1 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/22(月) 00:32:17 /4cLIFxw 1/116

登校時間

幼馴染「おはよっ男ちゃん!」

「ああ、おはよう幼」

「ふむふむ、ちゃんと待っててくれたみたいだね。感心感心」

「いつも待ってるじゃん。何言ってんだよ?」

「いつもは私が待ってます。今日はめずらしく男ちゃんが先に来ているなと驚いたんだよ」

「いつもは寝坊すけ男ちゃんなのにね。全く、昔っから朝弱いんだから…」クスッ

「…悪かったな」ムスッ

「幼と約束したからな。先に来て待ってるって」

「…そっかぁ」


元スレ
幼馴染「やくそく…だよ?」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1366558337/

2 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/22(月) 00:42:04 /4cLIFxw 2/116

「私との約束はちゃんと守ってくれるわけだね…うれしいな」ニコッ

「まぁ…そもそもそういう約束だし…」

「えへへっ、すなおじゃないんだから」ツンツン

「…よせって」

「…そういや、何で俺が先に待ってなきゃ行けなかったんだ?」

「いつもいっしょに通ってるだろ高校?」

「…たまには待ってる男ちゃんに声をかけてみたくて」

「…なんだそりゃ?」

「ごめんね。…でも、このセリフが言いたくって…」

「待たせてごめんね」ニコッ

「…ああ、デートの定番か…」

「待ってないよ」


3 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/22(月) 00:52:18 /4cLIFxw 3/116

「今来たところさ」ニコッ

「…こんな感じかな?」

「そう…そんな感じ」ニコッ

「ありがとう男ちゃん」

「じゃあ、これを渡さなきゃね」サッ

「…なんだこれ?」

「お弁当。早く目が覚めたから作ってみたの」

「あんまり自信ないけど、食べてくれるとうれしいな」

「ありがとう。味わって食べるよ」

「じゃあしっかりお礼しないとな」

「今度お弁当、俺も作るよ…上手く作れるか分からないけど」

「ありがとう男ちゃん、楽しみにしてるよ♪」


4 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/22(月) 01:05:03 /4cLIFxw 4/116

「じゃ指切りしましょ?私にお弁当作ってくれるって」

「いつものか…いいよ、わかった」

「…ちょっと恥ずかしいかな」

「まぁいいじゃない。私たちの定番なんだから」

「指切りげんまん♪」

「指切った♪」

「やくそくだよ?」

「わかってる」ニコッ

「じゃ、行きましょ?」

「うん」

「…なんで待ち合わせしたかったんだろ?あのデートの定番のやりとりは一体?」

「…朝から待ち合わせでデート気分♪」ボソッ


10 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 00:54:01 Dkn6ZM6I 5/116

……

休み時間

「宿題は調べ学習かぁ…」
「大変そうだなぁ…」

「…いっしょにやろうか?」
「クラス違うけど、俺のとこもいっしょだし…はかどるよ?」

「…そだね、いっしょにやろ!」

「じゃ、約束だ!」
「やくそくね」

「指切りげんまん♪」

「指切った♪」

「やくそくだよ?」

「分かった」

「…なんかガキみたいだな、指切りなんてさ」

「じゃ、やめる?」

「…やめない」

「…えへへ」


11 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 01:07:35 Dkn6ZM6I 6/116

「…私たちの指切り、ちいさい頃からの習慣だもんね」

「うん」

「してると落ち着くな俺…」

「私も安心するよ」ニコッ

「…私、男と指切りして約束すると、なんだか楽しくなるんだよね」

「約束できるってことは次の予定ができるってことだもん」
「男と予定を立てられるのが嬉しいの♪」

「未来に思いを馳せてる感じでね」

「それは俺もそうだよ」

「幼と次の予定があるとわくわくするんだよ。大事な計画を立ててるって思えてさ」

「…些細な計画なんだけどな」

「そのささやかな計画がいいんだよ」

「毎日を大切にしてるって感じだもん」ニコッ


12 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 18:19:50 Dkn6ZM6I 7/116

「1日1日を大切にか…」

「そういうこと」ニコッ

「…じゃあ今日も楽しく過ごすか」

「おおー♪」


13 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 20:45:35 Dkn6ZM6I 8/116

……

昼休み

「男ちゃん、お昼食べに行こ」

「うん」

「中庭で朝、渡したお弁当食べよ。天気いいから」

「お弁当、外で食べたほうがうまいもんな」

「さっ、早く」

「おう」


14 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 21:04:30 Dkn6ZM6I 9/116

中庭

「お弁当おいしい?」

「うん、すごくうまいよ」モグモグ

「良かったー。お料理上手な男ちゃんが、おいしいって言ってくれるなら間違いないね」

「あんまり自信なかったんだよ。私、普段料理しないから」

「そんな。うまいぞこれ。肉じゃがとか春巻きとか」モグモグ

「栄養バランスもとれてるし」

「えへへ」

「ほめてくれると私調子に乗るよ?毎日男ちゃんに作るよ、お弁当?」

「テンション上がりやすいのは知ってる」

「もー」プクー

「ふふ」

「…いいよ、楽しみだ」


15 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 21:15:40 Dkn6ZM6I 10/116

「俺は幼にお弁当作るからさ」

「朝、約束したもんね」

「幼もお弁当頼んだぞ」

「…お互いにお弁当、作りっこするんだね。了解です」

「うん。約束だぞ?」

「うん」ニコッ

「じゃあ…」

「いつものか…」

「指切りげんまん♪」

「指切った♪」

「約束したよ幼」

「わかったよ男ちゃん」ニコッ


16 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 21:27:08 Dkn6ZM6I 11/116

「よし!頑張るぞー!」フンス

「料理上手くなるぞー!」

「俺も頑張るよ」

「うん。お互いに頑張ろ」

フワッ

「…春は空気が気持ちいいねぇ」

「…ああ。いい風だな」

「だから外でお昼は食が進むよ」モグモグ

「幼はいつも食が進んでるじゃん」モグモグ

「春も秋も夏でさえ。曇ってても雨でも雪でも」

「そうだけどさぁ…。情緒がないよ男ちゃんは。こういうときくらい素直に同意してよー」

「すまん」

「…ぶぅ」


17 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 22:00:58 Dkn6ZM6I 12/116

「…そういえばこないだのお花見楽しかったなぁ」

「ちょうど今日みたいなあったかくて気持ちいい日だったよね」

「うん、楽しかったよな花見。幼のお母さんの弁当もうまかったし」

「うん」

「今年は二人だけで行ったけど、落ち着いてお花見できてよかったね」

「今回は内緒の穴場だもんな」

「近所の雑木林にあんなところがあったなんてね」

「いつもみたいに散歩してたら見つけたんだよな」

「後日行ったときも桜、綺麗に咲いてて良かったよ」

「また二人で行こうね」

「うん」


18 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/23(火) 22:14:31 Dkn6ZM6I 13/116

