中野家 洗面所
梓「あー…眠い」シャコシャコシャコ
梓「…うえっ、おえっ」
梓「…ふー」
梓「がらがらがらがら」
梓「ぺぇぇぇっ!!」
梓「さて、髪セットして早く学校…」
梓「……ん?」
梓「あれ?鏡にうつった私…」
梓「そんな!馬鹿な!」
梓「私がこんなに可愛いわけがない!!」
元スレ
梓「私がこんなに可愛いわけがない」
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学校
梓(どういう事だろう…。なんであんなに可愛く見えたんだろう…)
梓「私なんてせいぜい上の中くらいのはずなのに…」ブツブツ
純「おはよー梓。なにブツブツ言ってんの?」
梓「あ、純。おはよう」
憂「純ちゃんおはよう。梓ちゃんさっきからずっとこの調子なんだよ」
純「ははーん、何か悩み事でもあるんだね?」ナデナデ
梓「撫でないでよもー」
純「梓見るとつい撫でたくなっちゃうんだよねー」
憂「梓ちゃん可愛いもんね」
梓「」ピク
梓(そうか…。なんだ、何のことは無い。そういうことだったんだ)
梓(私って実はめちゃくちゃ可愛い子だったんだ)
純「ほらほら、悩みがあるなら私達に言ってみなさい」ナデナデ
憂「相談に乗るよ?」
梓「大丈夫。もう解決したから」
純「えー?つまんない」ナデナデ
憂「解決して良かった~」
梓(ふ…ふふ…ふふふふ…)ニヤニヤ
昼休み
純「おーっ!?幻のゴールデンチョコパン!やった!今日はついてる!」
憂「記念撮影記念撮影!」
純「ふっふっふ!予告ホームランのポーズ!」キメ
憂「純ちゃんかわいー♪」
梓「……あ?」ピク
憂「ん、梓ちゃんどうしたの?」
純「花巻市鬼の館のお面みたいな顔してるよ?」
梓「あー…えぇ~?純ってそんなに可愛いかなぁ?」
純「へ?」
憂「え?純ちゃん可愛いよ~?」
梓「ふーん?いや、でもさぁ…」
梓(いや、待て私。純なんてどう贔屓目に見ても中の上。既に上の上々に位置する私が口を挟むなんて大人気ないよね)
梓「あ、あー…可愛いよね純は。掃除用具みたいで可愛いと思うよ」ニキキ
純「あ、ありがとう…」
教室
梓 純 憂「いただきまーす」
純「でもさー、ぶっちゃけゴールデンチョコパンって味は微妙だよね」モグモグ
憂「そうかな?私は美味しいと思うよ~」モグモグ
純「梓の弁当の方が美味しそうだなあ」ジー
梓(そうとも…。純なんて既に私とは天と地ほどの差があるんだ)チュー
梓(大体、純の事可愛いなんてふざけた事言ってるのは…)チュー
憂「パンおいしい~♪」モグモグ
梓(パンの味もろくにわからない憂だけじゃん。こんな子に可愛い可愛くないの審美眼があるわけないじゃん)チュー
純「梓ー、そのいちごミルク一口ちょーだい」
梓「やだ」チュー
純「ちぇ」
梓(フン。なんで私が下位ランクの子に献上しなきゃいけないのよ。純なんて低脂肪牛乳で十分じゃん)チュー
梓(あ、モップに牛乳あげたら臭くなっちゃうか)
梓「ぶふぉwwwww」ブーッ
純「うわっ!汚っ!?」
憂「あ、梓ちゃんどうしたの?」
梓「ひwwwwひーwwwwげほげほ…わ、笑わせないでよ純wwww」ゲホゴホ
純 憂「……?」
梓(ふふふ…。全く、本当に不憫だなぁ純は…プスス…)フキフキ
純「はい、ティッシュ」
梓「ありがと」フキフキ
梓(憂しか可愛いって言ってくれる子がいないなんて、私だったら自殺するレベルだよ)
梓(そう、純の事を可愛いなんて言ってるのは憂だk……)
唯『純ちゃんかわいー!』ギュム
梓(…)
梓「チッ」
憂「あ…梓ちゃん、私も床拭くの手伝うから…舌打ちなんてしちゃだめだよ…」
梓(そう言えば唯先輩も純の事可愛いって言ってたっけ…)
梓(いや、でもそれはあくまでもあの部分の事だけだったはず)
梓(結局純はただの掃除用具って事だね。安心安心)
憂「はい!拭き終わったよー梓ちゃん」
