一方通行「ン?よォ、誰かと思ったら垣根じゃねェか、久しぶりだなァ」
垣根「だな、二ヶ月ぶりくらいか?」
一方通行「そンくらいか、前会ったときはまだ涼しかったからな」
垣根「最近あっちぃよなぁ。で、オマエ何してんだ?」
一方通行「あァ?見てわかンねェか?仕事帰りだ、仕事帰り」
垣根「私服着てんの見てもわかんねえよ!」
一方通行「それもそォか……で、オマエこそ何してンだよ?」
垣根「うん?見てわかんねえのか?」
一方通行「あ?」
垣根「仕事帰りだよ、俺も」
一方通行「オマエも私服じゃねェか!!」
垣根「おっとそうだったな、悪い悪い」ククク
一方通行「つーか学園都市にキッチリ制服着てやる仕事がどンだけあるってンだ」
垣根「確かにな、教師も研究員も私服だし、警備員……は仕事じゃねえからなぁ」
元スレ
垣根「よう一方通行、奇遇だな」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1313937177/
一方通行「まァ仕事柄偶ァにスーツ着たりすンだけどよォ、肩が凝って仕方ねェわ」
垣根「あーわかるわかる、スーツって肩凝るよなぁ……
ところで一方通行、オマエこの後時間空いてるか?」
一方通行「あン?まァ暇してっけど」
垣根「そんじゃ飲みに行かねえ?久々に会ったんだしよ」
一方通行「おいおいおい、明日平日だぞ?仕事あンだろォがよ」
垣根「堅い事言ってんじゃねえよ、偶には平日に酒呷るのもいいだろうが」
一方通行「あァー……まァいいけどよォ」
垣根「さっすが第一位、器がでかくていらっしゃる。
で、悪ぃけど一旦家に帰らなきゃならねえからちょっと時間置いてもいいか?」
一方通行「あァ、俺も荷物置きに家帰りてェからそっちの方が都合がいいわ」
垣根「そんじゃ一時間後に地下街集合にしようぜ、なんだったら適当に人誘っても構わねえぞ」
一方通行「はいよ、そンじゃ適当に声かけてみっかなァ」
垣根「こっちもメール回してみるわ。じゃあまた後でな」
一方通行「おォ、じゃァな」
―地下街
垣根「よーっす、待たせたな」
一方通行「よォ、さっき振りだなァ」
垣根「どうだった?誰か誘えたか?」
一方通行「いィや、何人か声かけてみたが全滅だァ、やっぱ明日平日だからなァ」
垣根「こっちも空振りだ、まぁ仕方ねえか。二人でも別に構わねえだろ?」
一方通行「ン、まァいいけどよ。何処行くンだ?」
垣根「この前この地下街で結構いい店見つけてな、そこ行こうぜ」
一方通行「オマエのお勧めかァ……」
垣根「何だよ」
一方通行「何度かとンでもねェハズレ引かされたからなァ……」
垣根「うっせえな、いい思いも結構しただろうが、ほら行くぞ」
一方通行「明日仕事なのにそンな賭けはしたくねェンだが……腹括るかァ」ハァ
垣根「そんな悲壮な顔すんのやめろよ!普通の店だって普通の!」
一方通行「いつぞや『普通の店』って言いつつオカマバーに連れて行きやがったよなァ?」
垣根「あれはあれで楽しかったろ。大丈夫だって、今回行くのは本当にただの居酒屋だからよ」
一方通行「へェへェ、そンじゃ行きますかねェ」
垣根「おう、こっちだ」
―居酒屋前
一方通行「うン、確かに見た感じは普通の居酒屋だなァ」
垣根「まだ疑ってやがったのかテメェ……入るぞ」ガラッ
店員「いらっしゃいませ、何名様でしょうかー?」
垣根「二人っす」
店員「個室とカウンター席ございますがどちらにしましょう?」
垣根「あー、どうする?」
一方通行「空いてるンなら個室の方がいいンじゃねェか?
俺らみたく柄悪ィのがカウンター座ってたら客が激減しちまうぞ」ククク
店員「いえいえそんな事ありませんよ、お二人ともかっこいいじゃないですか」クスクス
垣根「おっと嬉しい事言ってくれるな。良かったら一緒に飲まないか?」
店員「あ、いえ、まだバイト始まったばっかりなんで……」
垣根「そりゃ残念」フゥ
店員「えっと、すいません」
一方通行「おいコラ垣根ェ、店員さン困ってンじゃねェか。
つーかオマエまだそォやって手当たりしだい女に声かける癖直ってねェのかよ」
垣根「あぁ?可愛い子に声かけるのは男子の礼儀だろうが」
一方通行「とっくに二十も過ぎてンだからちったァ自重しろよオマエ」ハァ
垣根「人間、守りに入ったら負けだぜ?特に男は一気に老け込むぞ?」
店員「あ、あの、」
垣根「おっと悪い、それじゃ個室に案内してもらえるか?」
店員「はい、それではご案内いたしますのでこちらにどうぞ」
一方通行(おい、客俺らしかいねェみてェなンだが、大丈夫なのかこの店?)ボソボソ
垣根(再三言うが平日だしな、それにまだ飲み始めるにはかなり早い時間帯だろ
人がいなくても仕方ねえって)ボソボソ
一方通行「あァー、確かにまだ外は結構明るいからなァ」
垣根「明るい内から飲み始め、暗くなってきたら二件目に行く、最高じゃねえか」
一方通行「ンだな……ってオイ、二件目行くつもりなのかよ」
垣根「さぁ、その辺はノリじゃねえか?」
一方通行「明日仕事……まァいいか」
―個室
店員「こちらです。お飲み物のご注文お先にお取りしましょうか?」
垣根「ん、そうだな……オマエ何飲む?」
一方通行「とりあえず最初は生でいいンじゃねェ?」
垣根「暑いしな。それじゃ生二杯で」
店員「かしこまりました、それではすぐにお持ちしますね」
垣根「ビール来るまでの間につまみ何頼むか決めとくか」メニューパサッ
一方通行「なンかお勧めはあるか?」
垣根「何頼んでも大抵美味ぇから安心しろ。どういう系統がいい?」
一方通行「肉。牛。」
垣根「相変わらず肉好きだなオマエは、何で太らねえんだ?」
一方通行「ただの体質だ、つーか別に普段から肉食いまくってるわけでもねェよ」
垣根「それでもオマエの太らなさはもはや特異体質の域だろ……
で、肉はこの牛さがりのステーキでいいか?」
一方通行「おォ、あと刺身も頼もうぜ」
垣根「刺身は適当に盛り合わせでいいとして、後はサラダと小鉢系と……」
店員「失礼します、生ビールとお通しお持ちしましたー」ガラッ
一方通行「あ、どォも」
垣根「すいません、注文いいですか?」
店員「はい、承ります」
垣根「えっと、これとこれとこれと……」
一方通行「おい垣根急げよ、生ビールを前にしてお預けは結構な拷問なンだぞ?」
垣根「急かすなよ……それと、これとこれ……とりあえずはこんなもんかな、お願いします」
店員「かしこまりました、それではごゆっくりどうぞー」ピシャッ
一方通行「よし、そンじゃ……」
垣根「かんぱーい」カツン
一方通行「お疲れェー」カツン
垣根「あ゛ー、ビールうめえ」プハァ
一方通行「あっちィ時はやっぱこれだよなァ」プフゥ
垣根「俺は寒くても飲むけどな、ビール」
一方通行「そォいや冬も飲ンでやがったなオマエ、考えただけでも凍えちまいそォだ。
もっと季節に合ったモン選択しろよ」
垣根「あぁ?真冬に炬燵にもぐりこみながらアイス食ったりすんの最高だろうが。
季節感に反する事すんのが究極の贅沢ってもんだろ」
一方通行「ン、まァそれはわからなくもねェけどな……
俺も真夏に辛ェモン食ったりすンの好きだし」
垣根「だろ?」
一方通行「ところでオマエ、今仕事何してンだっけ?」
垣根「オマエそれ会う度に聞くよな?何か面白い答え期待してんのか?」
一方通行「いや、純粋に前聞いた事忘れてるだけだ。多分次会った時も聞くわ」
垣根「おい、覚えろ」
一方通行「興味ねェ事一々覚えてられっか」
垣根「おいコラ!」
一方通行「冗談だ冗談、今回は覚えるよォに努力すっからもう一回教えてくれ」ククク
垣根「ったくオマエは……次はねえからな?」
一方通行「おォ」
垣根「便利屋だよ便利屋、つーか何でも屋」
一方通行「あァ思い出した、『掃除や引越しの手伝いから各種調査、代行業務、工作活動まで何でもやります』
って胡散臭ェ看板が第七学区の駅前に立ってンだったな」
垣根「胡散臭くて悪かったコラ。いや自分でもこの上なく怪しいとは思っちゃいるが」
一方通行「あれで客入ンのか?」
垣根「第二位のネームバリューと口コミでそこそこな。
非合法スレスレの仕事が多いお陰で実入りはいいぜ?」
一方通行「おいおい、随分とまァ叩けば埃が出そうじゃねェか」
垣根「大丈夫大丈夫、ギリギリ犯罪はやっちゃいねえよ。
ちゃんと営業許可取ってるし警備員や風紀委員とも上手くやってる」
一方通行「ならいいけどよォ、問題起こすンじゃねェぞ?
オマエ捕まえるとなると死ぬほどめンどくさそうだからなァ」
垣根「ん?……あぁそうか、オマエ一応警備員やってんだっけ」
一方通行「籍置いてるだけの幽霊隊員だけどなァ、
偶に規模のでけェ事件があると呼び出し受けンだよ」
垣根「まぁオマエの世話にゃならねえように気をつけるわ」
店員「失礼します、おつまみお持ちしました」ガラッ
垣根「お、来た来た」
一方通行「肉、肉」
垣根「あ、それとビールおかわりお願いします」
店員「はい」
一方通行「飲むの早ェなオマエ」
垣根「一杯目はそういうもんだろ?すいません、コイツの分も」
店員「かしこまりました」
一方通行「オマ、勝手に……クソ、飲めばいいンだろ」グビグビ
垣根「で、オマエの本職は大学教授だったか?」モグモグ
一方通行「一応な。研究メインで学生の面倒はあンま見ねェけど」ムシャムシャ
垣根「飛び級でサクッと大学卒業した挙句、20代前半で大学教授。羨ましい話だねえ、儲かるんだろ?」
一方通行「なろうと思えばオマエもなれたンじゃねェか?
儲けは……まァそこそこだな、研究楽しくやれてっからそっちの方が重要だ」
垣根「楽しさ優先か、余裕かましてんなぁ。そんなんでいいのか?まだかなり借金あんだろ?」
一方通行「それを言うなよ……つーかオマエこそ莫大な借金拵えてただろォが、大丈夫なンですかァ?」
垣根「誰のせいだと思ってんだこの野郎。オマエがあん時もうちょっと加減してくれてりゃここまでは……」ハァ
一方通行「身体の再生治療代、すげェ額だったらしいなァ……ま、生きてて良かったじゃねェか」ケケケ
垣根「オマエが言うか……」
店員「失礼します、生ビール二杯お持ちしました」ガラッ
垣根「待ってました」
一方通行「ビール飲むとすぐに満腹になっちまうから一杯までにしてンだけどなァ……」
垣根「あ、そうだっけ?そりゃ悪かったな」
一方通行「まァ偶にはいいけどよ」グビグビ
垣根「ところでオマエ、教授って事は学生相手に講義したりすんだよな?
やっぱ第一位様直々にやる講義ってのは反響デカいのか?」
一方通行「ンー、講義室が満員になるくらい受講者いるな、最初の内は」
垣根「最初の内?」
一方通行「おォ、俺の講義難しいらしくてな、段々受講者減ってくンだよ。
それと俺が受講者の顔と名前全員分暗記してっから代返不可能ってのも効いてンだろォな」
垣根「もうちょっとこう、手心と言うか……
下々の者のレベルに合わせてあげてくださいよ第一位さん」
一方通行「いやァ、あンまりレベル下げると今度は
『何だ、第一位って大した事ねェな』ってナメた事言い出す奴がいてなァ」
垣根「名門大学でもその手の馬鹿はいるのな」
一方通行「むしろ名門大だからだろ、プライド高ェ奴多いぞ。
生徒と俺とほとンど歳変わらねェし、俺の方が年下ってのも珍しくねェし、
ビシッと厳しくやっとかねェとダメなンだよ」
垣根「で、厳しくしてる結果受講者はどんどん減っていく、と」
一方通行「300人いた受講者が中間テスト前には150人になって、期末テスト前には50人になって、
マトモに単位取れる奴は20人くらいだなァ」
垣根「少な!ちょっと絞めすぎじゃねぇ!?」
一方通行「俺の講義の単位を取ることが一種のステータスみたいになってンな。
だから難しいってわかってても毎年『我こそは』ってのが受けに来てくれンだ」
垣根「まぁ確かに、就職活動で『第一位の講義で単位取りました!』って使えそうな気がするな」
一方通行「俺の講義の方が就活より難易度高ェって専らの噂だぜ」
垣根「やっぱもうちょっと手加減を……」
一方通行「必修ってわけじゃねェンだから楽してェ奴は受けなきゃいいだけだっての。それにな、」
垣根「それに?」
一方通行「点数足りない奴らをバッサリと落第させるこの快感、病み付きになるぜェ?」ケケケケ
垣根「悪魔や、悪魔がおる……」
垣根「さてと、ビール飲み終わったな、次どうする?」
一方通行「オマエは何頼むンだ?」
垣根「んー、俺は焼酎でも貰おうかな」
一方通行「ビールの次に焼酎って、おっさンかオマエは……カクテルとか飲まねェの?」
垣根「オマエと二人なのに気取ったもん頼んでも仕方ねえだろ、
つーかカクテルは家でいつでも飲めるしな」
一方通行「そォいやオマエ趣味でシェイカー振ってンだったか」
垣根「おう、振り方一つ違うだけでも完成品の味が相当変わってくるからな。
結構奥が深くて楽しいぜ?お陰で家に50種類くらい酒常備するようになったわ」
一方通行「確かはじめた切欠は『女にモテたいから』とかそォいう理由だったよな?」
垣根「はい」
一方通行「あれか?『俺のマドラーで君というカクテルをステアさせてくれ』とか言ってンのか?」
垣根「ぶっ……くくく……い、いいなその口説き文句、今度使わせてもらうぜ」ケラケラ
一方通行「どォ見てもただの下ネタです、本当にありがとうございました」ケケケケ
垣根「あぁでも『ベッドというシェイカーで二人混ざり合わないか?』とは言った事あったわ」
一方通行「ゴフッ!おま、俺を笑い死にさせる気かァ!?」ゲラゲラ
垣根「んで、話戻すけどオマエは飲み物どうする?」
一方通行「俺も焼酎でいいわ、嫌いじゃねェし」
垣根「それじゃボトルで入れてもいいか?そんくらい飲めるだろ?」
一方通行「ン、まァ構わねェが」
垣根「すいませーん!焼酎の一升瓶と水割りセットくださーい!!」
<カシコマリマシター!!
一方通行「おいィ!?ボトルって五合瓶じゃなくて一升瓶かよ!?」
垣根「いけるいける」
一方通行「無理じゃねェけどよ……流石に二人で一升は少しばかり明日に差し支えるンじゃねェか?」
垣根「俺は最悪、明日臨時休業すればそれでいいからな」クククク
一方通行「て、テメェ汚ェぞ!」
垣根「半分自由業ですからねぇ、こういう時は楽でいいわ」ケケケケ
一方通行「確か従業員が一人いたろ?そいつはいいのか?」
垣根「そういう細かい事は覚えてんのな。構わねぇよ、むしろ『休みだ』つったら喜ぶだけだろ」
一方通行「チッ、今の仕事に不満があるわけじゃねェが、そォいう所は羨ましくなるなァ」
垣根「ま、無理に飲み切らなくてもキープしてて貰えばいいだろ。また来る口実が出来ていいじゃねえか」
一方通行「はァ……まァいいか」
店員「お待たせいたしました、焼酎のボトルと水割りセットお持ちしました」ガラッ
垣根「あざーす。おい一方通行、オマエ割合どうする?5:5でいいか?」
一方通行「あァ?一々水で割るのも面倒だろ、ロックでいいわ」
垣根「オマエ何だかんだで飲む気満々じゃねえか、いいのか?明日の仕事」
一方通行「うっせェ、俺も最悪明日休む」
垣根「それでいいのか大学教授……お偉いさんに怒られたりしねえの?」
一方通行「ハッ、一体誰が学園都市第一位に意見できるってンだ?」
垣根「うわぁ、開き直りやがったよコイツ」
一方通行「一方通行を止められるものなンざ、この世のどこにも存在しねェ!!」カッ
垣根「そんなとこで往年の決め台詞無駄遣いすんなよ」ケラケラ
一方通行「あァー……今言うとすっげェ恥ずかしいなこォいうセリフ……
こりゃ十代じゃなけりゃ許されねェわ……」
垣根「ノリノリで言っといて何恥ずかしがってんだ。ほい焼酎ロック」コト
一方通行「お、サンキュー。ほら垣根、オマエも何か過去の決め台詞言えよ、俺にだけ言わせてンじゃねェぞ」
垣根「ちょ、何だその流れ!?オマエ勝手に言っただけだろ!!」
一方通行「とか言いつつ、実はちょっとやってみてェンだろ?ン?」
垣根「あー……まぁ、ちょっとだけ……いやでもなぁ」
一方通行「垣根くンのォ、ちょっといいとこ見てみたいィ」ケラケラ
垣根「……ったく仕方ねえな」コホン
垣根「俺の未元物質に常識は通用しねえ(キリッ」
一方通行「ぶは!ひゃははは!!懐かしいなァオイ」ゲラゲラ
垣根「何だこれ、恥ずかしくて死にたくなってきた……」カァー
一方通行「つーか冷静に考えたら別にかっこよくねェよな、そのセリフ」クククク
垣根「いやいやいや、『こっから先は一方通行』よりはマシだろ!」
一方通行「あァ、あれあン時は最高の決めセリフだと思ってたンだがなァ……」
垣根「今思い返すとただの駄洒落だよな」ククク
一方通行「あン頃は若かったからなァ……」カラカラ
垣根「ちょっと遅めの厨二病だったんだろうな」
一方通行「焼酎うめェ」ゴクゴク
垣根「……異物の混じった空間。ここはテメェの知る場所じゃねえんだよ(キリッ」
一方通行「ごぷ!ぶふぉぁ!!」ビシャァ
垣根「クク、油断したな一方通行」クククク
一方通行「ゲホ、ゲホ、テメェ、狙ってやがったな……飲ンでる時に笑わせるのは反則だろォが……」ゴホゴホ
垣根「すまん、まさかそこまで派手に噴出すとは思ってなかった」ケラケラ
一方通行「この野郎、誰ェ敵に回したか分かってンのか?」ピキピキ
垣根「怒るな怒るな、悪かったって」ゴクゴク
一方通行(隙だらけだなァ、もらったぜェ)ニヤ
垣根「……ん?」ゴクゴク
一方通行「悪ィが……こっから先は一方通行だ!侵入は禁止ってなァ!!」カッ
垣根「ごぽ!!」ブシャァ
一方通行「ケケケケ、お返しだお返し、報復されねェとでも思ってたかァ?」ケラケラ
垣根「おい一方通行、そっち見ろそっち」ゲホゲホ
一方通行「あン?」
店員「……」
一方通行「」
垣根「あー、何か用かい店員さん」
店員「あ、あの、お飲み物を零していたようでしたので、お、おしぼりをお持ちしました……」
垣根「わざわざ悪いね、気が利く店だな」
店員「そ、それでは失礼しますね」タッタッタ
一方通行「……」
垣根「……」ニヤニヤ
一方通行「……聞かれたか?」
垣根「半笑いだったからな」クククク
一方通行「ちくしょォォォォォォォォ!!!!」ガタン
垣根「ちゃっちぃ嫌がらせしようとすっからそういう目に遭うんだよ」ケラケラ
一方通行「元はと言えばオマエがァァァ……」ダンダン
垣根「ほら飲め、飲んで忘れろ、そのうちいい事あるって」トポトポ
一方通行「ちくしょォォォ……」ゴクゴクゴク
垣根「ところで一方通行、気付いてっか?」
一方通行「ン?」ヒック
垣根「隣の個室にいつの間にか客が入ってる」
一方通行「おォ……で?」
垣根「かすかに聞こえてくる声から察するに、その客は女、しかも二人連れだ」
一方通行「……何が言いてェ?」
垣根「わかってるくせにぃ~」ニヤニヤ
一方通行「ホンット女好きだなァオマエ、つーか彼女はどォしたンだよ」
垣根「あ?とっくに別れたわ」
一方通行「またかよ、何人目だコラ」
垣根「さぁな、数えるのもめんどくせぇ」
一方通行「オマエいつか刺されンぞ?」
垣根「刺されたくらいで死ねる世界ならよかったんだがな」ククク
一方通行「ミンチから復活だもンなァ、オマエ」
垣根「ま、治療費のお陰で借金はとんでもない事になってっけど」ハッハッハ
一方通行「借金の話はやめようぜ……」ハァ
垣根「まぁそういうわけで、ちょっとトイレ行く振りして隣の部屋の様子見て来る。
美人だったら突撃しようぜー」ガタ
一方通行「一人で行け」
垣根「連れねぇなぁ……ま、ちょっと行ってくるわ」ガラッ
一方通行「ハイハイ」
一方通行「ったく、あの馬鹿の女癖の悪さはマジでどォにかならねェのか?」
一方通行「俺が心配する事でもねェが……本当にいつか女に刺され兼ねねェぞアイツ……」ハァ
垣根「……」ガラッ
一方通行「よォ早かったな。その面見る限りじゃ、ハズレだったか?」
垣根「いや、美人は美人だったんだが……」
一方通行「ン?」
垣根「いいか一方通行、笑うなよ?」
一方通行「はァ?」グビグビ
垣根「御坂と麦野が二人で愚痴り合いながら飲んでた」プククク
一方通行「ぼふっ!」ブシャ
垣根「馬鹿吹くなって!隣に聞こえちまったらどうすんだ!」
一方通行「いやァ吹くだろ、何やってンだ馬鹿女二人……」ククク
垣根「つーかアイツらサシで飲むほど仲良かったのか?」
一方通行「さァ?無能力者にフラれた負け犬同士気が合うンじゃねェの?」
垣根「容赦無いなオマエ」
麦野「おいコラ聞こえてんぞボケども」ヒョコ
一方通行「げェ!」
垣根「こっち来やがった……」
麦野「見覚えのあるうざってぇ面がこっち覗いてたと思ったら、やっぱテメェだったか」
一方通行「おいバレてンじゃねェよバ垣根」
垣根「気配隠してたつもりだったんだが……流石は元暗部、侮れねえ」
麦野「つーか何?野郎二人で飲んでんのアンタら?さっびしいわねぇ、ホモなんじゃない?」
垣根「おぉっとバレちまっちゃ仕方ねえ、実は……」
一方通行「おいやめろ、そォいう些細な冗談から取り返しの付かねェ噂が広まるンだぞ」
麦野「アクセラゲイターに垣根ゲイ督ってか?ひゃはははは!!」ゲラゲラ
一方通行「うっぜェ……つーかオマエらこそ負け犬女二人で飲ンでンじゃねェか!
もしかしてレズなンですかァ?」
麦野「あー、美琴ちゃん可愛いしねー」クスクス
一方通行「冗談でもそォいうノリはヒくわァ……」
垣根「いいや、俺はアリだと思うね!」
麦野「気持ち悪ぃ目で見てんじゃないわよ馬鹿」
御坂「ちょっと麦野さん、あんまりお隣に迷惑かけちゃ……って何だアンタらか、ならいいや」
垣根「ゲ、もう一人も来やがった」
一方通行「いやいや、俺らにも迷惑かけちゃダメだろ」
麦野「あー、せっかくだし四人で飲みましょうか」
御坂「あ、いいわね、二人だとちょっと寂しかったし」
麦野「あらぁ?私が相手じゃ不満だったかしら?」
御坂「い、いやそういうわけじゃなくて……」
一方通行「おいおい何勝手に決めてやがンだこのアホどもは」
麦野「あ?こんな美女二人が一緒に飲んでやろうって言ってんのに文句あるわけ?」
一方通行「負け犬オーラ全開の美女とかマジ願い下げなンですけどォ」
垣根「つーかオマエら俺らに奢らせるのが目的だろ」
麦野「わかってるじゃない。サイフ寄越してくれるんなら別室のままでも構わないわよ?」
一方通行「マジで脳味噌沸いてンじゃねェかこのババア?