「人が居なくて静かで桜がきれいで」

「すてきなとこだったね…」

「うん…」

「また男ちゃんとのひみつが増えちゃったよ」

「秘密の場所もな」

「…全く、幼とは秘密がたくさんだよな」

「長い付き合いだもん。ふたりだけのひみつはたくさんあるよ」

「…小2のとき、男ちゃんのおねしょした布団を、私のうちで内緒で干したこともね」

「小4の頃、幼の壊した花瓶を、空き地にふたりでこっそり埋めたこともな」

「……」

「……」

「ないしょだよ」

「内緒だぞ」


19 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 00:31:03 tLgZFvEM 14/116

「…男ちゃん」

「またあそこでお花見しようね」

「わかってる。いいとこだもんな」ニコッ

「あとね…」

「毎年…これまでとおんなじように…」

「いっしょにお花見してね?」

「…いいかな?」

「……」

「どうした改まって?」

「改まって…ってわけじゃないけど…」

「……」

「…そんなの当たり前だろ」

「毎年家族のお花見も含めてお花見してるもんな」

「来年もさ来年もそのあともずっと幼とお花見するよ」

「…そっか」


20 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 00:39:44 tLgZFvEM 15/116

「そっかぁ」ニコッ

「うん」

「いつもみたいに指切りして約束するよ」

「約束だ」サッ

「やくそくだね」

ギュッ(指切り)

「…えへへ」

「…ふふ」

「……」

「…来年もさ来年もかぁ」

「がんばんなきゃね…」

「……」

「…ずっとずっとか…ふふっ」


23 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 18:12:34 tLgZFvEM 16/116

………

放課後 校門

「お待たせ幼」

「ううん、そんな待ってないよ男ちゃん」

「待っててくれてありがとな。先生に当番任されてさ」

「いいよ、気にしないで」

「いつもの約束だからね。それに私もいっしょに帰りたいもん」

「俺もいっしょに帰れないと寂しいよ。ずっといっしょに帰るのが当たり前だからな」

「幼稚園のころにはいっしょに帰ってたもんね、私たち」

「こうやって」ギュッ

「手を繋いでね」ギュッ

「えへへっ、懐かしいねぇ」

「うん」


24 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 20:33:02 tLgZFvEM 17/116

「……」ギュッ

「……」ギュッ

「あのさ…幼…」

「…男ちゃんなに?」

「…いや、なんでもない」ギュッ

「…そう」

「……」


25 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 20:44:53 tLgZFvEM 18/116

「…あっ、そうだ」

「…自転車をこないだ乗ったときから、学校に置いてあるんだけど乗って帰らないか?」

「雨だから乗らないで帰ったら置き忘れちゃってさ、そろそろ家に持って帰らないと」

「…うん」

「…じゃあ、取って来るな」パッ

「…あっ」

「…手ぇ、あったかかったな男ちゃん…」

「……」

「…ヤバいまだドキドキしてる」

「…幼」


26 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 20:55:27 tLgZFvEM 19/116

………

「自転車の後ろに乗るね」

「幼、背中にしっかりつかまれよ、危ないからさ」

「うん」ギュウッ

「じゃあ行くぞ」キコキコ

「うん、行こ」


27 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 21:35:25 tLgZFvEM 20/116

「……」キコキコ

「……」ギュウッ

「背中があったかい…」

(…そしてやわらかい)

「…男ちゃん」ギュウッ

「なんだ?」

「自転車に乗って帰るのひさびさだね…」

「小学校の頃は遊びに行った帰りに、よくこうやって幼を後ろに乗せて帰ったな」

「えへへ、そうだったよね」

「一生懸命、私を乗せて、自転車漕いでる男ちゃんはかわいいかったよ」

「…どうせ、俺は非力だよ」

「そういうことじゃないよ」

「頑張ってくれてるなって」


28 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 21:50:15 tLgZFvEM 21/116

「男ちゃん、私を乗せて自転車を漕いでるとき、すごく頑張ってたもんね」

「小学生の頃は私たちたいして大きさ変わらなかったのに」

「私が交代するって言っても、女の子に苦労させられないって、自分で頑張って…」

「男ちゃんは努力家だからね…見てると私も励まされるんだよ、自転車以外でも…いつも…」

「…俺も幼がいっしょにいると楽しくて励みになるんだよ」

「細かく気遣ってくれるし」

「…まぁたかが自転車で大げさなんだけど」

「…だね」クスッ


29 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/24(水) 22:02:55 tLgZFvEM 22/116

「…あとは、女の子扱いしてくれたのが嬉しかったかな」

「女の子だから無理すんなって…」

「男ちゃんは紳士だよね」

「こないだも、買い物でさりげなく荷物持ってくれたし」

「電車じゃ私を窓際にして、混雑から自然にかばってくれるし」

「…男ちゃんのそういうとこがいいなと思うんですよ」

「……/////」

「…えへへ」

「……」

「…今日は川沿いのルートを使って帰ってもいいかな?」

「あっちは通ると気分いいから」

「…うん、いいよ」


30 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/25(木) 00:23:12 AfyZ04JI 23/116

………

「川沿いの土手は風が気持ちいいね」

「おう」シャー
「スピードを上げるからしっかりつかまっておけよ」

「うん!」ギュウッ

「男ちゃんあったかい…」
「…幼もあったかいぞ」

(…そしていい香りがします)

「男ちゃん…」
「これからもずっといっしょに帰ろうね」
「あとね、また自転車乗せてね」

「もちろん」

「」ピタッ(自転車を止めました)

「約束だ」
「約束だよ」

男・幼「」キュッ(指切り)

「…ずっとな」
「…うん」


31 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/25(木) 22:23:27 AfyZ04JI 24/116

「えへへっ」

「ふふっ」

「…小さいころはいつもこうやって、二人いっしょに帰ったねぇ」

「覚えてるよ…」


32 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/26(金) 00:32:30 p3hPGe8I 25/116

………

幼稚園時代

「きょうもいっぱいあそんだねっ、おとこちゃん♪」

「うん、たのしかったよねおさなちゃんっ」

「ようちえんのかえりに、こうやっておててつないでるととってもあったかいね」ギュッ

「うん、あとほっとするよね」ギュッ

「おさなちゃんとてをつないでるからだね」ニコッ

「いつもわたしたち、いっしょだからだもん」

「わたしもうれしいよ」

「おとこちゃんだいすき」ニコッ

「ぼくもおさなちゃんのことだいすきだよ」ニコッ

「ふふっ」

「えへへ~」


35 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/26(金) 22:22:43 p3hPGe8I 26/116

