苗木「ギャップ萌えねぇ・・・」テクテク
大神「む、苗木か」
苗木「大神さん。どうしたの何か探し物?」
大神「うむ・・・この近くに置いたはずなのだが」
苗木「何を無くしたの?」
大神「あ、アイフォーンだ」
苗木「キュン」
苗木「お、大神さん。iPhoneなんて持ってたんだ」
大神「うむ朝日奈に進められてな」
苗木「意外だね。インターネットとかするの?」
大神「いや使い方がよくわからなくてな、もっぱらアングリーバードをやっておる」
苗木「キュン」
苗木「そ、そうなんだ」
大神「うむ、しかしどこにいったのか・・・」
苗木「僕も探すよ。色は白?黒?5かな?」
大神「我が持っているのは、ふぉーえすと言う種類らしい色は白だが・・・」
苗木「?」
大神「ついデコりすぎてしまってな、原型をとどめていない」
苗木「キュン」
苗木「デコったんだ・・・」
大神「江ノ島に言われて試しにやってみたが存外に面白くてな。ついやりすぎてしまった」
苗木「ど、どんなデコレーションを?」
大神「ビーズでスヌーピーをな・・・」
苗木「キュンキュン」
苗木「スヌーピー好きなんだ・・・」
大神「幼少の頃から犬好きでな・・・むうしかし見つからん」キョロキョロ
大和田「おいおめーら何してんだ」
苗木「あ、大和田クン実はね」
大和田「あ、それひょっとしてこれか?」
大神「おおそれだ!」
苗木(・・・画面以外ビーズだらけだ)
大和田「さっき見つけてちょうど持ち主を探しててよ、ところでこれスヌーピーだよな」
大神「そうだが」
大和田「なあ大神ひょっとしてお前犬好きなのか?」
大神「ああ」
大和田「マジかよ!いやー実は俺も犬が大好きでよ!この学園にも犬好きのやつ探してたんだよ!」
大神「そうか・・・お主も犬を・・・」
大和田「同じ犬派がいるとは嬉しいぜ。大神は犬は飼ってんのか」
大神「いや・・・飼いたかったが我の父は犬が大の苦手でな」
苗木「キュン」
苗木「あれ?」
大和田「そうか・・・ならしょうがねえな」
大神「お主な何か飼っていたのか?」
大和田「おお!俺は昔マルチーズ飼ってたんだ」
大和田「俺と違って頭のいいやつでよ~朝新聞を持ってきて散歩をねだるんだせ!尻尾をこうぶんぶん振ってよ!」
大和田「もう死んじまったけどな・・・ほんとに俺が大好きでよ。俺もあいつが大好きだったんだぜ・・・」グスッ
苗木「キュン」
苗木「あの後二人で盛り上がってたんで席を外させてもらったけど二人共可愛かったよ」
不二咲「それがギャップ萌えだよ苗木君」
不二咲「普段のイメージからは思いもつかないような一面が見られてそのギャップに萌えるのがギャップ萌えさ」
苗木「そうだったのか・・・なんだか希望がムクムク湧いてきたよ」
苗木「もっと色んなギャップ萌えを見てくる!希望は前に進むんだ!」ダッ
不二咲「頑張ってね苗木君」
苗木「と言ってもここの生徒はよくも悪くもゴーイングマイウェイだからあんまりギャップ萌えっていないよね」テクテク
桑田「おっす苗木」
苗木「あ、桑田クン」
苗木(うーん桑田かぁ・・・流石にこれは希望が持てない)
桑田「何してんだこんなとこで?」
苗木「う○ちょっと希望を探して」
桑田「はぁ?わけわかんねーなお前は」
苗木「桑田クンこそ何してるの?」
桑田「見りゃわかんだろー暇してんだよ。あーここはほんと娯楽がねーなー」
苗木「野球でもやれば?」
桑田「俺は野球嫌いだって言ってんだろ。見たくもねーよあんなの」
苗木「じゃあ娯楽室でダーツとか?」
桑田「ダーツはなぁ・・・ありゃダメだ。変化球投げられねーもん」
苗木(ん?)キュン
苗木「じゃあビリヤードとか?」
