【第一話】 【第二話】 【最終話】 【アフター】
――『明け色の陽射し』極東支部 夕食後
バードウェイ「――さて、諸君らに集まって貰ったのは他でもない」
上条「……何?急にどうしたんですか、ボス」
バードウェイ「非常に全く極めて遺憾な事態が発生してしまった事を報告しよう」
上条「またかっ!?またどっかの魔術師が攻め込んで来やがったのかよっ!?」
円周「うん、うんっ!全っ然、全然気は進まないけどっ!新手の顔を剥ぐ毎日が帰ってくるだよね……ッ!」
上条「やだこの子反省してない」
シェリー「ってかどう見ても嬉々としてる……つーか鬼気、かぁ?」
上条「お前ら何なの?どうしてそう好戦的なの?話し合いでどうこうしようってハラはねぇの?」
バードウェイ「武器を突きつけられた上、中指を立てて『仲良くしようぜ!』と言う人間は取り敢えず敵だと割り切る事にしている」
バードウェイ「生憎、それで困った事もないがね」
上条「つーかまた敵なの?俺がまた関係各位に頭を下げて回る日々が始まるの?」
バードウェイ「いやいや、そんなに面白い話ではないんだ。むしろ私としては不本意で、正直躊躇っている」
シェリー「へぇ?珍しいじゃねぇかよ」
円周「その割には楽しそうにしているけど、見間違いなのかな?かなっ?」
上条「その語尾は止めなさい。それ以外は同感だが」
バードウェイ「まさか私も身内に犯人が居るとは思いたくなかったさ」
上条「犯人、ってまた穏やかじゃねぇなぁ。何かあったのか?」
バードウェイ「――犯人はこの中にいる……!」
上条「……はい?」
円周「……レヴィちゃんの気持ちも分かるけどさ、この雪で閉ざされたロッジの中で、犯人捜しはやめにしない、ね?」
上条「俺の部屋だよね?つーか雪って何?年末頃にちょっと降ったけど、それ以外は乾燥してるよね?」
円周「当たっていればいいけど、そうじゃなかったらホラ、ね?誰も得をしないんだから」
円周「ここは黙って、警察の人が来るのを待つべきだと思うんだよ、うんっ」
上条「推理小説でありがちな『ゲストヒロインで実は真犯人だった!』ってリアクションだよね?」
元スレ
バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 ~断章のアルカナ~
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1378160982/
上条「つーかそれ前回やって大恥かいた可愛いけど残念な子act2が居たんだけど、もしかして気に入ったの?」
シェリー「あぁ?探偵ゴッコなら勝手にしてりゃいいじゃねぇか。けど付き合うのはゴメンだわ」
シェリー「私は部屋に帰る!犯人が居るかも知れないのに、一緒になんて過ごせる訳がない!」
上条「シェリーさんも一枚噛んでるの?つーかそれ完全に死亡フラグだからね、割と鉄板な」
円周「大体主人公をバカにした人から殲滅していくよねぇ。だったら普通探偵さんが第一容疑者へ回ると思うんだけど」
上条「あれは『ほら、主人公の捜査に協力しないと死にますよ!』って、話の流れをスムーズにだね」
シェリー「常識的に考えりゃ身バレすっかもしんねぇから、探偵真っ先に殺るよなぁ?」
上条「お前もお前で日本の文化に慣れすぎだよね?相○?最近人気落ちてるアレ見たせいなの?」
上条「ってか犯人って何だよ。誰かがお前のアイスロール喰ったとか?」
バードウェイ「……まさか私がたかがデザート一つでムキになるとでも?」
上条「また作ってやっから、なっ?」 ポンポン
バードウェイ「今すぐに私の頭から手をどけろ新入り。麻酔ナシで引き抜くぞ」
上条「機嫌を取ろうとしただけなのにペナルティが重すぎるわっ!」
円周(チラシの裏に手書き)『ここでボケて!!!』
上条「無理じゃんか!?どう考えてもちっこい悪魔が逆ギレするわっ!」
シェリー「悪魔って正しく認識してんのは良いと思うけどな。まぁした所で打開策は無い訳だけど」
バードウェイ「ま、否定出来ない所ではある――では気を取り直して、解明編と行こうじゃないか」
上条「待て待て。解明以前に、俺らどんな事件――つか、何が起こったかすら聞いて無いんだけど」
上条「問題も分かってないのに推理だけ聞かせられても、正直ワケ分からんっつーかな」
バードウェイ「ちなみに途中で犯人が名乗り出れば、罪は減刑される」
上条「だから聞けっつーのに」
バードウェイ「逆に最後まで自供しなかった場合――」
上条「ば、場合は?」
バードウェイ「――私が異変に気づいたのは、そうだな……十日ぐらい前か」
上条「言おう?そこは先に言っとかないと、『あ、それじゃ自供しよっかなぁ』ってはならないよね?」
上条「俺犯人じゃないけど、たぶん。うん、きっと……でも覚悟はしてるけど、念のために」
円周「ってかレヴィちゃん減刑する気ないもんね?最初っからどんな刑か言ってなければ、どんな刑でも自己申告でしかないから」
上条「どゆこと?」
シェリー「あー、最初に『ケツバット100回』って言ってれば、自供すりゃ99回以下にすんだろ、普通は」
円周「けど言ってないから、『減刑して100回にしといたら』的な事が通るんだよねぇ、うん」
上条「鬼っ!悪魔っ!このブラックロッジめ!」
バードウェイ「以前のアパート、私達『明け色』の極東支部が半壊した時にまで話は遡る」
上条「お前もパワープレイはいい加減にしないと。強くてニューゲーム並みの強引さってどうなの?」
バードウェイ「一度私はここを引き払い、『笛吹男』との対峙に専念した――まぁ、詳しくは控えるが」
上条「待とう?つーか、おかくしないか?俺ら今、どこの時間軸にいるの?」
上条「なんかこれ時系列、杉井×先生のやらかした暴言&頭イタイ自作自演並みにあやふやにする気満々だけど、今一体いつ頃なの?」
上条「こないだシェリー追いかけて『必要悪の教会』の女子寮行った気もするし」
上条「他にもメイドカフェでビリビリのストーカーをストーカーしているストーカー退治、ってややこしいな!」
シェリー「普通は最初から最後まで構想立ててから書くしなぁ?『最初から端折った』ってのは普通無いわけだし」
バードウェイ「――で、別のアジトで数えていたら少ないんだよ、これが」
円周「何が?」
バードウェイ「私の――ぱんつが」
上条「あれ伏線だったのかっ!?てっきり『やっちゃった』的な一発ネタだと思っていたのに!?」
バードウェイ「――この中に一人、犯人がいる――!!!」
円周・シェリー「この人(こいつ)が犯人です(だな)」 ピシッ
上条「ソッコーで指さしやがった!?つーかお前ら事情知ってんじゃねぇかよ!」
バードウェイ「見たかこの推理力!僅か数分で解決に至るとはなっ!」
円周「わたしが変態こじらせた方が良かったのかな?鞠亜ちゃんが見てる、的な」
シェリー「面倒臭ぇからこれ以上持ち属性増やすな。下手に主人公の相方ポジに入っても、変態扱いされんぞ」
上条「白井は……うん、もうちょっと神様控えめにした方が。っていうか押しの強い子に持って行かれているっていうか」