「ずっといっしょにいようね」

「うん」

「ずっといっしょに帰ろうね」

「うん」

「…じゃあ、ゆびきりしてやくそくしようね」
「だいじなやくそくはゆびきりしてするんだよ、ママがいってたもん」

「わかった、ぼくゆびきりするよ」

「…じゃあ、まずこゆびをたててね…」

「…わかったよ」

「ずっといっしょだよ」

「ゆびきりげんまん♪」

「うそついたらはりせんぼんのーます♪」

幼・男「ゆびきった♪」

「やくそくだよ」
「やくそくしたよ」

「…えへへ」
「…ふふ」


37 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/29(月) 20:54:36 aax1xKXs 27/116

「やくそくできたね、おとこちゃん」

「うん、できたね」

「ゆびきりするの楽しいね、おさなちゃん」ニコッ

「うん。やくそくするのっていいよね」ニコッ

「こんどから、わたしたちがやくそくするときはゆびきりしようね」

「うん、そうしよう」

「ゆびきりすることを、ゆびきりしてやくそくしようね」

「そうだねっ」

「ゆびきりげんまんっ♪」

「うそついたら、はりせんぼんのまーす♪」

男・幼「ゆびきりきった♪」

「これでやくそくしたからね」

「ぜったいまもろうね」

「うん、ぜったいっ」


39 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/29(月) 21:35:34 aax1xKXs 28/116

「じゃあ手をつないでかえろう、おさなちゃん?」

「うん」ギュッ

「ふふっ」

「えへへっ」


42 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/29(月) 21:57:26 aax1xKXs 29/116

……


現在

「…なつかしいねぇ」

「…うん」

「こうやってずっといっしょだったんだよな」

「…そうだね」

「これからも…」

「…?」

「よろしくな」

「えへへ…うん」

「ありがとう」ニコッ


43 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/29(月) 22:23:22 aax1xKXs 30/116

「そういえばこの辺、駄菓子屋さんがあったよね」

「うん、よくおやつ食べたよな」

「学校帰りや休みの日にお小遣い握りしめてさ」

「うんうん」

「駄菓子ってときどきすごい食べたくなるよな」

「久しぶりに行きたいなぁ…」

「…坂を登れば…」

「…行くか」

「うん」


49 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/30(火) 00:34:00 4ABJwmA. 31/116

「…こっちだな」

「だね」

モブ女「…あれ」

モブ女「男君!」

「ああ…お久しぶりです」ニコッ

モブ女「いやーこんなとこで男君に会えるなんて奇遇だねー!」

「ええ、びっくりです」

モブ女「すっかりカッコ良くなっちゃってぇ」ポンポン

「どうもありがとうございます」

(…だれだろ?きれいな人だな。親しげな感じだし…)

「……」ムッ

モブ女「私は仕事で遠出してるのよ。男君は学校の帰り?高校に通ってるんだっけ?」

「はい。今高校から帰るところです。相変わらず忙しいんですね」

モブ女「わかってくれるー?」


50 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/30(火) 00:48:14 4ABJwmA. 32/116

……

「…母が久しぶりに会いたがってますよ…」

モブ女「…そう。じゃあ、近いうちに挨拶するわね…」

モブ女「♪」

「♪」

「……」

(美人なお姉さんだなぁ…大人で…)

(チンチクリンな私と違う…)

「」ジッ

モブ女「!」

モブ女「この子が例の…」

「はい」

モブ女「可愛い子ね」ニコッ

「…でしょ」

「……」


53 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/30(火) 00:58:55 4ABJwmA. 33/116

「じゃ、また」

モブ女「またねー♪お母さんによろしく」

「はい」

「」シュン

「行こうか?」

「…ん」ギュッ

(…めっちゃ袖掴まれてる)

(どうした幼?)


58 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/30(火) 19:12:54 4ABJwmA. 34/116

……

「……」ギュッ

「……」

(…さっきから、自転車から降りて歩いてるんだけど)

(袖を掴んだままの幼が、妙に無口だ…)

「…心配だな」

「」クイクイ

「…どうした幼?」

「……」ギュッ


59 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/04/30(火) 22:00:30 4ABJwmA. 35/116

「……」

「…さっきの人はね、モブ女さん。俺の親戚のお姉さんだよ」

「昔からよくしてもらっててね」

「…うん」

「母さんのいとこの娘さんでさ…ってか、幼も会ったことあるよ」

「…え?」

「幼稚園とか小学低学年の小さいころ、俺も幼もよく面倒を見てもらったんだけど」

「覚えてないかな?」

「…えとね…」


61 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 00:08:46 blKpmAwk 36/116

「…ああ」

「思い出した?」

「うん」

「男ちゃんちによくいたお姉さんだよね」

「昔は近くに住んでたんだよな」

「ご飯作ってくれたり」

「目玉焼きハンバーグライスとかシーフードペペロンチーノとか」

「うん、美味しかったよね」

「みんなで俺んちや幼んちに泊まったり」

「三人でおんなじ布団で寝たよね」

「優しいお姉さんだったよねぇ…変わってたからわかんなかったよー…」

「ああ」

「美人さんだったなぁ…昔から可愛い人だったけど…」

「うん」

「…むっ」プクー


62 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 00:23:39 blKpmAwk 37/116

「…私はどうせへちゃむくれだよっ」プイッ

「…うん?」

「…ばかぁ」ジワァッ

「……」

「幼は可愛いよ。きれいだし」

「…ふぇ!?」

「こうしてくっついてると暖かいし」ギュッ

「…ふぁ/////」

「なでなですると猫みたいに可愛くリラックスするし」ナデナデ

「あふぅ…」

「料理できるし、家事できるし、いい子だし」ギューッ

「俺にはもったいない幼馴染だよ」ナデナデ

「はぅ…/////」

「…色々ごめんな。機嫌直してくれるかな、お嬢さん?」

「…ゆるす」


63 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 20:51:56 blKpmAwk 38/116

「…可愛いって言ってくれてありがと/////」

「…うれしいよ」

「事実だし/////」

「…また自転車に乗るから、背中につかまって…」

「…うん」ギュウッ

「ああ…幼…」

「…なぁに?」

「…もう幼以外には可愛いとか綺麗とか言わないから…」

「…約束する」

「…そんな、いいよ…」

「でも…ありがと、男ちゃん…」ギュウッ

「……」

(…背中越しで良かったな)


64 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 21:58:37 blKpmAwk 39/116

(…今は顔を見られたくないや)

(…顔を合わせるのは恥ずかしいもん)

「」ギュッ


65 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 22:16:08 blKpmAwk 40/116

(…男ちゃんが背中向けててくれて良かった)

(私、今きっとへんな顔してるから…)

「……」

「……」


66 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 22:27:30 blKpmAwk 41/116

……

「…坂だな…駄菓子屋行くときに通る」

「私、降りようか?」

「いや、いいよ」

「このまんま登ってみる」

「そう…」


67 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 22:54:51 blKpmAwk 42/116

