※時系列的には3話後くらいからスタートです
※書き溜めは少ないのでゆっくりです
※以前に書いた下記作品の続きですが、特に読んでなくても問題ないようには書いてます
園子様「大赦さん、大赦さん」大赦さん「どうされましたか園子様」
http://ayamevip.com/archives/42763847.html
・兄貴
友奈「兄貴って、この前話してたお兄さんのこと?」
夏凜「ええ……まあ、私に気をかけてくれるのはありがたいんだけど、ちょっとしつこいというか……」
樹「でも、兄妹を気にするのは普通じゃないですか?」
夏凜「……そういうレベルじゃないんだけど」
樹「?」
元スレ
夏凜ちゃん「最近兄貴がめんどくさい」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1420117004/
―――――――――――
夏凜「ただいま……」ガチャ
夏凜「……トレーニングでもしようかな」
ピロン
夏凜「あ、大赦からメールが――!」
―『無事帰宅したようですね。これからも訓練に励みなさい』―
夏凜「……」ピッ
プルルルルル……プルルルルル……
―――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「誰だ?園子様とババ抜きの最中だというのに……」ザワザワ
大赦B「俺じゃないぞ……?」ザワザワ
???「あ、私です。すみません園子様、少しお待ちください」
園子様「大赦さんも人間だからね、そういう面もあるよ。仕方ないね」
大赦さん「すみません」ガチャ
大赦さん「もしもし――」
夏凜『兄貴!何で私が帰るタイミングわかるのよ、何でメールしてくるのよ、てか何で大赦のアドレス濫用してるのよ!』ギャー
大赦さん「おお、夏凜ちゃんか!今日も元気だったか?怪我してないか?友達にいじめられてないか?」
夏凜ちゃん『質問に質問で返すなっての。てかキモっ!いつまで夏凜ちゃんって呼ぶ気よ!』ブルッ
―――――――――――――
大赦さん「夏凜ちゃんの生活パターンくらい、把握してるに決まってるだろう。今日は木曜だからな、部活のあと30分素振りして、買い物をして帰宅」
夏凜ちゃん『うわちょっと、本気でやめてくれない?』
大赦さん「酷いこと言うなよ。夏凜ちゃんが勇者に選ばれてから、俺も忙しくなったからな。めんどくさいとか言わずに、久々にお兄ちゃんと――」ブツッ
大赦さん「……お待たせしました」ガチャ
園子様「……あの、声でかすぎて、普通にみんなに聞こえてたよ?」
大赦さん「」
――――――――――――――
夏凜ちゃん「あーもう!何なのよ!」
夏凜ちゃん「こちとらようやく訓練終わって勇者になったってのに、いつまでも子供扱いして……?」ピロン
―『山羊座バーテックスの討伐おめでとうございます。今後の活躍を期待しています』―
夏凜ちゃん「いや、だから大赦のメール使うなっての……!」ピロン
―『すみません、以後気をつけます』―
夏凜ちゃん「――!」ゾワゾワッ
・にぼし
夏凜ちゃん「~♪」モグモグ
友奈「夏凜ちゃんって本当ににぼし好きだよね~」
夏凜ちゃん「! 何よ、その目は。あげないわよ!絶対にあげないわよ!」バッ
友奈「何故、2回!?」
風「でも、確かに夏凜はいつもにぼし食べてるわね」
夏凜ちゃん「いつもってほどじゃないわよ」モグモグ
樹「そう思うなら食べるの止めたら良いんじゃないですかね」
―――――――――――――――
夏凜「ただいま――?」ガチャ
夏凜「何よこれ。大赦からの物資支給?」ベリベリ
夏凜「これ、大量のにぼし?でもこれって……?」ピロン
―『どうやら届いたようですね。しけるといけないので、しっかりと封をして保管しなさい』―
夏凜「……」ピッ
――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「また電話か!?」
大赦B「園子様とス○ブラををしてる最中なのに!」
大赦さん「すみません、少し抜けます。倒してもいいですよ」
大赦さん「もしもし」
夏凜ちゃん『ねえ、にぼしが――』
大赦さん「夏凜ちゃん!どうだ、届いただろ!?喜んでくれると思って最高級のを選んだんだ」
大赦さん「まあ、そこそこ値段はしたけどな?そこはケチ言ってられないし――」
夏凜ちゃん『これ食用じゃないんだけど』
大赦さん「えっ」
夏凜ちゃん『出汁をとるアレなんだけど』
大赦さん「」
大赦さん「え……食用とか食用じゃないとかあったの?」
夏凜ちゃん『あるわよ。にぼしをナメないで』
大赦さん「でもほら、少し食べるくらいなら問題ないでしょ」
