織莉子「ん……ふわぁぁ……」ムクッ
キリカ「おや、おはよう織莉子」ジーッ
織莉子「おはよう、キリカ……?」
キリカ「どうかしたかい?」ジーッ
織莉子「何をしているの……?」
キリカ「見ての通り、織莉子の寝顔を堪能している」ジーッ
織莉子「……」
キリカ「寝てる織莉子も可愛いけど、寝起きでボーっとしてる織莉子も可愛いね」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
元スレ
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1342863669/
織莉子「わたしの寝顔を堪能するのはいいわ、もっとやれと言ってもいい」
キリカ「うん」
織莉子「でもね?距離に問題があるわ」
キリカ「おや、それはわたしとしたことが失敗だったね」
織莉子「え?」
キリカ「これくらい近い方がよかったかな?」ズイッ
織莉子「っ!」
キリカ「………うん、可愛い」
織莉子「き、距離を置いてそこに直りなさいっ!」////
織莉子「起き抜け早々にキリカの顔がすぐ近くにあると、色々と大変なのよ」
キリカ「そうかい?」
織莉子「じゃあキリカ、想像してみなさい。目を覚ましたら、すぐそこにわたしの顔があるの。どう?」
キリカ「ものすごいご褒美じゃないか、それだけでその日一日は頑張れそうだ」
織莉子「それはっ……」
キリカ「織莉子はどうだい?今日一日、頑張れそうじゃないかい?」
織莉子「が、頑張れるに決まってるじゃないの」
キリカ「なら何ら問題ないね。これからも続けるよ、わたしは」
織莉子「キリカ……」///
織莉子「キリカはそれでも満足かもしれないけれど、わたしとしては逆でもいいと思うのよね」
キリカ「逆?どういうことだい?」
織莉子「たまにはわたしがキリカの寝顔を堪能したいという意味よ」
キリカ「……ふむ」
織莉子「というわけで、明日はキリカ、ゆっくり寝ていなさい」
キリカ「いや、それは困るな」
織莉子「え?」
キリカ「寝ていたら、その分織莉子と一緒に過ごす時間が短くなってしまう」
織莉子「そう思ってくれるのは嬉しいけれど、キリカの寝顔をわたしにも見せて欲しいわ」
キリカ「織莉子がそう望むなら、そうしよう」
織莉子「! 約束よ、キリカ!」
織莉子「さてと、着替えようかしら」
キリカ「着替えはここに」スザッ
織莉子「……キリカ?」
キリカ「なんだい?」
織莉子「なぜあなたがわたしの着替えを一式持っているの?」
キリカ「タンスの中から出したに決まっているだろう」
織莉子「いつの間に?」
キリカ「そりゃ、織莉子が寝ている間にやった用事のついでに……おっと」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
キリカ「いや、誤解だよ織莉子」
織莉子「何がどう誤解なのか、詳しく話してもらおうかしら」
キリカ「ほら、昨日の洗濯物を畳んでしまおうと思って、それでタンスを開けたんだ」
織莉子「そのついでに?」
キリカ「そういうこと」
織莉子「し、下着も?」
キリカ「下着も……う、うん、下着も」
織莉子「今の間は何?」
キリカ「い、いや……下着は特に入念に畳んでおいたよ、うん」
織莉子「……まぁ、明確な証拠はないから不問としてあげるわ」
キリカ「………」
織莉子「いつまでそのままいるつもり?」
キリカ「そりゃ、織莉子の準備が終わるまで」
織莉子「わたし、着替えるわよ?」
キリカ「何も問題ない。続けて、どうぞ」
織莉子「……ふぅ」プチ プチ ファサ
キリカ「!」バッ
織莉子「!?」
キリカ「」シュバババ ザッ
キリカ「はい、畳んでおいたよ」
織莉子「キリカ、その場で静止」
キリカ「わたし、なにか悪い事したかな?」
織莉子「脱いだものを畳んでくれるのはとてもありがたいわ」
キリカ「うんうん、そうだよね」
織莉子「問題は、なぜそれを膝の上に置いているのか」
キリカ「その辺に適当に置くわけがないじゃないか」
織莉子「人間には、建前と本音というものがあるのよね」