そンなンだからいつまで経っても恋人の一人も出来ねェンだよ」
御坂「ちょっと一方通行……」
一方通行「あ?」
麦野「……」
一方通行「あ……」
麦野「……」ズーン
垣根「ぷふっ!!」ゲラゲラ
麦野「そこ笑うところじゃねぇだろうがよ!!!」
一方通行「チッ、このままじゃ店にも迷惑だし仕方ねェな、一緒に飲むかァ」ハァ
御坂「何か悪いわね」
一方通行「構やしねェよ、最初からそンな全力で拒否りたかったわけでもねェし」
麦野「勿論アンタらの奢りよね?」ニコッ
一方通行「オマエはもォ帰れ」
垣根「まぁそう言ってやんなよ一方通行、麦野だって偶には奢られる立場になってみてぇんだろ」
麦野「ブチコロスぞ」
御坂「それじゃちょっと荷物と飲み物向こうから取ってくるわ」
一方通行「はいよォ」
一方通行「ンじゃァ、四人になったところで改めましてェ」ス
垣根「かんぱーい」カツン
麦野「はい乾杯」カツン
御坂「かんぱーい!」カツン
麦野「アンタらは良く二人で飲んだりしてるわけ?」グビグビ
一方通行「俺と垣根かァ?イヤ、サシで飲むのは相当久々なンじゃねェかな」ズズズ
垣根「会うの自体が二ヶ月ぶりくらいだしな」
御坂「そうなんだ?何かよくつるんでるイメージがあったけど」
一方通行「オマエらの方こそどォなンだ?」
麦野「あぁ、こっちはちょくちょく二人で飲んでるわよ」
御坂「私が愚痴聞かされてるだけな気もするけどねー」アハハ
麦野「あれ、私そんなに愚痴ってる?」
御坂「うん、結構ね。それはそれで面白いからいいけど」クスクス
垣根「あーわかるわかる、愚痴多いよなぁ麦野」
麦野「オマエが私の何を知ってんだ?」
垣根「いや何も知らねえけど……こう、そういうイメージ?」
一方通行「ン、そのイメージは良くわかるわ」
麦野「私そんなイメージなのか……」
一方通行「なンつーか、ストレス溜めてるちょっとくたびれたOLみたいな……」
麦野「バラッバラにされてぇかクソモヤシ」ビキィ
垣根「あぁ、そんなに怒るとまた小皺が……」
麦野「小皺がなんだって?」ピキピキィ
御坂「んー、皆麦野さんの事そんな風にからかうけど、いまいちわからないのよね。
美人だし、別に老けて見えるわけでもないし……」ンー
麦野「美琴大好き」ギュッ
御坂「わわ、ちょっと!?」
垣根「でも最初に麦野の事おばさん呼ばわりしたの御坂だったよね」
御坂「何でアンタがそんな事知ってんの!?」
麦野「あー思い出した、ムカついてきたわ……離れろこのガキ」チッ
御坂「じ、自分で抱きついて来といて……」
一方通行「変わり身早ェなオイ」
垣根「しっかし麦野も丸くなったよなぁ」
麦野「体格が、とか言いやがったらブチコロシ確定だかんな?」ギロッ
垣根「いやいや勿論性格がな?昔は言葉よりも先に原子崩し飛んできてたからな」ククク
麦野「今は殺しやっちゃうと揉み消すのが大変だかんね」
垣根「あ、そんな理由……?」
一方通行「つかオマエの方がよっぽど丸くなってンだろ、初めて会った時の印象がもォ欠片も残ってねェぞ?」
垣根「そっか?暗部にいた頃からプライベートはこんなもんだったけどな」
御坂「一番丸くなったのは一方通行だと思うけどね」
一方通行「ン、俺?」
垣根「確かに、昔は四六時中眉間に皺寄せてたしな」クククク
麦野「とりあえず初対面の相手にはガン飛ばしてたわね」
御坂「二言目には『死ね』だの『殺す』だの物騒な事言ってたし」
一方通行「おいやめろ他人の黒歴史を掘り起こすンじゃねェ」
麦野「こっから先は一方通行だ(笑)」
御坂「これが超一流の悪党だ(笑)」
垣根「スクラップの時間だぜ(笑)」
一方通行「やめてェ!てか何でオマエらそンなに俺の台詞知ってンの!?おかしィだろ!!」
垣根「飲んで忘れろ飲んで忘れろ」トクトク
一方通行「ちくしょォォ……」グビグビ
御坂「そんなに飲ませて大丈夫なわけ?アンタら明日仕事じゃないの?」
垣根「心配するな、なんとかなる。それよりオマエらこそ明日は大丈夫なのか?」
御坂「私は明日講義無いから」
垣根「そういやオマエ大学生だったか。麦野は?」
麦野「私は二日酔いしないタイプだから平気」
垣根「あっそ、羨ましい体質だな。ところでオマエは仕事何やってんだっけ?」
麦野「言ってなかったかしら?第一〇学区で研究者やってるわ。
そっちのモヤシとは学会で何度か顔合わせたけど」
一方通行「……そォだっけ?」ハテ
麦野「おい」
垣根「あー気にすんな、こいつ興味ねえ事すぐ忘れちまうんだ」
麦野「おい!?」
御坂「フォローになってないでしょそれ……」
垣根「ん、おい麦野、オマエそろそろグラス空くんじゃねえか?何か頼むか?焼酎ならあるけど」
麦野「あ、悪いわね、ビール頼んでもらえる?焼酎は後から貰うわ」
垣根「おう、御坂も空きそうだな、何頼む?」
御坂「ん、えっと、オレンジジュースを……」
垣根「……ハ?オマエまさかさっきからずっとジュース飲んでたのか?カクテルじゃなかったの?」
一方通行「えェェ、飲みの席でそれはあり得ないっすよ超電磁砲さァン」
御坂「ちょ、何か一方通行の奴酔っ払ってきてない?」
垣根「オマエら来る前から結構飲んでたからな。それよりジュースはねえよジュースは」
御坂「えぇ、でも……」
麦野「この子まだ未成年だからって頑なにお酒飲もうとしないのよね」
一方通行「あァ、そォいやまだ19だったか?
まァ今時中学生でも酒飲ンでンだし関係ねェだろ、飲め」
御坂「アンタ、一応教育者としてその発言はどうなのよ……」
垣根「とにかく俺らがいる限りジュースなんて飲ませねえぞ」
御坂「うざいわねアンタら……」
一方通行「もォ適当に頼ンじまえよ、そォすりゃ腹括ンだろ」
垣根「だな。すいません生ビール二つお願いしまーす!」
<ハーイ!
御坂「ちょっとぉ!?」
麦野「まぁまぁ、アルコールっていいものよ?」クス
一方通行「いいモンだよなァ」ヘラヘラ
垣根「あぁ、最高だ」ウン
御坂「酔っ払いに囲まれて言われても説得力が全く無いわよ……」
店員「失礼します、生ビール二杯お持ちしました」ガラッ
垣根「どうもー。ほら麦野」ドン
麦野「ありがと」
垣根「ほれ御坂」ドン
御坂「うぅぅ、本当に飲まなきゃダメなの……?ビールって苦いんでしょ?」
一方通行「そンなに苦ェと思った事はねェなァ」
垣根「喉で味わうもんだしな」
麦野「ほら美琴、飲めなかったら私が飲んであげるから、とりあえず一口行ってみましょう?」
御坂「くぅ……一口!本当に一口しか飲まないから!」
麦野「一口で構わないわよ、ねぇ第一位?」ニタ
一方通行「ン?おォ、何だったらグラスに口付けるだけでもいいぜ?」ニヤァ
垣根「オマエら……」クククク
御坂「じゃあ、ちょっとだけ……」チビッ
麦野「今よ第一位!」
一方通行「おォ!秘技・ベクトル強制一気!!」コツン
御坂「うぼぁ!!?」バシュゥ
垣根「説明しよう、秘技・ベクトル強制一気とはグラス越しに酒の流れを操る事で
対象の喉に酒を一気に流し込むという禁断の荒業である」
御坂「ゲホゲホゲホ、な、ゲホ、なんて事、すんのよ!?」ゲホッゴホッ
垣根「ちなみに俺の記憶にある限り、女性に対してこの技が使われるのは今回が初めてです」
一方通行「記念すべき女性第一号だ、良かったなァ」ケラケラ
御坂「いらないわよそんな記念……ウプッ」ゲホゲホ
麦野「美琴大丈夫?はいお水」ス
御坂「うん、ありがと……」ゴク
垣根「おい麦野、それ俺の焼酎」
御坂「ぶはぁ!!何よこれぇぇ!!」ウエェ
麦野「あらやだごめんね?」
垣根「ワザとだろオマエ」クククク
一方通行「アルコール初体験でビール一気の後に焼酎ロック呷るとか超電磁砲さンマジパねェっす」
御坂「アンタらのせいでしょうgウック……」ゴフッ
垣根「御坂かわいそうだし、ちゃんとした飲み物頼んでやろうぜ?」
一方通行「おォおォ、やっさしィねェ」
垣根「紳士ですから」フ
麦野「惜しむらくは優しさを見せるのが遅すぎた点ね」
御坂「アンタら三人末代まで呪ってやる……」ウック
垣根「酒ごときでそんな大げさな……カルアミルク辺りでいいか?」
一方通行「優しいと見せかけてまだアルコール飲ませる気なのな」
垣根「居酒屋のカルアミルクなんざジュースと変わらねぇだろ」
御坂「あの、出来ればソフトドリンクを……」
垣根「そいつは出来ねぇ相談だな、居酒屋でソフトドリンク飲むなんざ神が許しても俺が許さねえ。
すいませーん、カルアミルク一つー!」
<ハーイ!
御坂「あうぅ……」
麦野「まぁまぁ、明日休みでしょ?死ぬにはいい日よ?」ニコッ
御坂「そりゃ休みだけど出かける予定くらいあるわよ……」
一方通行「こンくらいならまだ大丈夫だろォ?オマエの母ちゃンすっげェ酒飲めるし」
垣根「そうなのか?てか母親知ってんの?」
一方通行「おォ、何度か会った事ある。超電磁砲そっくりだぜ?胸はでけェけど」
御坂「ちょいとそれどういう意味よ?」
麦野「美琴の胸はその……ご愁傷様です」ナムナム
御坂「ひど!?私は今からよ今から!!」
垣根「と言いつつもう何年になりますか?」
御坂「く……」ギリッ
店員「失礼します。お待たせいたしました、カルアミルクです」ガラッ
垣根「どもー」
御坂「……何これ?」
麦野「カルアミルク。コーヒー牛乳みたいなもんよ」
垣根「超甘ぇぞ」
一方通行「アルコールもほとンど感じねェしな」
御坂「……」ジロッ
一方通行「なンだよ?こっち見ンな」
麦野「警戒されてるんでしょ、また一気に飲まされるんじゃないかって」
一方通行「あァ?何度もやンねェよ、あれやって面白ェのは一回までだ」
御坂「一度目も面白くなかったわよ!」
垣根「外野は面白かったけどな」クク
麦野「ねぇ垣根、アンタ確か便利屋だったわよね?」
垣根「ん?おぉ何だ、仕事の依頼か?顔見知りだし安くしとくぞ」
麦野「ちょっとねぇ、最近上司がムカついてさぁ、大した実績もないのに威張り散らしやがって」
垣根「ストップ、殺しは引き受けねえからな?」
麦野「殺せなんて言ってないわよ、ただアンタは人間大の荷物を運んで山にでも埋めてくれれば……」
垣根「犯罪の片棒担がせようとすんのはやめて!?うちは健全な仕事しかしないから!」
一方通行「警備員ですが」
麦野「冗談よ冗談、すぐに私の方が上になるんだし、今の内に精々威張らせといてあげるわ」フフ
垣根「一〇学区で研究員の失踪とかあったら間違いなく犯人コイツだからな、注意しとけよ一方通行」
一方通行「黄泉川に言っとくわ、一〇学区付近の警戒厳重にしとけって」
麦野「この私が証拠残すようなヘマやると思ってんのか?」
垣根「マジやめろよ?折角日の当たる世界で暮らせてるんだから……」
一方通行「なァ、もしかして二人で飲ンでる時もこンな感じなのかァ?」
御坂「ん、大体ね……あ、これ本当に甘くて美味しい、カフェオレみたい」ゴクゴク
垣根「お、いい飲みっぷりだな。結構イケる口か?」
一方通行「やっぱ母親譲りの酒飲み因子が遺伝してンじゃねェ?」
麦野「どうかしら、初めて飲む子は自分の限界とか知らないから、調子に乗って飲んでると痛い目見るわよ?」
御坂「大丈夫大丈夫、すいませーんおかわりくださーい!」
<ハーイ
一方通行「あァこりゃ間違いなく調子ぶっこいて死ぬパターンだ」
垣根「いくらジュースみたいだつってもビールより遥かにアルコール度数高ぇしな」
麦野「まぁいい経験になるでしょ」ハァ
垣根「ところで麦野、オマエ同僚に可愛い女の子とかいねえの?」
麦野「あぁ?」
垣根「最近寂しくてよぉ、誰か紹介してくれね?」
麦野「まぁた別れやがったのかテメェ、そんな女取っ替え引っ替えするような奴に紹介するわけねぇだろ」ケッ
垣根「いやーでもそろそろ真剣にやろうと思ってんだよ、次の女は大事にするって」
麦野「テメェのそういう発言ほど信用出来ないものはねぇわ」
垣根「堅え事言うなよ、こっちも男紹介してやっから。そうだ、合コンやろうぜ合コン」
麦野「お断りよ。アンタの紹介する男がマトモなはずがないし」
一方通行「つかもォオマエら二人付き合っちまったらどォだ?第四位ならこの馬鹿の手綱握れるだろ」
垣根「ん、おぉそりゃ盲点だったな。どうだ麦野、俺と……」
麦野「ふざけろ、テメェと付き合うくらいなら美琴とでも付き合うわ」
御坂「何で私!?」
垣根「あーあフラれちまった」ククク
一方通行「おい垣根、アレ使えよ、あの口説き文句」ケケケ
垣根「あ?」
一方通行「ほら、カクテルの話してた時の……」ケケケケ
垣根「あーアレな、いいぜ使ってみるか」ニヤ
麦野「ん?」
垣根「なぁ麦野」キリッ
麦野「……何よ?」
垣根「俺のマドラーで、オマエというカクテルをステアさせてくれないか?(キリッ」
麦野「プハッ!!」
一方通行「ホントに言いやがったよコイツ!」ゲラゲラ
麦野「な、何が口説き文句だ、ただの下ネタじゃねぇか……」クククク
垣根「最高だったろ?」ククク
御坂「え、ねぇ、今のどういう意味?」
一方通行「ン、わからなかったか?マドラーってのはカクテルかき混ぜるスティックの事で、
ステアするってのはカクテル用語でかき混ぜるって意味だ。つまり」
麦野「『俺の棒でオマエをかき混ぜさせろ』、言い換えると『ヤラせろ』って意味になるわね」クスクス
御坂「ウクッ……さ、最悪な口説き文句ね」プクク
垣根「お、御坂も下ネタで笑える程度には成長したんだな」
麦野「そりゃ美琴ちゃんももう20前だし、いつまでも夢見る少女じゃいられないでしょ」
一方通行「古!そォいう古いネタ持ち出すとこがオバサンっぽいンだよオマエ」
垣根「ようやく実年齢が見た目に追いついてきたってのに、中身が相変わらずなぁ……」
麦野「あらあら二人ともグラスが小さくて物足りなそうね?こっちのジョッキに焼酎入れてあげましょうか」トクトクトク
一方通行「おい待てやめろ」
垣根「中ジョッキで焼酎ロックとか何の罰ゲームだよ……」
麦野「オラ、飲めよカスども、私の入れた酒が飲めねぇってか?」ドン
一方通行「おっかねェ……」
御坂「すいませーんカルアミルクおかわりくださーい!」
<カシコマリマシター
麦野「美琴、アンタはもうそんなもんでやめときなさい、アルコール慣れてないでしょ」
御坂「麦野さん心配してくれてるの?やさしーい」ヘラヘラ
垣根「あー、こいつもう明日捨ててるな」
一方通行「飲みなれてねェ奴はこれだから……」
麦野「いいからテメェらは目の前のジョッキさっさと空けやがれ、次作ってやるからよ」
垣根「わーお、この野郎俺ら殺す気満々だよ」
一方通行「勘弁してください、明日は可愛い生徒達が俺を待ってるンです」
麦野「そんなもん知らんわ」
垣根「散々生徒切り捨てる発言してたくせに今更盾にしようとしてんじゃねえよ」
一方通行「腹ァ括るかァ……」ハァ
店員「お待たせいたしました、カルアミルクです」ガラッ
御坂「はいはーい、私でーす」
垣根「あ、すいません氷もらえます?」
店員「かしこまりました」
麦野「それと鮭の塩焼き追加で」
店員「はい」
垣根「相変わらず鮭好きだな」
御坂「凄いわよ、お店選ぶ基準が鮭のメニューが豊富かどうかだもん」グビグビ
麦野「鮭があれば生きていけるわ」
一方通行「もはや中毒だなァ」
垣根「オマエは他人の事言えねえだろ、カフェイン中毒者が」
一方通行「俺の身体は血の代わりにコーヒーが流れてンだよ」
御坂「その割には白いわよねー、コーヒーが流れてるんならもう少し黒くなってもいいんじゃない?」ゴクゴク
一方通行「うっせェ!」
麦野「一本取られたわね第一位」
店員「失礼します、氷お持ちしました」ガラッ
垣根「あざーす」
御坂「すいませんカルアミルクおかわりください」
一方通行「早ェな……」
垣根「急性アルコール中毒だけは気をつけような……
つーかそんな飲んでると太るぞ?カルアミルクはかなりハイカロリーなんだが」
御坂「だーいじょうぶ大丈夫、私って太らない体質だからー」
一方通行「胸はもォちょい太った方がいいンじゃねェか?」
御坂「それセクハラよ?」
麦野「はぁ、第一位といい美琴といい、ホント羨ましい体質よね……」
垣根「オマエはちゃんと努力で維持してんのか?」
麦野「ん、まぁね。飲んだ次の日はしっかり運動して汗流すようにしてるわ」
垣根「それがいい、今からしっかり体型管理覚えとかねえと、
コイツらみてえに体質に甘んじてるたけじゃ将来歳喰ってから絶対太っちまうから」
御坂「大丈夫よー、私は母親も太ってないしー」ヘラヘラ
一方通行「でもオマエの母ちゃン毎日ストレッチやってるつってたぞ?」
御坂「何でアンタそんなに詳しいのよ……」
麦野「熟女が好きなんじゃない?」
垣根「その割には麦野には反応してねえな」
麦野「あ、ごめーん手が滑っちゃった」ブン
垣根「うおっと!おしぼり投げて来んじゃねえよ!」
店員「失礼します。カルアミルクお持ちしました」ガラッ
御坂「はーい」
垣根「なぁ一方通行、オマエも危機感持たなきゃまずいんじゃねえか?
オマエ筋肉なくて基礎代謝低いから将来絶対太りやすくなんぞ?」
一方通行「はァ?万一太っても能力でどォとでもなるわボケ」
垣根「オマエの能力マジチートだな」
麦野「あーブン殴りたくなってきた……とりあえず飲んどけ第一位、ムカつくから」チッ
一方通行「そンなに気になるンなら冥土帰しに脂肪吸引でもしてもらったらどォだ?」
麦野「その手が……」ハッ
垣根「世界有数の名医にそんな下らねえ事させる気かよ」
麦野「下らなくなんてないわよ、成功率100%の脂肪吸引が確立されたらノーベル賞ものよ、多分」
垣根「何賞がもらえるんだよ……」ハァ
一方通行「安っぽくなっちまったモンだなァノーベル賞も」
御坂「はぁ、お酒おいし……」ゴクゴク
麦野「あぁもう、またそんな一気に……」
一方通行「どォなっても知らねェぞ」
垣根「ガキは酒の怖さ知らねえからなぁ」
御坂「うっさいわねぇ、アンタらだってたくさん飲んでるんだからいいじゃん!
それにこれはジュースみたいなもんだって言ってたじゃない」フラフラ
一方通行「俺らは飲み慣れてっからいいンだよ」
垣根「酒の強さは経験が物を言うからな」
麦野「美琴、そんなもんにしとかないと本当に後悔するわよ?」
垣根「もう遅えと思うけどな」
御坂「全く大げさなのよ三人とも、お酒ごときにこの私g……」ビクッ
一方通行「あー、来たか」
垣根「最初は限界が突然訪れるからなぁ」
御坂「~~ッッ!!」プルプルプル
麦野「大丈夫……ではなさそうね」
一方通行「……第四位、トイレまでエスコートしてやれ」
麦野「ったく言わんこっちゃない……行くわよ美琴」ガタ
御坂「」プルプルプル
垣根「当分は酒飲まないだろうな、御坂」
一方通行「一回あァなるとしばらくアルコールの匂い嗅ぐのも嫌になるからなァ」
垣根「ん、オマエジョッキ空いてねえ?ほら、酒入れてやるからよこせよ」
一方通行「いやもォジョッキはいいっての……グラスでくれよグラスで……」
垣根「何言ってやがる、まだまだ飲み足りねえだろ?」トクトクトク
一方通行「あァクソ、この野郎、俺を酔わせてどォするつもりなンですかァ?」
垣根「オマエからそういうネタに走ってくるのは珍しいな……大丈夫か?」
一方通行「ン……多分な、多分。それよりオマエも飲めよ、さっきから減ってねェぞ?」
垣根「あぁ?ちゃんと飲んでるだろうが」
一方通行「さァ、記憶にねェな。ちゃンと飲みますってアピールしながら飲ンでくれねェと……」
垣根「学生コンパみたいなノリやめろっての」
一方通行「はい垣根くンのォ、ちょっといいとこ見てみたいィ~」ケラケラ
垣根「うおぉい!!ジョッキで焼酎一気させるつもりかああ!!」
麦野「ただいま」ガラッ
御坂「……」
垣根「ん、戻ったか……どうだった?こんなん初めてだろ?」ククク
御坂「………うぁぁ…」ウゥ
一方通行「妹達みてェな目になってンぞ」ケラケラ
麦野「はい美琴、水」ス
御坂「……」クンクン
麦野「……大丈夫、今度はちゃんと水だから」
御坂「ん……」ゴクゴク
垣根「命の水ってオチはねえのか?」
一方通行「流石にこのタイミングでそれは酷ェだろ、ちょっと期待したけどよォ」クク
御坂「ぅぇー……ふわふわするぅ……」グラグラ
垣根「おぉっといい感じに左右にフラついてんな」
麦野「でもお酒に強くなる素質はありそうよ?
身体がアルコール拒否っただけで『気持ち悪い』とか『頭痛い』とはあんまり感じてないみたいだから」
御坂「んーまだ飲むー……」
垣根「やめとけ、マジでやめとけ……」
一方通行「限界突破して吐いた直後にまだ飲もうとすンのか、どンだけ酒飲みだよ」
御坂「麦野さんお酒ちょうだい」
麦野「ダーメ、てかこれ焼酎よ?甘くないわよ?」
御坂「この際なんでもいいわ、私はまだ飲めるのー!」キー
垣根「あーこれウザい酔い方してんな……」
一方通行「そォいや母親も絡み酒だったなァ」
御坂「おさけー」
麦野「だーもう!こっちに迫って来るなめんどくさい!!
おい第一位、テメェの能力で美琴の酔い醒ますなり眠らせるなり出来ねぇのか!?」
一方通行「あン?出来っけど……」
麦野「じゃあやれ!酔っ払った状態で動き回られると危ないから!」
一方通行「ンーでも俺もかなり酔ってっからなァ……
演算ミスって超電磁砲が爆発しちまうかも知れねェけどいいかァ?」
麦野「いいわけねえだろうがああああ!!!」
垣根「仕方ねえな、御坂がそんな状態だしそろそろお開きにすっか?焼酎ももうほとんど残ってねえし」
御坂「えー……」
麦野「はいはい美琴ちゃんは大人しく水飲んでてねー。
でも何か悪いわね、飲み足りないんじゃないの?」
一方通行「いやァ十二分に飲ませていただきましたがァ」
垣根「途中から麦野が加わったとは言え、なんだかんだで焼酎の一升瓶空いちまったからな」
麦野「一方通行は結構酔ってるみたいだけど、アンタはまだまだイケるんじゃない?」
垣根「ん、まぁ仕事柄ホストの真似事みたいな事も結構やるしな……
けど一方通行もまだまだイケるぞ?酔うのは早えけど限界値はかなり高かったはずだ」
御坂「私も私もー!」
垣根「もういいって、オマエが飲めるのはちゃんとわかったから……」
麦野「当分この子にお酒は飲ませないようにするわ」ハァ
一方通行「そンじゃお勘定頼むかァ」
垣根「だな。すいませーん、お勘定お願いします!」
<ハーイ!
麦野「勿論奢りよね?」キラッ
一方通行「わァってるからそンなに目ェ輝かせるンじゃねェよ」
垣根「つーか借金持ちの俺らよりよっぽど金持ってるはずだろオマエら」
麦野「細かい事は言いっこなし、男が女の子に奢るのは義務よ義務」
一方通行「女の『子』(笑)」
麦野「んだコラ白モヤシ、表出るか?」
一方通行「まァ今から勘定だしすぐに出ますけどね」
御坂「zzz……」クー
店員「失礼します、伝票お持ちしました」ガラッ
垣根「あいよ、どうも」
一方通行「いくらだァ?」
垣根「2万6千円だとよ。こんくらいなら俺が全額出しとくわ、金集めるのもめんどくせえ」
一方通行「お、いいのかァ?」
麦野「きゃーかっこいい、アンタ今人生で一番輝いてるわよ」
垣根「俺の人生しょっぼいなぁ……」
麦野「これからも輝けるようにどんどん私に貢ぐがいいわ」
一方通行「おい第四位、超電磁砲の世話任せてもいいか?」
御坂「zzz……ウェ……」クー
麦野「あぁ、そのつもりよ。アンタらに任せたら何されるかわかったもんじゃないし」
一方通行「何もしねェよ……」
垣根「さっき爆発させようとしてたじゃねえか。さて、それじゃ出ようぜ」ガタ
一方通行「おォ」
―お外
<アリガトーゴザイマシター!
麦野「それじゃ私は美琴連れて帰るから」
御坂「……zzz」クークー
垣根「ホテルに連れ込んだりすんじゃねえぞ?」ケケケ
麦野「保障は出来ないわね、食べちゃいたいくらい可愛いし」クク
一方通行「肉食女マジおっかねェ……つかオマエ超電磁砲背負ったまま歩いて帰るつもりなのか?」
麦野「まさか、その辺でタクシー拾うわよ」
垣根「地下街から出りゃタクシーの一台や二台転がってんだろ」
麦野「それじゃまたねー」テクテク
垣根「おう」
一方通行「またその内なァ」
垣根「で、どうする?」
一方通行「あ?どォするって?」
垣根「二次会」
一方通行「行くのかよ……」
<ン……
<ア、ミコト、メガサメタ?
垣根「まだ時間結構早えし、まさか俺に奢らせただけで終わりだと思ってたんじゃねえだろうな?」
一方通行「気前良く金出してたのはそォいう算段かよ……」ハァ
<チョ、ムギノサン、オロシテ……
<ハズカシガラナクテモイイワヨ?
垣根「どうしてもきついってんなら無理にとは言わねえけどよ」
一方通行「いや、折角だから付き合ってやンよ」
<ソウジャナクテ、タテニユレテ、キモチワル……ウォェァcrybigsdj(ビチャビチャ
<ギャアアアアアアア!!