夏凜ちゃん『私がにぼしを食べ始めて"少し"で済むとでも?』
大赦さん(そこで胸を張られても困るなぁ……(´・ω・`))
※この園子様は手足が生えているタイプで、指先程度なら動かせます
――――――――――――――――
夏凜ちゃん『とにかく、これは大赦に送り返すから』
大赦さん「そんな!」
夏凜ちゃん『……まあ、気持ちはありがたかったけどね』ブツッ
大赦さん「夏凜ちゃん!夏凜ちゃん!!!」
―――――――――――――
大赦A「終わったか」
大赦B「何だったんだ?」
大赦さん「……お前たち、ごめんな」
大赦A&B「?」
※にぼしはその後大赦がおいしくいただきました
・ス○ブラ
夏凜ちゃん「もう1回よ、もう1回!」
東郷「夏凜ちゃん、もうこれで21回目よ?」
夏凜ちゃん「うるさいわね、次こそ勝つわよ!」
風「あれ?何してるの?」ガチャ←クラスの用事で遅れた
友奈「それが、東郷さんがス○ブラを持ってきて……」
風「ああ、それで……」
東郷「あっ」ズガ-ン
夏凜ちゃん「あー!また負けた!いい加減そのカウンターやめなさいよ!」
樹「まあ目の前で横スマ最大まで溜めてましたからね。自業自得じゃないですか」
―――――――――――――
夏凜ちゃん「ただいま」
夏凜ちゃん「あれ、また大赦から支給だ」ベリベリパカッ
夏凜ちゃん「これは……ス○ブラと有線LANケーブルに、本体……?」ピロン
―届いたようですね。早速起動しなさい。練習相手になってあげます―
夏凜ちゃん「……」ピッ
―――――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「まーた電話だよ。これで何回目だ?」
大赦B「園子様とマ○オカートしてる最中なのに!」
大赦さん「私ですね。もうゴールしたので行ってきます」
大赦B「またお前かよ」
園子様(しかもちゃっかり1位とはね……)←現在ビリ
大赦さん「もしもし」
夏凜ちゃん『やらないわよ』
大赦さん「おお、届いただろ!?早速戦おう。俺のIDは……」
夏凜ちゃん『やらないって言ったでしょ!?耳ついてんの!?』
大赦さん「夏凜ちゃんはツンデレだからな。1度や2度の拒否は照れ隠しだと思うようにしてるんだ」
夏凜ちゃん『やらないわよ』
大赦さん「……俺のIDは」
夏凜ちゃん『諦めなさいよ!』
夏凜ちゃん『で、何のキャラ使うの?』←やってあげることにした
大赦さん「俺はア○クだな」
夏凜ちゃん『そう……(´・ω・`)(カウンター持ってる……)』
大赦さん「?」
大赦さん ア○ク
夏凜ちゃん マ○ス
夏凜ちゃん『食らえ!』ズバッ
大赦さん「寸前で躱してから落下際狙い余裕」ゲシッ
夏凜ちゃん『あっ、くそ、これで!』ズバッ←横スマ最大
大赦さん「カウンター」ドガッ
夏凜ちゃん『あっ……』ズド-ン
大赦さん「ま、まあ、こんな時もあるよ夏凜ちゃん。部活の友達の言う通り、隙の大きい攻撃を使いすぎかな?」
夏凜ちゃん『……お』
大赦さん「お?」
夏凜ちゃん『……お兄ちゃんのバカっ!』ブツッ
大赦さん「か、夏凜ちゃん!?」
――――――――――――――――――
大赦A「終わった?」
大赦B「なんか園子様が次はス○ブラしようって」
大赦さん「……俺はいい(´;ω;`)」
大赦A&B「?」
・一発芸
夏凜ちゃん「一発芸?」
友奈「うん。見ててね……とりゃー!」ブオン
東郷「友奈ちゃんすごい!」ブワッ
友奈「すごいでしょ?パンチした勢いで、風が起こせるんだよ?」
夏凜ちゃん「今東郷の目の前で止めてたけど、当たったらどうするつもりだったのよ」
友奈「私がめちゃくちゃ当てたくないって思ってるから、当たらない!」
樹「全く理屈になってませんけどね」
風「でも、一発芸持ってるっていいわね~。今度一発芸大会でもしちゃう?」
夏凜ちゃん「!」
―――――――――――
夏凜ちゃん「ただいま……って、また支給?」ベリベリパカッ
夏凜ちゃん「今度は大量のスプーン……」ピロン
―『どうせまた電話をかけてくるのでしょう?かけるなら早くしなさい』―
夏凜ちゃん「……」ピッ
―――――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「あー畜生!また電話かよ!」
大赦B「園子様とジェンガをしてる最中なのに!」
大赦さん「私です。行ってきます」ガチャ
大赦A「おい馬鹿揺らすな!……ああああ!」ガラガラガラガラ……
園子様「……あー」←園子様の番だった
34 : 以下、\... - 2015/01/01 22:46:41.06 EkZ29EAW0.net 18/68以前書いてた奴の続きなのか?
