1、入学試験<スキルテスト>
上条「そういや姫神ってここに転校してくる前って確か霧ヶ丘女学院にいたんだよな?」
姫神「そう。でも。それがどうしたの?」
上条「いや、あそこって常盤台や長点上機学園と並ぶエリート校だろ? 一体どんな入学試験してんだろうって思ってさ」
姫神「うーん。霧ヶ丘女学院は他のエリート校と違って単純な学力よりも。能力の特殊性が一番優先される。だからシステムスキャンが入学試験みたいなもの。かな」
上条「へぇー能力の特殊性か……ん? 俺の幻想殺しならその基準を満たしてるんじゃねぇか?」
姫神「確かに。言われてみれば」
上条「おお! ついに俺の時代が来たんじゃねぇか!? エリート校なら奨学金もたんまり貰えるはず! 俺、来年編入しようかな!」
姫神「……ねぇ。なにか大切なことを忘れてる」
上条「学力か? 確かにこればっかりは今更なぁ……」
姫神「それよりもっと前」
上条「うーん……なんかあるか?」
姫神「あそこは女子校」
上条「……!?」
姫神「……」
上条「こ、こうなったら上嬢さんにでも……」
姫神「その幻想をぶち壊す」
元スレ
【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-10冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1279299041/
2、合格発表<リザルトオープン>
土御門「そういやカミやんと初めて会ったのは合格発表の時だったにゃー」
上条「そうだったか?」
土御門「忘れるなんて酷いぜよ。なんか俺の隣でぶつぶつ『不幸だ不幸だ』ってお経のように唱えてたのは今でも忘れられないんだぜい」
上条「あーそのことか。……っつーかそのことは忘れてくれ!」
青髪「なんやえらく盛り上がってんなぁ。よかったら僕にも教えてくれへん?」
土御門「あー、カミやんが合格発表の時――」
上条「ストーップ!!」
青髪「なんやカミやん? ははん、なるほどなぁ……」
上条「いいか、土御門! 絶対喋るなよ!?」
土御門「そこまで言われたら仕方ないんだにゃー。今度飯奢りな」
上条「ぐ、けど仕方ねぇ。分かったよ」
青髪「なんや、僕だけ仲間外れかぁ」
上条「そういうなよ。あ、俺、小萌先生の所に行かなきゃなんねぇんだった。ちょっと行ってくるわ」
青髪「小萌先生に呼び出されるなんてええなぁカミやんは。……それでさっきの話の続き聞かせてくれへんか?」
土御門「タダでは駄目だにゃー」
青髪「zipで」
土御門「乗ったぜよ。カミやん合格発表時、自分の受験番号が『060』なのに逆さまから見てて『090』だと思ってたらしいんだにゃー。それで『090』の番号がなくて涙目で『不幸だ不幸だ』言ってたんだぜい」
青髪「なはは! アホやなぁカミやんは!」
土御門「ははは、全くぜよ!」
青髪「でも『090』の人が一番不幸やね……」
土御門「……ああ」
3、入学式<オープンゲート>
女生徒A「『校長の話って長いよな』って話しかけられたのが初めでした」
女生徒B「部活動の少し無理矢理な勧誘からさり気なく助けてくれました」
女生徒C「筆記用具を忘れて、知ってる人もいなくて困ってたら『俺のでよければ使えよ』って貸してくれました」
女生徒D「曲がり角で軽くぶつかった時、額に唇が当たったから思わず殴った」
青髪「カミやん……」
土御門「さすがにこれは……」
上条「あのー、どうして二人はそんなに拳を強く握ってるんでせうか……?」
青髪「初日からフラグ建てすぎなんじゃボケェェェ!!」
土御門「背中を刺されて死に晒せええぇぇぇ!!」
上条「うわっ!? ちょっと待てよお前ら! だぁ! ちくしょう! 不幸だーっ!!」
4、制服<ニユフォーム>
御坂「規則とはいえ、外出時も制服ってのもねぇ……」
佐天「うーん……でも逆に考えれば服を選ばなくていいってことになりません?」
御坂「そうかしらねぇ……」
初春「たまにはオシャレしたいですよね」
御坂「そうなのよ。私だって可愛い服着たいし見せたいし」
佐天「見せたいって誰にですかー?」
御坂「そりゃあもちろんあのバ……って違う違う! 誰もアイツだなんて言ってないんだからねっ!?」
初春「御坂さんそれ、半分以上喋っちゃってますよ?」
御坂「うぅ。違うのよ、だからこれはね初春さん」
佐天「あ、上条さんだ」
御坂「へっ!? ……ってどこにもいないじゃない!」
佐天「あれれ? おっかしいなぁー?」
御坂「もう、からかわないでよ……」
初春「あ、白井さんだ」
御坂「あっそう」
白井「お姉様、その反応はあんまりですの!!」
5、クラス分け<ディバイド>
上条「そういや二年から三年になるときってクラス分けあるんだよな?」
吹寄「そうよ。進学を目指すクラスと就職を目指すクラスの二つに分けられるわね」
土御門「俺は就職だにゃー。もう勉強なんて勘弁ぜよ」
青髪「僕は進学やな」
吹寄「へぇ。でもどうせまともな理由じゃないんでしょ?」
青髪「何を言うとるんや! カミやんにフラグを建てられてない希少種がおるかも知れへんやんか!」
男子生徒(その手があったか!)
吹寄「くっだらない。姫神さんはどうするの?」
姫神「私は進学かな。吹寄さんは?」
吹寄「私も進学よ。上条当麻はどうせ就職でしょ?」
上条「……」
土御門「カミやん?」
上条「出席日数がやばい……進級が危うい……」
青髪「……」
土御門「……」
吹寄「……」
姫神「……」
6、週休二日<ウィークエンド>
上条「……」
小萌「ですからここは――」
上条「…………」
小萌「こうこう、こうなりまして――」
上条「………………」
小萌「こうなるのです!」
上条「……………………」
小萌「上条ちゃーん? 聞いてますかー?」
上条「へ、ああ、はい。聞いてます」
小萌「もう、ぼーっとしてたらすけすけ見る見るですよー?」
上条「すいません、シャキッとします!」
小萌「聞き分けのいい子は先生、好きですよー。そして土日も勉強出来るなんて上条ちゃんは幸せ者ですねー」
上条「ハハハ、ソウデスネー」
上条(あぁ、週休二日制のおかげで補習が組みやすく……不幸だ……)
7、テスト<テスト>
上条「御坂、ちょっと付き合ってくれないか?」
御坂「へ!? ちょ、ちょっとアンタ今なんて……?」
上条「いやだから、ちょっと付き合ってくれないかって」
御坂「つ、つつつつ付き合うってあの、どういう意味で!?」
上条「どうって、頼みごとがあるから付き合って欲しいだけなんだが……」
御坂「……」
上条「御坂さん?」
御坂「はぁ、どうせそんなんだろうと思ったわ」
上条「? え、えーっと……忙しいならいいんだ。突然のお願いだしな」
御坂「いいわ、大丈夫。付き合ってあげる」
上条「マジか!? ああ、神様仏様御坂様!」
御坂「アンタはいちいち大袈裟なのよ。それで頼みごとって?」
上条「勉強を教えてくれ!」
御坂「……は?」
上条「次のテストは落とせないんだよ! 付き合ってくれたら荷物持ちでもなんでも一日付き合ってやるからさ、頼む!」
御坂「それはいいんだけどさ。アンタ、私に教わるとかプライドないわけ?」
上条「俺の学力に常識は通用しねぇ!」
8、文系・理系<レフトブレイン・ライトブレイン>
打止「右脳はイメージや芸術、直感を司ってるんだよね? ってミサカはミサカはヨシカワに聞いてみる」
芳川「ええ、そうよ。だから理系の人が多いって言うわね」
打止「それで左脳は言語や意味を処理するのが得意なんだよね? ってミサカはミサカは今度はヨミカワに聞いてみる」
黄泉川「そうじゃん。だから文系の人が多いじゃん」
打止「それじゃああなたは文系理系どっち? ってミサカはミサカは小首を傾げてみたり」
一方「あァ? 別にどっちねェよ」
打止「右脳も左脳も使ってないのお馬鹿さんなの!? ってミサカはミサカは突然のカミングアウトに驚いてみたり!」
一方「そォいう意味じゃねェよ!」
打止「じゃあどんな意味? ってミサカはミサカは疑いの眼差しを向けてみる」
一方「大したこたァねェ。ただ俺くれェになると右脳だと左脳だとか関係ねェンだよ。学園最高の頭脳を舐めンじゃねェよ」
打止「凄い自信だね! ミサカはミサカは手をパチパチしてみる!」
一方「ったりめェだ」
芳川「でも右脳左脳以前に君の前頭葉があれよね」
一方「……」
打止「……」
芳川「? どうしたの?」
黄泉川「桔梗は飯抜きじゃん」
芳川「え、ちょ、私死んじゃう」
黄泉川「問答無用じゃん!」
9、国語<ランゲージ>
上条「せうせう!」
青髪「なんやなんや!」
土御門「ぜいぜよにゃー!」
ローラ「けりるのよけりるのよ!」
一方「ァィゥェォン!」
絹旗「超超超!」
一同「いい感じ!」
絹旗「超超超超!!」
一同「いい感じ!!」
――――
吹寄「えーっと、どこから突っ込めばいいのかしら?」
姫神「私に任せて」
吹寄「姫神さん……?」
姫神「肉料理に白ワインかよ」
吹寄「ちょ、どこに突っ込み入れてんのそれ!?」
姫神「冗談。それにしてもなんという懐かしさ」
吹寄「年代がバレるわね」
10、数学<マス>
上条「中学に上がったばっかりの頃ってさ、算数と数学をよく間違えたよな」
土御門「あー、そうだったにゃー。そんで周りのやつにすぐにどや顔で指摘されんのが嫌だったぜよ」
青髪「『算数ってお前小学生かよ』ってなぁ。お互い、ついこの間まで小学生やったやろって思うわぁ」
上条「他にも名前変わったのあるけど、算数から数学の流ってあんまり馴染めなかったよな」
土御門「ちゃんとした意味はあるんだろうけど、俺らにしたら算数の延長上には変わらないんだにゃー」
上条「まぁ俺らはどの道、算数止まりだから関係ないよな」
土御門「……」
青髪「……」
上条「ん、どうした二人とも?」
土御門「カミやん、もっと勉強はした方がいいぜよ……」
青髪「僕、小萌先生のためにやらへんだけでほんとは出来るんや……」
上条「あーもうっ! 二人ともバカにしやがって!」
吹寄「自習だからだって騒いでんじゃないわよ! この三バカ!!」
上条「そ!」
土御門「げ!」
青髪「ぶ!」
11、社会<ソサイエティ>
土御門「遅いぞ一方通行」
一方「すまねェ。家のガキがうるさくてよ」
淡希「さすがロリコンね」
一方「違ェよ、ショタコン」
淡希「だからショタコンじゃないってば!」
一方「ハッ、この間ガキに話かけて『ジャッジメントですの!』とか言われてたのはどこのどいつですかァ?」
淡希「あれはお金を落としたって聞いたから一緒に探そうとしてただけよ!」
一方「どォだかなァ」
淡希「なによ!?」
海原「まぁまぁ二人とも落ち着いて下さい。たまたま偶然そういうことってよくありますしね」
土御門「お前はただのストーカーだ」
海原「人聞きの悪いことを言わないで下さいよこのシスコンが」
土御門「あ?」
海原「おや、どうかしましたか?」
淡希「はいはいストップ。それよりさ、凄く気になることがあるんだけどさ、私だけじゃないよね?」
海原「奇遇ですね」
土御門「実は俺もだ」
一方「なンだよ……?」
淡希「社会の窓、開きっぱなしよ」
一方「はァ? なにいって……ッ!?」
海原「たまたま偶然ありますって」
土御門「ドンマイ」
淡希「ブリーフって……」
一方「うるせェぞテメェら!!」
12、英語<イングリッシュ>
上条「英語が話せるようになりたい……」
土御門「急にどうしたんだにゃー?」
上条「ほら、インデックス関係で嫌という程思い知らされた訳ですよ」
土御門「まぁ確かにカミやんの状況からしたら必要かもしれんにゃー」
上条「今更まともに授業受けても分からないし英語アプリとかもさっぱりで……」
土御門「確かに一朝一夕で出来るもんではないぜよ」
上条「インデックスにでも教えてもらおうかなぁ……」
土御門「インデックスならきっとバッチリなんだぜい」
上条「でも覚えられないのがインデックス的には信じられないみたいで『どうしてとうまは覚えられないんだよ!』とか言われるし……」
土御門「完全記憶能力……恐ろしいぜよ……」
上条「俺はボケた爺ちゃんかっての!」
土御門「あー、カミやんカミやん」
上条「ん? なにかいい方法であるのか?」
土御門「カミやんの前に現れる人達ってばりばり日本語話してないかにゃー?」
上条「あ、」
土御門「主人公が主人公補正忘れるとは何事ですたい!」
14、体育<ウォームアップ>
一方「反射ッ、反射ッ、反射ァ! ここから先は侵入禁止<カテナチオ>、一方通行ってなァ!!」
垣根「俺の無回転シュートに常識は通用しねえ」
御坂「ねぇ、雷獣シュートって知ってる?」
麦野「関係ねえよ!! カァンケイねェェんだよォォォ!! テメェら守備陣なんざ、フェイント使わなくても、100回ブチ抜けんだよォぉぉぉッ!!」
削板「すごいキーック!!」
上条「てめぇはずっと待ってたんだろ!? ゴール前での絶妙な飛び出し、キーパーかわしての無人ゴールへ……そんな誰も期待して、誰もが望む最高のゴールシーンってやつを」
上条「今まで待ち焦がれてたんだろ? こんな展開を……何のためにここまで歯を食いしばってきたんだ!? てめぇのその足でチームの皆を助けて見せるって誓ったんじゃねえのかよ?」
上条「お前だってスタメンの方がいいだろ!? 控えなんかで満足してんじゃねえ、命を懸けてチームのために勝ちを得てぇんじゃないのかよ!? だったら、それは全然終わってねぇ、始まってすらいねぇ……」
上条「ちょっとくらい長いベンチ生活で絶望してんじゃねぇよ! 手を伸ばせば届くんだ! いい加減に奪い取ろうぜ、スタメンを!!」
柳沢「いいぜ、てめえがサイドから展開するってなら……やべ急にボール来た!」
黄泉川「そこっ! ちゃんと決めるじゃん!」
15、保健体育<ヘルスマネージメント>
麦野「今日はテメェにセックスについてしっかり教えてやる。いいなッ!?」
御坂「なんで私が……」
麦野「アァ? 別にいらねぇってか?」
御坂「私は、別にそんなこと考えてな、くもないかなとかなんとか……」
麦野「いつまでも純情ぶってんじゃねぇぞ売女ァッ! ターゲットの周りを飛ぶ衛星で満足してっとテメェのクローンに食われんぞ?」
御坂「……いくら私の妹とはそれは譲れないわね」
麦野「やっとヤル気になったか超電磁砲ッ!」
御坂(なんでこんなにテンション高いのよ)
麦野「それじゃあ始めんぞ。えーっとまずは――」
御坂「あの!」
麦野「あ? まだなんかあるってのか?」
御坂「ち、知識はその……ネ、ネットだとかであるからそのぉ……ね」
麦野「ハッキリ言いやがれガキがぁ!」
御坂「で、出来れば実体験の方が詳しく知りたいかな、って思ったんだけど……」
麦野「実体験? えっと、あー……実体験、ね」
御坂「?」
麦野「いやだから、その初めての時は色々大変でその……」
御坂「まさか、未経験?」
麦野「……」
御坂「甘いものでも食べに行こっか?」
麦野「……うん」
16、音楽<ミュージック>
佐天「ヴァイオリンを弾けるなんて御坂さんは凄いなぁ」
御坂「別に凄くないわよ。授業で習わされるから誰だって出来るわよ」
初春「そうだったんですか!? それじゃあ白井さんも弾けるんですか?」
白井「もちろんですの。とは言え、お姉様程ではありませんが」
佐天「やっぱり御坂さん凄いじゃないですか! くーっ! 御坂さんのお嬢様エキスを全部吸い出してやる!」バッ
初春「佐天さん!?」
白井「お姉様!?」
御坂「わわっ。ちょっと急に抱き付いて来たら危ないわよ」
佐天「いやぁ、つい我慢できなくなりまして……へへ」
御坂「もう。ま、たまには後輩に抱きつかれるのも悪くないか。ん? どうかしたの黒子に初春さん」
白井「い、いいえなんでもなんでもありませんの」
初春「そ、そういえば佐天さんはクラリネットが吹けるんですよね!」
佐天「まぁ少しですけど……」
御坂「へぇー。佐天さんも凄いじゃない」
佐天「お父さんから貰ったとかありがちな話ですけどね。そういえば最近吹いてないなー」
白井「是非とも聞かせてほしいですの」
佐天「れ、練習する時間をくれッス」
御坂「初春さんはなにか楽器出来る?」
初春「……」ガサゴソ
佐天「初、春……?」
初春「うんt」
佐天 御坂 白井「それはダメッ!!」
17、書道<カリグラフィ>
上条「なんかこう、気分が乗らねえなぁ……」
姫神「どうしたの?」
上条「前のノートが使い終わったから新しいノートを使おうと思うんだけど、このまだなにも書かれてない綺麗なノートを俺の汚い字で汚すと思うと気が重くて……」
姫神(微妙にエロく聞こえるのはどうして?)
