1 : 以下、名... - 2014/04/24 17:19:38 Ji05Go0Y 1/76

※これは俺の好きな、ある少女漫画をSS化した物です
※SS化のため、原作と少しだけ表現の違いなどが幾つかあると思います

元スレ
女「待って下さいっ!!」
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/internet/14562/1398327578/

2 : 以下、名... - 2014/04/24 17:34:06 Ji05Go0Y 2/76

「」タッタッタッ

(ぎゃー!遅刻しちゃうー!!)タッタッタッ

「はぁっ…!はあっ…!」タッタッタッ

(もっ、もうすぐ校門だっ…!)タッタッタッ

(ここを曲がれば!!)タッ

グニッ

(わ゙っ!?だ、誰かの足踏んじゃった!?)

「ごっ、ごめんな」クルッ

「」ギロッ

「さっ!?!?」

「」

「…」

「……」トコトコ

「……」

(…………こっ…こぁい…)プルプル

3 : 以下、名... - 2014/04/24 17:44:30 Ji05Go0Y 3/76

(…高校生の私は今でも)

(はっきり言って、色んな事に自信が……)

(ありません)

キーンコーンカーンコーン

「」ズーン…

女友「どしたの、女。顔色ひっどいけど、何かあった?」

「い…いや……」

女友「吐きな。あんた、溜め込むから」バンッ


「男ー」

「ん?」


女友「男の足を踏んだ…?」

「た…たぶん、もんのすご~く痛かったんだと思うんだ……」

4 : 以下、名... - 2014/04/24 18:01:51 Ji05Go0Y 4/76

「も…もしかしたら、指の足が折れて…!」ビクッ

女友「踏んだくらいで普通は折れない。気にし過ぎなんじゃないの?」

女友「女は超、マイナス思考だからなぁ~」

「」グサッ

女友「ったく、何でそうなったのかっ。ふんとにっ」

「……うぅ」

(何で…かなぁ…)

(……思えば)

(小さい頃から、この性格のせいで色々と男子にからかわれて)

(それから男の子が苦手。自分の容姿、性格、思考回路…自分に関する全ての要素が大嫌い…)

(だいたい、すぐ緊張するし、赤面するし、引っ込み思案だし、トロイし…………うっ)ホロリ

(……自分でも、直したいとは…凄く思う…)イジイジ

キーンコーンカーンコーン

…………
……


5 : 以下、名... - 2014/04/24 18:21:13 Ji05Go0Y 5/76

女友「くぁ~っ!疲れた!」ノビー

女友「楽そーだと思ったからなったのにっ。文化祭の小道具係!」

「案外、大変だね」

カエローカエロー

ザワザワ

女友「何であたしらばっか残んのさっ。旗作りめんどい!もー」バサッ

「慣れない裁縫はやっぱ難しいね…」チクチク

「…」チクチク

「」プスッ

「いだい゙…」

女友「つーか、この後夜祭のテーマ『肉食』って何すんだろ。皆でバーベキューでもすんのかね」

女友「」グー

女友「……腹減った」ジュルリ

「うーん…予算的にどーだろ…」

6 : 以下、名... - 2014/04/24 18:36:15 Ji05Go0Y 6/76

「あっ、もしかして『肉食系』とか『草食系』とかの意味かなぁ?」

女友「あー」

女友「…あんたは絶対、草食系だよねぇ」

「そ…そーかな?」

女友「自分からガツガツ行くタイプじゃないでしょ」

女友「…そうだなぁ、んーとねぇ……」キョロキョロ

女友「あ、ほらほら。あーいうのを肉食系って言うんだよ。肉食女子」ユビサシー

「…?」チラッ

「!」

(男君…の周りに女子…)


「…つーか、何の用?」ブアイソー

「えー、用なきゃダメなのー?」

キャッキャッ


(はえー…他のクラスの子まで…)ボー

7 : 以下、名... - 2014/04/24 18:58:44 Ji05Go0Y 7/76

オトコーハナソー

キャッキャッ

「……」

(…あんなコワそうな感じなのに人気、あるんだなぁ…)

(意外…)

(って失礼だなっ)ブンブン

女友「まぁ男、顔は良いからねー」

「顔…」

女友「あたしはもうちょい甘々で優しげな人のがタイプだけど」


「ねぇねぇ、男ー」

「何?」


「…」ジッ

9 : 以下、名... - 2014/04/24 19:23:15 Ji05Go0Y 8/76

ナンデモナーイ

「何だよ」

アハハハハハハ

(…こんなにちゃんと見たの初めてかも…)ジーッ

(いつも、目が合ったら困るから男の子の顔はちゃんと見れないし…)ジーッ

(…確かに女友ちゃんの言う通り)

(………綺麗な顔、してるなぁ)ジッ

「……」チラッ

「!?」

女友「女ー!聞いてるのっー?」

「っ…!」バッ

女友「だから!女はもっと積極的に!」

「ちょっ…女友ちゃん!大きな声で喋らないでっ…!」

女友「はぁ!?何でさっ!だからっ、そういうとこが女はー!」

「お願いっ、注目されるの嫌なんだもんっ」アワワッ

10 : 以下、名... - 2014/04/24 19:37:29 Ji05Go0Y 9/76

女友「何さっ!別に注目ぐらい!」

「しーっ!しーっ!」

「……」

…………
……


女友「あっ!もうこんな時間!」

「ほんとだ…」

女友「女、急行間に合わなくなるから先帰りなっ」

「ご、ごめんね!ありがとう」ゴソゴソ

「旗持って帰らなくちゃ…。入るかな…」



「…」トコトコ

(お、重い……)トコトコ

11 : 以下、名... - 2014/04/24 19:48:16 Ji05Go0Y 10/76

(靴箱……)

「…」カタンッ

(靴取れたけど、荷物大量で履きにくい……)

バサッ

(あっ、ふ、袋がっ…)

ボコッ

(ああっ!靴片方落ちたっ!)