そのスレのURLとか持ってないか?
>>34
一応これと設定を共有してます
http://ayamevip.com/archives/42763847.html
―――――――――――――
大赦さん「やはり夏凜ちゃんか」
夏凜ちゃん『何よあのスプーン』
大赦さん「いや、夏凜ちゃんが一発芸で困ってるらしいからな?スプーン曲げでも教えてやろうかと思って」
夏凜ちゃん『!』
大赦さん「まあ、要らないならいいんだけどな?送り返してもらえばいいだけだし――」
夏凜ちゃん『……教えなさいよ』
大赦さん「――え?」
夏凜ちゃん『その、スプーン曲げとかいうの。そんなに教えたいなら、さっさと教えなさいよ』ソワソワ←すごく気になる
大赦さん「まず、スプーンを軽く持って」
夏凜ちゃん『軽く持って』
大赦さん「親指で抑えて」
夏凜ちゃん『親指で抑えて』
大赦さん「逆の手で曲げる」
夏凜ちゃん『逆の手で……曲がらないわよ』
大赦さん「そんなまさか……」
大赦さん「夏凜ちゃん、教えたとおりにやってる?」
夏凜ちゃん『やってるわよ!やってるのにできないの!』
大赦さん「そうか……まあ口頭で伝えるのには限界もあるし、そういう面もあるよな」
夏凜ちゃん『少し力を入れただけで折れちゃうんだから、仕方ないじゃない』
大赦さん「!?」
大赦さん(夏凜ちゃん、スプーンに何をしてるんだ……?)
大赦さん「あ、あの、夏凜ちゃん――!」ベキベキバキィ
夏凜ちゃん『あーもう!何度やっても折れるんだけど。とりあえず、自分で練習してみるから。またね』ブツッ
大赦さん「ヒエッ……」
・カラオケ
友奈「そう言えば、夏凜ちゃんはまだ私達とカラオケ行ってないよね」
夏凜ちゃん「カラオケ?まあ、確かにないわね」
友奈「いつか行きたいね~。私聞きたいなー、夏凜ちゃんの歌」
夏凜ちゃん「は、はあ?まあ、別にいいけど」
東郷「夏凜ちゃんって、よく歌うの?」
夏凜ちゃん「そこまでは……前行ったときは80点後半くらいだったから、期待しないでよ?」
樹「謙遜に見せかけて、微妙に歌がうまいアピールしてますね」
風「樹、最近荒れてない……?」
―――――――――――――
夏凜ちゃん「ただいま……?なんか、部屋が変な感じ……」
夏凜ちゃん「それにこれ、カラオケの機械じゃ……?」ピロン
―『帰りましたか。そこのカラオケを使えば、いくらでも練習できますよ』―
夏凜ちゃん「……」ピッ
――――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「サキホコレー♪……って、電話来てるぞ」
大赦B「園子様とカラオケをしている最中なのに、なんなんだよまったく」
大赦さん「私ですね。次の番まで時間があるので、行ってきます」ガチャ
園子様「次私の番なのに……」
夏凜ちゃん『カラオケの機械まで買ったの!?』
大赦さん「おお、第一声から元気だな夏凜ちゃん。これなら歌もうまくいくぞ」
夏凜ちゃん『ってか、なんか部屋の壁が変なんだけど』
大赦さん「ああ、夏凜ちゃんが学校から帰ってくるまでの間に、壁を防音にしたからな」
夏凜ちゃん『は?』
大赦さん「流石にそこそこ金がかかったけど、背に腹は変えられないだろ。ははは」
夏凜ちゃん『……』
大赦さん「そもそも夏凜ちゃんは流行りの曲とか知ってるのか?」
夏凜ちゃん『……知らないけど』
大赦さん「それは困ったな……そうだ、なんか○△□だかなんだかいう曲が人気らしいぞ」
夏凜ちゃん『別にいいわよ!何でこの年になって、カラオケで歌う曲をお兄ちゃんに決められなきゃいけないわけ?』
大赦さん「"お兄ちゃん"」
夏凜ちゃん『あっ……バカ!』ブツッ
大赦さん「……戻りました」ガチャ
大赦A「タイミング悪いな、今丁度園子様が歌い終わったぞ」
園子様「タイミングの問題とはいえ、酷い話だよね……」
・盗聴
友奈「あ、夏凜ちゃん。遅かったね~」
夏凜ちゃん「……」ガチャ
友奈「どうしたの?やけに静かだけど……」