純「憂はホントいい子だよねー」
梓「……あ?」ピク
純 憂「え?」
梓「あ、いや…う、うん。憂はいい子だよねー」ニキッ
憂「えへへ~」
梓(フ…落ち着け私…。あくまでも、いい子ってだけの話じゃん。『いい子』なんてブスに対するフォローの常套句だし)
梓(大体、憂の事可愛いなんて言ってる人なんてどこにもいないし)
梓(憂かわいそー)プクク
純「ん?何笑ってんの梓?」
梓「いや、別に…」
純「ところで憂。もしかしてまた胸おっきくなった?」ジー
憂「ま、またって…。そんな事ないよー…」サッ
梓(フ…お、落ち着け私…)ニキキ
梓(とりあえず、この三人の中で私が一番可愛いのは疑いようもない事実)
梓(そしてこの三人は二年生の中でも美少女スリートップのはず。なんとなく今そう思った)
梓(つまり、二年生の中では私が一番可愛い)
梓「それもダントツで!!」
純「は?ダントツ?」
憂「何がダントツなの?」
梓「え?あぁ。うん。こっちの話、気にしないで」
純 憂「??」
梓(この学年ではもう私がテッペン獲った。でも問題は……)
放課後 音楽室
梓「こんにちは」ガチャ
唯「あずにゃーん!」ギュム
律「遅いぞー梓」
澪「ほら、梓のぶんのケーキとっておいたぞ」
紬「今お茶淹れるね」
さわ子「ムギちゃん、私おかわりー」
唯 律 澪 紬 さわ子「キャイキャイ」
梓(くっ…!問題はこの美少女軍団…!)ピキキ
唯「わ!あずにゃん怖いよー!」
律「なんだそのプレデターみたいな顔」
澪「ひいいぃ!」
梓「あ、い、いや…その…」
梓(びーくーる私!大丈夫、私はめちゃくちゃ可愛いんだから。この中でも間違いなく私が一番可愛いはず!)
唯「あずにゃーん。機嫌悪いの~?」スリスリ
梓「……」
梓(…唯先輩か…)ククク
梓(唯先輩は相手にならないな。憂と同じ顔だし、胸も憂より小さい)
梓(可愛いって言ってるのも憂だけだし)
唯「ところで見て見て~!新しいピン買ったんだよー。ほら!」
紬「わぁ、唯ちゃんかわいい!」
唯「えへへー」
梓(ふん、所詮はアクセの可愛さに頼ってるだけ…。やはり唯先輩は相手にならないかな)
梓「ふはははははは」
律「うわ、急に笑い出したぞ」
さわ子「ムギちゃーん、はやく~」
紬「はーい。どうぞ、先生」コト
さわ子「はぁ…幸せ…」ズズズ
梓(さわ子先生……か)
さわ子「ん?どうしたの梓ちゃん。私の顔になにかついてる?」
梓(顔は確かに…美人…。スタイルもいいし…大人だし…)
梓(しかし私は知っている!子供で小さくて童顔な女の子にも需要があることを!)
梓(そして最近はそっちのほうがメインストリームになりつつあることを!)
梓(残念でしたね先生。時代が私を選んだんです)ムフフ
さわ子「あー…最近メタル聴いてないから調子でないわ…」コキコキ
梓(あとやっぱり裏表のある女の人はダメだよね)
梓(私、とっても素直だし)
律「梓ー。何突っ立ってんだよ。早くこっち来て座ってお茶にしよーぜ」
梓「あ、はい」
律「あ~…ムギの淹れるお茶はうまいなー」ズズ
梓(律先輩にもまぁ余裕で勝ってるよね。だらしないし言葉遣い汚いしデコだし)
紬「ねぇりっちゃん、カチューシャ貸して?」
律「へ?なんで?」
紬「今度こそりっちゃんのマネを上手くやって澪ちゃんに叩いてもらうの!」
律「ん、まぁいいけど」スッ
梓「!?」
律「カチューシャ壊すなよー」
紬「うん、ありがとうりっちゃん」
梓(お、おおおおおおちおち落ち着け私!)ハァハァ…
唯「あずにゃん大丈夫?呼吸が乱れてるよ?」
梓「うっさいです!今忙しいんだから敗北者は話かけないでください!!」
唯「は、敗北者…?」
さわ子「忙しいって…思いっきりお茶飲んでるじゃない」
梓(大丈夫…。カチューシャ外してちょっと可愛くなったけど、中の上が上の下に変わっただけのコト…)ズズ
梓(上の上々々々の私には到底及ばない…)
