関連
固法「あなたが……《未元物質》……?」【パート1】
74 : 1です - 2011/05/15 23:18:12.46 nn0dM8z00 52/694当分投下はむりかなと思っていたのですが
勉強の合間にコツコツ書いてたら
思ったよりもストックがたまったのでちょっとだけ投下します
75 : ◆r4vICyDKLo - 2011/05/15 23:22:26.33 nn0dM8z00 53/694その前に今回から始まる第二部「接近編」に向けて
出番が増えるオニャノコたちの設定紹介をしておきます。
インデックス(??)……禁書目録をつかさどるイギリス清教のシスター。上条の家に居候している。
上条家に遊びに来るたびにおみやげ(ほぼ食料)をもってくる垣根になついている。
御坂美琴(14)……名門・常盤台中学に通う序列第三位の超能力者。『超電磁砲』(レールガン)の異名を持つ電撃使い。
上条当麻に好意を抱いている。極度のツンデレ。
打ち止め(ラストオーダー)(0)……美琴の遺伝子を用いて製造されたクローン。検体番号20001。
『妹達』約一万人の脳波リンクからなるミサカネットワークを管理している上位個体。
現在一方通行と黄泉川家に居候中。一方通行から日常的に垣根の悪口を吹き込まれているが
本人は女子供にやさしい垣根を少しは見習ってほしいと思っている。
番外個体(ミサカワースト)(0)……第三次製造計画(サードシーズン)で生み出された美琴のクローン。
ミサカネットワークの「負」の感情を強制的に拾い上げるようプログラムされているため
どこぞのツンドラ娘顔負けの口の悪さ。趣味は困っている人をさらに困らせること。まさに外道。
白井黒子(13)……常盤台中学に通う大能力者の遠隔移動能力者(テレポーター)。第一七七支部に所属する風紀委員で固法の後輩。
美琴に心酔しており、「お姉様」と呼んで慕っている、というか純潔を狙っている。
そのため美琴の想い人である上条に並々ならぬ敵愾心を燃やしている。
初春飾利(13)……第一七七支部に所属する風紀委員。『守護神』の異名をとる凄腕のハッカー。
過去に打ち止めをかばったことで垣根に殺されかけたことがある。
佐天涙子(13)……初春と同じ中学に通う女子生徒。風紀委員ではないが第一七七支部に入り浸っている。
同年代の初春、黒子、美琴よりもスタイルがいい。
心理定規(??)……元『スクール』の構成員。他人と自分の「心の距離」を自在に操る能力をもつ。
暗部壊滅後忽然と姿を消したが………
-----------------------------------------
数日後 第7学区 ファミレス『ジョイナス』
上条「………きね。垣根!」
垣根「!…な、何だ?」
上条「どうしたんだよ。さっきから上の空で」
垣根「ああ、悪ぃ。ちょっと考え事しててよ」
一方「朝からこンな調子だァ」
上条「ったく……ほら、ボーっとしてるからハンバーグ冷めちまったぞ」
垣根「ヤベっ。ホントだ」キコキコモグモグ
一方「肉に失礼だろォが。死ね」キコキコムシャムシャ
垣根「お前が死ね。…お、冷めてもウマイな、ここのハンバーグ」モグモグ
一方「肉もかたくなってねェ。クカカカ、最っ高じゃねェの」ムシャムシャ
垣根「…」モグモグ
一方「…」ムシャムシャ
上条「ところで何でお前らのハンバーグやステーキが冷めるまで
オレの料理が来ないんだよ!」
垣根「あれ?そういやあまだ来てなかったか。上条何頼んだっけ?」
一方「大方めンどくせェヤツでも頼ンだンだろォ?」ケラケラ
上条「……ビーフカレー」ショボーン
垣根「それは………」
一方「あァ……」
上条「うぅっ……何で上条さんの料理だけ毎回こんなに遅いのでせうか…」ウルウル
垣根「そういやこないだもその前も一番最後だったな、上条の料理」
一方「三回に一回はオーダー通ってなかったりするしなァ」
上条「おかしいじゃねーか!カレーなんて頼んだらすぐ出てくる料理の代名詞だろ!」
上条「それが何で30分も1時間も待たされるわけ!?」
垣根「それはまあ……上条だから?」
一方「三下だからなァ」
上条「不幸だぁーーーーーーーー!!」
アリガトウゴザイマシター
上条「結局オーダー通ってなかったし!」プンプン
一方「いつものことなンだから気にすンなァ」
上条「いつものことだから怒ってるんだろうが!!」
垣根「………」
上条「…垣根?」
垣根「えっ!?あ、な、何だ?」
上条「お前今日何か変だぞ?さっきからずっと心ここにあらずって感じで」
一方「どうせメルヘンワールドにトリップしてたんだろォ?面倒くせェからもう帰ってこなくていいぜェ」
垣根「違ぇよ!…あ、そうそう!今日レンタル屋に返すDVDまだ見てなくてさ。
どうしよっかなーなんて思ってたんだよ!」
垣根「お、もうこんな時間じゃねーか!さっさと帰ってゆっくり見ることにするぜ!じゃあな!」ダダダッ
上条「お、おう」
一方「………どォ思う、三下ァ」
上条「いやぁどう考えてもウソだろあれ。最後明らかに目ぇ泳いでたし」
一方「チッ、気にいらねェ。あのクソメルヘン、オレ達に何か隠してやがる。」
上条「だよなぁやっぱり。一体何があったんだ?」
一方「……ひょっとしてアレかァ?」
上条「何?何か知ってんのか?」
一方「あのメルヘン野郎学校でもあの調子でよォ。
しかも休み時間の度にケータイいじってオマケにため息ついてやがった」
一方「あンまりウザかったから能力使ってシャーペン投げつけてやったけどなァ」
上条「そう言えばさっきのファミレスでもチラチラ携帯の方を気にしてたような…」
一方「ま、あのメルヘンが何考えてンのかなンざサラッサラ興味ねェけどなァ」
上条「…お前も大概素直じゃないよな」
一方「あァ!!?どォいう意味だぶっ殺すぞ三下ァ!」
-----------------------------------------
同日 18:00 垣根のマンション
垣根「誰もいないけどただいまーっと」
垣根(危なかった……もうちょっとでボロが出るところだったぜ)
垣根(………バレてねえ、よな)
垣根(上条はともかくモヤシに事が知れたら一大事だ)
垣根(死ぬほどバカにされてイジり倒されるにきまってる!)
垣根「………」
カチカチコチコチ
『新着メッセージは ありません』
垣根「ちっ…だっせ」
垣根(この垣根帝督様ともあろう男が、女からのメールにソワソワしてるなんてよ)
垣根(大体あの女、あれっきりメールの一本もよこさねえ)
垣根(あれからもう二日もたってんのに)
垣根(日時は追って連絡する、なんて言っといてよ)
垣根(そういうのは言いだした方からするもんなんじゃねえのか?)
垣根(待てよ、その理屈でいくと最初にデートって言いだしたのはオレだし…)
垣根(いやいやいや!人の携帯に勝手にメアド送りつけたのはあっちじゃねえか!)ブンブン
垣根(でも普通こういう誘いは男からするべき、なんだよな。知らんけど)
垣根(あーでもこのタイミングでこっちからメールなんかしたら
超待ってたみてえで余計カッコ悪いじゃねえかよぉ!)ジタバタ
垣根(うう……オレは一体どうすれば…)
ボクラハーコエガカレールーマデー ソンザイシツヅケールジーザース♪
垣根「うぉっ!」
垣根(び、ビビって変な声出ちまった)
垣根(メールか…まさかあの女か!?)
垣根(とりあえず…)ピッポッ
垣根(!!!)
-----------------------------------------
同日 19:25 上条の学生寮
禁書目録「ごちそうさまなんだよ!」
上条「いい食べっぷりだな。上条さんは泣きそうですの事よ」トホホ
禁書「まだ腹六分目ってとこかも!」
上条「まだ食えんのかよ!いい加減にしろ!」
ノウミッソツネニフルワセテー アラアラトウンメイニソムーク♪
上条「お、メール?…垣根からだ」ピッポッ
受信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 無題
――――――――――――――――――
今からお前んち行くわ
==================
上条「はぁ?何だこれ」
禁書「どうしたの?とうま」
上条「いや、今垣根から連絡があって今からウチに…」
ピンポーンピンポンピンポーン
カミジョーイルカー オレダー
上条「もう来たし!早すぎだろ!」
ダダダッ ガチャッ
垣根「よっ。悪いな、こんな時間に押し掛けてよ」
上条「いや、別にそれはいいけど…メールから呼び鈴までが早すぎないか?」
垣根「オレの『未元物質』に常識は通用しねえ」キリッ
上条「言えばいいかと思って…」
禁書「あーていとく!こんばんはーなんだよ!」
垣根「こんばんはシスターちゃん。今日もかわいいな。はいコレ、おみやげ」スッ
禁書「え!なになに!?…わぁー丸いケーキだ!いちごのタルトなんだよ!」
上条「いつも悪いな」
垣根「構わねえさ。押し掛けたのはこっちだし」
禁書「ケーキっ、ケーキっ♪」ルンルン
上条「コラ、インデックス!食べる前にちゃんと垣根にお礼言わないとだめだろ?」
禁書「はう、そうだったかも…ありがと、ていとく!」ペコッ
垣根「いえいえ、どういたしまして」
上条「それで?どうしたんだよ、何かあったのか?」
垣根「ああ、ちょっと相談というか頼みがあってな」
上条「メールか電話じゃダメだったのか?」
垣根「ちっとばかしめんどくせえことになったんで会って話した方が早いと思ってよ」
上条「いつものファミレスは?」
垣根「モヤシに知られたくねえ。というか今回アイツは一番頼りにならねえ」
上条「…一方通行にどうにもならないことを、俺に頼むのか?」
垣根「いや!むしろこんなことを頼めるのはお前しかいねえんだよ!」
上条「俺にしか?……それって一体…」
垣根「………上条」ススッ
上条「な、なんだよ急にあらたまって正座なんてして」
垣根「…………オレと一緒にデートしてください!!!」ドゲザッ
上条「………」
禁書「……………」
垣根「…………………あれ?」
上条「あー、垣根?お前のことは友達だと思ってるけど
上条さんとしてはあくまでも『友達』というか、そういう感情はない…かな……悪いけど」
垣根「ち、違う!誤解だ!そういう意味で言ったんじゃね…」
禁書「…ていとく。天にましますわれらが父でも、同性愛はおゆるしにならないかも」
垣根「シスターちゃんまで!だから違うっつってんだろ!?」
………! ……!? …………!! ………‥‥・・・・・・・
-------------------------------------------------------------
10分後
上条「…ダブルデート?」
垣根「あぁ……」
上条「ええと、この間お前が通りすがりに助けた女の子が実はこの前の風紀委員で、
なんやかんやあってデートすることになってアドレスを交換した、と。ここまでは分かった」
垣根「分かってくれたか」
垣根(ザコにブチ切れて半殺しにしたり自己嫌悪で逃げたりしたくだりはハショったけど)
上条「デートに持っていけるかどうかは置いといて、まあよくある展開だよな」
垣根「……………」
上条「………何?」
垣根「いや、別に」チクショウフラグヤロウメチクショウ
上条「んで、それが何で『ダブル』デートになっちまったんですかい?」
垣根「それがよ……」
-------------------------------------------------------------
同日 18:15 固法・柳迫の部屋
新規メール作成
==================
【to】 垣根 帝督
【sub】 無題
――――――――――――――――――
来週の土曜日で大丈夫ですか?
==================
固法(これで…いいわよね?)
固法(あれこれ考えてたら二日もたっちゃった)
固法(男の人に送るメールにこんなに悩むなんて思わなかったわ…)
固法(でも本当にこの文面で大丈夫かしら?)
固法(『遅くなってすみません』、くらい入れた方がいいんじゃ…)
固法(でもあの人からもこの二日間何の連絡もなかったわね)
固法(もしかしてもう私のことなんて忘れてしまったのかしら?)
固法(…あり得る。派手に遊んでるっぽかったし、友達多いみたいなこと言ってたし)
固法(……何だかイライラしてきたわ)
固法(でも…連絡先を押しつけたのも、で、デートにつきあうって言い出したのも私なんだし…)
固法(ああもう、どうすればいいの!?)
柳迫「美偉ぃー?どうしたの、ずっと携帯とニラめっこして」
固法「!!!あ、碧美!み、見てたの!?」
柳迫「何してんの?メール?ちょっと見せて」ケータイヒョイッ
固法「あっ!ちょっと、やめ、返し…」
柳迫「キャー!!何これ!男?男でしょ名前からして!」
柳迫「しかも何!今度の土曜日って!ひょっとしてデート!!?」
固法「違っ、…ただ助けてもらったお礼をしようと…」
柳迫「世間ではそれをデートっていうのよ!あ・まだ送ってないんだ。それじゃあ」ピッポッパッ
固法「あ!ちょっと何勝手に…」ケータイヒュバッ
『送信 完了しました』
固法「あ~~~~~~~!!ちょっと何するのよ碧美!人のメール勝手に送信して!!」プンプン
柳迫「だって、美偉のことだから放っといたらずっと送信できないままだったわよ?」
固法「で、でもまだ心の準備ってものが……」
柳迫「かぁ~アンタってホントに真面目ねー。」
柳迫「でもそんなんじゃ愛しの彼をどこぞの女に奪われちゃうゾ☆」
固法「だからそんなんじゃないって言ってるでしょ!?」
柳迫「ねぇねぇどんな人?顔は?カッコいい系?」
固法「まぁ……顔は綺麗、だったかな///」
柳迫「ウッソー!超イケメンじゃん!写メとかないの?」
固法「そんなのあるワケ……」
ネムリニツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメヲサシテーヨー♪
固法「ひゃっ!?」
柳迫「お、意外に早かったわね」
固法「…」ドキドキ
ピッポッ
受信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 Re:
――――――――――――――――――
それで構わねえよ
==================
柳迫「ふむふむ、意外に早かったとはいえ、返信時間のわりにこのそっけない文面……」
柳迫「これは
『早く返信しようとしたのに何て書くか迷っちゃって結局そっけない文章になってしまった』
パターンのやつね!」
固法「何よそのパターン…」
柳迫「こんな典型的初心メールを送ってきたということは、意外に遊びなれてないのかも…
遊びなれてないイケメン……カワイイ!」
固法「そんなことないわよ。年上みたいだし、ちょっと遊び人風だったし……」
柳迫「年上で一見チャラチャラした初心いイケメン…ますますカワイイ!!」
固法「はぁ……もう一人で勝手に言ってなさいよ…」ピポピポメルメル
返信メール作成
==================
【to】 垣根 帝督
【sub】 Re:2
――――――――――――――――――
わかりました。
では土曜日の11時、第13学区の
時計台公園でお待ちしてます。
==================
固法「これでよし、と」ピポピポメルメル
----------------------------------------
柳迫「アンタもメールの内容カッタいわねー」
固法「放っといてよ!」
ネムリニツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメヲサシテーヨー♪
ピッポッ
受信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 Re:3
――――――――――――――――――
りょーかい。
んじゃ、おやすみzzz
==================
固法(ぷっ、zzzの絵文字付いてる)メルメル
返信メール作成
==================
【to】 垣根 帝督
【sub】 Re:4
――――――――――――――――――
はい。おやすみなさい。
==================
固法(これで送……あれ、ちょっとまって)
固法(……念のために確認しておこうかしら)ピポピポメルメル
返信メール作成
==================
【to】 垣根 帝督
【sub】 Re:4
――――――――――――――――――
はい。おやすみなさい。
P.S.二人きり……なんですよね
==================
固法(へ、変なこと書いてないわよね。ただの確認なんだし)ソウシン
ネムリニツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメヲサシテーヨー♪
固法(あ、もうきた)ピッポッ
柳迫「アンタさぁ、…その着うた変えたら?」
固法「べ、別にいいでしょ、気に入ってるんだから」ピポピポ
受信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 Re:5
――――――――――――――――――
あーそりゃ二人だけってのも
つまんねえよな。
よし、オレのダチとそいつの彼女も
一緒に4人で行こうぜ。
それなら退屈しねえだろ。
==================
固法(あ、あれ?どうしてそうなるの……?)