夏凜ちゃん「あーあー、なんか喉が渇くわね。こんな日は、オレンジジュースが飲みたいわ(棒)」
風「いきなりどうしたのよ」
樹「オレンジジュース好きってキャラでも定着させようと思ってるんでしょうか?」
――――――――――――――――
夏凜ちゃん「……ただいま」ガチャ
夏凜ちゃん「支給は……来てるわよね。そして、開けると……」ベリベリパカッ
夏凜ちゃん「……大量のオレンジジュース」ピロン
―『届きましたね。冷暗所に保管し、大事に飲みなさい』―
夏凜ちゃん「……」ピッ
―――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「……電話だぞ」ヒソヒソ
大赦B「……園子様が寝てらっしゃるのに」ヒソヒソ
大赦さん「……行ってきます」ヒソヒソ
園子様「zzz...」スヤスヤ
大赦さん「もしもし」
夏凜ちゃん『盗聴してるでしょ』
大赦さん「……」
夏凜ちゃん『……』
大赦さん「なあ夏凜ちゃん。人生には、色んなことがあるんだ」
大赦さん「だから、いつ何に巻き込まれてもおかしくない」
大赦さん「俺はな、夏凜ちゃんが心配なんだよ。この気持ちは、全く犯罪とかそういうものとは――」
夏凜ちゃん『盗聴してるのね』
大赦さん「……」
大赦さん「これはな、違うんだ」
夏凜ちゃん『何が違うのよ』
大赦さん「夏凜ちゃんは勇者になっただろ?だから、何かがあったときは大赦としてもサポートする必要があるんだよ」
夏凜ちゃん『だとしても、兄貴はそれを私欲のために使ってるじゃない』
大赦さん「まあ、それは……」
夏凜ちゃん『……ってことは、兄貴。まさか、あの後した歌の練習も……?』
大赦さん「ああ、バッチリ聞いたぞ。かわいい歌声だ。将来はアイドルだな」
夏凜ちゃん『~っ!死ね!死ね!本ッッッ当に、死んじゃえバカ兄貴!』ブツッ
大赦さん「戻りました」ガチャ
園子様「うーん?もう朝?」
大赦A「あーあ」
大赦B「何起こしてんだよ」
大赦さん「いや、お前たちも何寝顔観察してんだよ」
・対面
夏凜ちゃん(今日は部活も早く終わったし、久々にゆっくり訓練できるわね……)ブンブン←木刀を振り回す
大赦さん「あれ?夏凜ちゃんじゃないか!おーい!夏凜ちゃーん!」
夏凜ちゃん「兄貴!?」バッ
夏凜ちゃん(うわ……大赦の人間って、外でも仮面つけてるの……?)
大赦さん「こんな所で会うとは、奇遇だな~」
夏凜ちゃん(どうしよう。すごく他人のふりしたい……)
夏凜ちゃん「何してんのよ。大赦は忙しいんじゃないの?」
大赦「いや、園子様に『ジャンケンで負けたら仮面のままアイスを買いに行く』ゲームをやろうと言われてな。完全に負けてしまって」
夏凜ちゃん(園子様……?)
夏凜ちゃん「別にどうでもいいけど。私、まだ訓練するから。じゃあね」
大赦さん「まあ待て夏凜ちゃん。いいものを持ってるんだ」
夏凜ちゃん「いいもの?またあの使えないスプーンとかじゃないでしょうね」
大赦さん「いやいや、これだよ」ゴソゴソ
夏凜ちゃん「なにこれ、凍らせられるスポーツドリンク?」
大赦さん「ああ。ここら辺を通るなら、夏凜ちゃんに会えるかと思ってな。移動時間とか計算して、アイスと一緒に買ってきたんだ」
大赦さん「ちょうど溶けるタイミングに夏凜ちゃんに会えて良かったよ」
夏凜ちゃん「……バッカじゃないの?もう行ってよ、知り合いと思われたくないし」
大赦さん「酷いな……まあいいや。怪我するなよー」トコトコ
夏凜ちゃん「……バカ兄貴」
大赦さん「戻りました」ガチャ
園子様「……アイスは?」
大赦さん「忘れずに買いましたよ」
園子様「……溶けてない?」
大赦さん「あっ」
園子様「ふざけないでよ」
大赦さん「園子様!!!!」
――――――――――
夏凜ちゃん「~♪」ゴクゴク
・園児
夏凜ちゃん「……」
友奈「いやー、幼稚園の子達、可愛かったね~」
東郷「ええ。特に友奈ちゃんは懐かれてた」
夏凜ちゃん「……」
風「夏凜、元気ないわね」