垣根「……」
一方通行「……」
垣根「何も聞こえなかったよな」
一方通行「あァ、何も見えなかった」
垣根「さて、それじゃ何処行くかな」
一方通行「ンー、宅飲みにしねェか?店探すのめンどくせェし」
垣根「うん?それでも構わねえが……どっちの家行く?」
一方通行「俺ン家にしようぜ、近ェし途中にコンビニもあるし」
垣根「OK、それじゃ行くか」
一方通行「おォ」
―移動中
一方通行「あァー……」テクテク
垣根「どうした?」テクテク
一方通行「いや、やっぱタクシー使えば良かったなァってな……」ハァ
垣根「歩こうつったのオマエだぞ?」
一方通行「ンー、酔い醒ましになるかと思ったンだが、逆に歩いてて酔いが回ってきちまった……」
垣根「アホかオマエは……」
一方通行「うっせェよ……ン、おい垣根、アレ見ろアレ」
垣根「ん?お、アレは……」
上条「……」ソワソワ
垣根「上条か……何やってんだ?」
一方通行「なァンかソワソワしてやがンなァ……折角だし声かけて行こうぜェ」
垣根「あんまり絡んでやるなよ?」
一方通行「節度は守りますゥ」ケラケラ
垣根「ホントかよ……?」
上条「あーくそ、緊張するなー、久しぶりだもんなー」ソワソワ
一方通行「こォンばァンはァ」バァ
上条「うおぉ!?あ、一方通行!?」ビクッ
垣根「そんなビビるこたぁねえだろ、いくらそいつが不気味なツラしてるからって」
一方通行「誰のツラが不気味だってェ?」
上条「あ、垣根もいたのか……そっか、飲みに行くって言ってたなそういえば」
一方通行「オマエなァンで来なかったンだァ?この俺が直々に誘ってやったってのによォ」
上条「何こいつ、酔っ払ってる?」
垣根「まぁ、ほどほどにな……で、何で来なかったんだ?
さっき『緊張する』だの『久しぶり』だの言ってたのと関係あんのか?」
上条「あれ、聞こえてた?実はそうなんだよ。今からインデックスとデートを……」
一方通行「あァァァァ!!聞いたか垣根ェ!コイツ友人より女選びやがったらしいぞォ!!」
上条「う、うるせーよ!いいだろうが、あいつ今イギリスに一時帰国してるからホント偶にしか会えねーんだぞ!?」
垣根「そうだぜ一方通行、そんなに絡んでやるなよ可哀相に……」グリ
上条「あぐぁ!!と言いつつどうして垣根さんは俺の足を踏んづけてるんでしょうね!?」
垣根「リア充爆発しろ……いや、俺が爆発させてやろうか?去年浜面爆発させた時みてえによぉ……」ギロ
上条「目ぇ怖い目ぇ怖い!!つーか女取っ替え引っ替えしてるお前にリア充とか言われたくねー!!」
垣根「俺も身体だけじゃなくて心の結びつきが欲しいんだよおおお!!!」
上条「知るかああああ!!!お前も酔ってんのかちくしょおおおおお!!!」
一方通行「垣根は静かに壊れるからなァ」クククク
インデックス「お待たせとうまー!!……あれ?」
上条「た、助けてくれインデェェェックス!!!」
一方通行「おォ……躊躇なく女に助け求めやがったよこの野郎……」
垣根「ヘタレが……いや、むしろ普段のヘタレっぷりといざという時とのギャップがいいのか?」フム
インデックス「あー、白い人にていとくなんだよ、久しぶりー!」
垣根「おう、久しぶりー、相変わらず可愛いなぁインデックスちゃん」ニコッ
インデックス「そ、そんなにはっきり言われると照れちゃうんだよ」テレ
垣根「おっと好感触」ニィ
上条「手ぇ出そうとしたらぶん殴るよ?流石の上条さんもマジギレするよ?」ギロッ
垣根「お、おぉ……」ビクッ
一方通行「眼光は衰えてねェな、流石だぜヒーロー……
ところでいい加減俺の事白い人って呼ぶの止めてくれねェ?」
インデックス「ん、え、名前なんだったっけ?」アレ
一方通行「おいィィ!!名前忘れられンのはオマエの持ちネタだろォがァァァ!!!
完全記憶能力どこ行ったァァァァ!!!」
インデックス「じょ、冗談だからそんなに怒らないで欲しいかも!て言うか私の持ちネタって何!?」
上条「酔っ払いの戯言ですから気にしなくていいですよインデックスさん」
垣根「うわ、露骨に冷てえ」
一方通行「ったく、とにかく白い人って呼び方はもォやめろ、最近は白い服あンま着てねェし」
垣根「いやオマエが白いのは肌とか髪だろ」
一方通行「うっせェ」
インデックス「ん、わかったんだよ。白い人の名前は確か……鈴科百合子だったかな?」
上条「ゴフッ」
一方通行「それは去年やった宴会の罰ゲームだろォがァァァァァ!!!!
噴出してンじゃねェぞ三下ァァァァァ!!!!」
垣根「あー、ありゃ笑えたよな、まさか第一位の女装姿が拝めるとは思ってなかったぜ」クククク
一方通行「『帝凍庫クン』なンて自虐一発芸で場を白けさせたボケは黙ってろやァァァァァ!!!!」
上条「グファッ」
垣根「思い出させるんじゃねえええええええ!!!笑うな上条おおおおお!!!!」
インデックス「ご、ごめんね私のせいで、あくせられーたもていとくも落ち着いて欲しいんだよ」ヒクヒク
一方通行「半笑いになってンじゃねェぞクソシスターがァァァァ!!!」
垣根「あぁムカついた、久々にプッツン来たぜクソ野郎!!」
インデックス「ひぃ!」クスクス
一方通行「笑うのか怯えンのかどっちかにしろよ!!!」
上条「そこまでだ!!インデックスに危害を加えようってんなら俺も黙っちゃいねぇぞ!!」カッ
インデックス「とうま……かっこいいんだよ……」
垣根「……一方通行さぁん、俺ムカつく通り越して白けてきたんですけどぉ」
一方通行「マジどォしようもねェなバカップル、酔っ払いよりもテンションおかしいンじゃねェか?」
上条「て言うかね、ホント久々のデートなんでマジでこれくらいにしといてもらえません?」
一方通行「あァー……チッ、まァこンなモンにしといてやるかァ」ハァ
垣根「絡んで悪かったな、でも爆発しろ」
上条「こっちこそ飲みに行けなくて悪かったな。また誘ってくれよ?爆発はしねーけど」
インデックス「私もまた時間が出来たら皆と一緒に遊びたいんだよ」
一方通行「おォ、ンじゃまた誘うわ」
垣根「インデックスちゃんはこっちに長期滞在出来る様なら連絡くれよ?何なら俺個人にでも構わねえぞ?」クク
インデックス「ふぇ?」
上条「その幻想をぉぉぉ……」コォォォォ
垣根「うおっとマジギレ寸前と来たか、逃げるぞ一方通行」タッタッタ
一方通行「ったく、オマエの方が絡ンでンじゃねェか……じゃァまたな」タッタッタ
上条「次はマジでぶん殴るからな垣根ぇー!!」ガー
インデックス「大丈夫なんだよとうま、」
上条「ん?」
インデックス「私はとうま一筋だから、ね?」ニコッ
上条「インデックス……」
インデックス「とうま……」
<インデェーックス!!
<トウマァー!!
垣根「あーあ、お熱いこって、羨ましいねぇ」ケッ
一方通行「あの野郎次会った時はどンなデートしたかみっちり聞き出してやらねェとなァ」
垣根「だな……っと、コンビニ発見。適当に酒とツマミ買ってくか」
一方通行「ンだな、家までもォすぐだしよ」
―コンビニ内
<イラッシャイマセー
垣根「とりあえず缶ビールと……ウィスキーと日本酒でも買ってくか」
一方通行「あァ、日本酒は結構いいヤツ家に置いてっからそれ飲もうぜ」
垣根「お、いいのか?じゃあ後はツマミだな。チー鱈とサラミと……」
???「あら、そこにいらっしゃるのは第一位様ではございませんの?」
一方通行「あァ?おォ、誰かと思ったら白黒じゃねェか、オマエも買い物か?」
白井「白黒という呼び方はいい加減やめてくださいまし……」ハァ
垣根「ん、誰だ?このツインテール」
一方通行「うちの大学の生徒。白井黒子っつー俺の講義取ってる変わりモンだ」
垣根「へぇ、オマエの講義を?この子はどうなんだ?単位取れそうなのか?」
一方通行「おォ、コイツは中々見所あるぜ?中間テストの成績も良かったしなァ、
この調子なら俺の講義で半期に一人出るかどうかの『優』をやれそォだ」
垣根「『優』って事は最高評価か、すげえんだな」
白井「ふふん、当然ですの。お姉さまの顔に泥は塗れませんので」フッ
垣根「お姉さまぁ?」
一方通行「超電磁砲の事。コイツ中学時代からの超電磁砲の後輩らしいンだわ」
垣根「て事は常盤台出身か、それなら優秀なのも頷けるな」
白井「あら、そちらの殿方もお姉さまのお知り合いなんですの?」
垣根「おう、さっきまで一緒に飲んでたしな」
一方通行「あ、馬鹿」
垣根「ん?」
白井「ぬあああああああああああ!!?」
垣根「何事!?」
白井「何故わたくしを誘ってくださらなかったんですの!?あなたお姉さまの何なんですの!?
ようやくあの類人猿との関係が切れたと思ったら、ちくしょう!!!!」
一方通行「落ち着け白黒、何もコイツと超電磁砲がサシで飲ンでたわけじゃねェ、
俺と、もう一人女がいて合計四人で飲ンでたンだよ」
白井「4Pですと!?」
一方通行「うるせェ大声でそンな事言うンじゃねェ」ブン
白井「あだ!?」ゴキン
垣根(ウィスキーの瓶でぶん殴りやがった……)
白井「し、失礼いたしました、少々取り乱してしまいまして……」サスサス
垣根「何なんだコイツ?」
一方通行「超電磁砲の事が好きでたまらねェ年中頭ン中春の馬鹿だ」ハァ
垣根「あー、本職のレズの人かぁ」ウワァ
白井「レズではありませんの、お姉様一筋ですの(キリッ」
垣根「ま、まぁとにかく超電磁砲と俺はただの知り合い程度の関係だから安心しろ、な?」
白井「わかりました、信用させていただきますの……
ただし!次お姉さまと一緒に飲む機会がありましたら、必ずわたくしに一報入れてくださいまし!!」
垣根「あぁ、はい……」
一方通行「なンでこンなに慕われてるのかねェ」
垣根「なー、あんな酔いつぶれてゲロ吐いてた女が……」
白井「お姉さまが吐いていた?それは、どの辺りでですの?座標を詳しく……」ゴクリ
一方通行「流石に待て」
垣根「世界って広えんだなぁ……」
白井「コホン、ところで第一位様、あなた、明日朝一で講義が入っている事を覚えておりまして?」
一方通行「ンだ藪から棒に、覚えてるに決まってンだろ」
垣根「今更真面目ちゃんぶっても遅すぎんぞ?」
白井「やかましいですの!!覚えているんなら結構なのですが、大丈夫なんですの?
失礼ですが随分お酒を召されているようですし、
その買い物カゴを見る限り、まだ飲むおつもりなのでしょう?明日に差し支えないんですの?」
一方通行「あァ、きつかったら明日休講にするわ」シレッ
白井「……それでいいんですの?」
一方通行「いいも悪いも、俺の講義なンだから俺がルールに決まってンだろ」
垣根「よ、大統領!」ケラケラ
白井「こんな適当な方が第一位って、学園都市は大丈夫なんですの……?」
一方通行「それよりィ、白黒さァン、アナタ確かまだ未成年でしたよねェ?」
白井「はい?えぇ、その通りですが何か……て言うかなんですのその喋り方?」
一方通行「それじゃァ、その後ろ手に持ってる買い物カゴに入ってる缶チューハイは何なンでしょうねェ?」
白井「ゲ、い、いえこれは……」
一方通行「俺は悲しいぜェ白黒ォ、優秀なオマエが未成年飲酒なンて重罪を犯してるとはなァ」ハァ
垣根(未成年の御坂に思いっきり酒勧めてたクセに良く言うわ)クククク
白井「あ、あの、でもですね、もう大学生ですし……」
一方通行「元風紀委員がそンな事でいいンですかァ?
あァあ、これじゃオマエに単位上げられないかも知れねェなァ」ハァァ
白井「ちょ、た、単位は関係ないでしょうに!?
わたくしは出席、授業態度、テスト、全てパーフェクトゥですのよね!?」
一方通行「俺の講義は出席一割テスト二割、後の七割は俺の気分で単位出してンだよ(嘘だけど)」
白井「何じゃそらああああああ!!!」
一方通行「はァァ、白黒がこれ以上犯罪犯さないように、ここで愛の鉄拳制裁を加えるしかねェなァ」コキコキ
垣根「おいおい酔っ払った状態で能力使う気か?加減出来ねえだろ、
下手したらこのお嬢ちゃん跡形もなく消し飛ぶぞ」
白井「ヒィィィ!?」
一方通行「……まァただの冗談だ、そンな怯えンな」
白井「め、目が据わっておりましたのよ第一位様……」ハァ、ハァ
一方通行「けどなァ、酒はもちっとバレないよォに買えよ、
見つかったのが俺だったから良かったもののよォ、
他の教授とか生活指導のヤツに見つかってたら面倒な事になってたかも知れねェぞ?」
白井「は、はぁ……いえ、第一位様、あなたの絡み方も滅茶苦茶性質が悪かったと思いますの」
一方通行「ン、やっぱ鉄拳制裁いっとくか?ちょっと地球の自転遅らせてみたりする?」
白井「ちょ、どんだけマジになってるんですの!?殺人!殺人ですのよ!?」
一方通行「大丈夫だ、生徒への愛故の行動だからなァ」クククク
白井「愛があっても犯罪ですのおおおおお!!!」
一方通行「そのセリフは自分に言え。超電磁砲、一時期真剣にオマエの犯罪的なストーカー行為に悩ンでたぞ?」
白井「うぐ……は、反省しておりますの……」
垣根「おい一方通行、そろそろ行こうぜ。さっきから店員さんがカウンターからこっちガン見してやがる」
一方通行「ン、そォすっか。じゃァな白黒、明日講義あるかどうかわかンねェが、飲みすぎるンじゃねェぞ」テクテク
白井「そちらこそ飲み過ぎないようにしてちゃんと講義やってくださいまし!」ムキー
白井「全く、講義をやっている時のお姿はあんなにも凛々しいというのに、
どうしてプライベートだとこうもフリーダムなんですの……?」ハァ
白井「っと、早く買い物を終えて帰らねば、初春や固法先輩達を待たせてしまいますの」
白井「うぅ、固法先輩……あなたが『酒が足りない』などと言い出すからわたくしがこんな目に……
わたくしも飲みますけども……本当に単位取れなかったら固法先輩のせいですの……」クゥ
― とある高級マンション前
一方通行「到着ゥっと」
垣根「このマンションの三階だったか?しかし相変わらずいいとこ住んでんな、流石大学教授、流石第一位」
一方通行「オマエン所も似たようなモンだろうが」
垣根「いやぁ、やっぱワンランク落ちるぜ?ま、一人暮らしだし別にそんなにいい所に住む必要もねえけど」
一方通行「まァ俺もこンな広ェ必要ねェンだがな、立場上あンまりしょべェ所に住むわけにゃいかねェし」
垣根「つか今更だけどオマエの家でよかったのか?」
一方通行「あン?何でだ?」
垣根「だってオマエ、確か彼女と同棲してたろ?」
一方通行「あァ、番外個体の事かァ?」
垣根「そそ、ミサワちゃん。愛の巣に突然押しかけてっていいのか?」
一方通行「気にすンな、番外個体なら死ンだから」
垣根「……え?」
一方通行「言ってなかったか?この前死ンだンだよ、アイツ」
垣根「はぁ!?聞いてねえよ!!つーか、は?マジ?何で!?」
一方通行「……アイツよォ、妹達の中でも特に身体弄くられてたから、
やっぱあちこちにかなり負担かかってたらしいンだわ」
垣根「……」
一方通行「ある日突然『体調悪い』とか言い出してな、精密検査受けさせたンだが……
気付いたときにはもォ遅ェってやつだ、冥土帰しにもどォしようもなかったらしい」
垣根「……マジ、かよ」
一方通行「ン。で、そンまま眠るようにぽっくりとな……」
垣根「……おい、通夜は?葬式は?何で俺には知らせなかったんだよ!?」
一方通行「ン、悪ィ……」
垣根「悪いじゃなくて……何で俺は今の今までそんな重要な事知らなかったんだよ……」ギリ
一方通行「だって嘘だし」シレッ
垣根「…………は?」
一方通行「ごめン嘘、嘘八百、退屈しのぎに今考えた」
垣根「おま……はぁぁぁぁ!?ふざっけんなよボケが!!そういう妙に信憑性のある嘘やめろよ!!」
一方通行「悪ィ悪ィ、ちょっとした茶目っ気ってやつだ」
垣根「あーもう、良かった嘘で……ホントに生きてるんだよな?」
一方通行「おォ、うざってェくれェピンピンしてンよ。
で、話してる間に部屋の前まで着きましたっと丁度いい暇つぶしだったろ?」
垣根「マジで勘弁してくれ、流石に友人の女が死んだ何て話聞いて喜ぶほど外道じゃねえぞ」ハァ
一方通行「悪かったって、ほら、入ンぞ」ガチャ
垣根「酔っ払うと本当に性質悪いねこの子は……」
一方通行「帰ったぞォ」
番外個体「お帰り第一位、飲みに行った割には早かったね」
一方通行「おォ、ちょっと事情があってな、ンで今からうちで二次会だ」
垣根「お邪魔ー」
番外個体「あ、ていとくん連れて来たんだ?やっほう久しぶりー」
垣根「やっほー……良かった、本当に生きてる」ホッ
番外個体「生きてる?何の話?」
垣根「聞いてくれよミサワちゃんよぉ、この馬鹿ひでえんだよ」
一方通行「おいコラ垣根、余計な事……」
番外個体「何々?気になるにゃー」
垣根「一方通行の野郎な、ミサワちゃんが……」
番外個体「はぁぁ、何それ?ミサカが死んだって?へぇぇぇ?」
一方通行「いやあの、ただの冗談でな?」
垣根「冗談だからって彼女殺すのは酷いわぁ」
番外個体「そっかぁ、第一位はミサカに死んで欲しいんだ?」
一方通行「バ、ンな事これっぽっちも思ってねェよ!!」
番外個体「本当はずっとわかってたんだ、第一位がミサカをここに置いてくれてるのはただの同情だって、
他に行くところの無いミサカを仕方なく引き取ったんだって……
ごめんね?わかってたのに、ミサカは今まであなたに甘えてた」
一方通行「ちょっと、番外個体さン?」
番外個体「出て行くね?安心して、もうあなたには迷惑かけないよ。さよなら、ミサカの存在理由……」
一方通行「さーせンっしたァァァァ!!!!俺が悪かったですゥゥゥゥゥ!!!」ガバッ
番外個体「えーどうしよっかなー許してあげよっかなー」ケラケラ
垣根「うわぁガチ土下座だよ……学園都市230万の頂点が、名門大学の最年少教授が、
世界中の研究所から引く手数多の若き天才研究者が……ガチ土下座ですよ」
一方通行「うっせェこらァァァァ!!!」
番外個体「あー、まだ頭上げていいって言ってないよ?出て行っちゃおうかなー」
一方通行「ちくしょォォォォォ……」
垣根「家じゃいつもこんな感じなのか?主導権はミサワちゃんが握ってんの?」
番外個体「いんや、普段はかなり亭主関白って言うか鬼畜な感じだよ。
この人がこんな様になるのはお酒飲んだ時だけじゃないかな」クスクス
垣根「やっぱりそうなのか、酔うと可愛くなるよなコイツ、性質も悪くなるけど。退行するっつーの?」
番外個体「お、わかってるねーていとくん」
垣根「ちなみに酔って無い時にミサワちゃんが『出てく』つったらコイツはどういう反応すると思う?」
番外個体「んー、多分『好きにしろ、どうせ俺無しじゃ生きられねぇ身体だろうが』とか言うんじゃないかな」
垣根「あーそれっぽいな」ククク
一方通行「あのすいませン、そろそろ土下座やめてもいいですかァ?」
番外個体「あ、うんもういいよ、てか忘れてた」
一方通行「はァ……」ムク
垣根「いい土下座だったぜ?」
一方通行「死ね」
番外個体「で、今からうちで飲むの?何かおつまみ作ろうか?」
一方通行「いや、適当にコンビニで買ってきたからいいわ。
それにオマエを台所に立たせるのは不安で仕方ねェ」
番外個体「えー何でよ?ミサカの料理の腕馬鹿にしてんの?」
一方通行「おーおー、ついこの間台所を吹き飛ばした馬鹿の発言とは思えねェなァ」
番外個体「あ、あれは……仕方ないじゃん、突然蜘蛛が出てきたんだから……ミサカ悪くないもん」
一方通行「で、蜘蛛に全力の電撃ぶっ放して台所半壊、と。馬鹿だろ?」
番外個体「うるさいな!二度と手料理作ってあげないよ!?」
一方通行「すいませンでした」
垣根「おーい夫婦漫才やってないでさっさと飲み始めようぜ、俺が寂しいだろ」
一方通行「ン、そォだな……番外個体、オマエも飲むか?」
番外個体「付き合うよ、折角だしね」
一方通行「程々になァ?」
垣根「とりあえず二人ともビールでいいか?」ガサガサ
一方通行「おォ、何でも構わねェよ」
番外個体「やっぱり最初はビールだよね」
垣根「それじゃ、かんぱーい」カン
一方通行「乾杯」カン
番外個体「かんぱーい」カン
垣根「グビ、グビ……っぷはぁー」ケフ
一方通行「おっさンくせェなァオマエ」チビチビ
番外個体「男らしくていいじゃん?第一位は無駄に気取りすぎだよ」
一方通行「うっせェな、そォいう性分なンだよ」
番外個体「てかさ、明日平日だけど二人とも飲んでていいわけ?仕事は?」
垣根「きつかったら休むだけだし」
一方通行「右に同じだァ」
番外個体「いやいや、自由業みたいなていとくんはいいとしてもあなたはダメでしょ?
ミサカのためにもしっかり稼いできてよ」
一方通行「えェェ、仕事めンどくせェ……」
垣根「研究楽しいって言ってなかったか?」
一方通行「研究はいいけど学生連中の相手がなァ……」ハァ
垣根「ところでミサワちゃんは働かねえの?まぁ一方通行の稼ぎなら働かなくてもやってけそうだけど」
番外個体「んー、ミサカも働いてみたいんだけどこの人が働かせてくれないの。過保護にも程があるよねー」
垣根「働きに出ることすら許さねえとかどんだけだよ、ちょっと束縛しすぎじゃねえ?」
一方通行「37回」ボソ
番外個体「え?」
垣根「何の数字だ?」
一方通行「この馬鹿がバイトの面接に落ちた回数。
しかもその度八つ当たりされンだからホント堪ったもンじゃねェっての。
そりゃ『もォ一生働かなくていいよオマエ』とも言いたくなるわ」
番外個体「てへ」
垣根「なるほど……ミサワちゃん口悪いしな」
一方通行「かなァりマシになったけどなァ」
垣根「ちょっと確認しときてえんだけどさ、ミサワちゃんも酔っ払うと御坂みたく鬱陶しくなんのか?」
番外個体「え、お姉様がどうかしたの?」
一方通行「あァ、今日飲み屋にいったら偶々超電磁砲と第四位がいてなァ、一緒に飲ンだンだよ」
垣根「御坂が酒飲んだこと無いっつーから(無理矢理)飲ませてみたんだが、これがまたうざくてなぁ」
番外個体「へー、お姉様とむぎのんも一緒にいたんだ。
んー、ミサカはあんまり酔ったこと無いからどうなるかわかんないや」
垣根「それって実は滅茶苦茶酒に強いんじゃねえ?」
一方通行「いンや、酔ったときの事覚えてねェだけでそンなに強いわけじゃねェ」
垣根「そうなのか?」
一方通行「こいつも酔うとかなりウゼェぞ、その上次の日綺麗サッパリ何も覚えてねェから性質が悪ィ」
番外個体「可愛い可愛い彼女に向かって『ウザい』は酷いんじゃないかな?」
一方通行「いやマジで、オマエを外に酒飲みに連れて行かねェのはそれが原因だから」
番外個体「そんなに酒癖悪い?ミサカ良くわかんないや」
垣根「まぁそういうのは自分じゃわかんねえもんだろ。
で、具体的にはどんな感じになるんだ?」
一方通行「絡むわ、爆笑するわ、プロレス技かけようとするわ……
色々あっけど一番の問題はあれだな、服脱ぐことだ」
垣根「ほう?」ピク
番外個体「うーん……言われて見れば飲んだ次の日は裸で寝てる事が多い気が……
てかあれあなたが脱がしてたんじゃなかったんだ?
ミサカはてっきりミサカの寝てる隙にあなたが色々やってるもんだと……」
一方通行「アホ抜かせ、マグロ相手にする趣味はねェよ、オマエが勝手に脱いでンだ。
だから、絶対外で酒飲むなよオマエ?」
番外個体「や、流石に外だったら脱がないと思うけどなー」
垣根「ふむ、いい事聞いたぜ……これは今日は是非とも飲みまくってもらわねえとな!」
一方通行「垣根くン、死にたいンならハッキリそォ言えば少しは楽に殺してやンよ?」ギロッ
垣根「オマエと良い上条と良い浜面と良い、女の事となるとすぐマジになるな……」
番外個体「別に裸くらい良さそうなもんだけどね、減るもんでもなし」
一方通行「ダメです」
番外個体「んもう、独占欲強いなぁ第一位は」
一方通行「言ってろ、オマエの薄汚ェ身体を世間様に公開しちまうのが申し訳ねェだけだ」
番外個体「その薄汚い身体に散々欲情してるのはどこの誰だったかにゃー?」
垣根「あー何か俺の空気っぷりが酷えなぁ、爆発しねえかなぁコイツら」グビグビ
一方通行「付き合った女の数から言えばオマエが一番爆発すべきだろォが」
垣根「でも俺そんな甘酸っぱいやり取りした事ないし……身体だけの関係ってのは空しいな……」ハァ
一方通行「今間違いなく世界中からオマエに向けて『爆発しろ』コールが入ったと思うわ」
垣根「あーあ、可愛い子と心身ともにイチャイチャしてえ。
真夏にクーラーの無い六畳一間で汗だくになりながらぺたぺたしてえ」ハァ
一方通行「そンな歪ンだ妄想聞かされてもなァ……オマエのマンション、寝室だけで何畳だっけェ?」
番外個体「ねぇ第一位、今度クーラー切ってぺたぺたやってみる?」
一方通行「いや、俺暑いとすぐダウンするし」
番外個体「情けねー!第一位情けねー!!」
垣根「くそ、くそ、見せ付けやがって!飲むぞ!こうなりゃトコトン飲むぞ!!
