妖狐「旦那様も粋なお人やねぇ」
妖狐「ふふ、ほな行きましょうか」
元スレ
妖狐「年越しに温泉やなんて……」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1420047624/
妖狐「混浴、ですか」
妖狐「どういう風の吹き回しや思うたら……」
妖狐「旦那様の助平、うふふっ」
妖狐「もちろん、ウチは構いませんよ?」
妖狐「まぁ、素敵な露天風呂ですねぇ」
妖狐「うふふ、何ですの? 湯浴みは外しませんよ?」
妖狐「さ、お風呂浸かる前にお背中流しますねぇ」
妖狐「んっ、んんっ……しょ」
妖狐「もう少し強ぅするんですか?」
妖狐「ふっ、んん……んっ、んっ、ふぅ」
妖狐「旦那様のお背中、がっちりしてて素敵ですわぁ」
妖狐「前の方は旦那様がやって下さいね」
妖狐「ウチはそこで軽く流してきますんで、こっちは向かんといて下さいね?」
妖狐「……んん、ふぁああ……ええお湯ですなぁ」
妖狐「外が冷える分お湯が染みますねぇ」
妖狐「……ふう」
妖狐「……」
妖狐「お酒ありますけど、飲みます?」
妖狐「はい、ではお注ぎしますね」
妖狐「ウチの分も、っと」
妖狐「ふふ、か~んぱい♪」
妖狐「はぁ~、五臓六腑に染み渡りますなぁ」
妖狐「んー……」
妖狐「うふふっ」
妖狐「そろそろ日付が変わるみたいですなぁ」
妖狐「ちょっと上がりますね」ザパァ
妖狐「……さん、にぃ、いち……えいっ」ピョンッ
妖狐「見ました? 年越しの瞬間地球に居らへんかったんですよ?」
妖狐「へ? うふふ、ちょーっと、酔ってますぅ」
――――
妖狐「……んん? はれ?」
妖狐「ここ、お部屋で……」
妖狐「……ウチ、あのまま酔ってのぼせてしもうたんですか?」
妖狐「それで旦那様がここまで運んで……ふぁぁ」
妖狐「もっ、もうウチお嫁に行けませんわぁ」
妖狐「……は、はいぃ、もう落ち着きましたから」
妖狐「すいません……旦那様に、こんな、こんなはしたない所見せてもうたやなんて」
妖狐「その、旦那様? お詫びと言うては何なんですけど」
妖狐「いつものあれ、させて頂けませんか?」
妖狐「はい、では、させていただきますね」
妖狐「準備終わりましたから、膝の上、頭載せて下さいね」
妖狐「耳かきしてると落ち着きますさかいに」
妖狐「先程のお詫びに、精一杯お尽くし致しますえ」
妖狐「まずはお耳を拭かせてもらいますね」
妖狐「では初めて行きますさかい、じっとしてて下さいね」
妖狐「……入口からぁ」
妖狐「……」コリコリ
妖狐「……っと」フキフキ
妖狐「……」コリコリ
妖狐「はふぅ……」
妖狐「いえ、さっきの事だんだん思い出してきたんです」
妖狐「あぁ、もう……」
妖狐「まぁ! 旦那様ったら、また見たいやなんて」
妖狐「もうっ、旦那様の助平……」
妖狐「はい、反対側もしますよ」
妖狐「拭いてから……」
妖狐「ん、ほな耳かき始めていきますえ」
妖狐「……」コリコリ
妖狐「……ウチのあんな姿見はったんですから、その……」
妖狐「責任、とって下さいね?」
妖狐「はい、約束です」
妖狐「うふふふふっ……」
妖狐「……ん、終わりです」
妖狐「やっぱり旦那様は耳かきがお好きなんですねぇ」
妖狐「だらしないお顔でしたよ」
妖狐「……さっきの約束、ちゃんと守ってな?」
妖狐「あ、そうそう、これ言い忘れてましたなぁ」
妖狐「あけましておめでとうございます、ふふっ」
~fin~
妖狐「……んん、あら?」
妖狐「ふぁぁ……いつの間にか寝てしもうてたみたい」
妖狐「旦那様は……あ、起きてはったんですね」
妖狐「すいません、旦那様より遅う寝てしもうて」
妖狐「ウチ、夜更かしするとどうもあかんみたいで……」
妖狐「ほな、朝餉の準備致しますね」
妖狐「お雑煮出来ましたよー」
妖狐「熱い内にどうぞ」
妖狐「……どうです? ふふ、おおきに」
妖狐「ほなウチも頂きましょうか」
妖狐「んむっ、はふぅ、んん~……」
妖狐「あふっ、あふいれふぅ」
妖狐「んっ、ふぅ……お酒とはまた違った温かさが染みますねぇ」
妖狐「はぇ、メガネですか? んもぅ、メガネ掛けてこれ食べたら曇るやないですか」
妖狐「食べ終わったら初詣、ですか」
妖狐「はい、お供しますえ」
妖狐「はぅ、やっぱり外は寒いですなぁ……」
妖狐「でもこの神社の人は少のうて助かりましたわぁ」
妖狐「今年はウチが居ますさかい、作法は心配せんでええんですよ」
妖狐「はい、お参りしましょ」
妖狐「手水は分かりますね?」
妖狐「……はい、よく出来ました」
妖狐「参拝の作法は二拝二拍手一拝」
妖狐「まずは本坪鈴を鳴らして……」
妖狐「……」ふかぶかおじぎ
妖狐「……」ふかぶかおじぎ
妖狐「……」パンパン
妖狐「ここでお祈り」
妖狐「……」ふかぶかおじぎ
妖狐「お賽銭忘れてた……」
妖狐「お賽銭と言えば5円とご縁をかけるというのが通説ですけど」
妖狐「5円玉のかける枚数によって違ってくるもんなんですよ」
妖狐「2枚であれば『重ね重ねご縁がありますように』25円であれば『二重にご縁がありますように』と」
妖狐「面白いものやと思いません?」
妖狐「旦那様はどんなお願いごとしはりました?」
妖狐「ふふふっ、やっぱり旦那さんらしいですわぁ」
妖狐「はい、ウチも一緒です」
妖狐「帰ったらおせち、一緒に拵えましょう?」
妖狐「おせち食べたら後はゆっくり年末特番でも観て」
妖狐「まぁったりゆるりとくつろいで」
妖狐「そんな元旦を来年も再来年も、おじいちゃんおばあちゃんになっても」
妖狐「一緒に過ごしましょうな? 旦那様」
妖狐「うふふふっ」
~fin~