放課後
上条「一緒に買い物に行ったり・・・」
上条「仲良くご飯を食べたり・・・・」
上条「こう、穏やかな時を過ごしたい・・・」
上条「俺が心を落ち着けてまったりとできる女の子はいないのだろうか・・・」
上条「おや、あれは・・・ 姫神じゃないか」
姫神「あ、上条君」
上条「よう」
姫神「こんなところで会うなんてなんか珍しい」
上条「そうか?まあ今日は特売も無いし買い置きがあるからなあ」
姫神「じゃあいつも特売を漁ってるの?」
上条「そんなところだな」
元スレ
上条「はあ、女の子と手つないだりしてみたいな」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1346232505/
姫神「まるで主婦のよう」
上条「まあ間違っちゃいないかもな」
姫神「早く帰らないと旦那様がお怒りになると思う」
上条「いつもならそうだろうな、だけど今日は昨日たくさん作っておいたカレーがあるんだ」
姫神「でもあのシスターは電子レンジの使い方すら・・・」
上条「そうだな」
姫神「あまりのんびりはしていられないと思う」
上条「ま、作る手間がかからないんだから一時間くらいまでなら遅くなっても噛み付かれることはないだろうな」
姫神「そう」
上条「だからたまには少し自分の買い物でもしようかと思うんだけどなあ・・・」ハァ
姫神「どうかした?」
上条「いや、俺も健全な男子高校生なわけだ、こういう時に女の子と仲良く穏やかに過ごせたらなあと思うわけですよ」
姫神「・・・・」ジト
上条「ん?何だよ」
姫神「別に・・・、ここに他の男子がいたら上条君は袋叩きにされていた」
上条「何でだよ!?」
姫神「自分の胸に・・・・やっぱり無理」
上条「おい」
姫神「きっと上条君には一生かかってもわかりっこない」
上条「なんだそりゃ」
姫神「そんなことより買い物って何を買うつもり?」
上条「シャツでも買おうかなと」
姫神「なんか珍しい」
上条「まあ財政が苦しいからそんなには出せないけど何かあればってところかな」
姫神「なんかイメージと違う気がする」
上条「何でだよ」
姫神「上条君は親が買った服を着ていたり」
上条「学園都市でそれは無理があるだろ」
姫神「適当に同じ柄の服を何枚も持っているイメージ」
上条「それは・・・まあ間違っちゃいねーけど・・・」
姫神「軽くセンスを疑う」
上条「そんなこと言ったってどうしろって言うんだよ!」
上条「適当に高いブランドに手出してすっごく変なの買って後悔する未来しか想像できねーぞ?」
姫神「容易に想像できるのが何か悲しいところ」
上条「ちくしょう」
姫神「なら、私についてくる?」
上条「姫神と?女装でもさせるつもりか?」
姫神「なるほど、そういう趣味が」
上条「ねーよ」
姫神「冗談、いい巫女服を売っているところがある」
上条「やっぱり女装じゃねーか」
姫神「もちろん冗談、少しからかってみたくなった」
上条「で、和服の店にでも行くのか?」
姫神「まさか、普通のショップを回る」
上条「なんかコスプレしか想像できねーな」
姫神「安心して、さすがにそこまではない」
ショップ
上条「本当に普通のショップなんだな」
姫神「当然、ここでそういうお店に案内するのはやりすぎ」
上条「なんかこういうところで買うのって緊張するな」
姫神「初めは誰でもそういうもの」
上条「メンズとレディースと・・・靴まであるのか?」
姫神「少しだけどアクセサリーもある」
上条「へえ・・・」キョロキョロ
姫神「鞄もあったりするからこういうところを何件か回って気に入ったものを探しながら財布と相談するのをおすすめする」
上条「しかも今セールやってるのか」
姫神「そう、だから今が買い時」
上条「なんかすごい柄だな」
姫神「無理にここで買おうとせずに気になるものだけを合わせてみたりするといい」
上条「これは・・・・ちょっと大きすぎるか」
姫神「ひとつしたのサイズのやつは・・・・無いみたい」
上条「そっかー・・・」
姫神「セールになるとサイズの合わないものもよくあるからこればかりはしょうがない」
上条「そうだな」
姫神「少し値段が高めのブランドとかでも50%や70%割引されてると手が出るもの」