樹「途中から多少持ち直したとはいえ、最初は顔が怖すぎて園児が逃げてたからね……そりゃ凹むよお姉ちゃん」
風「樹、夏凜が聞いて泣きそうになってるわ。自重しなさい」
――――――――――――
夏凜ちゃん「ただいま……」ベリベリパカッ
夏凜ちゃん(最近、帰って箱を開けるのが当たり前になってきてる……)
夏凜ちゃん「今度は何?……テレビ電話用のカメラ?」ピロン
―『今日は電話じゃなくて、テレビ電話をしましょう。三好夏凜、今すぐカメラをつけなさい』―
夏凜ちゃん「……」カチャカチャ
夏凜ちゃん「……」ピッ
――――――――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「また電話か?」
大赦B「園子様が予言したとおりだな」
大赦さん「単純に、いつもこの時間に電話が来るからだと思いますが……行ってきます」ガチャ
園子様「……予言だよ。予言。時計なんか見てないよ?神だからね、そうい
大赦さん「おお、夏凜ちゃんの顔が見える!」
夏凜ちゃん『バカみたいにはしゃがないでよ!この前会ったばかりでしょ?』
大赦さん「いやあ、それでも夏凜ちゃんの無事な姿を見れるのは、兄として嬉しいぞ」
夏凜ちゃん『……それで?何でテレビ電話なの?』
大赦さん「ああ、ほら、夏凜ちゃんは笑うのが苦手だろ?だから、笑顔の練習をさせようと思って」
夏凜ちゃん『……やめてよ。笑顔とか、無理だし』
大赦さん「そんなこというなよ。練習すれば、自然な笑顔になれるぞ?」
夏凜ちゃん『無理なのよ。いくら頑張っても、緊張しちゃって』
大赦さん「それならほら、俺のこの笑顔を真似してみろ。いい笑顔だろ?」
夏凜ちゃん『?――あはは、バカね。仮面つけてんのに顔が見えるわけないじゃない』
大赦さん「おお、笑った」
夏凜ちゃん『え?』
大赦さん「それだよ。その感覚を忘れなければ、きっと園児も懐いてくれるさ」
夏凜ちゃん『兄貴……ありがとうね』
大赦さん「いいんだよ。またな」ブツッ
夏凜ちゃん「……あれ?何で兄貴、園児の話を?」
夏凜ちゃん「……盗聴やめてないんじゃない!バカ兄貴があああ!」
――――――――――――――――――
大赦さん「戻りました……?」ガチャ
園子様「だから、あれは予言なんだよ~」
大赦A「わかりました。だから許してください」ガタガタ
園子様「疑ったら許さないよ」
大赦さん「何してるんですか」
・満開
大赦さん(今日は夏凜ちゃんからの電話が来ないな……盗聴器を使ってみるか)ピッ
『……力を……れが満開……』ザザザ
大赦さん(!? 誰だ?これは……夏凜ちゃんの友達の勇者か?)
『あれが、満開……?』
大赦さん「満開、だと……?」ザワッ
大赦A「おい、次お前の晩だぞ」
大赦B「園子様とポケ○ンしてるのに、ボーッとしてるなよ」
大赦さん「すみません、少し出かけます!」ガチャ
大赦A「おい!ポケ○ンどうするんだよ!いい加減にしろ!」
【大赦 樹海モニタリング部】
ザワザワ……
大赦さん「おい、状況はどうなってる!」ガチャ
アルバイト1「おお、大赦さん!よく来てくれた!」
アルバイト2「それが、機械の使い方がわからなくて……」
アルバイト3「俺もさっぱり……」
大赦さん「――どけ、俺がやる!」バッ
大赦さん(というか、他の部署のアルバイトにこんな部屋任せるなよ……)
大赦さん「って、これは……」
夏凜ちゃん『樹、あんたが止めたのよ!』
大赦さん「なんだこれ。おい、何でみんなボロボロなんだよ!」
アルバイト3「そ、それが、残りのバーテックスが1度に現れて」
アルバイト2「勇者が、次々と満開を……」
大赦さん「夏凜は、夏凜は無事なのか!?」ガシッ
アルバイト2「え?ああ。三好夏凜か。大丈夫だ。彼女1人だけは、満開せずに戦闘が終わった」
大赦さん「そうか……」
アルバイト1「おい樹海化解けるぞ!衝撃に備えろ!」
大赦さん「これでもう、終わったんだよな……?」
プルルルルルル,プルルルルルル.