上条「ガチでやり合ったら学園上位に入るんだろうけど、最近ネタキャラ……うん」
バードウェイ「で、被告人?刑の執行前に言い残す事はないか?」
上条「もう確定済っ!?せめて裁判は開こうぜ!?なっ!?」
円周「せめて一本ぐらいは残してあげて欲しいよねぇ。お兄ちゃんの決め台詞も言えなくなっちゃうし?」
上条「お前それっ遠回しに『腕落とせば?』つってねぇか!?なあぁぁぁっ!?」
シェリー「オイオイ、相手はマフィアもビビって逃げ出す悪の秘密結社だぞ?そんな甘っちょろい考えが通用するかぁ?」
上条「お前ら冤罪だって知ってるでしょーがぁぁぁっ!?事実を言ってやってくれってば!」
円周「レヴィちゃんが引き上げた日、お兄ちゃんが『ぱんつどうしたらいいかな?』って」
上条「そうそうっ!そんな感じで!」
シェリー「『捨てるのもアレだし、私らのどっちかに預かってて貰えば?』つったのよ、一応は」
上条「そうそう……あれ?この展開って」
円周「『まぁその内考えればいいか、今は俺の手にあるんだしくんかくんかはぁはぁぺろぺろ』って言って曖昧に」
上条「後半深刻な捏造が加えられているよね?」
バードウェイ「つまり前半は正しかったという事かね」
上条「……はっ!?い、いや違うんだ!これはお前が洗濯に出したまま忘れていったからで!」
円周「ってかさー、あの後どうしたの?翌日ぐらいにアパート半壊しちゃったし、巻き込まれたとか?」
シェリー「だったら不可抗力じゃねぇか、お前もンなに怒る程の――あん?」
上条「……」
円周「どしたの?――あっ、何か心当たりがある、とか?」
バードウェイ「だよなぁ、上条当麻君。君には覚えがあるだろう?どうしてこの馬鹿話がここまでデカくなったのか、その理由がだ」
上条「……違うんだっ!?あれは不可抗力で!」
シェリー「え、マジで何かしやがったのか!?」
上条「疚しい事はしてないよっ!でも、ほらっ……疚しい事は、してないよ?」
円周「お兄ちゃんがそこまでキョドるってのも珍しいよねっ。ホントに何があったの?やらかしちゃったの?」
円周「……ぺろぺろ、的な?『このスレには18歳未満は出ていません』って、今の内に言っとく?」
上条「絶対に違う!下着には興味無ぇよっ!」
シェリー「『12歳児もイケる口です』って断言すんのはどうかと思うぜ。いやマジで」
上条「一般的な男の性癖の話をしているだけですからねっ!」
バードウェイ「そ、それで貴様っ!?道理で最近目が合うと思ったら――」
円周「うん、それは確実にレヴィちゃんが見てるだけだからね?」
上条「良かった……最近円周がツッコミ要員になってくれたお陰で、俺の負担が……!」
シェリー「ってボケるくらいには余裕あんじゃねーか」
上条「……あれは俺がメシの片付けをしている時だった――」
シェリー「たかがぱんつに回想か!?」
――回想 バードウェイが居なくなった日の夕食後 台所
上条(洗い物は終りっと。結局一人分多くても残らなかったなぁ)
上条(意外とシェリーは空気読むから、多く食べたのかも知れないけど)
上条(円周は……まぁ、マイペースなのは良い事だよ)
上条「……」 キュッキュッ
上条「……良し、と」
上条(次は洗濯を畳んで――って、あぁバードウェイのぱんつ、これこれ)
上条(どうしたもんかなー?嫌がらせな気がしないでもないけど、まさかこんなしょーもない地雷を仕込んだ訳じゃないだろうし)
上条(いやでもこういうのって、ラブコメではよくあるパターンじゃん?例えばさ)
上条(ハンカチ代わりに持ってて、何かの拍子で取り出して汗を拭いて『きゃー変態―!どーん!』みたいなの?)
上条(ってかアレもオカシイよね?主役の子、それ以前にハンカチ使った描写がないのにいきなりだからね?)
上条(普段から使う習慣がないのに、ハンカチ入ってたら警戒するだろうけど……まぁまぁ)
上条(後は……あぁ、何かこう、ヒロインとぶつかったり、持ち物検査をされて『は、ハレンチなっ!』って感じか)
上条(ってか持ち歩かないよね?返す前に誤解されるから包むよね?最低でも)
上条(対処的にはそんな未来はウソであ○の高○君がベストだと思うけど)
上条「……」
上条(だよなぁ?普通はそうするよね?)
――回想終り
上条「――って、感じで」
円周「紙袋に入れたの?ちぇーっ、常識的でつまんないやー」
シェリー「ま、そんなもんでしょうよ。ってかそれでキレる意味が――もしかして、違うのかよ?」
上条「……なんか、こう、さ?袋だと妙にリアルじゃん?だからね、小さな紙箱に入れたんだよ」
上条「縦横高さ5cmぐらいの空き箱がたまたまあったから」
円周「こないだ実家の父さんと母さんから届いた、旅先で買った赤べこのキーホルダーのだっけ?」
上条「うんまぁお前の両親じゃないけど、それの空き箱」
シェリー「何故か四人分あって戦慄を禁じ得なかったんだよなぁ」
上条「一言も言ってないのにな!母さんはそーゆー人らしい」
シェリー「んー……まぁ、いいんじゃねぇのか?つーかどんだけ下手打ったのか怖かったんだけど、至極真っ当じゃねぇか」
バードウェイ「……確かに私も否定はしないよ、クロムウェル。ここまでは良かったんだ、ここまでは」
バードウェイ「というか貴様、それだけじゃないよな?箱を用意して入れただけじゃ済まなかったよな?」
円周「え、お兄ちゃんこの上に何かやらかしたの?」
上条「……俺らまぁ、多少仲良くなったとは言え、他人は他人じゃない?家族程は、うん」
上条「だからまぁ、他の人が間違って開けないように、梱包したんだ――」
シェリー「はぁ?それのどこがおかしいって」
上条「――手近にあったのがね、クリスマス用の包み紙とリボンしかなかったんだな、これが」
シェリー「あー……」
円周「ま、まぁまぁ?うんっ、それはねっ!季節柄仕方がなかったんだと思うよねっ!仕方がない仕方がないよっ!」
バードウェイ「そうだな、否定はしない。それだけであったのであれば」
円周「え、まだ続くのっ!?」
バードウェイ「あれは――そう、クリスマスイブの日だった……」
シェリー「引っ張る必要無くないか?口頭で簡単に言やぁいいじゃねぇか」
――回想 上条家 クリスマス 昼間
テレビ『――はいっ、今日は世界各地にサンタさんが――』
バードウェイ「……」
バードウェイ(クリスマスなぁ、クリスマス)
バードウェイ(基本十字教圏では『家族や友人達と共に過ごす』んだが、まぁ楽しみ方は人それぞれだろうか)
バードウェイ(よく日本を多神教国家として称し、その一例にクリスマスを挙げられるが)
バードウェイ(その実、全然崇めてない――どころか、騒ぐ口実に使う辺りはむしろ不道徳)
バードウェイ(……ま、それは日本に限った事ではないか)
バードウェイ「……」
バードウェイ(今日は五人――いつもの面子にパトリシアを加えて、ささやかながらパーティか……ふむ)
バードウェイ(悪くはない。悪くはないんだし、海外であれば当然なのだが……ふむ?)
