8月14日 午後9時36分 召喚者の屋敷 地下室
召喚者「……“貴女、大丈夫なの??”」
蘭?「“大丈夫です、今は。……ありがとうございます”」
『サキュバス』にとっては懐かしい場所、この屋敷の地下室で、召喚者は、これまた懐かしい言葉、
――『サキュバス』の故郷の言葉で、まず話しかけてきてくれたから、『サキュバス』は同じ言葉で応じた。
蘭?「“本当にありがとうございます、あるじ。貴女の協力が無くば、ここには来れませんでした”」
『サキュバス』が、元の世界で習得した魔術の流派に限った話ではあるが、
以前ハツカネズミの血を術の符に多用したように、哺乳類の体液は、術の符を作るのにほぼ必須と言って良い。
今回ここに来る魔術の発動に使ったのは、自分の唾液まみれにしたノートだった。
そのノートにボールペンで魔術陣を書いたのだが、こういう符の作り方は簡易の極みで、性能も安定しない。
この部屋を狙った転送術式の発動に召喚者が気付き、かつその術式に召喚者が追加で魔力を流してくれなければ、
安全にこの部屋に到着することは、ほぼ出来なかったと言って良い。
召喚者「“貴女は当分魔術を使わない方が良さそうね。魔力がだいぶ減っている”」
蘭?「“でしょうね、私もそう思います”」
『サキュバス』にとっては、本当に何もかもが懐かしい。
最初、あの世界で召喚の門に吸い込まれた後、この地下室内に展開された魔術陣の上で、この人に向き合ったのではなかったか。
黒い仮面を着け、絶対に『サキュバス』に素顔を見せることはなく、
名を明かすことも当然無く、必要なときは『あるじ』と呼ぶよう、『サキュバス』に命じた召喚者。
長髪と、声と、体格とで、女であることは推察できるが、今も、同様に仮面を着けているため、素顔を知ることは出来ない。
召喚者「“ところで、何が有ったの? ここに来たということは何か問題があったのでしょう?”」
蘭?「“ええ。困り事が生まれました。『わたし』が生きる上での重大な困り事です”」
召喚者「“……その困り事の内容は?”」
蘭?「“あるじ。……今のこの身体では、『わたし』は生きていけないかもしれないのです。
発動を制御できない魔術のせいで、この身体は、重大な危機に瀕しています”」
召喚者「“? ……どういうこと?”」
156 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/04 16:07:40 upBDBSBU 146/754
すいません、今はここまでです。
今日は夜にまた投稿したいとは思ってるんですが、それができるかどうか今の段階では怪しいです。
不可能ならば続きは明日以降という事で。
↓1 ネット掲示板に他人のエロい話を晒しあげます。
その他人の名前はどれだけ露出させますか? 『フルネーム』または『イニシャル』または『徹底的に隠す』より選択してください。
↓2 ↑が『イニシャル』の場合、そのイニシャルを考えてください。
157 : コバトン - 2013/11/04 16:15:35 yMGWfuq6 147/754徹底的に隠す
ttp://hide14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/************/
【被疑者】拘置所被告殺人・考察&まとめスレ51【不明中】
855:◆MsSuccubus [sage]:20XX/08/15(木) 12:05:29.31 ID:JJJJJJJJJ
こんにちは。サキュバスを召喚した者です。事情があって、彼女は今、私のところにいます。
ちなみに今、私は、駅で他人のカバンをスッて、入手した携帯から書き込んでいます。
彼女から、掲示板に書き込んでほしいと頼まれたので、私が書き込みに来ました。頼まれた内容は以下の通りです。
=============
7日の4時に、わたしは保護され、9日の夕方に、一度は意識が回復した。
ところが、11日の午前に、大阪府警の人に殴られるトラブルが発生。
かなりしつこい事情聴取にキレたわたしが、大阪府警の人に魔術を発動させた。わたしの過去の記憶を見せる魔術だった。
魔術を食らったその人は錯乱して、わたしの顔を思い切りぶん殴って、わたしはまた、意識不明になった。
それで、わたしが意識を回復したのは、一昨日、13日の午後になる。
そして、意識を回復させたその時のわたしは、自分自身の身体に異常が生じたことに気が付いた。
ある魔術が常時発動しっぱなしになっていて、何をしても、その魔術を止めることが出来なくなっていた。
その魔術は、『他人の直近の性行為(セックス)を見抜く』というもの。
自分の周りに人が近づいてきたら、その人の、直近の性行為の情報が勝手に見えてくるんだ。その時の場所とか日時とか。
おまけにその行為の日があんまり最近だと、その時の記憶まで覗ける術式でね。病院にいる時、何件か記憶が見えた。
一応、証明のつもりで見えた記憶のうち、調べやすそうなの2件、書いておくね。
・きのうの朝9時から、わたしの病室の見張りに立っていた婦警さんは、
8月4日の夜中に、米花町にある『ホワイトムーン』っていうラブホテルで、同僚の人2人と、3Pで致してた。
・きのうの昼にわたしの部屋の前を通って、その隣の部屋に行き来していた刑事さんと、その同僚の人は、
先月の28日に、賢橋にある『ハニーロード』っていうラブホテルで、仲良くヤッていた。
前者は警察的に結構な問題な気がする。記憶の中のピロートークだと、同僚の人は2人とも既婚者っぽいんだよね。
後者は、独身同士のカップルっぽいから、警察的には無問題のケースかも。
858:◆MsSuccubus [sage]:20XX/08/15(木) 12:06:21.08 ID:JJJJJJJJJ
この2例、それぞれ誰を指しているのかは、警察には分かるだろうし、書いたことの真偽もすぐに分かるよね?
だから、捜査すれば分かる事だけど、ここで私が言っていることは全て事実だという前提で、言わせてもらう。
今、わたしはすごく困ってる。
この魔術のせいで、自分自身の生存が危うくなってるから。
病院で、女子高生にとってはキツイ記憶を見せられ続けたのは問題ではあるけど、それ以上に問題なのは、
『このまま魔術が発動し続けると、じきに今の身体から本気で魔力が枯渇しそうなこと』なんだ。
今のわたしは、女子高生とサキュバスと、ふたつの魂を、魔力という糊でくっつけたようなものだからね。
おまけに融合した魂を受け入れるように、身体の方も魔力で少しばかり弄ってる。
このまま魔力が枯渇すると、本気で人格も身体も壊れて廃人になりかねない訳だ。
だから、そういう未来が見えたから、わたしは召喚者のところに向かうことにした。
魔力絡みの問題に対応することを考えた時、必要な知識を持つ存在は、わたしと召喚者しかいないから。
おまけに、今の状況を考えると、わたしは魔力を消費できない。
これから、わたしの身体の問題に対応するために、どんな術を使うにしても、召喚者の魔力に頼る他無いよね?
元の世界のサキュバスの身体であったのならば、問題解決に迷うことは無かったんだろうね。
何しろ、種族として『誰かに抱かれれば、その時受けた精を魔力に出来る』存在だったのだから。
今の身体ではそれは出来ない。
女子高生の身体だから倫理的に不味いとか、そういう意味でなく、今の身体では、その仕組みは消え去ってるから。
抱かれても何にもならない以上、『誰かに抱かれる』っていう方法は使えない。
だから、召喚者のところで、これからどういう方法を選ぶのか、じっくり話し合う事に決めた。
今の環境では、他人とはあまり触れ合わないから、魔術の自動発動それ自体を抑えられる環境でもあるし。
融合した魂を再分離するとか、魔力を得る上記の特徴を復活させるとか、色々考えているし、
他人を巻き込むとか巻き込まないとか、どうなるかも分からないけれど、これから召喚者ふたりで考えて、決断していくほかないんだ。
=============
彼女の文章は以上です。この文章に加えて、召喚者として述べることは特には有りません。
ちなみに、彼女は、病院に居る間、私(召喚者)のことについては黙秘してくれました。
『いずれ病院を出て、召喚者に頼らなければならないことを悟っていたから』だそうです。
8月15日 午後12時20分 警視庁 捜査1課
松本「おい、目暮! ちょっと来てくれ! サキュバスの件の捜査本部から呼び出しだ! あと、監察からもな!」
目暮「……監察ですか? 管理官」
松本「ああ、たぶんこの件の確認だろう。さっきネットの掲示板にこんな書き込みがあったそうだが……」
目暮「…………
何だこれは!!」
松本「きのうの昼間、警察病院の『本人』の隣の病室で、殺人犯捕まえたんだろう?
その時、その部屋に出入りしてた刑事は、全部捜査本部が調べるんだと。
まあ、言うまでもないだろうがな、『ハニーロード』の独身カップルは……」
目暮「管理官、きのうの昼間、私と同時にあの病室に入った刑事の中では、……独身なのは高木くんだけです。
あと、私はきのう、……『本人』の部屋に行くコナン君が行くとき、佐藤くんにそれに付いていくよう命じてしまったんですが……」
松本「……あー、……そうか」
目暮「……まあ、『本人』の部屋には両隣に病室がありましたから、捜査本部が詳しく調べない事には何とも……」
松本「……もしそうだった時、……その最中の記憶を見られた可能性がある、か……」
165 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/07 21:45:20 fAmRH4OM 153/754中々時間が取れずに申し訳ありません。明日もまたお休みするかもしれません。
↓1 次のシーンは誰を出しますか?
『高木』『佐藤』『婦警I』『毛利』『コナン』『召喚者』『本人』『その他(要記載)』より選択してください。
その他の場合、これまで登場した人でお願いします。選ぶキャラによってシーンが変わります。
166 : 以下、名... - 2013/11/09 01:16:45 apm2G3fc 154/754新一
167 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/09 16:23:54 cmL1RoCI 155/754>>166
ありがとうございます。
ちょっと高校生の身体を出すのは難しいので、新一モードのコナンを出させていただきます。
今日の分は、本日21時までには投稿予定です。
午後3時15分 毛利探偵事務所
コナン「なぁ服部、……『サキュバス』の件の掲示板の書き込み、お前はどう思う?」
服部「まず、……また、お前が落ち込んどるのは、電話越しでもよー分かるな。ホンマ大丈夫か工藤?」
コナン「あー……、まあな。心配かけて済まねえ。
でも、俺がお前に聞きたかったのはそんなんじゃなくて……」
服部「それは分かっとる。書き込みの内容、検討するつもりで電話したんやろ?
今日また書き込みがあったからなぁ、今度は召喚したヤツの書き込みが」
コナン「お前も、書き込みは見たのか」
服部「おお、見たで」
コナン「そうか。……で、お前はどう思う?」
服部「俺もお前に電話するつもりで、今その掲示板の書き込みをプリントして読んでたんやけど……
『本人』かどうかはともかく、捜査についてある程度事情を知った人間やないと、書けへん内容ではあるやろな。
大滝はんが『本人』を殴った件は、マスコミにはまだ流れてへんかったから。
まあ、俺は知らされとったし、毛利夫婦やお前も知ってた件ではあるけどな」
コナン「……そうだろうなあ。
俺は、『本人』が居た病室に盗聴器でも仕掛けられてない限りは、……内容の真贋はともかく、
あの掲示板の書き込みは、『本人』か、もしくは召喚者が書いた確率が、極めて高いと思ってる」
服部「何で、そう思うんや?」
コナン「きのう、俺が警察病院に行った事は、昨晩話しただろう?
そこで俺たちと『本人』は会話を交わしてるんだけど、その会話の内容を踏まえて、書き込んだようにしか見えないんだ」
服部「ほぉ?」
コナン「きのうの昼に、おっちゃんに向かって、本人が言っていたんだ。
『これから色んな決断をするだろうけど、どんなに馬鹿馬鹿しい内容に見えたとしても、それが一生懸命考えた
決断だということは頭に入れておいて欲しい』って」
服部「……ああ、なるほどな。
『他人を巻き込むとか巻き込まないとか、どうなるかも分からないけれど、これから召喚者ふたりで考えて、決断していくほかない』
って書き込んどるし、そもそも召喚者のところに行くと決めたこと自体も決断に違いないやろうし」
コナン「ああ、それに何より……」
服部「ん?」
コナン「『本人』、病室で俺に問題を投げてきたんだ。『召喚者の事を喋らない理由を当ててみろ』、って。(※作者註 >>63参照)
召喚者は、書き込みの最後に、その問題の答え合わせをしたとしか思えない」
服部「……そうやったな。ヒントが4つやったっけ?」
コナン「ああ。ヒント1つ目が、【『わたし』が悩み始めたのは、きのうの夕方に覚醒してから】
2つ目が、【『サキュバス』としてはよくあること、高校生としては有り得ないものを見た】
3つ目が、【人の名誉に関わること】
4つ目が、【コナン君には何もないから楽だ】
……問題が『召喚者の事を喋らない理由』なんだから、答えは書き込みを見れば一目瞭然だよな。
【人の名誉にかかわる魔術が制御できなくなったせいで、いずれ召喚者に頼らなければならないから】
頼らなきゃいけない相手の情報を、誰にだって言うわけないよなあ……」
服部「正直、……そんな分っかりづらい問題が有ってたまるか、って思うで。俺は」
コナン「ああ、俺もそう思う」
服部「あ、あと工藤、ちょっと良いか?」
コナン「何だ?」
服部「この書き込みが本当に召喚者がやった事やったとして、かつ『本人』の言ってたことが真実やったとしたら……
少なくとも、見張りの婦警がウンヌンっていう書き込みの真偽は警察が調べるんやろうけど、
……それも含めて、……書いてる内容が全部真実としたら、
お前は、『本人』が、これからどうあってほしいと思う?」
コナン「……そうだなあ、……」
↓1 22:30まで募集 コナンの返答は?
『何も言えない』『生きぬいてほしい』『自首してほしい』『被害は軽くしてほしい』『その他(要記載)』から選択を。
上記選択肢を融合しても可です。時間までにレスが無い場合『何も言えない』になります。
173 : 以下、名... - 2013/11/09 23:03:56 cmL1RoCI 160/754すいません作者です。何も言えない扱いで書こうとしたら作者が眠気に負けました。
今日はもう投稿できそうにないのに〆るのもどうかと思うので、安価は引き続き時間延長して募集します。
↓1 明日正午まで募集 コナンの返答は?
