先輩「うん。いつだった?」
後輩「いや、そんな誕生日いつだっけ?みたいな軽い感じで聞かれても、困ります」
先輩「聞いちゃ駄目だった?」
後輩「駄目ということはないでしょうが……その、ちょっと」
先輩「『ちょっと』……何?」
後輩「……言いづらい、と言いますか」
元スレ
後輩「ファーストキス、ですか」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1328211531/
先輩「言いづらいってそんな、俺とお前の仲じゃん。問題なっしんぐ」グッ
後輩「問題ありますって。……いや、そりゃ質問する側の先輩からすれば問題も何もないでしょうけど、答える私からすれば恥ずかしかったりこそばゆかったりで大変なんです」
先輩「そこは勇気で補え」
後輩「勇者王じゃないんで無理です。……というか、なんでそんな事をいきなり聞きたがるんですか」
先輩「そんなことって……ねぇ?」
後輩「ねぇ、とか言われましても」
先輩「いや、でもお前、アレだよ。ちょっと考えてみ?」
後輩「何をですか?」
先輩「お前に好きな人がいるとするじゃん?」
後輩「…………はい(まあ実際目の前にいますが)」
先輩「その人がすごい可愛い……ああ、お前からするとカッコいい人だとするじゃん?」
後輩「ん、まあ、はい(先輩はカッコいい……というより、可愛い寄りの人ですけどね。それにしても先輩かわいい)」
先輩「…………な?」
後輩「いや、なにが『な?(ドヤァ』ですか」
先輩「えー、分かんないかー?」
後輩「いや、今の例えでわかる人の方が少ないと思いますよ?」
先輩「もー、物分かりの悪い後輩ちゃんだな。俺はそんな子に育てた覚えはないですよ」
後輩「私の物分かりが悪いんじゃなくて、先輩の例えが下手なだけですよ。それに私は先輩に育てられた覚えはありません」
先輩「屁理屈ばっかりだなまったく」
後輩「屁理屈でも何でもない、ただのツッコミですよ……まったく、先輩はおバカさんですね」
先輩「ば、馬鹿言うなし!これでも学年じゃ頭いい方だし!」
後輩「勉強できるのと頭いいのは違いますよ、先輩?」
先輩「ぐぬぬ…………」
後輩(年下の子に馬鹿にされてムキになる先輩ほんと可愛い)ニコニコ
先輩「に、ニヤニヤ笑うなし!」
後輩「……で、さっきの話ですが。あれ、どういう意味ですか?」
先輩「えー、もっかい説明すんのー?」
後輩「さっきの例えだけじゃ理解できませんでしたし。ちゃんと理由が話せないと、こっちも話してあげませんよ?」
先輩「むー、仕方ないな……まあ、例えばさっき言ったようにさ、お前の好きな人がカッコよくて素敵な人だとするじゃん?」
後輩「はい(うん、先輩かわいい)」
先輩「その人がさ、誰かとファーストキスを済ませてたとするじゃん?」
後輩「…………はい(……想像したくないですね、それは)」
先輩「そうだったら嫌だなぁ……というか、そういうの気になるじゃん?」
後輩「はい…………(確かに、そう言われると気になりますね……先輩、誰かとキスしたことあったりするんでしょうか。……あったら、嫌だな)」
先輩「だから質問しましたー、という話。わかったカナ?」ドヤァ
後輩「ああ、成る程理解しましt…………って、ち、ちょっと待ってください先輩」
先輩「ん、どうした後輩?」
後輩「いえ、そのですね、先輩。一つ忠告と言うか注意と言うか」
先輩「む、何か俺おかしいこと言った?」
後輩「いえ、その。さっきのたとえ話ですけど。あの話、ファーストキスがいつだったかってことを先輩が私に聞きたい理由の説明でしたよね?」
先輩「ああ、うん。そうだけど?」
後輩「ですよね。でもさっきみたいな説明をしちゃうと、誤解を生んじゃいますよ?」
先輩「ん?……誤解って、さっきの話にそんなまずい所あったかね」
後輩「まずいというか……その……何と言いますか……」
