関連
ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」 【前編】


元スレ
ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1402153083/



※関連作品

第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』相当
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」
ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」

第二巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』相当
ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」
ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」

第三巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』相当
ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック?」
ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」

第四巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』相当
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」 【前編】 【後編】
ハニー・ポッター「何がこようと、受けて立つわ」
ハニー・ポッター「いつか必ず、来るものは来るのよ」
ハニー・ポッター「来るものは来る、来た時に受けてたてばいいのよ。勝つのは、私よ」

第五巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』相当
ハニー・ポッター「騎士団、いいえ。私の豚団ね、そうでしょ?」 【前編】 【後編】
ハニー・ポッター「『私は、嘘をついてはいけない』……?」 【前編】 【後編】
ハニー・ポッター「誰一人だって、欠けさせないわ」 【前編】 【後編】
ハニー・ポッター「進まなきゃ、前に。そうでしょ?」 【前編】 【後編】

第六巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』相当
ハニー・ポッター「プリンス、だなんて。なんなのかしら」 【前編】 【後編】
ハニー・ポッター「暴いてみせるわ、マルフォイの企み」
ハニー・ポッター「どうして、スネイプなんかを……」 【前編】 【後編】
ハニー・ポッター「アルバス・ダンブルドアと、わたし」

第七巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』相当
ハニー・ポッター「分霊箱を、探す旅」 【前編】 【後編】
ハニー・ポッター「死の、秘宝……?」 【前編】


286 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/20 22:57:01.50 TAFaE+LiO 86/159

四月

ハニー「フラー。焼き加減はこれでいいかしら」

フラー「上出来でーす、ハニー。でも、何度も言ってまーす?料理のお手伝い、いりませーん。あなーたは、おきゃくさーまで……」

ハニー「そんなわけにいかないわ。隠れさせてもらって、お世話になりっぱなしだなんて。このくらいさせて。いい?」

フラー「でーもでーすね?おかーさま言ってまーした。台所は妻の戦場、他所の女に渡すなんて言語道断、でーす?」

ハニー「別に私ビルとらないわよ……お客様以前に、お友達でしょ?」

フラー「んーふん、さもあらん、でーす!ハニー?いい嫁になりまーすね、あなた」

ハニー「知ってるわ」




ロン「なあハーマイオニー、君もあそこに参加しなくていいわけ……おっと、ごめんよ。悪いこと聞いた。失敬失敬」

ハーマイオニー「……どうせ私は料理の腕がアレだから掃除をさせてもらっているわよところでロナルド口の中が随分と汚いようね徹底的に洗ってさしあげるわ?」

ビル「ロナルドは君がいい嫁になる的な意味で言ったと僕ぁ思うなあ、ハーマイオニー」

ハーマイオニー「ハニーの?望むところだわ」

ビル「……あ、うん、それで君がいいならいいけどさ、うん」

ロン「僕も僕も」

ビル「……お前はそれでいいのかロナルド」

287 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/20 23:12:47.04 TAFaE+LiO 87/159

フラー「フーンフン、フフーン♪ あぁ わたしの大鍋を 混ぜて頂戴~♪」

ハニー「……あなたはセレスティナの曲を馬鹿にしていたと思ったけれど?」

フラー「オッオー、それは過去のわたーしでーすね。ハニー?呉下の阿蒙にあらず、でーす」

ハニー「だからどこから仕入れるのそういうの」

フラー「おかーさまから、セレスティーンの曲、たーくさん、おしえてもらいまーした。今じゃヘビロテでーす」

ハニー「そこじゃなくて……ビルは退屈しないでしょうね、えぇ」

フラー「んーふん。ここでとじこもりっきりなーのも、悪くありませーん?」

ハニー「……ごめんなさい。私たちが逃げ込んだせいで」

フラー「?」

ハニー「あなたとビルは、新婚なのに……部屋をいくつも使わせてもらって、それに……」

フラー「ふんふん。んー、そうでーすね。わたーしとしても、あの客人、ごーぶりんはあまり好きじゃありませーん」

ハニー「あー……グリップフックは、えぇ。もう具合も随分良くなったのに、料理を二階まで運ばせたり」

フラー「料理そのものにもいちいち小うるさいでーす。やれ味が薄い、やれもっと生肉を。小姑かっ!」

ハニー「……」

フラー「でーも、ハニー。あなたがあの小鬼を必要としてるなら、彼もわたーしの客人でーす。ウィ?」

ハニー「……ありがとう」

フラー「礼にはおよびませーん。おともだーち、ですから?」



ビル「見ろよ僕の嫁。なんて完璧なんだろ」

ディーン「意義あり!完璧という単語はハニーにこそ相応しい!」

ロン「いやハニーはむしろ隙ありまくりなのが素晴らしいんだけどね」

ハーマイオニー「今ハニーが聞いてたら包丁投げられてるわよあなた」

ルーナ「それから、耳がちっちゃいの。カバのみたいだってパパが言ってた。呼ぶときはハミングしなきゃいけないんだもン。ワルツが好きなんだ。あんまり早い曲は駄目」

ジャスティン「へーぇ……ためになるなあ。マンティコアが、まさかそんな」

ハーマイオニー「……ルーナの相手をしてくれてありがとう、ジャスティン」

ジャスティン「いやあ、ハハハ。僕、ハッフルパフだし」

ハーマイオニー「やめて泣けてくるわ」

290 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/20 23:29:10.76 TAFaE+LiO 88/159

フラー「オリバンダーさんは、今夜ミュリエールのところに行きまーす?そうしたら、すこーしは楽になりまーすね。小鬼を一階にうつして、それでー」

ハニー「えぇ、それに、もうすぐ面倒をかけなくて済むようになるわ。グリップフックも、そろそろ決断してくれるはずだもの……そうすれば、私もロンも、ハーマイオニーも、長く留まる必要は――」

フラー「――それ、どういう意味でーすか?」

ハニー「え?だから……」

フラー「あなーたは、ここから出て行くつもり、そう聞こえまーしたけど?」

ハニー「それは――」

フラー「いけませーーん!!」

ハニー「私たち、やること――っ、ちょ、っと――息、苦しいから、フラ、ちょっと!腕!ゆるめ、て――!」

フラー「あなーたたち、ここにいれば安全でーす!どこーにも行きませーん!」

ハニー「わっ、かっ、たっ、から――だから――あぁもう!あーごーを!あーたーまーに!グリグリ、しないの!!もう!!!」


ディーン「おたくのお嫁さん最高ですねロンのお兄さん」

ビル「だろ?」

ロン「あー、こんな時ばっかりはビッキーの野郎に報せてやりたいね、全く」

ハーマイオニー「ビッキー言わないで。それに、彼は……あ」


フラー「んーふん、わかればよかろうなのでーす。ハァニー?オッオー、すみませーん。今離して――オゥン!?」

ハニー「えぇ、そうね、フラー。あなたは本当、お友達甲斐があるわ……お友達以上のことで、お礼をしなくっちゃ、ね……?」


ハーマイオニー「ロン、モップを持ってて。行ってきます」

ロン「いってらっしゃい!ごゆっくり、どうぞ!」

ビル「お前、いい主夫になるよ」

292 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/20 23:58:10.54 TAFaE+LiO 89/159

夕食

ロン「なんだか今日のスープは美味しいね。出汁が利いてる!出汁が!」

ハニー「えぇ、それはもう良いものがね……オリバンダーさん、色々とありがとう」

オリバンダー「えぇ、ポッターさん……お力になれず申し訳なかった」

ハニー「そんなことはないわ、本当にね」

ルーナ「お別れするのは寂しいわ、オリバンダーさん。元気でね」

オリバンダー「お嬢さん、ありがとう。君がいてくれたから、あの恐ろしい場所で正気でいられた……あ、わしがしっかりしなきゃ的な意味で」

ロン「ボケが流れっぱなしだもんな」

ハーマイオニー「私がいない時のあなたとハニーも大概過ぎるわよ言っとくけど」

フラー「オールヴォア、オリバンダーさん。もしよろしければ、ミュリエールに荷物を渡してくださーい。借りていたティアラを、結婚式からこっち、返そう返そうと思っていたんでーす」

オリバンダー「喜んで、デラクール嬢……いや、今はウィーズリー夫人でしたな……お世話になったお礼として、このくらいのことはお安い御用です。ティアラ、ですかな?」

フラー「んーふん。これでーす」

スッ

ハニー「……あぁ、本当に綺麗だわ。ね、そのうち着けるハーマイオニー?」

ハーマイオニー「えぇ、ほんと、あれに合う髪型ってどん……………いやその理屈はおかしいわ!?」

ヌッ

グリップフック「――ムーンストーンとダイヤモンド。ふむふむ、それに、見事な銀細工」

ロン「おい、いきなり横から出てきて触んなよ」

ハニー「ハーマイオニーがまだ試着してないでしょ」

ハーマイオニー「そうよそうよ…何の試しなの!?」

グリップフック「小鬼製の物と見ましたが?」

ビル「あぁ、そしてそれを魔法使いが正式に買い取ったものだ。グリップフック、手を放せ。僕とお宝の権利関係で揉めるほど、君は馬鹿じゃないと思ってるぞ」

グリップフック「……お偉い講釈をどうも、元・宝漁り殿」

ビル「おっと、僕らのおかげで金庫が潤ったのは誰だっけ?」

ロン「難しい事はよくわかんないけど取り合えず小鬼はオリバンダー老見習えよ、もちのロンで」

293 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 00:18:34.43 5hX9ZwasO 90/159





フラー「――私の大鍋を……フフーン、フーン」

ハニー「……フラー、そこのフレーズ、もう三回目よ」

フラー「オッオー、そうでーす、か?いけませーん、んー。セレスティーナの曲が十曲流れる頃には戻る、と、ビルは言ってまーした。しっかり、歌わないといけませーん。んっんー――わたーしの大鍋を~♪」

ハニー「動揺も分かるけれど、ってば……あっちには、みんながいるのよね?」

ロン「うん。パパママ、フレッジョ、ジニーがね。ミュリエルばあさん、きっと荒れてるぜ。何せフレッジョが大人しくしてるなんて――」

ガチャッ

ビル「あぁ、あの二人は生まれた時から冗談みたいに騒がしいよ――ただいま、みんな」

フラー「! わたーしたちの馴れ初めは!」

ビル「君が僕に速攻で陥落された。実は僕の方もね」

ロン「秘密の質問になってないよな、あの大衆の面前でやったことはさあ」

ディーン「大多数はハニーとハーマイオニーをどうぞるので手一杯だった気もするよ」

ジャスティン「自然の摂理だね」

ロン「そういやそうだった」

ハーマイオニー「いやな習性ね全く」

ハニー「かわいい豚だわ。おかえりなさい、ビル。みんなは元気だった……?」

ビル「あぁ、パパとママがよろしくってさ。ジニーが会いたがってたよ。ハニー欠乏症で死にそうだって」

ルーナ「? パパがその患者のために、クィブラーにオマケをつけてたと思うけど」

ハーマイオニー「そんな理由だったのねあれ」

294 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 00:50:44.86 5hX9ZwasO 91/159

ビル「双子はふくろうの通信販売で商売を続けていてね。物置が商品で埋め尽くされっちまって、ミュリエルはカンカンだった」

ロン「いいぞ、もっとやれ」

ビル「あぁ、でもティアラを渡したら少しはマシになったよ。僕らが盗んだものと思っていたらしい。おいグリップフック、その目が何を意味してるかは聞いてやらないぞ」

フラー「フーンンン。あぁ、ミュリエールってほんとーうに、シャーマントでーす」

ルーナ「レイブンクローの失われた髪飾りみたいに無くなっちゃったら、あたしも嫌かな。でも、パパが再現したんだよ。あとちょっとで完成だ、って」

ロン「っぷ、っく……そりゃ、大傑作に違いないよな」

ハニー「あぁ、あの管とかの……失われた?そう、呼ばれているの?レイブンクローの、髪飾りは」

ルーナ「そうだよ。主な特徴はもうほとんど分かったって。あとは、ビリーウィグの羽根をつければ完成だって」

ハニー「そこじゃなくて……ねぇ、ルーナ。それ、どのくらい昔から無くなっているの?どこにあるのか、ヒントは――」

ルーナ「うーん、どうだったかな。あんたが城に戻る機会があったら、聞いてみるといいよ。紹介するから。『灰色の――」

ドンドンドンッ!!

ハニー「!」

ビル「誰だ!!!」


「私だ!ルーピンだ!リーマス・ジョン・ルーピンだよ!」


ハニー「あなたが奥さんのことで一番愛しているところは!」

ガチャッ!

リーマス「太陽のような笑顔――だからねハニー!?ちょっと違うよ君の質問は!あぁ、まだいてくれた!よかった!生まれた!!生まれたんだ!!男の子だ!!!生まれたんだよ!!」

ハニー「生まれ――えっ!?」

ハーマイオニー「リーマス、あなたからも質も――まぁ!!!」

ロン「ヒェー!リーマス、本当、いつ仕込んだんだよ!マーリンの髭!」

リーマス「そのいじり方やめて本当に!!」

295 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 01:03:02.95 5hX9ZwasO 92/159

リーマス「男の子だ!!ニンファドーラと、私、あぁ、生まれた!僕達の子供!」

ハニー「あぁ――あぁ!リーマス!!よかった……!」

リーマス「あぁ、ハニー!あの犬に、怒られるかもしれないが……」

ギューッ

ハニー「いいのよ、シリウスの分まで、抱きしめさせて!一緒に、いるのね!?トンクスと――赤ん坊と!」

リーマス「あぁ、守るとも!ずっと、ずっと――君のおかげだ、ハニー。君たちの……この前は、すまなかった」

ハニー「いいの。いいのよ!幸せなら!あなたと、トンクスと!それに、えーっと」

リーマス「テッドだ。ドーラの父親から名前をもらった……幸せな子になる、約束する!」

ハニー「えぇ……そうよ、そうに、決まってる!」

リーマス「ハニー、君が後見人に、なってくれるかい?」

ハニー「――私、わたしが?いいの……?それって、とっても大事な……だって」

ロン「君にとっての一等星レベルってことになるね、うん。恋愛は置いといて」

リーマス「うん、そこは置いといて――君ほどぴったりな人はいないと、ドーラも大賛成なんだ。引き受けてくれると、嬉しい」

ハニー「――喜んで!」

フラー「んーふん。わたーしたちも、負けてられませーんね、ビル?」

ビル「ハハハ、確かに。テッドと近い年齢になるかもなあ――その時は仲良くさせてあげてください、リーマス」

ロン「巡り巡って結婚なんてしたりして。HAHAHA!気が早いにもほどがあるね!マーリンの髭!」

298 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 01:24:22.21 5hX9ZwasO 93/159


かんぱーい!!

カチン!カチカチンッ!

リーマス「ありがとう、ありがとう!!!」





かんぱーい!

リーマス「もう一度かい?あぁ、ありがとう!テッドに!かんぱーい!」





かんぱーい!

