ダーズリー家
ハニー「……嫌な夢をみたわ」
ハニー「マグルの老人が、知らない町で、しらない館の中で」
ハニー「……あの、ピーター・ぺティグリューと。それに、会話をしていたのは……」
ダドリー「ブヒィーー!ブヒィーー!」
ハニー「……腹黒豚よね。あなたのような豚にも満たない奴だったわ。私の可愛い豚のダドリー?」
バーノン「何の話だ小娘!!やめろ!!やめろと言うのに!!ダドリーを夏休み中足拭きマットのするのはやめんかああああああ!!」
ペチュニア「ダドちゃん!そんな小娘から投げられたパンを食べたらだめよ!不潔よ!それに、学校の先生に痩せるよう言われたでしょう!?」
ハニー「私の豚に私の許可なく体型を変えさせようだなんて、何様なのかしら。ねぇ、ダドリー?この踏み心地は私を満足させるためにあるんでしょう?」
ダドリー「光栄ですブヒィー!」
ハニー「あら。鳴き方はちゃんと、教えたはずよね?」
ダドリー「ヒンヒン!もちの同胞だ!ヒンヒン、ヒーーーン!」
バーノン「いい加減にせんか小娘!ふん!さっさとクィディなんとかだのなんだのに行ってしまえばええんだお前なんぞ!」
ハニー「えぇ。新天地だろうとどこだろうと、勝つのは高貴で可憐で儚げな私。そうでしょ?」
元スレ
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1358657714/
※関連作品
第一巻『ハリー・ポッターと賢者の石』相当
ハニー・ポッター「私が、魔法使い?」
ハニー・ポッター「賢者の石、ですって?」
ハニー・ポッター「賢者の石は、どうなったのかしら」
第二巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』相当
ハニー・ポッター「秘密の部屋?なぁに、それ」
ハニー・ポッター「スリザリンの継承者?なんなの、それ」
第三巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』相当
ハニー・ポッター「脱獄囚の、シリウス・ブラック?」
ハニー・ポッター「『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」
バーノン「何が勝つ、だ!貴様はただ貴様のへんてこな友人だのなんだのに誘われて観戦にいくだけだろうが!」
ハニー「私の応援を身に受けて、どんなチームも負けるはずがないじゃないの。むしろその時点で優勝させるべきだわ」
ダドリー「ヒンヒン!」
ハニー「えぇ、そうよねダドリー」
ペチュニア「だ、ダドちゃん?お願いだからママにも分かる言葉で喋って頂戴、お願いだから……」
ハニー「私の前に余計な言葉はいらないの。そうよね?」
ボンッ!!!もくもくもく
バーノン「!?!?な、何事……ぬぁああああ!?小娘の世界のおかしな連中が我が家に来るとぬかすから着込んだ一張羅があああああ!」
ペチュニア「だ、暖炉が爆発して灰だらけ……あ、あぁ!ピカピカの床、机……」
ハニー「ロン、私の豚?」
ロン「もちのロンさ、ハニー!ヒンヒン、ヒーーーーーン!」
アーサー「お邪魔しますよ、ミスター・ダーズリー。ミス・ダーズリー……やぁやぁ、なんて良い家だ!コンセントがある!」
フレッド「父さん、とりあえずマグル宅探索は後にしようぜ。ようハニー、久しぶり。なつかしすぎて涙がでるね」
ジョージ「とりあえずハニー、情けなくて涙が出るロニー坊やに下ろした腰を上げてもらって、君の荷物を運ぼう」
ロン「そんなもん僕が運ぶよ!ハニー!僕のハニー!君のためなら僕はトロールでもなんでも耐えられるさ!」
ハニー「そうね、私の愛とか」
ロン「重すぎて涙が出るよ!ヒンヒン!」
フレッド「ぶれねぇなぁ我らが弟豚はさ」
ジョージ「豚二頭を踏んでるハニーもな」
ロン「おい!ハニー以外が僕らを豚って呼ぶなよ!なぁ同胞!」
ダドリー「ヒンヒン(怒)!」
バーノン「だ、ダドリー!そんな連中と話しちゃいかん!やめろ!」
ハニー「私の前には誰であろうと等しく豚よ」
アーサー「いや、いや。お騒がせして申し訳ありませんな……あー、とてもいいお住まいで!」
バーノン「……あぁ、どうも」
フレッド「ホントだよな、父さん。最新マグルのクールなお家はホコリだらけでとってもステキだぜ。おったまげ」
ジョージ「まったくさ。僕らが煙突飛行でクールクル飛んできたあとぶっ壊したあのヘンテコなもんの残骸とかな」
ペチュニア「あ、あぁ、去年買った、最新式の電気ストーブが……」
アーサー「あー、これは失敬。なに、子供達を送った後すぐに直しますよ!あぁ、私のことはご心配なく!『姿くらまし』を使えば暖炉の火がなくとも移動は可能ですのでね」
バーノン「なんだ、貴様、貴様らは暖炉に……道でもある、その」
ハニー「あのおじがしどろもどろだわ」
フレッド「オーケー、パパ。とりあえずその杖はしまったほうがいいんじゃないかな」
ジョージ「僕達だって包丁片手にママが怒鳴ってたらびくついちまうぜ、ほんとにさ」
アーサー「ハニーをこの夏預からせてもらうことをお許しいただいて大変ありがたい。あー、うちの家族はハニーが好きでしてね」
ハニー「そうね、誰もが愛してやまない存在だもの」
ロン「あぁ、だってそれって僕らが生まれた瞬間に感じる当たり前のものだもんな。トランク持ってきたよ、ハニー!ヒンヒン!」
バーノン「ふんっ、ワシらも厄介払いできて精精しておるんだ。その、なんだかわからんスポーツ観戦だのなんだの勝手にしろ」
フレッド「おいおい、このマグルクィディッチを知らないときたぜ」
ジョージ「こりゃ驚いた。でかい図体には脂肪以外つまってないと」
アーサー「こら二人とも、失礼なことを言うな。あれは魔法使いのスポーツだろう。いいかい、マグルじゃロボコンという素晴らしいスポーツがだね……」
バーノン「……それも物凄く一部の人間しかやっとらんが」
アーサー「!?!?そんな!マグルの家には一家に一大家庭用ロボットがいるんじゃ!?」
ハニー「私にはあらゆるところに手足たる豚がいるけれどね」
ロン「手足?何言ってんのさハニー。僕らの全てがハニーの虜だよ!ヒンヒン!」
アーサー「このプラグやコンセントの数は絶対充電のためだと思ったのに……なんのための気電なんだ……」
バーノン「生活のためにきまっとろうが!」
ハニー「あと電気だわ、お父様」
アーサー「おっと、そうだったね。さて、ハニーの荷物も持ってきたことだし、そろそろお暇しようか」
フレッド「見ろよ、ハニーに『お父様』って呼ばれたパパの顔。デッレデレだぜ」
ジョージ「ママが見たら怒るのかはたまた光栄だと思うのかどうなのか、後者か」
ロン「あぁ、ハニーって人が喜ぶことを呼吸をするレベルでいえる素晴らしい存在だよな」
ハニー「知ってるわ。それじゃ、おじさんおばさん、さよなら」
バーノン「……ふんっ」
ペチュニア「……」
アーサー「……? ハニーがさようならと言っていますが、聞こえなかったんですか?」
ハニー「いいのよ、この人たちはこういう豚以下だから」
バーノン「さっきも言ったはずだ。わしらわそいつがいなくなって精精するんだ、とな」
アーサー「この夏、もう姪ごさんい会えないんですよ?それに、ワシら、って」
アーサー「息子さんは、ハニーの荷物に自分を括りつけるくらい別れを惜しんでいるようですが……?」
ダドリー「ヒンヒーン!ヒーン!」
バーノン「何をやっとるんだダドリーーーーーーーー!?!?」
フレッド「みろよジョージ、ボンレスハムだ」
ジョージ「もらってもだーれも嬉しかないな」
ロン「あぁ、道理で重かったわけだ!マーリンの髭!」
『隠れ穴』
グルグルグルグル ストンッ
ハニー「っ、っと……今度は、成功したわね。それはそうよ、私だもの」
フレッド「あぁ、かつて大失敗してロニーのお手手がサヨナラしたことなんて僕らは覚えてないさ」
ジョージ「煙突より一名様ごあんなーい。ようこそハニー、我らウィーズリーのお家へウエルカム」
???「うん?フレッド、ジョージ。帰ったのかい?おや、そっちにいるのは……」
ハニー「? あぁ、ひょっとして」
チャーリー「やぁ、ハニー。調子はどうだい?僕はチャーリー。二番目の兄貴だよ」
フレッド「ほら、グリフィンドールの伝説のシーカーって噂のね。今じゃドラゴンの研究でチャイニーズ・ファイヤーボール種とかを追いかけてるけどさ」
ジョージ「かつてはチャーリー・イズ・ファイヤーボールって言われるくらいの凄腕な選手だったんだらしいぜ?今じゃ火の玉どころか肉ダルマだけどね」
チャーリー「上手くないぞ。ハニー、君もかなりの名手だって聞いてる。あとで飛ぼうじゃないか」
ハニー「えぇ、伝説を越える存在なんて呼ばれなれているけれど、いい機会だわ」
クルクル、ストンッ
ロン「同胞ったらむせび泣いてぜ……あぁ、やっぱりチャーリーとは意気投合してる。飛行バカだもんなぁ、どっちも」
ハニー「ロン?」
ロン「ヒンヒン!なんだいハニー!」
ハニー「煙突飛行粉の入っていない暖炉に突っ込むと、どうなるのかしら」
ロン「ペッペ、ペッ!マーリンの髭!結論は灰でむせる、だねハニー!」
フレッド「普通はその前に焼けどだのなんだのしそうなもんどな」
ジョージ「豚になってからすっかりたくましくなったなぁロニー」
チャーリー「食いっぱぐれたらドラゴンの餌係として雇ってやろう」
ハニー「お生憎ね、私の豚として永久就職内定済みよ」
ロン「ヒンヒン!」
???「おっと、いつからうちには妹が一人増えたのかな」
ハニー「あら……あなたは」
ビル「なんてね。やぁ、ハニー。会えて光栄だよ。ビル、ここの長男だ」
ハニー「へぇ……ハァイ、ビル。こちらこそ。えーっと、首席で監督生だった、って聞いていた印象とは、大分違うようなのだけれど」
フレッド「おっと、君の心中を当ててやろう、ハニー」
ジョージ「てっきりパース路線かと思ってた、だろ?」
ハニー「えぇ、まぁ。なんと言うか……垢抜けてる?髪は赤いけど」
ビル「っはは。ありがとう」
チャーリー「髪伸ばしてピアスなんかつけて、ビル兄ぃはイケイケの銀行員ってわけさ」
ビル「筋骨隆々でやけどだらけよりはまぁ、女の子のウケはいいかもなぁ」
チャーリー「なんだ?」
ビル「やるか?」
フレッド「チャー兄ぃに1クヌート、毎日ドラゴン相手にしてるんだから」
ジョージ「いいや、ビルだな。あのブーツみろよ、ひゅーっ、カックィー」
ハニー「……仲が悪いのかしら?」
ロン「挨拶みたいなもんさ。君が豚を踏んづけるのと同じだよ」
ハニー「なるほどね」
ポンッ
アーサー「いやはやあの縄をとくのには苦労した……フレッド!ジョージ!」
フレッド「え?父さん、いきなり誰だいそれ?」
ジョージ「僕らの名前はグレッドとフォージさ」
アーサー「どっちでもいい!あの難解な結び目を作る縄!お前達があの子に渡したそうじゃぁないか!ハニーのおじさんとおばさんはおかんむりだったんだぞ!」
フレッド「やだなぁ、僕らは彼を手伝っただけだぜ?何で怒るのさ」
ジョージ「奴さん、ほんとについていきたいみたいだったからさぁ」
ロン「同胞の奴、見上げた根性だよな」
ハニー「私の豚だもの、えぇ」
ロン「あぁ、君の下にいれば百人力だよね。文字通り君の下にいる僕なんて百どころかマーリンの髭力さ」
アーサー「そうやって魔法の品を不用意にマグルに渡すから、父さんの仕事がやりにくくなるんだ!まったく、こんなことを母さんに聞かれたら……」
モリー「私に何をおっしゃりたいの?」
アーサー「あっ」
フレッド「あっちゃーー」
ジョージ「こりゃダメだ」
モリー「あらハニー、いらっしゃい。相変わらずリリーそっくりね。ロンとの仲も変わらないみたいで嬉しいわ」
ハニー「ハァイ、お母様。そうね、悠久に続く美しさだもの」
ロン「違いないねハニー!」
モリー「えぇ、それで。アーサー?そこの双子が、何を、あなたの監視下で、やらかしたのかしら?」
アーサー「あー、その、大したことじゃ、だね……」
ビル「ロン、ハニーの荷物を部屋にあげておけよ。話が長くなりそうだから」
ロン「もちの僕さ。さぁハニー!僕の背中に!」
チャーリー「……随分たくましくなったなぁ、ロンのやつ」
ハニー「私の豚だもの、当然よね」
ハニー「あの二人は、相変わらずね」
ロン「あぁ、君の高貴で可憐さと同じくらいね。それに、今年はただの悪戯三昧どころじゃなかったんだ」
ハニー「回りくどいのは嫌いよ」
ロン「ごめんよヒンヒン!連中、オリジナルの悪戯グッズを作って売り出そうとしてたんだよ。『WWW(ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ)』って名前でね」
ハニー「へぇ……すごいじゃない、発明するなんて」
ロン「あぁ。昔っから部屋で変な爆発音がするとは思ってたけどさ。まさかそんな才能があったなんて知らなかったよ」
ハニー「将来はそういう仕事をするのかしら」
ロン「どうだかね。ママに猛反対されたし、試験の結果も良くなくて怒られてたから……仕事と言えばねハニー、パース……わっ!?」
ハニー「将来、ねぇ。私はきっと……あら。ハァイ、パーシー」
ロン「いきなり扉を開けるなよ!マーリンの髭!」
パーシー「あぁ、やぁハニー。君か。ロン、悪かったから騒がないでくれないか。僕は今報告書をしあげなくちゃいけないんだ。階段でドスンドスンするのもやめ……ロン、君ね、人を抱えながらトランクをもつのはいくらなんでも無茶というものだ」
ロン「無茶だって!?そんなもんハニーの前には霞んじまうよ!ヒンヒン!」
ハニー「報告書、っていうのは?」
パーシー「あぁ、僕は今年から。魔法省!の、『国際魔法協力部』!にいてね。そこで、大鍋の厚さを標準化するための報告書なんだ」
ハニー「……大鍋の、厚さ……?」
パーシー「信じられるかいハニー、僕らが魔法薬や料理はたまた護身用に用いたり―アーこれは主に父さんが母さんの呪いからだけど―する生活に欠かせない大鍋が!各国や地域の輸入品によって厚さがバラバラという現状が長年放置されている現状にあるんだ!」
ハニー「……えぇ、っと。由々しき自体ね?」
パーシー「だろう!?考えてもみたまえローブの丈が膝までしかなかったらどうしますか三角帽子が四角だったらどうしますか大鍋っていう生活に密着した物品に関してこれまで魔法省が全く手をつけていなかったのは正直職務怠慢で許されるべきではないと僕は思いますね!」
ハニー「あー」
パーシー「現に昨今の輸入物の大鍋は漏れ率がなんと3パーセント!3パーセントも増加しているんだなんてことだこのままじゃ魔法界は今に大混乱に陥ってしまうよ!!!」
ハニー「そうね、えぇ。お料理の途中に漏れてしまったりしたら、うん」
ロン「ハニーの料理なんて僕の全財産をかけてもいいや。行こう、ハニー。こうなったパーシーは止められないし、誰もいなくっても話続けるよ」
ハニー「仕事が大好きなのね、パーシーって」
ロン「あと上司のクラウチがね。あの熱のいれようは、いつか婚約発表してもおかしくないと思うね、僕ぁ」
パーシー「それにクラウチさんいよるとだねハニー!クラウチさんは!クラウチさん!あぁクラウチさんクラウチさん!!!」
ハニー「……誰だか知らない人の豚になってしまったのね」
ロン「君の豚になってたほうが幸せだったろうになぁ」
ハニー「そういえば、ハーマイオニーはもう来ている、って手紙で書いていたわね?」
ロン「あぁ、ごめんよハニー。パパがどうしてもパパの休みの日じゃないとダメだっていうからこんなに遅くなっちまって!」
ハニー「いいのよ、上出来な迎え方だったわ。そうね、出来る豚にご褒美を忘れてたわ」フーッ
ロン「うひゃぁヒンヒン!耳に息なんて光栄ですヒンヒン!ヒン!」
ハニー「それで、ハーマイオニーはどこにいるのかしら?一階には見当たらなかったけれど」
ロン「あぁ、例によって君は、あー、嫌じゃなきゃ僕の部屋に泊まることになっているんだけどさ」
ハニー「嫌なわけないじゃない。当たり前のことを聞かないの」
ロン「僕もう泣けてくるよハニー、ヒンヒン!君の美しさとかでね!それで、ハーマイオニーももちろんそうするんだ」
ハニー「私の枕があなたで、ハーマイオニーは掛け布団だものね」
ロン「僕寝れるのかな今年。それで、僕の部屋をジニーと一緒に掃除する、って聞かなくってさぁ。キャノンズのポスターを剥がしてたら追い出してやる……っと、着いたよハニー!」
ガチャッ
ジニー「おねぇさまのいいところ!笑顔がステキ!!」
ハーマイオニー「っ、中々良い線をつくじゃない、ジニー!それじゃ……ハニーのいいところ!い、意外に繊細!!」
ロン「……」
ハニー「……」
ジニー「な、なにそれ!おねぇさまはいつでも高貴で可憐で自信満々の素晴らしい人だわ!アウトよ!『おねぇさまの良い所をあげていく勝負』なのに!」
ハーマイオニー「残念だったわね!これは切り札だけど、私とロンにしか見せてない確かなハニーの……あっ、ふ、ふたりとも、いつかrきゃぁ!?」
ハニー「ハァイ、ハーマイオニー。そうね。私のいい所。あげれば星の数できりがないでしょうけれど……私にしか見せないあなたの姿も、とってもとってもステキだと思うわ……?」
ハーマイオニー「あっ、あぁ、また、そうやって出会い頭に押し倒して、あなた、ここロンのベッド、ダメ、そんな、あぁ、私の秘密なんて、あなたにはとっくにアパレシウムされてるじゃない……」
ジニー「つづけて」
ロン「どうぞ」
ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ、な、なにが秘密よ!またあなたはそうやって!そうやって!!」
ハニー「挨拶よ、挨拶。いいじゃない」
ロン「うんうん、眼福だよね」
ジニー「えぇ。だからつづけて」
ハニーの豚「ピーッピピーッ」
ハーマイオニー「ロンの飼い始めた豆フクロウも感化されないの!」
ジニー「あっ、ピッグウィジョン略しておねぇさまの豚ね。ひょっとして、おなかが空いてるのかしら。おいで、ヒンヒン」
ハニーの豚「ピピーィッ」
バタンッ
ハーマイオニー「……今、あの言語で異種間の交流がなされたように見えたのだけど」
ロン「ハニーの前では等しく豚だよ、当たり前だろ。ヒンヒンは世界を繋ぐのさ」
ハニー「ワールドワイドな私の魅力そのものね」
ハーマイオニー「頼むから限界というものを知って」
ハーマイオニー「と、とにかくもう!あぁいうのは禁止よ!」
ハニー「?どういうののことかしら、教えてくれる?ハーマイオニー……?」フーッ
ハーマイオニー「あっ、そんな、ダ……ダメって言ってるでしょう!もう!!」
ハニー「……せっかく会えたのに」
ハーマイオニー「……え?」
ハニー「せっかく、やっと会えたから!わたし、とっても嬉しかったのに!寂しかったから少し、ってなんでダメなの!!!!なん……」
ハーマイオニー「……」
ロン「……」
ハニー「……ニヤニヤしない!!!」
ハーマイオニー「ロン、私、まだまだ修行が足りないみたいだわ」
ロン「まったくだねハーマイオニー。僕は出会い頭に頭を踏んできたハニーのかかとから『会えてとってもとっても嬉しいわ!ロン!わたしの大事なロン!』までばっちり聞こえたよ」
ハーマイオニー「夏休みはどうだったの、ハニー?」
ハニー「えぇ、あっちの豚といつもの通り過ごしたわ」
ロン「高貴で可憐な休日ってわけだねハニー。あっ、トランク開けるかい?手伝うよ」
ハニー「ええ、儚げなね。シリウスが私の後見人だ、って言ったらあのおじとおばも真っ青になって、いつもより快適だったわ」
ハーマイオニー「マグルの世界でもまだ殺人犯だと疑われたままだものね……それで、お便りは届いたの?」
ハニー「えぇ、何度か。少しだけ、ね。そんなに特別でもないもの。まだ返事も、していないけれど……」
ロン「それで、ハニー!このトランクとは別におっきい鞄に入れられたこの羊皮紙の塊はどうしようか!ハニー!一大小説でも書いてるのかい!?」
ハニー「……」
ロン「あれっ、ちがうな。この膨大な量の文字がこめられた紙の方は、ハニーの筆跡じゃないや。僕はハニーの豚だからねよくわかる。それで、ハニーが書いたのは……何度も何度も迷ったように消されて、まだまとまってないみたいで……」
ハニー「ロン、私の豚?」
ロン「なんだいハニー!ヒンヒン!ヒン!」
ハニー「あなたはこれからヤギと呼ぶことにするわ」
ロン「モシャモシャモシャハニーの書きかけの手紙を食べられるなんてヤギ冥利に尽きるよなモシャモシャ」
ハーマイオニー「あなたってもはや人知超えどころじゃないわね……」
ハニー「人知に収まらない私のヤギだものね」
ハーマイオニー「そういうのはいいの。ハニー、シリウスも手紙を待っていると思うわよ?」
ハニー「……家族に手紙なんて、何て書けばいいのか分からないの」
ハーマイオニー「ふふっ。私に送るのと同じようなものでいいのに」
ロン「あぁ、そういや君も大事そうに羊皮紙の束を抱えてたっけね。僕に食べさせてくれないかい?ハニー印ならご馳走中のご馳走さモシャモシャ」
ハニー「あなたに送るような、って、そんなのをシリウスに……冗談じゃないわ!あの、シリウスにはそんな、あー、親しみ、なんて」
ハーマイオニー「……ロン、どうしましょう。私の方からああいう、みだらな真似するのはダメよね」
ハニー「!?」
ロン「いやいや、遠慮なさらず。モシャモシャ。ハニーが底抜けに可愛いのが悪いよ」
ハーマイオニー「そうよね」
ハニー「何の話しをしているの! ヤギ、ちょっと、シリウスの手紙まで食べないの!ちょっと!」
ロン「下の怒鳴り声が収まったね。ママも落ち着いたかな、それともハニーの美しさに世界が固まったのかな」
ハニー「鳥さえさえずりを止めるほどだものね」
ハーマイオニー「あなた何の魔法生物なのよ。またあの双子が何かしたの?」
ロン「ご名答さ。さっ、下に降りようか」
ハニー「そうね。ハーマイオニーは堪能できたし」
ハーマイオニー「こちらこそ」
ロン「まったくだよ」
ハニー「うるさいわ。お母様がお料理するのを手伝いましょう」
ロン「……つまり、ハニーの手料理が食べられるなんて!ああ!僕はなんて幸せ豚なんだ!」
ハーマイオニー「おめでたすぎて羽でも生えそうね、まったくもう」
ロン「そんなもん、ようやくハニーの飛行手段になれて万々歳だよ。さぁハニー!僕の背中に!こんな急勾配でマーリンの髭な階段で君の脚をわずらわせたりしないよ!」
ハニー「出来る豚ね、ロン」
ハーマイオニー「みてなさい、いつか全部の階段が自動で動く魔法を作ってみせるんだから。そうなったらあなたは用済みよ!」
ロン「そうなったら僕はハニーの足拭きマットになるだけじゃないか。もちのロンでね」
モリー「庭で食べることにしましたよ。キッチンにこの人数は入りきらないもの。ハニー、ハーマイオニー。お皿を運んでくれるかしら?ビルとチャーリーが机を外に出してくれたから」
ロン「はいハニー、皿。さぁハニー!その皿を運ぶのは僕に任せてよ!君の一番の豚の僕にね!」
ハニー「えぇ、そうさせてあげるわ。お利口な豚ね」
ロン「ヒンヒン!」
ハーマイオニー「何をマッチポンプしているの……あっ、それ、私の分の皿だわ」
ロン「? 何言ってんのさ、君のも運ぶに決まってんだろ」
ハーマイオニー「あっ、そう……ありがとう」
モリー「はいはい、気遣いできる子になって偉いわロニー。でもね、あなたにはこの大鍋を運ぶ仕事があるの」
ロン「うげっ、そんなのあの大鍋にぞっこんなパーシーにやらせてよ、ママ」
モリー「パーシーを見習いなさい、間違ってもあの二人みたいになってはダメよ?いいわね?まったく、あの双子ときたら……」
ロン「……まずい、二人とも。早く離れよう」
モリー「脳がないってわけじゃないのに、どうしてああいう使い方しか……他の子全部合わせてもあの子たちの起こした厄介ごとの数には到底……まったく!!まったく!!アーサー!あなたが甘やかすから!まったく!!」
ロン「……あー、ママ?その肉、なんの肉なのかな。ねぇ、ママ?ぱ、パパはどこに……マm、うん、ごめんなさい。何も聞かないよ」
庭
バキッ!!! ブンッ!! バキャッ!!
