兄「あー……そんな事あったあった、父さんに言ってやれっつーのさ、ははっ」
妹「私、もう16歳」
兄「って事は今からもう何年前だ?うわー懐かしっ」
妹「ねぇわかってるの、結婚出来る年齢になったよ」
兄「なに?もしかして結婚したい彼氏でも連れてくる前振りだったりする?」
妹「……」
妹「彼氏なんていないけど」
兄「へー、そーなの」
妹「お兄ちゃんなのにどうしてそんな事も知らないの、私に興味ないの」
兄「そーじゃなくて、だってお前くらいの年齢ならいてもおかしくないじゃん」
妹「うるさい、馬鹿」
兄「なんだよもー、ホントかわいくねぇなぁ」
元スレ
妹「お兄ちゃん、大きくなったら結婚してって言ったの覚えてる?」
http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1413640983/
妹「……」
兄「なんだよ…」
妹「年頃の妹に向かってかわいくないって言うなんて」
妹「人の心が無いの」
兄「そこまで言うかよ」
妹「だってすごく傷付いた」
妹「お兄ちゃんに傷物にされた」
妹「もうお嫁に行けないかもしれない」
兄「め、面倒くせぇ…」
妹「更に傷付いた」
妹「……本当だよ」
兄「あー……わかったわかった、俺が悪かったよ」
妹「駄目、許さない」
兄「お前な…」
妹「だってお兄ちゃんが無神経な事を言うから」
兄「それにしたって怒りすぎだろ」
妹「私は繊細」
兄「……」
兄「ごめんって、嘘だよ、お前はかわいい妹だよ」
妹「……」
兄「お前くらいかわいいなら男がほっとかないだろうから、彼氏がいんのかって思ったの」
妹「本当にそう思ったの」
兄「嘘ついてるように見える?」
妹「……見えない」
兄「な?嘘だったら全裸で三回まわってワンと鳴いたっていーよ」
妹「それは見たい」
兄「興味持つな!」
妹「……オッケー、許す」
妹「と言いたいところだけど、やっぱり許してあげない」
兄「オイ!なんでだよっ」
妹「本当にかわいいって思ってるなら行動で示して」
兄「お前のその気まぐれ具合に付き合ってる時点で十分だろ」
妹「目に見えるカタチにして」
兄「はいはい、今度なんか上手いもん奢ってやるから」
妹「駄目、今奢って」
兄「今?」
妹「肉まんが食べたい」
兄「ゲッ、わざわざ出掛けんの…」
妹「私も一緒に行く」
兄「はぁ?」
妹「夜に兄妹で散歩して仲直り、なかなかロマンチックでしょう」
兄「……はぁ、ちゃんとあったかいの着込めよ」
妹「うん」
兄「あ~……さみーよー外」
妹「寒いね、もう耐えられない」
兄「そこは耐えようよ、お前が言い出したんだから」
妹「寒くて歩けない、お兄ちゃん」
兄「重い!おーもーい!」
妹「大丈夫、お兄ちゃんなら出来る、お兄ちゃんはマッチョ」
兄「そう、普段は隠しているが実は俺には豊満な筋肉が…」
妹「あはは、何それ」
兄「気を付けろよ、背中にあるチャックから秘められたマッチョメンが出てくるからな」
ズボッ
兄「うおおッ!?」
妹「うん、チャックはないけど優秀なカイロ」
兄「やめろよー!心臓麻痺で死んだらどーすんだよ!」
妹「私が人口呼吸してあげるよ、激しいのをね」
兄「馬鹿か」
兄「つーかお前手ェ冷たくね?」
妹「わぁ、大胆だね」
兄「手触っただけで?」
妹「私はお兄ちゃんがあったかいのが意味わかんない」
兄「さあ、眠いから?」
妹「そのまま握ってて」
兄「仲良くお手手つないでコンビニまでお散歩しろって?」
妹「そう」
兄「そうなのかよ」
妹「離さないよ」
兄「わかったわかった」
妹「……ありがとう」
兄「お礼言うほどの事か?」