アルバイト1「電話だ。医療班の要請かもしれない」
大赦さん「俺が出る」ガチャ
大赦さん「はい、大赦ですが」
夏凜ちゃん『……支給、霊的医療班をお願いします』
大赦さん「……バーテックスを全部倒したんですね」
夏凜ちゃん『はい。私達、讃州中学勇者部が!』
大赦さん「!――そうですか。わかりました。今すぐ派遣いたします」ガチャ
――――――――――――
大赦A「あいつがいないので、私が代わりにお相手します」
大赦B「園子様、メガシンカはされないのですか?」
園子様「うん。メガシンカはね……あんまり好きじゃないんだよ」
園子様「アレ、みたいだからね」
・海
夏凜ちゃん「え、合宿?」
風「ええ。頑張ったご褒美として、大赦が私達に旅行をさせてくれるらしいの」
友奈「やったー!海だよ夏凜ちゃん!」
東郷「友奈ちゃん、嬉しいからって暴れないで」クスクス
樹【いつ見ても友奈さんは元気ですね】カキカキ
風「そうね樹」
―――――――――――
夏凜ちゃん「ただいま……あれ、今日は置いてある」
夏凜ちゃん「最近届かなかったのに……」ベリベリパカッ
夏凜ちゃん「……大量の水着か」ピロン
―『大赦が合宿を企画しました。あなたは水着を持っていないでしょう。これを着なさい』―
夏凜ちゃん「……」ピッ
――――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「電話来たな」
大赦B「クッソ!何で今日来るんだよ!来ない方に1000円かけちゃったよ!」
園子様「もう何日も来てなかったからね。かくいう私も来ない方に賭けたとはいえ、酷い話だよね……」
大赦さん「行ってきます」ガチャ
大赦B「帰ってくんなチクショー!」
大赦さん「……夏凜か」
夏凜ちゃん『……"夏凜ちゃん"じゃないの?』
大赦さん「ああ、そうだったな。ごめんごめん。うっかりしてたよ夏凜ちゃん」
夏凜ちゃん『なんか変じゃない?最近は変な荷物も送ってこないし』
大赦さん「大丈夫だよ。夏凜ちゃんこそ、体の調子は大丈夫?」
夏凜ちゃん『……健康すぎるくらいには』
大赦さん「そうだ、水着!気に入ってくれたかな」
夏凜ちゃん『あー。そういえば、毎回言おうと思ってたんだけど』
大赦さん「?」
夏凜ちゃん『これ、箱に大量に同じものを詰めなきゃいけないルールでもあるの?』
大赦さん「いや?テレビ電話の時とか、ス○ブラの時とか、割りと単体だけ送ることが多いけど?」
夏凜ちゃん『じゃあなんでこんなに大量の水着送るのよ!水着なんてこんなにあっても使わないし!』
大赦さん「夏凜ちゃんにどんな水着が似合うかわからないだろ?だから大量に」
夏凜ちゃん『数揃えりゃ何でもいいわけじゃないのよ!何かほとんど隠せない水着もあるじゃない!』
大赦さん「そんなに怒るなよ。きっと気に入る水着があるからさ」
夏凜ちゃん『もう!絶対兄貴の水着着てやらないから!』
大赦さん「でもそうすると、夏凜ちゃんはスク水か」
夏凜ちゃん『!』
大赦さん「スク水夏凜ちゃんも悪くないな……」
夏凜ちゃん『へ、変な想像しないでよ!もう切るから!』ブツッ
――――――――――――
大赦さん「戻りました」ガチャ
大赦A「だああああああああやっぱりかああああああ」
大赦B「『大赦さんが"戻りました"以外の言葉で戻ってくる』方にかけるとか勇者だな」
園子様「テンプレだからね……そういう面もあるよ」
大赦さん「だから何してるんですか」
・メール
【会議室】
職員1「……というわけで最近、勇者からメールで後遺症について問い合わせを受けることが増えているのですが」
職員1「この対応、どうすべきでしょう」
職員2「うむ……治らないと直接伝えるべきか、それとも誤魔化すべきか……」
大赦さん「……誤魔化した方が良いだろう」
職員3「おお、大赦さん。あなたは、なぜそう思うのです?」
大赦さん「ここで下手に事実を伝えても、勇者の暴走を招くだけだ。我々も今まで園子様や鷲尾様を治すため日々研究してきた。『調査中です』などと言っても嘘にはならんだろう」
職員1「なるほど……大赦さんの意見なら、反対する必要もなさそうですな」
大赦さん「ああ、それと」
大赦さん「三好夏凜からのメールは、全て私に回すように」
大赦さん(まったく……他の職員は何をしてるんだ)