固法(って何ガッカリしてるのかしら私ったら。
よくよく考えたらそっちの方が安心じゃない)メルメルソウシン
返信メール作成
==================
【to】 垣根 帝督
【sub】 Re:6
――――――――――――――――――
そうですね、そうしましょうか。
では今度こそおやすみなさい。
==================
ネムリニツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメヲサシテーヨー♪
受信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 Re:7
――――――――――――――――――
ん。おやすみzzz
==================
固法(…またzzzってついてる。もう寝るのかしら)プッ
柳迫「どうしたの?何かやたらメール来てたけど」
固法「あ、いや。彼の友達と合わせて4人で行くことになって」
柳迫「はぁ!?なにそれ?ダブルデートってこと?」
固法「ダブっ、……しょうがないでしょ!?二人っきりで行くのか確認したら
話のなりゆきでそうなっちゃったんだから!」
柳迫「何だそっか。……優しいね、その人」
固法「えっ?」
柳迫「その人はさ、きっと美偉が不安がってると思ってそう言ったんだよ」
柳迫「本当なら主導権もってるのは自分なんだからさ、わざわざ邪魔者を呼んだりしないでしょ?」
固法「そう……なのかな」
柳迫「ま!私だったらそんな押しの弱い男はパスね!男はもっとガッと引っぱってくれないと!」
固法「うん……そうだね」
柳迫「だからさ、難しいこと考えないで楽しんできなよ!上手くいったら彼の友達紹介してね?」
柳迫「イケメンの友達はイケメンって相場が決まってるんだから!」
固法「もう、何言ってるの?」
-------------------------------------------------------------
同日 19:45 上条の学生寮
上条「なるほど。それで二人っきりで行くのか訊かれ、思わず日和ってダブルデートをもちかけてしまった、と」
垣根「そういうことだ」
上条「ヘタレ!」ビシッ
垣根「ウグッ!」グサッ
上条「よくもまあお前はそんなヘタレっぷりでナンパなんてしたもんだよな」
垣根「仕方ねえだろぉ!?女と二人っきりでどういう話したらいいのかなんて知らねえもん!」
垣根「お互いのこと何にも知らねえのに会話が持つわけねえじゃん!」
垣根「こんなクズにわざわざ付き合ってくれたのに気ィ遣わせちまったら申し訳ねえだろうが!」
上条「お前って普段割と自信満々なのに肝心なところで自己評価低いよな……」
垣根「というわけで頼む!ダブルデートに協力してください!」
上条「そんなこと言っても上条さん彼女なんていないし…」
垣根「何も本物の彼女連れてこいって言ってるわけじゃねえ。
適当な女の知り合いを連れてきてくれればいいんだよ」
上条「そんなこと言われてもなあ……」
垣根「どうせお前のことだから百人くらいキープの女がいるんだろ?」
上条「ひどいこと言われてる!言いがかりだ!」
垣根「…もちろんタダでとは言わねえ」
上条「…というと?」ピクッ
垣根「協力してくれた暁には……」チラッ
禁書「ケーキっ、ケーキ♪」モグモグ
垣根「向こう二週間、シスターちゃんの食費の面倒はオレが見てやる」
上条「喜んで協力させていただきます!」
垣根「うむ!わかってくれたか!」
禁書「…なんだか今わたしにとって失礼な契約が結ばれた気がするかも」
上条「そんなことないぞー。それよりもよかったなインデックス!
これから二週間、垣根が好きなもの好きなだけ食わせてくれるぞ」
禁書「えぇっ、ほんとう!?ほんとうなのていとく!!」
垣根「任せろ!このオレに二言はねえ!」
禁書「わーい!ありがとー!」
上条「ホントにいいのか?」ヒソヒソ
垣根「超能力者の財力ナメんな。それよりこれで商談成立だからな」ボソボソ
上条「あ、あぁ…」ヒソヒソ
禁書「やったね~スフィンクス~」ニャー
-------------------------------------------------------------
金曜(ダブルデート前日) 16:32 第七学区 上条の通学路
上条「食費につられてOKしちまったけど………現実問題どうすっかなぁ」
??「あの……」
上条(学校の連中は……ダメだよな。吹寄は論外だし姫神をこんなアホなことに巻き込むわけにもいかないし)
??「すみません………」
上条(思い切って小萌先生に相談してみるか……?)
小萌『上条ちゃん!女の子の純情と食費を秤にかけるとは何事なのですか!恥を知るのです!
そんな悪い子には「すけすけみるみる」なのですよ!』
上条(……ダメだ。ガチ説教(追加補習付き)をくらうビジョンしか見えてこない)
??「もしもし…………」
上条(だぁーもう明日だしどうすりゃいいんだよぉー!!)ガシガシ
??「あ、あの!!」
上条「……ん?」
上条はそこで誰かに声をかけられていることに気がついた。
振り向くとそこには、霧が丘女学院の制服に身を包み、眼鏡をかけ、
腰まで伸びた栗色の髪を一房だけ束ねているいかにも気弱そうな少女が立っていた。
彼女の名は―――
上条「お前……風斬か?」
風斬「お、お久しぶりです」
風斬氷華(かざきりひょうか)。インデックスの『ともだち』だった。
上条「おぉー風斬!久しぶりだな!!どうしたんだよ、こんなところで!」
風斬「ひ、久しぶりに『こっち』に来られたので、あの子の顔を見に行こうと思って」
上条「おお来いよ来いよ。インデックスもぜってー喜ぶからさ!」
風斬「えっと、それじゃあ…お、お邪魔します」ペコッ
ふたたび上条はインデックスの待つ寮へと急ぐ。
彼女にとって、最高の「手みやげ」を連れて。
-------------------------------------------------------------
10分後 上条の学生寮
上条「帰ったぞー」
風斬「お、お邪魔しまーす…」
トテテテテ
禁書「とうま!おかえ……り………」
風斬「……久しぶり」ニコッ
禁書「……ひょ、ひょうか!ひょうかぁ~~~~~っ!!」ギュッ
禁書「会いたかった。ずっと会いたかったんだよ、ひょうか」ギューッ
風斬「うん……私も会いたかった」ギュッ
禁書「……元気だった?」
風斬「うん」
禁書「じゃあ……またインデックスとあそんでくれる?」
風斬「もちろん」ニコッ
禁書「う…ひょうか~~~~~~~~~!うえーーーーーーーん」グスグス
風斬「…」ナデナデ
上条「…よし、じゃあ折角だし、いまから三人で晩飯がてら遊びに行くか!」
それまで二人の少女が抱き合うのを静かに見ていた上条は、
インデックスが落ち着くのを見計らってこう切り出した。
禁書「やったぁ!ひょうか、おいしいもの食べよ!」ウキウキ
風斬「えぇ……でもご迷惑じゃ…」
上条「心配するな。金なら…ある!」ビシィ
上条はふところから神々しくも妖しい光を放つ、
具体的に言うと使用限度額無制限っぽい黒いカードを取り出した。
今回の報酬として垣根から借りたクレジットカードである。
禁書「そうだよ!ひょうかが気にすることないんだよ!だから行こ!」
風斬「それじゃあ……お世話になります」
禁書「うん!」
上条「うし、じゃあ支度して早く行こうぜ」
------------------------------------------------------------
同日 18:23 第七学区 ファミレス『ジョイナス』
禁書「おいしかったー!もうおなかいっぱいかも!」オサラタクサン
風斬「あ、相変わらずよく食べるね…」
上条「コイツがなかったらどうなっていたことか……」ガクガクブルブル
禁書「ところでひょうか、こんどはどれくらいこっちにいられるの?」
風斬「ええと、この間みたいに無茶なことをしなければ大体二週間くらい」
禁書「そんなに?やったぁ!じゃあまたいーっぱい遊べるね!」ニコニコ
風斬「うん!」ニコッ
上条(…インデックスのやつ、あんなにはしゃいじゃってまぁ…ん?二週間?)
上条は二人のほほえましいやりとりをながめつつ、別のことを考えていた。
風斬氷華はとても優しい少女である。
誰かのために涙を流し、本気で怒ることができる、
そしてなにより、友のためならばどんな危険にも迷うことなく足を踏み出すことができる
強さをもった少女だ。
―――ひょっとして風斬なら正直に事情を話せば協力してくれるんじゃないか?
何より、上条には時間も、他にアテもない。
考えてみれば降ってわいた最後のチャンス、なにふりかまってはいられなかった。
上条「悪い、インデックス。明日だけ風斬を貸してくれ」
風斬「え!?」
上条「風斬……明日俺と遊びに行ってください!!」
風斬「えぇっ!!?」
それは、とても美しい土下座だった。
禁書「とうま……いつもいつも女の人にデレデレしてるけど………よりにもよってひょうかに手をだすなんて!!」ギラッ
上条「ま、待てインデックス!お前は昨日垣根から聞いて事情知ってるだろ!」
禁書「ていとくのはなしなんてケーキ食べてたから聞いてなかったかも!」
上条「そうだったそうでしたよね!わかった、俺がもう一回最初から話してやるから、だから落ち着いて…」
禁書「ガブッ!!!」
上条「ぎゃああああああああああ!!不幸だぁーーーーーーーーーーー!!!」
------------------------------------------------------------
アリガトーゴザイマシター
上条「うぅ…結局問答無用で噛まれた…」イテテ
風斬「だ、大丈夫ですか……」
上条「ん?ああ…まあいつものことだし」
風斬(…いつもあんなこと言ってるのかなぁ)
上条「風斬?どうかしたのか?」
風斬「えっ!い、いや、何でもないです!」
上条「そっか」
風斬「それで、その、さっき言ってた事情っていうのは…?」
上条「そう、それがさ」
上条は垣根との契約を含め、全ての事情を洗いざらいぶちまけた。
風斬「そんなことが…」
上条「まぁ嫌なら断ってくれてもいいぞ?正直アテはないけど、死ぬ気で拝み倒せば姫神か誰か協力してくれるだろ」
風斬(あの子のため……これはあの子のため………)
上条「じゃあ早速電話で頼んで…」
風斬「わかりました!」
上条「へっ?」
風斬「かっ、風斬氷華!僭越ながらお手伝いさせていただきます!」
上条「マジで!?」
風斬「マジです!」
上条「ありがとう風斬!よかったぁ~~!ダメだったら垣根にボコボコにされるところだった!
もうインデックスの食費でウン万円使っちゃったし……」
風斬「えぇっ!?もうそんなに使ったんですか!!?」
上条「財布の心配をしなくていいとわかったらタガが外れたように……な…」
禁書「とうま~~~~~~!ひょうか~~~~~~!!早くくるんだよー!」
上条「やべ。んじゃ風斬、あしたはよろ…おっと、ヨロシクな」
上条は一度出した右手を戻し、代わりに左手を出す。
風斬「は、はい!よろしくお願いします!」
少女と少年は、左手でガッチリと握手を交わした。
------------------------------------------------------------
同日 20:27 垣根のマンション
垣根「…服よし、歯みがきよし、携帯の充電よし、目覚ましよし、明日のプランよし」
垣根「他に見落としはねえよな…」
垣根(いよいよ明日か……何か知らんが緊張してきた)
ナーミダ キラーキラ ニシーノソラニヒカル♪
垣根(上条からか……アイツも相手はみつけたみてえだな)
垣根(か、かぜ…かぜきり……?何て読むんだ?コレ)
垣根(まぁ明日になりゃ分かるか)
垣根(……明日、ね)
垣根(……メールしとくか)ピポピポメルメル
------------------------------------------------------------
同日 20:30 固法・柳迫の部屋
固法(あぁ、もうどうしよう……何着ていくか全然決まらない!)
柳迫「美偉ぃー?まだ悩んでるの?」
固法「だって…」
柳迫「アンタは元がいいんだからどうせ何着ても似合うわよ」
固法「そういう訳にいかないから困ってるの!お願い碧美!手伝って!」
柳迫「えぇ~~~~?」
固法「この通り!」
柳迫「……もう、しょうがないなあ」
固法「ホントに?ありがとう!」
ネムリニツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメヲサシテーヨー♪
固法「ふえ!?」
固法(か、垣根さん!?)
柳迫「おんや~?例の『垣根さん』からかな?
『明日のデート、楽しみにしてるぜ』とかだったりして」ニヨニヨ
固法「そ、そんなわけないでしょ!どうせ『遅れるなよ』とかそんな感じよ」ドキドキ
ピッ
受信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 無題
――――――――――――――――――
まだ起きてんのか?
夜更かしは肌に悪いぜ
==================
固法「!……人の気も知らないで!」ビターン!