(うぅ…どんくさいなぁ…)

「拾わなきゃ…」イソイソ

「…?」クルッ

「……」ム~ン

「!!」ビクゥッ

(お、男君!!)ガタガタ

12 : 以下、名... - 2014/04/24 20:06:23 Ji05Go0Y 11/76

「……」

(あっ…そっ、そうか…!あたし邪魔だっ…!)アタフタッ

グイグイッ

(くっ、靴入んないっ…!!)パニック

「…」

(なっ、何で!?上手く足が靴に入らないっ!ひぃぃ~っ!!)グイグイッ

「…持ってようか?」

(えっ…!)クルッ

「…」

「えっ…あ、いやっ、そんなっ」カァッ

(手に汗かいてるよ、あたし!!)アワワッ

「…でも」

14 : 以下、名... - 2014/04/24 20:19:41 Ji05Go0Y 12/76

「あのっ、いやほんとっ」

「荷物、かして」スッ

「っ!?」ドキッ

「いいですっ!!ごめんなさいーっ!!」ダダダッ

「…!」

「………逃げた」

「……」

「…」カタンッ

「…!!」

「………サイフ」ヒョイッ



「」タタタ

(わ…悪い事をしてしまった…逃げてしまった…!!)

(親切で言ってくれたのにっ!最低だあたしは!!)

(どうしよう…。今日一日あたしのせいで男君が少しでも嫌な気分に……)ズキンズキン

17 : 以下、名... - 2014/04/25 15:59:01 M34f4w3M 13/76

ガヤガヤ

「!」

(電車も混んでる…)

「……」

(…ほんと)

(ダメだなぁ、あたしは……)ズキン

ドアガシマリマス

ハクセンノウチガワマデ~

「…」

ギュウギュウ

(詰め詰めだ…)

ドカッ

(うぅっ…。押されて痛い…)

ガシャンガシャン

ピーッ

18 : 以下、名... - 2014/04/25 16:19:50 M34f4w3M 14/76

「ちょっと何で発車しねーんだよ!」

「!」

(か、鞄がドアからはみ出てっ…)

(降りなきゃっ…!でも前の人に押されて動けないよっ…!降りるに降りられない!)

(どうしようっ…!あたしのせいでドアが閉まらないっ…!!)

ギュウーッ

(く、くるし……)

グイッ

「でっ」

(誰かに外から押されっ…!?)

「っは…」

(や、やっと息が…)

「すみません」

「!!」

「挟まってる奴いるんで詰めて下さい」

19 : 以下、名... - 2014/04/25 16:41:45 M34f4w3M 15/76

(男君!!)

「えっ、あ、ごめっ」ススッ

…ガタンゴトン

…ガタンゴトン

「…」

「あ、あの、ありが…」

「さっきのどうしたの?」ヒソヒソ

「挟まってたってどいつ?」ヒソヒソ

「!!」

「あー、あの子じゃない?」ヒソヒソ

ジロジロ

「っ…!」カァッ

「それより、ドスのきいたデカイ声、あの男?スゲーな」

ザワザワ

20 : 以下、名... - 2014/04/25 16:57:22 M34f4w3M 16/76

(わ…わあぁぁぁっ…!)

(あたしのせいで男君までっ!)

(うぅ…いたたまれない……)

「…」チラッ

「……」

「…こっち」スッ

「ここ立ちなよ。楽だから」

「!」

(あ……れ…?)

「…」

(…男君は)

「……」

(気にならないのかなぁ……)

21 : 以下、名... - 2014/04/25 17:30:05 M34f4w3M 17/76

「…つーか、これ…」スッ

「…え」

「あっ!!あたしのサイフ!?うそっ、ごめっ」

「サイフ無くてよく乗れたね」

「てっ、定期で乗ったからっ!気付かなくてっ」アタフタッ

「あー、そか」

「!」

(あ……)

「…」

(男君…汗かいてる…?)

「っ…」ドクンッ

(…もしかして、これ届けるために)

(追いかけて来てくれたの…?)

「…」ギュッ

22 : 以下、名... - 2014/04/25 17:46:30 M34f4w3M 18/76

マモナクーコウダイーコウダイー

ミギガワノトビラガ~

「…あっ、の!」

プシューッ

ドドドッ

「ぐえっ」

「なっ…」

タダイマシャナイタイヘンコミアッテオリマス

ナカホドヘオツメニナッテ~

(人がさらに増えてっ…!)

ギュウギュウ

(ひ~っ!!)

24 : 以下、名... - 2014/04/25 17:57:01 M34f4w3M 19/76

ピトッ

「」ハッ

(おでこの油がガラスにつくっ…!)

(どうしよっ…人に不快な思いをっ)

ドカッ

「ぐえっ」

(それ所じゃない!!)

ギュウギュウ

(苦しい~!!息できない!!)

ガタンゴトン

(死ぬ~っ!!)

