?」
魔法使い「呼び声、か…神父様、情報ありがとうございました」
神父「いや、なに、この洞窟は魔物が強い。道中お気を付けて…」
商人「ありがとうございます!!じゃ、行こ?魔法使いちゃん」
魔法使い「ええ。それにしても…」
商人「…魔法使いちゃん?」
魔法使い「…いえ、何でもないわ。さあ、行きましょう」
商人「あ、また宝箱!!開けちゃうよ!!…せいすいかあ、がっかり…」
魔法使い「本当、この宝箱の大きさはなんなのかしらね?それにしても、ここは魔物が強いわね…」
商人「うん…悔しいけど、もう少ししたら引き返す?」
魔法使い「そうね、このまま進んでまだまだ敵が強くなるようなら…引き返さないとね」
商人「そっかあ、残念だけど仕方ないよね…あ、魔法使いちゃん、分かれ道だよ」
魔法使い「そうね…いつも通り、貴方の勘で行きましょう」
商人「じゃあ…右側!…っと、階段がふたつあるね…今度は左!!」
魔法使い「それじゃ、左の階段を下りるわよ。さあ、何が待っているのか…」
商人「…ねえ、魔法使いちゃん、今何階だっけ?」
魔法使い「下りて下りて上ってだから…地下2階かしら?」
商人「じゃ、あの階段上れば地下1階かあ…」
魔法使い「そうなるわね……ここは…?」
商人「もしかして…最初の分かれ道に戻って来ちゃったの?」
魔法使い「そうみたいね…どうする?」
商人「どう…って?」
魔法使い「ここまで戻って来たなら、ここで引き返すのもありだと思うわ。今なら、まだ引き返すのもむずかしくないし」
商人「うーん…魔法使いちゃん、魔力は?」
魔法使い「私はまだまだ余裕があるわよ
商人「やくそうも、まだたくさんあるよね…うん、もうちょっと進んでみようよ!」
魔法使い「そう、じゃあ行ってみましょう。ここまで結構戦って、魔物の特徴も掴めてきたし…」
商人「うん、これからはもっと上手く戦えるはずだよ!じゃあ行こ?」
魔法使い「ええ、進みましょう」
商人「ひー、ここのモンスター、強いよ~!」
魔法使い「そうね…よく2人とも無事でここまで来られたわね」
商人「やっぱり、あたし達強くなってたんだよ!運も良かったけど…」
魔法使い「運、か…ねえ商人…」
商人「魔法使いちゃん、ちょっと待って、あれ、あれ何かな?」
魔法使い「え?ああ、あの柱に囲まれた…泉かしら?…ってもしかして…!」
商人「やっぱりそうだよね!?神父様の言ってた聖なる泉!!」
魔法使い「ええ…確か、この水が体力を回復してくれるって話だったわよね。飲んでみるわね…」ゴクゴク
商人「だ、大丈夫魔法使いちゃん、お腹壊さない?」
魔法使い「…これは…!商人、貴方も飲んでみて」
商人「だ、大丈夫なの?じゃあ…うわ、冷たい…あ、あ、これって…!!」
魔法使い「ええ、神父様の言う通りだったわ。体力だけじゃなく、魔力まで回復したわ。すごいわね」
商人「ホントだね!!…でも、ホントになんで、こんな所にこんな泉が…?」
魔法使い「そうね…可能性の1つとしては、魔物がもっと奥まで来いと誘ってる、とか」
商人「ええ!?モンスターが!?」
魔法使い「あくまでも可能性の1つよ。そして、もう1つとしては、やっぱり誰かが私達を呼んでいるのかもしれないわ。魔物でない、誰かが…」
商人「だ、誰かって…?」
魔法使い「それはまだ…でも、この件はハッピーエンドでは終わらない気がするわ」
商人「え?え?どういうこと?魔法使いちゃん、何か分かってるの?」
魔法使い「いえ、今までのは全部推測よ。神父様の話を聞いた上でのね。でも、実際には何も分からないわ。だから…やっぱり進むしかないと思うわ」
商人「うう、気になるけど…結局やることは一緒かあ…」
魔法使い「そういうことね。さ、行きましょう、行けばきっと分かるわ、この先に何が待っているのか…」
商人「…魔物、相変わらず強いけど、奥まで来ても更に強く!って事はないみたいだね」
魔法使い「ええ、それでも大変な事には違いないけど…危なくなったら泉まで戻ればいいし…」
商人「あの泉便利だね!!ここの用事が終わっても、またこの洞窟にこない?」
魔法使い「ああ、良いかもしれないわね。回復しながら魔物退治出来るものね」
商人「そうしようよ!!…あ、魔法使いちゃん、下り階段!!」
魔法使い「さて、そろそろこの洞窟の冒険も終わりかしら…?それともまだ…?」
商人「どうだろうね?とにかく行ってみようよ!」
商人「あ、魔法使いちゃん、また宝箱があるよ、開けてみようよ」
魔法使い「また宝箱?さっきからちからのたね、てつのやりときて…今度は何かしら?」
なんとぎんのロザリオをみつけた!!
魔法使い「ロザリオ、か。どのくらいの価値なのかしら?」
商人「魔法使いちゃん、価値なんて関係ないわ、あたしと魔法使いちゃんで見つけた宝物、その思い出こそに価値があるのよ」
魔法使い「…急にどうしたの?」
商人「そう、思い出よ。あの駆け落ちしたっていうエルフのお姫様達も、きっとこの洞窟で2人だけの思い出を作りに来たんだわ。きっとそうよ。素敵よねえ…」
魔法使い「…そのロザリオね?それ、どういうものか鑑定してくれる?」
商人「これ?これはね、身に付けるとロマンチストになるの。このあたしみたいに…って魔法使いちゃん、なんで取るの!?ひどいよ!!」
魔法使い「元に戻ったわね。全く、すぐ装備品に影響されるんだから…」
商人「えへへ、つい…」
魔法使い「何がつい、なんだか…まあいいわ、行きましょう」
商人「あ、待ってよ~!」
魔法使い「あの泉から結構すすんだけど…多分、この階段を下りれば、そろそろ…」
商人「そうだね、それもそうだけど…」
魔法使い「はいはい、貴方は階段の横にある宝箱が気になってるんでしょう?良いわよ、開けても」
商人「えへへ、じゃあ…」
魔法使い「でも、こんな誰もが見つける場所に置いてある宝箱…罠じゃなければいいけど…」
商人「もう、脅かさないでよ!!よいしょっ、と…あ、魔法使いちゃん、見てみて、ドレスだよ!!」
なんとかわのドレスをみつけた!!
魔法使い「ドレスか…ちょっと地味だけど、これでお城とか行くときに着るものに難儀しなくて良くなるわね」
「あはは、今までかめのこうら背負ってお城に行ってたもんね魔法使いちゃん」
魔法使い「今は今で着ぐるみだしね…全く、なんで私は着るものにこんなに苦労してるのかしら…」
商人「いいじゃん、そのお陰で暖かそうだし!じゃあ魔法使いちゃん、宝箱も開けたし、階段下りよ?」
魔法使い「…階段を下りたら地底湖か…」
商人「うう、今までも寒かったけど、ここはもっと寒い…」ガタガタ
魔法使い「我慢して、きっともうすぐよ、この階は今までと雰囲気が違うもの…」
商人「うん、分かる…きっとあの湖の真ん中の小島に…あ、魔法使いちゃん、ほら!!」
魔法使い「宝箱、ね。心なしか、宝箱まで今までのものとは違う気がするわ」
商人「じゃあ、じゃあ、開けてみるよ?いいよね、ね?」
魔法使い「ええ、開けてみて」
商人「えへへ、じゃあ…あ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃん、これって…!!」
なんとゆめみるルビーをみつけた!!
魔法使い「これがエルフの女王様が言ってたエルフの宝ね…」
商人「やった、見つけたね!!でも…駆け落ちした2人はどこだろう…?」
魔法使い「それは…ほら、宝箱の中に書き置きがあったわ」
商人「書き置き?手紙があったんだ。なんて書いてあったの?」
魔法使い「………」
商人「…魔法使いちゃん?」
魔法使い「はい。読んでみるといいわ…」
商人「?じゃあ…うう、手がかじかんで手紙持ちづらい…ええっと…お母さん、先立つ不幸をお許し下さい…?え…?こ、この世で一緒になれないなら…って…え?こ、これって…これって…!」
魔法使い「ええ…きっとこの2人は、この湖に身を投げて…」
商人「そ、そんな…そんな事って…!」
魔法使い「そうね…身を投げなくても…とは思うけど…でも…この2人は…」
商人「そんな…何とか…何とかならないの!?」
魔法使い「…残念だけど…もう、何年も前の話だから…いえ、下手をすると十年以上…」
商人「……あたし達、どうすればいいんだろう?この2人のために出来る事って…」
魔法使い「2人の親御さんに、伝える事でしょうね…もちろん、このルビーも返して…すぐに戻りましょう、良いわね?」
商人「うん…」
魔法使い「はい、地上に着いたわよ。眩しいわね…随分長い間洞窟にいた気がするわ」
商人「やっぱり地上は暖かいね…あの2人は、あんな寒い所で…」
魔法使い「…さあ、エルフの隠れ里に行きましょう、すぐそこよ」
商人「うん…ねえ、魔法使いちゃん…」
魔法使い「大丈夫よ、話は私からするから」
商人「…ごめんね」
魔法使い「いいのよ、私だって、ルビーを渡してこの手紙を見せるだけだもの。じゃあ、行くわよ?」
商人「うん…」
――エルフの隠れ里
女王「また貴方達ですか?人間がこの里をうろつくのは…それは?もしかして…やはり、ゆめみるルビーですか!?どこでそれを?」
魔法使い「ここから南にある洞窟の中で。あと、ルビーと一緒に、この置き手紙が…」
女王「手紙?…これは娘の字…!なんと!2人は地底湖に身を投げたと言うのですか!?ああ!私が2人を許さなかったばっかりに…!」
商人「……」
女王「……分かりました。貴方達に、このめざめのこなをあげましょう。これで、ノアニールの人々も目覚めるはずです…ああ…」
魔法使い「…ありがとう、ございます」
女王「貴方達には礼を言わなければなりませんね。でも…私は人間を好きになったわけではありません。さあ、行きなさい」
商人「女王様、辛そうだったね…隠れ里にいた人間の男の人の方のお父さんも…」
魔法使い「そうね…」
商人「ねえ、魔法使いちゃん。死んでも一緒になりたかった人って、どんな人なんだろう?あたしも、あたし達もいつか、そんな人に会えるのかな?そんな人になれるのかな? 」
魔法使い「……分からないわ、分からないけど…私達には、これからやらなければならない事があるわ」
商人「やらなければ…?あ、ノアニールの町!」
魔法使い「ええ、ハッピーエンドではなかったけど、せめて最後、町を元に戻せば、あの2人も喜ぶはずよ」
商人「そっか、そうだね、自分達のせいで町が呪われてるなんて悲しいもんね…じゃあ行こう、ノアニールに!!」
魔法使い「ええ、早く行きましょうね」
――ノアニールの町
商人「やっと帰って来たね。さあ、早く皆を起こしてあげようよ」
魔法使い「ええ、でもこのめざめのこな、どう使えばいいのかしら?」
商人「うーん、一人一人にパパッとかけてあげるとか?」
魔法使い「そうなのかしら…?…あ、風が…」
商人「風が吹いてきたね。これじゃあ粉が吹き飛んじゃう」
魔法使い「いえ、もしかしたら…商人、めざめのこなの袋、開けてみて!」
商人「え?分かった、でも飛ばされちゃわないかなあ…?あ、やっぱり飛んじゃうよ、魔法使いちゃん!」
魔法使い「いえ、見て…飛ばされてるんじゃなくて、風と一緒に舞い上がってるのよ!」
商人「え?あ、ホントだ、舞い上がって、町中に、雪みたいに…」
町民「ふあ…あ…」
商人「ま、魔法使いちゃん!?」
魔法使い「ええ、呪いが解ける…みんな目覚めるわよ!」
ワイワイ、ガヤガヤ…
魔法使い「あんなに静かだったのに、あっという間に賑やかになってきたわね」
商人「うんうん、町はこうでなくっちゃ!!」
老人「おお、もしや貴方方が!?どこのどなたか存じませんが、礼の言葉もありませんですじゃ!」
商人「あ、町で唯一起きてたおじいちゃんだ。いえいえ、とーぜんの事をしたまでです!」
魔法使い「当然というか、成り行きね」
老人「本当に世話になって…そうじゃ、これを受け取って下され
ブーメランをてにいれた!!
商人「わ、これすごくいいものだよ!ありがとう、おじいちゃん!!」
魔法使い「本当に…かえって悪かったのでは…」
老人「いやいや、貴方方は我々の救世主、これくらいは当然ですじゃ」
商人「救世主!?照れるなあ…」
魔法使い「そうね…さて、ご老人、私達はこれで失礼します。賑やかになったこの町を、自分達の目で見たいので」
商人「あ、そうだね!じゃあね、おじいちゃん!町、みんな目覚めて良かったね!!」
老人「ええ、ありがとうございました。どうかお元気で…」
――夜、宿屋
商人「なんか、昨日までみんな寝てたなんて信じられないね、魔法使いちゃん」
魔法使い「そうね…本人達は、ずっと眠ってたって気付いてないみたいだし…」
商人「でも、みんなが気付いてくれなくても、いいことするって気持ちがいいね!!…あの2人も、喜んでくれたよね?」
魔法使い「ええ、きっとね。一緒に喜べないのが残念だけど…」
商人「そうだね、うん……ん~、とりゃあ~!!」
魔法使い「ど、どうしたのいきなり!?」
商人「気合いよ、気合い!!くよくよするのはこれでおしまい、明日からまた元気に頑張ろー!!」
魔法使い「気合いって…でも、切り替えは大事ね」
商人「でしょ?明日は明日の風が吹く、輝く明日のために、今日はもう寝ちゃおう!!おやすみなさーい!!」バタリ
魔法使い「…本当にすぐ寝ちゃった。寝付きが良くて羨ましいわ…」
――37日目
商人「と、いうわけであたし達パーティーは、当初の予定通りノアニール西の洞窟でモンスター退治にいそしむのでした!」
魔法使い「いつもの事だけど、誰に説明してるやら…」
商人「でも、やっぱりここのモンスター強いよね!誰も死んでないのが不思議なくらい!」
魔法使い「本当にそうね。死んでもおかしくない状況にも何回もなったけど、結局命は助かったし…やっぱり、誰かが見守っていてくれたのかもね…」
商人「うん、そうかもね…」
魔法使い レベル16「さて、今日1日魔物の返り血に塗れた結果、貴方も私もレベルが上がったわ。そろそろ帰る?」
商人 レベル18「そうだね、これ以上ここにいたら、魔法使いちゃんが吸血鬼さん達の間で恐怖の魔道士として語り継がれちゃうよね。一体何人倒したんだろう…」
魔法使い「ちょっと、貴方だって私と変わらないくらい倒したでしょう?全く、人のせいにばかりして…」
商人「あはは、いいじゃん。さ、魔法使いちゃん、リレミトリレミト!!」
魔法使い「本当、調子いいんだから…母なる太陽、迷い、震える我らに貴方の温もりを、今一度!!リレミト!!」
――38日目
商人「うーん、どうしようかな…」
魔法使い「何を悩んでるの?」
商人「えっとね、これ、みかわしのふくっていうんだけど、敵の攻撃をすっごく避けられるようになるの」
魔法使い「へえ、すごいじゃない。それで、それでなんで悩んでるの?買えば良いじゃない」
商人「それがね、守備力自体は今装備してるてつのよろいより下がっちゃうんだ。それでどっちがいいかなーって…」
魔法使い「なるほど、攻撃を躱しやすい代わりに、当たった場合はダメージが増えてしまうわけね。で、値段は…なるほど。それで、今の所持金は?」
商人「お金は大丈夫、7200ゴールドとかあるよ!!」
魔法使い「たくさんあるじゃない、なら買いなさいよ、買って、実際に装備してみれば良いじゃない」
商人「そうかな…?そうだね、じゃあ買う!おじさん、下さい!!」
魔法使い「…もしかして、背中を押して欲しかっただけかしら…?」
商人「で、今日はどこ行くの?」
魔法使い「今日はね、レベルも上がったし、シャンパーニの塔に行こうかと思うんだけど」
商人「もしかして、いよいよ盗賊退治?」
魔法使い「そうね。でも今日はあくまでも道の確認。ある程度の所まで行ったら帰って来ましょ。そして明日、最短距離で目的地に行ければ…」
商人「消耗も少なく盗賊と戦える、だね?ホント、魔法使いちゃんは慎重だよね~」
魔法使い「そうね、むしろ臆病と言っても良いかもね。でも、お陰で今まで全滅はしないで来られたでしょう?」
商人「うーん、確かに…じゃあ今日も臆病者パーティーで行く?」
魔法使い「ええ、一歩一歩怯えながら進みましょう」
商人「よーし、じゃあしゅっぱーつ!!あ、途中でカザーブに寄ってやくそう買ってこうよ。ここの道具屋、やくそう売ってないんだよね…」
魔法使い「やくそう売ってないってすごいわね。町の人達は不便じゃないのかしら…?」
――シャンパーニの塔
商人「ねえ、魔法使いちゃん、慎重に進んでみたはいいけどさ…」
魔法使い「ええ、ここの魔物、あまり強くないわね…」
商人「最初に来たときは、もっと苦戦したよね?」
魔法使い「ええ、私死んだし…」
商人「てことは、やっぱりあたし達強くなったんだね!もうこのまま盗賊退治に突っ込まない?」
魔法使い「ダメよ、私は臆病者だから」
商人「むー、ホントに慎重…って言ってるうちに4階まできたけど、この扉…」
魔法使い「ええ、きっとこの扉の向こうに盗賊達がいるんでしょうね。じゃあ、引き返しましょう」
商人「うーん、決めてた事とはいえ、ここまで来て…」
魔法使い「あのね商人、私はこれでも反省してるのよ。前回の洞窟、一気に攻略したけど、いつ全滅してもおかしくなかったわ。だから今回は…」
商人「わ、分かってるってば。じゃあさ、ここらへんでちょっとモンスター退治していかない?ただ帰るのはもったいないし、少しでも強くなれれば、魔法使いちゃんも嬉しいでしょ?」
魔法使い「そうね…まあ、このまま引き下がったら不完全燃焼だっていう気持ちは分からなくもないわ。じゃあ、ちょっと魔物退治していきましょうか」
商人「うん!!よーし、張り切っちゃうぞー!!」
――夜、カザーブ宿屋
魔法使い「…と、張り切ったはいいけど、そうそうレベルは上がらないわよね」
商人「うん…昨日まで洞窟で散々モンスター退治してたからね」
魔法使い「でも、明日はきっと大丈夫よ。今日より節約して上まで行けるし…」
商人「そだね。いよいよ盗賊退治かあ…王様に冠返したら、何かご褒美くれるかなあ?」
魔法使い「期待しない方がいいわよ。王族なんてケチばっかりなんだから」
商人「実感がこもってるね魔法使いちゃん…でも、ノアニールの時もそうだったけど、良いことすると気持ちいいから、あたしは頑張るよ!」
魔法使い「そうね…王様も国の人達も喜ぶでしょうから――」
――39日目、シャンパーニの塔
商人「今のところ、予定通り進めてるね
魔法使い「そうね。魔力も節約出来てるし…」
商人「あなほりで良いものが出ないのだけが予定外かなあ。あっちの洞窟だと、ラックの種2つとか出たのに…」
魔法使い「そんなにいつもいつも良いものが出る訳じゃないでしょ…ほら、着いたわよ、4階に」
商人「この扉を開けたら、盗賊さん達がぐあー!!って…」
魔法使い「いきなり襲っては来ないでしょうけど…警戒はすべきかもね」
商人「じゃあ、お邪魔しまーす…あ、誰もいない」
魔法使い「また階段があるわね…上りましょう。警戒は怠らないでね」
商人「…人の話し声がするね」ヒソヒソ
魔法使い「…いよいよね。準備はいい?」ヒソヒソ
商人「大丈夫。じゃあ――」
魔法使い「――行きましょう!」
盗賊A「おい、変な奴等が来たぞ」
商人「変!?自分達の方が…」
盗賊B「よし、おかしらに知らせに行こう!」タタタ…
魔法使い「逃げたわね」
商人「逃がさないよ!行くよ、魔法使いちゃん!!」
魔法使い「ええ…でも、やっぱり盗賊は一人ではなかったわね。子分を集めてる、とは聞いてたけど」
商人「大丈夫、あたしと魔法使いちゃんなら!さ、行こうよ!!」
親分「よくここまで来たな!だが誰も俺を捕まえる事は出来ん!さらばだ!!」カチッ
商人「え!?わ、足下が…!!」
魔法使い「落とし穴!?しまっ…!!」ヒューン
ドサドサッ
商人「いたた…魔法使いちゃん、大丈夫?」
魔法使い「ええ、平気よ…盗賊のアジトだもの、これくらいは予想しておくべきだったわね」
商人「魔法使いちゃん、急ご?きっとまだ間に合うよ!!」
魔法使い「そうね、私達は突然来たんだから、逃げる準備もしてないでしょうし、追いつける可能性は十分あるわ」
商人「よーし、落とし穴に落とされた恨み、返してあげるんだから!!」
魔法使い「…もういないわね。部屋の物も、残らず持ち去ったみたい…」
商人「どうやって逃げたんだろ?まさか、ここから飛び降りて…!?」
魔法使い「…仕方がないわね、私達も飛び降りるわよ!」
商人「ええ!?やっぱり!?」
魔法使い「さっき落とし穴で落とされても平気だったわ。なら、ここから飛び降りても…」
商人「魔法使いちゃん、きれものなのに理屈ガバガバだよ!?」
魔法使い「他に方法がないでしょ?ざ行くわよ!!」ヒューン
商人「ま、待ってよ魔法使いちゃん!!一人じゃ危ないよ!?」ヒューン
魔法使い「…追い付いたわ。いち、に、さん、4人か…」
商人「ま、魔法使いちゃん、追い付いた…」
魔法使い「来たわね。さあ、敵は目の前よ。今更怖じ気づいてはないわね?」
商人「もっちろん!!盗賊どもめ、覚悟ぉー!!」
親分「しつこいやつらめ!!やっつけてやる!!」
カンダタがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!