バードウェイ(○○――に、なっての初めての、クリスマスなんだが。そこら辺をもう少し汲むべきだな)
バードウェイ「……」
バードウェイ(……まぁ?そこはそれ、そういう可愛いというか、こちらが率先してイベントを振っていくべきだと思う)
バードウェイ(……とはいえ、なんだ。そう、サプライズの一つぐらいあってもいいだろうに)
バードウェイ「……うん」
バードウェイ(どれ、ここは一つ学校にでも押しかけて――)
ピーンポーンッ
バードウェイ(誰だ?)
配達員『XX宅急便でーす!お届け物に参りましたーっ!』
バードウェイ「……日本語がおかしいんだが」 ガチャッ
配達員「あ、おはようございます。XX便です。えっと、上条当麻様のお宅はこちらでしょうか?」
バードウェイ「あぁ」
配達員「上条当麻様方の、レ、レイなんとか、バードウェイ様もこちらに?」
バードウェイ「私だが――私にか?」
配達員「お荷物が届いております。お受け取り証明書にサインか判子をお願いしまーすっ」
バードウェイ「だから日本語が間違っている――誰からだ?」 カキカキ
配達員「えっと……上条当麻様、ですね、はいっ」
バードウェイ「――!」
配達員「――っとはい、確かに頂きました。では失礼――良い悪夢を」
パタンッ
バードウェイ(これは……)
バードウェイ「クリスマス風にラッピングされた小箱……まさかっ!?」
バードウェイ(待て待て、落ち着け。あのバカが気の利かせる筈がない!)
バードウェイ(どう考えても大きさといい、重さといい、軽いモノが入ってるとしか思えないのだが!)
バードウェイ(箱にはバカの筆跡で「バードウェイ」って書いてあるし!誰かのドッキリじゃないよな、これは)
バードウェイ(これはやはり……エンゲージリング、的な)
バードウェイ「」
バードウェイ「……良し!落ち着こう、お前は誰だバードウェイ?」
バードウェイ「『明け色の陽射し』総帥にして、輝かしい栄光の正当後継者たる私が。たかだかこれぐらいで取り乱す訳がないだろう?」
バードウェイ「……」
バードウェイ「取り敢えずは両親に挨拶か、うん」
バードウェイ「多少私は若く見られがちだが……上条夫妻もどう見ても同類だし、問題はない。血は争えんか」
バードウェイ「父親は商社の営業マン。正月休みには帰ってくるだろうし、挨拶も兼ねて丁度良い」
バードウェイ「問題はオマケ二人――」
バードウェイ「――は、最悪事故に遭って貰うしかないか。偶然とは怖いからなぁ」
バードウェイ「それよりも、問題はこれだな。こういうのは直接渡すに限る」
バードウェイ「幾らオマケ二人が引っ付いているからといって、こう、昼間コッソリというのは……卑怯、なんだからなっ!」
バードウェイ「まぁいい。それは後日もう一度させるとしてだ」
バードウェイ「問題はサイズ、だな。これで少し大きかったりしたら、昼間の内に直さねばならん」 ガサガサ
バードウェイ「手のかかる相手だが、まぁ――惚れた弱みか、うん」 ガソゴソ
バードウェイ「……?これは……!」
バードウェイ「――ぱんつ?」
――回想終り
上条「……あぁ、成程!だからあの日帰ってきた俺は魔術ぶち込まれたのな!あー、納得納得!」
シェリー「日常的に攻撃されてるせいで、慣れっこになってんのな。不憫な奴」
円周「っていうか今、『笛吹男』さんっぽい人が出てたような?それともあれかな?」
円周「素人の怪談話であるように『よく憶えてないんだけど』って言いながら、小説家並みの精度と記憶力で憶えている的な?」
シェリー「100%作りじゃねぇか。いや、そっちの方が良かったけどもだ」
円周「あとレヴィちゃんが意外に家庭的だって事だけど、突っ込まない方が良いのかな?」
シェリー「年相応じゃねぇのか?魔術と裏社会は熟知してても、それ以外は疎いって話でしょうし」
バードウェイ「そんな事はどうだっていいんだよ!問題は貴様がやった事だ!」
シェリー「つまり、この話ってのは」
円周「お兄ちゃんがぱんつを確保してて、でもって適当にラッピングしてて、箱に名前まで書いちゃってた」
シェリー「ま、そうしときゃ普通は開けないもんな。普通は」
円周「で、『笛吹男』さんは爆破後のアパートで拾って『あ、これ大切なもんじゃね?』って、日時指定で配達予約してくれた、と」
シェリー「それ自体はいい話だな。そこだけ聞けば」
円周「一言で切って捨てれば『バカ』だけどねぇ、うんっ」
バードウェイ「――さて、そろそろ良いか。いたいけな少女を弄んだ罪は知ったな?」
上条「俺悪くねぇじゃんか!?むしろどっちかっつーと気ぃ遣った方だよねっ!?」
バードウェイ「残念だが結果が出なければ意味はないのだよ」 スチャッ
上条「そ、それはっ!?あの爆発の中も耐えきったというのか!?」
バードウェイ「ほーら。お前の好きな『スーパーふわふわウルトラかわいいミラクル虐殺肉ミンチ機能付きラブラブブリティ白ウサギグローブ』だぞー」
円周「略して虐殺ウサギグローブってしなかったっけ?」
バードウェイ「じゃそれで」
上条「あばばばばばばはばばばばばばばばばばばはっ!?」
シェリー「おー、超振動している、ってか出力上がってねぇか?」
バードウェイ「手直しする際に少しだけ出力上げておいた。ドMには垂涎モノだぞ?」
上条「俺はドMじゃあばばばばばばばばばばばばばはばばばばばばばばっ!?」
シェリー「なんて?」
円周「『嫌いじゃない。むしろ興奮する。だって俺はドMじゃけんのう』」
シェリー「おー、完璧なエミュレーションだなぁ」
上条「だからお前ら見てあばばばばばばばばばばばばばはばばばばばばばばっ!?」
――翌日 ショッピングモール 正月休み中の午前
バードウェイ「いやー混んでいるなぁ。各人一斉に休みが入るのであれば仕方がないか」
パトリシア「ですねー、あんま言っても仕方がないですし」
バードウェイ「どーにも鬱陶しくして適わない。大丈夫か、妹よ?」
パトリシア「あははーっ、お姉さんは心配性なんですからっ」
バードウェイ「そうだな、転んで服が汚れてびーびー泣いてたのは僅か半年前までの話だったな」
パトリシア「気遣ったんじゃなくて遠回しに攻撃されていたっ!?」
バードウェイ「お前も成長――は、してないよな。姉より優れた妹など存在せんわっ!」
パトリシア「ジ○キ様ですかっ!?」
上条「……あのー?」
バードウェイ「何だ?」
パトリシア「何でしょう?」
上条「あ、そういう表情は似てるかも――って違うよ!そうじゃねぇよ!」
バードウェイ「○ャキじゃなくて○ャ“ギ”だな。たまーに間違うんだ、あれ」
パトリシア「名前を言って良いのか悪いのか、どっちなんでしょうね」
上条「聞けよおまいら!特に確信犯的に話をズラす性格悪い方のちっこいの!」
バードウェイ「――貴様、私の妹に暴言を吐いたなっ!?」
バードウェイ「幾ら完璧な姉と比べられて惨めな思いをするからと言って、その暴言は看過出来んぞ!」
パトリシア「あの、お姉さん?お義兄さんが言ったのは、多分私じゃないと……っていうか、真顔で『えっ?』ってされても」
上条「『確信犯じゃなく故意犯だろ』って返ってくるのかと思えば、スルーされて悲しいけど」
上条「つーかパトリシアの呼び方もなんか、こう……?」
上条「まぁそれは置いとくとして、なんかおかしくねぇかな?」
バードウェイ「だから何だと聞いている……あぁ両手に花の状態で戸惑っているのだな。このシャイボーイめ」
上条「いや別にそういうのは全然ないですからね?」
バードウェイ「残念だな、妹よ。こいつに取ってお前は花ではないらしい」
バードウェイ「可憐な気高く美しき過ぎる身内を持つと、どうしても比べられてしまうなぁ?」
上条「なぁパトリシア、お前のねーちゃんって何食ったらこんな風にポジティブになれるの?見習いたいぐらいなんだけど」
パトリシア「そろそろ個人的にもムカついてきてるんで、一発キツいのをどうぞ」
上条「ってかお前も散々ボケてた筈だけど――つーかさ、聞いていい?」
上条「パトリシアの体験入学みたいなの、あれって二週間で終りじゃなかったっけ?