妹「これ以外の事も含めてだよ」
兄「……いやいいよ、別に」
妹「ありがとう、お兄ちゃん」
兄「だからいいって」
妹「大好き」
兄「俺も俺も」
妹「……」
兄「……なんだよ」
妹「照れてるの」
兄「照れてねぇよ」
妹「かわいい」
兄「茶化すな!」
妹「私は本気」
妹「お兄ちゃんありがとう……愛してるよ」
兄「はいはい、俺も俺も」
妹「……茶化してるのはどっちなの」
兄「やっと着いたぁ、生き返るー」
妹「お兄ちゃん、そもそもコンビニに来る原因覚えてるの」
兄「え?そりゃお前が怒って…」
妹「もっと前」
兄「お前に彼氏がいるのかと…」
妹「まだ先」
兄「……なんだっけ?」
妹「耄碌するには早いよ」
兄「うっせ」
妹「子供の頃、お兄ちゃんと結婚するって言った」
兄「あー、そうだったそうだった」
妹「それで私は16歳で、お兄ちゃんは18歳でしょ」
兄「そうだな、俺達どっちももう結婚出来んのかぁ」
妹「そう」
兄「どれにする?」
妹「この肉まん」
兄「あっ、でかいやつだ」
妹「でもこのスペシャルなあんまんも私を呼んでる」
兄「じゃあ俺があんまんにするから好きにつまめよ」
妹「いいの?」
兄「いいよ」
妹「アイラブユー」
兄「あんまんでそんなに喜んでくれるなら買う甲斐があるよ」
妹「お兄ちゃんは出世するよ」
兄「はいはい、ありがと」
店員「らっしゃっせー」
妹「さっきの続きだけど」
兄「何?」
店員「二点で400円になりまーす」
妹「ここまで言ってまだわからないの」
兄「何が?わかって欲しいならちゃんと言えよ」
店員「1000円のお預かりでーす」
妹「……オッケー」
妹「鈍いお兄ちゃんの為にわかりやすく言ってあげる」
兄「へーへー、ありがとーございます」
妹「結婚して、お兄ちゃん」
店員「え!?」
兄「え!?」
兄「お兄ちゃんプロポーズされるとは思ってるなかったわー…」
妹「幸せにするよ」
兄「あらやだ、じゃあ不束者ですが…」
妹「やった、婚約成立」
兄「つーか肉まん食おうぜ、せっかくリッチなの買ったのに冷めんよ」
妹「そう、肉まん」
兄「ははっ、これが目的だっつーのにな」
妹「そこの公園行こ」
妹「並んで座って食べよう」
兄「おー」
兄「うまい?」
妹「ブラボー」
兄「そりゃ良かった」
妹「この肉まんには全米もスタンディングオベーションする」
兄「スケールでけぇな」
妹「あんまんもちょうだい」
兄「はいはい」
妹「うん、あんまんも最高」
兄「そだなー、正解だったな」
妹「うん、お兄ちゃんありがとう」
妹「お兄ちゃんにはとても感謝してる」
兄「……さっきからお礼言う度にニヤニヤしてんだろ、面白がってんだろ」
妹「酷い、素直な気持ちなのに」
兄「信じられるか!この!」
妹「あははっ!やめてよ」
兄「あー、肉まん久しぶりに食ったけどうまかったなぁ」
妹「お兄ちゃん、星が綺麗だよ」
兄「ん、ホントだ」
のしっ
兄「寄っかかってそのまま寝るなよ」
妹「眠くない、甘えたいだけ」
兄「つーか外だし、そうしてるなら帰ろーぜ」
妹「もう少し」
兄「お前またすぐ寒がるだろ」
妹「平気、それより、もうちょっと夫婦になった喜びを噛み締めたい」
兄「はいはい、夫婦夫婦」
妹「……そんな風にジョークみたいに言わないで」
兄「いや、本気で言ってどうすんだよ」
妹「え?」
兄「ん?」
妹「私は本気」
兄「本気って……何が?」
妹「プロポーズ」
兄「真顔かよ!」
妹「だって本気だから」
兄「いやだってさ……え?」
妹「真剣に告白した」
妹「小さい頃にだって約束した」
妹「……ジョークだと思ってたの」
兄「なん……え?マジ?」
