御坂「……」
御坂「いや」
御坂「いやいやいやいや」
御坂「なんで合鍵?」
御坂「そんな間柄だっけ?」
御坂「正直、友達なのによそよそしくさん付けで呼び合う様な微妙な間柄でしょ?」
御坂「……っていうか」
御坂「なんで私?」
御坂「……佐天さんの意図が分からない」
御坂「……」
御坂「とりあえず帰ろ」トコトコ
元スレ
佐天「合い鍵御坂さんに上げますからいつでも来てくださいね」
http://hibari.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1302313457/
──
────
御坂「あーイライラする! 毎時間毎時間黒板に出て問題解かせやがってぇ……」
御坂「何が常磐台のエースなのだから生徒の模範になれ! よ」
御坂「……」
御坂「愚痴りたい。誰かに凄く愚痴りたい」
御坂「ストレス発散したい。1ストレス10円で売りたい」
御坂「っていうか誰か私のストレス取ってください」
御坂「……そだ、あのバカに超電磁砲ぶっぱなせば良いじゃん」
御坂「簡単だったわね。そうと決まれば早速探そ♪」
御坂「……居ない。あのバカに遭遇しない」
御坂「今日みたいな日に限って……何なのよバカぁ!!」
『合い鍵御坂さんに上げますからいつでも来てくださいね』
御坂「……」
御坂「……」ゴソゴソ
御坂「……」ジッ
御坂「行っちゃおう、かな」
御坂「……」
御坂「行こ」トコトコ
御坂「手ぶらは流石に気が引けるかな? ケーキでも買って……」
御坂「……いや、敢えて手ぶらで行こう」
御坂「お土産なんか持っていったらよそよそしい気がするし」
御坂「……」
御坂「いや親しい間柄だからこそお土産とか要るのかな?」
御坂「……」
御坂「飴でも買ってこ。ケーキだとなんか重そうだし」
御坂「……来ちゃった。アポ無しだけど大丈夫かな?」
御坂「でもいつでも来ていいって言ったのは佐天さんだもんね。構わないよね」
御坂「取り敢えずインターホンを」カチッ
ピンポーン
御坂「……」
御坂「もっかい」カチッ
ピンポーン
御坂「……」
御坂「出ない」
御坂「どうしよう出ない。まさかの留守」
御坂「初春さんと遊びにでも行っちゃったかな? ……いや待って、今日は風紀委員非番じゃ無いって言ってたっけ」
御坂「帰ろ……でもここまで来ちゃったしなぁ」
御坂「……」
御坂「……」ゴソゴソ
御坂「……合い鍵の出番……いやいや家主が居ないのに勝手に上がるのは流石にまずいでしょーが!」
御坂「……」
『合い鍵御坂さんに上げますからいつでも来てくださいね』
御坂「……"いつでも"……うん、いつでも」
御坂「……」
御坂「……さ、佐天さんが悪いんだもんね」ガチャガチャリ
ガチャッ
御坂「……佐天さんが悪いんだもんねっ!!」
バタン
御坂「……お邪魔しまーす」
御坂「散らかってる。さては朝寝坊したなー?」
御坂「ああもうパジャマ脱ぎっぱなし……」
御坂「テーブルの上も散らかって……ん?」
御坂「数学の問題集だ。どれどれ……」
御坂「……間違いばっかだよ佐天さん」
御坂「赤で直しとこ」カキカキ
御坂「でもなんでテーブルに……」
御坂「……」
御坂「まさか、ね。時間割どこだろ」ゴソゴソ
御坂「……やっぱり。今日数学あるじゃん。これ宿題かー」
御坂「……」
御坂「じゃあ佐天さん残されてるのか」
御坂「する事無くなっちゃったな」
御坂「晩御飯も作っちゃったし」
御坂「……」
御坂「いやいやなんで御飯作ってんの」
御坂「人ん家の冷蔵庫の中見ちゃったし勝手に使っちゃった」
御坂「……」
御坂「さ、佐天さんが悪いんだもんね」
御坂「……」
御坂「便利だなこれ」
御坂「……眠い。ふわ~ぁ」
御坂「もうそろそろ帰ってきてもいい頃なんだけど」
御坂「……」
御坂「ちょっと横になろ」ゴロ
御坂「……」
御坂「ゴツゴツする。ベッドで寝よう」ムクッ
御坂「佐天さんが悪いんだもんね」トコトコ
御坂「……」ギシッ
御坂「……佐天さんの匂いがする」スン
御坂「……」
御坂「……良い匂い」
御坂「……」
御坂「……すぅ」
佐天「あーあ、くたびったくたびったー」
佐天「宿題夜遅くまで掛けてやったのに、持っていき忘れるとかもうね」ガチャガチャリ
佐天「おかげで居残りですよ。御坂さんが聞いたら呆れそうだなー」ガチャッ
佐天「……」
佐天「玄関に見知らぬローファーがある」
佐天「それになんか料理した良い匂いがする」
佐天「……」
佐天「御坂さんかな?」
佐天「おお、グラタン発見。……そして」キョロキョロ
御坂「……すぅ……すぅ」
佐天「やっぱり御坂さんだ! 流石あたし!」ビシッ
御坂「んん……」