柳迫「これは……さすがに予想外ね」
固法「…!」メルメルプンプン
返信メール作成
==================
【to】 垣根 帝督
【sub】 Re:
――――――――――――――――――
今から寝るところだったんです!
==================
ネムリニツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメヲサシテーヨー♪
固法(!もう返信が…)
ピッ
受信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 Re:2
――――――――――――――――――
はいはい、そういうことに
しといてやるよ。
じゃ、おやすみ、お嬢さんzzz
・
・
・
・
==================
固法「人のことバカにして……もう怒った!碧美!そこのショートパンツ取って!
あとそのVネックのセーターも!」
柳迫「えっ、こ、これ?」
固法「そう、それ!年下だと思って……今に見てなさい!」
柳迫(これって両方とも買ったはいいけど「派手」とか「恥ずかしい」とか言って一度も着てない新品…)
柳迫(まさか…ね)
固法「」プンプンメルメル
返信メール作成
==================
【to】 垣根 帝督
【sub】 Re:3
――――――――――――――――――
おやすみなさい!
==================
固法「もう寝る!おやすみ!」ガバッ
柳迫「お、おやすみ…」
------------------------------------------------------------
同日 21:02 垣根のマンション
ボクラハーコエガカレルマデー ソンザイシツヅケールジーザース♪
垣根(おーおー、完全に頭に血が上ってるなこれ)
垣根(面白いからいいけど、ちっとやりすぎたか?)
垣根(まあこのくらい煽ればくだらねえこと考えてねえでさっさと寝るだろ)
垣根(…オレのために悩む必要なんて、ないんだからよ)
垣根(にしてもこの感じだと…最後まで読まなかったんだろうなぁ)
ピッ
送信メール
==================
【from】 垣根帝督
【sub】 Re:2
――――――――――――――――――
はいはい、そういうことに
しといてやるよ。
じゃ、おやすみ、お嬢さんzzz
明日楽しみにしてるぜ
==================
------------------------------------------------------------
同日 22:11 固法・柳迫の部屋
柳迫「はぁ……」
柳迫は不貞寝同然で床についた同居人を見やってため息をついた。
柳迫(それにしても珍しいわね。この子が男に対してこんなにムキになるなんて)
普段風紀委員として冷静に勤めを果たし、
後輩からの信頼も厚い彼女がここまで取り乱すだけでも驚きなのに、
しかもその相手が異性だと分かったら支部の後輩たちはどんな顔をするだろうか。
柳迫には想像もつかない。
柳迫(まあ、別に初めてってわけでもないんだけど)
柳迫は知っている。過去に固法が一度だけ、ある人のそばにいることを願ったことを。
そして、彼女のクローゼットにはまだ、赤い革のライダースジャケットが眠っていることを。
話を聞く限り、今度の彼は『あの人』にそっくりだった。
ぶっきらぼうで、だけどどこか優しくて。そしてなにより強かった『あの人』に。
柳迫は、固法が過去の幻影を追いかけているのではないかと心配になった。
彼を『あの人』に重ねているだけなのではないか、と。
柳迫(ま、私が肝を焼いてもしょうがないか)
こればかりは柳迫にはどうしようもない。固法が自分で向き合うしかない問題である。
しかし、同居人でもある親友には今度こそ幸せになってもらいたい。
忘れるにせよそうでないにせよ、固法には前を向いてほしいと、柳迫は思っていた。
柳迫「がんばりなよ、美偉」
固法「……ン…」ムニャムニャ
彼女のつぶやきがベッドにうずくまる親友に届いたかどうかは、
念話能力者(テレパス)にも分かりそうになかった。
143 : ◆r4vICyDKLo - 2011/05/19 17:56:04.42 NRifWjyK0 91/694レスありがとうございます。
>>1です。
昨日は一日薬飲んで寝てました。
なので体調は回復しましたがストックが全然出来てません。
代わりにと言ってはなんですが短めのおまけを置いていきます。
以下、投下します
------------------------------------------------------------
オマケ とある家族の仮面談合(マスカレード)
金曜 18:35 第七学区 路上
??「……なーんか面白いこと聞いちゃったね☆ぎゃは」
??「まさかヒーローさんが特定のだれかに積極的にフラグを立てるなんて…
ってミサカはミサカは驚きを隠しきれなかったり!」
??「チッ、どォやら話が見えてきたぜェ。あのクソメルヘンの様子がおかしかったのはコイツかァ」
??「でもいまどきダブルデートって何?中学生でもしねえっつーの。
やっぱ第二位はどこまでいってもヘタレってわけね☆アヒャヒャヒャ!」
??「違ェねェ。クカカカ…あのイカレメルヘン、三下を巻き込ンどいてこのオレをのけもンにしようたァいい度胸してンじゃねェか」ニヤニヤ
??「楽しそうだね、ってミサカはミサカは悪い顔してるあなたに便乗してニヤニヤしてみたり!」ニヤニヤ
??「あったり前だろォが。こンな面白そォなこと放っておく手はねェだろォ?」
??「とか言ってホントは自分だけ仲間外れでさびしいだけなんでしょ?
構ってちゃんの上に素直じゃないなんてお子ちゃまでちゅね~」ニヤニヤ
??「ぶっ殺すぞ!」
??「それで具体的にどうするの?ってミサカはミサカは半分わかりきったことを訊いてみたり!」
??「アイツらの後をつける。ンであとは適当にひっかきまわすンだよ。
あのメルヘンがコレ以上ウッジウジウジウジしてンのを見るのもウゼェからな」
??「……ホントに素直じゃないね、ってミサカはミサカは番外個体に聞えよがしに耳打ちしてみたり」ボソボソ
??「ねー☆まあ何でミサカがあのメルヘンのためにそんなクソ面倒くせえことしなきゃならないの、って言いたいところだけど、
慌てふためく第二位が見たいから協力してあ・げ・る(はぁと」
??「ミサカも!ってミサカはミサカは何の脈絡もなくあなたに抱きついてみたり!」ギュッ
??「ウっゼェ!離れろクソガキ!……って言うかよォ」
??×2「ん?」
??「オレら名前伏せてる意味なくねェ?」
??「え?今更?」
??「ミサカ達なんて一人称からバレバレだし!ってミサカはミサカはさらにバレバレの語尾に軽く絶望してみたり!」
??「……どォでもいいか。オラ、早く帰らねェとあの酔っ払いどもがうるせェぞ」
??「ったく、ツマミが切れたから買ってこいなんて人使い荒いよね。マジフザけんじゃねーっての」
??「うん!早く帰ろ!ってミサカはミサカは………」
三人家族は家路をゆく。
とある家族の仮面談合 終わり
146 : ◆r4vICyDKLo - 2011/05/19 18:04:11.69 NRifWjyK0 94/694以上です。読んでくださってありがとうございます。
いつになったらデートが始まるんだよ・・・・
>>139~>>142
このスレでは、>>1がどこかで聞いたことのある
「右手に直接触れなければ効果ないよ説」を採用しています。
どこで聞いたかは忘れてしまいましたが。
では、明後日ごろまたお会いしましょーノシ
137 : VIPに... - 2011/05/18 22:24:30.61 EBS3mBDy0 95/694固法さん、TM好きなのかw
147 : 1 - 2011/05/19 19:16:50.78 NRifWjyK0 96/694>>137
当方の固法さんはTMというか西川貴教大好きです。
そのほか独自設定として固法さん以外の登場人物にも
「好きなアーティスト」を割り当てています。
一部バレバレですが注意して見ると面白いかも知れません。
------------------------------------------------------------
土曜 10:48 第十三学区 時計台公園
垣根「よう」
上条「おう、早いな」
垣根「女を待たせるなんざ二流のすることだ」キリッ
上条「…そんないい男っぽいこと言っても説得力無いぞ?」
垣根「……心配するな、自覚はある」ショボーン
上条「ところで、そのコノリさんって人はまだ来てないのか。」
垣根「ああ。っつっても待ち合わせの時間までまだ10分以上あるんだし、そのうちくるだろ」
上条「そっか」
垣根「っていうかシスターちゃんはどうしたんだ?」
上条「小萌先生に預けてきた。なんでも同居してる女の子に料理を教える日だったらしくて
インデックスにも一緒に練習させるってさ」
垣根「ふーん。いい先公じゃねえか」
上条「まあ理由を訊かれて正直に話したらガチ説教の上に補習が決定しましたけどね」
垣根「何で正直に話すんだよ……」
上条「ヘソを曲げたインデックスにあることないこと吹き込まれるよりマシだと思ったんだよ…」
垣根「そうか……なんつーか、悪い」
上条「不幸だ……」
垣根「そういやお前の友達は?」
上条「あぁ、多分もうすぐ来ると…」
風斬「お、おはようございます」
上条「おー風斬。おは…」
垣根「上条ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」グイッ
上条「グェッ!?」
上条(いきなり何すんだよ!?)
垣根(うるせえ!いいか上条!確かにオレは適当な女友達を連れて来いと言った。言ったが!!)
垣根(誰がこんな巨乳眼鏡っ娘美少女を連れて来いと言ったぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
上条(し、しょうがないだろ!全然相手見つからなくて昨日偶然バッタリ会ったのが風斬だったんだから…)
垣根(しかもあの制服霧女じゃねえか!常盤台に飽き足らず霧女の生徒まで……
テメエは学園都市の女子校という女子校を陥落するつもりか!)
上条(い、いや、風斬は転校生っつーかギリギリウチの高校の生徒っつーか…ってか、苦し…)ギリギリ
垣根(転・校・生!!そんなベタなフラグまで網羅してあるたぁ見上げた建築士っぷりだな!
歯ァ食いしばれや上条ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!)ギリギリギリギリ
上条(し、死ぬ………)
風斬「あ、あの……」オロオロ
垣根「ん?…あぁ!申し遅れてすまなかったね。初めまして、お嬢さん。垣根帝督だ」
風斬「はぁ…あの、風斬氷華です。今日はよろしくお願いします」ペコリ
垣根「氷華ちゃんか。こちらこそどうぞよろしく」ニコッ
上条(コイツ本当に女には優しいよな……見た目通りだけど)ボソ
垣根「」ギロッ
上条「」
風斬「?」
風斬(このひとが垣根さん…この人から感じる「ちから」…私と少し似てる…?)
垣根(カザキリヒョウカって読むのか、あの名前。見た目おとなしそうないい子だけど…
なんであのモヤシ野郎と印象がダブるんだ?)
垣根 風斬((まあ、いいか))
固法「おはようございます」
垣根「よ、よう」
上条(ぶっ!な、なんだあのクールビューティーは!あれが垣根が助けたっていう風紀委員の女の子か!?)
上条(風斬とはまた違った意味で眼鏡が似合いすぎている!「理知的なお姉さん」オーラがほとばしってる!)
上条(そして何あの服!?ショートパンツから伸びたオーバーニーソが色っぽい!
そんであのセーター!スタイルよすぎだろ!神裂とまではいかなくても五和よりは確実にあるぞ!)
上条(露出は首筋だけなのにそれが逆にエロい!何!?セーターってあんなにエロい衣服だったの?おしえてえろい人!)
固法「今日はよろしくおねがいします」
垣根「お、おぉ」
上条(でも……なんか怒ってる?)
固法「そちらがあなたのお友達ですか?」
垣根「ああ。こっちがダチの上条で、そっちが風斬氷華さんだ」
上条「ど、どうも、上条当麻です」ペコ
風斬「か、風斬氷華です」ペコリ
固法「初めまして、固法美偉です。じゃあそちらの彼女が、あなたの……?」
上条「え!えーと、そういうことになるんでせうか……?」
上条(ここは話を合わせとかないと後あと面倒になるよな………)
風斬(はわわわわわわわわ///)
固法(……何で疑問形なのかしら?)
固法「じゃあ今日はよろしくね、上条くん、風斬さん」
上条「は、はい!」
垣根「よし、全員そろったしそろそろ行くか。昼飯にはまだ早いし、ゲーセンでも行こうぜ」
------------------------------------------------------------
11:13 第13学区 ゲームセンター『エンペラー』
垣根たちは第13学区のショッピングモール内にあるゲームセンターに来ていた。
この手のゲームセンターには珍しく、「外」のゲームを中心に設置しているこの店は、
「レトロだが面白いゲームがそろっている」と学生の間でひそかな人気店となっていた。
上条「お前ガンシューティング強すぎだろ!」ガチャガチャ
垣根「ハハハハハ!ちっと前までリアルで現役だったモンでね!ゲームなんざママゴト同然よ!」ガチャガチャ
上条「ウソだ!絶対このゲームやりこんでるよコイツ!」ガチャガチャ
垣根「あっ!上条そこはグレネードだろうが!」ガチャガチャ
上条「え!?二発しかないのにもったいなくないか?」ガチャガチャ
垣根「アホ!この辺は敵がウジャウジャ出てくっから一気に一掃するんだよ!
ゲームの中まで貧乏性もちこむんじゃねえ!」ガチャチャチャ!
上条「おまっ…!言っていいことと悪いことがあるんだぞ!」ガチャチャ!