おい一方通行、日本酒出せ日本酒!いいのがあんだろ!?」
一方通行「ン、おォ……そンな自棄になってガブ飲みするよォな酒じゃねェンだが……」ゴソゴソ
番外個体「この前の貰い物?何か高そうなやつだよね?」
一方通行「実際高ェよ、五合瓶で一万超える酒だしなァ……あったあった」ゴソ
垣根「よし寄越せ」バッ
一方通行「落ち着け、今グラス持って来っから」
垣根「いらねえよそんなもん!」グビグビグビ
一方通行「て、テメェ!純米大吟醸を瓶ごとォ!!?」
番外個体「あっひゃひゃひゃひゃ!良い飲みっぷりだねぇ、かっこいいよていとくーん!」
垣根「おらっしゃああああどんなもんじゃああああい!!!!!」ブハァ!
一方通行「の、飲み干しやがった……馬鹿かコイツ……」
垣根「よっしゃ元は取った!!帰る!俺はもう帰る!!後はオマエら勝手にヤってろボケが!!!」フラフラ
一方通行「なンでいきなりキレてンだオマエ」
垣根「うっせえ爆発しろ!!彼女いる家に来たのが間違いだったわ!!」フラフラ
一方通行「おい待て、そっちベランダだぞ?」
番外個体「ていとくん、いくら天使みたいな羽生えるからって天国に帰るってネタは笑えないよ?」
垣根「飛んで帰るだけだってのバァーカ!!」ガラッ
一方通行「そンな酔っ払ってぶっ壊れた頭でマトモに演算出来ンのか?」
垣根「第二位ナメんな!!余裕じゃボケがあああ!!!」ファサ
一方通行「いやいやいや、何か背中鶏の羽みたいになってンですけどォ!?
飛べンのか?それ本当に飛べンのかァ!?」
垣根「時代は省エネ小型化だろうが!!見てろオラアアアア!!!」
番外個体「あー、せめて玄関からやってもらえないかなぁ?」
垣根「とう!!」バッ
一方通行「飛ン……」
垣根「ああああぁぁぁぁぁぁ………」ヒューン
一方通行「でねェ!!落ちたァァァァァ!!!」ウワァァ
番外個体「クク、うひゃひゃひゃひゃ!!」ゲラゲラ
一方通行「……まァ、多分死ンではねェよな」
番外個体「一階まで拾いに行ってこようか?」
一方通行「いい、俺が行く」
番外個体「え、もやしっ子の第一位で大丈夫なの?ていとくん支えられる?」
一方通行「なンとかなンだろ、多分」
番外個体「不安だなぁ、ミサカが行った方が……」
一方通行「俺が行くつってンだろォ?」
番外個体「……あ、ひょっとしてミサカがていとくん支えたりするのがイヤなわけ?妬いてるんだ?」
一方通行「はァ?どンだけ自意識過剰だよオマエ」
番外個体「うひゃひゃ、素直じゃないなぁ第一位、ミサカが他の男に触るのが許せないんでしょ?」
一方通行「言ってろ言ってろ、とにかく俺は垣根拾って来っから、オマエここ片付けとけ」
番外個体「はいはーい」
一方通行「も、戻ったぞォ……」ハァハァゼーゼー
垣根「ウプ、す、すまねえな一方通行……」
番外個体「おかえりっと、生きてたんだねていとくん」
垣根「何とかな……だが落下の衝撃で酔いが加速して……ゴプッ」
一方通行「あァァァ吐くなよ?絶対吐くなよォ?」
垣根「だ、大丈夫、大丈夫だ……た、頼む、今日泊めてくれ……」
一方通行「あァ、そのつもりだから安心しろ」
垣根「すまねぇ、すまねぇ……ウグッ」ゲホッ
番外個体「どこで寝かせよっか?」
一方通行「一応客だからな、ソファってわけにもいかねェし、俺の部屋で寝かせるわ」
番外個体「それじゃあなたの寝る場所がなくなるよね?どこで寝るつもりなのさ?
ソファ?それともていとくんと同じベッド?」
垣根「グ………zzz」グガー
一方通行「流石にこのボケと同じ布団に入るつもりはねェよ。ソファも身体痛くなるしなァ……」チラッ
番外個体「んー?その視線は何かなー?はっきり口に出してくれないとミサカわかんなーい」
一方通行「……番外個体」
番外個体「なぁに?」
一方通行「オマエがソファで寝ろ、俺はオマエのベッドで寝るから」
番外個体「………あのさぁ、ミサカはあなたのSっぽいところ嫌いじゃないけど、
流石にその発言は無いと思うなー……てかドン引きだよ?別れちゃう?」
一方通行「すいませン調子ぶっこいてました、同じベッドで寝させてください」
番外個体「ミサカと一緒に寝たいんだね?全く、仕方ないなぁ」クスクス
―番外個体の部屋
<グオーグオー……zzz
一方通行「垣根の野郎イビキうるせェなァ、眠れやしねェ……」
番外個体「眠れない理由は他にもあるんじゃないの?例えばミサカがすぐ隣にいるから、とかさぁ?」
一方通行「悪ィ、今日は疲れてっからそォいう気分にはならねェ」
番外個体「チッ、これだからスタミナ不足の白モヤシは……情けないったらないね」
一方通行「てか隣の部屋に垣根いるだろォがボケ」
番外個体「熟睡してるっぽいし大丈夫だと思うけどー?」
<ガーガー……zzz
一方通行「とにかく今日はお預けなァ、今からやってたら明日の仕事に差し支えるっての」
番外個体「あれ、明日仕事行く気なんだ?休みたかったんじゃないの?」
一方通行「二次会でほとンど酒飲まなかったからだいぶ醒めて来たンだよ、
これなら明日は問題なさそォだ」
番外個体「ちぇ、つまんないの」
一方通行「まァ番外個体ちゃンがどォしても行かないで欲しいって言うンなら考えてあげてもいいですけどォ?」
番外個体「えー、本当に……?でも第一位は嘘つきだからなー……」
一方通行「ほら、上手におねだりしてみろよ、ひょっとしたら気が変わるかも知れねェぞ?」クク
番外個体「うぅー……」
<ウプッ、オァ、オロロロrahufha……(ビシャビシャァ
一方通行「ぎゃァァァァァ!!!垣根の野郎俺の部屋で吐きやがったァァァァァァ!!!」イヤァァァ
番外個体「うわ、嫌な音したね……」
一方通行「クソが、ちょっと行って来る!」ダッ
番外個体「あぁうん、行ってらっしゃい」
<ダイジョウブカァ!ウプ、オエァブハァvasdnalh……(ビシャァ
<ゴボボボafjkag……(ビシャビシャ
番外個体「うわぁ、貰いゲロしてる……こりゃ明日は仕事行かずに掃除って事になりそうだね」アーア
<カ、カキ……ゴフ(バタン
<アクセr……グホァ(ガクッ
番外個体「………おやすみー」
―完―
―一方通行の部屋
垣根「ふぁ……ぁ……ん?」パチ
垣根「あれ、えっとここは……」ンー
一方通行「よォ、起きたかこの野郎」
垣根「……寝起きにオマエの顔拝まされるとか何の罰ゲームだよ」
一方通行「テメェ、昨日何やらかしたか覚えててその態度とってンだったら褒めてやンぞ」
垣根「あー……日本酒瓶ごと行った直後から記憶が飛んでる、頭いてぇ」ガンガン
一方通行「まァあンだけ飲めばそりゃな……」
垣根「で、何で俺はパンツ一丁なんだ?何があった?」
一方通行「オマエの服は洗濯中だ馬鹿。何あったかくらい想像つくだろ」チッ
垣根「酔い潰れてオマエん家に泊めて貰ったってのはわかるが……
飛んだ記憶、パンツ一丁の俺………一方通行、まさかオマエ酔っ払った俺を無理矢理!?」ヒィ
一方通行「おい」
垣根「ゴムは!?ちゃんとゴムは使ったのか!?」
一方通行「……朝っぱらから飛ばしてンなオマエ、まだ酔ってンのか?」ハァ
垣根「正直酒が抜けきってねえ」
一方通行「あンだけ吐いてやがったのにか……布団とカーペットは買い替えコースだぞコラ」
垣根「あー、やっぱ吐いちゃったのね俺……すまん、その辺は弁償するわ」
番外個体「ねー!朝御飯出来たよー!」オーイ
一方通行「ン、あァすぐ行く!……つーわけで朝飯だ、行くぞ」
垣根「いや、俺パンツ一丁のままで?」
一方通行「今更気にしてンじゃねェよ、ゲロまみれで寝てたオマエから
服剥ぎ取って洗濯機に放り込ンだのは番外個体だぞ?」
垣根「そりゃ半ば不可抗力だろ、流石に素面で女の前に裸で出るってのは抵抗あるわ」
一方通行「はァ……ンじゃ適当に俺の服着るか?」ガサゴソ
垣根「オマエの服なんて入るわけねえだろ、俺はオマエと違って結構身体鍛えてんだぞ?」
一方通行「ジャージなら何とかなンだろ、ほらよ」ポイ
垣根「オマエがジャージなんか持ってるってのが驚きだよ」
一方通行「うっせェさっさと着ろ、そンで飯にすンぞ」
垣根「おぉ……」モゾモゾ
一方通行「着れそうか?」
垣根「あぁ、なんとかな……でもこれ……」モゾモゾ
一方通行「あン?」
垣根「ピッチピチのパッツンパッツンだ、マジでオマエどんだけ細いの?
子供用のジャージとかじゃねえよなコレ?」ピッチリ
一方通行「うわァ、ジャージがタイツみたいになってやがる……」
垣根「この格好反って恥ずかしい気がすんだが……」
一方通行「うっせェ自業自得だろォが、さっさと行くぞ」
垣根「ちくしょう……」
―居間
一方通行「待たせたなァ」ガラッ
番外個体「おっそーい、冷めちゃうよもう!」
垣根「おはようさん」
番外個体「ていとくんおっはー……ってその格好は何?朝っぱらから受け狙い?」プププ
垣根「着るもんなくてさ、一方通行のジャージ借りたんだが……」ピッチリ
番外個体「この人の服を?無茶するね、ミサカでも着るのきついってのに」ククク
垣根「こんなに締め付けてくるジャージは生まれてこの方初めてだよ、
コイツ本当にもう少し肉付けないと早死にするぞ?」
番外個体「でも憎たらしい事に何食べても全然太らないんだよねこの人」
一方通行「高カロリーなもん作っても太るのはオマエだけだもンなァ」クククク
番外個体「は、はぁ!?ミサカ太ってないし!体重全然変わってないし!」
一方通行「ンなに必死に否定すっと逆に怪しいぜ?」
番外個体「うぐ、ほ、本当に昔から変わってないから……」
一方通行「まァそォいう事にしといてやンよ」ケケケケ
番外個体「くっそう、あなたなんて油飲んでりゃいいんだよ油……」
垣根「つーかミサワちゃんも御坂と同じで太らない体質なんじゃねえの?」
一方通行「超電磁砲の事は知らねェが、こいつの体質はあくまでも『太り辛い』くらいのもンだからなァ、
『全く太らない』俺とは比べ物になンねェよ」
垣根「オマエ本当に罪な身体してやがるな、解剖したら新しいダイエット酵素でも見つかるんじゃねえか?」
番外個体「解剖……」スチャ
一方通行「おい包丁構えンな、俺の身体ン中には何もねェからな?
ンな事より飯にすンだろ、冷めちまうぞ」
番外個体「おっとそうだった。はいていとくん、お箸」ス
垣根「俺の分も作ってくれたのか、サンキュー」
一方通行「俺は作らなくてもいいつったンだけどな」
垣根「イジメかコラ!?」
番外個体「ひゃひゃひゃ、第一位は嫉妬深いからねー、
ミサカの手料理を独り占めしたいんだよ、きっと」ケラケラ
一方通行「うン」
番外個体「えっ」
一方通行「その通りです、オマエが心込めて作ったモンを垣根くンに食べさせたく無かったンです」
番外個体「え、えぇ、ほ、本気で!?そ、そんなにミサカの事……
て、ていとくん、やっぱり食べちゃダメ!」
垣根「えー……」
一方通行「いやただの冗談だから、食っていいから。
本気で皿取り上げようとすンなよ可哀想に」
番外個体「う゛ー……第一位はそうやってすぐミサカの事からかうんだから……」プク
一方通行「膨れンな膨れンな、悪かったって」クククク
垣根「好きな子につい意地悪したくなっちゃうみたいな感じか?見せ付けやがってクソッタレめ……」
一方通行「まァぼちぼち食い始めようぜ、折角作って貰ったモンが冷めちまうのは勿体ねェからな」
垣根「トーストにスクランブルエッグにウインナー、サラダ、コーヒー……
こんな人間らしい朝食は久しぶりだよ」イタダキマス
一方通行「油断すンな、このスクランブルエッグは多分卵焼きの失敗作だ」
番外個体「ち、違うよ!最初からスクランブルエッグにしようと思って作ったよ!」
垣根「仮に卵焼きの失敗作だとしても美味けりゃ問題ねえ」モグモグ
番外個体「だから違うってば!」
一方通行「しかし、人間らしい朝食久しぶりって普段何食ってンだオマエ?」
垣根「朝はシリアルとかカロリーメイトで済ませちまう事が多いんだよ。
どうせ俺が一人で食うだけだと思うとわざわざ朝から何か作るのは面倒でなぁ」ハァ
番外個体「あーわかるわかる、自分だけだと思うとつい手抜きしちゃうよね、
ミサカも第一位がいない時は簡単なものしか作らないもん」
垣根「ところで朝飯はいつもミサワちゃんが作ってんの?」
番外個体「基本的にはね、偶にこの人が気紛れで作ってるけど」
垣根「いいなぁ、俺にも誰か毎日朝飯作ってくれねえかなぁ」ハァ
一方通行「そンなにいいモンでもねェぞ?台所吹っ飛ばされる事もあるしな」ケケケ
番外個体「まだ言うか!」サッ
一方通行「あ、てめ、ウインナー取るンじゃねェよ」
番外個体「フンだ!ちょっとしたミスをしつこく責めようとする第一位が悪いんだよ!」ムシャムシャ
一方通行「台所半壊はちょっとしたミスじゃ済まねェだろ……」
垣根「イチャつくの止めろよ!ますます彼女欲しくなるじゃねえか!」
一方通行「作りゃァいいじゃねェか、いつもみたく街で適当な女に声かけてよォ」
垣根「いやそういう女落としても結局身体の関係だけになっちまうしさ」
番外個体「何気に最低最悪な発言だよね、それ」
垣根「なんつーの、もっとこう、分かり合いたい、俺の心の闇を理解して欲しい、みたいな……」
一方通行「いい歳して『心の闇』とか言ってンなよ馬ァ鹿」
番外個体「ていとくん何も考えてなさそうだけど心に闇なんて抱えてたの?」
垣根「酷えなオマエら……」
一方通行「そォいや垣根、さっきオマエの寝てる間に携帯鳴ってたぞ」
垣根「あ、マジで?誰だろ」ゴソゴソ
一方通行「5分おきくらいに」
垣根「鳴りすぎだろ!?怖えよ!」
番外個体「ヤり捨てた昔の彼女とかじゃないのー?」クスクス
垣根「後腐れねえ別れ方してるはずなんだが……ん、何だコイツからか」
一方通行「誰だ?」
垣根「俺ん所の従業員。何の用だろうな……ってあれ、今何時?」
番外個体「10時だよ」
垣根「やっべ、もうそんな時間かよ!アイツが5分おきに電話かけて来てるワケがわかったわ……」
一方通行「なンだ?」
垣根「うちさ、朝は9時から仕事始めるのよ。んで仕事場の鍵は俺しか持ってねえの」
番外個体「つまり従業員さんはこの暑い中一時間も待ちぼうけって事だね」
垣根「あーやべえ、そういや仕事休みにするかもって伝えんのすっかり忘れてたな……」
一方通行「結局休みにすンのか?今からでも行ってくりゃいいじゃねェか」
垣根「めんどくせえし二日酔い気味で頭痛えしこんな服装だし休みでいいだろ、もう」
番外個体「どっちにしろ従業員さんにはちゃんと謝っておきなよ?」
垣根「あぁ、そうするよ、ちょっと電話かけ直すわ」カチカチ
prrrr!prrrr!prrrr!ガチャ
垣根「あ、もしもし俺だけdうおぉ!?いきなり大声出すんじゃねえ!!」キーン
垣根「悪かったって、うん、全面的に俺が悪い。だけどもう少し声のトーン落としてくれ、頭に響くんだよ……」
垣根「あぁ、ちょっと飲み過ぎてな、さっきまで寝てて……
あ?いや女絡みではねえよ、いやマジで、つーか別にオマエには関係ねえだろ」
垣根「あん?何ブツブツ言ってんだ?……まぁいい、そんなオマエに朗報だ、何と今日は仕事が休みです」
垣根「『は?』じゃなくて、休み。うん、頭痛えからあんまり動きたくねえ。
給料はちゃんと出すから安心しろ」
垣根「はぁ?迎えに来る?俺を?どんだけ仕事熱心だよオマエ……
何でちょっと怒ってんの?普通小躍りして喜ぶとこだろ、休みだつってんだから大人しく休んでろよ」
垣根「それに俺今家にいねえし、あぁ、知り合いの家に泊めて貰って……だから女じゃねえって」
垣根「誰でもいいだろうが、何でそんなに俺の居場所知りたがるんだよ?
そんなに俺に会いたいのか?俺の事好きなの?」
垣根「……はいはいそんなわけないね、わかってます調子に乗ってましたスイマセン。
まぁそんなわけだから今日は仕事休みな、ハーブアナイスデーイ」ピ
一方通行「……」
番外個体「……」
垣根「ふぅ……ん、何だ二人揃ってこっち見て」
番外個体「ていとくんさ、本当に彼女欲しいの?」
垣根「当たり前だろ、誰か紹介してくれるのか?」
一方通行「……その従業員はダメなのかァ?」
垣根「は?……考えた事もなかったな。けどアイツは誘いに乗ってくれそうにねえし無理だろ。
今だって俺の事好きでも何でもねえつってたし、それに公私はしっかりわけねえとな」ウン
番外個体「ていとくんってさぁ……」
垣根「ん?」
番外個体「アホだよね」
一方通行「馬鹿だよな」
垣根「何故に……」
一方通行「本気でわかンねェンなら大馬鹿だ」
垣根「うっせえボケ、つーかオマエは仕事どうしたんだよ?大学教授様がサボりか?」
一方通行「誰かさンが吐き散らかした後始末してたせいで行きそびれたンですけどォ?」
垣根「正直すまんかった」
一方通行「ケッ、もォオマエはうちじゃ飲ませねェからな」
垣根「でもあれ目の前でイチャついたオマエらも悪いよね?そりゃ独り身の俺は自棄酒したくもなるっての」
番外個体「この人は場を弁えないからね、ミサカも困っちゃうよ」クスクス
一方通行「あァ?場を弁えねェのはオマエの方だろォが。
なンならしばらく指一本触れねェでやろォか?どっちが先に根ェ上げるか見物だなァオイ」
番外個体「えー……」
垣根「もういいってオマエら、朝からお腹一杯だよちくしょう、胸焼けしそうだ。
自分の家だったら壁ぶん殴ってるところだぞ」
番外個体「あ、そうだ第一位、」
一方通行「あン?」
番外個体「危うく忘れるところだったけど、今朝の分でコーヒー豆のストック切れちゃったんだ。
暇そうだし買ってきて貰えない?」
一方通行「暇そうだし行って来い垣根」
垣根「このピッチリジャージ姿でか?そりゃちょっと鬼畜過ぎやしないかね一方通行さんよ」
番外個体「自分でコーヒー豆選ばないと納得しないくせにどうして他人に行かせようとするかなぁ」
一方通行「……垣根をここに残して行くのが不安で仕方ねェンだよ」
番外個体「あれ、ミサカの事心配してくれてるんだ?」
垣根「いや待ってどんだけ信用無いの俺!?友人の女に手ぇ出す程腐ってると思われてんのか!?」
一方通行「コイツいい女だからなァ」
垣根「サラッと惚気てんじゃねえぞコラ、誓って指一本触れねえからさっさと行って来い」
番外個体「ついでにお昼ご飯の材料も買ってきて貰えるかな?」
一方通行「ン、何作ンだ?」
番外個体「何がいい?」
垣根「ハンバーグが食べたいです」
一方通行「ビックリするほど図々しいなァオマエ」
番外個体「いいじゃん、第一位も好きでしょハンバーグ」
一方通行「まァ嫌いじゃねェよ。ンじゃ適当に材料買って来るわ」
番外個体「行ってらっしゃい」
垣根「気をつけてな」
―大型スーパー
一方通行「さァてどれにすっか」
一方通行「この時期はアイスコーヒー多くなるから深煎りに……いやでも俺ホット好きだからなァ」ウーン
???「あれ、一方通行?」
一方通行「あ?なンだ結標じゃねェか。久しぶりだな、何やってンだオマエ」
結標「何やってる、はこっちのセリフよ。あなたどうしてこんな時間帯にスーパーにいるわけ?仕事は?」
一方通行「ちょっとばかし事情があってな、今日はサボったンだよ」
結標「他人に物を教える立場の人間がサボり?相変わらずどうしようもないわね」ハァ
一方通行「っせェな、オマエこそ仕事はどォしたンだよ?一九学区で研究者やってたはずだろ?
なァンでこンなとこにいやがンだ?」
結標「あら、私が何の仕事してたか覚えててくれたのね。でも残念、その仕事はやめちゃったわ」
一方通行「はァ?」
結標「どうにも研究職って肌に合わなくてね……肩は凝るし目は疲れるし」フゥ
一方通行「肩も凝らねェ目も疲れねェなンて仕事は中々ねェだろ、そンな簡単にやめちまって良かったのか?」
結標「当面の生活に困らないだけのお金は持ってるしね、
つまらない仕事にすがり付いて時間を無駄にするなんてごめんよ」
一方通行「ふゥン、てことはオマエ、今ニートか?」ククク
結標「な、ち、違うわよ!仕事はやめちゃったけどちゃんと新しい仕事に向けて勉強してるわ!
働く意思を持たないニートなんかと一緒にしないでもらえる!?」
一方通行「ほォ、新しい仕事に向けてって事はやりてェ事はあるわけか、
何目指して勉強してンだ?何なら教えてやろォか?」ケケケケ
結標「教授だからって調子に乗って……あなたに教わることなんて何も無いわよ」フン
一方通行「そいつは残念だなァ、で、何になりてェンだオマエ?」
結標「……言ってもいいけど、笑わない?」
一方通行「目標に向かって努力してる人間嘲笑う程ガキじゃねェぞ?」
結標「いやそういう事じゃないんだけど……まぁいずれ分かる事だろうしいっか」
一方通行「あン?」
結標「あのね、私が目指してるのは……」
一方通行「目指してるのはァ?」
結標「しょ、小学校の、先生……」
一方通行「……ウワ」
結標「な、何よその顔?て言うか小声で『うわ』何て言わないでよ!」
一方通行「警備員ですが、ちょっと詰め所までご同行願えますかァ?」
結標「ちょ、ちょっと何でよ!?意味がわからないわ!!」
一方通行「犯罪を未然に防ぐのも俺らの仕事なンでェ……」
結標「犯罪なんてしないわよ!何言ってるの!?」
一方通行「いやもうオマエが小学校の教員目指してる時点で犯罪だろ、
前から怪しいとは思ってたがまさかガチだったとはなァ、神妙にしろこのショタコン女」
結標「しょ、ショタコ……ち、違うわよ!!私はショタコンじゃないわ!!」
一方通行「それは嘘だろ」
結標「そ、そりゃどっちかって言うと年下の方が好きだけどさ、そんな小さい子に欲情するわけないじゃない!」
一方通行「……」
結標「何よその目……違うったら……」
一方通行「ンじゃ何で小学校の教員なンて目指してンだよ、
正直オマエがそンなモン目指す理由なンてそれ以外思い付かねェぞ?」
結標「それしか思い付かないって、あなたの中で私はどれだけ汚れキャラなわけ……?」
一方通行「世界の声だ」
結標「わけがわからないわ……いい一方通行?あなたに昔かかってたロリコン疑惑と同様、
私のショタコン疑惑も根拠の無い言いがかりよ。私はそんな歪んだ性癖は持ってないわ」
一方通行「わかったわかった、そォいう事にしといてやンよ」
結標「何か腹立つわね……」
一方通行「ンで、なンで教員目指してンだ?」
結標「……言わなきゃダメ?ちょっと恥ずかしいんだけど」
一方通行「やっぱショタ……」
結標「あーもう、言うわよ!言います!言えばいいんでしょ!」
一方通行「仕方ねェな、聞いてやる」
結標「あのね、まだ前の仕事やってた時なんだけど、偶々一三学区を訪ねる機会があってね、」
一方通行「……一三学区って小学校とか保育園ばっかの学区だろ?偶々訪ねる機会なンてあンのか?」
結標「置き去りに関係する仕事だったの!どれだけ私の事ショタコン扱いしたいのよ!?」
一方通行「悪ィ悪ィ、続けてくれ」
結標「とにかく、それで大勢の子供達を観察したんだけど、その時の何人かが昔の私と似てたのよ」
一方通行「昔のオマエ?」
結標「そ、昔の私。あなたにぶん殴られる前の私と言い換えたほうがわかりやすいかしら?」
一方通行「その節はどォもすいませンでしたねェ」
結標「子供達の何人かは自分に宿った力の大きさに怯え、それを忌み嫌い、
子供ながらに自分が力を得た理由を探そうと必死になっていたわ」
一方通行「ふゥン?」
結標「けれどね、やっぱりそんなもの簡単に見つかるわけないのよ。
私だってまだはっきりとした答えを得たわけではないもの。
でも、それでも答えを模索する彼らを見て、私はこう思ったの」
一方通行「……」
結標「あぁ、何て可愛らしいんだろうって……」
一方通行「おい」
結標「……失礼、この子達が道を誤らないように導いてあげたいと思ったの」
一方通行「本音漏れてた本音漏れてた!オマエやっぱただのショタコンだろ!?」
結標「ち、違うわよ失礼な!あの子達が私と同じ過ちを犯さないように手助けしてあげたいだけよ!!」
一方通行「でも『可愛い』とか思ったンだろォ?」
結標「お、思ったけど、それは母性愛的な感じのそれよ!あなたの想像しているような歪な感情じゃないわ!」
一方通行「もォどォでもいいわ、ただ捕まるような真似だけはすンなよ?