『何も言えない』『生きぬいてほしい』『自首してほしい』『被害は軽くしてほしい』『その他(要記載)』から選択を。
上記選択肢を融合しても可です。時間までにレスが無い場合『何も言えない』になります。
174 : 以下、名... - 2013/11/10 00:09:26 GOWuE9ko 161/754コナン=新一
コナン「俺は……、今はこんな恰好だけど、工藤新一は、……ガキの頃からずっと、幼馴染の『蘭』を見てきたんだ。
だから、……書き込みを見た俺は、『蘭』に戻ってほしい、と思ってた。
今の、『サキュバス』が融合した人格じゃなくて、元通りの人格になった『毛利 蘭』に戻ってほしいんだ……
だけど、……」
服部「……ん?」
コナン「服部、……正直言って、俺、自分自身が嫌になる。
今の『本人』の人格が、また『毛利 蘭』と『サキュバス』に分かれたとして、……俺の希望通り『毛利 蘭』が戻ってきたとしたら、
……それは、『サキュバス』が、別の誰かの人格を犠牲にした結果、出てくる図式じゃないのか、って」
服部「あー、……つまり、『毛利 蘭』と『サキュバス』が分かれたとして、
『サキュバス』が別の人間の人格と融合するなりなんなり、居場所を見つけへんと、『毛利 蘭』は元の人格にならへんのかもしれん、と。
その可能性はあるわな」
コナン「ああ、そうだろう?」
服部「まぁ、……変な質問してスマンかったな。
質問振った俺が言うのも何やけど、……思い詰めんなや、工藤」
コナン「……ああ、気を付ける」
コナン「とりあえず、……また新しいことが分かったら連絡する」
服部「おう……、またな」
プツッ
俺は携帯を切り、……改めて、掲示板の書き込みを見つめた。
書き込みの通り、警察であれば、この書き込みに書いてある『直近の性行為を見抜く魔術』の真偽は分かるだろう。
前者の『ホワイトムーン』の事例は、どの婦警を指しているのか、一発で分かる。
後者の『ハニーロード』の事例は、きのうの昼間に警察病院に行った警察関係者を当たれば良いし、
聞き込みで分からなかったとしても、ラブホテルの名前と日時と書いてある以上、そのホテルの監視カメラを見れば良い。
コナン「高木刑事とか、……大変だろうな」
きのうの昼、俺は、ずっと『本人』の部屋に居たわけではなく、両隣の部屋の出入りも監視していたわけがない。
きのう殺人犯を逮捕した方の部屋には、少なくとも目暮警部と高木刑事が立ち寄っていたが、他に誰が立ち寄っていたのか、俺には分からない。
『独身同士のカップルっぽい』と書き込みにある以上、目暮警部は既婚だから除外される。
高木刑事+俺の把握していない他の刑事が、『誰とラブホに行ったのか』を調べられているはずで……
コナン「……待てよ、この書き込み……」
ふと、俺は思い出す。
きのうの昼、佐藤刑事が、『本人』の部屋に、ミルクティーを持った俺と一緒に来ていたことを。
『きのうの昼にわたしの部屋の前を通って、その隣の部屋に行き来していた刑事さん』=高木刑事で、
『その同僚の人』=佐藤刑事だとしたら……
コナン「『本人』は、ふたりの記憶を両方見た可能性があるのか……?」
それならば『独身同士のカップル』と書いたのもわかる。
『毛利 蘭』は佐藤刑事とも高木刑事とも知り合いで、2人とも独身だと知っていたのだから。
もっとも、この推理が正しいのかどうかも俺には分からない。
警察には正しいかどうか分かるだろうが、例え、おっちゃんには書き込みを踏まえた捜査結果を教えてくれる可能性があるとしても、
小学生の俺には教えてくれるはずがなく……
コナン「魔術の真偽については、婦警を処分した情報が、報道で出るのを待つほかない、か」
RRRR RRRR……
そこまで考えたところで、携帯電話が鳴った。博士からだ。
コナン「もしもし、……どうした、博士?」
阿笠「新一、ワシの家のポストに手紙が入っておったんじゃが……、その手紙が……」
コナン「その手紙がどうかしたのか?」
阿笠「切手も消印もない手紙で、宛先が『阿笠 博士 様』と『工藤 新一 様』の連名になっておってな、
『親展 お二人御揃いの場で開封下さい』と書いてある。
差出人が蘭くんの名前なんじゃが……」
コナン「……何だって!?」
↓1 次のシーンはどこにしますか? 『博士の家』『警視庁』『その他(要記載)』から選択してください。
その他の場合、これまでの話で名前だけでも一度は出た場所でお願いします。
180 : 以下、名... - 2013/11/11 20:21:32 BvLYBxCA 166/754警視庁
午後3時50分 警視庁 どっかの会議室
ガラッ
目暮「管理官、高木くんが戻って来ました」
松本「……大変だったな、高木」
高木「(管理官と警部しかいない会議室、か……、デリケートな話だもんな)
ええ、……急に呼び出されてビックリしました。
今日の昼間の、掲示板の書き込みを読まされて……、管理官も読まれたんですよね?」
松本「ああ、読んだ。とんでもない内容だな、あれは。
ところで、監察からこちらにも調査結果の連絡が来ている。
賢橋町の『ハニーロード』か、……高木と佐藤と一緒に居るところの、……記憶を『被疑者』に見られた、と」
高木「……はい」
松本「もう一件の婦警がどうこうという話とは違って、……確かに独身同士である以上、監察が処分する話ではないだろう。
記憶を見られたこと、それ自体にも落ち度はないと聞いている」
高木「はい」
松本「だが、……こういう風に掲示板に書かれた以上、『記憶を見られたこと』は、職場内の人間には知られている。
……これから、この職場に居づらいと感じることがあれば、目暮かワシに相談してくれ。人事に掛け合って配慮させる」
高木「……ありがとうございます。管理官」
松本「こちらから伝えることは以上だが、目暮からはあるか?」
目暮「いえ、特には。……高木くんからは何かあるかね?」
高木「僕にも、何もありません」
松本「じゃあ、ひとまず、今日はもう帰って、家で休め。
もともと、佐藤も高木も、明日に休暇を取る予定だったんだろう? 今日明日ゆっくりすると良い。
……佐藤も、先にこっちに戻ってきたんだが、午後から休暇を取った扱いで帰らせたからな。
休暇の申請の書類も目暮達に処理させる」
高木「そうなんですか。そうさせていただきます。……ありがとうございます」
松本「さて、……話も済んだし、課に戻るか。この会議室も4時までしか押さえてなかったからな」
高木「え、そうなんですか?」
ガラッ
午後3時57分 警視庁 どっかの廊下
松本「ああ、……監察からは『佐藤も高木も、3時には一課に戻らせる』って連絡があったんだ。
それが、これだけ遅くに戻ってくるとはな」
高木「……もう、4時前ですもんね」
目暮「何かあったのかね?」
高木「えっと、……僕らとは違う部屋にいた警察の誰かが、酷く取り乱して騒ぎになったとは聞いてます。
それでなぜか僕の聴取が止まって、……詳しくは分からないんですけど、監察の方はかなりゲンナリしてました」
目暮「……」
松本「そうか……
騒ぎと言えば、高木達の聴取の後、……サキュバスの事件の捜査本部も、大騒ぎになったそうだ」
高木「……それは、そうでしょうね」
松本「少なくとも、魔術のことが正しいと分かった以上、『本人』に向き合うことのできる人間は限られてくる。
何しろ、……下手を打つと、警察官の、……ある意味、もっとも見られたら困る情報を『本人』に見られることになるからな。
そんな見られたら困る記憶が無い、……つまり経験のない人間を、人選するだけでも大変だろう、これからは」
午後3時55分 阿笠博士の家
哀「博士。工藤君、来たわよ」
阿笠「来たか新一……、遅かったな」
コナン「ああ。
……おっちゃんには、『博士の家で夏休みの宿題と工作作る。もしかしたら泊まり込むかも』って言ってる。
『工作何作るんだ』っておっちゃんに聞かれて、とっさに『紙箱で何か作る』って答えちまったんだ。
そしたら、おっちゃんが家中を探し始めて、見つけた紙箱を大量に持たされたんだ。
もし、おっちゃんから連絡が有ったら話を合わせてくれ」
阿笠「……ああ、構わんよ、それぐらい。
ところで、手紙の件じゃが、……蘭くんが差出人だと知って驚いていたようじゃが、蘭くんに何かあったのか?
振り返って考えてみると、最近ワシは蘭くんに会っておらんが……」
コナン「……悪ぃ、博士にも灰原にも事情は話してなかったな。おっちゃんにも妃弁護士にも、かなり固く口止めされてたんだ。
あいつ、今月の6日から事件に巻き込まれてる」
阿笠「何じゃと!?」
哀「6日からって……、最近ニュースでよく言ってるのはサキュバスの事件だけど……、
高校2年の女子高生が巻き込まれて、人格が変わって入院した挙句、きのう病院から居なくなった、って。
……まさかその女子高生って」
コナン「ああ、……蘭だ。
きのうの昼に、やっと俺は見舞いに行けたんだが、見た目は完璧に『蘭』でも、人格は別人だったな。
『本人』が言うには、……『蘭』と『サキュバス』の人格が融合したんだ、と。
……本当に済まねえ、ふたりとも。ずっとこの件を秘密にしたままで」
哀「………… 別に良いわよそんな事情なら。……言いたいこと、無い訳じゃないけど」
阿笠「ああ、ワシもそれは仕方ないと思うが、
じゃが、……この家に来たこの手紙は、そういう事情だとすると……」
コナン「……ああ、病院から脱走した『本人』が、わざわざ博士の家のポストに入れた、のかもしれねえ。
切手も消印も無い以上、この家の郵便受けにわざわざ直接入れに来たんだ」
俺は、博士の手の中の、真っ白な封筒を見つめた。
宛先は、黒いボールペンで書いたらしい。筆跡は、『蘭』の物だと、言えなくもない。
新一へ
本日昼間の、インターネットへの掲示板の書き込みを見た前提で話します。
今は、一種類の魔術が自動発動しっぱなしで制御できない状態になっていますが、
サキュバスは元々、『他者を分析する・見抜く魔術』を比較的得意とする種族です。
サキュバスが召喚者のところに居た頃は、もっと多くの種類の『分析する魔術』を使いこなしていました。
サキュバスが生贄を探すときも、融合する人を決める時も、魔術的に相性の良い人を探して、本当にたくさんの人を分析しました。
そして、生贄や融合相手の人間を決めた後も、その周りの人間について、たくさん、本当にたくさん分析しました。
サキュバスの魔術は、誰と誰が同一人物なのかを見抜きます。どれだけ容姿が変わっていても、年齢が変わっても、です。
そして、どんな因果があってそうなったのか、過去の因果関係をも、おぼろげながら魔術は見抜くのです。
新一がどこに居るのかを、今のわたしが把握しているという前提でお願いがあります。
本日午後9時半に、阿笠博士の家の庭で、あなたに会って相談したいことがあります。
警察に通報せず、できる限り人払いした上で、庭で待っていただけると助かります。
↓1 コナンは手紙の要求に従いますか? 従いませんか?
『従う』『従わない』の2択でどうぞ。
194 : 以下、名... - 2013/11/13 23:06:40 9NwVvDpQ 174/754従う
つうかこれ、コナン=新一なのがバレてるよな?
哀「この手紙……、明らかに貴方の正体がバレてるじゃないの!
『どれだけ容姿が変わっていても、年齢が変わっても』『誰と誰が同一人物なのかを見抜く』って……!!」
コナン「ああ、……俺がこの身体になった原因は、分かってるんだろうな……
黒づくめの組織のことも、『サキュバス』は生贄にする犯罪者を探すときに調べたようだし……(※作者註 >>25参照)
因果関係は全て見抜いていると考えるのが自然だ」
阿笠「新一、それではどうするんじゃ? 手紙に書いてある通り、うちの庭で待つのか?」
コナン「……待つほかないだろう。警察には通報せずに。
警察に通報するとしたら、この手紙を見せて説明するしかないだろうが……
宛先が『工藤 新一 様』宛てだぜ、この手紙。……俺の正体には触れずに、事情を説明するのは無理だ」
哀「……仕方ないわね。
でも工藤君、蘭さんを心配するのは分かるけど、得体のしれない存在に正体を知られたことは間違いないから、
貴方、FBIかどこかに保護を求めることは、本気で考えたほうが良いかも知れないわよ」
コナン「おいおい、今の状態でそれは飛躍してないか?」
哀「飛躍なんかしてないわよ!?
『サキュバス』や召喚者が、ずっと秘密を守り続けると……、誰にも貴方の正体を漏らさないと、誰が保証できるの?」
196 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/14 21:36:10 N5dqzsR6 176/754
↓1 夜9時半、阿笠博士の家の庭に現れた『本人』の第一声は?
201 : 以下、名... - 2013/11/16 02:04:44 yzMy76a2 177/754作者さん大変だね
安価は『ヤッホー』で
博士の家に行く理由を、『夏休みの宿題と工作』だとおっちゃんに言った以上、誤魔化しを効かせなければならない。
夕方までのうちに急ピッチで夏休みの宿題と工作をこなしつつ、灰原や博士と話し合った。
――人払いすることを相手が要求している以上、指定の時間に、庭に出ておくのは俺だけ。灰原と博士は家の中で待つ。
念のため俺は探偵バッジと盗聴器を身に着けておき、灰原と博士はそれを通して遠隔で監視。
『本人』と話をする時、『本人』が犯罪行為の支援を求めてきた場合は拒絶する。
但し、犯罪ではない行為の支援である場合は、内容によっては検討する……
そして、灰原と博士と、いろいろ話し合っているうちに時間が来た。
午後9時30分 阿笠博士の家の庭
何でもない空間が急に光り、強烈なまぶしさに思わず目を細めた瞬間、気付いたら光の中に『本人』は現れた。
コナン「(魔術、か……)」
一瞬で光は収まり、黒のワンピースに白い上着を羽織った、『蘭』の姿をした『彼女』は、庭のど真ん中で、何でもない風に片手を上げる。
蘭?「……ヤッホー」
コナン「……ずいぶん気軽だな、心配したんだぞ」
蘭?「ははは……」
↓1 次に言葉を発するのはどちら? 『本人』と『コナン』のどっちかで選んでください。
↓2 ↑で『コナン』だった場合、何を話すか考えてください。
204 : 以下、名... - 2013/11/17 18:09:53 y/dYHHIE 180/754本人
205 : 以下、名... - 2013/11/17 18:13:13 /qGkYp6Q 181/754コナン
206 : 以下、名... - 2013/11/17 18:13:59 /qGkYp6Q 182/754ゴメンリロってなかった
『本人』は誤魔化すように少しだけ笑い、だがすぐに真顔になって喋りだした。
蘭?「……さて、まずは手紙に書いてくれた通りに、ここで待ってくれていたことには感謝するよ。
それから、……今の、この場での会話は、『わたし』と『君』だけでなく、『召喚者』も聞いていると考えてほしい。
『召喚者』は魔力持ちだからね、機械に頼る以外にも聞き耳を立てる手段は有るのさ。
今の『君』も、盗聴器は着けてるでしょう? ……工藤 新一君」
コナン「(今の『本人』だけでなく、『召喚者』も、俺の正体は知っている……)
俺がこうなった経緯は、……『サキュバス』は、どれだけ見抜いているんだ?」
蘭?「黒づくめの恰好した変な人達と、何か触ったらひどく大火傷しそうな因果があるって事は分かってるかな。
まあ、もの凄い厄ネタっぽいから、……ここでは、深くは喋らないほうが良いのかな?
物凄い因果が有るのは『君』だけじゃないっぽいし。他に、同じ黒い人達と因果が有る人、調べまわったから」
コナン「……他の人って、例えば?」
蘭?「例えば、『サキュバス』が東京で、生贄用に殺した、沼淵って人。
……それから、ここに暮らしている哀ちゃんにも、あの黒い人達とは因果があるよね?
あの子は『君』と同じで、本当の姿からかなり若くなってる」
コナン「(こいつ、灰原の事まで見抜いてるのか……
警察で分析結果をベラベラ喋られたら俺達がえらいことになるぞ……)」
蘭?「まあ、ただでさえ自分が生きるのに精一杯な状況で、更に危なっかしいネタに手を出すつもりはないから、
……『わたし』にも『召喚者』にも、この見抜いた魔術の結果を誰かにバラす気はないよ?