妹「私はいつもシリアスな女でしょ」
兄「それはどうかな…」
妹「さっきは受けてくれたのに」
兄「待て待て!嘘だろ!これは無い!」
妹「酷い男」
妹「いつか刺されるね」
兄「どうせからかって…」
妹「私は行動で示してもいいよ」
妹「目に見えてわかる方が良いっていうなら……こうやって」
兄「ストップストップ!服に手を入れるな!冷たいんだよ」
妹「これじゃあ普段のスキンシップと変わらないか…」
妹「そうだね、こういうのはどうだろう」
兄「なんーー」
兄「……」
妹「……」
兄「……マジでッ!?」
妹「ナイスリアクション」
兄「いや、いやいやいや!」
妹「どうしてそんなに嫌がるの」
妹「私が嫌いなら、そう言って、諦めさせて」
兄「いや!嫌いとかじゃなくて!」
妹「じゃあ好き?」
兄「そりゃ好きだけど!そうじゃなくて…」
妹「ふふっ、良かった」
妹「私も大好き」
兄「だから…」
妹「好きならいいじゃない」
兄「好きは好きでもさ…」
妹「好き同士なら結婚したって構わないでしょ」
兄「あのなぁ……よく聞いてくれ」
妹「何」
兄「お前はわからないのかもしれないけど好きには色んな種類があって…」
妹「そんな小さい子に話すみたいに言わないで」
妹「私は何歳なの」
兄「16歳です…」
妹「でしょ」
妹「もう結婚も出来る」
兄「でもな、それでも話さないときっとお前は思い違いを…」
妹「そんな事ない」
兄「いいから聞けよな!」
兄「だからな…」
妹「待って」
妹「お兄ちゃんの言おうとしてら事くらいわかってるつもり」
兄「なら…」
妹「もしこれが結婚したいのと違う好きなら、キスはしない」
兄「なっ……」
妹「さっき、もしかして初めてだったの」
兄「……」
妹「……私も初めてだったから、交換こだ」
兄「ノーカン!ノーカン!」
妹「公正なジャッジの結果、例外なくカウント」
兄「だってさぁ……ええ…どうなの?」
妹「そんなに悩む事じゃないよ」
妹「私に身を委ねて」
兄「無茶言うなよ」
妹「大丈夫、だってお互いにもう結婚出来る年齢だし」
兄「そもそも年齢クリアしても兄妹で結婚出来ねーし」
妹「ーーあ」
兄「……忘れてたの?」
妹「盲点だった」
兄「目に見えた問題だろ!?」
妹「ちょっと年齢に囚われてた」
兄「いくら何でも囚われすぎだろ…」
妹「そんな事決めた奴、許さない」
兄「決めた誰ってより、そもそも近親は…」
妹「すごく許さない…」
兄「お前ガキな…」
妹「ガキじゃない、もう結婚も出来る」
兄「そればっかりかよ!」
妹「……籍は入れなくていい、事実婚で」
兄「それもねぇよ!」
妹「どうして」
兄「どうしてもこうしても……あー、とりあえず帰ろうぜ」
妹「お兄ちゃん」
兄「今度は何だよ?」
妹「寒い」
兄「……」
兄「何にする?」
妹「ココア」
ピッ
妹「あったかい」
兄「あったか~いだからな」
ピッ
妹「お兄ちゃんは何飲むの」
兄「コーヒー……あっ」
妹「何」
兄「……つめた~いだ」
妹「わぁ、身体を張ったジョークだね」
兄「こんな時にそんなジョークするかよ!」
妹「そうだね、私達の未来が決まる真剣な話の途中だ」
妹「挙式はどうしよう」
兄「気が先走り過ぎてんだろ」
兄「えーっと」
妹「うん」
兄「ごめんなさい、お前とは結婚出来ません」
妹「なんで」
兄「いや……兄妹だし」
妹「だから籍は入れなくていいよ」
兄「籍とかじゃなくて……ちょっと考えられないッス、はい」
妹「なら考えて」
兄「そんな事言われても…」
妹「お兄ちゃんなら出来る、信じてる」
兄「いや……考えても出来ないです、ごめんなさい」
妹「……」