リーマス「ど、どうしても言わなくては駄目かい?え?言うまで帰さない?あー……ドーラ!愛してるよ!かんぱーい!!」





リーマス「……いやいや、ハハハ、もうこれくらいに、乾杯はこれくらいに。もう戻らないと、本当に」

フラー「美人のお酌は断るものじゃありませーん」

リーマス「あー、じゃあ、あー、これで最後に、うん。テッドに!……プハッ!あぁ、私は、もう行かないと――」

ハニー「美人のお酌は?」

リーマス「あぁ、全く、ハニー、お父さんやあの犬が泣いて喜ぶほど成長したね、君は、うん、いただこう……プハッ!そ、それじゃ、そろそろ」

ロン「ほらハーマイオニー、お酌してきなよ」

ハーマイオニー「え?わ、私も!?あ、あのー……?」

リーマス「あぁ、い、いただこう、お幸せに……プハッ!もう、もういいね?もう?あぁ――そうなるね、この流れだと、断るのは不自然だ」

ハニー「わたしの大事なお友達だもの。さ、ルーナ?」

ルーナ「安心して。干したガーディルートの先っぽを入れておいたから、酔いが一気にさめるもン!」

リーマス「あ、ありがとう…………ぐっ、っぷ、……プハッ!……脱狼薬よりひどい……それじゃ、みんな、また……近いうちに。写真を送るよ」

ハニー「楽しみにしてるわ、リーマス!あー……待つ事は出来るか、わからないけれど」

リーマス「ありがとう、ハニー……テッドのためにも、無事でいてくれ。いいね?」

ギイィィッ、バタンッ

299 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 01:47:10.22 5hX9ZwasO 94/159

ビル「後見人――ハニー、名誉なことだ。おめでとう」

ハニー「えぇ、ビル……驚いたし、それにとっても、嬉しいわ。ねえ、さっき言っていたけれど、あなたたちも……?」

ビル「あぁ、まあ、流石にもう少し情勢が落ち着いてからじゃないかなあとは思うけど」

ロン「リーマスって狼なんだなあ」

ハーマイオニー「もうやめてあげましょう」

ビル「そうだ、ハニー。後見人の役目とかについて、少し話しておこうか。リーマスは急いで行ってしまったしね……フラー、みんなで片付けを頼めるかい?」

フラー「んーふん、問題ありませーん。さあみなさーん、お皿をキレイキレイするまーでがごちそうさまでーすよ?」

はーい

ガタッ、カタカタ

ビル「グリップフック。君もちゃんと手伝えよな。もう動けるのに、いつまでも上客待遇でいられると思うなよ?ハニー、こっちの部屋に」

バタンッ

ビル「……ふー。あいつには、困ったもんだ……それで、ハニー」

ハニー「ええ、ビル……何のお話?」

ビル「ああ、そうだ。気づいてるね。君と話をしたかった……それこそ、あいつの話さ。グリップフックの」

ハニー「……」

ビル「ハニー。前にも警告したが、小鬼のことはなるべく信用するな。だけど君は、何かをあいつと計画してるね?」

ハニー「……どうして?」

ビル「ティアラの時、やけに諦めが早かった。僕がそっちの専門家って言っても、それはあいつだって同じだ。普段なら、もっとつっかかってくる」

ビル「あいつの頭は今、『ティアラ以上の何か』に価値を見つけてると見た。そして、それが君たちのすることに関係がある、とね」

ハニー「……あなたたちって本当、お父様の子供ね」

ビル「あぁ、自慢の父さんだよ。もちの末弟で」

300 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 02:07:34.20 5hX9ZwasO 95/159

ビル「僕は連中を知っている。ホグワーツを卒業してからずっと、グリンゴッツで働いていたんだから」

ハニー「……」

ビル「もちろん、小鬼の全員が信頼おけない奴だとは言わない。僕には小鬼の友人がいると言える――よく知っていて、互いに好意を持っている相手が」

ビル「だけど、だ。小鬼族全般については――ものの考え方が丸っきり、違うんだ。特に所有や代償、報酬についてはね」

ハニー「……所有や、報酬」

ビル「君があいつに何かを頼んでいるなら、その見返りに何を言ってくるか、覚悟しておいた方がいい。タダより怖いものはないなんて良く言うが、僕ならよっぽどタダを選ぶ。小鬼のことを知っていればね」

ハニー「でも、私は……わたしたちは、グリップフックのことを尊重するわ。だから」

ビル「ハニー、これは小鬼と暮らさないと分からないよ。例えば、小鬼にとってはね……どんな品でも、正当な持ち主はその品を作った者であり、買った者ではないんだ。さっきのティアラの問答で、それが垣間見えただろう?」

ハニー「……だって、それじゃ、買う意味が」

ビル「それは小鬼にとっては相手に『貸した』代金という認識なんだ。強硬派の連中は、貸し付けた魔法使いが死んだならあらゆる品は小鬼に返却するべきだと主張してる――代価も支払わずに魔法使いの家に代々受け継がれるなんて、我慢ならないだろう」

ハニー「……グリップフックは、その強硬派の……?」

ビル「あぁ、一員だ。しかも、グリンゴッツでは割と上の立場にいた。窓口も最前線、上客には文句なしの営業っぷり。逆に、それ以外の客には散々だったが」

ハニー「……」

ビル「とにかく、僕が言いたいのは――何をするにしても、小鬼と約束するなら十分注意しろ、それだけだよ。連中と不用意な約束を結ぶくらいなら、グリンゴッツの金庫破りをするほうがまだ、安全さ」

ハニー「……どっちも、やろうとしてる時は……?」

ビル「うん?」

ハニー「いいえ、なんでも。ビル、ありがとう。とっても、ためになったわ……参考に、しておくわね」

301 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 02:25:36.00 5hX9ZwasO 96/159

ギィッ

ロン「ハニー、お帰り。ビル、ずるいぞ!ハニーを独占なんてさ!マーリンの髭!」

ビル「はっはっは、お前にはハーマイオニーがいるだろ?」

ハーマイオニー「だからなんなの!?ハニー、みんな寝室に戻ったわ。私たちも休みましょう?」

ハニー「そうね……ビル、ありがとう。おやすみなさい。フラーもね」

ビル「あぁ、おやすみ。僕達はまだまだ寝ないけどね。さあ、フラー?さっきの言葉の意味を教えてもらおうかな……?」

ハニー「?」

ロン「さっさと寝室にひっこんでくれるかい新婚二人。ほら、ぼくたちもひっこもうそうしよう、そんで君たち二人は対抗して、どうぞ」

ハーマイオニー「嫌な期待しないで。ハニー……ビルと、何の話を……?」

ハニー「えぇ、部屋で説明するわ。さぁ、二階に……」

グリップフック「ハニー・ポッター」

ハニー「上が――きゃ!?」

ロン「おわ!?おい、グリップフック!君、適当に皿を片してさっさと戻ったんじゃなかったのかよ!マーリンの髭!暗い階段の途中に不気味にたたずみやがってハニーが泣き出したらどうす、痛い!ありがとう!」

ハニー「つきとばされなかっただけありがたいと思いなさい、ロン……ぐ、グリップフック?どうしたの?」

グリップフック「休む前に話を、と思いましてな……結論が出ました。あなたからの、提案の」

ハニー「あぁ……それじゃ」

ハーマイオニー「私たちに、協力を?」

グリップフック「――私の仲間はこれを卑しい裏切りだろ言うでしょう。ですが、えぇ。そういたしましょう。私は、あなたを助けます」

ロン「やったぜ!分かってるじゃないか、君!首輪贈呈してもいいよ!もちのロンで!」

グリップフック「えぇ、いただきましょう――首輪ではなく、確かな、報酬を」

ロン「なんだってやるよ!なぁ!?」

ハーマイオニー「えぇ!だって私たち、あなたの、助けがないと……!」

ハニー「……何が、望みなの?グリップフック」

グリップフック「……」





グリップフック「ゴドリック・グリフィンドールの剣」

ハニー「」

ロン「」

ハーマイオニー「」

グリップフック「事が上手く済んだ後、あの剣をいただきます。いいですな?」

ハニー「……あぁ、ビル。こういう時の対処まで……教えてもらえば、よかったわ」

ロン「……マーリンの髭」

308 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 11:14:11.86 5hX9ZwasO 97/159

深夜

ハニー「……あの剣を失うなんてことは、できないわ。当然よね」

ロン「そりゃそうさ。ハニー、あんな要求聞く必要ないよ。あいつ、僕らが困るのを見て楽しんでるんだ。あ、これ前も言ったっけ?」

ハーマイオニー「そんなわけにいかないわ。でも、あぁ……よりによって、剣……何か同じくらい価値のあるものじゃ駄目かしら」

ロン「すばらしい。僕が手持ちの小鬼製の剣を一本もってくるからさ、君、きれいにラッピングしてくれよ。それを渡しゃいい。解決だね」

ハーマイオニー「……ハニーの笑顔とか」

ロン「釣りがザックザクだな、うん」

ハニー「それで済むなら話は早いのだけれどね。でも、やよ。あの剣を『グリフィンドールが盗んだ』なんてのたまうのを、豚にするなんて。御免だわ」

ロン「あぁ、何か言ってたね。君が完膚なきまでに論破してたけど。ざまあみろ」

ハニー「この私にグリフィンドールその人についてのことで騙せると思ったのが大間違いだわ」

ハーマイオニー「騙すというか、小鬼達に伝わっていたのは当時の小鬼の嘘だったということよね……それはいいの。で、報酬をどうするか、って……」

ハニー「……剣を渡す、それしかないわ」

ロン「……あー、ハニー。君の気高さは空より高いけどさ。でも、それはお人よしってもんだぜ」

ハニー「だって、助けを頼んでおいて裏切るなんて卑怯だわ。それこそ、小鬼が魔法使いを嫌う背景そのものじゃない。違う?」

ハーマイオニー「えぇ、素晴らしいわハニー。問題は……」

ハニー「そう、問題はあの剣がないと私達が困る、ってこと……だから、ね。こういうのはどうかしら……グリップフックには、事が済んだら剣を渡す、そう約束するわ。けれど……それは、全部の分霊箱の破壊が終わってから」

ロン「……冴えてる!」

ハーマイオニー「……気が進まないわ」

ハニー「私だって。でも、そうしないと……私達の、大事な……」

――より大きな善のために――

ハニー「……うるさいわよこの豚!」

ロン「! 痛い!ありがとう!ヒンヒン!!」

ハーマイオニー「!?ハニ、え!?急にロン叩いて何を……あぁ、あなた眠いのね、ええ。休みましょう……明日、出発するんでしょう?」

ハニー「……ビルとフラーには、置手紙を残しておくわ」

ロン「ヒンヒンってね」

ハーマイオニー「ディーンとジャスティンにしか伝われないでしょそれ」

ロン「何言ってんのさ、豚を超越した僕にかかれば豚のみならず全てのヒトに伝わるヒンを操れるよ、もちのロンで」

ハーマイオニー「私、小鬼よりよっぽどあなたのが人外だと思えてきたわ、最近」

310 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 11:32:41.42 5hX9ZwasO 98/159

早朝

コンコンッ

ガチャッ

ハニー「……グリップフック?起きているかしら」

グリップフック「えぇ、ポッターさん。あなたがたなら即時行動に移すと、思っていました。では……私の要求は、受け入れられたものと……?」

ハニー「……そうしてあげるわ」

グリップフック「具体的に、言葉にしていただきましょう」

ハニー「……あなたが私達をグリンゴッツの目的の金庫に入るのに協力をしてくれたら、その後、あの剣を私達が使い終わってから、あなたに渡すわ」

グリップフック「剣そのものを、ですな?」

ハニー「えぇ」

グリップフック「……グリフィンドールが盗んd」

ハニー「だからそれはラグヌック一世がグリフィンドールに引き渡す時に惜しくなってごねだした挙げ句に小鬼族を大勢引き連れてグリフィンドールから力ずくで奪おうとして、そのグリフィンドールたった一人に全員返り討ちにあった恥ずかしさを隠すために吹聴した大嘘だともう一度言わせてもらうわよ。これ以上馬鹿にするなら、交渉は決裂ね」

グリップフック「……まるで本人に聞いたような口を」

ハニー「同じようなものよ。ワクワクする歌だったわ……で、どうなの?」

グリップフック「……いいでしょう。では、成立です。握手を……これは魔法契約です、ポッターさん。間違っても反故にするなど、考えませぬよう」

パシッ

ハニー「……えぇ、当然、そうしてあげるわ」

311 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 11:46:27.96 5hX9ZwasO 99/159

グリップフック「地図を用意しておきました――ベラトリックス・レストレンジの金庫は、ここです」

ハーマイオニー「……随分……奥にあるのね」

グリップフック「当然、そこは一番古い部屋の一つです。魔法使い旧家の宝は一番深いところに納められ、金庫は一番大きく、そして最も硬い守りがされています」

ロン「あれ?僕ん家の金庫ってトロッコで二、三分だったような……おい何も言うな小鬼、分かってるようるさいなその目やめろマー髭」

グリップフック「それは、ねぇ?いくら家柄は優秀でも、中身の伴っていない金庫を用意できるほど、ねえ?我々もお?慈善事業ではあ?」

ロン「黙れって言ってんだろこの野郎むかつく!!!!!決めたぞ!!僕が将来どれだけ儲けても君んとこには一クヌートも預けないからな!!!ハニー資金にする!!!」

ハニー「見上げた人生設計だけれどハーマイオニーに預ける方にしておきなさい、しっかり管理するだろうから……守りって言うのは、どんなものが?」

ハーマイオニー「家計簿つけるわ……ん?え?」

グリップフック「それはもう、色々と。そもそもですが、最初の本人確認をどうするおつもりですかな?」

ハーマイオニー「流されっぱなしだわ最近……あー、それは大丈夫。幸いベラトリックスの杖はこちらにあるし、ポリジュース薬と、それに……タダであんな目にあったりしないわ。これ、あの女の髪の毛よ」

ロン「流石だぜハーマイオニー。責められ慣れてる」

ハーマイオニー「やめてその評価」

ハニー「私のおかげね」

ハーマイオニー「せいで、とも言うわ」

312 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 12:04:29.70 imFgWWf0O 100/159

ハーマイオニー「……本当に私が変身しなくちゃいけないの?ベラトリックスに?」

ロン「よろしくした仲じゃないか、って冗談はやめとくとして。万が一変身が解けた時にハニーだと大問題だろ?」

ハニー「……ハーマイオニーを囮にするみたいで、嫌だわ。ねぇ、やっぱり私が……」

ハーマイオニー「あぁ、そういう不満を言っているんじゃないの。ただ、あの女に変身って言うのが身の毛が立つほど嫌、それだけよ」

ハニー「それは痛いほど分かるわ」

ハーマイオニー「この、杖だって……あぁ、嫌だわ。しっくりこなくて、思い通りにならなくて……まるであの女の身体の一部みたい!」

ロン「味わされた人は表現が違うね、うん」

ハーマイオニー「残念でした、ハニーにすぐに上書きされたから覚えてませんそんなもの」

ロン「くそっ、なんで僕は女の子じゃないんだ七年経っても!!マーリン!髭!」

ハニー「その杖がしたことを考えて、なりきるのよ、ハーマイオニー。えーっと、額から、開いていくような、そんな」

ハーマイオニー「あなたがあの人のそれを覗くコツは知らないしいらないわ……ねえ、それが問題なのよ。分からない?この杖はネビルのご両親にひどいことをしたし、今まで大勢の人を不幸にしたわ。それに、そう……シリウスだって」

ハニー「ロン?あなたなら見た目そっくりそのままの杖くらい用意できるわね?私、この杖今から徹底的にへし折るけれど、お願いするわ?」

ロン「任せてよ!オリバンダーがなんだかやたらと集めてた杖材の余りでもちの僕さ!!!」

ハーマイオニー「あ、あぁ!言うんじゃなかった!ハニー!落ち着いて!!!あぁ、もう!!!」

グリップフック「……緊張感がありませんな、ヒトは」

ハーマイオニー「一くくりにしないで!!!」

313 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 12:32:38.44 imFgWWf0O 101/159



ハニー「出発ね……あぁ、この綺麗な景色をまた見られるのはいつになるかしら」

ロン「ビルはいつだって歓迎してくれるよ。あー、でも次会う時は一回フラーが大爆発するかもな。心配しまーした!とかね」

ハニー「その時はよろしくするわ。ドビーのお墓も……周りに緑が目立つようになってきたわね。フラーのおかげね」

ハーマイオニー「いい場所に埋葬されて、きっとドビーも……ねえ、結局ドビーはどうやって、あの場所のことを知ったのかしら」

ハニー「……ダンブルドア」

ハーマイオニー「……え?」

ハニー「……あの時、そうね……確かに、この、鏡の破片に……ダンブルドアの眼が映ったように、見えたのだけれど」

グリップフック「ダンブルドアは、死んだと聞きましたが?」

ロン「そうだよ。でもさ、ほーんと、いなくなったはずなのにチラつくよなあ。やっぱりひょっこり現れたりしてね」

ハニー「その時は思いっきり頬を腫らしてあげるわ、えぇ……いなくなってないのよ、きっと。私達が……彼を忘れない限り。えぇ……さあ、そろそろ」

ガチャッ

ハニー「!? ビル、これは、その……ジャスティン?」

ジャスティン「! ハニー……それに、ロン、ハーマイオニー……小鬼までつれて……あぁ、君達も行くんだね」

314 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 12:48:32.51 imFgWWf0O 102/159

ハニー「……そう、やらなくちゃいけないことがあるの。だから……も?も、って言うのは?」

ジャスティン「……あー……僕も、やらなきゃいけないことが。もう随分休ませてもらったし」

ロン「おいおい、一人でどこ行こうって言うのさ!正気かよ!」

ジャスティン「うん、大丈夫。一人じゃないよ。落ち合う予定なんだ、すぐそこでね」

ハーマイオニー「落ち合う……?」

ジャスティン「うん、そう……それに、出てくのは君達も同じだろ?みんな、なんとなく気づいてたけどね。君達がずっと、とどまってるはずがない、って」

ハニー「……」

ジャスティン「ハニー……気をつけて。僕も、君の豚としてやれるだけのことをするよ」

ハニー「……ジャスティン?私の豚なら……絶対に無事でいて」

ジャスティン「ヒンヒン!それじゃ……ああ、そういえばハニー。僕、逃げる途中でフィレンツェとも一緒になったんだ」

ハニー「馬豚?」

ジャスティン「うん、しばらく道中一緒で……君にあったら一言、って」

ハニー「ええ、聞いてあげるわ。なぁに?」

ジャスティン「『私達はいつまでも貴女の味方です、何故なら可愛いおにゃのこは正義だk、ふぅ……火星の瞬きに惑わされぬよう、ハニー・ポッター』って」

ハニー「ぶれなさもここまでくると尊敬するわしないけど」

ジャスティン「ほんとだね……じゃ、みんな。また!」

ザクッザクッ、ザクッ……

ロン「……行っちまった。あー……止めなくてよかったのかな、本当に」

ハニー「……みんながみんな、頑張ってるんだわ。ジャスティンも、その一人……平気よ。それに、一人じゃないって言っていたでしょう?」

ハーマイオニー「……そうね……でも、それが気になったんだけど……うーん……落ち合う、って……?ジャスティンがふくろうを受け取ったところ……見た覚え、ないわ」

315 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 13:00:34.24 imFgWWf0O 103/159