魔法使い「バラバラに散ったわね。ベギラマは使えないか…」
商人「でも、イオとブーメランは使えるよ、大丈夫大丈夫!!」
魔法使い「じゃあ…イオ!!」ドパパパパーン
商人「あたしは…てつのおので攻撃ぃっ!!」ドカッ
カンダタこぶんCをたおした!!
魔法使い「よし、早速一人…」
カンダタのこうげき!!カンダタこぶんのこうげき!!カンダタこぶんのこうげき!!
魔法使い「攻撃力が高いわね…大地よ、母なる女神よ、脆き我らに大地の庇護を!!スクルト!!」ミュニーン
商人「わ、魔法使いちゃん、こんな魔法も使えたんだ!!?」
魔法使い「壊すだけが能じゃないのよ。さあ、守りも固めたし、あとは攻めるだけよ!」
商人「うん!!どんどん行くよー!!」
魔法使い「それっ、イオ!!」ドパパーン
カンダタにはきかなかった!!カンダタこぶんAをたおした!!
魔法使い「リーダーには効かなかったか…炎への耐性があるのかしら?」
商人「だいじょーぶ!!残りは一人だから!!ていっ!!」ドカッ
魔法使い「なかなか倒れないわね。いえ、いつかは倒れるはず。炎が効きづらいなら…ヒャド!!」カキーン
商人「もうこうなったら攻めるしかないよ!!それっ、それっ、このぉ!!」ドカドカッ
魔法使い「回復も忘れないでね。やくそうを!」
商人「ありがとー!!じゃあ、これで…どうだぁっ!!」ガツンッ
カンダタをたおした!!
親分「ま、参った!!きんのかんむりを返すから許してくれよ!!な?」
商人「どうするの魔法使いちゃん、あんな事言ってるけど…」
魔法使い「別にいいでしょ、もう二度とこの辺りで悪事を働かないと言うのなら…」
親分「へへ、ありがてえ!あんたらのことは忘れねえよ、じゃあな!!」ヒューン
商人「ホントに良かったの?」
魔法使い「分からないわ。でも、
今日の目的はこれだから」
商人「そっか、そうだね。きんのかんむり、無事取り戻せて良かったね!!」
魔法使い「ええ。さあ、ロマリアにこれを届けに行きましょう。だいぶ待たせてしまったもの、王様達も心配して…」
商人「しっ!!魔法使いちゃん、誰か来る!
???「おやぶ~ん、おやぶ~ん…あれ、みんなどこ行ったんだ?」
魔法使い「…盗賊達の仲間?でも、ずいぶん…」
商人「うん、ちっちゃい女の子だね…」
???「あ、なんだお前たち!?なぐりこみか!?」
魔法使い「そうね、貴方があの盗賊達の仲間なら、そうなるわね」
???「へへん、バカなやつら!!おやぶんにかてるわけないぞ!!」
商人「うーんと…あの…か、勝ったよ…」
???「へ?なにいってんだうそつきめ、おやぶんが負けるわけ…」
魔法使い「嘘だと思うなら、上に行って見てきなさい。誰もいないから」
???「そ、そんなはずない!おやぶ~ん、おやぶ~ん…」
商人「…困ったね」
魔法使い「そうね、置いていく訳にもいかないし…」
???「おやぶん、いなくなった…?他のみんなも…」
魔法使い「…流石に、このままにしとくのは可哀想ね」
商人「でも、どこに連れてくの?」
魔法使い「そうね…ねえ、貴方盗賊なんでしょ?」
盗賊「そうだ、とうぞくのこぶんなんだからとうぞくだ!!」
魔法使い「だ、そうよ。なら、ルイーダの酒場にでも連れていきましょう。あそこなら、食いっぱぐれることもないでしょうし」
商人「そうなの!?」
魔法使い「登録さえしておけば、一年中飲んだくれてても平気な場所よ。お陰で、貴方以外にろくな仲間を見つけられなかったけど」
商人「そういう所だったんだ。知らなかった…」
魔法使い「と、いうわけよ。貴方、私達に付いて来なさい。ここにいても仕方ないでしょ?」
盗賊「ついていけば、たらふく食えるのか?」
魔法使い「ええ、それは保証するわ」
盗賊「うーん、じゃあ、お前たちについてく!!…ホントは、みんなでこれ食べたかったのにな…」ドサッ
商人「その袋、ずいぶんおっきいけど、何が入ってるの?…ぎゃーー!!キャ、キャタピラー!!!?」
魔法使い「さ、流石にこれは…これ、貴方が捕まえたの?」
盗賊「ちがうよ、おやぶんたちが作ったワナで捕まえたんだ」
商人「と、盗賊さん達って、いつもこんなの食べてるの!?」
盗賊「いつもじゃない、これはめったにないごちそうだ!いつもは、草とか、カエルとか、ニンゲンとか…」
商人「人間食べるの!?」
盗賊「食べるぞ、お前たちみたいななぐりこみとか。女はうまいんだぞ、やわらかくて。男は固いけど、ホルモンがうまいんだ!!」
商人「ホ、ホルモンって…!?」
魔法使い「…もういいわ、具合悪くなってくるわ。じゃあ、まずはロマリアに行って、それからアリアハンよ。じゃあ、行きましょう――」
――40日目、ロマリア
魔法使い「ふう、疲れたわね…」
商人「あ、お帰り!王様、なんだって?」
魔法使い「喜んでくれたわよ。ただ…あとは勇者を連れてきて欲しいって」
商人「…それだけ?」
魔法使い「それだけよ。何か期待してた?」
商人「してたよ!!王様だよ、お礼とかガッポガッポ…」
魔法使い「だから言ったでしょ?王様なんて、ドケチの中のドケチだって」
商人「そ、そこまで言ってたっけ…?」
魔法使い「で、そっちはどう?子守りを任せちゃったけど…」
商人「それが、全然てが掛からないの!…ずっと食堂にいるからね…」
魔法使い「…まあ、いいわ。いくら食べても、宿賃変わらないし」
盗賊「おっ、まほーつかい!!町の飯ってうまいんだな!!キャタピラーよりずっとうまいぞ!!」
魔法使い「…まさか、人間より美味いぞ、なんて大声で話してないでしょうね…」
商人「だ、大丈夫だよ、多分…今のところ…」
――41日目、アリアハン
魔法使い「…じゃあ、このお姉さんの言うことをよく聞くのよ。そうすれば、たくさん食べさせてくれるから」
盗賊「そうか、じゃあゆうこと聞くぞ!!よろしくな!!」
ルイーダ「あらあら、元気な子ね。よろしくね」
魔法使い「さて、と。こっちは片付いたけど…」
商人「あ、魔法使いちゃん、お金預けてきたよ。手元には、2000ゴールドくらいあればいいよね?」
魔法使い「ええ、それくらいでいいと思うわ。じゃあ行く?」
商人「…ねえ、やっぱりあの子連れていかないの?」
魔法使い「食べられるわよ?」
商人「うっ…で、でも、ああいう小さな子にふえぇ…とか言わせれば人気でるよ?」
魔法使い「何の人気よ…それに何?ふえぇ…お前のホルモン食いたいぞ!!とか言わせるの?」
商人「うう…ダメかあ…」
魔法使い「まあ、いつかそのうち力を借りる事があるかもね。冒険に行き詰まったり、私達のどちらかがパーティーから外れたり…」
商人「ええ!?パーティーから!?そんな事ないでしょ?」
魔法使い「まあね、例えばよ、例えば…」
――42日目、アッサラーム
魔法使い「ルーラばかり使ってるど、日にちがどんどん経ってしまうわね…」
商人「仕方ないよ、歩けばもっと時間かかるし…」
魔法使い「まあね…」
商人「ねえ、それよりさ、またこの町に来たって事はさ…」
魔法使い「ええ。前にこの町に来たとき、まほうのかぎの情報を聞いていたからね。あの時は、まだまだ必要ない、というかそこまで気が回らなかったけど…」
商人「じゃあ次はまほうのかぎ探索だね?ついにロマリア西のほこらのイヤミ兵士を見返す時が…」
魔法使い「…言っておくけど、まほうのかぎを手に入れるのは、あのほこらの先のポルトガ、更にはその先に進むためだからね?誰かを見返す為じゃ…」
商人「分かってるって!でも、まほうのかぎを手に入れるのにはかわりないんでしょ?見てろよ~
魔法使い「本当に分かってるのかしら…?」
――43日目
商人「ここが、これが砂漠かあ…熱いね、魔法使いちゃん…魔法使いちゃん!?」
魔法使い「あ…つ…い…」ヨロヨロ
商人「ぬ、ぬいぐるみなんか着てるからじゃない!!早く脱いで…」
魔法使い「い…え、これ、着てないと…魔物の攻撃…耐えられ…」
商人「モ、モンスターに会う前に死んじゃうよ!?」
魔法使い「大丈夫よ…ほら…それより…」
じごくのハサミがあらわれた!!
商人「こ、こんな砂漠にカニ!?しかも、前に会ったカニより固そう…」
魔法使い「やるわ、よ…」ヨロヨロ
商人「魔法使いちゃん、ホントに大丈夫!?」
魔法使い「暑いけど…ベギラマ!!」ボオオォ
じごくのハサミをたおした!!じごくのハサミをたおした!!じごくのハサミをたおした!!
商人「あ、意外とあっさり。じゃあ残りはあたしが…それっ!!って固あ!?でも…!」
じごくのハサミをたおした!!
商人「ふう、思ったより簡単に倒せたね。やっぱり魔法ってすごい…魔法使いちゃん、大丈夫!?」
魔法使い「だ…じょぶ…それより…あそこ…」スッ
商人「え?あ、ほこら!そういえば、まほうのかぎに詳しいおじいさんが砂漠南のほこらにいるって話だったね!!」
魔法使い「ええ…早く、行き…」ヨロヨロ
商人「ま、魔法使いちゃん、もう一息、もう一息だからね!!」
――砂漠南のほこら
魔法使い「ああ、涼しい…」フゥー
商人「休む場所があって良かったね、魔法使いちゃん」
魔法使い「ええ、でもそれより…あのご老人のお話を聞きましょう」
商人「あ、あ、そうだね。こ、こんにちは…」
老人「ああ、こんにちは。ここに来たということは、まほうのかぎをお探しかな?」
魔法使い「ええ、どうやらポルトガという国に行くのに、それが必要なようなので」
老人「そうか。まほうのかぎは、砂漠の北にあるピラミッドにあるというが…その前に!」
商人「は、はい!?」
老人「イシスのお城に行きなされ。確か、オアシスのすぐ近くのはずじゃ」
魔法使い「イシス、ですか。ありがとうございます。さあ商人、行くわよ」
商人「うん!!おじいさんさようなら、お元気で!!」
商人「オアシスの近くって言ってたけど、そもそもオアシスってどこ?」
魔法使い「…多分、西よ…」
商人「分かるの?魔法使いちゃん」
魔法使い「この暑い着ぐるみ着てると…涼しさに敏感になるのよ…」
商人「な、なるほど。じゃあ魔法使いちゃんを信じて…あ、魔法使いちゃん、木が見えたよ!!」
魔法使い「なら…水場が近いはず…きっと、オアシス…そして、お城…」
商人「うん、うん、魔法使いちゃん、やっと町だよ、これでぬいぐるみ脱げるね」
魔法使い「ええ…急ぎましょう…」
――イシス城下町
魔法使い「ふう、やっと休めるわね…と言っても、夕方になったらだいぶ涼しくなったけど」
商人「お疲れ様魔法使いちゃん!今日はもう休んじゃう?」
魔法使い「いえ、涼しくなった今のうちに、買い物と情報収集を済ませましょう」
商人「そっか、その方がいいよね。じゃあまず、買い物から!」
町民A「ちっ、だいぶ負けちまった!」
商人「あれ?もしかして、格闘場…」
魔法使い「商人?最低限の事だけして帰りましょうね?」
商人「わ、分かってるよ?」
魔法使い「危ないわね。目がギャンブラーになりかけてたわ…」
商人「へへ、この町いいもの売ってたね!このてつのたてで守備力アップ!」
魔法使い「良かったわ、良いものが買えて。あと、情報収集もしたけど…」
商人「みんな言ってたね、女王様が美人だって!でも、きゅーとさならあたしも勝負出来ると思わない?ね、ね?」
魔法使い「どこからその自信が沸いてくるのかしら…?それより、まほうのかぎやピラミッドの情報が欲しかったのに、あまり聞かなかったわね…」
商人「あ、でもここ、城下町でしょ?お城に行けば、何か情報あるんじゃないの?」
魔法使い「そうね、お城の学者とかもいるかもしれないし…じゃあ行ってみる?」
商人「うん、行こう!!あたし、女王様も見てみたいし!!見ててよ魔法使いちゃん、あたしと女王様の美貌勝負!!」
魔法使い「…本当に美貌で勝てるなら、もっと貴方を見て町の人が騒ぐと思うけど、まあ、見届けるわね…」
――イシス城内
商人「ついに謁見の間まで来ちゃったね。こういう所、いつも魔法使いちゃんに任せて来たことないけど…」キョロキョロ
魔法使い「もう、あんまりキョロキョロしないの。ほら、女王様よ」
女王「貴方方がアリアハンからの旅人ですか?遠路遥々よくお越し下さいました」
魔法使い「身に余る御言葉、恐悦に存じます」
商人「ぞ、存じます…ね、ねえ、魔法使いちゃん、あんなに美人だって聞いてないんだけど」ヒソヒソ
魔法使い「町の人達みんな言ってたじゃない…」ヒソヒソ
女王「…皆が私の美しさを褒め称える。しかし、一時の美しさが何になりましょう…」フウ…
商人「ま、魔法使いちゃん!あたしもあの溜め息つきたい!!」
魔法使い「溜め息くらい好きなだけつけばいいじゃない…」
商人「そうじゃなくて!絶世の美女からしか洩れ出ない的なヤツ!!」
魔法使い「言ってる事がよく分からないけど…その溜め息がつけないなら、貴方の巻けよね?」
商人「むうう~」
魔法使い「勝負がついたら静かにしてね。ここ、謁見の間なんだから」
商人「ぐうの音も出ない…」
商人「悔しい…きゅーとさで勝てないあたしに存在価値なんて…」
魔法使い「…貴方の自己評価は知らないけど、あなほりとか戦闘の腕とか色々あるじゃない」
商人「え?あたし可愛らしさだけが取り柄じゃないの?」
魔法使い「どこまで本気なのかしら…そんな事より、お城ではピラミッドの情報もたくさん聞けたわね。私としては、呪文の使えない場所があるっていう話はショックだったわ…」
商人「大丈夫だよ!可愛らしさ以外の取り柄があるあたしが頑張るから!!」
魔法使い「立ち直るの早いわね…まあ、その時はお任せするけど…」
商人「あとさ魔法使いちゃん、あたしこの町の夜も見てみたいんだけど。ほら、アッサラームって昼と夜ですごく変わったでしょ?だから…」
魔法使い「あんなにいかがわしく変わるとは思えないけど…いいわよ、夜にしか得られない情報もあるかもしれないしじゃあ今日は休んで、明日の夜に動く?砂漠を越えて、貴方も疲れたでしょう?」
商人「じゃあ明日は夜の町探検だね!!楽しみだなあ~」
――44日目、夜、イシス城中庭
商人「と、いうわけで、我々は今、夜のイシス城内に潜入しています」
魔法使い「潜入って…ちゃんと門番に挨拶してから入場したじゃない」
商人「もう、そこはほら、雰囲気作り!!それに、夜の町で聞いたほしふるうでわっていうのを探すからには、忍び込んでます感を…」
魔法使い「はいはい。で、そのほしふるうでわは、どこにあるのかしらね?お城の中に祀られてるという話だけど…」
商人「うーん、簡単には見つからないんだろうね…あ、魔法使いちゃん、ネコちゃんがいるよ」
魔法使い「あら、昼間は城内にたくさんいたけど、涼しくなったから中庭に出てきたのかしら?」
商人「そうかもね。…ってあれ?魔法使いちゃん、ネコちゃんのいる後ろの方見てみてよ!」
魔法使い「え…?あら、あそこ通れるのかしら?」
商人「あからさまに怪しい…魔法使いちゃん、行ってみようよ!!」
魔法使い「そうね、何かあるかも…」
商人「ねえ、魔法使いちゃん、ここって、通路だよね…?」
魔法使い「多分…いえ、間違いなくそうね。何があるのかしら…?」
商人「もしかしたらさ…あ、魔法使いちゃん、階段だよ、下りる?」
魔法使い「ここまで来て下りないなんて言うわけないでしょう?さあ、行きましょう」
商人「うわあ、地下はひんやりするね…」
魔法使い「私はぬいぐるみ着てるから平気だけど…見て、商人、また下り階段よ」
商人「うん、でも、これ…明らかにお墓だよね?」
魔法使い「そうね、この辺は地下に死者を葬る習慣でもあるのかしら?まあ考えていても仕方ないわね、下りてみましょう」
商人「うーん、お墓って分かっちゃったらちょっと怖いけど…行くしかないよね…!」
魔法使い「商人、これ…!」
商人「や、やった、宝箱だよ、魔法使いちゃん!!」
魔法使い「ええ…でも、お墓に供えてある物を触るのは…」
商人「大丈夫、ちょっと見るだけだから…ごめんなさーい」ガチャ
なんとほしふるうでわをてにいれた!!