キリカ「それは知っているよ」
織莉子「で、本音は?」
キリカ「織莉子の温もりを感じたかった」
織莉子「キリカ…」///
織莉子「え、ええと……」
キリカ「下着は変えないのかい?」
織莉子「かっ、変えるわよ?」
キリカ「ほら、それならひと思いに」
織莉子「……っ」
ヌギヌギ ファサッ
織莉子「っ……?」
キリカ「……」
織莉子(ちゃんとこの時ばかりは視線を逸らすのね……ちょっと残念)
織莉子「準備完了よ」
キリカ「うん、寝巻きもしっかりと畳んでベッドの側に」
織莉子「それじゃ、行きましょうか」
キリカ「あ、ちょっと待って織莉子」
織莉子「?」
キリカ「ん~~~~~……よしっ、行こう」
織莉子「どうかしたの?」
キリカ「いや、織莉子がひと晩過ごした部屋の空気を吸い込んだだけだよ」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
織莉子「お砂糖ひとつまみだけの紅茶はどう、キリカ?」
キリカ「おっ……おいしい、よっ……織莉子」プルプル
織莉子「ちょっとイジワルだったわね。はい、お砂糖の容器。キリカのお好みに合わせて入れなさい」
キリカ「う、うーん……」
織莉子「? 何を悩んでいるの?」
キリカ「いや、ひとつまみだけ入れたお砂糖って、織莉子の素手でだったんだよね」
織莉子「え、えぇ、そうね」
キリカ「どうせなら、わたしのお好みの量、織莉子の素手で……」
織莉子「手がべたべたになっちゃうわ」
キリカ「うーん……ちょっと残念」
ピーッ ピーッ
織莉子「クッキー、焼けたわね」
キリカ「まぁまぁ、織莉子はここでゆっくりしてなよ。わたしが取ってくるから」
織莉子「そう?それじゃお願いするわ」
織莉子「ふぅ………。………遅いわね」
織莉子「キリカ?」
キリカ「! お、織莉子?」
織莉子「なぜ、クッキーを二つの皿に分けているの?」
キリカ「いや、織莉子が型を作った方はわたしが全部……と思って」
織莉子「……キリカ、そこに直りなさい」
織莉子「不自然だと思わない?」
キリカ「奇遇だね、わたしも不自然だと思い始めていたところだよ」
織莉子「生地づくりはわたしがやって、型取りは二人でやったのよね」
キリカ「そうだったね」
織莉子「でも、作り慣れているわたしの方が早い。だから、型を取った個数もわたしの方が多いのよ?」
キリカ「う、うん」
織莉子「明らかに片方の量が多いわ」
キリカ「いや、でも織莉子が型取りをした方を全部わたしが取ったら、残るのはわたしが型取りをしたクッキーだけなんだよ?」
織莉子「当然そちらの方はわたしが全部もらうわ」
キリカ「くっ……作業速度が遅い自分が憎い…!」
織莉子「はぁ……平和ねぇ……」
キリカ「そうだねぇ……」
織莉子「お茶を飲み終わったら、どこかへ出かけましょうか?」
キリカ「いいね。どこに行く?」
織莉子「そうねぇ……公園とかいいんじゃないかしら」
キリカ「自然と触れ合うってことか。いいね」
織莉子「紅茶セットも持って行きましょう。軽いピクニック気分よ」
キリカ「それじゃクッキーの残りも持って行こう」
織莉子「残っているのはわたしが作った方だけね?」
キリカ「わたしにとっては何よりのごちそうだ」
森丘公園―――
織莉子「う―……んっ!風が心地いいわ……」ウトウト
キリカ「眠そうだね、織莉子?」
織莉子「そう……ね……ちょっとだけ、眠たいわ……」
キリカ「仕方ないな。ほら、膝枕」
織莉子「うーん……少しだけ、寝させてもらうわ……」コテン
織莉子「……スー……スー……」
キリカ「本日二度目の織莉子の寝顔……今日は最高の一日だ……」ウットリ
織莉子「スー……キリカァ……」
キリカ「織莉子……織莉子……」ハァハァ
織莉子「クー……ムニュ……」
キリカ「ね、寝てる?寝てるよね織莉子?」
織莉子「ムー……?キリカァ……」
キリカ「よ、よしっ……いざっ……」ゴクリ
ほむら「…………」ジー
キリカ「……………………なんだい、キミは?」
ほむら「気付いていたのね。てっきり二人の世界に浸っているとばかり」