ザクッザクッ、ザクッ

ジャスティン「……オリバンダーさんが移って、ディーンとの相部屋じゃなくなったから……やっと、連絡をとれた」

ジャスティン「まあ……思い出に浸ってるっていう体でも大丈夫、だったのかもしれないけど」

ジャスティン「見た目はただの、うん。バッジ、だしね」

ジャスティン「……チャンピオン」


ザクッ、ザクッ、ザクッ

ザクッ

ザァアァァァァッ




「待ってたよ、ジャスティン」

ジャスティン「うん。遅くなって、ごめん。でも、良い事を聞けたよ――ケンタウロスのこと、それに――マンティコアについて」

「へえ?それは――僕たちの仲間を集わせるのに、役にたちそうかい?」

ジャスティン「もちろんさ――セドリック」

セドリック「それは良かった。さあ、行こうジャスティン。『みんな』が待ってる……僕達ハッフルパフの、新たな仲間がね」

ジャスティン「…………」

316 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 13:09:03.24 imFgWWf0O 104/159

ロン「……ポリジュース薬で変身する様って、何度みても慣れないよなあ」

ハニー「ハーマイオニーの可愛いふわふわの栗毛が……あの女の黒髪に。それに……背がずっとのびて……」

ベラマイオニー「……反吐が出そうな味だったわ!ガーディルートティーよりひどい!」

ロン「S.P.E.W.がなんだって?」

ベラマイオニー「さあ、ロン。こっちに来なさい。あなたはポリジュース薬が切れたから普通に変身させる必要があるんだもの。大丈夫、痛みは最小限にしてあげるわ、杖が言うことを聞けばね?」

ロン「ちょ、やめ、その顔でハーマイが消えるのやめなよ本当に怖いから!!マーリ――いたたたたたたたたたたた!!関係ない!!絶対杖の相性とか関係ない!!!!!刺してるじゃないか!!!!殴ってるじゃないか!!!!!!」

ハニー「グリップフック?あなたは私が背負って、透明マントの中に隠れることになるけれど。いいかしら」

グリップフック「よいでしょう。なにより、魔法使いが下というのがいい。えぇ、是非に」

ロン「この野郎小鬼!!!その場所を味わうのに何百ガリオン積んだって普通なら手にはらないんだからなありがたくおもいたたたたたたた!!痛い!!マーリン!!髭!!!!髭!!」

ベラマイオニー「あぁ、これならベラトリックスになりきれそうだわ、私」

ロン「君がそっちに目覚めたら手付けられないから勘弁してくれよ!マーリン!髭!!!」

317 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 13:20:38.55 imFgWWf0O 105/159

■ン「……鼻が短くなって、ソバカスが消えて、顎鬚口髭マーリンの髭。おまけに太眉。ふーん、君、こういうのが好みなわけ?」

ベラマイオニー「そんなわけないじゃない。元のあなたのほうがずっと――ずっとあの、コミカルだわ!」

■ン「僕これ怒っていい?」

ハニー「いい変装だわ、ロン。さ、行きましょう。グリップフック、背中に」

グリップフック「ええ、ハニー・ポッター」

グイッ、グググッ

ハニー「……そんなにしがみつかなくても、落としたりはしないわ?」

グリップフック「どうですかな。魔法使いは信用ならない、というのが小鬼の定説です。ええ、たとえあなたであっても、最低限の注意は、えぇ」

■ン「一応言っておくぜグリップフック。そのしがみ付く手をあと1センチでも前にもってきてみろ、僕とハーマイオニーだけじゃない、聖マンゴからいろんな意味でお迎えが来るぜ、もちの■ンでね」

319 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 13:34:24.99 imFgWWf0O 106/159

『漏れ鍋』

カランカラン

トム「ハーっ、今日も少ない客の相手とグラスを磨くだけの一日が始ま――う、げ!?あ、ああ!こ、これはこれは!マダム・レストレンジ!?」

ベラマイオニー「おはよう」

トム「」

■ン「――おい、なんで愛想よく挨拶なんてしてんのさ。君に演技でこれっぽちも期待はしてなかったけどさ!」

ベラマイオニー「えっ?だって……あっ」

ハニー『他の人は虫けら扱いしなきゃ!』

ベラマイオニー「そ、そうよね……オホン」

トム「ま、マダムは、あー、本日はご機嫌が麗しいようd」

ベラマイオニー「ヘラヘラとするな!!あたしは媚びうる奴が嫌いだよ!なーんだい?価値がないのはここの酒だけじゃなくてあんたの命もみたいだねぇー?」

トム「ひぇっ!さ、さささっきまで天変地異の前触れかと言うほどある意味気味が悪い笑顔だったのに、こここ今度はこれ流石あの人のあわわわわ!」

ベラマイオニー「あたしの何がなーぁんだってぇー?」

トム「ひぃいいいいい!!」

■ン「……ハニー、どうしよう、戻らなくなったら」

ハニー『夜には元通りよ』

■ン「それもそうだ。やったぜ」

320 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 13:53:03.27 imFgWWf0O 107/159

ダイアゴン横丁

■ン「……最後にここに来たときも、昔とくらべて随分寂しくなってたけどさ……今よりはよっぽど、活気があったよな」

ベラマイオニー「開店する時間じゃない、というのもあるけど……えぇ……もう営業していないお店が、かなり増えているわ。窓に板を、打ちつけて……」

ハニー『……逆に、新しいお店もある、わね……「闇の魔術専門店」……こんなのが、ノクターン横丁じゃなくて、ダイアゴンで堂々と』

■ン「見ろよ、ハニーの写真が貼り付けられてる。理解がある奴だな、って思ったら……『問題分子ナンバーワン、見かけたら即通報を!』だとさ」

ウゥゥ、ウゥゥ……
 アァ……ウゥ

■ン「……それに、あれ……あー……昨日の晩に飲みすぎた連中、ってわけじゃ、ないよな?」

小鬼『昨今問題になっている物乞いですな。投獄こそされなかったものの、杖を奪われ、行き場を無くした浮浪者です』

ハニー『……なんて』


魔法使い「あぁ、俺、俺は、魔法使いなんだ……本当だ……あの日、ここで杖を、杖を、もら、もら、って……」

魔女「目……見えない……目……杖で、光……杖……杖……ああ、わたしの、杖……ああ」

魔法使い「レストレンジだ……逃げよう」

魔法使い「今度は殺される……殺され、殺され……」


ベラマイオニー「……ひどいわ。本当にひどい……っ!」

魔法使い「――レストレンジ……お前は知ってる!レストレンジだ!!!お前、お前は!私の家族をどこにやった!!!!私の家族を!!!家族を!!!!」

ベラマイオニー「わ、わた、私、知らな――」

魔法使い「かえせ……かえせ!!私の家族を――」

■ン「『ステューピファイ!麻痺せよ!』」

バーンッ!!

ドサッ!

ベラマイオニー「っ、なにを!!!ロ……」

■ン「あぁベラトリックス様、許してくだせえ。あんたが杖をあげるまでもねえ、そうだろ?こんなのは、俺に任せってくれればいい。行きましょうや……おい、見せもんじゃねえぞ!!」

ヒソヒソヒソ
 バタバタバタ!

ベラマイオニー「……あり……あー……よくやった。褒めてやろう」

ハニー『……あとで本当に、しっかり褒めてあげるわ、ロン』

323 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 14:13:09.58 imFgWWf0O 108/159

グリンゴッツ入り口

■ン「扉んとこに立ってる、あれ……なんだか棒で、入る魔法使いを突っついてるように見えるけどさ」

グリップフック『潔白検査棒です……原始的ですが、効果的。身を隠す呪文や道具を探知できる』

■ン「う、げ……その塊みたいなもんじゃないか、僕達」

ベラマイオニー「……」

ハニー『……ふたりとも、少し、時間をかせいで』

守衛1「――マダム・レストレンジ。これはこれは……さあ、こちらへ」

ベラマイオニー「――この、私が!そんなもので調べられないといけないって言うのかい?」

守衛2「あー、あの、ですが、きそ、規則でして――」

ベラマイオニー「規則、規則!!!アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!!私が誰だか、分かって言ってるのか?えぇ?」

■ン「そうだぞ!おい、マダムがあの方の怒りを買ったとかいう噂が流れてるみてーだがな!それでもあの方に許されるくれぇ信頼されてるマダムに、オメーは何をしようとしてんだ?ああ?」

守衛1「あの、ですが――」

ハニー『コンファンド、錯乱せよ』

守衛1「あ――」

守衛2「え――」


ベラマイオニー「……」

■ン「……今だ」

ツカッツカッツカッツカッ

ベラマイオニー「――フンッ!こんなに屈辱的な扱いを受けたのは初めてだ!」

■ン「まったくだ!まー……あの人の髭!」

守衛1「……はぇ?え、あれ?なんでもう入って、あの、検査は、あの?」

守衛2「は、ああ、あー、そう、もう終わった、んでしたな……あぇ?うーん」

ハニー『……事が済んだらお詫びに来るわ、守衛さん』

324 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 14:42:45.60 imFgWWf0O 109/159

ハニー『……』

ハニー『(あの日、ハグリッドと訪れたここは、不思議の国のお城みたいだったわ)』

ハニー『(ピカピカで、輝いて――魔法使いの世界なんだ、って、実感して)』

ハニー『……まさか、そこに』


『 見知らぬ者よ 入るがよい

  欲のむくいを 知るがよい

  奪うばかりで 稼がぬ者は

  やがてはツケを はらうべし

  我が床下に  求める者よ

  盗人よ    気をつけよ

  宝のほかに  潜む物あり

         ごぶりん 』


ハニー『盗人として、戻る事になるなんてね』

グリップフック『――左から二番目の、ボグロッドのカウンターへ。彼がベラトリックス・レストレンジの担当でした、悔しい事に』

ベラマイオニー「悔しさは知らないけど、ありがとう――ボグロッド!!」

ボグロッド「まーたレプラコーンの偽金貨だ。連中、何を考えて――なんと、なんと!?マダム・レストレンジ!?」

ベラマイオニー「私の金庫に入りたい!いいな!」

ボグロッド「え、えぇ……あー、それでは、身分を証明するものを……?」

ベラマイオニー「み、身分証?そんなもの、要求されたことはない!」

ボグロッド「いえ、ですから……貴女様の、杖を、と」

ベラマイオニー「あぁ、そういう……知っていたとも!貴様を試した!!それで、さあ――」



グリップフック『……駄目です、ハニー・ポッター。気づかれている』

ハニー『えっ!?』

グリップフック『ベラトリックス・レストレンジの杖は盗まれて本人の元にはない、そう通達が行っているのでしょう。ボグロッドの目を見ればわかります、あれは、恐ろしいお宝を手に入れる時の目……』

ハニー『……存外なところで頼りになるわね、あなた。あぁ……どうすれば……ただの、錯乱じゃだめ……』

ハニー『……』

ハニー『こんなところであの女の言葉を思い出すのは癪だ、けれど……本気に、本気に、ならない、と』

ハニー『……』


ボグロッド「――どういうことですかな、マダム。この杖h――」





ハニー『「インペリオ 服従せよ」』

325 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 15:13:10.91 imFgWWf0O 110/159

トンネル

トロッコ内

ガラガラガラガラガラガラ

■ン「ナイス呪文だったよ、ハニー。君の手にかかればどんな呪文だってお手の物だね、もちのロンで」

ハニー「……不思議な感覚だわ、服従の呪文って。ハーマイオニー、怒ってる?法律破りなことをしたこと」

ベラマイオニー「それ、今まさに金庫破りに加担してる人に聞いてるの? 助かったわ、ハニー。ありがとう」

グリップフック「完全に危機を脱した、とは言いがたいですが。他の連中は疑っていた。聞いたでしょう?『指令を受けている、レストレンジ家の金庫については特別な命令が出ている』と」

ボグロッド「あぁ、ですが、マダムは昔からのお客様です……旧家です……案内を、えぇ……ウヒンヒン」

■ン「これ豚にしたほうが早いし確実だったんじゃないかな」

ベラマイオニー「法は破っても常識は破りたくないわ、私」

326 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 15:35:35.63 imFgWWf0O 111/159

ガラガラガラガラガラ

■ン「こんなに奥まで走るなんて、家ごとに違いがありすぎだよな。僕ん家の金庫100回は行けるくらいはもう走ってるぜ」

グリップフック「それだけ特別で、それだけ重要な宝が隠されているのです」

■ン「悪かったな特別じゃなくてしょっぼい物しか入ってなくて」

ベラマイオニー「その絡みもういいでしょ。グリップフック、あとどのくらいなの?帰りの時間までこの変身を保っていないといけないことを考えると、もう……」

グリップフック「もうしばらくです。このカーブを超えて、しばらく降下した先に。この鳴子の出番もあります」

ハニー「鳴子……カウンターからボグロッドがもってきた、金属の道具ね。何に使うの?」

グリップフック「躾してあるのです、これで」

ハニー「何を……あぁ、前に何か見えてきたわ」


ドザアアアアアアアアアアア


ハニー「……」

■ン「……」

ベラマイオニー「……」

グリップフック「」

ハニー「……ねえ、グリップフック。魔法界旧家の金庫に至る前には、あんな風に、えーっと……冷たそうな滝をもろに被るところを走らないと、いけないわけ?」

グリップフック「やはり、気づかれていたのです!あれは『盗人落としの滝』!我々に対して防衛手段が発動されて――止めろ!止めろ、ボグロッド!!」

ボグロッド「ハニー・ポッター意外が指図しないでいただきたい!!」

ハニー「こ、この豚!早く、止めて――あぁ!」

ザァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!

327 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 15:47:04.90 imFgWWf0O 112/159

ポタポタッ、ピチャッ

ロン「トロッコから投げ出されたけどハニーとハーマイオニーの落ちるところには僕がスタンバイ済みってね!もちの僕で!いてて!今度こそ死んだかと思った!ハニーって奇跡だ!」

ハーマイオニー「あ、あなたがそうするだろうと思って、クッション魔法を下に向けておいたの、ありがとう……変身も何も、解けてしまったわね」

ハニー「よくやった、わ。ロン……阿吽の呼吸ね、二人とも」

グリップフック「……我々は放っておきっぱなしで投げ出されっぱなしですが」

ロン「ある程度は件のクッション魔法で平気だろ五体満足で何言ってんだ、記憶がぶっとばされたハートでもあるまいし」

ボグロッド「こ、ここは――私はどうして案内を!あぁ、まさかここは!」

グリップフック「……幸い、目的の金庫まではここから歩いてもたどり着けます。そして、ボグロッドは必要です。さあ」

ハニー「えぇ……どうしても、必要だもの――『インペリオ』」

ボグロッド「――ご案内しましょう!こちらへ!さあ!行きましょう!金庫へ!さあその前にご注意ください!行く先に見えますのは……!!」

ボォオオオオオオオ!!!
 ギャァアアアアアオォォン!!

ハニー「」

ロン「」

ハーマイオニー「」

ボグロッド「金庫の最後の守り、繋がれた本物のドラゴンでござーい!」

328 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 16:04:35.22 imFgWWf0O 113/159

ドラゴン「グルルルルルルルッ!!グルルルルッ!!」

ハニー「……威嚇している、けれど……明後日の方向を見ているわ」

グリップフック「無理もありません、ほとんど眼が見えていないのですから。このドラゴンはこの地下に繋がれて何年になりますかな……いや、何十年か」

ハーマイオニー「……足かせ、手かせがされてるわ。鱗も、ボロボロ」

ロン「……チャー兄ぃが見たら、怒り狂うぜ。おい、どうすんだい?盲目だからって、真横を通り過ぎていく餌の匂いまで無視してくれるってわけじゃないんだろ?」

グリップフック「そこで、この鳴子を使います。これを振って……」

ガンガンガンガンガン!!!

ドラゴン「グゥルル……グゥッ!?グル、グゥゥッ、グゥゥゥゥッ」

ハニー「……怯えるみたいに、後ずさり始めたわ」

グリップフック「この音を聞くと痛い目に合う前触れだ、そうしつけられているのです。これで押さえつけている間、金庫に向かいます」

ハーマイオニー「……残酷だわ。あなたたちは、魔法使いに!自分達の扱いについてあれだけ主張しておいて!ドラゴンに、こんな――」

グリップフック「ドラゴンが言葉を喋りますか?ドラゴンが金貨を差し出しますか?ドラゴンが宝を作りますか?」

ハーマイオニー「なっ……」

グリップフック「考える力もない下等な生物は、痛みで教え込むしかないのです。そうでしょう?」

ロン「……こんにゃろ」

ハニー「……歯をくいしばらせたいところだけれど、問答している暇はないわ」

グリップフック「えぇ、そう。道徳ごっこをする時間はありません」

ガンガンガンガンガン!!!