ハニー「何の騒ぎ……きゃっ!?」
ハーマイオニー「!? テーブルが二つ、空中でぶつかって……!?」
ロン「ハニー危ない!!……って、なんだよ!何やってんのさ、ビル!チャーリー!」
ビル「いやぁ、さっきこの生意気な弟に喧嘩を売られたからね。ここで決着、ってわけ、さっ!」
フレッド「いやー、僕らが毎日使ってるテーブルが、ご立派な魔法使い二人にかかれば戦闘人形にはや変わりさ」
ジョージ「いいよなぁ、学校の規則で夏休みに魔法が使えないなんてバカげてる。早く17歳になりたいもんだ」
チャーリー「余所見してていいのかな、っと!」
ジニー「あっ、ビルのテーブルの脚が!あぁ、おうちにぶつかりそう!あぁ、面白いけど、ハラハラして、ダメだわ!」
アーサー「あぁ、まるでロボコンのようで面白いが……ハラハラと言えば、さっき誰か悲鳴をあげたかい?うん?」
ハニー「……クルックシャンクスじゃないかしら」
ハーマイオニー「そうね、ハニ、おほん。庭小人を追いかけてたクルックシャンクスが驚いた声だわ、ええ」
ロン「名前も丁度いいしね、あぁ。パパ、生きてたんだ。良かった」
アーサー「さすがの母さんも父さんを本気で呪い殺したりはしないよ」
フレッジョ「「本気ではね」」
アーサー「やめなさい」
ガタガタッ
パーシー「静かにしてくれないか、兄さんたち!さっきから……うわっ!?」
フレッド「っひゅー!さすが完璧・パーフェクト・パーシー!もってるね君は!」
ジョージ「完璧なタイミングでもげたテーブルの足が顔面にクリーンヒットだ!」
ビル「ごめんよパース。それで、鍋底はどうなったい?」
パーシー「最悪だよ」
ビル「手伝うか?」
パーシー「そんなチャラチャラした人は僕の知ってる頼りになるビル兄さんじゃないから結構です」
ピシャッ!!
ビル「……」
チャーリー「……元気出せよビル兄ぃ、決まってるぜ」
フレッド「あぁ、チャー兄ぃがあげたドラゴン皮のブーツなんて最高さ、大丈夫だよ」
ジョージ「パースは悔しいんだよきっと。ビル兄ぃが大人になってイメチェンしてさ」
ジニー「ビル、ビルはとってもクールだわ。パーシーのいう事なんて気にしないで」
ビル「ありがとうお前達、グスッ、兄ちゃん泣けてきた」
ロン「あんなナリしてるけど、『呪い破り』って仕事は結構破天荒な人が多いから合わせてるだけなんだよ」
ハニー「苦労してるのね」
ハーマイオニー「首席然としてるのはパーシーだけど、どっちがいいのかしら」
ロン「そりゃ、大鍋より女の子にモテるビルが正義に決まってるよ。僕はハニーがいればそれいいけど、もちの僕で」
夕方
アーサー「えー、それじゃあ我が家の最高のお客様二人に!乾杯!」
ロン「ハニー!僕らのハニー!ヒンヒン!」
ジニー「ヒンヒン!」
ハニー「凄いご馳走。ふふっ、可愛い豚さんたち?グラスなんて掲げて、私にぶっかけられたいの?」
ロン「もちの!」
ジニー「末兄だわ!」
ハーマイオニー「はいはい豚兄妹同士いい連携ですこと」
ロン「ハニー以外が僕らを豚って呼ぶのはやめろよ!」
パーシー「ハニー、ハーマイオニー、残りの夏休みゆっくり過ごしてくれたまえ。なるべく静かにね」
ハニー「えぇ、でもちょっと夜には約束しかねるわ。私がじゃなくって、ハーマイオニーの声が、だけれど」
ハーマイオニー「な、ナニそれどういう意味よハニー!?あ、いや、嫌ってわけじゃ、あの」
ロン「やっぱ僕寝れないよねこれ」
パーシー「さぁ、それじゃ僕は報告書に戻らないと……」
フレッド「パース、パース。そりゃないぜパーシー」
ジョージ「折角の家族団欒豚狂乱だぜ?一緒しろよ」
パーシー「明日からワールドカップじゃないか!僕は月曜までには報告書をお出しします、ってクラウチさんに言ったんだ!まぁ、それでもクラウチさんの思っていたより随分早いみたいだけどね。何せ僕はクラウチさんの右腕としてクラウチさんのためにクラウチさん!」
ロン「パーシー、完璧な基準の底をもった大鍋かクラウチ、どっちかしか崖から助けられないとしたらどうする?」
パーシー「クラウチさんを助けた後に大鍋の下に飛び降りてせめて形を損なわないようにする」
ハーマイオニー「ロンと同じ何かを感じるわ」
ハニー「性根にあるみたいね、豚精神が」
パーシー「ともかくクラウチさんは大変なんだ。それもこれも『魔法ゲーム・スポーツ部』のルード・バグマンが……」
アーサー「こらこら、ルードのことをあまり悪く言ってはいけないよ。私達がこれだけの人数のチケットを手に入れられたのも、ルードのおかげなんだ」
パーシー「まぁ、そのくらいの能ですよバグマンなんて。なんで部長にまでなれたのか!どうせ元有名選手だからとかなんとかなんでしょう、全くクラウチさんのようなたたき上げのベテランとは格が違うのにクラウチさんああクラウチさんクラウチさん!」
ハニー「有名選手?」
ロン「ワイムボーン・ワスプスでプレイしてた名ビーターなんだ。イングランド代表にも選ばれたことがあるよ。あぁ、君にはとってもかなわないけどね!ヒンヒン!」
チャーリー「あぁ、奴さんがいた時代は凄かった。まったくイングランドの今年の惨状ときたら」
ハニー「そういえば、明日観るのはワールドカップの決勝なのよね?イングランド、はどうなったの?」
チャーリー「酷いもんだ。トランシルバニアに三九〇対一〇で負けたよ。あぁ、やっぱりクィディッチ選手になるべきだったかな」
フレッド「おやおや、プロの誘いを全部蹴ってスニッチじゃなくドラゴンの尻尾を追いかけたのは誰だっけ」
ジョージ「贅沢な話だよな、チャーリー。今じゃ贅肉がつきすぎてスニッチ一つつかめないだろうけどさぁ」
チャーリー「言っておくけどこれは筋肉だからな、鼻をそれぞれ左右にへし折って見分けやすくしてもいいんだぞ?」
フレッド「怖い怖い。明日のカードはアイルランド対ブルガリアだよ、ハニー」
ジョージ「僕らの目立てじゃブルガリアが絶対勝つんだけど、一口どうだい?」
モリー「ジョージ!賭けなんて許しませんよ!!」
ジョージ「冗談さ、ママ! 冗談は置いとくとして、きっとブルガリアが勝つ、ってのは大マジだよ」
フレッド「なんてったって、ブルガリアにはクラムがいるしな。知ってるかい?ビクトール・クラム」
ハニー「雑誌で、何度か。名シーカーなんですってね。私には敵わないでしょうけれど」
ロン「そりゃそうさハニー!でもきっと奴さん、君の次くらいにすっごいシーカーだぜハニー!ヒンヒン!」
チャーリー「次の次だろうな、僕もいるから。あぁ、確かにクラムは凄いがな、アイルランドにはそれが七人だ」
ロン「だからなんだよチャーリー!クラムは勝つぞ!絶対だ!」
ジニー「ロンったら、おねぇさまの次に彼にお熱なのよ。豚失格よね」
ハニー「全くね。ロン?私の豚?私の豚は私だけを見つめていればいいと思うのだけれど?」
ロン「もちのロンだよハニー!なんだこの雑誌の切り抜き!別名ハニーのヤギたる僕だって食べたくないね!」
ハーマイオニー「肌身離さずだったのね……これが、へぇ。あー、そんなに……熱よあげるような顔には、見えないわ。無骨で、寡黙で、育ちすぎた猛禽類みたい」
ロン「何を!君にクラムの良さは分からないさ!一年かけたってね!!!!!!」
パーシー「――だから、あんまり時間がないんですよ。報告書もそうだけど、ほら。父さんも知っているでしょう?僕らの部署が計画してることを」
アーサー「あぁ、だがねパーシー。何もそんなに急がなくても」
ビル「パース、ほら。やっぱり手伝う……」
パーシー「チャラ男は黙ってください」
ビル「……」
モリー「ほら、パーシーもあぁ言ってるわ。ビル?ウィリアム?ママに髪を切らせて頂戴な」
ビル「母さん、気持ちはありがたいけどやめてください」
モリー「だってあなた、こんな、耳に大きなピアスもつけて。もう、銀行じゃなんと言われてるのやら」
ビル「他の連中もこんなもんだよ。それに小鬼の奴らも、僕らがちゃんとお宝を持ち込めば誰も僕らの服装なんて気にしやしないよ」
パーシー「とにかくですね。ワールドカップの後の。あの。僕らが計画してる、あの極秘の!プロジェクトのことが……」
ハニー「……なんだか、私達の方をチラチラ見ているわ」
ロン「パーシーの奴、夏中あんな風に何のことなのか聞いて欲しそうなのさ」
ハーマイオニー「そのくせ聞いても『僕とクラウチさんの極秘のことだからね!僕とクラウチさんのあぁクラウチさんクラウチさん!』ですものね」
フレッド「大方二人の挙式のことだろうさ」
ジョージ「ご祝儀はドラゴンの鼻くそだな」
チャーリー「任せろ」
夜
ハニー「ふぅ……お母様、ご馳走様。とっても美味しかった。こんなにたくさん食べたのはとっても久しぶりだったわ」
モリー「あら、ありがとうハニー……あちらではそんなに……?」
ハニー「いとこのダイエット計画に巻き込まれて。この私が退屈と体重計に抗うのはいつものことだけれど」
ハーマイオニー「ハニーの恐れる唯一のものだものね」
ロン「一応ね、そういうことになってるよな」
ハニー「ロン?」
ロン「なんだいハニー!」
ハニー「庭小人を追いかけてるクルックシャンクス、一人じゃ可哀想だわ」
ロン「慈悲深いねハニー!ヒンヒン!庭小人どもこの野郎ハニーの名にかけて駆逐してやるヒンヒーーーン!」
モリー「まぁ、率先してお手伝いなんて偉いわね、ロン。さぁ、みんな。今日は早く休みましょう。明日は早いわ」
アーサー「そうだね、未成年の子たちは明け方前には家を出るよ。みんな寝坊しないように」
フレッド「ちぇっ、大人たちは『姿くらまし』で一瞬です、ってやつか」
ジョージ「まったく、僕らも来年には使えるのにさ。フェアじゃないぜ」
ビル「チャーリー、お前も未成年組に入ったほうがいいんじゃないのかい?」
チャーリー「苦手だったのは克服したよ、お世話様。ビルこそ長い髪がバラけちゃ散々だぜ」
アーサー「髪の話はやめよう。それじゃ、みんなおやすみ」
ハニー「えぇ。さて、ハーマイオニー。ロンはどうやら遅くなりそうだから……二人、っきりね?」
ハーマイオニー「えっ、そ、そうなるわね。あっ、なんでそんな強く手引いて、まっ、あぁ、ハニー、そんな、明日早いから我慢しようっていう私の決意を簡単に、レダクト、しないで……」
ジニー「つづけて」
ロン「どうぞ ヒンヒン!」
クルックシャンクス「フシャーッ!」
翌朝
モリー「ハニー、ハーマイオニー、ロンー?起きなさーーい?」
ハニー「スーッ、スーッ」
ハーマイオニー「スーッ……あっ、どこ、さわ、スーッ……」
ロン「うーん、むにゃむにゃ……」
モリー「……ベッドの上に乱れたシーツを被った女の子二人、下のカーペットにロン」
モリー「……」
モリー「仲が良いって、すばらしいことね」
ジニー「ホントよね、ママ」カシャカシャッ、カシャッ
モリー「そのカメラは?」
ジニー「パパにもらったわ」
モリー「そう。アーサーの趣味もたまーには役に立つようね」
フレッド「ようハニー、麗しの君。昨日はあれからよく眠れたかい」
ジョージ「やぁハーマイオニーー、よく聞かなくとも眠れなかったようだね」
ハニー「おはよう二人とも」
ハーマイオニー「えぇ、ほんとに、もう……おはよう」
ロン「マーリンの髭……ふぁーあ。おいジニー、あとで焼き増ししろよな」
ジニー「間近で見れたくせに何言ってるの。うーん……パパ、なんでこんなに早く出ないといけないの?」
アーサー「私達の地区はここから離れた所が集合場所だからね。少々歩かなくてはいけないんだよ」
ハニー「……ここから、歩いていくの?ワールドカップの会場まで?」
アーサー「いや、いや。そういう意味じゃない。マグルの注意をひかないように大勢の魔法使いを移動させるのは大変でね……今日が非番で本当によかった」
フレッド「どうやったんだい、パパ」
ジョージ「それにこのチケットもさ」
アーサー「なに、ルードが芝刈り機のことで少しやんちゃしたときの借りをね……」
モリー「大人の悪どさを見せないでちょうだい、アーサー。そしてそこの双子!ポケットの中身を見せなさい!」
フレッド「個人情報だ!僕ら子供にだって僕らの権利がある!」
ジョージ「母といえどもやっていいことと悪いことがあるよ!」
モリー「えぇそしてこれは母としてやらなくてはならないことよ『アクシオ!出て来い!』」
フレッジョ「「あぁ!僕らの悪戯グッズが!!!」」
ハーマイオニー「あれだけ注文書を取り上げられたのに、まだ諦めてなかったのね……」
ハニー「逞しさは見習うべきよ、ロン?お母様の言う事を聞かないのはダメだけれど」
ロン「ヒンヒン!あぁ、兄貴たちは反面教師ってねハニー!君は人生の救世主だけどね!ヒンヒン!」
フレッド「あんまりだよ!ママ!僕らその『ベロベロ飴』を作るのに六ヶ月もかかったってのに!全部捨てっちまうなんて!」
ジョージ「『ベロベロ飴!』食べた奴の舌を最大1メートルまで伸ばしっちまう悪戯グッズさお値段は要相談!だってのに!」
モリー「宣伝するんじゃありません!六ヶ月、へぇ!そう!O・W・L試験が控えた学期中に、あなたがたはこれを作るのにせいを出していた、そう言うわけ!?」
フレッド「……あぁー、えっと、言葉のあやさ、うん」
ジョージ「ろ、六日だった、かな。もちのロニーでさ」
モリー「そう!試験の点数が悪かったのも、さもありなんということね!!!!」
アーサー「あー、モリー、モリー。おちついて。ほら、そろそろ私達は行かないと……」
モリー「……そうね。みんなをよろしくお願いしますね。ビルたちはお昼にはそっちにやるわ」
モリー「ロン、ジニー、ハニー、ハーマイオニー、楽しんでらっしゃい?そこの双子!お行儀よくするのよ!」
フレッド「……合点承知だよ、母さん。へっ」
ジョージ「借りてきたふくろうみたいにねっ」
丘
ハーマイオニー「和やかな出立、とはいかなかったわね」
ロン「空はハニーに出会えた心みたいに晴れやかで清清しいけどね」
ハニー「曇りないわね、えぇ。二人とも、いつもの調子になりなさいよ」
フレッド「お優しいハニーはほんとお優しいねありがとさん。僕らはいつだって本調子さ」
ジョージ「あぁ、調子乗りまくりの母泣かせな双子だね全く。パパ、どこまで歩くんだい」
アーサー「ストーツヘッド・ヒルのあたりかな。そこに、このあたりの魔法使いに割り当てられた『移動キー<ポートキー>』があるんだ」
ジニー「えっ?ポッターステキ?」
ロン「すんばらしいネーミングだねパパ」
ハニー「私くらいね」
アーサー「うん、そうだね。『移動キー<ポートキー>』だ。父さんの発音の悪さで手間をかけてごめんよ」
ハーマイオニー「悪いのはこっちの子たちの耳と頭だから気にしないで、おじさん」
フレッド「おいハーマイオニー、親父の頭には触れるてやるなよな!」
ジョージ「そうだぞハーマイオニー、好きで禿げてんじゃないんだぞ」
ハーマイオニー「意気消沈した状態に戻されたくなかったら黙って。ウィーズリーおじさんは話しを続けてくださいお願いだから」
アーサー「あー、魔法省が何度も検討を重ねたのさ。十万人っていう規模の魔法使いを収容するための、そもそも施設作りからね」