先輩「お前にしては珍しく煮え切らない態度だな。ほれ、何を誤解しそうになったんだ?言ってみ?」
後輩「…………笑いませんか?」
先輩「笑う?俺の発言に誤解を生むような所があったから、お前は注意してくれてるんだろ?それを何で笑わなきゃならんのよ」
後輩「いえ……でも誤解の仕方がアレかもしれないというか……」
先輩「大丈夫だって、誤解させるような発言したのは俺なんだし。笑いやしないよ」
後輩「……約束、ですよ?」
先輩「はいはい、約束するよ」ギュッ
後輩「へひゃあ! ……な、ななななにするんですか!」バッ
先輩「何って、指きりだよ。そんな逃げることないだろうに……」ショボン
後輩「…………そんなことを当たり前のようにするから誤解されるんですよ、この朴念仁は……」ボソッ
先輩「ん?何か言ったか?」
後輩「なんでもないですよ…………はぁ」
先輩「……で、何を誤解したんだ?今度からそういうことはしないようにするから、言ってくれ」
後輩「…………笑わないで下さいよ?」
先輩「笑わないよ。もっぺん指きりするか?」
後輩「え、あ、う……結構です……。
え、えとですね。さっきみたいな感じの例え方だとですね、その…………先輩が、私の事を…………き、みたい、に」
先輩「ん?最後の方がよく聞こえないぞ?」
後輩「だ、だから……先輩が、私の事を……すっ…………みたい」
先輩「いや聞こえんて。『す』、何?」
後輩「だ、だから……!せ、先輩が、わたしの、事を……好き、みたいに、聞こえちゃったんですっ!」カァァ
先輩「…………あ、そこ?なぁんだ」ハァ
後輩「私が頑張って言ったのになんですかその反応!」
先輩「いや、だって予想外の方向だったから。まさに斜め上」
後輩「わ、悪いですかっ!?あんなふうな言い方されたら、私じゃなくても誤解しちゃいますって!」
先輩「いや、誤解じゃないしなあそれ」
後輩「誤解じゃないも何もないでs……………………え?」
先輩「えっ、とか言われても」
後輩「え、と、それは、どういう、意味で」
先輩「いや、だからさ。誤解でも何でもなくて、お前が考えてる解釈の仕方で合ってるよ」
後輩「………………え、あ。え?そ、それ、って、つまり」カァァ
先輩「つまり、俺はお前の事が好きだからファーストキスがいつだったかとか知りたいってことだよ言わせんな恥ずかしい」
後輩「 」
後輩「 」
先輩「えと、後輩?大丈夫か?」オーイ
後輩「…………マジ?」
先輩「あ、うん。マジマジ。後輩ラブ」ナデナデ
後輩「 」
先輩「……あの、後輩さん?顔の赤さがヤバい事になってますけども?」
後輩「……………………え」
先輩「え?」
後輩「えんだああああああああああああああああああああああああああ!!」ガバッ
先輩「いやあああああああああああああああああああああああああああ!?」ビクッ
アイウィィィィイィィイィイルオールウェェェエイズラアァアアアアァアァビュウウゥゥウウウゥゥウウゥアアァァアアァ……
後輩「……すいません、取り乱しました」フゥ
先輩「……ていそうの ききを かんじた」ガクガク
後輩「いや、その、ホントにごめんなさい。嬉しすぎたもので、つい……」
先輩「『嬉しすぎて、つい』でズボン脱がされちゃたまんねえよ……」
後輩「えっと……こ、今度は一気に脱がせるように頑張ります!」フンス
先輩「いや、何で張り切ってんだよ。やめてほしいんだけど」
後輩「え、でも『たまんねえ』って」
先輩「そういう意味じゃねえです」
後輩「はぁあぁ……夢みたいです……」ポワァ
先輩「そんなに嬉しい?」ナデナデ
後輩「そりゃそうですよ!2年越しの恋がようやく叶ったんですから!」
先輩「そんな前から好きだったのか……って、え、後輩も俺の事好きなの!?」
後輩「そうですよ!というかこの話の流れで分からなかったんですか!?」