桑田「あれもダメだ。ボールにフルスイングしたらダメとか意味わかんねー」
苗木「じゃあ体育館で皆でバスケでもする?」
桑田「バスケとかボールでかすぎて握れねーだろ。落ちつかねーんだよ握れねーとよ」
苗木「じゃあテニス」
桑田「テニスはいい線言ってるが・・・あれもなぁ。走りながら打つってのがどうも・・・」
苗木「・・・・・・」
苗木「桑田クン。ひょっとして野球やりたいんじゃないの?」
桑田「え?」
桑田「・・・・・・」
桑田「は、はぁ?!あ、あ、アポなこと言ってんじゃねーーぞ!!」
苗木「キュン」
桑田「お、俺が野球やりてーとか。い、意味わかんねーし!な、苗木!てきとーな事言ってんじゃねーぞ!!」
苗木「で、でもさ。さっきから桑田クンすごく野球やりたそうな・・・」
桑田「ち、ちげーよアポ!アポアポアポアポアポ!」
桑田「あーもう!おめーが変な事言うから気分悪くなってきた!バッティングセンター行ってすっきりしてくるわ!」ダダダ
苗木「キュン」
苗木「・・・・・・」
苗木「キュンとは来たけど・・・何か違う気がする・・・」
不二咲「それはツンデレだね」
苗木「ツンデレ?」
不二咲「そう。あ、あんたなんか全然好きじゃないんだから!みたいに本音が言えなくて照れてる人に萌える属性さ」
苗木「へぇ・・・色々あるんだね」
不二咲「奥が深いよね」
苗木「でもちょっとガッカリだよ。例えて言うならつかんだと思った希望が予備学科のクズだったみたいだ」
不二咲「ツンデレは王道なんだけどなあ」
苗木「僕が見たいのはギャップ萌えなんだよ!」ドン!
不二咲「その曲げない心。希望の様に輝いてるよ苗木君」
苗木「そうさ僕はまだ諦めたりしないぞ。理想のギャップ萌えに出会うまで希望は前に進むんだ」ダッ
不二咲「頑張ってね苗木君」
苗木「誰かいないかな・・・」
狛枝「やぁ苗木君」
苗木「あ、狛枝先輩」
狛枝「こんな所で何をしてるんだい?」
苗木「希望を探してるんです」
狛枝「素晴らしいよ!」ガバッ
苗木「ひっ!」ビクッ
狛枝「超高校級の希望と呼ばれる君が希望を探す!なんて素晴らしいんだ!」
苗木「」
狛枝「始めは小さな希望でも!希望同士が繋がる事でやがて大きな希望となると言うのに!」
狛枝「それが超高校級の希望と呼ばれる君らみたいな人達が繋がったら一体どれだけ大きな希望になるんだろう!」
狛枝「ああ、考えただけで震えが止まらないよ!」
狛枝「なんて素晴らしい事なんだろう!あはははははは!」
苗木「あ、あの・・・」ガタガタ
狛枝「おっとごめんよ苗木君。ついテンションが上がってしまった」
苗木「い、いえ・・・」
狛枝「ああ・・・僕もその希望に加わりたい。だけど僕みたいなクズが加わるなんて絶望的で許されることじゃないよね」
狛枝「予備学科のゴミよりは役に立つつもりではあるけど、僕なんか足を引っ張るだけだよ!そんなの図々しい事言えやしない・・・」
狛枝「そんな事言ったらいくら苗木君でもドン引きしてこれから相手にしてくれなくなるよ!それは辛いなあでもそれもいいかもしれない!もどかしい!」
苗木「ひぃぃぃ!」ガタガタ
苗木「トリップしてたから逃げて来たよ」
不二咲「うーんあれは・・・希望厨、希望デレ?かなぁ」
不二咲「強いて言えばヤンデレかな。あと若干ホモも患ってる」
苗木「やめてよ。これでも僕は純愛にしか興味が無いんだ。あとホモとかもお断りだよ」
不二咲「そっか・・・苗木君は男の子には興味無いんだ・・・」シュン
苗木「えっ?」キュン
不二咲「えへへなんちゃって。ギャップ萌えした?」
苗木「そ、そんなわけないだろ!」
苗木(小悪魔キャラ・・・だと・・・?)
