≪放課後≫
美琴「黒子のヤツ…せっかくジャッジメントの仕事手伝ってあげようとしたのに…」
美琴「なにが『面白半分で付いてこられては困りますの』よ。そりゃまあ面白半分ってのは否定できないけど…」
美琴「しかも『ジャッジメントの普段の仕事は地味な――とてもお姉様にはこなせそうにないものですの』よ!」
美琴「そうまで言われたなら是非とも“ジャッジメントの普段の仕事”ってやつをやってみたいわね」
元スレ
美琴「ジャッジメントに対抗する!」
http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1293818469/
美琴「とはいえ黒子に体験させてほしいと頼むのもねー…」
美琴「……そうだ!私がジャッジメントの代わりに“普段の仕事”をすればいいのよ!それがいいわ!」
美琴「でも一人でやるのはちょっとキツイかもしれないわね…黒子にもパートナーがいることだし」
美琴「……!あの人に頼もう。そうと決まれば…」
≪ファミレス≫
佐天「ジャッジメントに対抗する?」
美琴「そうなの!」
佐天「え、え~っと理由教えてもらっても…」
美琴「あ、そうだったわね実は…カクカクシカジカ」
佐天「はぁ…黒子さんの鼻を明かすためにですか…」
美琴「出会って間もないけど、こんな事頼めるの佐天さんしかいないの!お願い!!」ガバッ
佐天(どうしようかな~、正直断りたいけど…)
佐天(常盤台のお嬢様…それもLv5に『あなたしかいない』って言われたんじゃなー)
佐天「わかりました!協力しますよ」
美琴「ありがとう!それじゃあ早速お願いがあるんだけど」
佐天「なんですか?」
美琴「初春さんにそれとなくジャッジメントの普段の仕事について聞き出してほしいの」
佐天「わかりました」
美琴「それじゃ私は準備があるから先に帰るわね。あ、お礼代りにココは私が払っておくから」
佐天「え?悪いですよ」
美琴「いいのいいの。私たちもうパートナーなんだから、それじゃっ!」
佐天「御坂さん嬉しそう…協力するって言ってよかったな…」
≪数日後≫
美琴「佐天さん!」
佐天「御坂さん…なんですか?そのスーツケース」
美琴「まだ秘密!それより初春さんから聞き出してくれたのよね?」
佐天「ええ。とりあえずですね――――」
美琴「なるほど。書類云々は無理としてパトロールなら出来そうね!」
佐天「そうですね。じゃあ早速…」
美琴「ちょっと待って!」
佐天「え?」
美琴「できれば他の人に正体がばれないようにしたいの」
佐天「なんでですか?」
美琴「私って一応有名人みたいだから…それに○○の正体は実は私でした!ってほうが黒子も驚くと思うから」
佐天「ジャッジメントにかわり街のパトロールをする謎の2人組ですか…いいですね!」
美琴「それじゃあ早速コスチュームに着替えましょう!」
佐天「え?まさかそのスーツケースの中身って…」
美琴「ずばり私たちのコスチュームよ!ちなみに自作よ!」
佐天「わざわざ作ったんですか!?」
美琴「気合の表れ…ってやつ?とにかくそれだけ真剣なの」
佐天「見てもいいですか?」
美琴「ここじゃなんだし、着替えられるところに行きましょうか」
佐天「わかりました」
佐天(御坂さん意外に乙女趣味っぽいしきっとカワイイ服作ったんだろうなー)
≪公園≫
美琴「そこのトイレで着替えましょうか」
佐天「わかりました」
≪トイレ≫
佐天「さてコスチュームのお披露目ですね」
美琴「笑わないでよ?」
佐天「笑いませんよ、せっかく御坂さんが作ってきてくれたのに」
美琴「ありがと。それじゃこれが佐天さんのコスチュームね」
佐天(???????????????)