先輩「いや、初めて人に告白されて嬉しいなあぐらいのもんかと」
後輩「それだけで相手に飛びかかってズボン剥こうとする人間なんていませんよ!」
先輩「いや、どんだけ嬉しくてもその行動はないと思う」
後輩「やっぱりですか」
後輩「……ほら、先輩。手が止まってますよ」
先輩「あ、うん。ごめん」ナデナデ
後輩「♪」ムフー
先輩「ところでこれ、いつまで続ければいい?」ナデナデ
後輩「私と先輩が朽ち果てて魂が来世に転生するまでお願いします」
先輩「それは難しいな」ナデナデ
後輩「勇気で補ってください」
先輩「俺は勇者王じゃなくて太陽王だから無理」フハハ
後輩「……あ、もしかして私、重いですか?なら降りますけど……」
先輩「うんにゃ。むしろ軽いぐらい」ナデナデ
後輩「ならよかったです。……じゃあ、こんどから先輩のおうちに来た時、ずっと先輩の膝の上に座ってても……いいですか?」
先輩「かまわんよ」ナデナデ
後輩「忍びねぇな……でしたっけ?」
先輩「若干古いし、順番逆だけどな」ナデナデ
後輩「……で、どうしましょう。SS的に一番の盛り上がりというか山場のシーンである『告白→付き合う』がこんなにも早く終わっちゃいましたが」フゥ
先輩「メタ発言はやめような。……というか、付き合ってくれるのか」ナデナデ
後輩「当たり前です。好き合う男女は付き合って突きあうのが世界の真理なのです」
先輩「付き合うのをOKしてくれるのは嬉しいけど、下ネタもNGな」ナデナデ
後輩「やだなあ先輩、そこは『突き合うにはお前に棒が足りないだろ』って突っ込んでくれなきゃ、言葉と棒を」
先輩「もうやだこの後輩」ナデナデ
後輩「でも頭を撫でる手は止めない先輩、優しいです」
先輩「そりゃ、そう言う所も含めて全部大好きですから」ナデナデ
後輩「えへへ。私もそんな先輩が大好きですよ」
先輩「で、どうなんだ?」ナデナデ
後輩「何がですか?私の3サイズなら83・45・82ですけど」
先輩「聞いてない。かなりスタイルいいなぁとは思ったがそれは聞いてない」ナデナデ
後輩「じゃあ何ですか?」
先輩「ほら、さっきの俺の質問」ナデナデ
後輩「あー、ファーストキスが云々のアレですか」
先輩「うん」ナデ
後輩「あー…………あんまりにも間に衝撃的な事があり過ぎて忘れてました」ハフゥ
先輩「さあ、早く吐いて楽になれい」ワシャワシャ
後輩「あ、髪の毛くしゃくしゃしないでくださいー。……あー、結局言わなきゃいけないんですね……」ハァ
先輩「……まあ、でもあれだろ?まだしたことないとかそういうオチなんだr」
後輩「え、ありますよ?」キョトン
先輩「 」
後輩「ありゃ、先輩?手が止まっちゃいましたよ?」
先輩「 後輩?」
後輩「ん、なんですか?」
先輩「ファーストキス 終わってるって マジ?」
後輩「え、あ、はい。マジですマジ」
先輩「 」
後輩「……もー、先輩―。元気出してくださいよー」ナデナデ
先輩「 」
後輩「何か私まずいこと言いましたか?もしあれなら謝りますから―」ナデナデ
先輩「おまえが あやまる ひつようは ない」
後輩「じゃあ機嫌直してくださいよー」ナデナデ
先輩「 」
後輩「もう、頑固だなあこの人は……まあそう言うところも子供っぽくて可愛いですけどねー」ナデナデ
後輩「何でそんなネガティブなオーラ出してるんですかー?」ナデナデ
先輩「 だって とられた」
後輩「なにをですかー?」ナデナデ
先輩「こうはいの はじめて とられた」
後輩「……あー」
先輩「おれですら まだなのに きすどうていすら ぬけてないのに さきを こされた」
後輩「……言い方が誤解を生んじゃいましたかねー。というか、あの言い方じゃ誤解されて当たり前ですか」ナデナデ
後輩「……あのですねー、先輩。私は確かにキスしたことありますよー?」ナデナデ
先輩「 」
後輩「でもその相手、誰だと思いますー?」ナデナデ