知り合いが性犯罪で捕まったとなると俺の世間体にも響くからなァ」
結標「あなたの世間体なんか知ったこっちゃないし既に最悪だと思うけど、
とにかく私はショタコンじゃないし道を踏み外すつもりもないわ」
一方通行「そうであって欲しいモンだなァ」
結標「ふん、見てなさいよ、立派な教師になって見返してあげるんだから」
一方通行「ま、精々頑張るこったな、教師になれたら祝いの席でも設けてやるからよォ」
結標「そう、楽しみにしてるわ……土御門と海原にはしばらく黙っててね?
あいつらが私が教師を目指してるって知ったらあなた以上に鬱陶しく絡んで来そうだから」
一方通行「ン、そォだな……特に土御門は他人をからかうのが生き甲斐みてェなとこあるからな。
オマエが無事教師になるまでは黙っててやンよ」
結標「そこまでは言ってないけど、まぁお願いね?それじゃ私はそろそろ行くわ」
一方通行「おォ、じゃァな」
一方通行「……昔の俺ならこの場で土御門と海原にメール回してただろォなァ、
我ながら随分と大人になっちまったもンだ」
一方通行「っと、買い物買い物……コーヒー豆はこれにすっか」
???「よう、奇遇だな!」
一方通行「えーっと昼飯の材料は挽肉と玉ねぎとォ……」
???「相変わらず白いなあお前は!ちゃんと日に当たってるか!?」
一方通行「挽肉は合挽きか牛のどっちに……牛でいいか」
???「最近暑いからな!お前が萎びてないかどうか心配だったが元気そうでなによりだ!」
一方通行「ジャガイモ安ィな、ポテトサラダでも作るか」
???「どうした?ひょっとして耳が聞こえないのか?ふむ、それは困ったな……」
一方通行「ワインでも買ってくか、どうせやる事ねェし昼間から飲ンでも誰も文句言わねェだろ」
???「元気ですかああああああ!!!!?」
一方通行「だああァァァァ!!!耳元で叫ンでンじゃねェよボケがァァァァ!!!」
???「はっはっは、元気そうだな、よかったよかった!!
しかし耳が遠くなったんじゃないか?病院行って来い病院!」
一方通行「意図的に無視してたンだよ馬鹿!
この暑いのにオマエみたいな暑苦しい野郎の相手してられっか!!」
???「最近暑いよな!今度鍋焼きうどんでも食いに行こうぜ!」
一方通行「もォいい、オマエとマトモな会話が成立するとは思っちゃいねェ……
で、何だ?何か用か、削板」
削板「うん?別に用はないけどな、見覚えのある白くて細いのがいたから声をかけてみただけだ」
一方通行「そンならもォいいな?俺買い物で忙しいから、サヨウナラ」テクテク
削板「昨日は飲みにいけなくて悪かったな!寂しかったろ!?」
一方通行「お蔭様で平和な飲み会……でもなかったか、まァ気にすンな、つーかついて来ンな」
削板「それよりお前真昼間からこんな所でどうしたんだ?仕事はいいのか?クビにでもなったのか?」
一方通行「相変わらず他人の話を聞かねェ上に失礼極まりねェクソ野郎だなオマエは、
この俺がクビになンざなるワケねェだろ、事情があって休ンだンだよ」
削板「そうかそうか、そりゃ悪かったな!俺も今日は学校が何かの記念日で休みでな!
根性出して料理にでも挑戦してみようと思って買い物に来たんだ!」
一方通行「あァそォ、別に聞いてねェけどな……ン、学校休みって、オマエまだ学生だっけ?」
削板「違うぞ!教師だ!!前にも言っただろう!?長点上機で教鞭を振るっているぞ!!」
一方通行「あァそォだったな……しっかしオマエが長点で教師かよ、世も末だなァオイ」
削板「根性ねえヤツが多くてな!鍛え甲斐があるぜ!!」
一方通行「そォいや今年の長点出身の生徒は妙に暑苦しいのが多かったが……オマエの仕業か」ハァ
削板「お前は大学教授だったよな!?どうだ、楽しいか!?」
一方通行「一々大声で喋ンな、まァ研究はそれなりに楽しくやってンよ、生徒の相手はだりィけどな」
削板「そういえばお前、もっと警備員の方にも顔出せよ!黄泉川さんも寂しがってたぞ!」
一方通行「話に脈絡がねェってレベルじゃねェな……
警備員に顔出したくねェ理由の数割はオマエが担ってンだよボケ。
つーかオマエがいれば大抵の事件は一発で解決出来ンだろォが、文字通り一発でよォ」
削板「最近の犯罪者どもは根性無くてな、能力使うまでもないぜ!」
一方通行「能力使わずに徒手空拳でレベル4クラスの犯罪者捕縛出来ンのは警備員の中でもオマエくれェだよ」
削板「鍛えれば誰にでも出来る!そんなわけでお前ももっと鍛えたらどうだ?捗るぞ!」
一方通行「ムキムキの俺なンざ気持ち悪ィだろ」
削板「確かにな!!」ハッハッハ
一方通行「即答で肯定してンなよボケが。それに俺はどンだけ食っても肉つかねェから鍛えようがねェンだよ」ハァ
削板「難儀な体質だな、俺だったら自殺してる」
一方通行「哀れみの目で見ンじゃねェ、そこまで深刻じゃねェだろ……」
削板「とりあえずササミと卵白とプロテインで生活してみたらどうだ?それなら多分少しは筋肉が……」
一方通行「どこのボディビルダーの食生活だよそりゃァ……」
つーか家に客来てるし本当にそろそろ買い物に戻りてェンだが」
削板「ん、そうか!それじゃ俺も買い物に集中するかな!!
じゃあな!また飲み会誘ってくれよ!!」
一方通行「あァ、気が向いたらなァ」
削板「今度飲み比べでもやろうぜ!!」
一方通行「だァれがオマエみてェなウワバミとやるか!オマエ樽酒一人で飲み干すような化物だろォが!!」
削板「ハッハッハ!そりゃ残念だ!!」
一方通行「ったくあの馬鹿は相変わらずだな……」ヤレヤレ
一方通行「っと、さっさと買い物して帰らねェと、垣根の馬鹿が何かやらかしてるかも知れねェ」イソイソ
―一方通行宅
一方通行「戻ったぞ……ン、靴が増えてる?」
番外個体「お帰りー」
垣根「よう、遅かったな」
一方通行「ちょっと知り合いに会ってな、話し込ンでたンだよ。
それより靴が増えてンだけど誰か来て……」
???「お帰りなさーい!」
一方通行「……打ち止め?」
打ち止め「久しぶり、今日休んだって聞いたから遊びに来たよー!」
一方通行「……」ツカツカ
打ち止め「?」
一方通行「おい」ヒュン
打ち止め「あ痛!」ビシ
一方通行「おい、おい、おい、おい」ヒュンヒュンヒュン
打ち止め「痛い痛い痛い痛い!やめて、チョップしないで!何するのー!?」ビシビシビシビシッ
一方通行「『何するの』じゃねェだろ、オマエ学校はどォしたンだ学校は」
打ち止め「き、今日は学校お休みなの!ってミサカはミサカは涙目で頭を庇いながら説明してみたり……」
一方通行「休みィ?………そォいや削板の馬鹿が長点は今日何かの記念日で休みだとか言ってやがったな」
打ち止め「削板先生に会ったの?……て言うかそれならもっと早く思い出してよ」ヒリヒリ
一方通行「悪ィ悪ィ、あの馬鹿の発言は基本的に聞き流す事にしてンだよ、許してくれ」ナデナデ
打ち止め「ふにゃ……も、もう子供じゃないんだから撫でないでよ!」
一方通行「ン、そォか、そりゃまた悪かったな」
番外個体「……」
垣根「ミサワちゃん顔すっげえ怖えんだけど」
一方通行「ン、どォした番外個体、そンな初めて会った時みてェな顔して」
番外個体「別に……それより買い物はちゃんと出来た?
あなたはコミュ障的な部分があるから心配だよ」フン
一方通行「買い物くれェ出来るに決まってンだろ、つか何でオマエも怒ってンだ?ほら、機嫌直せよ」ナデナデ
番外個体「そ、そんな撫でられたくらいで機嫌が直ると思ったら、お、大間違いだよ!」
一方通行「いっつもこれで機嫌直ってンだろォが」ナデナデ
番外個体「あうあう……」
打ち止め「……」ムスッ
垣根「難儀だな一方通行……俺よりもオマエの方が先に刺されるんじゃねえか?」ヤレヤレ
一方通行「そォ言や垣根、オマエ着替えたんだな」
垣根「おう、いつまでもあの姿は流石にどうかと思ってな、能力でサクッと乾かしたわ」
一方通行「ン、じゃァ帰ってもいいぞ」
垣根「おいいぃぃ!?それはあまりにも酷えんじゃねえか!?」
一方通行「だって昼飯の材料三人分しか買ってねェしよォ、こン中で誰の分削るかつったらオマエの分だろ」
垣根「俺一応お客さんだよな!?」
番外個体「まぁまぁ第一位、あんまりていとくんイジメちゃ可哀想だよ?
冷蔵庫にもある程度食材入ってるし、それ使えば四人分のお昼ご飯くらい作れるでしょ」
打ち止め「そうだよ、それにご飯は皆で食べたほうが美味しいよ!」
一方通行「チッ、感謝しろよ垣根」
垣根「ミサワちゃんと打ち止めちゃんにはな、オマエにはしねえよ」
番外個体「とりあえず買って来た物は冷蔵庫に入れててもらえるかな?まだお昼の準備するにはちょっと早いしね」
一方通行「へェへェ」
垣根「いやそれにしても、久々に見たが打ち止めちゃんも随分成長したな」
打ち止め「ど、どこ見ながら言ってるの!?」
垣根「胸」
打ち止め「即答!?」
番外個体「あー、でっかくなったよねぇ、本当に信じられないくらい育っちゃったよね。
ミサカも小さいわけじゃないけど……んー、羨ましいな」
打ち止め「うぅ、で、でもこれのせいで何だか最近お姉様が冷たいんだよ?」
一方通行「超電磁砲は会う度に血の涙を流さンばかりの勢いで睨ンでやがるからなァ。
妹達の中で打ち止めが一番スタイル良くなるなンざ誰が予想したよ?」
垣根「群を抜いてるよな」
打ち止め「あ、あんまり見ないで、恥ずかしい……」
※打ち止めちゃんの外見はあの成長予想図まんまな感じです。
他の面々はあまり大胆な外見上の変化はありません。
垣根「御坂と打ち止めちゃん、同じDNAなのにどうしてこんなにも差がついちまったんだろうな?」
一方通行「慢心、環境の違いってかァ?
しっかし超電磁砲はオリジナルのクセに一番貧相な身体してンじゃねェ?」
番外個体「あーいけないんだ、第一位が暴言吐いてたってお姉様に言いつけてやろっと」
一方通行「やめろ、アイツ妹達と比較されるとマジでキレてうぜェから」
打ち止め「でも何も特別な事なんてしてないのに、どうしてミサカだけこんなに育っちゃったんだろ?」
垣根「実は第一位様が夜な夜な能力で打ち止めちゃんの胸を……」
打ち止め「ふぇ!?」
一方通行「アホか」
番外個体「え、第一位そんな事出来るの!?」
一方通行「食い付いてンじゃねェよ馬鹿、知るか馬鹿、やった事ねェしやろォとも思わねェよ馬鹿」
番外個体「馬鹿馬鹿言わないでよ酷いなぁ。
あなたの為にちょっとでもスタイル良くなりたいっていうミサカの気持ちも汲んで欲しいもんだね」
一方通行「俺は素のままのオマエがいいンだよ」
番外個体「はぅあ!?」
打ち止め「……」チッ
垣根「……こいつら見ててちょっとムカつくよな」
打ち止め「偶にイラッと来ちゃうよね……く、ミサカだって初期の設定年齢がもう少し高ければ……」
垣根「そういえば打ち止めちゃんはあの長ったらしい喋り方やめたのか?」
打ち止め「長ったらしい喋り方?」
垣根「『ミサカはミサカは~』ってやつ」
打ち止め「さ、流石にこの歳でそれは恥ずかしいし、極力出さないように気をつけてるの。
まだ偶に出ちゃって困ってるんだけど……」
垣根「無理に直さなくてもいいんじゃね?可愛いと思うけどな」
打ち止め「そ、そうかな?」
一方通行「馬鹿言え、今はまだいいかも知れねェが、
だからこそ今の内に直しとかねェと将来とンでもねェ事になるだろォが」
番外個体「30にも40にもなって『ミサカはミサカは~』って言ってたらドン引きってレベルじゃないからね」クククク
打ち止め「う、うるさいなぁ!もう絶対あんな喋り方しないよ!ってミサカはミサカは……ハッ」
垣根「あらやだ可愛らしい」
一方通行「……まァ焦らなくていいからゆっくり直して行こうな?」
打ち止め「うぐぐ……」
番外個体「さて、そろそろお昼の準備しようか」スッ
打ち止め「あ、ミサカも手伝うよ!」トテトテ
番外個体「んー?お客様なんだしゆっくりしてて構わないよ?」
打ち止め「あの人に手料理を食べさせるチャンス、みすみす逃すミサカだと思ってる?」ニヤリ
番外個体「……まだ諦めて無いんだ?このミサカに張り合おうって?
うひゃひゃひゃひゃ!面白い、受けて立つよ!」
垣根「おーおー盛り上がってるねえ、全く罪な男だよオマエは」
一方通行「うっせェな、罪の数ならオマエの方が上だろォが」
番外個体「お待たせ、ご飯出来たよー」
打ち止め「出来たよー」
垣根「おぉ、やっぱ女の子の作った料理は見た目から違うな。男が盛り付けるとこうはいかねえ」
一方通行「そォか?俺も結構盛り付け方とか凝るぞ?」
番外個体「あなたは変なところ繊細だからねぇ、人生疲れたりしない?
ていとくんみたいもっと大雑把に生きてみてもいいんじゃないかな?」
垣根「ミサワちゃん何か俺の事すげえいい加減なダメ人間だと思ってない?」
打ち止め「え、違うの!?」
垣根「わーお打ち止めちゃんの方が反応しやがったよちくしょう。
ちょいと第一位さん、あなたの教育どうなってるんですかね?」
一方通行「安心しろ、教育通りだ」
垣根「マジファックだなオマエ」
番外個体「そんな事いいからそろそろ食べようよ、料理してたらお腹空いちゃった」
垣根「そんな事扱い!?」
打ち止め「皆手を合わせてー!」パン
「「いただきまーす」」
打ち止め「このポテトサラダとコーンスープはミサカが作ったんだよ
ってミサカはミサカはここぞとばかりに猛アピールしてみたり!……あっ、また……」
一方通行「へェ、うまく出来てるじゃねェか。オマエもちゃンと料理出来るようになったンだなァ、
ピーラーも満足に使えなかったあの頃が嘘みてェだ……」ジーン
打ち止め「そ、そんな何年も前の事を持ち出さないで!」カァー
番外個体「ねね、ハンバーグ食べてみてよ第一位、ミサカの自信作だよ」
一方通行「ン、確かにこりゃイケるな、いつもより気合入ってンじゃねェか?」モグモグ
垣根「俺がいるからだな」フ
一方通行「あ?」ピク
垣根「あ、冗談です」
番外個体「ふふん、身の程知らずにも張り合ってくるガキんちょがいたからね、
ついつい本気出しちゃったよ。ちょっと大人気なかったかにゃー?」
打ち止め「ぐぬぬぬぬ、た、確かに美味しいけど……
ミサカがハンバーグ作ればもっと美味しいものが出来るもん!
今度はミサカの最高傑作を持ってくるんだから!」
番外個体「はん、大きく出たもんだねぇ!言っとくけどこの領域に達するには10年は修行が必要だよ?」
打ち止め「実年齢何歳だっけ!?」
垣根「……なぁ一方通行、ちょっとオマエ爆発させてもいいかな?割と本気で」
一方通行「なンだオマエいきなり……」
垣根「しっかしいいよなぁオマエは、毎日毎日こんな美味いもん食えるわけだろ?」
一方通行「晩飯は俺が作ることも多いけどなァ」
打ち止め「み、ミサカだったらあなたに食事作らせるような真似しないよ!
毎食全部あなたの食べたいもの作ってあげる!」
一方通行「いや俺料理すンの結構好きだし」
打ち止め「ちくしょう……」
番外個体「ぷぷぷ、ざまぁないね!てかていとくんは料理とかしないの?
結構要領良く何でもこなせそうなイメージなんだけど」
垣根「全くしないってわけでもねえけど、どうしても外食とかコンビニ弁当が多くなっちまうな。
一緒に食べてくれる相手でもいりゃあ別なんだろうけどよ」
一方通行「て事はオマエ、朝はカロリーメイトとかシリアルで昼も夜も外食かコンビニ食なのか?
そンな生活してっと身体壊すぞ?」
垣根「オマエに身体の心配される日が来るとは思ってなかったよ……
どう見てもオマエの方が不健康な外見してんだろ」
一方通行「うるせェよ」
垣根「ま、そう心配してくれなくても大丈夫だぜ?
最近昼は従業員が俺の分まで弁当作って来てくれてっから、多少は健康的な食生活送れてんよ」
番外個体「……その従業員って、今朝の電話の?」
垣根「そうだけど?つーか従業員そいつ一人しかいねえし」
番外個体「えっと、その子とていとくんの関係は?」
垣根「雇用主と何かと口煩い従業員A」
番外個体「ダメだコイツ、はやくなんとかしないと……」
一方通行「ンだ、オマエも十分羨ましい生活送ってンじゃねェか。こっち昼は大学の食堂だぞ?」
打ち止め「そ、それならミサカがあなたのお弁当を作って……」
一方通行「いや食堂で他の教授とか生徒と一緒に過ごす時間も結構大事だから。
同じモン食ってるとなンか連帯感生まれたりするしよ」
打ち止め「ちくしょう……」
番外個体「ミサカがやってない事ってね、結構やってないなりの理由があるんだよ?」
垣根「いやぁ、弁当作って来てくれんのはありがてえんだが、ぶっちゃけアイツあんまり料理上手くなくてな、
健康的なのはいいけど正直コンビニ弁当の方が美味いから困る」
一方通行「作ってもらってンのにそれか……」
番外個体「今世界中の女がていとくんの敵に回ったんじゃないかな」
打ち止め「ドン引きだよ」
垣根「それにレパートリーも少ないしな、ちょっと飽きてきた」
一方通行「オマエ死ンだ方がいいンじゃねェ?」
番外個体「リクエストでもしてみたら?こんなのが食べたーいって」
垣根「あぁこの前してみたぜ?ハンバーグ入れてくれって」
番外個体「ていとくんハンバーグ好きなの?今食べてるハンバーグもていとくんのリクエストだよね」
一方通行「こいつ自身が一回ハンバーグみてェな状態になってっからな、親近感湧くンじゃねェか?」ケケケ
打ち止め「食欲なくなるような事言わないでよ……」ウゥ
垣根「ハンバーグにした張本人が他人事みてえに笑ってんじゃねえよ……
んでリクエストしてみた結果だけどな、調子乗んなってキレられちまった」
番外個体「あらま相手も素直じゃないね」
垣根「まぁ何か次の日の弁当にはハンバーグ入ってたけどな。
俺に言われてアイツも食べたくなったのかね?」ウーン
一方通行(……惚気てるようにしか聞こえねェけど
コイツ多分本気で相手の好意とかに気付いてねェンだろォなァ)
番外個体(いるよねぇ、身近な相手をそういう対象に見れなくてアプローチに一切気付かない人……)
打ち止め(相手の人は不憫だな、ってミサカはミサカは自分の境遇と照らし合わせてみて
自分は更に望み薄な状況にいるんだって絶望してみたり……)
垣根「どうしたオマエら?三人揃ってそんな微妙そうな顔して」
一方通行「なンでもねェよ、ただオマエは下手したら上条以上に鈍感なクソ野郎だって思っただけだ」
番外個体「女遊びしてるくせにねー……」
打ち止め「ミサカはその従業員さんを応援するよ」
垣根「何のこっちゃ」
一方通行「うン?つーかちょっと待て、オマエ毎日弁当作って来てもらってンのに
今日何の前触れもなく休みにしやがったのか?オマエの分の弁当どォすンだよ……」
垣根「さぁ?晩飯にでもするんじゃね?」
番外個体「うわぁ」
打ち止め「うわぁ」
一方通行「オマエ……いや、もォいいわ」
垣根「あぁ?」
打ち止め「前からちょっと思ってたんだけど、あなたとていとくんって何処となく似てるよね」
一方通行「あ?」
番外個体「第一位とていとくん?そうかな?」
垣根「あーでも偶に言われるぜ?見た目とか全然違うのに何か雰囲気が似てるって」
一方通行「……」
垣根「多分あれだ、学園都市の深い闇と絶望を知るものにしか出せないオーラ的なものが……」
一方通行「俺は悲しいぜ打ち止め……
オマエはいつからそンな他人の痛みがわからねェ子になっちまったンだ?」
打ち止め「え、え?」
垣根「おい」
一方通行「『垣根と似てる』なンて人に向けて言っていい言葉じゃねェぞ?二度と言うンじゃねェ」
打ち止め「う、うんわかった、ごめんなさい」
垣根「オマエ何?俺の事嫌いなの?俺のガラスのハートが今すっごい傷ついたよ?
そして打ち止めちゃんも納得して謝ってんじゃないよコラ、俺に謝りなさいって」
番外個体「くくくくく……ひゃひゃひゃ……」プルプル
垣根「こっちはこっちですっごい肩震わせてるやがるしな!何だオマエらちくしょう!!」
一方通行「オマエは弄られてこそ輝くキャラなンだよ」ポン
垣根「クソ、テメェだって酔っ払ってる時は散々弄られてるくせによ……」
番外個体「第一位は酔っ払うと可愛いからねー」クスクス
打ち止め「え、そうなの?か、可愛いんだ……見てみたいな」
一方通行「打ち止めにだけは見せらンねェ……」
垣根「昨日なんかゲザってたからな、あの姿は打ち止めちゃんにはショック強すぎんだろ」クククク
一方通行「お、馬鹿!余計な事言うンじゃねェよ!」アセ
打ち止め(この人何やったんだろう……げざってたって何?
ってミサカはミサカは聞きなれない単語に首を傾げてみたり)
番外個体「まぁあんな姿見せられたら普通は100年の恋も冷めちゃうよね」
垣根「あれ、ミサワちゃんも冷めちゃった?おーおー、可哀想になぁ第一位さん」ケケケケ
一方通行「うっれしそうな面ァしてやがンなテメェ……」
番外個体「安心しなよ第一位、ミサカは普通じゃないからさ、あの位じゃあなたを見捨てたりしないよ」
一方通行「知ってンよボケが」
打ち止め「……」チッ
垣根「あークソ、見せ付けやがって……何なのオマエら?前からそんなにラブラブだったっけ?」チッ
一方通行「ンや、昔はそりゃもう険悪だったぜ?コイツ口悪かったしなァ」
番外個体「口悪かったのはお互い様でしょ?」
打ち止め「今がラブラブだって言うのは否定しないんだね、
ってミサカはミサカは頬を膨らませながら指摘してみたり」
垣根「まぁまぁ落ち着け打ち止めちゃん。そんで具体的にどんな感じに険悪だったんだ?
ちょっと聞かせろよこの野郎」
一方通行「別に聞いても面白くねェと思うが……そォだな、例えばまだ黄泉川ン家に厄介になってた頃……」
―回想
一方通行「……おい、何やってやがンだオマエは」
番外個体「はぁ?見てわかんないの?あなたの目はガラス玉か何かなのかな?」
一方通行「わかりたくねェってのが本音だな。とにかくどけ、邪魔だ」
番外個体「本当に心が狭いよねあなたは。どうしてミサカがこんな事してるのか聞いてくれてもいいんじゃない?」
一方通行「……チッ、理由なンざ想像つくが一応聞いといてやる。
なァンでオマエは俺の膝の上に座ってやがンだ?重てェンだよボケが」
番外個体「女の子に向かって重たいだなんてデリカシーの欠片もないね。
理由なんて決まってんじゃん、あなたの嫌がる姿が見たいからだよ」
一方通行「あァ全く予想通りの答えだな、俺が実力行使に出ねェうちにさっさとどきやがれ」
番外個体「実力行使?へぇ、その枯れ木みたいなほっそい身体で何が出来るのかな?
それともまさかとは思うけどか弱い女の子相手に能力使っちゃったりするつもりなの?
あなたって能力なかったら本当に何も出来ないよね。ぎゃはははは!」
一方通行「うっぜェ……能力名がそンまま通称になってる人間に対して今更何言ってンだ。
俺から能力引いたら何も残らねェって事くれェとっくに承知してンだよ」
番外個体「あーあ開き直っちゃって、みっともないったらありゃしない」ケケケ
一方通行「何とでも言え。つーかいい加減にしねェとマジでふっ飛ばすぞ?
