澪「いきなり大きくなったわけじゃないだろ」
律「でも今までは私のほうがずっと大きかったのに!」
律がそう言って悔しがる。
中学2年生の春のことだった。
元スレ
律「澪が大きくなっちゃった」
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1287894910/
先生「田井中さん、悔しがってないで早く体重計乗りなさい」
律「はーい」
律は面倒くさそうに返事をして体重計に乗る。
先生「なんで背伸びしてるの?」
律「いいから早く測って」
背伸びしたところで軽くなるわけないのに。
相変わらず律は子供だな。
私は既に体重を測り終えていた。
きっと律の事だから体重も見せあおうとか言ってくるに違いない。
話を持ちかけられない様に別の友達のところに行った。
「澪ちゃんまた背伸びたの?」
澪「うん」
小学校が同じだった友達に驚かれる。
小学校ではいつも私は背の順で前のほうだったから。
「いいなぁ」
澪「そうかな?」
中学に入ってから急に伸び出した私には、「いいなぁ」が良く分からない。
お気に入りだった服はすぐに着れなくなるし、制服もちょっときつい。
きついのは背が伸びただけが理由ではないと思うけれど。
先ほど測った結果を見て溜息をつく。
律「みーお!何キロ増えた!?」
笑顔で私の元へと走る律を無視して、友達と別の話題に移る。
身体測定を終え、次の授業が始まる。
保健の授業だった。
最近の授業は少し騒がしい。
先生「じゃぁ今日も第二次性徴についてね」
授業はしっかり聞かなくてはいけないと思いつつも、今取り扱うテーマは苦手だ。
真剣に聞いてたらそれはそれで友達に変な目で見られちゃうかもしれないし。
澪ちゃん保健の授業真剣に聞いてるねなんて絶対に思われたくない。
とくに読みたくもない漫画を教科書の裏に仕込みつつ授業を受けていた。
「澪ちゃん」コソコソ
後ろの席の子が肩をつついた。
澪「何?」
「りっちゃんから、はい」
手渡されたものは丁寧に折りたたまれた手紙だった。
どうせ体重の事でも聞くんだろ?
律が回す手紙はいつもくだらないことばかりだ。
先生に気付かれない様に後ろを振り返ると律は教科書で顔を隠していた。
机の下で手紙を開ける。
いつも律が使うメモ帳に一言だけ書かれていた。
『最近みお、おっぱいでっかくなってない?』
授業が終わって律の席へ向かった。
澪「何これ」
律「そのまんまの意味だけど」
澪「ふざけるなよ」
律「ふざけてましぇーん。ちゃんと授業聞いてる証拠よ、漫画読んでた澪しゃん」
澪「うっ…」
それを言われては返す言葉がない。
男子が帰ってきたから、律の席から離れて自分の席着いた。
それ以来律はその話題に触れなかった。
もちろん私からも。
しかし手紙の内容は事実で、私はその事実に戸惑っていた。
大人っぽい下着をつけるのは恥ずかしいからと躊躇していた例のあれをつける時が来てしまったようだ。
着替えのときにちらりと周りの子を見てみると、付けている子は2割といったところだろうか。
律「澪着替えないの?」
澪「着替えるよ」
律「早くしないと授業始まっちゃうよ」
澪「さ、先に行ってて」
律が行ったのを確認してから私は制服を脱いだ。
こんな下着をつけてたら律は絶対にからかう。
そんなの絶対に嫌だった。
律「澪ー何してたんだよ」
授業時間ぎりぎりになってグラウンドに現れた私に律が尋ねる。
澪「別に」
これから毎日律の前で着替えるというのに、いつまでばれずにいられるのだろうか。
いっそ正直に大胆に見せてやった方が良いのかもしれない。
身体測定の次の体育は、並び方を決める。
先日測った身長をお互いに申告し、背の順の並びを作った。
律は私の三つ前にいた。
といっても大して身長は変わらないが。
体育の授業は集団行動で終わった。
去年も思ったけど、この行為で体育が終わってしまうのは物足りない。
汗もかかずに更衣室へ向かった。
澪「何で律ずっと背伸びして歩いてるんだ?」
律「なんとなくだ」
澪「疲れない?」
律「へっちゃら」
ぷるぷると変な歩き方をする律の頭をぐーっと下に押す。
律の足の裏全部が地面についた。
律「何すんだよー」
澪「ちっちゃい子はちっちゃい子らしくしてなさい」
そう言うと何故か律は不機嫌になり、先に行くと言って走って行ってしまった。