キリカ「敵の気配くらいすぐに察知出来るさ」
キリカ「悪いけれど、わたしと織莉子の至福の時間を邪魔しないでくれるかな」
ほむら「邪魔するつもりはなかったのだけれどね」
織莉子「キリカ……スー……」
キリカ「ほら、織莉子が目を覚まさないうちに」
ほむら「普段は立場が逆じゃないかしら、あなたたち?」
織莉子「ムニャ……フフ……」
キリカ「わたし達はいつも大体こんな感じさ。ほら、わかったらあっち行く」シッシッ
ほむら「人を野良ネコか何かみたいに追っ払おうとして……」
キリカ「織莉子が目覚めたら話がややこしくなる」
ほむら「……言われなくてもわかっているわ」
織莉子「……ん……?」パチッ
ほむら「っ!」カチッ
キリカ「お目覚めかい、織莉子?」
織莉子「キリカ……?今、誰かと話をしていなかった……?」
キリカ「寝てる織莉子にわたしが一方的に話しかけてただけだよ」
織莉子「そうなの……?どんな話を……?」
キリカ「今日は一緒に風呂に入ろうとか、背中を流してあげるとか」
織莉子「そう……楽しみにしてるわ、キリカ」
キリカ「もう、いいのかい?」
織莉子「ええ。ごめんなさい、膝貸してもらっちゃって」
キリカ「いやいや、いいんだよ。今から、わたしも織莉子の太ももを貸してもらうんだし」
織莉子「!」
キリカ「それくらい、いいだろう?」
織莉子「もう……仕方ないわね。ほら、いいわよ?」トントン
キリカ「そう来なくっちゃ!」コテン
キリカ「うーん……織莉子の太ももぉ……」スリスリ
織莉子「ちょっと、くすぐったいわキリカ」
キリカ「役得役得」スリスリ
織莉子「全く……甘えん坊ね」ナデナデ
キリカ「ン……ムニャ……」
織莉子「キリカ?」
キリカ「オリコォ……ンー……」
織莉子「寝ちゃったのね。考えてみれば、朝もキリカの方が早かったし、当然と言えば当然よね」
キリカ「ヘヘ……織莉子と一緒だぁ……」
織莉子「夢でもわたしと一緒にいてくれるなんて……本当に、いい子ね、キリカ」
杏子「……やっと見つけた」ザッ
織莉子「!」
ゆま「……」
杏子「……」
織莉子「………何の用かしら?佐倉杏子」
杏子「ゆま、こいつで間違いないんだな?」
ゆま「う、うん」
杏子「あんたが……美国織莉子だな?」
織莉子「ええ……そうよ」
杏子「ゆまの事……落とし前、付けに来たぜ」
織莉子「っ……」
ゆま「キョーコ……」
キリカ「テキ……ダイジョーブ、織莉子……ムニャ……」
織莉子「………お互い、今日は会わなかったことにしない?佐倉杏子」
杏子「そういうわけには……っ!」
ゆま「……」ギュッ
杏子「ゆ、ゆま?」
ゆま「キョーコ……ごめんなさい、よくみたら、違う……かも」
織莉子「………」
杏子「…………っ……そーかよ」
織莉子「杏子さん……」
杏子「悪いな、邪魔した。人違いだったみたいだ」
ゆま「キョーコ……!」
杏子「行くぞ、ゆま」スタスタ
ゆま「う、うん!」スタスタ
織莉子「………ごめんなさい。まだ、もう少しだけ……」
キリカ「……………」
織莉子「…っ!キリカ……?」
キリカ「おはよう、織莉子」
織莉子「いつから……?」
キリカ「『わたしは、今目が覚めた』」
織莉子「……」
キリカ「そういうことにしておいて、織莉子」
夕方―――
キリカ「んーっ!今日はゆっくり出来たねぇ~……」ノビーッ
織莉子「そうね。たまの休息、しっかりと休まないと」
キリカ「帰ったらお風呂沸かそうか。陽の下で寝てたから、お互いに汗掻いちゃったよね」
織莉子「一緒に入るのでしょう?」
キリカ「え」
織莉子「さっき、キリカがそう言っていたものね」
キリカ「い、いいのっ!?」
織莉子「あら、言い出したのはキリカじゃないの」
キリカ「わっ、わかった……」ワキワキ
織莉子「手の動きがなんだかいやらしいわよ」
キリカ「織莉子!お湯、入ったよ!」
織莉子「ええ、今行くわ」
ヌギヌギ ファサッ
キリカ「」ワシッ スーハースーハー
キリカ「………?あれ?織莉子?」クルッ
織莉子「キリカの匂い………」スンスン
キリカ「お、おぉ……」
織莉子「っ!い、いやだわたしったら!あ、あれ?キリカ……その手は何?」