時空が危機っぽいガンシューティングで盛り上がっている男たちを、
女性陣は呆れ八割、ほほえましさ二割といった微妙な視線でみつめていた。
固法「………楽しそうね」
風斬「ですね」
固法「あなたはこういうところよく来るの?」
風斬「いえ、今日で二回目、です」
固法「そう……私は仕事でたまに見回りにくるけど、プライベートで来たのは久しぶりね」
風斬「風紀委員…なんですよね?」
固法「そうよ。言ったかしら?第一七七支部に所属してるの」
風斬「…私、前に風紀委員の人に助けてもらったんです。
私とあの人と、もう一人のともだちと一緒に地下街に閉じ込められたとき、
風紀委員の腕章をつけた中学生くらいの女の子が助けにきてくれて…」
風斬「あのときはいろいろあって、結局お礼は言えませんでしたけど…
代わりに今言わせてくれますか?」
固法「……きかせていただくわ」
風斬「…あのときは、本当にありがとうございました」ペコリ
固法「その風紀委員が誰かは分からないけど、願ってもいない言葉ね。
その言葉、私がその風紀委員に代わって謹んでお受けします」
垣根「あ~バカお前なんでそこで一般人撃つんだよ!」
上条「仕方ないだろ!植え込みから急に飛び出してきたんだよ!」
バカ二人がライフを一個無駄にしたその後ろで、ひそかに仲良くなっている女性陣であった。
------------------------------------------------------------
上条「あ~~~~~~~!また落ちた………」
垣根「だぁーーっはっはっは!ダッセェなあ上条!お前もういくら突っ込んでるんだよ!」
上条「うう、どうせ俺にはプライズなんてこの世で一番向いてませんのことよ…」
俗に「プライズゲーム」と呼ばれる、この世でもっとも中毒性の高いゲームに興じる男たちを、
彼女らは全てがどうでもいいといった視線で眺めていた・
固法「……盛り上がってるわね」
風斬「ですね」
固法「この手のゲームにお金を費やす思考が理解できないのよね、私。
千円も二千円もつぎ込むなら買った方が早いと思わない?」
風斬「でも、こういうゲームでしか手に入らない商品とかたくさんあるみたいですよ。
コレクションと同じ感覚なんじゃないでしょうか?」
固法「そういうものかしら…」
風斬「そうですよ」
固法「…ところで訊きたいことが一つあるんだけど」
風斬「はい、何ですか…?」
ここで固法はある話題を切り出した。
仲良くなった女学生が男の目を忍んですることと言えば、千年の昔から一つだけ。
固法「あのツンツン頭の彼…上条くんとは、その、ど、どこで知り合ったの?///」
恋バナである。
風斬「ふえっ!!?どどどどどどどういう意味ですか!?///」
固法「いや、だからどうやって付き合うことになったのかなって意味で訊いたんだけど…」
風斬「つつつつつつつつつつ付き合ってないでふ!!」
固法「そ、そうなの……?」
固法(さっきと話が違うような……)
風斬「は、はい!あの人は、その、全然そういうのじゃないっていうか……
私なんかにはもったいなさすぎるっていうか!」
固法「……そうやって自分を下に見るものではないわ」
風斬「…え?」
自分を卑下する風斬を見かねたかのように、固法はとうとうと語り始める。
まるで自分に言い聞かせるかの様に。
固法「男の人ってね、目を離すとすぐ遠いところへ行ってしまうの。
一度見失ったら、もう二度と手が届かなくなってしまうこともあるわ」
固法「だからね、自分が後悔しないように生きなきゃだめよ?」
風斬「自分が………後悔しないように………」
固法「といっても、私が言えた立場じゃないんだけどね。十六にして後悔ばかりの人生よ」クスッ
風斬「………」
そう言って笑った彼女の顔は、風斬には何だかさびしそうに見えた。
固法「なんだか変な空気になっちゃったわね!今のは忘れ………あ………」
風斬「どうかしましたか?」
固法「え!?い、いや!何でもないわよ?」
風斬「?そうですか…」キョトン

固法(な、何あのぬいぐるみ!か、カワイイ………///)
固法(でも……さっきあんなこと言った手前、い、言えない!)
垣根「あー笑った。さっきので三年分くらい笑ったわ。
上条のヤツ、プレイするたびに賞品がとりだし口から遠ざかるんだぜ?ケッサクだろ?」ケラケラ
固法「そ、そうね」チラッ
垣根「ん?どうした?」
固法「え?な、何でもありません!」チラチラ

垣根「なに?そのぬいぐるみほしいの?んじゃあオレがサクッと…」チャリン
固法「だ、誰もそんなこと言って…」
垣根「いーからいーから。まぁみてろって……コイツはコツがいるんだよ」ウィーンガチャ
固法「ちょ、ちょっと…あ」
垣根「……ウシ!一発でとれたぁ!」
固法「うわ、すご…」
垣根「ホレ」

固法「えっ?」
垣根「だからやるよ。ほしかったんだろ?」
固法「だから、あの………」
垣根「いらねえの?」
固法「……いただきます。ありがとうございます」
垣根「よろしい」
固法「…………///」
------------------------------------------------------------
キーミーガーイタナーツーハー トオイーユーメーノナカーアー♪
固法「え?え??これどうなってるの??」ドンドコドコドン
風斬「ふえええええええええ!??」ドンドンドコドン
垣根「…………………」
上条「……………なあ」
垣根「………何だ」
プルンプルン
プルルンプルン
ソーラーニキエテーエーッタ ウチアーゲーハーナービー♪
固法「何?この黄色いの何!?もうワケわかんない!!」ドコドコドコドンドンドコドンプルンプルン
風斬「くぁwせdrftgyふじこlp」ドンドンドコドンドコドコドンドンドンタユンタユン
上条「………………幸せだ」
垣根「…………………世界一似合わねえセリフだな」
上条「でも本当のことだろ………?」
垣根「あぁ…………」
ノルマクリアシッパーイ ゲームオーバーダドン…
固法「あーもう全然ダメ!」
風斬「ノルマクリアできませんでした……」
垣根 上条「「ありがとうございます」」フカブカ
固法 風斬「「?」」キョトン
固法と風斬はすっかり意気投合し、一緒に写真を撮ると言って二人してプリクラコーナーへ消えてしまった。
一方そのころ2対2の対戦アクションゲームに白熱する垣根と上条(バカ2ひき)
四人とも、今日の趣旨が『デート』であることを完全に忘れていた。
垣根「テメエズサキャンも出来ねえくせにゴッドなんざ使ってんじゃねえよ!」ガチャガチャバンバン
上条「おっかしいなあ、いつもは出来るのに…あっ垣根!そっちにゲロビ行ったぞ!」ガチャバンバン
垣根「オレのゼロカスにそんなしょっぱい攻撃が当たるかぁ!」ガガファサァ
上条「うお!ステップで誘導切って飛翔でかわした!?」
垣根「オレのゼロに常識は通用しねえ!……ん?乱入か?」
画面に表示される《WARNING!!》の文字。
それは二人に対人戦を申し込んだ挑戦者が現れたことを意味している。
上条「向こうの筐体みたいだな。機体は……ケルディム?」
垣根「ハッ、そんな産廃機体でオレたちに挑もうなんざ十年…………
……………………………元帥だと?」
元帥。
それは、『最強』の証。
このゲームを極めた者にのみ許される名誉ある称号。
二人に闘いを挑んだのは、この店の『主』だった。
上条「な、なんだコイツ!メチャクチャ上手いぞ!?」ガガガガ
垣根「バカな!ケルディムのメインでゼロの着地に100%合わせるなんぞ不可能…うううぇえ!!?」
上条「しかもビットとピストルで捌かれて……間合いに入れない!」
垣根「うおおおお!負けたぁ!!」
上条「強い……強すぎる………」
垣根「バスターライフルがカスりもしねえ……何モンだよコイツ…」
まさに圧倒的。
2対2が基本であるこのゲームで、突然の挑戦者はCPUの力をほとんど借りずに二人をまとめて倒してしまった。
??「どう?少しは身の程ってやつが分かったかしら?」
敗軍の顔を拝みに来たのか、先ほどの対戦相手が上条達に声をかけてきた。
上条「いやー痛いほど……ってこの声…」
それを聞いて上条は不安に襲われた。
その対戦相手の声が、あまりにも聞きなじんだものだったからである。
上条「…………………ビリビリ!!?」
美琴「あ、アンタ!こんなところでなにしてるのよ!!」
その声の主は、御坂美琴(みさか 美琴)。
常盤台中学が誇る序列第3位の超能力者、『超電磁砲』(レールガン)の異名をとる電撃使いにして
上条の「天敵」であった。
美琴「調子に乗ってる神と羽がいるっていうからいっぺんシメてやろうと思って来てみれば…何でアンタがこのゲーセンにいるわけ!?」
上条「えーと!上条さんとしてはこっちが訊きたいというか、そのセリフそのままバットで打ち返すというか…」
美琴「あ、アンタに関係ないでしょ!?この店寮から遠くて学校の子たちにバレにくいから便利なのよ!」
垣根(第3位か……面倒なことになったな)
垣根(とりあえず戦線離脱、っと)コソコソ
美琴は対戦相手が上条であったことに驚き、垣根の存在に気づいていない。
それをいいことに垣根はそっと二人から安全な距離を取る。
そのとき、
風斬「またともだちの写真が増えました~♪」ルンルン
固法とプリクラコーナーへ消えたはずの風斬がなぜか一人ホクホク顔で戻ってきた。
この最悪の修羅場に、まさに最悪のタイミングで
美琴「ちょっとその子……この間のテロリスト騒ぎ(垣根「原作6巻参照だぜ!」)の時に地下街にいた……!」
風斬「ひぃ!?」ビクッ
美琴「アンタ!是非とも納得のいく説明をしてもらおうかしら!!?」バチバチ
風斬「はわわわわわ……」ガタガタブルブル
前髪から文字通り火花を散らしながら上条に詰め寄る美琴。
それに怯える風斬をなだめるため上条が放った一言は、
上条「あ!大丈夫だぞ風斬!お前が怖がる必要はどこにもない!
コイツは何もお前に怒ってるわけじゃないし、自分がいかに理不尽な理由で怒ってるかは重々承知だろうから!な!」
どう贔屓目に見てもこの場で言ってはいけない言葉だった。
美琴「!……ええ、そうよ………私がムカついてるのは……
……後にも先にもアンタだけよぉぉぉぉぉぉ!!!!」バリバリバリバリ
ギャーコウアツデンリューガー!
ガメンカラヒバナデター!
オキャクサマーテンナイデノノウリョクノシヨウハオヤメクダサーイ!
固法「どうしたの?いったい何の騒ぎ!?」
垣根「おお、アンタか。今までどこにいたんだ?」
美琴の怒りが電撃とともに炸裂したそのとき、固法が写真を小脇に抱えてもどってきた。
固法「風斬さんが自分の分の写真を一枚忘れてて、カウンターでハサミを借りて切り分けてたんです。
それよりこの騒動はいったい………って御坂さん!?」
垣根「何だよ、アンタも第3位と知り合いなのか?」
固法「ええ、以前に風紀委員の仕事でちょっと…それより早く止めないと…」
垣根「待った」
垣根は、事態を収拾するべく人ごみの中心へ向かおうとする固法を呼び止めた。
固法「どうして止めるんですか!?風紀委員としてこの場を納めないと…」
垣根「だから落ち着けって。いいか、ケンカの原因が上条である以上ここでアンタが出て行くのはむしろ逆効果だ。
せいぜい第3位の怒りに油を注ぐのがオチだろ」
確かに固法が仕事中ならば、ここで止めに入るのが風紀委員としての義務だ。
美琴の知り合いであることを鑑みても、ここはむしろ固法が出て行くのが限りなく正解だろう。
ただし、それは美琴の相手がタダの不良であれば、の話だ。
だが今の美琴の相手はあの上条当麻であり、
騒ぎの直接の発端は(上条の余計なひと言を除けば)「上条が他の女性と一緒にいた」ことに他ならない。
もしここで固法が出て行って、曲がりなりにも上条と行動を共にしていたことが知れたら………
結果は火を見るよりも明らかである。
垣根「わかったか?ここでアンタが出ていくのはどう考えても得策じゃねえ」
固法「だったらどうすれば……」
垣根「うーん………」
垣根は考える。
この修羅場を切り抜ける最善の一手を。
そして一つの結論に到る。
垣根「よし!」
固法「何か思いつきました?」
垣根「」ガシッ
固法「え?」
固法(て、手を…………///)
それはまさに逆転の発想ともいうべき妙案であった。
自分たち二人ではこの状況を打開することは不可能。
・・・・・・・・・・・・・
ならば上条たちに丸投げすればいい。
垣根はここで、ある先人の教えに従うことにした。
その教えとは、
垣根「バックレるぞ」ダッシュ!
固法「えぇ!!??」
――――「三十六計逃げるに如かず」
垣根はこの局面であっさりと、友人を見捨てることを選んだ。
184 : VIPに... - 2011/05/22 23:24:15.05 Ujqv/jrC0 120/6941です。
何か風斬がやたら人気なのでこんなん書いてみました。
以下、投下します。
オマケ とある少女の臨戦態勢(アサルトモード)
美琴「アンタのせいであの店追い出されちゃったじゃないのよ!しかも出禁にされちゃったし、
これからどこであのゲームやればいいのよ!」
上条「知らねーよ!追い出されたのも出禁にされたのもお前が電撃で筐体ダメにしたからだろ!被害者はこっちなんだよ!」
風斬(どうしてこうなっちゃうのかなぁ)
美琴「アンタがあんなところであのゲームやってるのが悪いんでしょ!」
上条「ふざけんな!…あとさあ、一個訊きたいことがあるんだけど」
美琴「へ!?なななな、何よ?」
上条「お前チート使っただろ」
美琴「……………………は?」
風斬(楽しそうに話してるなぁ…)
上条「だってそうだろ!冷静に考えてケルディムがあんな強ぇわけねえじゃん!」
美琴「ふざけないでよ!アンタそれ本気で言ってんの!?そんなことするわけないでしょ!!」
上条「いーや絶対してるね!よく考えたらメインのリロードがやけに早かった気がするし!
シールドビットの耐久もやたら高かった気がする!」
美琴「全部アンタの思い込みじゃない!チートしてまで勝って何が楽しいのよ!私がそんなセコイ人間だと本気で思ってるワケ!」
上条「だからこそお前はやりかねないんだよ!お前の勝ちへの執念は半端じゃないからな!
それにお前の能力なら電子回路に直接干渉することだって簡単だろうしな!」
美琴「なっ……そろそろ本気で怒るわよ!」
風斬(やっぱり共通の話題がある相手といる方が楽しいよね)
風斬(……このまま帰っちゃおうかな)
固法『男の人ってね、目を離すとすぐ遠いところへ行ってしまうの。
一度見失ったら、もう二度と手が届かなくなってしまうこともあるわ』
風斬(!!)
固法『だからね、自分が後悔しないように生きなきゃだめよ?』
風斬(固法さん………)
風斬(ようし…!)
美琴「アンタにケルディムの何が分かるのよ!そりゃ、稼働初期は敵なしだったけど自重しないバカのせいで一カ月でゴミみたいな修正くらって、
それでも勝つためにビットの使い方とか軸合わせと着地取りのタイミングとか必死で研究して、
最近やっと上方修正が入って私たちケルディム使いはようやく日の目を見たのよ!!
アンタにケルディム使いの背負ってきた十字架の重みが分かんの!!?」
上条「ケルディム使いが背負ってるのが十字架なら俺らゴッドがしょってるのは悲しみだ!敵を追えないブーストにカット耐性皆無のN格!
