あやめ速報-SSまとめ-

打ち止め「お姉さん誰？　ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

一方通行「テメェと悪代官ごっこしてくれる、心優しいお姉さンだ」

結標「ひ、人の都合無視して呼びだしといて何よそれ。聞いてないわよ」

一方通行「だろォな。言ってねェし」

打ち止め「はじめまして！　ミサカは打ち止めって言うんだよ、ってミサカはミサカは自己紹介してみる！」

結標「そ、そう。私は結標。結標淡希。ところで、その悪代官ごっこって……？」

一方通行「あれだ」

悪代官『よいではないか、よいではないか』ｸﾞｲｯ

娘『あーれー』ｸﾙｸﾙ

結標「……」

一方通行「テメェ似たような格好してンだろ。クソガキの相手してやれ」

結標「いや、あれは帯でこれは晒なんだけど……。全然違うんだけど……」

一方通行「あァ！？　細かい違いなンざどうでもいいだろォが！　また顔面にパンチぶちこまれたいンですかァ！？」

結標「ひっ！　わ、わかったわよ。やればいいんでしょ……」ﾋﾞｸﾋﾞｸ

打ち止め「あなたはあっち向いててね？　こっち見ちゃだめだよ、ってミサカはミサカは念を押してみたり」

一方通行「へいへい」ﾌﾟｲｯ

打ち止め「じゃあいくよ、お姉さん、ってミサカはミサカは布の端っこをつかんでみたり」ｷﾞｭｯ

結標「え、ええ」

打ち止め「よいではないか、よいではないか、ってミサカはミサカは布を引っ張ってみたりー！」ｸﾞｲｯ

結標「あ、あーれー」ｸﾙｸﾙ

打ち止め「……」

結標「ど、どうかな」

打ち止め「うーん……なんかちょっと違うかも、ってミサカはミサカは駄目出ししてみたり」

結標「えぇ！？　そんなっ」

打ち止め「配役に問題あり。ミサカに悪代官役は似合わないかも、ってミサカはミサカは思案してみる」

打ち止め「あなたなら悪代官役が似合うんじゃないかな、ってミサカはミサカは提案してみたり！」

一方通行「はァ？　なに寝ぼけたことぬかしてンだ」

打ち止め「悪代官はすっごく悪い人。
　それを演じきれるのは、ミサカの知ってる人の中ではあなたしかいないよ、ってミサカはミサカは補足してみたり」

一方通行「なるほど……。そォかもしれねェな」

打ち止め「よ！　その悪党顔、日本一！　ってミサカはミサカは太鼓を叩いてみたり！」

一方通行「上等じゃねェか！　見せてやるぜ……一流の悪代官ってやつをなァ！」

結標「ちょ、ちょっと待って。それってあなたが私を脱がすってことじゃ……」

一方通行「安心しろ。テメェの裸なンざこれっぽっちも興味ねェから」

結標「興味の問題じゃないわよ！」

一方通行「始めるぞクソガキ」

結標「スルー！？」

打ち止め「つまらぬ物でございますが、これをどうぞ、ってミサカはミサカは箱を差し出してみたり」

一方通行「越後屋、こりゃァなンだ？」

打ち止め「お代官様の好物、山吹色のお菓子にございます、ってミサカはミサカは悪い顔をしてみる」

結標（最中……）

一方通行「越後屋ァ、テメェも中々の悪じゃねェか」

打ち止め「いえいえ、お代官様ほどでは……ってミサカはミサカは謙遜してみたり」

一方通行「くかか、くけけ……くかきけこ！」

打ち止め「てへへへへ」

結標「ねぇ、このくだりって必要あるの？」

一方通行「あるに決まってンだろォが！　役に成りきるために必要な過程なンだよ！
　そンなこともわからないンですか三下がァ！」

結標「ひっ！　ご、ごめんなさい」

一方通行「さァ、役に成りきったところでお待ちかねのお色気シーンだ！
　わりィがこっから先はR指定、15歳未満は視聴禁止ってなァ！」

一方通行「女、テメェは親の借金のカタに売られたンだ。覚悟はできてンだろうなァ」

結標「い、いやー。およしになってー」

一方通行「やる気あンのかテメェ殺すぞ」

結標「ど、どうかお許しください！　私には既に心に決めた人が……！」

一方通行「よォしよし、続けるぞ」

一方通行「そンなに震えた声出して、誘ってンのかァ？　いいねいいねェ、最っ高だね！」ｶﾞｼｯ

結標「い、いやっ！　やめてっ！」

一方通行「よいではないか、よいではないかァ！」ｸﾞｲｯ

結標「あーれー」ｸﾙｸﾙ


土御門「お楽しみ中だったかにゃー？」

海原「自分たちはお邪魔でしたかね」


結標「……」

結標「な、なんであなたたちまでここに……」

一方通行「あァ。俺がさっき呼んでおいた。役者の数が足ンねェからな」

土御門「ロリがいると聞いて」

海原「彼女の妹さんの望みとあらば」

打ち止め「はじめまして！　ミサカは打ち止めって言うんだよ、ってミサカのミサカの本日二度目の自己紹介！」

土御門「土御門元春だにゃー。よろしく、ロリかわいいお嬢ちゃん」

海原「海原光貴と申します。お見知りおきを、ロリ御坂さん」