姫神「そんなに気にすることないと思うけど」
上条「そうか? でもノートに気持ちがあるとしたら姫神のノートはきっと幸せだなんだろうな」
姫神「え。なにが?」
上条「綺麗なノートに綺麗な姫神の字。ノート冥利に尽きるってもんだ」
姫神「ねぇ。私は?」
上条「ん?」
姫神「私は。綺麗?」
上条「綺麗ってよりかは可愛い、だな」
姫神「! あ。ありがとう」
上条「礼を言われるようなこと言ったか?」
姫神「うん。私も上条君はかっk――」
吹寄「姫神さん、ティッシュ持ってる? 今日忘れちゃって」
姫神「空気を読めよデコ助野郎ッ!!」
吹寄「え」
18、美術<アート>
上条「おっす」
御坂妹「おっす、とミサカは同じ形式で挨拶をします」
上条「こんなところでなにしてるんだ?」
御坂妹「ご覧の通りです、とミサカはスケッチブックと鉛筆を持ち上げます」
上条「絵を描いてたのか」
御坂妹「はい。ただ外をぶらついてても暇なので絵を始めて見ました、とミサカは少し恥ずかしげに答えます」
上条「ふーん、どれどれ?」ヒョイ
御坂妹「あん」
上条「……。絵なんてさっぱり分からないけど、俺はこういう絵好きだぞ」
御坂妹「あ、ありがとうございます、とミサカは言葉を詰まらせます」
上条「そんな大袈裟な。そうだ、せっかくだから俺を書いてくれないか?」
御坂妹「え?」
上条「俺さ、外で絵を描いてる人に自分を描いてもらうのが密かな夢だったんだよ」
御坂妹「そうだったのですか。うまく書けるかどうかわかりませんがいいのですか? とミサカは確認を取ります」
上条「ああ。楽しみにしてるよ」
19、家庭科<ハウスワーク>
黄泉川「料理は任せるじゃん」
芳川「果たしてあれは料理と言えるのかしら」
黄泉川「炊飯器を舐めるなじゃん」
芳川「一度深く研究してみたわね」
黄泉川「掃除洗濯も任せるじゃん」
打止「私もお手伝いしてるよってミサカはミサカは出来る子をアピールしてみる!」
黄泉川「凄く助かってるじゃん」
打止「お世話になってるからこれくらい当然だよってミサカはミサカは当たり前のことを言ってみる」
黄泉川「きっといいお嫁さんになれるじゃん」
打止「えへへー」
黄泉川「教師とアンチスキルで稼ぎもいいじゃん」
一方「確かになァ。じゃねェと俺はともかく二人も養えねェよな」
黄泉川「そしてしっかり貯金もしてあるじゃん」
一方「ほォ、それは初耳だなァ」
黄泉川「おまけにスタイルもいいじゃん」
一方「まァどう思うかは人それぞれだけどなァ」
黄泉川「なのになんでいい相手が見つからねーじゃん!?」
一方「知るか」
20、教室<クラスルーム>
青髪「あぁ、なんや放課後の教室っていい響きやなー」
土御門「ほんとだにゃー。学校にしかないエロスを感じるぜよ」
上条「お前ら真面目に働けよ。こんなペースじゃ日が暮れるぞ?」
青髪「薄暗くなった放課後の教室ってもうエロスしかないやん!」
土御門「見回りの職員や部活動してる生徒が来るとか来ないとか!」
上条「ったく。エロスは程々にって鼻に傷のある人が言ってたぞ」
青髪「またまたカミやん、一人だけ紳士振ろうたってそうはいかへんよ?」
上条「はあ?」
土御門「薄暗くなった放課後の教室で教師と二人っきりの補習……ってのはどうぜよ?」
上条「べ、別にどうもしねぇよ」
土御門「その教師がねーちんみたいのだったらどうぜよ?」
上条「……」ゴクリ
青髪「カミやん、紳士(笑)なんて忘れて一人の男子高校生として話をしようや?」
上条「そ、そうだな。それもたまには悪く『くおぅらぁッ! まだ罰掃除してんのか貴様らは!?』」
上条 青髪 土御門「げぇ、吹寄!?」
吹寄「人を関羽みたいに言うなーっ!!」
58 : VIPに... - 2010/07/17 21:17:56.61 L7Qz02DO 20/102あれ、なんで13がないんだろう?エラーかなんかを見逃してそのまま次に行っちゃったんだろうか?
補足で入れようと思ったけどメモ帳の残り件数の関係で消しちゃったから復元が出来ない
まぁ実は100じゃなくて99でしたオチと思っていただければ
21、登下校<アップダウン>
上条「よっ」
御坂「……なんでアンタが常盤台にいるのよ」
上条「よく帰り道、御坂と遭遇するだろ? だからたまは俺から遭遇してみようかなと思いまして」
――ヒソヒソ、ヒソヒソ
上条「あれ、なんか様子がおかしいぞ……?」
御坂「と、とにかく今は帰ってちょうだい! アンタが今ここに居られたら迷惑なの!」
上条「う、物凄いアウェイな空気を感じるんですが……。分かったよ、じゃあな」
御坂「ま、待って!」
上条「ん? 帰れとか待てとかどっちなんですか?」
御坂「今は帰ってほしいんだけど……後でメール送るから、絶対見てよね」
上条「忘れなかったらなー」
御坂「忘れんじゃないわよ!」
――――
上条「お、メールか。どれどれ?」
御坂『さっきはどっち付かずなこと言ってごめん。あの場ではあーするしかなくて……。遭遇する時は私から遭遇しに行くから、あんな驚くことはもう無しね』
上条「……。おーい、わざわざ陰に隠れてメール送らなくても直接言えばいいだろ?」
御坂「い、いつから気付いてたのよ?」
上条「そっちに行った野良猫が逃げて来たからもしかしてと思ってな」
御坂「う。今日は驚かされっぱなしだわ……なんか納得いかない!」
上条「へ?」
御坂「アンタを驚かしてやるからちょっと私に付き合ってよ!」
上条「いや、これからスーパーの特売がありまして……」
御坂「私も一緒に行ってあげるから早く来る!」
上条「あ、おい! 引っ張んなよ!」
22、クラブ活動<クラブ>
絹旗「浜面がバレーに興味あるんて超驚きました」
浜面「これでも真面目に学校行ってた時はバレー部だったしな」
フレ「あーいるよねー、こういう中途半端なバレー部員て」
浜面「今でこそこうだが当時は真面目にやってたっての」
滝壺「だからはまづらの手は厚いんだね」フニフニ
絹旗「ほんとですか? 私にも超触らせて下さい」フニフニ
浜面「なんか照れるなこれは。ははは」
フレ「男のゴツゴツした手になんて興味ない訳よ」
麦野「へぇ、それなら私の手で逝かせてあげようか?」
フレ「是非! じゃなくて麦野いつからそこに!?」
麦野「ついさっきよ。……ふーん、バレーか」
絹旗「浜面は昔、超バレー部だったみたいですよ」
麦野「ははぁん、確かに脚の見え方がバニーと少し被るわね」
浜面「」ピクッ
滝壺「はま、づら……?」
フレ「結局、男は下半身が本体って訳よ」
絹旗「手を超洗ってきます……」
麦野「あーイカ臭ぇ」
浜面「女尊男卑だあぁぁぁ!!」
23、放課後<アフタータイム>
御坂「やっほー、遊びに来たよー」
白井「遊びにってお姉様、支部は溜まり場ではありませんの」
御坂「そんな! 私は黒子に会いに来ただけなのに……っ!」
白井「そういうことなら私も大歓迎ですの!」バッ
御坂「それじゃあお邪魔しまーす」ヒラ
白井「ぐぅ、テレポートして抱き付くべきでしたわ……」
佐天「おっじゃましまーす! って白井さんはなんでダイビングヘッドを決めてるんですか?」
白井「先頭打者は任せてほしいですの……」
佐天「はぁ、」
御坂「あ、私お茶入れるね」
初春「どうもすみません」
御坂「いいのよこれくらい」
佐天「私は手作りクッキー持って来ましたー!」
初春「うわぁ! ありがとうございます佐天さん!」
白井(なんという疎外感ですの……)
御坂「黒子ー、あんたも早くこっち来なさいよ」
白井「! 今行きますのお姉様ぁ!」
24、私服<セカンドユニフォーム>
垣根「なぁ、お前のその服って……」
一方「あァ? 文句でもあンのか?」
垣根「いや別にそういう訳じゃねえんだが」
一方「じゃあなンだっつンだよ?」
垣根「お前の服のセンスってよく言えばイメージを現してるよな」
一方「そりゃどォも。でェ、悪く言ったらなーンなンですかァ?」
垣根「悪く言ったら中二病っつーか……」
一方「ハァッ!? この服のセンスの良さがテメェには分かンねェのか!?」
垣根「正直さっぱり」
一方「これだからテメェは万年第二位なンだよォ」
垣根「その服のセンスで順位が決まるなら俺、第二位で構わねえわ」
一方「……。……そンなに変か?」
垣根「まぁ見る人によるとは思うが、少なくとも万人受けじゃないだろうな」
一方「そォか……」
垣根「……。最近隣の学区に『ファッションセンターはいむら』が出来たから行くか?」
一方「参考までに着いて行ってやるよ」
垣根「オーケー。飯はお前の奢りな」
25、友達<フレンド>
一方「へェ、結構安いンだな」
垣根「ファッションセンターはいむらのウリの一つだな」
一方「安いけど大丈夫なのか?」
垣根「高けりゃいいってものでもねぇよ。安くてもいいものはある。ま、ハズレは安いものの方が多いのは当然だがな」
一方「ふゥン」
垣根「ここは値段の割にはハズレが少ないから学生達には人気あるんだぜ? 見ろよこの賑わい振りを」
ワイワイ、ガヤガヤ
一方「確かに俺らにとったら消費税みたいな値段だが、一般人にとってはリーズナブルなンだな」
垣根「そうだ。それに種類も豊富だから掘り出し物も結構あるんだぜ」
一方「お前って結構常識人なのな」
垣根「常識が通用しねえのは俺の未元物質だけだ」
一方「それは悪かった」
垣根「気にすんな。さ、見て回ろうぜ」
一方「あァ」
――――
打止「どこに行ってたの? ってミサカはミサカは手に持った袋を見ながら聞いてみる」
一方「友達とちょっと服を買いになァ」
26、携帯電話<アイフォン>
神裂「ステイル、大変なことになりました!」
ステ「どうしたんだい? 血相かいて」
神裂「携帯電話が動かなくなりました!」
ステ「また充電し忘れたとかじゃないのかい?」
神裂「違います! ちゃんと電池はありますし、電波も入ってます!」
ステ「電波は関係ないんじゃ……」
神裂「と、とにかく見て下さい!」
ステ「はいはい」
神裂「……どうですか?」
ステ「あーこれはただキーロックされただけだね」
神裂「きーろっく?」
ステ「恐らく、なにかの拍子にボタンを長押ししてしまったんだろう」
神裂「これだから科学は……ッ!」
ステ「だから、らくらくフォンにしろって言ったのに」
神裂「私はまだ若い!」
27、メール<メール>
上条「なに書いてるんだインデックス?」
禁書「ハガキなんだよ」
上条「ハガキ?」
禁書「とうまの買ってきた雑誌についてきた懸賞応募用ハガキなんだよ」
上条「あーあれか。確かメールでも応募出来なかったか?」
禁書「メールよりもハガキの方がよく当たるって短髪が言ってたんだよ!」
上条「御坂が? そういやあいつ、そういう雑誌よく買ってるから詳しそうだもんな」
禁書「絶対に当てるからとうまは期待して待ってるといいかも」
上条「それは楽しみだな。それでなんの懸賞なんだ?」
禁書「お菓子の詰め合わせ缶なんだよ!」
上条「へぇ、なかなか悪くないな」
禁書「おっかし、おっかし、おっかーしー♪」
上条(欲丸出しだと当たらないって言うよな)
――――
禁書「当たったんだよ!」
上条「こいつの欲はレベル6か!」
28、春<スプリング>
一方「オラァ、もっと飲めや三下ァ……」
上条「もう飲めねぇって! つーか俺達、酒飲んじゃまずいだろ!?」
浜面「散々飲んでおいてそれはちょっとおかしいんじゃないか、上条当麻さんよぉ……?」
上条「お前も出来上がってんのか!?」
一方「せっかく人が公園の桜を見渡せる最高の一室を用意したってのに水を差すンじゃねェですゥ」
上条「どこの翠の人形だよお前は!」
浜面「当麻。酒を注いで頂戴」
上条「お前は紅か!」
一方「今日は余計なこと忘れて飲み明かそうぜェ」
浜面「たまには男同士、腹割って話そうぜ」
上条「アルハラだーっ!!」
――――
上条「だからよぉ、俺はあれでもねぇこれでもねぇってそれから――」
一方(説教始めやがった……)
浜面(空き缶に向かってなにやってんだよ……)
29、テレビ<テレビ>
御坂「なーんで私達の寮はテレビ禁止なんだろ」
白井「風紀を乱さないため、仕方ありませんの」
御坂「なくてもパソコンや携帯で見れるんだけど、やっぱりちゃんとした画面でリアルタイムで見たいわ」
白井「そうですわね。私のテレポートを使えば寮監の目は欺けそうですが、私がいない場合はどうしようもありませんの」
御坂「そうよねー。あ、そういえば寮監の部屋の奥の休憩室にはテレビあるらしいわね」
白井「んまっ。それは初耳ですの」
御坂「実はそこに住んでるんじゃないかって噂もあるらしいわ」
