狐っ子「紙とにらめっこするのも一休みして、外を見てはどうじゃ」
狐っ子「凝り固まった脳をほぐすのも重要なことじゃぞ」
狐っ子「これでは積もりそうじゃの、明日は雪かきかの」
狐っ子「見てるだけで寒くなるが、なんだか心が弾むようじゃ」
狐っ子「…い、いや、別に外に出たくなんかはないぞ!」ウズウズ
元スレ
狐っ子「ご主人、雪が降っておるぞ」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1419503890/
狐っ子「…まあ、ご主人が久々に雪に触れたいというならば、行かなくもないが」
狐っ子「わしは狐じゃし、犬ではないし雪ごときで興奮したりは…」
狐っ子「…で、出るのか!?ご主人、外にでるのか!?」
狐っ子「む、無理しなくても大丈夫じゃぞ、いつもは外に出たがらないではないか」
狐っ子「…し、しかたないのう!そんなに行きたいならばついていってやろうかの!」ブンブン
狐っ子「…え?縁側まで…とな」
狐っ子「あ、そうだったか、分かった」
狐っ子「じゃあこのよそ行きの服はいらんの、ははは」
狐っ子「よし、それでは出るかの」
狐っ子「ご主人、これを」フワッ
狐っ子「マフラー、というやつじゃ。部屋は暖かいが、外は寒いでな?」
狐っ子「…息が白いの」
狐っ子「のう、ご主人。外の空気はどうじゃ?」
狐っ子「…冷たい、か。ふふふ、ご主人らしい」
狐っ子「この空気、この時間。ご主人といられるだけで、とても楽しい思い出になっておるぞ」
狐っ子「この体験を記録しておきたい。ずっとずっと忘れぬように」
狐っ子「…少々くさかったかの!ご主人、みかんでも食べるか?」
狐っ子「ほれ、みかん。剥いておいたぞ」
狐っ子「…ありがとう、わしのために外に出てくれたのは分かっておる」ギュー
狐っ子「部屋ほど暖かくないが、少しは足しになるじゃろ」
狐っ子「…ご主人は細いの。頼りなくて、力をいれれば折れてしまいそうじゃ」
狐っ子「この小さな背中、わしを背負いきれておるか?」
狐っ子「…わしが、ご主人の負担になっておらんか?」
狐っ子「…ふふふ、すまんな、意地悪な質問だったの」
狐っ子「さて、そろそろ入るかの。ご主人が凍てつきそうじゃ」
狐っ子「もう床につくのか、後で湯たんぽ持っていくからの」
狐っ子「…マフラーつけたまま行きおった」
狐っ子「クリスマスプレゼントとして渡したが、気に入ってくれたのだろうか」
狐っ子「さて、湯たんぽ作ろうかの……お?」ガサゴソ
狐っ子「包装された箱…?」
狐っ子「狐へ…サンタより」バリバリ
狐っ子「…これは、ご主人と同じマフラーではないか」
狐っ子「バカ猫が気を回したか、それとも…?」ピーピー
狐っ子「おっと、お湯…あちち」
狐っ子「ご主人、湯たんぽ持ってきたぞ…っと」ガラガラ
狐っ子「もう寝ておったか…ふふ、疲れたのかの、少し外に出ただけなのに」
狐っ子「…睡眠の邪魔してはいかんな、早く出るか」ガサゴソ
狐っ子「湯たんぽ設置完了…おやすみ、ご主人」
狐っ子「…マフラー、しっかり握っておったな」
狐っ子「ご主人も嬉しかったのだろうか、顔に出ないからわからん」
狐っ子「…もしそう出会ったら嬉しいの」
狐っ子「奇しくもおそろいになったのじゃ、わしも大切に…」
狐っ子「…メリークリスマス、ご主人」
。。。
なぜだか涙があふれた。悲しいわけでも、冬の冷たさが目に染みたわけでもない。
体が熱い。ぼーっとした。風邪を引くほどやわな体でないことは自分がいちばん知っている。
私も焼きが回ったか?私は変わってしまったのだろうか?
…ご主人は私を変えてくれたのだから、今回もきっとご主人のせいに違いない。
落ち着いた頃には、なぜか大きな幸福感に包まれた。
涙をながすとストレス発散になると聞いたことがあるが、それのせいだろうか。
また今度ご主人に薦めてみようかな。
。。。
狐っ子「…雪、積もりそうだ」
はい
26 : 以下、\... - 2014/12/25 20:51:36.25 lFGl//CUXMAS.net 11/11狐っ子バンザイ