苗木「はぁそろそろギャップが見たいよ」トボトボ
腐川「あ、な、苗木じゃない」
苗木「あ、腐川さん」
腐川「ちょ、ちょうどよかったわ。あ、あんた白夜様知らない?」
苗木「いや、知らないけど・・・」
苗木(うーん流石に腐川さんはねぇ・・・)
腐川「そ、そう。まったく使えないわね」キョロキョロ
苗木「十神クンに何か用なの?」
腐川「白夜様ったら私を図書室に閉じ込めて出てっちゃったのよ。それで今探してるんだけど・・・」
苗木「・・・腐川さん。そろそろ諦めたら?」
腐川「は?な、なんの事よ」
苗木「十神クンの事だよ。だってそんなにまでされて何で追いかけてるのさ」
腐川「き、決まってんでしょ!彼が好きだからよ!」
苗木「いやでも・・・」
腐川「・・・苗木。こ、この際せっかくだからあんたに言っとくけど、あんた人を好きになるってどう思ってんの?」
苗木「え?ど、どうって・・・?」
苗木「そりゃいつも一緒に居たいとか。抱きしめたいとか・・・」
腐川「ふん。ま、まぁあんたならその程度でしょうね。でも私は違うわよ」
腐川「私にとってねこの恋は命がけなのよ。障害なんてあって当たり前。で、でもそれが何よそんなの乗り越えみせるわよ」
腐川「・・・馬鹿なやつだって思ってんでしょ?私だってそう思うわよ。だけど彼はそれくらいじゃないと振り向かない」
腐川「身分とかそう言う問題じゃない。彼は私とは魂自体が違うのよ」
腐川「だからって諦めない。だからこそ命がけで全力で恋するの。中途半端で諦めたら、私絶対後悔するから・・・」
苗木「・・・・・・」ゴクリ
苗木「キュンとは来なかったけど何か心に来たよ」
不二咲「それはギャップ燃えだね」
不二咲「普段ヘタレな人がここぞと言う時に根性見せるとそのギャップに燃えるんだよ」
苗木「なるほど・・・また一つ賢くなったよ」
苗木「けどそれもいいけどさ、僕が求めているのはちょっと違うんだ」
不二咲「苗木君もう諦めようよ。もう希望なんて無いんだ」
苗木「そんな事はない!僕は諦めないぞ希望は前に進むんだ!」ダッ
不二咲「これがギャップ燃えかぁ」
苗木「次は誰に会えるかな」テクテク
舞園「あ、苗木くーん!」タタタ
苗木「舞園さん」
舞園「よかった・・・探してたんです」ハァハァ
苗木「ま、舞園さん大丈夫?息まで切らして。僕に何か用?」
舞園「はい・・・えっと、苗木君とお昼一緒に食べようかなって思って」
苗木「な、なんだそんな事か。いいよ。じゃあ僕も購買部でパンでも買って来て・・・」
舞園「あ、あの・・・」
苗木「?」
舞園「これ・・・」スッ
苗木「こ、これ・・・お、お弁当?」
舞園「・・・」コクリ
苗木「え、ひょっとして、僕の分?」
舞園「・・・・・・」コクリ
苗木「え、な、なん・・・で?」
舞園「その・・・苗木君に・・・」
舞園「苗木君に私の料理食べて欲しかったので、早起きして作りました・・・」
苗木「キュン」
舞園「どうですか・・・?」
苗木「す、すごく美味しいよ舞園さん。すごいや舞園さん料理も得意なんだ!」
舞園「そ、その・・・苗木君に食べてもらうから、気合い入っちゃって・・・」
苗木「そ、そうなんだ」キュン
舞園「あ、苗木君。ほっぺたにご飯粒が」
苗木「え?ほんと」
舞園「・・・ちょっと、動かないで下さい」スッ
苗木「え?舞園さ」
チュッ
苗木「・・・・・・」
舞園「・・・・・・とれ・・・ました」
苗木「・・・・・・」
舞園「・・・・・・」
舞園「えへへっ///」
苗木「舞園さん可愛い!」
不二咲「それはデレデレだね。特にツンも無くヤンも無くストレートに相手に」
苗木「舞園さん可愛い!舞園ん可愛い!舞園さん可愛い!」
不二咲「苗木君?!」ガタッ
苗木「もうギャップなんてどうでもいいや!僕は舞園さんと結婚するんだ!」
不二咲「苗木君!」パーーン!