上条「そうだよな、六千円とかのが三千円とか二千円で買えるならいい買い物だよな」
姫神「お金が無いなら無いなりに足で探し回れば意外といいものは見つかるもの」
上条「なんか姫神が頼もしく見える」
姫神「でもたまに衝動買いをして後悔することもある」
上条「あ、たしかにこういうところを見てまわってるとそういうのありそうだな」
姫神「どうやって合わせていいのかわからないものを買ってしまったときのあの悲しさ・・・」
上条「へこむだろうな」
姫神「だから上条君もへこませてみせる」
上条「やめてくれ」
姫神「もちろん冗談」
上条「冗談に聞こえねえ」
姫神「私の目を見て」ジー
上条「おう」ジー
姫神「どう?」
上条「あれ、白髪?」
姫神「こら」ペチ
上条「いてっ」
姫神「そういうこと言わない」
上条「いや、何かじっと目を見るのって恥ずかしくないか?」
姫神「一理ある」
姫神「それで、白髪はどこ?」
上条「えっと、頭のこのあたり」サワ
姫神「ちょっと!」
上条「あ、悪い」
姫神「いきなり髪を触るなんてマナーがなってない」
上条「いや、どこって聞かれたから」
姫神「だいたいどのあたりか言ってくれれば鏡で確認する」
上条「だよな、ごめんな」
姫神「これだから上条君は・・・」ハァ
上条「悪かったよ、そんなにあきれないでくれ」
姫神「どれどれ・・・・」
上条「女の子っていろいろ入用だよな」
姫神「これも女の宿命」
上条「なんか大変だなって思うぜ」
姫神「男の人楽そうでいい」
上条「だよな、男って髪と髭の手入れくらいだもんな」
姫神「いじりすぎてるのは少し引くけど手間がかからないのはうらやましい」
上条「そうだな、俺髭とかまだ目立たないからそんなに面倒じゃないわ」
姫神「んー、白髪どこにも見当たらないけど?」
上条「あれ?あ、光の感じでそう見えただけか」
姫神「少し安心した」
上条「そうか?」
姫神「そういうもの」
上条「白髪か・・・・多いとちょっと悲しくなりそうだな」
姫神「いっそのこと全部綺麗に白くなってくれたらいいのに」
上条「うーん・・・」
姫神「でも艶のある白髪って見たこと無い」
上条(一方通行・・・・)
上条「姫神やっぱり今のままの黒い髪が綺麗でいいんじゃないか?」
姫神「そう?」
上条「ああ」
姫神「何かうれしい」
上条「着物とか着たら似合うんじゃないか?」
姫神「そう?」
上条「こう日本人形みたいでさ」
姫神「そう言われると軽く妖怪扱いされてる気分」
上条「妖怪?」
姫神「だんだん神が伸びてきて足元にからみついて・・・・」
上条「それは確かにこわいな」
姫神「そういうイメージもあるから素直に喜べない」
上条「なるほど、確かに似合いそうだ」姫神「せいっ」
ドスッ
上条「ぐっ・・・」
姫神「もう少し考えて発言するべき」
上条「すまねえ・・・」
姫神「くだらないことを話している時間はない」
上条「そうだった、時間かけすぎるとインデックスに噛みつかれちまう」
姫神「女の子と一緒に住んでいるのにどうしてこうもデリカシーが無いのか」
上条「そんなこと言われてもなあ・・・あいつ俺が用意した飯を食べてテレビ見てるだけだし・・・」
姫神「事情が事情だから仕方ないけど常識で考えれば追い出されるべき」
上条「・・・・・そうかもなあ」
姫神「じゃあ、次の店に行ってみる」
上条「そうだな、割といい感じのやつはここにもあるけど・・・決めきれないな」
姫神「ここはいろいろ見てまわるべき」
上条「そうか?」
姫神「ついつい買いすぎてしまうことを防ぐためにも これ! というものが無ければ買うべきじゃない」
上条「そうだな」
姫神「と、いうわけで次へ行く」
上条「姫神と一緒でなんかよかったぜ、俺一人だけだったらこの辺歩くこともなかっただろうな」
姫神「これも努力で培ったこと」
上条「俺は気に入った服を見つける努力を怠っていたということか」
姫神「正直言ってしまえば服はこんなにこだわらなくても十分やっていける」
上条「ま、たしかにな」
姫神「でもこれはプライドの問題」
上条「そうか、プライドか・・・」
姫神「おしゃれをしたくて何が悪い」
上条「なんか説得力があるな」
姫神「制服での外出を義務付けられている常盤台の女の子たちもおしゃれには気をつかうらしい」
上条「そうなのか?」