商人「ま、魔法使いちゃん、これだよ、ほしふるうでわ!!」
魔法使い「すごい、本当に見つけたのね…でも…しょ、商人、後ろ!!」
商人「へ?後ろ?」
スウウゥ…
骸骨?「私を起こしたのは、お前か?」
魔法使い「…!が…!!」
商人「でででででで出たっ!?!!どどどどうしよう、魔法使いちゃん!?」
魔法使い「ど、どうって言われても…」
骸骨?「私を起こしたのは、お前か?」
商人「は、はい!!起こしたのは私です、腕輪を盗んだのも私です、ゆ、許して…」ガタガタ
魔法使い「こ、この子はちょっとおちょうしもので、つい腕輪を手に取っただけで、悪気はなくて…だから…」
商人「わ、私が悪くて、宝箱開けちゃって、だから…」
骸骨?「そうか。お前たちは正直者だな」
商人「ご免なさい、許して…へ?」
骸骨?「まあいい、どうせもう私には必要ないものだ。お前たちにくれてやろう。さらばだ」スウウゥ…
魔法使い「…消えた?」
商人「びびびびっくりしたよ~!!もう、もうダメだと…」
魔法使い「そうね…でも、結果的にはこれ、貰えたわね。貴方のお手柄と言ってもいいんじゃない?」
商人「え?あ、そっか、そうだよね、あたしがもらったんだよね…あはは、あたしすごい!!超すごい!!」
魔法使い「…全く、結果オーライだったけど、おちょうしものに付ける薬はないものかしらね…?」
――45日目
魔法使い「そういえば貴方、もう装備は万全なの?」
商人「ん~、実はアッサラームに売ってたけがわのフードがターバンより防御力高かったんだけど…」
魔法使い「そうだったの。じゃあ戻りましょう」
商人「へ、戻るの?次の目的地はピラミッドじゃないの?」
魔法使い「もちろんそうよ。でも、話を聞いた限りでは、一筋縄では行かなそうな所じゃない。だから、準備は万端にしていきたいのよ」
商人「なるほど、魔法使いちゃんらしいね。じゃあもちろん歩いて行くんでしょ?」
魔法使い「あら、良く分かったわね」
商人「へっへ~、もう魔法使いちゃんとの付き合いも一月半になるからね!アッサラームに行くまでの道のりも、レベルアップの為なんでしょ?」
魔法使い「ふふ、正解よ。そっか、もうそんな付き合いになるのね…」
商人「じゃあ、今日はアッサラーム行きだね!行って帰って来る間に、レベルも上がるといいね!」
魔法使い「そう上手く行けば良いけど、努力して損はないからね。さあ、行きましょう」
――アッサラームの町、夜
商人「結構苦戦するかと思ってたけど、意外とあっさり着いたね」
魔法使い レベル17「そうね、盗賊退治の後、二人ともレベル上がってるし…」
商人 レベル19「でも、魔法使いちゃんはもっと上げてからピラミッド行きたいんでしょ?ホント慎重だよね~」
魔法使い「言ったでしょ、臆病者だって。レベルは高いに越したことはないんだから」
商人「分かってるって、あたしも臆病者だから、魔法使いちゃんに賛成だし。それより、もう夜になっちゃったね…あたしの買い物出来ないや…」
魔法使い「けがわのフードは昼間開いてる店の売り物なのね?まあ、明日買えばいいじゃない」
商人「そだね。それより魔法使いちゃん、ほしふるうでわの使い心地はどう?
魔法使い「ええ、すごいわねこれ。かなりの確率で魔物より早く動けるし、守備力も上がるし…」
商人「へえ、良かったね!!でさ、でさ、あたしはどう?」
魔法使い「…どうって?」
商人「もう、魔法使いちゃんがその腕輪を装備したから、あたしがガーターベルト装備したでしょ?どう?せくしーだいなまいつでしょ?」
魔法使い「……ええ、まあ……」
商人「反応薄くない!?」
――46日目
商人「ありがとうターバン、君のことは忘れないよ…」
魔法使い「売ってしまうの?」
商人「ううん、とっとく」
魔法使い「じゃあ今のお別れは何…?まあいいわ、買い物が済んだのなら帰りましょう。また砂漠を歩かなきゃならないのが憂鬱だけどね…」
商人「じゃあさ魔法使いちゃん、帰りは北の海沿いを歩いて帰ろうよ。それなら、砂漠の真ん中を突っ切るより暑くないんじゃない?」
魔法使い「なるほど、いいかもしれないわ、貴方冴えてるわね」
商人「へっへ~、せくしーぎゃるの本領発揮ってヤツ?」
魔法使い「セクシーギャルってそういうものかしら…?」
商人「そうだよ、魔法使いちゃん知らなかったの?溢れ出す知性と隠しきれない色気、それこそがせくしーぎゃる!!」
魔法使い「……………そう………」
商人「なんでそんな悲しげな目であたしを見るの!?」
魔法使い「確かに、海沿いを歩けば暑さもいくらかはいいみたいね」
商人「でしょ?海風が気持ちいいよね!海は海で日差し強いけど」
魔法使い「でも、潮風は髪が傷むって言うわ。平気なの?」
商人「へーきへーき!!あたしにはせくしーぱわーがあるから!!」
魔法使い「ガーターベルト着けたらノリノリね…」
商人「あれ?魔法使いちゃん、あれ見て、なんか変な建物!」
魔法使い「確かに妙な形ね…もしかして、あれがピラミッドじゃないかしら?確か、砂漠の北にあるという話だし…」
商人「あ、そういえばそんな話だったね…ねえ、魔法使いちゃん、せっかくこんな近くまで来たんだし…」
魔法使い「そうね…中の魔物がどんな相手なのかも知りたいし、少し寄ってみようかしら?でも、深入りはしないわよ」
商人「そうこなくっちゃ!!じゃ、早く行こ、ね、ね?」
魔法使い「はいはい、慌てないのよ」
――ピラミッド
商人やっぱり中は涼しいね」
魔法使い「そうね、外よりはここで魔物退治もいいかもね。問題は魔物の強さだけど…」
ミイラおとこがあらわれた!!わらいぶくろがあらわれた!!
魔法使い「あれがミイラ…確かアンデッドの一種なのよね…商人?」
商人「あ、あれ、もしかして、わらいぶくろ…!?」
魔法使い「貴方、あの袋の魔物知ってるの?」
商人「知ってるもなにも、商人の間じゃ伝説のモンスターだよ?すっごいたくさんお金持ってるんだって!!」
魔法使い「へえ、あの袋の中に入っているのかしら?」
商人「きっとそうだよ!!へっへっへっ、ズタズタに引き裂いて中身引きずり出してやるわ!!」
魔法使い「お金のことになると目付きが変わるわね…」
商人「じゃああたしは…ブーメランで!!…あ、わらいぶくろにかわされた!?」
魔法使い「イオ!!…こっちも袋には効かなかったけど…」
ミイラおとこをたおした!!
商人「ミイラは倒したのね?じゃあ、てつのおのに持ち替えて…そぉれっ!!」ガツン
わらいぶくろをたおした!!
魔法使い「よし、初見の敵が2体もいたけど、上出来ね」
商人「さあさあさあ、お金、お金出しなさい!!あっ!そっちにも落ちてた!ダメダメ、あたしの目をごまかそうったって…」
魔法使い「楽しそうね…」
商人「あ、分かれ道。右、正面、左、ここは…」
魔法使い「正面よ。行って戻るだけ。ここにはちょっと様子見に来ただけって言ったでしょ?」
商人「ええ~、それじゃつまんないよ、とりあえず一回くらい曲がってみようよ、宝箱とか階段とかあるかもよ、ね、ね?」
魔法使い「…貴方、階段があったら上るでしょう?宝箱があったら開けるでしょう?でもここは仕掛けだらけの場所だって話だわ。迂闊な行動を取ると…」
商人「もう、本当に心配性なんだから。じゃあ真っ直ぐ行くよ」スタスタ
魔法使い「待って、もうちょっと慎重に行動して…」
商人「へ?あ、あぁ~!!」ヒューン
魔法使い「…落とし穴、ね。だから言ったのに…まあ、バラバラになるわけにもいかないし…それっ!」ヒューン
商人「いたた…落とし穴だったのかあ…ってここ、人のホネばっかりだよ!?」
魔法使い「っつう…商人、平気?」
商人「な、なんかすごい場所に落ちちゃったよ。魔法使いちゃんが真っ直ぐって言ったから…」
魔法使い「何言ってるのよ。貴方がもう少し慎重に行動してれば…」
ミイラおとこがあらわれた!!
商人「わ、モンスター!!」
魔法使い「言い争いは後ね…商人、頼んだわよ!」
商人「へ?頼んだって?魔法使いちゃんは?」
魔法使い「それが…どうやらここが呪文の使えない場所みたい…」
商人「え、ええ!?じゃ、あたし一人で戦うの!?」
魔法使い「私も鞭で戦うくらいは出来るけど…貴方、前に言ってたでしょう?キュートさだけじゃない所を見せるって。頑張ってね!」
商人「うう、余計なこと言ったかなあ…」
魔法使い「確か、ミイラは体力は大したことなかったはず。4体いるとはいえ、貴方の力なら…」
商人「せくしーぱわーなら!?」
魔法使い「…なんでもいいから、さっさと倒しましょう」
商人「じゃ、行くよ!!チェーンクロスに持ち替えて…そぉれっ!!」ピシャッ
ミイラおとこをたおした!!
魔法使い「攻撃が来るわよ!!気を付けて!!」
ミイラおとこのこうげき!!ミイラおとこのこうげき!!ミイラおとこのこうげき!!
商人「痛い痛い、あたしばっかり狙われてるよ!?」
魔法使い「頑張って!きっとあと一息だから!」
商人「うう~、せくしー…ぱわー!!」ピシャッ
ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!
魔法使い「良く頑張ったわね、偉いわ」
商人「えへへ、あたしのせくしーぱわーすごいでしょ?ね、ね?」
魔法使い「はいはい、それより、こんな嫌な場所からは早く脱出しましょ。行くわよ」
商人「あれ?軽く流された…?」
――夜、イシス郊外
魔法使い「ふう、あれから魔物も出ずにあの場所から脱出出来たわね」
商人「うーん、やっぱり宝に1つも手を出さなかったのが…」
魔法使い「だからそれは…」
ミイラおとこがあらわれた!!
商人「あれ?ピラミッドの外にもミイラっているの?」
魔法使い「夜だからじゃない?でも、あの場所じゃないなら…ベギラマ!!」ゴオオォ
商人「あーんど…せくしーアターック!!」ピシャッ
ミイラおとこをやっつけた!!
魔法使いはレベルがあがった!!
魔法使い「よし、少し遅かったけどレベルが上がったわ。これで不安なくピラミッドに行けるわね」
商人「え?そんなにすごい魔法覚えたの?どんな?どんな?」
魔法使い「そうねえ…おちょうしものがパーティーに居ても、安心して宝箱を開けられる呪文よ」
商人「おちょうしものじゃないよ、せくしーぎゃるだよ!!」
魔法使い「まだ言うのね…」
――イシス城下町、宿屋
商人「明日はいよいよピラミッドにまほうのかぎを取りに行くんだよね?楽しみだな~」
魔法使い「ええ、新しい呪文は覚えたし、ピラミッドの魔物も手に負えない強さではなかったし」
商人「そうだね、厄介な敵は多いけど、強すぎる!!ってモンスターはいなかったね…ムカデはイヤだったけど…」
魔法使い「ああ、火を吹いてくるのは辛かったわね」
商人「そうじゃなくて、気持ち悪かったの!足がいっぱい付いてて…」
魔法使い「そうねえ…でも、あの子なら、やっぱり美味しく食べるのかしらね…?」
商人「あの子?あの子って…」
――アリアハン、ルイーダの酒場
盗賊「へっくち!!」
ルイーダ「あら、風邪でも引いたのかしら?」
盗賊「カゼ?きっとえいようが足りないんだ、ルイーダ、ごはん!!」
ルイーダ「まだ食べるの?よく太らないわね…」
戦士「おいおいがきんちょ、あんまり食うと酒場が潰れちまうぜ」
武闘家「働かざる者食うべからず、ってな」
盗賊「うるさい!!ホルモン食うぞ!!」
戦士&武闘家「ひいいいい!!」ゾゾゾ
ルイーダ「はいはい、ごはんならあるからね」カチャカチャ
盗賊「おー!!ルイーダ好きだぞ!!」
戦士「なあなあママ、早くあいつ追い出してくれよ」
ルイーダ「出てくならあんた達だろ?いつまでただ酒くらってるんだい?」
戦士「そ、それは…へへへ…」
ルイーダ「ったくどいつもこいつも…あの子が連れてかなかったのも分かるよ。とはいえ、これ以上食費が嵩むとねえ…」
――47日目、ピラミッド
商人「じゃ、今日はあっち行ったりこっち行ったりしてもいいんだね?」
魔法使い「ええ、ただ宝箱開ける前には一言声をかけてね」
商人「分かった!…あ、魔法使いちゃん、早速宝箱だよ!!」
魔法使い「ちょっと待っててね…光よ我が手に!未知を照らし、危険を告げよ…インパス!!」ポワーン
商人「おお、新魔法!?」
魔法使い「…開けていいわよ、空だけど」
商人「ええ~、なにそのガッカリ情報…あ、ホントだ。それ、空かどうかを調べる魔法なの?」
魔法使い「そんなわけないでしょ。この呪文は安全確認のためのものよ。魔物が潜んでたら、赤く光るの」
商人「へえ、宝箱にモンスターが居たりするんだ?」
魔法使い「中にいる、というか宝箱そのものが魔物らしいわよ。私も、実物を見たことはないけど…話によれば、とても恐ろしい魔物だというわ」
商人「そんなに怖いモンスターなんだ…それで魔法使いちゃん、あんなにレベルアップにこだわってたんだね」
魔法使い「後々も必要になる呪文だしね。さあ、これで宝箱対策はバッチリよ。貴方がうっかり宝箱を開けない限りね」
商人「そんなことしないよ!!たぶん、きっと…」
魔法使い「…やっぱりインパスを覚えて正解だったわね」
魔法使い「…これも空ね」ポワーン
商人「あ、ホントだ…さっきから3個連続で空だね。」
魔法使い「空だと分かっても開けるのね…」
商人「だって、開いてない宝箱なんてもやもやするよ!」
魔法使い「気持ちは分かるけど…あ、こっちの宝箱は開けちゃ駄目よ、赤く光ってるわ」ポワーン
商人「あ、ホントだ赤い!…うーん、でもやっぱり宝箱を開けないで立ち去るっていうのは…」
魔法使い「駄目よ。それ開けちゃったら、この呪文覚えた意味ないでしょ?さあ、先に進むわよ」
商人「ああ、後ろ髪を引かれる…」
魔法使い「2階まで上ったけど…今までに増して通路が細いわ。気を付けて…」
商人「迷路みたいになってるね。とりあえず真っ直ぐでいいの?」
魔法使い「ええ、こういう時は貴方の勘に任せるわ」
商人「へっへ~、鋭い女のカン、ってなんかせくしーだよね?」
魔法使い「はいはい。足元に気を付けるのよ」
商人「分かってるって!もう落っこちたりしないから!」
魔法使い「心配だわ…」
商人「あ、魔法使いちゃん、ほら、階段!!」
魔法使い「3階への階段か…ここまでは順調ね。魔物にもあまり会わないし…」
商人「さ、行ってみようよ、早く早く!」
魔法使い「だから、あんまり慌てないで…」
商人「ね、魔法使いちゃん、あの正面の扉ものすごく怪しくない?」
魔法使い「そうね、でも鍵穴もないし、どうやって…」
商人「とりあえず押してみよっか…んん~、う、ご、か、な、い…!!」グググ…
魔法使い「力じゃ駄目そうね…そうだ!ねえ商人、東ってあっちだったかしら?」
商人「ん~…はあ、はあ…え?えっと…東は、うん、あっち、かな…」ゼエゼエ
じゃあちょっと行って見ましょう。もしかして、いえ、他に考えられないし…」
商人「え?え?魔法使いちゃん、何か分かったの?」
魔法使い「イシスのお城で聞かなかった?子供達の歌。真ん丸ボタンはお日さまボタン…」
商人「小さなボタンで扉がひら…あ、あ~!!」
魔法使い「ね?あの歌に従えば、先ずは東よ、行きましょう!」
商人「あ、魔法使いちゃん、ボタンが2つ!どっちかな?どっちも?」
魔法使い「片方は罠じゃないかしら?歌では東の東、だったはず。なら…」
商人「東よりの方だね?じゃあ押してみるよ!」ポチッ
魔法使い「さあ、次は西の西、ね。行きましょう」
商人「ね、西のボタン押したら、あの扉開くのかな?中には何が入ってるのかな?」
魔法使い「そうね、やっぱりここで一番大事なものじゃないかしら?」
商人「大事なものってやっぱり…あ、ボタンだよ!さっきと同じように2つある!」
魔法使い「今度はより西側の方でしょうね。押すわよ」カチッ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…ゴォン…!
商人「…今の音って!!」
魔法使い「ええ、さっきの扉の所に行きましょう!」
商人「あ、魔法使いちゃん、開いてる、扉開いてるよ!!」
魔法使い「中は…宝箱が2つ、やったわね!」
商人「ね、ね、早く開けよ?良いでしょ?」
魔法使い「待って、呪文で確認するから…」
商人「ねえ、魔法使いちゃん、早く~!!」
魔法使い「もう少し…はい、もういいわよ、2つとも問題ないわ」
商人「やった!!じゃあまず1つ…これって、スタミナの種かな?魔法使いちゃん、後で使っていいよ」
魔法使い「ありがとう。それで2つ目は?」
商人「あ、魔法使いちゃんも気になる?今開けるよ…あ!カギだよ魔法使いちゃん!!」
魔法使い「鍵!?じゃあこの鍵が…」
商人「うん、きっとこれがまほうのかぎだよ!!やったね!!」
魔法使い「良かった…これでポルトガにも、きっとその先にも行けるわね…」
商人「ねえ、まほうのかぎは手に入ったけど、まだ魔法使いちゃんも余裕あるよね?」
魔法使い「そうね、思ったより魔物と逢わなかったし…」
商人「じゃあさ、もうちょっとピラミッド探検しない?まだここ、上の階があるみたいだよ?」
魔法使い「そうね、もう少し進んでみてもいいかもね」
商人「決まり!じゃあさ、さっき階段があるのチラッと見えたから、そこ上ってみようよ!!」
魔法使い「目敏いわね。いいわ、行ってみましょう」
商人「――でもさあ、このまほうのかぎってあのオルテガさんでも見つけられなかったんだよね?あたし達、実は凄くない?」
魔法使い「アイテム1つで優劣は付けられないけど…これはかなりのものだと思うわ」
商人「だよね、ん~、やっぱり旅に出て良かった!!…あ、魔法使いちゃん、階段!!」
魔法使い「ええ、上ってみましょう」
商人「さあ、4階だよ!…あ、魔法使いちゃん、また扉!!」
魔法使い「今度は鍵穴があるわね。まほうのかぎが使えるかしら?」
商人「試してみるね!…開いた!!」
魔法使い「やったわね。中は…これは、お墓かしら…?」
商人「お墓?じゃあこれ、みんな棺?うわあ、怖くなってきた…あ!!宝箱だよ魔法使いちゃん!!開けていい?」
魔法使い「怖くなったんじゃなかったの?いいわ、調べてみるから…黄色!?」ポワーン
商人「ホントだ、黄色く光ってる。で、黄色いと何なの?」
魔法使い「……分からないわ」
商人「へ?分からないの?」
魔法使い「ええ、これは、開けてみないと…」
商人「ふーん、じゃあ開けてみよっか」パカッ
魔法使い「あ、待って…」
……王様の墓を荒らすのは誰だ…!?
商人「え?え?」
……我らの眠りを妨げるのは誰だ…!?
魔法使い「これは…まずいわね…」
商人「え?え?ま、まずいって…!?あ、あれ、何かす…」
魔法使い「商人、戦闘準備よ!!」
マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!
商人「ひえ~、ミイラの大群!!」
魔法使い「大丈夫、このくらいなら…イオ!!」ドパパパパパーン
商人「よ、よし、じゃあ、ブーメラン!!」ヒュンヒュン
マミーをたおした!!
マミーのこうげき!!ミイラおとこのこうげき!!
商人「いった~い!!」
魔法使い「かなりの力ね…!早めに決着をつけましよう、イオ!!」ドパパパパハーン
マミーをたおした!!
商人「残りはチェーンクロスで…えい!!」ピシャッ
ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!ミイラおとこをたおした!!
魔法使い「ふう、終わったわね。インパスで黄色く光るのは、アラームの一種みたいね…」
商人「あ、魔法使いちゃん、宝箱の底に何か入ってる!」
なんとキメラのつばさをてにいれた!!
魔法使い「なるほど、魔物を倒せれば宝が手に入る仕組みなのね。でもこれ、宝箱10個以上はあるわよね。全部開けるとなると…」
商人「ねえ、まだたくさん宝箱あるけど、どうしよう?」
魔法使い「…一応、調べてみるわね…やっぱりまた黄色だわ。商人、開けるのは…」
商人「さっきと同じだね?じゃあ開けてみるよ」パカッ
魔法使い「ちょ、ちょっと商人!?」
……王様の墓を荒らすのは誰だ…!?
