ガタンゴトン……
ガタンゴトン……
美少女「……」コクリ コクリ
男「……」スッ スッ ←スマートフォンいじる音
美少女「……」コクリ コクリ……
男「……」スースッスッス
美少女「……」コクリ コテン
男「!?」ススッ
美少女「……」スー スー
男「……」スッ……
男「……」ススッ ススススッ
男「……」ゴクリ
ツギハー アリハタ ツギハー アリハタ
元スレ
美少女「電車の中で寝たふりして、男の人の肩に寄りかかるバイト?」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1358341086/
美少女「……あ」 パチッ
男「……!!!」
美少女「……」スクッ
トテテ……
ガシューン
アリハター アリハタ
オオリノカタハワスレモノノゴザイマセンヨウ……
男「……」
男「……ふひひ」
客A「……」ヒソヒソ
客B「……」ヒソヒソ
男「……!」スッスッスッスッス
―――――
美少女「おつかれさまでーす」
先輩「おつかれー」
上司「お疲れ。今回も問題なかったかな?」
美少女「あ、はい。問題ないと思います」
上司「そうかそうか、それは良かった」
美少女「……あのー」
上司「ん?何だい?」
美少女「お金もらっておいてこんなこと言うのもなんなんですけど」
上司「なんでも言いたまえ」
美少女「このバイト、なんで存在するんですか?」
上司「えっ」
先輩「えっ」
上司「まだ説明していなかったか」
先輩「すみませんすでに理解しているとばかり」
美少女「ああ、いや、理念とかは聞いたんです。世界幸福論がどうとか」
上司「なんだ知ってるんじゃないか」
先輩「もう驚かせないでくれる。寿命縮んじゃったじゃない」
美少女「いやでも意味分かんないんですけど」
上司「えっ」
先輩「えっ」
美少女「誰が払ってるんですか、この時給2000円」
上司「私の上司だ」
先輩「オーナーさんだよ」
美少女「……なぜ」
上司「えっ」
先輩「えっ」
上司「どうしようこの子全然理解せずこの仕事をやっているようだ」ヒソヒソ
先輩「ええそれってなんか法律に反するんじゃないんですか?仕事内容云々とかで」ヒソヒソ
美少女「いや訴える気はないんで安心してください。割のいいバイトなので」
上司「ならよかった」
先輩「びっくりしちゃった」
美少女「でもいまだに理解できないんです。このどこに需要があるんですか?サービス対象からお金をもらってないんですよね?ならなんでお金が入ってくるんですか?」
上司「うーむ、お金の話か」
先輩「話していいんでしたっけ?」
上司「基本的にはな。しかし、あまりほいほい話すようなものでもない」
美少女「はぁ……」
上司「また今度にしてくれないか。オーナーを呼ぶよ。
君もきっと理解してくれるだろうから」
美少女「……はぁ」
―――――
美少女「……」コクリ コクリ
キモオタ「……」パラ ←ラノベをめくる音
美少女「……」コクリ コクリ
キモオタ「……」パラ パラ
美少女「……」コテン
キモオタ「!?」パパパラッ
キモオタ「(なwwwwwなんですとwwww)」
キモオタ「(我の肩にwwww美少女がwwww)」
キモオタ「(こwwwれwwwwはwwwwww)」
キモオタ「……」
スンスン
キモオタ「……(Oh、フローラル……)」
――――
オーナー「君か」
美少女「……」
オーナー「……どうかしたかね?」
美少女「……いえ」
オーナー「……?まぁいい、話を聞きたいのだったな」
美少女「……(ガント局長だ)」
オーナー「確かに君のような年端もいかぬ少女であれば、このアルバイトに意味を見いだせないかもしれない」
美少女「……(逆転裁判の、ガント局長だ!!)」
オーナー「だがわかってほしい。このアルバイトには意味があり、需要がある。それゆえ私は行っている。ただ理解してほしいことは、このアルバイトは利益がすべてというわけではない」
美少女「……(本物だ!生ガントだ!髪の毛までガントだ!)」
オーナー「……君?」
美少女「あっ大丈夫です聞いてます局長」
上司「局長?」
美少女「間違えました店長」
オーナー「いや私はオーナーで……まぁいい、続けよう。君、こういう理論を聞いたことあるかい?」
美少女「はあ」
オーナー「それは、『幸せスパイラル』という理論なのだが」
美少女「……(こまりちゃんだ……!!)」
オーナー「一方が幸せになれば、その人間を幸せにした人間も幸せになり、その相乗効果で人々がどんどん幸せになっていくという理論だ」
美少女「……(リトルバスターズの、神北小毬ちゃんだ……!!)」
オーナー「とある科学者が提唱した理論らしいが詳しいことは私もしらない」
美少女「……(科学者じゃないよ……!!こまりちゃんだよ……!)」
オーナー「しかし、この理論には非常に賛同できる。そこで私は、どうにかしてこの幸せスパイラルを生み出せないかと考えたのだ」
美少女「……(このガント、発想はこまりちゃんだ!見た目ガントなのに中身こまりちゃんだ!……なんかいやだ!!)」
―――――
友「これあげる」
美少女「どうしたの?」
友「お兄ちゃんにもらった」
美少女「へー……」