25 : 以下、名... - 2014/04/25 18:28:35 M34f4w3M 20/76

ツギハーミナミマチーミナミマチー

ヒダリガワノドアガヒラキマス

「!」

「なぁっ、次こっちのドア開く!」

「えっ?」

「押し出されるかもしれないからどっか捕まって!」

「え゙っ!?」

(えぇぇっ!どこ掴めばっ…!!)アワワッ

「…っ!」

(どっ、どーしよ!!手を動かせないっ…!!)アワワッ

「ちっ!!」バンッ

乗客「」ビクゥッ

「っ…」ガッ

(襟元捕まれたっ…!?)

26 : 以下、名... - 2014/04/25 18:47:33 M34f4w3M 21/76

プシューッ

「っ」グイッ

「!?」

フワッ…

「!!」

(一瞬)

「……っはぁ」

(空気が)

(止まった………)

「ごっ…ごめっ」ゼェハァ

「や…俺こそ」ゼェハァ

(そ、外に出れた……)ゼェゼェ

「……っふぅ」

(男君が、引っ張ってくれたんだ…)

27 : 以下、名... - 2014/04/25 19:10:39 M34f4w3M 22/76

ギュウギュウ

ギャーワーオチルー

「…あー、この電車もう乗れないな…」

「う、うん…」

………
……


「…」

「…」

「…」

(…え、駅のホームで二人っきり…!きっ…緊張しちゃうよっ…)

「……」

(男の子と二人だけなんていつぶりだろう…。いやっ、初めてかもしれない…!!)

(い、色々言わなきゃっ…!)

「…」

(サイフのお礼とさっきのお礼と昇降口での謝罪と…あっ!足踏んだのも謝らなくちゃ!)

28 : 以下、名... - 2014/04/25 19:44:03 M34f4w3M 23/76

「…えっと……それから……」グルグル

「………」ブツブツ

「…………あ」

「あのさ」

「はいっ!?」ドキーッ

「あっ、ごめんねっ!お先にどーぞっ」キトキト

「………じゃあ」

「あのさ…注目されるの、何で嫌なの?」

「えっ…」

「…」

「…っ」カァッ

(き、教室で聞かれてたかな…)

「……」

29 : 以下、名... - 2014/04/25 20:23:23 M34f4w3M 24/76

「その……こんな自分を見て欲しく無くて……」

「…何で?別に悪い事してる訳じゃないじゃん」

「いや…あの…」

「…小さい頃からずっと『赤面オバケー赤面オバケー』ってからかわれどおしで…」

「何て言うか…その……」

「……ふはっ」

(…え?)

「…」チラリ

「くく…なんだそれ…」

「!」ドキッ

(……わ…笑っ…)

30 : 以下、名... - 2014/04/25 20:45:55 M34f4w3M 25/76

「……つーか、人って色んな事気にするもんだなー…」

(ゔっ。…うざくてごめんなさい…)

「そ…そうなんだ。あたし…ど、どうでも良い様な事気にしすぎて、逆に肝心な事気付かないって言うか…」

(あれ…なんだろう…。つい喋っちゃう…)

「それで…人に返って嫌な思いを…」

「…」

(わ゙…重い事言ってる…)

(…どうしてかな)

(笑顔を見せてくれたから…?)

「…」

「…色々気にするって事は、人の痛みが分かんだよ」

「…!」

「もっと、自信持っていんじゃない」

「…」

35 : 以下、名... - 2014/04/26 13:27:32 ovcM2rzA 26/76

「それに」

「こうして、少し話しただけだけど」

「あんた自身も、良い人じゃん」

「!!」バッ

(……そんな事、初めて言われた…)

「…まー、俺も気にする事無い訳じゃないけどなー」

「…え?」

「眉間にさー、皺が寄るんだよなー、ここ。もうガキの頃から」ミケンチョンチョン

「あと、目が悪くてこーやって見る癖もあるから」ムッ

(あ…)

36 : 以下、名... - 2014/04/26 13:53:18 ovcM2rzA 27/76

(そうか…それで…)


『』ギロッ

『……』ム~ン


「目つき悪いとか怒ってんのとか、昔っから…」

「密かな悩み」

(……そう…だったんだ…)

「……ふふっ」

「…!」

37 : 以下、名... - 2014/04/26 14:20:05 ovcM2rzA 28/76

「…笑ったな、人の悩みを…。前言撤回するぞ」

「!?」

「ごっ…ごめんなさい!!そういう訳じゃなくてっ!!」アワワッ

「……ふ」

「ははっ」

「…!」

(……不思議)

………
……


「女ー、洗濯物出しちゃいなさいよー」

「はーい」

(不思議…だなぁ)

38 : 以下、名... - 2014/04/26 14:38:29 ovcM2rzA 29/76

(…あんなに自分の事が嫌いだったのに)

(今日は何だか…)


『あんた自身も、良い人じゃん』


(嬉しく感じる…)

「…」ポフッ

(心があったかい…)

「女ーっ、靴下もっ」

(お母さん…)

(…今までお母さんが、あたしを産んで育ててくれたのに)

(あたし、自分の事を嫌いなんて言っててごめんね)

(ありがとう…)

「…」

(…男君て、すごい人だなぁ…)

(あんな人っているんだ…)

39 : 以下、名... - 2014/04/26 15:08:04 ovcM2rzA 30/76




女友「女ー、学食行こー」

「うんっ」

トコトコ

(女友ちゃんはいつもこんなあたしとも一緒にいてくれてる…)

(えへへ…)ニヘニヘ

女友「…何?にやにやして」

「へっ!?ほんと!?」カァッ

トコトコ

「お前っ、生意気なんだよ!!」

「!?」クルッ

「~~!!」

(う…うわーっ、ケンカ!?やだなぁ…)

「ふざけんじゃねーぞ!!」

(こわい…大丈夫かな…)

40 : 以下、名... - 2014/04/26 15:19:07 ovcM2rzA 31/76

女友「あほくさー。いこ、女ー」トコトコ

「う、うん…」トコトコ

「…」チラッ

「1年の癖にイキがりやがって!!」

「…」

「!?」

(お…男君!!)