ロン「十万人かぁ。すっごいや。ハニーの全世界に散りばめられる豚同盟の規模くらいだ」
ハニー「十万?まだ足りないでしょ?」
ロン「そうだねハニー!全人類だったね!」
アーサー「もちろん魔法使いの領域だけじゃそんなものは用意できない。ダイアゴン横丁に十万人も集結したら、パンクどころじゃなくなるからね」
アーサー「仕方なく、人里から離れたマグルが使うキャンプ場に隣接した森を切り開いた。これで施設はオーケー」
アーサー「次の問題は移動手段だ。どうやったって、一度に十万人も動けば目立つに決まってる」
アーサー「そこで、チケットごとに移動日をずらしたんだ。安いチケットしか買えなかった者は席も悪いし、キャンプに二週間も前から行かなくちゃいけない」
アーサー「で、マグルの交通機関を使う殊勝な魔法使いもいるけど、みんながみんなそれを選ぶわけじゃない。絶対にそんなものに乗るか、っていうあのルシウスのような愚か者もい、おっと、話がそれた」
アーサー「『姿あらわし』で移動する者も多い。森の一部が、『姿あらわし』を許可するポイントに使われているんだよ。そこ以外は森全域に『姿あらわし禁止』の結界が張られてる。もちろんマグル避けも」
アーサー「で、マグルの機関も『姿あらわし』も使わない、使えない者は。近くの者は歩いて、遠くの者は箒で飛んで確実に。それ以外の、そして大多数は……あった、あった」
アーサー「この、魔法省が定めた『移動キー<ポートキー>』で、会場までひとっとび、というわけさ」
ハニー「……古びた、長靴……?」
ハーマイオニー「触れていれば指定された条件である地点から別の地点へ魔法使いを移動させる、とっても高度な魔法道具!初めて観たわ!」
アーサー「解説ありがとう。是非に魔法省に来て欲しいね君は。そう、とっても高度な魔法道具だ。これを作るのはおそろしく複雑だし、それに様々な制約がある」
アーサー「一介の魔法使いには作ることさえ禁じられているほどだからね。貴重なものなんだよ。これがイギリスには二百個設置されている」
フレッド「貴重で大層すんばらしいことは分かったけど、さぁ。パパ」
ジョージ「にしてもあんまり、見てくれが伴ってないぜ。長靴ってさ」
ロン「見てくれも中身も高貴で可憐な君とは大違いだね、ハニー!」
ハニー「世の誰もが放っておかないものね、えぇ」
アーサー「そう、そこだよ。あまりに眼を引くものだと、事情を知らないマグルが持ち帰ってしまうだろう。だからわざとなんの変哲も無いものにしているのさ。魔法省も苦労しているんだよ」
フレッド「その証が、さ。我らが偉大な大黒柱のパパ」
ジョージ「朝日を照らすその額ってわけだね!パパ!」
アーサー「……うん。父さんはね、部署違うのに何故かよく他所の仕事を回されるんだ、なんてことだ、私はマグル製品さえいじられればそれでいいのに……」
ジニー「フレッド、ジョージ。ママに言いつけるわよ」
フレッジョ「「ごめんなさい」」
アーサー「さて、時間は十分にある。みんなよく歩いたね。少し休もう」
ハニー「そうね。ロン、ご苦労様」
ロン「ヒンヒン!なんてことないよハニー!君一人なんて重さを感じるどころか僕自身みたいなもんだからね!」
ハーマイオニー「城でも階段ののぼりは大体ハニーを背中に乗せているものねあなた……男の子ってずるいわ」
ロン「ハーマイオニー、その台詞、ホグワーツ中の豚が歯軋りして悔しがるぜ」
ジニー「パパ。これを使うのは私達だけなの?」
アーサー「さぁ、どうだろうね。分かってるだろうけど、我が家の周りにも何人か魔法使いが……おや、エイモス!こっちだ!」
エイモス「アーサー!やぁやぁやぁ、子供たちも一緒か!おいセドリック、おいで!ウィーズリーのみんなだぞ」
フレッド「うげっ」
ジョージ「あいつ」
ハニー「……」
ディゴリー「あー……えぇっと、こんにちわ」
アーサー「セドリック!久しぶりだな、ハンサムになって!みんな、こっちはエイモス・ディゴリーさん。『魔法生物規制管理部』にお勤めだ。息子のセドリックは知ってるね?君たちと同じホグワーツだ」
フレッド「よーく存じてますとも、パパ」
ジョージ「悔しいくらいにね、もちろん」
エイモス「我が家は家内が留守番すると言ってくれたからチケット二枚で済んだが……アーサー、君のとこはまた随分と苦労しただろうな」
アーサー「いやぁ、そうでもないさ」
エイモス「……どいつだ?トワイクロスか?」
アーサー「いやぁ、彼の弱みを握っておけば二番目の息子も『姿現し』試験も落ちずに済んだのn、おっと、何のことかな」
エイモス「まったくこいつめ。それで、全部君の子か?」
アーサー「まさか。赤毛の子だけ……っと、そうじゃなくとも赤毛がいたんだった。こっちの双子はフレッドとジョージ」
フレッド「ジョージです」
ジョージ「フレッドです」
アーサー「意地悪はやめなさい。こっちのノッポはロン、末の子のジニー」
ロン「ヒン」
ジニー「ヒンヒン」
エイモス「???」
アーサー「それで、この子はハーマイオニー。ロンの友達だ。こっちはハニー、やっぱりロンの友達だ」
ロン「飼い主だよ」
ハニー「いい反応ね、ロン」
エイモス「! ほぉー、ほぉーー!こりゃ、ほぉー!言われてみれば!なんとまぁ、そうか!君が!」
ハニー「……こんにちわ」
エイモス「君のことはよーく知ってるよ!まぁ、魔法使いで知らん者の方が少ないだろうがね」
ハニー「えぇ、そうね。天下に名が轟いているもの」
ロン「あぁ、遠き者も君を身に『姿現し』するだろうさ」
エイモス「あぁ、セドがよーく話してくれたさ!君と去年対戦したことも!わたしは息子に言ってやったね、セド!お前は孫子にまで語り継がれる自慢が出来たぞ!とな!そうだとも!」
ハニー「私と出会えた奇跡に?」
ロン「生まれてよかった」
ディゴリー「父さん、その辺で、その」
エイモス「何をかしこまっとる、セド!お前はあのハニー・ポッターに勝ったんだ!そうだろう!?え!?」
ハニー「……」
フレッド「……チッッ」
ジョージ「……クソが」
ディゴリー「父さん、父さん。何度も言ったろう。彼女は、箒から落ちた。事故だったんだ。だから、あれは勝敗じゃなくて……」
エイモス「それで、お前さんは落ちなかった!そうだろうが?え?うちのセドはいつだって謙虚でな、いいところだが困ったとこでもある。胸を張らんか!いつだって最高の者が、乗り手が勝つ!そうだろう!」
ハニー「その理論で言えば、やっぱり私は乗った瞬間勝利が確定なのだけれど」
ロン「違いないねハニー!」
エイモス「ハハハッ!強がりはいい!一人は落ちて、一人は落ちなかった!どっちが天才かなんて、誰でも分かるってもんだ!なっ!セド!」
ディゴリー「だから、父さん。あの……ごめんよ」
アーサー「あー、エイモス。何でかは聞いてくれるな。夜道に気をつけてくれ」
ハーマイオニー「全くだわ」
エイモス「!?」
アーサー「そろそろ時間だ。エイモス、他に誰が来るか、聞いてるね?」
エイモス「いいや。ラブグッド家は先週から行っているし、フォーセット家はチケットが手に入らなかったと聞いている」
ハーマイオニー「ラブグッドやフォーセット、って。あなたの家のご近所さん、ってところ?」
ロン「あぁ、近所って言っても丘一つとか二つくら離れてるけどね」
ハニー「どんな人たちなのかしら。豚にはなれそう?」
ジニー「ヒンヒン!おねぇさまの前じゃ誰だってそうだわ!えっと、ラブグッド家のところの、ルーナは知ってるわ。ちょっと変わってるけど、いい子よ」
ハニー「あぁ、そうね。少しおかしな子、そうなんでしょ?」
ハーマイオニー「……なんで知っているのかしら?」
ロン「ハーマイオニー、顔怖いよママくらい」
ハニー「だって、『忍びの地図』で学校を見るとき。そのルーナって子、いつも一人でおかしなところを歩いているんだもの」
ジニー「『忍びの』……なに?」
ロン「お忍びハにーのピース、つまりハニーの笑顔は最高だよなってことさ」
ジニー「そうね。ヒンヒン」
ロン「うん」
ハーマイオニー「頭がいたくなってきたわ」
アーサー「さぁみんな、この長靴をもって」
フレッド「僕たちの晴れの舞台への道のりがこんなオンボロ靴とはな」
ジョージ「同じ長靴なら、ビル兄ぃのイカしたブーツの方がいいよな」
アーサー「文句を言わない、効果はなんであっても同じだ。さっ、女の子たちも」
ロン「あぁハニー、ごめんよハニー、こんな汚いものを君に触らせるなんて僕は豚失格だ、ちくしょうなんでだって僕は『移動キー』になれないだマーリンの髭!」
ハーマイオニー「一応は人間だから、よ」
ハニー「平気よ。このくらいのもの、道具なしでトイレを掃除することに比べれば……って、豚の誰かが言ってたわ」
ロン「? 同胞かな」
ハーマイオニー「あなたもトイレの水を飲んだことあったし、有り得るわね」
アーサー「時間だ……離すんじゃないよ?ごー、よん、さん、にー、いち……」
グルンッ
グルグルグルグルグル…………
キャンプ場近くの森
フレッジョ「「ぐぇ!いってぇ……なんだよ!まねすんな!あれ?鏡か」」
ジニー「いたた……なんだか空中をグルグル回ったと、思ったら。ここ、森?」
ハーマイオニー「うぅ、『姿あらわし』もこんな感じなのかしら。今からなんだか不安で……ハニー?平気?」
ロン「あぁ、もちのロンでハニーがどこかに倒れそうなときはそれはイコールで僕が着地マットになってるからね!マーリンの髭!」
ハニー「えぇ、ありがと。出来る豚ね、ロン」フーッ
ロン「ヒンヒン!ありがとうございます!ヒンヒン!」
エイモス「ほれみろ、セド!一流の選手はこんな時もスタッと着地するんだ、自信をもて!」
ディゴリー「だから、やめてくれ、父さん。あー、あの、大丈夫かい?」
ハーマイオニー「お世話様、助け起こすのは私がやるわ。さぁハニー、手を……きゃぁ!?なん、なんでそのままの勢いで押し倒して、お礼とかいいから、今は、今は結構、あぁ、そんな、あなたって、どうして私の心の中にそうやって簡単に『姿あらわし』を……!」
バージル「五時ななふーん、ストーツヘッド・ヒルから……つづけて」
ロン「どうぞ」
アーサー「バージル、おはよう。あー、個性的なキルトにポンチョだな」
バージル「おはようアーサー、非番かね羨ましい。これか?マグルの洋裁店で買ったんだ、イカすだろ」
フレッド「そりゃもう、イカしすぎてイカれっちまってるのかと思うね僕ぁ。パパの同僚さんさぁ」
ジョージ「はいよ、俺らのポートキー。ヒジョウシキーな格好のアンタに預けるのは心配だけどさ」
ロン「マグルのキャンプ場だから、精一杯マグルのような服装をこころがけてんだろうな」
ハニー「?それほど、大差あるかしら」
ロン「大半の魔法使いにとっちゃ、そうなんだってさ」
ハーマイオニー「……なんだか、っ、ネグリジェのようなもので、歩いているお爺さんも、見えるんだけど」
ジニー「知らないって罪ね」
バージル「奴さんの休暇も詰みだろうさ、後で連絡しておかないと。アーサー、君のキャンプ場はここから四百メートルほどあっち、最初の門のとこだ。エイモス、君は二番目。まったく、良い休日を。良いついでに黒い森の集団をさばくのを手伝ってくれないかね」
アーサー「ありがとう、バージル。ワールドカップが終わったら何か奢るよ……さぁ、みんなついておいで。テントを建てないと!」
ハニー「……お父様、ワクワクして見えるわ」
ロン「……パパ、一応聞くけど、杖を使って建てるんだよね?」
アーサー「まさか!火も薪と棒で起こすぞぉ!マグル生活を体験するんだ!」
ハーマイオニー「誰かおじさまにチャッカマンをもってきて」
キャンプ場
ロン「ここの管理人、ボーっとしてたねハニー」
ハニー「魔法使いを目撃しすぎて、記憶の削除を受けすぎたんでしょうね」
ハーマイオニー「お役人の人たちって仕事が粗いわね」
ロン「あぁ、その点で言えばあいつの方がキチッとしてたかもな。誰だっけ?ゴホンロックゲホンハート!おっと悪いね。喉の調子が」
ハーマイオニー「喉笛引き裂いてあげましょうか、きっとすっきりするわよ」
アーサー「さぁフレッド!そっちの綱はしっかり張ったね!よーし!さぁジョージ!しっかりその杭を抑えておくんだ!パパが、この、木槌で!!木槌でそいつをしっかり地面に打ち付けるからな!よーし!!」
ジョージ「パパ、頼む、お願いだから興奮状態から冷めて頼むパパ、木槌は舌なめずりしながら構えるもんじゃ、おいフレッド!お前、こんな時ばっかり俺に先に喋らせやがって!」
フレッド「さぁてなんのことやら……あー、でも相棒が棒どころか平面になっちゃぁマズイ。そこの女の子二人?マグル時代の知識をご教授願えるかい?そこの子供みたいな大人に」
ハニー「そうは言っても……私、キャンプなんてしたことないわ」
ハーマイオニー「私も、数える程度しか……えーっと、おじさま。とりあえず布も何も張ってないのにロープだけ打ち付けても全く意味が……」
アーサー「なんだって!?これで陣を組むとあとは寝ているだけでテントが張れる、と聞いたが!」
ハーマイオニー「どう考えても合間に魔法の工程必須だわおじさま落ち着いて、まずはジョージが顔を真っ青にしてる原因の木槌を置いて」
アーサー「完成だ!」
フレッド「あぁ、僕らのあらん限りの悲鳴を糧にね」
ジョージ「もうパパとキャンプなんかこりごりだね」
ジニー「おねぇさまのおかげだわ!あとハーマイオニー!」
ロン「流石だよハニー!あとハーマイオニー!」
ハーマイオニー「ほとんど私が組み立て方解明したのにこの扱い、分かっていたけど」
ハニー「私が見守ることで何事も上手くいく、そういうことよね」
ハーマイオニー「そうでしょうとも」
アーサー「さぁ、とりあえず中に入って荷物を下ろそうか。火をつけるのはそのあとだ!フレッド、ジョージ、お前たちの力に期待してるぞ!」
フレッド「誰だろうね、それ。相棒、検討がつくかい?」
ジョージ「あぁ、俺たちゃグレッドとフォージなのにな」
ジニー「あっ、待って!一番いいベッドは、おねぇさまのものよ!」
ハニー「……四人が、入ったけれど。この大きさのテントじゃ、これで一杯なんじゃ……ベッド?……えっ!?」
ロン「? どうしたのさ、ハニー。さっ、おいでよ!足を拭くのは僕の背中でいいというかウエルカムさ!」
ハーマイオニー「なぁに、ハニー? あぁ、分かっていたけどやっぱりすごいわね、『空間拡張の魔法』って。テントの中がどこかのアパートの一室みたい」
ハニー「……魔法って、すっごい!」
ロン「何言ってんのさ、君の美しさのが驚天動地だよハニー、ヒンヒン!」
キャンプ場
ロン「僕らは水汲み、残りは火おこしか。こっちの方がまだマシかな」
ハーマイオニー「そうね、あれって実際火は起きるまでとっても時間がかかるもの……というか、おじさまは律儀にマグルの安全対策を守っていたけど……」
ガヤガヤワイワイ、ガヤガヤギャーギャー!
パンパンッ!ピーーーーピピーーーー!
ヒューーーッ!ヒューヒューヒューーーッ!ピーチチチチチチチフォイチチチチチッ!