白井「まぁ、鋼鉄の処女<ダイヤモンドヴァージン>の異名を持つ寮監に帰りを待つ人なんていませんしね」
御坂「く、黒子」
白井「はい?」
御坂「うううう後ろ、後ろ」
白井「後ろ? ぎぇッ!?」
寮監「ふん」
白井だったもの「……」
寮監「御坂」
御坂「は、ひゃい!」
寮監「今ここで白井だったものにされたくなければ……分かってるな?」
御坂「課外学習頑張りますっ!!」
30、ラジオ<ラジオ>
佐天「木山さんていっつも目の下に隈つけてますけど、やっぱり研究職って忙しいんですか?」
木山「研究している内容にもよるが、案外暇なものだよ」
佐天「どうしてですか? イメージとしては、ずぅっとパソコンとかを眺めてるイメージがあるんですけど」
木山「動かしてるのは脳だからね。それに忙しいっていうのは実はよくないことなんだよ」
佐天「へ?」
木山「忙しいという状態は大抵イレギュラーが発生した時だ。もちろん悪い意味でね」
佐天「なるほど。でもなにか実験が成功した時も忙しくなるんじゃないんですか?」
木山「誰も実験が失敗すると思って実験しない。成功すると思って準備を進め実験するんだ。だから成功したらすぐ次の研究が始まるんだ」
佐天「えーっとつまり、成功は通過点の一つに過ぎないからそこでいちいち止まるなってことですか?」
木山「あぁ、そうとってくれて構わない」
佐天「研究職が意外と暇なのは分かりました。それで結局、木山さん目の下の隈さんの正体はなんですか?」
木山「ふむ……恐らくラジオのせいだろう」
佐天「ラジオ? 深夜ラジオですか?」
木山「そうだ。最近はまってしまってな」
佐天「私も眠れない夜とかにたまに聴きますけど面白いですよね!」
木山「あぁ。ぼーっとデータ見ながら聴くとちょうどいいんだ」
31、体操服<スポーツユニフォーム>
佐天「うーいはるーん!!」
初春「……」
佐天「あ、あれ?」
初春「どうかしまたか佐天さん?」
佐天「初春……あんたが短パン穿くなんてなんか色々間違ってるよ!」
初春「もう佐天さんにスカート捲られるのは嫌ですからね」
佐天「ちぇ。……はっ! まさか変わりに下着を穿いてないとか!?」
初春「ちゃ、ちゃんと穿いてますよぉ!」
佐天「ですよねー。でも短パンじゃつまらないな……」
初春「つまる、つまらいの問題じゃありません!」
佐天「そうだ! ブルマなんてどう?」
初春「えぇ!? ……なんか下着より恥ずかしいです……」
佐天「なにっ!? 恥ずかしい!? よし、じゃあ穿け!」
初春「お断りします!!」
32、プール<プール>
一方「ヒャッハァー!! 回れ唸れ捻れろォォォッ!!」
ワーワー!! ギャーギャー!!
一方「ギヒャハヒャフヒャヒャ!!」
――――
一方「はい。ほンとすいませン。調子に乗ってすいませン。しっかり弁償するンではい」
33、喧嘩<アサルト>
上条「なにかあるとすぐ電撃飛ばすのやめてくれねぇかな……」
浜面「お前はまだその右手があるからいいだろ。俺なんてなんもねぇんだぞ?」
上条「それでも大変なんだよ」
浜面「ばっかお前。それでも向こうが手加減してたらなんとか助かるだろ? 俺なんて穴開くの確定済みなんだぜ?」
上条「うわっ、痛そう……」
浜面「この間『尻の穴から口までを最短距離にしてやろうか』なんて恐ろしいことを言われたよ……」
上条「俺もこの間『アンタの体に流れてる脳からの生体電流、逆にしたらどうなるかしらね?』って言われたぜ……。右手どうこうの問題じゃねぇよ……」
上条・浜面「あぁ、不幸だ……」
一方「甘ぇ。甘ェよ三下共」
上条「はぁ? 打ち止めがなにかすんのか?」
一方「なにかってレベルじゃねェーよ」
浜面「お前の能力なら別にどうってことないだろ?」
一方「あるンだよ。それが」
上条「一体なにがあるんだ?」
一方「演算補助を切られるンだよ。動けねェわ考えられねェわ喋れねェわだで、テメェらよりやべェンだよ」
浜面「そ、それだけだよな?」
一方「はァ? ンなわけあるかボケェ。あのクソガキ、なンにも出来ねェ俺の顔に悪戯書きとかしてくンだよォ。うぜェったらねーわ」
上条・浜面(発想が子供でよかったな……)
34、体育祭<スポフェス>
土御門「アニメの二期に期待ぜよ」
上条「だな」
35、ニックネーム<ニックネーム>
麦野「私達って不敏なニックネームつけられてるわよね」
垣根「お前はまだいいだろ。俺なんか冷蔵庫とか家電で呼ばれてんだぞ?」
麦野「あーそれ、私だわ」
垣根「てめぇか!!」
麦野「はいはいめんごめんご」
垣根「チッ、まぁいい。そういや最近、麦のんからターミネーターとかになってんな」
麦野「あの表紙のせいだっつーの。私はただ浜面をブチ殺したいだけ」
垣根「なんかいいニックネームが欲しいな。しずりんとかどうだ?」
麦野「はぁ? そんな古臭いのいらないんだけど」
垣根「そんじゃあ、しずちゃん」
麦野「池袋か」
垣根「しずしず」
麦野「言いにくい。却下」
垣根「りんりん」
麦野「パンダか!」
垣根「ムギアーノ・シズリーヌ」
麦野「誰だよ!!」
36、更衣室<ドレッシングルーム>
上条「あのー……私、上条当麻はどうして縛られてるんでせうか……?」
土御門「LS防止委員会からのお達しぜよ」
上条「LS防止委員会? なんだなぁそりゃ」
青髪「ラッキースケベ防止委員会のことや」
上条「んなもん聞いたことねぇぞ!」
土御門「カミやん以外の男子は皆所属してるはすだから当たり前だにゃー」
上条「いつの間にそんなことが……」
青髪「普通の体育の着替えなら構わへん。けど今は女子の更衣室は電気系のトラブルで使えへんようになって教室で着替えてるんや。そんな状況にカミやんを野放しにしたら……」
上条「でもさ、俺がお前たちと一緒にいたら安全だろ? だからこれを解いてくれよ」
土御門「それは駄目ぜよカミやん」
上条「なんでだよ!?」
青髪「なんとなくや」
上条「お前ら後で覚えてろよ……!」
――――
上条「縛られてたから最後になっちまった。早く着替えねえと」
吹寄「上条当麻、ここにい……ななな、なんで着替え中なの!? ばかっ!」
上条「逆ラッキースケベですか!?」
37、身体測定<ボディーチェック>
御坂妹「身体測定の結果はどうでした? とミサカは興味津々で尋ねます」
御坂「……私の身体測定の結果がアンタになんの関係があるっていうのよ?」
御坂妹「大いにあります」
御坂「どこにあんのよ?」
御坂妹「クローンであるミサカ達の伸びしろはお姉様にかかっているのです、とミサカはない胸を見下ろします」
御坂「胸ならちゃんとあ、あるわよ!」
御坂妹「Aはある内に入るのですか?」
御坂「需要ならどこかにあるはずよ……」
御坂妹「おー、なるほど。とミサカはうまい切り返しに手をポンとします」
御坂「お母さんがそれなりにあるからまだまだこれからだと思うんだけど……」
御坂妹「ミサカは牛乳とキャベツをかかしてません、とミサカはお姉様とは違うところをアピールします」
御坂「あれ迷信よ迷信」
御坂妹「マジで?」
御坂「うん。ジャンケンの前に組んだ手を覗くと勝てる、くらいのレベルの話よ」
御坂妹「……ミサカの努力は一体……?
御坂「他にも方法あるんだから次頑張りなさい!」
御坂(言えない。私も試して体重が増えただけだったなんて言えない)
38、出欠<アテンダンス>
上条「不幸だ……」
土御門「まぁ色々仕方ないぜよ」
上条「それはそうだけど……」
土御門「向こうは向こう、こっちはこっち。一緒にしたら駄目なんだにゃー」
上条「お前はたまに手厳しいことをサラッと言うよな」
土御門「そうかにゃー? ま、そういう世界にいるんだから厳しくないとやっていけないんだぜい」
上条「そうだよな。あー、冬休み無しでいいから出席なんとかならねえかなー」
土御門「冬休みは冬休みでなにかあるんじゃないのかにゃー?」
上条「そういうフラグは建てちゃダメ、ダメなの、ダメなのですの三段活用!」
土御門「万が一のために確認したいことがある」
上条「な、なんだよ? 急にシリアスモードになって……」
土御門「留年したらちゃんと『先輩』をつけろよ?」
上条「なっ!?」
土御門「学年が違うんだから当たり前だろ?」
上条「その幻想をぶち壊す!」
土御門「あらよっと」ヒョイ
上条「え?」
青髪「ぶはぁっ!!」
上条「あ」
姫神「凄い出血!」
39、学級閉鎖<シャットアウト>
禁書「とうまでも風邪は引くんだね」
上条「とうまでもってなんですか!? まさかバカは風邪を引かないとか思っぶえっくしょん!」
禁書「とうま、騒いだから悪化するから寝てなきゃ駄目かも」
上条「あ、わりぃ。でも流行りの風邪で助かったよ」
禁書「どうして?」
上条「この風邪で学級閉鎖になったから出席が危うい上条さんにとっては凄くありがたいんですよ」
禁書「そう。でも無理しちゃ駄目なんだよ」
上条「分かってるって」
禁書「む、その反応は分かってないかも」
上条「分かってるよ。それに早く治してインデックスに飯作ってやらないとな。いつまでもインスタントだと飽きるだろ?」
禁書「それはそうだけど……ってこんな時に私の心配するなんてやっぱり分かってないんだよ!」
上条「う、」
禁書「私にだって風邪っぴきの看病くらいできるんだよ!」
上条「そっか。そんじゃあ色々任せるよ」
禁書「まっかせられたんだよ!」
40、保健室<セーブルーム>
芳川「もう一度教師、目指そうかしら」
黄泉川「やっと働く気になったか! 嬉しいじゃん!」
芳川「でも困ったわ」
黄泉川「なにがじゃん? 桔梗なら筆記は楽勝でパス出来るはずじゃん?」
芳川「そういうことじゃなくて」
黄泉川「じゃあなにを困ってるじゃん?」
芳川「ほら私って優しいじゃなくて甘いじゃない? だから教師になったとしてもクラスをまとめられる自信がなくて……」
黄泉川「うーん……でも桔梗と同じかそれ以上にパッとしない奴でも教師とアンチスキルやってるからきっと大丈夫じゃん!」
芳川「私よりって……その人は大丈夫なの? その、色々と」
黄泉川「端から見れば言いたいところは山ほどあるけど、一生懸命な人間を悪く言えないじゃん」
芳川「そう。でも私はそこまでアグレッシブにはなれないわ」
黄泉川「昔から桔梗はバタバタするようなタイプじゃないもんな。あ、そうだ。いいポジションを思いついたじゃん」
芳川「どこ?」
黄泉川「保健室の先生とかどうじゃん?」
芳川「なるほどね。悪くない選択だわ」
黄泉川「だろだろぉ? コネなら任せるじゃん!」
芳川「ありがとう。でも一つ致命的な問題があるわ」
黄泉川「ん?」
芳川「私にやる気がないことよ」
黄泉川「……。一方通行!」
一方「あン?」
黄泉川「やる気のベクトルって操作出来るか!?」
一方「そォいうのは専門外だ」
41、図書室<ライブラリー>
佐天「今は色んなものがデジタルな世の中で、ここに来るとアナログを感じるよねー」
初春「なんだか都会と田舎の言い回しみたいですね」
佐天「そんな感じじゃない? 学園都市が発行してる本てあのー、データ書籍じゃなくて……」
初春「電子書籍のことですか?」
佐天「そう、それそれ! 電子書籍がデジタルとすると図書室の本はアナログじゃない?」
初春「言われてみれば確かに、科学の最先端の街でこんなにアナログなものがあるって凄いですね」
佐天「でしょ? あーぁ、ここにあるもの全部データ化すれば、本の整理なんてしなくてもいいのに」
初春「それはそうですけど、なんでもかんでもデータ化すればいいってものではありませんよ佐天さん」
佐天「どうして?」
初春「データは所詮は0と1の集合体で動力がなければどうしようもありません。ですから重要な資料などは何個バックアップを取り、コピーなどをして保管するんです」
佐天「そっか。その点、こういう本は中身が消えるとかないもんね」
初春「はい。それに御坂さんの電撃でおかしくなることもありませんし」
佐天「本人のいないところでは結構黒いこと言うよね、初春……」
初春「ほぇ? なんのことですかぁ?」
42、夏休み<サマーライフ>
上条「来年こそは、楽しい夏休みを!」
小萌「上条ちゃんはきっと補習なのですよー」
上条「そりゃないっすよ先生!」
小萌「私はただ単に今までの上条ちゃんの学力から予想したまでです」
上条「何故ここまで差がついたのか。慢心、環境の違い……」
姫神「私が教えてあげようか?」
上条「いいのか姫神!?」
姫神「そのくらいなら構わない」
女生徒(お嬢様学校から来たからって……!)