商人「さあ、やるよ魔法使いちゃん!!」
魔法使い「もう…!しょうがないわね!」
――夜、イシス城下町
商人「結局、全部は開けれなかったね」
魔法使い「魔力が尽きちゃったからね。まだたくさん残ってたわ」
商人「じゃさ、また明日行ってみない?」
魔法使い「いいけど…貴方、怖いって言ってなかった?」
商人「怖いよ!!でも宝が欲しいよ!!」
魔法使い「そう…で、今からどこ行くつもり?まだ休まないの?」
商人「えっとね、ほら、せっかくまほうのかぎが手に入ったじゃない?だから、開けれる扉を開けに行こうかな~って…」
魔法使い「…明日じゃ駄目なの?」
商人「ダメだよ!!すぐに使いたいよ!!」
魔法使い「そう…じゃあ付き合うわ、お城に行くのね?」
商人「うん!!魔法使いちゃんも来てくれるんだ、やっぱり魔法使いちゃん大好きよ!!」
魔法使い「はいはい。じゃあ早く行きましょう」
――イシス城内
商人「また夜に来たね」
魔法使い「そうね、貴方が骸骨に泣かされたり使い魔に泣かされたりして以来ね」
商人「い、いいじゃん昔の話は!それより、ここ、確か女王様の寝室だよね…?」
魔法使い「ええ。流石に寝室に入るのは…」
商人「じゃあ行ってみようよ!きっと美容の秘訣は夜にあるのよ!!聞いてみたい!!」
魔法使い「ちょ、ちょっと商人!?」
商人「どれどれ…あ、女官さん達がいっぱいだ…」
女官「貴方は…?お引き取り下さいませ。あらぬ噂がたちますわ」
魔法使い「も、申し訳ありません。今すぐ帰りますから…ほら、行くわよ」
女王「お待ちなさい」
商人「は、はい!?」
女王「人目を忍んで会いに来てくれたこと、嬉しく思います。何もしてあげられませんが、これを…」
商人「え?え?」
なんといのりのゆびわをてにいれた!!
魔法使い「こ、これは…!こんなものをいただいても…!?」
女官「さあ、もうお行きなさい」
商人「え、は、はい…」
女王「待って下さい。貴方方は、アリアハンから来たと言っていましたね。まだ幼い勇者のために、先立って旅をしていると」
魔法使い「はい。それが…?」
女王「旅は大変でしょう?この城には、宝物庫があります。大した物はありませんが、これからの旅に役立てて下さい」
女官「女王様!?それは…」
女王「いいのです。さあ、もうお行きなさい」
魔法使い「は、はい。あ、ありがとうございます…」
商人「な、なんだか大変なことになったね…ホントにいいのかな?」
魔法使い「頂けるといったんだもの、問題ないでしょう。しかし貴方、夜の寝室にまでズカズカと…」
商人「だ、だって女王様に美容の秘訣を…あ!美容の秘訣、聞いてこなかった…」
魔法使い「…もう、どこから突っ込んでいいやら…それより、宝物庫の宝物ね。開けてみたら?」
商人「いいの?インパス使わなくて」
魔法使い「まさかお城の中に魔物はでないはずよ。大丈夫でしょ」
商人「そうだね。じゃあ、片っ端から開けてくね!!」
魔法使い「ちょっと、もう少し有り難がって…」
商人「ふーん、なかなかのものね。でも、お城の秘宝というには少し貧相じゃないかしら?」
魔法使い「貴方、なに云ってるの!?」
商人「何って、当然の事を言ったまでですわ。このあたしに相応しい程のものなど、そもそも存在するか怪しいものですが…あ、魔法使いちゃん、それ取らないで!!」
魔法使い「おうごんのティアラか…また装備品で性格が変わったのね?全く…」
商人「えへへ、つい…」
魔法使い「たくさんアイテムを頂いたわ。後でお礼を言いに行かないと…」
商人「ねえねえ魔法使いちゃん、なんで女王様は女官さん達と一緒に寝てたのかな?危ないんじゃないの?」
魔法使い「どういう事?」
商人「だって、何かあったらいけないからって、護衛を兼ねて女官さん達あそこにいるんだよね?なら、女官さんより、力の強い男の人の方がいいんじゃないの?」
魔法使い「…貴方、それ、本気?」
商人「え?あたし何か変なこと言った?」
魔法使い「………」ハァーッ
商人「な、なんでそんな大きなため息つくの!?」
魔法使い「…例えば、私が男で、貴方より私の方が力が強かったとするでしょ?」
商人「?うん、それで…?」
魔法使い「で、私が貴方に良からぬ事を考えたら…こうっ!」ガバッ
商人「え?え?ま、魔法使いちゃん、なにするの?」ドサッ
魔法使い「…こうやって押し倒されたらどうするの?しかも女王陛下が」
商人「あ…」
魔法使い「まあそういう事よ。ごめんなさいね、押し倒したりして」グイッ
商人「でもさ…そんなことする人ホントにいるの?それは…いけない事だよ?」
魔法使い「貴方は本当に…そんな無垢でよく商人やってるわね。いけない事を誰もしないなら、なんでロマリアからきんのかんむりは盗まれたのよ?」
商人「あ…そっか…」
魔法使い「ねえ商人、これから貴方が商人として生きていくなら、あんまり無垢なままじゃいけないわ。誰かに騙されてお金を騙し取られたり、濡れ衣を着せられて牢屋に入れられたりしてしまうわよ」
商人「そ、そんなこと…」
魔法使い「そんなことあるの。まあいいわ、これから一緒に旅してるうちに、その辺は色々勉強していけば」
商人「……うん、そうする。んー、私ってまだまだだったんだね。あなほりが出来たら一人前って聞いてたのに…」
魔法使い「そうね、商人としてはまだまだね。でも、戦闘では頼りにしてるんだからね?」
商人「そ、そう?えへへ、じゃあ、あたし明日からも頑張るね!!」
魔法使い「…本当、単純ね。それが良いところでもあるけど、将来が心配だわ…」
――48日目
商人「おはよう魔法使いちゃん!!ね、今日はまたピラミッド行くんでしょ?」
魔法使い「…ええ、その予定…」
商人「もう、魔法使いちゃんはいつまでたっても朝弱いままだね!」
魔法使い「そうね…」
商人「じゃ、あたし先に準備してるから、魔法使いちゃんも準備出来たら呼んでね!!」
魔法使い「ええ…ふう、朝から元気よね…」
商人「準備出来た?」
魔法使い「…まだよ、そんなすぐに出来ないわ、余り焦らせないで…」
――ピラミッド
商人「この宝箱開けるとモンスターが出てくるのも、だいぶなれてきたね」
魔法使い「そうね、マミーとミイラおとこしか出てこないし」
商人「この調子なら全部開けられるかな?よっと」パカッ
マミーがあらわれた!!ミイラおとこがあらわれた!!
魔法使い「今まで通り…イオ!!」ドパパパパーン
商人「そして、ブーメラン!!」ヒュンヒュン
マミーをたおした!!
マミーは仲間を呼んだ!!くさったしたいがあらわれた!!
魔法使い「新手!?でも、すぐに…」
ミイラのこうげき!!つうこんのいちげき!!
商人「…!!きゃ、あ……」バタツ
魔法使い「いけない、商人!!」
商人はしんでしまった!!
魔法使い「くっ…商人…!どうする…魔物はまだ4体、イオ一発では、でも……ここは…!」
――49日目、イシス城下町
商人「あ、れ…?ここ、教会?なんで…あ、そっか、あたし…」
魔法使い「目、覚めた?」
商人「あ…うん。あたし、死んじゃったんだね。死んだの初めてだから、少しおどろいちゃった。魔法使いちゃんが、ここまで運んでくれたんだ?」
魔法使い「いえ、私も死んだわ」
商人「…え?」
魔法使い「あのあとすぐ、私も死んだの。逃げたんだけど、回り込まれて…ね。私達、全滅したのよ」
商人「え…全滅?じゃあ、ここ、天国…じゃないよね。ど、どういう事…?」
魔法使い「言ってなかったかしら?勇者でもない私達は、全滅したらおしまい。でも、アリアハンの王様が、5回だけ全滅しても生き返れる道具をくれたのよ」
商人「あ、そういえば…」
魔法使い「これで私達は全滅1回目。あと4回しか全滅出来ないわ。油断したわ…」
商人「そっか…でも、魔法使いちゃん?考え方変えようよ、今まで全滅しないでこれた、その事が凄いって!」
魔法使い「今まで…」
商人「そうだよ、いざないの洞窟だって、ノアニール西の洞窟だって、全滅してもおかしくなかったのに、今まで無事にこれたんだよ?これって、凄い事だと思うよ!」
魔法使い「凄いも何も、普通なら全滅したらそれでおしまいだったのよ?でも、まあ…そうかしらね」
商人「でしょ?だから元気を出して行こうよ!!それよりさ、あたし魔法使いちゃんに言いたい事があるんだけど」
魔法使い「言いたい事…?何かしら?」
商人「魔法使いちゃん、さっきも言ったけど、あたし今回初めて死んだの。凄く痛かったの」
魔法使い「そう…ごめんなさい、私がもう少し気を付けてれば…」
商人「そうじゃないよ!魔法使いちゃん、今まで何回も死んでるでしょ?それなのに、全然痛いとか言ってなかったじゃん!!なんで黙ってたの?無理しないでよ!!」
魔法使い「あ…ごめんなさい、私…」
商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達仲間なんだから、そういう隠し事無しにしよ?魔法使いちゃんがあたしに心配かけたくないって考えてるのは分かるけどさ」
魔法使い「ええ、そうね…うん、分かったわ、ごめんなさい」
商人「いいよ、謝らなくて。謝らなくちゃいけないのは、気づけなかったあたしなんだから。魔法使いちゃん、今までごめんね」
魔法使い「ううん、いいのよ、そんな事は…」
商人「えへへ、こういうのなんか照れ臭いね。でも二人だけのパーティーだもんね!!」
魔法使い「そう、ね…二人だけの…か…」
――夜、宿屋
商人「はあー、今日も疲れたね!!でも、ピラミッドの宝箱にリベンジしたし、あれであそこの宝は残さず取れたよね?」
魔法使い「そうね…」
商人「あー、魔法使いちゃん、何かあたしに内緒で考え事してる!ダメだよ内緒は!」
魔法使い「…何も貴方に私の頭の中全部を見せる必要はないでしょう?」
商人「あたしに言えないようなこと…?あ、分かった、恋の悩みね!!ね、ね、そうでしょ?ね、誰?相手誰?ね、ねえってば!!」
魔法使い「そんなんじゃないわよ…まあ、貴方には話しておくべきね。今後の、このパーティーの事よ」
商人「パーティーの今後…?もしかして、旅止めるの!?」
魔法使い「違うわよ、旅は止めないわ。旅を続けるにはどうしたらいいかを考えてたのよ」
商人「どうって…?もっと時間をかけて進むとか…?」
魔法使い「それもあるけど…このまま二人だけで旅を続けたら危険じゃないかって…」
商人「え?じゃあ新しい仲間?いつ?誰が?」
魔法使い「焦らないで、まだ考えてるだけよ。だけど、どう?貴方は新しい仲間、欲しい?」
商人「うーーーーん、それは悩ましいね…」
魔法使い「そうよね…まあ、今すぐというわけじゃないわ。ただ、貴方も考えておいて。じゃあ、今日はもう休みましょう…」
――50日目
魔法使い「50日か…長かったような、あっという間のような…」
商人「ねえ魔法使いちゃん、今日はどこに行くの?あたし、出来たらアリアハンに戻りたいんだけど…」
魔法使い「アリアハンに?ああ、貴方はたまにアリアハンで変わった物を手に入れてくるわよね。今回もそうなのかしら?」
商人「えへへ、ナイショ」
魔法使い「人には内緒は駄目って言っておいて…」
商人「まあまあ。で、アリアハンに行ってもいいの?」
魔法使い「うーん…ねえ商人、もう少ししたらじゃ駄目かしら?」
商人「え?まあ、急いではないけど…」
魔法使い「これからの計画なんだけど、2、3日でポルトガに行くつもりでいたのよ。でね、新しい町に着いたら、やることがあるでしょう?」
商人「装備を新調する?」
魔法使い「そう。でも、もしかしたらお金が足りないかもしれない。でも、アリアハンに行くのは後回しにすれば、預けてあったお金を下ろせるでしょう?」
商人「あ、なるほど、さすがきれもの!!」
魔法使い「そんな大したものじゃないけど…貴方が納得してくれるなら、アリアハンは後から。まずはもう一度、アッサラームに行きましょう」
――夜、アッサラーム
商人「ふうん、ここから東に行くにも結局まずはポルトガに行かなきゃいけないみたいだね」
魔法使い「そうみたいね。とはいっても、まだ私達ポルトガにもいってないけれど」
商人「東か~。ポルトガも楽しみだけど、東に行くのも楽しみだね!」
魔法使い「そうね…あら?」
???「にゃーん…」
商人「えっと、あれ、猫??」
魔法使い「とてもそうは見えないけど…」
???「うげ、化け損ねたか!ええい、どうせ同じことよ!!」
ベビーサタンがあらわれた!!
商人「…あんまり強そうじゃないね」
魔法使い「油断は禁物よ。火の精霊よ我が両の手に!!熱き力、二つの弾と成りて敵を焼き尽くせ!!メラミ!!」
ベビーサタンをやっつけた!!
魔法使い「やっぱり大したことなかったかしら?」
商人「ひええ…すごい威力…」
――51日目、ロマリア西のほこら
商人「へっへ~ん、どう?まほうのかぎ、持ってきたんだから!!」
兵士「お、やるじゃないか。それがあれば、ポルトガに行けるだろう。さ、通りな」
商人「…それだけ?」
兵士「ん?他に何かあるのか?」
商人「…何か拍子抜け…」
魔法使い「何言ってるの、見せびらかしに来たんじゃないのよ…それより商人、ロマリアで聞いた話覚えてる?」
商人「え?うん、ポルトガでは舟を造ってるって話だよね?」
魔法使い「そうよ。確かに、船があればいいでしょうね。私達みたいなただの旅人が手に入れる事が出来るのかは分からないけど…」
商人「船かあ…船旅って憧れるなあ。これで、いよいよあたしも世界を相手に商売出来るようになるかも!」
魔法使い「今まで旅してきた範囲とは比べ物にならないほど広い世界を旅できるんでしょうね。そう考えると、俄然船が欲しくなってきたわね。何とか手に入れる方法を考えましょう」
商人「うん!!」
――52日目、ポルトガ
魔法使い「やっとポルトガね。昨日は、夜に到着したから町を見て回る事は出来なかったけど…」
商人「ね、ね、魔法使いちゃん、船が欲しいなら、王様に会ってみたらいいんじゃないかって言われたよ」
魔法使い「王様か…じゃあ今日は挨拶して終わりかしら。商人、お店の方はどうだったの?」
商人「それが、品揃えはいいんだけど、あたし達が装備出来るやつは代わり映えしなかったなあ…」
魔法使い「そう…残念だけど仕方ないわね 。それじゃあ私は王様に会ってきてみるわ。良い話が聞ければ良いけど…」
商人「王様だよ?船くらいポンッとくれるんじゃない?」
魔法使い「…そんな王様、今まで会ったことある?確かにイシスの女王様は色々下さったけど…」
商人「アリアハンやロマリアの王様みたいなケチンボの可能性もあるんだね…で、でも、会ってみなきゃ分からないよ!!」
魔法使い「そうね、まずは話を聞いてみてからね…」
――夜、宿屋
商人「で、王様の話はどうだったの?」
魔法使い「それが…船が欲しいなら、東へ行ってくろこしょうを持ってきてくれ、って言われたわ」
商人「へえ、胡椒さえ持ってくれば船くれるんだ?割りと太っ腹じゃない?」
魔法使い「そうねえ…船を寄越しても良いほど面倒な事、という感じもするけど…」
商人「ああ、その可能性もあるね…でも、胡椒って確か東の方にあるんでしょ?確か東には行けないんじゃなかったっけ?」
魔法使い「それは大丈夫。王様から手紙をもらってきたわ。これがあれば、アッサラームの東にある洞窟から更に東に抜けられるらしいの」
商人「東にいけるんだ!?東に行けて、更に船をもらえるチャンスもあるなんて、この国は良い国だね!!」
魔法使い「良い国といえば、ここの王様は色々くれたわよ、東への旅は厳しいからって。私、王様に対する認識を改めなきゃいけないわ…」
商人「こんな小さな国なのに王様は立派だね!!どこかの国の王様にも見習わせたいね!!」
魔法使い「全くよ。爪の垢でも煎じて飲ませたいわ…」
――53日目
魔法使い「ん…よく寝たわ…あら、珍しく商人がまだ寝てるわね。商人?」
商人「んん…あたし…夢を見ている…夢を見ている…小さな…宿屋の…中で…」
魔法使い「…寝言かじら?」
商人「むにゃむにゃ…また始めるなら…パーティーな商人を…理想は…勇商商商…」
魔法使い「…この寝言何かしら…何の夢を見てるの…?」
商人「んん…王様は…手紙しかくれない…でも…お城にある宝物も…もらった事に…でないと…あたし泥棒…お話の…つご…ゴホッゴホッ!」
魔法使い「…何を言ってるのか分からないけど、びっくりするほど都合よく寝言を言ってるのは分かるわ…」
商人「小さなメダル…も…あたしが…取引した事に…その方が…商人っぽい…」
魔法使い「そろそろ起こした方がいいかしら…」
商人「きゅーとでせくしーで…こんな気配りも出来る…やっぱりあたしえらい…パーティーに…商人を…魔法使いは…別に入れなくても…」
魔法使い「起きなさい。今すぐよ。ほら、商人!」ユサユサ
商人「ほえっ!?…あ、魔法使いちゃんおはよう、今日は早いね」
魔法使い「…全く、本当に寝言だったのかしら…」
――54日目アリアハン
商人「というわけで、あたし達今日はアリアハンまで来ました!!ルーラって便利だね!!」
魔法使い「はいはい。貴方は何か用事があるんでしょ?私もお城に用があるから、また後で落ち合いましょう」
商人「りょーかいです!!あ、あとお金どのくらい預けよっか?9600ゴールドくらいあるけど…」
魔法使い「9000ゴールド預けちゃっていいわよ、東への旅は長旅になりそうだし…」
商人「分かった、そうしとくよ。んじゃ、またね!」
魔法使い「ええ、気を付けるのよ」
――アリアハン城内
兵士「おっ、来たな」
魔法使い「久しぶりね。約束通り、物をもらいに来たわ」
兵士「もうちょっとオブラートに包めないのかよ。ほら、そこの4つだ、持ってきな」
魔法使い「これって…!確か、要らない物を寄越すって話じゃなかったかしら?これはどう見ても…」
兵士「だから前も言っただろ、俺は勇者オルテガに世話になったってな。そのオルテガの娘の為に旅してるんだろ?ならなんでもくれてやるさ、きっと王様も良いって言うね、間違いない」
魔法使い「あのケチがそんな事言うはずないじゃない…全く、私の周りは、自分の事棚にあげる人ばかりね…」
兵士「あ?どういう事だよ?」
魔法使い「貴方も私もこの国では出世出来ないって事よ。じゃあ、せっかくだから頂いていくわよ。ありがとうね」
兵士「ああ、道中気を付けてな。また顔見せろよ」
魔法使い「ええ、またいつか…」
――ルイーダの酒場
魔法使い「ルイーダさん、お久しぶりです。ここにいたのね…あら、貴方は…」
盗賊「お!まほーつかいも来てたのか?久しぶりだな、おみやげあるか?」
魔法使い「久しぶりね。お土産は…ごめんなさい、ないわ」
盗賊「ないのか?もしかして腹ペコか?じゃあとーぞくがメシ作ってやる!!あいつらのむしやきとまるやき、どっちがいい?」
戦士&武闘家「ヒイイィ!!」ガクブル
魔法使い「…両方遠慮するわ。ルイーダさん、この子はいい子にしてた?」
ルイーダ「ああ、いい子にしてたよ。食費がかさむ以外はね」
魔法使い「まあそうでしょうね…」
ルイーダ「他の連中もただ酒飲みばかりだし…あんた、誰か連れてってくれよ。いくら国から援助金が出てるとはいえ、このままじゃ潰れちまう」
魔法使い「そうね…もう少し待ってもらえないかしら。もしかしたら私達、船が手に入るかもしれないの」
ルイーダ「船!?船ってあの船かい!?すごいじゃない、あんた達、ものすごい冒険してるんだねえ…」
魔法使い「それで、船が手に入ったなら、きっと二人旅はきつくなるでしょうから、多分、その時にでも…」
ルイーダ「ああ、そういう事かい。今大事な時期みたいだし、そこに足手まといを入れてもね…」
魔法使い「そうは言わないけど…でも、もし途中で仲間が必要になったら、その時はまた来るわ」
商人「あ、魔法使いちゃん、こっちこっち!!」
魔法使い「貴方もここにいたのね。用事は済んだの?」
商人「うん、ほらこれ、やいばのブーメラン!!これね、今までのブーメランよりすっごい攻撃力高いんだよ!!だから今までのやつは魔法使いちゃんにあげる、はい!!」
魔法使い「お下がりね。ありがたく使わせてもらうわ。それと商人、私も色々貰ってきたんだけど、これ、ちょっと見てもらえる?」
商人「へえ、どれどれ?これ…」
魔法使い「ごうけつのうでわっていうらしいのよ。良いものだと思うんだけど…」
商人「ガハハハ、おいどんこの腕輪が気に入ったでごわす!アリアハンの夜明けぜよ!!」
魔法使い「!?!?」
商人「どげんかせんといかん、どげんかせんといかんぜよ、ガハハハ!!…ああ、魔法使いちゃん、また私から取り上げて…」
魔法使い「貴方ねえ…ごうけつのイメージが固まってないなら無理しなくて良いのよ。方言滅茶苦茶だし…」
商人「えへへ、つい…」
――55日目、アッサラーム郊外
魔法使い「いよいよ東に行けるわね」
商人「楽しみだね!どんな所なんだろ?ね、そういえばさ魔法使いちゃん、東には転職出来る所があるってポルトガで聞いたよね。魔法使いちゃんは、転職とか考えた事ある?」
魔法使い「転職ねえ…考えた事ないわけじゃないけど、私は魔法使いのままでいいかな…貴方も商人が良いんでしょ?」
商人「え、あたし?あたしは別に、転職しても良いけど」
魔法使い「そうなの!?貴方こそ商人にこだわりがあると思ってたわ」
商人「こだわりはあるよ!でも、1度他の職業になったからって、もう商人に戻れない訳じゃないでしょ?ならあたし、魔法とか使えるようになりたいな」
魔法使い「意外ね…どんな呪文が使いたいの?」
商人「ザキ!!」
魔法使い「嫌な即答ね…私にかけないでよ?」
商人「かけないよ!でも、まだ転職のこと、詳しくは分からないし…」
魔法使い「そうね、転職が出来るという場所に着いてから考えても遅くないと思うわ…あ、商人、
見えてきたわよ、あの洞窟…」