ハニー「……この喧騒の中で守る意味はあるのかしら。どう見ても、何人か魔法火を起こしているように見えるのだけれど」
ロン「パパも正直分かってるだろうさ。火起こししたいだけだろうしね。役人が走り回ってるはずだよな……将来魔法省勤めだけはしたくないね!マーリンの髭!」
ハーマイオニー「立派なお仕事なのよ、もう。あ、ああいう、人を、相手にするのは、大変でしょうけど……っ」
アーチー「わしゃそんなもん着んぞ!これはマグルの店で買ったんじゃ!マグルが着るもんじゃろうが!!」
役人「あぁ、けどなアーチー。そいつはマグルの女性の下着なんだ、頼むからせめてこいつを履いてくれ。頼むって」
アーチー「いやじゃ!わしゃ大事なとこに爽やかな風が通るのがいいんじゃ!ほっとけ!!!」
ロン「……やっぱり絶対、役人なんかにならないぞ!」
ロン「あそこにいるの、僕らと同じくらいの歳の子たちかな」
ベラベラベラ、ペチャクチャペチャクチャ
マクシーム、ベラベラベラベラ
ハニー「あら。隣に私がいるのに、あんな女の子達に目を向けるなんて。偉くなったわね、ロン?私の豚」
ハーマイオニー「全くだわ」
ロン「ヒンヒン!ち、ちがうよハニー!ただ、あの子たちはどこの学校の子なんだろう、っていうのをね!制服だけど、ホグワーツとは全然違うよなぁ」
ハーマイオニー「フランス語、を喋っているように聞こえるわ。あっちの圏の学校でしょうね。学校が見学を主催してるのかしら」
ハニー「ホグワーツ以外の、学校、ね。興味はあるけれど、私がいないのならきっとどこもパッとしないのでしょうね」
ロン「あぁ!君がいるだけでそりゃもうホグワーツはあのトライウィザなんとかトーナメントで優勝もんだろうさ!!!」
役人「!? き、君!?今なんと言った!?なんで知っている!?!?」
ロン「?誰だいあんた。なんのことさ」
役人「あ、あぁ。分からないなら、いいんだ。すまなかったね」
ハーマイオニー「? なんだったのかしら」
ハニー「さぁ……なんだかマグルの銀行員の頭取みたいな、とってもピシっとした格好だったわね」
フレッド「やぁ、遅かったな。こっちは上々だぜ、煙を起こすことに関しちゃ一家言もちだね」
ジョージ「それ以上求めてくれるなよな。僕らはこれでも手の皮が磨り減るくらいやったんだ」
ハーマイオニー「色々と見るものがあったし、人にあったの。あぁ、やっぱり……おじさん、マッチならあるからこれをつかいましょう?ね?」
ロン「ホグワーツのハニーの豚たちにも会ったしね。あと、あのチョウ・チャンもいたっけ」
ハニー「お友達に囲まれて、いたわね」
ロン「ハニー!君だって豚たちに囲まれてるよハニー!ヒンヒン! あんなのが何さ、憧れる気持ちは分かるけどね」
ハニー「……なんの事かしら」
ロン「さぁね!」
アーサー「こ、ここに、この赤い部分を、こするだけで!?ハーマイオニー、君は、その、大丈夫かい?どこか頭でも打ったんじゃ……」
ハーマイオニー「日頃杖先から火を出しておいて何をそんな……ほら、簡単でしょう?」
アーサー「うわっ!す、すごい!ハーマイオニー、君はひょっとして魔女かい!?!?!?」
ハーマイオニー「えぇ、その通りだから落ち着いて頂戴。私の中でおじさまの評価がだだ下がりだわ」
昼すぎ
パーシー「パパ!年長組、ただいま『姿あらわし』ました!」
アーサー「あぁ、丁度良かった。昼ごはんの用意ができたところだよ」
ビル「随分と盛り上がってるなぁ。あっ、ブラジルの魔法使い一団がいる……あの時のペンバルがいたらどうしよう」
チャーリー「学生の頃と随分違うから奴さんも気づかないぜ、きっと……おや、ありゃぁ」
アーサー「どうしたね、チャーリー……おやおや、おや!時の人!ルードじゃないか!!」
ハニー「ルード?……あぁ、確か『魔法ゲーム・スポーツ部』の」
ロン「あぁ、それで元名ビーターのね!ごめんねハニー、昨日は間違ったことを教えてしまってこんな豚は踏んでくださありがとうございます!ヒンヒン!」
ハーマイオニー「……クィディッチ用のローブを着て、もう、役人さんが先だって目立っているわ」
バグマン「よう、よう!我が友アーサー!どうだいこの天気は!え!?俺が現役の時だって決勝でこんなに晴れたこたぁなかったぜ!こんな完璧な日和はまたとないな!俺の出る幕もほとんどなさそうだ!」
役人「あっ!またあっちで魔法花火があがりやがった!」
役人「ちくしょう!どこのどいつだ!ちくしょう!人手が足りねえ!」
役人「俺達部署違うのになんでこんな仕事までしないといけないんだ!ちくしょう!」
アーサー「……」
バグマン「……」
アーサー・バグマン「「HAHAHAHAHA!!」」
フレッド「悪い大人だ」
ジョージ「ああなろう」
ジニー「ママが泣くわ」
パーシー「バグマンさん!初めまして、ご挨拶が遅れて申し訳ありません!」
バグマン「んー?おっと、この子は?」
アーサー「あぁ、そうだ。息子のパーシーで、今年から魔法省勤めでね。そのうちそっちに顔を出すこともあるよ、よくしてやってくれ」
バグマン「お前さんの頼みとあればな!よう、ようパース!部署はどこだ?」
パーシー「はいっ!『国際魔法協力部』でクラウチさんの下で勉強させてもらっていますクラウチさんのクラウチさん!いつかバグマンさんのところでもクラウチさん!」
バグマン「あぁ、バーティの。ハハハッ、元気があるじゃないか!」
ハニー「あれだけバグマンのことをこき下ろしていたのに」
ロン「世渡り上手だよな、パーシーは。あぁでもハニーの豚になってない、人生お先真っ暗だね」
ハーマイオニー「あなたの方が光り輝いているかというと、そうでもないような気がするわ」
アーサー「――で、こっちがロンの友達のハーマイオニーとハニーだ」
バグマン「ハニー!?ほぉー!この子が!」
ハニー「ハァイ、あなたは凄い選手だって聞いたわ」
バグマン「あぁ!そりゃもう、いまじゃこの腹の肉が邪魔でにっちもさっちもいかんがね!ほぉー……オホン!そんで、アーサー!いい試合になりそうなんだが、一口賭けをしないか?え?」
アーサー「あー……」
バグマン「良い倍率を用意できるぜ!ポントナーはブルガリアが先取点だなんて無謀な賭けをした。アイルランドのチェイサー三人は歴代ベストと言ってもいいのにな。よく知らん奴はこれだから」
チャーリー「だとさ、聞いたか双子。バグマンさんもそう言ってるぜ」
フレッド「ふーん、なーるへそ。ためになるよな」
ジョージ「ってことはさ、決まってるよな、パパ」
アーサー「あー、うん。それじゃ、アイルランドの勝利に1ガリオン、でどうだろう?」
バグマン「…1ガリオン?たった?おいおいアーサー、お祭りだぜ!?」
ハーマイオニー「……そもそも役人のこの人が賭けを持ち込むってどうなのかしら」
パーシー「やはりこの部署は緩みきっているなんてことだくそう僕が魔法省大臣になったあかつきにはクラウチさん」
ロン「1ガリオンがたった、だとさ。喧嘩売ってるよな。ハニーの魅力はお金で現せないけどさ」
ハニー「グリンゴッツが破産してしまうわね、えぇ」
バグマン「よしきた、他の子達はどうだ?え?この賭けに乗らない手はないぜ?」
フレッド「それじゃ、僕らが!おいおいパパ、自分もやっちまったのに止める義理はないぜ」
アーサー「うっ……あー、ほどほどにしなさい、うん」
ジョージ「チャーリー兄貴と、バグマンさんのアドバイスを元にして。予想してしんぜよう」
フレッド「まず、間違いなくクラムがスニッチキャッチする。これは譲れないぜ絶対にな!」
ジョージ「で、アイルランドが勝つ。これに三十七ガリオン、十五シックル三クヌートだ!」
フレッド「そう、それにおまけに俺達の力作『だまし杖』だもってけどろぼう!」
ジョージ「ホンモノそっくりで呪文を唱えるとおもちゃに早代わりって代物さ!」
アーサー「こら、こらこら。それは、お前たちの貯金全部じゃないか……それに、そんなつまらないものをルードに見せちゃいけないよ」
バグマン「いや、っはっは!!こいつぁたまげた!よく出来た悪戯グッズだ!それに、なんだって!?え?クラムがスニッチをとるけど、アイルランドが勝つ!?ハッハッハ!いいだろう!お二人には夢のような倍率を用意しようじゃぁないか!ほら、誓約書!アーサー、君にもな!」
フレッジョ「「毎度あり!」」
ハニー「……なんだかあの人に悲惨な未来が見えるわ」
ロン「未来も君の前には跪くよな。あー、あの二人って鼻が利くからなぁ」
ハーマイオニー「そんなに凄いのかしら、クラムって」
ロン「あったりまえだろ。僕、彼と友達になれるならなんだってするよ。なんだってね。ハニーの命令でも地の果てだって飛べるけどさ」
バグマン「君に会えたのはラッキーだった。バーティを見ていないか?ブルガリアの責任者がごねててね。百五十カ国語喋れるバーティならなんとかしてくれるだろ?」
パーシー「クラウチさんですか?クラウチさんは二百は言語を扱えますよ何せクラウチさんですからねクラウチさん!水中人のマーミッシュ語、小鬼のゴブルディグック後、果てはトロールの……」
ロン「豚語もマスターしてないのにでかい口叩いてるぜ」
ジニー「豚以下よね。ヒンヒン」
パーシー「おい、いくら君達でも兄さん怒るぞ」
バグマン「頼りになるなぁ、バーティは。そのついでにバーサ・ジョーキンズも探してくれないものかね」
ハーマイオニー「バーサ・ジョーキンズ?」
アーサー「あー、失踪した役人でね。そうか、彼女はまだ見つかっていないのか……」
パーシー「少しだけ僕らの部署にもいたことがあったそうですが、クラウチさんは彼女を好いていたようですよあぁクラウチさん!バグマンさん、最後にはあなたの部署にいたのですから、なんとか消息だけでもお願いしますよ」
バグマン「そのうちひょっこり現れるさ。それで?バーティが彼女を好いていた、というのはどういう……ぉおっと!噂をすれば、だ!バーティ!こっちこっち!まぁ座れよ!」
パーシー「!!!く、くくくくくらうちゃさん!!!」
フレッド「二つの意味で誰だよ、噛みすぎだろう」
ジョージ「すっかり面白くなったなぁ、パースは」
ハニー「あら?この人……さっきの銀行員みたいな」
クラウチ「ルード、ここにいたのか。すっかり探したぞ……やあ、アーサー。君の子供たちかね」
アーサー「やぁ、バーティ。みんな。バーティミウス・クラウチさん、『国際魔法協力部』の部長で、パーシーの上司だよ」
クラウチ「こんにちわ……パーシー?うん?」
パーシー「く、クラウチさん!ごきげんようございますクラウチさん!よろしければお茶は、お茶をいかがですかクラウチさんあぁクラウチさんクラウチさん!」
クラウチ「うん?あぁ、君は……あー、ありがとう。ウェーザビー君」
フレッド「ブハーーーッ!!!」
ジョージ「噴出すなきたねぇ!」
ビル「……パース、お前」
チャーリー「あんだけ甲斐甲斐しく慕ってるのに、名前さえ……」
パーシー「……す、すぐに準備しますクラウチさん!……」
フレッド「パース、ヘイヘイパース、元気出せよ、俺達の完璧・パーフェクトウェーザ、ゴホン、パーシー」
ジョージ「ほら、これをやるよ。相手に印象付けるならこれで決まり、今のトレンドはハート縁の眼鏡さ!」
アーサー「君もルードを探していたのかい、バーティ。あぁ、お茶をありがとう……パーシー、急にどうした。あー、個性的な眼鏡だね?」
ルード「俺の方も君にブルガリア勢の相手をしてもらおうと……ッハッハッハッハッハ!!君、ユニークだなぁ!気に入ったぜパース!!!」
クラウチ「あぁ、そうするにしても君がいないと話にならないだろう……あぁ、お茶か。ありがとう。それでだな」
フレッド「……スルーしたぞ、マジかよ」
ジョージ「おいおい、あの面鉄仮面か?」
ハニー「パーシーの顔は熱した鉄のようね……貴方は頑張ったわ、パーシー」
パーシー「ありがとう。死にたい」
ジニー「えっと、こ、個性的でステキよ?ね?」
パーシー「……ほんとかい?」
ジニー「えっ。えっと、えぇ。ちょっぴり」
ロン「ジニー、優しさはね、時に人を傷つけるんだぜ。僕達豚はハニーの嘘なら傷つくどころかありがとうだけどさ」
クラウチ「さぁ、すぐにブルガリア首脳陣のテントに行くぞ、ルード。あぁ、アーサー。君のとこにも今にアリ・バシールが襲撃するだろう。空飛ぶ絨毯の輸入禁止について、話したいと言っていた」
アーサー「そのことについては何度も手紙を送っているのに……まったく、あれはれっきとした『マグルの製品』だと何度答えれば……だが、言って分かる連中か?」
クラウチ「無駄だろう。我が国に輸出したくて必死なのだから」
バグマン「いいじゃぁないか、絨毯くらい。どうせ箒のシェアに取って代わることはないだろ?え?」
クラウチ「家族用として市場に入り込むつもりのようだ。実際、それは需要があるだろう。私の家にも祖父の時代に買った十二人乗りの絨毯があるぞ。最も、規制をされる以前のものであって、それ以降は厳重にしまっているがな」
アーサー「分かっているさ、バーティ」
バグマン「君はいつでも正しく公正さ、あぁ」
ハーマイオニー「見た目の通り、キッチリしておいでなのね。私の思っていた魔法省役人!っていうイメージそのものだわ」
ロン「ハニーは僕らの希望を具現化したそのもだよな」
ジニー「天使ね、いいえ、女神ね。おねぇさま美しい。ヒンヒン」
ハーマイオニー「二言めにはそれね、あなたたちって」
ハニー「ほんとのことだもの、仕方ないわね」
アーサー「非番なのに、これだ。君達は忙しすぎて、終わったらホッとするだろうね?どうだい?」
バグマン「何をおっしゃるアーサー!俺はこんなに楽しいことはないってのに!それに!これが終わったら!それこそお楽しみだ!そうだろ?え?」
クラウチ「ルード、それは機密事項だ」
バグマン「いいじゃないか!どうせここにいる子たちの殆どがあと一ヶ月足らずで知ることになるんだ!」
クラウチ「それでもだな……おや?そこにいるのは、さっきあれを口にした……ウェーザビー、ちょっとこっちに」
パーシー「はいクラウチさん!なんでしょうクラウチさんクラウチさん!えっ、か、顔こわ、えっ、いや、あの、この眼鏡はふざけてとかじゃ、あの、はい。いえ、いえいえいえいえ!全然!一言たりともその名前は!いえ!臭わせたりはしましたけd、いや、あの、その……」
ロン「あーあ、パーシーのやつ、怒られてら。何をしたんだろ」
ハーマイオニー「なんだかチラチラとロンの方を見てるわよ?」
ロン「なんだろうね、検討もつかないや」
ハニー「……豚の引き抜き?」
ロン「! やなこった!僕はハニーの一番の豚の地位からテコでも動かないぞ!」
ハーマイオニー「それが名誉職なのは世界広しといえどもあなた達の関係くらいのものだから杞憂はやめなさい」
夜
ロン「キャンプ場全体が興奮状態だね、ハニーの美しい寝顔の写真でも出回ったのかな」
ハニー「それはそれは暴動が起きるでしょうね」
ハーマイオニー「どれだけ罪なのよあなたの寝顔。私とかロンとかさらし者になるじゃない、徹底的に戦うわ」
ロン「ハニーの寝顔は僕らだけのものってね」
ハニー「常に完璧な美しさだものね」
ロン「いや、割と気が抜けてて笑顔でとってもニヤニヤが止まらないんだけどね君の寝顔tt」
ハニー「ロン」
ロン「なんだいハニー!ヒンヒン!」
ハニー「アイルランドサポーターの中で、『クラム最高!!』って叫んだら、どうなるのかしら」
アーサー「開場が近いかな。みんな、揃ってるね?おや、ロン。全身アイルランドのクローバーだらけとは、気合が入っているね」
ロン「あぁ、ゲホッ、パパ。タダで応援道具が手に入れられてマーリンの髭さ」
ハーマイオニー「応援道具?」
ロン「あぁ、ケホッ。テントの中には露天商もいてね。それぞれのチームのグッズとかを売ってるんだ!このためにこの夏はカエルチョコを我慢してお金を溜めたよ!ハニーの笑顔を手に入れるにはまだまだ足りないだろうけど」
ハニー「豚にはプライスレスよ、当然じゃない」
ロン「あぁ、僕ってなんて愚かなんだろう。こんなお金どっかに投げ捨てて、いや、ここいハニー記念碑を建てよう。黄金の」
ハーマイオニー「バカなことを言っていないで。ウィーズリーおじさん?その、お店を見て回る時間はあるの?」
アーサー「あぁ、そうだね。私達のキャンプ場の移動は緑の花火が上がってからだ。その時にテントに戻ってきなさい。ロン、使いすぎは禁物だぞ。フレッド、ジョージ。お前達は今文無しだろう。パパと一緒にこの『オブーン』とやらの解明をしようじゃないか?うん?なんだろうねこれは。熱を発するとか、なんとか。気電か?気電なのかな!!」
フレッド「パパ、頼むから普通にこれを借りたパーキンズって同僚にでも聞いてくれ」
ジョージ「嫌だぜ僕たち、苦労して立てたテントがなくなって星空の下野宿なんてさ」
セールス魔ン「さぁさぁお嬢さんたちよってらっしゃいみてらっしゃい!」
ロン「あーあ、魔法火どころじゃない客引きのオンパレードだ」
ハーマイオニー「魔法省の人たちももう諦めたみたいね。そこかしこでうなだれてるわ」
ハニー「職務を全うできないなんて、出来の悪い豚ね。それで、そうね。このクローバーの帽子をくださるかしら?」
セールス魔ン「はいよ!お嬢さんのようなべっぴんさんに被ってもらえるならこいつも本望でさぁ!お代は……お代、は……」
ハニー「えぇ、高貴で可憐な私に、いくら払わせるのかしら?」
セールス魔ン「いただけません!いえ差し上げさせてください!お願いします!!」
ハニー「そう、じゃあ代わりにヒンヒンお鳴きなさい」
セールス魔ン「ヒンヒン!ヒン!!ヒンヒン!!!」
ハーマイオニー「買い物でその手段は使わないって言ったじゃないの、ハニー!!」
ロン「大丈夫だよ、ハーマイオニー。これ露店だぜ?値切り上等さ。もちのロンで」
ハニー「……わぁ」
ハーマイオニー「……色々なグッズを手にしたハニーが、固まってしまったわ」
ロン「ハニーの前じゃ価格暴落なんのそのだよな。えーっと、これは?」
セールス魔ン「『万眼鏡<オムニオキュラー>』さ!スタジアムの端から橋でも予言者新聞が読めるくらい拡大もできるし、映像をスローにしたりまき戻すこともできる!解説がテロップで流れて、初心者にもお勧め!一個一〇ガリオンの大特価だ!!」
ロン「あー、ちくしょ。クラムの人形なんて買うんじゃなかったなんだこれハニーの前じゃクズじゃないか万物だけど」
ハーマイオニー「それを見つけたときのあなたのはしゃぎっぷりを録画してまき戻して見せてさしあげたいわ」
ハニー「三個、頂戴!あぁ、ちゃんと払ってあげるわ!とってもステキだもの!」
セールス魔ン「まいどあり!」
ロン「は、ハニー!?悪いよ、そんな。そりゃ、僕はもう持ち合わせないけどさ。あの……」
ハニー「いいのっ!ふふっ、私の美しさごとしっかりそれで見ておきなさい?私の豚♪」
ロン「もちの僕さハニー!わぁーお!君って毛穴まで高貴で可憐だねハニー!ヒンヒン!」
ハーマイオニー「試合で使いなさい、せめて。ありがとう、ハニー。あの、大事にするわ!」
ハニー「えぇ、私のあなたたちに対する態度くらいね!だってこれ、とってもステキで……こんな……」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハニー「……ニヤニヤしない、って、何度言えばいいの!?」
ロン「録画したかい、ハーマイオニー」
ハーマイオニー「もちのあなたじゃないの」
競技場
ワーーーーァーーーーーー!!
ワァアアアアアワァアアアアアアアアアアア!!