上条「姫神は女神でもあったわけだ!」
姫神(なんでだろう。誉められてるはずなのに。この釈然としない言い回しは)
43、冬休み<ウインターライフ>
上条「悪い、待ったか?」
美琴「もう、クリスマスって一大イベントに遅れるってどういうことよ?」
上条「来る途中の信号に全部引っ掛かってさ……」
美琴「こんな日まで不幸をよこすなんて、当麻の神様は一体どういうつもりなんだろうね?」
上条「さーてね。でも今日は美琴と今日という日を過ごせるなんて幸せだよ」
美琴「ななっ!? 急に恥ずかしいこと言わないでよ。ばかっ……」
上条「ははは。お、雪だ」
美琴「ほんとだ。まさにホワイトクリスマスね」
上条「それじゃあ、そろそろ行くか美琴」
美琴「うん。あ、当麻」
上条「ん?」
美琴「手、繋ご?」
上条「あぁ、いいぜ」
――――
ガバッ!!
上条(な、なんなんだ今の夢は!? ついに宇宙の法則でも乱れちまったのか!? あーダメだダメだ、寝よ寝よ。……。……寝れねぇ)
バサッ!!
御坂(ななななななな、なによ今の夢は!? ってか夢!? じゃあなんで目覚めてんのよ! バカバカ私のバカッ! もう一回寝れば! ……。……寝れない)
44、春休み<スプリングライフ>
上条「春休みってなんか微妙な感じだよな」
青髪「せやなぁ。夏休みや冬休みとは違うノリやな」
土御門「課題が出ないだけマシだにゃー」
上条「俺らの高校じゃ出ないけど他じゃ出るみたいだぞ」
青髪「うわー、それは大変やなー」
土御門「それに春期講習なるものもあるそうだぜい」
上条「な、なんだそのおぞましい単語は……!」
青髪「あーっ! 僕の頭が侵食されていくぅ!!」
土御門「夏期講習……」
上条「やめてー! 上条さんのライフはもう0よ!」
青髪「ぎゃー! 全身が真っ青になってまうー!!」
姫神「私。それ。すっごく見てみたい!」
吹寄「こらこら、近付くとバカが移るわよ」
土御門「冬期講習……」
上条 青髪「ぬわーっ!!」
45、ゴールデンウイーク<ゴールデンウイーク>
姫神「ゴールデンウイークって単語。民放でしか使われてないって知ってた?」
吹寄「え、そうなの?」
姫神「うん。○HKでは使われてないの」
吹寄「そういえば大型連休って言ってるわね。でも、どうして?」
姫神「ゴールデンウイークは元々業界用語で。N○Kがその単語を使うと宣伝になることと。お年寄りや休みじゃない人に配慮して。大型連休にしてるの」
吹寄「へぇー。何気なく聞いてたけどNH○にはそんな理由があったのね」
姫神「そう。でも。あっちはそんなことどうでもいいみたい」
上条「やっぱり日本人なんだから漢字だろ。黄金週間!」
青髪「やっぱりかっこよく英語やって。GW!」
土御門「俺は舞夏と休みが合えばなんだっていいにゃー」
吹寄「男ってバカよね」
46、避難訓練<テイクシェルター>
青髪「ぐわぁっ!!」
上条「青髪!? ちくしょう、タイミングよく天井がくずれやがって!」
土御門「大丈夫か青髪!? 今、どけるからな!」
青髪「うぐっ、僕はもう無理や……」
上条「なに言ってんだよ!? 絶対に生きて帰ろうって約束したじゃねぇか!?」
土御門「約束を破るなんて、お前それとも親友か!?」
青髪「……ごめん」
上条「いいって。よっしゃあ、瓦礫を持ち上げるぞ土御門!」
土御門「任せろ! 待ってろ、俺らが絶対助け出してやるからな!」
青髪「二人とも危ない!」
上条 土御門「え?」
――スパーン! スパーン!
吹寄「なにやってんだ貴様らは!」
上条「いってぇ。なにって避難訓練だよなぁ?」
土御門「いたた。そうだぜい。もう少しで助けが来るところだったのにゃー」
吹寄「助け?」
姫神「怪我人はいませんかー!?」
吹寄「あんたもかっ!」
――スパーン!
47、通知表<リザルト>
土御門「カミやんはなんだかんだ言って成績は普通だにゃー」
青髪「ほんまに?」
上条「ほらよ」
青髪「……ほんまや。これは意外やわー」
上条「日頃の補習も無駄ではなかったわけだ!」
土御門「理数系の悪いところをうまく他でカバーしてるぜよ」
上条「そういうのはいいんだよ。お前らはの成績はどうなんだよ?」
土御門「ほらよ」
上条「げっ! なんでお前こんなに成績いいんだよ……」
土御門「人は見かけによらないってことだにゃー」
上条「お前程そのセリフが似合う奴は知らないよ。青髪、お前はどうなんだよ?」
青髪「ほれ」
上条「……。お前、勉強出来んのに補習参加してんじゃねえよ!」
青髪「小萌てんてーの喜ぶ顔が見たくてついいい成績取ってしまうんや!」
上条「こうなったらまた姫神に頼んで……」
女生徒「え? 今なんて?」
上条「姫神また勉強教えてもらおうかなって……」
女生徒「ひーめがみさぁぁぁん?」
姫神「待って。話せば分かる」
女生徒「抜け駆けしてんじゃないよ!」
姫神「あうちっ」
48、マラソン大会<マラソン>
上条「なんだよ。もうへばってんのか?」
土御門「カミやんは、なんでそんなに、元気、なんだにゃー」
青髪「しかも、息も乱れて、ないって、どういう、ことや」
上条「日頃色んな奴から追いかけ回されたり、追いかけたりしてれば体力もつくって!」
土御門「要は、体力バカ、ってことぜよ」
上条「なんだと!?」
青髪「声を荒げる、元気も、あるんやね」
上条「ははは! このまま15分説教も余裕だぜ!」
小萌「青髪ちゃーん! 上条ちゃんに負けちゃダメですよー!」
青髪「よっしゃああああっ! 任せろおおぉぉぉ!!」ダッ
舞夏「兄貴ー! 上条当麻に勝ったらご褒美なー!」
土御門「おっしゃああああっ! 待ってろ舞夏ぁっ!!」ダッ
上条「元気ありまくりじゃねえかよ!」
禁書「とうまー! 学食タダ券のために負けちゃダメなんだよー!」
上条「インデックスは食い物目的だろ……。だぁーちくしょう! 待てよお前らああぁぁぁぁ!!」ダッ
49、文房具<ステーショナリー>
戦場ヶ原「私の良き戦友(とも)にこんな安っぽいカタカナを付けるなんて、よっぽど鋏まれたいのかしら? それともエグられたいのかしらね」
上条「あのー、どちら様でせうか?」
戦場ヶ原「あえて言うなら、本家様よ」
上条「本家、様……?」
戦場ヶ原「ええ。人は皆、プリティーでキュートな私をプリキュアと呼ぶけれど」
上条「絶対にそれはねぇよ!」
戦場ヶ原「あら、レディーに向かってプリティーでもキュートでもないって随分失礼ね。バ上条」
上条「バ上条って……」
戦場ヶ原「あら、気に入らなかった? そうね。ゴミ条……いえ、カス条なんてどうかしら?」
上条「どうしてわざわざ言い直したんですか!? しかも余計悪い方に!」
戦場ヶ原「それよりハゲ。いいえ上条君」
上条「なんつー間違え方だよ……。それで、なんですか?」
戦場ヶ原「私の名前は戦場ヶ原。戦場ヶ原ひたぎよ。よろしく」
上条「今更自己紹介ですか!? あー、知ってそうだけど上条当麻だ。一応よろしく」スッ
戦場ヶ原「……ごめんなさい。私、阿良々木君以外の男性とは触れられないの」
上条「そ、そうか。すまん」
戦場ヶ原「もっとも、そんなイカ臭そうな手なんて最初から触れたくもないけれど」
上条「大丈夫ですぅ!」
戦場ヶ原「そう? それじゃあそろそろ戻るわね。ばいびー」
上条「ば、ばいびー……。なんだろ、どんな能力者よりも手強かった気がする……」
50、髪型<ヘアースタイル>
上条「御坂、お前髪伸びたか?」
御坂「最近、忙しくして切りに行く暇がないのよね」
上条「ふーん」サワ
御坂「ひぃ!?」
上条「悪い! つい……すまん!」
御坂「だ、大丈夫。少しビックリしただけだから……」
上条「そ、そうか」
御坂「だから、アンタが悪いと思うことないのよ。触りたかったら、さ、触ってもいいのよ?」
上条「じゃあお言葉に甘えて……」
御坂「うん」
上条「……。あ、」
御坂「ど、どうしたの?」
上条「枝毛」
御坂「枝毛? あー、髪長くなってくるとどうしてもね」
上条「へぇ。……」
御坂「あ、ちょ、裂かないでよ!?」
上条「もうおせーよ」
御坂「やぁ、ちょっとぉ」
51、委員長<リーダー>
上条「吹寄って委員長キャラだよな」
吹寄「そう? 別にそういう仕事は嫌いじゃないからいいんだけど」
上条「大変だったりしないか? 俺が言うのもなんだけど、このクラスはバカが多いしさ」
吹寄「主に貴様らだけどね。ま、大変じゃないと嘘になるかな」
上条「だろ? たまには男手に頼れよ」
吹寄「はぁ? 別にそんなことしなくても――」
――ガラッ
土御門「配布物の整理終わったにゃー」
青髪「指の脂吸われてぱっさぱさやー」
吹寄「あんた達、それ私の仕事!」
土御門「頑張りすぎはよくないぜよ」
吹寄「なっ!?」
青髪「やる気あるのはいいことやけど、たまに息抜きは必要ってことや」
上条「二人の言う通りさ。後は俺達がやるから、休んでていいぞ」
吹寄「……。勝手なことした貴様らを放っておけるか! ……でも感謝してる」
上条「礼なら姫神に言ってやってくれ」
吹寄「姫神さんに?」
上条「ああ。『最近。吹寄さんのおでこが輝いてないの。多分疲れてる証拠だから手伝ってあげて』って言ってたからな」
吹寄「確かに最近疲れて額に覇気が……ってなんじゃそりゃ!」
52、不良<アウトロー>
浜面「常盤台にも不良っているのか?」
御坂「怖い人ってのはいますけど、浜面さんみたいな人はいないですね」
浜面「これは痛いところを……。まぁ確かに女の不良ってのも珍しいしな。スキルアウト時代、女は全くいなかった訳じゃないが、それでも大半は男だったな」
御坂「そういう女の人って大抵リーダーかリーダーとくっついてません?」
浜面「お、よく知ってるねぇ御坂ちゃんは。それでよくまとまってるグループもあるんだが、そのグループが崩れる時ってのは大抵女絡みだな」
御坂「男が悪いんですよ」
浜面「はは、また痛いところを……。だから女4人で構成されてるアイテムは強いのかもな」
御坂「浜面さんもアイテムですよね?」
浜面「下っ端だよ下っ端。いつもお嬢さん方のご機嫌取りだよ」
御坂「そうなんですか」
浜面「御坂ちゃんもグループ作ったらどうだ? あのジャッジメントの子と違う制服の二人を入れてさ。それで上条を下っ端に入れてしまえ」
御坂「それはいい考えかもしれませんけど、あいつは下っ端じゃなくて、私の隣に……」モジモジ
浜面「そうしたかったらもっとあいつの前で素直になるといいぜ」
御坂「分かってるんですけどなかなか……」
浜面(上条のやつもまんざらでもなさそうだけど、ここはあえて黙っておくか)
53、階段<ステップ>
上条 浜面「はぁ……」
麦野「なんで急に溜め息ついてんのよ?」
御坂「なにかあったの?」
上条「なにかって、なにかあったから溜め息ついてんだよ」
浜面「そうそう。こっちとしては溜め息もつきたくなるって」
麦野「なんでよ? 私らなんかした?」
浜面「ああ、したよ。上条の言葉を借りると幻想をぶち壊されたよ」
上条「俺らのときめきを返せってんだ」
御坂「ちょっと意味が分かんないんだけど……」
上条 浜面「スカートの下に短パン穿いてんじゃねえよ!!」
御坂「アンタ達まさか階段で……?」
麦野「オイオイ、なに覗いてんだテメェら?」
上条「目が行っちまうんだから仕方ねえだろ!?」
御坂「開き直った!?」
浜面「男の性だ本能だ! 許せ!」
麦野「だぁぁァれが許すかッ!」
上条「逃げるぞ浜面!」
浜面「よっしゃぁ!」
御坂 麦野「逃がすか!!」
54、怪談<アフレイド>
神原「やぁやぁ、先日は戦場ヶ原先輩がこの世界にお世話になったそうじゃないか」
一方「誰だテメェ?」
神原「私か? 私の名前は神原駿河。年中乾き知らずな女だ!」
一方「そンな情報いらねェよ! つゥかなにしに来たンですかァ?」
神原「『怪談』と言ったら本家に適うまいと思ってわざわざ出張してきたのだ」
