1 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 20:56:31.73 o5NvNFCSO 1/20

――朝 教室

「しまった……数学の教科書を忘れた……」

「あらあら、大変ね?」

「……見せてもらえませんかね?」

「なんで?」

「隣の席だし……いいだろ?」

「タダで?」

「は?」

「私にメリットなくない?」

「……」

「カツサンド買って来て」

「えっ?」

「お昼になったらカツサンド買って来て」

「アレはすぐに売り切れ……」

「急げば大丈夫なんじゃない?」

「……」

元スレ
男「幼馴染と付き合ってるんだけど……」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423569391/

2 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 20:59:00.90 o5NvNFCSO 2/20

――昼休み

「か…買って来ました……」

「ありがとう」

(スゲー疲れた……)

「それじゃご飯食べましょ」パカッ

「えっ……弁当持ってきてんの?」

「うん」

「じゃあ…何の為に……」

「カツサンド食べてみたいって言ってなかった?」

「……まぁ……一度くらいは食べてみたいって言ったけど……」

「私の為を思えば買えたでしょ?」

「そう…ですね……」

「念願のカツサンドよ?よかったわね?」

「……」

3 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:00:28.44 o5NvNFCSO 3/20

――帰り道

「ジャンケンしない?」

「なぜ?」

「カバンが重いの」

「はいはい」

「いくよ?ジャン…ケン…ポイ」

「……」パー

「……」グー

「よしっ、俺の勝ちだな」

「チッ……」

「カバンを持て」

「なんで?」

「俺が勝ったからだ」

「勝負に勝っていい気持ちになった上に私にカバンを持たせるの?」

「えっ?」

「むしろいい気分になったアンタが持つべきじゃない?それでこそ公平ってモンでしょ?」

「あ…はい……」

「じゃあカバン持って」

「……分かった」

「あーあ…負けちゃった、悔しいな♪」

(……納得できないが反論もできないな……)

4 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:01:50.47 o5NvNFCSO 4/20

――夕方 男の部屋

「なぁ」

「なに?」

「なんで俺の部屋にいるの?」

「彼女が彼氏の部屋にいるのが迷惑なの?」

「いや…そうじゃなくて……」

「なによ」

「お前も勉強した方が……」

「学校以外で勉強が必要なほど馬鹿じゃないわ」

「……」

「……甘いモノが食べたい」

「えっ?」

「ちょっと買ってきて」

「……勉強してるんだが?」

「囚人の穴掘りって知ってる?」

「知らん」

「午前中に自分が掘った穴を午後に自分で埋める……そんな意味のない行為の事よ」

「それと俺が勉強する事と何の関係が……」

「ハッキリ言わないと分からないかしら?」

「……行ってきます」

6 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:03:03.11 o5NvNFCSO 5/20

――

「ただいま」

「お帰りなさいアナタ♪」

「何だソレは」

「新妻っぽくしてみたの」

「なんで?」

「喜ぶかと思って」

「………その気持ちはありがたいな……」

「か…勘違いしないでよね!!別にアンタの為じゃないんだからね!!」

「……ツンデレか」

「うん」

「……せっかく買ってきたんだから早く食べちゃえよ」

「いただきまーす♪」

7 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:04:29.28 o5NvNFCSO 6/20

「ケーキを買ってくるとは気が利くわね」

「コンビニのだけどな」

「なかなか美味しいよ?」

「それはよかったな」

「……アンタのは?」

「いや、別に食べたくないし」

「……ほら」スッ

「なに?」

「食べさせてあげる」

「……」

「アーンして」

「……アー」

「なんてね♪」パクッ

「だと思ったよ……もう少しで勉強終わるからちょっと待ってろ」クルッ

「……」トントン

「ん?」

「……」トントン

「なんだよ」クルッ

「んっ……」チュッ

「んんっ!?」

「……ぷはっ…口移しよ?」

「お…お前……」

「甘くて美味しかったでしょ?」

「……うん……」

「んじゃ、私は帰るね♪」

8 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:06:37.83 o5NvNFCSO 7/20

――朝 教室

「あっ……」

「どうした?」

「英語の教科書忘れた」

「そりゃ大変だな?」

「……」

「タダじゃ見せられない」

「見せなくていいわ」

「は?」

「寄越しなさい」

「……俺は?」

「私が見せてあげる」

「お前…いくらなんでも……」

「あのさぁ……教科書見せるくらいで見返りを要求する方がおかしくない?」

(えぇぇぇぇぇぇ……)