フレッド「すっげぇよ、パパ!最上階の特等席!ゴールポストの真ん中にある貴賓席だ!」
ジョージ「あぁ!このチケットのために何人の魔法省役人が非番を代わられたんだろう!」
アーサー「それは言わない約束だぞ!さぁさぁみんな、前に座りなさい!さぁ!」
ハニー「本当に、いい席だわ。ここならどっちのチームの動きもはっきり見えるもの」
ロン「やっぱりパパってすげぇや。あぁハニー、貴賓席のシートは柔らかいけど君の席は僕がしっかり守るよ僕の全身をかけてねっ!」
ハーマイオニー「どこまでいってもハニーのマットなのねあなた……まだこのボックス席には誰もいないみたいね」
ハニー「そうね。ここに入れるのは、きっと私のような高貴で可憐な……あら?あそこ……」
屋敷しもべ妖精「……」
ロン「うん?なんだい?あれ?あれって、あそこの済みに腰掛けてる、ちっこいの」
ハーマイオニー「屋敷しもべ妖精……?」
ハニー「まさか……ドビー!?あなたなの!?」
屋敷しもべ妖精「……お嬢様は今、ウィンキーのことをドビーとお呼びになりましたか?」
ハニー「……あぁ、少し違うわね。ごめんなさい、私の豚にそっくりだったものだから」
屋敷しもべ妖精「ですが、お嬢様。ウィンキーもドビーのことをご存知です!貴女様のことも!貴女様は!ハニー・ポッターさま!」
ハニー「そうね、あなたたち種族にも私の存在が知れ渡っているようで嬉しいわ」
ロン「生きとし生けるもの全部君の豚候補だもんな」
ハーマイオニー「今年は無生物に手を広げるのをやめてほしいわ……」
ハニー「確証しかねるわね、私だもの。それで、えーっと、ウィンキー?ドビーと、お友達なの?」
ウィンキー「はい!ハニー・ポッターさま!ドビーにはこのあいだお会いしました!ドビーはいつも貴女様のことをお噂しています!」
ハニー「そう、相変わらず可愛い豚ね。元気にしてる?」
ウィンキー「ええ、えぇ、ですがお嬢様!あなたのなさったことは、ドビーを自由にしたことは、ドビーのためになったかは、ウィンキーめは自信をお持ちになれません!!」
ハニー「……えっ?」
ロン「どういうことさ。ドビーは奴さんをいじめてたフォイフォイんとこから逃れられて良い待遇になったろ?」
ウィンキー「それでございますぼっちゃま!ドビーは、ドビーはなんとまあ!新しい仕事をみつけるにあたって、お給料をいただこうとしているのでございます!!!」
ハーマイオニー「……?それの、何がいけないの?」
ウィンキー「あぁお嬢様!屋敷しもべ妖精にとってはとてもとても、身分不相応な高望みなのでございます!ウィンキーはドビーにおっしゃいました!恥を知りなさい!どこかちゃんとしたおうちに落ち着きなさい、ウィンキーはドビーにそうおっしゃいました!」
ロン「……なんかこいつの喋り方頭が痛くなるや。豚語はいける口かな」
ハーマイオニー「私の頭痛が加速するからやめて頂戴」
ハニー「あなたのは、寝不足でしょう?」
ハーマイオニー「その原因たるあなたが言わないの」
ハーマイオニー「あー、ウィンキー?働くことにお手当てを要求することは当たり前だわ。それに、ドビーは辛い目にあったんだもの。少しくらい楽しんでも……」
ウィンキー「お言葉ですがお嬢様!屋敷しもべ妖精は、楽しんでらっしゃってはいけないのでございます!!」
ハーマイオニー「……えっ?」
ウィンキー「屋敷しもべ妖精は言いつけられたことをするのでございます!あたしは、ハニー・ポッターさま!高いところがお好きではありません!ですが、ご主人様のご命令で!ウィンキーはこちらにいらっしゃったのでございます!」
ロン「命令通りになんだって、か。豚精神溢れるよな。ハニーは豚がいやがることなんて一切命令しないけどさ」
ハニー「……それが、あなたたちなの?」
ウィンキー「その通りにございます!あぁ、なんて高い!ですがご主人様が席をとっておけとおっしゃいなさいましたので、あたしは、め、目を覆ってでも、ここにいらっしゃらねばならいのです!!ひぃっ!!」
ロン「……顔を覆って、縮こまっちまった。あー、なんていうか。へんてこりんだね、ハニー?」
ハニー「ドビーはもっとヘンテコ豚だったわよ。良い意味でね」
ハーマイオニー「……屋敷しもべ妖精が、こんな境遇にあったなんて!」
ロン「なんだい?全員ハニーの豚にしてやるかい?やめときなよ。奴さんたちは奴さんたちで今の現状が幸せなのさ」
ハーマイオニー「プログラムによると、試合に先駆けて各国のマスコットによるセレモニーがある、って」
アーサー「あぁ、それはいつも見ものだよ。今年は両国、何を連れてくるかな」
ハニー「私が呼ばれてないわね」
ロン「そりゃそうさハニー。君が出て行ったらみんな試合どころじゃなくてハニーのワンマンショーをはじめざるをえないからね」
ハーマイオニー「本当にそうなりそうで怖いわ……時間が経って、お客さんもどんどん入ってきたみたい」
アーサー「いよいよだね……おやっ、やぁファッジ!」
パーシー「魔法省大臣っ!!!!ふぁ、ファファファファっジさんこんばんわ良い夕暮れですねこんばんわ!!!!」
ファッジ「やぁアーサー。うわっ!?な、なんだね君は、面白い眼鏡だが……あぁなるほど!アーサーの子供かね!見込みがありそうだ!」
パーシー「こ、光栄!光栄です!!フレッド、ジョージ。帰ったら僕に何でもいいなよ。何だって奢ってあげよう」
フレッジョ「「今、何でもって言ったかい?」」
ファッジ「おや、それにそっちに見えるのは!やぁ、ハニー!会えて嬉しいよ、元気かね?」
ハニー「えぇ、ファッジ大臣。そちらは?」
ファッジ「あぁ、ブルガリアの首相さ。一日中私が案内をしていてね……えぇっと、ハニーぃ、ポッター!ご存知だろう!えっ!?誰だか、ほら、『例のあの人』から生き残った女の子!はぁ、まったく私はここの言葉は苦手でね」
パーシー「大臣!そんなときこそクラウチさんです僕らのクラウチさんならこんなときでもクラウチさん!」
ファッジ「あぁ、そうだな。彼こそ案内役にぴったりだったんだが……しもべ妖精は席をとっているのに彼は見えんか、やれやれ」
ルシウス「優秀なしもべを雇っているのですな、クラウチ氏は。見習いたいものだ。もっとも、ウィーズリー?あなたの家ではそんな余裕もないでしょうがな?」
アーサー「ルシウス……」
ファッジ「やぁルシウス。アーサー、ルシウスは先日聖マンゴ魔法疾患病院に多額の寄付をしてくれてね。私の招待なんだ」
アーサー「それは、それは素晴らしい。裏になにがあろうとも」
ルシウス「何にでも裏が見えるとは、忌むべき職業病ですな、ウィーズリー。その探求眼でマグルの製品をいじくり回す、と」
ファッジ「いやはや、二人が知り合いのようでよかった!」
ロン「……ファッジって物凄い鈍い奴だって聞いてたけどさ。これほどなんてな」
ハーマイオニー「……事なかれ主義なんじゃないかしら。目の前の問題を見過ごす、っていう」
ハニー「憎らしいフォイフォイが父親の影でファッジに見えないようにバカにしてきているけれど、ムシすることにしましょう。ああいうのは相手しないのが一番、そうよね?」
ロン「価値も無いしね。あぁハニー!君は全人類がかまいたくて仕方ないほどの最高級の価値だよ!ヒンヒン!」
バグマン「満員御礼!準備万端!両国大臣、初めてもいいかな?」
ファッジ「あぁ、ルード。君さえよければいつでも」
ブルガリア大臣「」コクコクッ
バグマン「あぁ、それでは……『ソノーラス、響け!』」
バグマン「『レディース・アンドジェントルメン!!!ようこそ!第四百二十二回クィディッチ・ワールドカップ決勝戦に、ようこそ!!』」
ワァアアアアアアアアアアアアア!!!
バグマーーーーーーン!! ビーターーーー!!! ブンブンブンブンブンブン!
ワァアアアアアアアアア!
バグマン「『ワスプス時代の煽りもどうもありがとう!!さぁさぁ前置きはこれくらいにして!まずはブルガリア代表チームのマスコットによるセレモニーです!!!』」
ワァアアアアアアアア!!!
ザワザワガヤガヤ……ザワザワザワザワ
ハニー「なにかしら、あれ……スタジアムに、女性……?」
アーサー「! ヴィーラだ!!!」
ロン「なんだいあれ、なんだ、なんだろうあれ、すっごい綺麗、な……ハッ!おらっ!」バキッ!!
ハーマイオニー「音楽が始まって踊りだしたら、なんだか周りの男の人のようsローーン!?自分を殴って何をしてるの!?!?」
ロン「だいじょぶ、僕はハニーの豚だから。うん。大丈夫、あんな綺麗な集団の虜になんtハッ!おらっ!!!」バキャッ!!!
ハーマイオニー「ロン、ローーーン!?」
ハニー「……一想いに、私からビンタでもしてあげようかしら」
ロン「そんなのご褒美だよハニーあぁあの中に飛び込んじまいたいくら……ハッ、お願いしmっっありがとうございまヒンヒーーーーーン!!」
ハーマイオニー「……男の子って、まったくもう」
ジニー「ビルは髪を解いてキメ顔、チャーリーはボディビルのポーズをとっていたし、パーシーは眼鏡を煌かせていたわね。ほんと、男の子ってこれだから。ねぇおねぇさま?私達のおねぇさま?ヒンヒン」
ハニー「双子はどこから出したのかわからない量の花火をならすし……ロンは血まみれだものね」
アーサー「ろ、ロン、何があったんだ?そんなにか?そんなに鼻血を出すほどか?いつもあんな中に囲まれても一切手をださない見上げた精神力のお前が?」
ロン「触れないでくれよパパ、僕は自分の豚甲斐の無さが憎いんだ」
バグマン「『いやぁすんばらしいダンスでした!男子諸君、今夜はいい夢を見れそうだな!それとも奥さんの鉄拳制裁が先か!何はともあれお次はアイルランドチームのマスコット!!』」
ワァアアアアアアアアアア!!
ヒューーーーッ!!ヒューーーーーツ!!
ハニー「花火?……あっ!火の玉の中に、何人もランタンを持った小人がいるわ!」
ロン「さっすがハニー、万眼鏡を使いこなしてるね早速さ!」
アーサー「レプラコーンだ!」
ハーマイオニー「火の玉同士がぶつかって、クローバーの形に!それで、イタッ、なぁに、何かが降って……これって」
ロン「!!すっごい!僕らの胸に最大限の歓喜を沸き起こらせるハニーほどじゃないけど!金貨だ!金貨が降ってきた!!!」
ワァアアアワァアアアアアア!!
ザワザワザワガヤガヤガヤガヤ ヒャッホーーーーーーーー!!!
ロン「あぁ、僕、もう満足だ。ハニーのビンタはもらえるし、こんなにたっくさん金貨はあるし、もう帰ってもいいくらいだよ」
ハーマイオニー「何一つ得していない人が多すぎるわ」
ロン「なんだよ、君も金貨を拾えばよかったじゃないか。回りも大勢そうしてるのに。うん?なんでみんなじゃないんだろ。高貴な僕のハニーがそんな卑しい真似しないのは当然だけどさ」
ハニー「? 落ちてるお金なんて、ここじゃどこのお回りさんに届ければいいのか分からないじゃない」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハニー「な、なんでニヤニヤするの。やめなさいよ。ちょっと。ちょっと」
バグマン「『さぁさぁさぁ、レディースアンドジェントルメン!改めて、どうぞ拍手を!ブルガリアナショナルチームの入場です!ご紹介しましょう――ディミトロフ!!!』」
ワァアアアアアア!!ウォオオオオオオオ!!
ワァアアアアアアアア!
フレッド「すっげぇや。速過ぎて、姿がぼやけて見える」
ジョージ「あっちの応援もでかすぎて耳が霞むねこりゃ」
バグマン「『イワノバ!――ゾグラフ!――レブスキー!――ボルチャノフ!――ボルコフ!』」
ワァアアアアアアアア!!
バグマン「『そしてぇぇぇぇえええええ!――クラム!!!』」
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
クラム!クラム!クラムクラムクラム!!!!クラム!クラム!クラムクラムクラム!
ロン「見てよハニー!君の次にでチャーリーくらいすっげえシーカー、クラムだ!!!ホンモノのクラムだ!!!」
ハニー「えぇ、しっかり見てるわ……目つきも鋭くて、体格も……それい、あんな飛び方。ほんと、とてもじゃないけど十八歳には見えないわね」
ハーマイオニー「鼻も曲がっているし、眉も濃くって……えーっと、飛び方は凄いけど。みんなそんなに食いつくほどなの?」
ロン「おいおいいい加減にしろよハーマイオニー!クラムは最高さ!もちのロンでね!」
バグマン「『ではみなさん、どうぞ拍手を!――アイルランドナショナルチーム!』」
ワァアアアアアアア!!
バグマン「『ご紹介しましょう!コノリー!――ライアン!――トロイ!――マレット!――モラン!――クィグリー!そしてぇぇぇええええ!――リンチ!!!』」
ワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!
リンチ!リンチ!リンチ
ガンバレー ガンバレー
ハーマイオニー「負けず劣らずの声援ね……リンチになんだか同情的な声援が向けられてるのが気になるけど」
ロン「彼の試合前のインタビュー知らないのかい?『精々がんばります。せめてスニッチを一目は見たい』だよ」
ハニー「自分の立ち位置をよく分かっているのね。豚にするべきかしら」
バグマン「さぁさぁ、さぁ!!それでは両チーム、決戦です!』」
バグマン「『試あぁぁぁぁああああああああい!開始!!!』」
ワァアアアアアアアアアアア!!ワァアアアアアアアアアア!!
キャーーーーーーーー!!キャーーーーーーーーーー!
ヒンヒンヒーーーーーン!
・
・
・
・
・
・
深夜
フレッド「クラム~クラム~!我らが救世主希代のシーカークラム~♪」
ジョージ「おかげで俺たちゃザックザク~♪クラ~ム~愛して~る~♪」
アーサー「あ、あっはは……まさかこの子たちの予想がばっちり当たるなんて」
ハーマイオニー「でも、どうしてクラムはスニッチを獲っちゃったのかしら。自分達のチームが、一五〇点差をつけられているのは分かっていたのに」
ハニー「アイルランドのチェイサーが強すぎて、スニッチを見つけた頃には点差を縮められないって分かってたのよ」
ハーマイオニー「でも、せっかく一五〇点入るのに……」
ジニー「スコア、一六〇対一七〇よ?ゲーム中、一度しか得点できていなかったんだもの、ブルガリアチーム」
ビル「クラムは自分のやり方で終わらせたかったんだろうな。チャーリー様様の言う通りだったわけか」
ハニー「まぁ、私なら一五〇点差つけられる前にスニッチを捕まえて終わらせられたと想うけれど」
チャーリー「同感。ジニー、兄さん言ってたろ?開始十分の時、ピッチの下の方で何か光った、って」
ジニー「やっぱりチャーリーって凄いのね!ビルとどのヴィーラが一番いいか品定めしながら片手間にスニッチ見つけるんだもん」
ハーマイオニー「……伝説のシーカーって」
ハニー「……ふざけた伝説だわ、ほんと」
チャーリー「な、何を言うのさジニー、兄さんはね、そんなことしてなかったよ。むっつりのパーシーの方がハートの眼鏡の向こうでヴィーラをね?」
パーシー「一緒にしないでください」
ロン「伝説と言えば、ハニーのクィディッチ観戦で見せる最高の笑顔を万眼鏡で見ちゃった向こう側のスタンドの奴らが豚になったのは……伝説だろなぁ」
ハーマイオニー「……試合が終わっても騒動が続いたのはそのせいもあるわよね」
ハニー「私はいつだって渦中の人、そういうことよね。もってきた量の首輪で足りるかしら……」
ロン「君はいつでも用意周到だねハニー!ヒンヒン!」
ヒンヒン、ヒーン!
ザワザワザワザワ
ガヤガヤガヤヒン
フレッド「アイルランドサポーターの連中、まだまだ騒ぎたりないみたいだな」
ジョージ「あと豚どももな。こりゃ今夜は徹夜で祝勝会決定だな僕らの奢りで」
ザワザワガヤガヤ
キャーー! キャーーー!
バーーーン!!!
アーサー「っ……サポーターじゃない!みんな、荷物をまとめて!いいや、杖と、上着だけ羽織って!さぁ早く!!」
ドタバタドタドタ キャーーーー!!
ボンッ!!バターン!!!
ハニー「……お父様、何事なの!?」
アーサー「いいことではないのは確かだ。さぁ、みんな早く!……あぁ、なんて人だ」
ドヤドヤドヤドヤ
キャーーーー!キャーーーー!
アーサー「何が起きたんだ……あれ、あれは……っ!」
ビル「……向こうの方から、閃光でテントを焼いてる集団が近づいてくる」
チャーリー「……連中の上に浮かべられているのは、あれは、キャンプ場の門番をしていたマグルの家族か?」
パーシー「……酔っているのか?喚き散らして、狂ったように笑って……顔がない。いいや、あれは、仮面、ですね。父さん、あれって……」
アーサー「考えるのは後だ。ビル、チャーリー、パーシー。魔法省を助太刀する、いいね?」
ビル「休暇中くらい、呪いの類とは離れてたかったけどね。でもまぁ、いい運動だ。そうだろ、チャーリー」
チャーリー「あぁ、あんな火の魔法、ドラゴンの息吹に比べれば屁でもないさ。パーシー、兄さんたちの後ろに隠れててもいいぜ?」
パーシー「冗談は嫌いだよ。僕だって戦える、僕はあらゆる不正を正すために魔法省に入ったんだ!あんな連中、見逃してたまるか!」
アーサー「よし。フレッド、ジョージ。ジニーを任せたよ。ロン、女の子たちをしっかり守れ。森に逃げるんだ。いいかい、絶対に一人になるんじゃない!片がついたら迎えに行く!走れ!」
森の奥
ハニー「フレッドたちと離れてしまったわね……ジニーをしっかり守ってくれてるかしら」
ロン「君は僕の背中とかが全力で支えるよハニー!ヒンヒン!ハーマイオニーも、手ぇ離すなよな!」
ハーマイオニー「え、えぇ」
ハニー「ふふっ、出来る豚ねロン……っ、あなた」
ドラコ「あぁ、精々そのぼさぼさ頭を低くして隠れているんだね、グレンジャー。とっ掴まって下着をめくられたいならご自由に?散々笑ってあげるよ」
ロン「なんだ、君か。靴底に張り付いた汚らしいチューインガムか何かかと思った、あぁ、そんなもんか」
ハニー「えぇ、そうね。私達の人生において係わり合いにならなくて十分な存在ね」
ハーマイオニー「どうせ私がマグル生まれだからあの集団の標的になるとでも言いたいのでしょう、放っておきましょ、えぇ」
ドラコ「失礼だな君たちは! ふんっ、忠告してやってるのさ。ほら、さっさと尻尾を巻いて逃げろよ、ポッター」
ハニー「逃げる?冗談はやめなさいこのフォイフォイ」
ドラコ「黙るフォイ!ウィーズリー、コソコソイタチにはお似合いの体たらくだな。君のパパが逃げろと言ったのかい?お優しい役人さんはマグルの連中を助けるつもりなのかなぁ?」
ロン「そっちこそ親父殿はあの仮面の集団にいるんだろ、まったく趣味が分かりやすいよな闇の陣営(笑)ってのはさ!」
ドラコ「うるさい! たとえそうだとしても、君達に教える義理はないねっ!」
ハーマイオニー「さぁ、もう行きましょう。三人を探さないと」
ハニー「……混乱の中だし、呪いのひとつでもかけて……あら?」
ロン「そりゃいいや、でもそういうのは僕に任せてよハニー!あいつに今度こそナメクジ……どうしたんだい?」
ハニー「えっ。あっ、あれ?いやだわ、私……わたし、杖、なくしちゃった、みたい」
ハーマイオニー「最後に見たのはいつ!?」
ハニー「どうだった、かしら……えぇっと、観客席に座った時には確かに。万眼鏡を取り出した時に、触ったもの」
ロン「テントに置き忘れたのかもしれないよ。ハニー、大丈夫。事がすんだら取りに戻ろうよ」
ハニー「えぇ……テントが、無事ならね。あぁ、こんな状況で杖がないなんて…………不安なんかじゃないわ。落ちつかない、それだけよ!!」
ロン「あぁそうだろうねハニー!しっかり僕の背中にお掴まりよハニー!ヒンヒン!」
ハーマイオニー「いざとなったらどうせロンは手を振れないんだからハニーがロンの杖を使えばいいんじゃ……きゃっ!?」
ウィンキー「悪い魔法使いがいます!ウィンキーはお退きになるのです!!早く!」
ロン「わっ、こいつか。なんだろ、何かに引っ張られてるみたいな、変な動きしてるね。なんで普通に歩けないんだろ」
ハニー「逃げていい、って主人に許可を貰ってないんでしょうね、きっと」
ロン「なるほどね。僕もハニーに許可を貰わなかったら雨が降っても金貨が振っても仁王立ちし続けるもんな」
ハーマイオニー「……なんて不当な扱いを受けてるのかしら!あの子、クラウチさんの屋敷に勤めているんでしょう!?高いところが苦手なのにあんなところに行かせたり、危ないのに満足に逃げることもできなかったり!あんまりだわ!」
ロン「あー、そうだね。クラウチ、結局観戦には来なかったもんな。何がしたかったんだろ……あー、落ち着きなよハーマイオニー。そういう難しい問題はパースんでも頼む」
ハーマイオニー「ロン!あなたのように腐敗した体制をなぁなぁで済まそうとする魔法使いがいるから……!」
バーーーーン!!