苗木「ふ、不二咲君?!」
不二咲「見損なったよ苗木君。君はそんなまやかしの希望で満足なの?」
不二咲「君が求めていた希望はそんな物じゃないはずだよ!感情の陰と陽が織りなすコントラスト!それが君の求めていた萌えでしょう!」
苗木「!!」
苗木「ごめん。僕は大切な事を見失っていたよ」
苗木「絶望より怖い物、それは半端な希望だったんだ」
不二咲「それでこそ苗木君だよ」
苗木「ああ僕はもう迷わない。さあ行くぞ希望は前に進むんだ!」ダッ
不二咲「頑張ってね苗木君」
苗木「さてと、なんやかんやで希望は貰えたし今度は誰に会えるかな」
セレス「あら苗木君ではありませんか」
苗木「あ、たえちゃん」
セレス「その名前で呼ぶなつってんだろうがクソガキがぁぁぁぁあ!」
苗木「それは違うよ!」ダン!
セレス「は?」
苗木「違うんだよセレスさん!それは確かにギャップだけどそのギャップには萌えがない!」
苗木「なんて言うか充分予想範囲内なんだよ!それは落差じゃなくてもはやお約束だ!」
セレス「よくわかりませんがとても失礼な事を言われてる気がしますわ」
セレス「そんな事より苗木君。食後のロイヤルミルクティーが欲しいのでいれてくださいませんか?」
苗木「え、僕が?山田クンの方がうまいでしょ?」
セレス「確かに山田君は上達しましたがたまには貴方にも指導しませんと」
セレス「いざという時に不味い紅茶しか淹れられないとなると困りますから。これも主の務めと言う物ですわ」
苗木「主って・・・僕は別にセレスさんのナイトになったわけじゃ・・・」
セレス「さぁ行きますわよ我がナイト」
苗木「あ、はい」スゴスゴ
セレス「不味いですわ」カシャーン
苗木「うう・・・せっかく淹れたのに」
セレス「まったくこれでは先が思いやられますわ」
セレス「常々思っていましたがあなたはナイトの自覚が足りない様ですわね」
苗木「いやだから僕はナイトになったわけじゃ・・・」
セレス「さ き ほ ど も」
苗木「え?」ビクッ
セレス「舞園さんと、何やら楽しげにしていましたわね?」
苗木「え、あ、み、見てたんだ・・・」
セレス「どういうおつもりですか?私のナイトでありながら他の女性と逢引など」
苗木「あ、逢引なんて!ぼ、僕達はただ昼食を・・・」
セレス「なら何故唇を許したのですか?」
苗木「え?」
セレス「遠目ではよく見えませんでしたが、あの時確かに・・・」
苗木「あ、あれはち、違うよ!あれはほっぺただし、ご飯粒を取ってもらっただけで!」
セレス「あらそうでしたの」
苗木「そ、そう!だから決してやましい事は・・・」
セレス「ならこの唇はまだどの女にも犯されていないわけですわね?」ツツッ
苗木「え?」ゾクッ
セレス「貴方は私の所有物・・・渡しませんわ。誰にも・・・」
苗木「あ、あの・・・セレスさ・・・」
セレス「ご主人様と言いなさい・・・私の・・・可愛い下僕・・・」
苗木「ご、ご主人様・・・」
セレス「いい子ね・・・ご褒美を上げるわ」
チュッ
苗木「」
セレス「ふふっ」
セレス「これからも、私のためだけに尽くしなさい。私だけの、可愛い可愛い苗木君・・・」
苗木「僕にはご主人様しかいないんだ・・・」
不二咲「苗木ぃい!歯ぁ食いしばれえええ!!」ペチッ
苗木「あれっ?」キュン
不二咲「ぜぇぜぇ・・・め、目は覚めた?」
苗木「あ、うんありがとう。それとなんかごめん」