「ちょっとくらい背がデカくてモテるからってよーっ!俺のずっと好きだった祥子ちゃんまでお前の事っ…!!」

「ケ、ケンちゃん、それ褒める事になってる…」

「えっ」

「…」

(さ、三年生に絡まれてるの男君だったんだっ…!)

41 : 以下、名... - 2014/04/26 15:39:29 ovcM2rzA 32/76

「とっ、とにかく!!目つき悪いんだよお前!!いっつもいっつもガンたれて来やがって!!」

「」ピキッ

「あぁ?」ギロッ

「「!?」」ビクッ

(こ、こわっ)

「なっ!…んだよその態度!!」ドンッ

「っ」

(あっ、痛い!)

「…ち」グイッ

「…!」

グググ

「こ、こんにゃろ……力つよ……」グググ

42 : 以下、名... - 2014/04/26 16:00:15 ovcM2rzA 33/76

グググ

「…」ポイッ

「…」トコトコ

「……ばっ」

「ばーかっ!ばーかっ!今度はもっと大人数で来てやるからなっ!!覚えてろっ」

「ケンちゃん…」

(こっ…こわい!やっぱり男の人って怖いなぁっ…!)ビクビク

(でもっ…)

(…でも!!)タッ

「お前なんかボッコボコのメッタメタのギッタンギッタンに…!!」

ドカァッ

「ぐほぉっ」

(しっ、しまった!勢いあまってつまずいてしまった!!)

「ごっ、ごめんなさい!!」

「…!」ハッ

43 : 以下、名... - 2014/04/26 16:17:19 ovcM2rzA 34/76

「いいとこで……いてて」

「すみません!!すみません!!」ペコッペコッ

「き、気を付けてよねー…」

「はいっ」

「…」ギュッ

(…勇気を出せ、あたし…)

「あっ、あのそれでっ…本題に入りますが…」

「め、目付きとかで人を判断するのは、良くないと思うんです…」

「その…中身を知ったら、すごい良い人とかあると思うし…」

「そ、それに…聞いてたら何だか、そちらの逆うら…いえ!誤解もあるのかな……って」

「だから!あのっ、大人数で来るのはやめてほしっ…!」バッ

「それでよー」スタスタ

「まじかー」スタスタ

(あれ!?)

44 : 以下、名... - 2014/04/26 16:37:42 ovcM2rzA 35/76

(し、しまった…!謝っててタイミングを逃した!!)

「ちょっと待っ…」

ケンチャンマジウケルー

ギャハハハハハ

「……」ボーゼン

「……ぶふっ」

「!」クルッ

「…」ミケンチョンチョン

「……ふ」

「…ありがとな」

「!!」ドキンッ

「っ…」キュウ

45 : 以下、名... - 2014/04/26 16:51:09 ovcM2rzA 36/76

(…男君といると、勇気が出るのかな)

(今までのあたしには無かったものが…)

(だって、今も、こんなに)

(心が)

(動く)



(あれから毎日)

(寝ても覚めても、浮かんでくる)


『あんた自身も、良い人じゃん』

『…ありがとな』


(…男君の言葉が)

(頭の中で何度も)

(リフレインされる)

46 : 以下、名... - 2014/04/26 17:08:23 ovcM2rzA 37/76

ワイワイ

ガヤガヤ

ペンキカシテー

カンバンデザインスルノテツダッテー

(だんだん、文化祭の準備も進んで来たなぁ…)

カップルハンガクキッサテン!!

「!」

(カップル半額いいなぁ…)

(あたし達も早く、後夜祭の旗終わらせなくちゃ)

「…」トコトコ

ガンッ

「う、わっ!」コケッ

(なっ、何か足に当たった!?)

(こ、これって看板…?)

47 : 以下、名... - 2014/04/26 17:18:48 ovcM2rzA 38/76

(…危ないなぁ。こんなとこに…)

「…」チラッ

(あ、この支えから落ちたのか…)

「あーっ!!」

「」ビクゥッ

「ちょっ…何て事すんだよっ!!」

「え…」

「あんた壊しただろ!?」

「え゙っ」

(えっ…元々落ちてたのに…。でもちょっと蹴っちゃったし…)

「ちょっとー!!もー!どうしてくれんだよっ!」

「ご、ごめんなさい…」

48 : 以下、名... - 2014/04/26 17:32:09 ovcM2rzA 39/76

「俺が何日もかけて作った力作を…っ」

「…」スッ

「…」グイッ

ドンッ

「!?」ガラガッシャーン

「…」

「男君…!?」

「な…何すっ…!」

グラグラグラ

ガシャーンッ

「ひぃっ!?」ピョンッ

(上の看板が落ちてっ…!)