最近は垣根が固定で相方入ってくれるからいいけどシャッフルでやってた頃はゴッドが入っただけで試合を投げる奴までいたんだぞ!」
美琴「そんなのケルディムだって…!」
風斬「あ、あの!」
美琴「え?」
上条「ん?ああ悪いどうした風き……」
風斬「わわ、私ちょっと行きたいところがあるので、ちょ、ちょっと付き合ってください!」ムギュ
上条「い、行きたいところってどこ…?」グイッ
上条(な、何だ!この左腕の感触はぁぁぁぁ!)
風斬「ちょ、ちょっと眼鏡のフレーム変えてみようかなー、なんて思って!
ほら、あそこに眼鏡屋さんがあるので、一緒に選んでください!」ムニュ
上条「え、でもお前の眼鏡は…」
上条(ヤバイ!上条さんの左腕がえらいことになってる!幻想入りしちゃう!)
風斬「ほら!今割引キャンペーン中なんですよ!早く行きましょう!」グイグイ
上条「わ、分かった、分かったから風斬、腕を離して…」
美琴「ちょ、ちょっと!置いていかないでよ!!」
この日、少女はすこしだけ自分に素直になった。
とある少女の臨戦態勢(アサルトモード) 終わり
189 : 酉忘れてた ◆r4vICyDKLo - 2011/05/22 23:30:27.36 Ujqv/jrC0 125/694短いですが以上です。
読んでくださってありがとうございます。
風斬にいい意味での積極性がついたら最強だよねってお話です。
それとリアルの事情が立て込んできたので
この先一週間くらい更新できないかもしれません。
気長に待ってていただければ幸いです。
------------------------------------------------------------
11:49 第13学区 ショッピングモール一階・エントランス(レストラン街入口)
垣根「『………んじゃ、あとは適当にガンバレ。目標を撒いたらエントランス集合』、っと。送信」ピッ
固法「本当にこれでよかったのかしら………」
垣根「心配いらねえよ。この街で第3位の扱いにかけてアイツの右に出る奴はいねえ。
まあ氷華ちゃんを残してきたのが心配っちゃ心配だが、それも含めて何とかするだろ」
固法(………「氷華ちゃん」、ですって)
垣根「どした?」
固法「別に」プイッ
垣根「変な奴……それよりこれからどうする?いい時間だしそろそろ………」
垣根(ってちょっと待て。ひょっとして、いやひょっとしなくても今、
…………コイツと二人きり?)
垣根(やっべぇぇぇぇぇぇ完っ全に忘れてた!)
垣根(あの修羅場から脱出することばっかり考えててこうなることに全く気が回らなかったぁぁぁぁっ!)
垣根(そうだよ!上条とゲームすんのが楽しすぎて忘れてたけど今日ダブルデートじゃん!ダブルでデートじゃん!)
垣根(これじゃあ何のために上条に土下座した上に
シスターちゃんの食費まで出したのかわかんねえじゃねえかぁぁぁぁぁぁぁっ!)
固法「どうかしましたか?」
垣根「へ!?い、いや、何でもねえ!」
固法「?そう………」
垣根(まままままずは落ち着け。KOOLになれ垣根帝督!)
垣根(とりあえずこうなった以上、上条たちのサポートは期待できねえ)
垣根(こっからは何とかして自分でリードしねえと)
垣根(だがオレに出来るのか?ヘタレと言われて久しいこのオレに?)
垣根(否!出来るかどうかじゃねえ。やるしかねえんだ!)
固法「そういえばそろそろおなかが空きませんか?いい時間ですし、食事にしましょう」
垣根「そ、そうだな!じゃあとりあえずそこのレストラン街で適当な店に……」
ハヤクハヤクーッテミサカハミサカハアナタヲセカシテミタリ!
ハシルンジャネェクソガキ! コロブゾ!
垣根「!!!」
垣根(こ、この声は)
打ち止め「大丈夫だいじょーぶー、ってミサカはミサカはっ、きゃあっ!」バタッ
一方「だァから言っただろォが!店は逃げねェンだからおとなしくしてろ!」
打止「はぁーい……ってミサカはミサカはしおらしくショゲてみる…」ショボーン
垣根(も、)
垣根(モヤシィィィィィィィィィィィ!!何でテメエがここにいるんだァァァァァァァァァァ!!!)
打止「ほら!あそこがパスタのおいしいお店だよ!ってミサカはミサカはとび跳ねながら指さしてみたり!」ピョンピョン
一方「チッ、肉はあるンだろォなァ」ツカツカ
垣根(や、ヤバイ!こっちに来る!)
垣根(冗談じゃねえ!ここでアイツと鉢合わせたらデートどころじゃなくなる!)
固法「さっきからどうしたの垣根さん?」
垣根「いや!べ、別になんにも!あ、よく見たらどの店もいっぱいみてえだな!
よし!3階のフードコートに行ってみようぜ!」ギュッ
固法「え?えっ??」
固法(ちょっ、また……///)
垣根「そうだ、ちょうどハンバーガー食いたかったんだよ!さ、急ごうぜ!!」ダッシュ!
固法「ちょ、ちょっと!」///
打止「……行ったみたいだね」
一方「………」
アノヒボクノココーロハ オトーモーナーククズーレサッタ♪
ピッ
一方「…オレだ。目標がポイントBに向かった。これよりプランCに移行する」
??『りょーかーい☆』
一方「ヤロウを目視するまで気取られンじゃねェぞ」
??『ハァ?誰に向かってクチ聞いてんの?アナタじゃあるまいしそんなヘマしないってーの☆じゃねー(はぁと』
ピッ
打止「面白くなってきたね、ってミサカはミサカは垣根のお兄ちゃんのテンパリっぷりにニヤニヤしてみたり!」ニヨニヨ
一方「あァ。ケッサクだったぜェ」ケケケケ
打止「…………うまくいくといいね」
一方「知らねェよ。ソイツはあのメルヘンがテメェで決めることだ」
打止「もうっ!天の邪鬼なんだから!ってミサカはミサカはプリプリしてみたり!」プンプン
一方「ウゼェぞクソガキ。オラ、オレらも次の準備に取りかかンぞ」ツカツカ
打止「うん!」テクテク
------------------------------------------------------------
12:01 ショッピングモール三階・フードコート
垣根(ここまで来れば安心………か?)
固法「あ、あの………」
垣根(あのモヤシと打ち止めちゃんがきてるとは想定外だった………なんでわざわざ第13学区【こんなところ】まで?)
固法「あの、垣根さん………」
垣根(とりあえずこれからはアイツらと鉢合わせないように注意しねえとな。
いっそのこと今すぐここを出るか?いや、上条たちを置いていくのは…)
固法「か、垣根さん!」
垣根「……ん?おぉ、悪い、聞いてなかった。どうした?」
固法「その…………手………そろそろ離して…くれませんか?///」
垣根「手?………うぉあ!?わわ、悪ぃ!!」
固法「い、いえ…………」
垣根(や、ヤベエ、モヤシたちから離れるのに必死でずっと手ェ握ったままだった…)
固法(びっくりした………いきなり私の手をつかんで走り出すんだもの)ドキドキ
垣根(怒ってる……よな、やっぱり。さっきから黙りこくってるしよ)
固法(…そういうの気にしない人なのかしら……)
垣根(ち、沈黙が気まずい!何か話題を切り出さねえと!)
垣根「あー、そうだ。早く何か食おうぜ!ちょっとどっかで席取っててくれよ、オレが買ってくっから。
何食いたい?今日はオレのおごりだ」
固法「え?いや、困ります!今日は私がお礼をしなきゃいけないのに、垣根さんにお金を出させるワケには…」
垣根「いーからいーから、そういう細けぇことは。こういうときは男にカッコつけさせるもんなんだよ。
何食べる?」
固法「じゃあ……ベーグルサンドとカフェオレを、あ、あったらでいいので牛乳をおねがいします…」
垣根「ベーグルサンドとカフェオレか牛乳ね、りょーかい。んじゃ席取っててくれ。もうすぐ埋まりそうだからな」
固法「は、はい」
垣根(とりあえず、一旦距離をとって冷静になろう。テンパってたらまたなにやらかすか分からんからな)
垣根(あと機嫌とってフォローしねえとな。多分さっきの今で怒ってるだろうしよ…)
固法「そうだ、席探さないと。二人掛け、二人掛け…あった、あそこね」
ガタガタッ
固法「ふぅ……疲れるわ」
固法(本当に何なのかしら、あの人……)
固法(見た目はチャラチャラしてるけど妙に子供っぽいところあるし)
固法(何だか私に対してそっけないと思ったらいきなり、て、手とか握ってくるし)
固法(もしかして女として認識されてないのかしら?)
固法(…だんだんそんな気がしてきたわ。何だか風斬さんと私とで接し方が違うようなきがするし)
固法(…私のことは、名前で呼ばないし………)
固法(…せっかく、この服おろしてきたのにな……)
垣根「買ってきたぞー。いやーメ○てり復活してたから思わず買っちまったよ。
ホイ、ベーグルサンドと牛乳だよな」
固法「は、はい!ありがとうございます」
垣根「ん。じゃ、いただきます」ガツガツ
固法「い、いただきます」モグモグ
------------------------------------------------------------
垣根「あーやっぱメガ○りマジうめえわ。あ、ポテト食べる?」モグモグ
固法「い、いえ結構です…」
垣根「そんなこと言わずに食べろよ。オレもう腹いっぱいでこんな食えねえ」モグモグ
固法「じゃ、じゃあ、遠慮なく」モグモグ
垣根「ん」モグモグ
固法「…」モグモグ
垣根「…なぁ」
固法「は、はい!何でしょう!?」ビクッ
垣根「その服」
固法「え?こ、これですか?」
垣根「いいじゃん」
固法「!?」
垣根「アンタ見るからに真面目そうだからよ。そういうの着てるとイメージ変わるな」ウンウン
固法「ホントですか?…に、似合ってます?」
垣根「おー似合ってる似合ってる」
固法「あ、ありがとうございます……」
固法(ほめられた………)
垣根(ほめられて悪い気がする奴はいねえよな、うん)
垣根「しかし今ごろ上条たちどうしてっかなー。あれからメールの返信もねえしよ。いやー心配だ」
固法「あっさり見捨てた人のセリフとは思えませんね」
垣根「いや、あの状況だったらだれでもああするだろ?」
固法「…というか、垣根さんが何とかすればよかったんじゃないですか?
御坂さんより序列が上なんでしょ?あなた」
垣根「まあ確かにオレの『未元物質』なら電撃を無効化することも手っ取り早くねじ伏せることもできただろうが、
あの場で騒ぎを大きくするのはダメだろ。しかも風紀委員の目の前で」ビッ
固法「う、それは確かに……」
垣根「それに……」
固法「?」
垣根「………女に手を上げるのはシュミじゃねえ」
固法「そう、ですか…」
垣根「さて、そろそろ行くか。今度は適当に服でも見に……」
モヤシー クソガキー ドコニイルノカナー?☆
垣根「……ッ!!!!」
固法「どうしたんですか?垣根さ…」
垣根「伏せろ!!!」ガバッ
固法「きゃっ!?」グイッ
番外個体「出てこないとここで第一位の名前を泣き叫びながらストリップおっぱじめるよーん!ギャハ☆」
垣根(そうだ……………モヤシと打ち止めちゃんがいた時点でコイツがいることも予想しておくべきだった!!!)
垣根(そうだろ番外個体ォォォォォォォォォォォォ!!!)
垣根(ふざっけんな!今ここで見つかったらモヤシに見つかったのと同じことだ!)
垣根(大体あの悪意が服着て歩いてるような女にこんなトコ見られたら何いわれるかわかったもんじゃねえ!)
固法「か、垣根さん…一体何が…」
固法(顔!顔が…顔が近い!)
垣根「(悪い!しばらく声を出さないでこのままでいてくれ!!)」
垣根(ここは何が何でもやり過ごす!)
固法「(えぇ!?)」
固法(ず、ずっとこの体勢!!?)
垣根(早く…早く通り過ぎてくれぇぇぇぇぇぇぇぇ!)
固法(…やっぱり顔立ちは整ってるなあ…まつ毛長いし……それに肌すごくキレイ…って何考えてるのよ!)
…………………
垣根(行った?行ったか!?よし、もう行ったな!!)
固法「垣根さん……あの、もういいですか……?」
垣根「え!?あ!す、すまねえ!!」
垣根(またやっちまったぁぁぁぁぁぁぁぁ!折角ほめて機嫌とったのに台無しじゃねえかぁぁぁ!)
固法(心臓止まるかと思った……さっきから何なのよもう!)
垣根「ああそうだ!まだ上条から連絡もこねえからよ!さっき言ったみてえに適当に服でも見て時間つぶそうぜ!」
固法「そ、そうですね!そうしましょうか!」
垣根「んじゃあこのすぐ下の階から回ってみるか!よし行こう!すぐ行こう!」タタタ
固法「はい!」タタタタ
番外「………」プルプル
ピッポッパ
prrrrrrrrrr
ピッ
一方『オレだ』
番外「…プッ、あーーーーっはっはっはっはっは!!!あひゃひゃひゃひゃひゃ!あー面白かった!!