商人「あれだよね、ポルトガの王様と知り合いのホビットがいるっていう洞窟!結構たくさんの人が、あの洞窟を抜けられなかったって言ってたけど…」
魔法使い「大丈夫よ、私達には王様からの手紙があるわ。さあ、行きましょう」
魔法使い「
――アッサラーム東の洞窟
ホビット「お嬢さんがたは何だね?ささ、出ていきなされ!」
商人「…門前払いされたよ」
魔法使い「貴方ねえ…王様の手紙を読んでみたら?」
商人「あ、そっか。あー、ごほん、し、親愛なるノルドよ。この旅人達を、バーンの抜け道へ案内してやってくれ」
ホビット「ふむ!するとお嬢さんがたは東へ行きたいんだね?」
魔法使い「ええ、そうです」
ホビット「ふむ!ではついてきなされ!」
商人「は、はい!!魔法使いちゃん、やったね!」
魔法使い「ええ、これで東へ行けるわ」
ホビット「ささ、通りなされ!これが抜け道じゃ!」
商人「はい、おじさんありがとう!!」
魔法使い「ありがとうございます」
ホビット「ふむ!ポルトガ王によろしくな」
商人「洞窟を抜けると…んー!まぶしー!!」
魔法使い「さて、ここからどこに行けばいいのかしら?実は東のどこに町があるのかは分からないのよね…」
商人「そういえば分かんないね。それじゃああたしのカンで、北へ行こうよ!!」
魔法使い「北か…情報がなかった以上、貴方のカンに頼るしかないわね…」
商人「そうそう、あたしのカンは当たるんだから!!じゃあ行こ、ね、ね?」
魔法使い「ええ、進まなければ間違ってるかどうかも分からないし、行きましょう」
――湖畔のほこら
商人「あ、あっれー!?なんかすごい寂れた場所に来ちゃったよ…」
魔法使い「流石に、ここにくろこしょうが売ってたりはしないでしょうね」
商人「あたしが胡椒屋さんだったら、もっと繁栄してる場所にお店を出したいよ。でもここじゃあ…あたしのカン、外れかあ~…」
魔法使い「いつもいつもカンが当たったらそれはそれで怖いわよ。それに、全く無意味な場所に来たわけでもないみたいよ」
商人「え?」
魔法使い「こういう場所にこそあるものもあるってことよ。ほら、貴方も中に入って」
商人「うん…あれ?宿屋だ…!」
魔法使い「ほら、ナジミの塔の中にも宿屋があったりしたでしょう?こういう場所には、意外と宿屋があるんじゃないかしら?実際、迷った私達がたどり着いた訳だし」
商人「なるほど、こういう商売もありかあ!!今日はここに泊まってくの?」
魔法使い「ええ、これから先どれくらいの道程かも分からないし、今日はここで1泊していきましょう」
――56日目
商人「魔法使いちゃんおはよう!!起きて!!起きて!!」ユサユサ
魔法使い「んん…今日は早いわね…」
商人「あたしはいつも早いよ!!ほら、起きて、顔洗って…じゃあおじさん、お世話になりました!!」
宿屋「いやいや、久しぶりに新しいお客さんが来て楽しかったよ。気を付けてな」
商人「はい!!じゃあ行ってきます!!さ、魔法使いちゃん、行こ行こ!」
魔法使い「分かったから、急かさないで…」
商人「で、これからどこに行こっか?」
魔法使い「貴方、人を急かしておいて…北が駄目なら、南しかないでしょ」
商人「そっか、そだね。じゃあ、まだ見ぬ南の町とか村とかお城とかに向かってゴーゴー!!」
魔法使い「朝から元気ね…」
商人「ひー!!この辺のモンスター、強すぎじゃない!?」
魔法使い「そうね、呪文も多彩だし、力も強いわ…貴方最近防具買い替えられなかったでしょう?ダメージが大きいでしょうから、早めに回復するのよ」
商人「そうだね、ポルトガじゃ装備を新しく出来なかったし…次の町では、何か買えるといいなあ…」
魔法使い「でも、買えるとなると…お金預け過ぎたかしら?」
商人「それは大丈夫だと思うよ、売らずにいた装備品を売ったりすれば予算は確保出来るはずだよ」
魔法使い「なるほど。ならやっぱり問題は売ってるかどうか、いえ、その前に町にたどり着けるかだけど…あ、商人、あれ…」
商人「薄暗くなってきたからよく見えないけど、あれは…町!?町だよね!?」
魔法使い「そうみたいね、助かったわ…さあ、あとひと踏ん張りよ、行きましょう」
商人「うん!!」
――バハラタの町
魔法使い「すっかり夜になってしまったけど…お店とかは営業してるのね」
商人「そうだね、アッサラーム見たいではないけど…」
魔法使い「あんないかがわしい町がたくさんあっても困るわ。それより、せっかくお店がやってるんですもの、見て回ってみましょ」
商人「そうだね、じゃあまずは…このお店!!」
武器防具屋「はい、いらっしゃい」
魔法使い「ねえ商人、あの盾…」
商人「うん、このまほうのたて、あたしだけじゃなく魔法使いちゃんも装備出来るみたい。しかもただ硬いだけじゃなくて、魔法からのダメージも減らせるみたいだよ、すごい!!」
魔法使い「これは買いね。予算は大丈夫よね?」
商人「ちっちっちっ、あたしの財政管理を甘く見てもらっちゃ困るよ魔法使いくん、まずあたしが買って、今まで装備してたてつのたてを売れば…」
魔法使い「私の分も帰るというわけね。流石、計画通りね」
商人「へっへ~、あたしは商人、このくらいお手のものよ!!」ドヤッ
武器防具屋「おお、2つも買ってくれるのかい?毎度!!」
魔法使い「あとは胡椒ね…ねえご主人、私達くろこしょうを買いたいのだけれど…」
武器防具屋「くろこしょう?それならここの一軒南の店で売ってるよ」
商人「隣で売ってるの!?なんだ、簡単に買えちゃいそうだね、じゃ行ってみようよ!!」
魔法使い「そうね、じゃあ失礼するわ…あそこね」
商人「あ、他にもお客さんがいる。こんばんはー、お兄さんもくろこしょうを買いに来たんですか?」
剣士「ああ、そうなんだが…」
魔法使い「何かあったの?」
剣士「それがな、私が胡椒を買いたいと言ったら、ここの娘が拐われたとかで胡椒を売ってくれん。困ったものだ…」
商人「ええ!?拐われた!?」
魔法使い「そう簡単に船は手に入らないか…しかし困ったわね、さらわれてしまったなんて…」
――宿屋
商人「ねえ魔法使いちゃん、胡椒屋のおじいさん、可哀想だね…」
魔法使い「ええ、孫娘が拐われて、その恋人も孫娘を助けに出てってしまって…」
商人「こう言ったら悪いけど、あの恋人さんじゃ助けられないよね?戦う人には見えなかったし…」
魔法使い「そうでしょうね…」
商人「ねえ魔法使いちゃん、あたし達であの人達、助けに行かない?あれじゃ可哀想だよ」
魔法使い「ええ、何よりこの事件を解決しないとくろこしょう、そして船だって手に入らないでしょうから。でも、今の私達でどうにか出来るかしら?」
商人「出来るよ!!…って言いたいけど、この辺りの魔物に苦戦してるあたし達じゃあ…」
魔法使い「また少しの間、魔物退治に専念するようね。商人、音を上げないでよ?」
商人「まさか!!すぐに強くなってあの人達助けて、胡椒買って船をもらうの!!絶対やってやるんだから!!」
魔法使い「ええ、その通りよ。私も頑張るわ」
――58日目、バハラタ郊外
魔法使い「ここでの魔物退治も二日目ね。ここまでは順調ね」
商人「攻撃力が高いから、マメに回復しないといけないけど、気をつけてれば大丈夫だよね」
アントベアがあらわれた!!ハンターフライがあらわれた!!まもののむれはいきなり襲いかかってきた!!
アントベアのこうげき!!ハンターフライのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!
商人「え!?え!?痛い、痛いよ!!」
魔法使い「っ痛…!まずいわね、この奇襲は…!ごめん、私やくそう使うわ、貴方は攻撃を!」
商人「うん!!…ってモンスター、6匹もいる…まずはチェーンクロスで虫3匹を攻撃!!」ピシャッ
ハンターフライをたおした!!
商人「ダメだ、1匹しか倒せない…あ!!」
アントベアのこうげき!!アントベアのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!
商人「痛い…ま、魔法使いちゃん、大丈夫!?」
魔法使い「だ、大丈夫よ、回復が間に合ったから…」
魔法使い「でも今度は貴方が危ないわ。貴方を回復するから、貴方はまた攻撃をお願い!」
商人「うん…今度は…ブーメランで!!とうっ!!」ヒュンヒュン
ハンターフライをたおした!!
アントベアのこうげき!!ハンターフライはギラをとなえた!!ハンターフライのこうげき!!
魔法使い「後手後手ね…回復が間に合ってるからいいものを、今度はまた私を回復しないと…」
商人「だいじょーぶ!!ここを耐えたら…も1度ブーメラン!!」ヒュンヒュン
アントベアをたおした!!アントベアをたおした!!ハンターフライをたおした!!
魔法使い「よし、あと一息ね!なら…ヒャド!!」カキーン
まもののむれをやっつけた!!
商人「あ、危なかった~!もうダメかと思ったよ!!」
魔法使い「私もよ。こんな後手に回る戦いは初めてだったけど、なんとか切り抜けたわね。私達、力や呪文だけじゃなくて、経験面でも強くなっているのかもね」
商人「そうだね。死線を潜り抜けて来たってヤツ?」
魔法使い「大袈裟だけどそんな感じかもね。でも…やっぱり二人だと手数の少なさを感じてしまうわね」
商人「それはあたしも思ったよ、あと一人いればな…って」
魔法使い「二人旅もそろそろおしまいかもしれないわ。でも、今新しいメンバーを加えてもね…」
商人「パーティーに入っていきなり人さらいと対決!!じゃ可哀想かもね。もうちょっと、二人で頑張る?」
魔法使い「ええ、むしろ人さらいを倒したら三人目を迎えられる、それを楽しみにここは乗り越えましょう」
商人「そだね、あと一踏ん張り、がんばろー!!」
商人「必殺・てつのおの!!とりゃー!!」ガンッ
まもののむれをやっつけた!!
魔法使い「よし、片付いたわね。あ…」
魔法使いはレベルがあがった!!
商人「お、魔法使いちゃん、レベルアップだね!!」
魔法使い レベル20「ふふ、ふふふふふ…」
商人「ま、魔法使いちゃん!?どうしたの?」
魔法使い「…何でもないわ。さあ、魔物退治を続けましょう」
商人「う、うん…あ、噂をすれば!!」
デスジャッカルがあらわれた!!
商人「あのモンスターも力が強い上にマヌーサまで…魔法使いちゃん?」
魔法使い「…霜の巨人よ、その荒ぶる拳を振るい――世界を静寂で染め上げよ!!ヒャダルコ!!」ピキキーン
デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!デスジャッカルをたおした!!
魔法使い「…ふう。今まで貴方に負担をかけすぎていたわ。でももう大丈夫。この呪文があれば…ふふふふふ…」
商人「こ、怖いよ…呪文も魔法使いちゃんも…」
――バハラタの町、夜、宿屋
魔法使い「昨日今日と二日間魔物退治に専念したおかげで、二人ともレベルアップ出来たわね」
商人 レベル22「うん、特に魔法使いちゃんの新しい魔法はすごかったね!!この辺の手強いモンスターが相手でもあっという間に戦いが終わっちゃったよ!!」
魔法使い「あのくらいはね…レベル20の魔法使いともなれば、あれくらいの事はやりたいわよ」
商人「あ、急に強気になった」ニヤニヤ
魔法使い「い、いいじゃない少しくらい得意になったって!それより、二人ともレベルがあがったし、明日は少し行動範囲を広げましょう」
商人「じゃあ、ついにあの転職が出来るっていうダーマに行ってみる?」
魔法使い「ええ、もし行けるのなら行ってみましょう」
商人「やった!新しい町はいつだって楽しみだけど、今回は特別に楽しみだよ!!ダーマかあ、どんなところかなあ…」
――59日目
商人「えっほ、えっほ…」ザッザッ
魔法使い「おはよう商人。今日も朝からあなほり?」
商人「あ、魔法使いちゃんおはよ!!うん、見てこれ、どくがのこな!!」
魔法使い「これ、結構高いやつじゃない。あなほりで見つけたの?」
商人「もちろん!!久しぶりに良いもの見つけたよ!!」
魔法使い「まあ、どくけしそうくらいはいつも見つけてるじゃない。それより、今日はダーマに行く予定だから、準備は早めに済ませてね」
商人「あ、そうだった!今準備してくるよ、待ってて!!」ドタバタ…
魔法使い「もう、そんなに慌てなくて良いのよ!」
商人「――でさ、やっぱりあたし、ザ…魔法が使えるようになりたいな。魔法が使えてお金も稼げるせくしーな商人ってすごいと思わない?」
魔法使い「1つ余計な項目が入ってた気もするけど、確かに貴方も呪文を使えたら心強いわね。商人は僧侶になりたいの?」
商人「そだねー、魔法使いちゃんが魔法使いなんだから、あたしは違う魔法が使えた方がいいでしょ?ザキも使えるし!!」
魔法使い「はっきり言うわね、さっき言い淀んでたのはなんだったのかしら…?でも確かに、このまま回復呪文がないと…」
キラーエイプがあらわれた!!キラーエイプはいきなり襲いかかってきた!!
キラーエイプのこうげき!!キラーエイプのこうげき!!キラーエイプのこうげき!!
商人「わわっ、みんな魔法使いちゃんを狙ってるよ、大丈夫!?」
魔法使い「平気よ、このくらい…ヒャダルコ!!」ピキキーン
キラーエイプをたおした!!キラーエイプをたおした!!キラーエイプをたおした!!
魔法使い「いきなり襲いかかってきたからびっくりしたわね。さ、行きましょ」
商人「う、うん。相変わらずすごい魔法…」
――ダーマの神殿
魔法使い「ふう、ダーマは広いわね、何もないならか、他の町よりずっと広く感じるわ」
商人「ホントだね。宿屋と教会しかないや。お店がないなんて…」
魔法使い「お店はないけど、そもそもこんな山奥に買い物に来る人もあまりいないと思うわ…」
商人「そういえばそっか。来るのは、やっぱり転職したい人だよね」
魔法使い「その転職に関しては色々な話が聞けたわね。貴方も聞いてたでしょう?」
商人「うん!商人になりたいって言ってた男の人がいたよね。かっこいいよね、ああいう人をいけめんって言うんでしょ?」
魔法使い「うん、そうね、ちゃんと情報も集めてね?」ニッコリ
商人「や、優しさが怖いよ魔法使いちゃん!いつもみたいに突っ込んでよ!!」
魔法使い「冗談は置いといて、転職は別に回数制限とかはないみたいね。また元の職業に戻ることも出来るみたいだし…」
商人「そだね、あたしも魔法を覚えた後また商人に戻れるみたい!でも、転職するとレベル1からやり直しなんだね…」
魔法使い「そうみたいね。もた体力とかはレベル1相当まで下がるという訳でもないみたいだし、言葉で聞くほど大変ではなさそうだけど…」
商人「でも…それでも、今すぐ転職するのはちょっと難しそうだね」
魔法使い「ええ、それに魔法職になったら今より体力は落ちるでしょうし、そうなるとかなり脆弱なパーティーになってしまうわ」
商人「だよね。やっぱり転職は後回しかあ…」
魔法使い「まあ、ちょうどいいんじゃない?貴方も、そして私も、本当に転職が必要なのか、本当に必要じゃないのか、考え直すのも悪くないわ」
商人「そうだね。もう一度、ゆっくり考えてみようかな…」
魔法使い「さて、転職の話は置いといて、これからはこの付近で魔物退治をするのも悪くないかもね。バハラタ辺りとそう魔物の強さは変わらないわりには実入りはいいし…」
商人「あの~、それなんだけどさ魔法使いちゃん、あたし、1回バハラタに戻りたいなって…」
魔法使い「あら、何かやり残した事でも?」
商人「それが…やくそう買いだめしとくの忘れちゃって…買いに戻らないと…」
魔法使い「ああ、そういえばバハラタ辺りでかなり使ってしまったわね。もう袋の中にもほとんどないわね…」
商人「ごめんね、あたし、ちゃんとチェックしてなくて…」
魔法使い「謝らなくていいわ。私もちゃんは把握してなかったし。それにしても、やっぱり不便ね…」
商人「この神殿の事?お店ないとやっぱり不便だよね」
魔法使い「それもだけど、何より回復呪文がないのがね…」
商人「あ、そっか。やっぱりいずれ転職するようかあ…」
魔法使い「まあ、その話は後よ。まずはバハラタに戻って買い物ね」
商人「そだね?この辺であなほりして出ないかなー…」
魔法使い「あなほりに期待するのね…」
――60日目
魔法使い「もう60日か…私に与えられたのは、あと約300日…多いのか少ないのか…」
商人「考えても仕方ないよ、魔法使いちゃん!先の事より今日の事!やくそうも買ったし、またダーマに戻ってのモンスター退治も順調だし!!」
魔法使い「そうね、今日に限らず、私達の旅は順調な方なのかもね…」
商人「そうそう!それでね魔法使いちゃん、あたしダーマの北の方に何か建物が見えたのが気になってるんだけど…」
魔法使い「建物?町でもあるのかしら?」
商人「ううん、ちらっとしか見てないけど、多分あれ、塔だよ」
魔法使い「塔、か。確かに気になるわね、でも…」
商人「ねえ、魔法使いちゃん、とりあえず行ってみない?危なかったら、すぐ引き返せばいいしさ。いいでしょ?ね、ね?」
魔法使い「…しょうがないわね。どうせ、駄目って言っても無駄でしょうし…」フウ…
商人「やった!!魔法使いちゃん、大好き!!」
魔法使い「…今まで甘やかし過ぎてたかしら…?」
――ガルナの塔
女性「ガルナの塔へようこそ。この塔のどこかに、さとりのしょがあるといいます。さとりのしょがあれば、賢者にもなれましょう」
魔法使い「賢者…!」
商人「ね、ね、魔法使いちゃん、確か賢者ってすごい職業だったよね!?」
魔法使い「ええ、魔法使いと僧侶、両方の呪文が使えて、なおかつそれらより体力的にも装備的にも恵まれた職業らしいわ」
商人「す、すごいすごい!!あ、あたし賢者になりたい!!超なりたい!!…あ、でももしかして、魔法使いちゃんも賢者になりたいの?」
魔法使い「………正直、興味がないわけではないわ。でも…でも私は、やっぱり魔法使いのままでいいわ。また1から賢者の修業をし直すとなると、魔法使いとしての秘儀を修得するのに時間が掛かりすぎるもの…」
商人「じゃさ、じゃさ、あたしがなってもいい?賢者に!」
魔法使い「構わないけど…あまりおすすめしないわよ?」
商人「なんで?魔法使いちゃん、前にあたしも魔法が使えた方がいいって言ってたじゃない!?」
魔法使い「そうだけど、貴方賢者になったとして、呪文全部覚えるまでずっと賢者でいるの?」
商人「え…んー、そこそこ魔法が使えるようになったら、また商人に戻りたいな」
魔法使い「そうでしょう?なら、おそらく1度しか使えないだろうさとりのしょを使ってしまうのは勿体ないわ」
商人「あ、そっか…1回賢者じゃなくなったら、また賢者の修業をしたいと思っても、元に戻れないかもしれないんだ。それに…あたし、勿体ないって言われると弱いなー…」
魔法使い「それに、賢者は成長が遅いと言われているわ。魔法使いと僧侶、両方の呪文を勉強しなければいけないのだから当然だけど…また商人に戻りたい貴方がなっても、中途半端な事になる可能性が高いと思うの」
商人「そっかあ…両方の呪文を使えるスーパー商人、かっこいいと思ったんだけどな…それに成長が遅くなるのも辛いな…今成長が遅くなったら、魔法使いちゃんみたくBで止まっちゃう…」
魔法使い「そっちの成長じゃないわよ!大体私も止まってはいないからね!」
商人「そうなの!?」
魔法使い「そうなの!?じゃないわよ!多分貴方が思ってるよりずっと、私歳いってないわよ?」
商人「しょ、衝撃の事実だあ…魔法使いちゃん、もしかしてあたしと同じくらい?」
魔法使い「流石に、そこまで幼くないわよ
商人「お、幼い!?あたしは、多分魔法使いちゃんが思ってるより大人だよ!?」
魔法使い「とてもそうは思えないけど…」
商人「信じてない…いいよ、今あたしのあだるとなせくしーさを魔法使いちゃんに説明しても仕方ないもの」
魔法使い「そ、そうね。私も下らない事でムキになったわ。さとりのしょと賢者の話だったわよね?」
商人「そうそう。魔法使いちゃんの言う通り、賢者は諦めようかな…」
魔法使い「別に絶対に駄目って言ってるわけじゃないのよ。それに昨日、転職についてはゆっくり考えるって言ったじゃない」
商人「そうだね、今結論を出す必要はないか…でもさ!!」
魔法使い「な、何?」
商人「商人としては、是非さとりのしょは欲しいな!滅多に手に入らない超レアアイテムでしょ?」
魔法使い「まあ、確かにそうね…探す事自体は、私も賛成よ。やっぱり必要になるかもしれないし…」
商人「でしょ?じゃあ是非ともさとりのしょを探そうよ!!別に今日じゃなくてもいいからさ」
魔法使い「そうね、私達にはやることがある。でも、それらが片付いたら、またここに来ましょうか」
商人「うん!でも、帰る前に…」
魔法使い「何?宝探し?」
商人「新しい所に来たらまず、あなほり、あなほり…」ザッザッ
魔法使い「あなほりに関しては本当に真面目ね…」
商人「へへ、2階でいのちのきのみを掘り当てたよ、やったね!」
魔法使い「流石あなほり名人ね。でも、あなほりしてるうちに外はすっかり暗くなってしまったみたいよ私の魔力も減ってきたし、そろそろ帰らない?」
商人「そういえば、今日はバハラタから歩いてここまで来たんだよね。流石にあたしもちょっと疲れちゃったかな。うん、帰ろう!」
魔法使い「じゃあ塔を出ましょう…ああ、やっぱり暗くなってしまったわね」
商人「うん、慣れない土地の夜って怖いね…魔法使いちゃん、気を付けて…あれ?魔法使いちゃん、あれ…」
魔法使い「何か月明かりを反射して光ってるわね…ってすごいスピードで動いてるわ、あれ、魔物かしら?」
げんじゅつしがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!