「えっ…何!?危なかっ…!下敷きになるとこだった!!」ガクブル

「…」

「もっ、もしかして助けて…?でっ…でも突き飛ばす事ないだろー!?」

49 : 以下、名... - 2014/04/26 17:54:16 ovcM2rzA 40/76

「…打ちつけあまいから、壊れたんだよ」

「そっちのも」

「えっ…」チラッ

「!」

「じゃあ、自然に…?で、でも俺しっかり作ったし…。そんな簡単に壊れるもんじゃ…」

「…そお?」トンッ

ガラガラガッシャーンッ

「ギャーッ!!」ピョンッ

「…!」

「何すんだよっー!!俺の力作がぁっ!」

「…」

「…」トコトコ

「ちっ、ちくしょお~!先生に言ってやるからなーっ!!」

「…」トコトコ

「お…男君…!」タタタッ

50 : 以下、名... - 2014/04/26 18:12:36 ovcM2rzA 41/76

「お、怒ってるよ…?」

「…」ピタッ

「…あのくらいで壊れるなら」

「当日、人が多い時に壊れたらあいつらがもっと大変な事になる」

「!!」

「見た?突き飛ばしたぞ」ヒソヒソ

「目つきもこわいし…」ヒソヒソ

「っ…」

(……それならそう言わないと、男君が悪者みたいに思われちゃうのに…)

「……」

「…」トコトコ

(…自分がどう思われるかは)

(気にしないんだな…)

(…すごいなー、やっぱり男君て…)

(あたしなんか凄く凄く気にしちゃうのに…)

51 : 以下、名... - 2014/04/26 18:56:32 ovcM2rzA 42/76

「……ふふっ」

「…?」クルッ

「…何笑ってんの?」

「えっ、嘘っ!?笑ってた!?」カァッ

(…でも、やっぱり)

(あたしもこんな風に)

(なりたいな…)

「…ふふっ」

「?」

52 : 以下、名... - 2014/04/26 19:10:48 ovcM2rzA 43/76

(あぁ…そうか)

(あたし)

(男君の事が………)



(…好き…)



ワイワイ

ガヤガヤ

女友「女が男を!?す…もがっ」

「しーっ!しーっ!」

女友「もががっ」プハッ

「し、知られたくないんだ…。気持ちを」

女友「…何でさ」

53 : 以下、名... - 2014/04/26 19:23:43 ovcM2rzA 44/76

「あたしには…想いを伝える勇気もないし…」

(話せるようになれたこの距離をなくすのが、怖い)

女友「…」

「同じクラスってだけですごく幸せな事なんだなーって…」

女友「欲がないな~っ」プニプニ

「いだた…」

女友「このやろ~」プニプニ

委員長「ちょっとあんた達!遊んでないで後夜祭の旗出来たのっ!?」

「!」

女友「んげ…文化祭の実行委員長…」

「大体は…」バサッ

委員長「なっ…何よこれ!?」

54 : 以下、名... - 2014/04/26 19:45:44 ovcM2rzA 45/76

女友「へ?何が?テーマ通り『肉食』って…」

委員長「はあぁぁぁ!?何言ってんのよ!!」

委員長「後夜祭のテーマは『告白』よ!!『告白』祭り!!生徒達が催しの力を借りて壇上で勇気を出して告白していくのっ!!」

女友「ええっ!?だって」

「この指示書通りに…」ピラッ

委員長「これのどこが『肉食』に読めるってのよっ!!」カキカキ

委員長「ほらっ!ちゃんと『告白』って読めるじゃない!!」ピラッ

「!」

委員長「だいたい!考えても見なさいよ!折角のロマンチックな後夜祭に何が悲しくてそんな肉々しいテーマをっ!!」

「す…すみません。字が読みづらくて…」

委員長「何ですってぇ!?字が汚いって言うつもり!?自分で間違えといて図々しいっ」プルプル

「そっ、そんなっ!ごめんなさいっ!」アワワッ

委員長「許さないわよっ!!」ゲキリンッ

57 : 以下、名... - 2014/04/27 13:23:17 dObHJ/sw 46/76

委員長「…そうね」ゼェハァ

委員長「罰として」

委員長「後夜祭のシミュレーションしてみなさいよ」フンッ

「…へ…?」

委員長「」イラッ

委員長「当日、『こういう風に告白します~』って感じで」

委員長「壇上で皆の前で告白、今予行練習してみせて」

(え……!)サアァァ

「…!」

ザワザワ

委員長「そうね…相手役は、文化祭委員のあんたでいいわ」

委員「えっ、俺!?」

女友「はあぁっ!?バッカじゃないの!?」

委員長「あんたは黙ってなさいよっ!!」クワッ

58 : 以下、名... - 2014/04/27 13:46:39 dObHJ/sw 47/76

「……っ」

委員「や~だなぁ~照れちゃうな~いひひおひひ」

委員長「ほらっ、早く!」

ザワザワ

「…」カアァ

(…何で、こんな大勢の前で…)

「…」チラッ

「…」

「っ…」

(男君もいるのに…)

(…例え、フリでも)

(好きでもない人に、告白なんて)

(したくない)

59 : 以下、名... - 2014/04/27 14:03:31 dObHJ/sw 48/76

委員「いひひおひひ」

(…でも、そう言ったらこの人にも失礼だし…)

委員「…!」ジッ

委員「つーか、お前……あっ!!」

委員「どこかで見たと思ったら!!」

「…?」ピクッ

委員「お前、あれだろ!?俺オレ!!覚えてない!?」

(…え?誰…だっけ…)