先輩「……お前のクラスのチャラ男くん」
後輩「あの人、私になれなれしく話しかけてくるんで嫌いです。よって外れです」
先輩「……ガチムチ先輩」
後輩「あの先輩は顔はかっこいいですが、名前が死亡フラグなのでどうでもいいです。よってこれも外れです」
先輩「……じゃあ誰」
後輩「…………私の目の前にいますよー?」ナデナデ
先輩「……?」クルッ
後輩「ふふっ、振り向いても誰もいませんよ」クスクス
先輩「…………おれ?」
後輩「ご名答ー、です」パチパチ
先輩「なんという杞憂」
後輩「ふふっ、でもガチで落ち込んでる先輩、とっても可愛かったですよ?」ナデリナデリ
先輩「可愛い言うなし」
後輩「ベッドの上で私に膝枕されて頭撫でられて可愛いって言われて赤面する先輩かーわーいーいー」ニヤニヤ
先輩「う、うっせ」カアア
後輩「ウェヒヒヒwwwwwwww何この生き物かわええwwwwwwww」グリグリグリ
先輩「テンションあがってもその笑い方はやめた方がいいと思うの俺。後痛い」
後輩「先輩の可愛さで私のはしたない雌穴がティ○・フィナーレwwwwwwwwww」
先輩「もうだめだこいつきもちわるい」
後輩「とかいいつつ逃げないんですね先輩。可愛いです」ナデナデ
先輩「そりゃ、お前が好きなんだもん。仕方ない」フンス
後輩「えへへ、先輩ほんと可愛い。私も大好きですよ」ナデナデ
先輩「さっきもこのパターンあったよな」
後輩「撫でる側が交代してますけどねー」ナデナデ
先輩「また撫でる側交代してお前を膝に乗せました」ナデナデ
後輩「はい、説明おつかれさまです」ムフー
先輩「で、質問なんだが」
後輩「はい、なんでせう」
先輩「俺、お前とキスした覚えがない……どころか、生まれてこの方異性とキスしたことすらないんだけど」
後輩「えー、そんなはずないですよう。現に私は先輩とキスした記憶ありますしー」
先輩「うーむ……じゃあ聞くけど、いつしたんだ?」
後輩「えーと、初めてした日はかなり前ですけど……最近で言うなら、昨日もしましたね」
先輩「…………俺と?」
後輩「はい。先輩ったら、あんなに激しく舌を絡めて来て…………♪」イヤンイヤン
先輩「……すまんが、俺にはそんな記憶はない。というか、昨日俺とお前は会ってすらいない気がするんだけど、気のせい?」
後輩「えー、ちゃんと会ったじゃないですか。この先輩の部屋で、深夜の2時に」
先輩「それを人は会うとは言わない。夜這いと言うんだ」
後輩「いつも通り鍵を開けてたから、入っていいよのサインなのかと」
先輩「玄関はキッチリ鍵を閉めてたはずだが」
後輩「やだなあ、先輩の部屋の窓ですよ」
先輩「お前、ここマンションの8階だよ?」
後輩「先輩への愛があればその程度、スピリットオブマザーウィル程度の障害にしかなりません」
先輩「充分な障害だよな、それ」
後輩「まあ実際のところは事情をお義母さんに話して、合鍵渡してもらってたんですけどね」
先輩「道理で今日お前をつれてきたときにおかんが意味深な顔をしてたわけだよ」
先輩「え、ということはなに、俺はもうファーストキスを経験してるってこと?」
後輩「そうですね。…………私とじゃ、御不満ですか?」
先輩「いや全然まったくこれっぽっちもそんなことは思わないが…………それって、さっきお前が話したように、俺が寝てる間にこっそり……とか、そんな感じのだったの?」
後輩「………………テヘ☆」ペロ
先輩「図星っつか、正解か」
後輩「だ、だってしょうがないじゃないですか!寝てる時の先輩の可愛さは異常なんですよ!?ただでさえ可愛いのに、それに加えて寝ているゆえの無防備さですよ!?そりゃキスしますって!仕方ないですって!事故ですって!不可抗力ですって!睡眠薬盛るのもやむなしですって!」
先輩「ああもうわかったわかtt…………おいちょっとまて睡眠薬って何ぞ」