バードウェイ・パトリシア「……」
上条「それがどうして年越しちゃってんの?つーかあれ秋頃の話じゃ」
バードウェイ「――では本来の目的を憶えているか!」
パトリシア「はいっ!今日はお買い物に来ているんでしたっけ!」
上条「誤魔化すにしてももうちょっとあるだろ、方法は」
バードウェイ「どっかのバカが私のぱんつを隠匿した上、丁寧に包んで大事に保管していたからな。枚数が足りなくなった」
パトリシア「うわぁ……」 スッ
上条「引くな引くな引く――いや、引くけどねっ!それは良かれと思ってやったんであって!」
上条「俺は別に好きでやった訳じゃねぇよ!むしろ良くやった方だし!」
パトリシア「そういうプレイを人前でするのは良くないと思いますしっ」
上条「やべぇな、やっぱりここ俺一人しかツッコミ居ないみたいだ!」
バードウェイ「あぁホラ、いつまでも馬鹿やってないで行くぞ」
上条「いやだからバードウェイさん口悪いよ?そろそろ直そう?」
――輸入洋品店
カランコロンッ
バードウェイ「お邪魔するよ」
パトリシア「こんにちわーっ!」
上条「ってここ。前スーツ貸して貰ったトコか」
バードウェイ「昨日の夜『持ってこい』と伝えてあった筈だが?」
上条「悶絶してたよね!?主にお前が加害者で円周まで上に乗ってきたけど」
バードウェイ「ほへー、大人になっちゃったんだなぁ、お姉さん」
上条「待とうか?今君は深刻な誤解をしていると思うんだよ。俺はそう確信している!」
老人「ようこそおいで下さいました、レイヴィニア様にパトリシアお嬢様」
バードウェイ「暫くぶり、と言う程でもないが」
パトリシア「本当にお爺ちゃん呼んじゃったんですか。お姉さんいつか破産しますよ?」
上条「……俺は?」
老人「あぁすまない。スペースの若造かと思った」
上条「マークいつもこんな扱いなのかっ!?」
パトリシア「ですよねぇ?サークルのお友達っていうより、マフィアの参謀みたいな感じてすし」
上条「あー……汚れがないよねー、そっちは」
バードウェイ「おっと、妹にまで食指を伸ばすのは遠慮して貰おうか」
上条「“まで”ってなんだよ!?“まで”って!」
バードウェイ「あーウルサイウルサイ。それよりも」
上条「あぁうん。これ、この間ジャケット有り難う御座いました」
老人「話は聞いたぞ、トーマ」
上条「ん、いや別に大した事は」
老人「オリーブ野郎のケツに電柱突っ込んだらしいじゃないか」
上条「それ、俺じゃない。っていうか誰もしてない」
パトリシア「またお姉さん何かしたんですか?」
バードウェイ「なぁに、ちょっとしたポーカーのようなものさ」
上条「お前にとっちゃそうなんだろうが、俺とマークの心労にも気を遣え、なっ?」
老人「口に利き方に気をつけろ、若造が」
上条「お前らが甘やかすからっ!こいつは傍若無人な性格になったんでしょーが!」
バードウェイ「貴様――妹に暴言を!」
パトリシア「ってだから多分きっとそれわたしじゃないですし、ってか話が進まないですよ」
バードウェイ「取り敢えず着替えだな。バックヤードへ行くぞ」
パトリシア「あ、わたしは店内ぐるぐるしてますから。ごゆっくり」
上条「良いけど。またなんかすんの?」
バードウェイ「この間仕立てたスーツが出来たんだよ」
――バックヤード
上条「ってか早いなぁ。てっきり数ヶ月かかるって思ってたのに」
バードウェイ「ふふんっ。実は以前から用意しておいたのだよ。念のため、とは思ったがまさか当たるとはな」
バードウェイ「意外、でもないか。ある意味必然でもある」
上条「当たる、って何が?」
バードウェイ「……」
上条「流さないからな?何かこないだからずっと納得行かないアレコレあるから、まとめて追求するからね?」
バードウェイ「心配は要らないよ。お前が気にするような事は何一つ無い」
上条「そ、そうかな?なんか、俺のあずかり知らない所で着々と既成事実的なものが――」
バードウェイ「なんだね?私が信用出来ないのか?」
上条「そんな事はないって!」
バードウェイ「なら、それでいい。いや、それ“が”いい」
上条「……そのお前の『悪巧みしてますっ!』って顔がね、うん。俺をとてつもなく不安にさせるんですよ」
バードウェイ「もう、全てにおいて手遅れだ」
上条「そこを詳しくっ!」
バードウェイ「義母さ――詩菜さん、最近は近くのジムへ第三位の母親と通うのが趣味なんだそうだよ?」
上条「よおおおおぉっし!新しい服が楽しみだなぁぁぁぁっ!」
上条「何か今不穏な単語が聞こえてきたけどもっ!前を向いて歩いていけば!きっと何とかなるよねっ!」
バードウェイ「大抵はそのまま穴に落ちるんだが、まぁそれはそれで良しとしよう」
老人「――これで御座います」 スッ
バードウェイ「うむ。ご苦労だったな、スペンサー」
老人「有り難きお言葉に御座いますが、若造のツイードぐらいどうと言う事はなく」
上条「若造は余計だっつーのに……黒、じゃないな、紺色のジャケットか?」
老人「藍で染めたんだから藍色だ。なんだ日本人なのにそんな事も知らないのか?」
バードウェイ「言ってやるなよ。我が国よりツイードの手作業はこちらの方が現存しているじゃないか」
上条「それじゃ――って、見た目よりも、堅いな」
老人「ツイードはウール糸を染め上げ、それを綾織りにしたものだ。だから遊びが少ない」
上条「あー、でも暖かい。コート要らないかも?」
老人「スコットランドの羊は寒い所で育つため、毛は太くなるのさ。それを使ってるんだから当然だな」
バードウェイ「元々は確かコート代わりの作業着に着ていたんだよな?」
老人「仰る通りで御座います」
上条「まさにジャケットって感じだけど……あ、でもやっぱ違和感が」