それをすると『君』の生命が危なっかしいことになるのは分かってる。
何だかんだ言って、今の『わたし』は半分『蘭』だからね。……半分『サキュバス』だけど」
コナン「正直、今の『お前』の喋り方に、『蘭』の気配はあまり感じられないんだが……」
蘭?「あら、そう?
まあいいや、ところで、話を本筋に戻すけど……、『わたし』がここに来た目的について」
コナン「?」
蘭?「『君』に相談しに来たんだ、……で、肝心の相談内容なんだけど」
『彼女』は俺に近寄り、膝を折り、目線を合わせ、問いかけた。
蘭?「近い将来、『新一』は、……今の、その身体でない『新一』には、『わたし』を、……性的な意味で、抱いてみる気はない?」
コナン「……ハァ!?」
211 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/18 21:32:06 2O0x2YJI 185/754
↓1 次のシーンは誰を出しますか?
『灰原&博士』か『コナン&本人』のどっちかを選択してください。
212 : 以下、名... - 2013/11/18 22:16:35 CN3v4i5A 186/754灰原&博士
午後9時36分 阿笠博士の家のどっかの部屋
この時、阿笠博士も、灰原も、打ち合わせ通りに家の中で、庭で繰り広げられる2人の会話を聞いていた。
『本人』の想像を超える内容の質問に、『コナン』が言ったのと同様の驚きを感じ、そして赤面しつつも、
博士も、灰原もまだ部屋からは動かず、庭での会話を聞いていた。
哀「(……もし庭先に出るとするなら、私ではダメよね。今の『彼女』の魔術に引っ掛かる。
とっくに私の事を分析済みだとしたら、最早私について見られて困ることは無いでしょうけど……
私が近づくことで、魔術が自動発動して、それで『彼女』の魔力が消耗するとしたら……、『彼女』は良い顔するかしら)
博士、今、ふたりの会話が止まってるけど……、沈黙が長く続くなら、博士が庭に出て」
阿笠「……お、おお」
赤面して凍り付いていた博士は、灰原の言葉に我に返り、慌てて頷いた。
ほぼ同時に、固まっていたコナンが我に返って質問を投げ、哀と博士のヘッドホン越しに、庭のふたりの会話が再び始まる。
214 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/19 21:45:56 juQe74/A 188/754↓1~2 コナンが投げた質問をどうぞ。1レス内に複数可。あまりにも不自然なら弾きます。
215 : 以下、名... - 2013/11/20 02:19:59 dVmJ3ohI 189/754何この安価むずい
安価下
216 : 以下、名... - 2013/11/20 07:42:35 RiYhnom2 190/754いったいどういう流れでその提案が出てくるんだ?
コナン「いったいどういう流れで、その提案が出てくるんだ!? 説明してくれ!!」
蘭?「……ああ、確かにこの提案、ビックリするよね、説明か、……どう説明しようか?
えっと、魔力持ちとして、ちょっと話せないことも多いんだけど」
灰原が聞くヘッドホンの向こう側、『彼女』はつっかえつっかえになりながらも、『コナン』の問いに答えていく。
蘭?「今の『わたし』の身体の問題点、分かる?
一番の問題は、どうしたって魔力がある程度は必要な身体なのに、魔力を新しく手に入れる方法がない事。
放っておくと魔力が枯渇して死んじゃう、だから魔力を取り込まなきゃいけない。
種族として、『サキュバス』がどういう風に魔力を得ていたかは、……当ててみて。もうインターネットに書いたから」
コナン「……誰かに抱かれて、その時の、……精を、魔力に変えていた?」
蘭?「正解。元の世界の『サキュバス』は、みんなそうだったよ。
種族としてそんな身体で、精を魔力に変換できる、……言うなれば、……変換回路、かな?
そういう変換回路が身体にあって、そういう方法で魔力を得て、命を繋ぐ種族で、……だから、倫理観とか、こことはかけ離れていたね」
コナン「でも、その変換回路は、今の『お前』の身体には無いよな?
……『抱かれても何にもならない』って掲示板に書いていた」
蘭?「そうだね。でも、『召喚者』に頼れば、変換回路は作れないわけじゃない。
『今の身体に擬似的に変換回路を作り上げてしまえばいい、その上で誰かに抱かれれば良い。そうすれば魔力の枯渇は防げる』、
っていうのが、……今のところ浮かんでる対処法、その1。
だから貴方のところに来た」
コナン「……何で、それで俺に?」
蘭?「分からないかなあ? はっきり言うとね」
哀も、博士も、『彼女』の告白をはっきりと聞いた。
蘭?「『蘭』はね、そういう方法を選ぶとしたら、自分を抱く相手は『新一』が良いと思ってる。
だからね、貴方にさっきの提案をしたの」
コナン「な、……な、……」
阿笠「…………」
哀「博士、大丈夫?
(この声。……工藤君、真っ赤になって、鯉みたいに口パクパクさせてるんでしょうね……)」
阿笠「あ、哀くんも大丈夫かの?」
哀「大丈夫よ。……うろたえてる声聞いたら、逆に冷静になれたから」
コナン「だから、『俺』に手紙を出したのか!? ここで、このことを相談するために?」
蘭?「そう。
ちなみにね、今言った『この身体に変換回路を作る』以外に、もうひとつの対処法があって、
その方法だと、『新一』に相談する必要はないんだけど……」
コナン「どんな方法なんだ?」
蘭?「今、『わたし』は、『蘭』と『サキュバス』が融合してる。
それをまた分離させて、『蘭』の魂を元の、この身体に戻して、『サキュバス』の魂を、別な身体に移し換えるという方法。
こうすれば、『蘭』は元の通りに戻ってくる」
コナン「『サキュバス』が移る、その別な身体って、……どうやって調達するんだ?」
蘭?「当然、魔術を使った調達法だよ。詳しくは話せないけど、……この方法が、ふたつめの対処法。
ちなみにこの方法だと、『サキュバス』に誘拐されて以降の記憶は、『蘭』からは消えるから、承知しておいて」
コナン「また、誰かを犠牲にするのか? 坂田さんや沼淵みたいに?」
蘭?「そっか。……『君』はそれに拘るよねぇ、探偵君
あのね、ひとつめの方法も、ふたつめの方法も、どっちも犠牲は必須なんだよ。
生きてる人間を刻むのか、それとも遺体を調達して加工するかは、……まだ、分からないけどね」
223 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/21 21:37:05 Am4rbMok 195/754↓範囲特に定めず、明日20時まで募集。あまりにも不自然なのは省きます。
引き続き、コナンは『本人』と話し合います。コナンはどんな事を言ったでしょう?
224 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/21 21:46:58 Jo7hlM4c 196/754補足です
たぶんコナンと『本人』の会話で、自由記述形式は、これが最後です。
疑問でも突っ込みでも説得でも、御自由にレス願います。
225 : 以下、名... - 2013/11/22 01:05:34 nLypJsMQ 197/754毎回思うが安価の難易度高すぎィ!
226 : 以下、名... - 2013/11/22 12:37:42 //vnPFXc 198/754・死んだ人間の遺体を生贄に使えるのか?だとしたら何故、坂田や沼淵はわざわざ殺されたのか?
・蘭の記憶が消える理由は?
・もし俺がお前を抱くとして、頻度や回数の希望はあるか?
コナン「……ちょっと待て! お前の術式、わざわざ人を殺さなくても、……もともと死んでた遺体を使ったとしても、成功するのか?
だとしたら、何で坂田や沼淵は殺された?
生きてる人間をさらった挙句に殺すのと、人間の遺体を盗んで加工するのとでは、罪状が大分変わるだろう?
それくらいの罪状の比較は、『召喚者』には分かるだろうに……
『召喚者』は、遺体を盗む形であっても、一般人を巻き込むのを嫌ったのか?」
蘭?「……そっか、『君』には話してなかったね。
大滝さんには、説明する時の記憶を見せたんだけど。(※作者註 >>47参照)
死んで時間が経った遺体を生贄にするのと、誰かを自分の手で殺して生贄にするのとでは、手間が段違いなの。
人間の内臓を加工して、生命力を取り出して、魔術に使う構図だから。死んだ直後の遺体を使うと、かなり加工の手間が減るね」
コナン「……じゃあ、坂田と沼淵は、手間の短縮のために殺された?」
蘭?「うん。……あの術式の時は、『サキュバス』には、本当に時間的な余裕が無かったからね。
どこかから遺体を盗む方法を採っていたら、……おそらく、加工に時間を取られているうちに『サキュバス』が死んでた」
コナン「……、アンタ……」
蘭?「ん?」
コナン「……いや、何でもない。
(……『自分が生きることしか考えてないんだな』って、最初から分かりきってたことなのに、……言っても無駄か)
あと、質問いくつか良いか?」
蘭?「どうぞ」
コナン「さっき説明した、『サキュバス』の魂だけ別の身体にうつる方法、……ふたつ目の方法で、『蘭』から記憶が消える理由は?」
蘭?「ああ、それはね、『蘭』が誘拐されてからの記憶は、『サキュバス』だけが引き継ぐから。
魔術を使ったりした記憶を含むからね、ただの女子高生の『蘭』には、人格が融合していた間の記憶は渡せない。
……『蘭』を守る意味でも、『サキュバス』を守る意味でもね」
コナン「じゃあ、人格が融合する前の記憶は、どうなる?」
蘭?「それは普通に、無事のままのはずだよ。
『蘭』の目線からしてみると、8月の初めに誘拐されてから、人格が再分離するまでの記憶が飛んだ形になるのかな?
長くて数か月くらいは後遺症が残るだろうけど、……最終的には、普通の女子高生に戻るには、問題ない状態になるかな。
この時は、『蘭』の方は、普通の人間に戻るから、誰かに抱かれる必要はなくなるね」
コナン「……『蘭』はそうなるとして、このふたつ目の方法で、『サキュバス』はどうなる?」
蘭?「ん……。どうにかして、『蘭』や周りの人に関わらない場所で、生きる道を探るかな?
この時、『サキュバス』が警察に自首する確率は低いと思う。
そもそも、ひとつ目の方法であったとしても、ふたつ目の方法であったとしても、魔力の維持は必須だからね。
『サキュバス』の人格を維持しようとする限り、魔力は必須で、……定期的に誰かに抱かれないと困る構図は変わらないんだよ?
まさか、『サキュバス』を捕えた後で、警察や法務省が、……男をあてがってくれると思う?」
コナン「……ちょっと考えにくいな。あと、最後の質問だ。
ひとつ目の、今の『お前』の身体に、魔術の変換回路を作る方法を取って、かつ『新一』が抱くとして、その頻度や回数に希望はあるのか?
それから、その方法を取った時、『お前』は、警察に自首しないで生きる道を選ぶのか?」
蘭?「……たぶんその方法でも、『わたし』は、自首しないで生きるかな。
今言った通り、捕まった後の魔力の補充の問題があるから。それが、最大のネックになるから。
どういう生き方になるかは分からないけど、子供を産めない身体にして変換回路を作るから、誰か男を見つけなきゃいけなくて、
……ただ、誰かに抱かれるとしたら、最初は『新一』が良い。そこから先はそれこそ『新一』の生き方次第だよ」
コナン「……」
蘭?「ねえ? 『新一』自身の意見を教えて? ひとつ目の方法が良いのか、それともふたつ目の方法が良いと思うのか」
232 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/23 12:25:38 jsTCBpeM 202/754
↓1~3 どう答えますか? 『ひとつ目の方法が良いと思う』 『ふたつ目の方法が良いと思う』 『その他(要記載)』の二択で選んでください。
※内容まとめ
ひとつ目の方法→『蘭』と『サキュバス』の人格融合状態は変わらず、今の『蘭』の身体が『誰かを抱いて魔力を得る』身体となる。
最初に抱かれる相手は新一希望。『蘭』も『サキュバス』も警察には自首せずに生きる。
ふたつ目の方法→『蘭』と『サキュバス』の人格が分離。
今の『蘭』の身体には、元の『蘭』の人格が戻ってくるが、『サキュバス』が融合していた間の記憶が消えている。
『サキュバス』は別の身体を調達、加工し、『誰かを抱いて魔力を得る』身体となる。
『蘭』は普通の女子高生に戻れる。『サキュバス』は警察に自首せず生きる。
※注意点:どっちの方法でも犠牲は必須です。殺人か死体損壊かは不明ですが、犯罪行為が前提となります。
233 : 以下、名... - 2013/11/23 15:23:09 Hr6B.Anw 203/754ふたつめの方法が良いと思う
234 : 以下、名... - 2013/11/24 01:08:59 pB4YfjUs 204/754ふたつ目の方法で
235 : 以下、名... - 2013/11/24 14:02:19 6lEShjfs 205/754毎度のことながら安価が鬼畜だよな
取る側じゃなくて出す側が
コナン「『俺』は、……『新一』は、……」
蘭?「無茶な質問だったかな? 『君』は、正義感が本当に強い探偵だもんねぇ。
……違法行為が前提になった話には、答えづらい?」
コナン「…………
『サキュバス』は、ここで何を言ったとしても、自分が生き延びることしか考えないんだろうな……」
蘭?「……そうだね。
最初からそうだったよ。坂田さんや沼淵さんを犠牲にしようとした時から、そうだった。
生きたいのなら、誰かを犠牲にしなきゃいけない。
それが嫌なら、最初から誰も殺さずに『自分』が死ぬ道を選べば良い。
嫌な二者択一だったけれど、それでも、どうにか道を選んで、だから『わたし』は今、この形で生きて、ここに居る」
コナン「……じゃあ、……それなら、せめて、
……これ以上『サキュバス』の人格に、『蘭』を巻き込むのは止めてくれ……
記憶が抜けたって良い、『サキュバス』がどんな身体で、どう生きようが構わない! ともかく、元の『蘭』を返してくれ!」
蘭?「それは、……『新一』はふたつ目の方法を望むって事かな?」
コナン「ああ、すげぇ不本意だけどな」
蘭?「……ありがとう。答えづらいことを答えてくれて。
たぶん、『サキュバス』がこれから先、『君』に会うことはないでしょう。……何か、変なことが無い限りは。
記憶を失った『蘭』が、元の住まいに居続けるかは分からないけれど、もし『コナン君』に関わることがあったとしたら、
……もしそんなことがあったとしたら、フォローしてくれると有り難いなぁ」
コナン「ああ、それはもちろんそうするさ。
(そうか。この方法では、俺が『新一』だということを、『蘭』は忘れてしまうのか……)」
そして、哀と博士が聞き取った、ふたりの会話はここで終わる。
『彼女』はまたも庭のど真ん中で、つまり『コナン』の目の前で、光の中に消えたという。
↓1 次はどこのシーンから始めますか?