不二咲「結局セレスさんはどうだったの?」
苗木「うーーんなんかすごく惜しいんだよね」
不二咲「惜しい?」
苗木「うん例えばさっきのやりとりを、たどたどしい態度で顔を真っ赤にしながら目を逸らしつつ時々チラチラ見る感じならその場で結婚を申し込んだけど」
苗木「さっきのもあれはあれでいいんだけどさぁ。超高校級の料理人の作った料理を出された気分だ。僕はそれにハチミツをぶちまけたいんだよ」
不二咲「なるほどねぇ」
苗木「まぁいいかとりあえず後少しって所までは行ったんだ。これを希望の踏み台にして希望は前に進むんだ」ダッ
不二咲「頑張ってね苗木君」
苗木「さて次はと・・・」
霧切「あら苗木君」
苗木「あ、霧切さん」
霧切「セレスさんとの用事は終わったの?」
苗木「ああもう大丈・・・あれ?なんで霧切さん、僕がセレスさんと居た事知ってるの?」
霧切「エスパーだから」
苗木「え?」
霧切「冗談。ただの勘よ」
苗木「そ、そっか・・・」
霧切「その前は舞園さんともいたわよね。苗木君のくせに、随分とモテるのね」
苗木「え、ええ?」
苗木「き、霧切さん・・・」
霧切「探偵だから、ちょっと調査すればすぐわかるわ」
苗木「ちょ!調査って!やめてよ霧切さんプライバシーの侵害だよ!」
霧切「冗談に決まってるでしょ苗木君のくせに自惚れないで、何をしてたかまでは知らないわ」
苗木「それでも会った人の事は知ってるんだ・・・」
霧切「・・・しょうがないでしょ。」
霧切「・・・貴方の事はつい目で追っちゃうんだから」
苗木「え?」
霧切「まったく貴方にも困った物ね、まあ私も大概だけど・・・」
霧切「あんまり妬かせないで。生意気よ・・・」
苗木「キュン」
苗木「霧切さんと結婚する!僕は霧切さんと結婚するぞ!」
不二咲「・・・・・・」
苗木「あの霧切さんがあんな事を言うなんて!舞園さんの可愛らしさやセレスさんの引き込まれる魅力とは違うけど!」
苗木「もう霧切さんの事が頭を離れないよ!これが!これが恋なんだ!」
不二咲「それは違うよ!」
不二咲「苗木君、本当にそれでいいの?」
苗木「不二咲クン・・・どう言う事?」
不二咲「確かに霧切さんは可愛かったかもしれないよ。でもそこにギャップはあった?」
苗木「あ、あったよ!いつもクールな霧切さんがあんなにデレるなんてギャップじゃないか!」
不二咲「本当にそう?ならそこに照れはあった?恥じらいはあった?いつも見せない本当の霧切さんはあった?」
不二咲「確かに思いも寄らない事態だったけど、霧切さんなら・・・充分に予測範囲内の行動じゃない?」
苗木「そ、それは・・・」
不二咲「もう認めようよ苗木君・・・」
不二咲「君が彼女に感じたのはギャップ萌えじゃない!クーデレなんだ!」
苗木「ク、クーデレ・・・」
不二咲「そうだよ。すました顔して想いを伝えてくる憎らしい小悪魔。それがクーデレさ」
不二咲「派生として素直クールとも言うね・・・」
苗木「そ、そんな・・・で、でも確かに僕は彼女に・・・」
不二咲「クールな彼女が素直にデレる。確かにギャップ萌えの条件はみたしてるのかもしれないね」
不二咲「君がそれでいいなら僕は止めないよ。でも君が本当に愛したのは胸キュンはそんな物だったのかな」
不二咲「君のときめく希望はここで終わってしまうの?」
苗木「不二咲クン・・・」
苗木「希望は・・・希望は前に進むんだ!」
不二咲「苗木君!」ガシッ