ドラゴン「グゥウウウ!!グギュゥゥ、グウゥウウウ!」

ボグロッド「えぇいさがれい、さがれぇえい!ひかえぇえおろおおお!!この方をだああれと心得る!ひかえい、ひかえぇえええい!!!」

ハニー「あまり張り切らないで、最低限にしなさい!ボグロッド!!」

329 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 16:14:42.54 imFgWWf0O 114/159

ガンガンガンガンガン!!

グリップフック「今です!ドラゴンの前を走りきって、扉へ!」

ハニー「……近くで見ると……体中、所々……傷が……っ」

ドラゴン「グゥゥ、グル、グウウウ……」

ハニー「……っ、ハーマイオニー!ハナハッカの瓶!!」

ハーマイオニー「えぇハニ……えっ!?な、何のために!?」

ガンガンガンガンガン!!!

ハニー「っ、治すなんて暇はない、分かってる!ドラゴンの鱗はきっと、治癒魔法も防いでしまうし……とんだ偽善だわ!」

ハニー「けれど、ドラゴンが魔法に弱い、目なら!こんな目に合わせた相手をしっかり見て、恨むくらいはするべきよ!目を、治して!私達を見せるの!!せめて、それくらいなら!」

ハーマイオニー「あぁ、あぁぁもう!ハニー!あなたってとってもステキ!愛してる!!」

ハニー「知ってるわ!!!」

ハーマイオニー「ビクトールから聞いたの、『結膜炎の呪い』の反対呪文!これで、少しは……『~~~~~、目元スッキリ!』」

ドラゴン「グルルッ、グルッ……グゥ……?グォ、グマグブルシッ」

ガンガンガンガンガンンガン!!

ロン「ハニー!ハーマイオニー!ボグロッドが扉を開けた!早く!!!」

ハニー「分かってる!ドラゴン……たすける事は、できないけれど!」

ドラゴン「……グル、グルル……」

ハニー「ごめんね!」

ドラゴン「……グルルルルッ」

バタンッ

ドラゴン「…………」

ドラゴン「…………」

ドラゴン「……グル、ヒ……グルルルルルルッ」

333 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 16:31:35.97 imFgWWf0O 115/159

レストレンジの金庫

グリップフック「時間がありません。あの滝で盗人が落とされたことはグリンゴッツ全体に知られています。さあ、何かは知りませんが探すのです!急いで!そして剣を我が手に!!!!やっほう!!!!」

ロン「後でひどいぞこんにゃろ!よし、ハニー!例のあれの容疑がかかってるのはなんだったっけ!?」

ハニー「穴熊の紋章が彫られた、取っ手が二つついたカップ!それか、髪飾りよ!きっと、レイブンクローの印がついてるわ!」

ロン「そりゃいいや!簡単だね!こんな……宝の山積みから探すのはさ!くそ!羨マーリンの髭!!髭!!」

ハーマイオニー「手を動かして、ロン!この、ゴブレッドは……あぁぅ!?」

ジュゥウウッ!

ハニー「!! ハーマイオニー!?」

ハーマイオニー「っ、火傷、したわ……それに」

カタカタカタッ

ブワッ

カランカランカランカラン

ロン「なんだこりゃ。ハーマイオニーが取り落としたゴブレッドが……三つにも四つにも増えてく!凄い!!魔法ってすごい!!!」

グリップフック「『双子の呪文』と『燃焼の呪い』がかけられているのです!正しい手順で触れなければ発動する!そうでないと触れたものは熱くなり、再現なく増えます!コピーに価値はゼロですが!」

ロン「んなことだろうと思ったよ!それじゃ、触らずに探して……あいた!」

カタカタカタッ

ブワッ!

カランカランカランカラン

ロン「あ、足に少し当たっただけで!?」

ハニー「じっとして、ロン!」

ロン「オーケー!ハーマイオニー!!お得意の石化呪文だ!!!!」

ハーマイオニー「任せて!ペトリ――」

ハニー「落ち着いて!!!!」

334 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 16:50:52.64 imFgWWf0O 116/159

ロン「……あ!あそこだ!流石はロナルド、ノッポなのは伊達じゃない!あそこ!一番高い棚の天辺に!カップがあるよ」

ハニー「! よくやったわ、ロン!あとでこんな金細工なんて目じゃないご褒美をあげるわ。ハーマイオニーから」

ハーマイオニー「なにそれ!?」

ロン「でも、いくらノッポな僕でもあそには届きそうにない!どうやって、何にも触れずにあそこまで登るっていうんだ……くそ!僕は何のために豚だったんだ!!空一つ、飛べやしない!!!」

ハーマイオニー「志の高さは人の限界の範疇におさめてってば!あ、アクシオ!」

グリップフック「無駄です、無駄!この金庫の中に納められているものは呼び寄せ呪文がききません」

ハニー「それくらい、先に……あぁ、熱いわ、っ、増えたカップやらが発する熱気で、もう……っ」


 グルゥウウウウ!グルルルルルル!!!

  「うわ!?なんだ!?炎を、こっちnぎゃあああああ!?」
 「な、鳴子をならせ!ならせ!どうしてこいつ、こっちを見てわあああああああああ!?!?」

ハニー「っ、外に、応援が来たみたいだわ。あちら側の!時間が……っ、どうすれば」

ハーマイオニー「……っ、そうだわ……ハニー、これ!これを!」

ガサガサッ

シャランッ

グリップフック「! 剣!」

ハーマイオニー「まだ事は済んでないわ! ハニー、これなら……やっぱり!この剣なら、何に触れても例の呪文と呪いの効果は起こらない!これを、持って!あのカップの取っ手にひっかけて!」

ロン「冴えてるね、ハーマイオニー!あとはハニーが身長三ハグリッドくらいになりゃ大成功だよ!」

ハーマイオニー「あぁ、これを使うのは、不本意だけど……ハニー、ごめんなさい!」

ハニー「えっ、えっ!?」

ハーマイオニー「『レビコーパス!身体浮上せよ!』」

フワッ

ハニー「きゃぁ!?」

ロン「いいぞ、ハーマイオニー!でも一つ良いかい!?」

ハーマイオニー「何!?今、私集中してるの!」

ロン「僕じゃなくてわざわざハニーを飛ばした意味とか!」

ハーマイオニー「そんなの!ハニーが今日スカートだからに決まってるでしょ!」

ロン「君って最高だぜ!!もちのロンで!!!」

グリップフック「熱さで頭がどうにかしているのですかあなたがたは!!!!!!!!!!!」

337 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 17:05:00.96 imFgWWf0O 117/159

ハニー「っ、驚いたけれど、っ、いい手だわ!ハーマイオニー!そのまま、私をカップの方へ!」

ハーマイオニー「えぇ、ハニー!周りの物に当たらないように、気をつけて……あっ!」

ハニー「っ!」

カンッ

ブワッ

ドサドサドサドサッ!!!

ロン「!甲冑が、降って――危ない!!」

ハーマイオニー「あぁぁ、きゃぁ!?」

グイッ、ガシャァァァン!

ハニー「っ、あぁ、良かった。ロンが肩を抱いて避けてくれたおかげで、ハーマイオニーは甲冑には潰されなくて……けれ、ど」

ハーマイオニー「っ、ロン、あ、ありがとう。あの、なんで……」

ロン「なんで、って、当たり前だろ。君は女の子なんだから……僕が守らないと」

ハーマイオニー「っ、そんな、今、そんなこと、言われても、あの、なんだか、そんな、熱くて、あの……」

ロン「あぁ、熱いよな。なんか、頭がボーッと……」

グリップフック「おたくらが宝の棚に突っ込んだせいで一気に増えて熱が急上昇したせいじゃないですかねえ!!!!!」

カタカタカタカタ!!

ブワッ!! ブワッ!!

カタカタカタカタカタ!!!

ハニー「っ、みんな、なんとか、対処して!ハーマイオニー!私はこのまま浮かせていてね!もう少し、もう少しで、届く、から……!」

ハーマイオニー「『インパービアス!防水・防火せよ!』これで、火傷は防いで……あぁ、でも!もうこの部屋、宝で満たされてるわ!」

ロン「子供の頃はさあ!金銀財宝の中を泳いでみたいって思ったけどさあ!馬鹿な夢は叶うもんじゃないよな!!マーリンの髭!!!」

338 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 17:19:14.48 imFgWWf0O 118/159

ハニー「あと、ちょ、っと」

プルプルプルプル

ハニー「っ!」

カランッ!

ハニー「! やった、わ!カップ、を、持って……っあ!」

ジュウウウウウウッ

ハニー「っ、手で持つと、これも、そうなるのね。っ、離す、もんですか。逃がさないわよ、この!!!」

カタカタカタ!

ブワッ!!

ハニー「っ、増えた、ところで!本物を掴んだままなら、惑わされないわ!みんな!出ましょう!外、外に!!っ!」

ロン「あぁハニー!やったねハニー!でもさ、そうしたいのは、山々なんだけど!」

ハーマイオニー「っ、ほとんど、身動きが!もう!」

カタカタカタカタカタッ!

 ガラガラガラガラガラッ!!

ハニー「っ、床一面どころか、もう二人の腰より上……っ、グリップフック!!」

グリップフック「モガモガモガモガ……」

ハニー「っ、『リベラコーパス、身体自由』!」

フワッ、ドサッ

カランカランッ ブワッ!!

ハニー「っ、手に掴まって!さあ、今引き上げるわ!!っ、でも、両手が、カップと剣で……」

ハニー「カップは、離せない……剣を、一度!」

カランッ

ハニー「さあ、これで!グリップフック!」

ガシッ

ガラガラガラガラッ!

グリップフック「……ブハッ!!! ああ、あぁ、ハニー・ポッター……またも魔法使いの手をとることになるとは」

ハニー「っ、当然じゃない。協力するって、約束したわ!さあ、出ましょう!ここから」

グリップフック「えぇ、そして……目的は、達成されましたな?」

ハニー「えっ? そう、ね……カップは、手に入れたわ!ここから出れば、この熱も、きっと……」

グリップフック「……では!!!」

パシッ

ハニー「……え?」

グリップフック「お役御免です!うっひょー!剣だ!剣だーーー!」

ガシッ

 ガランッ、ガランッ、ガランッ、ガランッ!!

ハニー「あ……あぁ!!待って!!!待ちなさい!!っ、足が、とられて!グリップフック!!」

グリップフック「開けろ!!開けろ!!!!外にいる我らが同胞!!開けろ!!!ボグロッドは操られてる!!!盗人だ!!!盗人だ!!!!」

ガチッ、ガガガガガガッ

ドサアアアアアアアアアアアア!!!

339 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 17:34:54.01 imFgWWf0O 119/159

ガラガラガラガラガラッ

ロン「急に開いた扉から出て行く宝の波に飲まれてたら金庫から出られてラッキー、だと思った、けどさ」

ハーマイオニー「っ、えぇ、ラッキーだわ。圧死せずに済んで……最悪なのは」

ハニー「……敵意むき出しの、大勢の小鬼に囲まれてる、ってことね」

ザワザワザワザワザワ

ガラガラガラガラガラ!

グリップフック「脅されていた!目隠しされて、猿ぐつわかまされて、透明にされて、あぁひどい!やっぱり魔法使いはひどい!」

ロン「ひどいのはお前だこの下衆野郎!!!!!許してやるから剣だけでも……」

バーン!
 バーン!!!

ロン「そっちがその気なら……『ステューピファイ!!』」

ハーマイオニー「っ、やるしか、もう……『ステューピファイ!!!』」

ハニー「っ、敵対なんて、しなくていい、はずなのに……っ」

ジーーーーッ

ハニー「……?」

ハニー「なに、かしら……なんだか、視線……」

ハニー「……」




ドラゴン「グルルルルルッ」ジーーーーーーーーーーーーーーーッ

ハニー「あ……さっきの、ドラゴン……?」

ドラゴン「…………」

ハニー「……あの、目は」

ドラゴン「……グルルルルルッ」

ハニー「……えぇ、そうね?ドラゴンさん?  光が宿って、最初に見えたのが――この、私だものね?刷り込みなんてレベルじゃないわ。そうでしょ?」

ドラゴン「グルルルルルルッ!!」

ハニー「……『レダクト』!!!」

パキィィン!!!

ハーマイオニー「っ、ハニー!?何を砕こうっていうの!?こういうときは、失神……あぁ、うそ……私、いっそ失神したい」

ロン「お?やっぱりな!あの時君から引き離さなくて正解だったってわけだ!もちの僕で!」

ハニー「その通りよ……おいで!!!!!竜豚!!!!」




竜豚「ぐぎゃあああああおおおおおヒィイイイイイイイイイイイイイイイヒイイイイイイイイン!!!」

ボオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 わあああああああああああ!?!?!?
ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!!
 なんか喋ったああああああああああああああああああああああ!?!?!?

342 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 17:52:07.47 imFgWWf0O 120/159

上空

ハーマイオニー「これは悪い夢よ、信じられない、信じたくない……あぁ、なにこれ。なにこれ」

竜豚「ぐるるるるひーーーん!」

ハーマイオニー「ドラゴンの背中に乗ってグリンゴッツの地下から脱出なんて、しかもそのドラゴンがまたハニーの、あぁ、もう常識はずれな豚なんて見なくてすむと思ってたのに……」

竜豚「グルルルルルルヒン!」

ロン「おい!ハニー以外が豚って呼ぶなよ!なあ同胞、君も不服だよなあ?」

ハーマイオニー「黙って」

ハニー「その割には、ハーマイオニー?すぐに地下から脱出できるように竜豚の進む方向に穴掘り呪文を連発したり、順応が早かったと思うけれど?」

ハーマイオニー「諦めって大事よね……」

竜豚「グルルルヒン……」

ロン「助かった、って言ってるぜ」

ハーマイオニー「あなたがでしょ?あなたがその口で、でしょ?何も聞きたくないわ、それ以上……」

ハニー「いいじゃない。脱出、できたんだもの……みんな、火傷や切り傷だらけだけれど」

ハーマイオニー「火傷や切り傷以下の重要度なのかしらこれ……えぇ、本当。奇跡みたいだわ」

ロン「全くだ。ハニーにかかれば奇跡なんていくらでも作れる、それって自然の摂理だけどね。もちの僕で」

竜豚「グルルルルルルヒィン!」

343 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 18:16:55.24 imFgWWf0O 121/159

日暮れ

湖のほとり

ハニー「竜豚がずっと飛び続けてくれたおかげで、随分と遠くまで逃げられたわ」

ハーマイオニー「ロンドンから何十キロも離れてるはずよ。ここなら、安心ね……保護の呪文はもちろんかけたけど」

ロン「竜豚の奴、ほんとにつれていかないのかい、ハニー?即戦力なのに」

ハニー「目だってしまうもの。それに、せっかく手に入れた自由を満喫するべきだわ。人は襲わないって、約束させてあるから平気でしょうし」

竜豚「グルヒン……」

ハニー「えぇ、短い間だったけれど。またね、竜豚。首輪ならぬ爪輪、大事にするのよ」

竜豚「グルゥゥルルヒン!ヒンヒン!」

グググッ、バサッ

バサッ、バサッ、バサッ

ロン「いざとなったらチャーリーんとこいけよー!手紙出しておいてやるから!」

ハーマイオニー「……まさかチャーリーならドラゴンと普通に意思疎通できるとか言わないでしょうね」

ロン「ハハハ、何言ってんのさハーマイオニー。君、それでも魔女?御伽噺だよそんなもん」

ハーマイオニー「あなたって時々猛烈にぶっとばしたくなるわね本当に」

ロン「それよりさ、もっと心配しなくちゃいけないことがあるぜ。気づいてるかい?」

ハニー「……そうね。分霊箱は手にはいったけれど……剣が」

ロン「いや、ハニー。それもそうなんだけどさ……ほら、この悲報をどう伝えればいいかな……」

ロン「……あいつらはさ もしかしたら……僕らがグリンゴッツ破りしっちまったこと、気づいちまったかもしれないぜ!」

ハーマイオニー「……っふふ、ははっ!そう、そうね!そう、かもしれないわ!えぇ!いくら、小鬼でも!あれだけ派手に、常識破れば!っふふ、アハハハハハ!」

ロン「HAHAHAHAHAHAHAHA!!だろ?やったぜ、久々にハーマイオニーのツボを……あれ?ハニー?」

ハニー「……」

ロン「あ、あー、そんなにつまらなかったかな。あー、じゃあもう一発。えーっと、さっきの金庫でのあの光景、ネビルがいたら、きっとネビルのポークビッツがロングボトム――」

ハニー「いいえ、えぇ……十分、面白いわ……そう、ね」

ハニー「……気づかれた、かもしれない。あいつに……私達のことを、ね」

――――

――


344 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 18:32:54.17 imFgWWf0O 122/159


グリンゴッツ

ロビー


小鬼『』ガタガタガタガタガタガタ

死喰い人『』ガタガタガタガタガタガタガタガタ



ヴォルデモート『もう一度 聞こう 俺様に何と言った?』


小鬼『あ、あぁ――我が君――我々は、努力しました――努力、したのです――ですが――あぁ!』

ヴォルデモート『貴様の 無駄な行いのことなど 聞いていない 俺様に 何と言ったのだ』

小鬼『ぬす、盗まれ、ました……マダム・レストレンジの偽者で――ポッターと、二人の、仲間が』

ヴォルデモート『言え  言え!!! 彼奴らは何を盗んだのだ!! 言え!!!』


ベラトリックス『おいドラコ、死ぬ気でそっから逃げな。次の小鬼の二の句を聞いちまったら、全員死ぬぞ』

マルフォイ『え、でも、いいんで――』

ルシウス『行くぞ!走れ!ドラコ!!!』



小鬼『き、金色の――小さな、カップ、一つです!我が君!たったそれだけ!それ、だけで――』

ヴォルデモート『―― あぁ』


ヴォルデモート『―― たかが、カップ 』

ヴォルデモート『―― ――』



ヴォルデモート『 ああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! ! ! ! ! ! ! !』


バーーーーン!!!!