老人「最初だけだ。3年も経てば今は立っている毛が寝て、柔らかくなる」
バードウェイ「少々の雨も弾いて通さないし、カッター程度で斬りつけられても平気だな」
老人「それにそいつは特注製だ」
上条「魔術的な何かが?」
老人「――と、言うよりは、こう」
バードウェイ「……内緒だ、それは」
上条「……気になるんですけど、すっごく」
老人「バカは考えるだけ無駄だから止めておけ。茨姫のばあさんに呪われろ」
上条「だから口悪りいよなぁっ!?」
老人「昔っからお姫様が糸を紡ぐのは勇者のためだって、相場は決まってんだろうが」
バードウェイ「やめないかみっともない。娘を盗られた父親じゃないんだからな」
老人「それが一番適切な表現に思えますなぁ」
上条「なに?お前が糸紡いでくれたって事か!?」
バードウェイ「あー……なんだ、まぁ、暇潰しだな。全部と言うわけではないよ、流石にな」
上条「そっか……ありがとうバードウェイ。大事に着させて貰うよ」
バードウェイ「気にするな、とまでは言わないが、大した事じゃないさ、うん」
バードウェイ「お前には護符も霊装も効かないから、これぐらいは、な?」
老人「感謝しろ若造が」
バードウェイ「――なぁ、スペンサー?」
老人「――これはこれは出過ぎた真似を。では少々野暮用が御座いますので失礼を」
上条「あー、なんだ、スペンサーさん?」
老人「あぁ?」
上条「アンタも有り難う。今は確かに『着られている』って感じだけど」
上条「コイツが似合うぐらいにはなってみせるから」
老人「……ちっ、クソ生意気なジャパニーズめ。呪われろよ」
老人「不摂生でハラが出て着られなくなったら、その時は持ってこい。直してやるから」
上条「ならねぇよ。俺はいつでも健康に気を遣ってんだよ!」
上条「その内、バイトでもしてギャラが入ったら、似合うシャツとか買いに来るから用意しとけよ!」
老人「はぁ?そいつぁ何年後の話だ?バイトなんてもう――あぁいや、これ以上は」
上条「どゆ事?俺の人生バイトも出来ないって、一体何が待っているの?死?」
老人「……まぁジーサンどもは全員納得させたから、後は好きにすると良い」
バードウェイ「仲が良いのは分かったから、男同士でイチャイチャするんじゃない」
上条「した憶えはないんだが……」
老人「精々今の内に楽しんどけ。卒業後には直ぐ人生の棺桶入りだよ」
老人「そん時にゃ、ばあさんの不味いライスプティングでお祝いしてやるから感謝しやがれ」
上条「いやいや、人生の墓場ってそれ結――」
バードウェイ「――と、そろそろパトリシアも退屈しているだろうし、戻ろうか」
上条「そうだな。あ、これ着てっても良いのか?」
バードウェイ「むしろそうしないと駄目だな、お前のためにもそれが賢明だろう」
上条「なぁ説明しようぜ?お前の場合、冗談なのか本気なのか、全っ然分からなくてガクブルなんですけどねっ!」
――ショッピングモール
上条「……」
上条「……あれ?」
上条(今俺店内に居た、よな)
上条(それがどうして一瞬で外に、しかもここフードコートじゃねぇか)
上条(服の魔術のせい……な、ワケかないか。あんだけペタペタ触ったのに)
上条(って事はバードウェイがまたなんかやったのか?)
バードウェイ「――あぁ居た居た、探したぞ」
上条「おー、どうしたんだ?今一瞬で――」
バードウェイ(※黒髪)
上条「髪の色変わってるっ!?何、2Pキャラなのっ!?」
上条「つーかそのブラウスも何か黒いし!」
黒バードウェイ「何を言っているんだ貴様は。相変わらず馬鹿は馬鹿なんだから、馬鹿みたいに考えても仕方がないんだぞ、この馬鹿」
上条「バカって四回も言いやがったな!?……いやいや、バードウェイさん?」
黒バードウェイ「なんだね」
上条「バードウェイ、なんだよなぁ?他の人じゃなくって」
黒バードウェイ「決まっているだろうが、何を今更」
上条「……つーか、それどしたん?あぁいや、似合ってるけど、急にっていうか。何の仕込み?」
黒バードウェイ「……ふむ。そちらは全く理解してないようだな。面倒だ」
上条「いやいやっ!また面倒ごとを持ち込んだんかいっ!?」
黒バードウェイ「あー、取り敢えず、どっかの喫茶店にでも行こうか。ここで話す内容でもない」
――喫茶店
上条「あんみつパフェ二つ、あとは」
黒バードウェイ「ほうじ茶で頼む」
店員「かしこまりましたーっ、少々お待ち下さいー」
上条「お前もう隠す気ゼロじゃねぇか。味覚も子供で隠している設定はどこ行った」
黒バードウェイ「うん?子供?隠すも何も――って、あぁそこからか。面倒臭い仕事を押しつけやがって」
上条「最初に聞くけど、今すっげーピンチとか、そういうことはないんだよな?座っていられるだけの余裕ぐらいあるんだよね?」
黒バードウェイ「余裕があるのは間違いないが、かといって安全とも言い切れないがね」
上条「どっち?」
黒バードウェイ「あー……まず、お前は『死者の書』についてはどれだけ知っているんだ?」
上条「詳細聞いたら『DEADor婿入り』、ぐらい」
黒バードウェイ「あぁそれは心配しなくて良いよ。それだけは有り得ないから」
上条「あ、なんだ。だよなー、流石にジョークだもんねー」
黒バードウェイ「いや、それ自体は正しいんだが――まぁ後で直接本人の口から聞けばいいさ」
上条「本人、って、誰だよ?仕立屋のじーさんとか?それともマーク?」
黒バードウェイ「――それでは講義を始めるが」
店員「お待たせいたしましたー」
黒バードウェイ「ご苦労」
店員「……」
黒バードウェイ「なんだ?」
店員「ナイスツンデレ?」
黒バードウェイ「それは私の担当ではないな。他を当たってくれ」
上条(あれ?なんか反応が違う……?)