苗木「不二咲クン!」ガシッ
苗木「ありがとう不二咲クン。僕は間違っていた。いや諦めていたんだ・・・先の見えない希望を追うのを」
不二咲「いいんだよ苗木君。困った時は僕が君の希望を支えるよ!」
苗木「不二咲クン!」
不二咲「苗木君!」
苗木「ありがとう。あ、でも僕は男の娘には萌えないよ」
不二咲「いいよ。僕朝日奈さんと付き合ってるし」
苗木「え、マジ?」
不二咲「うん、彼女ねすごいんだよいつもとその・・・その時のギャップが・・・」
苗木「クソがっ!こんな絶望に負けないぞ!」ダッ!
不二咲「頑張ってね苗木君!」
苗木「・・・思った以上の精神ダメージだったみたい・・・くじけそうだ」
苗木「ダメだ。やっぱり希望は絶望に勝てないんだ」ガクッ
苗木「もうダメだ僕みたいな何の才能も無いゴミ以下予備学科以上の虫ケラはここで絶望に染まるんだ」
戦刃(?)
苗木「ごめん・・・舞園さん、セレスさん、霧切さん、不二咲くん・・・絶望には勝てなかったよ・・・」
戦刃「・・・・・・」
苗木「・・・このまま泥の様に眠ってしまおうか・・・」
戦刃「・・・・・・」
苗木「・・・・・・」
戦刃「・・・・・・」
苗木「・・・・・・」
苗木(うわぁ恥ずかしい独り言聞かれた・・・)
苗木「・・・・・・」
戦刃「・・・・・・」
苗木(よりにもよって戦刃さん!こんな時朝日奈さんなら笑ってすませてくれるのに気まずいってレベルじゃない!)
戦刃「・・・苗木君なんてこんな所で寝てるの?」
苗木「あ、そ、それはその・・・」ムクッ
苗木「!!」
苗木「うわっ!ご、ごめん!戦刃さん!」
戦刃「何が?」
苗木「い、いや僕のこの体制でこの角度なら戦刃さんの下着が・・・」
戦刃「・・・ああ」
苗木「戦刃さん!ス、スカートおさえるとか!」
戦刃「別にいい、気にしないから」
苗木「僕が気にするよ!・・・って僕が立てばいいのか」ムクッ
戦刃「立っても大丈夫?」
苗木「う、うん」
苗木「・・・」
苗木(それにしても・・・下着を見られも平気なのか・・・ギャップは無理だな)
戦刃「・・・・・・」
戦刃(下着くらい別にいいのに・・・顔真っ赤にしてる苗木君かわいい・・・)
戦刃「保健室とか・・・いく?」
苗木「い、いやいいよ。ちょっと絶望に負けそうになっただけだから」
戦刃「絶望?」
苗木「あ、いやこっちの事」
戦刃「・・・よくわからないけど」
戦刃「苗木君なら大丈夫だよ」
苗木「え・・・?」
戦刃「苗木君は強い子だから。きっと絶望しても絶望の中から希望を見つけて立ち上がる」
戦刃「うまく言えないけど・・・苗木君はそんな人だから」
苗木「戦刃さん・・・」
苗木「ははっそうだね。前向きなのが僕の取り柄なんだ。すっかり忘れてたよ」
苗木「ありがとう。戦刃さんのおかげだよ」ニコッ
戦刃「・・・!!///」ドキッ
戦刃「そ、そんな事・・・ないよ。私の苗木君は・・・」アタフタ
戦刃「あ、い、いや今の・・・違う。私の知ってる苗木君ならたぶんこう言うと・・・思ったから・・・」ワタワタ
苗木(ん?なんだろう希望がムクムク湧いてきたぞ)
苗木「戦刃さん」
戦刃「は、はい」ドキッ
苗木「ありがとう!」ニコッ
戦刃「は、はうぅ・・・///」
苗木「戦刃さんって優しくね!」
戦刃「え?ええ?!」
苗木「戦刃さん!」ギュッ
戦刃「な、苗木君!て・・・手が!」ブシュー
苗木(素晴らしいよ!これが希望なんだね!)