こンな状態黄泉川達に見られたら何言われるかわかったモンじゃねェだろォが」
番外個体「まぁミサカの目的はそれなんだけどね?」
一方通行「はァ?」
番外個体「外面取り繕うタイプのあなたがこんな姿を誰かに見られたら一体どんな顔するのか、
想像しただけで涎が垂れちゃいそうだよ」ニヤニヤ
一方通行「もォいい、わかったからどけ」トン
番外個体「あた!」ドテン
一方通行「ったく、ろくな事考えねェなオマエは」チッ
番外個体「酷いなぁ突き飛ばすなんて、もうちょっと丁寧に扱って欲しいもんだね」ヨッコイセ
一方通行「……おいなンでまた俺の膝の上に座ってンだよ!?」
番外個体「ケケケ、今からあなたはミサカの椅子だから、一生ミサカの尻に敷かれて過ごすといいよ」
一方通行「はァ、椅子ねェ?いいぜェ、審問椅子って知ってっかァ!?」
垣根「おいこらちょっと待て、何処が険悪だ?膝の上に恋人乗っけて仲良く口喧嘩してるだけじゃねえか!!
惚気てんじゃねえぞクソ野郎!!」ダン
一方通行「あァ?全然惚気話じゃねェだろ」
番外個体「いやぁ、他人の口から昔の自分の事聞くのは恥ずかしいね」
打ち止め「ねぇていとくん、あなたの能力で壁みたいなものって作れないの?
ってミサカはミサカはとっても壁パンしたい気分」
番外個体「……壁パンなンて言葉どこで覚えたのさ」
打ち止め「この前芳川が恋愛ドラマ見ながら呟いてたから意味を教えてもらったの」
一方通行「芳川ァァァァァァ!!!!!」
※壁パン……壁パンチ、いわゆる壁殴り。
主に独り身の人間が惚気話などを聞かされた際、やり場の無い怒りをぶつける為に取る行動。
「クソッ、また壁殴っちまった……」
番外個体「あ、そう言えば第一位、ハンバーグの材料と一緒にワインも買ってきてたみたいだけど、
昼間から飲んだくれるつもりだったの?」
一方通行「あァ、どォせ今日は予定もねェし軽ゥくやろうと思ってたンだが、」
打ち止めもいるしまた今度にしとくかァ」
打ち止め「み、ミサカの事なら気にしなくてもいいよ?
酔っ払ったあなたを見てみたいし、ミサカもちょっとだけ飲んでみたいし……」
一方通行「なァに言ってやがンだ、オマエまだ高校生だろォが!
未成年がアルコールに手ェ出そうとしてンじゃねェ!」
垣根「昨日未成年の御坂に強制一気させた鬼畜が何か言ってやがる」
打ち止め「えー、お姉様ばっかりズルいよ!ミサカもあなたと一緒にお酒飲みたい!」
一方通行「チッ、何も二十歳まで我慢しろとは言わねェから、せめて大学生相当の歳になるまでは待て。
そン時になったら酒くれェいくらでも付き合ってやっからよ」
打ち止め「むぅー……約束だよ!今いくらでもって言ったからね!?
ってミサカはミサカは念押ししてみたり!!」
一方通行「ン、おォ……ってかオマエさっきから結構その口調出てンぞ」
番外個体「まったく、あなたはまた安請け合いして……」
一方通行「あン?妬いてンのか?」ククク
番外個体「知らない!」フン
打ち止め「むぅー……」
垣根「あー、ところで一方通行、酒といえば今晩暇か?」
一方通行「……おい、二日連続で飲みに行く気か」
垣根「いいじゃねえか、ちょっとくれえ。明日土曜だし仕事はねえだろ?」
一方通行「いやまァ、仕事はねェけどよォ……」
垣根「あぁ?」
一方通行「……」チラッ
番外個体「どうしたのこっち見て?もしかしてミサカの事気にしてる?」
一方通行「まァな、二日も連続でオマエほっぽらかして飲みに行くってのは流石になァ……」
番外個体「はぁ、そんな事気にしなくていいのに……行きたいんでしょ?
ていとくんと会うのも久しぶりなんだし、行ってきなよ」
一方通行「ン、だけどよォ……いいのか?」
番外個体「あなたは普段鬱陶しいくらいミサカにべったりなんだからさ、偶には羽伸ばして来なって。
ま、その代わり土日はしっかりミサカの為に尽くして貰うけどねー」ククク
一方通行「すまねェ……わかった、土日はオマエの言うことなンでも聞いてやる」
番外個体「覚悟しきなよー?二日酔いだから、とかいう言い訳は聞かないからね?」
一方通行「おォ、わかってる。つーわけで垣根、飲みに行けるぞ」
垣根「よし打ち止めちゃん、未元物質で壁作ったぞ!いくらでも打って来い!」
打ち止め「クソッ、また壁殴っちまった……
ってミサカはミサカは満身の力を込めてていとくんの作った壁をぶん殴ってみたり!!」ドン!
垣根「いい拳持ってやがる」フフ
一方通行「おいコラ妙な真似させてンじゃねェ!
打ち止めもやめろ!そンな事やってっと負け犬根性が染み付くぞ!」
垣根「あーはいはい飲みに行けるんスね第一位さん、そりゃようございました」ケッ
一方通行「何だオマエ……」
打ち止め「いつか!絶対!ミサカもあなたと一緒にお酒飲むんだから!!
ってミサカはミサカは!壁を連打しながら決意を固めてみたり!!」ドンドンドン!
垣根「そんじゃ昼飯食い終わったらまた適当に声かけてみるか」
一方通行「今日は誰か捕まるといいンだがなァ」
垣根「はぁ……」
一方通行「チッ、明日休みだし今日はもっと集まると思ってたンだがなァ……」
垣根「くっそアイツら、この俺の誘いを何度も断りやがって……」
一方通行「まさか、浜面しか釣れねェとは思わなかったぜ」ハァ
垣根「浜面一匹増えたところでなぁ……」
一方通行「その言い方は流石に酷ェだろ。まァ浜面も適当に声かけてみるつってたからそれに期待しようぜ」
垣根「アイツの求心力なんざ高が知れてるだろ」
一方通行「たった一人しか釣れなかった俺らの言えた事じゃねェけどな」
垣根「つーかミサワちゃんと打ち止めちゃんも連れて来りゃ良かったのによ」
一方通行「アホ抜かせ、打ち止めは未成年だし番外個体は酔い方最悪だって説明しただろォが。
つーか彼女連れて飲み会来るなンざ嫌味になっちまうだろ」
垣根「それもそうか……」
浜面「おーっす一方通行、お待たsげぇ!垣根もいやがんのか!?」
一方通行「言ってなかったっけか?」
垣根「テメェ俺の顔見ていきなり『げぇ!』たぁどういう了見だ?喧嘩売ってんのか?」
浜面「だってお前と一緒に飲むとろくな事ねぇもん!」
垣根「何だオマエ、まだ去年爆発させた事根に持ってんのか?」
浜面「いや根に持たない方がおかしいよね!?死ぬかと思ったぞあれ!!」
垣根「めんご」
浜面「出ました出ました!全く心のこもってない謝罪ですよ!!て言うか既に俺の方見てすらねぇ!!」
垣根「そもそもどうして俺が頭下げなきゃならねえんだ?」
浜面「開き直ったぁーー!?」
一方通行「ところで浜面、オマエ誰か誘えたか?」
浜面「ん、おぉまぁ一応な」
滝壺「ひさしぶり」ヒョコ
垣根「……」
一方通行「……」
浜面「……え、何その目?」
垣根「友人との飲み会に彼女同伴とかオマエふざけてんの?爆発する?汚い花火やっちゃう?」
浜面「だ、だって一方通行が適当に誘えつったし!?」ヒィ
滝壺「ごめんね、お邪魔だった?」
垣根「あーいや、オマエはいいんだよ。悪いのはぜーんぶ浜面だ」ウン
一方通行「浜面、オマエこれ終盤爆発する事決定したよォなモンだぞ」
滝壺「あんまりいじめないであげてね?」
垣根「安心しろ、命までは取らねえよ」
浜面「生命の危機レベルの事はするんですね!?」
垣根「つーかオマエ、まさか彼女誘っただけとは言わねえよな?他にも誰か来るんだよな?」
浜面「あ、あぁ、そりゃ勿論だ、流石にそこまで空気読めないわけなじゃねぇよ」
一方通行「まァオマエのつながりで来るヤツなンざ想像つくけどなァ」
麦野「やっほ、待たせたわね」
一方通行「やっぱりな」
垣根「ま、確かに想像通りなところか」
滝壺「むぎの、久しぶり」ニコ
麦野「そんな久しぶりでもないでしょ、一ヶ月くらい前に会ったじゃない。
おい浜面ぁ、滝壺泣かせるような真似してねぇだろうなぁ?」ギロ
浜面「天地神明に誓ってしておりません!!」ビシッ
麦野「ならいいけどねー……そんでテメェら二人、昨日はよくも逃げやがったな?」
一方通行「あ?昨日?なンかしましたっけェ?」
麦野「すっとぼけてんじゃねぇぞモヤシ」
垣根「あー、御坂がオマエに背負われながらやっちゃったアレか……あの後どうなったんだ?」
麦野「最悪だったわ!!あんな状態じゃタクシーにも乗れないし、家まで背負って帰ったわよ!!」
一方通行「そりゃまたご苦労様でしたァ」クククク
垣根「一段と足腰が鍛えられたことでしょうな」フム
麦野「垣根、テメェは今日殺す、確実に殺す」ギロ
浜面「そうだ麦野やっちまえー!!」
麦野「ついでに浜面も殺す」
浜面「何故に!?」
滝壺「大丈夫だよはまづら、むぎの威を借りようとして失敗したそんな情けないはまづらだけど、
それでも私ははまづらが大好きだよ」
浜面「情けなくてごめんな滝壺、俺もっと頑張るから……」
垣根「……」イラッ
麦野「……」イラッ
一方通行(浜面が今日自分の足で歩いて帰る事はねェンだろォなァ)ヤレヤレ
垣根「んで浜面が誘ったのは滝壺と麦野の二人か?ならそろそろ……」
浜面「いや待ってくれ、すぐもう一人来るはずだ」
???「超その通りです!この私を置いて行こうだなんてそうは問屋が超卸しません!」
一方通行「あァそりゃまァ旧アイテムの連中がこンだけいて、コイツがいねェわきゃねェよなァ」
???「皆さん超お待たせしました、真打登場ですよ」フフン
垣根「この声は絹旗か……どこだ?声は聞こえるのに姿が見えねえぞ」キョロキョロ
絹旗「ここ!超目の前にいるじゃないですか!?あなたの目は超節穴ですか!!」
垣根「うん?……あぁホントだ、いた。悪ぃ悪ぃ、小さ過ぎて見えなかったわ」ククク
絹旗「相変わらず超ムカつきますねこんにゃろう」チィ
垣根「オマエは相変わらず超ちっせえな」
絹旗「超なんだと!?」
麦野「おら垣根そんなもんにしとけ、あんまり絹旗いじめるんじゃないわよ」
垣根「あぁ?ただの挨拶じゃねえか」
絹旗「挨拶代わりに他人のコンプレックス超刺激するなんてどんな育ち方してやがってるんですか」
浜面「垣根の性格の歪み方は育ち方とかじゃなくて生まれつきなんじゃないか?」
垣根「おいおいあんまり調子乗ってんじゃねえぞはぁまづらぁ?」
浜面「ごめんなさい!」
絹旗「やっぱり浜面は超ダメ面ですね……滝壺さん、こんなんが彼氏だと超苦労しませんか?」
滝壺「大丈夫、私ははまづらの事が大好きだから。それに若い内の苦労は買ってでもしろって言うし」
浜面「苦労してるってのは否定してくれないんですか!?」
一方通行「浜面の立ち位置はこの先何年たっても変わンねェンだろォなァ」ククク
絹旗「一方通行も超久しぶりです、相変わらず超白くて超細いですね」
一方通行「はン、女から見ると羨ましいだろ?
ところでオマエは今年から中学生だったか?ご入学おめでとうございますゥ」
絹旗「だ、誰が超中学生ですか!?私はもう超大学生ですよ!?」
垣根「……え、マジで?もうそんななるんだっけ?オマエ外見変わらな過ぎじゃね?
初めて会ったときから何一つ変わってないだろ」
一方通行「二五〇年法……完成してやがったのか……」ゴクリ
絹旗「あんたら二人超久々に会ったと思ったらホントに超失礼ですね!?ちゃぁんと成長してますから!!」
麦野「え?」
浜面「マジ!?」
滝壺「成長、してるの?」
絹旗「え、えぇ!?皆まで超何なんですか!?わ、私だって超大きくなってるんですよ!!」
浜面「いやいや……いや、いやいや……どこら辺が?」
麦野「頻繁に見てるから成長に気付かない、とかそういうレベルじゃないでしょこれ」
滝壺「きぬはた、本当に大きくなったの?身長伸びてるの?」
絹旗「伸びてますよ!超伸びてますよ!!あと浜面は超死ね!!」
一方通行「初めて会った時はオマエまだ本物の中学生だったよなァ?
あれからどンくらい身長伸びたンだ?」
絹旗「え……う……さ、3cmほど……」
浜面「な、なるほど3cmか、いやぁ随分伸びたなぁ」ハハハ…
絹旗「超白々しい!」
麦野「安心しなさい絹旗、私はそんなに伸びてないわ」
絹旗「それ超フォローになってないですから!麦野はもう成長止まってたでしょうに!!」
麦野「あ?」ピキ
絹旗「……超ごめんなさい」
垣根「しかし3cm……リリパットかオマエは」
絹旗「言うに事欠いて超リリパット!?」
滝壺「妖精みたいで可愛いって事だよきぬはた」
絹旗「私そんな超ポジティブにはなれません……」
一方通行「リリパットって妖精の類だったか?」
垣根「いや、そもそもの元ネタのガリバー旅行記では緑色の服着たおっさんみてえな小人だったと思うが」
絹旗「超ひでえ!!」
麦野「はいはい、一通り再会も分かち合ったしそろそろ行きましょうか」パンパン
絹旗「私がそっちのアホ二人に超馬鹿にされただけな気がしますが!」
垣根「浜面はともかく滝壺の事アホ呼ばわりは酷えだろ」
一方通行「頑張ってオマエの事フォローしてたじゃねェか」
絹旗「お前ら二人の事だああああ!!!!」
浜面「ろくでもないコンビネーションだなこの二人は……」
滝壺「見てて飽きないよね」
絹旗「く、早く行きましょう!飲みの場で超ぎゃふんと言わせてやります!」
麦野「あんた未成年なんだから程ほどにしときなさいよ?」
一方通行「つかそンな身体で酒飲ンで平気なのか?」
浜面「あ、俺も前から思ってた。今更だけど絹旗、本当に酒飲んで大丈夫なのか?」
垣根「結構リアルに心配だよな、外見どう見ても中学生だし」
滝壺「きぬはた、無理しなくてもいいんだよ?」
絹旗「だ、大丈夫ですよ!中身は超しっかり大学生ですから!!」
垣根「胡散くせえ……中身もガキだろ」
絹旗「これでも脱ぐと超すごいんですよ!ねぇ浜面?」
浜面「え、どうしてそこで俺に振るの?」
滝壺「……はまづら?きぬはたの中身みたの?」
浜面「断じて見ておりません!」
垣根「つーかそういう意味じゃねえよ中身って」
一方通行「あァー、なンか埒が明かねェしさっさと行こうぜ」
麦野「テメェもその一因だろうが。んで、どこの店に行くか決めてんの?」
一方通行「いや全然決めてねェ、適当にどっか入るつもりだ」
垣根「昨日と同じ店でいいんじゃねえか?あそこ騒いでも文句言われねえし」
麦野「そうね、鮭料理も豊富だったし」
絹旗「私は超どこでも構いませんよ、任せます」
浜面「俺もどこでもいいや、つまみやら酒の違いがわかるほど繊細な舌持ってねえし」
滝壺「私ははまづらがいるんならどこでもいいよ」
絹旗「人目も気にせんと超イチャイチャしおってからに……」
垣根「見せ付けてんじゃねえぞクソ野郎が」
麦野「はーまづらぁ、テメェ初っ端から一気確定だからなぁ?」
浜面「えええええ!!?」
一方通行「おいそこまでにしとけ。店は決まりでいいな?行くぞ」
―居酒屋
店員「いらっしゃいませ、何名様でしょうかー?」
垣根「六人です」
店員「六名様ですね?お席までご案内致しますのでこちらへどうぞー」
一方通行(今の昨日と同じバイトの子だよなァ?)ボソボソ
垣根(だな。『うわ、また来たよコイツら』とか内心思われてるかも知れねえな)ボソボソ
麦野「別にその程度気にすることでもないでしょ」
絹旗「毎日ファミレスに何時間も超居座ってた経験のある私達は店員からの冷たい目線には超慣れっこです」
浜面「いや俺は最後まで慣れなかったけどね、ファミレス出るとき毎回ウェイトレスさんに心から頭下げてたもの」
滝壺「身体はおっきいのに小心なはまづらは可愛いよね」
垣根「キモいだけだろ」
浜面「うるせーやい!」
―個室
一方通行「そして昨日と同じ個室に案内されると来た」
垣根「偶然か必然か、いや別に心底どうでもいいけどな」
店員「お飲み物のご注文はお先にお取りしますか?」
垣根「そうだな……オマエら飲む物決まってるか?俺と一方通行は生ビール頼むけど」
麦野「私も生でいいわ」
浜面「最初はやっぱり生じゃねーとな」
滝壺「私も生ビールにする」
浜面「大丈夫か滝壺?ビールあんまり得意じゃないだろ?」
滝壺「ん、大丈夫。最初くらいは皆に合わせたいから」
絹旗「そんな事超気にする必要ないと思いますけどね。私も超生でお願いします」
垣根「全員生か、それじゃ生ビール六つお願いします」
店員「………あの、そちらの方は……」ジー
絹旗「……」←これ
垣根「ブフッ」
一方通行「あァ、そりゃまァつっこまれるわなァ……」クク
絹旗「……超大学生ですが、何か?」
店員「え、うそ……あ、し、失礼しました!生六つですね、すぐお持ちします!」ピュー
一方通行「店員が一瞬素になってやがったぞ」クククク
絹旗「……」
麦野「いつもの事でしょ、気にしないの」ポン
浜面「でも未成年な事に変わりはないから深く突っ込まれるとまずいんだよな、実際」
垣根「ま、嫌な事は飲んで忘れりゃいいだろ」ケケケ
絹旗「ふん、そんな風に超煽られようが私は自分のペースでしか飲みませんから!」
滝壺「あ、今のうちにおつまみ何頼むか決めとく?」
麦野「私に任せなさい」メニューパサ
一方通行「鮭以外も頼めよ、マジで」
店員「失礼します、生ビールお持ちしました」ガラ
浜面「あ、どうもー」
垣根「最近生ビール見てるだけですげえ癒されるようになってきた」
絹旗「超アル中ですかこのおっさんは」
垣根「おっさんだと!?」
滝壺「そんなおっさん臭いかきねを応援してあげないでもない」
垣根「何だその上から目線……」
麦野「注文いいかしら?」
店員「はい、どうぞ」
麦野「鮭の塩焼きと鮭のホイル焼きと鮭のムニエルとサーモンのカルパッチョと……」
一方通行「鮭尽くしやめろつってンだろォがァ!!」
麦野「それと鮭のムニエルとサーモンのクリーム煮をお願い」
店員「は、はい、かしこまりました」
一方通行「話聞けよ!!店員もかしこまってンじゃねェよ!!」
店員「え、えっと……」
麦野「あーいいから、今注文したのは確定ね」
店員「は、はい、それでは」ピシャ
一方通行「おォォ……本気で鮭オンリーか……」ウヘェ
麦野「ったく心が狭いわね第一位、こういう時は女性の食べたいものを優先するべきでしょう?」
絹旗「私と滝壺さんの意見は超ガン無視ですか、そうですか」
滝壺「いいんじゃないかな?私は鮭好きだよ」
浜面「いや、でもオンリーは流石に……」
垣根「まぁ俺も酒が飲めりゃつまみは何でも構わねえよ」
麦野「食べたい物があるんだったら適当に追加したら?どうせ費用は男性陣持ちだし」
垣根「えっ」
浜面「なにそれ聞いてない」
一方通行「オマエはナチュラルにそういう腐った発言しやがるな、そりゃ恋人も出来ねェよ」
麦野「……」ズーン
絹旗「そういう指摘は超やめたげてください!超笑えませんから!!」
垣根「ぶふぅっ!」プークスクス
麦野「だから笑うとこじゃねぇつってんだろうがメルヘン野郎がぁ!!」
浜面「あの、それより皆さんそろそろ乾杯しません?」
滝壺「生ビールの泡がだいぶ萎んじゃったよ」
一方通行「っと、そォだな。おい垣根、オマエ幹事なンだから音頭とれよ」
垣根「え、俺幹事なの?」
一方通行「飲みに行くって言い出したのはオマエだろォが」
垣根「ん、まぁそれもそうか……それじゃ皆、ジョッキ持っt」
麦野「かんぱーい!」カツン
一方通行「ン、乾杯」カツン
滝壺「かんぱい」カツン
絹旗「超かんぱーい!」カツン
浜面「お疲れーっす」カツン
垣根「て、テメェら!?」
一方通行「っふゥ、ビールうめェ」
浜面「ゴクゴクゴクッ……っぷはぁ!」
絹旗「何か浜面のくせに超生意気ですね」
浜面「ビール飲んでるだけで!?」
垣根「ところでオマエら今でも旧アイテムのメンバーで集まったりしてんの?」
麦野「ん?そうね、流石に昔みたいに毎日ってのは無理だけど、全員の都合がつく時は結構集まってるわよ」
絹旗「溜まり場はファミレスじゃなく超居酒屋になりましたけどね」
浜面「それに伴ってドリンクバーを往復する仕事から酒を一気飲みする仕事にジョブチェンジさせられました」
一方通行「不憫だなァオマエ」
滝壺「一気飲みしてるはまづらは男らしくてかっこいいよ」
浜面「そ、そうか?」テレ
絹旗「だから後で超飲んでくださいね浜面」
浜面「あ、やっぱそうなるのね……」
垣根「ふーん、まだ四人で集まってんのか……気まずかったりしねえの?」
麦野「気まずい?何でよ?」
垣根「だって麦野も絹旗も浜面のカスの事好きだったんだろ?そう言うの引きずったりとかは?」
浜面「すっごい自然に俺の事カス呼ばわりしやがったな!?」
垣根「うっせえ爆発させんぞコラ」
麦野「あーそういう事」
絹旗「もうあれから超何年も経ってますし、そもそも浜面の事好きだったとか超気の迷いですよ。
人生の超汚点です、超黒歴史です、誰か超過去を変えてきてください」
麦野「男が思ってる以上に女ってドライなもんよ?いつまでも一人の相手に執着するわけないでしょ」
一方通行「浜面殺そうと散々粘着してたオマエが言っても説得力の欠片もねェけどな」
垣根「ロシアまで行ったんだっけ?お疲れ様です」
麦野「何でテメェがそんな事知ってんだ……」
浜面「あー、一方通行の方はどうなんだ?グループだっけ、集まったりしてるのか?」
一方通行「ン、一応な。土御門と海原があンまり学園都市にいねェから全員揃うのは本当に稀だけどな」
浜面「あの二人は海外飛び回ったりしてるんだっけ?忙しそうだよなぁ」
絹旗「その点浜面はいつも超暇そうですよね」
垣根「浜面今仕事何してんの?ヒモ?」
浜面「ヒモじゃねーよ!!ちゃんと働いてますよ!!」
麦野「でも滝壺の方が稼ぎいいのよね?」
滝壺「ざっと三倍くらいかな?」
垣根「三倍て、シャアかよ」
一方通行「情けねェなァヒモ面ァ……」
浜面「ヒモ面言うなや!仕方ねえだろ、所詮俺は学歴なしの無能力者だぞ!?
そんな給料いい仕事につけるわけねえだろうが!!」
絹旗「そんな事超声高に宣言されても……」
垣根「しかし給料が彼女の三分の一ってのは流石に男として悲しいもんがあるな」
一方通行「垣根ェ、オマエンとこで雇ってみたらどォだ?そこらの会社の比じゃねェくれェ羽振りいいンだろ?
コイツ手先器用だし機械にも強ェし乗り物なンでも乗りこなすし役に立つンじゃねェ?」
垣根「いや、俺女しか雇う気ないから」
麦野「ふぅん、それじゃ浜面を女にすれば万事OKってわけね?」
浜面「えっ」
垣根「えっ」
絹旗「ほう……浜面が超その気だというのなら、モロッコまでの旅費は私が出しても超構いませんよ?」ククク
一方通行「それより冥土帰しにでも頼ンだ方がいいンじゃねェか?口利いてやってもいいぜ?」
浜面「ちょ、待、そんな相談するのやめて!?俺のシンボルを取り去る方向で話を進めないで!!」
滝壺「女の子になったはまづら……」ンー
浜面「何想像してんすか滝壺さああああん!?」
麦野「面倒だし今この場でやっちゃう?ジュッて」ニタァ
浜面「死ぬ!死んじゃうから!!マジ勘弁してください!」ヒィ
一方通行「落ち着けよカマ面、ただの冗談だろ」
浜面「カマ面!?既におかま扱い!?」
滝壺「大丈夫だよかm……はまづら、私ははまづらが例えどんな姿になっても……」
浜面「今カマ面って言いかけたな!?」
垣根「まぁ例え女だろうが浜面の顔だったら雇わねえけどな」
浜面「うっせえ!!そもそもどんだけ給料良かろうがお前の下なんざこっちから願い下げだっつーの!!」
一方通行「まァ浜面は運だけは太ェしその内なンか一山当てたりするンじゃねェか?」
麦野「奴隷としては優秀だし淡々と仕事こなして普通に出世してくんじゃない?」
浜面「運だけかー、奴隷かー……ねぇそれ褒めてんの?」
滝壺「大丈夫だよ、はまづら。私はそんな将来有望なはまづらを応援してる」
絹旗「滝壺さん、このタイミングでその発言は超皮肉にしか聞こえませんよ?」
店員「失礼します、おつまみお持ちしました」ガラッ
浜面「あ、どうもー」
一方通行「わかってたけど鮭しかねェ……」
垣根「驚きの赤さだな……」
麦野「素敵な光景じゃない」ウットリ
絹旗「うわぁ、麦野が超恋する乙女ばりの蕩けた目を……」
一方通行「もォオマエ鮭と結婚しろよ……」
麦野「何言ってんの?鮭は食べるものであって愛でるものじゃないわよ?」
一方通行「知ってンよボケが」
垣根「せっかくだし飲み物の追加頼むか、皆そろそろビール空くだろ?」
一方通行「ン、そォだな」
店員「はい、飲み物のご注文ですね?どうなさいますか?」
垣根「俺はまだ生飲むつもりだけどオマエらどうする?」
麦野「私もビールでいいわ」
浜面「俺ももう一杯ビール」
一方通行「冷酒飲みてェ」
絹旗「私は超ウーロンハイを」
滝壺「カシスオレンジ」
店員「生が三つに冷酒、ウーロンハイ、カシスオレンジですね?すぐお持ちします」ピシャ
垣根「絹旗と滝壺の頼んだもん見ると女の子って感じがして和むわぁ。
それに引き換えどっかの誰かさんは……」ハァ
麦野「あぁ?今時は女でもビールガブ飲みくらいするっての」
垣根「ビールまではいいけどオマエ焼酎も日本酒も好きじゃん?20代の女のチョイスじゃねえよ」
麦野「好きなものを好きなように飲むのが一番でしょ、何か文句あるわけ?」
垣根「別に文句はねえけど……女捨ててんなぁ、オマエ」
麦野「あらぁ垣根くんお腹が空いてるの?ほらあーんして、おつまみ食べさせてあげるわ」
垣根「おいちょっと待てそれつまみじゃなくておしぼrモゴゴゴ」ズボ
絹旗「うわ、口の中に超無理矢理おしぼりを……」
麦野「おらおら良く噛んで味わえよクソメルヘン」グイグイ
垣根「モガグボァ」モゴモゴ
一方通行「おいやめろ、垣根の野郎白目向いてンじゃねェか」
絹旗「いやいや超自業自得だと思いますよ?