兄「そんなに不貞腐れんなよ…」
妹「納得出来ない」
兄「あのな、確かに俺だってお前が好きだよ」
妹「ならどうして」
兄「お前って昔から俺にベッタリだったじゃん」
妹「うん、ベッタリ」
妹「甘やかしてくれたしね」
兄「だから混乱したんだろうけど、とにかく異性に対するのと違うの」
妹「……そう言い切れるの」
兄「多分な」
妹「でも」
兄「?」
妹「セックスは出来るよ」
兄「ブーーーーッ!」
妹「……汚い」
兄「吹くだろこんなの!」
妹「コーヒー、服にちょっと付いてる」
兄「えっ……あー!マジかよ!」
妹「帰ったら洗わないと」
兄「だな……うわー、最悪だ…」
妹「そうだ」
兄「何だよ…」
妹「さっきの発言、ちょっと語弊があった」
兄「……だよな!?やっぱりな!?」
妹「出来るっていうより、私的にはしたい」
兄「……」
ビチャビチャビチャ
妹「溢れてる、コーヒー」
兄「何なんだよ!お前何なんだよー…!」
妹「……どうしてそこまで嫌がるの」
兄「だってさぁ……今更意識なんて変えられねぇよ、今まで兄妹としか見た事ないし」
妹「嘘」
兄「えぇ?」
妹「本当は私がワガママだから嫌なんだ」
兄「なんだよ~…そんな事言ってないだろぉ?」
妹「言ってないだけで思ってる……嫌ってる」
兄「嫌いだったらここまで甘やかすかよっ」
妹「だって…」
兄「あー……そうか、こうやってワガママ聞いてんのが原因なのか…?」
妹「ほら、やっぱり」
兄「ワガママはワガママだろ、嫌っちゃいねぇって」
妹「嫌いじゃないなら証拠見せて」
兄「証拠って……どんな」
妹「抱いて」
兄「そういうの無し!はいこの話は終わり!」
妹「優しくする」
兄「それお前が言う方かよ!」
妹「なら、お兄ちゃんが言ってくれるの」
兄「言わねぇよ!」
妹「ノリが悪い…」
兄「ノリで言える事かよ!」
妹「くすくすっ」
兄「楽しそうだな…」
妹「じゃあ抱きしめて」
兄「……」
妹「シカトするの」
兄「もう黙って歩こうぜ…」
妹「抱くのが駄目なら、抱きしめて」
兄「……」
妹「……それも駄目なの」
妹「ふーん……そう」
妹「……ふぅーん」
兄「……来いよ、何処までもクレバーに抱きしめてやる!」
ガバッ
妹「きゃはははっ!」
ぐりぐり
兄「さっきからワガママが多いんだよー!どーだ!降参か!」
妹「あは!あははっ!」
兄「はー……ちょっとはしゃぎ過ぎたな」
妹「ははっ、くすくす…」
兄「さて、これで満足か?」
妹「……楽しかったけど、こういう事じゃない」
兄「何だよ…難しいなぁ」
妹「もっとムード出せないの」
兄「そんなもん俺に求めるなよ…」
妹「だから彼女が出来ない」
兄「なっ……うるせぇなぁ」
妹「私的には大吉くらい良い事だよ」
兄「俺的にはちょー悪いんだよ…」
妹「一足飛びに結婚相手が見付かって良かったね」
兄「もう反応しねぇぞ」
妹「ならとりあえず手を繋ぐだけでいい」
ぎゅっ
妹「もう繋いじゃった」
兄「おお……お前の手ェぬくいな…」
妹「さっきまでココア持ってたからね」
妹「お兄ちゃんは冷たくなってる」
兄「さっきまでコーヒー持ってたからな」
妹「今度は私が暖めてあげる……いいよね」
兄「……まあ、帰るまでならな」
妹「ふふっ…」
兄「……」フッ
妹「遠回りしてく?」
兄「しませーん」
妹「ただいま」
兄「ただいまぁーっと……暗いな、父さん達もう寝てるっぽいな」
妹「静かにしないとだね」
兄「だな」
妹「お風呂入りたい」
兄「ん、入ってきな」
妹「一緒に入ろう」
兄「はぁ!?」
妹「しー」
兄「……入らねぇよ?」
妹「じゃあ入ってる私を覗くの」
妹「オーケイそういう趣味なの、覚えておく」