いやー笑いをこらえるのがあそこまで難しいなんてミサカ知らなかったよ」ケケケケ
一方『そォか』
番外『プッ…あのいっつもフカしこいてるメルヘンがあんなにテンパって…
ダメだ、思い出しただけで、ククククク…』プルプル
一方『首尾は順調みてェだな』
番外「まーねぇ。アナタと違ってミサカ優秀だから☆」
一方『言ってろ』
番外「あ・でもアナタと上位個体の名前を呼びながら歩き回ったからミサカたちが一緒に来てるのはバレたっぽいね」
一方『安心しろ、それもミッションの範囲内だァ』
番外「そ。ならいいけど」
一方『とにかく目標が所定の場所に到着次第プランGに移行する。それまでは待機だ』
番外『アイアイマム♪』
一方『死ね。以上だ』
ピッ
番外「くっくっく。せいぜいミサカを笑わせてよね、第2位」
-----------------------------------------------------------
12:37 ショッピングモールニ階・専門店街
家具や雑貨・日用品を多く取り扱う店が多く並ぶ一階に対し、
ニ階は学生向けの服やアクセサリーを取り扱う店が中心である。
垣根と固法は、季節に先駆けて冬に染まりつつあるウィンドウを眺めながら並んで歩いていた。
垣根「おー、どこも結構冬物入ってるな」
固法「そうですね。最近朝晩が肌寒い日も増えましたし」
垣根「…その割に今日は薄着だな」チラッ
垣根は薄手のセーターにショートパンツという出で立ちの固法を一瞥して言った。
固法「お、おしゃれはガマンなんです!」
垣根「ハハハ、違ぇねえ。…お、ちょっとあの店みてみようぜ」
固法「ええ、いいですよ」
メンズとレディースの両方を取り扱っている店を見つけ、垣根と固法はそこに立ち寄ってみることにした。
……………………
固法「キャー!このブラウスかわいい!あ、こっちのジャケットもカッコいい!こっちのチュニックも………」
垣根(しまった………コイツがこんなにブランド好きだとは…)
何かのスイッチが入ってしまったのか、服選びに没頭する固法を、垣根は手持無沙汰に眺めていた。
固法「垣根さん!こっちのスカートとこっちのパンツだったらどっちがいいですか?」
垣根「…そっちのパンツ」
固法「そうですよね!私もそう思います」
垣根「自分で決めてんなら訊くなよ…」ボソッ
「女性が他人に何かを相談するとき、相手に求めているのは意見ではなく同意である」
垣根はかつて呼んだ論文のそんな一節を思い出しながら聞こえないようにつぶやく。
固法「あっコレもかわいい……」ガチャガチャ
垣根(…あんな顔で笑うんだな)
楽しそうに服を選ぶ固法の顔は、今日垣根が見た中で一番輝いて見えた。
固法「あ、すみません、コレ試着してもいいですか?」
店員「はい、かしこまりました。…ねぇねぇ」
固法「はい?」
その女性店員は垣根の方をチラリと見た後、固法の耳元でこう囁いた。
店員「彼氏さん、カッコいいですね」クスッ
固法「かっ……!彼氏なんかじゃありません!!」///
店員「あら、違うんですか?とってもお似合いなのに」
固法「あ、あの人にはお世話になったというか、助けてもらったというか…
だから今日はそのお礼ってことで来てるんです」
店員「……でもそれってデートってことですよね?」ニヨニヨ
必要以上にうろたえる固法の反応が面白くなってきたのか、店員はさらにたたみかける。
固法「違っ…わないですけど、ホントにそんな関係じゃないですから!」
店員「ハイハイ、そういうことにしておきます。あ、こちらが試着室になります。ごゆっくりどうぞ」
固法「は、はい」
店員に促された固法は、商品をもって試着室へはいって行った。
数分後
固法「か、垣根さん……」
垣根「おお、意外に早かった……な…」
試着室から出てきた固法を一目見て垣根は言葉を失った。
チェックのカットソーに黒いナポレオンジャケットを羽織り、
デニムのタイトスカートをはいたそのスタイルは、
女性らしさのなかにも年齢相応の可憐さがあり、
早い話がとても似合っていた。
固法「どう…ですか?」
垣根「え、えーとその…うん、いいんじゃねえのか?…かわいいし」
機嫌を直してほしい一心だったフードコートのときとは違い、垣根は素直にそう思った。
固法「じゃあ、コレください」
店員「はーい、ありがとうございまーす♪」
垣根の反応に満足したのか、会計に向かう固法。
二人は商品をもってレジに向かう店員の営業スマイルに、
「計画通り」の四文字が浮いていることに最後まで気がつかなかった。
------------------------------------------------------------
行間 とある垣根の心的外傷(レイゾーコ)
固法「本当になんでもあるんですね、このショッピングモール」
垣根「ああ。食料品・日用品から雑貨や家具、そして最新ファッションまで何でもそろうってふれこみだからな」
固法「だったらアレもあるかしら…」
垣根「アレ?」
固法「ええ、ちょっと買いたいものが…あ、ここにあるみたいですね」
垣根「! おい、ここは……」
電機量販店
固法「よかった。ウチのドライヤー最近調子悪くてそろそろ買い換えようかと思ってたんです」
垣根「マジかよ…………」
固法「………何だか顔色が悪いですけど、大丈夫ですか?」
垣根「ああ、なんとか、……と言いてえところだが、正直に言うとあまりここには来たくなかった」
固法「そうですか……すみません」
垣根「あ、いや、別にアンタが気に病む必要はねえ。ただ電機屋はどうにも好きになれなくてな」
固法「男の人ってみんな家電が好きなんだと思ってました」
垣根「ちょっとトラウマがあってな」
固法「トラウマ?」
垣根「あんまり見たくねえんだよ
………………冷蔵庫」
固法「冷蔵庫?」
垣根「ああ、あの白くてデカい箱をみてるとちょっと眩暈がしてくるんだよ」
固法「垣根さんの家にはないんですか?」
垣根「一台だけならそこまでじゃないんだがあれだけの数が並んでるとな。
それにウチにあるのは外装が黒いやつだ」
固法「そうですか…じゃあ、私が一人で買ってくるので入口で待っててもらえますか?」
垣根「そうしてくれると助かるわ。そこのベンチに座って待ってるからよ」
固法「わかりました。すぐに戻ってきますので、少しだけお願いします」タタタ
垣根「ん」
固法(冷蔵庫にトラウマ……一体何があったのかしら?閉じ込められたとか?)
固法(すごく気になるけど、何だか辛そうだったし…)
垣根(だっせぇとこ見せちまった……しかし、内臓つぶされてつながれてた機械が冷蔵庫に見えて以来冷蔵庫が怖ぇなんて……)
固法(訊けないわよね……)
垣根(言えねえよな……)
とある垣根の心的外傷(レイゾーコ) 終わり
------------------------------------------------------------
15:42 ショッピングモール一階・メインストリート
固法「それでウチの同居人がヘンなことばっかり言って……」
垣根「へぇ……」
それから垣根と固法はいろいろな話をした。
友人のこと、学校のこと、そして自分たちのことを。
無論、垣根の方は「話せる範囲で」のことではあったのだが。
固法「……で、その支部の後輩って言うのが生意気な子ばっかりで」
垣根「アンタも苦労してるんだな…」
固法「分かります?本当に大変なんですよ。事件とみると単独行動に走るわ、目を離すとすぐサボろうとするわで、もう大変…」
垣根「ふーん」
固法「…新人研修のころから面倒を見てるんですけど、私が卒業した後ちゃんとできるのか今から心配で心配で……」
垣根「…大丈夫なんじゃねえの」
固法「え?」
垣根「そいつらがどんな子かは知らねえけどよ、その子たちはアンタを見本に頑張ってるんだろ?
だったらアンタみてえな立派な風紀委員になれるさ」
固法「そう…でしょうか。あ、ありがとうございます///」
垣根(あれ?ひょっとしてオレ今コイツと普通に喋れてる?)
固法「垣根さんは普段何をされてるんですか?」
垣根「え?ああ、いや、別に特別なことなんてなにもねえよ。フツーに学校言って放課後ダチと駄弁って、そんな感じだ」
固法「垣根さんの学校って長点上機なんですよね。すごいなぁ。やっぱり学生の皆さんは優秀なんですか?」
垣根「優秀かどうかは知らねえがどいつもコイツもクソ真面目ではあるな。おかげでオレが浮いてしょうがねえよ」
固法「………浮いてるんですか?学校で」
垣根「ああ。そのせいで学校にゃあんまり…って何笑ってんだよ」
声をおさえるようにして笑い出した固法に対して垣根は憮然としながら言う。
固法「だって……この間と言ってることが違うんですもの」クスクス
垣根「あ?」
固法「二度目に会った時…知り合いが多いから私の名前が探せないって言ってたのに……学校で浮いてるって……」クスクス
垣根「なっ……ち、違ぇよ!そりゃ学校の連中で親しい奴は…まぁ多いわけじゃねえけど、
だからってダチがいねえワケじゃねえからな!」
固法「そこまでは言ってませんけど……ひょっとして友達少ないんですか?」
垣根「ウグッ!!」グサッ
垣根は図星をつかれその場で膝をつく。
固法「あ、あれ?垣根さん?」
垣根「…………アンタなんか嫌いだ」
固法「ご、ごめんなさい!傷つけるつもりはなかったんです!ただまさか本当に気にしてるとは思わなくて……」
垣根「…………なんてな。気にしてねえよ。ホントのこと、だしな」
固法(やっぱり気にしてる…)
固法のフォローにさっと立ちあがって答える垣根。
気にしていない風を装っているが、さすがに『友達が少ない』発言は堪えたらしく、
微妙に根に持っているような口ぶりだった。
垣根「それにダチなら増えたしよ」
固法「……え?」
垣根「オレたち……もうダチ、だろ?」
固法「!そう、ですね。私たち、友達ですよね」
路地裏の時とは違い、この時垣根は、固法の表情がわずかに曇ったことに気がつかなかった。
垣根「さて、次はどこに行く……………」
そんなことは露知らず、垣根が顔を前に向けると、
打ち止め「ねえねえ、ジェラート買ってよー、ってミサカはミサカはかわいくおねだりしてみたり!」キャルーン
一方「さっきたらふくスパゲッティ食っただろォが!大体今何月だと思ってンだ!腹ァこわしても知らねェぞ!」
打止「お腹なんてこわさないもーん、ってミサカはミサカは根拠のない自信を前面に押し出してみたり!」フンス
垣根(モヤシぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!またテメエかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
本日最も会いたくない顔が再び視界に入った。
垣根(よし、ここは引き返して…………っ!!)
そしてその場を離脱しようと振り向いた視線のその先に、
番外個体「モヤシー、クソガキー、どーこでーすかぁー?」
本日最も会いたくない顔その2がいた。
垣根(番外個体ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!アンタもかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
垣根(まずい、退路をふさがれた!かなりまずい!)
垣根たちがいるエリアは広い一本道の両側にそれぞれの店舗が並ぶレイアウトになっているため、
わき道に逃げるという手段が使えないのだ。
垣根(怪物2匹に挟まれた!まさに前門のキマイラ後門の鵺(ぬえ)!!)
本人たちに聞かれたらタダではすまなさそうなことを考えながら、
垣根は現状を打破すべく思考を巡らせる。
垣根(どうする!この状況をどう打開する!!)
垣根(考えろ!考えろ垣根帝督!お前ならできる!お前に常識は通用しねえ!!)
固法「か、垣根さん?さっきから眉間にしわが寄ってますけどどうしたんですか?」
垣根「え!い、いや!何でもねえ!何でもねえよ!?」
垣根(どうする…!抜け道なんざあるわけもねえし…)
グズグズしているあいだにも、刻一刻と彼らは垣根に近づいてくる。
垣根(抜け道じゃなくてもいい!せめて身を隠す場所さえあれば…!)
固法「垣根さん?本当にどうしたんですか?」
垣根「!…やむをえねえか………こっちだ!」グイッ
固法「へ?」
垣根「そしてすまん!!」ギュッ
固法「ふえええええええええ!!?」
垣根は固法を通路の端まで引っ張って行ったかと思うと、
自分の背中を通路側にむけて固法をいきなり抱きよせた。
ナンダアレー
スゴク。ダイタン
ナンカチョウダキアッテマスヨ
ハマヅラ、コンドワタシニモアレヤッテ
ヒトマエデカヨ!
ハマヅラァ、イイドキョウシテルジャナイ
オレカ?オレガワルイノカ!?
固法(え?え??何がどうなってるのよコレ!!??)
垣根(もうこうなったらアイツらから顔を隠すにはこれしかねえ!最悪も最悪の手段だけどな!)ギュッ
固法(何何何何!!??どういう状況なの!??
手をひかれたと思ったらいきなり抱き締められて……えぇっ?!?!?)
垣根(だがあのアルビノ野郎と性悪娘、そして天然地雷にブチ壊されるより百倍マシだ!!)
垣根(早く!!早くこの場から消え失せろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!)ギューッ
固法(ふあああああああああああ/////)
番外「あ、モヤシとクソガ…上位個体みーっけ☆」
打止「あー番外個体!どこ行ってたの?ってミサカはミサカはクソガキって言いかけたのを広い心で許してあげたり!」
一方「オレの方は言い直さねェんだなァ。よほど肉塊になりてェらしい」カチッ
番外「何のことかなあ☆」
一方「チッ、まァいい。用はすンだか」カチッ
番外「まあねえ。頼まれたことは一通り」ニヤッ
一方「わかった。じゃあ帰ンぞお前ら」
打止「えー、ジェラートはぁー?ってミサカはミサカは忘れたころに蒸し返してみる!」
一方「ウチで黄泉川に炊飯器で作ってもらえェ。とにかく今日は引き上げだァ」ツカツカ
打止「エー待ってよーってミサカはミサカは………」トテトテ
垣根(行った……か……)
固法「あの………垣根さん……苦しいです…………///」
垣根「あ!ああ!悪い!!」バッ
固法「い、いえ………」
悪魔の一家が去ったことを確認し、垣根はやっと固法の拘束を解いた。
垣根(終わった………今日からオレはヘタレメルヘンならぬセクハラメルヘンだ……)
固法(まだ顔が熱い……///)ドキドキ
垣根「本当に済まねえ!あのときはああするしかなかったっていうか、やむにやまれぬ事情があったっていうか………
とにかくゴメン!!」フカブカ
垣根(許してもらえるとは思わねえが、とりあえず死ぬ気で謝るしかねえ!)