後輩「……………………先輩の晩御飯に盛っちゃったりしてました☆」テヘ
先輩「時折飯食った後異常な睡魔に襲われたりした元凶はお前か」
後輩「ちがいますよ、私はお義母さんに薬を入れるよう頼んだまでです。詰まる話が共犯です。むしろ実行したお義母さんの方が……」
先輩「もう誰も信じられなくなりそうだよ」
先輩「というかそんな形でファーストキス奪われたのが解せぬ」
後輩「あー……それについては、ごめんなさい」
先輩「自分からするんじゃなくて相手から奪われたどころか、ファーストキスの記憶すらないってお前。そりゃヘコむわ。男として辛いわ」ハァ
後輩「せ、先輩がオクテなのが悪いんですっ」
先輩「お前があんまりにもクリミナルにアグレッシブすぎるんだよ」
後輩「仕方ないじゃないですか、先輩が可愛いんですから!」ドヤァ
先輩「俺を可愛いということで何もかも許されると思ったら大間違いだぞお前」
後輩「それでも許してくれちゃう先輩マジ可愛いです」
先輩「…………はいはい、もう許したってことでいいよ」フゥ
後輩「と、仕方なさそうに言いつつも先輩の顔は真っ赤なのでした」ニヤニヤ
先輩「う、うっせ、見えねえくせに適当言うなし」プイッ
後輩「お?おお?もしかして図星ですか?図星ですか先輩?」ニヘニヘ
先輩「うっせ黙れ」カアア
後輩「……先輩、そんなに初めてを奪われたのがショックですか?」
先輩「言葉はよく選ぼうな、なんか違う意味に聞こえるから。……そうだな、ショックと言うよりは、始めては自分からしたかったなあ、っていう男としての安いプライド的なアレがね」
後輩「なら、やり直せばいいじゃないですか」
先輩「え、飛べよおおおおおお的な感じで?」
後輩「狂気のマッドサイエンティストさんじゃあるまいし、それは無理でしょうに」
先輩「じゃあどうしろと」
後輩「ですから、先輩がもう一回ファーストキスを体験すればいいんです」
先輩「もう一回もクソも、初めての一回のみだからファーストなんだぜ?」
後輩「でも、先輩はキスをした記憶がないんですよね?」
先輩「まあうん、寝てたし」
後輩「なら、そのキスはノーカンじゃないですか?記憶にないなら存在しないのと同義ですし」
先輩「いや そのりくつはおかしい」
後輩「なんにせよ先輩からキスしたことは無いわけですから、経験しとくのも悪くないと思いますよ?というか寧ろしないと駄目です、私たちのこれからの為に」ハァハァ
先輩「……後輩」
後輩「なんでしょうか?」
先輩「お前、キスしてほしいだけだろ」
後輩「…………ばれました?」テヘ
先輩「いやバレバレっすよ後輩さん」
後輩「ばれてるなら隠す必要もないですね、と言う訳でしましょうさあさあさあ」ハァハァ
先輩「怖いよお前。というかまだするとは一言も」
後輩「…………せんぱい、わたしとするの……いや、ですか?」ウルッ
先輩「あ…………いや、別に嫌ではないというか……」
後輩「いやじゃない、だけですか?」グスッ
先輩「う、あ、その…………むしろ、したいけど、さ…………」ボソッ
後輩「ならしましょう!」キラキラ
先輩「しまった嵌められた」
後輩「まだハメてません。寧ろこの後ハメるんです」ハァハァ
先輩「……今更だが、お前は最初とキャラ変わり過ぎじゃないかな」
後輩「恋は人を変えるのです」キリッ
先輩「変な、もとい変態な方向に変わってるけどな」
後輩「ヘンな女の子は嫌いですか?」
先輩「好きだよ。好きになった女の子がたまたまヘンな娘だったんでね」
後輩「じゃあ、すると決まれば早くしましょう。さあ早く早く」
先輩「ああ、わかったわかった。じゃあ膝の上から下りろ」
後輩「いやです」
先輩「何故に。このままじゃキスできんぞ」
後輩「…………?」キョトン
先輩「いや『わけがわからないよ』みたいな反応されても。この体制じゃお互いの顔が同じ方に向いてるんだから、キスなんてできるわけないだろ」