……

坂の途中

「」キコキコ

「…遠回りしないの…」

「…私、重くないかな?」

「全然。軽いよ」ニコッ

「…降りて押そうか?」

「いや。問題ないよ」
「…ふふっ」

「どうしたの、男ちゃん?」

「…いやね、実は坂を、女の子を乗せて登るのをやってみたくてさ」

「…ジブリの、耳をすませば?」

「その通りっ」
「あのシーンは憧れるよね」

「わかるよ…すてきだよね…」

「うん」


68 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/01(水) 22:58:21 blKpmAwk 43/116

「それに、この坂を幼を自転車に乗せて登るのは約束だからさ」

「思い出したよ」

「…あれ?」

「うん」ニコッ


69 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/02(木) 00:52:34 f.0k9hgQ 44/116

………

小学生時代

「ぐぬぬ~」キコキコ

「…男ちゃんつらそう」
「わたしを乗せて、坂を自転車で登るのは大変だよね」

「降りていっしょに自転車押すよ?」

「…だめだよ、そんなのカッコ良くない…」
「…僕は男だから幼を守ってあげなくちゃ…」

「だから、ぐぬぬ…」キコキコ

「……」

「」スタッ

「幼?降りるのか?」

「…守られてばかりのわたしじゃないもん」グイッ

「わたしも男ちゃんの隣で頑張るんだもん」
「男ちゃんの気持ちは嬉しいけど、わたしは降りて、自転車を押すよっ」フンス

「…幼」

「ありがとう」ニコッ


72 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/02(木) 23:39:00 f.0k9hgQ 45/116

「今はこれでいいよ」

「…でもいつか必ず、幼ちゃんを乗せて自転車でこの坂を登るんだ」

「約束したい」

「…強くなりたいんだね」ニコッ

「うん。幼ちゃんを守れるくらい力強く」

「…そうだね。やくそくしましょ」

「いつかわたしを乗せてここを登ってね」

「やくそくだよ」

「約束する」

(指切りしました)

「頑張って」

「うん」コクリ

「…で必ず」

「…わたしを守ってね」

「…ぜったいに」


73 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/03(金) 00:07:27 .bSNaaKI 46/116

………


現在

「あの約束を守ってくれてるんだぁ…」

「バカみたいだけな…子供ときの口約束なのに…」


「ううん…うれしいよ…」

「私も覚えてるから…」

「ありがと、男ちゃん…」ギュッ

「…ふふっ」

「…えへへ」


74 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/04(土) 18:58:13 XJUconSc 47/116

「……」

「…もうひとつの約束も守ってくれますように…」

「……」

「…強くなるかぁ…」

「…頑張るか…」


75 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/04(土) 21:22:37 XJUconSc 48/116

「…なぁ幼」キコキコ

「…なぁに?」

「…幼を乗せて自転車で坂を登れて良かったよ」

「今までいろんな約束したけどさ…」

「男ちゃん…?」

「みんな守るから…」

「…待っててな…」

「…うん」

「…待ってるね」ギュウッ

「うん…」


76 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/04(土) 21:51:31 XJUconSc 49/116

……

駄菓子屋

「…この昔ながらのひなびた感じ…変わらんね」

「…えへへっ、懐かしいよね」

「うん」

「ちびっ子のころはよく来たよなー」
「ここで買いぐいするのが、幼稚園小学校の1日の楽しみだったんだよ」

「わかるわかる」

「…さて、中に入るか」


77 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/04(土) 22:19:21 XJUconSc 50/116

「…見て男ちゃん、ボンタンアメ」

「オブラートに入ってる柑橘系のアメだよな。うまいんだよねこれ」

「…これはきびだんごか、珍しいな」

「四角くて、平べったくて、長くて、全然だんごじゃないよね」

「桃太郎もびっくりだよな」

「フエラムネだ~」

「…俺たち口笛吹けなかったから、このラムネで気分だけ口笛マネるのが楽しかったんだよな…」

「そうなんだよ~、口笛吹けるようになりたいなぁ…」

「俺、こないだできるようになったよ」

「…ほら」ピューッ

「…あっ、いいなー」


78 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/05(日) 00:24:57 5JGWrLkc 51/116

「自分だけずる~い、今度やり方教えてね」

「わかった、いっしょに口笛練習しような」

「うん」ニコッ
「男ちゃんやくそく」

「わかった、指切り」

「…やくそくだよ」
「…約束な」

キュッ

「やくそくしたからね」
「おっけー」

「…幼は約束するの大好きだな」クスッ
「…こんなの指切りしなくても守るよ」

「…習慣だし」
「…男ちゃんとはたくさん約束したい…」
「そしたら…ずっと…」

「…ずっと…なに?」
「…なんでもないよ…」
「…指切りは…だめかな?」

「…いいよ」


79 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/05(日) 00:34:21 5JGWrLkc 52/116

「…俺も幼と指切りするの好きだからな」

「…幼みたいな可愛い子と手が触れるわけだし」ニコッ

「…可愛いなんて/////」

「……」

「さて…外のお菓子も見てみるかな…」プイ

「……」

「…臆病だな、わたし…」

「…すなおになりたいよ…」

「…一番大切な約束ができるように…」


80 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/05(日) 00:56:32 5JGWrLkc 53/116

「…うやむやでもいっしょにはいられる、多分ずっと…でも…」

「…流されて付き合ってるだけじゃ、さびしいもん…」

「…気持ちは伝えなきゃ」

……

「……」

「…一応、付き合ってることにはなってるんだよな…まわりから…」

「…でも、ちゃんと告白したいな…自分の言葉で…」

「……」


83 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/05(日) 20:26:47 5JGWrLkc 54/116



「…だから自分に約束しよう」

「…だから私に約束だよ」

「「絶対伝えるって…」」


84 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/05(日) 23:53:52 5JGWrLkc 55/116

……

男宅

「…駄菓子うまいな」モグモグ

「うん、懐かしい味だねぇ…」モグモグ

テレビ『…今日はイタリアの観光名所を案内します…』

「…海外旅行かぁ」

「いいよね、憧れるなぁ…」

「…男ちゃんも行きたいとことかあるの?」

「俺は…」

「…エジプトでピラミッド見たいな」

「ふむふむ…」

「ほら、歴史で必ず習う、世界のみんなが知ってるピラミッド」

「一度くらい目にしたいよな」

「…うんうん、わかるよ」


85 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/06(月) 00:47:30 mEATA66w 56/116

「…わたしだったら、今テレビでやってるイタリアのローマとかがいいかな」

「ローマの休日みたいな観光とか?」

「そうそう」ニコッ

「幼、あの映画好きだもんな」

「うん、大好きっ」

「…好きな人とふたりでジェラート食べたり」
「いいな」

「…トレビの泉で願掛けしたりか?」
「泉にコイン投げ入れるんだよ、うまく入ると幸せになれるの」

「…私の幸せはどんなことか決まってるんだけどね…」

「…真実の口に手を入れてドッキリしたり」
「…嘘つくと噛まれちゃうんだっけな」

「うん」

「手を入れて好きな人に告白したら盛り上げるよ、きっと…」


86 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/07(火) 00:20:57 WZv0IMjM 57/116