商人「ま、魔法使いちゃん、あたし、なんだか分からないけど…あの光ってるモンスター、絶対に倒したい!!」
魔法使い「不思議ね、私も絶対に逃がしてはいけない気がするわ」
商人「やってやろうよ魔法使いちゃん!倒せばきっといいことあるよ!!」
魔法使い「ええ、やりましょう!!」
魔法使い「…とはいえ、あのメダパニ使う魔物を放置してはおけないわね…まずは…ヒャダルコ!!」ピキキーン
げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!
商人「よし、あとはあのメタリックなモンスターを…」
メタルスライムはにげだした!!メタルスライムはにげだした!!
商人「えええ!?逃げちゃうの!?」
魔法使い「まだよ、まだ1匹残ってるわ!!」
商人「うん!こいつは逃がさないよ…とりゃあ!!」ガンッ
ミス!!メタルスライムにダメージをあたえられない!!
商人「か、硬いよ~、手、しびれちゃった…」
魔法使い「これは呪文も効きそうにないわね…どくばりで突いてみるわ!」ドスッ
商人「ど、どう!?」ドキドキ
メタルスライムはにげだした!!
商人「あ~…」
魔法使い「残念ね、悔しいわ…」
商人「ホント悔しい!!倒せたら…なにがあったか分からないけど」
魔法使い「そうね、でもまたきっとチャンスはあるわ。でもあの魔物、昼間は見なかったわよね?夜行性なのかしら?」
商人「たまたま夜見かけただけかも知れないけど、夜の方が好きなやつなのかな…あ、魔法使いちゃん!」
キラーエイプがあらわれた!!メタルスライムがあらわれた!!さつじんきがあらわれた!!
魔法使い「また出たわね!やっぱり夜行性なのかしら?」
商人「今度は逃がさないよ!!この…」
メタルスライムはにげだした!!
商人「ええ~!?ちょ、ちょっと待ってよ~」
――62日目、ダーマの神殿
商人「もう2日も前の事なのに、今思い出しても悔しいよ…」
魔法使い「そうね、でもそれよりも…あれから2日経ってしまったわ。まさか神殿に旅の報告するのに丸一日かかってしまうなんて…本当、神殿も王様もお役所仕事なんだから!」
商人「お、落ち着いてよ魔法使いちゃん、前にも言ったけど、きっとあたし達の旅は順調だよ?そんなに慌てなくても…」
魔法使い「これが私達だけの話ならそうよ。でも…あの人さらいに拐われた人達の事を考えると…」
商人「あ、あ、そうよ!!ど、どうしよう魔法使いちゃん!!」
魔法使い「明日で私達がバハラタに着いてから1週間…明日には決着を着けたいわね」
商人「明日!?今日中に何とかしない?」
魔法使い「駄目よ、焦っては。私達まで捕まる訳にはいかないわ。絶対に人さらい達を倒す。今日はその準備よ」
商人「準備って…まだやくそう買うの?」
魔法使い「買い物も必要でしょうけど、それよりは敵情視察ね。私達、まだ人さらい達の本拠地に行ってないわ」
商人「あ、そっか。じゃあ今日は、人さらいのアジトに行ってみるんだね?」
魔法使い「そう。あの洞窟の魔物の強さや比較的安全な通り道、あと出来れば連中や捕まっている人達がいる場所も探り当てたいわね」
商人「そうだね。今日は準備、明日は人さらい退治…頑張ろうね!!」
――62日目、人さらいのアジト
商人「…結構ダーマから近い場所にあったね」
魔法使い「そうね。こんな場所に人さらいがいるなんて、近くの人達は怖いでしょうね」
商人「転職目当てで来る人達も怖いだろうね。それなのになんで人さらい達を何とかしようっていう人がいないんだろう?大きな王国とかがなくて、兵隊さんが動かせないから?」
魔法使い「それもあるもかも知れないけど…それほど手強い相手という事かもしれないわ。それに、例え王国があっても、どうにかなったかは怪しいわね」
商人「そうかな?」
魔法使い「ロマリアはどうだったか覚えてる?王様は自分の冠1つ盗賊から取り戻せなかったじゃない」
商人「あ、そっか…じゃあやっぱり、今回もあたし達が何とかするしかないね」
魔法使い「そういう事ね。それにしても…船を手に入れるというのは大変な労働ね…」
商人「ねえ、魔法使いちゃん、宝箱いくつか見つけたけどさ…」
魔法使い「ええ、2つが魔物で、他は現金が多かったわ。もしかしたら、人さらい達が仕掛けたり、保管しておいたものかもしれないわね」
商人「魔物が入ってる箱とか、どうやって手に入れたんだろ…どこかで買えるのかな?」
魔法使い「取引とかそういう事は貴方の方が詳しいでしょう?そういう話、聞いたことないの?」
商人「ないよそんなの…でも、旅をして分かったけど、この世の中はあたしの知らない事がたくさんあったから…もしかしたら、モンスターを取引してる商人とかもいるのかも…」
魔法使い「それはいるでしょうね。大体、貴方の好きなモンスター格闘場に魔物を連れていくのはどういう人だと思うの?」
商人「あ…そういえば…そっか、そういう商売もあるんだね…どうしよう、今のあたしくらい強ければ、モンスターを捕まえて売り飛ばしたりとかも…」
魔法使い「ちょ、ちょっと本気なの!?」
商人「じょ、冗談だよ!!そんな事しないよ………カザーブ辺りのモンスターなら、あたしでも…」ブツブツ
魔法使い「…本当に冗談かしら?」
商人「あ、魔法使いちゃん、下に下りる階段だよ!」
魔法使い「ちょっと迷ったけど、やっと見つけたわね。じゃあ下りてみましょう」
商人「そうだね……魔法使いちゃん、ここって…」
魔法使い「ええ、人が出入りしている痕跡があるわ。間違いなく、ここが人さらいの本拠地ね」
商人「ねえ、やっぱり乗り込まない?あたし達なら…」
魔法使い「駄目よ。いくらか迷ったから、体力も魔力も消耗してしまったわ。ここは引き返して、ここに来るための最短の道を確認しましょう」
商人「うーん…」
魔法使い「拐われた人達が心配なのは分かるわ。でも、まだきっと売られたりしないでいるはずよ」
商人「分かるの!?」
魔法使い「必ず、という訳ではないけど…人さらいなんて危険な仕事してたら、いつまでも同じ場所にはいないんじゃないかしら?ある程度仕事をしたら、さっさとここからいなくなるはず。それが、この様子だとまだ人がいるみたいだし…」
商人「まだ一仕事終わってない可能性が高いって事かあ。確かにそうかも。人さらいなんて事を仕事なんて言い方するの、ちょっとイヤだけど…」
魔法使い「気持ちは分かるけどね。さあ、気付かれる前に引き上げましょう。今日乗り込まないからって、まだやることはあるわ」
商人「ここまでの道の確認だよね。そうだね、そっちも大事だね…うん、じゃあ行こ?」
魔法使い「ふう、ここの魔物もなかなか強いわね」
商人「敵の本拠地も探り当てて、最短の道筋も確認したのに、あたし達まだ洞窟の中…」
魔法使い「せっかくだもの、ついでに少しくらい魔物退治していきましょうよ」
商人「魔法使いちゃんのコンタンは分かってるよ、あわよくばもうちょっとレベルを上げたいんでしょ?」
魔法使い「ええ、これも準備の一環よ」
商人「ホント魔法使いちゃんって石橋を叩いて渡るっていうか…そんなに叩いたら橋、壊しちゃうよ?」
魔法使い「壊れたなら渡らなきゃいいじゃない。壊れるような橋を渡らなくて済んだなら万々歳よ」
商人「うーん、分かったような納得いかないような…」
魔法使い「慎重に行動するに越したことはないわ。でないと、また…あ、魔物よ!」
げんじゅつしがあらわれた!!
商人「うわ、この魔物嫌い…マヌーサもメダパニもイヤだし、何より見た目がちょっと…」
魔法使い「厄介な相手よね。でも今までもそこまで苦戦した事はないわ、いきましょう!」
商人「まずはあたしが…とうっ!!」ピシャッ
げんじゅつしはメダパニを唱えた!!魔法使いはこんらんした。
魔法使い「…つも…」
商人「え?」
魔法使い「いつもいつもBだBだBだ…好きでBな訳じゃないわよ!!」
商人「えええ!?メダパニって、混乱ってこういう事なの!?」
魔法使い「…我が怒り!!両の手に宿れ!!灼けつく炎となり、悪しき存在を焼き尽くせ!!」
商人「こ、怖い怖い、その魔法怖い!!」
魔法使い「私の怒りを知りなさい!!メラミ!!」ゴオオォ
商人「熱い熱い、熱いよ魔法使いちゃん!!私の冒険者人生で、ミイラのつうこんのいちげきの次に痛いよ!!」
魔法使い「まだ…まだよ…まだ…」
商人「どどどどうしよう!?そ、そうだ、モンスター、モンスターを倒してから正気に戻ってもらおう!!そりゃあ!!」ピシャッ
げんじゅつしをたおした!!げんじゅつしをたおした!!
商人「や、やった!!ま、魔法使いちゃん、しっかりしてよ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃんってば!!」
魔法使い「貴方だってB………?私、どうなって…?」
――ダーマの神殿、宿屋、夜
商人「はあ…あたし、魔法使いちゃんにあんなに恨まれてたなんて…」
魔法使い「だから、あれは混乱してただけで、本心じゃないわよ!…メラミまで撃ったのは謝らなければならないけど…」
商人「しかも、帰り道また魔法使いちゃん混乱して…私の魔力の初めての使い方、魔法使いちゃんのマホトラだった…もうあたし、お嫁に行けない…」
魔法使い「もう、マホトラ使われてお嫁に行けなくなったなんて聞いたことないわよ!…とにかく、今日は不注意が多かったわ。ごめんなさい。今後は、こういう事がないようにするから…」
商人「しかも、魔法使いちゃんだけレベル上がったよね」
魔法使い「レベルはいつも順番で上がるでしょう?もう、いい加減にしないと怒るわよ?」
商人「うそうそ、じょーだんだよ!ちょっとからかっただけだって!」
魔法使い「もう、本当にこの子は…!まあいいわ、とにかく、明日はいよいよ人さらいと対決しなければならないんだから、ちゃんと気を引き締めてよ?」
商人「もちろん!!人さらいなんか、けちょんけちょんにしてやるんだから!!」
――63日目、人さらいのアジト
魔法使い「ここに来るまで、あまり魔物に会わずに来られたわね。魔力もあまり使わずに済んだわ」
商人「で、この洞窟は…まず最初の分かれ道は真っ直ぐで…」
魔法使い「次の分かれ道は左ね。で、そのまま真っ直ぐ進んだら、扉があるから…」
商人「その扉を開けたらまた左。あとは真っ直ぐで…階段!」
魔法使い「この洞窟では、1度も闘わずに済んだわ。順調ね」
商人「この洞窟、モンスター少ないよね…人さらい達が退治してるのかな?ど、どうしよう魔法使いちゃん、人さらい達もすごいレベルアップとかしてたら…」
魔法使い「大丈夫よ、私達だってレベルを上げてきたもの、絶対に負けないわ。貴方も、気を強く持って!」
商人「そ、そうだね。ここまで来たら、覚悟を決めるしかないよね…じゃ、行こうよ!!」
魔法使い「さあ、いよいよ敵の本拠地よ。準備はいい?」
商人「うん、使わなそうなものをやくそうに持ち替えて…準備おっけー!!」
魔法使い「じゃあ、覚悟を決めて…行くわよ!!」
手下「なんだお前ら、俺たちの仲間になりたいのか?」
商人「そんなわけないでしょ!!拐われた人達を返して!!」
手下「じゃあここを通す訳にはいかねえな…やっちまえ!!」
カンダタこぶんがあらわれた!!
魔法使い「4人か…もっといるかと思ったけど…」
商人「この程度ならラクショーだよ!!いっくよー!!」
商人「行くよ、それっ!!」ピシャッ
カンダタこぶんのこうげき!!カンダタこぶんのこうげき!!
魔法使い「見た目ほどたいした攻撃じゃないわ!ヒャダルコ!!」ピキキーン
カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!
商人「うわっ!?って効かないよ、魔法使いちゃんは?」
魔法使い「私も効かなかったわ!最初の攻撃で一人も倒せなかったのは驚いたけど…もう1発、ヒャダルコ!!」ピキキーン
カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!
商人「よしっ、退治完了!!あたしもレベル上がったし、あとは拐われた人達を助けるだけだよ!!」
魔法使い「そうね。奥の方に行ってみましょう」
女性「助けて下さい!バハラタの町から拐われた者です!!」
男性「そこのレバーを上げればこの牢屋から出られるはず!!さあそのレバーを!!」
魔法使い「二人とも無事なようね」
商人「レバーってこれだよね?えいっ!」ギギギ…
女性「ああ、助かった!!私達、助かったのね!!」
男性「ありがとうございました!!このご恩は一生忘れません!!さあ、行こう!!」
女性「ええ!!」タタタ…
商人「あーあー、あんなに慌てちゃって…でも、無理もないよね、ずっと牢屋の中にいたんだもの」
魔法使い「二人とも、少し痩せてたけど元気そうね。女性の方は、乱暴された様子もないし…」
商人「それはそうだよ、人さらいからしたらあの人達は商品だもん、商品を雑には扱わないよ」
魔法使い「なるほど、ある意味プロの商人、というわけね」
商人「人さらいと同じ呼ばれかたはイヤだけど…」
女性「きゃーーーー!!」
魔法使い「!?今の声は…?」
商人「あの女の人だよね?行ってみよ、早く!!」
女性「た、助けて下さい!」
男性「僕はいいから、彼女を!!」
商人「げ、あの人達って…!!」
カンダタ「なんだ?こんな奴ら拐った覚えは…げ!!またお前らか!!」
魔法使い「ロマリアのきんのかんむりを盗んだ盗賊ね!!まだ悪事を働いてたの?」
カンダタ「今度は前のようにはいかんぞ!!やっつけてやる!!」
カンダタがあらわれた!!カンダタこぶんがあらわれた!!
魔法使い「手下は二人。2対3だけど…」
商人「かんけーないよ!!今回も勝つのはあたし達だよ!!さ、やろ、魔法使いちゃん!!」
魔法使い「まずは手下を倒しましょう!ヒャダルコ!!」ピキキーン
商人「あたしも、えいっ!」ピシャッ
カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!カンダタこぶんのこうげき!!カンダタのこうげき!!
商人「いったあ…ルカナン効いちゃった…」
魔法使い「守備力を戻さないと…スクルト!!」ミュイイーン
カンダタこぶんはルカナンをとなえた!!
魔法使い「くっ、これじゃいたちごっこ…いえ、手数の少ない私達がじり貧ね…」
商人「ここはまとめて…ブーメラン!!」ヒュンヒュン
カンダタこぶんはベホイミをとなえた!!
魔法使い「回復呪文!?駄目、やっぱり手下を先に倒さなきゃ、多少ダメージを受けても…ヒャダルコ!!」ピキキーン
商人「じゃああたしはチェーンクロスで!!」ピシャッ
カンダタこぶんをたおした!!カンダタこぶんをたおした!!
カンダタのこうげき!!つうこんのいちげき!!商人はしんでしまった!!
魔法使い「!?商人…!!」
魔法使い「商人が死んでしまった…私一人でこの男を倒せるの?…駄目よ、弱気になったら。商品として拐ってきた人達はともかく、殴り込んできた私達は、商人はどんな目に遭うか…諦められないわ!魔力こそが我が鎧!!岩の如き堅牢さを我に!!スカラ!!」ミュイーン
カンダタのこうげき!!
魔法使い「…大丈夫!つうこんのいちげきさえ来なければ、死にはしないわ!!メラミ!!」ゴオオォ
カンダタのこうげき!!
魔法使い「負けられないわよ、貴方なんかに!!メラミ!!メラミ!!メラミ!!メラミ!!メラミッ!!」ゴオオォ
カンダタのこうげき!!
魔法使い「しつこいわね!お願い、魔力が尽きる前に…メラミッ!!」
――カンダタをたおした!!