姫神「そういうもの」
姫神「次はここに入ってみる」
上条「おう」
姫神「いいのあった?」
上条「そうだなあ・・・うーん・・・」
姫神「こっちにはこんなのがあったけど」
上条「ちょっとかわいすぎないか?」
姫神「そう?」
上条「ま、合わせてはみるけどさ」
店員「いらっしゃいませー、彼女さんに選んでもらってるんですか?」
上条「えっ?」
姫神「彼女・・・・」ドキドキ
上条「いえ、クラスメートですよ」
姫神(やはり瞬殺)ガクッ
店員(あらー・・・・)
姫神(上条君に期待するのが・・・・)ハァ
上条「ん?どうしたんだため息なんかついて」
姫神「ううん、なんでもない」
上条「? そうか」
姫神「じゃあこれ合わせてみて」
上条「こうか?」
姫神「・・・・・」
上条「・・・・・」
姫神「ごめん、これは何か違う」
上条「選んでもらっておいて言うのもなんだけどちょっとな」
店員(マジがんばれ)
上条「なかなか これ! っていうのがないよな」
姫神「そういうもの、さっきも言ったけど絶対に買わなければならないわけではないのだから焦って買うと後悔する」
上条「そうだよなあ」
姫神「何気なくふらふらしてるときに出会うこともあるから辛抱強く歩き回ることが大事」
上条「よし、時間の許す限りとことんやってみるか」
姫神「私も協力する」
上条「なんか悪いな」
姫神「ううん、私も自分のを少し見てるから私は私で楽しんでる」
上条「ならよかった、つき合わせちまってるみたいだったからさ」
姫神「大丈夫」
上条「お、あそこ入ってみないか?」グイッ
姫神「えっ!?」ドキ
上条「あ、悪いひっぱっちまった」パッ
姫神「う、ううん、平気」ドキドキ
姫神(びっくりした・・・上条君と手をつなぐなんて・・・)
上条「何かよさそうなのが見えたからさ、ついうれしくなっちまって」アハハ
姫神「どれ?」
上条「あれだよ、あのマネキンが着てるやつ」
姫神「うん、あれは上条君に似合うかも」
上条「どうだ?」
姫神「うん、よく似合うと思う」
上条「そうか、値段も・・・ってかなり安いなこれ」
姫神「こういう出会いがあるのもセールの魅力」
上条「さっそく買ってくる」
姫神「そのほうがいい、誰かが買ってしまうこともある」
上条「そうだな」
姫神「買うのはこれだけでいい?」
上条「ああ、これ以上選んでると遅れるかもしれないからな」
姫神「うん、今日はこれくらいにしておこう」
上条「じゃあ帰るか」
上条「いやー、本当にありがとうな姫神」
姫神「ううん、そんなにお礼を言われるほどのことじゃない」
上条「服を選ぶ楽しさと注意点っていうのがなんかよくわかったよ」
姫神「お店によっては店員がしつこく絡んでくるところもあるから注意が必要」
上条「俺言われたまま買っちゃいそうだからなあ・・・」
姫神「うん、容易に想像できる」
上条「はっきりと言うなよ・・・」
姫神「お金を無駄にしてとんでもないものを買ってしまう・・・・」
上条「なんとかしないとそのうち壺とか宗教にひっかかるんだろうな」
姫神「既に十字教徒じゃないの?」
上条「違うぞ?」
姫神「実は知らないうちに・・・・」
上条「何か怖いからやめてくれ」
姫神「夜な夜な枕元で神の教えをささやかれていたり・・・」
上条「ってインデックスがまじめにシスターやるところが想像できるか?」
姫神「無理」
上条「速答するなよ」
姫神「無理なものは無理」
上条「まあまじめにシスターやってないインデックスが俺に神の教えをどうこうっていうのは無いからな」
姫神「うん」
上条「だから俺が十字教徒になるなんてことは無いぞ」
姫神「そう思っている人ほどひっかかる」
上条「だけどイギリス清教の一員になったとしても今と変わらないと思うぞ?」
姫神「それは言えてる」
上条「悪質な団体だったら世界中に広まるなんてことにはならないだろ」
姫神「でもそれだとつまらない」
上条「おい」
姫神「せめて生贄の儀式をやるくらいのところに・・・」
上条「やめてくれ、シャレにならねえ」
姫神「今の世の中インパクトが大事」
上条「おいおい」
姫神「一発屋でもいいじゃない」
上条「そこまでして目立ちたくねーよ」
姫神「もう十分目立っている」
上条「そうか?」
姫神「普通はこうしょっちゅう事件に巻き込まれない」