律がいなくなってしまって、一人でとぼとぼ歩いていると一人の男子生徒に呼びとめられた。
体育の後の着替えは律がいなかったせいで堂々と着替えられた。
堂々と言っても、更衣室の隅で人の見てない隙をついてだが。
澪「なんで先に行くんだよ」
律「お腹すいちゃって」
教室に戻ると律とクラスの子が給食の準備をしていた。
律「澪は遅かったな」
澪「そう?」
律の問いに適当に答え、体操着を仕舞いに席へ戻る。
私が後ろを向いたとき、律の手が背中に触れた。
律「ブラパッチン」ペチッ
澪「きゃっ!」
最近女子の間で流行っている遊びを律が仕掛ける。
始めてやられたわけではないが、驚いて声が出た。
律「ひゃっはー」
律がふざけた顔で笑った。
今までの下着は外れる心配もなかったけど、今付けているのは違う。
いきなり訪れた解放感に戸惑って律を殴る事も忘れていた。
律「おーい澪?」
澪「あ、な、なにすんだよりつぅ」
いつもの通り手を振り上げた。
ただぶら下げてるだけの下着が浮いた気がしてすぐに手を下す。
律「澪?」
澪「ちょ、ちょっとトイレ」
女子トイレの個室に駆け込んでブレザーとブラウスを脱ぐ。
フックを前に持ってきてつけ直していると誰かが入ってくる音がした。
律「澪いる?」
澪「律か?何?」
言葉で冷静に装って必死に下着を直そうとする。
律「ごめんね」
澪「あ、全然気にしてないよ」
律「それならよかった」
律はそれからくだらない話をしてきた。
その内容は全然頭に入ってなくて、私は下着を直すことに集中していた。
今日の朝はママに付けてもらったし、自分でつける事に慣れていない。
浮いたままでは気持ち悪いし、だからと言って完全に外すのも恥ずかしい。
澪「律、誰かそこにいる?」
律「誰も居ないよ」
澪「あの、じゃぁお願いがあるんだけど」
律「おう任せとけ。生理にでもなった?」
律は無神経だ。
デリケートな事なんだからもっと隠してもいいのに。
男子の前で言うことはないけれど、「今日生理なんだー」とか朝一で言われる方の身にもなって欲しい。
違うよ、とだけ言って下着を元の位置にずらして上からブラウスだけを着た。
個室のドアを開けて律を中に入れる。
律「何々?秘密のお話?」
澪「ああ。絶対に秘密だからな」
無神経な律に十分に念を押してから背中を向ける。
律「何?」
澪「あの…直して欲しい」
律「へ?何?」
澪「ホックつけて…ブラジャー」
律「」
律「え、えとお前そんなの付けてんの?」
澪「…うん」
律「は、ははっはっ。澪ももうそんな年頃かぁ」
澪「うるさいっ」
ちょっと後ろ振り向いて律を小突く。
律「ほら、前向いて」
律に促されて前を向く。
ブラウスの中に手が入れられた。
小さい時はお互い身体触りっこしたりとか、今でも手繋いだりするけど、律が手を動かすたびに背中に触れるのが気持ち悪い。
しばらく律が私の背中で格闘していたけど、結局あの窮屈が訪れずに律は溜息をついた。
律「無理。どうなってんのこれ」
澪「えぇー…なんとかしてよぉ」
律「脱げよ」
澪「や、やだ!」
律「じゃぁ自分でするのか?」
律の呆れたような声色にしぶしぶブラウスを脱ぐ。
全部脱ぐのははすかしいから、ボタンを少し開けて袖に腕通したまま背中を肌蹴させた。
律「へぇ…こうなってんのか」
澪「じろじろ見るなよっ」
律「はいはい。出来たぞ」
さっきはあんなに格闘してたのが嘘のようで、一瞬で律は着け終えた。
澪「ありがと」
ブラウス元に戻してブレザーも着直す。
律「いつから付けてんの?」
澪「今日から」
律「知らなかったよ」
別に言う必要なんてあるわけないけど、こういうかたちで律に知られてしまうのは嫌だった。
どういうかたちで知らせても嫌だと思うに違いないんだけど。
今まで私が律より先に何かするなんてこと無かったから、いつも律に教えてもらってたから、どうやって報告すればいいか分かんなかった。
律「秋山の胸でかいよなって男子も言ってるよ」
澪「え!」
律「昔からもててたけど、最近異常なくらい澪の話ばっかりしてるよな」
澪「そんなのやだぁ!」
律「わ、私に言われても…」
男子は苦手だった。
うるさいし、変なことばっかり言ってるし、いつも廊下走ってて危ないし。
律は私とは対照的で男友達が多くて、休み時間によく話している。
何を話しているのかと思えば、そんな事話してたのか。
やっぱり男子は苦手だ。
