午前11時
起床。いつもどおり俺、一方通行はほぼ全裸だった
ベッドから起き上がり、左乳首に吸い付いているクソガキを引き剥がし、服を着る
寝室を出てリビングに行くと粘着質な液体をかき混ぜる音が聞こえてくる
「ああっ……あ、一方通行……もっと、もっと奥まで穿って欲しいじゃん……!」
同居人その1がソファで緑のジャージをはだけて俺のパンツをしゃぶりながら
打ち止めの前ではしちゃいけないようなことをしている
この状態のこいつには話しかけても無駄なのでスルーして冷蔵庫を開ける
缶コーヒーが1、2、3……7、8、9、よし、全て開いている
舌で舐った跡のある缶コーヒーから勘で一つを選び一気に飲み干す
元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-11冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1280324048/
落ち着いたところで同居人その2の部屋をノックし中に入る
「『その時一方通行は、熱情に火照る芳川桔梗の優しくなく甘い花弁に自らのレベル5をレベル6に昇華させるべく……』」
薄暗い部屋の中でPCに向かい何やら文章をひたすら打ち込んでる同居人その2に声をかける
「あっ、一方通行タン?今日もご機嫌麗しゅうでござるもんwあ、例の薬でつか?いやーこれが中々解析が難しいでござるよwドゥッフw」
同居人その2が作った「一方通行が皆に好かれるようになる薬」
あまりにも敵が多すぎる&敵を作りやすい俺を見かねて作ったらしい
余計なお世話だと思ったがニートのこいつが自分の時間をわざわざ割いて作った薬だ
口には出さないが感謝しつつ薬を飲み干した
結果、このザマだ
俺を目にしたあるものは発情し、あるものは変態と化し、あるものは言語がおかしくなる
しかし俺はくじけない
元より人から敵意や悪意を向けられ続けたンだ
この程度の好意、可愛いもンじゃないか
大丈夫、俺は耐えられる
「アオオオーーーーーッ!!!」
…………同居人その1がいったようだ。これで朝飯が食べられる
起きてない時は目覚ましにもなるので便利と言えば便利だ
午後2時
耐え切れなくなったので散歩と称して家を出る
クソガキは俺の背中にラッコ、いやセミ、
いやナッパに自爆(さよならテンさん)する餃子のように張り付いている
基本クソガキは着替えと就寝時以外このポジションだ
些細なことだが服ごと俺の背中を吸うのはやめろ、服が伸びる
本当はもっと早く家を出たかったがこれには理由がある
今日の天気は晴れ、時々電撃
そこかしこからクローンによる電撃が俺に向かって降ってくる
反射さえすれば効果は無いが四六時中されるとこっちに限界が来る、バッテリー的に
電撃以外にも攻撃は様々でこの前は落とし穴に嵌まり中にはクローンで満員電車のような有様だった
あれには流石にビビった。俺が通らなければどうしていたンだろう
コンビニで缶コーヒーを購入し家に帰ろうとすると
「よお、一方通行久しぶりだにゃー」
「こんなところで会うとは奇遇ですね」
仕事仲間二人に会う。久しぶり、奇遇と言うが薬を飲ンでから毎日会う
「「俺(僕)達、友達だよな(ですよね)?」」
やたら親しげに肩に手をまわして来る二人。薬を飲む前は殺伐としていたから地味に嬉しい
が…………
「やらないか」
「せっかくだから男同士連れションでもいかがですか」
せっかくだからホイホイついていく
「お、俺の赤ノ式を見てくれぇーーーーーっ!」
「いいえ、僕の、僕の原典をーーーーーーっ!」
公園の男子トイレに入って瞬時に悪鬼羅刹と化す二人
しかし俺は落ち着いている
こうして平静を保っていられるのも、俺は薬を飲ンでから貞操帯を欠かしていないからだ
鉄製の貞操帯。勿論鉄製の鍵は消滅させたので能力を使わなければ破かれることはない
まあそれでも完璧安全とは言えないこの状況だが比較的楽観している
何故なら…………
シュン
「もう大丈夫よ…………」
もう一人の仕事仲間が俺だけ座標移動で助け出すからだ
こいつの能力は有視界内だった気がするンだが何故か強化されている
「大丈夫よ、大丈夫だから全部お姉さんに任せて、身を委ねて……」
何気にこいつは要注意人物だ。うかうかしていると俺の貞操帯だけ座標移動するからだ
心苦しいが能力を使って先手必勝で気絶させる
移動させられた部屋から出て行くと先ほどの男子トイレが見えた
今回はどうやらそんなに離れていなかったようだ、と考えていると
「おっ一方通行じゃないか」
出た。要注意人物その2。こいつには俺の能力が効かないし、何より
「髪にゴミついてんぞ?じっとしてろ……ん、よし取れたぞ」
本人の意思の有無関係無しに他意なく接触してくるイベントが多すぎるのだ
だがこいつにも対策はある。適当に会話しながら公園付近をぶらついていると
「あ、あんた一方通行と何イチャイチャしてんのよーーーっ!」
超電磁砲がこいつを引き剥がしにかかるからだ
何故か超電磁砲には薬の効果が現れない
愛とは偉大だ
ちなみにシスターがついてきてる時は食べ物が無いとクソガキその2になるので注意が必要だ
超電磁砲の登場に一息ついていると
「お兄さまああああああああああああああああああ!!!」
要注意人物その3が瞬間移動で俺に抱きつく
こいつには薬が効くらしい
愛とは無力だ
要注意人物その3を超電磁砲についでにビリビリしてもらい帰路に戻ると