バーーーーーーーーーン!!!!

ヴォルデモート『嘘をつくな 嘘をつくなあああああああ!!!!!』

ヴォルデモート『何故小娘がそれを知っている!!! 何故!!!! 俺様の秘密を!!! 俺様の 秘術を!!!!!!!』



ヴォルデモート『誰一人 知るはずのなかったものを!! 誰一人だ!! あぁ 貴様らも 生かしておけん!!! 「アバダ ケダブラ」!!「アバダ ケダブラ」!!!』




ヴォルデモート『「アバダ ケダブラ」あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!』

345 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 18:45:48.15 imFgWWf0O 123/159

ピチャッ、ピチャッ、ピチャツ……

小鬼『』  小鬼『』

  小鬼『』

 小鬼『』   小鬼『』

死喰い人『』  死喰い人『』

 死喰い人『』 死喰い人『』

死喰い人『』

ヴォルデモート『ハーッ  ハーーーッ  ハーーーーーッ  ハーーーーーーッ』


ヴォルデモート『ほかの物は どうなった』


ヴォルデモート『俺様の宝 俺様の守り 俺様の不死の掟は』


ヴォルデモート『あの小娘はどこまで知っている どこで知ったのだ』


ヴォルデモート『ダンブルドアの影が 奴の後ろにいるのか? 俺様をいつも疑っていた あのダンブルドアめが』


ヴォルデモート『俺様に全てを奪われ 壊され 俺様の命令で殺されたはずの ダンブルドアが』


ヴォルデモート『恥ずべき死の 向こう側から手を伸ばしているというのか?』


ヴォルデモート『あの小娘を使って 小娘め 小娘め!!』

346 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 19:02:37.05 imFgWWf0O 124/159


ヴォルデモート『俺様は自問する 自問するしかないのだ ここにいる者は 全て殺した』


ヴォルデモート『もしも もしも 俺様の秘宝が 壊されているとして』


ヴォルデモート『おかしいではないか 間違いなく このヴォルデモート卿は それが分かったはずではないか?』


ヴォルデモート『感じたはずではないか? 俺様が ヴォルデモート卿が その最も尊い俺様自身が襲われ 破壊されるのに気づかないなど』


ヴォルデモート『確かに 日記が破壊されたことには 気づかなかった』


ヴォルデモート『だが あれは それを感じるべき 肉体がなかったからだ そうだ そうに決まっている』


ヴォルデモート『間違いない 他の分霊箱は安全だ 俺様は間違っていない 間違っていないと 俺様は自答する』


ヴォルデモート『湖 洞窟 俺様の宝を隠した 俺様の 秘密の場所』


ヴォルデモート『何ら力を持たず 弱虫で 愚かなあの小娘が あそこにあるロケットを 見つけられるはずがあろうか?』


ヴォルデモート『ゴーントの小屋 俺様の血筋』


ヴォルデモート『知恵もなく 考える頭もない あの小娘が その繋がりを突き止められるはずがあろうか?』


ヴォルデモート『ナギニ 俺様の忠実なる下僕 俺様の分身』


ヴォルデモート『あの小娘が 俺様の偉大なる秘術を 生き物にさえ魂を分け与える術を 想いもするはずがあろうか?』


ヴォルデモート『愚の骨頂だ 俺様は 考えすぎていたようだ あの小娘に そんな力はない あの小娘に 俺様の秘宝は』


ヴォルデモート『――』


ヴォルデモート『だが 確かめておかねば なるまい』


ヴォルデモート『ゴーントの廃屋 あそこが最も危なかろう ダンブルドアは俺様の二番目の姓を知っている 最初に確かめるべきは あそこに隠した 指輪だ』


ヴォルデモート『湖 もしも孤児院を通じて ダンブルドアがあの場所を突き止めたら 確認 せねばなるまい』


ヴォルデモート『ナギニは 常に俺様の傍に置こう ナギニよ』


ナギニ『うん!一生ついてく!!』シューッ、シューッ



ヴォルデモート『あぁ  そして』


ヴォルデモート『最後の隠し場所』


ヴォルデモート『絶対に安全な 俺様の故郷 俺様の家 俺様の 全ての始まり』






ヴォルデモート『ホグワーツ』

347 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/21 19:10:09.76 imFgWWf0O 125/159

―――
――


ハニー「――そうなるだろうって、思ってた。えぇ、気づいていたわよ……あんたが、最後にどこを、選ぶかって」

ロン「ハニー?」

ハーマイオニー「ハニー……何を見たの?何が見えたの?」

ハニー「……全部よ……えぇ。これで、全部」

ロン「全部?それって、分霊箱の在り処ってことかい!?さっすがハニー!」

ハーマイオニー「ああ、でも、ハニー。用心しなくちゃ。また、いつかのように、罠じゃ……」

ハニー「あいつは相当動揺していたわ。いいえ、あれは、あいつの本心よ」

ハニー「そうだと思ってた。そうよ……あそこが、わたしたちの全てなんだもの」

ハニー「……行かなくちゃ」

ロン「どこへ?どこへだって、着いてくけどね!」

ハーマイオニー「ううん……えぇ、ハニー!さあ、どこへ行くの!?」

ハニー「……」





ハニー「ホグワーツに 帰りましょう」

364 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 13:47:26.87 2dkcpHjDO 126/159

ホグズミード

バチンッ

ドサドサッ

ロン「すっかり『姿あらわし』も十八番だよな。ハニーにかかりゃ現存する呪文なんで全部一年生の教科書もんだけどねもちのロンで」

ハニー「えぇ、そうね。赤子に教えるようなものだもの、こんなもの……」

ハーマイオニー「その割には握った手に汗をかいてるあたり未だにこの感覚が苦手なようなのには触れてあげないわ」

ハニー「……そうさせてあげる。さあ、隠し通路に行きましょう。ハニーデュークスか、叫びの――」

ジリリリリリリリリリリリッ!!!

バタバタバタバタッ

 バタンッ!! ガタガタッ、バタンッ!

ハニー「っ!?」


死喰い人「『姿あらわし』の反応だ!ベラトリックスの言っていた通りだ!まんまと来やがった!!」

死喰い人「さがせ!!見つけだせ!!!」


ハーマイオニー「っ、待ち伏せされていたんだわ……きゃぁ!?」

ロン「二人とも、もっと寄って。三人でマントに入るのはキツイけどさ、今は贅沢言ってられないぜ」

ハニー「えぇ、ロン。ハーマイオニーを抱き寄せる役目は譲ってあげるわ」


死喰い人「どこだ!?どこにいる!?

死喰い人「きっと、透明マントだ!!スネイプが言っていたぞ!あいつは透明マントをもってる!」

死喰い人「『アクシオ!透明マント!』」


ロン「おっと……あれ?ちっとも引っ張られないや」

ハニー「本当ね……利かないんだわ、このマントには。本物の、透明マントには」

ハーマイオニー「あわわ、わ、わわ……」

ロン「さすが君の持ち物だよな。おいハーマイオニー落ち着けよ、なんなんだよさっきから」

ハニー「……透明なのがもったいないくらい皆に見せ付けたいわこの光景」

366 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 14:05:19.27 2dkcpHjDO 127/159

死喰い人「被りものはなしと言うわけか、ポッター!」

死喰い人「散れ!さがせ!ここにいるのは分かってるんだ!」

死喰い人「吸魂鬼を呼べ!あいつらならポッターたちをたちまち見つけるだろ!」


ハニー「見つけられたって構わないわよ、えぇ。今なら私、とっても強いパパ、もとい守護霊を呼び出せるから。この光景見れば」

ハーマイオニー「何、言ってるのハニー!に、逃げましょう!もう一度、『姿くらまし』を……っ!?」

ハニー「……もうここでは、使えないのね」

ロン「おとぼけ集団のくせにそういうとこだけはキッチリしやがって。マーリンの髭!マーリンの……お、わ」


コォオオオオオオ

ピキピキピキピキッ

死喰い人「! きた!きたぞ!おい吸魂鬼ども!こっちに来い!」


吸魂鬼「――」吸魂鬼「――」
  吸魂鬼「――」 吸魂鬼「――」
吸魂鬼「――」 吸魂鬼「――」  吸魂鬼「――」

死喰い人「お、俺、闇の魔法使いでよかった……こいつらの影響少なくて済むんだもんな」

死喰い人「闇の帝王クラスになると、吸魂鬼と世間話できるらしいぜ」

死喰い人「マジかよ羨ましくねえ」

死喰い人「ポッターをさがせ!!この町にいるんだ!いいな!!」

吸魂鬼「――」

スルスルスルスルッ……

ハニー「ロン」

ロン「なんだいハニー」

ハニー「腕の中にいる可愛い生き物、一生大事にするって約束する?」

ロン「君も随分当然なことを聞くね」

ハーマイオニー「もちのロンじゃ――何を聞いて何を言ってるの!?!?!?というか、ハニー、ちょっと、その呪文は、目立――」

ハニー「それでいいわ――『エクスペクト・パトローナム!守護霊よ、来たれ!』」


パアアアアアアッ!

吸魂鬼「――!」


守護霊『懲りずに卑しく人様の魂を啜りに来たのかい。それじゃあ分からせて――おや?』

吸魂鬼「――」

守護霊『――これは』

吸魂鬼「――――h」


死喰い人「!守護霊だ!!ポッターの守護霊だ……本当にあっちのポッターだうわああああああ!?」

死喰い人「何が守護霊だ!!悪霊じゃねえか!!!!」

死喰い人「眼鏡は死んだ眼鏡は死んだ眼鏡は死んだ」ブツブツブツブツブツ


ハニー「……パパって本当、頼りになりすぎるわよね」

367 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 14:23:11.68 2dkcpHjDO 128/159

ハーマイオニー「吸魂鬼が尻込みしてるのは、いいけど!ハニー!あんな目立ちすぎるものを出してどうするの!?連中が、こっちに来てしまうわ!」

ロン「あー、路地裏に逃げ込んだのはまずったよな……よーし二人とも、マントん中に隠れとくんだ。ここは僕が――」

ハニー「みんなでやるわよ、ロン。さあ、杖を……」

ギィィィッッ

??「ポッター!そこにおるな!?この馬鹿娘が!!!」


ハニー「!? だ、誰!?」


??「誰でもいい!こっちにこい!二階にいけ!いくんだ!!」


ハニー「っ、そうして、あげる!」


??「静かにしておけ、いいな!」

バタンッ!

ハニー「っ、助かった、けれど。今のは誰だったのかしら。暗くて、よく……ここ……ここは」

ハーマイオニー「……ホッグズ・ヘッドだわ。あのバーテンが、助けて……?」

ロン「ハニーの普段の行いが良いからだよな、あぁ」



??「おい!!こりゃなんの騒ぎだ!?え!?人の店のまわりにこいつらを放ちやがって!」

死喰い人「ポッターはどこだ!?ポッターがここにいただろう!あいつの守護霊だ!!!守護霊をみた!!!」

??「あ?」

死喰い人「守護霊だ!!ポッターの!め、めめめ眼鏡そっくりな形をした!」

??「……」

死喰い人「……」

??「まあ落ち着けよ。な?常識で考えろ……守護霊がそんなものなわけあるか?な?お前疲れてるんだ」

死喰い人「……だ……だよな……ありえないよな……意味わからねーもんな、人の形、とか……」

??「ほら、ヤギの乳をやる。これでも飲んで帰れ。ヤギといや、さっき俺も守護霊を連中にけしかけたが、それを見間違ったんじゃないだろうな?」

死喰い人「ああ、そうかもしれない……馬鹿げてた……」


ハニー「……」

ロン「……」

ハーマイオニー「…………今まで受け入れてた自分が嫌だわ」

370 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 14:36:52.37 2dkcpHjDO 129/159

ギィィィッ

??「とんでもない大馬鹿者どもだ。ホグワーツに一番近いここが厳戒態勢になっているとくらい、予想できるだろうが」

ハーマイオニー「返す言葉もありません……ありがとうございました」

ハニー「ええ、本当に。命を助けてくれて――その、眼」

??「……ドビーならお前達を救うのに適任だと思ったんだがな」

ハニー「やっぱり、あの鏡に映った……ブルーの眼……あなたは……それじゃ、あなたが……アバーフォース・ダンブルドア……?」

アバーフォース「……」

ロン「道理でヤギくさいわけだよ」

アバーフォース「最高だろうが」

ハニー「……暖炉の上にあるのは、私の鏡と対になっている『合わせ鏡』ね?どうやって、手に入れたの?」

アバーフォース「ダングから買った。一年ほど前だ……アルバスから、これがどういうものなのかは聞いていた」

ハニー「……私の様子をうかがうために?」

アバーフォース「それが、アルバスの俺への頼みだったからな――お前が誰に物を頼んでるんだと思わんでもなかったが、聞いてやっている」

ハニー「……」

373 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 14:52:33.86 2dkcpHjDO 130/159

アバーフォース「さて、それじゃ手立てを考えないといかんな」

ロン「あぁ、そうだよな。外には死喰い人がドクシー並みにどっさりだし」

アバーフォース「夜は駄目だ。連中はこの町を夜間外出禁止にして、指一本でも外に人が出ると反応する『夜鳴き呪文』を施してる。そうだ、ドクシーの卵い飛び掛るボウトラックルのように襲ってくるぞ」

ハーマイオニー「『夜鳴き呪文』、それで……それじゃ、明け方になれば?」

アバーフォース「夜間外出は解ける、ああ。それからマントを被って歩いて出発しろ」

ハニー「えぇ、そうね。ハニーデュークスは今安全なの?やっぱり、叫びの屋敷の方がいいかしら。スネイプがあそこの真実を連中に喋って、塞いでいなければだけれど……」

アバーフォース「……どうしてそんなところに行く必要がある?真っ直ぐホグズミードから出て、山から『姿くらまし』すればいいだろうが」

ハニー「……え?」

アバーフォース「あぁ、一度ハグリッドに会いにいけばどうだ?グロウプと一緒にあそこの洞穴にかくれてる……洞穴というか、今じゃあのデカブツ二人が悠々足を伸ばせるくらい快適なこだわりの地下施設になってるが。なんなんだあの巨人。匠か」

ハニー「ハグリッドの教育の賜物は見てあげたいところだけれど……何の話?どうして外に行くの?」

アバーフォース「逃げるには他にないだろう。御免だぞ、この店でお前さんたちを匿うのは。ヤギならまだしも」

ハニー「……私達、逃げないわ。ホグワーツに行かなきゃいけないの」

アバーフォース「……馬鹿を言うんじゃない」

ロン「ヤギバカなあんたに言われたくないけどね」

374 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 14:57:45.30 2dkcpHjDO 131/159

アバーフォース「ホグワーツに行く?このご時勢に、よりによって君が?今や『例のあの人』の総本山になりつつある、あの城に?」

ハニー「そうしなければならないの」

アバーフォース「君がしなければならんのは、ここから少しでも離れることだ」

ハニー「時間がないわ。私達が、やらなければならないことを――ダンブルドアがわたしに望んだことを――あなたのお兄さんが望んだことを、やりとげるには」

アバーフォース「……兄が何か偉大なことを成し遂げる時は、決まって周りの誰かが傷ついた」

ハニー「……」

アバーフォース「……生贄のヤギになった」

ハーマイオニー「ヤギから離れて」

アバーフォース「……今度は君にその役目が回った、ということか?ポッター」

ハニー「……あなたには、分からないことだわ」

375 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 15:15:06.50 2dkcpHjDO 132/159

アバーフォース「分からない?俺が、自分の兄のことを理解していないとでも?君より俺のほうが、兄を理解しているとでも?」

ハニー「そういう話はしていないわ。ダンブルドアは、私に仕事を残して――」

アバーフォース「仕事?いい仕事か?楽な仕事か?簡単な仕事か?半人前の魔法使いが、あまり無理せずにやれるような仕事だろうな?」

ロン「ハニーの前じゃね」

ハーマイオニー「……」

ハニー「……なんであろうと、やり遂げないと。これは私の、義務で……約束で」

アバーフォース「義務?どうして義務なんだ、え!兄は死んだ!そんな奴との約束がなんだ!忘れるんだ、兄と同じところに行く前に!くだらない約束を守るより、先ず自分を救え!!!」