黒バードウェイ「まぁ食べながらで良いから聞いてくれたまえ」
上条「ん、あぁ」
黒バードウェイ「もぐもぐもごもごもぐもぐがふっ?」
上条「聞き取れねぇよ!?つーか行儀悪りぃ――あん?」
黒バードウェイ「これは失礼、ってどうしたね?」
上条「お前――バードウェイじゃないなっ!?」
黒バードウェイ「いや?私はバードウェイだよ?」
上条「だよねー。あれ?おかしいな、違和感があるような、ないような」
黒バードウェイ「ま、大した事ではない――それより『死者の書』の話だ」
黒バードウェイ「あれは『王者の法(アルス・マグナ)』だ」
上条「へー、そうなんだー」
黒バードウェイ「……」
上条「……ごめんなさいっ!全然分からないですっ!」
黒バードウェイ「……錬金術、って知ってるよな?鉄を金に換える奴」
上条「等価交換すると鎧に魂が入る奴だな」
黒バードウェイ「あれは別に死霊術士の領域へ踏み込んだという訳じゃない……まぁいい。大体そんな感じだな」
黒バードウェイ「で、その始祖はどこから来ているのか――それは」
黒バードウェイ「ギリシャ神話に出てくる『ヘルメス神』だと言われている」
上条「名前ぐらいは聞いた事があるけど。クツ関係のアイテムの人」
黒バードウェイ「より正確に言えば『ギリシャ神話のヘルメス』、『エジプト神話のトート』、そして『錬金術師のヘルメス』」
黒バードウェイ「彼らが同じ存在と見なされ、『ヘルメス・トリスメギストス』なんだが」
上条「えっと……神様が、似たような他の神様と統合される、みたいな感じ?」
黒バードウェイ「本来はそれで合っている。ただしこの場合は、『同じ血族』をそう呼んだに過ぎない」
黒バードウェイ「こういう話は面倒だし、もっとぶっちゃけてしまえば、だ」
黒バードウェイ「『明け色の陽射し』は彼――いや、正確には“彼女”の子孫なんだよ」
上条「へー、そうなん――待て待て待てっ!?それオカシイだろっ!?」
上条「お前らが神様の子孫、って。幾ら何でも――」
黒バードウェイ「君は今、『オカシイ』と言ったがね。それはもっと早く、こう思う必要があったんだよ」
黒バードウェイ「――『アラスカ・ルーン』。そして『ドナーティのホロスコープ』」
黒バードウェイ「『明け色の陽射し』が『黄金の夜明け』に参加したにしては、随分と古くから魔術に慣れ親しんでいるな、と」
上条「それは――そう、か!そうだよな!」
上条「そんな遺物みたいなオーパーツ、『黄金』って確か、中世に興った結社なんだよなぁ?」
上条「だったら『それ以前に作られた霊装に「明け色」が絡んでいる筈が無い』、か」
黒バードウェイ「科学の発端は教科書に書いてあるかね。幾ら君でも知っているだろうが」
上条「それは『錬金術』だよな」
黒バードウェイ「――そう、それは『ヘルメス・トリスメギストス』と言う錬金術師によってもたらされた」
上条「それじゃ、科学のルーツは『明け色の陽射し』が一枚噛んでるって事なのかよ!?」
黒バードウェイ「んー?もう一声頼む。それだけじゃない」
黒バードウェイ「現代に通じる魔術、ヘブライ系のカバラや魔導を紐解いていけば、大抵はギリシャかエジプトに通じる」
黒バードウェイ「また歴史家のタキトゥスは、北欧神話のオーディンとヘルメスを同一であると説いている。つまり?」
上条「科学サイドと魔術サイド、両方の源流は――」
黒バードウェイ「ギリシャ神話に出てくるヘルメスは朱鷺の姿を取り、ゼウスに進むべき道を示したと言う――」
黒バードウェイ「――だから彼女の子孫は誇りある家名を声高らかに、こう、名乗る――」
黒バードウェイ「――『バードウェイ』、と」
上条「……すげぇオカルトだな。本当なら、だけど」
黒バードウェイ「ま、疑うのも当然だろう。だがしかし、私には『王の書』――いや『王者の法(アルス・マグナ)』がある」
上条「……つーかさ、それどっかで聞いたと思ったらアウレオルスの術式じゃのねぇのか」
黒バードウェイ「あんな大層なものではないさ。と言うか、『王者の法』とは錬金術ではなく、ただの魔術に過ぎない」
黒バードウェイ「『自分だけの現実』と、似た仕組みだよ」
上条「無限に分岐する世界から、自分の都合の良い世界を選ぼうって能力か?」
黒バードウェイ「それのもうちょっと節操のないものだ。例えば」
トンッ
上条「床がっ!?」
黒バードウェイ「――では、暫しお別れだよ上条当麻君」
上条「お前――俺の知ってるバードウェイじゃねぇだろうが!」
黒バードウェイ「そうだよ?」
上条「そうだよ、って」
黒バードウェイ「詳しくは自分で悟るか、誰かに聞けば良い。これ以上は面倒だが――あぁそうそう」
黒バードウェイ「君に一つだけお願いなんだが、出来ればもう少し暖かめの方が好みなんだよ」
上条「なにがだっ!?」
黒バードウェイ「人肌が最善とはいえ、そこはそれ好みの問題、個人差という――」
黒バードウェイ「――暫く会う事はないだろうが、まぁ――」
黒バードウェイ「――だが、必ず」
ジジッ
――??? 雪原
上条「……あれ?」
上条「ってなにこれ?これ何?つーかどこよ!?」
上条「放り出されたのが雪原なんて――いや?」
上条(寒くはない?吹雪いてるのに?つーかなんか、体透けてる?)
上条「……」
上条(死んじゃった、的な?いやいやっ!これは夢だ!そうに決まってる!)
上条(そうそう!だって死ぬ筈がないもの!悪運だけは強いじゃない!)
上条「……」
上条(いやー……?そうかなぁ?そうでもないような……?)
上条(つーかさ、つーかね。俺気づいちゃったんだけども)
上条(俺の足下に転がってるのって)
上条(※↓ボディ)
上条(死んでんじゃんっ!?だって血塗れだもんっ!)
上条(つーかここが学園都市だったらまだっ!カエル先生とか居るけどもだっ!)
上条(こんなクソ寒くて吹雪いてるロシアみてーな所なら即死じゃねぇのか!?)
上条「……」
上条(……ロシア?もしかして、ここ)
上条(ってか俺のボディさんが着てる服って確か、『ベツレヘムの星』へ乗り込んだ時の……)
上条「……」
上条(全部、夢?)
――ロシアの雪原
上条(あー……まぁ、納得か?慌てても仕方がないしなぁ)
上条(走馬燈にしちゃ、随分とモテたなー。うん)
上条(夢でもない限りはあんなに無節操にはモテたり……しないもんね。分かってるさ!)
上条「……」
上条(……つーか俺、このまま死ぬのか。だよなぁ、どうしようもないしなぁ)
上条(『ベツレヘムの星』は落としたから、後はまぁなんとかなる……出来れば生きて帰りたかったけど)
上条(けどなぁ……うん。これじゃ……)
上条「……」
上条(……まぁ、上出来、かな?第三次世界大戦も終わるだろうし、それだけは)
上条(あーでもグレムリンとのケンカはまだ……いや、あれも俺の妄想か?)
上条(いるかもしれない連中野放しにするのは心残りだけど、まぁ他の連中がなんとか、うん)
上条「……」
上条(……約束、守れなかったなぁ)
上条(インデックスともだし、御坂――つーか海原とのも、か)
上条「……」
上条(あと、バードウェイを守る、って言ったっけか)
上条「……」
上条(……いや、それは俺の――)
上条(無かったんだよ全部。今まで見ていたのは、優しい夢で)
上条(俺は彼女と約束なんて――して、ないんだ)
上条(……うん)
上条「……」
上条(……あぁなんか、眠く。うん)
上条(寒さで傷の痛みが麻痺……まぁまぁ、悪い事ばかりじゃないって事さ)
上条(色んな奴に会えて、ケンカして、仲良くなって)
上条(悪くねぇ、かな。うん)
上条「……」
上条(……でも、まぁ、出来れば、だけど)
上条(あいつらと、バードウェイと円周とシェリーと)
上条(バカみたいにギャーギャー言って……騒い)
上条「……」
上条(……眠ろう。少しだけ)
上条(……うん。大丈夫、きっと、なんとか……)
上条(……なる、よ……)
?「――――――っ!」
上条「……」
上条(……うる、さ――)
上条「……?」
?「――しろ!声を出せ!この、このっ――」
上条(なつかしい……この声は)
バードウェイ「――馬鹿者がっ!!!」
上条(……来て、くれ……)
マーク「駄目です、ボスっ!吹雪が強すぎてっ!」
上条(……夢の中じゃ……この後、拾われて……)
上条(でも……普通は――)
バードウェイ「他の連中はどうしたっ!?連絡はっ!?」
バードウェイ「はやく――しないとっ!」
マーク「それが出来ないつってんだろクソガキが!いいか?ここはアウェイなんだぞっ!?」
マーク「いくらで強制的に跳んできたとしても、下手に動けばイギリス・ローマ・ロシアに横っ腹を見せてるんだ!」
マーク「こっちが隙を見ているのに食い付かれたら『明け色』は終わるんだよ!分かってんのかっ!?」
バードウェイ「それはっ!」
上条(……正しい、よ)
マーク「……あぁもうそんな顔しないで下さいよ。俺だって好きで言ってる訳じゃ」
バードウェイ「……分かっている。それは」
マーク「……見捨てるつもりも見捨てたくなんて無い!けれどっ!」
バードウェイ「――言うな、マーク」
マーク「すいません、ボス」
バードウェイ「……」
上条(……バードウェイ、俺は分かってるから)
上条(だからもう……うん)
バードウェイ「……けどなっ!あの馬鹿は、あの馬鹿は一人で乗り込んだんだぞっ!?」
バードウェイ「それを見捨てるのかっ!?世界が救われたと喜ぶのかっ!?」
バードウェイ「たった一人で馬鹿みたいに突っ込んで馬鹿をっ!私達はっ!」
上条「……」
バードウェイ「見殺しに……する、のか……?」
マーク「……ボス、泣いて……?」
バードウェイ「泣いてなんか居るものかっ!これは――そうだ!怒りだっ!」
上条(いやいや……)
バードウェイ「あの大馬鹿者か私との『約束』を破った事へのなっ!」
上条(……やく、そく?)