『召喚者のいるところ』『阿笠博士の家』『その他(要記載)』から選んでください。
その他の場合は、出てくるキャラクターも指定願います。あまりにも不自然だと弾きますのでご了承ください。
240 : 以下、名... - 2013/11/24 21:37:40 ZzSCKx62 209/754阿笠博士の家
午後10時 阿笠博士の家の部屋
温い牛乳を飲みながら、3人で、先ほどの庭先での会談内容を振り返る。
博士も、灰原も、さっきの会話は、本当に色々な意味で衝撃的だったらしかった。
哀「結局、魔術を使って消えていったのね、『彼女』は」
コナン「ああ……」
阿笠「大丈夫かの? 新一……」
コナン「大丈夫に見えるか? 博士……
おそらく『本人』は、人格の再分離に向けて動くんだろう。犠牲者を出しながら、な」
哀「……犠牲者が出るのがそんなに嫌なの? 工藤君」
コナン「俺は、……俺は、……『誰かを殺すくらいなら黙って死んじまえ』って、……言うべきだったのか?」
哀「……」
阿笠「お、おい……」
コナン「『蘭』の人格が巻き込まれているから、俺はそういう風には言えなくなっちまったんだ……
人殺しだろうが死体損壊だろうが、……探偵が、犯罪行為を認めたら、探偵失格じゃないか……」
哀「……工藤君の答えは、さっき『本人』に言った内容で、一番良かったんじゃないの?
『死んでしまえ』って言ってしまえば、……『サキュバス』にも『蘭さん』にも、貴方とは越えられない溝ができるわ。
『本人』が貴方を敵視すれば、どんな風な行動を取るか分からなくなる」
コナン「ああ……」
哀「ともかく、言った事には責任を取ることね。
……『蘭』さんが戻ってきたなら、支えないと」
コナン「そうだな。……俺は、その時は探偵を辞めてるかもしれないな……」
8月15日 午後10時5分
RRRR RRRR……
灰原「電話ね、こんな時間に誰かしら?」
阿笠「もしもし? ……ああ、まだ起きとったよ、……コナン君かい? まだ起きとる。変わろうか?」
コナン「(俺に電話か?) もしもし?」
小五郎「ああ、坊主、まだ起きてたか。今日は、博士の家に泊まるんだな?」
コナン「うん、ここに泊まる。もうすぐ寝るところだったけど」
小五郎「坊主、博士の家に行ってから、こっちの事務所に戻ったりしたか?」
コナン「いや、戻ってないよ? どうかしたの?」
小五郎「実はお前が事務所を出てから、俺はまた、警察に呼び出されてたんだよ。
……それから色々有ってな、やっと今、事務所に帰ってきたところだ。
お前が一度も事務所に戻ってないなら、それで良い」
コナン「あー、僕がもしも事務所に戻ってたら、中が真っ暗で誰も居なくて、ビックリしてただろうね。結局戻らなかったけど」
小五郎「そういうこった」
小五郎「ところで坊主は、……サキュバスのニュースは見たか?」
コナン「……うん。夕方のニュースで知ったよ。おじさんは?」
小五郎「……俺は、警察で今日の書き込みの件を知らされた」
コナン「そう……」
小五郎「分かってると思うが、『蘭』のことは誰にも言うんじゃねーぞ」
コナン「うん。それは分かってる」
小五郎「本当に秘密だからな? それと、……もう10時だろ? とっとと寝てろ」
コナン「うん、……それじゃおやすみ、おじさん」
午後9時55分 召喚者の屋敷 地下室
魔術を使うこと、それ自体には、そこまで精神的には負担はないものだが、
だが、行った先で際どい話をしたならば、移動手段が魔術だろうがそうでなかろうが、疲労が溜まる。
『サキュバス』にはともかく、『蘭』にとっては、幼馴染み相手に『抱かれるならあなたが良い』と言うのはあり得ない話で、
あの庭に居たときは表向き冷静に問題なく振る舞えてても、この屋敷に戻ったら一気に疲れがでる羽目になる。
召喚者「“まさか、ここに戻るなり腰抜かして動けなくなるとはね”」
蘭?「“すいません、あるじ”」
召喚者「“これから、……大丈夫かしら? 今の貴女は、精神がぬるいの?”」
蘭?「“……頑張り、ます”」
召喚者「“そう? なら良いけど”」
蘭?「“これからどんなに冷酷なことをしても、あとで記憶を無くすの分かってますから、……だから、耐えますとも”」
召喚者「“……記憶を無くすその前に、貴女の精神が潰れないことを祈るわ”」
247 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/27 22:29:52 sA.1spV6 215/754↓1 作中の8月15日のイベントは終わりました。翌日に進みますか? それとも他のキャラの描写を挟みますか?
『翌日に進む』『キャラ描写を入れる』の2択で選んで下さい。後者の場合はキャラを指定してください。
248 : 以下、名... - 2013/11/28 07:46:59 NQujrWVI 216/754キャラ描写を挟む
佐藤と高木で
午後10時15分 高木の自宅
RRRR RRRR……
高木「(佐藤さんから、か……)」
突然鳴った自分の携帯の受信画面を見て、高木刑事は軽く息を吐く。
自宅に帰って、夕方に一度、佐藤刑事の様子を案じるメールを送った。
その返信は、今に至るまで無かったから、だから、この着信は佐藤刑事からは初の反応になる。
高木「もしもし、僕です。……大丈夫ですか? 佐藤さん」
佐藤「何とか、今は落ち着いたわ。心配かけてごめんなさい」
高木「いえ、……落ち込むのは当然の話でしょうから」
佐藤「そうね……」
高木「ええ……」
佐藤「監察に行ったとき、有り得ない取り乱し方をした人たちが部屋に飛び込んできてね、私は、……ショック受ける暇も無かったの。
ただ、帰宅してからショックが強く出て……、ごめんなさい、メール送れなくて」
高木「いえ、メールは気になさらないで下さい。ところで、監察でそんなことした人って……」
佐藤「私達の件とは別の、あの書き込みの、『ホワイトムーン』の件当事者だったみたい。(※作者註 >>159参照)
……はっきり言って、警察失格だと思わない? 既婚者2人と不倫だなんて」
高木「確かに、あの書き込みはビックリしました。
でも、こういうのも何ですけど、
……外部の人達には、僕たちの件よりも、『ホワイトムーン』の事例の方が、インパクトが強いかも知れませんよ。
僕たち、警視庁の人達にも、早く忘れ去られたりして……」
佐藤「そうなると良いわね、……ねえ、高木くん」
高木「何ですか、佐藤さん」
佐藤「もう、……『蘭』ちゃんは、……元の『蘭』ちゃんじゃないのね。
あの子は、法に従うよりも、自分の論理とチカラを優先で生きるしかない存在に、取り込まれてしまった」
高木「……そうですね」
佐藤「罪を重ねずに生きていく方法があれば、それが一番良いのに……」
高木「ええ……」
それからしばらく、沈黙が続いた。
――今の警察には、『彼女』と召喚者を止める手立てが無い。
高木も佐藤も分かっていた、警察の捜査担当者も悟っているだろうし、ネットを見た一般人も薄々思っているだろう。
書き込みを見る限り、自分の生命に関わるがために『彼女』の態度は真剣だ。
一方、『彼女』や召喚者の魔術の得体がしれない故に、警察は、おそらく効果的に『彼女』を止める方法を見出だせない。
ただ、警察に出来ることは、いずれ砂と化していく魔術関係の証拠をかき集めながら、
『彼女』がこれ以上、重大事件を起こさないように祈ること、――それだけかもしれなかった。
252 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/28 22:16:27 6AeUnv0c 220/754今日の投稿は以上です。
↓1 次はどこのシーンから始めますか?『事件現場』『警視庁』『ネットの掲示板』の中からひとつ選んで下さい
253 : 以下、名... - 2013/11/29 11:24:31 QNfu7IwA 221/754掲示板
ttp://hide14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/************/
【被疑者】拘置所被告殺人・考察&まとめスレ72【不明中】
139:◆MsSuccubus [sage]:20XX/08/16(金) 09:45:38.18 ID:KKKKKKKKK
おはようございます。召喚者です。きのうと同じ手段で、他人の端末から書き込んでいます。
サキュバスとの協議の結果、彼女がここで言わねばならないことが出来ました。
内容は以下の通りです。
=============
今のわたしには、『女子高生の身体』の中に、『サキュバスと女子高生が融合した魂』が居る。
きのう、わたしは、今は融合している魂を、召喚者の魔術で、分離させることに決めた。
これから、魔術で、『女子高生の身体』とは別に、『サキュバスの魂に耐え、魔力を取り込める身体』を作り出す。
その身体に、分離した『サキュバスの魂』を入れる。
魔術が上手くいけば、『女子高生の身体』には、元の『女子高生の魂』が残り、彼女の元の人格が戻る訳だ。
魔力は完全に召喚者に依存していて、上手くいくかどうかは分からない。
でも、坂田さんや沼淵さんの時よりは、時間的な余裕はあるから、上手くいく確率はまだ高いと信じたいな。
仮に魔術が成功を収めた時は、女子高生とサキュバスが融合していた間の記憶は、サキュバスのみに引き継がせてもらう。
魔術を使ってたりする記憶は、申し訳ないけど普通の女子高生には渡せないからね。
でも、裏返して言えば、本当に上手くいけば、記憶が一時期無くなっているだけの女子高生に戻れるということ。
後遺症は残るかもしれないけれど、魔力とか一切使えない、誰かを抱くとか悩まなくてもいい、女子高生になれるはずだよ。
以上の内容を踏まえたうえで、ここに、魔力を使う者として、最も大事なことを宣言させてもらうよ。
――サキュバスと召喚者は、魔術の構築に当たり、
坂田さんや沼淵さんのように、生贄を得るために、間違いなく誰かを犠牲にするでしょう。
誰かを犠牲にしなければ、サキュバス自身の生きる望みは叶えようがないからです。
犠牲を出すことが嫌うならば、サキュバスは、死を待つほかない状態です。
犠牲になるのが誰なのかは、今の段階では分かりません。
ただ、以前の経験から、罪人を誘拐して生贄にすることは、おそらく非常に難しいものと思われます。
258 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/29 23:40:35 n5fWUjgQ 224/754今日の投稿は以上です。
↓1 次はどこのシーンから始めますか?『被害者宅』『警視庁』『毛利探偵事務所』のどれかから選んで下さい
259 : 以下、名... - 2013/11/30 09:45:10 iNQt.Y0s 225/754毛利探偵事務所
8月16日 午後6時30分 毛利探偵事務所
朝、俺がこの事務所に帰宅してしばらく経った頃、また例の掲示板に『本人』の書き込みがあった。
『本人』の決意表明と言って良い宣言の書き込みで、間違いなく俺との会話を踏まえている。
おっちゃんと妃弁護士は、またしても昼に警察に呼び出された。
俺は、何も言わずにここで留守番することを選び、……そして、この件に関して、何も言わないことを心に決めた。
午後5時ごろにおっちゃんは帰ってきたが、帰宅するなり浴びるように酒を飲み始め、今や完全に眠りこけている。
時々発する寝言から察するに、警察の事情聴取の後で、妃弁護士と本当に深刻な口論をしたらしい。
コナン「……おじさん、起きてる? ぼくが、今からご飯作ろうか?」
小五郎「ん……」
コナン「(ゆすったくらいじゃ起きそうにねーな……)」
飯と、インスタントの味噌汁と、レンジでチンした惣菜でも、まあ食う分には問題ないものが出来るはずだ。
コナン「ええっと、飯を炊いてからコンビニで惣菜買ってくるか……」
夕飯を作る手順を考え、ひとまずコメをとぐことにするか、と考えたその時、
RRRR RRRR……
コナン「(電話だ……) はい、こちら毛利探偵事務所です」
??「この声、……コナン君か!?」
コナン「……ええ、はい。えっと、どちらさまですか?」
??「元太の父ちゃんだよ! 前に会ったろ?(※作者註 63巻参照)
今、大人の人居るか? 話がしてぇんだ」
コナン「えっと、居るけど、電話に出れる状態じゃないです。……体調壊して、寝てるから
(こういう言い方は許されるよな、きっと。電話に出れない状態なのは間違いないし)」
小嶋 元次(以下、元次)「あー? それじゃ仕方ねえな。
うちの元太、知らねえか?
そっちの家の嬢ちゃんに電話で呼び出されて、昼に出たっきり帰ってこねぇんだ」
コナン「(何だって!?)
嬢ちゃんって『蘭姉ちゃん』のことですか?」
元次「元太は、そういう名前を呼んでたな」
コナン「警察呼んでください!」
元次「え?」
さすがに、今の『蘭』について何もかもをぶちまけるのは躊躇う。
だから、『嘘をついてない言い方』をすることにした。
コナン「『蘭姉ちゃん』、警察沙汰の事件を起こした後に行方知れずになって、警察が探し回っているんです!
本当に今の『蘭姉ちゃん』が元太を呼び出したなら、誘拐目当てだとしか思えない!」
元次「はぁ!?」
263 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/30 23:39:00 3f4uXGag 229/754今日の投稿は以上です。
次はオートで『被害現場』が舞台になります。
264 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/11/30 23:59:01 3f4uXGag 230/754↓1~当分の間募集 警察はこれからどんな風な捜査をすると思いますか? ご自由に意見ください
265 : 以下、名... - 2013/12/01 10:48:34 RAmiaw2s 231/754デビルサマナーに手伝ってもらう
午後7時50分 召喚者の屋敷 地下室
部屋の空間が光り、誰もいないはずの場所に、『誰か』が出現する。
かつて『サキュバス』が召喚され、その後『本人』が病院から逃げてきたり、阿笠博士の家に行き来するのに使った部屋であったが、
今、転移の魔術でここに戻ってきたのは、『本人』ではなく、召喚者であった。
蘭?「“……あるじ、お疲れ様です”」
召喚者「“あら、……貴女、ここで、私が帰るのを待っていたのね”」
蘭?「“外はどうでしたか?”」
召喚者「“警察(ポリス)が、例の手紙に気付いたのは、見届けてきた。
私は結界の中に居たから、ずっとあの場所に居たのは気付かれてないはずよ”」
蘭?「“……そうですか。警察(ポリス)は、今頃になって誘拐に気付いたのですね。
あの子を誘拐したのは昼なのに”」
大方、親が、帰宅が遅いことに気付いて、探偵事務所辺りに問い合わせたのだろう、と、『本人』は推測する。
街中での魔術の発生を感知する技術が無い文明なのだから、気付くのが遅くて、当たり前ではあった。
ちなみに、『サキュバス』の世界には“軍”や“兵士”や“民兵”という概念は有っても、“警察”という概念は無く、
概念が無いために、言い表す単語が無く、だから会話では、こちらの世界の単語を借用することになる。
召喚者「“あの子は今どうしてるの?”」
蘭?「“寝てます、隣の部屋で。ベッドに縛り付けたままです”」
召喚者「“そう。一応体調を見たほうが良いかしら”」
言いながら、召喚者は隣の部屋に繋がるドアを開いた。
小嶋 元太は昼からずっと眠りっぱなしなのだ、念のため体調は確認したほうが良いだろう。
話は、今日の午前に遡る。
今日の投稿は以上です。
次回はオートで『誘拐時の話』になります。
>>265 ありがとうございます。ちょい話でもデビルサマナーは組み込んで出してみます。
↓1~当分の間募集 警察はこれからどんな風な捜査をすると思いますか? ご自由に意見ください ※あんまり不自然なものは弾きます
269 : 以下、名... - 2013/12/02 01:23:09 SnES5gXE 235/754ゴーストスイーパーに依頼する
午前10時5分 米花公園
いつも少年探偵団が遊び場に使っている公園に、公衆電話のボックスがあったのは、『彼女』と召喚者にとっては都合のいいことであった。
ふたりは、今日、計画通りであれば、ボックス内で延々と待機することになっていた。
『他人の視線を阻害する』効果のある、心理系に作用する結界の魔術符を、ふたりの身体に貼り付けるのみならず、
念には念を入れて、公衆電話ボックスそのものにも貼り付けることが出来る。
この世界の魔力のない人間には、仮面姿の召喚者を含む、いかにも怪しいふたりが、ボックス内に籠城していることに気付くはずがなく、
また、このボックスに万一カメラが向けられたとしても、『ふたりの姿を誰かが認識しようとした』段階で、映像がブラックアウトするはずであった。
元太の家の番号に掛けると、コール2回で父親らしい人が出たから、出来る限り声を甲高くして、『蘭』らしく聞こえるように『彼女』は声を出す。
元次「どうもー! 小嶋酒店です」
蘭?「……おはようございまーす! 帝丹小の1年B組の、元太君のお宅でしょーか?」
元次「え、……元太の友達ですか?」
蘭?「あ、失礼しました。私、元太君のクラスメートの、江戸川コナン君が居候している家の娘なんですが……
元太君いらっしゃいますか? ちょっとコナン君の事で相談があるんです……」
元次「あー……、元太からはしょっちゅう聞いてます。毛利探偵のお嬢さん」
蘭?「あら、父をご存知なんですね」
元次「ええ。……ちょっと待ってくださいね、 おーい、元太ー! 電話だー!