一方「そォかい。残念ながらここは科学の最先端の街だ。怪談なンてものは需要ねェぞ」
神原「なるほど。たがしかし、私は立派なアホ毛の幼女見るまで帰らないぞ!」
一方「立派なアホ毛の幼女だとォ? オイ、神原とやら。打ち止めになンの用だ?」
神原「打ち止めちゃんと言うのか! 随分と変わった名前だな。別に名前なんてどうでもいいから早く出すんだ! 取ったり食べたりするから!」
一方「テメェみたいな変態に打ち止めを会わせられるかァ!」
神原「ああっ! 阿良々木先輩に変態と言われるのもいいが、その一万人は殺してそうな声で変態と言われるのもいいものだなぁ!」
一方「う、うるせェ! テメェはとっとと自分のところに帰りやがれェ!」
神原「いいや、その打ち止めちゃんとやらに会わせてくれるまでこの神原駿河、テコでも動かん!」
一方「あァッ! 助けてくれよヒーロー!!」
55、青春<ユース>
小萌「最近、上条ちゃんの様子が変なのです」
黄泉川「変? どう変なんじゃん?」
小萌「なんかこう、いつも通りと言えばいつも通りなんですけど、クラスの女子としっかり線引きをしてると言いますか、以前より騒ぎが小粒になっているのですよ」
黄泉川「ふーん、あいつがねぇ。もしかすると好きな奴でも出来たじゃん?」
小萌「上条ちゃんに? ……なんだか大切な一人息子を奪われる感じがしてきました」
黄泉川「ははは、バカな子ほど可愛いって言うじゃん。にしても恋か……青春じゃん」
小萌「そんなさも昔のようなことを言ってはだめなのです。私達だってまだまだ現役ですよ」
黄泉川「でも、子供達の成長を常日頃から見てる立場としては齢を感じられずにはいられないじゃん」
小萌「そうは言っても――」
上条「小萌先生! 宿題やったけど忘れました!」
小萌「上条ちゃん? コホン。今日の放課後残ってやってもらいますから大丈夫ですよー」
上条「やっぱりですか!? ちくしょうインデックスの奴が朝からサランラップで遊ばなければ……!」
小萌「全く、上条ちゃんは成長してるんですかねー」
黄泉川「まだまだ小萌から離れなさそうにないじゃん」
56、屋上<トップ>
ステ「なぁ、神裂」
神裂「なんでしょうステイル?」
ステ「虫刺されが気になるならその格好やめたらどうだい?」
神裂「これは私の術式に必要な格好です! やめるわけにはいきません!」
ステ「年頃の女子が太もも虫刺されをいくつも作るのはどうかと思うよ」
神裂「仕方ないではありませんか……。ステイルこそどうなのです?」
ステ「僕かい? 僕ならこういう格好だから大丈夫だし、それに僕の魔術の特性上、虫はよってこれないんだ」
神裂「そうですか……」
ステ「しかしあれだね。虫除けスプレーとかしてないのかい?」
神裂「いいえ。まさかこうなるとは思いませんでした」
ステ「……虫除けのルーンを作るからちょっと待ってなよ」
神裂「申し訳ありません……」
ステ「それにしても、くくっ」
神裂「なにがおかしいのですか?」
ステ「いやいや、聖人でも虫刺されはどうしようもないんだなって、くふっ」
神裂「わ、笑ってないで早く作ってください!」
57、授業<レッスン>
上条「10分は経っただろ! って思って時計を見たら5分も経ってなかったってのは、どう考えても魔術師の仕業だと思うんだ」
土御門「体感的なものを操る魔術はあるにはあるんだが、絶対違うぜよ」
上条「分かってるって。例えだよ例え」
土御門「寝ると4、50分あっという間なんだけどにゃー」
上条「そうなんだよな。ってお前寝てんのか!?」
土御門「たまににゃー」
上条「サングラスか! そのサングラスだな!?」
土御門「ははは、そこに触れちゃいかんぜよ、カミやん」
上条「まぁサングラスいいにして、よくバレないな」
土御門「黒板とノートの間に視点置くといいぜよ」
上条「なんでだよ?」
土御門「先生が手を止めてこっちを見てるのに、ずっと下を向いてたら変ぜよ。逆に顔を上げてても、ノート取ってるのか疑われるんだにゃー」
上条「だからその間を取るのか」
土御門「そういうことだぜい
上条「よし、試してみるか」
――――
上条「……」カックンカックン
教師「上条! 起きろ!」
上条「は、はい!」
上条(中途半端に首上げてたせいでカックンカックンしたじゃねえか。どれどれ土御門は?)
土御門「……」
上条(しっかり固定されてる!)
58、席替え<シートチェンジ>
浜面「席替えをしよう」
麦野 フレ 滝壺 絹旗「は?」
浜面「いや、だから席替えをしようって……」
麦野「なんでよ?」
浜面「4人席のところをはみ出して座ってるのはもう勘弁だ」
フレ「だから席替えをしてちゃんと座りたいって訳?」
浜面「そうだ」
絹旗「超お断りします」
浜面「今日一日だけでいいんだ」
滝壺「そのくらいなら面白そうだからやってみよ。ね、みんな?」
麦野「今日一日で滝壺がそこまで言うならやってみるか」
浜面「ほんとか!? なんだよ、結構優しいとこあるじゃん!」
麦野「気まぐれだよばーか」
絹旗「とりあえず浜面のポジションは超お断りです」
フレ「私もー」
滝壺「平等にジャンケンとかでどうかな? 勝った人から好きな場所を取っていくの」
フレ「結局、それが一番て訳ね」
麦野「よーし、じゃあ始めるよ」
一同「オー!」
――――
浜面「くそっ! 三択の仕上と呼ばれたこの俺が最下位だと!? つまり同じ席! ガッデム!」
滝壺「大丈夫、私はそんなはまづらを応援してる」
59、落書き<ジャンキーアート>
男子生徒「上条、教科書忘れたからちょっと見せてくれね?」
上条「あいよ」
男子生徒「サンキュー。……ぶふぅっ!!」
上条「汚ね!? どうしたんだよ突然」
男子生徒「だって、この落書き。くくく」
上条「スペースがあったから下半身足してみたんだよ。なかなか可愛いだろ?」
男子生徒「可愛いって、キモイだけだって。くくっ」
教師「こら、お前たちなにしてるんだ?」
男子生徒「あ、いえなにも……」
教師「ん、上条。教科書は?」
上条「今貸してます」
教師「ふむ。これか……ぶはっ! か、上条! なんだこれは!?」
上条「あーえーっと……物足りなかったんで下半身を足そう思いまして……」
教師「くははっ。ま、まぁ今回は面白かったから見逃してやろう」
上条「マジですか! ありがとうございます!」
教師「ただし、小萌先生には報告しておくぞ」
上条「先生それ見逃してないです!」
60、ゲームセンター<ゲームセンター>
御坂(あーもうっ! また落としちゃった。なかなかしぶといわねあのゲコ太)
御坂(小銭もなくなっちゃったし、かるーく電気流して操作――)
上条「こら、なにしてるんだ御坂」
御坂「うひゃぁ!?」
上条「……なにもそこまで驚かなくてもいいじゃねぇか」
御坂「ア、アンタが急に声をかけるからでしょ!? こっちは真剣だったんだからね!」
上条「分かってるよ。真剣に電気流して操作しようとしてたんだろ?」
御坂「うげっ!」
上条「俺は無能力者だからAIM拡散力場だとはよく分かんねえけど、御坂の電撃を出すタイミングはなんとなく分かるんだよな」
御坂「なんで、どうして分かるのよ?」
上条「さぁなんでだろうな。俺にもよく分からないんだよ」
御坂「よく分からないって……もしかしてアンタに能力使い過ぎた?」
上条「使い過ぎってもんじゃねえよ! こっちは何回死にかけたと思ってんだよ!?」
御坂「ご、ごめんなさい……」
上条「? 今日はやけに素直じゃねえか。ゲコ太取れなかったのがそんなにショックだったか?」
御坂「……。ええ、大体はアンタのせいよ」
上条「やっぱりそうなるんすね……」
御坂「だからあのゲコ太取ってよ」
上条「なんでそうなるんだ?」
御坂「いいから、私を助けるためと思って頑張る!」
上条「いや、今日は持ち合わせががが……不幸だ」
61、バレンタインデー<バレンタインデー>
滝壺「はい、はまづら」
浜面「お、ありがとうな滝壺」
滝壺「どういたしまして」
絹旗「私からもありますよ」
浜面「サンキューな絹旗」
絹旗「義理ですからね。超勘違いしないで下さいね」
浜面「分かってるって」
フレ「私のは隠し味満載だから気をつけなよー?」
浜面「あぁ、期待してるよフレンダ」
フレ「にっひっひ」
浜面「後は……」チラッ
麦野「なによ? ちゃんと用意してるって。ほら」
浜面「どうもな。……でもなんで三個もあるんだ?」
麦野「ビターが好きなのか、甘いのが好きなのか、その間が好きなのか分からなかったら三つ用意したのよ」
浜面「なんか余計な気を使わせちまったみたいだな。ありがとう。全部好きだぜ」
麦野「三倍返しだから。忘れないでよ」
浜面「へいへい」
滝壺「喜んでもらってよかったね、むぎの」
絹旗「浜面の好みはなに!? って聞かれた時は超焦りましたよ」
フレ「結局、一番そわそわしてたのは麦野って訳よ」
浜面「ほほぅ? 麦野がねぇ……」
麦野「やめて。それ以上言わないで……私のメンツが……」
滝壺「大丈夫、私はそんな可愛いむぎのを影で見守ってる」
62、移動教室<ムーブルーム>
カキカキ
吹寄「次は移動教室よ」
カキカキ
上条(人事移動教室っと)
カキカキ
土御門(サマルトリア人事移動教室っと)
カキカキ
青髪(サマルトリア人事移動教室共和国っと)
カキカキ
姫神(サマルトリア人事移動教室共和国西武っと)
他生徒(どこだよ!)
63、黒板<ブラックボード>
青髪「黒板でもうまい字書ける人って僕、尊敬するわー」
上条「わかるわかる。チョークだし壁に向かってだしな」
土御門「普段、字がうまい人でも大体が崩れるんだにゃー」
青髪「そういえばいつまで黒板なんやろか?」
上条「どういうことだ?」
青髪「ここは科学の最先端の街やろ? それなのに未だに黒板って変だと思わへんか?」
土御門「確かににゃー。映像的ななにかでいいと思うぜよ」
上条「単純に金かかるからじゃないのか?」
青髪「カミやんは夢のないことを……」
上条「お金は重要だろ!?」
青髪「分かっとるって。ただカミやんが言うと何故か悲しくなるんや……」
土御門「まぁなんにせよ、単純に字が下手な先生でもしっかり書けてるのがすごいぜい。ちゃんと書けなかったからって何回も書き直す女子とか軽くイラっとするんだにゃー」
上条「書き直したい気持ちは分かるけど先行けよってなるな」
青髪「そこでモジモジするのもまた可愛いやん!」
上条「ブレないなぁお前は」
青髪「えっへん」
土御門「総括すると小萌先生凄い、でどうかにゃー?」
上条 青髪「異議なーし」
64、将来の夢<ドリーム>
上条「御坂、将来の夢ってあるか?」
御坂「なによ突然」
上条「学校でそういう話題になってさ、御坂はどんなんかなぁって」
御坂「そうねぇ……具体的にはまだ考えてないけど私の能力を活かして研究職とかやりたいわね」
上条「へぇ、凄いじゃん」
御坂「私の能力が正しく使われるのが第一ね。アンタの将来の夢ってなに? まさか不幸じゃなく生きたいとかそんなのじゃないでしょうね?」
上条「半分当たっております……。その生活に満足してて幸せを感じれるならそれでいいかなぁって」
御坂「謙虚なんだかバカなんだか。でもアンタらしくていいんじゃない?」
上条「バカは余計です。でもさ、具体的にってのがないんだよ。来年3年だってのにどうしたらいかべか?」
御坂「どこの方言よ……。能力関係とか魔術関係ならいくらでも道はあるんじゃない?」
上条「どっちの肩入れも上条勢力がどうとかであんまり良く思われないんだよ。それに、それだと幸せになれそうにないし」
御坂「それもそうね。……それなら主夫しかないわね」
上条「主夫ですと!?」
御坂「そ。アンタのその生活スキルをフルに活かせるのは主夫しかないわ! 名案じゃない?」
上条「俺は家事くらいしかまともに出来ないからそれも悪くない。と、言いたいところだが。それをさせてくれる相手がいるか? 上条さんはいるとは思えませんが……」