キリカ「い、いや……織莉子が一日着ていた服の匂いを、と……」
織莉子「………そ、そこに直りなさい!」///
キリカ「これに関しては織莉子も同罪なんじゃ…」
チャプ……
織莉子「いい湯加減ねぇ……癒されるわ……」
キリカ「そ、それにしても……」ゴクリ
織莉子「?」
キリカ「また、大きくなったかい?」ワキワキ
織莉子「そ、そうかしら?わたしは特に意識した事もなかったけれど」
キリカ「参ったな、その成長速度じゃいずれわたしの手に余ってしまう」ワキワキ
織莉子「そういうキリカだって」ツンッ
キリカ「ひゃっ!?」
織莉子「人並み以上にはあると思うわよ?」ツンツン
キリカ「ふ、不意打ちは卑怯っ!」
織莉子「キリカ。背中、流してくれるのでしょう?」
キリカ「ああ、それは当然」
織莉子「それじゃ、お願い」ザバァ
キリカ「うん。………っと。力、これくらいでいい?」ゴシゴシ
織莉子「ええ……ジャストフィットな力加減よ……んぅ~……気持ちいいわぁ……」トロン
キリカ「………背中の傷、消えないね」ゴシゴシ
織莉子「そうね……ホント、彼女には参ったわ」
キリカ「回復魔法、わたしが使えればいいんだけれど……」ゴシゴシ
織莉子「これはこのままでいいの。いずれ、また彼女とは相まみえるでしょうしね」
キリカ「痛々しいなぁ……」ツツツ
織莉子「ひぅっ!?ちょっ、ちょっと……傷跡、なぞらないでよ!」
キリカ「おっと、思わぬ弱点発見かな?」ツツツ
織莉子「あひゃ……きっ、キリカ!そこに直りなさい!」
織莉子「それじゃ、次はわたしの番ね」
キリカ「いや、わたしはいいよ。自分でやるから」
織莉子「いいから黙って背中を見せなさい」
キリカ「じ、じゃあ、お願いします……」クルッ
織莉子「素直でよろしい」ゴシゴシ
キリカ「織莉子にこうして洗ってもらうの、初めてだね」
織莉子「そうだったわね。いつもわたしが一緒に入ろうと言っても、キリカが遠慮するんだもの」ゴシゴシ
キリカ「いや、だってさ……」
織莉子「わたしとキリカの間に遠慮なんていらないの。素直にわたしに甘えなさい」ゴシゴシ
キリカ「毎日一緒に入ってたら、歯止めが効かなくなる」
織莉子「構わないわよ、わたしは?」
キリカ「わたしが構うんだよ。自制が効くところで踏みとどまっていないと、ね」
織莉子「はい、完了」ザバーッ
キリカ「うん、ありがとう織莉子」
織莉子「……自分の背の傷、確認出来ないからどれほどなのかはわからないけれど。キリカの背の傷の方が、痛々しく見えるわ」
キリカ「そんなことは、ないと思うけどね。まぁ、わたしも自身の背の傷は確認出来ないから何とも言えないけれど」
織莉子「わたしに尽くしてくれるのはとても嬉しいけれど、それであなたが死んでしまったら悲しいわ」ソッ…
キリカ「織莉子……」
織莉子「お願いよ、キリカ。無茶をするな、とは言わないわ。わたしの知らない所で死ぬ事だけは、やめてね」
キリカ「……当然だよ、織莉子。わたしと織莉子は、一心同体だからね」
織莉子「っ……もう、キリカったら」
織莉子「ジャムを一滴だけ入れた紅茶の味はどう、キリカ?」
キリカ「ひ、非常に美味極まるよ、織莉子っ……!」プルプル
織莉子「お風呂でわたしの傷跡をなぞったお返しよ」
キリカ「ご、ご無体な……!」プルプル
織莉子「はい、ここにジャムの容器があるわ」コトッ
キリカ「む……」
織莉子「入れたかったら、入れてもいいわよ?」
キリカ「それじゃ、織莉子の紅茶を混ぜたスプーンを貸してくれないかな」
織莉子「いいけれど…?」
キリカ「ああ、いや、そうじゃない。一度口に含んでから」
織莉子「やっぱりジャムはいらないわね」スッ
キリカ「ああっ!ごめんなさい!」
織莉子「ふふ、冗談よ。アム」パクッ
キリカ「っ!!?」
織莉子「はい。これでいい?」スッ
キリカ「い、いいの!?」ガシッ
織莉子「言ってる事とやってる事がかみ合ってないわよ、キリカ」パッ
キリカ「ふぅー!ふぅー!」ジィーッ
織莉子「なぜジャムを掬わずにスプーンを凝視しているの、キリカ?」