ハニー「嫌よ」

アバーフォース「何故だ?君は兄のために生きてるのか?え?兄のためなら命を捨てるとでも?いい生徒を持ったな!洗脳したとでも言うか?」

ハニー「ダンブルドアのためじゃない。わたしのためよ。これを成し遂げるのは、わたしの意志なの。わたしは、わたしのために生きる――みんなそうやって戦ってるんだわ。他の、『騎士団』のみんなも」

アバーフォース「『騎士団』、あぁ。連中も終わりだ。もう終わった。『あの人』の勝ちだ。そうじゃないと言う奴は、自分を誤魔化してる」

ハニー「……」

アバーフォース「逃げろ、ポッター。『あの人』は君を執拗に求めてる。自分を大事にしろ。その二人の友人もな。仕事なんて誰か他にまかせてしまえ」

ハニー「嫌よ。これは、私じゃなきゃいけないの。ダンブルドアが、説明してくれたわ」

アバーフォース「ほぉー?説明、そうか。兄は何もかも話てくれたかね、え?君に対して、兄は正直だったかね?」

ハニー「…………」

アバーフォース「ポッター、俺は兄を知っている。秘密と嘘で塗り固める秘密主義を母親の膝の上で学んだ、天性の大嘘つき……それが俺達家族だ……アリアナ、以外は」

ハニー「……暖炉の上の、あの肖像画」

アバーフォース「あぁ、アリアナだ。この世で唯一、ヤギに絶対に食わせない紙だ、あれは」

376 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 15:36:50.63 2dkcpHjDO 133/159

ハーマイオニー「……ダンブルドアさん。校長先生は、確かに嘘をついていたことがあるかもしれません。でも、いつだってハニーを気にかけていました」

アバーフォース「へえ、そうかね。だがおかしなことに、兄が気にかけた相手の多くは結局、放っておかれた方がよかったと思われる状態になったがね」

ハーマイオニー「……妹さんも、そうだと言うんですか?」

アバーフォース「……」

ハニー「……」

ロン「……」

ハーマイオニー「……」

アバーフォース「……あのスキーター記事で妹のことを想像されるくらいなら、俺の口から話してやる」

アバーフォース「妹は六つの時、三人のマグルの男の子に襲われた」

ハニー「……っ」

ハーマイオニー「……」

ロン「……髭」

アバーフォース「魔法を使ってるところを見られたんだ――アリアナはまだ魔法の制御が出来なかった。当然だ。まだ、六つだったんだ」

アバーフォース「マグルの子供は怖くなったんだろう。自分達の知らない力を示す妹が。変な真似をやめさせようと、庭に押し入り、そして――」

アバーフォース「妹はめちゃめちゃになった。優しいのはそのままだったが、誰にも怯えて、全てを怖がって。魔法を使おうとすることはなくなった」

アバーフォース「――それが最悪だった。魔法を『使わない』のは、『使えない』のと同じじゃない」

アバーフォース「アリアナの強い魔法力はアリアナの中に閉じ込められて、そして狂わせた。抑え切れなくなると爆発し、危険になった」

アバーフォース「父は妹をそんな風にしたマグルを襲い、アズカバン送りになった。攻撃した本当の理由は絶対に口にしなかった。そんなことを話してアリアナの状態を知られたら、アリアナが生涯、聖マンゴに閉じ込められるに決まっていたからだ」

アバーフォース「俺達家族はアリアナを守るために引っ越した。母はアリアナが病気だと回りに説明した。日に一度は暴れるアリアナの力をなんとか押さえ込んだ」

アバーフォース「俺も加勢した。妹が暴れて激怒する時も、俺ならなんとかなだめてやれる時があった。状態がいい時は一緒にヤギの世話をした。俺達は、大変だったが、良い家族だった……」

アバーフォース「……妹のことを見てみぬフリをして、自分の部屋に閉じこもり、ご本を読んで、貰った賞を数えて、お偉い『当世の最も偉大な魔法使いたち』と手紙のやりとりをするのに大忙しな、兄以外はな」

378 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 15:53:18.00 2dkcpHjDO 134/159

アバーフォース「アリアナが十四の時――暴れるアリアナの力を抑えるには、母はもう衰えていた。事故だったんだ。アリアナにはどうしようもなかった……母が死んだ」

ハニー「……」

アバーフォース「ホグワーツを卒業してここからおさらばするはずだった兄は、戻ってきた。俺は、どこにでも行ってしまえと言った。アリアナの面倒は自分が見るから、と。学校なんて辞めてしまうと」

アバーフォース「兄は、自分がアリアナの面倒を見るから学校には最後まで通えと、俺に言った。それが家長を継いだ自分の役目だと」

アバーフォース「今更なにをと思ったが、実際兄は数週間、上手くやっていた。暴れるアリアナを抑えるのは、兄にとっては――朝飯前だった。それはそれで猛烈に腹が立ったがな。今までなにを、と」

アバーフォース「俺が学校に戻るまで、あと一ヶ月という時――あいつがやってきた。それで全てが狂ったんだ」

ハニー「……グリンデルバルド?」

アバーフォース「そうだ。兄は、あいつに惚れた」

ハニー「えっ?」

ハーマイオニー「……えっ?」

ロン「……ん?」

アバーフォース「……あ」

ハニー「…………え?」

アバーフォース「あー……自分と対等な才能とか、同じような境遇とか、そういうのに。続けるぞ」

ハニー「あぁ、えぇ……あー……そうして」

アバーフォース「兄は、アリアナの面倒を見るのなんぞ二の次になった。新しい魔法使いの秩序の計画を練ったり、『秘宝』を探したり、興味の赴くまま」

アバーフォース「たまに家に帰っては、ボーっと窓の外を眺めて、早く明日になればいいのにだのなんだのつぶやいて――ここの件飛ばすぞ、いいか」

ハニー「そうして、お願いだから」

382 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 16:18:04.76 2dkcpHjDO 135/159

アバーフォース「壮大な計画を立てるお二人は、この村なんて小さな場所に納まるのをよしとしなかった。今にも旅立とうとしていた」

アバーフォース「より大きな善のためには、一人の女の子がないがしろにされようとどうだっていいというわけだ。お偉い考えだ。涙が出るね」

アバーフォース「俺がもうすぐにも学校に戻らなければならない頃だ。もうたくさんだった。兄に、言ってやった。妹をどうする気だ、と。兄は一緒につれていくとのたまった」

アバーフォース「俺は無理だと言った。妹は動かせないし、そんな状況じゃない。お前がどこに行こうとどうでもいいが、お前たちの小ざかしい演説旅行に妹を連れて行くなんて冗談じゃない、とな」

アバーフォース「兄は気を悪くした――グリンデルバルドは、気を悪くしたなんてものじゃなかった」

アバーフォース「奴は激怒した。バカな小童だ、と。優秀な兄の行く手を邪魔しようとしている、と。自分達が世界を変えてしまえば、そもそもアリアナを隠す必要もなくなる、それも分からないのか、と」

アバーフォース「口論になった。俺は杖を抜いて、奴も抜いた――奴は親友の弟に向かって、迷うことなく『磔の呪い』を使った。そこでやっと、兄が動いた」

アバーフォース「――あんな兄でも、俺のために激怒して奴に攻撃した。それが俺も気に入らなかった。なんだその奴に向ける悲痛な目は普通に怒って杖向けろボケ、と」

アバーフォース「そこからは三つ巴だ。呪文が交錯し、呪詛がぶつかり合い、呪いが部屋中を駆け抜けた――アリアナの発作が起こった」

アバーフォース「今までに見たこともないほど暴れていた……アリアナはきっと、止めようとしたんだ。俺達を。そして、俺達は――誰がやったのかは、わからない。三人とも、その可能性はあったが――」

アバーフォース「妹は死んだ」

ハニー「……」

ハーマイオニー「あぁ……っ、なんて、お気の毒……」

ロン「……マーリンの髭」

アバーフォース「永久に、逝ってしまった……前科もちだったグリンデルバルドは国外に逃げ、そして兄は、自由になった。そこからあいつの栄光の軌跡は知っているだろう……」

ハニー「……」

383 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 16:33:19.73 2dkcpHjDO 136/159

ハニー「自由に、なった……?」

アバーフォース「そうだろうが?妹が死んで、重荷がなくなったんだ」

ハニー「……」

アバーフォース「あいつは、妹の葬儀の後、すぐに旅立った。なんのあとくされもなく、晴れやかな顔でな」

ハニー「……」

アバーフォース「俺は何度も言ってやった。のうのうとここを訪れるあいつに。アリアナの犠牲で立っていられて楽しいだろう、とな。他に何人巻き込むつもりだ、と」

ハニー「…………」

ロン「あ」

ハーマイオニー「グーね」

アバーフォース「兄はいつでもヘラヘラ笑っていた。偉大な魔法使い様は流石だな。どれだけ自分が間違った道を歩んでこようが、過去のこと、なんて……」

ハニー「……とりあえず」

アバーフォース「あ?」

ハニー「歯ぁくいしばりなさいよ、このヤギキチガイ!!!!!」

アバーフォース「なんだそれ褒め言葉dぐがばぁっがぁあああああああああああ!!!」

バッキャァアアアアア!!

ハーマイオニー「いったー!いったーー!!」

ロン「ハニー姐さんの黄金の右ストレートやーーーー!!!!」

385 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 16:45:20.83 2dkcpHjDO 137/159

アバーフォース「ゲフッ、ゴフッ、なん、の、つも、ゴホッ」

ハニー「ダンブルドアが自由だった、ですって……?」

ハニー「過去のことなんて、妹さんのことなんて、あなたのことなんて」

ハニー「何とも思ってなかった、ですって……?」

ハニー「そんなわけないわ。決して、そんなわけない。あの人は、自由なんかじゃなかった……!ずっと、ずっと!そのことを思い悩んでた!!苦しんでたわ!!!!!」

アバーフォース「君に、何が――」

ハニー「ダンブルドアが亡くなった、あの晩!!!ダンブルドアは魔法の毒薬を飲んで、何かの幻覚を見たわ!その時、口にしたのは!あぁ、えぇ!今なら、それが分かるわ!!」

ハニー「ホッグズ・ヘッド!アバーフォース!それに、アリアナ!!あなたたちの名前!!!あなたたたちへの、嘆願の声だった!!!!」

アバーフォース「……」

ハニー「自分のせいだ、って!何度も、何度も謝って!!!っ、もう二度と、あなた達を傷つけないでくれって!!!!」

ハニー「っ、自分を、殺してくれって!!!!あぁ――あぁ!!あれは、苦しみから逃れるための叫びなんかじゃ、なかった!!!!!」

ハニー「あなたたちを傷つけられる幻覚に!!あなたたちが犠牲になるくらいなら、自分が死んでも、って!!!!言っていたのに!!それなのに!!!!」

ハニー「ダンブルドアが自由!?!?彼が間違ってた!?!?えぇ、間違った事があるかもしれない!!けれど!!!けれど!!!」

ハニー「ダンブルドアはそこから立ち直った!それをあなたも見ていたはずでしょ!!どうして分からないの!!どうして!!あなたは、あなたは――」

アバーフォース「……」

ハニー「アルバスの、家族なのに!!!!!!!」

アバーフォース「…………」

386 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 16:59:16.26 2dkcpHjDO 138/159

アバーフォース「……ポッター。どうして君は、アルバスを信じられる」

ハニー「ハーッ、ハーッ……え?」

アバーフォース「確信があるのか?俺の兄が、君自身よりより大きな善に関心があったんじゃないか、と。俺の小さな、妹のように」

ハニー「……確信?聞くまでもないわ。妹さん?さっきのことを聞いて、まだ分からないの?」

ハニー「アルバスは、わたしのことを愛してたわ。それが確信よ。それだけで、十分。妹さんだって。そうでしょ?」

アバーフォース「……」

アバーフォース「……」

アバーフォース「知らなかった。俺は、知ろうとも、しなかった……お前は、気づいていたのかい?」


肖像画アリアナ『――』


コクコクッ


アバーフォース「……アルバスが自由だったんじゃない。俺が、囚われ過ぎていただけだったのか?」

アバーフォース「……ポッター。君は間違いなく、自由なはずだ。こんなことに巻き込まれなくとも。自分を大事にして、身を隠せば生き残れる。なぜ、そうしないのだ?」

ハニー「……自分自身の安全よりも、大事にしなくちゃいけないことがあるわ。わたし一人の、平和なんて。たった一人での安全なんて」


ハニー「『より大きな善のために』動くのが、誰か他の人のためじゃ駄目なんてこと、ダンブルドアは言っていないでしょ?」

アバーフォース「……」

387 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 17:22:53.27 2dkcpHjDO 139/159

ハニー「ダンブルドアは確かに、色んなことを私に秘密にしていたわ。けれど」

アバーフォース「」

ハニー「あいつの息の根の止め方をつきとめて、私に引渡してくれた。私が何の考えもなしに、ダンブルドアが何も私に残さずに決断させたなんて、思わないで。もう何年も前に、決めたことよ。私はやり遂げるの。絶対に」

ロン「僕らが一緒にね」

ハーマイオニー「両隣でね、えぇ」

アバーフォース「……」

アバーフォース「……そうか」

アバーフォース「……アリアナ、分かっているね?そうだ、それも……アルバスが俺達に残したものだ」

肖像画アリアナ『』

コクコクッ

サァァァァッ

ロン「あー、あれ?肖像画の妹さん、なんだかさ。奥の方に、歩いていっちまったけど?」

アバーフォース「入り口は、いまや唯一つ。奴らは古い秘密の通路を全て押さえて封鎖している」

ハーマイオニー「それが、なんの……?」

アバーフォース「敷地の外は吸魂鬼だらけだ。もっとヤバイ生き物もいると聞く。歩いて侵入するのは、不可能だろうな」

アバーフォース「たとえ中に入れたとして、校内は定期的に見張りが巡回している。そうでなくても取り仕切っているのはスネイプと、カロー兄妹だ。そんなところで君たちが何をできるのやら」

ハニー「どうしてそこまで、詳しく……あぁ、聞くまでもない、わね」

アバーフォース「あぁ、そうだ。ここはな、お前達のような大馬鹿者の……溜り場になってしまっていたんだ。お前達が来るのが分かってたのはな、あのおとぼけと勝気な娘たちが先に来ていたからだ」

ロン「おいおい、戻ってきたアリアナに引き連れられてる、あれ……あぁ、まったく!漢具合に磨きがかかったみたいじゃないか!え!?」

ハーマイオニー「あ……私達がいなくなったって聞いて、貝殻の家からすぐ、城に……?ほんと、とんでもないわ、あの子……」

ハニー「わたしの、お友達だもの。えぇ……頼りになるわ。みんな、みんな」



ガチャッ!!