兄「なんでそうなんだよ…!見ねぇから安心して入ってこい」
妹「駄目、見ててくれないと安心して入れない」
兄「いーから!早く入ってこい!ハリー!」
兄「あー、今日は無駄に疲れた…」
コンコン
兄「ん?」
ドア「ガチャッ」
妹「お兄ちゃん」
兄「おー、どーした……って」
妹「遊びに来た」
兄「……何だその枕は」
妹「遊びに使う」
兄「何の遊びだってんだよ……投げんのか?」
妹「どっちが早く寝れるかゲーム」
兄「やっぱ寝に来たのかよ!」
妹「違う、ゲーム」
兄「言っとくけどここにお前が寝れるスペースはねぇよ、いいから部屋戻りな」
妹「何言ってるの、ここにベッドがあるのに」
兄「それは俺が寝るベッドだ!お前も自分の部屋に帰れば自分の…」
妹「お邪魔します」
モソモソ
兄「コラ!入るな入るな」
妹「残念、この布団は乗っ取った」
兄「俺さぁもう眠いんだよー、寝かせてくれって…」
妹「そうなの」
ペラリ
妹「おいで」
兄「俺のベッドなんだよーそこは!」
兄「ほら、ベッドは一人一つでしょ」
妹「エコになるよ」
兄「何のエコだよ…」
妹「おやすみ」
兄「おやすむな!」
妹「もう寝てる」
兄「のび太かよ!」
妹「そう、のび太」
兄「おいのび太!目ェ開けろって、寝てないの知ってるからな!」
妹「今寝付いた」
兄「んな訳あるか!」
妹「駄目、寝ててベッドから出れない」
兄「この寝てる子すげー喋ってるけど」
妹「そういう日もある」
兄「日替わりなのかよ」
妹「そう、そして今日はこのまま寝る日」
兄「あっコラ、起きろって!」
兄「おい!」
兄「寝るなって…!」
兄「……」
兄「……せめてもうちょっと詰めて、そっち」
妹「ウェルカム」
兄「ああんもう、全くこの子ったらぁ…」
妹「あはっ、お母さんの真似だ」
兄「似てんだろ」
妹「二点だよ、補習だね」
妹「……」
兄「……」
妹「寒い」
兄「詰めてくるなよ、狭いよ」
妹「お兄ちゃんあったかいから」
兄「眠いからなぁ」
妹「私は寝れないかも」
兄「なんで」
妹「興奮して」
兄「……」
妹「お兄ちゃん、今ドキドキした?」
兄「ハラハラした」
妹「嘘、少しはドキドキしたでしょ」
兄「まあ心臓には良くねぇかな…」
妹「調べてあげる」
兄「冷たっ!」
妹「素肌は更にあったかい、ナイスだね」
妹「というより熱い、目玉焼き焼けそう」
兄「お前の手が冷た過ぎるせいもあると思うけどな…」
妹「さっき暖めてあげたから、暖めて返して貰う」
兄「肋からじゃないと暖は取れねぇの?」
妹「そう」
兄「何がそうなんだよ」
妹「じゃあ他のところでもいい」
兄「うひゃひゃひゃ!馬鹿、首はやめろって」
妹「弱いの」
兄「……弱くねぇよ?」
妹「弱点発見」
兄「弱くねぇって、だからやめろって」
妹「弱くないならいいじゃない」
兄「次やったら追い出すからな」
妹「ケチ」
兄「ケチでいい」
妹「……もっと寄っていい?」
兄「首触らないって約束するならな」
妹「よいしょ」
ベロン
兄「うへぇ、寒いよ」
妹「1.2.3…」
兄「人の背中でなに数えてんの」
妹「肋の本数」
兄「……楽しい?」
妹「楽しい」
妹「特に逆から数えた時に一本増えてる瞬間が最高」
兄「俺の身体は都市伝説かよ!」
妹「次は乳首当てゲームでもいいよ」
兄「馬鹿」
妹「くすくす…」
ぎゅーっ
妹「あったかい…」
兄「俺はどんどん冷えていく気がする」
妹「でも心はあたたまったでしょ」
妹「気持ちも実はウハウハなんでしょ」
妹「きっと心の中じゃ燃えてるんだ」
兄「ブツブツうるせぇなぁ…」
妹「……」
ちゅっ
兄「ぎゃあ!」