マーク「ボス……?それはどういう……?」
バードウェイ「お前は私に言った筈だよ上条当麻!憶えていないのかっ!この裏切り者めっ!」
上条(……言った……?けれどそれは、俺の夢じゃ……?)
バードウェイ「『どんだけ偉かろうか、ボスだろうが、そんなのは関係無ぇんだよ!』」
上条(……それは)
バードウェイ「『「俺はお前を守る」って決めてんだ。それ以上でもねぇ以下でもねぇ!』」
上条(……俺は、言った……!)
バードウェイ「出て来い上条当麻!この大嘘吐きの大馬鹿野郎め!」
バードウェイ「約束も守れないような最低の馬鹿は私が直々に処刑してやるっ!だからっ!」
マーク「……ボス、そろそろ頃合いです」
バードウェイ「いいのか!このままでっ!まだ私達は約束すらしていないんだぞっ!?」
マーク「いい加減にしないと。学園都市の能力者が近くに来て――」
バードウェイ「私を、呼べ!私の名をっ!このっ、私の名前をだっ!」
バードウェイ「頼むからっ――!」
上条「……イ」
バードウェイ「――聞こえた……」
マーク「……ボス?それはきっと風の音――」
上条「……バードウェイ……」
マーク「――じゃ、ないっ!?上条さんっ!?」
バードウェイ「どこだっ!?どこにいるっ!?」
マーク「あっちから聞こえ――」
上条「――バードウェイ!レイヴィニア、バードウェイ……っ!」
バードウェイ「――あぁ。あぁっ!」
上条「……居る、のか……そこに?」
バードウェイ「あぁ居るとも――お前の、側に」
――喫茶店
上条「……」
ピッ
バードウェイ「『――もしもし?私だが』」
バードウェイ「『そう嫌そうな声を出すんじゃない。まるで私が嫌われているかのように錯覚するじゃないか』」
バードウェイ「『――いや、ちょっと気になる結果が。あぁ、占いのな』」
バードウェイ「『気にするかしないかはそっちの勝手。好きにすればいい』」
バードウェイ「『お代は要らんよ。充分に貰っている――あぁウルサイ。あれは助けてやっただろうが』」
バードウェイ「『とにかくお前は下ばかり見ているから転ぶんだ。たまには空を仰ぎ給え』」
バードウェイ「『ではないと足下を掬われるぞ?いいか?忠告はし――』」
バードウェイ「……切りやがったよ、あの馬鹿者が。全く、人の気も知らずに」 ピッ
バードウェイ「なぁ、そのあんみつパフェ、食べないなら貰うぞ」 スッ
上条「せめて疑問系で聞きなさいよっ!?……あれ?」
バードウェイ「もぐもぐもごもごもぐもぐがふっ?」
上条「聞き取れねぇよ!?つーか行儀悪りぃ――あん?」
バードウェイ「これは失礼、ってどうした?」
上条「お前――バードウェイじゃないなっ!?」
バードウェイ「いや?私はバードウェイだが?」
上条「だよなー、って白っ!?」
バードウェイ「あぁ?何の話だ」
上条「髪も元の金髪、ブラウスも白……あれ、お前今さ、黒くなかった?」
バードウェイ「……ほぅ、それはつまりアレかね?『ボス腹黒いですよ』の裏返しか?良い度胸をしているよなぁぁっ?」
上条「すいまっせんボス!?……いやいや、違うそうじゃなくて」
バードウェイ「馬鹿が。年頃のレディとデートに来てるというのに、白昼夢でも見てたのか?」
上条「そう、か……?それにしては死にかけた気がするけど。なんか記憶が混乱して」
バードウェイ「そりゃ副効果だな。大丈夫だ、軸は『ここ』に固定しただろうから」
上条「そう?ならいいんだけど――待て待て、お前今すっげー事言わなかった?」
バードウェイ「あ、馬鹿っよせっ!人が折角曖昧にしてやろうしているのに!」
上条「よさないものっ!だって今の一連のトンデモってなんなんだよっ!?」
上条「ヘルメス何かとか!『死者の書』の正体だとかっ!」
バードウェイ「……あーぁ、やってしまったなぁ、これは」
上条「な、何の話?」
バードウェイ「その様子だと、アレか?全部聞いてきたんだな?」
上条「ん、あぁ。つーか言ったのお前じゃねぇか。別に聞いても『DEADor婿入り』しなくていいって」
バードウェイ「……」
上条「な、なんだよ?」
バードウェイ「確認するが、正確には『出来ない』とか『有り得ない』って言ってなかったか?」
上条「後ろの方だった」
バードウェイ「そりゃ無理だろう。だってあれはわたしの娘だ、幾ら何でもノーカンだな」
上条「――はいぃっ!?」
バードウェイ「あー……『アレ』の話だが、簡単に言えば『世界は無限の選択肢で分岐している』って感じなんだよ」
上条「例えば、今さっきほうじ茶を注文した世界と緑茶を注文した世界に、みたいな?」
バードウェイ「『そちら』ではほうじ茶だったのか」
上条「あ、いつの間にか抹茶になってる」
バードウェイ「『アレ』は『その世界から自分の都合の良い世界を選ぶ』力がある」
バードウェイ「だから私は『イギリスからお前が落ちていた場所』へと跳んだ。ここまでは良いな?」
バードウェイ「そうでもしないとあの混乱の最中、ドーバーから短時間で乗り込めそうになかったからな」
上条「あ、あぁ。俺が北極海にダイブした時だよな」
バードウェイ「でもそれじゃ『足りなかった』んだ。探知魔術も効かない馬鹿なんか放っておけ、と私は言ったんだがね」
上条「……俺の記憶と大分違うよな……?」
バードウェイ「マークが泣き喚いて懇願したので仕方が無く、人力で探していたのがだか、あの時見つけたのは偶然――ではない」
バードウェイ「意識のない程に重傷を負った貴様が声を上げたのは、子孫が『アレ』を使ってお前に細工をした、といった所か」
上条「いやいやいやいやっ!?だって卵が先かって話になるんじゃないのかっ!?」
バードウェイ「『未来からの介入がある事すら織り込み済みの運命』なんだろう、きっと」
上条「……待て待て、どんだけ凄いんだその霊装。過去改変だぞ?」
バードウェイ「オティヌスの『槍』も大概だと思うがね。あぁ」
バードウェイ「そんなに助かったのが不服なら、今から北極へ戻って埋めてやろうか。どれ」
上条「すいませんでしたっ!ですからその物騒な銃はしまって、ねっ!?」
上条「……いやいや、今ちょっと思ったんだけど」
上条「アレっつーか、北極まで跳んだ時には『死者の書』使ったって事だよね?」
バードウェイ「当然だな。他の方法もないではないが、それが一番手っ取り早かった」
上条「つまりお前は、『最初っから「死者の書」の正式な並び順を知っていた』……?」
バードウェイ「『知らない』と言った覚えはないよ?」