訳分かんないよ。
律「澪は好きな人いないの?」
澪「いないよ!」
いきなり振られた話に少し戸惑う。
中学に入ってから律はこういう話を度々持ちかけてきた。
律「へぇー…」
律がこの話を持ち出すのは自分が話したいときだ。
澪「律はいるの?」
律「え?え?そう見える?」
わざとらしく律が身体をくねくねさせて聞く。
澪「いないならいいけど」
律「いるいる!聞いて!」
律が私の身体をぎゅーっと抱きしめる。
つけ慣れていない下着がさらに窮屈になった気がした。
その時は誰かがトイレに入ってきてしまったから、後で話そうということになった。
律「今日の帰りな!」
澪「あ、律。さっきの事なんだけど…」
律「ブ…」
澪「わーわー!言うな!絶対誰にも言うな!」
ゴツンといつものように律の頭にげんこつを落とす。
律「分かったよー…」
澪「分かればいいんだ」
律「言えるわけねえじゃん」
律が頭を擦りながら教室へ戻って行った。
帰り道寄り道して、河原に座り込む。
律「私ね、へへっ」
律は可愛くない。
いつも男っぽいし、だらしないし、ガサツだし、もてる要素何一つないのに、こういうときだけは女の子みたいだ。
律「学級委員が好きなんだ」
きゃーっと顔を両手で隠してジタバタする律を冷めた目で見る。
澪「確かにかっこいいとは思うけど…」
律「だよね!あの髪形最高!」
髪型で惚れるなよバカ。
それから律の話を散々聞いて家に帰った。
家に帰ってすぐに下着を外して楽な格好へ着替えた。
鞄からメモを取り出して、ベッドに寝転びながら見る。
澪「メールして、かぁ…」
律の好きな相手を思い出す。
体育の後に呼び出されて電話番号とアドレスの書かれたメモをもらった。
告白されるかと思ってたけど、違った。
最近の私は少し自意識過剰かもしれない。
澪「なんて送ればいいんだろう?」
男子とメールするのは初めてだった。
男子と交わす話題が思いつかない。
律に聞けばわかるかな?
澪「いや…自分で考えよう」
律に勘違いされるのは避けたかった。
澪「秋山澪です。登録よろしくお願いします。」
極めてシンプルにアドレスと番号だけ教える。
澪「絵文字使ったほうがよかったかな?でも送っちゃった…」
携帯を目の前にして悩む。
やっぱり正直に言って律に相談したほうがよかったかもしれない。
はぁと溜息ついたとき、着信音が鳴った。
澪「わ、わ」
知らない番号からだった。
携帯に表示された番号とメモを見比べてみる。
やっぱり彼からのだ。
澪「どうしよ…」
迷っていると、着信音が切れた。
澪「ふぅ…」
一息ついたのもつかの間、すぐにメールがきた。
メールありがとう、というタイトルだった。
本文には今日あったこととか、いろいろ書かれていた。
返信するのに1時間くらいかけて、またすぐにメールが来ての繰り返しで、気づけば夜になっていた。
澪「やっぱり苦手だ…」
律にならすぐに返せるのに。
頃合いを見ておやすみをし、すぐにベッドに入ったけどなかなか眠れなかった。
律に隠し事をしているのはいい気分ではなかった。
律「おはよー」
澪「おはよう」
律「あれ?寝不足?」
澪「うん…分かった?」
律「ひっどい顔してるからなー」
澪「律ぅ!」
律のほっぺたをぎゅうとつねる。
痛い痛いと律が笑った。
律「何かあったの?」
言ってしまえば良かったのに。
でも私が男子とメールしたなんて言ったら律はきっとからかうから言わなかった。
律は大して追及もせずに昨日のテレビの話をしている。
律「あんなテレビドラマのような恋したいよなぁ」
澪「うん」
律「あれ澪も興味あるの?」
澪「あ、あるよ」
私にだって人並みに恋愛願望がある。
だけど男子と話すのは苦手だし、好きになるって気持ちもよく分からないし。
あの人が好きこの人が好きって簡単に口にする律の気持ちも分からなかった。
澪「律は学級委員のどこが好きなの?」
律「だって格好いいじゃん」
澪「それだけ?」
律「話してて楽しいし気が合うし」
2年生になって初めて話した人のことを何でこんな短期間で分かるんだろう。
話してて楽しいのが恋なら、きっと私は一生恋なんてできない。
律「珍しいじゃん、澪から恋バナなんて」
澪「そうか?」
律「さーてーはー?」
ニヤニヤ笑う律のほっぺをもう一回つねった。
夏になって体育がプールになった。