「その顔はなんなの?」

「俺にカツサンド買いに行かせたじゃん」

「カツサンドは誰が食べたの?」

「……俺です」

「でしょ?」

「……」

「分かったわ……後でパンツ見せてあげる」

「マジで!?」

「ホントよ」

9 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:08:10.66 o5NvNFCSO 8/20

――夕方 幼馴染の部屋

(久しぶりに来たけど……ずいぶん女っぽい部屋になったな……)

「そんなにジロジロ見られたら恥ずかしいよ……」

「ご…ごめん……」

「ウソよ、好きなだけ見なさい」

「……」

「ところで今日は何しに来たの?」

「えっ?」

「何をする為に私の部屋に来たの?」

「きょ…教科書…見せたから……」

「えっ?……私のパンツ見る為に来たの?」

「……」

「エロい……エロすぎるわ……」

「……エ…エロくない男子なんていねーよ!!」

「うわぁ…逆ギレとか……」

「……」

「そんなに見たいの?」

「……見たいです」

「じゃあ土下座してお願いしてみて」

「パンツ見せてください!!」ガバッ

「……潔いわね……少し待ってて」

10 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:09:53.83 o5NvNFCSO 9/20

――

「お待たせ」

「お…おぅ」

「はい」スッ

「えっ?」

「私のパンツよ…ちゃんと洗濯してあるから安心して」

「……」

「どうしたの?」

「いや……何でもない……」

「まさか…今穿いてるパンツを見れると思ったの?」

「……」

「エローい♪流石はエロ伯爵ね?」

「……」

「……そんなにショックだったの?」

「……」

「分かったわよ……」スルッ

「えっ……」

「はい……脱ぎたてパンツよ」スッ

「おおお…お前……」

「アンタがあまりにも哀れだからあげるわ」

「ありがとうございます!!」

「ちょっと濡れてるかもしれないけれど、その辺はご愛嬌ね」

「……///」

11 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:12:21.30 o5NvNFCSO 10/20

「アンタって本当に馬鹿よね?」

「はい?」

「アンタがその気になれば私のパンツの中まで見れるのよ?」

「……そう言うのは結婚してからだ」

「いつ結婚してくれるの?明日?明後日?」

(卒業して…就職して3年目くらいかな……)

「早くても4年後だ」

「えぇ~っ、私は4年後まで処女なの?」

「……」

「アンタも早いとこ童貞を捨てた方がいいんじゃない?」

「……ダメだ」

「パンツでオ○ニーするのに?」

「ぐぅっ……」

「まぁいいわ、その代わり幸せにしてよね?」

「頑張ります」

12 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:13:31.46 o5NvNFCSO 11/20

――朝 教室

「……」

「……なぁ」

「んぁ?」

「お前具合悪いのか?」

「ちょっと頭がボーッとするだけよ」

「風邪か?」

「私がウィルスごときに負けるワケないでしょ……」

「……あんま無理すんなよ?」

「んっ……」

13 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:15:13.15 o5NvNFCSO 12/20

――翌日 教室

(……)

(アイツが休むとは……)

(……)

――夕方 幼馴染の部屋

「……」

「やっぱり風邪だったか」

「アンタのせいよ」

「えっ?」

「アンタが私をノーパンにするから風邪ひいたのよ」

「えぇっ!?」

「……」

「……」

「あ~、なんか熱っぽいわ……」

「測ったのか?」

「おでこで測って」

「分かった」スッ

「違う、おでこ同士をコツンとやって測って」

「……分かったよ」ピトッ

「かかったな」ガシッ

「えっ?」

「死ねぇ!!」ガツン

「ぐわっ!!」

「痛いっ!!」

「お前…いきなり頭突きとか……」

「うぅぅ…………ここは戦場だ、気を抜いたら死ぬぞ?」

「無理すんなって」

「……なにが?」

「お前泣きそうじゃん…痛かったんだろ?」

「……うるさいわよ」

「風邪の時くらい大人しくしろよ」

「……はい」

14 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:16:29.02 o5NvNFCSO 13/20