キャァアアアアアアアアアア!
ハニー「……とにかく、進みましょう」
森の奥 空き地
ハニー「……喧騒も遠くなったわね。ここで、待ちましょう」
ロン「そうだね。どっか向こうの方から逃げてくる人の声もするし、とりあえず騒ぎからは逃れられた。さぁハニー、君を地べたになんて座らせないよもちのロンでね!」
ハーマイオニー「自然に土の上だろうと寝そべるのねあなた……ねぇ、あっちから歩いてくるのって」
ハニー「? あら……バグマンさん?」
バグマン「あー、誰だ?こんなところでポツンと、何をしてんだ?え?こりゃなんの騒ぎだね……」
ロン「あー、えっと。暴動のようなものが起きてるんです。キャンプ場で」
ハーマイオニー「なんだか随分とくたびれておいでだけど、終わってから飲みすぎでもしたのかしら……」
バグマン「な、なんだって!?なんて奴らだ!顔面にブラッジャーをブチ当ててやる!!!」
ハニー「……行ってしまったわ。分かっていたけれど、なんだか少しズレている人だわ、バグマンって」
ロン「違いないね。でも、ビーターとしての腕前は本当に凄かったんだよ。あの人がチームにいたとき、ウイムボーン・ワスプスが連続三回もリーグ優勝したんだ……キャノンズなんか……やめよう。あぁハニー!君の方が腕前は異次元レベルだけどね!」
ハーマイオニー「二つの意味で地に足をつけていてほしいわ」
ハーマイオニー「……すっかり、静かだわ」
ロン「もう騒ぎは収まったのかな。じきにパパが迎えにくるよハニー、眠いねハニー船を漕ぐのは僕に任せてほしいとこだけど」
ハニー「……っ!眠い?なん、のこと、かしら。私は常に完璧、だから。そんなとこ、あなたたちの、前で。わた……眠くない!」
ハーマイオニー「クィディッチで興奮したりこのことがあったりで疲れたのよね、分かってるわハニー」
ロン「寝つきのいいハニーもステキだよもちの僕で」
ハニー「私子供じゃないわ!やめなさい!もう!……おじさま、あのフォイ父を捕まえられたかしら」
ロン「だといいんだけどね。あの数だろ?それに、マグルを人質にしていたし……」
ハーマイオニー「……」
ロン「平気さ、ハーマイオニー。魔法省の役人が山ほどいたんだぜ?少なくともマグルを助ける方法を見つけるよ。ハート眼鏡のウェーザビーとかが」
ハーマイオニー「そう、よね。でも、本当に何を考えているのかしら。この場であんなことをしたら、ただではすまないと分かっているじゃない?ただ単に、飲みすぎて……」
ザクッ……ザクッ……ザクッ……ザクッ
ハニー「! 誰か、来たわ」
ロン「……?音はする、けど、姿がどこにも……おーい、誰かいるのか!?フレッド?ジョージ?ジニー!?」
???「……」
???「『モースモードル!』」
キャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
ウワァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
ハニー「なぁに、あれ。森が切れた空に……またレプラコーン?それにしては趣味が悪いわね。髑髏に、その口から……蛇?蛇は可愛いけれど……きゃぁ!?」
ロン「ハニー、しっかり掴まって!ハーマイオニー、悪いけど全速力だ!ここから離れよう!」
ハーマイオニー「もちのあなたよ!ハニー、さぁ!」
ハニー「ちょ、っと。待って!急に、何?それに、この悲鳴とか、そうよ、今のは私のじゃ……」
ハーマイオニー「ハニー!あれは、『闇の印』なの!!『例のあの人』の印よ!!」
ハニー「! 黒豚の!?」
ハーマイオニー「緊張感の欠片もないけど、そう!その豚よ!」
ロン「ハニーはいつだってハニー然としてるから高貴で可憐で儚げなのさ!ヒンヒン!さぁ、逃げ……う、わ」
ハーマイオニー「!? 魔法使いが、空き地を取り囲むみたいに、『姿あらわし』……か、囲まれてるわ!」
ハニー「伏せて!!!」
「「「「「「「「「「『ステューピファイ!麻痺せよ!!』」」」」」」」」」」
アーサー「!?ま、待て!待ってくれ!そこにいるのは私の息子だ!待ってくれみんな!!」
ハニー「お父様……?なにが、どういう」
アーサー「ロン、ハニー、ハーマイオニー!無事か、良かった。あぁ、良かった。怪我はないか?今の失神呪文にあたった子は?平気か?」
クラウチ「どけ、アーサー。君に免じて呪文は使っていないが、そこの三人に容赦はしない」
アーサー「バーティ、何を……!」
クラウチ「誰がやった?おまえたちの中の誰が『闇の印』を打ち上げたのだ?」
ハニー「私達じゃないわ!私、あれが何なのかさえさっきまで知らなかったんだから!」
クラウチ「とぼけたことを言うな!おまえたちは犯罪の現場にいた!!」
魔女「バーティ、バーティ。やめましょう、ほら、落ち着いて。まだほんの子供じゃないの。ね?」
アーサー「あぁ、それに。バーティ、杖をつきつけている相手をよく見てごらん。いやしくもハニー・ポッターが。『闇の印』を作り出そうなんて道理があると思うかね」
クラウチ「…………ならば、あの印は誰が。どこからか、それは分かるか」
ハーマイオニー「あっちの、木立の方、でした。姿は見えなかったけれど、声が確かに……」
エイモス「そりゃ良かった。私の放った失神呪文は確かにあのあたりに飛んだはず。どれ……おいおい、これは。なんとまぁ、どういうことだ……?」
クラウチ「! 犯人がいたのか、エイモス!連れて来い!全部吐かせてやる、どんな手段を使っても……」
エイモス「あぁ、バーティ……だが、呪文は一つもいらんだろうさ。お前さんの命令なら洗いざらい吐くはずだからな、こいつは……この、しもべは君のとこのだろう?」
ハニー「……ウィン、キー?」
ウィンキー「……」
エイモス「驚いたことに、このしもべは杖までもっていた。バーティ?君のとこのは、しもべに杖を持たせてるのか?」
クラウチ「そんなこと、は。何の間違いがあろうと、この私が!そんなまねは……なんだ、これは。この杖は、どこから……」
ロン「あれ? ハニー、あの杖ってさ」
ハニー「えぇ、やっぱりそうよね……その杖、私の物だわ」
エイモス「!? 何を言ってる!?あれだけ否定していたのに自白しているのか!?自分があれを作り出してそこに投げ捨てたと……」
アーサー「エイモス!」
エイモス「あっ、あぁ、すまん。すまんかった。ハニー、そうだな。セドの敗北者の君は、うん。こんなことはせん、分かりきっているのに」
ハニー「……分かってもらえたのはいいけれどその不名誉極まりない肩書きはやめていただけるかしら」
ロン「豚全員でセドリックの奴をボコにしちまえば汚名返上かな?」
ハーマイオニー「上乗せでしょうよ」
アーサー「つまり、何かね……まさか貴賓席でハニーのポケットから杖を盗み、そいつで、あれを……?」
エイモス「さぁ、それはすぐに分かるだろう……『プライオア・インカンタート、直前呪文』」
ハニー「? 杖から、あの腹黒豚の印のミニチュアが出てきたわ」
エイモス「こいつはその杖がどんな魔法を使ったか確かめることが出来る。さて、バーティ。あー、このしもべは目下をもって現行犯となるわけだが……」
クラウチ「……話しをする。『エネルベート、活きよ!』」
ウィンキー「……ハッ!?ここは、ウィンキーはどちらにいらっしゃるので……ひぃっ!旦那様!あぁ、魔法省の役人様!?それに、あちらに……闇の……あぁ、あぁ、ウィンキーは、ウィンキーは……」
クラウチ「ウィンキー。我が家に恥を着せぬよう答えろ、いいな」
ウィンキー「あぁ、旦那様。もちろん、もちろんにございます旦那様。ウィンキーはいつだってそうなさってきました!旦那様、あぁ……」
クラウチ「あの『闇の印』を作ったのも、ハニー・ポッターから杖を盗んだのも。すべて お 前 が、 独 断 で やったことだな?」
ウィンキー「あ……あぁ……その通り、に、ございます。旦那様。あぁ……ウィンキーが、なさいました」
・
・
・
・
・
・
ハーマイオニー「あんなの、絶対おかしいわ!!!」
アーサー「……あぁ、ハーマイオニー。私もそう思う。だがね、屋敷しもべ妖精はクラウチに仕えているから、その扱いは彼の決定次第で……」
ハーマイオニー「だって!私達が聴いた呪文を唱える声は絶対にウィンキーみたいな甲高い声じゃなかったんですもの!ねぇ、ハニー!?ロン!」
ハニー「……そうね。もっと野太い、でも少し掠れた声だったわ」
ロン「よく覚えてないや。ハニーの鈴を転がしたような耳に優しい声に夢中だったから」
ハーマイオニー「それなのにあの人たち、最初から決め付けて!それに、ウィンキーのことを『しもべ!』ですって!なんてことなの!あんな疑いだらけの容疑で、ウィンキーをクビにするなんて!!」
アーサー「あぁ、確かに魔法使いの中には屋敷しもべ妖精に横柄な者が多い。でもね、ハーマイオニー。今は彼らの権利について話し合う時じゃない。さぁ、テントに戻ろう。幸い私達のところは無事だった。ビルたちが頑張ってくれたからね」
「アーサー、アーサー!あっちで何があったの!?」
「もしや、『例の』……!?」
アーサー「あー、違うよ。『あの人』ではなかった。みんな、早く休むといい。それで、あー、この子を見てごらん」
「うん?うわ!なんて美少女だ!」
「額に傷!!まさか!!」
ハニー「……ハァイ、ハニー・ポッターよ。この私を前にして、あの黒豚を恐れる道理があるかしら」
「うぉおおおおおおおおお!!ハニー・ポッター!!!」
「俺達には生き残った女の子がついてるぞぉおおおおおおお!!うおおおおおおおお!!」
ハニー「えぇ、漏れなく救ってあげる。だからヒンヒン鳴くことね」
「「「「「ヒンヒン、ヒーーーーーン!!」」」」」
ハーマイオニー「……おじさま、ハニーをだしに使うのは、あまり」
アーサー「ごめんよ……このままだと今度は魔法省相手に被害者たちが暴動をおこしかねなかったから……」
ロン「さっすがハニー!僕らの希望さ僕のハニー!ヒンヒン!」
テント
ビル「『闇の印』の真下に君達がいたなんてなぁ」
フレッド「まったくハニー、君はいつだって騒ぎの真ん中にいるよな」
ジョージ「むしろ君自身が騒ぎそのものだったりするよな、ほんとに」
ハニー「ハプニングさえ私の虜よね、えぇ。困ったことに」
ジニー「あぁ、おねぇさまが無事でよかった。ヒンヒン?」
ロン「ヒン、ヒンヒン」
ハーマイオニー「情報交換は皆に分かる言語でして頂戴」
パーシー「あの印が出現してから、連中はすぐに『姿くらまし』してしまってね。捕まえられなかったんだ」
ハニー「? 私以外の普通の魔法使いがあれを怖がるのは当然でしょうけれど、どうして?あー、あの人たちはあの黒豚の支持者だったんでしょう?」
アーサー「死喰い人<デス・イーター>さ、うん。そうだね、あの印は十三年間一度も現れなかった。『例のあの人』が再び現れたも同然さ……」
ビル「アズカバン逃れをした残党どもは、親分が現れたらバカ騒ぎしている自分達を咎めるとでも思ったんだろう」
アーサー「あぁ、そうだろうね。そうでないかもしれない、が、何度も私の方に呪詛を放ったきたあの仮面の主だけは誰だか分かる気がするよ」
ロン「フォイフォイ言ってた?」
アーサー「あぁ、語尾どころか節々にね」
パーシー「それにしても、お可哀想なクラウチさんあぁクラウチさん。不出来なしもべ妖精で迷惑をこうむるなんて……」
ハーマイオニー「何度も言うわ!ウィンキーは悪くないの!間の悪い時の間の悪い所に居合わせただけよ!」
パーシー「あ、あー、ハーマイオニー?君は僕くらい賢明だと思っていたのですけどね。いいかい、クラウチさんが解雇を決定したということはそれはつまりあの公正で品性溢れるクラウチさんの類稀な思考・判断力でクラウチさんしたからクラウチさんなんだ!」
ハーマイオニー「ハートの形でおめでたいのは眼鏡だけじゃないようね!!!」
ロン「ハーマイオニーがパーシーとぶつかるのは珍しいよな。君はいつだって賛美と賞賛を投げかけられてるけど」
ハニー「馬があっていたものね、私の次に」
チャーリー「あのバカをしていた連中が『死喰い人』だったとして、でも、印を作ったのも『死喰い人』じゃないとおかしい。そうだよね、パパ」
アーサー「あぁ。今はそうでなくとも、一度でも『死喰い人』だった者でなければあれは作り出せない。だからこそ私もバーティの決定には少し疑問が残るが……疑わしきは罰せず、という言葉が通じる人じゃないのさ、彼は何せ……まぁいい。この話はやめにしよう」
ハーマイオニー「大いに続けるべきだわ!みんな、おかしいと思わない!?例えばの話、ロンが濡れ衣でハニーの豚を解雇されたとするでしょ!?」
ロン「そんなもん僕はその瞬間にこの世から『姿くらまし』てるよ、どうも」
深夜
ハニー「……」
ロン「キャノンズが二千とんで三十二失点キャノンズが……寝れないかいハニー?」
ハーマイオニー「ウィンキーのことを思ってあげてるのよね、えぇ、ハニーは優しいもの」
ハニー「……それも、あるけれど。あのね。あの印は……黒豚のものなんでしょう?」
ロン「あー、うん。あの時代、『あの人』の一派がその、酷い事をしたあとは空にあれを打ち上げてたらしいよ」
ハーマイオニー「誰もが恐れる印、って話だわ……ハニー、大丈夫よ。今はここには、あっ、ろ、ロンがいるからそういうのは、その、なるべく控えてもらえたら……」
ロン「いやいや気にせず、どうぞ」
ハニー「ううん、そうじゃ、ないの……ハーマイオニーは後でちょっと外に散歩しに行きましょう。あのね?」
ハニー「……私、三日前。夢をみたの。とっても……そうね、おかしな、ヘンテコな夢」
ハニー「その夢で飛び起きた時……今と同じで。傷跡がとっても痛んでいたわ。焼けるみたいに、何かを知らせるみたいに」
ロン「……それって」
ハーマイオニー「……ハニー、まさか」
ハニー「……」
ハニー「私があの黒豚の夢をみたのと、今日、ここにあいつの印が現れたこと。何か関係が……あるの、かしら」
翌日 『隠れ穴』
モリー「あぁ、あなた!ビル、チャーリー、パー……素敵な眼鏡ねパーシー?ロン、ジニー!ハニーにハーマイオニー!無事でよかったわ!あぁ、あぁそれにお前達、フレッド、ジョージ!!」
フレッド「やぁママお久しぶり少し痩せたkぐぇ!?な、なんだよママ!僕達抱き締め殺されるような悪戯はまだしていないぜ!」
ジョージ「お久しい事だねママ少し太ったkいて!?な、なんだよママ!僕達とってもいい子にしてたぜ本当さもちのロニーで!」
モリー「あぁ、あなたたちに何かあったら!母さんがあなたたちに言った最後の言葉が『OWL試験の点が低かった』だったなんてなんて可哀想なことをしてしまったんだろうって思ったら……!あぁ、フレッド!ジョージ!愛してるわ!」
フレッド「分かった、分かったからママ、母さん、おふくろ、頼むからひとまず落ち着いて離しておくれよな。どうどう」
ジョージ「オーケー分かった分かりまくったおっかさん、悪戯小僧の僕らが形無しだから泣き止んでおくれよ、よしよし」
ロン「顔真っ赤だぜ、二人とも」
フレッジョ「「あぁロニー、お前の顔も血塗られればいいのにな」」
キッチン
アーサー「思ったとおり、新聞は酷い書き方をされているね……」
パーシー「『魔法省のヘマ――警備の甘さは招いた不始末――』『犯人をとりのがす――闇の魔法使い、やりたい放題――』『戦いの最中にふざけた眼鏡をかけた役人――』誰のことだ!なんだその不謹慎な奴は!」
ロン「はっきり書いてやりゃ良かったのにな、ハート縁って」
アーサー「『国家的恥辱――責任者全員の辞職を求める』まったく、書いているのは誰だ?あぁ、やっぱり……リータ・スキーターか」
パーシー「あの女、何か魔法省に恨みでもあるのか!この間も散々クラウチさんに噛み付いて時間を無駄にさせたんだ!バンパイアの撲滅だなんてそのことについては『非魔法使い半ヒト族の取り扱いに関するガイドライン』第十二項にはっきりと書いてある、とクラウチさんがおっしゃられたのにクラウチさんをわずらわせるなんてクラウチさん!」
ビル「パース、頼むから」
チャーリー「黙れよ。部屋に戻ったジニーが起きっちまうだろ」
ロン「クラウチのこととなるとほんとパースはアレだな。ハニーのことになると僕はいつでもまいっちまうけどねハニー!ヒンヒン!」
ハニー「ええ、狂わせられて光栄に思いなさい」
ハーマイオニー「あなたに合わせられた常識の数々が泣いてるわ」
ハニー「ヒンヒンって?」
ハーマイオニー「その啼くじゃなくって」
アーサー「あぁ、どうやら私のことも書かれているようだ」
モリー「まぁ、ほんとう!?それを見つけていたらもっと安心できていたのに……」
アーサー「いや、名前は出ていないがね。『闇の印が出現した後森から現れたある魔法省役人は、血走った眼で「けが人は誰もいなかった、あの人ではなかった」と主張した。このことだけで後に負傷者が森から秘密裏に運び出されたという噂を否定できるのか甚だ疑問である』……それは、こんな書き方をすればそんな噂も起きるだろうね」
ロンの部屋
ハーマイオニー「おじさまとパーシーは職場に、他のみんなもおばさまにはやし立てられて寝室に戻ることになったわね」
ロン「実際僕ら全然寝ていないもんな。いや、僕の場合は今後も眠れるか分からないけど……」
ハニー「……」
ロン「ハニー?物憂げな表情もうっとりするくらいステキだね。いつもだけどね」
ハニー「えぇ、知ってるわ……私の夢のこと、おじさまに話した方がよかったのかしら」
ハーマイオニー「いいえ、余計に混乱するだけだと思うわ。でも、そうね。何か呪いと傷跡を着けた相手の因果関係があるのかもしれない……ねぇロン、呪いに関して詳しい本とか持っていないの!?」
ロン「ここをどこだと思ってんだい?僕の部屋、つまりハニーの城だぜ?『マッドなマグル マーチン・ミグズの冒険』より難しい本は置いちゃいないよ。マーリンの髭」
ハーマイオニー「漫画じゃないの!いいわ、パーシーの部屋にでも行って七年生の時の教科書が置いていないか……あぁ」
ロン「奴さんの部屋はムリだよ、あぁ。部屋中書きかけの報告書やらなんやらで、少しでも動かしたら君だろうと大目玉だろうさ。ハニーなら何したってオールオーケーだろうけど」
ハーマイオニー「そうなると……ねぇ、ハニー。ダンブルドア校長先生に相談してみたらどうかしら」
ハニー「あの腹黒豚はきっと今それどころじゃないわ。ファッジに泣きつかれているでしょうし」
ロン「違いないね」
ハニー「……他に、誰か。『闇の魔術』に対抗できる、詳しい知識を持った誰か……
ハーマイオニー「……」
ロン「……」
ハニー「……そうね。仕方ないわ。とっても億劫だけれど、ええ。ここは……シリウスに。手紙を書いて……みようかしら!」
ロン「いいんじゃないかなハニー、その赤くなった頬とかね」
ハーマイオニー「万眼鏡万々歳だわ」
ハニー「録画しないの!!!ロン!ありったけの羊皮紙もってきなさい!!!」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハニー「……親愛なる、シリウ……いきなり、親愛なんて変よね。えぇっと……」
ハニー「こんにちわ、シリウス……あぁ、でも、受け取るのが朝で、変な子だって思われたら……」
ハニー「ハァイ、シリ……ダメよ!ダメ、なんでそんなにくだけるの、えぇっと」
ハニー「ご機嫌よう、シリウスおじさん。暑さもまだまだ厳しいけれど、相変わらず、その、ハン、ハン……」
ハニー「っ!!」
ビリビリッ!!