ハニー「ルーナ!ジニー!!……ネビル!!!!」


ルーナ「待ってたもン、ハニー」

ジニー「お帰りなさい、ハニー!」

ネビル「僕、ずっと信じてた!!君が来るって、信じてたよ、ハニー!!」

393 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 20:29:30.14 2dkcpHjDO 140/159

ネビル「ハーマイオニーも!無事でよかった!あとロンは、途中で羨ま死んじゃえばよかったのに……」

ロン「おい!」

ネビル「冗談だよ!みんなに会えて、嬉しい!」

ハニー「えぇ、私達もよ。ネビル……けれど、あなたのその顔」

ハーマイオニー「ひどい怪我だわ!何があったの?まさか、もう城の中で……」

ネビル「あぁ、ははっ。これ?いつものことさ。ちょっとカロー兄妹のやることに反抗するとね……大丈夫、僕は純血だから、少し血が出るくらいで済ませてもらえるよ」

ハニー「反抗……?」

ネビル「あいつら、城で教えるだけじゃない。体罰が大好きなんだ……しかも、最悪のやり方で」

ジニー「規則破りしている生徒を見つけたら、カロー兄妹のところに報告して罰則を受けさせるの……いまじゃもう『闇の魔術』そのものを教えるような『闇の魔術に対する防衛術』の授業で、その生徒を『磔の呪い』の練習台にするっていうね」

ロン「……最っっ悪だな」

ネビル「だろう?僕はそんなことやらない、って言ったら、これさ。みんなもちろん怖がって、隅で震えてたよ。クラッブ、ゴイルなんかは、はまってやってたけど」

ハニー「クラッブとゴイル?」

ネビル「うん、あいつらが優等を取るのなんてこれが最初で最後なんじゃないかな……マルフォイが学期途中から来なくなってから、あいつら、調子良いんだ。よくないけど」

ハーマイオニー「『闇の魔術に対する防衛術』がそんなことに……他の教科は?どうなったの?」

ロン「君の関心はいつだって勉強に向くってわけだね、素晴らしい。グリフィンドールに十点」

394 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 21:01:54.19 2dkcpHjDO 141/159

ネビル「『マグル学』は、マグルがどれだけ危険で、今のマグル排除の動きがどれだけ正しいか、ってことを延々聞かされる授業になったよ」

ロン「世界一無駄な時間だな」

ネビル「全くだよ。それで、僕、手を上げてこう言ったんだ。『先生、それじゃ、先生にはどのくらいマグルの血が流れてるんですか、ってね。それで、この目の腫れさ」

ロン「うっわ、ネビル。気の利いた科白は、時と場合を選んで言うもんだぜ」

ネビル「いいんだ、後悔してない。あいつらに抵抗して誰かが立ち上がるのは、いいことなんだ。それがみんなに希望を与える……ヒンヒン!ハニー!君みたいにね!」

ハニー「えぇ、そうね。みんなの希望だわ……」

ハーマイオニー「……鳴き声がなければ今の、かっこよかったんじゃないかしら」

ジニー「あら、ハーマイオニー。ネビルは十分かっこいいじゃない!違う?」

ハーマイオニー「えっ?えぇ……え?」

ジニー「ネビルってば、三人がいなかった間、本当に凄かったんだから!元DAのメンバーを集められたのも、ネビルのおかげだわ!」

ハニー「それじゃ、今でも城でDAは続いてるのね?」

ネビル「う、うん。あ、あのさ、ジニー。その……」

ジニー「それだけじゃないの!新しくDAに入りたいって人にも、この金貨を用意して!ネビルが、自力でよ!?」

ハーマイオニー「まぁ……!ネビル、凄いわ!これ、本当に難しいのに!」

ネビル「いや、あの、は、ハハ……いつの間にか必要の部屋にあったとは言えまい」

ジニー「ネビルは本当にかっこよかったの!私、そんなネビルが…………あ」

ネビル「……」

ジニー「……えぇっと!」

ハニー「因みに、ルーナ。二人が今日再会したときは、どんなだったの?」

ルーナ「ハグしてたもン。すぐ、パッ!って離れちゃったけど。私にはなかったなあ」

ネビルジニー「「ルーナ!!!!!」」

ロン「おいネビル、こっちこいよ。久しぶりに切れっちまったぜ」

ネビル「望むところだこんちくしょう!何ヶ月もハニーといやがって!」

アバーフォース「外でるな、外出るなおい。おい。今非常事態じゃないのかなんだこれ」

395 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 21:09:16.35 +8b+eKerO 142/159

ハニー「とりあえず、仲間はずれにされたルーナは私と手を繋いでおくことにしたわ」

ルーナ「わーい」

ハーマイオニー「ハニーの反対の手は私だけどね」

ジニー「仲間はずれって!?わ、私達ルーナとは仲間だわ!友達だわ!」

ネビル「そうだ、そうだ!」

ロン「仲良かった三人組の中で一組カップルができっちまって一人がはぶられるなんてお約束なそういうのやっといて何言ってんだよ、君たち」

ハニー「ロン、あなたがそれ言うの?」

ロン「それもそうだった」

ハーマイオニー「何の話してるの!?!?!?」

アバーフォース「あーなんだこれ。なんだこれ。あー。十代のこういうノリいやだなー。さっさと行ってくれないかなー」

肖像画アリアナ『――』

アバーフォース「……イイナーって目やめなさいアリアナ。今度いいヤギの肖像画買ってやるから」

398 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 21:21:56.07 +8b+eKerO 143/159

ネビル「そ、それで、さ。色々やってたんだ、勧誘活動とか反対運動をね。地下牢につながれた生徒を助けたり……そういうのを僕が指揮してるって知った、あいつらはさ」

ロン「大事なジニーでも人質にとったのか?え?こんちくしょう」

ネビル「そんなの死守するけどさ」

ジニー「んなっ、あぅ、あ、ありがとう……」

ハニー「ジニーの時も聖歌隊に参加したいところね」

ハーマイオニー「時も、って!? でもいいわね、えぇ。私もそうするわ」

ルーナ「ネビルにはヒキガエルを模したタキシードとか似合うと思うもン」

ジニー「くっそーいじる側に回って生き生きとして、悔しい」

ネビル「でね。あいつら、ばあちゃんを捕まえようとしたんだ」

ハニー「……なんですって!?」

ネビル「うん、ばあちゃんさ。親達を大人しくさせるために子供を人質にする奴らだし、ワンパターンに逆のことをしようとするのも道理だよね……だけど、さ」

ロン「……ネビルのばあちゃんって、あの見るからに老年の大魔女っていう、あれだろ?」

ネビル「その通りさ。連中、ばあちゃんをあなどった。一人暮らしの老魔女だ、楽勝だろ、ってね。その結果――ドーリッシュは聖マンゴに入院中。ばあちゃんは逃亡中さ。この間、手紙が届いたよ」

ハニー「無事に、隠れているって?」

ネビル「うん。それに――僕のこと、誇りに思うって。それでこそ二人の息子だ、頑張れ、って」

ハニー「――かっこいいわ、ネビル!」

ネビル「へ、へへ。ありがとう!ヒンヒン!」


ハーマイオニー「……最後鳴くのもあれでいいの、ジニー」

ジニー「散々ハニーの豚街道独走ぶっちぎりだった人に惚れた人がなんか言ってる」

400 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 21:41:22.65 +8b+eKerO 144/159

ネビル「それで、僕を止めようにもどうしようもなくなった連中は、僕を捕まえようとしたんだ。殺そうとしたのか、服従させようとしたのかは分からないけど」

ロン「僕達これから城に戻るんだぜ?それじゃ、こんな面子でどうやって無事に侵入しようってんだ?この通路がどこに通じてるかは知らないけどさ」

ネビル「すぐに分かるよ!ホグワーツではさ、求める者には常に必要なそれが与えられるんだ……去年ジニーと、見つけたんだけどね」

ジニー「そうなの!二人で見つけて、それで、そこで初めて――あー」

ネビル「……あー」

ロン「フレッジョはまだかなあ。こいつ、兄弟総出でマーリンの髭しないといけない気がしてきた」

ネビル「か、勘弁してよ……それじゃ、行こう!ジニーたちが金貨で連絡をくれたときから、城中のDAメンバーソワソワしっぱなしさ。赤い飾りつけしたり」

ハーマイオニー「準備するところが違うわ」

ジニー「フレッジョ達は『ちょいと準備がいるからさ』って言ってたから、夜が明けてから来ると思う。大人のみんなもね」

ハニー「そう……それじゃ、アバーフォースさん」

アバーフォース「……健闘なんて祈らんぞ。君が勝手に出向くことなんだからな」

ハニー「えぇ、それでも。あなたにはお礼を言っても言い尽くせないわ……二度も命を救ってくれて、ありがとう」

アバーフォース「……その命を大切にするんだな。三度は助けられないかもしれない」

ハニー「えぇ、ふふっ、ありがとう。アリアナ、お邪魔するわね?」

肖像画アリアナ『――』

アバーフォース「……頑張れ、だとさ」

ハニー「えぇ、ありがとう……じゃあね!」


キィィッ、バタンッ


アバーフォース「……」

アバーフォース「……アルバスの愛、か」

アバーフォース「……あんなのでも、それがあったと思うかい?アリアナ。アルバスは俺と君のためを思って何かをしていたと、残したと思うかい?」

肖像画アリアナ『――』

コクコクッ

アバーフォース「……そうか。そうだな……なら」


ツカッ、ツカッ、ツカッ

バターーーン!


アバーフォース「……俺はなんとしても、ここを守らねばならん。アルバスの、アリアナのため……俺自身のために」



「ハァーイ、アブ。あーんたさーあ、水臭いよ。家族の名前を今まで教えてくれなかった、なーんてさあ」

「ホッグズ、ヘッド?ホグ、頭?ホグワーツの頭、ってか!アッハハ、アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \!!!中々洒落がきいてんじゃん」

「笑えなくしてやるよ。アバーフォース・ダンブルドア」

アバーフォース「……ベラトリックス」

ベラトリックス「ジャリどもはどこだ? いいや、答えなくて――殺れぇええええええええええええええええええええええええええ!!!!!」


バーーーーーン!!!!
 バーーーーーーン!!!!

バチバチバチバチバチッ……

407 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 21:57:33.10 +8b+eKerO 145/159

必要の部屋

ガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ

ヒンヒーーーーーーン!!
 ヒーーーーン!!ヒンヒーーーーーン!!
ヒンヒンヒーーーーーーーン!!!

ハニー「――出迎えご苦労様、可愛い豚のみんな……えぇ、私は変わらず高貴で可憐で儚げで、伝説的で道徳的で家庭的で模範的だわ?」

ハーマイオニー「こんなにたくさん……ああ、ええ、そうなるのね。ここの生徒達が集まると。懐かしくて嫌だわ」

ロン「おい!落ち着けよ!!今までハニー欠乏症で散々だったのは分かる!でもいきなり仰ぎ見るとぶっ倒れるかもしれないからさ!まずはつま先から徐々に徐々にその存在に感謝しながらゆっくり見て行って最後に涙を流すんだ!ご来光を見たかのようにね!」

ハーマイオニー「あなたが落ち着きなさいまず」

ハニー「ここは、必要の部屋なのね?城でこんなにたくさんの……ハンモックやらバルコニーが壁につけられた部屋、見たことないもの」

ネビル「そうなんだ。僕がもっと強くなるために、って思ってでてきたあの部屋が、今はみんなを守るための部屋になってる。DAメンバーが増えるにつれてどんどん大きくなったし、それに、要望にこたえてくれたんだ」

ロン「みたいだね。滅茶苦茶快適そうじゃないか。僕んちよい凄い」

ジニー「でも、食事だけが足りなかったの。うちならママが用意してくれるけど、それだけはこの部屋、出してくれなかったわ」

ハーマイオニー「そうでしょうね。だって――」

ロン「だってそれって、『ガンプの元素変容の法則』の五つの例外の一つだもんな、あぁ」

ハーマイオニー「そう――え?あなた、覚えてたの?」

ロン「君が言った事を僕が忘れるわけないだろ」

ハーマイオニー「あっ、そう……ふぅん」


ネビル「ねえハニー、あの二人ってようやくひっついたの?」

ハニー「まだよ」

ネビル「なにそれロン死ねばいいのに益々」

そうだそうだーーーー!!!
 ロン死ねーーーーーー!!!
首輪はどうしたーーーーーーー!!!!!!

ロン「首輪?HAHAHA、君達まだそんな形でしかハニーに全てを捧げられないのかい?」

死ねーーーーーーー!!
 ロンは死ねーーーーーーー!!!

ロン「やだねっ!!!!!

408 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 22:13:26.03 +8b+eKerO 146/159

シェーマス「僕達、ここでずっと隠れてるんだ。実際、談話室くらい快適だよここは。女の子が増えたら、綺麗な浴槽も出てきたしね」

??「女の子はみんな、身体は綺麗にしておくべきだものね。ね、ハニー?」

ハニー「そう、ね……ちょ、チョウ!?」

チョウ「えぇ、私!ふふっ!びっくりでしょ」

ハーマイオニー「びっくりすぎて拳握りそうになったわ」

ロン「痛い痛い握ってるもう握ってる君全力で握ってる何故か僕の手ごとなんでどうしてマーリンの髭!」

ルーナ「ジニーと合流して、金貨で元DAのみんなにも連絡をしたんだ。そしたら、卒業した人もみんな集まったんだよ。その時のホッグズ・ヘッド、まるで駅みたいだったもン」

アンジェリーナ「大騒ぎしそうな双子が一番乗りじゃなかったのは意外だったけどね。ねえ?」

アリシア「そうね」

ケイティ「そうよね」

アンジェリーナ「……久々なのにいい連携だねー二人とも」

ハニー「え、えぇっと……ジャスティンは?ジャスティンも、当然……?」

ディーン「そういや、あいつはまだだなあ。最初、君たちについていったのかと思ったよ。でも、無事だって連絡がきたよ」

シェーマス「アーニーとか、何人かのハッフルパフ生もね。きっとあいつらで、何か考えがあるんじゃないかな」

ハニー「……ハッフルパフの、みんな」

チョウ「それより、再会を祝しましょうよ、みんな!せっかくハニーが戻ってきたんだもの!」

ワイワイワイワイ
 ザワザワザワザワ

ハーマイオニー「お生憎、そんな暇ないの!そうでしょ、ハニー?」

ハニー「え? えぇ、そうね……私たち、やらないと」

ネビル「よしきた!僕達、みんなでそれを手伝うよ!なあ、みんな!ヒンヒン!」

ヒンヒンヒーーーン!!
 ザワザワザワザワ

ハニー「あー……あの……気持ちは、ありがたいの。けれど……」

ジニー「何をするの、ハニー!どんな計画!?」

ハニー「計、画……えっと、そうね……石造りの廃屋に隠しておく計画は、駄目になったわ……そう、ね……」

ハーマイオニー「……ハニー、しっかり。あなたはあなたよ」

ハニー「っ、ありがと……」

チョウ「……見せ付けてくれちゃって」

ハーマイオニー「恋愛脳は黙っててもらえる?」

ロン「ハニーバカがなにか言ってるぜ」

ジニー「それここにいるみんなでしょ」

ロン「そうだった」

409 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 22:29:23.48 +8b+eKerO 147/159

ハニー「……手伝わせてあげたいのは山々なの。けれど……」

ロン「……いや、ハニー。手伝ってもらうべきなんじゃないかな」

ハニー「……えっ?」

ハーマイオニー「みんなに戦わせろって言うの、ロン!?」

ロン「違うよ。だって、僕達の一番の目的は例のアレを見つけるってことだろ?忘れちゃいませんか、だ。それだったら、むしろみんなに手伝ってもらった方が早い。僕ら三人だけで思案するよりもね」

ハニー「……」

ハーマイオニー「……それも、そうだわね。何より此処には今、レイブンクロー生も大勢いるんだし……ハニー?」

ハニー「……分かったわ。えーっと、それじゃ、みんな。考えてほしいことがあるの。特に、レイブンクローのみんな?」

チョウ「ハァイ?」

ハニー「良い返事と最高の笑顔をありがとう。あのね、聞いた事があると思うのだけれど……レイブンクローの、失われた髪飾りのこと」

ザワザワザワザワ

パーバティ「パドマ、知ってる?」

パドマ「名前だけ……けど、ハニー。それって、その言葉通り」

マイケル「何百年も前に失われた、ってやつだろ?そこが肝心なんだから」

チョウ「フリットウィック先生がおっしゃるには、レイブンクローと一緒に消えたんですって。みんな探したけど、それでも誰もその手がかりはみつけられなかった、って」

ハニー「ロウェナ・レイブンクローが……ええ、随分大事なものだったんだもの。そう、よね」

ロン「だーれも、見たことないのかい?どんな形なのか、とかさあ」

ルーナ「あたしの家にパパが再現したものなら」

ロン「あぁ、そりゃ、うん、たまに夢見るくらいステキだったよ、ああ」

410 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 22:37:22.63 +8b+eKerO 148/159

チョウ「形だけなら、私たちの談話室にあるレイブンクローの石像がつけているので分かると思うわ?」

ハニー「あー……サラザールがみんなに彫ったっていうそれ……そう、レイブンクローには残ってるの」

チョウ「えっ?」

ハニー「なんでもないわ。こうしましょう。私、その石像を見てくるわ。いい糸口になるかは分からないけれど、少しでもヒントになるなら」

チョウ「え、えぇ。それじゃ、私が案内――」

ハーマイオニー「ルーナ!お願いできる!?」

チョウ「えっ」

ルーナ「うん?」

ジニー「あなたしかいないの!私たちの友達だもの!ね!ルーナ!」

ルーナ「もちろん、いいよ!喜んで!ハニー、あんたと夜におでかけなんてあのパーティみたいだね!」

ハニー「そうね、ルーナ」

ルーナ「ダンブルドア先生とはよく一緒になったけど。夢遊病で」

ハニー「それ聞いたわ聞きたくなかったけど」

チョウ「……」

ハーマイオニー「よろしくね、ルーナ。さあチョウ、座って。みんなでここでハニーたちを待って、その間、じっくり話し合いましょうよ」

ジニー「そうよ目狐」

チョウ「旦那持ちは黙ってなさいよ」

ハニー「仲良く、仲良くね?いい?それじゃ、行ってくるわ」

ヒンヒーーーーン!

ハニー「えぇ、豚の皆も。大人しくしておくの。あぁ、大丈夫よ泣かなくても。またすぐ会えるわ、絶対ね」

ヒンヒンヒーーーーーン!!!