「うん、ロマンチックだな」ニコッ

「えへへ、わかってもらえる?」

「ああっ」

「…でも、告白のとき、真実の口に噛まれちゃったら気まずいよね」

「あはは、そうだねっ、確かに」


「……」

「…私ならぜったい噛まれないもん…」

「……」

「…俺は噛まれないで告白できるな…」


87 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/07(火) 00:32:43 WZv0IMjM 58/116

「…まぁ、もし海外旅行に行くなら」

「…え?」

「幼といっしょに行きたいかな」

「…私も男ちゃんと行きたい」

「いっしょだな」

「いっしょだね」

「…いっしょに海外旅行、指切りして約束しようか?」

「うん、いつか必ず」

「やくそくだよ?」

「約束だ」

キュッ

「えへへ」

「ふふっ」

「楽しみだね」

「うん」ニコッ


89 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/08(水) 00:38:48 Ujn9sjsw 59/116

「男ちゃん」ニコッ

「…なんだ?」

「あ~ん」ポイッ

「」パクッ

「」モグモグ

「…甘くてうまいな…」

「幼、これなんだ?」

「きな粉棒だよ。駄菓子屋さんで買ったんだよ」

「私のお気に入り。気に入ってくれたなら何よりもだよ」

「うん、すごくうまいな」

「じゃあお返しだな」

「あ~ん」ポイッ

「」パクッ モグモグ

「…チョコバットだね。これすき」ニコッ

「俺の好物さ」


90 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/05/11(土) 18:51:13 kKIU.jpE 60/116

「これうまいんだよ、腹持ちいいし」

「男ちゃんよく食べてたよね、小学校の帰りとか」

「あの駄菓子屋で買ってね」

「それで、男ちゃん私にもよく分けてくれたよね」

「ありがと、お菓子おいしかったよ」ニコッ

「うん、ふたりで割って食べたよな」

「…チョコバット以外にも色々分けて食べたなぁ」

「分けあって食べるともっとおいしいもんね」

「うん」ニコッ

「幼もお菓子もよくくれたしな」


125 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/08/10(土) 16:10:31 hJviBU9c 61/116

幼馴染「男ちゃんとふたりで食べたほうがお菓子も美味しいもん、えへへっ」

「今もね、楽しいよ」

「…そっか」

「僕もだな…」

「…分け合えば仲良し、ってCMがあったけどそんな感じかな」

「幼とお菓子食べると楽しい」

「元から仲良しだけどね…えへへ」

「まぁな」

「…ふぇ…」

「…照れないの?」

「なんで?」

「えとね…」

「今日はいつもと違うね男ちゃん…」


127 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/08/12(月) 11:57:01 fJyfk9go 62/116

「ん?何が?」

「男ちゃん、今日は何だか照れたりしないから…」

「いつもより積極的というか…」

「そうかな?いつも変わらないぞ」

「だいたい幼は俺が照れるようなこと言ってるの?」

「ええと…」

(いつも攻めてるんだから気付いてよぅ…)


145 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/09/09(月) 16:17:01 wOzhvf0g 63/116

「にぶちん…」

「……」

(ヘンなムードに…)

「……」

「……」

「男ちゃんはさ…」

「…な、なにかな…/////」ビクッ

「うん/////」モジモジ

「あのね…」


147 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/09/11(水) 22:01:54 tVHCPpKY 64/116

「……」

「……」

(…もしかして…いよいよかな?)

(出来たら男子の俺から言うべきだろうけど…)

(いい言葉が聞きたいけど…)

「…どうしたの幼?」

「あのねわたし…わたし…」

「/////」スウ

「うん」ゴクリ

「おとこちゃんのことがずっと…ずっと…」


オトコーゴハンヨー!


160 : ◆yR5m.gSJc.: - 2013/10/07(月) 13:43:36 DqdquDe. 65/116

……
夕食

「……」ハァ

「カツおいしい♪」モグモグ

男母「…ご飯おいしい幼ちゃん?」モグモグ

「はい、ごちそうになっちゃってすみません」

男母「いいのよ。昔からよくいっしょにご飯してるもの」

男母「幼ちゃんがいっしょにいたほうが楽しいし、おいしいわ」

男母「…それに」

「」モグモグ

男母「…男も喜ぶし…」

「…?」


191 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/20(月) 23:32:39 V5t4SRrs 66/116

男母「男も幼ちゃんがいるとご飯がとっても楽しそうなの」

男母「最近いっしょに食べられなくて寂しいみたいよ」

「母さん…」

男母「ふふっ」

「……」モグモグ

「…えへへ」モグモグ

「男ちゃんの好きな食べ物…」

男母「はい?」

「作り方聞いてもいいですか?」

男母「ええ!ぜひいっしょに作りましょう」

「はい!!」


192 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/20(月) 23:51:35 V5t4SRrs 67/116

男母「いっぱい教えてあげるわね」

「はい」

「」モグモグ

男母「じゃあ約束ね」

「約束です!」

男母「しかし、いっしょにキッチンで料理したりしたら…」

男母「お嫁さんみたいね」クスッ

「な、なっ!!?」

「/////」

男母「幼ちゃんみたいな子が男のお嫁さんになってくれたらいいのに…」

「そんな…」


195 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 15:40:36 4ClVgRGY 68/116

「…どうしたもんかな」

「」

幼馴染『あなた』

(…こんなのかな?)

(悪くない…)

「ふふ」

幼馴染「えへへ…」

男母「まぁ…」

男母「楽しみ」


196 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 15:45:31 4ClVgRGY 69/116

男母「幼ちゃん、ところで今日は止まっていかない?」

男母「もう遅いし、ゆっくりしていってほしいな」

男母「どうかしら?」

「」

「ええと…」


198 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 18:26:28 4ClVgRGY 70/116

………

「お風呂先にいただいたよー。ありがと」

「いいよ」

「ふー」ホカホカ

「泊まっちゃってごめんね」

「あっ…うん…いいよ…」

(湯上がり幼、色っぽいなぁ)

(母さんが貸したパジャマ、ぶかぶかしてて余った袖が可愛い…)

「気持ち良かったよ。男ちゃんも早く行ったら?」

「そうするよ」


199 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 18:37:35 4ClVgRGY 71/116

廊下

「」スタスタ

「そういや風呂、幼が先に入ったんだよな」

「/////」

「雑念を払うんだ…臨、兵、闘、者、…」

「…後なんだっけ…?」


客間

「私の入ったお風呂に男ちゃんが…」

「彼女なら当たり前…」

「お嫁さんなら常識…」

「/////」

「」ギュッ

-枕を抱きしめています-


200 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 20:21:42 4ClVgRGY 72/116