キリカ「こっ、このまま口に含んでも……!」
織莉子「キリカ、そこに直りなさい」
織莉子「ジャムでどろどろになっているわね」
キリカ「これがわたしなりの紅茶の楽しみ方だ!」ズズ
織莉子「そんなにおいしいものなのかしら……ちょっと、気になってきたわね」
キリカ「ああ、それじゃちょっと待ってね」パク
織莉子「?」
キリカ「はい、織莉子専用スプーン」スッ
織莉子「あら、ありがとうキリカ」ギュッ パクッ
キリカ「っ!?」
織莉子「ふふ、キリカが咥えたスプーンってだけでとても甘いわ」
キリカ「そ、それは反則だろう織莉子……」
織莉子「寝る前に歯を磨かないとね」
キリカ「虫歯になったらたまらないからね」
織莉子「ええと、今回はどっちだったかしら?」
キリカ「織莉子のはこっちだよ」
織莉子「よく覚えているわね、キリカ」
キリカ「そりゃ、毎回しっかり記憶してるからね」
織莉子「そういうわたしも人の事が言えないのがつらいところね……」
織莉子「それじゃ、寝ましょうか……ふわぁぁ」
キリカ「うん……お休み、織莉子……」
織莉子「………!………キリカ」
キリカ「ん……なんだい、織莉子?」
織莉子「たまには、一緒に寝ましょうか?」
キリカ「!」
織莉子「今日は、一日中一緒にいたから……一人で寝るのは、なんだか寂しいわ」
キリカ「……奇遇だね、織莉子。わたしも、だよ」
織莉子「………暗い、わね」
キリカ「なんだ、織莉子は暗かったら眠れないかい?」
織莉子「そんなことはないけれど……」
キリカ「なに、それもあと少しの辛抱……だろう?」
織莉子「………そうね」
ゴォォォ……
キリカ「……………風が、強くなってきたね」
織莉子「そう、ね……」ギュッ
キリカ「! 織莉子……?」
織莉子「………」フルフル
キリカ「何か、怖いモノでも視た?」
織莉子「っ……」フルフル
キリカ「大丈夫。何も、怖い事はない。わたしには織莉子さえいてくれればいいし、織莉子はわたしさえいてくれればいい。……でしょ?」
織莉子「キリ、カ……っ」フルフル
キリカ「……そこは、わたしの名を呼ぶんじゃなくって、わたしの言葉を肯定して欲しかったな」
織莉子「キリカは……わたしの側に、いてくれるの?」フルフル
キリカ「当然。キミがいてくれなきゃ、今のわたしと言う個体に意味は無いからね」
織莉子「………」フルフル
キリカ「織莉子は……どう?」
織莉子「わ、わたしもっ……キリカがいてくれれば、怖いものなんて、ない」
キリカ「ありがとう、織莉子」
織莉子「キリカぁ……!」ギュゥ
キリカ「体の震え、止まったね」
織莉子「っ……」
キリカ「うん。織莉子は、いつもの織莉子で。そんな織莉子が、わたしは一番好きだ」
織莉子「……キリカ、静止」
キリカ「うん」
織莉子「………」
チュッ
キリカ「………。どう?何か怖いモノ、視える?」
織莉子「………いえ。ありがとう、キリカ。わたしも、覚悟が決まったわ」
キリカ「よかった。今日くらいは、安らかに眠りたいね」
織莉子「そう、ね……」
ゴォォォォォォォォ………―――
織莉子「―――……来たわ」
キリカ「そう、か」
織莉子「キリカ……最後の瞬間まで、一緒に……―――」
キリカ「わたしの全ては、織莉子に……―――」
ピシピシッ……パキンッ……―――
ピシピシッ……パキンッ……―――
終わり
61 : 以下、名... - 2012/07/21(土) 21:00:53.86 G6VqZVzb0 40/41うん、なんかごめん
おりキリでまったりとした最期の一日を書きたかっただけなんだ
おまいらおりキリSSもっと書いてください
68 : 以下、名... - 2012/07/21(土) 21:25:29.89 G6VqZVzb0 41/41捕捉説明になっちゃうけど
この時間軸ではおりキリが本格的な行動に出る前にまどか契約
それによって、この二人は世界の終末が来るまで穏やかに過ごしてた感じ
ほむらが敵対意志を見せてないのはそういうこと
杏ゆまは公園で会ったのが初めて
うん、これ以上は脳内補完でお願いします
放送室占拠事件は起きてない
やり直し。