佐天「あの……これって…」
美琴「え?コスチュームだけど気に入らなかった?」
佐天「いえ、これってヒモ?ですよね?それにSって書かれた青い被りものに青い手袋それと…巨大磁石?」
美琴「あぁ、それはヒモじゃなくてボディースーツのようなものよ。こうやって着けるの」ヌギヌギ
佐天(なにこれ?前はV字で後ろはY字って…ありえない…)
美琴「それで手袋とヘルメット着けて磁石持って…っと。これで変身完了よ!」
佐天「……………」
33 : 以下、名... - 2011/01/01(土) 04:42:31.27 Ew+XHm080 12/31放課後電磁波クラブwww
美琴「どうしたの?佐天さん」
佐天「どうしてそんな派手な水着を?」
美琴「ボディースーツね。これはインパクト重視した結果よ」
佐天「その被り…ヘルメットは?」
美琴「顔隠さなきゃばれるからじゃない当然でしょ?」
佐天(肝心の顔が隠れてないんですけど…)
佐天「磁石は――」
美琴「ほら、私って電撃使いだし、その繋がり?で」
佐天「はぁ」
美琴「質問はそれで全部?なら時間がもったいないから着替えてね」
佐天「はい……」
佐天(なんで協力するなんて言っちゃたんだろ……)
美琴「着替え終わったわね…それじゃ佐天さんのコードネームを教えるわね」
佐天「(恥ずかしいなー)え?コードネーム?」
美琴「そう、佐天さんはこの姿の時は“S極さん”よそして私は“N極さん”よ!」
佐天(壊滅的にダサいコードネームだ)
佐天「あの、御坂さん?」
美琴「…………」
佐天「…N極さん?」
美琴「なあに?」
佐天「これからその、パトロールに行くんですよね?」
美琴「そうよ」
佐天「さすがにこの格好で街中に行くのは…」
美琴「そう?じゃあ手始めにこの公園からにしましょうか。行くわよS極さん!」グイッ
佐天「あ、ちょっと水着を引っ張らないでください!」
≪公園≫
美琴「さ~て困ってそうな人は…っと」
兄「コレハンブンコシヨウカ」
妹「ウン」
佐天(微笑ましい光景だな~。なんか弟のこと思い出しちゃった…ごめんね、お姉ちゃん汚れちゃったよ…)
美琴「うん!あの子たちにしましょう」
佐天「え?」
美琴「うまく半分にできなければ兄妹喧嘩になる…そうならないためにも私達で正確に半分にしてあげましょう」
佐天「え?あの、N極さん!?」
美琴「ねえねえ、お姉ちゃんがそれ半分にしてあげようか?」
兄・妹(!!!!!!!!!!)
佐天(驚きのあまり固まっちゃるな。まぁこの格好だしな)
美琴「ほら、貸して。正確に半分にしてあげるから」ヒョイ
美琴「さあ!やるわよS極さん!」
佐天「え?私もやるんですか?」
美琴「当然じゃない。いくわよー“電磁波ーカッター”!」
佐天「“電磁波カッター”?電気使うのかな?でも、それなら私は…」
美琴「え~っと」ガサゴソ
佐天(なんでスーツケースを漁ってるんだろ?定規でも探してるのかな?)
美琴「あったわ!」
佐天(ワイヤー?の両端に変なものがついてる)
美琴「これをこうして…っと」イソイソ
佐天(ワイヤーを真ん中辺りに巻きつけてる…あぁこれで両端から引っ張るのかー)
美琴「S極さん!やるわよ!!」
佐天「はい!」グッ
美琴「S極さん!なに手で引っ張ろうとしてるの?」
佐天「え?でもみさ…N極さんこうしないと半分にできませんよ?」
美琴「こうするのよ…アヌスカバー解除!!」クイッ
佐天(おしりの部分のヒモずらした!おしり丸出しだよ!!)
美琴「ほら、S極さんも」
佐天「はい…」クイッ
美琴「アヌス――イン!!」ズボ
佐天(ワイヤーの先についてたのをお尻の穴に!?)
美琴「S極さんもやって」
佐天「あ、あぬ…あ…あぬす――いん……」ピトッ
佐天(痛い痛い!こんなの入らないよ!)
美琴「S極さん!ファイト!!」
佐天「んん~~(ズボ)―――は、入った…」
美琴「やったわね!それじゃヤルわよ!!」
佐天「ま、待ってください!心の準備が――――」
美琴「よいしょ、よいしょ」
佐天「い、痛い…それにプラグが抜けそう…」
美琴「何してるのS極さん。お尻の穴に力を入れて引くのよ!!」グイグイ
佐天「解りましたから、大声でそんなこと言わないでください」
佐天(はやく切れろ!はやく切れろ!!)
スパッ
美琴「やったあああああああああああ」バッ
佐天「ちょっとN極さんそんなに大股広げて飛ぶと見えちゃいますよ!?」
美琴「さあ、これで仲良く食べられるわね。はい!」スッ
兄「……………」
美琴「どうしたの?食べないの?」
妹「……………」ポロッ
美琴「あら、落としちゃった…でも大丈夫!すぐにきれいにしてあげるわ!」
美琴「“電磁波ーイレイサー”!」ゴシゴシ
佐天「ちょ!あたしのお尻で拭かないでくださいよ!」
美琴「はい、キレイになったわよ」
妹「……………」
美琴「それじゃあね。行きましょう、S極さん」
佐天「は、はい(やっぱりこれで終わりじゃないか…)」
妹「うわああああああああああああああんんn……」
佐天(あの子たち変なトラウマ抱えなきゃいいな…)
美琴「さて、お次はーっと……!!」
通行人「♪~~~」ポイッ
佐天「どうしたんですか?」
美琴「うおおおおおおおおおおおおおおおお」グイーッ
佐天「N極さん!?なんでボディースーツを引っ張り上げてるんですか!く、食い込んでますから!!」
美琴「こみ上げる怒りが抑えられなかったの…ごめんなさいね」
佐天(あれって怒ってたんだ…)
美琴「それより見て、S極さん」
佐天「あ、空き缶のポイ捨てですね」
美琴「許せないわ!とりあえずあの人に罰を与えなきゃね」
美琴「“電磁波ー”……」
佐天「?」
美琴「いい名前が思いつかないわね。ん~~…めんどくさいッ!!」ビリビリ
通行人「ぎゃあああああああああ」バリバリ
美琴「トドメよ!“電磁波ーふりかけ”!!」パラパラ
佐天(!!!!!!!!!!!!!!)