後輩「いや、このままですね、体の向きを変えれば…………よっ」グルンッ
先輩「うわっと…………」
後輩「はい、これで向かい合わせになりましたよ」ドヤァ
先輩「うん、そうだな。しかしこの体勢はまずいぞ後輩」
後輩「ん?なんでです?」
先輩「いや、これ対面座位……」
後輩「ああ、それなら問題ないですよ、むしろこの後の展開的に好都合です」
先輩「いやそれ問題大アリだから。このSSは全年齢対象だから」
後輩「いつからエロなしだと錯覚していた……?」
先輩「錯覚もクソもございません。とにかくそういうのはナシです」
後輩「えー先輩のケチー」プクー
先輩「はいはいケチでいいから頬を膨らませるな可愛いから」ナデナデ
後輩「で、先輩?」
先輩「なに?」
後輩「キスをするんでしたよね?」
先輩「ああ、そうだが?」
後輩「先輩からしてくれるんでしたよね?」
先輩「……そ、そうだが?」
後輩「…………かれこれさっきの会話から30分くらい経ちますけど、どうしてじっと見つめあったまま動かないんですか?」
先輩「そ、そりゃお前、アレよ…………」
後輩「どれですか」
先輩「……っこ」
後輩「こ?」
先輩「…………っこ、心の準備だよ……」
後輩「…………先輩、ひとつ言ってもいいですか」
先輩「……な、何」
後輩「ヘタレ」
先輩「」
後輩「近頃は小学生ですら初体験が云々とか言っているのに先輩ときたら……どこまでアレなんですか、童貞を通り越した何かですか先輩は」
先輩「ど、童帝ちゃうわ!」
後輩「キスですよ?たかがキスですよ?いや、確かに緊張はするかもしれませんが、さすがにそこまでヘタレになられると……さすがにちょっとひどいですよ先輩」
先輩「ぐ、ぐぬぬ……」
後輩「まあヘタレな先輩もかわいいですけど、少しは恰好いい所もみせてくれないと……」
先輩「…………だって」
後輩「だって、何ですか?」
先輩「…………可愛くて大好きな後輩との初めてのキス、とか、考えたら。
どうすればいいのかな、とか、上手くしないとな、とか、失敗して嫌われたら、とか思って。
……そんな、すぐに決心とか、俺には無理だわ」
後輩「…………先輩」
先輩「な、何だよ。ヘタレとか童貞とか言いたいように言えよちくしょう」
後輩「先輩、こっち向いてください」
先輩「だ、だから何」
後輩「…………」スッ
先輩「えっ……後輩?」
後輩「……私は、このまま目をつむって、先輩を待ちます」
先輩「え、あ、でも、上手くできないかもしれないし……」
後輩「上手くなんてできなくても、大丈夫です。嫌いになんて、なりません」
先輩「え……」
後輩「『はじめて』ですから。失敗とか、上手くできないとか、そんなのないんです。
それに、そんなことで、先輩の事を嫌いになんて、なりません。
ですから……先輩の、好きなように。
…………いっぱい、愛してください」
先輩「後輩……」
後輩「……」
先輩「……す、する、ぞ」
後輩「……はい」
先輩「……」スッ
後輩「あ……」ドキドキ
先輩「……」ドキドキドキ
後輩「…………」ドキドキドキドキ
前歯「そぉい」ゴチュッ
先輩「んぐふっ」
後輩「いちゅっ」
後輩「……い、いひゃいです」グスン
先輩「こ、これが噂にきくファーストキス事故ナンバーワンの『前歯衝突(ブリード リップ)』か…………大丈夫か、後輩」
後輩「うー、上唇あたりにしゅっけちゅがぁ……いはいです……」グスグス
先輩「ご、ごめんな……」
後輩「あ、謝らないでもいいですよ……はじめてですし、仕方ないですって。それに、好きにしてっていったのは私ですし。むしろ初めての証がもらえたみたいで嬉しいです」ニコ
先輩「後輩……」キュン
後輩「……えへへ、でも痛いものは痛いです……」ヒリヒリ
先輩「う、それは申し訳ない……なんとか治す方法は……あ、そうだ!