妹「わぁ、色気が無いね」
兄「触るなって言っただろ!?」
妹「故意じゃない、偶然くちびるが触れただけ」
兄「よく言うよ…」
すんすん
妹「布団からもお兄ちゃんからも、お兄ちゃんのにおい」
兄「えっ、くせぇの?」
妹「嫌いじゃないよ」
兄「否定してから言ってくれよ、そういうの」
妹「臭くないけど、すぐにお兄ちゃんってわかるにおいがするから」
妹「安心する…」
兄「……そういうさ、安心とか求めてるから俺の事好きかもとか思うんじゃねぇの」
妹「違う、本当に好き」
兄「それが思い込みかもしんないって言ってるんじゃん」
妹「そんな事ない」
妹「むかつく」
兄「だからすぐ怒んなよ…」
妹「だって…」
兄「俺さ、お前が思ってる以上にお前の事を大事に思ってんだよ」
妹「……本当?」
兄「だからさ、お前が変な勘違いしてたらそれを正してやんないとって思うんだよ」
妹「勘違いじゃない…」
兄「お前は今はそう思うかもしれないけどさ、後々そうして良かったって思うと思うよ」
妹「でも、良かったって思わないかもしれない」
妹「一般論なんて豚の餌にでも混ぜておけばいい」
兄「……俺はさ、お前にちゃんと幸せになって欲しいんだよ」
妹「……」
兄「……まぁ、すぐにわかってくれとは言わねぇけどさ」
妹「……」
妹「でもいつか、お兄ちゃんが私にメロメロの骨抜きになる可能性もある」
兄「ないけど…」
妹「ある」
妹「そしてそれが、すごく幸せかもしれない」
妹「だから諦めない」
兄「……」
妹「というか、そうなる様にする」
兄「どうやってだよ…」
妹「それはこれから」
兄「あはっ、何だそりゃ」
妹「お兄ちゃんも一緒に考えて」
兄「ああいいぜ、一緒に俺を落とす方法を……って馬鹿」
妹「今思い付いたのは、いつでもどこでも呼び出して他の女と会わせない様にする」
兄「無茶苦茶だな」
妹「無茶苦茶出来るのは若さの特権」
妹「それで呼び出したお兄ちゃんといっぱい楽しい事する」
兄「楽しい事って?」
妹「何がいい」
兄「聞いちゃうのかよ」
妹「私はお兄ちゃんと一緒なら、どこでも楽しい」
兄「へいへい」
妹「私にはわかる」
妹「照れてる」
兄「ねぇよ」
妹「お兄ちゃんと、ついでに美味しい食べ物があったらいい」
兄「それだろ、ついでってより主にそれだろ」
妹「……そんな事ない」
兄「ははっ、今考えたな?」
妹「そういう事言うなら、本当にそうしてもいいよ」
妹「今、急にお腹すいてきた、今すぐ何か食べたい」
兄「はぁ?」
妹「一緒に食べ物探してくれないとやだ」
兄「えっ、嫌だよ俺眠いもん」
妹「駄目、許さない」
妹「罰として私の夜食探し隊に強制入隊」
兄「肉まん食わせたろ!?」
妹「成長期の食欲を舐めないで」
兄「嫌だって、そんな事したら目が覚めちゃうじゃん」
妹「私はハナから眠くない、だからしばらく付き合って」
兄「つーかこんな時間に食うなよ!デブるぞ!」
妹「平気、太らない体質」
兄「そうやって油断してると……コラ、引っ張んなってば」
妹「一緒に来て……お願い、お兄ちゃん」
兄「…………ホント、ワガママだなぁ…かわいくねぇの!」
妹「……それ、本音?」
兄「本音だよ本音!決まってんだろ!」
妹「そっか、じゃあさっきの言葉はウソなんだね」
兄「え?……あっ」
妹「さぁ、服を脱いでお兄ちゃん」
兄「待て!嘘だよ!今のこそ嘘だから!」
妹「駄目、そんなの許さない」
おわり
125 : 以下、\... - 2014/10/19 02:12:00.61 LcOyvqHg0.net 46/46おしまい
長く続いてすまない
次の機会にはもう少しペース早める方向で