ハーマイオニー「ロン、次の紙よ」
ロン「はいよ!さぁハニー!どんどんつづけて!大丈夫!いくらでもあるし僕らは見守ってるよハニー!特に口出しせずにね!もちのロンさ!」
ハニー「……もういや!なんで手紙もヒンヒンで片付けられないの!?」
ハーマイオニー「そもそもシリウスはその意味さえ知らないと思うわ」
夏休み最終日
ハニー「お母様。今日も私に手紙は来ていないかしら」
モリー「あらおはよう、ハニー。そうね。まだどこからも」
ハニー「……そう」
モリー「ふふっ、ハニー?どこかにいい人でもいるの?ロンが憤死してしまいそうねぇ」
ハニー「そういうのではないわ。私に関することだけれど、それだけ!」
ロン「結局あれからハニーったら、文面を書くのに数週間かかっちまったもんな」
ハーマイオニー「学期が始まるまでに返事がほしかったわね……毎朝白豚を待ちわびるハニー」
ロン「豚冥利に尽きるだろうさ。あっ、パパ!なんだか凄く久しぶり!お帰り!」
アーサー「あぁ、ロン……最近毎日仕事詰めでね。君達が学校に行く日だけはなんとか休みをもぎとったよ」
モリー「アーサー、お疲れ様。じゃあ、これで一段落といったところ?」
アーサー「いいや、いや。それどころか、まだまだこれからさ。ようやくワールドカップの騒動に関するネタが尽きたと思ったら……リータ・スキーターめ。バーサ・ジョーキンズの失踪事件を嗅ぎ当ててしまった」
ハニー「あぁ、あの最後はバグマンのとこで働いていた、っていう」
アーサー「あぁ、ルードはなんだか萎んで見えるよ。忙しい以上に何か心配事があるみたいでね。今度いい飯でも食べにいこう……三人とも、宿題は終わったかい?」
ハニー「えぇ」
ハーマイオニー「もちの」
ロン「ママ、おかわり!」
モリー「……ロナルド?」
ロン「あ、あっはは。冗談、ほんの冗談だよ、ママ。あとほーんの、ほんのちょこっとだけなんだよほんとだよ、もちの、あの、彼で」
ロン「えぇっと、なんだっけ?小鬼の反乱?そんなどうでもいいことを予習してなんになるってんだ……マーリンの髭」
ハーマイオニー「ヒト以外の魔法生物が権利を主張した重要な事件じゃない!私の監視の下しっかり終わらせてもらうわよ、おばさまにも頼まれたことだもの」
ハニー「どうせ外には出られそうにないもの、丁度いいわ」
チャーリー「折角今年みんなが集まれる最後に日なのに雨なんて、ついてない。ハニー、もう一度くらい君と飛んでおきたかったんだけどね」
ハニー「えぇ、そうね。負けはしないけれど、勝ててもいないもの。絶対にまた勝負するんだから」
ビル「チャーリーの飛行バカについていけるのは初めてみたよ。ポーン、前へ」
パーシー「……そんなバカな。チャラ男になった兄さんに負けるなて、僕の眼鏡とクラウチさんが許さないぞ……くぅ」
ビル「パース、君は頭が固すぎる。まぁ、最終日に仕事を休んだ心意義は認めてやるがね」
パーシー「クラウチさんが僕にお休みをくれたんだ!僕がワールドカップからこっち頑張りすぎている、ってね!クラウチさんに休めといわれたら僕は全力で休みますよクラウチさんだからねクラウチさん」
ビル「いや僕ぁビルだけど」
フレッド「休みすぎてそのままお眠りにでもなればいいのにな、パース」
ジョージ「そうそう、そうすりゃ幾分静かになるだろうぜウェーザビー」
モリー「……そこの二人はさっきから済みで何をしているのかしら?」
フレッド「宿題さ、ママ!ロニーと同じくね」
ジョージ「僕らもちょびっとだけ残しててね」
モリー「まさかあなたたち、また悪戯グッズのしょうもない発注書だったりしたら!!」
フレッド「ねぇママ、例えばの話だけど。明日のホグワーツ特急が衝突事故を起こしっちまうとするだろ?」
ジョージ「ママから僕らへの最期の言葉がいわれの無い中傷だったとしたら、ママはどんな気持ちがする?」
モリー「屁理屈を言わないの!もう……ふふっ」
夜
ロン「なんとか終わった……ハーマイオニーありがとう。君は最高さ。ハニーもありがとう。君は女神だね」
ハーマイオニー「どういたしまして。これに懲りたら宿題は前もって終わらせることね。私としたことがチェックを怠ったわ」
ハニー「そうね、高貴で可憐ね……さて、荷造りをしましょうか。この部屋ともお別れね」
ロン「あぁハニー!この夏中君に使ってもらえてこの空間も歓喜に満ち溢れていたことだろうさハニー!君がいない部屋なんて空っぽどころか抜け殻以下の真っ白だろうけど!」
ハーマイオニー「あなたは明日からハニー抜きの寝室ですけどね」
ロン「なんで僕は女の子じゃないんだちくしょうマーリンの髭!!髭!!」
コンコンッ、ガチャッ
モリー「制服を持ってきましたよ。私が買ってきた学用品に漏れがないか、もう一度確認しておいて頂戴ね?」
ハニー「えぇ、お母様。使いのようなまねをさせてしまって本当にごめんなさい」
モリー「あらいいのよ、優しい子ね。主婦はお買い物が生きがいだもの。それで、ロン?あなたが女の子だったらこのローブが無駄になってしまうからよして頂戴」
ロン「ローブ?なんのことさ……うわっ!?な、なんだよママ、この栗色のビロード……それに悪趣味なレースのフリル!?なんでジニーの服を僕に寄越すのさ!」
モリー「いいえ、それはあなたのよ。ダンス・ローブが今年の必需品の一つなんです!」
ロン「はぁー!?だ、だからって、なんでこんなもん!うわぁ、テシーおばさんみたいな臭いがするぅ、うわぁ」
モリー「し、仕方ないでしょう。あなたのは古着やさんで見つけるしかなかったんですもの……女の子二人?二人には最新のカタログを入れて置いたから、そこから選んで頂戴ね。クリスマスまでに用意すればいいそうですから」
ロン「あんまりだ!でもハニーのドレスローブか!うん!ありだな!もちの僕で!」
ハーマイオニー「ドレスローブ……何に使うのかしら。それは、ダンスでしょうけど、何か新しい催しものでも……きゃぁ!?」
ハニー「私だけのために、ベッドっていう舞台の上なんて、どうかしら」
ハーマイオニー「んなっ、なに言って、あっ、だから、荷造りから先に、ちょっと、あぁ、あぁ、ハニー、あぁ、私の心が、あなたの中にパックされてしまうなんて……」
モリー「つづけて」
ロン「どうぞ。ヒンヒン!ダンスとやらが楽しみだね!!!」
朝
ドタバタドタバタ
エイモス「そういうわけで、アーサー!すぐに現場に行ってほしい!マッド-アイめ、ようやく新しい仕事に就くことが決まったのに一日目から何をしとるんだか!」
アーサー「あぁ、また『闇の魔法使いの連中が我が家に押し入ってきたから撃退してやっただけだ!』とか言い出すのだろう……分かった。私も彼に牢獄へ入ってもらってはとても困る。アズカバンの囚人が謎の変死を遂げそうだし」
エイモス「違いない。モリー、騒がせて悪かったね」
モリー「いいえ、いいのよエイモス。トーストはいかが?」
エイモス「あぁ、お願いしようかな。その灰かき棒に突き刺してくれ。ありがとう」
ハニー「……魔法使いのお家じゃ、朝から暖炉の火の中に人の生首が浮かんでいることが普通なの???」
ロン「煙突飛行の簡易版で、ただしくやればあんな風に一部だけ移動先に出せるとかなんとかだよ、うん。君はいつでも世界中に光を射してるけどさ」
ハーマイオニー「マッド-アイ、って。あの、マッド-アイ・ムーディのこと?あの、高名な闇払いの??」
ビル「あぁ、それさ。高名なのは変人って意味でも、だけどな。パパ、今度は奴さん何をしでかしたって?」
アーサー「敵が襲撃してきた、と。それで、家を半壊させて手当たり次第に呪いを放ったらしい……あぁ、まったく。それじゃみんな、見送りができなくてごめんよ。いい新学期を。お前達も仕事を頑張りなさい」
フレッド「おったまげ。パパってあの奇人と知り合いだったんだ」
ジョージ「そりゃお前、パパだって一部じゃ変人ってな噂だろ?」
モリー「失礼なことを言うんじゃありません。お父さんはムーディーを高く評価しておいでよ」
ビル「ああ、往年のムーディは偉大な魔法使いだった。今じゃちょっとあれだけど、アズカバンの半分以上はあの人がとっ捕まえた連中のはずだよ」
チャーリー「たしか、ダンブルドアとも旧知の仲だったはずだぜ」
フレッド「ほらね、やっぱりだ」
ジョージ「似た者同士、ってね」
ハニー「底抜けに腹黒いのかしら」
ハーマイオニー「ハニー、それ遠まわしにおじさまも腹黒いと言って……あー」
ロン「え?なんだいハーマイオニー。悪いけどよく聞こえないよ。耳にマーリンの髭がつまっていてね」
九と四分の三番線
ポーーーーーーッ!
モリー「フレッド、ジョージ!お行儀よくね!ロン!しっかり勉強なさい!ジニー、元気でね!ハニー、ハーマイオニー!ロンと仲良くお願いね!」
ハーマイオニー「はい。おばさま、泊めてくださって本当にありがとうございました」
ハニー「えぇ、そうしてあげるわ。お母様、夏中色々と。本当にありがとう」
モリー「あら、いい子たちね本当に。こちらこそよ、イロイロと」
ビル「元気でな。フレッド、ジョージ。資産のことで相談があったらマシな小鬼を紹介するぜ」
モリー「ビル、何をおかしなことを言っているの?」
フレッジョ「「ほんとだぜビル、頼むよ」」
チャーリー「じゃあな、みんな。ジニーも。お前もすっかり大きくなってびっくりしたよ……でも、僕とパースはまたすぐ会えると思うぜ」
ジニー「? どうして?」
チャーリー「今にわかる。僕がそう言ったこと、パーシーにはナイショだぜ?何せ『魔法省の超機密事項』、だからな」
ロン「! チャーリーも関わってるのか!?」
ビル「あぁ、僕もホグワーツに戻りたい。今城にいる子たちはラッキーだよ。あんないいものが観られるなんて。なんなら休暇をとって見物にでも行こうかな」
ロン「だから、何をさ!!」
モリー「さぁさ、お乗りなさい!すぐに分かりますよ!今晩にもねっ!いってらっしゃい!!」
ポーーーーーーーーッ!!
ガタンゴトン、ガタンゴトンガタン……
車内
ロン「一体全体何なんだろうな。何が開催されるんだろ。ハニー祭り?あぁ、毎日か」
ハニー「常日頃から崇め奉られているものね、えぇ」
ハーマイオニー「魔法省も、ドラゴン研究をしているチャーリーも巻き込む一大イベント、ってことよね」
ロン「何がなんだか。漏れない大鍋の展覧会だったら僕ぁパーシーの鼻に鍋を投げつけてやるね」
ハニー「もっと重要なことでしょうけれど。空いているコンパートメントがないわね……あら」
ドラコ「父上は僕を本当はダームストラングに入れたがっていたんだ。だって、そうだろう?あそこは『闇の魔術』に対してホグワーツなんかよりもっと進んだ教育をしてる」
クラッブ「……穢」
ドラコ「うん?そうだな、あすこは『穢れた血』の入学も認めない。よく覚えてたじゃないか。偉いぞ。でも母上が、あんな遠くの学校に僕をやるのを嫌がってね」
ゴイル「……菓子食べたい」
ドラコ「うん?あぁ、そうだな。僕はかしこまるほどに大事にされてる。母上だからな。母上だから」
ハニー「……」
ピシャッ
ハニー「少しだけ扉があいていたせいで聞きたくもない会話が聞こえてしまったわ」
ロン「つっこんだら負けだから深く触れないけど、それじゃあいつはダームスなんとかの方が自分にあってた、って言いたいのかい?そうしてくれればどれだけ良かったか」
ハーマイオニー「お互いの精神衛生的にもね、えぇ。ダームストラング、よ。マルフォイのような人が好みそうなところだわ。とっても評判が悪いもの。闇の魔術に力をいれている、って」
ロン「へぇ。元闇の陣営(笑)のお家な奴さんに、ほんと、お誂え向きじゃないか」
ハニー「さっさとそちらに転校してしまえばいいのに」
ハーマイオニー「一度入学したらムリだと思うわよ。元の学校の位置を知ってしまっているじゃない」
ロン「……?何言ってんのさ、君」
ハーマイオニー「あのねぇ。そもそもホグワーツはとっても厳重に、それに巧妙に隠されているでしょう?他のどこの魔法学校だって同じだけど」
ロン「隠されてる?何言ってんのさ、あんなバカでかい城を?」
ハーマイオニー「だから、そんなものをそのまま放っておくわけないじゃない。ワールドカップの会場にもかけられていた『マグル避け』だとか、移動の呪文の制限だとか、その他色々……あなたたち、『ホグワーツの歴史』をまだ読んでいないの??」
ロン「そんなもん、君が覚えてるんだから必要ないだろ?」
ハニー「ハーマイオニーはとっても頼りになるものね。そうでしょ」
ハーマイオニー「っ、光栄だけど、もう。それで、どの魔法学校も詳しい所在は在校生やOBしか知らないのよ。もっとも、ダームストラングはとっても寒いところだと思うわ。『欧州の名門魔法学校案内』によると、制服に毛皮のケープがあったし……」
ロン「あぁ、それならもっとたくさんチャンスがあったかもな。あのフォイフォイを氷河から突き落として挟まるフォイさせたりさぁ。残念だ。ハニーに出会えたから帳消しだけどねヒンヒン!」
ハニー「雪のふりしきる地での私っていうのも映えるでしょうね」
ロン「砂漠だろうが雪山だろうが君が入れば最高のステージさ!もちのロンで!」
ネビル「ヒンヒン!ハニー!一人で座ってたら君に見えられるなんてなんて僕ついてるんだろう!ヒンヒン!」
ハニー「ハァイ、ネビル。夏休みはどうだった?」
ロン「僕ら、クィディッチの決勝を観にいったんだぜ!ネビル!」
ネビル「うわぁー!すっごい!すっごい試合だったって聞いたよ!あと謎の美少女に何人って観客が別の意味で熱狂したとかなんとか……」
ハニー「呼んだかしら」
ネビル「ヒンヒーン!やっぱりねハニー!君は最高だよハニー!ヒンヒンヒン!」
ハニー「賞賛の言葉は高貴で可憐で儚げで伝説的から受け付けるわ」
ハーマイオニー「気に入ったのね伝説ってフレーズ」
ロン「これみろよ、ネビル。クラムの人形」
ネビル「うわぁー!あの、ハニーの次にもの凄いシーカーの!?すごい!実物みたいだ」
ハーマイオニー「ほんと訓練されてるわねあなたの豚って」
ハニー「当たり前じゃない。あと、私以外が豚って呼んじゃダメだったら」
ロン「それにな、ネビル!聞いて驚け、僕達なんと貴賓席だったんだ……」
ガラッ
ドラコ「そして君の人生最初で最後のな、ウィーズリー!」
ピシャンッ!
ロン「……それでな?すぐ間近にクラムが通り過ぎたんだ!あぁ、僕あの時絶対クラムと眼があって……」
ガラッ!
ドラコ「おい!今眼があっただろう!!何事もなかったのように扉を閉めるな!挟まるフォイしたらどうなると思」
ピシャンッ!
ガチッ
ロン「うるさくてごめんよハニー。僕のトランクでひっかけておいたからね。なんだろうねここの扉、たてつけが悪いのかな」
ハニー「そうね、さっきから開いたり閉まったり。なんなのかしら」
ハーマイオニー「きっと見た目も性格も悪い生霊かなにかの仕業じゃない?」
ドラコ「こんのっ、おいクラッブ!ゴイル!タックルだ!突き破れぇっ!!」
ロン「せめて杖使えこの肉ダルマ!!あぁ、僕のトランクの中身が!!マーリンの髭!!!!」
ドラコ「おや?おいおい、ウィーズリー。この服はなんだい?」
ロン「……糞くらえ」
ドラコ「これは驚いた!一八九〇年代に流行した骨董品だ!はっは、ウィーズリー!まさかこいつを着るつもりじゃないだろうな!そこの勘違い女王でもエスコートするのか?それともお似合いなぼさぼさ頭のほうか?」
ロン「何を言ってるんだ君は、うるさいな。とっとと帰れよ」
ハニー「招いた覚えはないわ、帰りなさいよ」
ハーマイオニー「お似合いって何よ余計なお世話よ帰ってよ」
ネビル「君がいると空気がマズイよ、ってトレバーが言ってる」
ドラコ「失礼のたたみかけか君らは!ふんっ、ポッター。どうせ君はエントリーするんだろう?目立ちたがり屋のポッター、見せびらかすチャンスは逃さないんだろう?」
ハニー「?」
ドラコ「それともウィーズリー、君が参加するのかい?賞金も出るようだしな、あぁ。そうすればもっと困るフォイゴホン困らないマシなローブが買えるかもなぁ?」
ロン「さっきから、君は何を言ってるんだ?フォイフォイフォイフォイうるさいな」
ドラコ「……まさか。ウィーズリー!知らないのかい!?え!?家族が二人も魔法省で勤めてるっていうのに!こりゃ傑作だ!!っはははははは!ほら、二人とも、笑え!ははっははははははは!」
クラッブ・ゴイル「「ゲラゲラゲラゲラ!!」」
ドラコ「父上なんかとっくの昔にファッジから聞いて僕に教えてくださったのに。そうか、君の兄貴や父親の前では重要なことは話さないんだろうな。悪いね、意地悪を言ってしまって。精々みじめに道中楽しめばいい!」
ピシャンッ!!