律「あー、唇乾燥するなぁ」ペロリ
唯「リップ塗ればいいじゃん」
律「やだよめんどくさい」
梓(それに美意識も低いし)
梓(女は磨かなきゃダメなんですよ律先輩。やっぱり私の勝ちですね)
紬「よーし」スチャ
紬「み、澪ちゃ…澪ー!おらー!こ、怖いだろー!」
澪「いや、ムギ…無理するなって…」
紬「うう…りっちゃん、カチューシャ返すね…」シュン
梓(ムギ先輩か…。中々の強敵かも…)
梓(素で金髪だし目もなんか青いし大きいし何気に胸もデカイし美人だし)
紬「うぅ…」グスン
梓「はい、ムギ先輩」スッ
紬「ん…」チーン
紬「えへへ…ありがとう梓ちゃん」
梓(くっ…やはり強敵……)
梓(…でも…)
梓(この眉毛はないっしょ)
紬「…・?梓ちゃんなあに?」
梓(いやー、やっぱこの眉毛はないなぁ)さわさわ
紬「え?顔に何かついてるの?」
梓「はい。ゲジゲジが」
澪「ひっ!?」
紬「え!?と、とって梓ちゃん!」
梓「あぁ、いや、見間違いでした」
律「どんな見間違いだよ」
梓(昭和ならまだしも、平成生まれでこの眉毛は終わってるでしょ。はい、私の勝ち)
ガチャ
和「唯いる?」
唯「あ、和ちゃん」
和「教室にノート忘れてるわよ」
唯「あ!えへへ、ありがと~」
和「もう、受験生なんだからしっかりしなs」
梓「のwwwwwwどwwwwかwwwwwwwww」ヒィーヒィー
和「…えっ?」
梓「まwwwwなwwべwwwwのwwwwwどwwかwwwwwwww」ハライテ
澪「ど、どうしたんだ急に…」
唯「あずにゃんがのたうちまわってる…」
梓「ヒィーwwwwwヒヒヒヒィーwwwwww」ゴロゴロ
梓(もう可愛いとか可愛くないとかじゃなくて、誰からも可愛いって言ってもらえない逆さま眼鏡女www話にならないwwww)
梓「さっさとお引取り下さい」キリッ
和「え?あ…ごめんなさい。邪魔したかしら。じゃあ生徒会に戻るわね」ガチャバタン
澪「梓大丈夫か?今日なんかおかしいぞ」
梓「大丈夫です。私可愛いですから」
澪「は?」
梓(さて、私のライバルは確実にこの澪先輩だ)
梓(何しろ誰もが認める美少女)
梓(顔はもちろん、スタイル抜群、パイオツカイデー、それなりに品行方正、おまけにファンクラブまで…)
梓(私は可愛いけど、ファンクラブなんてないし…実績では劣る…)
澪「う…あ、あんまり見ないでくれ…。は、恥かしい…」モジモジ
梓(だがしかし!私には策がある!秋山澪討ち取ったり!)
梓「澪先輩、ケーキどうぞ」
澪「え?でもそれ梓のぶんだぞ」
梓「いいんです。澪先輩にあげます」
律「えー?ずるいぞ澪!私も欲しい!」
梓「うっさいです。私は澪先輩にあげたいんです」
律「な、中野ォ~…」
澪「じゃあ…もらおうかな。ありがとう梓」ナデナデ
梓「えへへ…」
梓(……)
梓(勝 っ た!!!!)
梓(これで澪先輩はぶくぶく太って見るも無残なジャバザハットに成り下がる!)
梓(桜高一の美少女は私だ!!)
律「いいのかー澪?まーた太るんじゃないのー?」ニヤニヤ
梓(余計な事を言うんじゃない!!)
澪「いいんだ。梓がせっかくくれたんだから喜んで食べるよ」モグモグ
紬「梓ちゃん優しいね」
律「いつからそんな可愛らしいヤツになったんだよ」
唯「あずにゃんかわいい~♪」
さわ子「猫耳つけたらもっと可愛くなるわよ~?」
梓「」スチャ
梓「ニャー」
唯 律 澪 紬 さわ子「あぁ~かわいい~」ホワーン
梓(はいキタ、得票数5!私可愛い!めちゃくちゃ可愛い!)
梓「ふはははははははははは」
梓「あ、そうだ。トンちゃんに餌あげないと」
梓「はい、トンちゃん。ご飯だよ」ポトポト
唯「あ、食べてる食べてる。かわいいね~」
律「かわいいなぁ」
紬「かわいいわぁ」
澪「…かわいいな」
さわ子「かわいいわね」
梓「かわいいですね」
梓「…」
梓「……」
梓「うわやばい負けた」
おしまい