大赦さん(軽い指示は出したとはいえ、あいつらの応対が暴走を招かなきゃいいんだが……!)ピロン
大赦さん「夏凜ちゃんが、大赦にメール……?」ピッ
大赦さん「……なるほど。あいつも、成長してるんだな」
大赦さん「――いいに決まってるじゃないか。夏凜」
――――――――――――――
夏凜ちゃん「!」ピロン
―『申請は受理されました』―
―『三好夏凜、あなたは卒業まで讃州中学で勉学に励みなさい』―
・漏洩
大赦さん「……マズイな」
大赦A「どうした?」
大赦さん「夏凜ちゃんに仕掛けるついでに、その友達にも盗聴器を仕掛けてたんだよ」
大赦B「しれっと何言ってんのお前」
大赦さん「ただどうも、その友達が園子様と接触したことが原因で、散華の件がバレたらしい」
大赦A「は!?」
園子様「わ、私じゃないから……そう、口が勝手に」
大赦さん「誤魔化し方がヘタすぎです。別に怒りませんから大丈夫ですよ」
大赦A「そういやお前の妹も勇者だろ?反乱とか大丈夫なのか?」
大赦さん「バカ言うなよ。夏凜ちゃんがそんなことするわけないだろ」
大赦B「その"夏凜ちゃん"は大丈夫でも、他の勇者がやばくね?」
大赦さん「うーん。じゃあ、とりあえず夏凜ちゃんに連絡しとくか。あくまで大赦名義で」
――――――――――――
夏凜ちゃん「?」ピロン
―『犬吠埼風を含めた勇者四名が精神的に不安定な状況に陥ってます』―
―『三好夏凜、あなたが他の勇者を監督し、導きなさい』―
――――――――――――
大赦A「ちょっと文面が優しくね?他の職員こんな丁寧なメール送らないよ」
大赦さん「そうか?」
大赦B「導きなさいとか普通使わねーって」
大赦さん「いいじゃないか。これてひとまず安心だろ……まあ一応盗聴器聞いてみるか」ピッ
夏凜ちゃん『あんた……何するつもり!』
大赦さん「えっ」
風『大赦を潰してやる!』
大赦さん「えっ……えっ?」
大赦A「何がひとまず安心だって?」
大赦さん「どうなってんのこれ(´・ω・`)」
・散華
ビーッビーッビーッビーッ
大赦さん(あの後、園子様と接触した事で絶望された鷲尾様によって、壁は破壊された)スタスタ
大赦さん(園子様は勇者を止めないと宣言し、壁からはバーテックスが侵入)スタスタ
大赦さん(……夏凜)ガチャ
【樹海モニタリング部】
大赦さん「状況は!?」
アルバイト1「現在、鷲尾様が壁の周囲で犬吠埼姉妹と戦闘中だ!」
アルバイト2「それと、その、言いにくいんだが……」
アルバイト3「……三好夏凜含む2名の勇者が、乙女座に撃墜された」
大赦さん「……!」
大赦さん「クソ、夏凜は、夏凜はどうなった!」バッ
アルバイト1「ああやばい、2人のところに星屑が……」
アルバイト3「結城様は何してるんだ!早く変身しないと!」
夏凜ちゃん『てやぁっ!』シャキン
大赦さん「――夏凜!?」
夏凜『ねぇ友奈。あんたはどうしたい?』
大赦さん「……何、してるんだ、夏凜?」
夏凜『そう……友奈、私、もう大赦の勇者として戦うのはやめる』
大赦さん「何を、言ってるんだ?」
夏凜『友奈の泣き顔、見たくないから』
大赦さん「そんな、まるで――」
大赦さん「――まるで今から死ぬかのようなセリフ、言うんじゃない」
大赦さん「――っ!夏凜に、夏凜に電話をかけてくる!今止めればまだ間に合うかも!」
アルバイト1「お、落ち着けよ。何も死ぬわけじゃない……」
大赦さん「落ち着く?この状況で落ち着いていられるか!自分が死ぬならまだいい。だが夏凜はこのままだと確実に満開を使う!」
アルバイト2「樹海の中には電話かけても通じないだろ!もうどうしようもないんだよ!お前も納得してただろ!」
大赦さん「そんな……はっ!夏凜!」ガタッ
夏凜『遠からん者は音に聞け!』
大赦さん「なに立派なこと言ってるんだよ、夏凜ちゃん。お前らしくもない……」
夏凜『近くば寄って、目にも見よ!』
大赦さん「まだお前は子供でいい。まだ未熟なままでいいんだよ。だから――」
夏凜『さぁ、もってけええええええええええ!』
大赦さん「――咲くなああああああああああ!」
――――――――――――――――
大赦さん「夏凜ちゃん、夏凜ちゃん!!!」
アルバイト3「ダメだ。こいつとりあえず部屋から出すぞ。危険すぎる!」
アルバイト2「ああ。大赦さん落ち着け!辛いのはわかる、でもひとまず外に出よう!」
バタン
大赦さん「……」ピッ