411 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 22:45:01.95 +8b+eKerO 149/159

レイブンクロー寮前

ルーナ「透明マントを被る感覚って面白いね。布というより、水がフワフワ浮いてるみたい」

ハニー「えぇ……思えば私、ここに来たのは初めてだわ」

ルーナ「?寮生じゃなければ、他の寮に行く事がないのは当然じゃない?」

ハニー「……そうね」

ルーナ「ノックするね」


コンコンッ


鷲のドアノッカー『不死鳥と炎は、どちらが先?』


ルーナ「ンンン。どう思う、ハニー?」

ハニー「……えっ?合言葉を答えて終わり、ではないの?」

ルーナ「あら、違うよ。質問に答えないといけないもン。分からなかったら、ほかに分かる人が来てくれるまで待つ。そうやって学ぶものよ。でしょ?」

ハニー「そうなの……でも問題は、私たちにそんな時間がない、ってことだわ」

ルーナ「そっか。それじゃ、えーっと――あたしの考えだと、答えは、円には始まりがない」

ドアノッカー『よく推理しました』


ギィィィィッ


ハニー「……面倒ね、レイブンクロー寮」

ルーナ「あたしからしたら、いつ合言葉を変えたのかも分からないような寮の入り口の方がよっぽど大変だとおもうもン」

412 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 22:55:07.31 +8b+eKerO 150/159

レイブンクロー談話室

ハニー「……誰も、いないわね。みんなまだ休んでいるのかしら」

ルーナ「たまに、朝まで魔法理論の議論をしてるグループがあるけど。あたしが城を出る前くらいから減ってたもン。他のことの集会かと疑われたらたまらないから、って」

ハニー「そう……それで、あれがレイブンクローの石像ね?」

ルーナ「うん。もっと近くで見れば?マントもとって」

ハニー「そうね……」

パサッ

ハニー「私ほどじゃないけれど、美人な人だわ……威嚇的ね、少し」

ルーナ「頭につけてるのが、髪飾りだよ。大理石だけど、だいたいの形は再現されてる」

ハニー「……フラーが結婚式でつけていたのと、そう変わりないわね。何か……文字が、書かれてる?」

ルーナ「うん。『計り知れぬ英知こそ、われらが最大の宝なり』って――」


??「つまり!お前は文無しだね!この能無しめ!!ケタケタケタケタケタ!!!」


ハニー「!? あんたは……アレクト・カロー!?」


アレクト「ベラは本当にこういう時は頼りになる!さあ、我が君!!おいでください!!小娘を捕らえました!!」

スッ

ジュゥゥゥゥッ

ハニー「っ、闇の、印――あぁ――あいつが――洞窟の入り口、で――高笑いを」



ルーナ「『ステューピファイ』」

アレクト「」

バターーーーン!!バサバサッ、ドサッ

ハニー「……」

ルーナ「うん。勝ち誇るならせめて杖とかを奪ってからがよかったんじゃないかな」

ハニー「……あなたって、良い意味で空気読まないわね」

ルーナ「? 良い意味で、っていうのは初めて言われた」

414 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 23:07:08.37 +8b+eKerO 151/159

ガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ

レイブンクロー生「し、しんでるの?」

レイブンクロー生「い、いや、失神してるだけみたいだ」

レイブンクロー生「でも、なんでこんなところで」

レイブンクロー生「知らなよ。でも、良い気味だよな」


ハニー「……カローが倒れる時に大きな音がしたせいで、レイブンクローの皆が降りてきてしまったわね」

ルーナ「透明マントってすごい」

ハニー「えぇ、隠れられているわ。けれど、この人ごみを掻き分けて外に出るのは、難しいわね……少し、待ってから」


ドンドンドンドンッ!!

 ドアノッカー『消失した物質はどこにいく?』

 ??「そんなもの俺が知るか!黙れ!ここをあけろ!!!アレクト、アレクト!俺だ、アミカスだ!」

 アミカス「印が焼けたが、捕まえたのか!?ポッターを捕まえたのか!?」


ザワザワザワザワ
 ポッター? 
  ハニー・ポッター? ヒンヒン


 アミカス「アレクト!捕まえたんだろう!?どうした、早く扉をあけろ!あの方が到着してポッターを捕まえていなかったらどうなるか、分かるだろう!マルフォイ家のようになりたいか!?早く、あけろ!!!」


バーーン!!バーーーン!!

ヒィィィ!
 ザワザワザワザワ

ハニー「みんな、怯えてる……こうなったら扉をあけて、こっちから、吹き飛ばして――」


 ??「カロー先生、何をなさっておいでですか。この宵の口に」


ハニー「!この、声……先生!!!」


 アミカス「あぁ!?見れば分かるだろ、このクソッタレの扉を開けようとしてんだ!」

 ??「それならば、あなたが先ほど緊急の要請だとかで中に入れた妹さんに頼めばよいでしょう。私は、こんな時間に城中を起こすような音を立てて何をしているのですか、とあなたに聞いているのです」

 アミカス「その妹が答えねえんだよ!うるっせえぞ!!マクゴナガル婆ぁ!!!テメェが開けろ!!!」

 マクゴナガル「……えぇ、この扉を開くにはあなたには到底無理でしょうとも、分かりますよ

419 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 23:16:11.79 +8b+eKerO 152/159

 ドアノッカー『消失した物質はどこにいく?』

 マクゴナガル「非存在に。つまり、すべてに」

 ドアノッカー『見事な言い回しですね』

ギィィィッ

アミカス「……ハンッ!そんな簡単な答えでよかったのかよ!もっと難しいもんだとばかり思ってたからよお!」

マクゴナガル「そうですか」

アミカス「それよりだ!アレクト!アレクト……どういうことだこれはぁあ!?あぁ!?!?おいガキども!!!!妹を殺りやがったな!?!?」

マクゴナガル「……死んではいません。どうやら、失神させられているだけのようです。何ともありません」

アミカス「何ともありませんだぁ!?妹はもう『あの人』を呼んじまったんだ!何ともねえわけあるか!!ポッターを捕まえもしてねえのに、ここで無様に伸びてたなんて知られたら!!俺達はどうなる!?!あぁ!?!?

マクゴナガル「ポッターを捕まえた?どういうことです?『ポッターを捕まえた』????」

アミカス「そうよ!ベラの奴が俺達に警戒するよう言ってよこした!『あの方』もポッターはレイブンクローの塔に入るかもしれねえってよ!だから妹はここで待ち構えてたんだ!」

マクゴナガル「ハニー・ポッターが、どうしてレイブンクローの寮に入ろうとするというのです?」

アミカス「それは――」

マクゴナガル「彼女は、ポッターは私の寮生です!!そんな道理がありますか!!!」

アミカス「知らねえよ!いまそういう話してねえよ!!俺達ぁここに繰るかもしれねえと言われただけだ!知らねえよ!!!!」


ハニー「……先生って最高だわ」

ルーナ「うん。なんだか顔の横から髭がツンッって立ってみえるもン。ネコみたいに」

421 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 23:26:59.26 +8b+eKerO 153/159

アミカス「フーッ、フーッ……そうだ、ガキどものせいにしてやる。そうだ、こいつらになすりつけりゃいい」

マクゴナガル「……」

アミカス「アレクトはガキどもに待ち伏せされて、大勢でかかられた。ガキどもは無理やり妹に闇の印を押させて、そんで、失神させたんだ。あの方はガキどもを罰するだろう。なあに、ガキが二、三人減ろうが、たいした違いじゃねえ」

マクゴナガル「……真実と嘘の違い、そして、勇気と臆病の違いに過ぎません」

アミカス「……あ?」

マクゴナガル「あなたにそれが分かるとは思ってはいませんが」

アミカス「なんだ?婆ぁ、何が言いてえ?」

マクゴナガル「何が言いたいか、一つだけはっきり分かるように言ってさしあげましょう。いいですか。あなたたちの無能の数々を、ホグワーツの生徒のせいにはさせません。私が許しません。えぇ、たとえ相手が『例のあの人』でも、私ははっきり、あなたがたのことを話しますとも」

ハニー「……」

アミカス「ハッハ。ミネルバ・マクゴナガルよお。あんたの時代は終わったんだ。今は俺達がここを仕切ってる。俺達を支持しねえなら……あんたにだってすぐにツケを払わせられるんだぜ?あ?カーーーーッ、ペッ!!!!」

ベチャッ!!!

ハニー「」

ルーナ「うわぁ」

マクゴナガル「……下賎な。唾など、吐いたところd」


バサッ!

ハニー「『ウィンガーディアム・レビオーサ』」

フワァァァッ

アミカス「!!ポッター!!テメ……え」

ハニー「……レディの顔に、してはいけないことをしてしまったわね。この豚以下の下衆」

アミカス「あ、う、わ、やめ、レイブンクローの石、像、それ、や、あ、ああああああああ!!」

ハニー「跪いて這い蹲って先生に謝りなさい!!この、豚以下ああああああああああああ!!!」

ゴシャァアアアアアアア!!

424 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 23:38:00.51 +8b+eKerO 154/159

マクゴナガル「ポッター――ポッター!?あなたがここに!?何故、いいえ、あぁ!なんてバカな真似を!」

ハニー「こいつは先生に唾を吐いたわ。許せない」

マクゴナガル「それは、えぇ、気高い行為でした――違います!しかし、わかっているのですか?ここで、あなたがこのような行動をとれば――」

ハニー「えぇ、分かってます。分かってる――どちらにしろ、だわ。先生――ヴォルデモートが、もうまもなくここに来るの」

マクゴナガル「っ」

ルーナ「あら、もうその名前を呼んでもいいの?」

ハニー「同じことよ。あいつはもう私がどこにいるのか分かってる……私のほうもね。湖のアレが失われたことに、気づいたんだわ」

マクゴナガル「ですが、ポッター!あなたはここで、何を……?」

ハニー「やらなければいけないことがあるの。ダンブルドアとの約束を、ここで」

マクゴナガル「……私に出来る事は?ポッター、惜しみなく頼みなさい。私はあなたの寮監です。助ける義務がある。そして私が、そうしたいのです」

ハニー「……ありがとう、先生。けれど……あぁ、そう、ね」

ハニー「先生。少しでも、私たちが探し安くする、ために。お願いできるかしら。今すぐ――」

―――
――

427 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/27 23:59:15.04 +8b+eKerO 155/159

大広間

ガヤガヤガヤガヤガヤガヤ
 ザワザワザワザワ
ガヤガヤガヤガヤ

マクゴナガル「静かに!!生徒のみなさん、静かに!!寮ごとにお並びなさい!」

フリットウィック「レイブンクローのみなさん!私はここですよ!上に浮かせた光の球体!こっちに並ぶ!小さいとか言わない!もっと光らせますよ!!」

スプラウト「ハッフルパフのみんな、さぁさぁ、おねむでしょうけど整列なさい、さぁさ!」

ホラス「あー、スリザリンの諸君!快適な睡眠を邪魔されたのは癪だろうが、並ぶんだ!分かるよ、私もね。さあ!」


バターーン!

スネイプ「……ミネルバ、これは何の騒ぎですかな?」

マクゴナガル「ああ、スネイプ校長。これはこれは……えぇ、生徒の皆を集めているところです。緊急の集会で」

スネイプ「それは分かっている、あなたが放送する声は聞こえた。何のための、と聞いているのだ」

マクゴナガル「あなたの辞任式ですよ、セブルス」

スネイプ「……ほう?それではあなたがたは――我々に従わないことにした、と。今更」

マクゴナガル「えぇ、そうです。これからここで何を始めるつもりなのか、分かっていますよ。セブルス」

スネイプ「何かを始める、と?何のことですかな?我輩は――この城を守り、そして」


「嘘つき!」


スネイプ「……!!」


ザワザワザワザワザワッ!


「あなたは大嘘つきだわ!みんなを騙して、ダンブルドアも騙して!そして……よくのうのうと校長の座にいられるわね!!」

スネイプ「……その反抗的な目をやめろ、ポッター」

ハニー「どこまでだって、反抗してやるわ!!スネイプ!!!!!」

スネイプ「っ、この――」

バチバチッ!!

スネイプ「っ――」

マクゴナガル「――杖を抜くおつもりなら、覚悟なさいセブルス!さあ、構えなさい!」

スネイプ「――」

バチバチバチバチバチッ!!
 バーーーン!バーーーン!!

ホラス「しゃがめーーー!!立つなーーー!!スリザリン生----!!流れ呪文に当たってなんて、スリザリンの恥だぞーー!しゃがめーーーー!ネコの餌になりたくなければーーーーー!!!」

428 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/28 00:14:08.14 3w0XBgGTO 156/159

バッ!!

パリィィィン!!

ザァァァァッ!

マクゴナガル「卑怯者!卑怯者!逃げるな!戦いなさい!!最期の瞬間まで雄雄しく!!卑怯者!!」

ハニー「……逃げてしまったわ。スネイプのやつ……先生、十分よ!」

ワァアアアアアアアアアアア!!!
 せんせーーーーーーーー!!
にゃんこーーーーーーー!!

マクゴナガル「フーッ、フーッ……えぇ、ポッター……生徒のみなさん、いままでよく、耐えました!我々は――リーもいないのにおかしなコールはやめなさい!!!」

ロン「しびれたよな、マクゴナガルの杖さばき!ハニーの存在の次に。やあハニー、さっきぶり」

ハーマイオニー「全員大広間に集めて何をするのかと思ったら……もう!スネイプやカロー以外に大勢の死喰い人がいたらどうするつもりだったの!?」

ハニー「それはないって、分かっていたもの。ね、ホラス?」

ホラス「ほっほ、グレンジャーのお嬢さん。真実薬を煎じるのが得意なのは、何もセブルスだけじゃないのだよ」

ハーマイオニー「あぁ、カロー兄妹に尋問……用意周到でよかったわ、えぇ。もう」

ロン「結果オーライじゃないか。そうだろ?これで僕らは城の中を自由に動けるし、それに、みんなを安全な場所に移動できたんだ」

ハニー「えぇ、そうね。ここなら、きっと――」



『 ―― 城の中ならば 何があろうと 安全 ―― 』

『 ―― そう思っているのだろう ハニー・ポッター そして その愚かな崇拝者たちよ ――』


ハニー「っ、なぁに、これ……また、あいつの感情が」

ロン「……いや、ハニー。これ、僕達にも聞こえてる」

ハーマイオニー「頭に、響くような……これ、あの人の……例のあの人の、声!?」

キャアアアアアアアアアアアア!!!
 ウワアアアアアアアアアアアア!!
ザワザワザワザワ

『 ―― そうだ 恐れよ 慄け ―― 』

『 ―― 俺様から 逃れることなどできん 俺様は 今は 城にいなくとも ――』

『 ―― 今に そこへ向かうぞ ホグズミードは もうしばらくすれば 陥落する ――』

ハニー「……ホグズ、ミード、が……?」

429 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/28 00:24:24.97 3w0XBgGTO 157/159

ホグズミード

バーーーンッ!!!

 バーーーーン!!! バチバチバチバチッ!!

リーマス「っ、はぁ、ハア……誤算だった。あの隠し通路を――ホッグズヘッドを、連中が見破っていようとはね」

キングズリー「それでも、我々は向かわなくてはならない!生徒や、あの城の皆だけで戦わせるわけにはいかない!」

フレッド「おーっと、ここの戦いが全く前哨戦もいいとこだなんて言い草やめようぜ」

ジョージ「俺達にとっちゃ、ちーっとも道草どころじゃないんだけどなあ。やれやれ」

トンクス「それでも、やらなきゃ!ほら、今はまだ、ホッグズ・ヘッドは守られてるよ!ダンブルドアがきっと、守護をかけててくれてたんだ!」

リーマス「そうだね……トンクス、できれば君は、置いてきたかった」

トンクス「馬鹿言わないで、リーマス!」

ギュッ

トンクス「あたし、戦うよ。あの子が笑って暮らせる未来のために。テディの幸せは、今この瞬間に!かかってるんだから!」

リーマス「――あぁ、そうだね。私もあの子の未来を守ろう――あの子の、父親として」

リーマス「さあ、みんな……行こう!」


バーーーン!!バーーーーン!!!

 バチバチバチバチバチッ!!







430 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/28 00:31:16.85 3w0XBgGTO 158/159

『 ―― そうだ ハニー・ポッター』

『 ―― いま正に お前のせいで 無駄な命が失われようとしている』

ハニー「……」

『 ―― それなのに お前は まだ 戦おうというのか?』

ハニー「それは、みんなの意思よ。ここは、ホグワーツなの。誰もが選ぶ権利がある。私、わたしは……できればみんなに、逃げてほしいけれど」

ハニー「このまま、何もせずに!ただみんながあんたがくるのに巻き込まれるだけなんて!そんなの嫌!」

ハニー「先生は約束してくれたわ。生徒のみんなを絶対に守るって。私はそれを信じてる」

ハニー「一緒に戦ってくれる、って、人が……一人でも、一人でもいるのなら」

ハニー「わたしは、信じる。それがわたしの、力なんだから」


『―― 見下げ果てたな ポッター』

『俺様にまだ 敵うと思っているのか』

『俺様は ヴォルデモート卿 死の飛翔』




ヴォルデモート『死の秘宝を手にした 俺様に――貴様ごときが、何ができる?』

ハニー「……何が、死の、秘宝」



ハニー「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!!!」






つづく

431 : ◆GPcj7MxBSM - 2014/07/28 00:33:43.22 3w0XBgGTO 159/159

このスレはここまで!
最終戦は八月の連休に一気に!やってく!
ここまできたら最後までよろしゅう!
スレタイは上の最後のそれで!
じゃあの!

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 一巻~七巻

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続き
ハニー・ポッター「最後(いやはて)の、敵なる死だって……越えてみせる!」


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