毛利探偵の家のお姉さんからだ!」
元太「……ぇー? 『蘭姉ちゃん』かー!? 俺に?」
電話の向こうがドタバタした後、狙っていた少年が出た。
元太「もしもし?」
蘭?「こんにちは、元太くん。『蘭』です。急に電話してごめんね?」
元太「いやいや、気にしなくて良いぞー? で、何の用だ? コナンに何か有ったのか?」
蘭?「うーん、何か有った訳じゃないんだけどね。ちょっとコナン君の事で、元太くんに相談したい事が有って」
元太「それで電話したのか?」
蘭?「うん、……あのさ、今日か、無理なら明日でもいいんだけど、『私』、元太くんと直に会って、相談できないかな?」
元太「え!?」
蘭?「探偵団のみんなや、博士には内緒にしてほしいんだけど……、米花公園で、待ち合わせできないかな?」
元太「……俺は、昼までは家で宿題しなきゃいけねーんだ、今日、昼ご飯食べてからなら……、何とか……、」
蘭?「じゃあ、今日の1時半に、米花公園で待ち合わせね? 『私』、黒い帽子被って公衆電話の前に居るから」
元太「おぅ! 1時半に、米花公園の公衆電話の前、だな?」
蘭?「そう。絶対、探偵団のみんなには内緒にしてね? コナン君にはもちろん秘密だよ?」
元太「ああ、秘密にするぞ!」
273 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/02 22:20:44 5k8hV4Xk 239/754今日の投稿は以上です。
明日はオートで『誘拐時の話』の続きになります。
蘭?「1時半、か……。
これで、今日一日のスケジュールが大体決まりましたね」
召喚者「そうね……」
元太が『今日も明日も無理だ』と言っていた場合、ふたりはここから撤収することになっていただろう。
しかしこうやって呼び出せた以上、少なくともその時までは、この公衆電話のボックス内に籠城しないと不味い。
まず、このボックスの扉を開けて外に出る、という選択肢は無い。
『彼女』は、勝手に発動する自身の魔術のせいで、あまり他人のいる場所には近づけず、
フードに仮面姿の召喚者が、人の視線にさらされるのも論外だし、仮面を外すのも別の意味で論外だ。
また、召喚者宅のあの地下室まで移動することを想定し、転移の魔術符は複数枚持っているが、この魔術もそう気軽に使えるものではない。
ボックス内で転移の術を発動すればするほど、このボックスに念入りに施した、視線阻害の魔術と衝突し、術の劣化が早まる。
召喚者の魔力に余裕があるとは決して言えないなか、視線阻害を余計に行使するのは避けたいところだ。
今日一日、視線の阻害効果を持続させたいのなら、転移の術を使うのはあと2回ほど、というところだろう。
外には出れず、転移魔術も惜しみたい、ならば、ここに居るほかない。
かくして、ふたりは夏の日差しの下。
保冷剤やら何やら細々とした対策をしていたとはいえ、あまり楽とは言えない時間を公衆電話ボックスの中で過ごすことになる。
277 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/04 21:43:28 9Wtkp8lw 242/754今日の投稿は以上です
↓1 次の話は『元太目線』にしますか? それとも『ふたり目線』にしますか?
2択で選択してください。
278 : 以下、名... - 2013/12/04 22:15:52 NocQCeEk 243/754ふたり目線でお願いします
午後1時26分 米花公園
蘭?「来た……」
公園の入り口から『彼女』を見つけるなり、こちらに向かって走ってきた少年が居る。
『蘭』の記憶の中では、何度も会った事のある子だ。小学1年生の割に、かなり大柄な男の子。
元太「『蘭姉ちゃん』……!!」
蘭?「こんにちは、元太君。わざわざありがとう。時間通りだね」
元太「ああ!! 俺、心配して走ってきたんだ!」
ゼーハーゼーハー言いながら説明する元太に、『彼女』はつとめて笑顔を見せつつ、
一方、心中では、この10分の間、元太以外誰もこの公園に来なかったことに安堵していた。
今から約10分前、午後1時15分頃から、ボックスの中で帽子を被り、上着を羽織り、
そして、……多少勇気が要る行為だったが、自分に付けていた視線阻害の結界の符を外して、『彼女』はボックスの外で立っていたのだった。
符を付けたままだと、元太にも見えなくなるのだから仕方ない。電話で呼び出されたのに姿が見えない、というのは元太でも怪しむ。
蘭?「ほんとうにありがとう。息上がってるね、大丈夫?」
元太「お、おう……。で、コナンについて相談したいことって何だ?」
蘭?「ああ、それはね……、すごくややこしい話なんだけど……」
『彼女』は膝をつき、元太の視点に目を合わせる。
元太は、『彼女』の雰囲気に飲まれ、目線を外せない。
目線が外せないのだから、元太の真後ろ、仮面にローブ姿の『もう1人』が居ることに、気付くはずがない。
――そして、召喚者は、昏睡の魔術を込めた装身具(ネックレス)を、元太の頭上から勢いよく被せてみせた。
元太「……!!」
蘭?「……ややこしい話だけど、1つだけ言えることがあるんだ」
魔術は一瞬で展開する。
きっと何が何だかわからない内に意識をなくし、後ろに倒れこむ元太を、召喚者は後ろから抱え込んだ。
打ち合わせ通り、『彼女』は、召喚者と共に、手際よく視線妨害の結界符を身体に貼り付けていく。
蘭?「『わたし』は嘘は付かないんだ。……言えないことを、黙っていることはあるけど。
だから……、コナン君の事で相談事があったのは、本当なんだよ?」
小学1年でも大柄だから、元太の体重は重い。
苦労して元太をボックスの中へ抱え込み、そこから転移の術で召喚者の屋敷へと連れ込んだ。
例の地下の部屋に3人で転移、その隣の部屋のベッドに元太を縛り付ける。
縛り付ける作業が終わったら、召喚者だけは、また米花公園の公衆電話ボックスへと転移で戻る。
――この日、午後7時50分頃。
制服警官2名が、ベンチの上に、奇妙な手紙を発見した。
サキュバスの事件関係で行方不明、と一報があった元太の捜索で公園に入り、
公園に入るなり、ベンチの方から、ガラスが割れるような音と、一瞬の強い光を目撃し。
慌ててそのベンチに向かったら、ベンチの座面の上に手紙が置いてあった、という流れだ。
こんな構図であったから、召喚者が、この時も公園に居て、警官が手紙を確認する様子を公衆電話から見届けていた、
……なんてこと、警察が気付くはずが無かったのだ。
283 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/06 23:55:51 kKJ46502 247/754遅くなりました。今日の投稿は以上です。
次回はオートで『召喚者の屋敷』です。
午後7時50分 召喚者の屋敷 地下室
蘭?「“……あるじ、お疲れ様です”」
召喚者「“あら、……貴女、ここで、私が帰るのを待っていたのね”」
蘭?「“外はどうでしたか?”」
召喚者「“警察(ポリス)が、例の手紙に気付いたのは、見届けてきた。
私は結界の中に居たから、ずっとあの場所に居たのは気付かれてないはずよ”」
蘭?「“……そうですか。警察(ポリス)は、今頃になって誘拐に気付いたのですね。
あの子を誘拐したのは昼なのに”」
召喚者「“あの子は今どうしてるの?”」
蘭?「“寝てます、隣の部屋で。ベッドに縛り付けたままです”」
召喚者「“そう。一応体調を見たほうが良いかしら”」
言いながら、召喚者は隣の部屋に繋がるドアを開いた。
午後7時52分 召喚者の屋敷 もうひとつの地下室
採光は小さな天窓があるだけの、八畳ほどの広さの石造りの部屋、そんな部屋のを占拠するベッドが2つ。
片方のベッドは空で、もう片方は元太が居るベッドだ。
彼は布団を被せられ、その上に鎖をぐるぐる巻いて全身を縛られていた。
元太「zzzz zzzz……」
召喚者「“確かに寝てるわね。軽くイビキもかいてる”」
蘭?「“……考えすぎかもしれませんけど、昏睡魔術が、変に効きすぎてるだけですよね?”」
召喚者「“どうかしら……”」
蘭?「“すいません、わたしが魔術的に様子を伺えばよかったんでしょうけど、魔力の消費が怖くて……”」
召喚者「“別に良いわ。私が視れば良い訳だから”」
元太の額に手袋を外した素手を乗せ、仮面でも隠していない両目で、彼の中の魔力を視る。
召喚者「“……単に魔術が効きすぎてるみたいね。直に起きるでしょう”」
286 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/08 00:15:38 1z1GD1Qk 250/754すいません、更に続きを書こうと思ったんですが眠気でアウトです。
↓1 次はどこのシーンから始めますか? 『被害者宅』『警視庁』『毛利探偵事務所』のどれかから選んで下さい。
↓当分の間募集 警察はこれからどんな風な捜査をすると思いますか? ご自由に意見ください ※あんまり不自然なものは弾きます
287 : 以下、名... - 2013/12/08 10:47:00 Uo.5ltmE 251/754毛利探偵事務所
午後8時10分 毛利探偵事務所
RRRR RRRR……
英理「はい、毛利探偵事務所です」
元次「ぇ、あー……、小嶋 元太の父ですが、えっと」
英理「!! すいません、小嶋さん。コナン君から話は伺いました。
娘がとんでもないことをしでかしたかもしれないと……、本当に申し訳ありません。
私は『毛利 蘭』の母で、妃 英理と申します」
コナン「(!! 元太の父さんからか)」
元次「……? 奥さん、名字は毛利探偵とは違うんですか?」
英理「ええ、……事情があって10年ほど別居しておりまして。
夫は、今、会話できる状況ではない、ということで、コナン君が私を事務所に呼んでくれたんです。
ところで、小嶋さん。……何か、事態に進展が有ったんでしょうか?」
元次「毛利探偵は、本当に体調がお悪いんですね……」
英理「大変申し上げにくいんですが、……このところ娘の件で、夫が一番振り回されておりましたから」
コナン「(おっちゃん、ヤケ酒飲んで酔いつぶれたなんて、言えるわけないよな……)」
元次「でしょうね……、『サキュバス』の事件がどうのこうのとなれば心労が溜まるでしょうね……!!」
英理「……!! 小嶋さん、娘が居なくなった経緯はご存知なんですね?」
元次「ええ!! 先ほど警察が教えてくれました!!
米花公園のベンチに手紙があったそうですよ!!
ウチと毛利探偵の事務所に、あとで全く同じ内容の手紙が郵便で届くそうですよ」
英理「……え? 手紙、ですか?」
コナン「(手紙!?)」
元次「ええ!! そっちにもすぐ手紙を見せに、警察が来るんじゃねぇですか?」
英理「すいません、初耳なんですが、……その手紙の内容を伺ってもよろしいですか?」
元次「……『サキュバス』は、魔術の生贄に、相性が良い人間の遺体が欲しいそうで……
でも遺体を探すのが手間だからよ……、手間を省くために相性が良い元太を連れ去った、と。
元太を生かして帰してほしいなら、警察は、『サキュバス』が遺体を探すのを妨害するな。と
完全に誰かの遺体だけで魔術が出来たなら、元太は生かして帰す、と……、そう書いて、ありました!」
英理「そんな……」
元次「『サキュバス』の書き込みを見れば、性格が変わってるのが分かりますけどね……
人格の半分はそちらのお嬢さんでしょう? 人の息子人質にとるなんて、……どんな性格してたんです!?」
英理「…………
すいません、私もすごくショックで……、そんなことする子じゃ無かったんですが……」
コナン「(手紙の内容って何なんだ……)おばさん……、大丈夫?」
291 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/08 21:27:07 1z1GD1Qk 255/754今日の投稿は以上です。
明日はオートで引き続き『毛利探偵事務所』になります。
午後8時22分 毛利探偵事務所
元太の父親からの電話から10分後。確かに、警察が事務所に来た。
公園のベンチに置いてあったという手紙のコピーを持って。
英理「病院から逃げた時に、トイレにノート残してましたよね、あの子。
それの筆跡を調べられる時に、こちらからあの子の資料をお渡ししたと思うんですが……」
刑事J「筆跡の確認目的も兼ねてるんですが、それだけではないんです。
この手紙を見てご両親として気付かれる点があればと思いまして……」
英理「……内容は、今見ただけでは何とも。
字体は、『蘭』のものに近い字体ではありますね、完全に同じというわけではないですが」
刑事J「そうですか……
毛利探偵は、今は御在宅ですか?」
英理「ここに居ますけど、体調を崩して寝込んでいます。
完全に寝入っているので、お話しするのは難しいですよ」
刑事J「そうなんですか……」
コナン「確かにこの文字、『蘭姉ちゃん』が書く文字に近いね」
刑事J「坊やは、……お姉ちゃんの事情を知っているんだったね?」
コナン「うん、知ってるよ。……最初に『蘭姉ちゃん』が『サキュバス』の事件に巻き込まれた時から。
『本人』が、今日、元太を誘拐したことも、ね。
元太は僕と同じクラスの友達で、……僕の友達はみんな、『蘭姉ちゃん』と仲が良かったんだ。
『蘭姉ちゃん』から呼び出しの電話来たら、ほとんど疑わずに会いに行くと思う」
294 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/09 21:52:40 7bP2oPvE 258/754↓1 『本人』が公園のベンチに残した手紙の雰囲気は、どんな感じ?
例)やたら馴れ馴れしい、お堅い、これまでと変わらない、など
295 : 以下、名... - 2013/12/09 23:58:16 wzlRRsdI 259/754一見これまでと変わらないように見えて違和感を感じる
刑事J「お姉さん、信用されていたんだね」
コナン「うん。
……それにさ、元太のお父さんは、警察に通報する前に『元太が蘭姉ちゃんに呼び出されたきり戻ってこない』って、
最初にこの事務所に電話してくれたんだ。
その電話取ったのは僕で、元太のお父さんに、警察に通報するようにお願いしたのも僕だよ?
僕は、『蘭姉ちゃん』がどういう状態か知ってたから、……元太が誘拐されてるんじゃないか、って、思ったんだ」
刑事J「……坊やは、『サキュバス』の事件のことは、お友達には誰も話してないよね?」
コナン「話すわけがないよ!