一方通行「おい。そのガキに色目使ったりしたら殺すぞ」

土御門「おー、こわ。精々気をつけることにするぜい」

海原「ははは、（今は）そんなつもりはありませんよ」

結標「あ、あなたたち、私の裸……見た？」

土御門「気にするな。あんたはオレの趣味じゃないから（笑）」

海原「自分もです。高校二年生はちょっと（苦笑）。せめて中学二年生でしたら、ときめくものもあったのですが」

結標「裸見られて、その上なんでこんな扱い受けなきゃいけないのよ……」

一方通行「ババアはほっといて続きやるぞ。海原、テメェは正義の味方役だ。悪代官の俺の悪事を暴け」

海原「自分がですか？　光栄ですね。では、その期待に応えるとしましょう」

一方通行「土御門は……俺の手下でいいや。ガラ悪いから」

土御門「それお前にだけは言われたくないぜい」

一方通行「脚本は特にねェ。それぞれ思いのままに演技しやがれ」

打ち止め「スリー、ツー、ワン……アクション！　ってミサカはミサカは号令かけてみたり！」

一方通行「くくく……悪事が上手くいきすぎて笑いが止まらねェぜ。くかきけこかかきくけききこ……」

海原「そこまでです！　あなたの悪事も今日までですよ！」

一方通行「だ、誰だ！？」

海原「一方通行……自分の顔を見忘れましたか？」

一方通行「テ、テメェは……上様！？　い、いや、上様のクソ野郎がこンな所に来るはずがねェ」

海原「！　ばれましたか……！」

結標「え？」

海原「如何にも。海原光貴とは世を忍ぶ仮の姿。その実態は……アステカの魔術師、エツァリ！」

打ち止め「えちゃ、り？」

海原「はい。気軽にエッちゃんとお呼びください」

一方通行「色目使うなって言ったこと、もう忘れたンですかァ？　殺すぞエッちゃン」

海原「やですねぇ。これぐらいの軽口でカリカリしないでくださいよ、アーくん」

土御門（つっちー、もっちゃん、はる兄……ロリに呼ばれるならどれも捨てがたいにゃー）

一方通行「上様の名を騙るクソッタレがァ！。出合え！　出合えェ！」

土御門「はっ！　家臣総勢一名、馳せ参じました！」

結標（少なっ）

一方通行「形勢逆転だなァ。こっちは二人、そっちは一人だ」

海原「殺しはしません。このトラウィスカルパンテクウトリの槍の峰打ちで成敗します」

結標「その技、峰とかないでしょ……」

打ち止め「とら……ぱんとり？　えっと……」

海原「か、かわいいっ」

一方通行「殺すぞエッちゃン」

海原「ちゃんとカルシウム摂ってますか？　アーくん」

一方通行「行け、土御門。そいつを斬れ！」

土御門「……」

一方通行「土御門？」

ドスッ

一方通行「がはっ。なン……だと……？」

土御門「『背中刺す刃』――覚えておけ、それがオレの魔法名だ」

一方通行「まさか裏切られるとは……。油断したぜ……」ﾊﾞﾀｯ

海原「これにて、一件落着ですね」

結標「あなた何もしてないじゃない」

海原「よくやってくれました、土御門。これからも正義のために、ともにがんばりましょう」

ドスッ

海原「がはっ」ﾊﾞﾀｯ

土御門「『背中刺す刃』――覚えておけ、それがオレの魔法名だ」

結標「なんなのこのオチ」

打ち止め「勝者だけが正義だっていうお話だね、ってミサカはミサカは難しく解釈してみたり！」

打ち止め「今日は遊んでくれてありがとう、ってミサカはミサカは感謝の気持ちを伝えてみたり」

土御門「また呼んでくれにゃー。今度は歳の近い舞夏を連れてくるぜい」

海原「今の生活に嫌気が差したら言ってください。迎え入れる準備はいつでもできてますから」

一方通行「殺すぞエッちゃン」

海原「冗談も通じないんですか、アーくんには」

打ち止め「またねー！　ってミサカはミサカは手を振ってみたり！」

土御門「またにゃー」

海原「失礼します」

一方通行「……ン？　結標は？」

結標「うぅ……っ。複数の男に裸を晒してしまうなんて……。もうお嫁に行けない……っ」ｸﾞｽｯ

結標「……こうなったら、私をこんな恥ずかしい目に遭わせたあいつに、責任とってもらうしか……」

一方通行「結標」

結標「ア、一方通行……」ﾄﾞｷｯ

一方通行「早く帰れよ。もう用ねェから」

結標「うん……」

打ち止め「……」ﾜｸﾜｸﾄﾞｷﾄﾞｷ

一方通行「お。今日はガキらしくアニメ見てンのか」

『うおぉぉぉ……！　包帯を解くことで、俺の右腕に封印されし邪龍が目覚めるぜ！』

一方通行「……なンだこりゃ。くっだらねェ」

打ち止め「ね。ね。ミサカもミサカもあれやってみたい！」

一方通行「あァそォですか。一人でやってろ」

・・・・・・

一方通行「包帯……包帯……」ｶﾞｻｺﾞｿ

一方通行「ねェな、クソ。しかたねェ」ﾋﾟｯ

プルルルルルル　プルルルルルル　ガチャ

一方通行「今暇か？　暇じゃない？　だからなンだよ。1分以内な」



おわり