……動くなよ後輩……」
後輩「え、はい……!?せ、先輩、顔がちかいd」
先輩「……ん」ペロッ
後輩「んむッ……!」ビクッ
先輩「ん、んむ……れろ」チュゥッ、テロッレロッ
後輩「せ、せんぱ……!…んふ、んぅ」ビクッ、ビク……
先輩「ぅむ、ふ、んぁ……ちゅ」チュ、チュウゥッ、ハムッ
後輩「あ、ぅ、ん……む」…チュチュッ、チュプ、ムチュゥッ
先輩「く、ふ……ん、む、れろ」チュプ、チュ…レロレロチュッ
後輩「ん……!ふ、ぁん、ちゅ……」クプッ、チュ、チュムチュパッ
先輩「ふ、んむ、ちゅ…ぅむ、くちゅ……」プチュッ、チュ、チュッレロッレロッ
後輩「ん、んふ、むぅ……ぁ、ん……!」チュ、チュク、チュッチュッチュッチュッ
先輩「ん、ふ、ぁ……ふぅ」クチュッ……
後輩「ん……あ……」チュパ…
先輩「……どう、だ?」ハァハァ
後輩「…………」ポー
先輩「……後輩?」
後輩「ふ、ふぉ、ほぁえ!?にゃんですか!?」ビクゥ
先輩「ん、おお……(大丈夫かなこいつ……)えと、ど、どうだった?」
後輩「え、あ……ど、どう、と聞かれても……(その、いきなりべろちゅーっていうのは、その、びっくりしましたけど、でもせんぱいのしたでペロペロなめられたら、体中びくびくして、まるでとんでるみたいなきもちになって……あの、きもちよかったといいますか、えと、もっとしてほしいといいますか)」ボソボソ
先輩「いや、その、唇、痛み引いたか?」
後輩「……へ?」キョトン
先輩「いや、だからさ。唇、もう痛くないか?」
後輩「……え、そういう目的だったんですかさっきの!?」
先輩「いや、血ィ出たって言ったから、舐めてツバ付けりゃ治るかなと」
後輩「あー、だからいきなりべろちゅーですか……まあおかげさまで唇は痛くなくなりましたけど」
先輩「そか、ならよかった!」ニコニコ
後輩「……というか先輩、気付いてます?」
先輩「ん、何に?」
後輩「ほら、さっきのべろちゅーですよ」
先輩「え?それが?」
後輩「あれ、『上手くできるかなぁ』とかなんとか言ってた割に、すごい上手かったですよ?」
先輩「え、マジ!?」
後輩「マジです。もう舌の動きが歴戦の兵レベルでした」
先輩「な、なんか気持ちよくなさそうな表現だな」
後輩「い、いえそんなわけじゃ……むしろ、すごく気持ちよかったです、はい」
先輩「そ、そうか。それはよかった……」
後輩「…………」
先輩「…………」
後輩「……ね、ねえ、せんぱい?」
先輩「お、おお、なんだ?」
後輩「その……も、もういっかい、べろちゅー……お願いしていいですか?」
先輩「…………んふ、ん、ちゅ、むぅ…」クチュ、チュ、レロッ、ムチュゥ
後輩「ん、む、ぁむ…あふ、っむ……」チュ、チュ、チュ……クチュップチュ
先輩「あむっ、く、ふ……ちゅ、ん」チュ、レロ、レロ…クチュクチュ
後輩「くふ、ぁふ……ん、む、ちゅ…く」ルレロ、ムチュ、チュッチュッチュ
先輩「くぷ……ちゅ、はぁ」チュウッ……パッ
後輩「ちゅ……ぁ……せ、せんぱ、ひ」…ギュ
先輩「はぁ、はぁ…………何?」ギュッ
後輩「……や、やめちゃ、やですっ……も、もっと、して、ほしぃ、です」ハァハァ
先輩「……ふふ、これで何度目の延長かな?」ナデナデ
後輩「なんどめでも…なんどでもいいですっ……
もっと、もっと……おぼれるくらいに、せんぱいを、わたしに……」ウルウル
先輩「……はいはい、わかったよ……舌、だして」
後輩「ぁ、はいっ……!……んぁ……」レロォ
先輩「ん、いい子だ……はむっ…ふ」プチュッ…レロ
後輩「ぁ……!ふ、んむ、ちゅ……」チュ、チュップ、チュ……
先輩「ん、ふぅ、む……くちゅ」
後輩「ぁむ、れろ、くふ……ちゅ」
チュ、チュム、チュ……ハムッ、レロレロ、チュゥッ……
後輩(これ、すごい。先輩の熱が、そのまま口の中にはいってくる。
気持ちいい、気持ちいい……!)
先輩「はむっ……れろぉ、む……ふぅ」
後輩「れろぉ……は、むぅ。ちゅ……ぁむ」
チュ、クチュ、レロ、クチュ……レロッ、ハァムッ、チュクチュパッ…
後輩(舌の先っぽから、先輩に体全体を犯されてるみたい……
体中ふわふわしてる、すごい。先輩とべろちゅー、きもちいい……!)