風呂

「皆、陣、裂、在、前…だったな…」

「…このお湯に幼が…」ジー

「…シャワーだけで済まそうかな…」

「なんでこんなに緊張してるんだ…?よく泊まってるのに相手の家に、二人とも」

「思春期かっ!!」

「はぁ…」


その前

「…シャワーだけでいいよね」

「湯船に浸かるの、恥ずかしいし…」

「今日はなんかいっぱい意識してるなぁ…」

「昔からたくさんお互いの家に泊まってるのに…」

「むう…」


201 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 20:35:14 4ClVgRGY 73/116

………

居間

「あがったよー」

「おかえりー」

「ジュース飲む?」

「うん」

「ポンジュースどうぞ」コポコポ

「ありがとう」

「飲み物注いであげるのいいな」

「ん?」


203 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 21:14:41 4ClVgRGY 74/116

「…うふみたいだから」

「どうかした?」

「なんでもないよー」

「ポンジュース美味しいよねっ」

「うん」

「ポンジュース水道から出てきてほしいくらい好きだわ」

「手とか洗えないよ?」

「あはは」

「あとはC.C.Lemonとかカルピスとかファンタとかも蛇口から出てきたら嬉しい」

「もうドリンクバーじゃん」

「よしサイゼリヤ行こう。ドリンクバー頼む」

「勝手に決めないでー」

「男ちゃん、ドリンクバー使い過ぎてよくお腹いっぱいになっちゃうよね」


204 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 21:23:15 4ClVgRGY 75/116

「ジュース好きだから色々飲みたいんだよな」

「じゃあカラオケも行こ?ドリンクバーあるよ」

「わたしの歌声披露しちゃうよ。聞きたいでしょ?」

「幼の歌声は良く聞くけど好きだよ」

「久しぶりにカラオケで聞きたいかな。俺も歌いたいし」

「じゃあ、決定♪」

「いやー、予定がどんどん決まるね」

「だな」


205 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 22:04:52 4ClVgRGY 76/116

「ちゃんと守ってよー予定」

「もちろん、約束だよ」

「うん、約束ね」

「…さて、うたうだりらっくすして過ごそうかな」

「ああ」

「テレビ見る?」

「うん、チャンネル(リモコン)くれ」

「はい、男ちゃん」

「ありがとう」


206 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 23:32:13 4ClVgRGY 77/116

「落ち着くなぁ~」

「男ちゃんの家っていいよね。なんか馴染むよー」ノビー

「それは良かった」

「ほとんど赤ちゃんのときから来てるからね」

「俺も幼のうちに赤ん坊の頃から行ってるから好きだよ」

「好き!?」

「…うん」

「へぇ…」

「……」

「ねぇ、頭なでなでして?」

「こう」ナデナデ

「そう…」


207 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/21(火) 23:46:22 4ClVgRGY 78/116

「…明日ひまだよね」

「うん、休みだし…知ってるよね」

「じゃあ、デートしないか?」

「いいよ、えへへっ」

「どこ行きたい?」

「そうだねぇ…」

「カラオケとかファミレスとか?さっき話したし」

「せっかくだから普段行かないところに行きたいんだ」

「う~ん…」

「いきなりむちゃぶりしてごめんな」

「いいよ、考えるの楽しいもん」


209 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/23(木) 17:41:47 h4p1/f7g 79/116

「…で、どこ行くの?」ゴクゴク

「ん」ゴクゴク

「…春だし(作中時間)、自然の中でピクニックとか?」

「いいねー、気持ち良さそう」

「電車に乗って自然公園とか行こう」

「うん、うん」

「お弁当もってさ、…俺作ろうかな」

「じゃあいっしょに作ろうよ?そのほうが楽しいよきっと」

「いいな」

「じゃあ早起きしないとね」

「だな」


210 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/23(木) 17:57:14 h4p1/f7g 80/116

「おやつは300円までかな?」

「遠足じゃないよ」

「じゃあ自由かな?わ~い、たくさん持ってけるねー」

「太るぞー」

「失礼だよ男ちゃんは~」

「だからモテないんだよ~」

「モテなくてもいいし、リア充にも興味がないな」

「クールキャラ?似合わないよ?」

「似合わないか…自分ではいいと思ってたんだけど…」

「男ちゃんはほっこり癒やされるなごみ系です」

「そんな普通人よりミステリアスな男になりたいかな」

「ミステリアスと呼ぶには男ちゃんのこと、わたしは知り過ぎてるかな」


211 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/23(木) 18:11:13 h4p1/f7g 81/116

「ふふっ、確かにな」

「いつも見てるから…昔からずっと…」

「…だからわたしのこともちゃんと見ててね?おねがい」

「うん、ジーって見るよ」

「アルソックぐらい見守る」

「あははっ、それは安心だね」

「…でも、恥ずかしいとこは見ちゃダメだよ?」

「わかった、プライバシーは遵守するよ」

「着替えとかお風呂とか覗いちゃだめだよ、約束だよ?」

「…俺、痴漢とかストーカーとかなの?」

「それ以外はそばにいてね」

「ず~っとね?」

「出来うる限りは」


212 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/23(木) 18:25:21 h4p1/f7g 82/116

「まだ時間早いし、お菓子を見に行こー!」

「いっしょにコンビニにな」

「でも、お弁当の材料はコンビニじゃ揃わないなぁ」

「食材はあるから弁当は平気だぞ」

「じゃあ一応、うちにも寄る?食材、家からも持ってくよ」

「悪いな、ありがとう」

「…すぐ帰れるのになぜ泊まってしまったのかな、わたし?ごめんねいつもいつも…」

「今更気にするなよ」

「幼が来ると母さんも喜ぶし、…俺も嬉しいから」

「ありがとう…男ちゃん…」


213 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/23(木) 20:37:32 h4p1/f7g 83/116

「じゃあ行こうか」

「うん」

「…じゃあ、というわけで、母さん行ってくるよ」

男母「行ってらっしゃーい」

男母「幼ちゃんと仲良くね」

「ああ…」

「/////」

……

「夜道っていつもと違うねぇ」

「だな」

「いつも歩いてる道なのにな」

「不思議だねぇ…」

「見方を変えると色々変わるモノなのね」

「街灯におぼろげに照らされてるのっていいよな」

「なんでも儚くて幻想的に見える」


214 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/23(木) 20:53:40 h4p1/f7g 84/116

「うん…」ギュッ

「…手を繋ぐのかい?」ギュッ

「……」ギュッ

「なんか楽しいね男ちゃん」

「うん、ワクワクするな」

「…あのさ、幼…」

「なぁに、男ちゃん?」

「…いや、なんでもないよ…」

「言いかけて止めないでよ。気になるじゃん」

「本当に何でもないから」

「?」

(光の中…)

(…僕にとって一番綺麗に見えたのは幼でした)

(…なんてね…)


215 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/23(木) 21:07:21 h4p1/f7g 85/116

(夜、あんまり外を歩かないから変な気持ちだな…)