毛利のおじさんからも、ここに居るおばさんからも、『誰にも話すな』って、かなりきつく言われてたんだから!」
刑事J「それはそうだよね……」
コナン「うん」
刑事J「えっと、坊やもちょっとこの手紙見てくれる? 気になったところがあれば教えてほしいんだけど……」
警察の皆さん 小嶋家の皆さん 毛利家の皆さんへ
元太君は、召喚者とわたしが誘拐しました。生贄目的、兼、人質です。
この子は、魔術の生贄にするのに相性が良いと感じています。
生きている人間を、それも小学生を殺して魔術に使うのは、あまり気が進みません。
誰かを殺すよりは、元々死んだ人間の遺体を、どこかで調達して使いたいのですが、
それだと、生きている誰かを殺すよりは手間が段違いに掛かります。
これから、わたしたちは、魔術を使うのに相性の良い遺体を探します。
手間をかけたいと思うほどに相性が良い遺体を見つけ出せば、勝手に遺体を盗んで魔術に使うつもりです。
遺体だけで魔術が完成すれば、元太君は殺さずに家族のもとにお返しします。
ただ、遺体を探し回ることと、盗むことを警察が妨害するのならば、元太君を生贄に使わざるを得ません。
だから、警察には、わたしたちが遺体を探す作業を、邪魔しないで頂きたいのです。
この手紙と、同じ内容の文面の手紙を、小嶋家と毛利家に後日郵送で送ります。
郵便事情を考えると、遅くとも18日までには届くと思います。
警察がこの手紙を把握したのならば、19日の新聞の朝刊の1面の左下に、告知の広告の出稿をお願いします。
告知内容は、
『拘置所被告殺人事件に付いては、現在別の誘拐事案交渉中』
『人命優先のため当分の間、新規の捜査情報の公開は中止する』
旨の記述で、警察庁と警視庁と大阪府警の連名でお願いします。
広告の中でが、『この広告は犯人の要求である』ことを明記していただいて構いません。
サキュバスより 敬意をこめて
コナン「……警察は、要求通りに、新聞に広告を出すのかな?」
刑事J「今は分からないね。警視庁だけで決められる話じゃないから」
コナン「そっか。警察庁や、大阪府警の人と話し合わなきゃ、連名では広告は出せないもんね」
刑事J「そうだね。……坊や、手紙で、何か気付いたことはある?」
コナン「うーん。
文章がおかしいってわけじゃないけど、内容に違和感があるよね。
こういう広告を出してくれ、って要求は、遠回しに『新規で捜査情報を出すな』って言ってるのと同じでしょ?」
刑事J「うん。この広告を出したら、警察はもう捜査情報は発表できないだろうね。
広告で『発表控えます』って言ったのに、捜査情報を発表するのはおかしすぎる」
コナン「何か事件が起きた時、警察がマスコミに捜査情報を出して、その報道を見た犯人が、
自分の情報がどれだけ漏れてるか確認したりすることって、普通にあるでしょ?
警察が情報を出さないようにする、ってことは、そういう報道が無くなっても良いっていうことだよね」
刑事J「そうなるね」
コナン「今の『本人』は、何もしなくても警察の情報が筒抜けになってるから、いちいちマスコミを見る必要が無いのか、
それとも、警察の捜査情報を掴む必要性をそもそも感じていないのか、……どっちかなのかもしれないね」
刑事J「坊や、頭が回るね」
コナン「ありがとう。……一応、毛利のおじさんのそばに、僕はしょっちゅう居るからね。
あと、警察が情報を出さない理由、もう一個考えられることがあるとすれば……」
刑事J「ん?」
コナン「これから、誰かの遺体が盗まれる事件が発生したとして、
その『遺体の窃盗』と、『サキュバスの誘拐事件』が絡めて報道されないようにするため、かな?
遺体盗んだ現場に、『サキュバス』がやった証拠を派手に残しておけば、
……警察が元太の命を優先しようとする限り、警察は『サキュバス』がやった窃盗事件だ、って、発表できなくなるよね?」
刑事J「……本当に頭が回るね、坊や」
刑事は俺を褒めてはくれたが、この程度の推理なら、警察にも出来ているはずだろう。
しばらく、『蘭』と元太の関係について俺から聞き取ってから、刑事は事務所を去った。
俺と刑事が会話を交わす中で、俺が気付いていながら、刑事本人には言わなかったことがある。
ここに来た刑事本人は、どうやら少年探偵団のことをよく知らない人だった、という推測と、
人道的な理由もあるだろうが、おそらく警察は『本人』の手紙の要求通りにしか動けないだろう、という推理だ。
前者の推測は、少年探偵団について説明しているときの刑事の態度を見れば、すぐ分かった。
後者の推理は、手紙の内容を守らなかった場合のデメリットを考えれば、分かる。
遺体探しや窃盗を妨害しても、『本人』を捕まえられるとは限らず、その後、警察の妨害を悟った『本人』に、元太が殺されたとしたら。
そういう流れになってしまえば、警察は世間から猛烈なバッシングを食らう。
本心が組織防衛であれ、人道意識であれ、元太の生命を心配する姿勢を取った方が、警察という組織としては無難だし、
『本人』の魔術を警察が防ぐ術がない現状では、遺体窃盗を妨害する行為は、かなり無謀だとしか言えない。
午後9時27分 毛利探偵事務所
英理「もうこんな時間ね、……コナン君は寝ましょうか」
コナン「そうするね。おばさん……」
時計を見上げてみると、もう21時半近くになっている。
コナン「おばさんは、ここでは寝ないの?」
英理「まだ、もう少し、私は起きておくわ」
コナン「ねえ。……おばさん、質問なんだけどさ」
英理「何?」
コナン「もしも、『本人』の術が成功して、『蘭姉ちゃん』が、元の『蘭姉ちゃん』になって戻ってきて、
でも、『サキュバス』と一緒になった間の記憶が無くなってたとして……
元太の誘拐とか、遺体泥棒とか、そういう、『サキュバス』と融合していた時にやった事、
……おばさんは、戻ってきた『蘭姉ちゃん』に怒ったりする?」
英理「怒らないわよ……!! 少なくとも、私は。
怒るよりも、記憶が無くなった『蘭』を慰めると思うわ。
……今日の書き込みが正しければ、そういう犯罪行為の記憶は、全て『サキュバス』が持っていくんだから。(※作者註 >>257参照)
『蘭』にとっては記憶から消えた事を、『蘭』に向けて怒れるわけないわ」
コナン「そう……、そうだよね。おやすみなさい」
308 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/13 22:29:13 6jn8uxiw 268/754今日の投稿は以上です。
↓1 次のシーンでは誰を出しますか? 不自然でない人であれば誰でも可です。
(この安価リクを消化したら、作中時間は8月19日朝に移ります)
309 : 以下、名... - 2013/12/13 22:52:32 T1bMPG0A 269/754灰原
8月17日 午後3時35分 阿笠博士の家
哀「はぁ!? 小嶋くんが『本人』に誘拐されたの?」
コナン「ああ、おかげで、今日は午前一杯、警察に呼び出されて事情聴取だったんだ。
きのう、事務所に来た刑事には軽く説明していたんだけどな、元太と『蘭』が顔見知りだってこと。
今日また改めて、少年探偵団のこととか、警察署で何から何まで説明するハメになった」
哀「……そのこと、今知ってるのは誰?」
コナン「警察以外には、……そうだな、元太の家族と、毛利のおっちゃんと妃弁護士、それから俺と、
……大阪の服部は、誰が誘拐されたかはともかく、事件の発生そのものは知ってたな。俺が電話したら、向こうの方から話題を振ってきたから。
あ、俺が灰原や博士に今話したことは……」
哀「秘密って事でしょ、分かってるわよ」
阿笠「しかし、人格が本当に変わったんじゃな、『蘭』くんは。……あの子を誘拐して人質にするとは」
コナン「ああ。……おっちゃんもまたかなりショックを受けて、おまけに妃弁護士と仲が険悪になってる」
阿笠「え? 夫婦の間に何かあったのか?」
コナン「妃弁護士は、『本人』の魔術トラブル自体は、……魔術が常時発動してるってことは、『本人』から打ち明けられてたらしい。
『本人』が魔力の欠乏の危機だってことも、病院で聞いていたそうだ。
ただ、『本人』が自分の生命をどうにかするために、病院を抜け出して犯罪に走る、とまでは、
……弁護士は誰も知らされてなかった、らしい」
哀「……それで、そんなことを妻に秘密にされた毛利探偵が怒る、と」
コナン「ああ。
秘密にするのも分からなくはないんだ。おっちゃんも理屈は分かってるだろうが、感情的には、な……」
阿笠「ところで、警察の捜査状況は、どんな感じなのかの? 元太くんの居場所は掴めておるのか?」
コナン「捜査では、……米花公園の公衆電話ボックスの中が、砂だらけになってるのは分かったらしい。
これまで魔術が使われた現場では、砂が必ず残ってたから、今回もその痕跡だろうと、警察は見ているそうだ。
肝心の元太の居場所は、……警察からは何とも」
哀「犯人が警察に出した要求は、明後日の朝刊に広告を出すことでしょう?
明日、新聞の締切ぎりぎりまで警察は捜査を粘るんでしょうね」
コナン「ああ、そうだろうな……」
哀「そして新聞の広告を出した後は、……警察はどうするのかしらね?」
コナン「よほど魔術関係の知識に自信が無い限り、どっかから遺体が盗まれるのを傍観するしかないんじゃないか?」
阿笠「え……?」
哀「中途半端に遺体の窃盗を邪魔しても、『本人』を捕まえきれないなら無意味ですものね。
そんな流れで、小嶋くんが生贄にされるのは最悪のケースだから、警察は、……そうなることだけは避けるでしょう」
コナン「ああ、そういうことだ」
だが、仮に『本人』の魔術が、盗んだ遺体のみを生贄にする形で成功し、元太が生きて戻ってきたとしても、
元太の家族は、単純に元太の生還を喜べはしないだろう。
誰かの遺体が魔術用に盗まれるとして、その遺体にも、生前関わった家族や関係者が存在しているはずだから。
313 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/15 00:23:28 5MYLHK6. 273/754遅くなってすいません。今夜の投稿は以上です。次回は作中の8月19日に移ります。
↓1 次のシーンでは誰を出しますか? 不自然でない人であれば誰でも可です。
314 : 以下、名... - 2013/12/15 01:46:21 1Ff00RcY 274/754服部
8月19日 午前9時 毛利探偵事務所
服部「結局、警察は新聞に広告を出しとんのやな」
コナン「ああ。ネットを見る限り、東京と大阪に限らず、全国の新聞の朝刊に出してるようだな」
俺の手元には、事務所に届いた分の日売新聞の朝刊がある。
1面の左下、良く政府の広報なんかが出る欄に、今日は堂々と警察の告知が載っていた。
『告知
拘置所被告の殺人事件に付いては、現在、別の誘拐事案の交渉中です。
人命を優先するため、当分の間、新規の捜査情報の公開は控えさせていただきます。
なお、この広告の掲載は、犯人の要求によるものです。
警察庁 警視庁 大阪府警察』」
服部「新聞社に無理言って、どこの新聞も全く同じ文面にしたらしいで。
だから、お前んとこも俺のとこも、同じ内容の文章になっとるはずや」
コナン「全国的にこう載せてるっていうことは、警察庁と警視庁と大阪府警の間で、
……告知出すのもやむなし、っていう結論に至ったんだろうなぁ。
お前の親父さん、この件で大変なんじゃないのか?」
服部「ああ。最近ずっと忙しくしとるで。お前の言う通り、この事件のせいやろな」
コナン「そっか……」
服部「インターネット見ると、今日のこの朝刊のことでえらい話題になっとるで。
こんな広告、前代未聞やし」
コナン「ああ。事情を知らない人間も、警察は『本人』達を捕まえる技術が無い、って事には気付いただろうな。
……『本人』を捕まえて、誘拐された人間を保護できていれば、そもそもこんな告知、警察が出すわけがない」
317 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/15 21:26:27 5MYLHK6. 277/754
↓明日正午まで募集 服部&コナンの更なる会話で、出てきた話題は? 不自然でない限り採用します
(安価が無い場合は次のシーンに移ります)
318 : 以下、名... - 2013/12/16 12:30:05 ddBjZX3A 278/754正午過ぎてるけど
家族が収監されている人は、警察に問い合わせをしているのでは?