20代の女性に向かって『女捨ててる』何て超殺されても文句は言えません」
滝壺「でもむぎの優しくなったよね」
一方通行「これで?嘘ォ……」
浜面「いや、昔だったら間違いなくビームかパンチかキックが飛んでた」ウン
麦野「お望みとあらば飛ばしてあげるわよはーまづらぁ?」
浜面「ひぃ!矛先がこっちに!?」
垣根「ゲホ、ゴホ、の、喉までおしぼりが来やがった……」ゲハァ
絹旗「あーもう、一度口に含んだおしぼりを吐き出さないでくださいよ、超汚いじゃないですか」
垣根「どうしろってんだ!?」
滝壺「食べちゃえばいいんじゃないかな、もっと良く咀嚼して」
垣根「意外と黒いな、オマエ……」
店員「失礼します、お飲み物お持ちしました」ガラッ
垣根「あざーす。ほら一方通行、冷酒」トン
一方通行「サンキュ」
垣根「ウーロンハイは絹旗、カシオレは滝壺だったよな」トン
絹旗「おや、超ありがとうございます」
滝壺「ありがと、かきね」
垣根「で、後の生三つは俺らだな。ほらよ」トン
浜面「おっと、悪いな」
麦野「アンタこういう細かいところは気が利くわよね」
垣根「細かな配慮の積み重ねが女にモテる秘訣だからな、イケメンなだけじゃないんだぜ?」フ
絹旗「その割には発言に超デリカシーがない気がしますが」
垣根「心配するな、自覚はある」フ
一方通行「まァた決め台詞の無駄遣いを……」
麦野「そう言えばアンタら二人昔はイタい発言多かったわよね」ククク
垣根「いえいえ、いい歳ぶっこいて『にゃーん』とか言ってた麦野さんのイタさにはかないませんよ」
麦野「あ?まだおしぼり食い足りねぇか?」ギロ
垣根「綺麗めの外見と可愛い系の発言のギャップが最高でした」
絹旗「そういえば一方通行にも垣根にも超代表的な決め台詞(笑)的なものがありますが
浜面にはそういうのはないんですか?超厨二的な、聞いてるだけで超恥ずかしくなるようなの」
一方通行「このチビ遠回しに俺らのこと馬鹿にしてンな?」
浜面「え、俺?そこは普通同じレベル5の麦野に振るんじゃ……」
麦野「あぁ?」
浜面「何でもありません」
一方通行「しかし浜面の決め台詞ねェ……」
垣根「何かあったっけ、オマエ」
滝壺「馬鹿にしないで、はまづらにだってかっこいい決め台詞くらいあるよ。ね、はまづら」
浜面「滝壺、よいしょしてくれてるつもりなのかも知れないけどそれ超キラーパスだよ……」
絹旗「それじゃ浜面の超かっこいい決め台詞を聞かせてもらいましょうか」ククク
麦野「楽しみね、どんなイタい台詞が飛び出してくるのかしら?」ニヤ
浜面「ひ、酷ぇ、そんなに俺の事辱めたいのかお前ら!?」
滝壺「はまづらのかっこいいセリフが聞きたいな」キラキラ
浜面「う……」
絹旗「滝壺さんだけは超純粋に聞きたがってるようですね」
一方通行「腹ァ括れよ浜面ァ」
垣根「人はいつか必ず過去の過ちと向き合わなきゃならねえんだよ、それが今なんだ……」
麦野「垣根は現在進行形でイタい発言してるわね。
てかこんだけ引っ張ったんだから言わないって選択肢はもうないわよ?」
浜面「ぐ……で、でも俺本当にそんなに代表的なセリフとか無いし……」
絹旗「何か一つくらいあるでしょう、そっちの二人の超決め台詞(笑)ほどのインパクトはないにしろ」
一方通行「……俺らの過去のセリフってそンなにインパクトあったのか?」
垣根「『こっから先は一方通行』は一度聞いたら忘れられねえだろ」
一方通行「『常識は通用しねえ』よりゃマシだろォが」
滝壺「どっちもどっちだよね。それより今からはまづらが本当にかっこいいセリフを言うから静かにしてて」
浜面「ま、またハードル上げてるし……うーん決め台詞……あ、あれなら……」
麦野「おんや、何か思い出したみたいね」
浜面「お、おう。期待に応えられるかはわからねぇが、いくぞ」コホン
浜面「楽勝だ、超能力者(キリッ」
一方通行「ン?」
垣根「お?」
麦野「あ?」
浜面「え?」
絹旗「超能力者が三人もいる前でまさかそのセリフをチョイスするとは……超命知らずですね浜面」
滝壺「はまづらかっこいい……」ポッ
垣根「聞きましたかぁ今の、何か俺ら楽勝らしいっスよ麦野さぁん」
浜面「え、いや……」
麦野「真正面から喧嘩売られるなんて久々ねぇ、どうしてやろうか……ねぇ第一位?」
浜面「あの、えっと、今のは単なる決め台詞であって……」
一方通行「まァとりあえず目の前のジョッキ一気しとこうか浜面くゥン?」
浜面「……はい、飲ませていただきます」グビグビグビ
垣根「ビールじゃ物足りねえだろ?今新しい酒頼んでやるよ」スイマセーン!
麦野「さぁ浜面、次は何を一気飲みしたい?焼酎?日本酒?それともウィスキーかしら?」
浜面「一気飲みする前提!?しかもどれも一気飲みするような酒じゃねぇし!!」
垣根「あ?楽勝なんだろ?かっこいいとこ見せてくれよ浜面くぅん」
店員「失礼します、お呼びでしょうか」ガラ
垣根「あぁ、注文いいですか?」
店員「はい」
麦野「浜面、決めた?」
浜面「ウィスキーは除外、日本酒か焼酎……日本酒の方が度数は低いけど悪酔いするし……くそ、どうする……」
麦野「優柔不断ね、間を取ってテキーラにしましょう」
浜面「ちょ、何処の間を取った!?」
店員「テキーラですね?すぐお持ちします」ピシャ
浜面「え、待……」
一方通行「良く訓練されてンな、ここのバイト」
絹旗「浜面は超お酒に強いですからテキーラの一杯二杯程度超楽勝ですよね?」ククク
浜面「勘弁してくれよ……楽しくやろうぜ、楽しく……」
麦野「見てる方は楽しいからいいのよ」
滝壺「うん」
浜面「滝壺まで同意しちゃったよ!」
垣根「でも何だかんだで美味しいポジションだと思ってんだろ?ん?」
浜面「そ、そんな事…………い、いや、ほんの少しなら……」
垣根「よし言質は取れたぞ!今日は浜面に飲ませまくろうぜ!」グッ
浜面「わかってた、そう来るのはわかってたのにッッ!!」ダン
絹旗「浜面は潜在的に超ドMですからね、今も超悔しそうな顔してますが
内心では超美味しいと思ってるに違いありません」
一方通行「つーか今日はじゃなくて今日『も』だろォが」
麦野「飲みの席に浜面がいると『とりあえず浜面に飲ませとくか』みたいな空気になるしね」ククク
浜面「ち、ちくしょう……上条さえ、上条さえいれば被害が分散するのに……何であいつ来てねぇんだよ!?」
垣根「上条なら今頃幻想殺しでインデックスちゃんの歩く教会貫いてる頃だろうよ」ケッ
一方通行「下ネタは自重しろ」
垣根「あぁ?気取ってんじゃねえぞ一方通行、オマエも下ネタトーク大好きだろうが」
一方通行「場を考えろつってンだよボケ、一応女がいるだろォが」
麦野「おいコラ一応って何だ」
絹旗「これだけキレイ処を集めといて超一応呼ばわりですか、超ナメてやがりますね」
滝壺「失言だよね。お酒の席での失言はどうやって償うか知ってるよね?
私、あくせられーたが一気飲みしてるところ見てみたいな」
一方通行「オマエらそンな態度だから一応って付けたくなンだよ!!」
店員「失礼します、テキーラとグラスお持ちしました」ガラ
垣根「おっと、どうも……ん?グラス?」
浜面「くそ、来ちまったかテキーラ……って何でビンで来てんだよ!?
おかしいだろオイ!!普通ショットグラスとかじゃねえの!?」
店員「それではごゆっくりどうぞ」ピシャ
浜面「いやちょっと!?」
一方通行「やりやがったなあのバイト……まさかテキーラがボトルで入るとはなァ……」
麦野「……流石の私もこれは予想外だったわ」
垣根「どうやら本格的なテキーラセットみてえだな、ライムと塩がついてきてるぞ。
この居酒屋侮れねえわ」
絹旗「これは超酷い事になりそうですね……浜面が」
滝壺「男らしいところ見せてねはまづら」
浜面「」
※テキーラはライムを豪快に齧りながら飲むか塩をチビチビ舐めながら飲むのが本場の美味しい飲み方です。
浜面「ねぇこれ本当に飲むの?マジで?まだ蓋開けてないし今なら返せるんじゃ……」
麦野「え、何か言ったかしら?」キュポン
浜面「うわああああ開けてらっしゃるううううう!!!!」
麦野「ほら浜面、グラス出しな。私が直々に御酌してあげるから」ニタ
浜面「お手柔らかにお願いします!お手柔らかにお願いします!」
垣根「泣きそうな顔しながらも素直にグラスを差し出すとは……」
絹旗「深層心理に超刻み込まれた下っ端の性ですね」
麦野「そんな怯えなくても、別に一気飲みしろなんて言わないわよ。ねぇ第一位?」チラッ
一方通行「あ?」
浜面「そのアイコンタクトの意味を俺は知ってるぞちくしょう!!
ベクトル操作で強制一気させるのだけはマジで勘弁してください!!」
一方通行「いや流石にテキーラではやらねェよ、安心しろ。急アルで死なれでもしたらめンどくせェし」
麦野「チッ、つまらないわね」
浜面「ありがとう、ありがとう一方通行さん……」ペコペコ
一方通行「うざってェから頭上げろ」
滝壺「はまづら必死すぎわろた」
浜面「滝壺さん!?」
滝壺「何でもないよはまづら、一気飲みしないで済んで良かったね」ニコッ
浜面「あ、あぁ……」
一方通行「つかよォ、流石に浜面一人にテキーラ一瓶押し付けるのは無理があンだろ。死ぬぞ?比喩でなく」
垣根「それは確かにそうだな……まぁ全員分のグラスあるし皆で飲むか」
絹旗「ちょ、皆でって、か弱い女の子にテキーラを超ストレートで飲ませる気ですか!?」
垣根「か弱い女の子なんて生き物はこの場にはいねえよ」
麦野「あ?」
一方通行「オマエが反応すンのかよ」
滝壺「はまづらは私の事守ってくれるよね?」
浜面「も、勿論!当然だろ!」
麦野「私ビール飲みたいんだけど」
一方通行「いやオマエこそテキーラ飲めって。そもそもオマエがろくに確認もせずに注文したのが悪ィンだろォが」
垣根「よし、そんじゃテキーラの瓶空くまで新しい酒頼むのは禁止な?」ニタリ
絹旗「超意味不明です!!何ですかその超鬼畜ルールは!?」
麦野「あら、でも面白そうねそれ」ククク
絹旗「うぇぇ、何で麦野まで超ノリ気になってるんですか……」
麦野「飲み会はバッタバッタと人が倒れていくくらいが最高に楽しいのよ」フフ
滝壺「はまづら、倒れても私が面倒見てあげるから安心してね?」
垣根「意訳すると、看病はしてやるから後先考えずにぶっ倒れるまで飲めって事だな?」
滝壺「否定はしないよ」
浜面「!!?」
一方通行「まァ全員で飲めばすぐなくなるだろ。絹旗も一杯分くらい協力しろよ」
絹旗「どうあっても私に飲ませようというわけですか!!超アルハラですよ!!
こうなったら浜面、超早急にその瓶を飲み干してしまってください!」
浜面「うん、それ無理」
絹旗「超使えねえ!!」
垣根「やっぱ、お子様の絹旗にテキーラは無理か」ハァ
絹旗「なぬ?」ピク
麦野「絹旗の身体はまだ小さいしね、仕方ないでしょ」ヤレヤレ
絹旗「そ、そうやって超挑発すれば私が飲むとでも思って……」
一方通行「あァーいいっていいって、ガキは隅っこでそのウーロンハイ大事ィに飲ンでろよ」
絹旗「ぬあ!!超なんですかその言い草!?」
一方通行「いやホント、気にする事ねェぞ絹旗?
チューハイしか飲めねェガキになンざ、だァれも最初から期待してねェンだから」
絹旗「ぐうううう!!超言わせておけばあああ!!!」
一方通行「ちょれェ」
垣根「オマエの嫌味ったらしい挑発はホント最悪だな」
麦野「傍から聞いててイラッときたわ」
一方通行「ンだコラ、オマエらに便乗してやっただけだろォが」
絹旗「グラスを寄越してください!!私の実力を超見せ付けてやります!!」
浜面「き、絹旗、お前あんまり酒強くないんだから無理は……」
絹旗「あれだけ挑発されて引き下がってはアイテムの超名折れです!!
超見ているがいい一方通行!私がチューハイしか飲めない子供ではない事を超証明してやります!!」
一方通行「あァはい頑張って」
麦野「煽っといてなんだけどあんまり無理しないのよ絹旗?アンタ、テキーラみたいな強い酒飲んだことないでしょ?」
絹旗「ふん、アルコールごときに超遅れをとる私ではありません!!
さぁ浜面、グラスを寄越してください!!」
垣根「あれ、何かデジャブ感じるな」
麦野「昨日の美琴とダブるわね……」
滝壺「結末が見えるね」
浜面「あー……ホント、無理はするなよ?ほら」コト
絹旗「超行きますよ……これが私の超全力です!!」グイ
一方通行「あ、馬鹿そンな一気に……」
絹旗「ぶっふぉおぉぉ!!!!」ブシャァ!!
浜面「き、絹旗ぁぁぁーーーー!!!!」
垣根「無茶しやがって……」
麦野「これまた盛大に噴出したわね」
絹旗「ゲホ、ちょ、ゴホゴホ、こ、な、何!?」ゲホゲホ
一方通行「落ち着け、一気に行ったから喉やられたンだろ?無理に喋ろうとすンな」
絹旗「あ、が……ぐふぅ……」ガク
浜面「絹旗ぁぁぁぁぁぁ!!!!」
滝壺「あ、死んだ」
絹旗「」グタ
垣根「安らかに眠れ……」ナムナム
一方通行「ンじゃテキーラはちょっと隅に置いとくかァ」
麦野「そうね」
浜面「えぇ!?散々煽っといてお前ら飲まねぇの!?」
一方通行「あ?だって俺まだ冷酒残ってっし」
麦野「私もビールまだあるもの」
浜面「ひ、ひでぇ……」
垣根「ところで浜面、オマエさっきから酒が減ってねえぞ?」
浜面「えっ」
麦野「あっれー、もしかして私が御酌してあげたお酒は飲めないってことかしらぁ?」
浜面「飲めばいいんだろちっくしょおおおおお!!!!」グイ
一方通行「おォすげェ、潔いなァ」
滝壺「はまづら男らしい……」キュン
浜面「プハッ、ハァ、ハァ……うくっ」ゴフ
垣根「良くやるな、小さめのグラスとは言えテキーラ一気とか流石に真似したくねえわ」
麦野「珍しく輝いてるわよ浜面」フフ
浜面「ハァ、ハァ、あの、すいません、しばらくのんびり雑談でもしませんか……」ハァハァ
垣根「そうだな、ちょっと浜面休ませてやるか」
麦野「連続で飲ませて早々に潰れられても面白くないしね」
一方通行「生かさず殺さず、じわじわ行くかァ」
浜面「ち、ちくしょう、お前ら俺に何か恨みでもあんのか……」
滝壺「喧嘩売ったのははまづらだけどね」
麦野「はい浜面、テキーラのおかわり」コト
浜面「あ、はいありがとうございます」ブルブルブル
一方通行「一気飲みはさせねェからそォ震えンなよ」
垣根「小動物みてえに震える浜面見ても保護欲の欠片も湧かねえな、むしろ張り倒したくなる」
麦野「そう?結構可愛いくない?こう、捻り潰したくなる感じで」
一方通行「オマエの感想なンかおかしくねェ?」
滝壺「可愛いものを捻り潰したくはならないよね、普通は」
麦野「そう?でも私は怯えてる浜面見てると捻り潰したくなるわよ?」
浜面「あー、と、ところで一方通行!お前は彼女とは上手く行ってるのか!?」
一方通行「あァ?なンだ突然」グビグビ
垣根「話題逸らそうと必死なんだろ、このままじゃ捻り潰されそうだったし。
っと一方通行、冷酒空いたな?ほら、テキーラだ」トン
一方通行「本気でテキーラのビン空くまで新しい酒注文させねェ気かよ」ハァ
麦野「んで、ミサワとは上手くいってんの?何か悩みは無い?お姉さんに相談してみなさい」
一方通行「チッ、食い付いてくンなよ……普通だ普通、それなりに仲良くやってンよ。
それと、仮に悩みがあったとしてもオマエにだけは相談しねェ」
垣根「昨日といい今日といい、全力で壁殴りたくなるくらいイチャついてやがったのに、あれが普通かよ」
浜面「何々?そんなイチャイチャしてたの?具体的に聞かせろよ」
一方通行「るせェ、ンな事語れるか小っ恥ずかしい。
つーかオマエと滝壺の方がよっぽどイチャついてンだろォが」チッ
浜面「まぁな」ニヘ
垣根「うわ、にやけ面で肯定しやがった」
麦野「ぶっ殺したくなるくらいムカつくわね」
浜面「俺、滝壺一筋だから。滝壺の為なら命賭けれるから」
滝壺「恥ずかしいよはまづら……でも、ありがと」ニコッ
浜面「滝壺……」
滝壺「はまづら……」
垣根「……」イラッ
麦野「……」イラッ
絹旗「ほう、滝壺さん超一筋……?そいつはどうでしょうねぇ?」ムク
一方通行「おォ、生き返りやがったか」
浜面「な、何だ絹旗、俺は真剣に滝壺の事を……」
絹旗「超忘れてるんなら思い出させてやりますよ。あれは二年前の夏の事でした……」
麦野「二年前?」
浜面「何かあったか?」
滝壺「わかんない」
絹旗「二年前の夏、旧アイテムのメンバー……私と、麦野と、滝壺さんと、浜面で超飲み会をしました」
麦野「そうね、二年前なら集合場所はファミレスじゃなくて居酒屋になってたから、
皆で飲み会をする事もあったわね」
絹旗「そしていつもの如く、お酒を超飲まされまくった浜面は酔いつぶれ、
当時まだ高校生でお酒を飲んでいなかった私が浜面を家まで送り届けることになりました」
浜面「お、俺が絹旗に送ってもらった?そんな事あったっけ……?」
絹旗「浜面は超酔いつぶれてましたから、覚えてなくても無理ありません。
しかし私は超忘れませんよ?あの日、浜面の家に到着した後、浜面は酔いに任せて私を……」
浜面「お、お前を……?」
絹旗「泥酔した浜面は私を超押し倒して、無理矢理……うぅ、ダメです、これ以上は超言えません!」
浜面「」
一方通行「うわァ」
垣根「流石の俺もこれは引くわ」
滝壺「……」
麦野「はーまづらぁ……?」
浜面「ま、待て待て待て!!!身に覚えが一切ないんですけど!?」
一方通行「泥酔してたからだろォ?」
垣根「酔っ払ってたからノーカン、何て言い訳は通らねえぞ?」
滝壺「……」
浜面「うおおおおお絹旗あああああ!!!嘘だよな!?嘘なんだよなぁ!!?」
絹旗「……」
浜面「絹、旗……?」
絹旗「クークー……」zzz
浜面「寝てらっしゃる!?おおおおおおい!!!せめてちゃんと嘘だって言ってから寝てくれよおおおおお!!!」
滝壺「はまづら……」ジー
浜面「ま、待て滝壺!俺を信じてくれ!!俺は絶対に絹旗に手をだしてなんかいない!!
どれだけ酔っ払って我を忘れたとしても、絶対にお前を裏切るような真似はしないはずだ!!」
滝壺「……」ニコッ
浜面「わ、わかってくれたか……?じ、じゃあ絹旗を起こして今のは嘘だったって証明させて……」
滝壺「はまづらはまづら、そこに焼き鮭があるよね?」
浜面「ん?あ、あぁ、何だ食べたいのか?ほら、今とってや……」
滝壺「数分後の貴様の姿だ」
浜面「…………え?」
滝壺「むぎの、ちょっと力を貸してね?」カッ
麦野「え?……あっ」
垣根「どうした麦野?」
麦野「あーいや、大したことじゃないんだけどさ、ちょっと滝壺に能力の一部を乗っ取られたっぽい」
一方通行「ン?」
浜面「え……え?」
麦野「滝壺に操られて浜面に向かって原子崩しぶっ放す寸前なんだけど、まぁ大したことじゃないわよね」キュイイイン
浜面「いやいやいやいや!!!!待って!待ってください!!!
滝壺さん、俺本当にやましいことは一切してないっす!!!」
滝壺「はまづらの事信じたい。でも……」
浜面「滝壺!!」ダキッ
滝壺「あ……」
浜面「滝壺、俺は世界で一番お前が好きだ!だからどんだけ酔っ払おうと絶対にお前を傷つけたりしない!」
滝壺「はまづら……」
浜面「それに、いくら泥酔してたからって絹旗の未成熟極まりない身体に欲情するわけないだろ?
俺はお前みたいに、胸が大きくてむちむちした子がタイプなんだ」
滝壺「はまづら……最低の言い訳だけど、信じるよ」
浜面「滝壺……わかってくれたんだな」
滝壺「うん。でもね、だからこそ……」
浜面「ん?」
滝壺「次はきぬはたに謝らないとね?」
浜面「え?」
絹旗「はァまづらァ、だァれの身体が超未成熟極まりないンですかァ?」ビキビキビキ
浜面「お、お前、いつの間に起きて……」
絹旗「私の身体はァ、確かに超中学生の時からあンまり成長してませンしィ
欲情出来ないほど超未成熟かも知れませンがァ……」
浜面「き、絹旗、落ち着け、あれは言葉の綾というか……」
絹旗「るっせェ!!超未成熟な身体で誰かに迷惑かけましたか!?小さい事は超悪ですかァ!?」
浜面「ま、待て、待ってくれ!お前は正義だ、小さいのは悪いことじゃない!だから……」
絹旗「問答無用!!超死ぬがよい!!」ブゥン!!
浜面「ゴッハァァァァァ!!!!!!」ドゴォォ!!
滝壺「ナイスボディブロー」パチパチ
浜面「」ビクンビクン
垣根「あーあ、ありゃしばらく動けねえな……」
一方通行「……結局よォ、浜面が絹旗押し倒したってのは嘘なのか?」
麦野「嘘に決まってんでしょ、二年前って言うともう浜面と滝壺は同棲してたし、
絹旗が浜面を送って行ったなんて事は一度も無かったはずよ」
垣根「オマエ嘘だってわかってたんならフォローしてやれよ……」
麦野「別にいいじゃない、面白かったし」
一方通行「ったく、絹旗も性質の悪ィ嘘吐きやがって」
垣根「オマエが言えた口か?つーかむしろオマエの精神性植えつけられたせいだろ」
浜面「」ピクピク
一方通行「考えてみりゃァ、浜面は何一つ悪くねェのになァ……少しだけ同情してやンよ……」
絹旗「あの、すいませんがソフトドリンクを超注文してもいいですか?