御坂「私がいるじゃない」
上条「御坂が?」
御坂「私は研究できっと家のことは疎かになりがちになっちゃうからアンタが家事をすれば……って私はなにを言ってるのよーっ!? あーもう、これじゃあアンタと結婚するみたいじゃない!!」
上条「……。えっと、選択肢の一つに加えとくな」
65、ラブレター<ラブレター>
上条「差出人は君だったのか」
モブ子「うん。中身、読んでくれた?」
上条「あぁ」
モブ子「返事、聞かせてくれる?」
上条「結論から言うと君とは付き合えない。悪い」
モブ子「そ、そっか。ねぇ理由くらいは聞いてもいいよね? 他に好きな人がいるの?」
上条「多分……そうなるのかな」
モブ子「多分?」
上条「いざ誰かと付き合うって考えた時に、俺の隣には君じゃなくて別の子が思い浮かんだんだ」
モブ子「そう……」
上条「いや、決して君がどうって訳じゃないんだ! 可愛いし、俺のことよく見てくれてるし、その……スタイルもいいし……」
モブ子「そこまで誉めてくれるのに、上条君はその子の方に魅力を感じるんだね?」
上条「あ、まぁ……そう、なるな。すまん」
モブ子「謝らないで。あー、気持ちを伝えられてなんかスッキリした」
上条「……そっか」
モブ子「いつか私をフッたこと、後悔しても知らないからね?」
上条「あぁ、分かったよ」
66、修学旅行<アウトラーニング>
佐天「御坂さん、白井さん、お久しぶりです!」
白井「久しぶりって言っても三泊四日ではありませんか」
佐天「そうでしたー。へへ」
御坂「確か場所は北海道だったわよね?」
初春「はい! こっちの夏とは違って向こうの夏は涼しいんですよ!」
御坂「天気予報見てた限りでは暑そうな感じだったけど」
佐天「それがなんていうか、向こうは暑さの質が違うんですよね」
白井「質、ですの?」
初春「こっちが『じゅんじゅわー』だとするとあっちは『すいーんすいーん』って感じですね」
御坂「湿度とかの違いかしら?」
佐天「なんですかね? それはそうと、ちゃんとお土産買って来ましたよ!」
初春「色々迷いましたけど、お二人には仲良くいてもらいたいのと、御坂さんのリクエストに応えてまりもっこりゲコ太のストラップを用意しました!」
御坂「うはぁ! 北海道限定で手に入らなかったけど良かったぁ。ありがとう佐天さん、初春さん!」
白井「よく見たらお姉様と色違いのストラップではありませんか! これでお姉様との繋がりが出来ましたの!」
佐天「大成功だね、初春!」
初春「はい!」
67、宿題<サブジェクト>
上条「おーい、一方通行」
一方「……こンな朝っぱらここに来るなンていい度胸してるじゃねェか三下ァ……」
上条「朝っぱらってもう10時だぞ?」
一方「テメェのちっせェ事情なンか知らねェよ。じゃあな」
上条「そうはい神裂!」
一方「あァン!?」
上条「そう睨むなって。時間はかからないからちょっと入れてくれよ」
一方「なーンでですかァ?」
上条「宿題を手伝ってほしくてな」
一方「宿題ィ?」
上条「そ、宿題。なんか皆用事あるとかで予定が合わなかったんだよ」
一方「だからってなンで俺ンとこ来るンだよ? 携帯の電源は切ってたはずですけどォ?」
上条「垣根に聞いたら『あいつが電源切ってる時は家にいる時だ』って教えくれたもので」
一方「チッ、あンの糞メルヘン。次会ったら髪の毛、黒にしてやンぞ」
上条「それじゃあ、お邪魔しまーす」
一方「オイ、勝手に入るンじゃねェよ」
上条「差し入れのたまごボーロあるから入れてくれよ。な?」
一方「仕方ねェな。用が済ンだら早く帰れよ」
上条「はいはい、分かってるって」
68、お弁当<ランチ>
一方「ンじゃあ行ってくるわァ」
打止「待って! ってミサカはミサカはあなたを呼び止めてみる」
一方「どうしたンだよ?」
打止「はいこれ! ってミサカはミサカは少し緊張しながらあなたにお弁当を渡してみたり」
一方「弁当だァ?」
打止「うん。きっとコンビニとかの不健康そうなものばっかり食べてると思って作ってみたのってミサカはミサカは照れてみる」
一方「お前の手作りねェ……大丈夫なのか?」
打止「は、半分はヨミカワに手伝ってもらったから多分大丈夫だよってミサカはミサカは慌ててフォローを入れてみる……」
一方「まァ、期待しねェで食べてみるわ」
打止「残しちゃダメだからねってミサカはミサカはいささか不安に駆られてみたり……」
――――
一方(ハートマークとかどこの愛妻弁当だよ……。なンか食べンの勿体ねェな)
一方(……なかなかうまいじゃねェか。人間の食べ物って感じがすンなァ)
――――
一方「ただいま」
打止「お帰りなさい! ねぇ、お弁当どうだった? ってミサカはミサカは今日一日気になってたことを聞いてみる!」
一方「食えねェもンじゃねェな。……次からは量を増やせ。あれじゃあ全然足りねェよ」
打止「分かった! ってミサカはミサカは早速ヨミカワと交渉しにいってみる!」
69、受験勉強<プレパレイション>
上条「受験勉強って2年の夏からやるらしいな」
青髪「そこから準備を始めて1年後の3年の夏から追い込みをかけるみたいやで」
吹寄「それは上を目指す人でしょ? 普通は3年の夏からで十分よ」
姫神「そもそも。3年生の勉強が終わってないのに。2年生からその勉強するっておかしいと思う」
土御門「それはまんま現代社会の問題の一つだにゃー。受験勉強に限らず就活でもそういった早期化が進んで、高校や大学は受験や就活する場所の施設になってしまってるんだぜい」
吹寄「よく知ってるじゃない」
土御門「昨日、義妹が言ってたんだにゃー」
吹寄「誉めて損した……」
青髪「でもそれを聞くと、本末転倒って感じやわー」
上条「学生の本業は勉強だろ? 別に間違ってはいないだろ」
姫神「あなたはもっとその本業を頑張るべき」
上条「これがブーメラン現象ってやつですか!?」
70、推薦入試<スキルオファー>
青髪「現代社会の問題と言えば、推薦入試も色々問題あらへん? 特に学園都市なんて問題の塊やと思うわ」
土御門「名のある学校は学力だけじゃなくて能力でも判断するからにゃー。俺らみたいなレベルの低い人間には耳が痛い話ぜよ」
上条「全くだな。仮に俺が頭すげぇ良くてもこの右手で弾かれるわけだろ? これじゃ不幸じゃなくて理不尽だよな」
姫神「能力があるからって決して良いわけじゃない。その能力で大変な目に遭う人もいるから……」
吹寄「姫神さん?」
土御門「姫神さん言うとおりだにー。噂に聞くとレベル5の連中は、まともに学校にも通わせてもらえずずっと実験三昧らしいぜよ」
青髪「それはそれで嫌やわぁ……」
吹寄「そういうの聞くと、外からの学園都市に対するイメージの悪さってなかなか払拭出来そうにないわね」
上条「暗い部分が多すぎるんだよ。学園都市の推薦入試の問題もその一部みたいなもんだ」
土御門「ま、俺らはなにを言っても平凡校の愚痴にしかならないんだぜい」
姫神「なにごとも普通が一番。特別は少しでいい」
吹寄「今日の姫神さん、一味違う」
姫神「たまには背伸びしたくなる時もある」
71、合唱会<コーラス>
上条「男子ーちゃんと歌ってー(笑)」
青髪「今年で最後なんだよー(笑)」
土御門「先生ー男子がちゃんと集まりませーん(笑)」
姫神「これはお前たちの問題だ。先生は関与しない(笑)」
吹寄「……喧嘩売ってんのか貴様らは!?」
上条「いやいやまさか」
青髪「なにをそんなに怒っとるんや?」
土御門「きっと心辺りがあるんだぜい」
姫神「これはいわゆるあるあるネタ」
吹寄「あーはいはい、全部ありました! まさにそのテンプレ通りよ!」
上条「男子ー声聞こえなーい(笑)」
青髪「誰々君の口が開いてませーん(笑)」
土御門「本番近いんだよー(笑)」
姫神「先生はもっと迫力がほしいな(笑)」
吹寄「うきゃー! 枕に顔押し付けて消えてなくなりたいぃ!」
72、肝試し<ゴーストライター>
八九寺「なるほどー。ここが科学の最先端の街、学園都市ですか」
浜面「お嬢ちゃんはどうしてここにいるのかな?」
八九寺「肝試しと言えば幽霊、幽霊と言えばお化け。というわけで本家から出張出血大サービスをしにきました」
浜面「ははは、そのチャレンジ精神は買うよ」
八九寺「ところで浜ヅラさん」
浜面「俺の名前は浜面だ。カタカナにして人をハゲみたいに呼ぶんじゃない」
八九寺「失礼。噛みました」
浜面「わざとだろ」
八九寺「噛みまみた」
浜面「わざとじゃねぇ!?」
八九寺「テラバイトー」
浜面「そんなにねぇよ! あ、」
八九寺「……浜面さん、私を性の対象としてみた場合、即座に通報しますからそのつもりで」
浜面「いやいや有り得ねえって」
八九寺「本当ですか? あなたみたいな人間が影で『でゅっせるどるふ』とか鼻息を荒くしているのは間違いないはずなのですが」
浜面「全部間違ってるよ! 大体『てゅっせるどるふ』ってどんな鼻息だよ!?」
八九寺「そうですか、それはおかしいですね。おっとそれではお腹空いたので帰りますね。ではまたどこかで会いましょう」
浜面「あ、あぁ。じゃあな。……ありゃ滝壺と組み合わせたらツッコミ不在になるな」
73、休み時間<レストタイム>
上条「なぁ、小学校って昼休みの他に中休みみたいなのってあったよな?」
青髪「あったあった。確か2時間目と3時間目の間やったっけ?」
土御門「確か時間も20分くらいなかったかにゃー?」
上条「そう、それだよ! あれってなんだったんだろうな?」
青髪「当時はよう遊んでたけど、今思うとよく分からん時間やね」
土御門「すぐに昼休みがあるのに変な話ぜよ」
上条「それで中学から無くなるし、授業の時間も何故か増えるから、最初はすんげー長く感じたなぁ」
青髪「人間の集中力は10分やったか15分やったが限界って聞いたことあるわー」
土御門「マジで? そしたら授業長すぎぜよ!」
上条「でも、それ集中力の話だろ? 俺には関係ねえな」
青髪「あ、僕もやったわ」
土御門「俺もだぜい」
上条 青髪 土御門「はっはっは!」
74、出席番号<ナンバープレート>
上条「中の人は小学校から高校卒業まで出席番号はずっと4番だったらしいぞ」
青髪「いらんわそんな情報」
土御門「野球だとおいしい番号だぜい」
上条「でも吹奏楽をやってたから野球とは縁がなかったそうだ」
青髪「どうでもいいわ!」
土御門「周りから『いけよ4番』とかいじられてる姿が浮かぶぜよ」
上条「ちなみに愛内さんと相川さんは常に1番だったそうだ」
青髪「知るか!」
土御門「そういや青髪の本名って――」
青髪「なああああああ!!」
上条「あー、それとこの携帯は6台目らしいぞ」
青髪 土御門「一番関係ねえ情報をなんで付け加えたんだよ!」
75、文化祭<カルフェス>
委員長「今日の議題はクラスTシャツのデザインです。各自意見を出し合って下さい」
御坂(クラスTシャツ、かぁ。なにがいいかな。せっかくなんだから普段は着れないものがいいなぁ)
御坂(ゲコ太なんていいと思うんだけど、やっぱりクラスTシャツに可愛い系はちょっとねぇ)
女生徒A「なんか他のクラスはゴリ押しな感じらしいよー」
女生徒B「それ本当? じゃあ逆路線で攻めた方がよくない?」
御坂(!! 他のクラスがゴリ押しならこっちはその逆の可愛い系でいけばいいじゃない! あ、でもゲコ太はやっぱり子供っぽいかな……)
委員長「誰か、案がある人はいませんか? あ、A子さんどうぞ」
女生徒A「他のクラスとは違う路線で可愛い系がいいと思いまーす」
委員長「なるほど、分かりました。他にある人……ではB美さんどうぞ」
女生徒B「A子の案に賛成で、デザインは緩いだうなーな感じがいいと思います」
御坂(きたこれ! キタコレ!! ktkr!!! ついに、ついにゲコ太が日の目を見る日が来たのね!!)