(うちの家族が誘拐されたんじゃ? というニュアンスで)
319 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/16 22:03:45 28f/k5mI 279/754作者が風邪ひきました。今日はお休みします。体調が戻るまで明日以降も休むかもしれません。
↓当分募集 服部&コナンの更なる会話で、出てきた話題は? 不自然でない限り採用します
↓ついでに当分募集 ファンタジー世界っぽいカタカナの単語を募集します。なお、単語の意味は作者が適当に決めますので御了承下さい。
(つまり、提案された単語が名前になるか地名になるかは分かりません)
320 : 以下、名... - 2013/12/17 01:21:46 NKJehwzI 280/754ゲノムヘリター
321 : 以下、名... - 2013/12/17 01:29:33 NKJehwzI 281/754ミスティックアーク
322 : 以下、名... - 2013/12/17 08:35:19 R62HAbEY 282/754モストフロンデス
323 : 以下、名... - 2013/12/17 18:12:07 gzxjXrs6 283/754カルルバン
324 : 以下、名... - 2013/12/17 18:27:45 vFgEA3GQ 284/754アポリア
325 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/17 21:35:35 ZtJhdwXU 285/754みなさんレスありがとうございます。体調がまだ駄目なので今日もお休みします。
↓引き続き募集 服部&コナンの更なる会話で、出てきた話題は? 不自然でない限り採用します
↓引き続き募集 ファンタジー世界っぽいカタカナの単語を募集します。なお、単語の意味は作者が適当に決めますので御了承下さい。
(つまり、提案された単語が名前になるか地名になるかは分かりません)
326 : 以下、名... - 2013/12/17 23:54:39 pw00GMME 286/754ベータミゼット
327 : 以下、名... - 2013/12/18 20:49:11 GzRFgmtA 287/754小嶋家と毛利家にも手紙が届いたのか
イルンクス
服部「まあ、この告知見たら、家族が拘置所に居る人は慌てるやろな。
『うちの家族が誘拐されてるんやないですかー?』って、警察に問い合わせそうや」
コナン「……ああ、そうか。警察にはそういう影響も出そうだな、確かに。
誘拐の被害者が小学生だってこと、今の時点では公表されてないからな。
単にこの広告見ただけの人は、以前と同じように、拘置所から人が連れ出された、って思うだろうし」
服部「これまでの事件で、坂田と沼淵は、ふたりとも拘置所から誘拐されて生贄にされとるからな。
……そういえば、『本人』からは、あのボウズの誘拐以降、今のとこ何も連絡は無いんやな?」
コナン「ああ。何もない。
強いて言うなら、きのうの午前に、うちの事務所に手紙が届いたくらいだな。
公園のベンチに有ったのと全く同じ内容の手紙で、消印は17日だった」
服部「その手紙、当然警察に渡したわけか」
コナン「ああ。コピーはおっちゃんの手元にあるけどな。
警察が言うには、きのう、元太の家にも同じ内容の手紙が届いたらしい。
……公園のベンチの手紙の、予告通りだ(※作者註 >>297参照)」
服部「そうか……」
コナン「手紙の指紋とか筆跡とか、当然警察は調べるんだろうけど、
……そういう痕跡を、わざわざ『本人』や召喚者が残すだろうか?」
服部「確かにな。
仮にそういう痕跡が出たとして、そこから先『本人』を警察が捕まえてどうこう、っていうのは難しいと思うで」
330 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/18 21:47:44 MqFAR/cE 290/754御心配おかけしました、復帰しました。体調は大事ですね。
↓1 次のシーンでは誰を出しますか? コナンと服部以外で、不自然でない人であれば誰でも可です。
331 : 以下、名... - 2013/12/19 18:47:28 ugn0.e0w 291/754↓1つ下へ
332 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/19 21:28:49 5c0GuyF6 292/754
すいません、やりづらかったですね。安価取り直します。
↓1 次のシーンはどこにしますか? 『大阪府警』『警視庁』『小嶋家』『召喚者の屋敷』『その他(要記載)』からどうぞ。
333 : 以下、名... - 2013/12/20 00:42:46 fI42S7qM 293/754警視庁
8月19日 午前9時30分 警視庁 捜査一課
『告知
拘置所被告の殺人事件に付いては、現在、別の誘拐事案の交渉中です。
人命を優先するため、当分の間、新規の捜査情報の公開は控えさせていただきます。
なお、この広告の掲載は、犯人の要求によるものです。
警察庁 警視庁 大阪府警察』」
朝、係内の打ち合わせの冒頭で、新聞の告知のコピーが刑事全員に配られた。
捜査本部の人間でなくとも、刑事が、警視庁が大々的に出した広告を把握していないのは不味い、という訳だ。
別の事件で聞き込みを行うことは普通にあるし、聞き込みの最中、市民が好奇心で話を振ってくることも珍しくないのだから。
千葉「『あの子』は、……変な要求を出したんですね」
佐藤「……そうね」
この件の捜査から外されている人間からすると、新聞の告知のコピーに目を通したところで、言える感想はそれ位しかない。
要求を受けて必死に捜査したのは、捜査本部のはずで、新聞広告を出すと最終的に決めたのは、警察庁のはずだ。
上層部が、メリット・デメリットを踏まえて最終決断したであろうことを、ただの刑事がどうこう言えるものでもない。
高木「人質、無事だと良いんですけどね……」
白鳥「ええ……」
普段、少年探偵団に関わっていた彼ら刑事達は、誰が誘拐されたのかだけは知らされていた。
元太が居た少年探偵団について、コナンが事情聴取に対し、『捜査一課の目暮警部や高木刑事達に聞けば分かる』と発言していたらしい。
捜査本部の人員は、その発言を受けて、誘拐の被害者が誰なのか明らかにしたうえで、少年探偵団について刑事達に確認しに来たのだった。
とはいえ、彼らも、『誰が誘拐されたのか』は知っていても、『何を要求しているのか』までは、知らされていないのだが。
ちなみに、この件のとばっちりで、インターネットで、ある意味最もデリケートな個人情報をバラされた高木と佐藤だったが、
結局、このカップルのほうは正式に『処分なし』となることが決まっていた。
『本人』が書いた通り、独身の成人同士が互いの合意の元ヤッたことが、処罰の対象になる訳がないのだ。
仲が職場中に知られたものの、職務には今のところ支障はない。
ただ、あの書き込みで既婚者相手の3Pをバラされた婦警は、未だ自宅待機を命じられていると聞いていた。
337 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/21 15:13:54 350uNmS. 296/754
遅くなりました。次回投稿は今夜です。
オートで召喚者の自宅のシーンとなります。
8月19日 午前9時30分 召喚者の屋敷 地下室
『告知
拘置所被告の殺人事件に付いては、現在、別の誘拐事案の交渉中です。
人命を優先するため、当分の間、新規の捜査情報の公開は控えさせていただきます。
なお、この広告の掲載は、犯人の要求によるものです。
警察庁 警視庁 大阪府警察』
召喚者「“警察は、想定通り広告を出してくれたのね”」
蘭?「“そうですね。……当面、警察は気にしなくても良くなりそうですね”」
この広告を出したことは、手紙の要求を把握しているのだと、警察が宣言したに等しい。
遺体の窃盗を半端に妨害して、元太の命を危険にさらすような真似を、この国の警察がするはずがない。
自分達が元太の居場所を隠し続ける限りは、警察からの妨害は無くなったと言って良く、
また、遺体の窃盗が、『サキュバス』に絡む形で報道されることも無いだろう。
もっとも遺体の関係者は、事情を全く知らないはずで、窃盗実行時の油断は、禁物ではあった。
遺族や医療関係者が、窃盗を妨害してくるのには気を付けなければならないし、
警察も、(あくまで妨害していないと言い募れる形で)密かに捜査を続けるだろう。
ただ、警察からあからさまな妨害を受けるリスクは無くなった。
これから、妨害対策に使う分の魔力が、若干だが、魔術の構築など別の事に使えるようになる。
召喚者「“あとは、あの子を見張りながら、動き回ることになるわね。まずは生贄探しね”」
蘭?「“そうですね。改めて、……これから、よろしくお願いします。動き回るのはあるじですから。
……貴女が、わたしの魔術を使えるようになっていて良かった”」
召喚者「“そうね……”」
『サキュバス』が召喚された時、召喚魔術の効力として、召喚者と『サキュバス』は、互いの世界観と言語の知識を得た。
また、あの日、ふたりが契約を結んで以降は、互いの魔術がほんの少しだけ使えるようにもなっている。
つまり、今、『サキュバス』は、召喚者の赤魔術が少しだけ使えるし、召喚者も、『サキュバス』の分析に長けた魔術が少しだけ使える。
生きている人なり、遺体なりが、生贄として魔術的な相性が良いのか悪いのか、見て分析する魔術が使えないのなら、
そもそも、生きている誰かを誘拐することも、誰かの遺体を盗むことも、できるはずがなかった。
午前9時40分 召喚者の屋敷 もうひとつの地下室
召喚者「おはよう、ぼうや」
元太「……おはようございます、あるじ」
若干やつれた顔をした少年が、小さな声で返事を返す。
数日部屋に監禁し続けると、(一時的かどうかは分からないが)元気が無くなるものらしい。
元太は17日の昼に目を覚ました。つまり丸一日眠っていたわけだ。
元太にしてみると、公園内で気が遠くなったと思ったら、見知らぬ部屋のベッドの上で雁字搦めになっていたわけで、
おまけに仮面を着けた『あるじ』と、『蘭姉ちゃん』だけどどっか違う『姉ちゃん』がそばに居る、という訳のわからない状況。
最初、元太は、当然のごとくパニックを起こす。
『あるじ』は、結局こう説明して、身体を縛っていた鎖は解くことになった。
『お前を誘拐した。身代金目的ではない。誘拐した理由には深い事情があるが、詳しくは話せない。
解決には時間がかかる。今は夏だが、どんなに長くても、冬までには終わる。
暴れたり脱走したりしたら、またベッドに縛り付ける』
その説明を受けた元太はさらに質問をいくつも投げてきたが、全て『事情があって話せない』で押し通している。
つまり、誘拐に関する事情をロクに把握できていないが、そんな説明でも納得はしたのか、今に至るまで元太はおとなしい。
もっとも、もし暴れたり食い下がったりしたら、あるじが飯を出してくれなくなる、とでも思っているのかもしれない。
全身縛られていた鎖は無くなったものの、足枷はついていて、ベッドから離れられない状況ではあったのだ。
344 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/23 00:11:05 PsQK4Jsg 301/754↓1 次のシーンの冒頭、誰が真っ先に発言しますか? 『元太』『召喚者』『本人』のどれかから選んでください。
↓2 ↑の人が発言した内容は?
345 : 以下、名... - 2013/12/23 05:07:56 V6Q6Bv2s 302/754元太
346 : 以下、名... - 2013/12/23 07:00:42 avkR6EiY 303/754少年探偵団
元太「あるじ」
召喚者「何?」
元太「俺以外の誰かが、俺みたいに、ここに誘拐されることってあるのか?」
蘭?「……ひとりだと、寂しいの?」
元太「そりゃあ、……会いたい奴はいるさ、家族とか、探偵団の奴らとか」
蘭?「じゃあ、少年探偵団の誰かをここに連れて来る? 君みたいに誘拐して。……当分家に帰れなくなるけど」
元太「!? いや、それはダメだ、『姉ちゃん』! 俺が言いたいのは、そんな事じゃなくて!」
蘭?「(面白いくらい血相変えたな、この子)ははは……、うん、分かってるよ。
からかっただけ」
召喚者「……今のところ、ぼうや以外に誰かを誘拐するつもりは無いわ。
大人の人達と、交渉したり、暴れたり、盗んだりはするつもりだけど」
元太「そうか……」
召喚者「ここで、ひとりで時間を潰すのは退屈でしょうね。
テレビはともかく、ラジオはこの部屋でも使えるはずだから持って来るわ。1日待っていて。
(少なくとも今日や明日の段階では、もう『サキュバス』の事件の報道はしなくなっているはずね……)」
348 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/23 21:19:07 PsQK4Jsg 305/754今日の投稿は以上です。次回オートで数日飛びます。
↓1 次のシーンはどこにしますか? 『警視庁』『病院』『誰かの家』の3つから選んでください。
349 : 以下、名... - 2013/12/23 23:33:41 miz7sD/s 306/754誰かも書いていいのかな?ありなら阿笠宅
だめなら、『誰かの家』
8月21日 午後3時 阿笠博士の家
哀「新聞に広告が出てから丸2日。
……結局、『彼女』からは音沙汰は無いのね」
コナン「ああ、おっちゃんのところにも、小嶋家の方にも連絡は来てないな」
博士「誰かの遺体が盗まれたとか、連絡は来てないのかの?」
コナン「今のところ、そういう話は聞いてない。
まぁ警察も、広告が出て、すぐに『本人』達が動きだすとも思ってないだろう。
術の下準備に、時間取られてるのかも知れねえし」
哀「ねぇ、そもそも実際に窃盗が起こったとして、……警察から毛利探偵のところに、連絡は行くのかしら?」
コナン「あー……、分かんねえな。警察も、この件の秘密漏えいには、相当ピリピリするだろうしなぁ」
哀「警察は、マスコミにすら情報は出さない方針らしいじゃないの」
コナン「ああ。……『本人』が、新規の捜査情報公開を止めるよう要求したから、っていう理由でな。
今回、マスコミと協定は結ばずに、単に情報を出さなくなっただけ、らしいからな」
阿笠「……どういうことかの?」
コナン「普通、こういう事件が有った時、警察はマスコミ相手に協定を結ぶんだ。
『警察は、誘拐事件の情報は、普段より詳しくマスコミに逐一提供する』、
その代わり、『マスコミは、事件解決まで、誘拐事件の報道をしない』
……この協定、マスコミと警察の双方にメリットがあるからな」
阿笠「なるほど、元太君の事件ではその協定を結ばずに、警察はマスコミへの情報提供を取りやめた、と」
哀「それで今、警察はかなりブーイングを受けてるらしいわね。
警察は、どう言われても、この方針を変えるつもりはないみたいだけど」
コナン「たとえ極秘であったとしても、……マスコミに情報を出す行為が、『本人』からの要求に違反するかも知れないからな」
マスコミに対するのと同じ考えで、おっちゃんに、捜査の情報が入ってこない恐れは、十分にあるだろう。
354 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/25 21:53:53 l/fmYTG6 309/754>>352
楽しみに待たれてたのにすいません。今日もまた時間がなくこれだけです。
↓1~2くらいまで
あらすじがほぼ固まったのですが、女性モブの名前が足りてません。名字と女性名をそれぞれ一つずつどうぞ。適当に組み合わせて出します。
355 : 以下、名... - 2013/12/25 22:01:00 3Y1hGwh6 310/754葛野葉
356 : 以下、名... - 2013/12/25 22:17:06 yN1Rtkx6 311/754>>354
ゆっくり考えて!じっくり待ってる!
粟倉
沙希
8月22日 午後6時 都内 誰かの家
ガタン!!
天井から突然響いた、大きな音。
台所に立ち夕飯の支度をしていた、主婦の江川 桜子(43歳)は、驚いて上を見上げた。
この家の構造上、台所の真上には、天井一枚挟んで娘の部屋がある。
とりあえずコンロの火を止め、階段へ。そして中学3年の娘に向かって呼びかけた。
桜子「沙希ー、部屋で何か落としたのー? すごい音がしたけどー」
2階からは返事が無い。
桜子は内心首を傾げつつ、沙希の部屋へ階段を上った。
――後から振り返ってみると。
この時、階段を上ったのは正解だったと桜子は思う。
階段を上らなかったなら、沙希の部屋に向かわなかったなら、『発見が遅くなっていた』
2階で娘の部屋のドアを開けた桜子は、目の前でぶら下がっている娘を発見することになる。
沙希は、首を吊っていた。
359 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/26 21:36:52 TyABk3cA 314/754今日はここまで。次回はオートで召喚者の屋敷です
360 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/27 22:55:11 8xgbkv0A 315/754すいません、作者が尿管結石を発症しました。痛みで執筆どころじゃないので今日はお休みします。
治療始めたので、明日以降痛みが緩和されれば良いんですが……
↓1~2くらい 『竜』と『姫』が出てくる異世界の神話があります。どんな神話でしょうか?
あらすじでも良いし、キーワードの羅列でも可です。
361 : 以下、名... - 2013/12/27 23:32:20 .bPRQUGo 316/754微力ながら保守するから無理せず養生!