夏凜ちゃん『……』
夏凜ちゃん『……暗いなぁ……怖いなぁ……』ボソッ
大赦さん「……クソ」
・癒し
夏凜ちゃん(あれからしばらく経った)
夏凜ちゃん(私達の頑張りが認められて、後遺症は徐々に治り始めている)
夏凜ちゃん(まだ友奈は治らないけど、あたしの目と耳も半分だけとはいえ戻ってきて、リハビリを続けている。でも……)
夏凜ちゃん「ただいま……」ガチャ
夏凜ちゃん(ようやく杖で歩けるようになって家に帰ると、そこに荷物は届いてなかった)
夏凜ちゃん(当たり前とはいえ、少し寂しい)
【数日後 部室】
東郷「ねぇ、夏凜ちゃん」
夏凜ちゃん「何?東郷」
東郷「何だか部室に、大赦から荷物が届いてるんだけど……」
夏凜ちゃん「えっ?ちょ、ちょっと貸して!」ベリベリパカッ
東郷「これ、大量のにぼし?どうしてこんな……」
夏凜ちゃん「……」ピロン
―『後遺症は治ってきているようですね。これでも食べて、元気を出しなさい』―
夏凜ちゃん「……東郷、私電話するから外行くわ。他のみんなも外だし、1人にして悪いわね」ガチャ
東郷「……?」
―――――――――――――――
ピロリロリン♪ピロリロリン♪
大赦A「また電話か!」
大赦B「園子様のリハビリ中だと言うのに!」
大赦さん「すみません園子様、行ってきます」ガチャ
大赦B「……あいつが電話するのも久しぶりですね」
園子様「このところずっとリハビリに付き合ってくれてたからね、そういう面もあるよ」
――――――――――――――
大赦さん「もしもし」
夏凜ちゃん『……何よ、あのにぼし』
大赦さん「あはは。気に入ってくれたかな?最高級のにぼしを選んでおいたよ夏凜ちゃん」
夏凜ちゃん『また無駄に金を使って……』
大赦さん「無駄とは失礼だな。夏凜ちゃんのためだぞ?」
夏凜ちゃん『……今度は、ちゃんと食用なのね』
大赦さん「同じ間違いは、繰り返さないさ」
夏凜ちゃん『何よそれ』
大赦さん「夏凜ちゃん」
夏凜ちゃん『何よ』
大赦さん「治ってよかったね」
夏凜ちゃん『……まだ完治はしてないけどね。友達も起きないし、目と耳は相変わらず片方ずつ使えないし……』
大赦さん「……」ピッ
夏凜ちゃん『うわあ!ちょっと、いきなりテレビ電話にしないでよ!』
大赦さん「夏凜ちゃん、俺の顔見える?」
夏凜ちゃん『……見えるわよ。仮面がね』
大赦さん「そうか……見えるし、聞こえるんだ……」
大赦さん「またこうやって、面と向かって話ができるとはなぁ……」
夏凜ちゃん『ちょっと、何泣いてんのよ!仮面してても気配でわかるわよ!?落ち着いてよ!』
大赦さん「……夏凜ちゃん」
夏凜ちゃん『なによ』
大赦さん「お疲れ様」
夏凜ちゃん『はっ?な、何言ってんのよいきなり。ふざけるのもいい加減に』ブツッ
大赦さん「……」
大赦さん「戻りました」
園子様「もういいの?」
大赦さん「はい。私には盗聴器があるので、寂しくありませんよ……」
大赦B「だからしれっと何言ってんだ」
大赦さん「早速盗聴器をつけて、反応を見てみますか。気になりますしね」ピッ
夏凜ちゃん『あーもう!めんどくさっ!突然イイ話みたいにするし、わけわからない!』
夏凜ちゃん『だいたいこんな量のにぼし、食用でも食えないっての!バカ兄貴が!』
大赦さん「か、夏凜ちゃん……?」
園子様「……照れ隠しとはいえ、酷い話だよね……」
大赦さん「」
夏凜ちゃん『……うちの兄貴めんどくさすぎ!』
おわり
106 : ◆ZQIobZyD8I - 2015/01/02 03:06:00.28 t2Zodf520.net 66/68おしまいです
前には園子×大赦仮面とぼたにぼを書いていたので、良かったらそちらも読んでみてください
遅くまでかかってしまいすみません。ありがとうございました
107 : 以下、\... - 2015/01/02 03:08:19.78 101lxqx10.net 67/68乙
面白かった
そんで、ぼたにぼのやつってのは?
109 : ◆ZQIobZyD8I - 2015/01/02 03:10:31.17 t2Zodf520.net 68/68>>107
http://ayamevip.com/archives/42123557.html
ぼたにぼはこれですね
読んでくれるのでしたらありがたいです
ところで樹海化してる時って大赦さんたち動けるの?