固法「いえ、本当に大丈夫です…ただちょっとビックリしたっていうか……」ドキドキ
垣根「マジ?ホントに怒ってない?」
固法「怒ってないですってば。本当に」
垣根(マジか……絶対シバかれると思ったのに……いいヤツ過ぎんだろ)
固法(細いけど意外に筋肉あるんだ……)ドキドキ
垣根 固法「…………………」
ナーミダ キラーキラ ニシーノソラニヒカル♪
二人が微妙な沈黙につつまれたとき、垣根の携帯が鳴った。
垣根「!お、おお、上条からだ………どうやらやっと撒いたらしいな」
固法「じ、じゃあさっきのエントランスに向かいましょうか!」
垣根「そ、そうだな!さっきは悪いことしたからな!アイツらにも謝らねえと!」
固法「そうですね!急ぎましょう!」タタタ
垣根「お、おう!!」タタタ
番外「」プルプルプルプル
一方「……まだ笑うンじゃねェ」ピクピク
打止「プッ、そういうあなたもほっぺがピクピクしてるよって、ミサカはミサカは、半笑いで、指摘してみたり」ププププ
番外 通行 止め「「「ぷ」」」
「「「あーーーーーーっはっはっはっはっは!!!!!」」」
番外「ヒィーヒィー、あー可笑しい、わき腹痛い!あれで隠れたつもりなの、ぷっ、ギャハハハハ!」ケケケケ
一方「ったく、やっぱあのメルヘンは、最っ高だねェ!!クカカカカカカ!!」ケタケタ
打止「あんなに、テンパってる、垣根のお兄ちゃん、初めて見た、って、
ミサカはミサカは、息も絶え絶えに、感想をのべてみたり!きゃはははははは!」ケラケラ
番外「しかも、ハグとか、ぷっ、ヘタレメルヘンのくせに、ククククククク!」
一方「クケカキコカコケキカ!メルヘンだと思ってバカにしてたがなかなか魅せるじゃねェかよ!」
打止「ね!見てるこっちがドキドキしちゃった!ってミサカはミサカは乙女な一面を披露してみる!」
番外 通行「「いや、それはない(ねェ)」」
打止「むぅー!」
一方「とにかくこれをもって本日のミッションその全てのプランを完了とする。撤収だァ」
番外 止め「「イエッサー!」」
------------------------------------------------------------
15:53 ショッピングモール一階・エントランス
上条「垣根……………ゲーセンではよくも俺を置いてバックレやがったな…!」ゴゴゴゴ
垣根「そのことは散々謝ったじゃねえかよ」
上条「あれしきの謝罪で足りると思ってんのか!
こっちはあの後店追い出されるわビリビリに追いかけまわされるわで大変だったんだぞ!」
固法「風斬さんも大変だったみたいね…」
風斬「はい、でも私は楽しかったですよ?」ニコッ
固法「そ、そう……」
固法(なんだかさっきまでと印象が微妙に違うような……一体何があったのかしら)
風斬「……固法さんのおかげです」ポソッ
固法「え?」
風斬「何でもありません」
垣根「んじゃ、そろそろ帰るとしますか。おっとその前に上条、ちょっとこっち来い」チョイチョイ
上条「何だよ。いい訳ならもう聞かねえぞ」
垣根「そんなんじゃねえって。ほら、コレ持ってけ」スッ
上条「何だこれ……ケーキ?」
垣根「留守番させられたシスターちゃんと面倒見てくれてるっていう先生の分だ。
それ持ってってせいぜい機嫌でもとるんだな」ポリポリ
上条「垣根……」ウルウル
垣根「まあ、今日一日お前と氷華ちゃんを借りた礼だとでも言っといてくれ。お前はお前でちゃんと何か土産持ってってやれよ」ビシ
上条「お、お前ってやつは…何てデキる男なんだ!見直したぞ!」
垣根「やめろ気色悪い。ほら、さっさといくぞ!」
風斬「……垣根さんって優しいですね」
固法「…そうね」
固法(ちょっと強引なところがあるけど…)
風斬「ほら、私たちも行きましょう?」
固法「ええ」
------------------------------------------------------------
16:28 第7学区 無人バス停留所
上条「じゃあ俺たちは小萌先生のところにインデックスを迎えにいかなきゃだから、ここで」
風斬「今日はありがとうございました」ペコリ
垣根「おう、じゃあな」
固法「またね、風斬さん」
風斬「ハイ!」トテテテ
垣根「……さて、オレらも帰りますか。家どっちだ?送ってくからよ」
固法「い、いえ、大丈夫です!」
垣根「さっきも言ったろ?こういうときは男にカッコつけさせるモンなの。ほら行くぞ」
固法「はぁ、じゃあ…お願いします」ペコ
垣根「ん」
垣根「あー楽しかった!遊ぶときはいっつも同じメンツだったから新鮮だったわ」
固法「いつものメンツって、上条くんですか?」
垣根「ああ、アイツともう一人、…またこれがムカつくやつでよ」
固法(その割に楽しそうに話すわね…)
垣根「人のことメルヘンメルヘンってバカにしやがって…」
固法「メルヘン?」
垣根「ああ、オレの能力…『未元物質』は基本的に羽の形で発現させてるんだが、アンタも見たよな?
それがメルヘンチックで似合わねえってよ。
ったくふざけんなよあのモヤシ………」
固法(…確かにそんなガラじゃないわね)
垣根「…何か言いたそうだな」
固法「別に何も?…ックチッ」
垣根「何だ今の?くしゃみか?」
固法「いえ、何でもないですから…ックシュン!」
垣根「ったく、だから言わんこっちゃねえ…ほらよ」シュルッ
固法「へ?」
垣根「知ってるだろ?首ってのは太い血管が集まってるからそこから体温が逃げやすいんだ。それ巻いとけ」
固法「でも…ックシュッ!」
垣根「文句はくしゃみ止めてからたれやがれ。…あそこか?」
固法「あ、はい、そうです。……ここで結構ですから」
垣根「そうか」
固法「今日はいろいろとありがとうございました」
垣根「礼を言うのはこっちだ。元々オレが言いだしたことだしな。んじゃ、また縁があったら…」
固法「また、どこか行きましょうね」
垣根「はぁ?何で?もうデート一回って約束はチャラじゃ…」
固法「あら、友達同士が遊びに行くのに、特別な理由が必要なの?」
垣根「!」
固法「…ね?」ニコッ
垣根「……そうだな。またどっか行こうぜ」
固法「ええ」
垣根「じゃ、そのストールは今度会ったときにでも返してくれ。
またな、固法」
固法「!!」
固法(初めて名前呼ばれた……)
固法「お、おやすみなさい!」
垣根「ん、おやすみ」ヒラヒラ
こうして、二人の奇妙な『初デート』は、終わりを告げた。
-----------------------------------------------------------
16:48 月詠小萌の(ボロ)アパート
トントン ガチャ
上条「インデックスー、帰ったぞー」
風斬「お邪魔しまーす………」
トテテテ
禁書「おかえりーひょうかー」
上条「お前な…………」
禁書「だいじょうぶ?とうまに変なことされてない?」
風斬「う、うん!大丈夫!へんなことはしてな……いやいや、されてないから!」
禁書「ほんとに?よかったー!ひょうかがとうまの毒牙にかかってないか心配だったんだよ!」
上条「…………………そうか、これはいらないんだな?」スッ
禁書「え?とうまその箱は何?」ピクッ
上条「垣根がお前に留守番させたお詫びにってくれたんだよ。今日一日お世話になった小萌先生の分もな」
禁書「え!?」
上条「いらないなら小萌先生と結標にあげよっかなー」ススッ
禁書「いるいる!とうま、ごめんなんだよ!」
上条「よろしい」ハイ
禁書「わーい!ケーキ、ケーキ♪」ルンルン
小萌「シスターちゃん?いつまで玄関に…ああ、上条ちゃん!おかえりなさいなのです」
上条「ただいま帰りました。すみません先生、いきなりインデックスを預かってもらって」
小萌「それは別に構わないのです。だけど上条ちゃん、
出がけにも言いましたが女の子の純情と食費を天秤にかけるなんて言語道断なのですよ!わかってますか?」
上条「う、肝に銘じておきます…………あ、お礼ってワケじゃないですけどインデックスが持ってる箱にケーキが、
ってインデックス!まだ食うな!先生の分も残しとけよ!」
小萌「ふふっ、さあ、あがってください。シスターちゃんと結標ちゃんが作ったカレーがもうすぐできるのです。
あ、あなたが風斬氷華さんですね?あなたも食べていってください!」
風斬「いえ、私はもう………」
小萌「たくさん作ったので一人や二人増えたところで問題はないのです!さあ、はやくはやく」グイ
禁書「そうだよ!わたしとあわきで……ちょっとこもえに手伝ってもらったけど、
でも一生懸命つくったからひょうかにも食べてほしいんだよ!」グイグイ
風斬「じゃあ、いただきます」
結標「あら、おかえりなさい」
上条「よう、結標。今日はありがとな」
結標「別にあなたのためにしたことじゃないわ。
女と遊び歩くために家主にほっぽり出されたその子がかわいそうだっただけよ。
引き受けたのは小萌だしね」シレッ
上条「ぐっ、言い返せん……」
結標「……………その子が?」
風斬「は、はい!風斬氷華です」ペコリ
結標(霧ヶ丘の制服………それにカザキリヒョウカ………
聞いたことあるような気がするけど、私ほとんど学校行ってないし)
結標(まあ、いいか)
結標「そう。私は結標淡希(むすじめ あわき)。ワケあってここにお世話になってるの。よろしくね」
風斬「よ、よろしくお願いします」
結標「しかしあなたも大変ね。こんな甲斐性なしに付き合わされて」
上条「ちょっと待て。その甲斐性なしってのは誰のことだ?」
結標「あら、二週間分の食費につられていたいけな女の子をたぶらかしてきた
あなたのことだとは一言も言ってないわ」シレッ
上条「くっ!!」グサッ
小萌「さあさあ、もうすぐできるのですよー。結標ちゃん、お皿を出してください」
結標「はいはい。4枚でいいわね?」
上条「1枚足りねえよ!そんでそれ絶対俺の分だろ!!」
-----------------------------------------------------------
同時刻 黄泉川のマンション
一方「帰ったぞォ」
番外 止め「「ただいまー」」
芳川「あら、おかえりなさい」
黄泉川「おかえりじゃん」
番外「あーつっかれたぁー」ボスッ
芳川「ふふ、楽しんできたようね」
番外「まあ目いっぱい笑ってきたかな。あひゃひゃひゃひゃ☆」
黄泉川「でもめずらしいじゃんよ、アンタら3人がそろって出かけるなんて」
一方「とあるバカの生態調査だァ」ボスッ
黄泉川「ふーん。でも楽しかったみたいで何よりじゃん」
打止「ねえねえヨミカワ、ってミサカはミサカはヨミカワのジャージの裾をひっぱってみる」クイクイ
黄泉川「ん?どうしたじゃん、打ち止め?」
打止「あのねあのね、炊飯器でジェラートって作れる?ってミサカはミサカはバカなことと知りながら尋ねてみたり」
黄泉川「ジェラート?ああ、それならこっちのマシンで作れるじゃん」ポンポン
打止「作れるの!?」パァ
一方「作れンのかよ!!」
黄泉川「炊飯器に不可能はないじゃん!」フンス
芳川「………………ありえないわ」
番外「ねえ、あれは本当に炊飯器なの?何か得体のしれないオーバーテクノロジーの産物なんじゃないの?」
一方「ウソォ………………………」
黄泉川「そんなに食べたいなら明日一緒に作るじゃん」
打止「ホント!わーいありがとー!ヨミカワ大好き!ってミサカはミサカは母性の塊に抱きついてみたり!」ムギュッ
黄泉川「はいはいわかったじゃん。それよりそろそろご飯にするじゃんよ。桔梗、手伝うじゃん」
芳川「めんどくs」
黄泉川「桔梗の夕飯は水と塩でいいじゃん?」
芳川「今日は何を作るのかしら?シチュー?ハンバーグ?何でも手伝うわよ」
黄泉川「わかればいいじゃんよ。ちなみに今日はおでんにするじゃん」
打止「わーいおでん大好き!ってミサカはミサカは喜びを全身で表現してみたり!」ミョンミョン
黄泉川「あ、そうだ番外個体、頼んでた大根買ってきてくれたじゃん?」
番外「へ?」
番外(やっべ!完全に忘れてた!)
番外「あ、ああ!それなら代わりに一方通行に頼んでおいたよん」
一方「あァ!?なンだそりゃ聞いてねェぞ!!」
番外「ウソばっかり!『あァ、任せとけェ』って言ってたのに!忘れるなんてひどいわ!」スンスン
一方「なンだその似てねェ声マネはァ!あとそのウソくせェすすり泣きもやめろォ!!」
黄泉川「……………………………………一方通行」ユラァ
一方「よ、黄泉川!……違う!オレはそンなこと一言も聞いて…」
黄泉川「おでんの大根を忘れるなんて…………この罪は重いじゃん……………」ゴゴゴゴ
一方「だァからオレは関係…」
黄泉川「打ち止め」
打止「はーい」プチッ
一方「あqwせdrftgyふじk」ビターン!
黄泉川「さぁ、演算補助を返してほしかったら今すぐそこのスーパーで買ってくるじゃん」
一方「ふ……ざ………………け…………」ジタバタジタバタ
打止「ごめんね、ってミサカはミサカはジェラートの恨みをここで晴らしてみたり」
番外「」ニヤニヤ
芳川「あらあら」
一方「くそ…………が………………………」ビクビク
-----------------------------------------------------------
17:02 固法・柳迫の部屋
固法「ただいま」
柳迫「おかえり~♪ねね、どうだった?今日ので・え・と♡」
固法「………とっても疲れたわ」
柳迫「ふ~ん?……あれ?どうしたの?そのストール」
固法「え?あ、これは彼…垣根さんが貸してくれたの」
柳迫「キャー!何そのベタな展開!それでそれで?手ぐらいはつないできた?
それとももうキスまでいっちゃった??」
固法「キ……っ!そ、そんなワケないでしょ!今日で会うのまだ3回目よ!?」
柳迫「そうなの?なーんだ、つまーんないの。…………じゃあ手は?」
固法「手は……つないだ、のかな。一応」
柳迫「え!マジで!?」
固法「いや、つないだというか、一方的に握られたというか…」
柳迫「えっ?…それは何?無理やりってこと?」ピクッ
固法「違っ……そりゃあいきなりだったけど、でも強引にって感じでもなくて、
その、何ていうか、向こうも切羽詰まってたというか…」
柳迫「…わかった、質問を変えるわ。美偉はさ、いきなり手を握られてどうだったの?イヤだったの?」
固法「その、えっと…いきなりだったし、びっくりはしたけど………
―――イヤではなかった、かな」
柳迫「………………そっか。で?他には?」
固法「他に、って、別に何も?」
柳迫「……ホントに?」
固法「ホントに何もないってば!」
固法(まさか抱きしめられたなんて言えない……)
柳迫「…怪しいなー」
柳迫(私の勘が告げている…これはまだ何かあるに違いないわ!)