苗木(いつもクールで大人しくて鉄面皮な軍人の戦刃さんがこんなに狼狽えるなんて!)
苗木(これこそギャップ萌えだよ!)
苗木(思えば僕は今まで間違っていたのかもしれない)
苗木(いつも皆を表面的に見るだけでそれ以上知ろうしなかった)
苗木(自分でその人のギャップを自ら見つけようとしなかった)
苗木(そうだ!希望はただ与えられるものじゃない!絶望の中から掴み取る物なんだ!)
苗木(この希望を前に進めるんだ!)
苗木「戦刃さんこれ上げる」
戦刃「え?な、何これ?」
苗木「イン・ビトロ・ロースって言うんだ。励ましてくれたお礼だよ」
戦刃「あ・・・」
苗木(あ、あれ?反応が薄いな)
戦刃「・・・・・・」
苗木「あ・・・ごめん戦刃さん。気に入らなかった?」
戦刃「ちが・・・う・・・」ポロッ
戦刃「嬉しくて・・・こんなのもらったの初めてだから・・・それも苗木君に・・・」ポロポロ
苗木(うわぁ溢れ出る希望が止まらないよ!)キュンキュン
戦刃「嬉しい・・・ありがとう。ずっと・・・ずっと、大切にするね。苗木君」
苗木「あ、う、うん・・・そ、そこまで喜んでもらえるなんて嬉しいな」
苗木「で、でもそらぼ、僕も戦刃さんに励ましてもらったわけだし、おかげで元気も出たからさ。」
戦刃「元気出たんだ・・・よかった」
苗木「あ、う、うん戦刃さんのおかげだよ」
苗木「これからもた、頼りにしちゃうかも・・・ね。はは」
苗木(何言ってんだ僕)
戦刃「・・・いいよ。私なんかじゃあんまり頼りにならないと思うけど、頼られるのは好きだから」
苗木「そ、そうなんだ」
戦刃「うん、ずっと盾子ちゃんのお姉ちゃんだったから頼りにされると嬉しいな」
苗木「江ノ島さんの・・・ああ、なるほど」
戦刃「うん、だから苗木君が私を頼って来たら・・・」
戦刃「その時は、苗木君のお姉ちゃんになってあげるね」ニコッ
苗木「結婚してください!!」
こうして僕は戦刃さんと付き合う事になった。
流石にクール→可愛い→純真→お姉ちゃん、のギャップを味わった僕はその希望に溺れざるを得なかったんだ。
一度は絶望に落ちかけた僕だけど、そこから僕はわずかな希望を手繰り寄せ大きな希望をつかんだ。
でもそれは大きな希望ではなく案外ありふれた希望だったのかもしれない。
溢れている希望は見えづらく気づかない、だけどそれは確かにそこに存在するんだ。
絶望と希望のギャップの中で見つかるわずかな、だけど確かに存在する希望。
それはまるで普段は想像もつかないからこそ輝く魅力。ギャップ萌えの様だった。
おしまい