委員「幼稚園の時、一緒でさーっ!こいつ名前なんだっけ!?」

委員長「女、だけど?」

委員「そうそう!そんな名前!!」

「…」

委員「そうだ!!その顔!!思い出した!!『赤面オバケ』だ!!」

「!!」ドクンッ

60 : 以下、名... - 2014/04/27 14:30:29 dObHJ/sw 49/76

「っ…」カアァ

委員「そう!その赤面顔!!」

ドクン

委員「こいつ、すぐ顔真っ赤になるからさーっ『赤面オバケー赤面オバケー』っつってからかわれて、いっつも泣いててよーっ!」

ドクン

ドクン

委員「つーか、お前!今でもその顔すんのかよーっ!!ぎゃはは!」

ドクン

委員「あーっ!スッキリした!この際だから高校でもこのまま『赤面オバケ』ってあだ名にしてさー」

ドクンッ

61 : 以下、名... - 2014/04/27 14:46:47 dObHJ/sw 50/76




『あんた自身も、良い人じゃん』



ドクンッ

(あたしも…)

(男君みたいにっ…!)

委員「赤面オバケーっ、うおー!何かなつかしー!」

「おい…」

「…っ」ギュッ

「止めてくださいっ!!!」

委員「」ビクッ

「!!」

62 : 以下、名... - 2014/04/27 15:05:29 dObHJ/sw 51/76

「あたしは『赤面オバケ』じゃありません!!『女』です!!」

「そっ…それから!あたしは貴方の事が好きじゃないのでっ、ごめんなさい!!好きじゃない人に告白なんて出来ません!!」

委員「!?」

「…」

ザワザワ

「ぷっ…」

「!」

「赤面オバケじゃありませんって、真剣に…ぷぷっ」

「しっ」

「だって、顔真っ赤で言っても説得力無いし…」ゲラゲラ

「確かに赤面オバケだな…ぷぷ」

「…!」カアァッ

委員「……っ」プルプル

委員「なっ、なんだよ!その言い方っ!何で俺がフラれたみたいになってんだよ!!俺だって別にお前の事なんかっ」

「ごっ、ごめんなさっ…!」

63 : 以下、名... - 2014/04/27 15:34:53 dObHJ/sw 52/76

委員「ふざけんなっ!!」ドンッ

「きゃっ…」グラッ…

(…ぁ。あたし、やばいな……)フラッ

女友「女!?」

「っ…!」ダッ

(…緊張が)

(…頂点を、超えた)

ガターンッ

キャー!!

オンナガタオレター!!

………
……


パチ

「……」

(……夢…?)

64 : 以下、名... - 2014/04/27 15:53:28 dObHJ/sw 53/76

「…」ムクリ

(保健室……)

女友「女っ!!気がついた!?」ガバッ

「女友ちゃ…」

女友「吃驚したよー!もうーっ!」オーイオイ

ズキッ

「い゙ったた」

女友「あっ、倒れた時腕打ったんだよっ」アタフタッ

女友「…でも、危なかったんだよ。男が支えてくれてね…」

「!」

女友「そうじゃなかったら、頭から机に突っ込むとこで…」

(男君が…)トクン

(…どんな風に…支えてくれたんだろう…)

(覚えてないの、もったいなかったな…)

女友「あ、そうだ!鞄取って来てあげる!」タタッ

65 : 以下、名... - 2014/04/27 16:15:49 dObHJ/sw 54/76

女友「すぐ戻って来るからねー」

「うん。ありがとう、女友ちゃん」

女友「どういたしましてー」ガラッ


女友「!」

女友「わざわざ来たの?」

女友「うんうん、気ーついたよ。入って入って」


「…」ガラッ

「…!」

(男君…)

66 : 以下、名... - 2014/04/27 16:34:28 dObHJ/sw 55/76

「…」カタン

「……大丈夫?」

(何で…どうして)

「…っ」トクン

(わざわざ、来てくれたの…?)

「…ごめん」

「…え!?」

「腕、ぶつけたんだよね…倒れた時に」

「えぇっ!そんなっ!」アワワッ

「あぁっ!それよりお礼言うの遅れてっ!!ありがとう!!男君が助けてくれたんだよね!?」

「本当にありがっ…」

「でも」

「俺がもっと早く支えてたら、腕も打たなかった」

67 : 以下、名... - 2014/04/27 16:47:46 dObHJ/sw 56/76

「…ごめんな」

「っ…」キュゥ

(…腕の痛みなんか、とんでいった)

(腕なんかよりも)

(…胸が、苦しい…)

「…さっき」

「『赤面オバケじゃありません』って…」

「そっ」カァッ

「それ!も…もーっ!自分でも何であんなバカな事言ったのかっ!笑われてたしっ」

「ほんとっ、恥ずかっ…」

「頑張ったじゃん」

「…!」ドキ

「スカッとしたよ」

68 : 以下、名... - 2014/04/27 17:07:51 dObHJ/sw 57/76

「…俺もさ、『女』って呼んでいい?」

「ぁ…」カアァ

「丁度、何て呼ぼうか迷ってて」

(…例え、それだけの理由でも)

(あたしの事、想い浮かぶ時が)

(少しでも…あるの…?)