(しかも幼がいっしょだし…)

「♪」

「ご機嫌だな…」

「えへへ、うん」

(浮き世放れした感覚だ…)


216 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/24(金) 00:25:45 e3JCvNBI 86/116

(色々考えてたら…)

「コンビニに着きました」

「お菓子何買う?」

「わたし的にはまずは百円くらいで、たくさん中身が入ってるヤツからがいいかな」

「無印のチョコスナックとか」

「俺はマリービスケット」

「それおいしいよね」

「うん」

「あとオレオとかもいいよね」

「オレオほろ苦くてうまいよな」

「うんうん」

「わたしたちはお菓子の好みも合うよね」

「昔からいっしょだからな…おかげで分けやすい」

「えへへ…だね」

「…そうそう、お菓子の好みといえば…」


217 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/24(金) 00:31:51 e3JCvNBI 87/116

「きのこの山とたけのこの里、どっちが好き?」

「…あえてタブーに触れるか…」

「この問いでわたしたちの相性が分かります」

「…男ちゃんのこと、信じてるよ」

「さぁ、答えは?」

「……」

「」ドキドキ


225 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/30(木) 15:05:48 Y0xB/KaQ 88/116

「…そうだね」

「まずは情報を整理させてもらうよ」

幼馴染「うん」

「たけのこの里はクッキー部分がおいしいよね。味がしっかりしてて」

「きのこの里はチョコがほろ苦くてうまい」

「ところで幼はきのことたけのこ、両方入ってるバラエティーパックは知ってるかな?」

「うん、小袋がたくさん入ってるやつだね」

「あれを食べている時、俺には1つのアイデアが思い浮かんだ」

「きのことたけのこ、いっしょに食べたらどうなるか?」

「!?…男…もしかして…?」

「うん、幼…」


226 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/30(木) 15:14:28 Y0xB/KaQ 89/116

「たけのこの里のクッキー、きのこの山のチョコ」

「両方がフィットして非常にうまかった」


「異なる二つの物でも共存できる」

「手を取り合い、助け合える」

「俺はこれを学んだ」

「俺たちもそうだろう?」

「幼と俺、ふたりいっしょだからこそ毎日楽しい」

「同じように、たけのこの里ときのこの山も共にあるべきなんだよ!!」

「俺は両方大好きだ!!」

「男…」


227 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/30(木) 15:22:22 Y0xB/KaQ 90/116

「だから二つとも買うぞ!」

「…むー、深いよ男ちゃん…さすがだよ…」

「男ちゃんなら、両方欲しいって言ってくれるとわかってたよ」

「私も両方大好きです!」

「いっしょだね?」

「ああ!いっしょだよ!」

「幼!」

「男ちゃん!」

ガシッ (握手)

店員「……」

店員「…あのカップル、お菓子選びにどんだけマジなんだよ…」


228 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/30(木) 15:25:53 Y0xB/KaQ 91/116

………

「食材揃えたぞー」

「明日の準備できたよー」

「…もう、時間結構遅いな」

「だねー」

「…じゃあ、おやすみなさい男ちゃん」

「うん、おやすみ」

「えへへ」

「また明日ー」

「また明日な」

「…また明日っていうのも約束だよね?」

「約束だね」

「えへへ」

「幼、テンション高いな」

「そうかな?」


229 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/30(木) 15:43:38 Y0xB/KaQ 92/116

「男ちゃんとデートできるからかな」
「テンションだって上がっちゃうよ」

「うん」
「わかるよ」

「…でもそれだけじゃないんだよ…」
「え?」

……
幼母「今日は男ちゃんちに泊まるのよね?」

「うん、だから一旦、荷物を取りに来たの」
「明日お弁当作るから、冷蔵庫の食材少し持っていくね」

幼母「ええ」
幼母「幼ちゃん」
「なぁに?」

幼母「頑張ってね」
幼母「明日も、今晩も…ね」

「/////」
「も~!!」

「…幼ー、何してるの?」(隣りの部屋から)
「今行くよー」

……
「……」


232 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/31(金) 17:27:27 3NkhassA 93/116

「男ちゃん…」

「何?」

「いっしょに寝ない?」

「え…」

「…それ、まずくないか。もう俺たちいい年だし」

「昔はよくいっしょに寝たよ?」

「いいじゃない」

「何か問題でも?」

「久しぶりなんだし」

「……」


233 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/31(金) 17:38:58 3NkhassA 94/116

………

寝室

「布団は別だよ」

「えへへ」

「手を握ってあげましょう、幼稚園のお昼寝の時間みたいにね」ギュッ

「確かに握って寝たけど…」

「夢の中でも私を守ってくれるんでしょ?」

「確かにそんな約束したけど」

「怖い夢を見て泣いてる私を慰めてくれたじゃない」

「あれね」


234 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/31(金) 17:51:36 3NkhassA 95/116

………


幼稚園時代

『おひるねの時間、おしまいだね…』

『…幼ちゃん、起きた?』

『…ぐすっ』

『…どうしたの、幼ちゃん?』

『へんな夢見た…』
『…こわいの…みんないなくなっちゃうの…わたしひとりぼっちなの…』

『うん…』

『』ナデナデ

『へいきだよー』

『僕はずっとそばにいるよ』
『それで幼ちゃんを守ってあげるからね…』

『泣かないでー』

『うん…』

『ありがとう男ちゃん…』


235 : 以下、名... - 2014/01/31(金) 18:02:42 3NkhassA 96/116

『そうだ!寝るとき手をつなげばいいんだよ!』

『そしたら、はぐれないで夢でもいっしょだよ!』

『夢の中でも幼ちゃんを守ってあげるからね!』

『もちろん夢の外でもいっしょだよ!』

『ずっといっしょだよ』

『うん…』ギュッ

『…ずっと、ずっといっしょ』ニコ

『うん!』


236 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/01/31(金) 20:40:45 3NkhassA 97/116

……

「…って言って、それからずっと手を握って寝てくれたじゃない」

「起きてるときだって、よく手をつないでくれた」

「いつもそばで守ってくれるって」

「とっても嬉しかったんだよ」

「ありがとう」

「なんだか恥ずかしいな」

「ふふ」

「じゃあおやすみ男ちゃん」

「また明日」

「おやすみ、また明日」

「」ギュッ

「」ギュッ


239 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/01(土) 15:37:07 dN0fcO9M 98/116

「…なんだか、ホッとするなぁ」

「手を繋いでると安心するね」

「そうだな、少し恥ずかしいけど」

「あはは」

「…で、離さないのか?」

「離さない…」

「…このまま、おやすみなさい」

「うん、おやすみ」

「えへへ」


240 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/01(土) 16:45:18 dN0fcO9M 99/116

……



「いっしょに料理するの、楽しいな」トントン

「そーだね」ジュー

「幼は料理が上手だなー」

「男ちゃんも上手だよー」


241 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/01(土) 19:55:51 dN0fcO9M 100/116