委員長「他に案のある人はいませんか? 御坂さんどうぞ」
御坂「その意見、ゲコ太がぴったりだと思います!!」
委員長「ゲコ……太?」
ゲコタ? ゲコタッテアレヨネ? カエルノ。ゲコタカァ…
御坂(なんだろう……この空気……)
委員長「御坂さん。あのー、ゲコ太は商標登録されてるキャラクターなのでクラスTシャツにはちょっと難しいかと……」
御坂「ですよねー! 例えですよ例え! はは、あははははは……」
御坂(よく考えれば分かることじゃない……不幸だわ……)
76、林間学校<アウトスクール>
削板「あれ? お前どっかで見掛けた顔だな」
御坂「ちょ、なんでアンタがここにいんのよ!?」
削板「お、確かお前は極電磁砲<レールキャノン>の御坂か」
御坂「超電磁砲<レールガン>よ! 勝手に私をアンタ仕様に変更しないでよ」
削板「ガンよりキャノンの方が根性ありそうだろ」
御坂「根性を第一で考えるな! 最初の質問に戻るけど、なんでここにいるわけ?」
削板「自然界に身を置くことによって、自分自身をハードに鍛えるためだ」
御坂「でも、やってることはただのガイドよね?」
削板「そうともいう。だが、この俺がガイドになったからには根性のある奴しか生き残れない!」
御坂「だからアンタ基準で考えないでよ。男はいないんだよ?」
削板「なん……だと……?」
御坂「女子校だもの当たり前じゃない。まさか知らなかったの?」
削板「おう……」
御坂「お嬢様の集まりだから根性根性と汗臭いこと言われてたら嫌われるわよ?」
削板「それは……参ったな」
御坂「別に普通してればいいじゃない」
削板「女子にどうやって普通に接すればいいんだ?」
御坂「私みたいにすればいいでしょ?」
削板「いや、御坂は女に見えな――」
御坂「なんですってー!?」ビリビリ
削板「すパガ!!」
77、転校生<スクールチェンジ>
姫神「皆。これを忘れてる気がする」
上条「別に忘れてねーぞ? 最初で話したじゃんか」
姫神「それを踏まえても。馴染み過ぎというか」
上条「良いことだろ? それともよそよそしい感じがいいのか?」
姫神「それは。いや」
上条「今日の姫神はわがままだなぁ。占いの順位でも悪かったか?」
姫神「そんなんじゃないけど……」
上条「ははぁん。さては構って欲しいんだろ?」
姫神「え。あ。うん……。そうなのかな」
上条「よーしよし、上条さんに任せなさい」ワシャワシャ
姫神「髪。そんなに。しないで」
上条「ならこっちはどうだ。ごろごろー」
姫神「にゃー」
土御門「カミやんもげろおおおお!!」
上条「やめて! もがないでお願いしますから!」
青髪「姫やんもなぁにしとるんやああああ!!」
姫神「ちっ」
78、学問<スタディ>
アレイスター「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずか。なかなか面白いことを考えつくものだな」
アレイスター「ふふふ……」
79、読書<リーディング>
上条「なぁインデックス。10万3000冊の魔導書の他に何冊の雑誌が頭に入ってるんだ?」
禁書「とりあえずこの部屋にあるものはバッチリなんだよ」
上条「歩く協会じゃなくて、歩く図書館だな」
禁書「そんな呼ばれ方は好きくないかも」
上条「でも便利だよなぁ。完全記憶能力って」
禁書「そうでもないよ……」
上条「テストとかに役に立ちそうなんだけどな」
禁書「忘れたくても忘れられないんだよ? それがどんなに辛くてどんなに苦しいかとうまには分かる?」
上条「適当なことを言っちまったみたいだな……悪い」
禁書「分かればいいんだよ。ちなみにとうまの教科書も読破済みなんだよ!」
上条「マジか!?」
禁書「うん! だから私を学校に連れてけば教科書いらずなんだよ!」
上条「学校に着いてくりゃあ昼飯もありつけるしな!」
禁書「まっさしくその通りなんだよ! あ、」
上条「シスターとしての心得はどこに行ったんですか!?」
禁書「修行中の身だからまだまだ身に付いてないのかも!」
上条「せめて居候としての自覚は持ちなさい!」
禁書「スフィンクスー。今日はなにして遊ぼうか?」
スフィンクス「なぅー?」
上条「戦わなきゃ、現実と!」
80、衣替え<ユニフォームチェンジ>
御坂妹「衣替えをしてみました、とミサカは唐突に告げます」
上条「見たところ特に変わったところは見当たらねーぞ?」
御坂妹「外見ではなく中身です、とミサカはヒントを与えます」
上条「中身? 中の衣替えってなんだ?」
御坂妹「正解を教えます、とミサカはスカートをたくしあげます」
上条「うわっ!? 待った、ストップ! 人前でそんなはしたないことは上条さんは許しませんよ!?」
御坂妹「なにを慌てているのですか? 下着の上に毛糸パンツを穿いてるだけですが、とミサカはスカートをひらひら」
上条「け、毛糸?」
御坂妹「はい」ピラ
上条「わ、分かったからもう見せなくていいぞ。もう十分に伝わったし」
御坂妹「そうですか。これは暖かいので冷え性の人にはいいですよ、とミサカは勧めます」
上条「つーか男物でそういうの見たことねーぞ」
御坂妹「では、穿いてみますか? とミサカは――」
上条「やめい!」
御坂妹「何故止めるのです?」
上条「何故って……俺が突然下を脱ぎだしたら止めるだろ?」
御坂妹「いえ止めません、とミサカはきっぱり答えます」
上条「なんですと?」
御坂妹「MNWに流さなければならないので」
上条「御坂美琴のDNAはどうなってんだよ……」
81、体育館<スタジアム>
青髪「今日の体育館使用、僕らじゃあらへんみたいや」
上条「なんだ違うのか」
青髪「体育委員のミスみたいやね」
土御門「体育館があと二つあれば問題ないんだがにゃー」
上条「だな。せっかくボール持ってきたってのに無駄になっちまったな」
青髪「カミやんパース!」
上条「おいおい流石に教室じゃまずいだろ」
土御門「机を退ければパスくらいは大丈夫ぜよ」
男子生徒「俺も混ぜてくれよー」
上条「なんか不幸な予感がするんですが……」
青髪「いつもことやって。ヘイ、カミやん!」
上条「はいはい、そらよ」
土御門「カーット!」
男子生徒「あ、土御門お前!」
ワーワーギャーギャー
上条「俺のラボーナをみやがれ!」グニャ
上条「うおっ!?」
吹寄「それでさ――ひゃぁ!?」
上条「いってぇ……くねぇな」ムニュ
吹寄「早く退けろ貴様ぁ!」ゴス
上条「やっぱりいてぇ!!」
土御門 青髪 男子生徒(幸なのか不幸なのか……)
82、気象警報<ウェザーアラーム>
御坂「気象警報……台風……にへへ……」
上条「ど、どうなされたんですか御坂さん?」
御坂「台風ってテンション上がらない!?」
上条「上条さん的には早く過ぎ去ってくれるとありがたいんですが……」
御坂「もったいない。あの空気中のビリビリとした感じがたまらないのに!」
上条「ビリビリはお前だろ」
御坂「なぁんですってー?」
上条「いやっ、なんでもないない」
御坂「あーもうっ、ゾクゾクするわ」
上条「御坂ってまさかM……なのか?」
御坂「え?」
上条「ビリビリーしてゾクゾクーってさ」
御坂「そんな訳ない! と思うけど……」
上条「そうだ御坂。この手に顎乗せてみろよ」
御坂「なんでよ?」
上条「いいからいいから」
御坂「あ、うん。はい」
上条(簡単に乗せるし目線を合わせない。やっぱりMなのか?)
83、掃除当番<クリーニングターン>
舞夏「今日の風呂掃除当番は兄貴だぞー」
土御門「ぎにゃー……今日は色々疲れたから勘弁ぜよー」
舞夏「奇数日は兄貴って約束だろー?」
土御門「舞夏が起こしてくれたら洗うにゃー」
舞夏「生憎、私は本を読むので忙しいんだ。一人で起きてくれー」
土御門「酷いぜよ! お兄ちゃんのお願いを聞いてくれないなんて酷いぜよ!」
舞夏「二回言う必要あったかー? まぁいいや。起きろ兄貴ー」
土御門「もっとツンデレっぽく」
舞夏「早く起きてよバカ兄貴」
土御門「ゲームの典型的な妹で」
舞夏「起きてよ、あーにき!」
土御門「いつもので」
舞夏「そんなに元気あるなら大丈夫だなー」
土御門「やっぱりいつもの舞夏が一番だにゃー!」
舞夏「隣の上条当麻に聞こえるぞー」
84、五月病<サツキダウナー>
打止「今日はどこも出掛けないの? ってミサカはミサカはあなたに今日の予定を聞いてみる」
一方「今日はオフだ。だから寝る」
打止「オフじゃなくても大体寝てるじゃないってミサカはミサカは普段の生活を指摘してみる」
一方「俺の勝手じゃねェか。ほっとけ」
打止「ほっとけませんー。たまにはグテーっとしてないでシャキッとしてってミサカはミサカは一丁前に指を指してみたり!」
一方「五月病だから無理ィ」
打止「その言い訳はちょっとありえないんだけどってミサカはミサカはあなたに失望してみる」
一方「重症な五月病患者なだけですゥ」
打止「うわー仮にも学園都市の第一位がそんな下らないこと言うんだってミサカはミサカは落胆してみる」
一方「仮じゃねェよ。常に第一位だっつゥの」
打止(そこにはちゃんと突っ込むんだね……)
一方「あー、そういやコーヒー残り少ねェンだった。コンビニでも行くかァ」
打止「ほんとに!? ねぇ、ミサカも着いていっていい? ってミサカはミサカは髪を整えながら聞いてみる!」
一方「勝手にしやがれ」
打止「勝手にするね! 鏡見てくるからちょっと待っててー!」
85、球技大会<ボールゲーム>
上条「お前ら球技大会の種目のアンケートなに書いた?」
青髪「セパタクロー」
上条「なんだそりゃあ?」
青髪「簡単に言うと足でバレーをするドマイナーな競技やね」
上条「なんでそんな競技を……」
青髪「もし採用されたら女子たちの足を振り上げるのが見れるやんかー!」
上条「そこになにかを感じるお前もドマイナーだよ。いや広いストライクゾーンの一部か?」
青髪「その通りやー!」
上条「そんで、土御門はなんて書いた?」
土御門「なんでもよかったからスーパーボールにしたにゃー」
上条「はい? もう一度仰りやがって下さい土御門さん?」
土御門「だからスーパーボールぜよ。たまにやると楽しいんだぜい? この間なんか一方通行が反射で遊び過ぎて電池切れしてたにゃー」
上条「そんな下らないことになにをしてるんですかあいつは……。今はいいか。んで、スーパーボールって球技に入るのか?」
土御門「さぁ?」
上条「さぁっておい……」
青髪「カミやんはなににしたんや?」
上条「無難にサッカーだよ」
青髪「普通やね」
土御門「普通ぜよ」
上条「なんで俺が少数派みたいになってるんですか!? あーもうっ! 普通って言うな!」
86、恋愛<ラブ>
上条「萌えの一つ上には蕩れってのがあるらしいぞ」
御坂「蕩れ? 見蕩れるとかの蕩れ?」
上条「多分な。話によるとアイラブユーくらいの格付けみたいだな」
御坂「へ、へぇ。そうなんだ」
上条「今度からゲコ太萌えーじゃなくて、ゲコ太蕩れーにしないとダメだぞ」
御坂「うん。ってゲコ太萌えーなんて言ってないわよ!」
上条「そうなのか? 白井がこの間『私がゲコ太ならばゲコ太フェチのお姉様にあんなことやことを!』なんて言ってたからゲコ太萌えーくらいは言ってるかなって思ったんだけど……」
御坂「そりゃ全くないってわけじゃないけど……。黒子のやつ、帰ったら天パにしてやるわ」
上条「ははは……厳しい愛の鞭、もとい電撃ですこと……」
御坂「力加減が難しいんだけど黒子なら大丈夫よ。ある意味アンタより頑丈だわ」
上条「まさしく愛だな」
御坂「もう少し普通に接してくれば、たまには応えてあげようと思うんだけどね」
上条「ところで御坂」
御坂「ん?」
上条「月が綺麗だな」
御坂「月? 月なんて見えないし、まだそんな時間でもないけど……どうしたの?」
上条「いや、分かんねーならいいんだ」
御坂「ちょっとー、気になるんですけどー?」
上条「ミーサルでミサれ」
87、職員室<スタッフルーム>
黄泉川「小萌んとこのクラスの生徒は、ほんと職員室によく来るじゃん」
小萌「ホウレンソウを徹底してますからね」
黄泉川「報告、連絡、相談ね。やろうと思ってもなかなか出来ないじゃん」
小萌「それが自然と出来るのが私のクラスの自慢なのですよ」
黄泉川「へぇ、そうか。でもおバカさんが多いのは困りものじゃん?」
小萌「そんなことないですよ? 皆、私の可愛い生徒さんです。確かにたまに手を焼かされますが……」
黄泉川「小萌は少しビシッと言ってやってもいいじゃん。なんなら補習は私が担当しようか?」
小萌「体力が余ってる子たちなのでそれもいいかもですが、解らなかったところを理解してもらわなきゃダメなのです」
黄泉川「冗談じゃん。お、また来たみたいじゃん」
姫神「小萌先生。土御門君が持ってきたバトえんが原因で言い争いが起きてます」
小萌「全く、困ったものですね。はいはい今行きますからねー」
黄泉川(バトえんってまた凄い懐かしいじゃん。きっとキャップで揉めてるに違いないじゃん)
88、朝礼<ファーストグリーティング>
上条(あ、やべ、目の前が……)
――――
上条(ん、ここは……?)