「…あれ、駄目?『女』って」

「う、ううん!」

(…男君に呼ばれる名前は、魔法みたい)

(文化祭の…後夜祭のテーマ『告白』)

(男君がいると、今までには無かった勇気が出る)

(男君の…誰よりも一番近く、特別な位置)

(…その場所が)

(欲しい)

「…」ギュッ

69 : 以下、名... - 2014/04/27 17:36:08 dObHJ/sw 58/76

文化祭当日

ワイワイ ガヤガヤ

「」モグモグ

女友「」パクパク

「案外、自由時間がないもんなんだねぇ…文化祭の係って」モグモグ

女友「んねー、雑用ばっか!」パクパク

「屋台の味見係で食べられるのは嬉しいけど」モグモグ

女友「んまんま」バクバク

「あ、こっちのたこ焼きもおいしい。食べてみなよ」ヒョイッ

女友「」パクッ

女友「ほんとだ。うんまい」モグモグ

「…」パクパク

(男君、今頃どこにいるんだろう…)

「はぁ…」

(会いたいなぁ……)

70 : 以下、名... - 2014/04/27 17:54:20 dObHJ/sw 59/76

「何してんの?」ヒョコッ

男友「よっ」

「!!」

女友「おっ!男と男友じゃん」

(お…男君!!会えた!!)パアァァ

「ふ、何そのカッコ」

「あっ、さっきまでお化け屋敷の呼び込み係しててっ」

男友「ははっ、かわいーね。な、男」

「うん」ジッ

(わ…わあぁぁ!!お化け屋敷バンザイ!!)

男友「おいおい…お前が言うとそう聞こえねーよ。何で睨むんだ」

「そお?」

(あたしは…もう分かるもんね。今のは睨んだんじゃない)

「へへ…」

81 : 以下、名... - 2014/04/29 13:34:05 uqW4EMzk 60/76

「つーか、すげー食ってんね」

女友「着替える間もなく、次は屋台の味見係言われてさー。文化祭の実行委員長さんに」

「これ、二人で全部?」

女友「女はこう見えて、あたしより食べるんだよ」

「ゔっ、はは…」

男友「うまそー。俺らも食っていい?」

女友「おっ、助かるね。けっこーうまいよ」チラッ

「!」

「うん!」

男友「んじゃ、遠慮なく」カタン

「ほんとにスゲー量…」

ワイワイ

(わ…わわーっ、嬉しい。なんか…仲良しグループみたい…)

(……ちょっと前までだったら、考えられない事だなぁ…)

82 : 以下、名... - 2014/04/29 13:42:01 uqW4EMzk 61/76

(……男君、あたし…)

(伝えたい事が、あるよ)

「あ、それ半分食いたい。女の前にあるやつ」

(『女』!!)カアァ

女友(『女』!?)ピクッ

「うっ、うん!半分!ちょっ…ちょっと待ってねっ。これ中にフランクフルト入ってて!」グイグイ

男友「じゃー、俺はこのクレープにしよーっと」

「はっ、半分にするの難しいっ!」グイグイ

「あー、いーよ。持ってて」

「え…持っ…?」ヒョイッ

「…」パクッ

「!?!?」カアァ

女友「!?」ボトッ

ベチャッ

男友「荒っぽいなぁ、男は……って、ああっ!俺の膝にっ!!」ベチョベチョ

83 : 以下、名... - 2014/04/29 14:07:43 uqW4EMzk 62/76

「んまい」ペロリ

「~っ!」キュウゥ

「あっ、お、男君ついてるよっ。マヨネーズ!」

「え、どこ?」ペタペタ

「あっ、そっちじゃなくてっ」スッ

「…!」

「こっ……ち」

「っ…」フイッ

「!?!?」カアァーッ

「ごっ、ごごごめっ…!!」ズササッ

「いや…」

「ああああ!!ちっ、ちがっ、違うのっ!!」

「ふ、何が」

「」カァァ

(ああああたしっ!思わずっ、男君のくっくちっ、唇に手伸ばしたりしてっ…!)

84 : 以下、名... - 2014/04/29 14:30:57 uqW4EMzk 63/76

(恥ずかしいっ…)

「…」ドキドキ

(…例え)

(この距離をなくしても)

(…伝えたい事が、ある)

………
……


「ふ~…」カタトントン

(やっと人段落…)

「…」チラリ

(…もう夕方だ)

(実行委員長、人使い荒いなぁ…)

85 : 以下、名... - 2014/04/29 14:43:18 uqW4EMzk 64/76



「…」


「」ハッ

(窓の向こうに男君発見!!)ペタッ


「あーっ、いたいた!男ーっ」タタタッ


「!」


「もうすぐ後夜祭始まるから探してたんだよー!」

「…」

「告白祭りの時、あたし言うからちゃんと壇上に上がってよね!!」


「なぬっ」


「何人来ても絶対あたしを選んで!」


(…皆、後夜祭の『告白』を意識してる)

86 : 以下、名... - 2014/04/29 14:59:32 uqW4EMzk 65/76



「ここだけの話ねー、他にも結構男狙ってるヤツいるんだわ。負けたくないから先にツバつけにきた」

「つば…」

「あ、言っとくけど今先に返事言うのはルール違反だからねっ」


(そんな中で、あたしは……)

「」ズーン

(じ、自信ないなぁ…)

(大勢の前で…壇上で… ちゃんとうまく伝えられるんだろうか……)

(そう言えば、何て言おう…)

(断わられたら…その後、どうなるんだろう……)

(………考えてみれば)

(断らなきゃならない男君に取っても迷惑な事なのかもしれない…)

「はあぁ……」

(……不安)

87 : 以下、名... - 2014/04/29 15:18:29 uqW4EMzk 66/76

(…分かってた気がしてたけど)

(思ってたよりも、もっと)