上条「不幸だ・・・・」
姫神「うん、命のやり取りとか絶対無理」
上条「やりたくてやってるわけじゃねーよ」
姫神「あ、あそこに魔術師が」
上条「なにーどこだー?」
姫神「ほら、すぐにノリノリになる」
上条「なってねーよ」
姫神「ポーズまで決めていた」
上条「どんなだよ」
姫神「女の子にやらせるつもり?」
上条「だからやってねーっての」
姫神「これだから上条君は」
上条「ってひどすぎねーか?」
姫神「うん、ちょっとやりすぎた」
上条「まあいいけどさ」
姫神「上条君は優しいから助かる」
上条「そうか?」
姫神「しつこいと怒る人は怒る」
上条「あー、そうだよなー」
姫神「だから引き際が大事、見誤ると面倒なことになる」
上条「お、姫神、ちょっと待っててくれ」
姫神「え?」
上条「お待たせ、これ一緒に食べないか?」
姫神「ソフトクリーム?」
上条「付き合ってもらったお礼だ、嫌か?」
姫神「ううん、ありがたく頂く」
上条「うん、うまいな」
姫神「すごく濃厚」
上条「今日は姫神と一緒ですごく楽しかったぜ」
姫神「私も、上条君と買い物して楽しかった」
上条「じゃあまた一緒に行かないか?」
姫神「えっ?」ドキ
上条「ん?」
姫神「うっ、ううん!私でよければ一緒に!」ドキドキ
上条「じゃあ次もよろしくな」
姫神「うん!」
姫神(上条君とまた・・・・一緒に・・・・)ドキドキ
姫神(ひょんなことから・・・・ちょっと信じられない)ドキドキ
上条「姫神、俺こっちだから」
姫神「うん、また明日」
上条「じゃあな」
姫神「また」
姫神「・・・・・・思い返してみるとドキドキが止まらない」ドキドキ
姫神「まさか上条君と一緒に買い物することになるなんて・・・」
姫神「しかも次の約束までしてしまった・・・」
姫神「////////」
上条「ただいまー」
インデックス「おかえりとうま」
上条「お、ちゃんと待ってたのか?」
インデックス「む、なんか馬鹿にされてるような気がするんだよ」
上条「いや、そんなことねーって」
インデックス「ねえとうま、昨日のカレーは今日おいしくなるっていうのは本当なのかな?」
上条「ああもちろんだ、今日のカレーのほうがずっとうまいぞ」
インデックス「楽しみなんだよ」ワクワク
上条「じゃあすぐ暖めるから待ってろよ」
インデックス「これでご飯が無いなんて言ったら私はとうまの頭を噛み砕いてしまうんだよ」
上条「落ち着けインデックス、たとえご飯が無かったとしても最終兵器うどんがある」
インデックス「UDON!?」
上条「カレーはライスが無くてもナンが無くてもうどんでもおいしく頂けるんだぞ」
インデックス「さすがとうま抜かり無いんだよ!」
上条「今日の俺は一味ちがうぜ」
インデックス「今日のとうまはすごいんだよ!」
上条「ご飯はもちろんうどんも少しゆでておいたからな」
インデックス「サラダもちゃんとあるんだよ」
上条「たまにはいいところを見せないとな」
インデックス「毎日こうだといいのに」モグモグ
上条「そうだな、いつも不幸な思いばかりしてるからな」モグモグ
上条「でももっといい事があってもおかしくないと思うんだよな」
インデックス「その右手がある以上あきらめたほうがいいんだよ」モグモグ
上条「それは言うなインデックス」モグモグ
インデックス「不幸な目にあわないことが当麻の幸せなんだよ」モグモグ
上条「そうは言ってもなあ・・・」モグモグ
上条(一緒に買い物に行ったり・・・)
上条(仲良くご飯を食べたり・・・・)
上条(こう、穏やかな時を一緒に過ごせるような・・・)
上条(一度でいいからそんな気分を味わいたいぜ)
インデックス「む、なんだかとうまにかみついたほうがいいような気がしてきたんだよ」
上条「え?何で?」
インデックス「そんな声が聞こえたような気がしたんだよ」
上条「いや、どこからだよ」
インデックス「主の導きかも」
上条「いや、マジで簡便してください」
姫神「あれこれ考えてはみたものの・・・」
姫神「結局上条君はなんとも思ってないような気がしてならない・・・」
姫神「不幸・・・」
姫神「いやいや、また買い物に行く約束もできたしここからが本番」
姫神「私の戦いはまだ始まったばかりなのだから」
おわり