上条「って事は何かっ!?余裕で『笛吹男』も瞬殺出来たんじゃねぇかっ!」
バードウェイ「『原典』はな。使う度に異世界の知識が流れ込み、術者の命を奪うんだよ」
上条「え、それじゃ」
バードウェイ「魔力を掠め取られた状態で使おうとすれば、良くて術者が発狂。最悪暴走して周囲一帯が虚無に呑み込まれかねない」
バードウェイ「強いが故に使いづらい訳だな、うん」
上条「それを言われると……んー」
バードウェイ「そ、それにだな。いくら『アレ』であるとしても、時間遡航制限はまだあってだな」
上条「……どんな?」
バードウェイ「『術者の身内にしか効力を発揮出来ない』、って」
上条「ふーん?……え、って事はつまり」
上条「でもそれおかしくないか?黒バードウェイがお前の娘なんだろ?」
バードウェイ「可能性としてはパトリシアかもしれんがね。魔術を使っていれば十中八九間違いない」
上条「それで介入したのは、お前にじゃなく俺だったんだよな?意識か何かを跳ばし――」
上条「……」
上条「……あるぇ?つーことはだ。つまりあの黒バードウェイは」
バードウェイ「『お前』ではなく『私達の』が正解だな、うんっ」
上条「待てやゴラあああぁぁぁぁぁっ!?つーか、もしかしてアレかっ!?俺達が結婚しなかったら!」
バードウェイ「当然生まれない者は生まれず、貴様は死ぬだろうなぁ」
バードウェイ「まぁ諦めろ。どっちにしろ『アレ』に深く関わった時点で、『DEADor婿入り』は確定済みだから」
上条「それ実質上の一択じゃねーかよっ!!!」
バードウェイ「いやぁ、困ったなぁ?私はだね、元々寛大な方である訳だよ、これが」
上条「……急にどーしたの?わっるい笑顔になってるんだけど」
バードウェイ「だからまぁ秘密を知られたぐらいで、野蛮な『DEADor婿入り』を課すつもりはない。安心したまえよ」
上条「いやあの、バードウェイさん?つーかそれ、死にますよね?多分遡って、俺、死んじゃいますよね?」
上条「要は自然消滅かお前らにチョメチョメされるかの差でしかないよね?結末はDEAD-Endまっしぐらだよな?」
バードウェイ「我々『明け色』としてもだ、正直『嫌いな相手との結婚はゴメンだ』しなぁ」
上条「……つまり?」
バードウェイ「何を今更、分かっているんだろう?……いや、でもまぁ、一応、念のために言っておくか」
バードウェイ「在り来たりな表現で済まないが、私はどうやらお前に惚れているようだ」
上条「……マジで?」
バードウェイ「で、なければわざわざイギリスからお前の着地点を割り出し、敵味方入り交じっている最中に突っ込むものか」
バードウェイ「視て、いたんだろう?そして、私の名を呼んだな?」
上条「……うん、確かに、それは」
バードウェイ「今となっては『約束』が先か後か、まぁ些細な事ではあるが」
バードウェイ「……だか、私は強制しないよ。その程度の誇りはあるつもりだ」
バードウェイ「勿論、『明け色』の名にかけてお前を死なせたりもしない。そう――」
バードウェイ「――『約束』すると誓おう」
上条「バードウェイ……」
上条(そう言って俺を見つめる瞳に濁りはなく、また偽りの欠片もなく)
上条(弱者へ手を差し伸べる聖者のように堂々として)
上条(身震いする程に気高い『誇り』を持ち、それでいて繊細な少女へ)
上条(……まぁ、そんな事を考えたのも一瞬で)
バードウェイ「――あ」
上条「……うん」 ギュッ
上条(俺の『右手』でバードウェイ――いや、今日からレイヴィニアだ――の、手を握っただけで意志は伝わったけれど)
上条(それだけじゃ足りなくて、とてもとても物足りなくて)
上条(気持ちは止まらない)
上条「だったら、俺はお前を守るよ。それこそ命懸けで――」
上条「――良かったら、一生」
バードウェイ「……仕方がないな、貴様は。ほんとーーーーっに仕方がない奴だ」
バードウェイ「これで一生私の人間イスが決定してしまったんだぞ。光栄に思うが良い!」
上条「え、今の告白もしかしてドレイになれって事なのっ!?最期の最期でそんなトラップが!?」
バードウェイ「似たようなもんさ。離れたくしても離れられないし、離すつもりもない」
バードウェイ「私の背中を預けるんだ。それ相応の意味を持つんだよ」
上条「え、それじゃお前割最初っから――」
バードウェイ「今日からお前は私の所有物になったんだからな!このっ!偉大なる私のだっ!」
上条「だから誤魔化すんだったら上手くやれと……早まった気もするよなぁ」
上条(胸を張る彼女の姿は頼もしげであり、恐ろしくもあり)
上条(まるで悪魔のような笑みを浮かべる、そんな姿を見ていて可愛いなって思っちまう俺も俺だが。まぁまぁ?)
上条(少なくとも退屈はしな――あれ?どっかで似たような感じが――?)
バードウェイ「では、念のためにもう一度。というか、今までは仮入団だったのが、おめでとう!今日から正社員だ!」
上条「何の話――って、あぁアレな?」
上条「何かもう大分昔の話に思えるけど」
バードウェイ「……ま、こう言うのは決まりだからね。言うだけ言っておかないと……こほん」
バードウェイ「では改めて上条当麻君、婿入りおめでとう、そして――」
バードウェイ「――ようこそ、『明け色の陽射し』へ!」
――断章のアルカナ・アフター 『バードウェイ編』 -終-
――バードウェイ「ようこそ、『明け色の陽射し』へ」 ~断章のアルカナ~ -完-
817 : 田中(ドワーフ) ◆7fp32j77iU - 2014/01/07 13:09:47.14 oWowqeUX0 35/36※終り。最後まで読んで下さったあなたへ心からの感謝を
ではまたいつかどこかで
826 : 田中(ドワーフ) ◆7fp32j77iU - 2014/01/07 17:26:24.06 oWowqeUX0 36/36ネタ抜きで真面目な話、
『一般的な探知魔法が効かない相手』を
『ドーバー海峡から極限近くまで他の組織に気づかれる事無く数千キロ移動』して、
『電磁波で生物(or身に着けている物も)を探知できる世界屈指の電気能力者より早』く、
『大質量と一緒に落下した個人を人力で発見する』のって、
奇跡でも起きない限りは無理でしょうし
バードウェイが初めから極限へ部下を配置していたとしても……なんかなぁ、と
よっぽどお兄ちゃん好きでもない限り、ありえないかと
あぁ書き忘れましたが、あけおめです。あと銀×月の方、ようやく約束守れました