固法「……でも」
柳迫「ん?」
固法「また遊びに行く約束は……してきた」
柳迫「ほうほう。やっぱり腐ってもイケメン、さすがに一回会ってハイサヨウナラ、
ってほどヘタレ…もとい初心ではなかったってワケね」
固法「や、そうじゃなくて」
柳迫「は?」
固法「私から言ったの。またどこか行きましょうって」
柳迫「ちょっ!マジで!?」
固法「何でそんなに驚くのよ!」
柳迫「だって………アンタが自分からそんなこと言い出すなんて……
………明日は雪ね。しかも大雪よ」
固法「どういう意味よ!ふ、普通のことじゃない!」
柳迫「普通じゃない!特にアンタに関して言えば全っ然普通じゃない!」
固法「どうしてよ!友達なんだから当り前でしょ?」
柳迫「…………は?……今何て?」
固法「だから、……と、友達と遊びに行くくらい普通でしょ?」
柳迫「」
固法「あれ?碧美?どうしてそこで固まるの?」
柳迫「………………………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ガッカリ
固法「何よその大きいため息は!」
柳迫「アンタって子はどこまで………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ヤレヤレ
固法「2回もつかないでよ!」
柳迫「何?アンタそれも自分から言い出したわけ?」
柳迫(もしそうだったら気の毒すぎるわね、その人)
固法「いえ、先にそう言ったのは彼の方よ?『オレたちもう友達だろ?』って」
柳迫「…………………………………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
固法「3回目!?」
柳迫(前言撤回!何で自分からフラグへし折るのよこのヘタレ!…………アレ?)
柳迫「でもさ」
固法「?」
柳迫「『友達』って思ってる相手の手なんか握るかな、普通?」
固法「それはだからさっきも言ったように、何か事情があったからで…」
柳迫「理由があったにしてもよ?仮にも友達だと思ってる女の子の手を軽々しく握ると思う?
アンタの目にその人はそんな人間に見えたの?」
固法「それは…………見えなかった、かも」
柳迫「でしょ?」
固法「………………」
柳迫(これは………ますます面白くなってきたわね♪)
柳迫「はいはい、いじめてごめんごめん。晩御飯にしよっか。今日は私がつくるから」
固法「え、でも今日の当番は私じゃ…」
柳迫「いいっていいって、疲れてるんでしょ?明日代わってくれればいいわよ。
あ、新しいドライヤー買ってきてくれた?」
固法「え、ええ、買ってきたわよ」ゴソゴソ
柳迫「ありがと~♪今度お金半分渡すね」
固法「いつでもいいわ。私も使うものだし」
柳迫「今使ってるヤツ調子悪かったもんね」
固法「ゆうべなんか使ってたら火花出たしね……」
-----------------------------------------------------------
17:19 垣根のマンション
垣根「誰もいないけどただいまー、っと」
垣根「ふぅ……疲れたぜ」ボスン
垣根「………」
垣根「……………」
垣根「………………………」
垣根「うおおおおおおおおお恥ずかしいいいいいいいいいいい!!」ジタバタゴロゴロ
垣根(帰ってきたら一気にフラッシュバックしてきたぁぁぁぁぁぁ!)
垣根(ないわぁぁぁぁぁぁオレ色々とないわぁぁぁぁぁぁ!)
垣根(寒がってる女にストール巻いてやるとかどこの少女漫画だぁぁぁぁぁ読んだことねえけど!)
垣根(しかもいきなり手ぇ握って引っぱりまわしたりとかいきなり抱きついたりとか!!
引くわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ自分でも引くわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!)
垣根(張り倒されても文句言えねえぞ普通!!)
垣根(……………でも)
垣根(アイツは怒ってなかったな………)
垣根(オレに気を遣ってた……ってワケじゃねよな。見た感じイヤなことはイヤってはっきり言いそうなタイプだし。
マジで優しすぎんだろ)
垣根(………こんなオレをダチって言ってくれたしよ)
垣根(………女友達か。初めてだな)
垣根(やべえ、なんかテンション上がってきた)ウズウズ
垣根(女の知り合いがいなかったワケじゃねえが、心理定規はそんな関係じゃなかったからな……)
垣根(………やめよう、昔のこと考えんのは)
垣根(……『またどっか行こう』、か)
垣根「………あとでメールしとくか」
グゥー
垣根「あ、そういや今日まだ晩飯食ってねえ」
垣根(いつもはアイツらとファミレスで済ますからな)
垣根「…めんどくせ。マカロニにケチャップかけて食うか」ドッコイショ
垣根(便利だよなーマカロニ。炭水化物だしスパゲッティよりゆで時間短ぇしよ)
垣根(しかし一人暮らしで飯作んのもなかなかめんどくせえモンがあるよな)
垣根「誰か作ってくれねえかなー……そんなヤツいねえか」ゴソゴソ
-----------------------------------------------------------
21:34 固法・柳迫の部屋
固法「…碧美?もう寝ちゃった?」
柳迫「」スゥスゥ
固法「……みたいね」
もう尋問に飽きてしまったのか、固法が風呂からあがると柳迫はすでに床に就いていた。
『夜更かしは美容の敵!』
というのが彼女の口癖であるであるから、いつも通りと言えばいつも通りだ。
固法「ふぅ」ギシ
固法(今日は疲れたわ……いろんな意味で)
自分のベッドに腰掛け、固法は一日のことを振り返る。
固法(垣根さん、か)
そしてその中心にいたのは、あの金髪の青年だった。
固法(面白い人だったなぁ。見た目ほどチャラチャラしてないし)
固法(上条くんと遊んでるときは子供みたいなのに、私といるときは妙に落ち着いてるし)
固法(ちょ、ちょっと強引なところがあるけど、あとで本気で謝ってくれたし)
固法(………垣根さんの手、きれいだけど大きくて「男の人」って感じだったな…)
固法(あと細身なのに結構引き締まってて……やば、思い出してきたらまた顔が熱い…)
固法(それから……優しい、よね。上条くんのことは割とあっさり放って逃げたけど、
あとでフォローしてたし、要所要所で紳士的だし)
今日一日で見た垣根の様々な表情。
しかし―――――――
固法(……………路地裏のときと全然違う)
そのうちの一つとして、あの日路地裏で見せた暗い笑みとは重ならなかった。
しかし固法から見て、今日の垣根が表情を取りつくろっているようには到底見えない。
固法(あのときの垣根さんは、少し怖かった)
風紀委員として日々不良や卑劣な犯罪者と相対することの多い固法ですら、
あそこまで負の感情に満ちた貌は見たことがなかった。
特に、
固法(私が殴られたとき、ものすごい表情になってた)
あのときの垣根に浮かんでいたのは、激しい『怒り』、
いや、もっとはっきりとした―――――――――
固法(……………………『殺意』?)
何が垣根の怒りをそこまで掻き立てるのか、固法にはわからない。
だが今日一度だけ、その片鱗のようなものを見たことを思い出す。
固法(そう言えばフードコートで――――――――)
垣根『女に手を上げるのはシュミじゃねえ』
固法(何かあったのかしら…………)
なぜ徹底して女性への暴力を嫌うのか。
垣根の過去に、一体何があったのか。

ふと視線を向けた先に、ゲームセンターで垣根にもらったぬいぐるみがあった。
固法(…………どうしてこんなに気になるのかしらね?)
愛くるしいその瞳は、固法の疑問に答えてはくれなかった。
固法「………牛乳でも飲もう」
ネムリニツーカナイコイノムクロニー ハヤークトドーメヲサシテーヨー♪
固法「メール」
固法(垣根さんから……?)
ピッ
受信メール
=======================
【from】 垣根帝督
【sub】 無題
―――――――――――――――――――――――
電話しても大丈夫か?
=======================
固法(電話?一体どうしたのかしら)
返信
=======================
【to】 垣根帝督
【sub】 Re;
―――――――――――――――――――――――
大丈夫ですよ
=======================
ピッ
固法(………)
ケガレタユービサキデー ヨルヲソソーギコンデー♪
チギーレルーマデーキミーヲコジアーケテー♪
固法「ひゃっ!」
固法(もうかかってきた…)
ピッ
垣根『よう、悪いなこんな時間に電話してよ』
固法「ええ、別に構いませんが、どうしたんですか?」
垣根『あー、何ていうか…最初はメールで済まそうと思ったんだがイマイチ書くことがまとまらなくてよ。
それなら電話の方が手っ取り早いと思ってな』
固法「はぁ……それで、ご用件は?」
垣根『いや、用と言われると困るんだが………』
垣根『その、今度はアンタの行きたいところに付き合うから』
固法「え?」
垣根『あ、いや、今日はオレの都合でアンタを引っぱりまわす形になっちまったからよ。
今度どっか行くときはアンタの好きなところに…』
固法「ふふふ………」クスクス
垣根『…何がおかしいんだよ』
固法「ごめんなさい…カワイイこと言うなぁって思って」
垣根『あぁ!?』
固法「ひょっとして、今日一日私を振り回して退屈させたと思ってたんですか?」
垣根『……………』
固法「私も楽しかったですよ、今日一日。ちょっと心臓に悪かったですけど」
垣根『う、その………悪かった』
固法「もう、気にしてませんってば。
……でもせっかくですしお言葉に甘えてもいいですか?」
垣根『ん?』
固法「今度は甘いものでも食べに行きましょう?実は前から行ってみたかったお店があるんです。
そこに付き合ってもらってもいいですか?」
垣根『あ、ああ』
固法「決まりですね!いつにしますか?」
垣根『オレはいつでもいいぜ。基本的に暇だからな』
固法「じゃあ私の次の休みが決まったら連絡しますね」
垣根『そうか。大変だな、風紀委員も』
固法「楽な仕事ではないですけど、学生たちを守るためですから」
垣根『そーかい…………なぁ』
固法「はい?」
垣根『その…………オレに敬語使うのやめねえか?』
固法「え!ど、どうしたんですか急に?」
垣根『いや、何か知らねえけどアンタに敬語使われるとすげえムズムズする』
固法「でも…垣根さんは年上ですし…」
垣根『アンタはダチと敬語で話すのか?』
固法「!そ、それは………」
垣根『別れ際にちょっとタメ口になっただろ?あんな感じで頼む』
固法「うう………わかりまし……わかったわ」
垣根『そうそう』
固法「じゃあ私からも一ついい?」
垣根「あん?」
固法「わ、私のことは名前で呼んで?」
垣根『はぁ!?』
固法「だ、だって垣根さん、上条くんや風斬さんは名前で呼ぶのに
私のことは『アンタ』としか言わないじゃない!不公平よ!」
垣根『不公平ってアンタ子どもじゃねえんだから………』
固法「ほらまた!」
垣根『やべっ……』
固法「…………じゃない」ボソ
垣根『は?』
固法「垣根さんも、今日別れるときに呼んでくれたじゃない。
『またな、固法』って」
垣根『ウグっ!それは……わ、わかったよ…………………固法』
固法「うん、それでいいわ」
垣根『…………』
固法「…………………」
垣根『じゃあ時間も時間だし、そろそろ切るぜ』
固法「え、ええ………あの」
垣根『あん?』
固法「…………いいえ、何でもないわ」
垣根『変なヤツ……じゃ、おやすみ』
固法「おやすみなさい」
ピッ
固法(今は……………訊けないよね)
柳迫「楽しそうだったじゃない」
固法「ひああああああああ!!?あ、碧美!?起きてたの!?」
柳迫「起きてたの?じゃないわよ。
もー隣であんなイチャイチャイチャイチャストロベリートークされてねむれるかっつーの」
固法(ストロベリートークって……古くない?)
固法(って問題はそこじゃなくて)
固法「………いつから聞いてたの?」
柳迫「『それで、ご用件は?』の辺りから」
固法「ほぼ最初からじゃない!起きてたなら言いなさいよ!」
柳迫「やーよ。起きてるって分かったらアンタすぐ電話切っちゃうでしょ。
それで?一体何の話をしてたのかにゃー?」
固法「それは、その…………」
柳迫「なーんか『私も楽しかった』とか、『名前で呼んで?』とか言ってたじゃない?
早めに白状した方がいいわよ?」ワキワキ
固法「ひ、秘密よ秘密!だいたい尋問はさっき終わったんじゃないの!?」
柳迫「本法廷に新しい証拠が提出されたため、固法被告に更なる証言を要請します」ビシッ
固法「黙秘権を行使します!」
-----------------------------------------------------------------------
21:56 垣根のマンション
パチッ
垣根「………ったく、名前で呼べ、なんていきなり何言い出すんだよアイツ…ん?」
垣根「でも何で今までアイツのこと名前で呼ばなかったんだ、オレ?」
垣根(上条は「上条」だし……まあモヤシはモヤシでいいや。クソムカつくし)
垣根(女だからか?いや、本名がクソ長いシスターちゃんをのぞけば打ち止めちゃんや氷華ちゃんも名前で呼んでるな)
垣根「………………………固法」
垣根「…………………………………………」
垣根(な、なんでこんなに恥ずかしいんだ?)ムズムズ
垣根(クッソ、ワケわかんねえ………)
垣根「……………寝よ」ゴソゴソ
-----------------------------------------------------------------------
同日 某時刻
??「ふふふふっ…………………面白いものを見たわ」
明りの消えたビルの屋上、
年齢に不相応な派手なドレスをまとった少女が、静かに笑いながらたたずんでいた。
??「あの人のあんな表情、初めて見たわ」
心理定規(メジャーハート)。
それが彼女の能力にして呼び名。
人と人の『こころの距離』を見透かし、
自分と相手の“それ”を自在に操る能力である。
そして、垣根がかつてリーダーを務めていた学園都市の暗部組織『スクール』の元構成員でもある。
心理「『未元物質』ともあろう男があんなに動揺しちゃって」
心理「元暗部の人間が見たらどんな顔するかしらね」クスクス
心理「―――――まあ一方通行は爆笑してたけど」
彼女は今日一日、垣根を尾けていた。
しかし普通に尾行したのでは垣根に気づかれてしまう。
だから彼女は自らの能力で、自分と垣根の距離単位を2000、
『限りなく無関係な他人』レベルまで遠ざけ、垣根の警戒を免れていたのだ。
そうして彼女は、垣根の一日の行動のすべてを見ていた。
彼が笑い、戸惑い、慌てふためく様を。
そして、
心理「その原因は………彼女かしらね?」
彼の隣りにいた彼女のことを。
心理「でも、彼女も一筋縄ではいかないみたいね」
少女は、昼間彼女の心をのぞいた時のことを思い出す。
心理「………………………ちょっとからかってみましょうか」
心理「うふふふふ………………………」
夜空には、血の滴りそうな三日月が薄く嗤っていた。
続き
固法「あなたが……《未元物質》……?」【パート3】