(想いを伝えるってすごく…)

(勇気のいる事なんだ…)

「…」

ガラッ

「!」

委員長「…はぁっ、はぁっ…」

委員長「…ねぇ、さっき言い忘れてたんだけどっ…」



ワイワイ ガヤガヤ

女友「ねぇ!女見なかったっ!?」

生徒「しばらく見てないけど…」

88 : 以下、名... - 2014/04/29 15:32:12 uqW4EMzk 67/76

女友「待ち合わせ場所に来てなくてっ!携帯も繋がんないのっ」

生徒「えぇっ」

ピーガガッ

『えー、間もなく告白祭り始まりまーす』

ワーッ



「っ…」チクチク


委員長『…ねぇ、言い忘れてたんだけどっ…』

委員長『これ、全部ほつれてたから繕っといてほしいのよね!』

委員長『これ全部!宜しくねっ』バササッ


(な…何でこんなにっ…)チクチク

89 : 以下、名... - 2014/04/29 15:47:16 uqW4EMzk 68/76

チクチクチクチクチクチク…プスッ

「いたっ…」

(どうしようっ…!)

「終わらなーいっ!!」

「うぅっ…縫っても誰が見るって言うの…もう文化祭も終わるのにっ…」チクチク

(女友ちゃんに連絡したいけど…携帯は充電切れてるし…)

(告白祭り、17時からって…)チラッ

「!」ドクンッ

(もう…始まってるんだ…)

「……」ギュッ

(…あたしには…やっぱり、無理だったのかなぁ…)

(このまま…何も変わらない)

(いつもみたいにこのまま諦めて…時間が過ぎて、文化祭が終わって)

(…あたしの知らないとこで、勇気を出して頑張った子が)

(男君に、想いを伝えて…)

90 : 以下、名... - 2014/04/29 16:07:38 uqW4EMzk 69/76





『あんた自身も、良い人じゃん』


『…俺もさ、「女」って呼んで良い?』


『頑張ったじゃん』



(何もっ……)ジワァ


ガタンッ


ワーッ ワーッ

「ずっと前から好きでしたっ!」

「おっ、俺もです!」

ヒュー ヒュー

91 : 以下、名... - 2014/04/29 16:21:12 uqW4EMzk 70/76

女友「ねぇっ、男!女見なかったっ?」

女友「ずっと連絡とれなくてっ…!」

「え……」

『次ー1年の男君、壇上へどうぞー』



タタッ

(…このままじゃ)

(ダメなんだ)

「はぁっ…はぁっ…」タタタッ

(男君に出会えて、勇気を貰ったの)

(男君がいてくれたから、頑張ろうって思えた)

(男君が、好き)

(この気持ちだけは)

(本当だって、自信を持って言えるから)

「っ…」タタタッ

92 : 以下、名... - 2014/04/29 16:47:28 uqW4EMzk 71/76

バンッ

委員長「!」ビクッ

「これっ、全部縫ったんで!!後は自分でお願いしますっ!!」バサッ

委員長「えっ」

「っ」ダッ

委員長「…」

委員長「…最後の方、縫い方ざっつ…」



キャー キャー

「…」

「あたしは、前から男の事いいなって思っててー」

93 : 以下、名... - 2014/04/29 17:03:49 uqW4EMzk 72/76



タタッ



「待って下さいっ!!」



「!!」

ザワッ

(あたしもっ……)タッ

ガッ

(つまずいたっ…!?)コケッ

「!」ドカァッ

ドタタタタタ

「っ…」

ドサッ

94 : 以下、名... - 2014/04/29 17:15:14 uqW4EMzk 73/76

「…お、女?大丈…」

「好きっ…!」ポタ

「!!」

「あたしっ…男君の事がすごくすごくっ…!好きなのっ…」ポロポロ

ザワザワ

「ちょっ、ちょっと!何今のーっ!」

「突然入って来て好きとか言ってるし!!」

「っ…!」カアァッ

「誰さっ、今のっ」

「ほら、男と同じクラスの…」

「…女」

「こっち」グイッ

「えっ…!」

タッタッタ

96 : 以下、名... - 2014/04/29 17:34:46 uqW4EMzk 74/76


タッタッタ


「お、男君っ…!ちょっと待っ…」

「…っ」グイッ

ギュッ

「っ!?」ドキッ

「…本当?さっきの」

「っ…!」

「ほっ、ほん、本当…っ!!すごい本当!本当の本気でっ…」

「…っ」

「…やばい、嬉しい」

「え…」

(うれ…)

「えっ…」

「…ずっと、女見てきて」

97 : 以下、名... - 2014/04/29 17:43:59 uqW4EMzk 75/76

「なんかいつも一生懸命で、くるくる表情変わって」

「気がついたら、目が離せなくなってた」

「っ…」



「…好きだよ」



「っ…!!」ポロポロ


「大好きっ……!」ギュッ


………
……


98 : 以下、名... - 2014/04/29 18:12:03 uqW4EMzk 76/76


(…かくして、その後のあたしの居場所はと言うと)

…ガタンゴトン …ガタンゴトン

「女ー、ここ立てよ。掴まれるから」

「あ、ありがとうっ…」

「日光まぶし…」ムッ

「…あ、男君」スッ

(男君の方へ手を伸ばせば……)

「…!」

「…」ミケンコシコシ

「……っ」カァ

「っ、照れるならすんな…」フイッ

「あ、あははは…」

(…いつでも)

(触れてもいい、位置)

終わり

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