先輩「くちゅ、はむっ…ん、ぁぷ……」
後輩「ふ、ん、くちゅ、ちゅ……」
クチュクチュ、レロレロ、レルッ、チュックチュップ……
後輩(もうだめだ、気持ちよすぎる。先輩の事しか考えられない……
もっと先輩が欲しい。もっと先輩に気持ち良くなって欲しい。
もっと。もっと。
先輩、先輩、せんぱい……!)
先輩「ん、ふ、んぅ…………く、ちゅ」
後輩「ん、ぁ、あ…………!んぅぅ!」ビクビクッ
チュゥッ、レロ、チュっ、チュ、チュウウゥゥゥ……
後輩(し、舌、吸われるのいいっ、きもちいいっ!
せんぱい、もっと、もっとして、もっとわたしの舌を犯して……!)
先輩「む……ん、ちゅ……っはぁ」チュポッ
後輩「んむ……っちゅ…はぁ……え?」
後輩(ぁ……くちびる、離しちゃった……もう、おわり?
……いや。やだ。もっと、もっとせんぱいがほしい、もっとしてほしい)
後輩「……んぅむっ、はむっ、っちゅ……!」ギュウッ
先輩「……っむぅ!?…っく、ふ、れるっ……」……ギュッ
後輩(もっと、もっと。せんぱいのあいを、もっと。
もっとして。もう、せんぱいなしじゃいきていけないぐらいに。
もっと、もっとわたしをおかして、とかして……!)
チュゥッ、レロ、クチュプ、レロレロレルッ、チュッチュッ、プチュウゥゥウゥゥウ……
先輩「……とかやってるうちに夜だよ……何時間やってるんだって話だよな」ハァ
後輩「えへへ、先輩の家におとまりっ、先輩とおとまりっ!」ウキウキ
先輩「この娘はよく分からない事を言ってるし……おい、送って行くからさ、これ以上暗くならない内に自分の家に帰れよ」
後輩「えー、何言ってるんですか。今日は先輩のお家にお泊まりするんですよ!」
先輩「何言ってる。そんなの俺の家はともかく、そっちの家が許さんだろう」
後輩「今日はお泊りに行ってくるって、うちのお母さんに言ってきました!」キリッ
先輩「……元より泊まるつもりだったのか……こっちの家が受け入れ拒否したらどうするつもりだったんだ」
後輩「それはあり得ませんよぅ、お泊まり企画立案者はお義母さんですし」
先輩「あのババア勝手に何やってんだ」
後輩「そしてそのお義母さんは今日お義父さんと温泉旅行で帰ってこないとのことです」
先輩「おいそれ聞いてないぞ」
後輩「『それを息子に言ったら早めに後輩さんを帰らせるだろうから』とのことで、先輩には敢えて伝えないという匠の粋な計らいです」
先輩「なんということをしてくれたのでしょう」
後輩「いいじゃないですか、おかげでこうして可愛い女の子と一緒に寝れるんですよ?」
先輩「違う意味に聞こえなくもないからやめような。……というか、マジに泊るの?」
後輩「はい、マジです。お泊りセットも持ってきました」
先輩「道理でお前の荷物が異常に多かったわけだ」
後輩「……先輩は、私と一緒にお泊まりするの……いや、ですか?」
先輩「……上目づかいは卑怯だぞ、後輩……もちろん嫌じゃないよ、むしろ嬉しい」ナデナデ
後輩「にへへ、やっぱり先輩は優しいです!」ニコニコ
後輩「と、いうわけでっ、先輩!」ギュッ
先輩「うおお、急に飛びつくな……なんだ?」ナデナデ
後輩「今日はサタデーナイトフィーバーですよっ」キラキラ
先輩「今日金曜だぞ?」ナデナデ
後輩「細かい事はいいんですっ!
……それじゃあ、とりあえずこのあと、ご飯を食べましょう。私が作ります」
先輩「そりゃ楽しみだ」
後輩「ご飯を食べたあと、お風呂に入りましょう。別々でもいいですし、一緒に入ってもいいなら……その……」
先輩「……まあ、その辺は好きにしてくれ。ぶっちゃけ役得だしさ」
後輩「やたっ、ならいっしょがいいです!……そ、それで、一緒にお風呂に入った後に……」
先輩「……あとに?」
後輩「……ま、また、いっぱい、いーっぱい、先輩のキスで、私を愛してくださいっ!」
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