フックをつけるのにも窮屈なのにも慣れたけど、皆にじろじろ見られるのが嫌だから1年生の時に使ってたスポブラを取り出す。
久しぶりに着ると、こっちのほうが違和感を感じた。
律「澪、早くプール行こう!」
早くプールにならないかなぁと大分前から言っていた律は笑顔で私の腕を引っ張る。
澪「分かったから落ちつけよ」
プールの脇にある更衣室は塩素の匂いがして好きじゃない。
一番奥の目立たないところに荷物を置いて制服を脱いだ。
律「あれ?スポブラ?」
澪「うん。だって水着着るとき時間かかるし見られたら恥ずかしいもん…」
律「そういうもんか?」
律がじーっと見てくるから恥ずかしくて巻きタオルを首まで上げた。
律はいつものスポブラを大胆に披露しながら着替えている。
恥じらいってものがこいつには無いらしい。
クラスの子が続々とやってきて着替えを始めた。
早くに着替え終わっていた私は帽子の中に髪の毛をしまう。
きゃっきゃと楽しそうに笑いながら着替えるクラスの子たちの下着は、少しフックがついてる子が増えていた。
律「澪ー行くぞー」
澪「あ、うん」
律と二人でプールサイドに向かう。
既に男子は着替え終わっていて、私は男子から隠れるように律の後ろへ移動した。
律「男子と一緒なんてやだよなー」
照れたように律は笑う。
男子の目線がこっちを向いているようで、小さくかがむ。
律「ちょっ澪しゃがむな」
律に手を引っ張られて立ち上がった。
澪「何だよ?」
律「た、谷間が見える」
ばっと両手で胸を隠して律から背を向けた。
澪「何見てるんだよぉ!」
律「見てるんじゃない!見えたんだ!」
ぎゃあぎゃあと言い訳する律の声が大きくて、あわてて口をふさいだ。
澪「静かにしろよ…」
律の口を解放してやると、にかって笑った。
律「今学級委員と目が合っちゃった」
こいつは能天気でうらやましい。
水泳の後は物凄い眠い。
給食を食べた後なら尚更だ。
しかも5時間目は私の嫌いな数学の授業。
うとうとしながら聞いていた。
先生「じゃぁ次の問題を秋山」
澪「は、はい!」
突然名前を呼ばれて私は立ち上がった。
先生「黒板に法定式書いて」
今やってる問題が何なのかも分からずに私は前に出てチョークを握る。
必死に頭を回そうとしても黒板の前に立っている緊張で何も考えられなかった。
「先生、俺が解きます」
学級委員が前に出て問題をすらすらと解いた。
先生「ん。正解」
「かっけー学級委員!」
男子が声をかけた瞬間、歓声が上がる。
「二人とも付き合っってんの?」
「見せつけるなよー」
全く根拠のない話を投げかけられて私は戸惑っていた。
人前に出ている緊張も相まって泣きそうになる。
「そういうのじゃないよ。秋山、席戻ろう?」
学級委員に手を引っ張られて席に戻る。
途中で律と目があったけど、すぐに逸らされた。
誤解された。
自分が恥ずかしい気持よりも律を傷つけてしまったことのほうが悲しかった。
律は授業が終わるとさっさと一人で帰ってしまい、私は謝ることも出来なかった。
一人で部屋でボーっとしていると、いつものように学級委員からメールがあった。
いまだに時間はかかるけど、私は一つのお願い事を含んでメールを返した。
携帯を閉じてから一時間くらいたった頃だろうか。
律が家に来た。
律「どういうことだよ」
律には悪いことをしたと思った。
そのお詫びと、私には恋愛感情が全くないことを示そうとしただけだった。
律「私とメールしてくれって学級委員に頼んだんだろ?」
澪「だって律が学級委員のこと好きって言うから…」
律「だからってこんなことされてもみじめなだけじゃん」
律とはよく喧嘩する。
いつも律が怒るときは興奮して当たり散らすのに、こんなに悲しそうに怒る律は初めてだった。
澪「あの…ごめんなさい」
律「もう澪なんて嫌いだ」
私の謝罪の声を無視して律は出て行ってしまった。
136 : 以下、名... - 2010/10/25(月) 23:38:31.00 6kjpt1UH0 41/49申し訳ない
ちょいと忙しくて考える暇ない
落としてください
再度スレ立てはしません
誰か続き書いてくれるなら喜んで
ごめんね
しばらく部屋で放心していた私は律の後を追いかける事なんてすっかり忘れていた。
ベットの上で膝を抱え丸くなり、どうしてこうなってしまったのかと自問を繰り替えしている。
澪「律・・・ゴメン・・・」
良かれと思ってしてしまった事ではあったが、律のプライドを傷つけてしまった事。