テキーラ飲んだせいで調子が……」ウェ
垣根「だが断る」
絹旗「えぇ!?」
麦野「さっき言ったでしょ?テキーラのビンが空くまでは他の飲み物注文させないって」
絹旗「そ、それ超本気だったんですか……」
一方通行「諦めろ、お陰で俺もテキーラ飲む羽目になってンだ」ハァ
絹旗「あなたの事なんざ超知ったこっちゃありません」
滝壺「はいきぬはた、テキーラだよ」コト
絹旗「く、超笑顔でこんな危険物を……て言うか超マジでこれ以上アルコールを飲みたくないんですが、
どうしてもソフトドリンク頼んじゃダメですか?そもそも私まだ超未成年ですし」
垣根「ダメです」
絹旗「これほど頼んでも超ダメですか?」ウルウル
垣根「俺ロリコンじゃねえからそんな目で見られても心動かねえよ?」
絹旗「ぐぬ、誰が超ロリですか!?私はもう超ロリと呼ばれる年齢では……」
一方通行「歳じゃなくて見た目だろ、オマエはどっからどォ見ても合法ロリだ」
絹旗「黙れ!超黙れこの怪人白もやし!!」
一方通行「あァ?」ピク
滝壺「二人とも落ち着いて。ほら、飲み物でも飲んで落ち着こう、ね?」
垣根「しれっとテキーラ飲ませようとしてやがる」
絹旗「うぅぅ~……麦野ぉ~ソフトドリンク注文させてくださいよぉ……」ウルウル
麦野「ダメよ絹旗、そんなうるうるした目で見ないで……いじめたくなっちゃうから」ゾクゾク
絹旗「マトモな人間は超一人もいないんですか!?」
絹旗(く、頼んではいけないと言われると超余計に頼みたくなってきました……)
絹旗(なんとか皆が私の言うことを超聞かざるを得ない状況を作り出さねば……)
絹旗(しかしどうやって?どうすればレベル5の三人を超従えることが……)
絹旗「……あ」
滝壺「きぬはた、どうかした?」
絹旗「ふふん、超いいことを思いつきました!皆で超王様ゲームをしましょう!」
一方通行「はァ?」
垣根「王様ゲームぅ?」
※王様ゲーム
言わずと知れたレクリエーションゲームの一種。
人数分用意したクジに番号と『王』の印を振り、参加者全員でクジを引く。
「王様だーれだ?」の掛け声と共に各々が自分のクジを確認し、王のクジを持っている人は名乗り出る。
王は好きな番号に命令を下すことができ、この命令は絶対厳守である。
飲みの席で行われると往々にして酷いことになるので節度を持って楽しみましょうね☆
絹旗(王様ゲームで私が超王様になり、誰かに私の為のソフトドリンクを注文させる!
超完璧な計画です!!自分の超天才っぷりが怖いくらいです!!)ククク
一方通行「なンで王様ゲームなンてやらなきゃならねェンだ、合コンでもあるまいしよォ」チッ
垣根「あれ、オマエ合コンなんて行ったことあんの?ミサワちゃんにチクるぞコラ」
一方通行「ねェよボケ、イメージだイメージ。
もしアイツに妙な事吹き込みやがったらコンクリ抱かせて海に沈めっからな」ギロ
垣根「うおぉぅ、殺気飛ばしてくるんじゃねえよ怖えから。
しかしマジで一度もねえのか?それはそれで寂しい野郎だな……」
一方通行「間に合ってるっつってンだよ」
垣根「あーはいはい、第一位様にはかわいい彼女がいますからねー」ケッ
一方通行「なンでオマエから吹っかけてきてオマエが不機嫌になってンだ……」
絹旗「二人ともぐだぐだ言ってないで超王様ゲームをやりますよ!割り箸でクジ作りますよ!」
一方通行「あァ?マジでやンのかよ」
麦野「まぁいいんじゃない?第一位と第二位を顎で使うってのも楽しそうだしぃ」ニヤニヤ
垣根「屈辱的な命令出して麦野の鼻っ柱へし折るってのも面白そうだな」ククク
滝壺「はまづらしっかりして、王様ゲームやるんだって」ペチペチ
浜面「うぅ、気持ち悪ぃ……」グフゥ
一方通行「ビールとテキーラ飲まされた後にボディブローなンざ喰らえばそりゃァな」
絹旗「まったく、手加減してやったというのに超情けないですね浜面は……
ほら皆さん、クジが完成しましたから超引いてください!」
一方通行「はァ、オマエらあンまり過激な命令出すなよ?」ヒョイ
垣根「過激な命令するからこそ盛り上がるんだろうが」ヒョイ
麦野「ま、最初の内は大人しくやるわよ」ヒョイ
滝壺「王様ゲームやるのはじめて……」ヒョイ
浜面「そういえばアイテムではやったことなかったよな」ヒョイ
絹旗「王様ゲームなんぞやらなくても浜面には超命令し放題ですし。
さて皆さんクジを引きましたね?では……」
『王様だーれだ?』
麦野「じゃーん、私でーす」ニタニタ
浜面「げぇっ」
垣根「よりによって……」
絹旗「チィ、超王様にはなれませんでしたか……」
麦野「んなに警戒しなくてもいきなり酷い命令出したりしないわよ。
こういうのは最初は軽めの命令して、回数重ねるごとに重くしていくってのが暗黙の了解でしょ」
滝壺「難しい命令ばっかりだと収拾つかなくなっちゃいそうだもんね」
一方通行「わかってンならいいンだけどな」
麦野「ってわけでまずはかるーく、二番に肩でも揉んでもらおうかにゃーん」
絹旗「おぉ、本当に超優しい」
垣根「未だかつてこれほど優しい麦野を見たことがあっただろうか」
浜面「いや、ない!」
麦野「お前ら次私が王様になったら覚えとけよ?で、二番は誰よ?」
一方通行「……俺だ」
麦野「あらあらこりゃラッキーね、早速第一位様をこき使えるだなんて」ククク
滝壺「頑張ってねあくせられーた」
一方通行「チッ、まァ肩揉みくれェいいけどよォ……」
垣根「むしろご褒美ですってか?」
麦野「変なところ触ったら殺すからな?」
一方通行「頼まれても触ってやンねェよ。ンじゃいくぞ」グッ
麦野「ん……」
一方通行「ふン、は、せィ」グリグリ
麦野「……」
一方通行「よ、ほ、おら」グリグリグリ
麦野「……」
一方通行「圧縮圧縮ゥ!」グリグリグリ
麦野「……おいコラもやし、手抜きしてねぇで力入れろ」
一方通行「あァ?入れてンだろボケが!」グリグリ
麦野「嘘、入れてんの!?全然きかないんだけど!!くすぐったくもないわよ!?」
垣根「どんだけ非力だよオマエ……」
絹旗「まぁ、見るからに超貧弱ですし……一方通行の筋力は小学生にも超劣るんじゃないでしょうか」
一方通行「違ェ!第四位が硬ェだけだっての!!」グリグリ
麦野「あぁ?」
垣根「女に向かって『硬い』とかオマエ最悪だな」
滝壺「かきねはもっと酷いこと言ってたけどね」
浜面「うーん、でも確かに麦野は何か肩こってそうなイメージあるな」
絹旗「あー超わかります。どことなく、ちょっと疲れたOLみたいな空気が……」
麦野「……昨日も言われたけど、私本当にそんなイメージなのか」ドヨーン
一方通行「な、なァ、そろそろ、終わってもいいかァ?」ハァハァゼーゼー
麦野「もうスタミナ切れかい!!アンタそんなんでミサワの夜の相手務まるわけ!?」
一方通行「あ?」ピク
垣根「言われてみればオマエの体力でマトモに夜の営みはやれてるのか?」
絹旗「そもそも超勃つんですか?」
滝壺「三擦り半……」ボソ
一方通行「おい」
浜面「気にすんなよ一方通行、人間誰しも向き不向きはあるって事さ」フ
一方通行「何勝ち誇った顔してンのオマエ?本気でムカつくンですけど」
麦野「あーあミサワもかわいそうにねぇ、こんな貧弱もやしと付き合ってるせいで女の悦びを知れないなんて」ククク
垣根「むしろミサワちゃんが挿れる方なんじゃねえ?」
絹旗「ほう、という事は一方通行が超バックアタックを喰らって喘ぎ声を……」
滝壺「……流石に引く」
一方通行「オマエらふざけた事抜かしてっと超音速旅客機からパラシュート無しでスカイダイビングさせンぞコラ。
夜の営みくれェ普通にこなしてンよボケが、死ね」
麦野「はいはい、早漏もやしの独り言はスルーして次行きましょうか。
しっかし逆に肩こっちまったわこれ、浜面並に使えないんじゃないのアンタ」
一方通行「俺がもォ二、三歳若かったらオマエ今頃バラバラになってンぞ?」
垣根「一方通行も大人になったもんだなぁ」シミジミ
滝壺「かきねはいつまでも子供だよね」
垣根「少年の心を忘れないと言って貰おうか」フフ
絹旗「はーいそれでは皆さん超クジを引いてください!」
絹旗(うぅ、超喉が渇きました……今度こそ超王様になってドリンクの注文を……)
『王様だーれだ?』
浜面「……あ、俺だ」
絹旗「えー……」
垣根「浜面かよ」
一方通行「チッ」
麦野「空気読めよ」
滝壺「はまづらかぁ……」
浜面「大ブーイング!?」
浜面(く、怯むな俺……こんな機会は今後あり得ない!ここで積年の恨みを……)
浜面(いや待て!万が一滝壺に当たっちまったら……くそ、その可能性がある限り非道な命令なんて出来ねぇ!)
浜面(……そもそも後から仕返しされる可能性を考えると、
あんまり恨みを買わないような無難な命令にしとくべきだよな)
浜面(臆病者?いいえ、生きるための処世術でございます)
浜面(ハハッ、負け犬上等)
麦野「悩んでないでさっさと命令しろっての」
絹旗「浜面は超チキンですからね、後から報復受けるのが超怖くて命令出せないんじゃないですか?」
垣根「一応言っとくがパスはなしだぜ浜面ぁ?」
滝壺「はまづら、私が考えてあげようか?」ニコッ
浜面「い、いや大丈夫だ。よし、命令出すぞ!」
浜面「一番!得意なものまねをしろ!!」
一方通行「ほォ、ものまねか」
垣根「中々無難なところをついて来たな。で、一番は……」
麦野「……はーまづらぁ、私に命令するなんて偉くなったもんねぇ?」ピキピキ
浜面「よりによって麦野かよおおおおお!!!!」
絹旗「浜面、超ご愁傷様です」
垣根「安心しろ浜面、王様ゲームは恨みっこなしだからな。
王様ゲームで受けた屈辱は王様ゲーム内で返さなきゃならねえんだよ」
滝壺「そうやってどんどん命令が酷くなっていくんだね」
麦野「く、ものまね……この私が……」ギリッ
一方通行「まさかレベル5の第四位ともあろう者がものまねのレパートリー一つねェってこたァねェよなァ?」ククク
麦野「レベル5何の関係があんのよ……クソ、ちょっと待ってろ考えるから」
垣根「マイナー過ぎて周りが似てるのかどうかわからないようなのは無しだからな?例えばナージャとか」
麦野「何よナージャって……」
※PSP版『とある魔術の禁書目録』の麦野さんの声優は
『明日のナージャ』の主人公、ナージャ・アップルフィールドなどで有名な小清水亜美さんです。
一方通行「いいからサクッとやれよサクッと」
絹旗「そうですよ、そんで超さっさと次に行きましょう!」
麦野「急かすな!ものまね何て今までやったことないのよ……」グヌヌ
垣根「時間かければかけるほどハードルは上がってくぞ?」
滝壺「大丈夫だよむぎの、例えどんなへちょいものまねでも皆暖かく見守ってくれるよ」
浜面「あー……め、命令内容変えるか?」
垣根「そりゃ王様ゲームで一番やっちゃいけない事だろ」
絹旗「それに、そんな超逃げの姿勢を麦野が良しとするはずがありません」
麦野「……大丈夫、何やるかは決めたわ」ギロッ
浜面「ひぃ!睨まないで!」ビクッ
一方通行「ハッ、そンじゃ自慢のものまねを見せてもらおうか。思いっきり笑ってやる準備は出来てンぞ」ケケケケ
麦野「く、覚えてろ……それじゃ行くわよ……」スーハースーハー……
麦野「爪弾くは荒ぶる調べ!キュアメロディ!」キャピ
一方通行「……」
垣根「……」
絹旗「……」
滝壺「……」
浜面「……」
麦野「………キュアメロディ」←決めポーズ
※PSP版『とある魔術の禁書目録』の麦野さんの声優は
アニメ『スイートプリキュア♪』の主人公、北条響(キュアメロディ)などで有名な小清水亜美さんです。
麦野「……」←決めポーズ中
一方通行「うわァ……うわァァァ……」
垣根「いやねえわ、それはねえわ麦野さん……それはねえわ……」
滝壺「大事な事なので何度も言いました」
浜面「麦野すまん、俺がこんな命令出したせいで……すまん、すまん……」
絹旗「超引くわぁ……」
麦野「………」←決めポーズ解除
一方通行「オマエみたいなプリキュア出てきたら全国のチビッ子に漏れなくトラウマが植えつけられるわ。
日曜朝枠の子供向けアニメからいきなり深夜枠のエログロバイオレンスアクションに変貌するわ」
滝壺「声は似てたけど、それが反ってOUTだったよね」
麦野「……」
絹旗「麦野、今年で超いくつになるんでしたっけ……?プリキュアて……」
垣根「……何か辛いことがあったんなら相談乗るぞ?」
麦野「……」
浜面「違うんです、俺本当に麦野さんに恥かかせようとか思ってたわけじゃないんです。
すいませんでした、俺の配慮が足りなかったです」
麦野「ああああああああ!!!!うっせえんだよテメェらあああああ!!!!
忘れろ!!今見たのは全部忘れろ!!!さっさと次行くぞオラアアアアア!!!!」
一方通行「落ち着けキュアメロディ」
垣根「安心しろキュアメロディ、今日の事は他言しねえからよ」
絹旗「そうですよキュアメロディ、私たちはキュアメロディの超味方ですから」
滝壺「年甲斐もなく引きつった笑顔でポーズまで決めたきゅあめろでぃを私は応援してる」
浜面「は、はは……お陰で場が盛り上がったな、ありがとうキュアメロディ」
麦野「浜面死ねええええええええええ!!!!!!」ゲシゲシ
浜面「ちょ、やめ、蹴らないで!!何で俺だけ!?」
垣根「ほら麦野、嫌な思い出は飲んで忘れよう、な?」ススス
麦野「く、うぅぅ……もっとよく考えりゃよかった……」グビグビ
一方通行「酒が入ると考え無しの行動が増えちまうからなァ」ケケケケ
絹旗「さて、それでは超次に行きましょうか」
『王様だーれだ?』
垣根「はっはぁ!俺だ!!」バーン
一方通行「オマエかよ……」
絹旗「ガッデム!!また超王様になれませんでした!!」ダン
浜面「垣根の命令か……」
麦野「どうせエロ方面でしょ」チッ
垣根「無論だ」キッ
一方通行「即答かよこの馬鹿」
垣根「それじゃ行くぞー!四番、俺に膝枕をしろ!!」
絹旗「超膝枕て……ま、まぁ思ったよりも超軽い命令で何よりです」
麦野「んで、四番誰よ」
浜面「………俺、です」
垣根「……は?」
浜面「俺、四番……」
垣根「」
滝壺「想像通りのオチだね」
絹旗「超いい様です」クケケケ
垣根「何だよこれ……何だよこれえええええええ!!!!!」ガターン
一方通行「王様の命令は絶対だったよなァ?」ケラケラ
麦野「命令内容の変更は一番やっちゃいけないこと、だったわよね?」ニタニタ
垣根「ふざけんなよ!!何でよりによって浜面なんだよ!?浜面引く確率なんて1/5じゃねえか!!」
絹旗「20%って超結構な確率ですよね?」
垣根「くそ、くそ!百歩譲って一方通行ならまだいけるのに!!何で浜面……ちくしょうが!!!」
麦野「いけるのかよ」
一方通行「オマエ今すぐ俺の側から離れろォォォォ!!!」
滝壺「ねえ、そんな事より膝枕はまだ?」スチャ
浜面「ちょ、何で携帯構えてんですか滝壺さん」
滝壺「記念撮影」ニコッ
浜面「えぇー……」
麦野「ほら垣根、覚悟決めて浜面に膝枕してもらいな」クククク
垣根「『久しぶりに女の子に膝枕してもらえるぜー』とか浮かれてたさっきまでの自分をぶん殴ってやりてえ……」
絹旗「超ざまぁ」
垣根「く……俺も男だ、男に二言はねえ。行くぞ浜面!!準備はいいか!?」
浜面「はい」
垣根「失礼します」コテン
浜面「はい」
垣根「……」
浜面「……」
一方通行「なンだこの絵面……」
絹旗「言っちゃ悪いですが……超キモいですね」
滝壺「撮影」パシャッ
麦野「二人とも感想は?」
垣根「……硬い」
浜面「重い」
麦野「とても簡潔かつ気持ち悪い感想をどうもありがとう」
垣根「ちくしょう、ちくしょう……何でこんな事になったんだよ……」ポロポロ
浜面「マジ泣き!?」
絹旗「浜面の膝の上で超男泣きする垣根ぇ……」
一方通行「なンて酷ェ光景だ……」
麦野「自業自得だってんだから救えないわねぇ」
滝壺「激写」パシャパシャ
垣根「……もういいよな」ムクリ
浜面「ようやく終わりか……」ホッ
垣根「次だ、さっさと次に行くぞ。そんで今のはもう無かった事にしてください」
一方通行「まァ、飲めよ垣根」コト
垣根「あぁ……」ゴクゴク
絹旗「それでは超次行きましょう。皆さん超クジ引いてください」
『王様だーれだ?』
垣根「俺だ」ニタリ
一方通行「まァたオマエか」
絹旗「サノバビッチ!!」ダン
浜面「ど、どうした絹旗?」
麦野「酔っ払ってるんじゃない?」
滝壺「それともよっぽど王様やりたいんじゃないかな?」
垣根「さて、今回はどんな命令するか冷静に考えねえと……」
一方通行「さっきのは見てるこっちまで嫌な気分になったからなァ」
絹旗「て言うか超あり得ない超馬鹿な自爆でしたよね」
垣根「超超うっせえよチビ。よし決めたぜ、今回の命令は……」
滝壺「命令は?」
垣根「一番と五番、これまでの異性との遍歴を語ってもらおうか」クククク
絹旗「うわぁ超ガチセクハラじゃないですか……」
一方通行「いくら酒の席でもなァ……しかも二人も指定しやがって」
麦野「今ならまだ取り消させてやるわよ?」
浜面「流石にこれはアウトじゃねぇの?」
垣根「うるせえ!!さっき俺が受けた屈辱はこんなもんじゃねえんだよ!!
さぁ、まずは一番!赤裸々に語るがいい!!」
一方通行「ったくこの馬鹿は……ンで、一番誰だよ?」
滝壺「私」
浜面「なん……だと……」
絹旗「ほう、滝壺さんですか」
垣根「オマエかぁ……あんまり面白くなさそうだけどとりあえず語ってみ」
滝壺「でも私がお付き合いしたのははまづらだけだし、語ることなんてないよ?」
一方通行「まァ、そりゃそォだろォなァ」
垣根「何だつまんねえ。オマエみたいな大人しい子が実は意外と遊んでましたって展開を期待してたのによぉ」ケッ
浜面「人の彼女にゲスな期待してんじゃねえ!!」カッ
垣根「はいはい悪かった悪かった。しかしこれで終わりってのもなぁ……
よし滝壺、浜面との初体験がどんなもんだったか語れ」
滝壺「はまづらとの最初?」
浜面「ま、待て待て待て!!そんなのダメだ!!いくら酒の席でも滝壺に、
いや女の子にそんな事語らせるのは間違ってるって!!」
一方通行「つか命令変更は無しなンじゃなかったのかァ?」
垣根「初体験の思い出も異性遍歴の内だろうが、何の問題もねえよ」
滝壺「最初……どうだったかな……」ンー
浜面「た、滝壺……話さなくていい、話さなくていいからな?」ダラダラ
絹旗「何か冷や汗超流れてますよ?」
滝壺「はまづら」
浜面「な、何だ?」
滝壺「早かった」
浜面「」
垣根「グフッ」
一方通行「ゴホッ」
絹旗「カフッ」
麦野「……クッ」
浜面「ふ、吹き出してんじゃねーぞお前ら!!?」
滝壺「はまづら」
浜面「も、もういいから、何も喋らないで、な?」
滝壺「ズボン脱いでる最中に出たよね」
浜面「やめてえええええええ!!!!」
滝壺「ゴムつけてる最中も出たよね」
浜面「ああああああああああ!!!!!」
滝壺「泣いて謝りながら帰って行ったよね」
浜面「ひいいいいいいいいいいい!!!!!」
滝壺「それがトラウマでしばらくEDに……」
垣根「ストップ!!そこまでだ、それ以上はやめてくれ、俺らが笑い死ぬから」ピクピク
浜面「ちくしょう……俺だって、俺だって……」
絹旗「さっき一方通行に向かって『向き不向きがある』なんて超勝ち誇った顔してたのに、
浜面こそ超最悪の不能者ではありませんか」プークスクス
一方通行「あンまり言ってやンな、俺なら気にしてねェから」
浜面「反って惨めになるから優しくしないで!」
垣根「はぁ、笑わせてもらったわ……それじゃ次は五番だな、五番は誰だ?」
一方通行「俺じゃねェぞ」
絹旗「私も超違います」
浜面「……俺でもねぇよ」グスグス
垣根「てことは」
麦野「………私よ」ギリ
垣根「麦野か、こいつは色々濃いのが期待できそうだな」ニヤ
絹旗「ふむ、麦野の超ただれた男性遍歴ですか……これは超興味深いですね」
一方通行「あンまり食欲が失せるような話はすンじゃねェぞ?」
麦野「ぐ……何でそんなハードル上げんだ……」
垣根「……?どうした麦野、さっさと話せよ」
麦野「ち、ちょい待ち、今考えてるから……」エット
絹旗「超考えてる?」
麦野「あ、あぁ、じゃなくて、思い出してるから!もう少し待ってろ!」キッ
垣根「ふむ……」
一方通行「……」
滝壺「はいむぎのお酒。口の滑りが良くなるよ?」スス
麦野「へ?あ、ありがと。そうね、酔いに任せるのもありかもね……」クピクピ
垣根「いや、酔いに任せなくてもいいから普通に語れ」
麦野「チッ……滝壺のがもう少し参考になれば……どんな設定にすれば自然に……」ブツブツ
滝壺「参考?設定?」
麦野「嘘、今の聞こえてた!?」
絹旗「麦野……?」
垣根「………なぁ麦野、まさかとは思うが、オマエ」
一方通行「よせ垣根ェ!!わざわざ地雷踏み抜く気かァ!?」
麦野「………そうよ、そうとも、私は男と付き合った経験なんて無いわ!!!!」
絹旗「嘘ぉ!?」
滝壺「意外……」
麦野「お姉さんぶって上から目線で色々言って来たけど所詮ただの耳年増よ!!!
はいはい偉そうにしててすいませんでした!!!」
浜面「お、落ち着け麦野!」
一方通行「よせ第四位、それ以上自分を傷つけるな!!誰もオマエを責めたりなンか……」
麦野「どうせ私なんて2X歳にもなって処女よ!ヴァージンよ!!死ね!!皆死んでしまえ!!!」
垣根「うわぁ……」
一方通行「ぶっ壊れてやがる……」
滝壺「むぎの、随分飲んでたからね」
絹旗「こうして新たな超黒歴史が刻まれるんですね……お酒って超怖ぇ……」
浜面「酒のせいだけでも無いと思うけどな……」
一方通行「つかマジで2X歳でヴァージンか……重てェな……」
麦野「っせぇんだよもやしがぁ!!誰かに迷惑かけたかコラァ!!?」
垣根「現在進行形で我々に迷惑が及んでおりますが」
絹旗「あ、安心してください麦野!私もその、超未経験ですから……」
麦野「テメェまだ10代だろうが!!!余裕かましてんじゃねぇぞガキが!!!!
黒焦げにされてぇのかあああああああ!!!?」ガシ
絹旗「ひいいぃぃぃぃぃ!!?」ビクゥ
垣根「あー麦野、どうしてもってんなら俺が処女もらってやろうk」
麦野「死ね!!!!!」ブン
垣根「ひぐッッ!!?」キーン
一方通行「か、垣根ェェェェェェ!!!!!」
浜面「うわああああ垣根の股間の未元物質が蹴り潰されたあああああ!!!」
垣根「」ブクブクブク
麦野「私がヴァージンなのは私が悪いんじゃない!!私に釣り合う男がいないのが悪いのよ!!!
間違ってるのは私じゃなくて世界の方だ!!!」
滝壺「むぎの落ち着いて、ほら、お酒」ス
浜面「これ以上飲ませようとしてどうする!?」
麦野「リア充カップルが私の視界に入るんじゃねぇ!!ブチコロスわよ!!?」キシャー
浜面「これも俺のせいなのか……俺が滝壺を選んだから……」
滝壺「はまづら、自分を責めないで……」
浜面「滝壺……」
麦野「あああああああ!!!!イチャついてんじゃねぇぞクソどもがあああああ!!!」キュイイイイン
一方通行「いい加減にしろアホ」トン
麦野「はぅ!!」カクン
浜面「麦野!?」
一方通行「ったく、世話かけさせやがって……」
麦野「」シーン
浜面「な、何したんだ?麦野は大丈夫なのか?」
一方通行「あァ、能力でちょっと眠らせただけだ、そのうち目ェ覚める。しっかし……」
垣根「」ビクンビクン
麦野「」グッタリ
絹旗「」ガクガクガク
一方通行「どォしてこうなった……」ハァ
浜面「あー……こりゃもうお開き、か?」
一方通行「だろうな。オマエら、第四位の発言は忘れてやれよ?それが優しさってモンだ」
浜面「あ、あぁ、勿論だ」
滝壺「そう言えばあくせられーた、酔ってないね?そんなにお酒強かったっけ?」
一方通行「ン?あァ、テキーラ来た辺りから嫌な予感が全開だったからなァ、
あンまり酔わねェように能力でアルコール飛ばしたり酔い醒ましたりしてたンだよ」
浜面「ずっる!?お前の能力本当に何でもアリだな!!」
一方通行「るせェ、そのお陰でこォして無事鎮圧出来たンだろォが」
浜面「はい、感謝してます」
滝壺「それじゃお会計頼もうか」
一方通行「おォ、これにて今回の飲み会は終了だなァ」
浜面「あ、俺生きて飲み会終えたのすげえ久々な気がする……」
―完―
364 : >>1 - 2011/09/10 22:25:20.51 ekW/9VI1o 244/244
もう少しほのぼのとした流れにするつもりが、何がどうしてこんな事になってしまったのでしょうか
やはり最初でやめとくべきだったか……とにかく今度こそ終わりだ!付き合ってくれてありがとよ!!