「なんか食べたいものあるか?」

「たっかいお肉が食べたい」

「もう一度聞くぞ?なんか食べたいものあるか?」

「……桃……缶詰めの桃が食べたい」

「分かった、少し待ってろ」

「桃缶あるの!?」

「そう言うと思ってここに来る前に買っといたんだ」

「やっと私の下僕らしくなってきたわね?」

「はいはい、お皿に移してくるからちょっと待ってろ」

「うん」

15 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:18:04.25 o5NvNFCSO 14/20

――

「お待たせ」

「早く食べさせて」

「……ほら」スッ

「……」

「口あけろよ」

「違う」

「違う?…なにが?」

「んっ」

「……」

「んっ!!」

「……何やってんだ?」

「女の子が目を閉じて『んっ』ってやったらやる事は一つでしょ!!」

「……」

「……ケーキ…食べさせてあげたわよね?」

「……分かったよ」パクッ

「んっ」

「……」チュッ

「……美味しい」

「残りは自分で食べてくれ」

「えぇ~っ」

「恥ずかしくて死にそうなんだ……」

「仕方ない…今日はこの辺にしといてやるぜ」

「……ありがとうございます……」

16 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:19:20.09 o5NvNFCSO 15/20

――1週間後 男の部屋

「ダッサいわね?」

「……」

「お見舞いにきて風邪をうつされるとかバカなの?」

「……誰のせいだと思ってんだ?」

「ウィルス」

「そうじゃなくて……」

「なに?私のせいだって言うの?」

「……」

「分かったわよ、責任とればいいんでしょ」ガバッ

「ちょっ…何する気だ……」

「すぐに終わるわ…天井のシミでも数えてなさい」

「や…やめろ……やめろぉぉぉぉぉ!!」

17 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:20:48.73 o5NvNFCSO 16/20

――

「責任とって清拭してあげたわ、感謝しなさい」

「もうお婿にいけない……」

「は?私以外の誰の婿になるつもりなの?」

「……」

「だいたい体を拭かれたくらいで何が恥ずかしいの?」

「裸を見られた……」

「乙女か」

「……」

「でも…思ったより逞しいのね?」

「一応…男の子なんで」

「それじゃ、次はお粥を食べさせてあげる」

「自分で食べる」

「アンタの意思は聞いてないわ」

「またお前に風邪がうつるだろ?」

「一度ひいたから大丈夫よ」

「いやいや……」

「いくわよ?」パクッ

「おい…やめろ……」

「……」ガシッ

「バカ…落ち着け……」

「……」ブチュッ

「んん~!?」

「……ふぅ……二口目いくわよ?」

(コイツは……本当に……)

18 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:22:53.50 o5NvNFCSO 17/20

――1週間後 幼馴染の部屋

「……」

「呆れて言葉が出ねーよ」

「面目ござらん……」

「桃缶買ってきたから自分で食べろ」

「イヤよ、食べさせて」

「ワガママ言うな」

「ワガママ?何言ってるの?」

「えっ?」

「アンタ病人の頼みも聞けないの?」

「……また俺に風邪が……」

「そしたら私が看病してあげる」

「それじゃあ一生終わらないだろ?」

「いいじゃない…一生一緒にいるんだから」

「……分かったよ」

「宜しくお願いしま~す♪」

(本当に困った彼女だな……)

(まぁいいか……一生退屈はしないだろうし……)

「どうしたの?」

「いや……これからも宜しく頼むよ」

「うん、私にお任せよ♪」

19 : ◆tZ.06F0pSY - 2015/02/10 21:23:30.71 o5NvNFCSO 18/20

終わり

21 : VIPに変わりましてNIPPERがお送りします - 2015/02/10 21:37:23.17 WCXJ8mUK0 19/20

ちょっくら幼馴染探してくる

23 : 以下、名... - 2015/02/10 22:43:10.80 TVRP4b75o 20/20

幼馴染とのほんわかした日常っぽさがよかった


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