佐天「おおっと、静かに静かに」シーッ
ぐぅ~
佐天「こら静かに!」
佐天「……」
佐天「あたしのお腹の音でした。てへっ」
佐天「……」
佐天「グラタン、食べても良いのかな?」
佐天「……」
佐天「御坂さん」プニ
御坂「ぅに……」
佐天「グラタン食べて良いですか?」
御坂「……」
佐天「食べますよー?」
御坂「……げ~こた~ぁ」ぎゅっ
佐天「ふぁい!? ちょ、御坂さん!?」
御坂「かゎぃ……すぅ」
佐天「……」
佐天「どうしよ抱き付かれちゃった」
佐天「……」
佐天「私でも分かる」
佐天「この状況を白井さんに見られたらまずいって事」
御坂「……すぅ」
佐天「……まつ毛長いなー」ジッ
佐天「……じゃなくて」
佐天「御坂さん起きてください。一緒にご飯食べましょうよ」ユサユサ
御坂「もちょっと……ねるのぉ」スリスリ
佐天「……」
佐天「かわええ」
佐天「私も一緒に寝ちゃおうかな」
ぐぅ~
佐天「……寝れば空腹も忘れられるし」
御坂「ん……」スリスリ
佐天「可愛い抱き枕もあるし」
佐天「……」
御坂「……えへ」
佐天「おやすみなさい」ギュッ
御坂「……おやふ」
──
────
御坂「ん……まぶし」ゴシゴシ
御坂「ああ、蛍光灯点けっぱ……」ムクッ
御坂「! やば、外真っ暗じゃん! ちょっと横になるつもりだったのに……」
御坂「佐天さんまだ、ん?」
佐天「……すぅ……すぅ」
御坂「なんと横で寝てた」
御坂「……」
御坂「もしかして一緒に寝てたの?」
御坂「……」
御坂「あんたは黒子かっ!」
佐天「んぅ……」モゾモゾ
御坂「いけないいけない起きちゃう起きちゃう」
御坂「……」
佐天「……すぅ」
御坂「……まつ毛長いなー」ジッ
御坂「……」プニ
佐天「ん……」
御坂「可愛い」
ぐぅ~
御坂「……」
御坂「私じゃない」
御坂「つまり佐天さんのお腹の音か」
御坂「……」チラッ
御坂「グラタン食べなかったの?」プニ
佐天「んぅ」
御坂「もしかして待っててくれてた?」
佐天「……すぅ」
御坂「ありがとね」ナデナデ
佐天「……えへ」
佐天「ん……」
佐天「……なんか、良い匂い」ムクッ
御坂「おはよ」
佐天「あ、御坂さん」
御坂「そしてごめんなさい。勝手に上がっちゃって」
佐天「良いんですよ。いつでも来てって言ったのはあたしですし」
御坂「ホントに? 勝手に冷蔵庫開けて御飯まで作っちゃったんだよ?」
佐天「構いませんよ。なんか妻みたいです」
御坂「妻って……」かあっ
佐天「あはは」
ぐぅ~
佐天「あ」
御坂「そうそう、グラタン暖めたから一緒に食べよ?」
佐天「いただきます!」
佐天「美味しい~」
御坂「そう? 良かったー」
佐天「御坂さん良いお嫁さんになれますよ」
御坂「お嫁さんかー」
佐天「私で良ければお嫁に来てください」
御坂「……」
佐天「冗談ですよー」
御坂「……えっ? ああごめん考え事してたの」
佐天「?」
御坂(ちょ、ちょっと想像してたなんて言えない)
佐天「ごちそうさまでしたー」
御坂「ごちそうさま」
佐天「で、御坂さんはなんの用でうちに? 白井さんと喧嘩でもしたんですか?」
御坂「んーん、そんなんじゃないの。ストレス発散しようと思って」
佐天「えぇ!?」
御坂「じょーだん」
佐天「もー」
御坂「ホントは愚痴りに来たのよ」
佐天「……あんまし変わってませんね」
御坂「そうかな? でももう大丈夫。疲れは取れたから。……佐天さんのおかげで、ね」
佐天「え?」
御坂「それより佐天さん。数学の問題集」スッ
佐天「あっそうそう今日持って行くの忘」
御坂「間違いだらけよ。こんな出来じゃ宿題やったって言わないわ」
佐天「え」
御坂「さあ美琴センセーと一緒にお勉強しましょう」
佐天「あたし洗い物してきまー……」
御坂「……」ガシッ
佐天「ひぃっ!?」
御坂「一問正解につき飴一個上げるから」にこっ
佐天「割りに合いませんよお!!」
──
────
御坂「ん……朝?」ムクッ
佐天「……も、とけませ……むにゃ」
御坂「勉強してたら寝ちゃったのか……今何時」
御坂「……」
御坂「ああああっ!?」
佐天「っ!? な、なんだぁ!?」ガバッ
御坂「遅刻! 遅刻よ佐天さん!」
佐天「へっ!? ……うわもう9時回ってる!?」
御坂「ひええ! 携帯の履歴が黒子一色!」
佐天「と、とにかく行きましょう! 御坂さん、行ってきますのちゅーください!」
チュッ
佐天「……へ?」
御坂「私先に行くから! 佐天さんも急ぎなさいよ!」ガチャッ
バタン
佐天「……」
佐天「じょ、冗談だったんだけどな」かあっ
佐天「……っていけない、急がないと!」
佐天「御坂さーん! バスで途中まで一緒に行きましょうよー!」ガチャッ
バタン
おわり