ロン「……単刀直入に、あいつへの感情を二文字で表すよ」
ロン「死ねっ!!!!!!」
ハーマイオニー「ロン、挑発にのってはダメよ」
ロン「僕が?あいつなんかの挑発に?ハッ!誰が!煮えたぎってるのはハニーへの情熱だけだよ」
ハニー「いつでも沸騰させればいいけれど、あの人はムシが一番じゃない……汚い言葉で悪態をつく豚は嫌いよ?」
ロン「ごめんよハニー!マルフォイのやつ、どこか遠いところでおかくれになられればいいのにな!!」
ネビル「あー、ネビル。トランクの中身をしまわないと。手伝うよ……このドレス、あー、個性的だね」
ロン「ありがとよ。なんなら豚のよしみでタダでくれてやろうか」
ネビル「餌にもならないよ」
駅
ロン「まだ雨が続いてるなぁ。さぁハニー!僕の腕の下にお隠れよ!濡れて風邪なんてひかせたら豚どもに罵られるからね!」
ハニー「えぇ、できる豚ね。ハーマイオニー、もっとロンにひっつかないと濡れてしまうわよ」
ハーマイオニー「あなたねぇ……あっ、あそこ。ハグリッドだわ」
ハグリッド「いっちねんせいはこっち!いっちねんせいはこっちだ!ヒンヒン!ハニー!元気かぁー!ロン!ハニーをしっかり雨から守っちょれよーー!」
ロン「任せろよ同士!ヒンヒン!」
ハニー「引率しっかりやるのよ、ハグリッド!私の可愛い豚!」
ハグリッド「おっほぉー!ヒンヒン、ヒンヒンだハニー!よーしいっちねんせい!気合が入ったし、今年はちょっくら湖を泳いで渡るとするかぁー!」
ハーマイオニー「新学期早々事故を起こさないで頂戴ハグリッド!あなたはただでさえ、ただでさえなんだから!!!!!」
大広間
組分け「被ってごらん~♪すっぽりと~♪」
ハニー「私達のときと、歌が違うわ」
ハーマイオニー「?それはそうよ……あぁ、そういえばハニーは自分以外の組分けを見るのは今年が初めてなのね」
ロン「毎年毎年何かしら起きっちまうからなぁ、ホグワーツに来るまでに。今年はフォイ襲来だけだったけど。ハニー、やっぱり世界は君を放っておかないねハニー!」
ハニー「中心だものね」
コリン「ハニー!こんばんわ!早速一枚!わぁーぉ!ありがとうございまヒンヒン!弟も今年からカメラクルーに入れようと思うんですが構いませんか!?ヒンヒン!」
ハニー「ハァイ、コリン。弟?あなた、弟がいたの」
コリン「はいっ!今年入学の、デニスといいます!豚にしてやってください!あっ、丁度今、組分けですよ!」
組分け「……」
デニス「……」
組分け「……慎みなさい、いいね? ハニ、ちがった。グリフィンドーーーール!!」
ワアアアアアアアアア!
パチパチパチパチパチ ザワザワザワ
ハニー「……」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
コリン「やった!やった!やっぱりグリフィンドールだ!この三年間デニスにあなたの写真を送りまくった甲斐がありました!!!」
ロン「コリン、ちょっとあとで定例会議開くから絶対参加だぜ。弟もな」
ダンブルドア「無事組分けも終わり、皆の衆の意識はペコペコのお腹に集中していることじゃろう。それとも目の前の空っぽの大皿かの?」
ダンブルドア「ところでじゃ、今年はホグワーツで素敵な催しを……と、今言うても無駄じゃろう」
ダンブルドア「おもいっきりかっこめぇい!!!」
フレッジョ「「いいぞいいぞっ!!!」」
ワイワイワイワイ
ガヤガヤガヤガヤ
ロン「あー、これとハニーのために生きてるよな。ママの料理もいいけど、城のご馳走も最高さ」
ほとんど首なしニック「やあハニー、素敵な夕べですね」
ハニー「ハァイ、ニコラス。出来れば次からは私が食べているポークチョップから現れるのはやめてもらえるかしら?」
ハーマイオニー「ロン、いじきたないわよ大声あげてがっついてハニーの皿をひっくり返すなんて」
ロン「全くだよごめんねハニー。まるで女の子のような声をあげちまって」
ニック「なんだか話がよめませんが。今年も優秀な人材が揃ったようで素晴らしいですな。今年も是非とも、グリフィンドールの連続優勝記録を保ってほしいところですが」
ハニー「私がいるのよ?杞憂はおやめなさい」
ニック「違いありませんハニー!我らが霊魂の導き手!ヒンヒン! あぁ、お食事を邪魔してすみませんね。もっとも、この食事もなんとか間に合ったそうですがね」
ロン「なんだい?厨房にシリウス・ブラックでも迷い込んだのかい?」
ハニー「えっ!?」
ハーマイオニー「冗談よ、ハニー」
ニック「そこまでの自体ではありませんが。実は、今年度から雇われた屋敷しもべ妖精がとんでもない大ミスをしてしまい、スープが全部ダメになった、と、太った修道士が……」
ハーマイオニー「……ちょっと!?今、とんでもない台詞が聞こえた気がするわ!こ、この城に、屋敷しもべ妖精!?それこそ、冗談、冗談でしょう!?」
ニック「? 至極当然のことと思いますが、ハニーの美しさくらい」
ハニー「自然の摂理ね」
ハーマイオニー「そんなことで片付けさせるものですか!」
ハーマイオニー「……」
ロン「……なぁ、ハーマイオニー。そりゃぁこの城じゃ英国一屋敷しもべ妖精が雇われてる、ってのは君にとって衝撃の事実だったかもしれないけどさぁ」
ハニー「あなた一人が絶食しても、何も変わらないとおもうのだけれど?計画性のないダイエットは無謀よ?」
ハーマイオニー「私がこれまでのうのうと食べていたこれらが!彼らの奴隷労働の形だったんだわ!お給料ももらわないで、休みもなくて!奴隷労働!!!!」
ロン「あー……もう、勘弁してくれよ。お腹がすいたら勉強もできやしないぜ?」
ハーマイオニー「明日からでもハグリッドの菜園からお野菜を分けもらって自分で作るわ!奴隷労働!」
ロン「呆れた、君、包丁一つ満足に使えてなかったじゃないか。あー、ハニー?君から教えてやってくれよ。君くらいになるのにどれくらい大変か、ってさあ」
ハニー「必要に迫られればあんなもの誰でも出来るわよ……ハーマイオニー?」
ハーマイオニー「何を言っても無駄よ!奴隷労働!」
ハニー「……ふーっ。ロン、そこのスープをよこして」
ロン「うん?はい、ハニー!でもどうすんだい?え?これを、君自身が飲んで何にな……ヒンヒン!豚ども!!!バリケードだ!!!!」
ヒンヒーーーン!
ハーマイオニー「? なぁに、私達を外から見えなくするみたいにハニーの豚たちで壁、むぐっ!?ん、んーーっ!!ぷはっ、はnんぐっ!~~~~っ!!」
ハニー「ぷはっ……これいじょうごねるなら、ずーっとこれで食べさせるわよ?どうなの?」
ハーマイオニー「……」
ハニー「なぁに?」
ハーマイオニー「……も、っと」
ロン「よくやったぜ豚ども!え?なんだい?羨ましい?そこかわれ?もげはぜろ?HAHAHA!やだねっ!!!!
ダンブルドア「さて。みなの衆お腹一杯になったことじゃろう。別の意味で胸いっぱいになった子もおるようじゃが」
ハーマイオニー「絶対に禁止よ!!いい、もう二度と!!いいわね!?」
ハニー「あんなに喜んでいたのに」
ハーマイオニー「あ、あれは、熱にあてられてというか、口走っただけで、あ、あぁ、そう、だけど、ハニーの前じゃ私の胸の中はインセンディオで……やめなさいって言ってるの!!!!」
ロン「いや、いや。つづけて」
ダンブルドア「どうz」
マクゴナガル「アルバス」
ダンブルドア「うぉっほん!みなにいくつかお知らせがある。真に残念じゃが、今年は、寮対抗クィディッチ試合は中止じゃ。これはわしとしてもとても残念な……」
エェエエエエエエエエエ!?!
ふざけんなーーーーーーー!! ガヤガヤガヤガヤ
ダンブルドア「お怒りごもっともじゃ。あー、泣き出しそうな子もおるの。すまん、ヒンヒン。じゃが、代わりと言ってはなんじゃがみなのしゅうを大いに満足させるイベントがある!ホントじゃ。嘘じゃない。その眼はやめるのじゃ、誰とは言わんが」
ダンブルドア「今年、ホグワーツで……!」
ピシャァアアアアアンッゴロゴロゴロゴロッ!!!
バターーーーーーンッ!!!
ハニー「きゃぁ!?!?」
ロン「うわっ!もの凄い雷の音と一緒にかがんだハニーが下に敷いた僕の背中にすがりついてありがとうございます!!!」
ハーマイオニー「び、びっくりしたわね……あ、あら?大広間の扉が開いて……あっ」
フレッド「……っひゅー、さっすが。すんばらしいご登場だぜ」
ジョージ「義足に曲がった鼻、それに、あのでっかい青い義眼」
ダンブルドア「みなに、先に紹介しよう。今年度から『闇の魔術に対する防衛術』を担当なさってくれる、ムーディ先生じゃ。アラスター、久しぶりじゃの」
ムーディ「そうだなアルバス。まったくふざけた天井だ」
ダンブルドア「……それで、久しぶりの再開なのじゃが、わしの髭を必要にひっぱるのはなんの挨拶かね?」
ムーディ「貴様がニセモノだという可能性がある。おいアルバスのようなもの、俺とお前が大法廷であの腐りきった某校長から聞いた闇の陣営の者の名は?」
ダンブルドア「ドロホフじゃろう?あのころは君もまだ両目があってマッド-アイではなかったのう」
ザワザワザワザワ
ロン「マッド-アイが、ホグワーツの教師!?それじゃ、パパが奴さんを庇いに行ったのは、このためだったんだ!」
フレッド「まったく親父殿も水臭ぜ!もったいない!」
ジョージ「こーんなサプライズを黙ってるなんてさ!」
ハニー「……」
ハーマイオニー「あー、ハニー?大丈夫よ、えぇ。意外に冗談というか、なんというか。そういうのが通じる人のようだから」
フレッド「甘いね、ハーマイオニー。奴さんは本気で大真面目にダンブルドアの髭をひっぱりまくってるからヤバイのさ」
ジョージ「その昔ハロウィーンで奴さんを脅かした奴がどんな目にあったか知ってるか、ハーマイオニー。語るも涙、さ」
ハニー「……今年の授業って減らせないの」
ロン「ちょっと校長にかけあってくるよ!僕のハニーのためならマッド-アイがなんだ!泥目なんて屁でもないさ!」
ハーマイオニー「そのマッドではないしあなたが目も当てられないことになったらハニーがもっと取り乱すからやめなさい」
ダンブルドア「えー、それではお知らせのつづきじゃ。皆の気分がムーディ・ショックから立ち直ったかの?落ち着きたいときは、ほれ。ひっひ、ふーじゃぞ」
ダンブルドア「さて。クィディッチは今年度は取りやめ、そこまで知らせたことと思うが。代わりにホグワーツではまことに心躍るイベントを主催する運びとなった。魔法省の各署が何ヶ月にもわたり調整をかさね、ようやく決定したことじゃ」
ダンブルドア「今年、ホグワーツで。三大魔法学校対抗試合<トライウィザード・トーナメント>を行う!」
フレッジョ「「ご冗談でしょう!?!?」」
ガヤガヤガヤガヤガヤ
ザワザワザワザワザワザワ
ヒソヒソヒソヒソヒヒソヒンヒソヒン
ダンブルドア「ほっほ。冗談など言っておらんよ、ミスター・ウィーズリーズ。じゃがせっかくなので、この夏聞いた素晴らしいジョークを一つ。トロールと鬼婆とレプラコーンが一緒に飲み屋に入ってな――」
マクゴナガル「アルバス」
ダンブルドア「……おっほん。そう、三大魔法学校対抗試合の話じゃ」
ハニー「……なんだかどこかで聞いたわね。確か、ロン?あなたがくちばしっていたように思うのだけれど?」
ロン「あー、僕もビルとかチャーリーにむかーし、少しだけ。なんだっけ?有名な魔法学校が集まって、代表選手が競い合うんだよ」
ダンブルドア「そうじゃ。おぉ、すまんのみなのしゅう。この試合というのは、ヨーロッパ有数の名門校三つ――すなわちホグワーツ、ボーバトン、ダームストラング――が集まって、各校の代表選手<チャンピオン>が三つの魔法競技を争うのじゃ」
ダンブルドア「魔法使い、魔女たちが国を超えて絆を築くには、これが一番の方法じゃという理念のもとにのう」
ダンブルドア「おびただしい死者が出るにいたって、競技が中止されるまで、じゃが」
ザワザワザワザワ
ハーマイオニー「おびただしい死者!?」
ロン「すっげーや、そんな競技が復活するなんて!」
ハーマイオニー「ちょっと、ロン!最後の言葉を聞いてなかったの!?ねぇハニー、あなたもきっと怖がって……
ハニー「どんな競技を、するのかしら!」
ハーマイオニー「……好奇心が勝ったのね。あなたはたまに強気よね、たまに」
ハニー「いつ何時だって私は私よ、そうでしょ?」
ダンブルドア「七百年前にこの競技が中止に追いやられてから何度となく復活の動きがあったのじゃが、その度に断念する結果となっておった」
ダンブルドア「じゃが今年は、各署の尽力もありいまこそ再開の期は熟せり、と相成ったのじゃ。ご紹介しよう、『国際魔法協力部』のバーテミウス・クラウチ氏。そして『魔法ゲーム・スポーツ部』のルドビッチ・バグマン氏じゃ」
ワァアアアアアアアア!
パチパチパチパチ!
ロン「バグマンだ!奴さん、またあの選手時代のローブを着ているよ」
ハニー「一番気分が高まるんでしょうね、分かるわ」
ハーマイオニー「あなたが一番高まるのって何も着てないとkやめるわ、墓穴を掘るのは」
バグマン「よう!よう!ダンブルドア、それにホグワーツの諸君!すっげぇ試合だぞ!さぁはったはった……はは、バーティ!冗談だ、冗談!」
クラウチ「冗談じゃないぞ、ルード。まったく君という奴は……生徒諸君。この試合には一千ガリオンの賞金が用意されているが、間違ってもこの男のような軽率さで参加を決めないように……」
ザワザワザワザワザワ!
ロン「一千、ガリオン……!?えっ、あっ、ひー、ふー、みー、いっせ、せ、ちょっと僕、あのひとがなにをいってるかわからない」
ハーマイオニー「凄い賞金ね……でもそれだけ、危険なものってことでしょう?」
クラウチ「――と、ここまで説明するとそのような反応になると分かっていたため。魔法省はこの再開する三大魔法学校対抗試合において、17歳以上の年齢制限を設けることとした!これは最終決定である!」
エェエエエエエエエエ!?!?
ザワザワザワザワ
フレッド「おいおい、おい!ふざけんな!」
ジョージ「俺達四月には17なんだぜ!?」
クラウチ「選手の選抜に関しては公正な審判のもとに選ばれるため、どのようなごまかしもきかないものと思っていただきたい!以上! ダンブルドア」
ダンブルドア「しずまれーーーーぇい! うむ、よろしい。それでは、お客様をご招待しようかの」
ダンブルドア「マダム・マクシームとボーバトン魔法アカデミーの生徒じゃ」
バターーーン!
ズンッ、ズンッ、ズンッ
ロン「……おったまげー」
ハーマイオニー「そ、そうね……あの、先頭を歩いている、女の人。ハグリッドと同じくらい?もっと大きいかもしれないわ!」
ハニー「ハグリッド以外に初めて見るわね、あんなに大きい人は。そうね、驚きね、ロン……あら?」
ロン「いや、僕の言っているのはそっちじゃ、なくってさぁ……あそこの、女の子、あれ、あぁハニー、君の美しさは世界最高だけど、もちろんそうなんだけdハッ!!ハニー!僕の頬に一発お願いしまああああっ!ありがとうございます!!!ヒンヒン!!!」
ハーマイオニー「……確かに一人、凄く目立っているわね。シルバーブランドの髪で、神秘的で。それに……」
あぁフラーーーー!僕達・私達のフラーーーーーーー!
ブヒィーーーー!ブヒィーーーーーーー!!!
フラー「かわーいい子豚さーんたちですねー。ブヒブヒ啼いてみなさーい!」
ハーマイオニー「……人間矢倉の天辺に陣取っているのも。どこかで観た光景だわ」
ハニー「……なんでかしら。イラっとするわ」
ハーマイオニー「まごうことなく同属嫌悪だわ」
ダンブルドア「長旅ご苦労じゃったの、マダム・マクシーム」
マクシーム「おー、だんぶりーどーる?うーまは表にとめてきまーしたけど、世話を頼めまーすか?貴重なうーまなんでーす」
ダブルドア「もちろんじゃ。この城の『魔法生物飼育学』の教授がしっかり見てくれるじゃろう」
マクシーム「でーすが、私のうーまはとても力がつよいーでーす」
ハグリッド「ま、任しちょくれ!なぁに!馬なんぞ俺にかかれば!こう!そんでこう!こうだ!でーじょうぶ!」
フリットウィック「ぎゃぁ!?ぎゃぁああっ!?!?」
マクシーム「おぉぅ……便りになりまーす。それで、その折りたたんだひーとはどうなるでーす?」
ハグリッド「うん?折りたたむ?なんのこっちゃ……うわぁああ!?フリットウィック先生どうなっちょるんだあんた!?」
ダンブルドア「ミネルバ、ポピーを頼む」
マクゴナガル「既に呼んでありますとも」
ダンブルドア「ほっほ、さすがじゃのう。それでは続いて、カルカロフ校長、そしてダームストラング専門学校の生徒たちじゃ!」
ロン「!?!?ちょ、ちょっと待ってくれ、おいおいおいおい!?」
ハニー「まぁ……嘘でしょ?」
ハーマイオニー「あれって……あの、髭の長い校長らしい人の隣にいるのって」
カルカロフ「ダンブルドア!やあやあ、元気にしていたかね」
ダンブルドア「元気一杯じゃよ、イゴール」
カルカロフ「お招きいただきどうも……おや、後ろに懐かしい顔も」
スネイプ「……」
カルカロフ「いやぁ、ホグワーツの何もかもが懐かしい!実に嬉しいよ!ところで、暖炉に近い席を用意してくれたかね?我々は寒いところから来た上に、一人体調の良くない子がいてね。ほら、知っているだろう。この……」
ロン「クラム!!!ビクトール・クラムだ!!!!!!!」
ワァアアアアアアアアアアアア!!!
キャアアアアアアアアーーーーーーーーー!クラム様こっちむいてーーーーーーーーー!!
クラム「……」
ハニー「……すごいわ!ね、ハーマイオニー!」
ハーマイオニー「……全然分からないわ。やっぱりムスっとしてて、猫背で……飛んでるときが嘘みたいじゃない?」
ロン「嘘みたいなのは君の感性だろハーマイオニー!すっげぇぜ!!最高だぜダンブルドア!ハニーの次に!!ヒンヒンヒーーーン!」
ダンブルドア「ほっほ、そうじゃのう。ヒンヒン」
カルカロフ「?」
ダンブルドア「さてさて。お客様が着席したところで、もう少しばかり説明しておこうかの」
「フラー!こんな硬いいすにあなたを座らせられません!僕がマットになりますブヒィ!」
「いいえフラー!いっそ僕があなたの椅子になりますブヒィ!ならせてくださいブヒィ!」
「男子は黙ってなさいよ!フラー!フラーあぁフラー!あーーーっ!!!」
※子豚語は子豚語なのでフランス語訛りがありません
フラー「子豚さーんたち、静かにしてくーださーい。おしおきしまーすよ?」
「「「「「お願いしますブヒィーーーーー!!」」」」」
ハニー「……統制がとれてるわね」
ロン「おい豚ども!負けてらんないぞ!みんなで特訓した豚組み体操、見せてやろうぜ!ヒンヒン!」
ヒンヒンヒーーーーン!
ハーマイオニー「学業に励む時間に何をやってるのあなたたちは。座りなさい」
ダンブルドア「元気がいいのはよいことじゃ。それでは、皆に代表選手を選ぶものを紹介しよう……」
ヒュンッ
サラサラサラサラサラ
ハニー「! 腹黒豚の杖の一振りで、校長席に置いてあった金の箱が……溶けていったわ」
ハーマイオニー「出てきたのも……金色の、何かしら。カップ?」
ロン「なんだ、ハニー像かと思ったのに……うわっ!?」
ボォオオオオオオ!!
ハニー「火が、ついたわ……綺麗」
ダンブルドア「ホグワーツ魔法・魔術学校、ボーバトン魔法アカデミー、ダームストラング専門学校の17歳以上の生徒たちは、明日からハロウィーンにかけてこの城で生活してもらい。決心のついたものから、この魔法火の中に名前を書いた紙を入れるのじゃ」
ダンブルドア「忘れるでないぞ?この魔法火はれっきとした魔法契約!成人したての諸君らといえど、この拘束から逃れられることは出来んのじゃ」
ダンブルドア「この、公正賢明たる審判の道具……炎のゴブレットからはのう」
ハニー「……炎の、ゴブレット?」
続き
ハニー・ポッター「勝つのは私、そうでしょ?」【後編】