サクッ
美少女「おいしい」
―――――
友「お兄ちゃん最近機嫌いいよね」
男「そうか?」
友「何かあった?」
男「いや?何もないぞフッフーン」
友「……(絶対なんかあったな)」
―――――
ガタンゴトン ガタンゴトン
美少女「……」コクリ コクリ
外国人「……」カタカタ ←膝の上でmacbookを使用する音
美少女「……」コクリ
外国人「……」カタカタ
美少女「……」コテン
外国人「!?」 カタタンッ
外国人「(ホ、ホワッツ!?)」
外国人「……(オゥ、マーベラス)」
※マーベラス(marvellous) 素敵な 素晴らしい 信じられない など。
外国人「……」
スンスン
外国人「……(グッド、スメル)」
※グッドスメル(good smell) 良い匂い
―――――
オーナー「つまり、幸せというものは無限に増えるんだ」
美少女「はぁ」サクサク
オーナー「人々は幸せであるべきだ。私も過去に人から幸せをもらった。だからこうして人を幸せにする事業をしている」
美少女「へぇー」モソモソ
オーナー「……君、聞いてるかね?」
美少女「聞いてますとも!!こまり局長も食べませんか?お菓子」
オーナー「こまり局長……?」
上司「こまり局長……?」
先輩「こまり局長……?」モグモグ
―――――
美少女「ただいま」
母「おかえり」
美少女「なにこれ」
母「すごいでしょ」
美少女「なにごと?」
母「お父さんね、給料あがったの」
美少女「なんで」
母「私もよくわからないんだけど、会社でやってた事業が成功したんだって」
美少女「よくわかんないけどすごい」
母「なんやかんやあって、つまりお金に余裕ができたの」
美少女「なんやかんやしたんだね」
母「とにかく、おいしいもの食べられればおっけー」
美少女「おっけー!」
―――――
社長「ただいま」
妻「おかえり、ごはんにする?お風呂にする?それとも業績再確認?」
社長「ご飯にしようかな」
妻「あなたすごいじゃない。今月の業績業界トップよ」
社長「ああ、私がうかうかしてはいられないからな」
妻「ふふっ……最近、いいことばかりね?」
社長「いや、少し違うな」
妻「違うって?」
社長「良いことが、連鎖しているんだ」
妻「連鎖?」
社長「ああ」
社長「たかしは学校に行くようになった。なら私はその父として、今までよりも頑張らなければならないだろう?」
妻「……」
社長「結果は必然だ。すべてはたかしのおかげなんだ」
妻「そんなところも好きよ」
社長「知っている」
ガチャ
タダイマー
社長「我が家の守り神のお帰りだ」
妻「ふふ」
キモオタ「ただいま、今日もたくさん遊んできたよ。やっぱり外に出るのって悪くないね」
社長「まさかお前がこんな時間まで帰ってこないとはな」
キモオタ「まずかった?」
社長「いや。むしろ逆さ。子供なんてそんなもんがちょうどいい」
妻「さ、ごはんにしましょ」
――――
美少女「おつかれさまでーす」
先輩「おつかれさま。休憩?」
美少女「そういう感じです」
先輩「どう?このバイト。慣れた?」
美少女「はい。最近なんかいいことが多いので。楽しいです」
先輩「偶然じゃないかもしれないわよ?」
美少女「?」
先輩「ふふ、なんでもないわ」
美少女「そういえば最近、日本平和ですよね」
先輩「もとから平和じゃない?」
美少女「いや、この前、なんか喧嘩してた国と仲良くなったって聞きました」
先輩「どこ?」
美少女「なんたらかんたらってとこです」
先輩「何一つわかってないわよね」
美少女「そことなんやかんやしてたのが何やかんやでなんかうまいこといったそうです」
先輩「そう……」
美少女「やっぱり平和って素敵ですよね」モグモグ
先輩「……あなたのおかげかもよ?」
美少女「……は?」
先輩「……ううん?なんでも」
―――――
※都合により日本語でお送りします
外国人「日本は良い国だった……と」
外国人B「またブログか」
外国人「ああ、うちのやつらにも日本がどういう国かってのを教えてやらなきゃならない」
外国人B「そんなに良い国だったっけか」
外国人「ああ、ここは良い国だ、最高だ」
外国人B「どうしたんだよお前」
外国人「……いや、お前も体験すればわかる」
外国人B「気になるな!」
―――――
大統領「……」
大統領「……やはり」
大統領「やはり、日本はいい国なんじゃないか」
大統領「前々から思ってはいたんだ、あかべぇそッ
……いやさまざまな文化、伝統にあふれた国だ」
大統領「単に技術が進んでいて、富裕層が多いからと……」
大統領「我が国民も、日本の生活を謳歌しているようだ……」
大統領「これは、日本と友好関係を結ぶべきだ。おい」
秘書「は、何でしょうか。たぬきそふとの新作はまだですが」
大統領「違う、会見を開きたい」
秘書「はっ」
―――――
ガタンゴトン ガタンゴトン
美少女「……(眠い)」
美少女「……(あのバイト、実際寝てないから実は結構疲れるんだよね)」
美少女「……(本当に寝ちゃいそうだよ)」
コテン
美少女「(え?)」
美少年「……」スー
美少女「……」
美少女「……」
スンスン
美少女「……(うん、このバイト、悪くないかも)」
終。