いや、何より律としては親友が自分からで無いとは言え黙って好きな人とメールしていた事実の方がこたえたのだろう。
それがわかっているから頬をつたう涙が止まらない。
ママが晩御飯よと声を掛けに来てくれたけど、泣き疲れた私はそのまま眠ってしまった。
気がつけばカーテンを閉め忘れた窓から薄らと朝日が射し込んでいる。
泣き腫らした真っ赤な目とは不釣合いな程清々しい朝焼けの空だった。
携帯には学級委員からのメールが1件。
律からの着信は無い。
気分は晴れないけど、あと1時間もすれば登校時間である。支度をする為、シャワーを浴びにリビングへと向かう。
いつも通り、下着を入れた引き出しから着替えを取り出そうとして、そう言えば今日も水泳の授業があったなと思い出し慌ててスポーツブラを探す。
思い起こせば、ブラジャーをつける様になってから何かと私は律に隠し事が増えた様な気がする。
見当違いな後ろめたさが先行して、ありのままでいる事なんてすっかり忘れてしまっていたのである。
私は昨日までの臆病な自分をシャワーで洗い流し、律にちゃんともう1度謝ろうと硬く決心した。
朝食を済ませた私は足早に学校に向かう。
学級委員からのメールは律から返信が途切れちゃったよ!(泣)というものだった。
向こうにしてみれば他愛も無い内容のつもりかもしれないがこちらとしては一刻を争う、返信している暇など無い。
そうこうしているうちに、見なれた背中に追いついた。
澪「律ーーーーーー!!」
一瞬驚いた背中はこちらに振り返る事なく立ち去ろうとしていた。
私は急いでその手を取り立ち止まらさせる。
振り返った律は怪訝な表情のままこちらを見ようとはしない。
律「なんだよ!ほっといてくれよ!!」
律「言っただろ!こそこそしてる澪なんて嫌いだって!!」
律「って・・・澪・・お前・・//////」
どうやら律もいつもと違う私に気付いたようだ。先ほど掴んだ律の手を私は自分の胸に押し当てている。
澪「本当に・・ゴメン、律。」
澪「勝手にコソコソしたり余計な気をきかそうとしたり・・・」
澪「だから・・その・・反省の意味を込めて、今日は・・ありのままの私を///」
律「・・・・ぷっ・・・はははは!」
しばらく唖然としていた律が笑い出した。
澪「///////////」
恥ずかしさで耳まで赤くなってるのが自分でもわかる。
律「まさかあの澪しゃんがノーブラなんて!!ははは!!」
澪「声が大きいぞバカ律////////」
そう、ブラだの恋愛だのうじうじ悩まず素直でありたい。
特に、この唯一の親友の前では。
これはその決意の現れ、友情の証だ。
律「はぁーおっかしい」
気持ちが伝わったのか、よっぽど面白かったのか目に涙を浮かべている。
そこには、昨日までの悲しい表情などない。
律「何か大きくなったな澪、イ・ロ・イ・ロと♪」
はぁー////今日は1日散々からかわれるだろう。
でも今日だけは特別だ。
だってまた仲直りできたのだから。
終
163 : 以下、名... - 2010/10/26(火) 08:43:28.93 mJflpa0o0 47/49あ、ごめんなさい。>>1とは作者別です。
乗っ取りOKがでたので書いてみました。
そのまま落としちゃうのがもったいなかったのでつい。
読みにくかったら申し訳ないです。
失礼しました。
律「・・・・ぷっ・・・はははは!」
しばらく唖然としていた律が笑い出した。
澪「///////////」
恥ずかしさで耳まで赤くなってるのが自分でもわかる。
律「まさかあの澪しゃんがノーブラなんて!!ははは!!」
澪「声が大きいぞバカ律////////」
そう、ブラだの恋愛だのうじうじ悩まず素直でありたい。
特に、この唯一の親友の前では。だから1日ノーブラデー。
私の決意の現れであり友情の証だ。
律「はぁーおっかしい」
気持ちが伝わったのか、よっぽど面白かったのか目に涙を浮かべている。
そこには、昨日までの悲しい表情などない。
律「何か大きくなったな澪、イ・ロ・イ・ロと♪」
はぁー////今日は1日散々からかわれるだろう。
でも今日だけは特別だ。
だってまた仲直りできたのだから。
終
168 : 以下、名... - 2010/10/26(火) 13:24:23.15 DiYht0FIO 49/49よくまとめたな
乙すぎる