神話→飢饉、漁師、夜明け
362 : 以下、名... - 2013/12/28 10:50:49 CP6Kzgm2 317/754世界の調和が乱れて大飢饉が発生
滅びを回避するために、姫と漁師町出身の勇者が旅をする
神の使いの竜に会い、乱れた調和をただすために
363 : 以下、名... - 2013/12/28 10:52:15 CP6Kzgm2 318/754失礼
滅びを回避するために、姫と漁師町出身の勇者が、“夜明けの地”を目指して旅をする
364 : 以下、名... - 2013/12/28 18:36:51 pJ14w2cs 319/754神話のキーワード
神官 巫女 邪神 紋章 愛
午後7時 召喚者の屋敷 もうひとつの地下室
ラジオしか外部からの情報源が無い閉鎖環境において、ご飯を食べる行為は精神の安定に寄与するらしい、と、
本当に夕飯を美味しそうに食べている元太を見て、『彼女』はそう実感する。
元太「このカレー、うめぇな」
蘭?「作る人の腕が上手いんでしょう。……どんな名前の人なのか、知らないけど」
召喚者「ええ、……誰が作ってるのかは言えないけど、ともかく、『人間相手に出すご飯』としては問題ないものを出しているはずよ」
元太には存在すら知られていないのだが、皆の食事を作っているのは、ずっと昔からこの屋敷に住み込んでいる執事である。
その執事は『サキュバス』の召喚後に、数回ほど地下室には降りてきたから、『サキュバス』もその存在は知っていた。
――召喚者同様、仮面を付けていたから、どういう顔なのかまでは知らなかったが。
元太はこの部屋から出られない。『サキュバス』は移動は自由だが、地下から上に出る必要が無い。
召喚者は必要に応じて地下に入ってくるが、いつも仮面を着けている。執事は、元太の誘拐以降、全く地下に降りて来ない。
屋敷の中の住民達は、今のところ、そういう風に生きていた。
召喚者「隣の部屋で話したいことがあるの。食べ終わったら来てちょうだい。
ああ、食べるの急がなくていいから」
何故わざわざ元太と『彼女』のこの夕飯時を、あるじが突っ立って見ているのか少々疑問だったが、
どうやら『彼女』に話題を振るつもりだったらしい。
蘭?「分かりました、あるじ」
残り半分弱のカレールーをちぎったナンで拭って食べながら、『彼女』はそう答えた。
ちなみに『人間相手に出すご飯』としては問題ないものを作る執事は、今の『彼女』にも気を使ってくれている。
『サキュバス』は文化的に、ご飯より粉物が好む。別にご飯が食べれないわけではないが。
カレーライスのライスをナンに変えるくらいの気遣いを、執事はしてくれていた。
367 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/29 00:21:36 evqNUYBI 322/754今晩は以上です。次回はオートでもう一つの地下室です。
午後7時16分 召喚者の屋敷 地下室
蘭?「“お話は、何ですか”」
元太と『彼女』が食べた後の食器を作業机に置いてから(元太はやはりカレーライスを完食した。『彼女』もカレーとナンを完食)、
召喚者にそう問うた。
召喚者「“術式の生贄に使えそうな人間が、先ほどこちらの探知術式に引っ掛かったの。貴女と同じ15歳だった”」
蘭?「“見つかるの早いですね。もっとかかると思ってました。
その引っ掛かった方、……性別は?”」
召喚者「“女性よ。貴女と同じ”」
蘭?「“その女の子の遺体、今どこに置かれてるんですか?”」
これから『彼女』らが行いたいのは、人の遺体を生贄にした術式。
召喚者が発動させていたのは、そのための『生贄に使うにあたり、相性の良い遺体を探知する魔術』。
だから、探知魔術に引っかかったのは、相性の良い遺体、であるはずだが……
召喚者「“それが、……まだ死んでないみたい”」
蘭?「“え?”」
召喚者「“どうやら自宅で瀕死になった時に、こちらの術式が探知したようね。
今も死の淵を行ったり来たりしていて、探知の魔術も、反応したりしなかったりを繰り返してるの。
自宅で瀕死になった後、すぐ運ばれて、……病院(ホスピタル)の集中治療室(ICU)に移動してから動いてないのは確認しているわ”」
蘭?「“自宅で瀕死、ですか? いったい何が”」
召喚者「“その女の子、自宅で首を吊ったみたい”」
蘭?「“つまり、……自宅で自殺を図って、今、治療を受けている、と”」
召喚者「“ええ”」
蘭?「“それで瀕死で、集中治療室(ICU)ってことは……、脳が損傷を受けて死にかけているんでしょうか”」
召喚者「“……そうなのかもしれないわね。
ところで、今夜はどうしましょうか?”」
蘭?「“え?”」
召喚者「“その女の子、生贄にするのに、とても都合が良いでしょう?”」
蘭?「“確かに……、そうですね”」
完全に死んだ後の遺体を盗むより、瀕死になっているのを殺す方が、手間としては楽だ。
召喚者「“死ぬ前に盗みに行くとして、
……下準備が居るから、すぐ動き始めても今夜遅くになるし、その時相手の状態がどうなってるかわからないけれど」
蘭?「“仮にやるとしたら、……ベッドの周りに誰かが居る状況で、連れ出すのは危ういでしょうね。
生きてる人間を力押しで排除しながら盗むのは、魔力的にキツいでしょう?”」
召喚者「“……そうね”」
蘭?「“準備だけはやっておいて、……定期的に監視して、機会があったら動き出しませんか?”」
召喚者「“なるほど。……それが良いわね”」
371 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/29 23:02:38 M2K4FqTU 326/754
↓1 首を吊った女の子はどうなった? 『すぐ亡くなった』『意識不明が続いた』『意識を取り戻した』から3択でどうぞ
372 : 以下、名... - 2013/12/30 00:55:02 kl.iWsbM 327/754意識を取り戻した
午後9時35分 召喚者の屋敷 もうひとつの地下室
誘拐されて以来、元太の1日は、この部屋のベッド周辺で完結している。
トイレの代わりにポータブルの洋式便器があり、風呂に入れない代わりに毎晩濡れタオルで体を拭き、服も毎日その時に着替え、
食べ物や飲み物は、『姉ちゃん』か『あるじ』が部屋の外から十分な量を持って来る。
『姉ちゃん』は、夜はこの部屋のもう一つのベッドで寝るのだが、普段はこの部屋の外に出ており、
1日のうち大体の時間、元太はラジオと共に放っておかれる、のだが……
蘭?「元太くん、ちょっとおしゃべりしながら、夜更かしに付き合ってくれないかな?」
本来寝る時間だというのに、もう一つのベッドに腰掛けた『姉ちゃん』は、そう話しかけてきた。
元太「え? 何で?」
蘭?「今日は、夜遅くまで起きてなきゃいけないことがあってね。
元太くんが眠いなら無理に合わせてくれなくてもいいけど」
元太「ふぅん、別に構わねぇけど」
蘭?「そう、……ありがとう」
元太「でも、何話せばいいんだ? 俺が何で誘拐されたのかは……」
蘭?「話せないよ、もちろん。話せないことはいっぱいあるけど、
……そうだね、歌を歌ってあげようか」
元太「歌ぁ?」
蘭?「うん、遠い場所の歌。……ほんとうの歌詞も教えられないけど。
『ラララ』でしか歌えなくても、暇つぶしにはなるでしょうね」
『姉ちゃん』は少しだけ苦笑を見せた後、本当に歌い始める。
落ち着いた調子の、聞いたことのない旋律だった。
『サキュバス』の生家は、宿屋を兼ねた酒場だった。母が死ぬなり傾き始めた、宿屋兼酒場だった。
母は『サキュバス』同様美しく、しかし若いころは、今の『サキュバス』とは比べ物にならない優秀な術師だった。
魔力を込めて正しく歌われた歌詞は、客を魔力的に癒す。
母は、酒場に立って、求められて歌を歌っていた。『サキュバス』が12歳の夏に母が死ぬまで、それが酒場の日常だった。
酒場で良く歌われていたのは、誰もが知っている竜と姫の神話で……
――お前達の想像とは違うのだ、姫よ。愛に恵まれた巫女たる姫よ。
邪神ではなく、従って操られた神官の紋章のせいでもない。
無論、この夜明けの丘で捧げた、その勇者には意味が無い。
お前達が餓えたのは、世界の調和が乱れたせいだ。
正しく発音すれば魔力が勝手に入ってしまうが、『ラララ』で旋律を追う分には問題ない。
旋律に合わせ、勝手に歌詞を頭の中で想像しても、……あの酒場での母の記憶を思い出したとしても、
魔力の消費という観点での問題は、一切無い。
召喚者「……盛り上がっているところ、ちょっと良いかしら」
蘭?「ラー…… ッ!」
本当に歌に集中して周りが見えなくなっていたらしい。あるじが部屋に入ってきたことに気付かなかったのだから。
召喚者「ちょっと外で話しましょう、事態が動いたの」
誰のどんな事態なのか、主語は言わなかった。
377 : ◆oJG7c/xJmM - 2013/12/30 22:35:20 zyPuq5MU 332/754今日の投稿は以上です。明日は祖父母宅に泊まりのため、更新は厳しいです。
年明けの明後日より投稿を再開します。オートで、召喚者の屋敷での会話が続きます。
今年は本当にありがとうございました。皆様、良いお年を。
午後9時43分 召喚者の屋敷 地下室
召喚者「“例の、自宅で首を吊った女の子なんだけど、……意識を取り戻したみたいなの”」
蘭?「“ええ? 瀕死だったんでしょう? 生命力が強いんですね……”」
召喚者「“そうね……
一応、探知の術は切って、その代わり、女の子本人に監視の術を付けてるわ。
ついでに、身元も調べてみたの”」
蘭?「“……どんな子、だったんですか?”」
召喚者「“よくいる女の子よ。ちょっと、この言葉では言いづらいから、……私に近づいて”」
隣室の元太に聞き取られるのを防ぐつもりらしい。
召喚者は、そばに居ないと聞き取れないくらいの声量で、日本語でささやいた。
召喚者「父親は江川 一(えがわ はじめ)、母親は江川 桜子(えがわ さくらこ)、そして女の子本人の名前は、江川 沙希(えがわ さき)。
杯戸町に住んでいる3人家族らしいの。
で、沙希ちゃんは地元の杯戸中学校の3年生、みたいね」
蘭?「兄弟はいないんですか?」
召喚者「いないみたい。一人っ子よ。
……“それで、こちらの言葉に戻したうえで、更に相談なのだけど”」
蘭?「“……はい”」
召喚者「“この女の子、あつらえたのかと思うくらい、私達の術にピッタリな子でしょう?
魔力的に相性が良いだけでなく、年齢も貴女に近い”」
蘭?「“……そうですね。相性が良い人がどれくらいいて、いつ死んでいくか、読めませんからね。
次に探知魔術が引っ掛かるのはいつになるやら……”」
魔力的に相性が良いかどうかというのは、人間の輸血や、骨髄移植と似ている。
要は、魔力に対する耐性の型が、『サキュバス』の型と適合するかどうか、という問題なのだ。
また、同じ型を持つ人間の性別や成育歴や性格に、共通点を見つけて一般化するのは不可能、という点でも血液型と似ている。
坂田と、沼淵と、元太と、蘭が、同じ型だったのは、あくまで偶然に過ぎないのだ。
『サキュバス』と相性の良い人間は、割合的には結構珍しい方らしい、少なくとも多数派ではない、というのは、
『サキュバス』も召喚者も体感として分かっている。
この子を、沙希を逃したら、相性が良くて年齢・性別が同じ人間が手に入る機会を、更に待たねばならない……
召喚者「“貴女が望むならば、協力するわよ。この女の子を生贄にするために”」
蘭?「“有り難うございます。……それにしても、変わりましたね、あるじ。
『サキュバス』が『蘭』を巻き込むことを、すごく嫌がっていたのに”」
召喚者は、元太が居る部屋へのドアを指す。
召喚者「“私が覚悟を決めたのよ。……あの子の誘拐を決めた時からね”」
蘭?「“……ありがとう、ございます”」
召喚者「“それで、貴女は、この、意識を取り戻した女の子をどうしたい?”」
目だけ見えている真っ黒な仮面の顔を、『彼女』はまっすぐ見つめて、答えた。
蘭?「“……生贄にしましょう、……但し、自殺をやり直したか、失踪した上で私達が連れ去ったと、……偽装する形で”」
382 : ◆oJG7c/xJmM - 2014/01/01 23:16:48 DAT4IlqI 336/754あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
↓1~しばらく募集 魔術を使い、沙希の自殺or失踪を偽装したうえで誘拐する手法を考えてください。
『暗示』『視線妨害』『結界』『転移』の魔術が組み合わせて使用可能で、使う魔術が少ないほど成功率が上がります。
なお、屋敷の外(=病室など)に出られるのは召喚者のみです。
383 : 以下、名... - 2014/01/02 00:40:03 s4IGORjE 337/754視線妨害をつかった召喚者が、沙希に病院からでるように暗示をかける
沙希が病院から出たあと、人目につかない場所で転移の魔術で誘拐する
384 : 以下、名... - 2014/01/02 21:17:27 8Qu9OL9g 338/754・面会禁止時間に転移で病室に移動し、対象者と一緒に病院外に転移する
・関係者全員に暗示を使って、入院中の女の子は自殺したと暗示をかける
本物の女の子は全員から別人として認識される
本物には別の暗示をかけて召喚者のところに移動させる
385 : ◆oJG7c/xJmM - 2014/01/02 22:41:13 jC7by.KM 339/754
こんばんは、作者です。
話を始める前に上で提案していただいた誘拐手法の成功判定を行います。
使用する魔術が1つ=成功率95% 2つ=成功率70% 3つ=成功率45% 4つ=成功率20%、となります。
>>383の手法では『視線妨害』『暗示』『転移』の3つで45%
>>384の手法では上の手法が『転移』1つで95% 下の手法が『暗示』1つで95%になります。
386 : ◆ZAt1KhYTJ2 - 2014/01/02 22:42:08 jC7by.KM 340/754
このトリには数字を仕込んでいます。
安価で0~99までの数字を提示してもらいます。
トリの数字と安価の数字を足して下二桁の数字が、判定の成功率以下ならば成功、それより上なら失敗となります。
成功する手法が複数出た場合は作者が書きたい方で書きます。
↓1 >>383の手法の判定です。0~99までの数字をお願いします。トリ内の数字と足した数が45未満で成功です。
↓2 >>384の上の手法の判定です。0~99までの数字をお願いします。トリ内の数字と足した数が95未満で成功です。
↓3 >>384の下の手法の判定です。0~99までの数字をお願いします。トリ内の数字と足した数が95未満で成功です。
387 : 以下、名... - 2014/01/02 22:45:11 1XK1BpGk 341/75421
388 : 以下、名... - 2014/01/03 02:43:14 NV.ujqw. 342/75421
389 : 以下、名... - 2014/01/03 17:31:31 yjutHzO6 343/75446
390 : ◆oJG7c/xJmM - 2014/01/03 20:26:21 1GGI.Ja2 344/754レス有り難うございました。
トリは #183951de でした。それでは判定します。
>>383の手法の判定(トリ内の数字と足した数が45未満で成功)→18+21=39 成功
>>384の上の手法の判定(トリ内の数字と足した数が95未満で成功)→39+21=60 成功
>>384の下の手法の判定(トリ内の数字と足した数が95未満で成功)→51+46=97 失敗
……ということで、成功する手法が2つです。この判定をもとに話を続けます。
午後9時50分 召喚者の屋敷 地下室
召喚者「“それでは、どういう方法で、この女の子を誘拐すればいいかしら?”」
蘭?「“……あるじは、暗示の術も使えましたよね?
関係者全員に暗示を使って、『その子は自宅で自殺に成功した』って暗示をかけてから、その子本人を別人だと認識させれば……”」
召喚者「“発想は面白いけど、……それをすると失敗しそうな予感がするわ。
複数人相手に筋が通った物語を暗示で植え付けるのは、結構難しいもの。どこかで必ず破綻する”」
蘭?「“そうですよね。
それじゃあ、……本人に暗示をかけて、病院の外に出させてから、人目のつかないところで転移で連れ去るのはどうでしょう?
暗示をかける時にあるじが視線妨害をかけておけば、あるじが目撃されることもないでしょうし……”」
召喚者「“……そうね。
白昼堂々失踪したと思われるなら、それが良いでしょうね。
ただ、……真夜中であれば、転移の魔術だけでいけるかもしれないわ”」
蘭?「“え?”」
召喚者「“病室に転移で侵入して、転移で連れ去るだけの方法で”」
蘭?「“それ、……どうやって自殺したと偽装するんです?”」
召喚者「“……着ている服を使えばいい”」
蘭?「“どういうことです?”」
393 : ◆oJG7c/xJmM - 2014/01/03 21:17:43 1GGI.Ja2 347/754今日の投稿は以上です。
次回はオートで病室のシーンになります。
第3話 【 中編 】 へ続く。