「……」

「これっくらいのお弁当箱に♪」

「……」

「おにぎり、おにぎり、チョイとつめて♪」ギュッ

「…え~と、ゴマ塩ふって♪」

「ずいぶん歌詞飛ばしたな」

「だって覚えてないんだもん」

「自分でフったのに」

「…まぁ、幼稚園の頃の歌だしな」

「俺もわかんないや」

「うろ覚えの歌って多いよね」

「幼稚園、小学校あたりで習う曲は特にね」

「うん」

「でも歌っちゃうんだよな」

「リズムが印象的なのが多いからねー」


242 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/04(火) 19:26:41 r9Xy./76 101/116

「まぁ、大事なのはノリだよね」

「だな」

「男ちゃんとノッてるときが一番楽しいよ」

「男ちゃんはどうかな?」

「幼といるときが一番ノリノリです」

「いっしょだね!」


244 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/04(火) 23:54:20 r9Xy./76 102/116

「しかもノリのポイントも共通!」

「最高だね!」

「なっ!」


245 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/05(水) 21:36:46 wA904Cj2 103/116

「もう夫婦みたいだよな!」
「このまま結婚しちゃったりしてな!」

「…そう、結婚しちゃったり…」
「ふぇ!?」

「…」
「こうやっていっしょに料理してるとことか、まるで夫婦そのものだよな」

「ホントに夫婦になりたいなぁ…」
「幼がホントに好きだから」

「…結婚してみる?」

「え…あー…うん…」
「……」

「……」

「ん…」
「いいよ。しよ?」

「私は男ちゃんが大好きだから…」

「いっしょになるなら男ちゃんとがいいな」


246 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/05(水) 21:50:20 wA904Cj2 104/116

「いつもいっしょにいてくれたから」

「たくさん私と約束して、みんな守ってくれたから」

「だから私は男ちゃんが大好き」

「…そして、これからも男ちゃんと約束して、未来を作っていきたい」

「…いいかな?」

「俺も幼と過ごす未来がほしい」

「ずっといっしょにいよう。これからも」

「たくさん約束しよう」

「うん…」


247 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/05(水) 21:56:03 wA904Cj2 105/116

「ずっといっしょね」

「やくそく…だよ?」

「約束だ」

「うん」

「約束…」ギュッ

「…」ギュッ


248 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/05(水) 22:11:04 wA904Cj2 106/116

「…ごめんな、長いこと待たして…」

「…しかもきちんと告白しないで茶化した言いかたして」

「今までも、ずっとはぐらかして」

「…ごめんな。…でも俺、幼が大好きなんだ」

「それだけ言いたいんだ」

「気にしないで。私も自分の気持ち、ごまかしてたから」

「…私たち、ずっと前から恋人同士なんだよね」

「うん。そして、これからも…」

「」ギュッ

「」ギュッ


249 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 16:24:41 PSqTd.Xg 107/116

……

自然公園

「…あー、天気が良くて気持ちいいー」

「な、気持ちいいなー。シートを敷いてゴロゴロ最高」

「膝枕されてる頭がめちゃくちゃ気持ちいいし」

「それは良かった」

「私も心地いい重さと暖かさを感じるよ」

「…彼氏の頭の」

「…彼女の膝枕もいいよ」

「えへへ」

「ふふっ」


250 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 16:40:52 PSqTd.Xg 108/116

「…そういえばモブ女さんが私の事気にしてたけど、なんて言ってたの私のこと?」

「ああ」
「俺の彼女だって話しちゃってた」

「まだ、ちゃんと告白してなかったのにごめんな」

「別にいいよ、なんか嬉しいし」

「もちろんこれからもずっといっしょなんだよね?」

「約束する」

「ありがと」

……

幼稚園時代

『僕たちこれからもずっと仲良しだよ!』
『やくそくね!』

中学時代

『いっしょの高校に入ろうね?』
『うん、頑張ろうな。約束だ』

……

「…ふふっ」


251 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 16:56:31 PSqTd.Xg 109/116

「…で、モブ女さん陰ながら応援してくれてたんだよ…」

「アドバイスもくれたし…」

「……うん」ボー

「どうしたの?」

「…男ちゃんが私との約束を破ったことなかったなって」

「幼が破ったこともないだろ」

「したいことを誓ってるだけだからね」

「俺もさ」

「いっしょかー」

「とりあえずお弁当食べようか?」

「うん、食べよう」

パカ

「二人で作ったからうまそうだな」

「うん!」


252 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 17:06:45 PSqTd.Xg 110/116

「これからもいっしょにご飯作ろうねー」
「作ろうな」

「ねぇ…男ちゃん…」

「なんだよ?」

「ふたりで幸せになろうね?」

「約束…」

「…もう充分幸せだよ」
「違いないね」

「!」

「」ギュッ
「」チュッ

「/////」チュッ

「…きす!?」

「…もっともっと幸せになろうか?」

「うん…」コクリ

「やくそく…だよ?」

「うん!」


253 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 17:15:04 PSqTd.Xg 111/116

……

幼稚園時代

『私、男ちゃんだいすき!』

『僕も幼ちゃんだいすき!』

『大きくなったら結婚しようね』

『うん!』

『じゃあ、いつもどおり指切りしてやくそくするよー』

『しよ!』

『指切りげんまん♪』

『ウソついたら針せんぼんのーます♪』

幼・男『指切った♪』

『やくそくね』

『やくそくだよ』

……


254 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 17:20:23 PSqTd.Xg 112/116

幼・男『ぜったい結婚しようね』

「弁当うまい!」モグモグ

「おいしいね」モグモグ

(…どうやら昔の約束が本当になる日もそう遠くないみたいです)


おしまい


255 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 17:21:44 PSqTd.Xg 113/116

お付き合いありがとうございます


259 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 19:42:00 PSqTd.Xg 114/116

エピローグ

……

「長かったねー」

「そうかな。なんだかあっという間だった気がする」

「長いようで短い月日だね…」

「うん。とにかく、ここまで来れたな」

「きちんと結婚の約束を守ってくれてありがとう男ちゃん」

「小さい頃からの約束だから」

「えへへ…だね」

「次は何を約束してくれるの?」

「幸せな家庭生活かな」

「いいね、それ」

トントン

係員「新郎様、新婦様。お時間ですよ」


260 : ◆yR5m.gSJc.: - 2014/02/06(木) 19:47:47 PSqTd.Xg 115/116

「はい」

「はーい」

「結婚式が始まるね」

「そうだな。楽しみだね」

「えへへ…」

「じゃあ行こうか?」

「うん」

「男ちゃん!」

「はい?」

「やくそく守ってくれてありがとう!」


おしまい


261 : 以下、名... - 2014/02/06(木) 22:44:48 f8rgRTkc 116/116

重ねて乙


記事をツイートする 記事をはてブする