佐天(じ、自分のあ…あそこの……け、っけけ毛を顔にふりかけた!?)
美琴「これでよし…と。あとはこの缶をゴミ箱に捨てるだけね」
佐天「あ、それならあたしが―――」ヒョイ
美琴「なにしてるのS極さん使うのはコレよ」
佐天「え?磁石ですか?でも磁石使ったんじゃくっついて取れないんじゃ…」
美琴「あぁそれなら大丈夫。コレ磁力帯びてないから」
佐天(えええええええええええ)
佐天「ならどうやって――」
美琴「二人で力を合わせるの!二人で缶を挟んで持ち上げてゴミ箱に捨てるのよ」
佐天「はぁ(面倒だけどさっきみたいに変なことにはならなさそうだからいいか)」
美琴「やるわよ“電磁波ーダブル磁力”!」
佐天「じ、じりょく!」
カチッ
美琴「よし!このままゴミ箱に――」ググッ
佐天(入れ!入れ!)
カランカラン
佐天「あぁ!落ちちゃった」
美琴「S極さんの力が足りないわね、仕方ない…アレを使うしかないわね」
佐天「え?」
美琴「“電磁波ー注入”!」グイ
佐天「なんでこっちにお尻向けてるんですか?」
美琴「私のお尻からエネルギーを補給して」
佐天「え?」
美琴「早くして!!」
佐天「はい…ゴクンゴゴクンゴクン(とりあえずなんか飲むふりでもしておこう)」
美琴「その調子よ」ビリッビリビリ
佐天(こんなところ知り合いに見られたら死ぬしかないな…)
美琴「エネルギー補給は終わったようね…もう一度行くわよ!“電磁波ーダブル磁力”!」
カチッ
美琴「今度こそ…」
佐天「ゴミ箱に…」
カラン
佐天「入った!」
美琴「いやったあああああああああああ」バッ
佐天「N極さん!さっきも言ったけど見えちゃいますってば!」
美琴「細かいこと気にしちゃダメよ!」
佐天「細かくないですから!」
美琴「そんなことより次行きましょ――――」
黒子「ジャッジメントですの!公園での変態騒ぎの犯人はあなた達ですのね?」
美琴「く、黒子!」
佐天「お、終わった…私の人生」ガクッ
美琴「S極さん!しっかりして」
黒子「さあ、大人しくお縄につきますの。」
美琴「私たちはジャッジメントの代わりにパトロールしてただけよ!なんで逮捕されなきゃならないのよ!!」
黒子「ジャッジメントのかわりですって…ふざけないでくださいまし!!」
美琴「うるさい!!こんなところで捕まってたまるか!!!」バリバリ
黒子「くっ!この方電撃使いでしたの!?」
佐天(え?白井さん気づいてない?)
美琴「今のうちに…」ダッ
初春『逃げられますよ?追わないんですか白井さん』
黒子『構いませんの。1人は確保しましたからこの方から事情を聴くとしましょう』
黒子「というわけで拘束させてもらいますの」
佐天「はい…」
≪常盤台女子寮≫
美琴「どうしよう…佐天さん置いて逃げちゃったけど…」
美琴「もし佐天さんが私のことを喋ったら私は……!!」
ガチャッ
美琴(!!!!!!!!!!!)
黒子「お姉様…」
美琴「黒子…」
黒子「佐天さんから事情は聞きましたの…」
美琴「!!――そう…」
黒子「ワタクシの言ったことがまさかこのようなことを引き起こすなんて…」グスッ
美琴「黒子…ごめんね」
黒子「だから…せめてワタクシの手で終わらせますの…例えその相手が…お姉様であったとしても…」ポロポロ
美琴「…………」
カチャリ
\
::::: \ 美琴の両腕に冷たい鉄の輪がはめられた
\::::: \
\::::: _ヽ __ _ 外界との連絡を断ち切る契約の印だ。
ヽ/, /_ ヽ/、 ヽ_
// /< __) l -,|__) > 「黒子…、私、どこで…
|| | < __)_ゝJ_)_> 道を…間違えちゃったのかな?」
\ ||.| < ___)_(_)_ >
\| | <____ノ_(_)_ ) とめどなく大粒の涙がこぼれ落ち
ヾヽニニ/ー--'/ 震える彼女の掌を濡らした。
|_|_t_|_♀__|
9 ∂ 「その答えを見つけるのは、お姉様自身ですの。」
6 ∂
(9_∂ 美琴は声をあげて泣いた。
終わり