「やっほう。第一位。愛しにきたよ」
成長したクローンに会う
こいつは薬を飲む前と態度が変わりない
いつもどおり恨み節を聞かせながら電撃と釘を飛ばしてくる
癒されながらなんなく撃退。貴重な存在だから連れて帰るべきか検討している
他にも自称魔法少女に魔法のステッキを振るわれたり運転手が見えない車に撥ねられたり
少女が乗った清掃ロボに撥ねられたり冷蔵庫が空から降ってきたり
お嬢様風ビーム女率いるグループに色々されたり
ウエスタンルックサムライガールに居合い斬りされたり
金髪褐色女にゴーレムを差し向けられたり
一輪の髪飾りをつけた女子中学生に金属バットで殴りかかられたり
道案内してやったら服を脱ぎ出されたりピンクの駆動鎧に花束を渡されたり
ツインテ小学生から飴玉をもらったり三毛猫に擦り寄られたりした
いつもどおりのことなので動揺しない
「うおおおおぉぉぉーーーーーーーーー第一位―――――――!」
怒鳴り声に振り返ると
「俺とおおおお川原でええええええええ決闘しろおおおおおおおおお!」
第七位が暑苦しく俺を指差した
その一瞬、寒気が俺の背筋を駆け巡り身を屈めると
ゴガン
俺の頭があったであろう位置を何かが通り過ぎ同じ高さの建物をなぎ倒した
「…………………」
後ろを見るとアヘ顔の天使が俺に向かって焦点の合ってなかった眼を光らせ涎を垂らしながら歩いてきた
いつもどおりのことなのだが動揺する
前門のよくわかンないの、後門のよくわかンないの
正直言ってこの危険物その1&その2から確実に逃れる術はない
だが俺はこんなところで捕まるわけにはいかない
俺は覚悟を決めて手持ちの魔石「ジハード」を発動させた
「愛しておりますローマ正教ォーーーーー!」
そう俺が叫ンだ瞬間地面が割れ空が裂け時空が歪み
中からそれぞれ黄色、青色、赤色の人が出てきた
周囲が大混乱に陥る中で俺は確保しておいた要注意人物その3を起動させ
その場から抜け出した
午後2時25分
帰宅。途中で要注意人物その3はダミーとして戻らせた
「おっお帰りックゥーーーーーーーーーーー!」
同居人その1の一鳴きにただいまと挨拶して自室で充電
自室は前にスキルアウトに荒らされたのごとく混沌と化している。主に液で
何故か中心では親船がコタツに座りニコニコとしながらTVを見ている
充電中することもないのでコタツに入り一緒にTVを見るとミカンをむいてくれた
涙が出てくるがこれはミカンの汁のせいだきっとそうだ
午後8時
同居人達3人と食事。手早く箸を取り食事を進める
そうしなければ同居人達が我先にと口に詰め込んでくるからだ。唾液を絡めて
今日の献立は俺だけやたらデカいトンカツだった
肉は好物だから気にせず食おうとしたら何故か噛み切れない
妙な歯応えにトンカツを分解してみたら中から黒い下着が出てきた
「脱ぎたてほやほやじゃんよ///」
下着だけ取り出して洗濯カゴにシュートヒム
残りのトンカツはちゃんと食う。お百姓さンに悪いからな
もっとも俺が残したところで食べ残しが捨てられることはないが
午後10時
入浴。勿論普通に入れるわけがない。
同居人その1がバスタブを占拠し、その2が体を洗う場所を身を挺して占拠している
構わず踏みながらバスタブに入浴。背後からゴポゴポと水中から泡が出ているが心配するのはやめた
ボディソープ&シャンプーは半分ぐらい体液で侵されている
それでも我慢して使おうとするが同居人達が寸前で奪い取り体に全てふりかけ
良い笑顔をこちらに向けてくる
いいようにされるのも悔しいのでベクトル操作でソープとシャンプーだけ抽出して使う
体に影響が無いように操作してるのにビクンビクンと跳ね回るのはやめてほしい
午後11時
同居人その1の部屋から「一方通行!そのベクトルは、そのベクトルわーーー!」
同居人その2の部屋から「おっおっおっおっおwデュフフフフフフw」
といかんともしがたい声が漏れてるのを聞きながら寝室に行く
カピカピのパジャマに着替えベッドに横になる
クソガキは器用にカサカサと俺の背中とベッドに潰されぬよう前に周り右乳首に寄生した
誰かが部屋に入ってくる音がしたが気にしない
俺はこの数日間で能力を使わずとも音を反射できるようになった
今日も平和な一日だった
明日こそは元に戻っていることを祈りつつ
天井に溶接された赤い液体が詰まった円筒器の中から頬を染め手をふってくる長髪に
手をふり返してから俺は目をつぶった
483 : 一方通行がモテモテになる話 - 2010/08/04 00:29:42.97 zfL8ilA0 18/21終わり。某黄泉川家ほのぼのスレに投下しようと思ったけど
ちょっとカプが増えたのでこっちに投下。
それではミサカはセロリたんの貞操帯の鍵穴をナメナメホジホジする作業に戻ります。
484 : VIPに... - 2010/08/04 00:30:12.97 0DfJBpEo 19/21乙
この作品全体に漂う狂気が怖い
492 : VIPに... - 2010/08/04 00:38:32.94 gjssTpso 20/21男子トイレに連れ込まれても、「友達」って言われて嬉しいのか…
あまりに一方さんが不憫で泣けてきたw
何か怖いけど、乙!
496 : VIPに... - 2010/08/04 01:26:43.70 OFSyYiQ0 21/21最後のヤツなンなのかよく分からなかったが、
よーくかンがえたらアレイスターだったんでマジ笑った。