上条「うわあっ!?」
青髪「いきなり僕の顔見て驚くなんて失礼なやつやなー」
上条「あ、わりぃ。ここは……保健室か?」
青髪「カミやん朝礼の時に倒れたんや」
土御門「そうだぜい。だから俺達が保健室まで運んで来たんだにゃー」
上条「そうなのか……ありがとな」
青髪「いいっていいって。カミやんを介抱する僕らの株も上がったし」
土御門「朝礼で貧血起こして倒れるなんて女子か! って思ったけどにゃー」
上条「寝坊して朝飯食べなかったし走って来たから貧血起こしちまったんだな……」
青髪「購買で適当に食い物と飲み買ってきたから、食べたらサボらないで授業出るんやで?」
土御門「今度カミやんのおごりでカラオケぜよ」
上条「いやー持つべきものは親友だな! ありがとう二人とも! 少し見直したよ!」
土御門 青髪「少しかよ!!」
89、学級会<クラスミーティング>
吹寄「今日の学級会は、最近クラスに設置された目安箱に寄せられた意見を議題にします」
――教室での充電を許可して下さい――
吹寄「これをしたら窃盗罪になるのよね。これは私の一存ではどうにもならないので別の機会に」
――席替えをしたいでーす――
吹寄「区切りのいい時期にしてるので頻繁にするのはどうかと。これもまた別の機会ね」
――借りた新品の消しゴムの角を使うのってありですか――
吹寄「なし」
――僕にヒロインが現れるのはいつですか?――
吹寄「はい? ゲームでもやってなさい」
――義妹が最近身内が冷たい――
吹寄「行動を改めなさい」
――不幸だ――
吹寄「あぁ、でしょうね」
――爪きりなくした――
吹寄「忘れた頃に見付かるものよね。ってかなにこの意見の数々!? ミサッターで呟けばいい内容じゃない!?」
――べろべろばー――
吹寄「規制解除はいつなのよ」
90、ボランティア<ボランティア>
御坂「あら二人とも、ここでなにしてるの?」
佐天「あ、御坂さんに白井さん、こんにちは。私達、学校の行事でボランティアで掃除ロボの掃除をしてるんですよ」
白井「掃除ロボを掃除ですの?」
初春「いつも街を綺麗にしてる掃除ロボも綺麗にしてあげよう! ってのが今年のテーマみたいで」
御坂「通りで柵川中学の生徒を多く見かけた訳ね」
白井「初春、あなた一言も言いませんでしたよね?」
初春「ジャッジメント優先だと思ってまして……すいません」
佐天「私なんかサボる気だったんですけどね」
御坂「こらこら、ちゃんとやらなきゃダメよ?」
初春「でも佐天さん結構乗り気じゃないですか。ええんか? ここがええのんか? なんて言いながらやってたましたよね」
白井「プロトタイプのおっさんですの」
佐天「なんていうか情が沸いてきまして。あはは」
御坂「この掃除ロボにねぇ」スッ
掃除ロボ「!?」サッ
佐天「あ、避けた」
初春「どうしたんですかね?」
白井「お姉様なら仕方ないですの」
御坂「電撃使いの宿命ね……」
91、持ち物検査<ハンドチェック>
上条「女子ってなんか普段持ち歩かなそうなもの持ってるよな。なんでだ?」
姫神「なんでって。必要だから」
青髪「絆創膏ってそんなに必要あるんか?」
吹寄「なにかしら色々使うわよ? 最近だとニキビ潰しちゃった子にあげたし」
上条「あ、俺もこの間もらったわ」
土御門「でもティッシュとかハンカチとかは持ってないやつが多いのはどうしてぜよ?」
姫神「あ。そういえばなんでだろう?」
青髪「前に風邪引いてティッシュを箱で持ってきたらほとんど女子に使われた覚えがあるで」
吹寄「私もよく忘れるけど……謎ね」
上条「持ってないのによく使うよな。なかったらどうするんだよ」
姫神「ある人から貰う」
上条「その発想から既に……」
吹寄「男なら持ってなさいよ」
土御門「なんだか納得いかんぜよ」
青髪「今回ばかりは僕もその意見に賛成や」
姫神「ティッシュ。ちょーだい♪」
青髪「お安い御用や!!」
吹寄「これはなかなか破壊力があるわね……」
土御門「ちょっと危なかったぜい……」
上条「恐るべきポテンシャル……」
92、テスト勉強<レディセット>
土御門「いやー、昨日は勉強しないで寝ちまったにゃー」
上条「はい、ダウトー」
青髪「僕は絶対に騙されへんぞ」
土御門「……俺、変なこと言ったかにゃー?」
上条「そういう奴に限ってしっかり勉強してんだよ!」
青髪「そうやそうや!」
土御門「なにをそんなに荒んでるのか知らんけど、やってみれば分かるぜよ……」
――――
土御門「どうぜよ?」
上条「あ、俺より悪い」
青髪「ほんまに寝てたん?」
土御門「だから最初からそう言ってるんだぜい」
上条(土御門が言うとなんでも胡散臭いよな)
青髪(せや。きっとわざとやわざと)
土御門「やっぱりなんか悪いことしたかにゃー?」
93、廊下<パッセージ>
上条「……」
青髪「……」
上条「…………!」
青髪「…………?」
上条「………………!?」
青髪「………………!?」
上条「!……………」
青髪「……! ……」
上条「……」
青髪「……」
土御門「清々しい顔してどうしたぜよカミやん?」
上条「いやーちょっとな」
姫神「……」
姫神「…………」
姫神「………………」
姫神「…………」
姫神「……」
吹寄「おはよう姫神さん」
姫神「おはよう吹寄さん」
※フェイントの掛け合いです
94、旅行<トラベル>
禁書「とうまとうま」
上条「どうしたインデックス?」
禁書「最近物が増えてきたような気がするんだけど、気のせいじゃないよね?」
上条「確かに増えてきたかもなー」
禁書「どうするの?」
上条「他に置く場所ないからこのままにするしかないんじゃねえか?」
禁書「誰かにあげるとか?」
上条「お土産をあげるってそれはちょっと悪いだろ」
禁書「売るとか?」
上条「どっか盛大に食べに行ける額くらいにはなるかもな」
禁書「売るんだよ! 今すぐ!」
上条「ダメだ。親父からのお土産を売るわけにはいかないだろ」
禁書「だよね。でもやっぱり多いと思うんだよ」
上条「だなぁ……。毎月お土産送ってくれるのはそれはそれでいいんだけど、出来れば米とかの方がありがたかったりするんですが……」
禁書「むむ、配置によっては特別な術式になるかも」
上条「本当か? なんか変な感じがしたらすぐに教えろよ?」
禁書「へ? あ、うん。分かったんだよ」
95、告白<コンフェッション>
垣根「お前が呼び出すなんて珍しいじゃねえか。なにかあったのか?」
上条「ちょっと相談があってな」
垣根「相談? なんだ、恋の悩みか?」
上条「ぶふっ!! ゴホッゴホッ!」
垣根「ちょっとかかったぞオイ!?」
上条「悪いっ。まさかピンポイント爆撃をくらうとは思わなかったわけでして……」
垣根「いや、俺も適当に言っただけなんだがな。それでなにを相談したいんだ?」
上条「……告白ってどうすりゃいいんだ?」
垣根「……どうもこうも、メールなり電話なり直接なり人伝なり、気持ちを伝えればいいんじゃね?」
上条「もっと具体的な案が欲しいんです。じゃないと恋愛経験豊富そうな垣根に聞いた意味がない!」
垣根「豊富って……普通だよ普通。女友達は多いが、彼女は片手で間に合うくらいしか付き合ったことない」
上条「十分じゃねえかこのリア充め! とにかくいい方法が知りたいんですよ」
垣根「上条、お前器用な方じゃないだろ?」
上条「ああ。それに鈍感……らしい」
垣根「らしいって認識かよ。まぁ俺が思うに鈍感で不器用なお前は、回りくどいやり方をしても空回りを起こすだけだ。それだけはやめとけ」
上条「正面突破ってことか?」
垣根「俺はそれがいいと思うけどな」
上条「そうか。俺もそれしかねーと思ってたから気が楽になった。ありがとな」
垣根「どうも。で、相手は誰なんだよ? ん?」
上条「……御坂。第三位の御坂美琴だ」
垣根「ほぉ……なら尚更正面突破しかねえな! 行ってこいヒーロー!」
96、掲示板<コルクボード>
打止「んー、んー」
一方「なにやってンだお前?」
打止「この前、あなたと撮った写真をコルクボードに貼ろうと思ったんだけど、届かないのってミサカはミサカは落ち込んでみたり……」
一方「あン時のかァ。オラ、貸してみろ」
打止「貼ってくれるの? ありがとってミサカはミサカはあなたを見上げてみる」
一方「下向いたり、上向いたり忙しいやつだな。それに俺だって別に背は高い方じゃねェよ。……ン、こンなもンか?」
打止「もうちょっと右の方がいいな? ってミサカはミサカは指で作った枠を覗いてみる」
一方「……。……こンな感じか?」
打止「オッケーってミサカはミサカは親指を立ててみる!」
一方「しっかし写真も段々増えてきたなァ」
打止「思い出がいっぱいだよ! ミサカはミサカは貼られたコルクボードを眺めてみたり」
一方「……ほら、よ」
打止「わわっ、なんでミサカは突然抱っこされてるのかな? ってミサカはミサカはあなたの突然の行動に同様してみるるる」
一方「見上げるより正面から見た方がよく見えンじゃねェか?」
打止「あ、そうだね! うん。やっぱり少し右にしたのは正解ってミサカはミサカはガッツポーズしてみる!」
一方「ンじゃあ下ろすぞ」
打止「だめ、待って」
一方「あン? まだなンかあンのかよ?」
打止「もうちょっと抱っこってミサカはミサカはあなたに甘えてみたりー」
一方「ガキ扱いすンなっていつも言ってるくせにこれかよ」
打止「今はガキでいいもんねーってミサカはミサカは超理論を展開してみるー」
一方「はいはい、そォですか」
打止「へへへー」
97、買い食い<ドライブスルー>
禁書「……」
上条「今日は大人しいなインデックス?」
禁書「匂い嗅いだら食べたくなっちゃうから口で息してるんだよ」
上条「確かにいい匂いしてっけど……もしかして遠慮という言葉を覚えたんですか!?」
禁書「今日は奨学金の出る日の前の日だからお金ないんだよね? だから我慢してるの……」
上条「遠慮じゃなくて我慢か! つか奨学金なら今日出たぞ? 明日休みだし。だから今日、こうして買い物に出てるわけだ」
禁書「ほんとに!? じゃあ私のいままでの我慢はなんなの!?」
上条「なんなのって……。いやいやまず我慢じゃなくて遠慮って物をですね……」
禁書「とうまのケチんぼ! あのクレープで許してあげるんだよ!」
上条「クレープ? あぁ、あそこか。確か御坂一向が御用達の店だな」
禁書「短髪たちの?」
上条「そうだ。俺も何度か食べたけどなかなか美味しかったな」
禁書「とぉぉうまぁぁあ?」
上条「分かってる、クレープだな!? よし、いいぞ。好きなもの頼めよ! だからその歯をしまってぇ!」
禁書「とうまよりクレープの方が美味しそうだから今は勘弁してあげるんだよ」
上条「今は? 今はって言いましたよねぇインデックスさん!? あぁ、待て! 勝手に頼むんじゃありません!」
98、ストーブ<ストーブ>
上条「御坂の能力って周りを暖めたり出来るのか?」
御坂「力加減が難しいと思うけど出来ないことはないと思う。自分を暖めるのは簡単だけどね」
上条「さすが電撃使いの頂点だなぁ。応用の幅が広い」
御坂「でも第一位と第二位は応用どころじゃないわ。一方通行は自分の体内のベクトル操作、垣根帝督は未元物質で寒さって法則そのものをねじ曲げちゃうから」
上条「夏はクーラー、外はストーブいらずかよ。なんて奴らだ」
御坂「寒さはなんとか出来ても暑さばっかりは私でもどうにもならないわ」
上条「これから寒くなってくるんだからいいじゃねぇか」
御坂「あ、先に言っとくけど電気ストーブとか言ったら、アンタの頭から砂鉄被せるから」
上条「いっ!? や、やだなぁ御坂さん。俺がそんな下らないこと言うわけないだろー?」
御坂「ふーん? どうかしらね?」スッ
上条「み、みひゃか!?」
御坂「ぷっ、なんて噛み方してんのよ! ちょっと心拍数とか計ろうと思って触れただけじゃない」
上条「きゅ、急に電撃を流されるかと思いましてですね……」
御坂「そんな危ないことしないわよ」
上条「どの口が言うんだよ!?」
御坂「このく、ち、び、る、だよ?」
上条「」
御坂「ちょっと、固まらないで突っ込んでよ!? 私一人でバカやったみたいじゃない!?」
99、体育倉庫<ウェアハウス>
上条「女子校の体育倉庫ってどんな匂いするんだ?」
御坂「は?」
上条「俺の、というか男子全般のイメージとしては女子校はいい匂いがするってイメージがあるんですよ。だから体育倉庫もいい匂いすんのか? と思って。ましてお嬢様学校だしな」
御坂「なにその幻想……。私は女子校しか知らないから匂いについては分かんないけど、少なくとも体育倉庫は臭いわ」
上条「えっ……」
御坂「当たり前じゃない。新品の物が並んでるなら別だけど、毎日使われてるからいい状態のものなんてほとんどないわよ」
上条「アーソウカーソウダヨナー」
御坂「なんか幻想ぶち壊したみたいで悪かったわね。アンタのところの学校の匂いはどうなのよ?」
上条「前に御坂達の部屋に行って思ったけど、なんかこう薄いな」
御坂「薄い?」
上条「女子達が好き好んで使うような匂いの密度が男子の分少ないっつーかそんな感じ」
御坂「なーんか分かるような気がするわ。それで体育倉庫は?」
上条「カビとかサビとかに気をつけてんのか結構換気されてるからそうでもないな。おかげでゲームよろしく的な桃色イベントがないみたいだぜ」
御坂「アンタは歩くイベント野郎じゃない……」
上条「なにか言ったか?」
御坂「いいえ、なにもございませんっ」
上条「どうして不機嫌になってるんでせうか……?」
御坂「ま、いつも通りアンタのせいよ」
上条「うげっ、マジっすか……。参ったな……御坂に言いたかったことがあるんだけど、次にするか……」
御坂「言いたいこと? なによ、気になるじゃない」
上条「いや、ほら機嫌悪いみたいだから日を改めた方が上条さん的には助かるんですが……」
御坂「大丈夫だから。それともなに? 機嫌悪くなるようなことを言うつもり?」
上条「それはない、と思う……」
御坂「あーもうっ、焦れったい! 言いたいことがあるならハッキリ言ってよ!!」
100、卒業<オープンロード>
上条「わ、分かった言うよ。俺は……御坂とこの関係を卒業したい」
御坂「え、は、卒業? なに、どういう意味?」
上条「御坂を好きにっちまったんだよ俺は。今まで色々あって、こういう温い関係になってるけど、その関係を卒業したいんだ」
御坂「わ、私を好き!? それに卒業ってことはははは……?」
上条「御坂、いや美琴。俺はお前が好きだ。気がついたら美琴が頭に浮かでどうしようもないんだ。今どうしてんのかとか、なんか厄介事に巻き込まれてないかとか」
御坂「……」
上条「美琴が俺の近くにいないと安心出来ないんだよ。だから美琴。俺と一緒になってくれないか?」
美琴「……一緒にってそれ、プロポーズじゃん……」
上条「あっ……。悪いそんなつもりじゃ……!」
美琴「謝ってどうすんのよ、バカっ」
上条「は、はは、だよな。格好悪いな俺……。返事はその内でいい、から。ま、またな!」
美琴「待ちなさいよ! そこで逃げたらもっと格好悪いわよ?」
上条「美琴……?」
美琴「耳の穴かっぽじってよく聞きなさい? 私、御坂美琴は上条当麻が大好きです。だから一緒になりたいと思います!」
上条「ほんとか!? いやったぁ!!」
美琴「やっぱりプロポーズよこれ!? ……あ、でも前にアンじゃなくてと、当麻にプロポーズしたことあったわね……」
上条「あれか。あれは不意打ち過ぎて鼻血出るかと思ったぞ。そういや俺も前に美琴に告白してたな」
美琴「月が綺麗だってやつ? あの後調べてびっくりしたわ。あの時は冗談だと思ってたけど」
上条「よく言えたもんだな、はは。でもやっと温い関係から卒業出来た。これからもよろしくな美琴」
美琴「うん。他の女の子に手を出したら今まで以上に容赦しないからそのつもりで」
上条「俺はそんなつもりないのに……ふこ、いや。幸せ、だな」
???、欠番<ロストナンバー>
美琴「振り返れば色々あったわねー」
上条「そうだな。でもあれ実は全部じゃないんだぜ?」
美琴「え? でも百って……」
上条「実際には一つ抜けて九十九物語になってんだよ」
美琴「なにそれ、終われないじゃない!?」
上条「そう、だから終わらないんだ」
美琴「まだ続くってこと?」
上条「未完だからな。これじゃあ誰もが望むハッピーエンドなんてありえねーよ」
美琴「0が二つ付いてダブルオーなのに、このままじゃダブルナインだもんね」
上条「つまり俺たちの物語はこれからだってやつだ」
美琴「打ち切りエンドじゃないそれ! ダメよ、ちゃんとやらなきゃ」
上条「けど、次は弐佰か……」
美琴「ちょっとくらい長いプロローグで絶望してんじゃないわよ」
上条「だな。いいぜ、今回で終わりと思ったやつの」
上条 美琴「その幻想をぶち壊す!!」
378 : VIPに... - 2010/07/21 18:20:18.92 T7318wDO 102/1025日間お付き合い頂きありがとうございます。誤字脱字、面白い面白くない等々あったと思いますが、少しでも楽しんでもらっていたら嬉しいです
上琴が大好きなのと、不幸オチじゃなくて幸せオチにしたかったので最後はあのような形になりました
なんだかんだとスレの約三分の一を使ってしまった形なので、次回があるとすればスレを立てようと思います
読んで下さってた皆さん、本当にありがとうごまいました。俺先生の次回作にご期待は任せます