魔法使い「やった、倒した…商人、やったわ…」
女性「あ、ありがとうございました、勇者様!!」
魔法使い「…勇者?いえ、私達は…」
男性「これで本当にバハラタに帰れる!!さあ、早く帰ろう!!勇者様、私達は先に帰ります、お礼は、バハラタの町で…それでは!!」
魔法使い「あ、待って…行ってしまったわね、まあ、この洞窟は魔物も多くないし大丈夫か…それより、我が身の心配だけど…まだ少し魔力が残ってるわ。待っててね商人、すぐに生き返らせてあげるから…リレミト!!」
――64日目、バハラタ
商人「ん…」
魔法使い「生き返ったわね。気分はどう?どこか痛くない?」
商人「生き返った…!あ、あたし、あの人さらいに…あ!!も、もしかしてあたし達、また全滅したの…?」
魔法使い「いえ、あいつらはちゃんとこらしめたわよ。あの二人も、無事帰って来られたわ」
商人「ホントに!?魔法使いちゃん一人で、あいつに勝ったの!?」
魔法使い一人じゃないわ、二人でよ」
商人「ううん…今回はあたし、何もしてないよ…ほとんど魔法使いちゃん一人で…」
魔法使い「そんなわけないでしょ。大体貴方が攻撃を受けてくれたお陰で、私は生き延びられたんじゃない」
商人「うん、そうだけど…」
魔法使い「もう、落ち込むなんてらしくないわよ。それより、二人を無事に助けられた事を喜びましょ?さ、行くわよ」
商人「行くって、どこに…?」
魔法使い「貴方、なんであの二人を助けに行ったのか忘れたの?くろこしょうを手に入れるためじゃない」
商人「あ…あ、じゃ、じゃああたし達、ついにふ、船を…!?」
魔法使い「ふふ、そうよ。さあ、胡椒屋さんに行きましょう」
男性「いらっしゃいませ…ああ、貴方達は!!助けていただいて、本当にありがとうございました!!」
商人「無事帰って来れて良かったですね!彼女さんも元気ですか?」
男性「ええ、おかげさまで!!…あの、胡椒をお求めですか?」
魔法使い「ええ、今日はそれを買いに…」
男性「そうですか、さ、どうぞ!!お代なんてとんでもない!!」
商人「いいんですか!?お金はちゃんと取らないと…」
男性「いえいえ、命の恩人からそのような事は!!さ、お持ち下さい!」
魔法使い「そこまで言うなら…じゃあ、いただいていくわ。ありがとう
商人「ありがとうございます!…かえって悪かったんじゃ…」
男性「いえいえ、二人の命と比べたらこんなもの…また必要になったら、いつでもお出で下さいね!!」
くろこしょうをてにいれた!!
商人「やったね魔法使いちゃん、これで船が手に入るよ!!あたし達の船だよ!!」
魔法使い「ええ、まだちょっと信じられないけど…」
商人「ホントだね!!ね、船が手に入ったらさ、まずはどこ行こ?やっぱりあたし、1回アリアハンに行きたいな!!」
魔法使い「船でアリアハンか…いいかもしれないわね。みんなきっとビックリするわよ」
商人「だよね?じゃさ、船でアリアハン行ってさ、町のみんなを驚かせちゃおうよ!!じゃ、早速ポルトガに戻って船もらいに行こ!!ね、ね?」
魔法使い「気持ちは分かるけど…ごめんね、私今日はもう休みたいの…」
商人「あ…魔法使いちゃん、人さらいと戦ってからまだ休んでないをだもんね。ごめんね、あたし一人ではしゃいじゃって…」
魔法使い「良いのよ、嬉しいのは私も一緒。ただ、船は逃げないから…ね?」
商人「うん、分かってる。じゃあ今日は、もう休も?」
魔法使い「ええ、そうね。宿屋に行きましょう」
商人「…今回は魔法使いちゃんにばっかり大変な思いをさせちゃった。やっぱりあたし、今のままじゃダメなのかな…」
――65日目
商人「えっほ、えっほ!」ザッザッ
魔法使い「おはよう。今日も朝から精が出るわね」
商人「おはよう!!全部で6ゴールドしか出なかったけどね」
魔法使い「さあ、あなほりも終わったなら出掛けましょう。今日はいよいよポルトガに船をもらいに行くわよ」
商人「………それなんだけどさ魔法使いちゃん、ポルトガに行く前に、ダーマに行って良いかな?」
魔法使い「ダーマに?構わないけど…昨日はあれほどポルトガに行きたがってたのに、どうしたの?」
商人「うん……あたし、あたしね、やっぱり転職するよ。ううん、したい」
魔法使い「転職!?貴方が自分で決めたのなら反対はしないけど…本気なのね?」
商人「うん……あたし、人さらいとの戦いで役に立てなかったし、このままじゃ…」
魔法使い「だからあれは…」
商人「魔法使いちゃんに迷惑をかけたとか、そういう事だけじゃなくて…あたし、自分自身が許せなくて、それで…」
魔法使い「…分かったわ。そこまで言うなら、もう何も言わない。でも1つだけ。今回の事だけでそんなに思い詰める必要なんて、何一つないのよ?旅を始めたばかりの事、覚えてる?私、死んでばかりで、貴方に迷惑をたくさんかけたわ。それに比べたら、今回の事くらいなんて事ないのよ」
商人「うう…魔法使いちゃん…魔法使いちゃ~ん…」ヒック
魔法使い「泣かないの。それに、転職は商人としてのスキルアップの手段でしょ?貴方はこれから呪文をたくさん覚えて、呪文の使えるスーパー商人になるのよ?その門出はめでたいものよ、泣き顔じゃいけないわ。ね?」
――ダーマ神殿
「ね、ねえ、魔法使いちゃん…」
魔法使い「なあに?」
僧侶「ど、どうかな、このカッコ…ヘンじゃない?」
魔法使い「そんな事ないわ、良く似合ってるわよ」
僧侶「そ、そうかな…えへへ」
魔法使い「でも、貴方は今、レベル1に戻ってしまったわ。危ないから、しばらくは私の後ろにいるのよ」
僧侶「う、うん。ん~、後ろって初めてだから、なんか新鮮…」
魔法使い「さて、装備も持っていたもので大体間に合ったわね。じゃあ、ちょっとこの辺りで魔物退治してく?貴方も、今の実力の確認と、とりあえずのレベルアップ、したいでしょう?」
僧侶「うん、そうだね…ねえ、魔法使いちゃん。あたし、これからたくさん魔法使えるようになるんだよね?」
魔法使い「そうよ、私とは違う呪文を、私と同じくらいたくさんね」
僧侶「そっかあ…えへへ、楽しみだね!」
魔法使い「ええ、私も楽しみよ。貴方がどんな呪文を覚えるのか…じゃあ、行きましょう」
僧侶「うん!!」
――夜、宿屋
魔法使い レベル23「1日無事に魔物退治出来たわね。私もレベルが上がったけど、貴方はたくさん上がったわね」
僧侶 レベル11「すごいよ、あたしもう7つも魔法使えるようになったよ!!」
魔法使い「守備力はともかく、体力ももう私より多くなったし…これなら船旅が始まっても平気ね」
僧侶「いよいよ船旅かあ…楽しみだね。あたし、今夜寝れないかも…」
魔法使い「私も眠れないかもしれないわ。でも、少しでも寝ないと。貴方も今日は疲れたでしょう?」
僧侶「うん、でも今日は転職したし、明日は船だし、もう頭の中がいっぱいで…」
魔法使い「まあ、いろいろあったからね…」
僧侶「うん…あ、そうだ、魔法使いちゃん、魔法使いちゃんに言わなきゃいけない事があるんだ」
魔法使い「なに?」
僧侶「えっと、転職して、また1から勉強中の身ですが、これからも、末長く…」
魔法使い「なにそれ?似合わないわよ、そんなの」クスクス
僧侶「な、なによー!!せっかく精一杯悩んで考えたのに…」
魔法使い「はいはい、よろしくね」
僧侶「むー、納得いかない…」
――69日目
魔法使い「もう!すぐに船に乗れると思ってたのに、ダーマ神殿への報告とルーラとポルトガの王様への報告で、気がつけばもう何日も経ってたわ!!」
僧侶「ま、魔法使いちゃん、落ち着いて…神殿はともかく、ポルトガの王様への報告は、胡椒を手に入れるのと一緒に受けた依頼だったじゃない」
魔法使い「そうだけど…」
僧侶「王様も、見たことない土地の話をたくさん聞きたかったんだよ。仕方ないよ魔法使いちゃん、ね?」
魔法使い「そうね…貴方、僧侶になってから少し落ち着いた?」
僧侶「だって僧侶だよ?清らかで優しい心を持ってなきゃ!あたしなら元からオッケーだとしてもさ」
魔法使い「ああ、そうね…」
僧侶「あ、でもどうしよう魔法使いちゃん、あたし僧侶なのにこんなにせくしーだいなまいつだよ!?やっぱりまずいよね!?」
魔法使い「はいはい」
僧侶「転職したての新米の悩みだよ!?もっと親身になって聞いてよ!!」
魔法使い「そんな話より…いよいよ船に乗れるのよ、私達!」
僧侶「そうだね、こんな大きな船に乗れるんだ…ね、ね、早く、早く乗ってみようよ!!」
魔法使い「ええ、行ってみましょう」
僧侶「…うわあ、乗ってみると意外と揺れるね…あ、船乗りさん、これからよろしくお願いします!!」
魔法使い「よろしくお願いします」
船乗り「ああ、ポルトガ王のご命令だからな、地のはてまでも行ってやるぜ」
僧侶「すごいね!!で、魔法使いちゃん、まずはどこ行こっか?」
魔法使い「それは、前に行った通りアリアハンへだけど…まずはあの、向こうに見える灯台に行ってみない?」
僧侶「灯台…?あ、あれかあ、そうだね、行ってみよう!!」
――ポルトガ南の灯台
僧侶「うわあ、高い灯台だね…」
魔法使い「そうね、こんなに高いなんて…あ、頂上みたいね」
大男「なんだ?お客さんか」
僧侶「あ、こ、こんにちは
大男「お前さん達、ポルトガの王様から船をもらったクチだな?なら海の初心者ってわけだ、ならここに来たのは正解だぜ。海の男の俺がなんでも教えてやるよ」
魔法使い「頼もしいわね。なら、アリアハンへはどう行ったらいいか教えてくれるかしら?」
大男「アリアハン?ならまずは南だな。この大陸の南端がテドンの岬。そこから東へ行くとランシール、さらに東へ行けばアリアハンだ」
僧侶「すごい、ホントに何でも知ってるんだ!!」
大男「はは、ほめてくれたついでに教えてやるとな、この世界に散らばる6つのオーブを集めれば、船が要らなくなるって話だぜ」
魔法使い「船が要らなくなる…?どういうことかしら…?」
大男「それまでは分からんよま、とにかく南へ行ってみな」
僧侶「分かりました、ありがとうございます!!」
僧侶「でも、船が手に入ったばっかりなのに、もう船が要らなくなる話なんて…なんだかピンと来ないよね?」
魔法使い「そうねえ…まるで雲をつかむような話だわ。でも、私達に今すぐどうと言う話ではないわね」
僧侶「それもそっか。まずあたし達は、この船で行けるところまで行ってみたいよね!!」
魔法使い「ええ、まずは私達の故郷アリアハン。そういえば貴方、船に乗れるようになったらする事、覚えてる?」
僧侶「する事?…アリアハンに行って…あ、新しい仲間!!」
魔法使い「ええ、あの人さらいとの戦いも、結局数で負けてた時に押し込まれてなきゃ、あんなに苦戦はしなかったはずよ。今現在、特別な目的もないし、新しい仲間を育てながら、ゆっくり旅をする、というのも…」
僧侶「なるほど、あたしも転職したてでちょっと足引っ張りそうだし、そうしてもらえると助かるな。うん、じゃあそうしようよ!!」
魔法使い「決まりね。じゃあアリアハンへ向けて、張り切って行きましょう!」
僧侶「ねえ魔法使いちゃん、海って思ったほどモンスター出ないね」
魔法使い「そうね…さっき会ったくらげの群れだけね」
僧侶「この感じなら順調に行けそうだね!でも、今日はどこまで行くの?」
魔法使い「どうしようかしら?そういえばさっき寄った小さな教会で、南にテドンの村人がどうとか言ってたわよね」
僧侶「テドンって、あの灯台にいた人も何か言ってたよね、確かこの大陸の南の端だって…」
魔法使い「そう言ってたわね。じゃあ今日は、とりあえずそのテドンの村を目指しましょう」
僧侶「りょーかい!!迷わず行けるといいね!!」
――夜、テドンの村
魔法使い「ここがテドンの村…すっかり暗くなってしまったわね」
僧侶「うん、でも夜なのに賑やかな村だね」
魔法使い「そうね、お店もやってるみたいだし。でも…」
僧侶「やっぱり魔法使いちゃんも気になる?ボロボロだよね、この村」
魔法使い「いくら近くに大きな町もない田舎だって、これはさすがに…村の人達は気にしないのかしら?」
僧侶「うーん…とにかくいろいろ歩いてみようよ。あ、でも毒の沼地ばっかりだね。町の中なのに、なんでこんなに…」
魔法使い「それは大丈夫。未知、未踏、未見を貪る強き力を我らが足に!!トラマナ!!」ピカー
僧侶「あ、毒の沼地も平気になった!」
魔法使い「これで安全よ。さあ、行きましょう」
僧侶「魔法使いちゃん、この村の武器防具屋の品揃えすごい!!あたしに装備出来るものもたくさんあるよ!!」
魔法使い「ふふ、僧侶に転職しても、やっぱりお店の品揃えは気になるのね」
僧侶「そうだよ、あたしは今でも商人が本業のつもりだもん!!」
魔法使い「それで、どれがいいの?」
僧侶「まずは、このまほうのよろい!!打撃にも魔法にも強いの!!あと、このとんがりぼうしも守備力が高いよ!!」
魔法使い「良いものなら両方買ってしまえば?お金は余裕あるんでしょ?」
僧侶「もっちろん!!18000ゴールド以上あるよ!!何でも買えちゃう!!」
魔法使い「じゃあ迷う必要はないわね。貴方は今レベルが低くなってるんだから、その分を装備で補わなくちゃ」
僧侶「そうだね、じゃあおじさん、両方下さい!!」
武器防具屋「はい、毎度!!」
僧侶「うーん、安いのはいいけど、ベッドボロボロだね、この宿屋…」
魔法使い「村の様子を見れば、まあ仕方ないわね…もう夜も遅いし、別の町を探す訳にも行かないし…」
僧侶「そうだね、寝れるだけいいかな。船旅も結構疲れるから、寝ないで旅を続けるのも大変そうだし」
魔法使い「船は乗りなれないからか疲れたわね。そう考えると、なかなかいい位置にある村とも言えるかもしれないわね」
僧侶「ホント!!ここに村がなかったら大変だったよ。こんなベッドでも、休めるだけ感謝しなきゃね!」
魔法使い「さあ、もう寝ましょう。今日はだいぶ遅くなってしまったし、明日もまた船旅だし…」
僧侶「そうだね、寝よう寝よう!!じゃ、おやすみー」
――70日目
僧侶「ま、魔法使いちゃん、魔法使いちゃん!!起きて起きて!!た、大変、大変だってば!!魔法使いちゃん!!」
魔法使い「んん…なに、どうしたの…?」ファァ…
僧侶「む、村が…村が!!」
魔法使い「村が…?え、これは…!!」
僧侶「誰もいないの、いなくなってるの!!ううん、いなくなったっていうより…」
魔法使い「…滅ぼされてるわね」
僧侶「ど、どういう事なの!?あたし達が寝てる間にモンスターが攻めて来たの…?」
魔法使い「いえ、そんな感じではないわね…これはむしろ…もうずっと前に滅んでいたんじゃないかしら?」
僧侶「え、え、ど、どういう…?」
魔法使い「おそらくだけれど…この村はもうずっと昔に滅んでいて、理由は分からないけど夜だけは、人々が昔の姿で現れる…」
僧侶「そ、そんな事って…」
魔法使い「そうね、ありえないわね。でも、実際に私達は夜、この滅んだ村の村人達に会った。買い物までしたわ」
僧侶「ど、どうしよう魔法使いちゃん…」
魔法使い「どうしようと言われても…とにかく、村の中を調べて見ましょう。何かあるかも…」
僧侶「う、うん…やっぱりこうして見ると、すごい荒れてるね…」
魔法使い「そうね、夜だから気づかない事もあったけど、明るくなって見ると…」
僧侶「ね、ねえ、魔法使いちゃん、これってやっぱり、魔王が…?」
魔法使い「そうでしょうね、昨夜の…村人達も、魔王の居城が近いって言ってたし…」
僧侶「…魔王って怖いんだね。村をこんな風に出来ちゃうなんて…」
魔法使い「ええ…話には聞いていたし、分かっていたつもりだけど…」
僧侶「…村ひとつをこんな風にしちゃう力も怖いけど…こんな事をしようと思う考えっていうか、心っていうか…それがなにより怖いよ…」
魔法使い「…」
僧侶「やっぱり、生きてる人はいなかったね…」
魔法使い「分かってはいた事だけど…手に入ったのはこのランプくらいね」
僧侶「この、あたしの装備もだよ。鎧と帽子は、朝になっても消えないのにね。不思議だね…」
魔法使い「そうね…さあ、この村にこれ以上いても仕方ないわ。もう行きましょう。それに、魔王の居城が近いという話が本当なら、あまり長くこの場所にいるのは危険だわ」
僧侶「うん…ねえ、魔法使いちゃん。こういうのって、悲しいね。あたし達で、何とか出来ないかなあ…?」
魔法使い「今は無理でしょうね。でも…私達は今までも、無理な事をやってのけてきたわ。時間をかけて、じっくり力をつければ、もしかしたら…」
僧侶「…そうだね、今何とか出来ないのは悔しいけど…でも、いつかきっと…!」
魔法使い「さて、気を取り直して行きましょう。アリアハンに向かうには、次は――」
僧侶「ランシール、だったよね?」
魔法使い「ええ。ランシールを経由してアリアハンという話だったわね。今日中にランシールに着けばいいけど…」
僧侶「このテドンの岬から東だったよね?真っ直ぐ東でいいのかな?」
魔法使い「さあ…でもあの灯台にいた人の言う事を信じるしかないわ。もし見つけられなかったら…困るわね…」
僧侶「まさかまたこの村に戻ってくる訳にもいかないもんね…迷わず行けるといいなあ…」
魔法使い「…夜になってしまったわね」
僧侶「うーん、今日中には見つからない?でも、やっぱり海ってモンスター少ないし、体力的には余裕あるよね」
魔法使い「そうね、思ったほど強くもないし…でも、出来れば夜はベッドで寝たいものね」
僧侶「結構長い間旅してきたけど、あたし達1度も野宿とか徹夜で歩いたりとかしてこなかったよね」
魔法使い「考えてみれば奇跡的ね。そして…ほら、今日も宿には困らなくて済むみたいよ」
僧侶「え…?あ、あれ、陸!?陸が見えるよ、魔法使いちゃん!!」
魔法使い「ええ、きっとあれがランシールなのね。さあ、上陸の準備をしましょう」
僧侶「うん!!楽しみだね!!」
魔法使い「…上陸はしたけど、なかなか町が見えてこないわね」
僧侶「森とか山が多くて歩きづらいね。朝までに町、見つけられるかなあ?」
魔法使い「そんなに大きくない島に見えたから、そのうち見つかるとは思うけど…それにしても、この島の魔物は変わってるわね」
僧侶「テドンの周りにいるようなモンスターに、砂漠で見た緑のカニ…あとロマリア辺りにいたモンスターもいたよ。変だよねえ?」
魔法使い「そうねえ、それほど強い訳じゃないのが救いだけど…」
僧侶「待って!魔法使いちゃん、あれ、灯りが見える!!」
魔法使い「本当ね…あれ、町かしら?ようやく休めそうね」
僧侶「やっと見つけたね!どんな町なのかな?早く行こ、ね、ね?」
魔法使い「慌てないで…もう。暗いんだから、気を付けないと転ぶわよ」
――ランシールの村
僧侶「…小さな村だね」
魔法使い「そうね。夜だから仕方ないけど、お店も開いてないし…」
僧侶「お店がやってないのは残念だけど…今日は宿屋があっただけ嬉しいね」
魔法使い「そうね、野宿しないで済んだわ。野宿だったら、誰かさんは寝たら朝まで起きないから私が見張りするようだったし…」
僧侶「え~、寝坊助さんな魔法使いちゃんの方が…」
魔法使い「いーえ、貴方は朝早いけど、それまではノンストップで爆睡だもの、交代で見張りなんて出来ないわ。何なら今度野宿になったら試してみる?」
僧侶「むー、やってやるよ、後悔させてあげるんだから!!」
――71日目
僧侶「おはよーおはよー!!魔法使いちゃんおはよー!!ざ、起きて起きて!!ねえ、こういうときぱぱっと起きれないようじゃ、やっぱり交代で見張りなんか出来ないんじゃないのー?」ドヤドヤッ
魔法使い「んーもー、朝早いだけじゃ見張りに強い訳じゃないって…」
僧侶「早く早く、はーやーくー!!」バンバン
魔法使い「…はいはい、分かったわよ、全く…貴方ただ早く村を見て回りたいだけじゃないの?」
僧侶「え?まあ、それもあるけど…えへへ…」
魔法使い「…全く、村は逃げないわよ。今準備をするから、ちょっと待って…」
僧侶「じゃ、あたし外であなほりしてるから、準備出来たら読んでね!!」タタタ…
魔法使い「転職してもあなほりには熱心ね…」
僧侶「うーん、明るくなってから見てもやっぱり小さな村だね…」
魔法使い「小さくても、お店の品揃えはいいかもしれないじゃない。どうだったの?」
僧侶「うん、確かに品揃えは良かったけど、あたし達に必要なものはテドンと変わらない品揃えだね…」
魔法使い「そう、残念ね。でも道具屋には、名物があるって話よ」
僧侶「え、ホント!?見たい見たい、行こ、魔法使いちゃん!!」タタタ…
魔法使い「もう、本当に落ち着きがないんだから…」
僧侶「あ、これ、きえさりそう…?」
魔法使い「姿を消せる薬のようね。私達魔法使いも同じ事出来る呪文を覚えるけど、あれはかなり高位の呪文だから…」
僧侶「じゃあこれ、結構すごい道具なんだ?」
魔法使い「魔法使いの視点からみればそうなるわね。1つくらい買っておいたら?」
僧侶「そっかあ。じゃあこれ、1つ下さい!!」
道具屋「お買い上げありがとうございます」
魔法使い「この村であと見るべきものは…神殿かしら」
僧侶「そうそう、大きな神殿があるって話だったよね?でも、そんなに大きいのに、どこにも見当たらない…」キョロキョロ
魔法使い「神殿、だからね。きっと奥まった所にあるはずよ。ダーマ神殿だって、山の中にあったでしょう?」
僧侶「奥まったところ…この森の向こう?」
魔法使い「多分ね。さあ、行ってみましょう。私達の旅にとっても重要な、何かがあるかもしれないわ」
僧侶「神殿、だもんね。何かすごいものがありそう…」
魔法使い「ほら、見てみて。やっぱりここにあったわ」
僧侶「ホントだ、さすが魔法使いちゃん!!」
魔法使い「でも、見つけたはいいけど…入れないわね」
僧侶「あたし達が持ってる鍵じゃあ、この扉は開けられないね。もっとすごい鍵があるのかな?」
魔法使い「そういえばさっき旅の剣士が、さいごのかぎを探してるって話をしてたわね。もしかしたらその鍵で…」
僧侶「さいごのかぎ、かあ。確かその鍵を見つけるには、壺を見つけなきゃいけないんだよね?その壺って、どこにあるのかなあ…?」
???「きえさりそうは持ってるかい?」
僧侶「へ!?なになに!?」
魔法使い「貴方は…スライム!?持っていたら、なんなの?」
スライム「持ってるなら、エジンベアのお城に行きなよ」
僧侶「え?それってどういう…あ、行っちゃった…ねえ魔法使いちゃん、エジンベアって知ってる?」
魔法使い「いえ、聞いたことないわね。でも、覚えておかなければならない事のようね…」
僧侶「うーん、神殿に入れないなら、もうこの村にいても仕方ないね…」
魔法使い「そうね、でも全くの無駄ではなかったわ。きえさりそうを買えたし、さいごのかぎや、エジンベアの情報があったわ」
僧侶「さいごのかぎとエジンベア…もしかして、この2つって関係あるのかな?」
魔法使い「まだ分からないけど、もしかしたらね。さあ、この村を旅立ったら、いよいよ懐かしのアリアハンよ。やっとここまで来たわね」
僧侶「ポルトガを出発してからまだ2日しか経ってないのに、すごい時間が過ぎた気がしたよ…」
魔法使い「本当ね。この村もだけど、やっぱりテドンの村でいろいろあったものね…」
僧侶「そうだね…でさ、魔法使いちゃん!!アリアハンに着いたら、いよいよ新しい仲間、だよね?」
魔法使い「ええ、そうよ。3人での旅になれば、きっとずっと楽になるわ」
僧侶「楽しみだけど、ちょっと不安もあるなあ…そういえば魔法使いちゃん、もうどんな人を仲間にするか決めてるの?」
魔法使い「あら、分からない?」
僧侶「というと、やっぱり…」
魔法使い「まあ、アリアハンに着けば分かるわ。その前に、アリアハンまで無事に到着しないと。さあ、準備が出来たら行きましょう」
僧侶「そうだね。あと一息、頑張ろう!!」
僧侶「ねえ魔法使いちゃん、船旅ってさ…意外と時間がかかるんだね」
魔法使い「そうね…魔物が少ないから順調に進んでいるはずなのに、なかなか目的地は見えないわね。もう夕方に…」
マーマンがあらわれた!!マリンスライムがあらわれた!!
僧侶「あっ、モンスター!!2匹しかいないけど、バラバラに出ると倒すのに時間かかっちゃうね」
魔法使い「大丈夫よ――破壊の定めに生まれし者よ、我が呼び掛けに応え、目醒め、集い、弾け――世界が軋む音を奏でよ!!イオラ!!」キャボーン
マーマンをたおした!!マリンスライムをたおした!!
僧侶「こ、こんな派手な魔法使えたんだ魔法使いちゃん……」
魔法使い「派手かしら?でも大丈夫よ、海は戦闘回数が少ないから、多少効率の悪い戦い方しても平気よ」
僧侶「なるほど…でもこれなら無事にアリアハンは着けそうだね!」
魔法使い「そうね、楽しみだわ。早く着くと良いわね」
魔法使い「結局夜になっちゃったわね…ってこの台詞、ポルトガ出てから毎日言ってる気がするわ…」
僧侶「でもそのパターンだと、そろそろ陸地が見えてくるはずだよね?」
魔法使い「そうだけど…あら?あれ、噂をすれば…」
僧侶「あ、あ、あの森、あの砂地、あの岬…!!」
魔法使い「間違いないわ。アリアハンね。ほら、ナジミの塔も見えてきたわ」
僧侶「てことは…あ、魔法使いちゃん、お城も見えてきたよ!!ほらほら!!」
魔法使い「もう、あんまりはしゃぐと船から落ちるわよ。でも…ようやく帰って来たわね」
僧侶「さあさあ魔法使いちゃん、早く陸に上がる準備して!!ねえねえ、アリアハンに着いたら何しよっか?まずはやっぱり…」
魔法使い「ちょっと、まだ陸地が見えてきただけよ。すぐにアリアハンに着く訳じゃ…全く。まあ、気持ちもわかるけど…」
――夜、アリアハン城下町
僧侶「着いたはいいけど…やっぱりみんな寝てるよね。うわあ、船だ!!すごーい!!みたいなのを期待してたのに…」
魔法使い「昼間のうちに着けばそうだったんでしょうけどね。こればかりは仕方ないわ」
僧侶「む~。じゃあどうしよう、ルイーダの酒場に行く?」
魔法使い「もう遅いし、明日にしない?私はもう、ちょっと眠いわ…」
僧侶「宿屋に行くの?じゃさ、あたし泊まりたい宿屋があるんだけど…いいかな?」
魔法使い「別にどこでもいいけど、アリアハンの宿屋じゃ駄目なの?それにこの辺りに他の宿屋なんて…」
僧侶「へっへ~、船があるってホント便利だよね、魔法使いちゃん!!」
魔法使い「船…?あ、まさか…!」
僧侶「ささ、早く行こうよ魔法使いちゃん、早くしないと夜、明けちゃうよ?」
――ナジミの塔、宿屋
宿屋「おお、久しぶりのお客さんだ…あ、あんたがたは!?」
僧侶「おじさんお久しぶり!!来たよー!!」
魔法使い「ご無沙汰しています」
宿屋「いやいや、ビックリしたよ。まさか本当にまた来てくれるとはねえ。しかもわざわざまた洞窟を通って…」
僧侶「へっへ~、それがねおじさん、あたし達船で来たんだよ!!洞窟通ってないの!!」
宿屋「へ?船?ど、どういう事だい!?」
魔法使い「私達、自分の船を手に入れたんです。船なら、アリアハンのお城からここまですぐに来られますから」
宿屋「船を手に入れた!?そいつは…いやはや、話が大きすぎて何がなんだか…しかもあんた、ここに来たときは商人だったはずだが…」
僧侶「あたしね、転職したんだよおじさん!!今僧侶なの!!」
宿屋「転職!?船に転職に…いやはや、なんと言ったらいいか…おっと、仕事を忘れる所だったよ。泊まって行くんだろう?」
僧侶「もっちろん!!」
魔法使い「ええ、お願いします」
宿屋「そうかいそうかい。船旅は疲れただろう、ゆっくりお休み…」
――72日目
魔法使い「ん…まだ眠いわね。僧侶は…さすがにまだ寝てるわね。昨日は遅くまでお話ししてたみたいだし…」
僧侶「ん~、魔法使いちゃん…おはよ…」
魔法使い「おはよう。まだ眠いでしょう、もう少しゆっくりしてていいわよ?」
僧侶「ううん、起きる…早くアリアハンの人達をビックリさせたいもの…」
魔法使い「大丈夫なの?別に無理して…」
僧侶「大丈夫……んっ…それぇっ!!」ガバッ
魔法使い「わっ!急に動かないでよ、驚いたじゃない!」
僧侶「じゃあ行くよ魔法使いちゃん!!おじさん、お世話になりました!!また必ず来ますから!!」
魔法使い「お世話になりました」
宿屋「ああ、またな。待ってるよ、道中気を付けてな」
僧侶「はい!!ほら行くよ魔法使いちゃん、早く早く!!」
魔法使い「もう、急かさないでよ!」
宿屋「…ああして見るとあの時と変わらないようなんだが…いやはや、すごいお嬢さん達だ…」
――アリアハン、ルイーダの酒場
ルイーダ「あら、あんたたち!!すごいじゃないか、あれあんたたちの船なんだろ?町のみんなも、その話でもちきりだよ!!」
僧侶「そうそう、こういう反応が欲しかったんだよねー!!」
魔法使い「ふふ、わざわざ船で来たかいがあったわね」
ルイーダ「全く大したもんだよ。で、あんたその格好、僧侶になったのかい?」
僧侶「そうだよ、ルイーダさん、ダーマって知ってる?」
ルイーダ「ダーマ…?ああ、そういえば昔、聞いたことがあったような…そうかい、ダーマで転職したのかい」
魔法使い「さすがルイーダさんね、ダーマを知ってるなんて。それでルイーダさん、今日は…」
ルイーダ「ああ、確か言ってたね、船を手に入れたら仲間を迎えに来るって。誰にする?名簿を見るかい?」
魔法使い「そうね、一応…」
僧侶「あ、あたしにも見せて見せて!!」
ルイーダの酒場 冒険者名簿
戦士 男 いくじなし
武道家 男 むっつりスケベ
遊び人 女 せけんしらず
盗賊 女 おおぐらい
魔法使い「…前に来たときと変わってないわね」
ルイーダ「まあね。やっぱり古参が居座ってると新入りは来づらいし、最近は…」
盗賊「お、まほーつかいたち!!来たのか!?とーぞくがかんげーして料理をつくってやるぞ!!新メニュー、あいつらのくしやきだ!!」
戦士&武道家「ひいいぃ!!」ガクブル
盗賊「だいじょーぶ、こわくない、とーぞくじぶんがこわくないっ♪」
戦士&武道家「こえーよ!!」
ルイーダ「…毎日あんな感じでね。ここも滅多に人が来なくなっちまったよ…」
魔法使い「…なるほどね。分かったわ、じゃあ私達は、あの盗賊を仲間に入れます。貴方もいいわよね?」
僧侶「そうだと思ってたよ。いいよ、あたしは…あたし達を食べたりしなければ」
ルイーダ「盗賊を仲間にするんだね。分かったわ。盗賊ー!!魔法使いが呼んでるよ!!」
盗賊「お、どうしたんだ?とーぞくになにか用か?」
魔法使い「貴方にはね、今日から私達と一緒に来て欲しいんだけど」
盗賊「まほーつかいたちといっしょにか?いっしょに行けば、うまいものたくさん食べれるのか?」
僧侶「そうだよ、いろんな国、いろんな町、いろんな土地のいろんな食べ物が食べられるの!!ね、ね、いいでしょ?」
盗賊「いろんなものが食べれるのかあ。いいな、じゃあとーぞく、お前たちについていくぞ!!」
魔法使い「決まりね。じゃあルイーダさん、そういう事だから。今までありがとう。盗賊、これからよろしくね」
僧侶「よろしくね!!」
盗賊「おう、よろしくだぞ!!ルイーダねえさん、じゃーな!!」
ルイーダ「ああ、元気でね…あんた達、いろいろと済まないね」
魔法使い「私達は何も。一番頼もしいと思った人を仲間にしただけよ。じゃあ失礼するわね」
僧侶「さようなら、また!」
盗賊「じゃーなー!!」
魔法使い「さて、久しぶりのアリアハンだし…たまには王様に顔でも見せに行こうかしら。悪いけど貴方、盗賊と一緒にいてくれる?船の事とか、いろいろ説明しておいて」
僧侶「りょーかい!!お任せ下さい!!じゃあ盗賊ちゃん、お船見に行こ?」
盗賊「船?うまいのか?」
僧侶「うーん、おいしいものを食べに行くために必要な乗り物なんだよ。とりあえず行ってみよ、ね?」
盗賊「おう、分かったぞ!!」
魔法使い「…やれやれ、前途多難ね。さあ、私はお城に…」
――アリアハン城内、謁見の間
魔法使い「…と、いうわけで、私達は旅の中で船を手に入れ、アリアハンに帰還した次第です」
王「おお、素晴らしい。まさか船まで手に入れて帰るとは…見事じゃ!!そなたのような者を配下に持って、わしも鼻が高いぞ!!」
魔法使い「は…」
王「して、そなたはまだ旅を続けるつもりか?」
魔法使い「…?どういう意味ですか?」
王「やがて旅立つ勇者の為に見聞を広げる、というのがお主の任務だったはず。それはもう果たしたと言っていい。どうじゃ?あとは勇者が16になるその日までアリアハンで待っているというのは。それに、お主程の魔法使いが王宮にいてくれれば、我が国の魔法研究も更に進むであろう。如何する?」
魔法使い「…せっかくのお言葉ですが、私は、私達は旅を続けます。まだまだやらなければならないことがあるようなので」
王「そうか…残念だが仕方ない。しかし、くれぐれも気を付けてな。死んではならぬぞ?」
魔法使い「はっ。肝に命じて」
魔法使い「ふう…全く、結果を出した途端に手のひらを返すように…」
兵士「よう、久しぶりだな。すごいじゃないか、船まで手に入れて帰って来るなんてな」
魔法使い「久しぶりね。この前はいろいろもらって悪かったわね。そうね、自分でも驚いてるけど、仲間のおかげでね」
兵士「しかし、いいのか?この国に残ってれば、出世のチャンスだっただろ?」
魔法使い「あいにくだけど、1度旅に出たら、堅苦しい王宮で仕事なんてね…」
兵士「へえ、余程旅が楽しいと見える」
魔法使い「楽しいわよ、仲間もいるしね。貴方もどう?考えが変わるわよ」
兵士「そうだな、旅はいいかもしれんが…お前と一緒はやめとくよ、今のお前との実力差じゃあ、俺は精々荷物もちだ」
魔法使い「あら、残念。荷物持ちが欲しかったのに」
兵士「やっぱりな。ほら、馬鹿言ってねえで、とっとと大事な仲間の所へ帰れよ。達者でな」
魔法使い「ええ、貴方もね」
――73日目
魔法使い「ふう、王様への報告に時間がかかったけど、やっと出発出来るわね」
盗賊「おおー、船すごいなー!!船でかいなー!!」キャッキャッ
僧侶「ほらー、走り回らないの!!落ちちゃうよ!!」
魔法使い「…ふふ、僧侶がお姉さんみたいね。これであの子もしっかりしてくれるかしら?」
盗賊「なあ、まだしゅっぱつしないのか?早くうまいもの食べに行きたいぞ!!」
魔法使い「はいはい、もうすぐだから待っててね。僧侶、準備はいい?」
僧侶「オッケー!!いつでもいいよ!!」
魔法使い「じゃあ船乗りさん達、よろしくね」
船乗り「おう、じゃあ出航だ!!」
盗賊「おおー、うごいたうごいた!!すごいすごい!!」
僧侶「だからー、落ちちゃうって!!」
僧侶「ところで、今日はどこに行くの?」
魔法使い「今日は北に行ってみようと思うの。確か、アリアハンの北にも国があるって聞いた気がするわ。黄金の国、だったかしら?」
僧侶「あっ、聞いた事ある!黄金の国ってどんななんだろうね。家とか全部金で出来てたりするのかな?」
魔法使い「そんな事あるのかしら…?ちょっと想像がつかないわね」
盗賊「なーなーそーりょ、あれ食べれるのか?」グイグイ
僧侶「ちょっ、引っ張らないで…ってあれ、クラゲじゃない!?クラゲは、食べれないと思うけど…」
魔法使い「でも、キャタピラーさえ食べるこの子なら、もしかして…」
僧侶「えええ~、痺れちゃうよ!?」
しびれくらげがあらわれた!!
盗賊「おっ、こっちに来たぞ!!うまそうだな~」
魔法使い「…あれが美味しそうに見えるのね。まあいいわ、僧侶、戦闘準備よ!!」
僧侶「うん!!…盗賊ちゃん、もうちょっと離れて…」
魔法使い「クラゲは4匹か…ここは、ベギラマ!!」ゴオオォ
しびれくらげをたおした!!しびれくらげをたおした!!
魔法使い「2匹も仕留め損ねたわ…僧侶、お願い!!」
僧侶「任せて、それぇっ!!」ドゴォ
しびれくらげをたおした!!
魔法使い「よし、残るは…」
盗賊「とーぞくも戦うぞ!!いっくぞー!!」
魔法使い「待って、貴方は…」
しびれくらげのこうげき!!
盗賊「ふぎゃっ!?」
盗賊はしんでしまった!!
僧侶「と、盗賊ちゃん!?」
――しびれくらげをやっつけた!!
僧侶「ご、ごめん、あたしがついていながら…」
魔法使い「いいえ、盗賊にきちんと指示してなかった私が悪かったわ。身を守っていろって言うべきだったのに…流石に、貴方まだ蘇生呪文は覚えてないわよね?」
僧侶「あたし、ベホイミさえまだだよ…でも、僧侶としては未熟でも、商人として培った経験があたしにはあるよ!!」
魔法使い「…商人としての経験?」
僧侶「あたしが大声で呼べば、きっと神父さんが駆けつけてくれるはず!!すみませーん!!誰かー!!」ダレカー…
道具屋「お待たせしました、道具屋です」
僧侶「あ、すみません、道具屋さんを呼んだ訳じゃなくて…すみませーん!!」セーンセーン…
宿屋「お待たせしました、宿屋です」宿屋「お待たせしました、宿屋です」道具屋「お待たせしました、道具屋です」
僧侶「………」ゼーハー
魔法使い「…このまま船でレーベに寄りましょ?」
僧侶「そ、そうだね…」
――夜、レーベの村
盗賊「おおっ!?ここどこだ!?」
魔法使い「ここはレーベの村の教会よ。貴方、死んでしまったの」
僧侶「ごめんね、あたし達がついていながら…痛かったでしょ?」
盗賊「んー、痛かった気もするけど、あんまりおぼえてないや。それより!!おなかすいた!!はらへった!!はらぺこだ!!」
魔法使い「…多彩な表現で空腹を訴えてるわね」
盗賊「おお、それもだ!!くーふくだ!!くーふくだ!!」
僧侶「わ、分かったよ、魔法使いちゃん!?」
魔法使い「ええ、今日はもう宿屋に泊まりましょう。盗賊、宿屋では好きなだけ食べていいからね?」
盗賊「ホントか!?行こう行こう、宿屋行こう!!」グイグイ
僧侶「ひ、引っ張らないで…魔法使いちゃん、腹ペコの盗賊ちゃんが泊まったら、レーベの宿屋出入り禁止になったりしない?」
魔法使い「大丈夫でしょ………多分」
盗賊「はやく、はーやーくー!!」グイグイ
続き
[プレイ日記?]アリアハンの魔法使い【3】

